説明

シュミットトリガ回路及びそれを具備する半導体集積回路

【課題】無駄な電流を減少させると共に入出力特性のヒステリシス幅の調整範囲を広くすることが可能なシュミットトリガ回路を提供する。
【解決手段】このシュミットトリガ回路1は、入力信号を反転して出力する第1のインバータ2と、第1のインバータ2の出力信号を反転して出力する第2のインバータ3と、入力信号及び第2のインバータ3の出力信号に基づいて、第1のインバータ2の出力ノードと高電位側の電源電位との間及び/又は第1のインバータ2の出力ノードと低電位側の電源電位との間のインピーダンスを調整するインピーダンス調整回路4とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒステリシス状の入出力特性を有するシュミットトリガ回路に関する。さらに、本発明は、そのようなシュミットトリガ回路を具備する半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路のI/Oセル等において、チャタリング防止や対ノイズ特性改善のために、ヒステリシス状の入出力特性を有するシュミットトリガ回路が広く用いられている。図4は、従来のシュミットトリガ回路の一例を示す図である。このシュミットトリガ回路80は、PチャネルトランジスタQP11〜QP14と、NチャネルトランジスタQN11〜QN14とを含んでいる。
【0003】
トランジスタQP11,QP12,QN12,及び,QN11は、高電位側の電源電位HVDDと低電位側の電源電位(ここでは、接地電位)VSSとの間に直列に接続されている。トランジスタQP11,QP12,QN12,及び,QN11のゲートには、パッド等から入力信号が印加される。
【0004】
トランジスタQP13のソース〜ドレイン経路は、高電位側の電源電位HVDDとノードN22(トランジスタQN11のドレインとトランジスタQN12のソースとの接続点)との間に接続されている。
トランジスタQN13のソース〜ドレイン経路は、接地電位VSSとノードN23(トランジスタQP11のドレインとトランジスタQP12のソースとの接続点)との間に接続されている。
【0005】
トランジスタQP14及びQN14は、高電位側の電源電位HVDDと接地電位VSSとの間に直列に接続されており、CMOSインバータ回路を構成する。トランジスタQP14及びQN14のゲートには、ノードN21(トランジスタQP12のドレインとトランジスタQN12のドレインとの接続点)の電位が印加され、トランジスタQP14及びQN14は、ノードN21の電位を論理反転して出力する。トランジスタQP14及びQN14で構成されるCMOSインバータ回路の出力信号は、トランジスタQP13及びQN13のゲートに印加される。
【0006】
シュミットトリガ回路80においては、トランジスタQP14及びQN14で構成されるCMOSインバータの出力信号に応じて、トランジスタQP13,QN13がオン/オフし、ノードN21と高電位側の電源電位HVDDとの間及び/又はノードN21と接地電位VSSとの間のインピーダンスが変化する。これにより、シュミットトリガ回路80のヒステリシス状の入出力特性が実現される。
【0007】
ところで、入力信号がローレベル且つシュミットトリガ回路80が定常状態である場合、トランジスタQP11,QP12,QP13,QN14がオン状態、トランジスタQN11,QN12,QN13,QP14がオフ状態である。このとき、シュミットトリガ回路80内に無駄な電流が流れることはない。しかし、入力信号の電位がローレベルからハイレベルに向かって変化して行く過渡状態において、トランジスタQP13とトランジスタQN11が共にオン状態になり、高電位側の電源電位HVDD〜トランジスタQP13〜トランジスタQN11〜接地電位VSSの経路に無駄な電流が流れてしまう。
【0008】
また、入力信号がハイレベル且つシュミットトリガ回路80が定常状態である場合、トランジスタQN11,QN12,QN13,QP14がオン状態、トランジスタQP11,QP12,QP13,QN14がオフ状態である。このとき、シュミットトリガ回路80内に無駄な電流が流れることはない。しかし、入力信号の電位がハイレベルからローレベルに向かって変化して行く過渡状態において、トランジスタQN13とトランジスタQP11が共にオン状態になり、高電位側の電源電位HVDD〜トランジスタQP11〜トランジスタQN13〜接地電位VSSの経路に無駄な電流が流れてしまう。
【0009】
このような無駄な電流を低減する対策として、(A)トランジスタQP13及び/又はQN13のディメンジョン(トランジスタの全体及び/又は各部(チャネル幅、チャネル長等)のサイズ)を変更すること、(B)トランジスタQP13のソースと高電位側の電源電位HVDDとの間及び/又はトランジスタQN13のソースと接地電位VSSとの間に抵抗素子を挿入すること、が考えられる。しかしながら、これらの対策を実施すると、シュミットトリガ回路80の入出力特性のヒステリシス幅が狭くなってしまうこととなる。すなわち、シュミットトリガ回路80においては、無駄な電流を低減しようとすると入出力特性のヒステリシス幅が狭くなってしまい、入出力特性のヒステリシス幅を広くしようとすると無駄な電流が多くなってしまうこととなる。
【0010】
