説明

ステンシルを同時に検査およびクリーニングするための方法および装置

電子基板の表面上で動作を実行するための装置は、フレーム(102)と、当該フレームに連結され、電子基板上に材料を分配するためのディスペンサ(108)と、材料が基板上で分配されると材料を受取る少なくとも1つのアパーチャを有し、ガントリシステム上で移動可能なステンシル(106)と、基板上での材料の分配を制御するコントローラ(104)と、ステンシルがガントリシステムによって電子基板から並進して離されると当該ステンシルから材料を除去するワイパ(134)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明は、スクリーン印刷のための装置および方法に関し、より特定的には、回路基板アセンブリなどの電子基板のスクリーン印刷のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
回路基板の製造には多くのプロセスが含まれる。そのうちの1つは、後で電子部品を回路基板上に置くことができるようにするための、回路基板の表面上へのはんだペーストまたは他の接着剤のスクリーン印刷である。基板は、典型的には、はんだペーストをその上に堆積させるパッドまたは他のいくらか導電性の表面のパターンを有している。はんだペーストを堆積させるために、基板の表面に印刷されるべきパターンを規定するアパーチャまたは複数のアパーチャを有するステンシルが作成される。基板上に堆積させられるはんだペーストまたは他の接着剤は、アパーチャ内に堆積させるためにステンシルの上に配置される。スクイージ(squeegee)またはワイパブレードがステンシル上に渡され、はんだペーストをアパーチャに押込む。次いで、残留するはんだペーストが実質的にすべてアパーチャ内にあるように、余分なはんだペーストがステンシルの上部から除去され得る。次いで、ステンシルが基板から分離され、基板とはんだペーストとの間の接着により、材料のほとんどが基板上に留まることとなる。さらなる回路基板が印刷される前に、ステンシルの表面に残った材料がクリーニングプロセスで除去される。
【0003】
回路基板の印刷における別のプロセスは、はんだペーストが基板の表面に堆積した後の基板の検査を含む。基板の検査は、きれいな電気接続部が作製可能であることを判断するのに重要である。はんだペーストが過剰であると短絡を招く可能性があるが、適切な位置にあるはんだペーストが少なすぎると電気接触が妨げられる可能性がある。一般に、視覚検査システムは、基板上のはんだペーストを2次元または3次元で検査するのに用いられる。
【0004】
ステンシルクリーニングプロセスおよび回路基板検査プロセスは、回路基板の製造に関わるいくつかのプロセスのうちのほんの2つにすぎない。一定の品質をもった回路基板を最も多く製造するために、製造される基板の品質を保証するシステム、たとえば基板検査システムおよびステンシルクリーニングシステムなどを維持しながらも、回路基板を製造するのに必要なサイクル時間を減らすことがしばしば望まれる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
概して、一局面においては、この発明は、回路基板上のはんだペースト堆積物を検査しつつ同時にステンシルの表面をクリーニングするための装置を提供する。クリーニングおよび検査の作業は、固定されたステンシルワイパの上でステンシルを並進させることによって同時に行われる。回路基板の表面上の位置からステンシルを除去しながら、視覚検査システムを基板の検査のために適所に移動させることができる。代替的には、ステンシルが基板の上の位置にある間、視覚検査システムは基板を検査することができる。こうして、ステンシルが基板上の適所にある間、または実質的に同時にステンシルを拭取りながら、検査を実行できる。この発明の局面は、回路基板製造中の効率を高める。
【0006】
この発明の実施例は、電子基板の表面上で動作を実行するための装置を提供する。当該
装置は、フレームと、当該フレームに連結され、材料を電子基板上に分配するディスペンサと、材料が基板上に分配されると材料を受取る少なくとも1つのアパーチャを有し、ガントリシステム(gantry system)上で移動可能なステンシルと、基板上での材料の分配を制御するコントローラと、ステンシルがガントリシステムによって電子基板から並進して離されるとステンシルから材料を除去するワイパとを含む。
【0007】
この発明の実現例は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。ワイパは適所に固定され得る。ステンシルは、ワイパの位置に亘ってガントリシステム上で移動させることができる。当該装置はさらに、基板の表面を検査するために第2のガントリシステムに連結された検査プローブを含み得る。検査プローブは、電子基板上の位置に移動可能であり得る。ステンシルは、電子基板の検査と実質的に同時に、当該固定されたワイパ上で並進し得る。
