説明

スルホニル基を含むフォトレジストモノマー、ポリマー及びこれを含むフォトレジスト組成物

【課題】スルホニル基を含むフォトレジストモノマー、ポリマー及びこれを含むフォトレジスト組成物を提供する。
【解決手段】前記フォトレジストモノマーは、下記化学式で表される。


式中、Rは水素又はメチル基であり、R及びRは各々独立的にケトン基を含むか又は含まない炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基であり、R及びRの何れか一つの作用基は存在しないことができ、R及びRは互いに連結して環を形成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトレジストモノマー、ポリマー及びこれを含むフォトレジスト組成物に関し、特に、スルホニル基を含むフォトレジストモノマー、ポリマー及びこれを含むフォトレジスト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体素子の高集積化及び高精密化に伴い、写真工程においてハーフピッチ90nm未満の超微細フォトレジストパターンの形成が要求されている。これにより、量産用露光源の波長が193nm未満に短くなる一方、ウェハー加工工程をより最適化且つ精密化する技術の開発が進行されている。このように精密なパターンを具現するために、LER(Line Edge Roughness)が少なく、露光後ベイク温度敏感度(Post Exposure Baking Sensitivity)が小さく、ドライエッチング耐性に優れた感光性物質が要求されている。
【0003】
フォトレジストパターンの形成工程において、解像度及び工程余裕度を改善してより精密なパターンを形成するには、フォトレジスト用ポリマーの側鎖についている、塩基性溶液に対する溶解を抑制する保護基が脱保護される反応の活性化エネルギーを低くしたり、露光後ベイク温度敏感度が小さい物質、すなわち酸により小さく影響される物質を使用することが好ましい。したがって、酸の影響が小さく、露光する光源によって主鎖が分解されるポリマーを使用すれば、優れたパターンが得られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、本発明の目的は、光酸発生剤(Photo Acid Generator;PAG)がなくても、紫外線光源によりパターン形成が可能であり、LERを改善できるフォトレジストモノマー、ポリマー及びこれを含むフォトレジスト組成物を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、前記フォトレジスト組成物を用いたフォトレジストパターンの形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、下記化学式1で表される、スルホニル基を持つフォトレジストモノマーを提供する。
《化学式1》
【化1】

式中、Rは水素又はメチル基であり、R及びRは各々独立的にケトン基を含むか又は含まない炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基であり、R及びRの何れか一つの作用基は存在しないことができ、R及びRは互いに連結して環を形成できる。
【0007】
また、本発明は、酸触媒だけでなく紫外線光源により、脱保護される、下記化学式2で表される繰返し単位を含むフォトレジストポリマーを提供する。
《化学式2》
【化2】

式中、R、R及びRは上記化学式1で定義したようである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によるフォトレジストポリマー及びこれを含む組成物は、リソグラフィ工程において光酸発生剤がなくても光源により高分子が分解されるため、パターン形成が可能である。また、光酸発生剤を含む場合は、リソグラフィ工程の後、酸だけでなく紫外線光源により高分子が分解されることで、エネルギー感度が増加し、露光によって分解されたスルホニル酸が高分子に連結して酸の拡散が制御されるため、LERを改善できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明をより詳細に説明すれば、次の通りである。
【0010】
本発明によるスルホニル基を含むフォトレジストモノマーは、下記化学式1で表される。
《化学式1》
【化3】

式中、Rは水素又はメチル基であり、R及びRは各々独立的にケトン基を含むか又は含まない炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜20、好ましくは炭素数7〜12のアリ−ルアルキル基であり、R及びRは互いに連結して環を形成できる。前記アルキル基、前記シクロアルキル基、前記アリール基又は前記アリ−ルアルキル基は、ケトン基を含むことができる。R及びRの何れか一つの作用基は存在しないこともでき、R及びRの何れか一つの作用基のみが存在する場合、その作用基は窒素(N)と二重結合により連結される。すなわち、RとRとが一緒になって2価の基を形成することができる。
【0011】
本発明によるフォトレジストモノマーの具体例としては、
【化4】