ところで、上記した対策(A),(B)によらずに無駄な電流を低減することが可能なシュミットトリガ回路が知られている(例えば、下記の特許文献1参照)。図5は、このようなシュミットトリガ回路の一例を示す図(下記の特許文献1の図5に相当)である。
【0011】
図5において、CMOSインバータ10は、第1のPMOSトランジスタMP1と第1のNMOSトランジスタMN1とから構成されている。両トランジスタMP1,MN1のゲートは入力端子P1に接続され、信号入力電圧VINが印加される。又、両トランジスタMP1,MN1のドレインを結ぶノードN1には、出力端子P2が接続され、該出力端子P2から信号出力電圧VOUT が出力される。第1のNMOSトランジスタMN1のソースは、第2のNMOSトランジスタMN2のドレインに接続されている。第2のNMOSトランジスタMN2のソースは、グランド電源配線L2に接続されている。又、第2のNMOSトランジスタMN2のゲートは、入力端子P1に接続され、信号入力電圧VINが印加される。
【0012】
第1のNMOSトランジスタMN1のソースと第2のNMOSトランジスタMN2のドレインとの間にあるノードN2には、第3のNMOSトランジスタMN3のドレインが接続されている。第3のNMOSトランジスタMN3のソースはグランド電源配線L2に接続されている。又、第3のNMOSトランジスタMN3のゲートには、インバータ11からの制御電圧VCTが印加されるようになっている。
【0013】
第1のPMOSトランジスタMP1のソースは、第2のPMOSトランジスタMP2のドレインに接続されている。第2のPMOSトランジスタMP2のソースは、プラス電源配線L1に接続されている。又、第2のPMOSトランジスタMP2のゲートは、入力端子P1に接続され、信号入力電圧VINが印加される。
【0014】
第1のPMOSトランジスタMP1のソースと第2のPMOSトランジスタMP2のドレインとの間にあるノードN3には、第3のPMOSトランジスタMP3のドレインが接続されている。第3のPMOSトランジスタMP3のソースはプラス電源配線L1に接続されている。又、第3のPMOSトランジスタMP3のゲートには、インバータ11から出力される制御電圧VCTが印加されるようになっている。
【0015】
このシュミットトリガ回路において、信号入力電圧VINがLレベルのとき、第1及び第2のPMOSトランジスタMP1,MP2はオン、第1及び第2のNMOSトランジスタMN1,MN2はオフしている。従って、ノードN1のノード電圧はHレベル、即ち信号出力電圧VOUT はHレベルとなり、制御電圧VCTはLレベルとなっている。又、制御信号VCTがLレベルであることから、第3のPMOSトランジスタMP3はオンし、第3のNMOSトランジスタMN3はオフしている。信号入力電圧VINがLレベルからHレベルに変化すると、第1及び第2のNMOSトランジスタMN1,MN2がオンして信号出力電圧VOUT はHレベルからLレベルに立ち下がる。この時、制御電圧VCTはLレベルからHレベルに立ち上がり、第3のPMOSトランジスタMP3はオンからオフ、第3のNMOSトランジスタMN3はオフからオンの状態になる。
【0016】
そして、信号出力電圧VOUT がHレベルからLレベルに立ち下がり始める時の信号入力電圧VINの電圧VLHは、以下のようになる。つまり、信号出力電圧VOUT がHレベルからLレベルに立ち下がるまで、第3のPMOSトランジスタMP3がオン状態にあり、第3のNMOSトランジスタMN2がオフ状態にある。従って、電圧VLHは、第3のNMOSトランジスタMN3を除く5個のMOSトランジスタMP1,MP2,MP3,MN1,MN2のオン抵抗の比で決まる。そして、この電圧VLHを信号入力電圧VINがLレベルからHレベルに変化すると時の、該シュミットトリガ回路のスレッショルド電圧VLH3 とする。詳述すると、第1のNMOSトランジスタMN1のオン抵抗をRn1、第2のNMOSトランジスタMN2のオン抵抗をRn2、第1のPMOSトランジスタMP1のオン抵抗をRp1、第2のPMOSトランジスタMP2のオン抵抗をRp2、第3のPMOSトランジスタMP3のオン抵抗をRp3、とすると、スレッショルド電圧VLH3は、
VLH3 =(Rn1+Rn2)VDD/(Rp1+Rn1+Rn2+Ry ) ・・・(1)
となる。ただし、Ry =Rp2・Rp3/(Rp2+Rp3)である。
【0017】
信号入力電圧VINがHレベルのとき、第1及び第2のPMOSトランジスタMP1,MP2はオフ、第1及び第2のNMOSトランジスタMN1,MN2はオンしている。従って、ノードN1のノード電圧はLレベル、即ち信号出力電圧VOUT はLレベルとなり、制御電圧VCTはHレベルである。従って、制御電圧VCTがHレベルであることから、第3のPMOSトランジスタMP3はオフ、第3のNMOSトランジスタMN3はオン状態にある。信号入力電圧VINがHレベルからLレベルに変化すると、1及び第2のPMOSトランジスタMP1,MP2がオンして信号出力電圧VOUT はLレベルからHレベルに立ち上がる。この時、制御電圧VCTはHレベルからLレベルに立ち下がり、第3のPMOSトランジスタMP3はオフからオン、第3のNMOSトランジスタMN3はオンからオフの状態になる。そして、信号出力電圧VOUT がLレベルからHレベルに立ち上がり始める時の信号入力電圧VINの電圧VHLは、以下のようになる。つまり、信号出力電圧VOUT がLレベルからHレベルに立ち上がるまで、第3のPMOSトランジスタMP3がオフ状態にあり、第3のNMOSトランジスタMN3がオン状態にある。従って、電圧VHLは、第3のPMOSトランジスタMP3を除く5個のMOSトランジスタMP1,MP2,MN1,MN2,MN3のオン抵抗の比で決まる。そして、この電圧VHLを信号入力電圧VINがHレベルからLレベルに変化する時の、該シュミットトリガ回路のスレッショルド電圧VHL3 とする。
