説明

シリコン基板表面の洗浄方法

本発明は、表面が酸化ケイ素の層で覆われているシリコン基板の表面の洗浄方法を提供する。この方法は、上記表面をフッ素化ガスから発生させた高周波プラズマに60秒〜900秒からなる時間暴露させ、上記プラズマによって発生させた出力密度が10mW/cm2〜350mW/cm2からなり、上記フッ素化ガスの圧力が1.333Pa〜26.664Pa (10ミリトール〜200ミリトール)からなり、そして、上記シリコン基板の温度が300℃以下であるステップa);および、上記表面を水素高周波プラズマに5秒〜120秒からなる時間暴露させ、出力密度が10mW/cm2〜350mW/cm2からなり、水素圧が1.333Pa〜133.322Pa (10ミリトール〜1トール)からなり、そして、上記シリコン基板の温度が300℃以下であるステップb)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘテロ接合太陽電池の製造用のシリコン基板表面の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
結晶シリコン太陽電池は、その高効率性故に、太陽光発電工業において広く使用されている。
ヘテロ接合太陽電池は、シリコンの極薄ウェーハ(およそ100μm(マイクロメートル))から得られる太陽電池においてさえも高効率性(> 22%)を得るのに使用し得る。
表面をテクスチャライジング(texturizing)するステップの後、シリコン基板を湿式化学エッチングステップに供してシリコン基板表面を洗浄すること、即ち、基板表面上に自然発生している酸化ケイ素(SiO2)の層を除去することは知られている。この湿式化学方法は、Karen ReinhardtおよびWerner Kernによる文献 "Handbook of Semiconductor Wafer Cleaning Technology", 2nd edition (2007)から既知である。
【0003】
上記湿式化学洗浄方法は、例えばフッ化水素酸(HF)をベースとする溶液のような溶液および脱イオン水の使用を必要とする。
しかしながら、これらの湿式法において使用する比較的大量の脱イオン水と化学物質は、多大な汚染源を意味し、高い製造コストをもたらす。
【発明の概要】
【0004】
従って、本発明の目的は、汚染性液体化学物質の使用を回避し且つ製造コストを節減することのできる乾式方法を使用するシリコン基板表面の洗浄方法を提供することである。
そのために、本発明は、表面が当初酸化ケイ素の層で覆われているシリコン基板の表面を洗浄する方法を提供する。
【0005】
本発明によれば、上記方法は、下記のステップを含む:
a) 上記表面を、反応チャンバー内で、フッ素化ガスから発生させた高周波プラズマに暴露させて、上記酸化ケイ素の層のストリッピングをもたらし且つフッ素化成分を上記シリコン基板の表面上に吸着させるステップであって、上記暴露を60秒〜900秒の範囲内の時間で実施し、上記プラズマによって発生させた出力密度が10mW/cm2〜350mW/cm2 (ミリワット毎平方センチメートル)の範囲内にあり、上記反応チャンバー内のフッ素化ガスの圧力が1.333Pa〜26.664Pa (10ミリトール〜200ミリトール)の範囲内にあり、そして、上記シリコン基板の温度が300℃以下であるステップ;および、
b) 上記フッ素化成分を含む前記表面を、上記反応チャンバー内で、水素高周波プラズマに暴露させて上記フッ素化成分を上記基板表面から排除するステップであって、上記暴露を5秒〜120秒の範囲内の時間で実施し、上記プラズマによって発生させた出力密度が10mW/cm2〜350mW/cm2の範囲内にあり、上記反応チャンバー内の水素の圧力が1.333Pa〜133.322Pa (10ミリトール〜1トール)の範囲内にあり、そして、上記シリコン基板の温度が300℃以下であるステップ。
【0006】
また、種々の可能性ある実施形態においては、本発明は、個々にまたは任意の技術的に実施可能な組合せにおいて考慮し得る下記の特徴も提供し、各々が特定の利点をもたらす:
・ステップa)およびb)において、上記高周波プラズマの出力は、10W [ワット]である。
・ステップa)において、使用するフッ素化ガスは、SiF4ガスである。
・ステップa)において、上記反応チャンバー内のSiF4の圧力は、3.999Pa (30ミリトール)である。
・ステップa)は、380秒間実施する。