などが挙げられる。
本発明による上記化学式1で表される感光性モノマーでは、既存の脱保護作用基のように酸触媒により脱保護反応が行われることができるが、既存の脱保護作用基とは異なり、酸触媒なしに紫外線領域の光によっても感光性作用基であるオキシム基の脱保護作用によって脱保護反応が行われることもできる。このような酸触媒なしに行われる脱保護反応により、高分子の分子量が減少し、高分子の物性が変化することで、露光後、現像液との親和力を高めることができる。これにより、現像過程において既存の高分子化合物と比較してより容易に微細パターンを形成し、LERを改善できる。
【0012】
本発明によるスルホニル基を持つフォトレジストポリマーは、下記化学式2で表される繰返し単位を含む。
《化学式2》
【化5】

式中、R、R及びRは上記化学式1で定義した意味である。フォトレジストポリマーにおいて、上記化学式2で表される繰返し単位の含量は、20〜60モル%である。フォトレジストポリマーを構成する残りの繰返し単位は、通常のフォトレジスト用ポリマーを構成する1種以上の繰返し単位を含むことができる。本発明によるフォトレジストポリマーは、下記化学式3で表されることができる。
《化学式3》
【化6】

式中、Rは各々独立的に水素又はメチル基であり、R及びRは上記化学式2で定義した意味であり、Rは水素又はヒドロキシ基或いはエステル基を含むか又は含まない炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜12のアリールアルキル基であり、a及びbは各々独立的にポリマーを構成する繰返し単位のモル%であって、各々1〜99モル%:1〜99モル%、好ましくはa:bが20〜60モル%:40〜80モル%である。
【0013】
上記化学式2のより具体例は、下記化学式4のようである。
《化学式4》
【化7】

式中、Rは各々独立的に水素又はメチル基であり、R及びRは上記化学式2で定義した意味であり、a、b及びcは各々独立的にポリマーを構成する繰返し単位のモル%であって、各々1〜98モル%:1〜98モル%:1〜98モル%、好ましくはa:b:cが1〜60モル%:1〜60モル%:1〜50モル%である。
【0014】
また、感光性ポリマーは、シクロオレフィン(例:無水マレイン酸)モノマー、感光性高分子の製造に通常的に使用される他のモノマー、架橋結合性モノマーなどをさらに含むことができ、これらの補助モノマーの含量は、通常、全体繰返し単位に対して0〜5モル%である。本発明による感光性ポリマーは、ブロック共重合体又はランダム共重合体であって、重量平均分子量(Mw)は3,000〜20,000、好ましくは3,000〜15,000である。分散度は1.0〜5.0、好ましくは1.0〜2.2である。重量平均分子量及び分散度が前述した範囲を逸脱すれば、フォトレジスト膜の物性が低下し、フォトレジスト膜の形成が困難になり、パターンのコントラストが低下する。
【0015】
本発明によるフォトレジストモノマーは、例えば、下記反応式1に示すように、オキシム化合物とスルホニルクロライド化合物とを0℃以下で反応させ、数回水で洗浄して有機塩基を除去した後、ヘキサンで再結晶する方法により製造される。
《反応式1》
【化8】