【0008】
この発明の実施例は、さらに、基板の表面上で印刷動作を実行するための方法を提供する。当該方法は、基板上に材料を印刷するための位置に基板を搬送するステップと、基板とステンシルとを整列させるステップとを含み、当該ステンシルは、材料が基板上に堆積すると材料を受取る少なくとも1つのアパーチャを有し、当該方法はさらに、ステンシルを通じて基板上に材料を堆積させるステップと、ステンシルを並進させるときにステンシルの表面から残りの材料を除去するよう位置決めされた固定されたワイパに亘って、基板の表面上の位置からステンシルを並進させるステップとを含む。
【0009】
この発明の実現例は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。当該方法はさらに、ビデオプローブ検査システムを用いて基板を検査するステップを含み得る。検査するステップおよび並進させるステップは、実質的に同時に行なうことができる。当該方法はまた、固定されたワイパに亘ってステンシルを並進させつつ第2の基板を印刷位置に搬送するステップを含み得る。
【0010】
この発明のさらに別の実施例は、電子基板を検査し同時にステンシルプリンタにおいてステンシルをクリーニングするための方法を含む。当該方法は、電子基板の上方でステンシルを位置決めするステップと、電子基板上に材料を堆積させるステップと、ステンシルと電子基板とを分離するステップと、回路基板上の区域から除去されるステンシルをある位置に並進させるステップと、ステンシルが除去された区域を占める空間に検査システムを挿入するステップと、クリーニングのために固定されたワイパに亘ってステンシルを並進させつつ電子基板を検査するステップとを含む。
【0011】
この発明は、添付の図面、詳細な説明および添付の特許請求の範囲を検討すると、より十分に理解されるだろう。
【0012】
この発明をよりよく理解できるようにするために、引用によりこの明細書中に援用される添付の図面を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
好ましい実施例の詳細な説明
この発明の実施例は、プリント回路基板を製造するのに用いられるスクリーンプリンタまたはステンシルプリンタに関連して以下に説明される。当業者に理解されるように、この発明の実施例は、回路基板以外の電子基板、たとえば電子部品、および、スクリーンプリンタ以外の機械、たとえばピックアンドプレイス機または分配機とともに用いることができる。
【0014】
図1を参照すると、はんだペーストまたは他の材料を回路基板などの基板に塗布する、
この発明の一実施例にしたがったプリンタ100が示される。当該プリンタは、引用によりこの明細書中に援用される米国特許第6,324,973号に記載されたスクリーンプリンタについての改善例である。
【0015】
図1に図示のとおり、プリンタ100は、フレーム102、コントローラ104、ステンシル106、はんだペーストカートリッジ110、分配ヘッド/スクイージ108、基板支持機構122、トラクタフィード機構114、および回路基板116を含む。回路基板は、トラクタフィード機構114上に載ってプリンタ100に入れられる。ステンシル106は、回路基板116がトラクタフィード機構114上に載ってプリンタに入れられる位置の上方の位置でフレーム102に固定して取付けられる。分配ヘッド/スクイージ108は、はんだペーストカートリッジ110の近傍にあり、はんだステンシル106の上方の位置でプリンタ100に取付けられる。はんだステンシル106はアパーチャを有しており、そこを通じて、はんだが回路基板の表面に堆積する。コントローラ104はプリンタ100の機構内にある。コントローラは、基板の整列、ステンシルの移動およびはんだペーストの堆積などのプリンタにおける動作から信号を受信し、これにしたがってプリンタを制御するよう構成される。
【0016】
プリンタ100に送り込まれた回路基板116は、典型的には、パッドまたは他の、通常導電性の表面区域のパターンを有しており、その上に、はんだペーストが堆積する。プリンタのコントローラによって方向付けられると、トラクタフィード機構114は、基板支持機構の上かつステンシル106の下の位置に基板を送り込む。ステンシル106の下の位置に到達すると、回路基板116は製造動作のために適所にくることとなる。回路基板116上にはんだペーストをうまく堆積させるために、回路基板116とステンシル106とをコントローラによって整列させる。整列は、以下に説明される視覚検査システムからの読取り値に基づいてステンシルまたは回路基板を移動させることによって達成される。はんだステンシル106と回路基板116とが正確に整列させられると、ステンシルが、アパーチャを通じてはんだペーストを塗布するために基板116の方に下げられるか、または、回路基板が、支持機構122によってステンシルの方に上げられてもよい。
