説明

スケジュール通知方法、インテリジェントスケジューラ及び携帯通信機器

【課題】予定時刻に関する報知機能を有するスケジューラ機能の消費電力を削減するとともに高い報知精度のスケジュール通知方法、インテリジェントスケジューラ及び携帯通信機器を提供する。
【解決手段】スケジュールの予定時刻及び目的地の情報を取得する予定情報取得手段2−14、2−5と、現在位置の情報と前記目的地の情報とに基づいて前記目的地までの所要時間を取得する所要時間取得手段2−15、2−6と、現在時刻を取得する時刻取得手段2−12、2−2と、前記予定時刻の一定時間(X)前から前記予定時刻、所要時間及び現在時刻により、所定の更新間隔(Y)で前記目的地に向けて出発すべき時刻の予測を行う予測制御手段2−11、16、17、18とを有する。現在位置の情報の取得時以外は、少なくとも出発すべき位置情報取得手段2−13、2−3及び所要時間取得手段2−15、2−6の電源をオフ状態とし、電力消費を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスケジューラに関し、特に現在位置の情報を利用した携帯端末等の携帯通信機器向けスケジュール通知方法、インテリジェントスケジューラ及び携帯通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機が一人一台の時代になってから久しい。携帯はブラウザ、JAVA、カメラ、GPS等の追加機能によって数年前とは比べ物にならないような高機能デバイスと化してきている。ただ、一つ一つの機能はとりあえず載せただけのようなものもあり、他の機能と十分に連携し活用されているとは言えない状況である。本発明はこのような現状をふまえ、システム的に従来機能と新機能を組み合わせることでスケジューラを実現したものである。
【0003】
従来の携帯電話機のスケジューラは、時刻と予定内容の項目はあるものの、現在地から目的地までの移動に要する時間は考慮されていなかった。このようなスケジューラではスケジュールに間に合うように現在地からの出発時刻はあらかじめ自分で予想し、逆算した時刻を入力しておく必要があり、移動時間の予測を誤るとスケジュールどおりに目的地に到着できないことがあるという問題があった。
【0004】
これに対し、目的地及び到着予定日時を含むスケジュールデータを登録すると、GPSデータの利用により現在位置を考慮して計算した前記到達予定日時より所定時間前にユーザに通知される携帯電話機も提案されてきている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−85207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の特許文献に開示されたスケジューラは、予定を登録(スケジュール)した直後から定期的に現在地から目的地までの移動に必要な所要時間を算出し、スケジュールした時刻から移動所要時間(所要時間)を差し引いた時刻と現在時刻との比較を行い、出発時刻になるとアラーム音や音声等による前記スケジュールの通知を行うものであるが、このためには、GPS機能による一定時間毎の位置情報の取得に加え、移動経路の検索、所要時間の計算を繰り返して行う必要がある。
【0006】
このような従来例の処理動作の繰り返し間隔はデフォルト値等として設定することが考えられるが、あまり長い間隔をおくとアラームの精度が悪くなり、かといってあまり頻繁に行うと処理動作による消費電力が増え、携帯端末システムとしての電池の持ちが悪くなるという問題がある。
【0007】
(目的)
本発明の目的は、スケジュールされた目的地等への出発時刻の予測の精度を高めるとともに、電力消費が少ないスケジュール通知方法、インテリジェントスケジューラ及び携帯通信機器を提供することにある。
本発明の他の目的は、予定時刻に関する報知機能を有するスケジューラ機能の処理量を削減して消費電力を削減することが可能なスケジュール通知方法、インテリジェントスケジューラ及び携帯通信機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、携帯電話等に搭載したGPS等で位置情報を取得し、WEB上の道案内サービスと連携し、実際のスケジュール時刻とは別に事前の出発時刻を自動計算しユーザへ通知することを特徴とする。GPSあるいは基地局情報等により現在位置を取得し、あらかじめスケジュールに追加の情報として登録しておいた目的地の情報と共に、WEB上のサービスである乗り換え情報などの道案内サービスより、移動にかかる時間を割り出す。その結果によりスケジュール時間までの時間と移動所要時間から出発時刻を逆算し、現時刻が出発時刻になった時にスケジュールアラームを発信し、使用者に通知することで、予定されたスケジュールの遅れを防止する。
【0009】
本発明のスケジュール通知方法は、取得した現在位置の情報とスケジュールの目的地の情報とに基づいて算出した前記目的地までの所要時間と、スケジュールの予定時刻とにより、前記目的地に向けて出発すべき時刻を予測してユーザに報知するスケジュール通知方法において、前記報知は、前記予定時刻の一定時間(X)前から所定の更新間隔(Y)で取得した前記現在位置の情報及び所要時間に基づいて繰り返し予測し、予定時刻に到着する予測結果が得られた時点で行うことを特徴とする。また、前記予測は、現在時刻(Tt)と予定時刻(To)の時間差(Td)が、前記所要時間(Tr)と出発に必要な準備時間(α)の和以下か否かにより予測することを特徴とし、現在位置の情報の取得時以外は、少なくとも現在位置の情報の取得に関連する電源をオフにすることを特徴とし、又は、前記所定の更新間隔(Y)は、次第に短くなるように制御することを特徴とする。更に、前記一定時間(X)及び前記所定の更新間隔(Y)は、ユーザにより設定可能であることを特徴とする。
【0010】
本発明のインテリジェントスケジューラは、予定時刻に目的地に到着すべきスケジュールの設定に対し、前記目的地への所要時間を考慮して出発すべき時刻であることをユーザに報知するインテリジェントスケジューラであって、前記スケジュールの予定時刻及び目的地の情報を取得する予定情報取得手段(例えば図2の2−14、2−5)と、現在位置の情報を取得する位置情報取得手段(例えば図2の2−13、2−3)と、前記現在位置の情報と前記目的地の情報とに基づいて前記目的地までの所要時間を取得する所要時間取得手段(例えば図2の2−15、2−6)と、現在時刻を取得する時刻取得手段(例えば図2の2−12、2−2)と、前記予定時刻の一定時間(X)前から前記予定時刻、所要時間及び現在時刻により、所定の更新間隔(Y)で前記目的地に向けて出発すべき時刻の予測を行う予測制御手段(例えば図2の2−11、16、17、18)とを有することを特徴とし、前記予測制御手段(例えば図2の2−11、16、17、18)は、現在時刻(Tt)と予定時刻(To)の時間差(Td)が、前記所要時間(Tr)と出発に必要な準備時間(α)の和以下か否かにより予測を行うことを特徴とする。
【0011】
また、現在位置の情報の取得時以外は、少なくとも出発すべき位置情報取得手段(例えば図2の2−13、2−3)及び所要時間取得手段(例えば図2の2−15、2−6)の電源をオフ状態とすることを特徴とし、前記所定の更新間隔(Y)は、次第に短くなるように制御されることを特徴とし、又は前記一定時間(X)及び前記所定の更新間隔(Y)は、ユーザにより設定可能であることを特徴とする。更に位置情報取得手段(例えば図2の2−13、2−3)はGPS等の位置情報を取得する手段を備え、所要時間取得手段(例えば図2の2−15、2−6)はブラウザにより外部サーバから経路情報を取得する手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の携帯通信機器は、前記の何れかに記載のインテリジェントスケジューラを搭載したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、登録した予定情報に基づいて出発すべき時刻を自動的に予測しユーザに報知するので、予定時刻に目的地に到着すべくスケジュール登録したにもかかわらず遅刻する等、予定時刻に間に合わない失態等を防止できるとともに、スケジューラの不要な処理による電力消費の節約が可能である。
【0013】
また、出発時刻の予測処理を予定時刻の一定時間前から開始し、開始後は繰り返し予測計算を行うように構成したことにより、電力消費を低減するのみならず高い予測精度の報知を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(構成の説明)
本発明のスケジュール通知方法、インテリジェントスケジューラ及び携帯通信機器の一実施の形態について、携帯端末向けインテリジェントスケジューラの例により説明する。
