スロットマシン
【課題】 特定図柄の組合せを構成する図柄として識別性の高い図柄の採用に伴い、停止操作順の違いにより発生する当該図柄の組合せが停止表示される割合の変化を抑えつつ、リプレイタイムの終了を回避するときの「目押し」の負担を軽減することができる。
【解決手段】 リプレイタイムが終了する第一の特定図柄の組合せを構成する特定図柄「7」と第二の特定図柄の組合せを構成する補助特定図柄「プラム」を設定し、特定図柄「7」の停止位置が、いずれか一つに限定される場合に限り、補助特定図柄「プラム」を停止させ、第二の特定図柄の組合せとなるように停止制御することで、すべての停止操作順において、特定図柄の組合せが停止される割合を均等にする構成としてある。
【解決手段】 リプレイタイムが終了する第一の特定図柄の組合せを構成する特定図柄「7」と第二の特定図柄の組合せを構成する補助特定図柄「プラム」を設定し、特定図柄「7」の停止位置が、いずれか一つに限定される場合に限り、補助特定図柄「プラム」を停止させ、第二の特定図柄の組合せとなるように停止制御することで、すべての停止操作順において、特定図柄の組合せが停止される割合を均等にする構成としてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体を投入後、スタート操作により回転を開始する複数のリール(回胴)を、停止操作により停止させ、各リールに付された絵柄,文字等の図柄が有効ライン上で所定の図柄の組合せで表示されることによって、表示された図柄の組合せに応じた遊技媒体を獲得できるスロットマシン(回胴式遊技機)に関し、特に、遊技媒体を投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされるリプレイタイムを、特定の役に対応する特定の図柄の組合せの停止表示によって終了させるスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スロットマシンは、遊技者が遊技媒体となる遊技用のメダル(コイン)や遊技球(パチンコ球)を投入してスタートレバーを押下することにより、外周面に所定の絵柄や数字,文字等の図柄が表された複数のリール(通常3個のリール)が回転を開始し、定速回転後、任意のタイミングで停止ボタンが押されることでリールが停止し、停止表示されたリール上の図柄の組合せに応じて所定数の遊技媒体が払い出される遊技機である。
【0003】
このようなスロットマシンでは、一遊技毎にスタートレバーの操作のタイミングで、所定の抽せん確率に基づいて、内部抽せんが行われる。内部抽せんの結果、複数の抽せん対象から今回の遊技の当せん内容が決定され、当せん内容に対応した図柄の組合せで停止表示されるように、停止ボタンの押下タイミングに基づき、各リールが停止制御されるようになっている。
そして、内部抽せんにおける抽せん対象には、対応する停止表示されるリール上の図柄の組合せにより、遊技者に対して遊技価値が付与される抽せん対象と、なんら遊技価値が付与されない抽せん対象であるハズレがある。遊技者に対して遊技価値が付与される抽せん対象は、役と呼ばれ、対応する停止表示されるリール上の図柄の組合せにより、遊技媒体が付与される、いわゆる「入賞」となって、数枚のメダルが獲得される「小役」、遊技媒体は付与されないが、次回遊技において、メダルを投入することなく遊技可能となる「再遊技役」、所定の小役が連続して当せんする特別な遊技状態であるボーナス遊技に移行する条件となる「ボーナス役」がある。
これらの抽せん対象が抽せんされる抽せん確率は、通常、ハズレが頻出するとともに、小役、再遊技役が時折発生し、ボーナス役が稀に発生するように設定されている。したがって、遊技状態のうちの大半は、ハズレや小役、再遊技役が発生する通常遊技が占めることになり、遊技者は、このような通常遊技において、ボーナス役の当せんを期待しつつ、スロットマシン遊技を進行させている。
【0004】
近年のスロットマシンにおいては、上記の通常遊技、ボーナス遊技の外に、遊技者に有利となるその他の遊技状態が設定されているスロットマシンもある。
遊技者に有利となる遊技状態としては、上記の再遊技役が高確率で発生し、再遊技が頻出する状態(再遊技頻出遊技)が継続する、いわゆる「リプレイタイム(RT)」(以下、再遊技頻出遊技をリプレイタイムと称し、必要に応じて再遊技頻出遊技を使用する。)と呼ばれる遊技状態が知られている。
リプレイタイムでは、再遊技役が高確率で発生することから、再遊技役に当せんする度にメダルを投入することなく次回遊技可能となるため、その分投入するメダルの量も抑えられ、遊技者への負担が、通常遊技より軽減され、遊技者に有利な遊技状態となっている。
【0005】
以上のような複数の遊技状態は、通常遊技を基本の遊技状態として、一定の条件が成立することで順次遷移するようになっている。
ボーナス遊技は、内部抽せんにより、ボーナス役に当せんするとともに、「7・7・7」などの所定の停止図柄の組合せが停止表示されることにより、通常遊技等からボーナス遊技に移行するようになっている。
ボーナス遊技は、所定の小役が高確率で発生するように設定され、既定のメダル数の獲得により終了するようになっている。
【0006】
リプレイタイムは、ボーナス遊技の終了後や、長期間ボーナス役の当せんがなく通常遊技が継続する、いわゆる「はまりモード」を救済するために、一定の遊技回数の間、ボーナス役の当せんがない状態が継続した場合などに移行するようになっている。
リプレイタイムでは、再遊技役が高確率で発生するとともに、この間の抽せん対象には、「ボーナス役」が含まれている。これにより、リプレイタイムでは、遊技者は、通常遊技より少ない遊技投資で、ボーナス役の当せんを期待しながら、遊技を楽しめるようになっている。
リプレイタイムの終了条件には、リプレイタイム中におけるボーナス役の当せんや、ボーナス役に対応する図柄の組合せの停止表示によるボーナス遊技への移行以外に、例えば、あらかじめ定められた遊技回数が消化されることや、特定の図柄の組合せ(以下、特定図柄の組合せという)が停止表示されることなどが、遊技機に関する規則において規定されている。
【0007】
最近では、リプレイタイム中において、特定の役(以下、特定役という)に当せんし、当該特定役に対応する特定図柄の組合せの停止表示を終了条件とする場合において、遊技者にリプレイタイムの継続の成否に関与させる仕様のスロットマシンが多く見受けられる。
このようなスロットマシンでは、各リールを停止させる停止ボタンの操作時に、一定の技術を介入させた遊技者の選択により、特定図柄の組合せの停止表示を回避させる、いわゆる「ハズシ」を行わせることで、引続きリプレイタイムを継続させるようにしている。
【0008】
「ハズシ」は通常、特定の一のリールにおいて行われるようになっている。
例えば、特定役を「チェリー役」とし、対応する特定図柄の組合せが「左リールの左図柄・中リールの中図柄・右リールの右図柄」の順で「チェリー・ANY・ANY」(ANYは、図柄の種類を特定しないすべての図柄を示す、以下同じ。)としたときに、リプレイタイムにおいて、「チェリー役」に当せんし、当該当せんが遊技者に対して報知された場合には、遊技者は、左リールに対応して設けられた左停止ボタンを、左リールに「チェリー」が停止表示されないタイミングで停止操作をする、いわゆる「ハズシ」を行うことで、特定図柄の組合せが停止表示されず、リプレイタイムの終了が回避され、リプレイタイムを継続させることができるようになっている。
この例のように、左リールに「チェリー」が停止表示されないタイミングで、左停止ボタンを停止操作する場合には、遊技者が、回転中の左リールにおける「チェリー」を目視するとともに、「チェリー」が停止可能な範囲を通過した後に、停止ボタンを停止操作したり、「チェリー」が停止表示されない範囲に表された図柄である「ハズシ図柄」を目安とし、停止ボタンを停止操作したりする、いわゆる「目押し」と呼ばれる行為が必要とされる。
【0009】
とくに、複数の「チェリー役」を設け、特定図柄の組合せを構成する左図柄である「チェリー」を各々異なる図柄色に彩色するとともに、各「チェリー」を停止可能な範囲を重複させず、かつ、停止可能な範囲を隙間なくリール上に配置した場合には、一の「チェリー役」に当せんしたときには、他の「チェリー役」に対応する色彩の「チェリー」が「ハズシ図柄」となり、遊技者は、左リールにおいて「ハズシ図柄」となる「チェリー」を狙って「目押し」することになる。
このような場合において、一般的に「チェリー」は、リールに占める図柄大きさが小さい部類の図柄に属するため、上級の遊技者にとっては、回転中のリールにおいて「チェリー」を識別でき、リプレイタイムの終了を回避することができるものの、特に「目押し」の技量が不足している初心者にとっては、識別しにくく、「目押し」を失敗する確率が高いため、リプレイタイムの終了を回避することが困難とされていた。
その結果、「目押し」の技量の差によって、遊技収支にも格差を生じさせることになり、初心者に対して、公平な遊技を提供するものではなかった。
【0010】
これに対して、特許文献1では、特定の小役に当せんしたときに、当該特定の小役に対応する図柄の組合せが停止表示されないタイミングで停止ボタンの停止操作が行われる、いわゆる「取りこぼし」が生じた場合に、特定図柄の組合せが停止表示される発明が開示されている。
この発明では、特定図柄の組合せが停止表示されることを回避し、特定の小役に対応する図柄の組合せを停止表示し易くするため、当該図柄の組合せを構成する所定のリールに表された図柄が、リールに占める図柄の大きさが大きい図柄であるボーナス役に対応する図柄「7」を採用している。
その結果、回転している当該リールにおいて、識別し易い「7」を「目押し」することで、「取りこぼし」が発生することなく、特定の小役に対応する図柄の組合せが停止表示させることができ、特定図柄の組合せの停止表示を回避することができるようになっている。
このように、ハズシ図柄を図柄の大きさが大きい「7」にすることで、初心者が「目押し」において、識別し易くなり、技量の格差を是正することができる。