【0017】
ステンシル上のアパーチャのパターンは、既に回路基板116上にある導電性表面またはパッドのパターンに対応する。ステンシル106の上方で位置決めされた分配ヘッド/スクイージ108は、ステンシル106に載せて届けられ、スクイージによって塗布されるはんだペーストの量を変えることができる。スクイージ108はステンシルを横切って拭取りを行い、これにより、はんだペーストをステンシルアパーチャに押込んで基板116上に押出す。基板を支持する支持機構がステンシルの位置から下方向に遠ざかる場合、または、ステンシルがコントローラの制御を受けて基板から上方向に遠ざかる場合、はんだペーストは、予め設定されたパターンで回路基板116上に残る。回路基板116およびステンシル106が分離されると、回路基板116とはんだペーストとの間の表面張力により、はんだペーストのほとんどが回路基板上に残される。次いで、視覚検査システムは、はんだペーストが回路基板に正確に置かれたかどうか判断するためにはんだペースト堆積物を検査するよう回路基板116上で適所へと移動する。検査は、適量の材料を堆積させること、および、材料を回路基板上の適切な位置に堆積させることを確実にするのに役立つ。視覚検査システムは、適切な整列を判断するために、基準点、チップ、基板アパーチャ、チップエッジ、または回路基板上の他の認識可能なパターンを用い得る。回路基板の検査後、コントローラは、トラクタフィード機構を用いて回路基板116を次の位置に移動させるのを制御する。ここで、電気部品が回路基板116上に配置される。
【0018】
回路基板上にはんだペーストを堆積し終えた後に回路基板を視覚検査することに加えて、この発明の一実施例においては、次の回路基板上で印刷サイクルを開始する前にステンシルの表面から余分なはんだペーストを除去するためにワイパを用いてステンシルをクリ
ーニングする。一般に、公知のプリンタにおいては、ステンシルをクリーニングするのに用いられるワイパは、印刷が行われた後にステンシルの表面の上を移動する。かなりの量のはんだペーストがステンシルの表面上にあり、除去されるべきであると判断された場合、各印刷サイクルの後または何回かの印刷サイクルの後に、余分なはんだペーストが除去され得る。加えて、回路基板がプリンタなどにおける次の印刷動作に進み得る前に、はんだペーストが回路基板の表面に堆積している精度を判定するために回路基板が検査される。
【0019】
印刷サイクルを向上させ、その効率を高めるために、基板検査プロセスおよびステンシルクリーニングプロセスが実質的に並行して行われる。印刷基板のうちの少なくとも1つの検査中に、ステンシルは、ステンシル拭取りプロセスが行われる位置に動かされる。
【0020】
図2a〜図2gを参照すると、各々が異なる印刷段階にあるプリンタを表わしている図2a〜図2gの各々においては、同様の番号は同様の要素を指す。図2a〜図2gにおいては、図1のプリンタは一連の上面斜視図で示される。図2a〜図2gにおいては、ステンシルが動いている間、ワイパは適所に固定されたままとなる。図2a〜図2gにおいては、プリンタ100は、ステンシル106、スクイージ108、回路基板116、視覚プローブ130、視覚ガントリ132、および固定されたワイパ134を含む。視覚プローブ130は、プリンタ100のフレームに連結された視覚ガントリ132に連結される。視覚プローブ130は、ステンシル106と回路基板116との間に位置する。視覚プローブ130は、視覚ガントリシステムによって回路基板116の上で適所に移動する。スクイージ108は、ステンシル106の上方の位置でフレームに連結される。
【0021】
図2aにおいては、回路基板116はプリンタ100に挿入される。図2bにおいては、回路基板116およびステンシル106は整列している。ステンシル106と回路基板116との整列は、視覚プローブ130を用いることによって達成される。視覚プローブは、たとえば、「視野軸に沿って物体および装置の画像を観察し、同時に光学軸に沿ってこれらを並進させるための観察手段を備えた観察および照明ビデオプローブ(“Viewing and illuminating video probe with viewing means for simultaneously viewing object and device images along viewing axis and translating them along optical axis”)」と題され、この発明の譲受人に譲渡され、引用によりこの明細書中に援用される米国特許第5,060,063号において述べられる視覚プローブであってもよい。また、「物体の整列に作用するビデオプローブ(“Video Probe Aligning of Object to be Acted