【0016】
本発明による感光性ポリマーは、上記化学式1で表されるモノマーと異なるモノマーを用いて通常の重合反応により製造できる。このとき、開始剤としては、公知の重合開始剤を広く使用でき、非限定的な例としては、アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)などが挙げられる。
【0017】
本発明のフォトレジスト組成物は、上記化学式1で表されるモノマーを含む感光性ポリマー、酸を発生させる光酸発生剤及び有機溶媒を含み、必要に応じて各種添加剤を配合して製造できる。製造されたフォトレジスト組成物の固形分濃度は、全体フォトレジスト組成物に対して1〜30重量%が好ましく、0.2μmのフィルターなどで濾過して使用する。
【0018】
光酸発生剤は、光により酸を発生できる化合物であれば良く、非限定的な例としては、オニウム塩、有機スルホン酸又はこれらの混合物が挙げられる。光酸発生剤の含量は、全体フォトレジストポリマー100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましい。光酸発生剤が0.1重量部未満に添加される場合には、フォトレジスト組成物の光に対する敏感度が低下し、20重量部を超過して使用される場合には、光酸発生剤が遠紫外線を多く吸収して、酸が多量発生することで、レジストパターンの断面が不良になる恐れがある。
【0019】
本発明によるフォトレジスト組成物を構成する有機溶媒としては、フォトレジスト組成物の製造に通常的に使用される多様な有機溶媒を広く使用できる。非限定的な例としては、エチレングリコールモノメチルエチル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル又はこれらの混合物が挙げられる。有機溶媒の含量は、全体フォトレジストポリマー100重量部に対し、300〜5000重量部が好ましい。
【0020】
また、本発明のフォトレジスト組成物は、有機塩基をさらに含むことができ、有機塩基の含量は0.01〜10重量%である。有機塩基としては、トリエチルアミン、トリイソブチルアミン、トリイソオクチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン又はこれらの混合物などが用いられる。
【0021】
本発明のフォトレジスト組成物を用いてフォトレジストパターンを形成するには、まず、シリコンウェハーやアルミニウム基板等の被エッチング層上に、スピンコッター等を用いてフォトレジスト組成物を塗布してフォトレジスト膜を形成し、フォトレジスト膜を所定のパターンに露光した後、露光されたフォトレジスト膜を加熱及び現像することで、優れたパターンが得られる。現像工程に用いられる現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)などのアルカリ性化合物を0.1〜10重量%の濃度に溶解させたアルカリ水溶液が用いられ、現像液にはメタノールやエタノール等のような水溶性有機溶媒及び界面活性剤を適量添加できる。また、現像液で現像した後には超純水で洗浄する。
【実施例】
【0022】
以下、具体的な実施例により、本発明を詳細に説明する。下記の実施例は本発明を具体的に説明するためのもので、本発明がこれに限定されるものではない。
【0023】
[実施例1−1]下記化学式2aで表されるモノマーの合成
化学式1aで表される化合物12.4g(0.11mol)を反応溶媒であるテトラヒドロフラン(THF)100mLに溶解した後、トリエチルアミン(有機塩基)15.0gを添加した。反応器の温度を0℃に維持しながら撹はんした。ここに、THF10mLに溶解した4−スチレンナトリウム塩20.2g(0.1mol)を徐々に添加した後、反応器の温度を常温として12時間撹はんした。反応が終了した後、反応器に冷たい蒸溜水100mLを入れ、ジエチルエーテル200mLを用いて3回抽出した。抽出溶液を無水黄酸マグネシウムで乾燥してから減圧蒸留し、得られた化合物をヘキサンで再結晶して下記化学式2aで表されるモノマーを91%の歩留まりで得た。H−NMR(CDCl、内部標準物質):δ(ppm)7.88(CH、2H)、7.50(CH、2H)、6.63(CH、1H)、5.63(CH、1H)、5.18(CH、1H)、1.59(CH、4H)、1.26(CH、4H)、1.19(CH、2H)
《化学式1a》
【化9】

《化学式2a》
【化10】

【0024】
[実施例1−2]下記化学式2bで表されるモノマーの合成
化学式1aで表される化合物12.4gの代りに、下記化学式1bで表される化合物18.2g(0.11mol)を使用した以外は、実施例1−1と同様な方法により化学式2bで表されるモノマーを85%の歩留まりで得た。H−NMR(CDCl、内部標準物質):δ(ppm)7.85(CH、2H)、7.47(CH、2H)、6.59(CH、1H)、5.60(CH、1H)、5.16(CH、1H)、1.74(CH、4H)、1.44(CH、6H)、1.21(CH、2H)、1.08(CH、2H)
《化学式1b》
【化11】

《化学式2b》
【化12】

【0025】
[実施例1−3]下記化学式2cで表されるモノマーの合成
化学式1aで表される化合物12.4gの代りに、下記化学式1cで表される化合物13.8g(0.11mol)を使用した以外は、実施例1−1と同様な方法により化学式2cで表されるモノマーを87%の歩留まりで得た。H−NMR(CDCl、内部標準物質):δ(ppm)7.86(CH、2H)、7.47(CH、2H)、6.60(CH、1H)、5.61(CH、1H)、5.15(CH、1H)、1.69(CH、2H)、1.60(CH、1H)、1.52(CH、1H)、1.46(CH、2H)、1.41(CH、2H)、1.24(CH、2H)
《化学式1c》
【化13】

《化学式2c》
【化14】

【0026】
[実施例1−4]下記化学式2dで表されるモノマーの合成
化学式1aで表される化合物12.4gの代りに、下記化学式1dで表される化合物17.9g(0.11mol)を使用した以外は、実施例1−1と同様な方法により化学式2dで表されるモノマーを94%の歩留まりで得た。H−NMR(CDCl、内部標準物質):δ(ppm)8.15(CH、2H)、7.86(CH、2H)、7.60(CH、2H)、7.49(CH、2H)、6.61(CH、1H)、5.61(CH、1H)、5.15(CH、1H)
《化学式1d》
【化15】