【0018】
詳述すると、第1のNMOSトランジスタMN1のオン抵抗をRn1、第2のNMOSトランジスタMN2のオン抵抗をRn2、第3のNMOSトランジスタMN3のオン抵抗をRn3、第1のPMOSトランジスタMP1のオン抵抗をRp1、第2のPMOSトランジスタMP2のオン抵抗をRp2、とすると、スレッショルド電圧VHL3は、
VHL3 =(Rn1+Rx )VDD/(Rp1+Rp2+Rn1+Rx ) ・・・(2)
となる。ただし、Rx =Rn2・Rn3/(Rn2+Rn3)である。
【0019】
このシュミットトリガ回路においては、先に説明したシュミットトリガ回路80のように無駄な電流が流れることがない。
また、トランジスタMP1〜MP3,MN1〜MN3のオン抵抗Rp1,Rp2,Rp3,Rn1,Rn2,Rn3の大きさは、トランジスタのチャネル幅、チャネル長を適宜変更することに変更できる。従って、スレッショルド電圧VHL3 ,VLH3 を使用目的に応じて変更することができる。
【0020】
しかしながら、このシュミットトリガ回路においては、ノードN1と高電位側の電源電位VDDとの間及び/又はノードN1と接地電位VSSとの間のインピーダンスが、トランジスタMP1のオン抵抗Rp1及び/又はトランジスタMN1のオン抵抗Rn1に大きく支配されている。また、このシュミットトリガ回路全体が正しく動作するためには、トランジスタMP1のオン抵抗Rp1及び/又はトランジスタMN1のオン抵抗Rn1を他のトランジスタのオン抵抗と大きく異なるようにすることが難しい。従って、ノードN1と高電位側の電源電位VDDとの間及び/又はノードN1と接地電位VSSとの間のインピーダンスの調整範囲が狭い、すなわち、入出力特性のヒステリシス幅の調整範囲が狭いという問題があった。
【0021】
【特許文献1】特開平10−163826号公報(第7〜9頁、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、無駄な電流を減少させると共に入出力特性のヒステリシス幅の調整範囲を広くすることが可能なシュミットトリガ回路を提供することを目的とする。また、本発明はそのようなシュミットトリガ回路を具備する半導体集積回路を提供することを更なる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
以上の課題を解決するため、本発明に係るシュミットトリガ回路は、入力信号を反転して出力する第1のインバータと、第1のインバータの出力信号を反転して出力する第2のインバータと、入力信号及び第2のインバータの出力信号に基づいて、第1のインバータの出力ノードと高電位側の電源電位との間及び/又は第1のインバータの出力ノードと低電位側の電源電位との間のインピーダンスを調整するインピーダンス調整回路とを具備する。
【0024】
このシュミットトリガ回路において、第1のインバータが、高電位側の電源電位と低電位側の電源電位との間に直列に接続された第1のPチャネルトランジスタ及び第1のNチャネルトランジスタを含むCMOSインバータであり、第2のインバータが、高電位側の電源電位と低電位側の電源電位との間に直列に接続された第2のPチャネルトランジスタ及び第2のNチャネルトランジスタを含むCMOSインバータであることとしても良い。
【0025】
また、インピーダンス調整回路が、高電位側の電源電位と第1のインバータの出力ノードとの間に直列に接続された第3〜第4のPチャネルトランジスタを含み、第3のPチャネルトランジスタのゲートに第2のインバータの出力信号が印加され、第4のPチャネルトランジスタのゲートに入力信号が印加されることとしても良い。
【0026】
また、インピーダンス調整回路が、低電位側の電源電位と第1のインバータの出力ノードとの間に直列に接続された第3〜第4のNチャネルトランジスタを含み、第3のNチャネルトランジスタのゲートに第2のインバータの出力信号が印加され、第4のNチャネルトランジスタのゲートに入力信号が印加されることとしても良い。
【0027】
また、第1のPチャネルトランジスタ及び/又は第1のNチャネルトランジスタのオン抵抗が、第3〜第4のPチャネルトランジスタ及び/又は第3〜第4のNチャネルトランジスタのオン抵抗よりも大きいこととしても良い。
【0028】
また、第1のPチャネルトランジスタのディメンジョンが、第3〜第4のPチャネルトランジスタのディメンジョンと異なっており、第1のNチャネルトランジスタのディメンジョンが、第3〜第4のNチャネルトランジスタのディメンジョンと異なっていることとしても良い。また、第1のPチャネルトランジスタのチャネル長及び/又はチャネル幅が、第3〜第4のPチャネルトランジスタのチャネル長及び/又はチャネル幅と異なっており、第1のNチャネルトランジスタのチャネル長及び/又はチャネル幅が、第3〜第4のNチャネルトランジスタのチャネル長及び/又はチャネル幅と異なっていることとしても良い。