Upon”)」と題され、この発明の視覚プローブの局面をさらに説明する米国特許番号RE35,615号の全体が引用により援用される。視覚プローブ130は、整列させられると、視覚ガントリ132によってその位置から静止位置に動かされ、図2cに図示のとおり、回路基板116およびステンシル106が接触するか、または印刷のために実質的に近接する。スクイージ108がステンシル106の表面上を並進し、ステンシル106のアパーチャを通じて回路基板116上にはんだペーストを堆積させると、はんだペーストの印刷が実行される。スクイージ108は、前進して完全に一掃し、次の回路基板116に備えて静止位置に到達し得る。代替的には、スクイージ108は回路基板上にはんだペーストを堆積させ、その開始位置に戻り得る。
【0022】
はんだペーストが回路基板116の表面に堆積した状態で、回路基板116は、図2dに図示のとおり、ステンシルの表面から離れ落ちることによってステンシル106から分離する。代替的には、ステンシルは、回路基板116の表面から上方に遠ざけられてもよい。印刷が終了すると、ステンシルは、たとえばプリンタ100の後部に向かって並進してクリーニングされる。大抵の公知のシステムにおいては、ステンシルが適所に固定されているが、このプリンタ100においては、ステンシルは前方および後方への動きで移動し得る。ステンシルは、ワイパ134の表面上で前方から後方に移動することによってク
リーニングされる。というのも、ワイパがステンシルの表面に接触し、余分なはんだペーストを除去するからである。ステンシルは、プリンタ100内で後方に、すなわちY軸の負の方向に移動することによりワイパの表面上を後部へと移動し、当該ステンシルは、Y軸の正の方向に前進することにより適所に戻って行く。この動きはステンシルの並進であるが、但し、プリンタ100におけるステンシルの並進が代替的または付加的にX軸方向に起こり得る可能性がある。ワイパ134は、トラック136の側に適所に固定されてもよく、当該トラック136に沿って回路基板が搬送される。ワイパ134は、概して、材料の堆積物が蓄積し得るステンシルの底または下面に接触する。好ましくは、ワイパ134は、ステンシルおよび視覚システムの動作を妨げないようにプリンタ100の後部に向けて位置決めされる。ステンシル106は、ワイパ134よりも高いレベルに位置決めされる。ステンシルが後方に並進する場合、ステンシルがワイパの上を移動し、残りのはんだペーストを除去する間、ワイパ134は、ステンシルに接触することによってステンシルの表面をクリーニングする。
【0023】
図3を参照すると、図2a〜図2gにおいて説明されたプロセスの側面図が示される。この図から、ステンシル106が矢印190で示された前方向および後方向に移動することがより明瞭に示される。ステンシル106は、回路基板116上で第1の位置から移動するとき、回路基板116の位置の上にかなりの空間を残して、固定されたワイパ134に接触する。こうして、ステンシルは、回路基板の位置に対して実質的に垂直な第1の方向と、回路基板の位置に対して実質的に平行な第2の平面位置とに移動し得る。
【0024】
引続き図3と、さらに図2dとを参照すると、ステンシルがワイパ134によってクリーニングされている間、または実質的に同時に、視覚プローブ130が回路基板116の表面の上の位置に移動して検査作業を実行する。視覚プローブは、矢印192で示される前方および後方運動で移動する。ステンシルがクリーニングされている間、視覚プローブ130はその動きが回路基板上の位置に制限されている。というのも、ステンシルがプリンタ100の後部の方に動かされると、視覚プローブ130が検査すべき回路基板上にかなりの空間がもたらされるからである。こうして、ステンシルの拭取りおよび回路基板の検査を並行して実現し得る。しかしながら、各々の印刷サイクル後にステンシルをクリーニングする必要はないかもしれない。このため、ステンシルのクリーニングとは無関係に検査を行うことができる。
【0025】
図2eを参照すると、検査が完了すると、回路基板116はプリンタ100から出る。回路基板116は、ステンシルがクリーニングされ続けている間にプリンタから出ることができる。これにより、第1の回路基板116の印刷が完了し、回路基板が次の製造サイクルに進み得る。図2fに図示のとおり、プリンタ100がトラック136を通じて新しい回路基板116を受取るよう準備されると、次の印刷サイクルが始まり得る。
【0026】
次の回路基板116がプリンタにおいて適所に移動する間、ステンシル拭取りプロセスが完了し、図2gに図示のとおり、ステンシル106が、新しい回路基板のための印刷サイクルを開始するためにプリンタ100の前部の方に移動する。