【0011】
【特許文献1】特許第3910622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、これまで提案されているスロットマシンでは、以下のような弊害も生じていた。
リプレイタイムにおいて遊技者の関与により、リプレイタイムの終了を回避させ、リプレイタイムを継続させるタイプのスロットマシンでは、前述の一つのリールに停止表示される「チェリー」のみで、特定図柄の組合せが確定する「チェリー役」を特定役としている仕様のスロットマシンが、市場に多く設置させている。
ところが、前述したように、「チェリー」は、リールにおいて図柄の大きさの占める割合が比較的小さいという欠点があることから、「チェリー」が停止表示される範囲を外す「ハズシ」を行う場合の「目押し」においても、他の色の「チェリー」からなる「ハズシ図柄」を狙う「目押し」においても、「チェリー」の図柄自体の識別性が低いため、正確な「目押し」を困難にさせている。
単純に「チェリー」の外形を大きくすることも考えられるが、一般的には、ボーナス遊技に移行するボーナス役に対応する図柄である「7」等の識別性を優先するため、「チェリー」に比べ、「7」等を大きく形成する慣行があり、「チェリー」の図柄自体を大きく形成することは適切ではない。
【0013】
これに対して、特許文献1に記載された発明では、ボーナス役に対応する図柄であり、識別性の高い図柄である「7」を「目押し」させるとともに、「7」が停止表示されず、「取りこぼし」が発生した場合に、特定図柄の組合せが停止表示されるようになっているが、このような仕様を有するスロットマシンは、市場において人気がなく一般的ではなかった。また、特定図柄の組合せが、「取りこぼし」が発生した場合に、必ず停止表示されるように設定されているため、各リールにおける特定図柄の組合せを構成する図柄は、いかなる停止タイミングにおいても必ず停止表示されるように各リールにおいて配置する必要があり、配置上の制約が多く、リールにおける図柄配置の自由度を狭める弊害も生じさせていた。
【0014】
そこで、「チェリー役」のように一つのリールに停止表示される図柄のみで確定せず、一の有効ラインに沿って、三つのリールに停止表示された固有の図柄の組合せで「役」が確定する所定の小役等を特定役とすることが考えられる。
ところが、このような一の有効ラインに沿って停止表示された固有の図柄の組合せに対応する役では、以下のような問題があった。
【0015】
スロットマシン遊技においては、回転中の各リールを停止させるために、各リールに対応するように停止ボタンが設けられている。
そして、当該停止ボタンの停止操作は、遊技者の任意のタイミングで停止操作されるとともに、停止操作の順番も任意に選択できるようになっている。
また、「役」に当せんした場合、スロットマシンでは、当該「役」に対応する図柄の組合せを構成する各図柄の停止表示可能な図柄コマ数(通常0〜4コマ)内において停止操作タイミングが発生したときは、当該「役」に対応する図柄の組合せとなるように停止制御しなければならないようになっている。
このような制約があるため、特定役に対応する図柄の組合せを、三つのリールにおいて一の有効ラインに沿って停止表示される固有の図柄の組合せとした場合において、停止ボタンの停止操作順の違いにより、当該図柄の組合せが停止表示される割合が異なる場合があった。
【0016】
例えば、特定図柄の組合せを構成する左リールにおける図柄の停止表示を回避し易くするため、対応する特定図柄の組合せが「7・プラム・プラム」からなる特定役を設け、「7」を左リールに1つ配置するとともに、中リール及び右リールにおける「プラム」を、停止ボタンの停止操作タイミングに拘わらず、必ず停止表示されるように複数配置した場合において、停止ボタンの停止操作の順番により、「7・プラム・プラム」の組合せで停止表示される割合が異なってしまう。
具体的には、最初に左リールにおける「7」を停止表示させる場合には、「上段」、「中段」、「下段」のいずれかの停止位置に停止表示させるように停止制御すればよいため、回転中の左リールにおける「7」が、「下段」に位置しているときに、停止操作タイミングが発生した場合には、停止表示可能な図柄コマ数として「0」を選択すれば「下段」の停止位置に停止表示できる。一方、回転中の左リールにおける「7」が、「上段」の停止位置よりリールの回転方向に対して4コマ後方に位置している場合には、停止表示可能な図柄コマ数の最大値である「4」を選択することにより「上段」の停止位置に停止表示させることができる。
すなわち、左リールにおける「7」を最初に停止表示させる場合には、「7」を「上段」、「中段」、「下段」のいずれかの停止位置に引き込めるコマ数(以下、引き込み数という)は、「7」が「下段」に位置する場合から、「上段」の停止位置よりリールの回転方向に対して4コマ後方に位置している場合の範囲である「7コマ」存在することになる。
【0017】
ところが、既に中リール及び/又は右リールにおいて「プラム」が停止表示され、最初に左リールに対応する停止ボタンを停止操作しない場合には、先に停止表示されている図柄の停止位置によって、後に停止表示される図柄の停止位置が限定されてしまうため、上述の引き込み数が5コマに減ってしまう場合がある。
例えば、中リール及び右リールの各「上段」の停止位置に「プラム」が既に停止表示されている場合において、回転中の左リールにおける「7」が、「中段」、「下段」に位置するときは、リールを逆に回転しない限り、「上段」の停止位置には停止表示させることはできず、結局、回転中の左リールにおける「7」が、「上段」に位置する場合(停止表示可能な図柄コマ数は「0」)からリールの回転方向に対して4コマ後方に位置している場合の範囲である「5コマ」が引き込み数となる。
その結果、停止ボタンの操作の順番によっては、特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」で停止表示される割合が異なってしまい、これを逆手に取った遊技者が、最初に左停止ボタンを停止操作せずに、例えば、常に左停止ボタンを最後に停止操作することで、特定図柄の組合せが停止表示される割合を減らすことができてしまう。
【0018】
すなわち、停止ボタンの操作の順番によって、特定図柄の組合せの成否を制御する仕様を有するスロットマシンは別として、このように、「目押し」により特定図柄の組合せの停止表示を回避させる仕様のスロットマシンにおいては、停止ボタンの停止操作順により特定図柄の組合せが停止表示される割合が増減することは、新たな不安定要素となり、特定図柄の組合せとして適正を欠き、このような要素を排除する必要があった。
一方、市場において一般的なスロットマシンの仕様と同様に、特定役を「チェリー役」とし、特定図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とした場合には、中リールと右リールに停止表示された図柄に拘わらず、左リールの上段、中段、下段のいずれかの停止位置に「チェリー」が停止表示されるのみで、特定図柄の組合せが確定する。このため、いかなる停止ボタンの停止操作順によっても、「チェリー」の引き込み数は「7コマ」となり、上記のような停止操作の順番の違いにより特定図柄の組合せが停止表示される割合が異なるような問題は生じない。
【0019】
以上のような従来のスロットマシンが有する問題を解決すべく、本願発明者らは、鋭意研究の結果、リプレイタイムが終了することになる特定図柄の組合せが停止表示されることを回避するために遊技者が行う「目押し」の負担を軽減すべく、特定図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」からなる図柄の組合せとせずに、一の有効ラインに沿って、3つのリールに停止表示される固有の図柄の組合せとすることで、特定図柄の組合せを構成する図柄に外形の大きな図柄を採用するとともに、その結果停止ボタンの停止操作順の違いにより生じる特定図柄の組合せが停止表示される割合の減少を補う補助特定図柄を設けることで、特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等にする従来には存在しない魅力的なスロットマシンを実現し得る本発明に想到するに至ったものである。
【0020】
すなわち、本発明は、上述したような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、停止ボタンの停止操作順の違いにより生じる特定図柄の組合せが停止表示される割合の変化を抑えることで、特定図柄の組合せを構成する図柄に識別性の高い外形の大きな図柄を採用することができ、リプレイタイムの終了を回避するときの「目押し」の負担を軽減するスロットマシンの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するため、本発明のスロットマシンは、請求項1に記載するように、スタート操作により各々数種類の図柄が所定の順序で配置された第一リール、第二リール、第三リールが回転を開始し、各リールに対応して設けられた停止ボタンの停止操作により回転する各リールが停止されることで、各リールにおける連続して隣接する三つ図柄が停止表示されるとともに、所定の有効ラインに沿って停止表示された各リールに表された図柄の組合せに基づき遊技価値を付与するスロットマシンであって、複数の抽せん対象から所定の抽せん確率に基づいてゲーム毎に内部抽せんを行い、抽せんされた当せん内容に対応した図柄の組合せを構成する各リールにおける図柄が停止表示可能な所定の図柄コマ数内で、前記各停止ボタンの停止操作のタイミングが生じたときに、当せん内容に対応した停止図柄の組合せとなるように各リールを停止制御する停止制御手段と、通常遊技、ボーナス遊技、及び遊技媒体を投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされる再遊技頻出遊技を含む複数の遊技状態に移行させるゲーム管理手段と、前記抽せん対象となる特定の役に対応する図柄の組合せであって、第一リールにおいて他の図柄の外形より大きく表され、当該リールに一つ配置される第一特定図柄と、第二リールに表され、停止表示可能な前記図柄コマ数の最大値を超えない間隔をもって、複数配置される第二特定図柄と、第三リールに表され、停止表示可能な前記図柄コマ数の最大値を超えない間隔をもって、複数配置される第三特定図柄の組合せからなり、前記各特定図柄が一の前記有効ラインに沿って停止表示されることで、前記再遊技頻出遊技が終了する第一の特定図柄の組合せと、前記第一特定図柄から第一リールの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された第一補助特定図柄と、前記第二特定図柄と、前記第三特定図柄の組合せからなり、前記第一補助特定図柄と前記第二特定図柄と前記第三特定図柄が一の前記有効ラインに沿って停止表示されることで遊技価値が付与されることなく前記再遊技頻出遊技が終了する第二の特定図柄の組合せと、を設定する特定図柄設定手段と、を備え、前記停止制御手段が、前記特定の役に当せんし、前記第一特定図柄が停止表示可能な前記図柄コマ数内で、第一リールに対応する停止ボタンの停止操作のタイミングが生じたときは、前記第一の特定図柄の組合せとなるように各リールを停止制御するとともに、前記第一特定図柄が停止表示可能な前記図柄コマ数内を通過し、2コマ以内に当該停止操作のタイミングが生じたときは、各停止ボタンの停止操作順により、前記第一特定図柄が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つに限定される場合に限り、前記第一補助特定図柄を停止表示させ、第二の特定図柄の組合せとなるように第一リールを停止制御する構成としてある。
【0022】
このような構成とすることにより、リプレイタイムが終了することになる特定図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする必要をなくすことができ、その結果、特定図柄の組合せを構成する図柄として、リール上の「チェリー」や他の図柄に比べ外形の大きな図柄を採用することができる。
すなわち、前述したように「チェリー役」以外の役は、一の有効ラインに沿って3つのリールにおいて停止表示された固有の図柄の組合せの停止表示により成立するようになっている。このため、先に停止表示された図柄の停止位置によって、後に停止表示される図柄の停止位置が限定されてしまう。その結果、後に停止表示される図柄の引き込み数が少なくなり、ひいては特定図柄の組合せが停止表示される割合が減少してしまう。
【0023】
そこで、本発明に係る第一特定図柄から第一リールの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された第一補助特定図柄を備えることで、この問題が解消される。
具体的には、第二特定図柄と第三特定図柄は、各々各リールにおいて、停止表示可能な図柄コマ数の最大値を超えない間隔をもって、複数配置されているため、対応する各停止ボタンの停止操作タイミング及び停止操作の順番に拘わらず、必ずある有効ラインに沿って停止制御されるようになっている。
一方、第一特定図柄は、第一リールに一つしか配置されていないため、第一リールに対応する停止ボタンの停止操作タイミングいかんによっては、停止表示されない場合もあり、停止表示されるか否かによって、第一の特定図柄の組合せの停止表示が左右される、前述の「チェリー」と同様な役割を果たす図柄となっている。
その結果、第一特定図柄の停止表示いかんによって、リプレイタイムの終了か又は継続かが決定されるため、遊技者が、当該第一特定図柄を停止表示可能な範囲以外で「目押し」をすることにより、停止表示されないようにする「ハズシ」の対象となる図柄となっている。
【0024】
そして、このような第一特定図柄は、当該第一特定図柄が表された第一リールに対応する停止ボタンが最初に停止操作される場合において、「上段」、「中段」、「下段」のいずれかの停止位置に当該第一特定図柄を引き込めるコマ数である「引き込み数」は、例えば、停止制御可能な図柄コマ数の範囲が「0〜4」のとき、前述のように「7コマ」存在することになる。
その結果、第一リールにおいて、図柄が、例えば、21図柄が配置されている場合は、第一特定図柄を停止表示させることができる割合は7/21となり、さらに、第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合は、第二特定図柄と第三特定図柄は必ず停止表示されるため、7/21の割合で第一の特定図柄の組合せが停止表示されることになる。
【0025】
一方、少なくとも他のリールに対応するいずれかの停止ボタンが、第一リールに対応する停止ボタンより先に停止操作されることで、先に停止表示された他のリールにおける図柄の停止位置によって、第一特定図柄が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つに限定される場合は、当該第一特定図柄の「引き込み数」は、「5コマ」に減少する。その結果、第一特定図柄を第一リールにおいて停止表示させることができる割合及び第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合は、5/21となってしまう。
【0026】
ところが、第一特定図柄から第一リールの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された本発明の第一補助特定図柄を備えることで、第一特定図柄が通過した後から第一補助特定図柄の通過までの2コマを、第一補助特定図柄の停止表示範囲とするとともに、この2コマの範囲で、対応する停止ボタンが停止操作された場合には、第一補助特定図柄を停止表示させることで、第二の特定図柄の組合せを表示させることができる。この場合、第一補助特定図柄を第一リールにおいて停止表示させることができる割合及び第二の特定図柄の組合せが停止表示される割合は、2/21となる。
【0027】
これにより、第一特定図柄が表された第一リールに対応する停止ボタンが、他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作されることで、第一特定図柄が停止表示される停止位置が一つに限定される場合、第一特定図柄の「引き込み数」は「5コマ」に減少し、第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合は、5/21となってしまうが、第一補助特定図柄を停止表示させる「引き込み数」2コマが加わることで、第二の特定図柄の組合せが停止表示される割合である2/21が加算されるため、全体の特定図柄の組合せが停止表示される割合は、最初に第一リールに対応する停止ボタンが停止操作された場合と同様、7/21とすることができる。
その結果、停止ボタンの停止操作順の違いにより生じる特定図柄の組合せの停止表示される割合の減少を補うことができ、停止ボタンの停止操作順によらず、特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等にすることができる。
【0028】
なお、第一の特定図柄の組合せに対応する特定の役は、抽せん対象であり、何らかの遊技価値が付与される「役」に該当するため、回動式遊技機の規則によると、当該特定の役に当せんした場合には、第一の特定図柄の組合せとなるように最大限停止制御しなければならない。一方、第一補助特定図柄を含む第二の特定図柄の組合せは、「役」とは異なり、停止表示によりなんら遊技価値が付与されない図柄の組合せであるため、回動式遊技機の規則に準じると、積極的に停止制御する必要がなく、あらかじめ定められた条件に基づき、停止表示されるように停止制御することができる。
これにより、第二の特定図柄の組合せは、第一リールに対応する停止ボタンが他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作されることで、第一特定図柄が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つの停止位置に限定される場合に停止制御されるように設定するとともに、第一補助特定図柄が停止表示可能な図柄コマ数を、第一特定図柄が停止表示可能な範囲を通過した後から第一補助特定図柄の通過までの2コマの範囲とあらかじめ設定することができる。
その結果、第一リールに対応する停止ボタンが、他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作されることで、第一特定図柄が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つに限定される場合に限り、2/21の停止表示の割合をもって、第二の特定図柄の組合せを停止表示させることができ、第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合の減少を補うことができる。
【0029】
以上のことより、「チェリー役」以外の役においても、「チェリー役」と同等の「引き込み数」を確保することができるとともに、停止ボタンの停止操作の順番に拘わらず、特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等に保つことができる。その結果、第一特定図柄を、「チェリー」以外の図柄であって、他の図柄に比べて外形の大きな図柄とすることができる。
これにより、遊技者が、第一特定図柄を停止表示させない「ハズシ」を行う場合においても、第一特定図柄を識別し易い大きな外形の図柄を採用することができ、第一特定図柄を外すための「目押し」が容易にできる。
【0030】
なお、「ハズシ」を行う場合において、好ましくは、第一特定図柄が表された第一リールに対応する停止ボタンを最初に停止操作することが望ましい。