【0029】
また、本発明に係る半導体集積回路は、本発明に係るシュミットトリガ回路を具備する。
【0030】
この半導体集積回路において、所定の第1の耐圧を有する素子が配置されている第1の素子配置領域及び/又は第1の耐圧よりも低い所定の第2の耐圧を有する素子が配置されている第2の素子配置領域を有する入力及び/又は入出力セルを有しており、第1の素子配置領域が、入力バッファ配置領域を有しており、入力バッファ配置領域が、プルアップ及び/又はプルダウントランジスタ配置領域を有しており、第1のPチャネルトランジスタ及び/又は第1のNチャネルトランジスタが、プルアップ及び/又はプルダウン素子配置領域に配置されているトランジスタであり、第2〜第4のPチャネルトランジスタ及び/又は第2〜第4のNチャネルトランジスタが、第2の素子配置領域、及び/又は、入力バッファ配置領域内且つプルアップ及び/又はプルダウン素子配置領域外の領域に配置されているトランジスタであることとしても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一の構成要素については、同一の参照番号で示している。
図1は、本発明の一実施形態に係るシュミットトリガ回路の回路構成の概要を示す図である。このシュミットトリガ回路1は、第1及び第2のインバータ2,3と、インピーダンス調整回路4とを含んでいる。
【0032】
第1及び第2のインバータ2,3は、CMOSインバータである。第1のインバータ2は、高電位側の電源電位HVDDと低電位側の電源電位(ここでは、接地電位)VSSとの間に直列に接続された第1のPチャネルMOSトランジスタQP1及び第1のNチャネルMOSトランジスタQN1を含んでいる。トランジスタQP1,QN1のゲートには、入力信号がパッド等から印加される。
【0033】
第2のインバータ3は、高電位側の電源電位HVDDと接地電位VSSとの間に直列に接続された第2のPチャネルMOSトランジスタQP2及び第2のNチャネルMOSトランジスタQN2を含んでいる。トランジスタQP2,QN2のゲートには、第1のインバータ2の出力信号が印加され、第2のインバータ3は、第1のインバータ2の出力信号を論理反転して出力する。
【0034】
インピーダンス調整回路4は、高電位側の電源電位HVDDと第1のインバータ2の出力ノードN11(ここでは、トランジスタQP1のドレインとトランジスタQN1のドレインとの接続点)との間に直列に接続された第3及び第4のPチャネルMOSトランジスタQP3,QP4と、接地電位VSSと第1のインバータ2の出力ノードN11との間に直列に接続された第3及び第4のNチャネルMOSトランジスタQN3,QN4とを含んでいる。トランジスタQP3,QN3のゲートには、第2のインバータ3の出力信号が印加され、トランジスタQP4,QN4のゲートには、入力信号が印加される。
【0035】
次に、シュミットトリガ回路1の動作について説明する。
入力信号がローレベル且つシュミットトリガ回路1が定常状態であるとき、トランジスタQP1はオン状態であり、トランジスタQN1はオフ状態であり、第1のインバータ2の出力信号はハイレベルである。第1のインバータ2の出力信号がハイレベルであるため、トランジスタQP2はオフ状態であり、トランジスタQN2はオン状態であり、第2のインバータ3の出力信号はローレベルである。第2のインバータ3の出力信号がローレベルであるため、トランジスタQP3はオン状態であり、トランジスタQN3はオフ状態である。また、入力信号がローレベルであるため、トランジスタQP4はオン状態であり、トランジスタQN4はオフ状態である。
【0036】
ここで、入力信号がローレベルからハイレベルに変化して行く過渡状態において、高電位側の電源電位HVDDとノードN11との間のインピーダンスRPLは、トランジスタQP1のオン抵抗をRQP1、トランジスタQP3のオン抵抗をRQP3、トランジスタQP4のオン抵抗をRQP4とすると、
PL=RQP1(RQP3+RQP4)/(RQP1+RQP3+RQP4) …(3)
となる。
また、ノードN11と接地電位VSSとの間のインピーダンスRNLは、トランジスタQN1のオン抵抗をRQN1とすると、
NL=RQN1 …(4)
となる。
【0037】
ここで、
QP1>RQP3+RQP4 …(5)
QN1>RQN3+RQN4 …(6)
であれば、
NL>RPL …(7)
となり、入力信号のスレッショルド電位は、HVDD/2よりも高電位側にシフトすることとなる。
なお、(3)式においては、RQP3,RQP4が支配的である。
【0038】
次に、入力信号がハイレベル且つシュミットトリガ回路1が定常状態であるとき、トランジスタQP1はオフ状態であり、トランジスタQN1はオン状態であり、第1のインバータ2の出力信号はローレベルである。第1のインバータ2の出力信号がローレベルであるため、トランジスタQP2はオン状態であり、トランジスタQN2はオフ状態であり、第2のインバータ3の出力信号はハイレベルである。第2のインバータ3の出力信号がハイレベルであるため、トランジスタQP3はオフ状態であり、トランジスタQN3はオン状態である。また、入力信号がハイレベルであるため、トランジスタQP4はオフ状態であり、トランジスタQN4はオン状態である。