【0015】
図1は本実施の形態のシステム構成の概要を示す図である。本実施の形態はユーザが持ち歩く携帯端末1−1と、GPS情報を送信するGPS衛星1−2と、ネットワークWWW上の道案内用サーバ1−3とから構成される。
【0016】
図2は携帯端末内システムの構成を示す図である。携帯端末としての通話及び各種機能を実現するモジュールの詳細は省略している。
図2に示すように携帯端末1−1の内部には、スケジュール情報を処理、管理するためのスケジューラモジュール2−1、時刻を計算するための時計モジュール2−2、GPS衛星1−2から位置情報を取得するGPS通信モジュール2−3、アラームによりユーザに対するスケジュール項目を報知するための音源モジュール2−4、スケジュール項目の情報等を含む各種の情報を記憶するスケジュール記憶モジュール2−5及び道案内サーバ1−3からの目的地に至る経路、移動のための所要時間の情報を得るための(HTTP)ブラウザモジュール2−6から構成される。
【0017】
また、スケジューラモジュール2−1は、時計モジュール2−2から現在時刻Ttの情報を取得する時刻情報取得部2−12、GPS通信モジュール2−3から現在位置の情報を取得する位置情報取得部2−13、スケジュール記憶モジュール2−5から少なくともスケジュールの予定時刻To、出発準備時間α、目的地の情報を取得する予定情報取得部2−14、ブラウザモジュール2−6から経路、所要時間Trの情報を取得する所要時間情報取得部2−15を備え、更に、予定時刻Toと現在時刻Ttの差を計算する第1の計算部2−16、前記所要時間Trと出発準備時間を加算する第2の計算部2−17、第1の計算部2−16の出力(To−Tt)、第2の計算部2−17の出力(Tr+α)の大小を比較して出発すべき時刻のタイミング信号を出力する比較部2−18、及び、スケジューラモジュール2−1内の前記各機能部の動作タイミング、GPS通信モジュール2−3、ブラウザモジュール2−6等の電源のオン/オフ、報知タイミング等の制御を行うタイミング制御部2−11を備える。
【0018】
ここでタイミング制御部2−11は、より具体的には予定時刻等のスケジュールに対し、出発時刻の報知タイミングの予測計算、報知タイミングに音源モジュール2−4を駆動するタイミング信号の発生、計算動作時を除いて各モジュールのうち、GPS通信モジュール2−3、音源モジュール2−4、スケジュール記憶モジュール2−5及びブラウザモジュール2−6のうち少なくともGPS通信モジュール2−3の電源をオフとするスリープ制御信号の発生タイミング等を制御する機能を有し、特に、前記出発時刻の報知タイミングの予測計算に関し、To−Tt≦Xの条件を満たす場合に、Y(≪X)の周期で報知タイミングの予測計算を繰り返すタイミングの制御機能を有する。以下、本実施の形態の動作をフローチャートにより詳細に説明する。
【0019】
(動作の説明)
図3は本実施の形態の初期設定の入力動作のフローチャートを示す図である。初期設定として、まず、予定時刻Toの数時間〜十数時間前などにスケジュールの予定地に到達するための出発時刻の予測計算の開始時刻(時間)To−Xを決定するX値を入力する(s101)。次に、予測の開始後に予測計算を繰り返し行う時間間隔Yの値を入力する(s102)。次に、音源モジュール2−4から報知する報知音等の形態を設定する(s103)。
【0020】
図4は本実施の形態のスケジュールの入力動作のフローチャートを示す図である。携帯端末1−1のメニュー画面からスケジュール機能のアプリケーションを起動し、スケジュール画面からスケジュール登録を選択し、ユーザが予定するイベントの件名を入力して登録する(s201)。次に当該イベントの予定時刻Toを入力して登録し(s202)、場所(目的地)を入力して登録する(s203)。更に、本発明のスケジュール機能のアラームを行うか否かの設定(アラーム設定)を登録する(s204)。また、アラーム設定を行った場合に(s205)、出発の際の準備に必要な時間である出発準備時間αを入力して登録する(s206)。なお、図示を省略しているが予定場所により必要により交通手段を登録する。
【0021】
以上により、個々のイベントの件名、予定時刻To、予定場所、アラーム設定、当該イベント用の出発準備時間α、交通手段等が登録される。これらの入力データは携帯端末のスケジュール記憶モジュール2−5が管理するメモリ等に個々のスケジュール毎に別領域に記録される。