これは、第一リールに対応する停止ボタンが、他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作された場合において、第一特定図柄が通過した直後の停止操作のタイミングであれば、第一特定図柄が停止表示されないものと勘違いし、誤って、停止操作をすると、第一補助特定図柄が停止表示されてしまう場合があるからである。
このような勘違いを避けるためにも、第一リールに対応する停止ボタンを最初に停止操作をすることが好ましく、第一特定図柄が通過した直後を見計らって「目押し」をしても、第一補助特定図柄が停止表示されることはないため、特定図柄の組合せが停止表示されることはない。
以上のことより、停止ボタンの停止操作順に拘わらず、「チェリー役」と同等な引き込み数を確保しつつ、「ハズシ」を行う場合の目安となる第一特定図柄を識別性の高い大きな外形の図柄とすることができ、特定役に当せんした場合のリプレイタイムの終了を回避するための「目押し」において、上級遊技者と初心者との巧拙の格差を是正することができる。
【0031】
なお、第一リール、第二リール、第三リールは、スロットマシンにおいて、左リール、中リール、右リールのいずれかに対応するものであるが、特に対応関係を限定するものではない。
一般的に、「目押し」の対象となるリールは、両端側に位置する左リール又右リールとされていることが多いため、第一リールが、左リール又は右リールに該当することが好ましい。
【0032】
また、本発明のスロットマシンは、請求項2に記載するように、前記第一特定図柄が、ボーナス役に対応する図柄の組合せを構成する図柄と兼用される構成とすることができる。
【0033】
このような構成とすることにより、第一特定図柄が、ボーナス役に対応する図柄の組合せを構成する図柄である「7」や「BAR」などの、リールにおいて他の図柄より大きな外形で表された図柄とすることができる。
スロットマシンにおいては、ボーナス役に対応する図柄の組合せは、通常、「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」などの図柄の組合せからなり、これらの図柄の組合せを構成する図柄は、リールにおいて他の図柄より大きな外形で表されている。
ボーナス役は、遊技者が最も期待する抽せん対象であるとともに、各リールにおいて表されている数も少なく、遊技者の「目押し」を必要とするため、大きな外形で表されている。このため、上級者のみならず、初心者も、「目押し」に慣れ親しんでいる図柄であるため、「目押し」により「ハズシ」を行う場合にも、上級者と初心者との技量的な格差が生じにくい図柄である。
これにより、初心者でも、容易に「7」等を識別することで、簡単に「目押し」をすることができ、リプレイタイムの終了を回避することができる。
【0034】
また、本発明のスロットマシンは、請求項3に記載するように、前記第一特定図柄が、前記第一リールにおいて複数表され、前記各第一特定図柄が種類の異なる図柄からなるとともに、当該各第一特定図柄に対応する第一の特定図柄の組合せが複数設けられ、当該各第一特定図柄と対をなす前記第一補助特定図柄を備え、前記各第一特定図柄が、停止表示可能な前記図柄コマ数の最大値に少なくとも2コマ加えた間隔をもって、前記第一リールに配置される構成とすることができる。
【0035】
このような構成とすることにより、第一特定図柄が、停止表示可能な図柄コマ数の最大値に少なくとも2コマ加えた間隔をもって、第一リールに配置されることで、各第一特定図柄及び、各第一特定図柄と対をなす第一補助特定図柄が停止制御される停止可能な範囲が、重複せず、棲み分けが行われるため、一の特定役に当せんした場合において、当該特定役に対応する第一特定図柄と図柄の種類の異なる第一特定図柄をリプレイタイムの終了を回避する「目押し」の目安となる、いわゆる「ハズシ図柄」とすることができる。
その結果、例えば、一の特定役に当せんし、この特定役に対応する第一特定図柄が、遊技者に報知された場合において、当該第一特定図柄と図柄の種類の異なる他の第一特定図柄である「ハズシ図柄」を積極的に狙って「目押し」を行うことができる。
そして、「ハズシ図柄」は、識別性の高い大きな外形で形成されているため、「ハズシ図柄」を狙った「目押し」を容易にすることができる。
【0036】
また、本発明のスロットマシンは、請求項4に記載するように、前記複数の各第一特定図柄が、形状が同一で、色彩が各々異なる図柄からなる構成とすることができる。
このような構成とすることにより、前述のように「ハズシ図柄」を積極的に狙って「目押し」を行う場合にも、形状が同一なので、色の違いのみに着目して、「目押し」を行うことができる。
これにより第一特定図柄は、それ自体大きな外形で表されているとともに、各第一特定図柄の形状が同一なので、図柄の形状の違い見分ける必要がなくなり、色の違いのみ見分けることで、容易に「目押し」を行うことができる。
【0037】
また、本発明のスロットマシンは、請求項5に記載するように、前記第一特定図柄から第一リールの回転方向に対して一図柄前方及び/又は後方に配置された図柄及び/又は図柄の背景が、当該第一特定図柄と同じ色彩が付される構成とすることができる。
このような構成とすることにより、第一特定図柄と当該第一特定図柄の一図柄前方及び/又は後方に配置された図柄及び/又は図柄の背景が、同じ色彩が付されるため、第一特定図柄が2図柄又は3図柄の範囲に亘って一体的に識別されることから、回転中の第一リールにおいて、第一特定図柄を簡単に見分けることができ、「目押し」を更に容易にすることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明のスロットマシンによれば、特定図柄の組合せを構成する図柄として識別性の高い図柄の採用に伴い、停止操作順の違いにより発生する、当該図柄の組合せが停止表示される割合の変化を抑えつつ、リプレイタイムの終了を回避するときの「目押し」の負担を軽減する従来には存在しない魅力的なスロットマシンを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明に係るスロットマシンの好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
ここで、以下の実施形態に示す本発明のスロットマシンは、プログラムに制御されたコンピュータにより動作するようになっている。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、所定の制御、例えば、リールの回転開始,リールの停止制御,内部抽せん等を行わせる。このように、本発明にかかるスロットマシンにおける各制御,動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現されるものである。なお、プログラムは予めROM等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行される。
【0040】
[スロットマシン本体]
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係るスロットマシン本体の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンを示す概略正面図であり、図2は、同じく本実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図であり、図3は、本実施形態に係るスロットマシンの表示窓における有効ラインを示す図である。
これら図に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、従来のスロットマシンと同様に、スロットマシン1に備えられた複数のリール21a,21b,21cを回転させることによって遊技媒体を獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
【0041】
そして、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイタイムが終了することになる特定図柄の組合せが停止表示されることを回避するために遊技者が行う「目押し」の負担を軽減すべく、特定図柄の組合せを一の有効ラインに沿って3つのリールにおいて停止表示される固有の図柄の組合せとすることで、特定図柄の組合せを構成する図柄に外形の大きな図柄を採用するとともに、その結果停止ボタンの停止操作順の違いにより生じる特定図柄の組合せが停止表示される割合の減少を補う補助特定図柄を設けることで、特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等にすることができるようになっている。
【0042】
具体的には、本実施形態のスロットマシン1は、内部がマイクロコンピュータ等で構成された制御部10及び必要な機械,装置等を収納可能な前面側が開口された筐体1bと、前面側を開閉可能に覆う前扉1aとからなる筐体状に構成されている。
前扉1aは、図1及び図2に示すように、スロットマシン1の筐体1bにヒンジ等を介して開閉自在に取り付けられる扉体で、この前扉1aに前面パネル2とその他各部が備えられてスロットマシン1の正面部を構成している。
【0043】
前扉1aの最上部には、表示器L1が備えられ、また、表示器L1の左右両脇にはスピーカ9が備えられている。
表示器L1は、液晶表示装置等からなる特定役の当せんを報知する後述の特定役報知手段等として機能し、リプレイタイムにおいて、特定役に当せんしたときに、リプレイタイムの終了を回避する「目押し」の負担を軽減させるために、特定役の当せん情報、特定役に対応する特定図柄の組合せの情報(各図柄の絵柄など)などを演出画像(動画及び静止画像を含む)として表示することで、遊技者に報知するようになっている。
この表示器L1による演出は、スピーカ9からの音による演出と連動して、又はスピーカ9による音による演出とは独立して行われるようになっている。