・ステップa)およびb)において、上記シリコン基板の温度は、150℃である。
・ステップb)の時間は30秒であり、上記反応チャンバー内の水素圧は66.661Pa (500ミリトール)である。
・上記反応チャンバーは、プラズマ助長化学気相蒸着反応器のチャンバーである。
【0007】
即ち、本発明は、汚染性液体化学物質の使用を回避し且つ製造コストを節減することのできる乾式方法を使用するシリコン基板表面の洗浄方法を提供する。
さらに、本発明の方法によって得られた基板の電気光学特性は、従来技術の湿式法によって得られた基板の電気光学特性に近い。
また、この方法は、複数の反応チャンバー(テクスチャライジング、エッチング、蒸着用の)を含むクラスター内での太陽電池の製造において上記の主ステップを実施するのにも使用し得る。各種の真空チャンバーは、互いに連結しており、従って、外的汚染物による基板の汚染は避けられる。
【0008】
以下、本発明を、添付図面を参照してさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ステップa)における、使用する種々のSiF4/H2比に対するE2の値を示す。
【図2】ステップa)における、E2の振幅をSiF4プラズマへの暴露時間の関数として示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つの実施形態においては、初期において自然発生酸化ケイ素の層で覆われているシリコン基板の表面を洗浄する方法は、上記表面を、反応チャンバー内で、フッ素化ガスから発生させた高周波プラズマに暴露させて気相エッチング(乾式法)による上記酸化ケイ素層のストリッピングをもたらすステップa)を含む。
フッ素化ガスは、プラズマ助長化学気相蒸着(PECVD)反応器の反応チャンバー中に注入する。高周波電圧(RF)によって励起されたプラズマは、フッ素系成分(分子、原子、イオン)を含む。
【0011】
このステップa)は、60秒〜900秒の範囲内の時間で実施する。上記プラズマの出力は、10mW/cm2〜350mW/cm2の範囲内の出力密度に相当する1W〜30Wの範囲内である。上記フッ素化ガスの圧力は、1.333Pa〜26.664Pa (10ミリトール〜200ミリトール)の範囲内にある。
上記フッ素化(フッ素系)ガスは、好ましくは、SiF4ガスである。例えば、SF6のような他のフッ素化ガスも使用し得る。
このステップa)は、フッ素化成分を上記シリコン基板の表面上に固定または吸着させて、表面欠陥、特に、Si結合の破壊を生じさせることを含む。
【0012】
また、シリコン基板の表面を洗浄する上記方法は、フッ素化成分を含む上記シリコン基板の表面を水素高周波プラズマに暴露させて、上記フッ素化成分を上記シリコン基板表面から排除するステップb)も含む。
ステップa)およびb)において得られるプラズマは、低温プラズマ(300℃以下の温度)である。
このステップb)は、5秒〜120秒の範囲内の時間で、1W〜30Wの範囲内のプラズマ出力(10mW/cm2〜350mW/cm2の範囲内の出力密度)によって実施する。
水素圧は、1.333Pa〜133.322Pa (10ミリトール〜1トール)の範囲内である。
【0013】
ステップa)およびb)は、13.56MHz (メガヘルツ)の周波数で操作する通常のプラズマ助長化学気相蒸着(PECVD)反応器内で実施する。
ステップa)およびb)においては、シリコン基板の温度は、300℃以下である。
本発明の洗浄方法は、任意のタイプの、例えば、単結晶性(c‐Si)または多結晶性の、p‐またはn‐ドープされた、さらに、配向 <100>、<110>または<111>を有する、例えば、0.5Ω.cm (オーム‐センチメートル)〜30Ω.cmの範囲内の抵抗を有するシリコン基板において使用し得る。
【0014】
シリコン基板の偽誘電関数の虚数部分(Im [ε])は、UV可視エリプソメトリにより、1.5eV(電子ボルト)〜4.5eVのエネルギー範囲内で測定し得る。
E2は、4.2eVでのIm [ε]の値(Im [ε]のピーク)を示す。E2の振幅は、シリコン基板の表面品質および基板表面上でのSiO2の存在に関連する。
【0015】
図1は、種々のSiF4/H2比においてのRFプラズマへの5分間曝露後のE2の値1を示している。
横座標2はSiF4/H2比を示し、縦座標3はE2の振幅を示している。