《化学式2d》
【化16】

【0027】
[実施例1−5]下記化学式2eで表されるモノマーの合成
化学式1aで表される化合物12.4gの代りに、下記化学式1eで表される化合物23.4g(0.11mol)を使用した以外は、実施例1−1と同様な方法により化学式2eで表されるモノマーを83%の歩留まりで得た。H−NMR(CDCl、内部標準物質):δ(ppm)8.02(CH、2H)、7.98(CH、2H)、7.86(CH、2H)、7.71(CH、2H)、7.49(CH、2H)、6.61(CH、1H)、5.61(CH、1H)、5.15(CH、1H)
《化学式1e》
【化17】

《化学式2e》
【化18】

【0028】
[実施例1−6]下記化学式2fで表されるモノマーの合成
化学式1aで表される化合物12.4gの代りに、下記化学式1fで表される化合物14.9g(0.11mol)を使用した以外は、実施例1−1と同様な方法により化学式2fで表されるモノマーを92%の歩留まりで得た。H−NMR(CDCl、内部標準物質):δ(ppm)7.87(CH、2H)、7.66(CH、2H)、7.51(CH、2H)、7.37(CH、3H)、6.59(CH、1H)、5.62(CH、1H)、5.19(CH、1H)、1.89(CH、3H)
《化学式1f》
【化19】

《化学式2f》
【化20】

【0029】
[実施例1−7]下記化学式2gで表されるモノマーの合成
化学式1aで表される化合物12.4gの代りに、下記化学式1gで表される化合物25.8g(0.11mol)を使用した以外は、実施例1−1と同様な方法により化学式2gで表されるモノマーを81%の歩留まりで得た。H−NMR(CDCl、内部標準物質):δ(ppm)8.45(CH、2H)、7.95(CH、4H)、7.87(CH、2H)、7.65(CH、2H)、7.49(CH、2H)、7.32(CH、1H)、6.62(CH、1H)、5.61(CH、1H)、5.19(CH、1H)、1.94(CH、3H)
《化学式1g》
【化21】

《化学式2g》
【化22】

【0030】
[実施例1−8]下記化学式2hで表されるモノマーの合成
化学式1aで表される化合物12.4gの代りに、下記化学式1hで表される化合物20.1g(0.11mol)を使用した以外は、実施例1−1と同様な方法により化学式2hで表されるモノマーを89%の歩留まりで得た。H−NMR(CDCl、内部標準物質):δ(ppm)7.89(CH、2H)、7.69(CH、4H)、7.50(CH、2H)、7.42(CH、4H)、6.59(CH、1H)、5.64(CH、1H)、5.20(CH、1H)
《化学式1h》
【化23】

《化学式2h》
【化24】

【0031】
[実施例2−1]化学式3aで表される感光性ポリマーの製造
還流冷却器が付着された500mLの4つ口フラスコに、温度調節装置及び窒素投入器を付着した後、THF300mLを投入し、窒素を加えて30分間撹はんした。上記反応器に上記化学式2aで表されるモノマー41.86g、4−アセトキシスチレン48.62g、スチレン5.21g及びアゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)2.73gを入れ、40℃の窒素雰囲気下で30分間撹はんした。その後、温度を70℃に上昇させて反応物を24時間重合反応させた。重合反応が終了した後、温度を常温に下げ、反応液をヘキサン3Lに沈殿させて沈殿物を得た。次に、得られた沈殿物を濾過し、2Lのヘキサンで数回洗浄し、真空乾燥した。乾燥されたポリマーを含むフラスコにメタノール300mLを添加し、30%NHOH水溶液50mLを添加した後、50℃でゆっくり撹はんしてポリマーを完全に溶解させ、30分間さらに撹はんした。溶解された溶液を1.5Lの水に沈殿させて沈殿物を得た後、沈殿物を濾過して2Lの純水で数回洗浄し、2日間真空乾燥して、下記化学式3aで表される感光性ポリマー67.92gを製造した(歩留まり:75%、繰返し単位のモル%=30モル%:60モル%:10モル%)。合成されたポリマーをGPC(Gel permeation chromatography)を用いて分子量(Mw)及びPD(Polydispersity)を分析した{GPC分析:Mw=18,600、PD=1.94}。
《化学式3a》
【化25】