この表示器L1は、制御部10から送信されるとともに、筐体1bに設けられた演出制御部40が受信する制御コマンドに基づき、演出制御部40に備えられる表示器駆動回路42によって駆動制御される(図5参照)。
【0044】
スピーカ9は、遊技者に対してメロディ音やメッセージ音等の各種の音声を発生することで、特定役の当せんを報知する後述の特定役報知手段等として機能し、このスピーカ9を介して、上述した表示器L1とともに、又は表示器L1とは別個に、音による所定の演出が行われるようになっている。
例えば、リプレイタイムにおいて、特定役に当せんしたときに、リプレイタイムの終了を回避する「目押し」の負担を軽減させるために、特定役の当せん報知、特定図柄の図柄名称などが、音声によりスピーカ9から出力されることで、遊技者に報知することができる。
このスピーカ9から発生される音声は、制御部10から送信されるとともに、筐体1bに設けられた演出制御部40が受信する制御コマンドに基づき、演出制御部40に備えられるサウンド回路41によって生成・出力されるようになっている(図5参照)。
【0045】
前面パネル2には、ほぼ中央部分に表示窓3が設けられ、筐体内の各リール21a〜21cが外部から視認可能となっている。
表示窓3は、スロットマシン1内部に配設された三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21c(図2参照)の視認用の窓部で、通常、無色透明又は有色透明な樹脂製パネル等からなり、三つの各リール21の周囲に表された複数の図柄のうち、縦方向に連続して隣接する三つの図柄をそれぞれ視認,識別できるようになっている。
そして、この表示窓3を介して視認されるリール21の停止図柄の組合せには、有効ラインが設定されている。
図3に示すように、有効ラインは、水平に3つ平行に並んだ中段、上段、下段の有効ライン1、有効ライン2、有効ライン3と、斜めにクロスする2つの有効ライン4、有効ライン5の計5ラインが設けられ、有効ライン1〜5に沿って停止表示されたリール21a〜21cに表された図柄の組合せによって、ゲームの結果が決定されるようになっている。
【0046】
前面パネル2の表示窓3の下側には、貯留枚数表示部2aと、状態表示部2bと、獲得枚数表示部2cとが備えられている。
貯留枚数表示部2a,状態表示部2b及び獲得枚数表示部2cは、それぞれ7セグメントLED等からなり、所定の数値が表示されるようになっている。
貯留枚数表示部2aは、貯留メダル数が表示され、状態表示部2bは、ボーナス遊技におけるメダルの払出総数や消化ゲーム数が表示され、獲得枚数表示部2cは、入賞時の払出数が表示される。
各表示部は、制御部10に備えられた表示部駆動回路15によって駆動制御される(図5参照)。
【0047】
前面パネル2の表示窓3の左側には、下側より、ボーナス当せん告知部L2、特定役当せん告知部L3が備えられている。
ボーナス当せん告知部L2は、スロットマシン1の制御部10における内部抽せんの結果、ボーナス役に当せんした場合に、所定の条件に基づき、点灯又は点滅するLED発光ダイオード(以下、LEDという)と、LEDの光によって絵柄等を透光表示させる透光表示部とを有している。
特定役当せん告知部L3は、特定役に当せんしたときに報知手段として機能し、点灯又は点滅するLEDと、絵柄等をLEDの光によって透光表示させる透光表示部とを有している。
そして、上記の各告知部L2〜L3は、制御部10から送信されるとともに、演出制御部40が受信する制御コマンドに基づき、演出制御部40に備えられる表示器駆動回路42によって駆動制御される(図5参照)。
【0048】
前面パネル2の下側の前扉1aのほぼ中央部分には、スタートレバー4,停止ボタン5,メダル投入口6,精算ボタン6b,BETボタン7等の遊技者が操作するためのボタン類が備えられている。
スタートレバー4は、三つの各リール21の回転を開始させるゲームスタート手段であり、このスタートレバー4が遊技者の操作によって押下されることで、後述する制御部10にスタート信号が出力され(図5参照)、本体内部の各リール21a〜21cが一斉又は順次に回転するようになっている。
また、このスタートレバー4の押下によりスタート信号が入力されることで、制御部10において内部抽せんが行われ、当せん内容が決定されるようになっている。
【0049】
停止ボタン5は、回転するリール21を停止させる停止手段であり、三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cに対応して設けられた三つの停止ボタン(左)5a,停止ボタン(中)5b,停止ボタン(右)5cが備えられている。この各停止ボタン5a,5b,5cが遊技者の任意のタイミングで押下されることで、制御部10にストップ信号が出力され(図5参照)、対応する各リール21a,21b,21cの回転が停止されるようになっている。
従って、遊技者がこれらスタートレバー4及び停止ボタン5を操作することにより、三つのリール21a〜21cを回転及び停止させて、各リール21a〜21cに表された図柄を所定の組合せの停止表示となるようスロットマシン遊技を行うことができる。
【0050】
メダル投入口6は、ゲームに使用される遊技媒体となるメダルの受け入れ口であり、このメダル投入口6から投入されたメダル数に応じてゲームが行えるようになっている。
メダル投入口6の本体内部側には、図2に示すようにメダルセレクタ6aが備えられ、投入されたメダル数がカウントされ、そのメダル数を示すメダル信号が、本体内部の制御部10に出力されるようになっている。これにより、メダル投入口6からメダルが1枚投入されれば1枚賭けのゲーム、2枚投入されれば2枚賭けのゲーム、3枚投入されれば3枚賭け(MAXBET)のゲームが行えるようになる。
【0051】
また、メダル投入口6から投入されるメダルの数は、貯留メダル数として制御部10内のRAM11bに記憶されるようになっており(図5参照)、遊技の開始に先立って、予め複数のメダルを投入し、貯留メダルとして貯留,記憶できるようになっている。
具体的には、メダルが3枚投入されている状態で、さらにメダル投入口6からメダルが投入されると、4枚目以降のメダルは貯留メダルとして、所定数(例えば、最大50枚)が貯留,記憶される。また、入賞時の払出があった場合、貯留メダルの最大数までは、入賞メダルは貯留メダルとして貯留させる。貯留メダル数は前面パネル2の貯留枚数表示部2aに数値として表示される。
【0052】
精算ボタン6bは、遊技の終了時等に貯留メダルを精算するためのスイッチである。
この精算ボタン6bが押下されることで、貯留メダル分のメダルがメダル払出装置30から遊技メダル払出口8に排出され、RAM11bに記憶された貯留メダル数のデータも消去される。
また、貯留メダルが精算されることで貯留枚数表示部2aの数値もゼロ表示となる。
【0053】
メダルのBETボタン(投入ボタン)7は、メダル投入口6から投入されたメダルに貯留メダルがある場合に、その貯留メダルの中からゲームに使用する(賭ける)メダルを投入(BET)するメダル投入用のスイッチである。
具体的には、一回の押下によって一ゲームに投入可能な最大数のメダル(通常3枚)を貯留メダルから投入する3枚賭け用のMAXBETボタン7aと、一回の押下で1枚のメダルを貯留メダルから投入する1枚賭け用の1BETボタン7bとが備えられている。
1BETボタン7bは一回押下するたびに1枚賭け、2枚賭け、3枚賭けとBET数が増加するようになっている。
このBETボタン7が押下されると、メダル信号が制御部10に出力され(図5参照)、押下された回数と同数のメダルが、RAM11bに記憶された貯留メダルからゲームに投入されることになる。
なお、貯留メダルが投入されると、RAM11bに記憶された貯留メダル数が投入数だけ減算され、貯留枚数表示部2aの表示数値も投入数だけ減ることになる。
【0054】
スロットマシン1の最下部には、遊技メダル払出口8が備えられている。
停止ボタン5の押下によって停止された各リール21が所定の図柄の組合せとなった場合に、筐体内のメダル払出装置30から図柄の組合せに応じた数量のメダルが、遊技メダル払出口8より、払い出されるようになっている。払い出されたメダル数は、リールの表示窓3の下側にある状態表示部を構成する獲得枚数表示部2cに表示される。
【0055】
スロットマシン1の筐体内部には、図2に示すように、三個のリール21a〜21cを回転及び停止駆動するドラムユニット20や、メダルを払い出すメダル払出装置30、その他の機械,装置等が備えられている。
ドラムユニット20は、三つのリール21a,21b,21cと、三つのリール21a〜21cを回転自在に保持し、各リール21a〜21cに対応するステッピングモータ23a〜23cを回転駆動することで各リール21a〜21cの回転の始動,定速回転及び停止の制御を行うモータ駆動回路22と、各リール21a〜21cが一回転する毎に各リール21a〜21cの基準位置を検出してマーカー信号として制御部10に出力する回胴位置検出部24と、を備えている(図5参照)。
【0056】
リール21は、既存のスロットマシンにおけるものと同様、外周に複数(通常21個)の絵柄や文字等の図柄が表された円筒状部分からなり、縦方向(図面上から下方向)に回転する三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cが横方向(図面左右方向)に一列に並んで配設されている(図2参照)。
各リール21a〜21cに表された図柄は、図4に示すように、各リールごとに等間隔で配設され、例えば色違いの3種類の「7」や「ベル」,「スイカ」,「チェリー」,「リプレイ」,「プラム」等の絵柄や文字が、所定の順番で表示されており、各リールに21個ずつの図柄が表示されるようになっている。
そして、これらのリール21a〜21cに表された図柄が、スタートレバー4が押下操作されることで、下方向に回転するとともに、対応する停止ボタン5a〜5cが押下操作されることで、各リール21a〜21cに表された縦方向に連続して隣接する三つの図柄が、上述した表示窓3の有効ライン1〜5に沿って停止し、停止表示された停止図柄の組合せによって、遊技価値が付与される(図9参照)。