E2の振幅は、純SiF4プラズマに向う4の最高値までのSiF4/H2比とともに増大している。これらの結果は、ステップa)においては、純SiF4プラズマを使用することが、SiF4/H2混合物をベースとするプラズマよりも、自然発生SiO2のエッチングにおいて有効であることを示している。
【0016】
図2は、4種の基板および2通りの基板温度、即ち、150℃(曲線7)および200℃(曲線8)における、SiF4プラズマへの暴露時間6の関数としてのE2の振幅5を示している。
グラフAは、14Ω.cm〜22Ω.cmの範囲内の伝導度を有するp‐ドープされた基板CZ<100>に相応する。
グラフBは、5Ω.cm〜10Ω.cmの範囲内の伝導度を有するp‐ドープされた基板FZ<100>に相応する。
グラフCは、1Ω.cm〜5Ω.cmの範囲内の伝導度を有するn‐ドープされた基板FZ<100>に相応する。
グラフDは、1Ω.cm〜5Ω.cmの範囲内の伝導度を有するn‐ドープされた基板FZ<111>に相応する。
【0017】
上記プラズマの出力は、10ワットであり;反応チャンバー内の圧力は、3.999Pa (30ミリトール)であり;SiF4流量は、100sccm (立方センチメートル毎分)であった。
一般に、全ての基板において、上記プラズマへの暴露開始時では、E2の振幅は低下している。この段階においては、上記プラズマは、シリコン基板表面からのSiO2の乾式エッチング中に粗さを生じさせる。
上記よりも長いプラズマ暴露時間の後では、E2の振幅は、SiO2の完全ストリッピングにより、9での最高値まで上昇する。
さらに長いプラズマ暴露時間においては、振幅E2は、SiF4プラズマによるシリコンのエッチングよって誘発された上記基板表面の粗さのために低下する。
【0018】
E2の振幅が最高値に達するのに必要な時間は、基板の温度に依存する。200℃では、最適エッチング時間は、4種の基板タイプにおいて、およそ300秒であり、一方、150℃では、最適エッチング時間はおよそ380秒である。
SiO2を200℃の基板温度でプラズマエッチングした場合、E2の振幅は、150℃の基板温度で実施したエッチングに相応するE2の振幅よりも大きく、より良好な基板品質を示唆している。
しかしながら、洗浄した基板における高いE2値は、必ずしも、その表面の電子特性が太陽電池用に適していることを意味しない。
【0019】
上記洗浄方法を最適化するには、SiH4プラズマを使用しての上記基板表面の不働態化のステップの後に、上記シリコン基板を特性決定することが必要である。この不働態化ステップは、基板表面をa‐Si:Hシリコンの層で被覆することによって行う。
種々の処理を、SiF4プラズマへの暴露のためのステップa)とa‐Si:Hの付着との間で、結晶性シリコン基板に対して施している。
【0020】
これらの試験を、下記の表1に要約する。1Ω.cm〜5Ω.cmの範囲内の伝導度および280μmの厚さを有するFZ<100> nタイプシリコン基板を使用した。その後、a‐Si:Hの40ナノメートル層を、上記基板の2つの面上に、自然発生SiO2を除去した後に純SiH4プラズマを使用し、反応チャンバー内の真空を中断しないで付着させた。
下記の表1の試験は、シリコン基板の有効な洗浄を確定するための最適化処理条件を可能にする。
【0021】
表1

【0022】
使用した参照基板は、脱イオン水で5%に希釈したフッ化水素酸の標準溶液で洗浄したc‐Si基板であった。その後、この基板をその2つの面上で不動態化した。a‐Si:Hの40mm層をこれらの2つの面上に付着させた。1.75ms (ミリ秒)の電荷担体のための有効寿命(τeff)を得た。
有効寿命(τeff)は、過度光伝導(transient photoconductance)を測定する装置(Sinton WTC‐120)を使用して得た。サンプルをストロボで照射してc‐Si基板内に過剰の電荷担体を発生させ、基板の伝導度に変化を生じさせた。
その後、上記過剰担体密度に対するτeffの依存度(Δn = Δp)を測定した。1太陽照度(sun illumination)での暗黙Vocは、上記依存度から推定した。
【0023】
先ず、基板に対する温度の効果を分析した。上記SiF4プラズマ洗浄方法に関する結果は200℃における良好な表面品質を示唆しているものの(図2参照)、極めて低い寿命(τeff=17μs (マイクロ秒))が、200℃で処理し、そしてa‐Si:Hの層で被覆したサンプルにおいては得られていた(表1参照)。