【0039】
ここで、入力信号がハイレベルからローレベルに変化して行く過渡状態において、高電位側の電源電位HVDDとノードN11との間のインピーダンスRPHは、トランジスタQP1のオン抵抗をRQP1とすると、
PH=RQP1 …(8)
となる。
また、ノードN11と接地電位VSSとの間のインピーダンスRNHは、トランジスタQN1のオン抵抗をRQN1、トランジスタQN3のオン抵抗をRQN3、トランジスタQN4のオン抵抗をRQN4とすると、
NH=RQN1(RQN3+RQN4)/(RQN1+RQN3+RQN4) …(9)
となる。
【0040】
ここで、先に説明した(5),(6)式が満たされていれば、
PH>RNH …(10)
となり、入力信号のスレッショルド電位は、HVDD/2よりも低電位側にシフトすることとなる。
なお、(9)式においては、RQN3,RQN4が支配的である。
【0041】
以上のように、シュミットトリガ回路1によれば、ヒステリシス状の入出力特性を実現することができる。また、シュミットトリガ回路1においては、先に説明した従来のシュミットトリガ回路80(図4参照)のように無駄な電流が流れることがない。
【0042】
なお、シュミットトリガ回路1において、(5),(6)式を実現するための一例として、トランジスタQP1,QN1のディメンジョン(トランジスタの全体及び/又は各部(チャネル幅、チャネル長等)のサイズ))をトランジスタQP3〜QP4,QN3〜QN4のディメンジョンと異なるようにすれば良い。例えば、トランジスタQP1,QN1のチャネル幅をトランジスタQP3〜QP4,QN3〜QN4のチャネル幅より狭くすることとしたり、トランジスタQP1,QN1のチャネル長をトランジスタQP3〜QP4,QN3〜QN4のチャネル長より長くすることとすれば良い。また、一例として、トランジスタQP1,QN1のオン抵抗を50kΩ程度とし、トランジスタQP3,QP4,QN3,QN4のオン抵抗を数kΩ程度とすることができる。
【0043】
先に説明した従来のシュミットトリガ回路(図5参照)においても、トランジスタのチャネル幅、チャネル長を適宜変更することで入力信号のスレッショルド電圧を変更することができるが、ノードN1と高電位側の電源電位VDDとの間及び/又はノードN1と接地電位VSSとの間のインピーダンスの調整範囲が狭く、入出力特性のヒステリシス幅の調整範囲が狭い。
【0044】
一方、シュミットトリガ回路1においては、トランジスタQP1,QN1のオン抵抗のバランスがとれており、且つ、トランジスタQP3,QP4,QN3,QN4のオン抵抗のバランスがとれていれば良い。従って、トランジスタQP1,QN1のオン抵抗をトランジスタQP3,QP4,QN3,QN4のオン抵抗よりも非常に大きくすることが可能である。すなわち、シュミットトリガ回路1においては、ノードN11と高電位側の電源電位HVDDとの間及び/又はノードN11と接地電位VSSとの間のインピーダンスの調整範囲を広くすることができ、入出力特性のヒステリシス幅の調整範囲を広くすることができる。
【0045】
次に、シュミットトリガ回路1を用いたI/Oセルについて説明する。図2は、シュミットトリガ回路1を用いたI/Oセルのレイアウトの一例を示す図である。
図2に示すように、このI/Oセル20は、第1のスロット30と、第2のスロット40とを含んでいる。第1のスロット30は、チップ内部の信号をチップ外部に出力するための出力スロットであり、第2のスロット40は、チップ外部の信号を受け取ってチップ内部に供給するための入力スロットである。第1,第2のスロット30,40は、低い耐圧を有する低耐圧素子を配置するための低耐圧素子配置領域と、高い耐圧を有する高耐圧素子を配置するための高耐圧素子配置領域とをそれぞれ有している。
【0046】
第1のスロット30は、低耐圧素子配置領域内にファンクションプリドライバ配置領域31を有しており、高耐圧素子配置領域内にプリドライバ配置領域32と、Pチャネルドライバ配置領域33と、Nチャネルドライバ配置領域34とを有している。ファンクションプリドライバ配置領域31は、Nチャネルトランジスタ配置領域31aと、Pチャネルトランジスタ配置領域31bとを有している。プリドライバ配置領域32は、Pチャネルトランジスタ配置領域32aと、Nチャネルトランジスタ配置領域32bと、プルダウントランジスタ配置領域32cと、プルアップトランジスタ配置領域32dとを有している。
【0047】
プルダウントランジスタ配置領域32cは、Nチャネルトランジスタ配置領域32b内に配置されているNチャネルトランジスタよりもオン抵抗が大きいプルダウン用のNチャネルトランジスタが配置されている領域である。例えば、Nチャネルトランジスタ配置領域32b内に配置されているNチャネルトランジスタのオン抵抗を数kΩ程度とすることができ、プルダウントランジスタ配置領域32c内に配置されているNチャネルトランジスタのオン抵抗を50kΩ程度とすることができる。
【0048】
プルアップトランジスタ配置領域32dは、Pチャネルトランジスタ配置領域32a内に配置されているPチャネルトランジスタよりもオン抵抗が大きいプルアップ用のPチャネルトランジスタが配置されている領域である。例えば、Pチャネルトランジスタ配置領域32a内に配置されているPチャネルトランジスタのオン抵抗を数kΩ程度とすることができ、プルアップトランジスタ配置領域32d内に配置されているPチャネルトランジスタのオン抵抗を50kΩ程度とすることができる。
【0049】
Pチャネルドライバ配置領域33は、ドライバ用のPチャネルトランジスタが配置されている領域であり、Nチャネルドライバ配置領域34は、ドライバ用のNチャネルトランジスタが配置されている領域である。
【0050】
第2のスロット40は、低耐圧素子配置領域内にNチャネルトランジスタ配置領域41aと、Pチャネルトランジスタ配置領域41bとを有しており、高耐圧素子配置領域内に入力バッファ配置領域42と、Pチャネルドライバ配置領域43と、Nチャネルドライバ配置領域44とを有している。入力バッファ配置領域42は、Pチャネルトランジスタ配置領域42aと、Nチャネルトランジスタ配置領域42bと、プルダウントランジスタ配置領域42cと、プルアップトランジスタ配置領域42dとを有している。
【0051】
プルダウントランジスタ配置領域42cは、Nチャネルトランジスタ配置領域42b内に配置されているNチャネルトランジスタよりもオン抵抗が大きいプルダウン用のNチャネルトランジスタが配置されている領域である。例えば、Nチャネルトランジスタ配置領域42b内に配置されているNチャネルトランジスタのオン抵抗を数kΩ程度とすることができ、プルダウントランジスタ配置領域42c内に配置されているNチャネルトランジスタのオン抵抗を50kΩ程度とすることができる。
【0052】
プルアップトランジスタ配置領域42dは、Pチャネルトランジスタ配置領域42a内に配置されているPチャネルトランジスタよりもオン抵抗が大きいプルアップ用のPチャネルトランジスタが配置されている領域である。例えば、Pチャネルトランジスタ配置領域42a内に配置されているPチャネルトランジスタのオン抵抗を数kΩ程度とすることができ、プルアップトランジスタ配置領域42d内に配置されているPチャネルトランジスタのオン抵抗を50kΩ程度とすることができる。
【0053】
Pチャネルドライバ配置領域43は、ドライバ用のPチャネルトランジスタが配置されている領域であり、Nチャネルドライバ配置領域44は、ドライバ用のNチャネルトランジスタが配置されている領域である。
【0054】
シュミットトリガ回路1(図1参照)のPチャネルトランジスタQP2〜QP4として、Pチャネルトランジスタ配置領域41b及び/又はPチャネルトランジスタ配置領域42a内に配置されているPチャネルトランジスタを用い、NチャネルトランジスタQN2〜QN4としてNチャネルトランジスタ配置領域41a及び/又はNチャネルトランジスタ配置領域42c内に配置されているNチャネルトランジスタを用いると好適である。そして、シュミットトリガ回路1のPチャネルトランジスタQP1として、プルアップトランジスタ配置領域42d内に配置されているPチャネルトランジスタを用い、NチャネルトランジスタQN1として、プルダウントランジスタ配置領域42c内に配置されているNチャネルトランジスタを用いると好適である。このようにすれば、先に説明した(5)、(6)式を満たすことができ、(7)、(10)式に示すように入力信号のスレッショルド電位をシフトすることができ、ヒステリシス状の入出力特性を実現することができる。
【0055】
なお、一般に、図2に示すようなI/Oセルにおいては、ESD(electro static discharge)保護のために、Nチャネルドライバ配置領域34,44内のNチャネルトランジスタのゲートのバイアス電位をチップ基板電位とすることで常時オフ状態のNチャネルトランジスタを設け、この常時オフ状態のNチャネルトランジスタをESD保護素子として利用することが多い。しかしながら、より微細な半導体集積回路においては、ESD保護専用の素子を配置することが望ましい。図3は、このようなI/Oセルのレイアウトの一例を示す図である。
【0056】
図3に示すように、このI/Oセル50は、第1のスロット60と、第2のスロット70とを含んでいる。第1のスロット60は、チップ内部の信号をチップ外部に出力するための出力スロットであり、第2のスロット70は、チップ外部の信号を受け取ってチップ内部に供給するための入力スロットである。第1,第2のスロット60,70は、低い耐圧を有する低耐圧素子を配置するための低耐圧素子配置領域と、高い耐圧を有する高耐圧素子を配置するための高耐圧素子配置領域とをそれぞれ有している。
【0057】
第1のスロット60は、低耐圧素子配置領域内にファンクションプリドライバ配置領域61を有しており、高耐圧素子配置領域内にプリドライバ配置領域62と、Pチャネルドライバ配置領域63と、Nチャネルドライバ配置領域64と、ESD保護素子配置領域65とを有している。ファンクションプリドライバ配置領域61は、Nチャネルトランジスタ配置領域61aと、Pチャネルトランジスタ配置領域61bとを有している。プリドライバ配置領域62は、Pチャネルトランジスタ配置領域62aと、Nチャネルトランジスタ配置領域62bと、プルダウントランジスタ配置領域62cと、プルアップトランジスタ配置領域62dとを有している。
【0058】