【0057】
このような三つのリール21a〜21cは、制御部10とドラムユニット20のモータ駆動回路22及び回胴位置検出部24によって駆動制御及び停止制御される。制御部10では、前述の回胴位置検出部24から入力される基準位置を示すマーカー信号に基づき、各リール21a〜21cの現在の回転位置を常時監視するようになっている。
ドラムユニット20では、三つのリール21a〜21cは対応する三つのステッピングモータ23a〜23cによってそれぞれ回転自在に保持されており、スタートレバー4及び停止ボタン5a〜5cが押下操作されることで、モータ駆動回路22に制御部10からパルス(駆動)信号が入力され、ステッピングモータ23a〜23cを駆動して(図5参照)、対応するリール21a〜21cの回転の始動,定速回転及び停止の制御が行われる。
【0058】
そして、遊技者が停止ボタン5を押下したタイミングに基づき、制御部10で行われる内部抽せんにおける当せん内容に応じてリール21の停止位置が制御されて、各リール21a〜21cの現在の停止可能な回転位置から所定の図柄コマ数の範囲内(0〜4コマの範囲内)で、当せん内容に対応する図柄が有効ライン1〜5に停止するように、リール21が停止制御されることになる。
これにより、スタートレバー4からのスタート信号を契機として制御部10で内部抽せんが行われ、制御部10からのパルス信号によりドラムユニット20が制御されることで、停止ボタン5が押下されるタイミングに基づく所定の図柄コマ数の範囲内で、当せん内容に応じた図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されるよう、各リール21a,21b,21cが停止制御されることになる。
【0059】
メダル払出装置30は、筐体内のドラムユニット20の下側に配設されるメダル払出用の装置であり、払出用のメダルを収納するホッパー31と、ホッパー31に設けられたメダル払出モータを駆動制御して所定数のメダルを排出させるホッパー駆動回路32と、排出されたメダルの枚数を所定のセンサによって検出して払出信号として制御部10に出力するメダル検出部33と、を備えている(図5参照)。
そして、このメダル払出装置30から排出されるメダルが、前扉1aの遊技メダル払出口8からスロットマシン前面に払い出されて遊技者に提供されることになる。
【0060】
[制御部]
次に、スロットマシン1全体を制御する制御部10について、図5、図6を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係る制御部及びその周辺構成の概略を示すブロック図であり、図6は、本実施形態に係る制御部において実行される制御の流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、本実施形態の制御部10は、上述したスロットマシン1の各部を制御する、IC,メモリ,各種回路基板等を備えたマイクロコンピュータを有する制御基板として構成され、筐体1bの後部に配設されている。
具体的には、制御部10は、CPU11と、当該CPU11に内蔵され記憶手段であるROM11a及びRAM11b、基準クロックを発生する本体クロック発生回路12、乱数発生のための基準クロックを生成する乱数クロック発生回路14、内部抽せん用の乱数を生成する乱数カウンタ13、各表示部2a〜2cを駆動する表示部駆動回路15等を備えている。
そして、制御部10では、ROM11aに記憶されたプログラムやデータに基づき、スロットマシン1全体を制御する処理が実行されるようになっている。
【0061】
具体的には、制御部10において、メダル投入を監視し、ゲーム可能な状態とし、スタートレバー4の操作のタイミングで、各リールを回転制御するとともに、所定の抽せん確率に基づき内部抽せんを行い、当せん内容を決定し、遊技者による停止ボタン5の停止操作のタイミングに基づき、当せん内容に対応する停止図柄の組合せで停止表示されるよう、各リール21を停止制御する。
さらに、停止表示された停止図柄の組合せを判定して、図柄の組合せに応じて、所定数のメダルを払出したり、通常遊技、ボーナス遊技、メダルを投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされるリプレイタイムを含む複数の遊技状態に移行させたりするゲーム管理を行うようになっている。
以下、図6のフローチャートに基づき、制御部10で実行される処理の流れを詳細に説明する。
【0062】
まず、スロットマシン1が電源投入されると、初期化処理が行われるようになっている(S1)。初期化処理では、RAM11bの作業領域を初期化するとともに、各種の初期設定が行われる。初期設定では、遊技状態を管理するゲームモードフラグを設定する処理も行われる。
本実施形態では、遊技状態として、通常遊技、ボーナス遊技、メダルを投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされるリプレイタイム(RT)が設けられている。
リプレイタイム(RT)は、通常遊技より、再遊技役が抽せんされる確率が高く設定された遊技状態となっている。
通常遊技においても、再遊技役は抽せんされる抽せん対象となっているため、再遊技役の抽せん確率で比較すると、リプレイタイム(RT)(高確率)>通常遊技(低確率)、となる関係が成り立つようになっている。
なお、ボーナス遊技においては、再遊技役は抽せんされないようになっている。
【0063】
本実施形態における各リプレイタイムの移行条件と終了条件との関係を図7に示す。
同図に示すように、リプレイタイム(RT)は、ボーナス遊技終了後に移行し、所定の遊技回数(Nゲーム回数)の間リプレイタイムが継続した後、通常遊技に移行するようになっている。なお、所定の遊技回数(Nゲーム回数)間に、特定図柄の組合せが停止表示されるか、又は、ボーナス役に当せんした場合には、通常遊技に移行するようになっている。
また、本実施形態では、電源投入時の遊技状態は、通常遊技から開始されるように設定されている。
このため、初期設定では、電源投入時の遊技状態を管理するため、ゲームモードフラグを通常遊技に設定する処理を行うようになっている。
本実施形態におけるゲームモードフラグと遊技状態の関係を図8に示す。
同図に示すように、ゲームモードフラグは、RAM11bに設けられたゲームモード領域にビット単位で設定されるようになっている。
具体的には、「ビット0」に「1」をセットで通常遊技、「ビット1」に「1」をセットでリプレイタイム(RT)、「ビット2」に「1」をセットでボーナス遊技となり、設定されたビット毎のゲームモードフラグを1ゲーム毎に参照することで、各遊技状態となるように制御される(ゲーム管理手段)。
そして、初期設定では、通常遊技となるように、同図における「ビット0」に「1」をセットし、その他のビットは、「0」でクリアされるようになっている。
これにより、電源投入後、ボーナス役に当せんし、ボーナス遊技となるまで、通常遊技が継続されるようになっている。
【0064】
次に、制御部10では、メダル投入を監視するメダル投入処理を行う(S2)。
メダル投入処理では、具体的には、メダルセレクタ6aからのメダル信号及びBETボタン7(MAXBETボタン7a,1BETボタン7b)からのメダル信号の入力を監視し、メダル投入口6から投入されたメダルの枚数、又はBETボタン7が押下されて賭けられたメダルの投入枚数を確認するとともに、BETボタン7からのメダル信号に基づき、RAM11bで記憶される貯留メダル枚数を減少させる。これにより、各ゲームに賭けられる賭け数1〜3が決定されることになる。
これにより、1回のゲームがスタート可能な状態となる。
【0065】
さらに、制御部10は、遊技者によるスタートレバー4操作を監視し(S3)、スタートレバー4操作に伴い生成されるスタート信号が入力されると、内部抽せん処理(S4)を行うとともに、リール21の制御信号となるパルス(駆動)信号をドラムユニット20へ出力し、リール21a〜21cを回転させるリール回転制御処理を行うようになっている(S5)。
以下、本実施形態に係る内部抽せんについて説明する。
【0066】
内部抽せんは、ゲーム毎に遊技者のスタートレバー4の操作のタイミングで行われる抽せん処理であり、カウンタIC等からなる乱数カウンタ13から取得される乱数と、ROM11aに予め設定・記憶された乱数テーブルの値とを比較・判定することにより実行される。
更新範囲(0〜16383)で発生する乱数カウンタ13から出力される乱数をスタートレバー4の操作のタイミングで取得(ラッチ)し、取得された乱数を、遊技状態別の乱数テーブルの各抽せん対象に対応する当せん範囲と比較することにより、いずれの抽せん対象に対応する当せん範囲に属しているかを判定し、その属する当せん範囲が示す抽せん対象が今回ゲームの当せん内容として決定・当せんするようになっている。
【0067】
内部抽せんにおいて抽せんされる抽せん対象には、遊技者に対して遊技価値が付与される役と呼ばれるものと、なんら遊技価値の付与されないハズレがある。
遊技価値が付与される役には、対応する停止表示される各リール21に表された図柄の組合せにより、遊技媒体が付与される、いわゆる「入賞」となって、数枚のメダルが獲得される「小役」、遊技媒体は付与されないが、次回遊技において、メダルを投入することなく遊技可能となる「再遊技役」、遊技媒体は付与されないが、所定の小役が連続して当せんする特別な遊技状態であるボーナス遊技に移行する条件となる「ボーナス役」がある。
図9に本実施形態の抽せん対象である各役と、対応する停止表示される各リール21に表された図柄の組合せと、付与される遊技価値との関係を示す。
【0068】