しかしながら、150℃で処理したサンプルは、a‐Si:Hの付着後に90μsの寿命を、また、周囲空気中での200℃で半時間のアニーリング後に0.219msの寿命を示していた。
200℃で処理したサンプルにおいては、アニーリングは、電荷担体の寿命に僅かな悪化をもたらしていた。
従って、ステップa)においては、200℃以下の温度が好ましいと推定した。150℃の温度が理想的である。
【0024】
シリコン基板表面上の不動態化層の品質を改良するために、SiF4プラズマを使用してのSiO2エッチングのためのステップa)の後の種々のプラズマ処理を、表1に示しているように試験した。シリコンの40ナノメートル厚エピタキシャル層を、c‐Si基板上に、a‐Si:Hの層を付着させる前に付着させたが、この付着は、τeffに何らの改良ももたらさなかった。実際には、τeffは、20μsに短縮していた;このことは、その後のヘテロ接合がない(a‐Si:H層がない)ので驚くに当らない。
【0025】
SiF4プラズマへの暴露のためのステップa)とa‐Si:H付着との間でのc−Siシリコン基板のアルゴンプラズマによる処理は、上記基板の電気的性質の悪化をもたらしていた。
上記基板の電気的性質の悪化は、60秒続くアルゴンプラズマによる処理における方が30秒続く処理におけるよりも大きい。両例において、アニーリングは、電荷担体の寿命に何ら実質的な改良をもたらさなかった(30秒処理したサンプルにおけるアニーリング後で、τeff ≒ 163μs)。
【0026】
驚くべきことに、基板表面をH2プラズマに暴露させるステップb)の使用は、不動態化サンプルの電気的性質の異例な改良をもたらした。τeffは、60秒および30秒の水素プラズマ処理時間のそれぞれにおいて、961μsまでおよび1.23msまでに上昇していた。
【0027】
a‐Si:Hの層を付着させる前のc‐Siの表面の劣化を低減するために、ステップa)の間に、SiF4プラズマのRF出力を5Wに低下させた。このステップa)の後、H2プラズマを30秒間適用するステップb)が続いた。予測したとおり、τeffは、1.5ms (アニーリング後は1.55ms)に上昇していた;この値は、参照サンプルにおいて得られたτeff値に匹敵していた。
【0028】
自然発生酸化物のSiO2を排除するためにステップa)において使用するSiF4プラズマは、フッ素化イオンによる衝撃のために、基板表面のケイ素原子間にダングリングボンドをもたらした。
H2プラズマへの短い暴露は、フッ化水素酸を使用する湿式方法の形と同様な形のこれらの欠陥を含む基板の表面を不動態化させ得る。
電荷担体の寿命の測定値は、暗黙(implicit)開回路電圧(Voc)および表面再結合速度(Seff)の上限を得るのに使用し得る。
これらの値は、フッ化水素酸を使用する従来技術の湿式方法によって得られる値に近い。
【0029】
好ましくは、基板表面を低温高周波プラズマに暴露させるステップa)においては、フッ素化ガス、即ち、純SiF4を、水素または何らかの他のガスを添加しないで使用する。SiF4ガスは、単独で、ステップa)におけるPECVDチャンバー内に注入した。SiF4の圧力は、3.999Pa (30ミリトール)である。ステップa)の時間は、380秒である。
フッ素化表面を低温水素高周波プラズマに暴露させるステップb)は、30秒間適用する。
ステップa)およびb)において、高周波プラズマの出力は、5W〜10Wの範囲内、好ましくは10Wであり、シリコン基板の温度は150℃である。
【0030】
1つの可能性ある実施形態においては、ステップa)およびb)の後、上記洗浄方法は、1nm〜200nmの範囲内の種々の厚さを有する固有のまたはp‐ドープされたもしくはn‐ドープされた非晶質シリコン(a‐Si:H)或いは他の非晶質材料(例えば、a‐SiC:H、a‐SiGe:HまたはSiNxのような)を付着させるステップc)を含む。
また、上記洗浄方法は、ステップc)の後、上記シリコン基板を150℃〜300℃の範囲内の温度で10分〜120分の範囲内の時間、好ましくは30分間アニーリングするステップd)も含む。このアニーリングステップは、任意である。
【0031】
1.55msの電荷担体の寿命が、0.716Vの開回路電圧および9cm.s−1の表面再結合速度と一緒に得られている。
1つの可能性ある実施形態においては、ステップa)および/またはb)および/またはc)においては、高周波プラズマの出力は、直接適用するか或いは漸次的に上昇させる。