【0022】
図5は本実施の形態の携帯端末のスケジュール動作のフローチャートを示す図である。
スケジューラモジュール2−1が起動すると、タイミング制御部2−11は最初にスケジュール記憶モジュール2−5から時間的に最も近いアラーム設定のある件名の予定データの読込み制御を行い(s301)、まず、報知の予測計算の開始時期を判断する制御を開始する。時刻情報取得部2−12は現在時刻Ttを取得し、予定情報取得部2−14はスケジュール記憶モジュール2−5から当該件名の予定時刻Toを取得し(s302)、タイミング制御部2−11は、現在時刻Ttが予定時刻ToのX時間前以内か否かを判断し、現在時刻Ttが予定時刻ToのX時間より前であれば、後続の処理の待機状態とし(s303)、ステップs302、s303の判断を繰り返す。この場合の繰り返し周期は、例えば後述する予測計算の周期Yより十分長い一定時間Zとすると好適である。
【0023】
また、ステップs303で現在時刻Ttが予定時刻To前のX時間以内であることが検出されると、タイミング制御部2−11はスケジューラモジュール2−1の予測計算の制御を開始し、第1の計算部2−16で予定時刻Toと現在時刻Ttの時間差Td(=To−Tt)を算出し(s304)、位置情報取得部2−13は、GPS衛星から送信されている測位情報をGPS制御モジュール2−3を介して受信し現在位置の情報を取得する(s305)。更に、所要時間情報取得部2−15は、得られた現在地及びスケジュールに登録された場所(目的地)をブラウザモジュール2−6を介して外部の道案内サーバ1−3に送り、移動に必要な時間を問合せ、外部の道案内サーバ1−3は、与えられた位置情報等から経路(交通手段を含む場合は交通手段を含む経路)を探索し、おおよその移動のための所要時間trを割り出しブラウザモジュール2−6へ返信する。所要時間情報取得部2−15はブラウザモジュール2−6を介して道案内サーバから所要時間Trの情報を取得する(s306)。
【0024】
そして、第2の計算部2−17は所要時間情報取得部2−15及び予定情報取得部2−14からのそれぞれ所要時間Tr及び出発準備時間αを取得して加算し、比較部2−18は時間差Td≦Tr+αか否かを判断する(s307)。
【0025】
ステップs307で比較部2−18が時間差Td>所要時間Tr+αと判断した場合には、アラームのタイミング信号を出力せず、タイミング制御部2−11は現時点では出発にはまだ時間的に余裕があるとして電力消費の大きい例えばGPS通信モジュール2−3、音源モジュール2−4及びブラウザモジュール2−6等の電源をオフとするスリープ状態に制御する(s308)。例えば、現在時刻Ttが14:00、スケジュール時刻Toが15:00、所要時間Trが30分、準備時間αが10分の場合は、アラームを発しない。そして、一定時間Yの経過後(s309)、スリープ状態を解除し(s310)、再度、GPSによる現在位置を取得するステップs305からステップs307の処理を繰り返す。つまり、前回と位置等が違っている可能性があるのでY時間毎に現在地と所要時間を取得し、再度現在時刻から予定時刻までの差分時間に関する前記比較を繰り返す。
【0026】
そしてステップs307で比較部2−18が時間差Td≦所要時間Tr+αをと判断した場合、タイミング信号を出力し、タイミング制御部2−11はこれを検知し、アラームを発生する制御信号を音源モジュール2−4に出力し、アラームによりユーザに出発の準備開始時刻であることを報知する(s314)。例えば先の例では時間Yが1分とすると、現在時刻が14:21分になった場合にはアラーム通知を行う。
【0027】
アラームの報知制御後、スケジュール記憶モジュール2−5の次の予定データを検索し(s315)、アラーム設定された次の予定データが登録されていれば、そのデータを読み込み(s316)、ステップs302からの処理に移行する。また、ステップs315で次の予定データが登録されていなければ処理は終了する。
【0028】
以上の動作により、時間的に最短の予定から順に予定時刻Toの時間X前(以内)からY時間毎に出発準備時間αを加味した現在位置から出発準備のタイミングか否かの予測計算が繰り返し実行され、前記条件を満たした場合にユーザに対するアラームによる報知が行われるので、予定時刻に予定地に確実に到達できる。
【0029】