同図に示すように、「ボーナス役」は、停止図柄の組合せの色の違いで、対応する停止図柄の組合せが「左リール21aの左図柄・中リール21bの中図柄・右リール21cの右図柄」の順(以下、同様)で「赤7・赤7・赤7」となるボーナス役A、対応する停止図柄の組合せが「黄7・黄7・黄7」となるボーナス役B、対応する停止図柄の組合せが「緑7・緑7・緑7」となるボーナス役Cの3種類が設けられ、いずれの図柄の組合せの停止表示によっても、同様なボーナス遊技に移行するとともに、ボーナス遊技後には、リプレイタイム(RT)に移行するようになっている(図7参照)。
「再遊技役」は、対応する停止図柄の組合せが「リプレイ・リプレイ・リプレイ」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルの配当はないが、次回遊技において、メダルを投入することなく遊技をすることができるようになっている。
【0069】
「小役」は、対応する停止図柄の組合せの違いにより、小役A〜小役Fの6種類が設けられている。
小役Aは、対応する停止図柄の組合せが「赤7・プラム・プラム」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが2枚配当されるようになっている。
さらに、小役Aは、本発明に係る特定の役(以下、特定役という。)であって、「赤7・プラム・プラム」の組合せが停止表示されることでリプレイタイム(RT)が終了する本発明に係る第一の特定の組合せ(特定図柄A)となっており、左リール21aの「赤7」、中リール21bの「プラム」、右リール21cの「プラム」が、各々本発明に係る第一特定図柄、第二特定図柄、第三特定図柄に該当する。
小役Bは、対応する停止図柄の組合せが「黄7・プラム・プラム」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが2枚配当されるようになっている。
また、小役Bも、本発明に係る特定役であって、「黄7・プラム・プラム」の組合せが停止表示されることでリプレイタイム(RT)が終了する本発明に係る第一の特定図柄の組合せ(特定図柄B)となっており、左リール21aの「黄7」、中リール21bの「プラム」、右リール21cの「プラム」が、各々本発明に係る第一特定図柄、第二特定図柄、第三特定図柄に該当する。
小役Cは、対応する停止図柄の組合せが「緑7・プラム・プラム」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが2枚配当されるようになっている。
同様に、小役Cは、本発明に係る特定役であって、「緑7・プラム・プラム」の組合せが停止表示されることでリプレイタイム(RT)が終了する本発明に係る第一の特定図柄の組合せ(特定図柄C)となっており、左リール21aの「緑7」、中リール21bの「プラム」、右リール21cの「プラム」が、各々本発明に係る第一特定図柄、第二特定図柄、第三特定図柄に該当する。
【0070】
なお、上記の色彩の異なる各第一特定図柄の「7」は、図4に示すように、停止表示可能な図柄コマ数の最大値である「4コマ」に「2コマ」加えた「6コマ」の間隔をもって、左リール21aに、隙間なく均等に配置されている。
これにより、各第一特定図柄及び後述の第一補助特定図柄が停止制御される停止可能な範囲が、重複せず、棲み分けが行われるため、小役A〜Cのいずれかの小役に当せんした場合において、当該小役に対応する第一特定図柄「7」と色彩の異なる「7」をリプレイタイムの終了を回避する「目押し」の目安となる「ハズシ図柄」とすることができる。
その結果、例えば、小役Aに当せんし、この小役Aに対応する第一特定図柄である「赤7」が、遊技者に後述の特定図柄報知手段により報知された場合において、当該「赤7」と色彩の異なる「黄7」又は「緑7」を「ハズシ図柄」として積極的に狙って「目押し」を行うことで、「赤7・プラム・プラム」が停止表示されず、リプレイタイムの終了を回避することができるようになっている。
【0071】
小役Dは、対応する停止図柄の組合せが「チェリー・ANY・ANY」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが2枚配当されるようになっている。「ANY」は、中リール21b,右リール21cに表された全ての図柄(図4参照)が対象となることを意味するため、小役Aは、左リール21aに「チェリー」が停止表示されることで、事実上、入賞が確定するようになっている。
小役Eは、対応する停止図柄の組合せが「ベル・ベル・ベル」からなり、当該図柄の組合せの停止表示により、メダルが2枚配当されるようになっている。
また、小役Fは、対応する停止図柄の組合せが「スイカ・スイカ・スイカ」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが15枚配当されるようになっている。
【0072】
なお、本発明に係る第二の特定図柄の組合せが、上記の各小役A,B,Cに対応する第一の特定図柄の組合せと対をなすように設定されている。
図10は、第一の特定図柄の組合せと対をなす第二の特定図柄の組合せとの対応関係を示した図である。
小役Aに対応する特定図柄Aと対をなす第二の特定図柄の組合せとしては、左リール21aにおける「赤7」から当該リールの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された図柄番号「0」(図4参照)に該当する「プラム」を本発明に係る第一補助特定図柄とする「プラム(0)・プラム・プラム」となる組合せ(補助特定図柄A)が設定されている。
小役Aに当せんし、中リール21b及び/又は右リール21cにおいて、第二及び/又は第三特定図柄である「プラム」が既に停止表示され、有効ライン1〜5のいずれかに沿って、「赤7」を停止表示させる場合、すなわち、「赤7」を停止表示させる停止位置が、上a、中a、下aのいずれか一つに限定される場合、回転中における左リール21aの「赤7」が当該有効ラインを超え、プラム(0)までの範囲で、左停止ボタン5aが停止操作されたときに、「プラム(0)・プラム・プラム」が停止表示されるようになっている。
【0073】
また、小役Bに対応する特定図柄Bと対をなす、第二の特定図柄の組合せとしては、左リール21aにおける「黄7」から当該リールの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された図柄番号「7」(図4参照)に該当する「プラム」を本発明に係る第一補助特定図柄とする「プラム(7)・プラム・プラム」となる組合せ(補助特定図柄B)が設定されている。
小役Bに当せんし、中リール21b及び/又は右リール21cにおいて、第二及び/又は第三特定図柄である「プラム」が既に停止表示され、有効ライン1〜5のいずれかに沿って、「黄7」を停止表示させる場合、すなわち、「黄7」を停止表示させる停止位置が、上a、中a、下aのいずれか一つに限定される場合、回転中における左リール21aの「黄7」が当該有効ラインを超え、プラム(7)までの範囲で、左停止ボタン5aが停止操作されたときに、「プラム(7)・プラム・プラム」が停止表示されるようになっている。
【0074】
同様に、小役Cに対応する特定図柄Cと対をなす、第二の特定図柄の組合せとしては、左リール21aにおける「緑7」から当該リールの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された図柄番号「14」(図4参照)に該当する「プラム」を本発明に係る第一補助特定図柄とする「プラム(14)・プラム・プラム」となる組合せ(補助特定図柄C)が設定されている。
小役Cに当せんし、中リール21b及び/又は右リール21cにおいて、第二及び/又は第三特定図柄である「プラム」が既に停止表示され、有効ライン1〜5のいずれかに沿って、「緑7」を停止表示させる場合、すなわち、「緑7」を停止表示させる停止位置が、上a、中a、下aのいずれか一つに限定される場合、回転中における左リール21aの「緑7」が当該有効ラインを超え、プラム(14)までの範囲で、左停止ボタンaが停止操作されたときに、「プラム(14)・プラム・プラム」が停止表示されるようになっている。
これらの各第二の特定図柄の組合せである補助特定図柄A〜Cは、停止表示により、「ハズレ」と同様に、なんら遊技価値を付与されることはないが、リプレイタイムにおいて、各小役に当せんしたときに、当該小役と対応関係にある補助特定図柄A〜Cが停止表示されることで、リプレイタイムが終了するようになっている。
なお、各小役A〜Cに当せんした場合において、当せんした小役と対応関係にない補助特定図柄A〜Cは、停止表示されないようになっている。
【0075】
そして、このような本発明に係る特定役である小役A〜Cを含め、上述した各役は、内部抽せんにおいて、抽せんされる抽せん対象となっている。
本実施形態の内部抽せんにおける遊技状態別の抽せん対象を図11に示す。
同図に示すように、抽せん対象には、例えば11種類の組合せが設けられており、各抽せん対象は、遊技状態毎で、抽せんされる確率が異なるように設定されている。
具体的には、同図に示すように、遊技状態別に異なる乱数テーブルが参照され、通常遊技では、通常遊技用の乱数テーブル、リプレイタイム(RT)では、リプレイタイム用の乱数テーブルを参照して内部抽せんが行われるようになっている。
そして、各参照される乱数テーブルは、抽せん対象が抽せんされる確率が異なるように、抽せん対象が当せんすることとなる当せん範囲が異なる値に設定されている。
【0076】
同図における各乱数テーブルに表された値は、乱数の更新範囲(0〜16383)における各抽せん対象が抽せんされることとなる乱数の当せん範囲から算出された各抽せん対象の当せん幅を示している。各抽せん対象は、乱数カウンタ13から出力される乱数が、抽せん対象毎にあらかじめ定められた当せん範囲に該当した場合に、当せんされるようになっている。各抽せん対象の当せん幅は、この当せん範囲の上限値から下限値を減算することで算出され、乱数の更新範囲に占める各抽せん対象の当せん幅の割合から各抽せん対象の当せん確率が算出されるようになっている。
なお、図中の「・・・」は抽せん対象毎に設定されている当せん幅の所定の数値を示している。