【0032】
本発明の方法は、単一のプラズマ助長化学気相蒸着(PECVD)チャンバー内で実施し得る。ステップa)、b)およびc)を同じチャンバー(PECVD)内で実施して真空の中断を防ぎ、外的汚染物による基板の汚染を回避し、上記洗浄方法の迅速性を増大させ、且つ製造コストを節減する。
本発明の方法は、シリコン基板の1面または両相対面に適用し得る。
【符号の説明】
【0033】
1 RFプラズマへの5分間曝露後のE2の値
2 横座標(SiF4/H2比)
3 縦座標(E2の振幅)
4 最高値
5 E2の振幅
6 SiF4プラズマへの暴露時間
7 基板温度150℃でのE2の振幅曲線
8 基板温度200℃でのE2の振幅曲線
9 最高値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のステップを含むことを特徴とする、表面が酸化ケイ素の層で覆われているシリコン基板の表面の洗浄方法:
a) 前記表面を、反応チャンバー内で、フッ素化ガスから発生させた高周波プラズマに暴露させて、前記酸化ケイ素の層のストリッピングをもたらし且つフッ素化成分を前記シリコン基板の表面上に吸着させるステップであって、前記暴露を60秒〜900秒の範囲内の時間で実施し、前記プラズマによって発生させた出力密度が10mW/cm2〜350mW/cm2の範囲内にあり、前記反応チャンバー内のフッ素化ガスの圧力が1.333Pa〜26.664Pa (10ミリトール〜200ミリトール)の範囲内にあり、そして、前記シリコン基板の温度が300℃以下であるステップ;および、
b) 前記フッ素化成分を含む前記表面を、前記反応チャンバー内で、水素高周波プラズマに暴露させて、前記フッ素化成分を前記基板表面から排除するステップであって、前記暴露を5秒〜120秒の範囲内の時間で実施し、前記プラズマによって発生させた出力密度が10mW/cm2〜350mW/cm2の範囲内にあり、前記反応チャンバー内の水素の圧力が1.333Pa〜133.322Pa (10ミリトール〜1トール)の範囲内にあり、そして、前記シリコン基板の温度が300℃以下であるステップ。
【請求項2】
ステップa)およびb)において、前記高周波プラズマの出力が10Wである、請求項1記載のシリコン基板表面の洗浄方法。
【請求項3】
ステップa)において、使用するフッ素化ガスがSiF4ガスである、請求項1または2記載のシリコン基板表面の洗浄方法。
【請求項4】
ステップa)において、前記反応チャンバー内のSiF4ガスの圧力が3.999Pa (30ミリトール)である、請求項1〜3のいずれか1項記載のシリコン基板表面の洗浄方法。
【請求項5】
ステップa)を、380秒の時間で実施する、請求項1〜4のいずれか1項記載のシリコン基板表面の洗浄方法。
【請求項6】
ステップa)およびb)において、前記シリコン基板の温度が150℃である、請求項1〜5のいずれか1項記載のシリコン基板表面の洗浄方法。
【請求項7】
ステップb)の時間が30秒であり、前記反応チャンバー内の水素圧が66.661Pa (500ミリトール)である、請求項1〜6のいずれか1項記載のシリコン基板表面の洗浄方法。
【請求項8】
前記反応チャンバーが、プラズマ助長化学気相蒸着反応器のチャンバーである、請求項1〜7のいずれか1項記載のシリコン基板表面の洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−502736(P2013−502736A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526100(P2012−526100)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【国際出願番号】PCT/FR2010/051755
【国際公開番号】WO2011/023893
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(508004409)
【出願人】(501455677)サントル・ナシオナル・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・シアンティフィーク(セーエヌエールエス) (12)
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE(CNRS)
【Fターム(参考)】