プルダウントランジスタ配置領域62cは、Nチャネルトランジスタ配置領域62b内に配置されているNチャネルトランジスタよりもオン抵抗が大きいプルダウン用のNチャネルトランジスタが配置されている領域である。例えば、Nチャネルトランジスタ配置領域62b内に配置されているNチャネルトランジスタのオン抵抗は数kΩ程度とすることができ、プルダウントランジスタ配置領域62c内に配置されているNチャネルトランジスタのオン抵抗は50kΩ程度とすることができる。
【0059】
プルアップトランジスタ配置領域62dは、Pチャネルトランジスタ配置領域62a内に配置されているPチャネルトランジスタよりもオン抵抗が大きいプルアップ用のPチャネルトランジスタが配置されている領域である。例えば、Pチャネルトランジスタ配置領域62a内に配置されているPチャネルトランジスタのオン抵抗を数kΩ程度とすることができ、プルアップトランジスタ配置領域62d内に配置されているPチャネルトランジスタのオン抵抗を50kΩ程度とすることができる。
【0060】
Pチャネルドライバ配置領域63は、ドライバ用のPチャネルトランジスタが配置されている領域であり、Nチャネルドライバ配置領域64は、ドライバ用のNチャネルトランジスタが配置されている領域である。ESD保護素子配置領域65は、ESD保護素子(例えば、ツェナーダイオード等)が配置されている領域である。
【0061】
第2のスロット70は、低耐圧素子配置領域内にNチャネルトランジスタ配置領域71aと、Pチャネルトランジスタ配置領域71bとを有しており、高耐圧素子配置領域内に入力バッファ配置領域72と、Pチャネルドライバ配置領域73と、Nチャネルドライバ配置領域74と、ESD保護素子配置領域75とを有している。入力バッファ配置領域72は、Pチャネルトランジスタ配置領域72aと、Nチャネルトランジスタ配置領域72bと、プルダウントランジスタ配置領域72cと、プルアップトランジスタ配置領域72dとを有している。
【0062】
プルダウントランジスタ配置領域72cは、Nチャネルトランジスタ配置領域72b内に配置されているNチャネルトランジスタよりもオン抵抗が大きいプルダウン用のNチャネルトランジスタを配置するための領域である。例えば、Nチャネルトランジスタ配置領域72b内に配置されているNチャネルトランジスタのオン抵抗を数kΩ程度とすることができ、プルダウントランジスタ配置領域72c内に配置されているNチャネルトランジスタのオン抵抗を50kΩ程度とすることができる。
【0063】
プルアップトランジスタ配置領域72dは、Pチャネルトランジスタ配置領域72a内に配置されているPチャネルトランジスタよりもオン抵抗が大きいプルアップ用のPチャネルトランジスタを配置するための領域である。例えば、Pチャネルトランジスタ配置領域72a内に配置されているPチャネルトランジスタのオン抵抗を数kΩ程度とすることができ、プルアップトランジスタ配置領域72d内に配置されているPチャネルトランジスタのオン抵抗を50kΩ程度とすることができる。
【0064】
Pチャネルドライバ配置領域73は、ドライバ用のPチャネルトランジスタが配置されている領域であり、Nチャネルドライバ配置領域74は、ドライバ用のNチャネルトランジスタが配置されている領域である。ESD保護素子配置領域75は、ESD保護素子(ツェナーダイオード等)が配置されている領域である。
【0065】
シュミットトリガ回路1(図1参照)のPチャネルトランジスタQP2〜QP4として、Pチャネルトランジスタ配置領域71b及び/又はPチャネルトランジスタ配置領域72a内に配置されているPチャネルトランジスタを用い、NチャネルトランジスタQN2〜QN4としてNチャネルトランジスタ配置領域71a及び/又はNチャネルトランジスタ配置領域72c内に配置されているNチャネルトランジスタを用いると好適である。そして、シュミットトリガ回路1のPチャネルトランジスタQP1として、プルアップトランジスタ配置領域72d内に配置されているPチャネルトランジスタを用い、NチャネルトランジスタQN1として、プルダウントランジスタ配置領域72c内に配置されているNチャネルトランジスタを用いることができる。このようにすれば、先に説明した(5)、(6)式を満たすことができ、(7)、(10)式に示すように入力信号のスレッショルド電位をシフトすることができ、ヒステリシス状の入出力特性を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、ヒステリシス状の入出力特性を有するシュミットトリガ回路において利用可能である。このシュミットトリガ回路は、半導体集積回路のI/Oセル等に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施形態に係るシュミットトリガ回路の回路の概要を示す図。
【図2】図1のシュミットトリガ回路を用いたI/Oセルのレイアウト例を示す図。
【図3】図1のシュミットトリガ回路を用いたI/Oセルのレイアウト例を示す図。
【図4】従来のシュミットトリガ回路を示す図。
【図5】従来のシュミットトリガ回路を示す図。
【符号の説明】
【0068】