【0027】
図2a〜図2gに示されるステンシル拭取りおよび回路基板検査を含む、回路基板の印刷プロセスは、はんだペーストの印刷を必要とする基板の数に対応する回数であれば何回でも繰返すことができる。当該プロセスは、単一の回路基板116の印刷の完了時に必要とされ得るか、または、所定の数の回路基板116が印刷された後に完了し得る。というのも、各々の印刷サイクル後に検査およびクリーニングが必要とされない可能性があるからである。
【0028】
ステンシルおよび視覚プローブの相対的な位置決め、およびプリンタの後部に向かって
並進するステンシルの能力のために、動作を実質的に同時に実行することができ、これにより、印刷動作を完了するのに必要なサイクル時間を減らすことができる。サイクル時間の向上に加えて、品質も損なわれることはない。というのも、回路基板が検査され続けるからである。たとえば、いくつかの印刷サイクルにおいては、典型的な検査作業を達成するのに20〜60秒かかる可能性がある。用いられる拭取りプロセスの種類に応じて、40〜60秒の期間にわたってステンシルの拭取りが行われる可能性がある。したがって、検査とステンシル拭取りとが並行して行われている場合、両方のプロセスは、サイクル時間における0.5〜1分のオーダを除いては、1分以下で完了し得る。これらのサイクル期間は単に例示的なものであり、各々の機械または製品についての印刷サイクル特徴に応じて変化し得る。
【0029】
この発明の実施例は、ステンシルをワイパブレードの上で並進させる場合における、ステンシルの下方に位置決めされ、ステンシルの底面をクリーニングする固定されたワイパを説明する。この発明の他の実施例においては、ワイパがステンシルの表面の上方で固定されて、同様にステンシルの上面をクリーニングする。この発明のさらに別の実施例においては、ステンシルはワイパの上における位置に並進し、当該ワイパは、ステンシルがワイパの上で位置決めされるよう移動した場合、ステンシルの動きに対して垂直に並進する。この発明のさらに別の実施例においては、2つ以上のワイパが、クリーニングのためにステンシルよりも下の位置に固定される。ステンシルに対するワイパの他の位置が構想される。
【0030】
この発明の実施例においては、堆積が発生した後、視覚検査プローブは、基板を検査するようガントリシステム上で移動する。この発明の他の実施例においては、第1の基板を検査した後、印刷のために適所に挿入された第2の基板は、ステンシルがクリーニングされ続けている間、視覚システムを用いて適切に整列させることができる。
【0031】
この発明の少なくとも1つの具体的な実施例をこうして説明してきたが、当業者であれば、さまざまな変更例、変形例および改善例を容易に見出すだろう。このような変更例、変形例および改善例は、この発明の範囲および精神内にあるよう意図される。したがって、上述の説明は例示だけを目的とするものであり、限定を意図するものではない。この発明の限定は、添付の特許請求の範囲およびその同等物においてのみ規定される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の一実施例におけるスクリーンプリンタの斜視図である。
【図2a】この発明の一実施例における印刷挿入段階における図1のプリンタを示す上面図である。
【図2b】この発明の一実施例における整列印刷および排出完了回路基板段階における図1のプリンタを示す上面図である。
【図2c】この発明の一実施例における印刷段階における図1のプリンタを示す上面図である。
【図2d】この発明の一実施例におけるステンシル拭取りおよび検査段階における図1のプリンタを示す上面図である。
【図2e】この発明の一実施例における完全な拭取りおよび排出段階における図1のプリンタを示す上面図である。
【図2f】この発明の一実施例における拭取りおよび挿入印刷段階における図1のプリンタを示す上面図である。
【図2g】この発明の一実施例における第2の回路基板のための拭取りおよび整列印刷段階における図1のプリンタを示す上面図である。
【図3】この発明の一実施例にしたがった図1のプリンタの一部を示す側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子基板の表面上で動作を実行するための装置であって、
フレームと、
前記フレームに連結され、前記電子基板上に材料を分配するディスペンサと、
ガントリシステム上で並進可能なステンシルとを含み、前記ステンシルは、前記ディスペンサによって前記材料が前記基板上で分配されると前記材料を受取る少なくとも1つのアパーチャを有し、前記装置はさらに、
前記基板上での前記材料の分配を制御するコントローラと、