そして、予測計算の開始を時間Xとして初期設定により設定を行うことにより、無駄なGPS情報の取得や経路、所要時間の問い合わせ処理等、電力消費を伴う処理を最小限に抑えることが可能である。
【実施例】
【0030】
次に、本発明のユーザによるスケジュール設定の一具体例により携帯端末の動作、利用方法等を説明する。
いま、携帯端末に登録するスケジュールの予定項目が次の内容とし、予定データの入力及び利用方法は以下のとおりである。
件名 上司宅訪問のための待ち合わせ
日時 2005年9月11日14:00
場所 東急東横線多摩川駅
交通手段 電車
1.ユーザは、携帯端末から前記予定項目の予定の件名、日時(予定時刻To)等を入力するとともに、更に次の項目をも入力する。
a、交通手段の線路名として「東急東横線」を入力
b、アラーム認識から出発までの準備に要する出発準備時間(α)として、例えば30分を入力
c、アラーム設定として、出発時刻にアラーム鳴動をオンとして入力
d、アラーム通知音として内蔵メロディ1等を入力
e、予測計算を開始する時刻の設定に関し、予定時刻の一定時間前(X)として3時間を入力
f、予測計算の処理間隔(Y)として1分を入力
【0031】
2.携帯端末のスケジュール機能を例えば当日10時00分に起動すると、携帯端末は最初に前記予定時間Toと現在時刻TtとX=3時間とにより、動作の開始は13時00分であるから待機状態となり、その後、例えばZ=1時間単位で現在時刻Ttを取得し動作開始時間か否かの判断を繰り返し時刻13時00分になると、予測計算の動作を開始する。
【0032】
3.13時00分以降、携帯端末はGPSにより現在位置を取得し、次にインターネット上の道案内サーバへアクセスし、1.で入力した交通手段に応じた経路を取得するとともに目的地までの移動所要時間を取得し、最初の所要時間として30分が得られたとすると、現在時刻からスケジュール時刻までの時間>目的地までの移動所要時間+αであるかから、電力消費の大きい機能ブロックの電源をオフし、Y=1分後に再度電源をオンとし、同様の処理を行う。この動作はY=1分単位で繰り返し、現在時刻からスケジュール時刻までの時間≦目的地までの移動所要時間+αとなるとアラームが鳴動する。
【0033】
4.ユーザはアラーム鳴動に予定項目に気づくと、あらかじめ設定していた出発準備時間αの間に準備を済ませて出かけることにより目的地に確実に到着することができる。
【0034】
(他の実施の形態)
以上の実施の形態においては、予測計算の繰り返し間隔(更新間隔)Yは、一定の間隔としたが、タイミング制御部2−11等においてスケジュールの予定時刻Toに近づくにつれて次第に短くなるように制御することができ、このような制御により予測計算の開始以降の初期での電力消費の低減が可能であるとともに、予測精度の向上が可能である。また、前記一定時間X及び前記更新間隔Yは、ユーザにより設定可能に構成したが、スケジュールの予定項目毎に異なる値を設定するようにすることも可能であり、また、携帯端末のデフォルト値として予め設定しておくように構成することが可能である。更に出発準備時間α、アラーム通知音もシステム設定としてデフォルト値で与えるように構成することができる。
【0035】
また、報知手段としてはアラームの鳴動の例を説明したが、携帯端末からデスクトップPC等へのポップアップ表示により、例えば「**タクシー乗車への出発時刻です。」「**宅訪問の待ち合わせのため東急東横線乗車への出発時刻です。」等のメッセージ表示とすることが可能である。更に、アラームは音声又はオリジナル着信音などにより通知するような機能を備えるとより親切である。
【0036】
更に位置情報の取得にGPS衛星を利用した例を示したが、GPSに代えて携帯電話の基地局情報等を利用するか、あるいは両方を併用するように構成することが可能である。基地局との電波情報から現在位置を割り出すことも可能である。道案内サーバは携帯端末内に搭載することも可能である。
【0037】
また、本発明は携帯電話機等の携帯端末に限られるものではなく、PDAや多機能の腕時計など携帯通信機器に組み込むことも可能であり、更にスケジューラモジュール2−1はハードウェア構成でなくソフトウェアにより構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施の形態のシステム構成の概要を示す図である。
【図2】携帯端末内システムの構成を示す図である。
【図3】本実施の形態の初期設定の入力動作のフローチャートを示す図である。