1,80 シュミットトリガ回路、 2,3,10,11 インバータ、 4 インピーダンス調整回路、、 20,50 I/Oセル、 30,40,60,70 スロット、 31,61 ファンクションプリドライバ配置領域、 31a,41a,61a,71a Nチャネルトランジスタ配置領域、 31b,41b,61b,71b Pチャネルトランジスタ配置領域、 32,62 プリドライバ配置領域、 32a,42a,62a,72a Pチャネルトランジスタ配置領域、 32b,42b,62b,72b Nチャネルトランジスタ配置領域、 32c,42c,62c,72c プルダウントランジスタ配置領域、 32d,42d,62d,72d プルアップトランジスタ配置領域、 33,43,63,73 Pチャネルドライバ配置領域、 34,44,64,74 Nチャネルドライバ配置領域、 42,72 入力バッファ配置領域、 65,75 ESD保護素子配置領域、 QP1,QP2,… Pチャネルトランジスタ、 QN1,QN2,… Nチャネルトランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を反転して出力する第1のインバータと、
前記第1のインバータの出力信号を反転して出力する第2のインバータと、
前記入力信号及び前記第2のインバータの出力信号に基づいて、前記第1のインバータの出力ノードと高電位側の電源電位との間及び/又は前記第1のインバータの出力ノードと低電位側の電源電位との間のインピーダンスを調整するインピーダンス調整回路と、
を具備する、シュミットトリガ回路。
【請求項2】
前記第1のインバータが、高電位側の電源電位と低電位側の電源電位との間に直列に接続された第1のPチャネルトランジスタ及び第1のNチャネルトランジスタを含むCMOSインバータであり、
前記第2のインバータが、高電位側の電源電位と低電位側の電源電位との間に直列に接続された第2のPチャネルトランジスタ及び第2のNチャネルトランジスタを含むCMOSインバータである、請求項1記載のシュミットトリガ回路。
【請求項3】
前記インピーダンス調整回路が、高電位側の電源電位と前記第1のインバータの出力ノードとの間に直列に接続された第3〜第4のPチャネルトランジスタを含み、
前記第3のPチャネルトランジスタのゲートに前記第2のインバータの出力信号が印加され、前記第4のPチャネルトランジスタのゲートに前記入力信号が印加される、請求項1又は2記載のシュミットトリガ回路。
【請求項4】
前記インピーダンス調整回路が、低電位側の電源電位と前記第1のインバータの出力ノードとの間に直列に接続された第3〜第4のNチャネルトランジスタを含み、
前記第3のNチャネルトランジスタのゲートに前記第2のインバータの出力信号が印加され、前記第4のNチャネルトランジスタのゲートに前記入力信号が印加される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシュミットトリガ回路。
【請求項5】
前記第1のPチャネルトランジスタ及び/又は前記第1のNチャネルトランジスタのオン抵抗が、前記第3〜第4のPチャネルトランジスタ及び/又は前記第3〜第4のNチャネルトランジスタのオン抵抗よりも大きい、請求項3又は4記載のシュミットトリガ回路。
【請求項6】
前記第1のPチャネルトランジスタのディメンジョンが、前記第3〜第4のPチャネルトランジスタのディメンジョンと異なっており、
前記第1のNチャネルトランジスタのディメンジョンが、前記第3〜第4のNチャネルトランジスタのディメンジョンと異なっている、請求項5記載のシュミットトリガ回路。
【請求項7】
前記第1のPチャネルトランジスタのチャネル長及び/又はチャネル幅が、前記第3〜第4のPチャネルトランジスタのチャネル長及び/又はチャネル幅と異なっており、
前記第1のNチャネルトランジスタのチャネル長及び/又はチャネル幅が、前記第3〜第4のNチャネルトランジスタのチャネル長及び/又はチャネル幅と異なっている、請求項6記載のシュミットトリガ回路。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のシュミットトリガ回路を具備する半導体集積回路。
【請求項9】
所定の第1の耐圧を有する素子が配置されている第1の素子配置領域及び/又は前記第1の耐圧よりも低い所定の第2の耐圧を有する素子が配置されている第2の素子配置領域を有する入力及び/又は入出力セルを有しており、
前記第1の素子配置領域が、入力バッファ配置領域を有しており、
前記入力バッファ配置領域が、プルアップ及び/又はプルダウントランジスタ配置領域を有しており、
前記第1のPチャネルトランジスタ及び/又は前記第1のNチャネルトランジスタが、前記プルアップ及び/又はプルダウン素子配置領域に配置されているトランジスタであり、
前記第2〜第4のPチャネルトランジスタ及び/又は前記第2〜第4のNチャネルトランジスタが、前記第2の素子配置領域、及び/又は、前記入力バッファ配置領域内且つ前記プルアップ及び/又はプルダウン素子配置領域外の領域に配置されているトランジスタである、請求項8記載の半導体集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−243810(P2007−243810A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−66004(P2006−66004)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】