前記ステンシルが前記ガントリシステムによって前記電子基板から並進して離されると前記ステンシルから材料を除去するワイパとを含む、装置。
【請求項2】
前記ワイパが適所に固定される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ステンシルが前記ワイパの位置に亘って前記ガントリシステム上で動かされる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
第2のガントリシステムに連結され、前記電子基板の表面を検査するための検査プローブをさらに含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記検査プローブが前記電子基板上の位置に移動可能である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ステンシルが、前記電子基板の検査と実質的に同時に、前記固定されたワイパの上を並進する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ワイパが前記ステンシルの位置よりも下に位置決めされる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ステンシルが第1の前部位置から第2の後部位置まで並進し、前記ワイパによって前記材料が除去されると前記第1の前部位置に戻る、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ステンシルが、前記電子基板の位置に対して垂直に移動することにより、前記電子基板から並進して離れる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ステンシルが、前記電子基板から離れる第1の方向に並進し、前記ワイパに向かう第2の方向に並進する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
基板の表面上で印刷動作を実行するための方法であって、
前記基板上に材料を印刷するための位置に前記基板を搬送するステップと、
前記基板とステンシルとを整列させるステップとを含み、前記ステンシルは、前記材料が前記基板上に堆積すると前記材料を受取る少なくとも1つのアパーチャを有し、前記方法はさらに、
前記ステンシルを通じて前記基板上に前記材料を堆積させるステップと、
前記ステンシルが並進されると前記ステンシルの表面から残りの材料を除去するよう位置決めされた固定されたワイパ上で、前記基板の前記表面上の位置から前記ステンシルを並進させるステップとを含む、方法。
【請求項12】
ビデオプローブ検査システムを用いて前記基板を検査するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記検査するステップおよび前記並進させるステップが実質的に同時に行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記固定されたワイパ上で前記ステンシルを並進させつつ、第2の基板を印刷位置に搬送するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ステンシルプリンタにおいて、同時に電子基板を検査しステンシルをクリーニングするための方法であって、
前記電子基板の上方で前記ステンシルを位置決めするステップと、
前記電子基板上に材料を堆積させるステップと、
前記ステンシルおよび前記電子基板を分離するステップと、
前記回路基板の上の区域から除去される前記ステンシルをある位置に並進させるステップと、
前記ステンシルと前記電子基板との間の空間に検査システムを挿入するステップと、
クリーニングのために固定されたワイパ上で前記ステンシルを並進させつつ、前記電子基板を検査するステップとを含む、方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図2g】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−522970(P2007−522970A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554160(P2006−554160)
【出願日】平成17年2月11日(2005.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/004695
【国際公開番号】WO2005/081599
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(500172704)スピードライン・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】