【図4】本実施の形態のスケジュールの入力動作のフローチャートを示す図である。
【図5】本実施の形態の携帯端末のスケジュール動作のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1−1 携帯端末
1−2 GPS衛星
1−3 道案内サーバ
2−1 スケジューラモジュール
2−2 時計モジュール
2−3 GPS通信モジュール
2−4 音源モジュール
2−5 スケジュール記憶モジュール
2−6 ブラウザモジュール
2−12 時刻情報取得部
2−13 位置情報取得部
2−14 予定情報取得部
2−15 所要時間情報取得部
2−16 第1の計算部
2−17 第2の計算部
2−18 比較部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得した現在位置の情報とスケジュールの目的地の情報とに基づいて算出した前記目的地までの所要時間と、スケジュールの予定時刻とにより、前記目的地に向けて出発すべき時刻を予測してユーザに報知するスケジュール通知方法において、
前記報知は、前記予定時刻の一定時間前から所定の更新間隔で取得した前記現在位置の情報及び所要時間に基づいて繰り返し予測し、予定時刻に到着する予測結果が得られた時点で行うことを特徴とするスケジュール通知方法。
【請求項2】
前記予測は、現在時刻と予定時刻の時間差が、前記所要時間と出発に必要な準備時間の和以下か否かにより予測することを特徴とする請求項1記載のスケジュール通知方法。
【請求項3】
現在位置の情報の取得時以外は、少なくとも現在位置の情報の取得に関連する電源をオフにすることを特徴とする請求項1又は2記載のスケジュール通知方法。
【請求項4】
前記所定の更新間隔は、次第に短くなるように制御することを特徴とする請求項1、2又は3記載のスケジュール通知方法。
【請求項5】
前記一定時間及び前記所定の更新間隔は、ユーザにより設定可能であることを特徴とする請求項1、2、3又は5記載のスケジュール通知方法。
【請求項6】
予定時刻に目的地に到着すべきスケジュールの設定に対し、前記目的地への所要時間を考慮して出発すべき時刻であることをユーザに報知するインテリジェントスケジューラであって、
前記スケジュールの予定時刻及び目的地の情報を取得する予定情報取得手段と、現在位置の情報を取得する位置情報取得手段と、前記現在位置の情報と前記目的地の情報とに基づいて前記目的地までの所要時間を取得する所要時間取得手段と、現在時刻を取得する時刻取得手段と、前記予定時刻の一定時間前から前記予定時刻、所要時間及び現在時刻により、所定の更新間隔で前記目的地に向けて出発すべき時刻の予測を行う予測制御手段とを有することを特徴とするインテリジェントスケジューラ。
【請求項7】
前記予測制御手段は、現在時刻と予定時刻の時間差が、前記所要時間と出発に必要な準備時間の和以下か否かにより予測を行うことを特徴とする請求項6記載のインテリジェントスケジューラ。
【請求項8】
現在位置の情報の取得時以外は、少なくとも出発すべき位置情報取得手段及び所要時間取得手段の電源をオフ状態とすることを特徴とする請求項6又は7記載のインテリジェントスケジューラ。
【請求項9】
前記所定の更新間隔は、次第に短くなるように制御されることを特徴とする請求項6、7又は8記載のインテリジェントスケジューラ。
【請求項10】
前記一定時間及び前記所定の更新間隔は、ユーザにより設定可能であることを特徴とする請求項6ないし9の何れかの請求項記載のインテリジェントスケジューラ。
【請求項11】
位置情報取得手段はGPS等の位置情報を取得する手段を備え、所要時間取得手段はブラウザにより外部サーバから経路情報を取得する手段を備えることを特徴とする請求項6ないし10の何れかの請求項記載のインテリジェントスケジューラ。
【請求項12】
請求項6ないし11の何れかの請求項記載のインテリジェントスケジューラを搭載したことを特徴とする携帯通信機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−309457(P2006−309457A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−130444(P2005−130444)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】