【0032】
[実施例2−2]下記化学式3bで表される感光性ポリマーの製造
化学式2aで表される化合物41.86gの代りに、上記化学式2bで表されるモノマー49.67gを使用した以外は、実施例2−1と同様な方法により化学式3bで表されるポリマーを71%の歩留まりで得た(繰返し単位のモル%=30モル%:60モル%:10モル%){GPC分析:Mw=17,100、PD=1.89}。
《化学式3b》
【化26】

【0033】
[実施例2−3]下記化学式3cで表される感光性ポリマーの製造
化学式2aで表される化合物41.86gの代りに、上記化学式2cで表されるモノマー43.66gを使用した以外は、実施例2−1と同様な方法により化学式3cで表されるポリマーを74%の歩留まりで得た(繰返し単位のモル%=30モル%:60モル%:10モル%){GPC分析:Mw=19,500、PD=1.92}。
《化学式3c》
【化27】

【0034】
[実施例2−4]下記化学式3dで表される感光性ポリマーの製造
化学式2aで表される化合物41.86gの代りに、上記化学式2dで表されるモノマー49.36gを使用した以外は、実施例2−1と同様な方法により化学式3dで表されるポリマーを69%の歩留まりで得た(繰返し単位のモル%=30モル%:60モル%:10モル%){GPC分析:Mw=18,200、PD=2.01}。
《化学式3d》
【化28】

【0035】
[実施例2−5]下記化学式3eで表される感光性ポリマーの製造
化学式2aで表される化合物41.86gの代りに、上記化学式2eで表されるモノマー56.86gを使用した以外は、実施例2−1と同様な方法により化学式3eで表されるポリマーを78%の歩留まりで得た(繰返し単位のモル%=30モル%:60モル%:10モル%){GPC分析:Mw=16,900、PD=2.04}。
《化学式3e》
【化29】

【0036】
[実施例2−6]下記化学式3fで表される感光性ポリマーの製造
化学式2aで表される化合物41.86gの代りに、上記化学式2fで表されるモノマー45.16gを使用した以外は、実施例2−1と同様な方法により化学式3fで表されるポリマーを72%の歩留まりで得た(繰返し単位のモル%=30モル%:60モル%:10モル%){GPC分析:Mw=18,200、PD=1.98}。
《化学式3f》
【化30】

【0037】
[実施例2−7]下記化学式3gで表される感光性ポリマーの製造
化学式2aで表される化合物41.86gの代りに、上記化学式2gで表されるモノマー60.17gを使用した以外は、実施例2−1と同様な方法により化学式3gで表されるポリマーを68%の歩留まりで得た(繰返し単位のモル%=30モル%:60モル%:10モル%){GPC分析:Mw=16,900、PD=1.85}。
《化学式3g》
【化31】

【0038】
[実施例2−8]下記化学式3hで表される感光性ポリマーの製造
化学式2aで表される化合物41.86gの代りに、上記化学式2hで表されるモノマー52.36gを使用した以外は、実施例2−1と同様な方法により化学式3hで表されるポリマーを75%の歩留まりで得た(繰返し単位のモル%=30モル%:60モル%:10モル%){GPC分析:Mw=17,400、PD=1.91}。
《化学式3h》
【化32】

【0039】
[実施例3−1〜実施例3−8]実施例2で製造したフォトレジストポリマーを含むフォトレジスト組成物の製造
実施例2−1〜実施例2−8で製造したそれぞれのフォトレジストポリマー(化学式3a〜化学式3h)1.8g、トリフェニルスルホニウムトリフレート0.08g及びトリエタノールアミン0.03gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)30gに溶解させた後、0.20μmのフィルターで濾過させてフォトレジスト組成物を製造した。
【0040】
[比較例1]下記化学式5で表される感光性ポリマーを含むフォトレジスト組成物の製造
上記化学式2aで表されるモノマーを使用せず、4−アセトキシスチレン4.08g及びt−メタクリル酸ブチル3.58gを使用した以外は、実施例2−1と同様な方法により、下記化学式5で表されるポリマーを製造した(繰返し単位のモル%=50モル%:50モル%){GPC分析:Mw=14,700、PD=2.22}。
【0041】
次に、下記化学式5の感光性ポリマー1.8g、トリフェニルスルホニウムトリフレート0.08g及びトリエタノールアミン0.03gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)30gに溶解させた後、0.20μmのフィルターで濾過させてフォトレジスト組成物を製造した。
《化学式5》
【化33】

【0042】
[実施例4]フォトレジスト組成物を用いた露光パターンの形成
実施例3−1〜実施例3−8及び比較例1で製造したそれぞれのフォトレジスト組成物を、ヘキサメチルジシロキサン(HMDS)で処理されたシリコンウェハーの被エッチング層上に0.1μmの厚さでスピンコードしてフォトレジスト薄膜を製造した後、130℃のオーブン又は熱板で90秒間ソフト熱処理を行い、開口数が0.5であるKrF露光装備を用いて最適露光エネルギー(EOP)で露光した。その後、130℃で90秒間再加熱した。加熱したウェハーを2.38重量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液に30秒間沈漬して現像することで、0.2μmの同一ライン及びスペースパターンを形成した。得られたフォトレジストパターンの線幅変化を調べて、その結果を下記の表1に示す。
【表1】

【0043】
上記の表1から、本発明による感光性ポリマー(化学式3a〜化学式3h)を含むフォトレジスト組成物は、通常の化学増幅用感光性ポリマー(化学式5)を含むフォトレジスト組成物より線幅安全性に優れることが分かる。
【0044】
また、実施例3−1〜実施例3−8で製造したフォトレジスト組成物を、EUV露光装備を用いて、マスク及びウェハーを接触させて露光した結果、50nmの同一ライン及びスペースパターンが成功的に形成された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表されるスルホニル基を含む、フォトレジストモノマー。
《化学式1》
【化1】

式中、Rは水素又はメチル基であり、R及びRは各々独立的にケトン基を含むか又は含まない炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基であり、R及びRの何れか一つの作用基は存在しないことができ、R及びRは互いに連結して環を形成できる。
【請求項2】
前記モノマーは、
【化2】

からなる群より選ばれるものである、請求項1に記載のフォトレジストモノマー。
【請求項3】
下記化学式2で表される繰返し単位を含む、フォトレジストポリマー。
《化学式2》
【化3】

式中、Rは水素又はメチル基であり、R及びRは各々独立的にケトン基を含むか又は含まない炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基であり、R及びRの何れか一つの作用基は存在しないことができ、R及びRは互いに連結して環を形成できる。
【請求項4】
前記フォトレジストポリマーは、下記化学式3で表されるものである、請求項3に記載のフォトレジストポリマー。
《化学式3》
【化4】

式中、Rは各々独立的に水素又はメチル基であり、R及びRは前記化学式3で定義した意味であり、Rは水素又はヒドロキシ基或いはエステル基を含むか又は含まない炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜12のアリールアルキル基であり、a及びbは各々独立的にポリマーを構成する繰返し単位のモル%であって、各々1〜99モル%:1〜99モル%である。
【請求項5】
前記フォトレジストポリマーは、下記化学式4で表されるものである、請求項3に記載のフォトレジストポリマー。
《化学式4》
【化5】

式中、Rは各々独立的に水素又はメチル基であり、R及びRは前記化学式2で定義した意味であり、a、b及びcは各々独立的にポリマーを構成する繰返し単位のモル%であって、各々1〜98モル%:1〜98モル%:1〜98モル%である。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか一項に記載のフォトレジストポリマー;
酸を発生させる光酸発生剤;及び、
有機溶媒を含み、
前記フォトレジストポリマー100重量部に対し、前記光酸発生剤の含量は0.1〜20重量部であり、前記有機溶媒の含量は300〜5000重量部である、フォトレジスト組成物。
【請求項7】
a)請求項3〜5のいずれか一項に記載のフォトレジストポリマー;酸を発生させる光酸発生剤;及び有機溶媒を含むフォトレジスト組成物を被エッチング層上に塗布してフォトレジスト膜を形成する段階;
b)前記フォトレジスト膜を所定のパターンに露光する段階;
c)前記露光されたフォトレジスト膜を加熱する段階;及び、
d)前記加熱したフォトレジスト膜を現像し、所望のパターンを得る段階を含む、フォトレジストパターンの形成方法。

【公開番号】特開2008−111120(P2008−111120A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276423(P2007−276423)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(502081871)ドンジン セミケム カンパニー リミテッド (62)
【Fターム(参考)】