たとえば、抽せん番号10に該当する「リプレイ」の当せん幅は、通常遊技用の乱数テーブルでは、「2245」、リプレイタイム用の乱数テーブルでは、「13650」と設定されており、これにより各遊技状態における再遊技役(「リプレイ」)の当せん確率は、通常遊技では、「1/7.3」(≒2245/16384)、リプレイタイム(RT)では、「1/1.2」(≒13650/16384)となっている。
その結果、各遊技状態における再遊技役(「リプレイ」)の当せん確率を比較すると、リプレイタイム(RT)の当せん確率(高確率)>通常遊技の当せん確率(低確率)の関係となっている。
同様に、対応する図柄の組合せが第一の特定図柄の組合せとなる小役A〜Cも、所定の当せん確率となるように設定され、リプレイタイムにおいて、抽せん番号4〜6に当せんした場合に、当せんした小役に対応する色彩の「7」を停止表示させないように、他の色彩の「7」を「目押し」することで、特定図柄の組合せの停止表示を回避することができるようになっている。
【0077】
そして、遊技状態別の乱数テーブルは、前述のゲームモードフラグの値を参照することで、使用する乱数テーブルが決定されるようになっている。
乱数の判定は、抽せん番号が大きな値の抽せん番号から順次行い、各抽せん対象の当せん範囲の上限値と、乱数カウンタ13から取得された乱数と、を比較し、当該遊技における当せん内容が決定される。
決定された当せん内容は、当せんフラグによって管理されるようになっている。
図12は、RAM11bにおける当せんした各役に対応する当せんフラグを設定する当せんフラグ領域を示す図である。
同図に示すように、当せんフラグ領域は、当せん役に対応して当せんフラグ領域1〜当せんフラグ領域3が設けられ、当せんフラグ領域1は、ボーナス役を設定する領域、当せんフラグ領域2は、再遊技役(リプレイ)を設定する領域、当せんフラグ領域3は、各種小役を設定する領域となっている。
そして、内部抽せんにおいて、当せんした当せん内容に応じた当せんフラグが設定されるようになっている。
【0078】
例えば、図11における、抽せん番号1の抽せん対象である「ボーナスA」に当せんした場合には、当せんフラグ領域1における「ビット0」に「1」がセットされる。
また、抽せん番号4の抽せん対象である「小役A」に当せんした場合には、当せんフラグ領域3の「ビット0」に「1」がセットされる。
同様に、抽せん番号10の抽せん対象である「リプレイ」に当せんした場合には、当せんフラグ領域2の「ビット0」に「1」がセットされる。
そして、この当せんフラグ領域のセットされたフラグを参照して、その後のリール停止制御処理や、停止図柄判定処理が行われ、停止図柄判定処理においてすべて「0」でクリアされるようになっている。
なお、これらの当せんフラグのうち、ボーナス役であるボーナスA、B、Cに関する当せんフラグは、対応する停止図柄の組合せ(「7・7・7・」)で停止表示されない限り、当せんフラグはクリアされず、当せんフラグが次回の遊技に持ち越されるようになっている。
【0079】
次に、制御部10では、各リール21を回転制御するリール回転制御処理を行う。リール回転処理では、モータ駆動回路22にパルス(駆動)信号を出力し、ステッピングモータ23a〜23cを駆動して(図5参照)、対応するリール21a〜21cの回転の始動,定速回転の制御が行われる。
そして、各リール21の回転中においては、ドラムユニット20から入力されるマーカー信号により、各リール21a〜21cの図柄位置を監視する処理が行われるようになっている。
具体的には、RAM11bの所定の領域には、図13に示すように、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄番号を管理する図柄番号領域が、各リール単位で設けられている。
図柄番号領域は、制御部10がモータ駆動回路22に出力するパルス(駆動)信号が所定パルス数(各図柄間の回転角度に相当)毎に+1更新されるとともに、各リールが一周する毎に回胴位置検出部24から出力されるマーカー信号により、初期化(図柄番号0)されるようになっている。
そして、各図柄番号領域の値は、そのときの中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄番号と一致している(図4参照)。
これにより、後述するリール停止制御処理や停止図柄判定処理において、各リールに対応する停止ボタン5が停止操作された場合の、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄を判別することで、リール停止制御処理では、停止表示可能な図柄コマ数(0〜4コマ)の範囲内で、各リール21を回転させて停止することで、当せん内容に対応する図柄の組合せとなるように停止制御したり、停止図柄判定処理では、有効ライン1〜5に停止表示された図柄の組合せを判定したりすることができるようになっている。
【0080】
次に、遊技者の停止ボタン5の停止操作により、各リール21を停止制御する本発明の停止制御手段として機能するリール停止制御処理について説明する。
リール停止制御処理では、遊技者が各停止ボタン5を押下するタイミングで発生するストップ信号に基づき、前述した内部抽せんにおける当せん内容(当せんフラグ)に対応した図柄の組合せが停止表示されるように各リール21を停止制御する(S6)。
具体的には、各リール21の停止制御は、リール21毎に、検出されたストップ信号のタイミングにおける各リールの図柄番号領域の図柄番号の値を参照し、停止表示可能な図柄コマ数の範囲内(0〜4コマ)にある当せんフラグに対応した停止図柄を各リール毎に決定するとともに、この図柄コマ数に対応するパルス信号をモータ駆動回路22に出力することで、目的とする停止図柄まで各リール21を回転させた後、各リール21を励磁して停止させる処理が行われるようになっている。
なお、当せんフラグに対応した停止図柄が停止表示可能な図柄コマ数の範囲内(0〜4コマ)にない場合には、図9のいずれの停止図柄の組合せとならない「ハズレ」の組合せとなるように各リールを制御する。
【0081】
各リール21毎に決定される停止図柄は、ROM11aに記憶された停止図柄テーブル基づき、決定される。
停止図柄テーブルは、当せんフラグと、各リール21の停止操作の順番と、図柄番号領域の図柄番号の値とにより、選択される停止図柄テーブルが異なるように複数の停止図柄テーブルが設けられ、各停止図柄テーブルには、ストップ信号のタイミングにおける図柄番号からリールを回転させる図柄コマ数(「0〜4」のいずれかの値)が設定されている。
停止図柄テーブルは、前述した図11における抽せん対象毎に異なる組合せとなるように選択される。これは、各抽せん対象に対応して、停止表示される図柄が異なるためである。また、停止ボタン5の停止操作の順番により、選択される停止図柄テーブルも異なるようになっている。
なお、選択される停止図柄テーブル及び停止図柄テーブルに設定された図柄コマ数は、図4に示す図柄の配列及びストップ信号のタイミングから回転可能な図柄コマ送り数(0〜4コマ)の範囲に基づいて、当せん内容に対応する停止図柄の組合せで可能な限り停止するように設定されている。
ストップ信号のタイミングから回転可能な図柄コマ送り数(0〜4コマ)の範囲に当せん内容に対応する停止図柄が存在しない場合は、他の当せん内容に対応する停止図柄の組合せとなることもなく、図9におけるいずれの役にも該当しない「ハズレ」の組合せで停止表示されるように設定されている。
【0082】
ここで、本発明に係る特定役である小役A〜Cに当せんした場合の、各リール21の停止制御について説明するが、各小役とも、同等な停止制御であるため、代表して小役Cの停止制御について説明する。
図14は、「小役C」に当せんした場合の、各リールに対応する停止ボタン5の停止操作毎に順次選択される停止図柄テーブルを模式的に示した図である。
同図に示すように、選択される停止図柄テーブルは、停止ボタン5の停止操作の順番により異なるようになっている。停止操作の順番は、遊技者の任意の選択により6通り存在する。
【0083】
具体的には、左リール21aに対応する左停止ボタン5aを最初に停止操作する場合では、「左停止ボタン5a→中停止ボタン5b→右停止ボタン5c」の順番で停止操作をする停止順1と、「左停止ボタン5a→右停止ボタン5c→中停止ボタン5b」の順番で停止操作をする停止順2とがある。
中リール21bに対応する中停止ボタン5bを最初に停止操作する場合では、「中停止ボタン5b→左停止ボタン5a→右停止ボタン5c」の順番で停止操作をする停止順3と、「中停止ボタン5b→右停止ボタン5c→左停止ボタン5a」の順番で停止操作をする停止順4とがある。
また、右リール21cに対応する右停止ボタン5cを最初に停止操作する場合では、「右停止ボタン5c→中停止ボタン5b→左停止ボタン5a」の順番で停止操作をする停止順5と、「右停止ボタン5c→左停止ボタン5a→中停止ボタン5b」の順番で停止操作をする停止順6とがある。
これらの停止順は、各停止ボタン5の押下操作により発生するストップ信号に基づき、判別されるようになっている。
そして、各停止順毎に、停止図柄テーブルが順次選択されることで、当せん内容に対応した停止図柄の組合せが停止表示されるようになっている。
【0084】
同図の各停止順1〜6における数字は、選択される停止図柄テーブルの番号を示すとともに、「1○○」は左リール21aを停止制御するために選択される停止図柄テーブル、「2○○」は中リール21bを停止制御するために選択される停止図柄テーブル、「3○○」は右リール21cを停止制御するために選択される停止図柄テーブルを示している。さらに各停止図柄テーブルにおける「上a」,「中a」,「下a」は、図3の左リール21aの図柄の停止位置を示し、「上b」,「中b」,「下b」は、同図の中リール21bの図柄の停止位置を示し、「上c」,「中c」,「下c」は、同図の右リール21cの図柄の停止位置を示している。
【0085】
停止図柄テーブルは、当せん内容に対応する停止図柄が、各リールにおける停止位置(上a〜下a、上b〜下b、上c〜下c)に可能な限り停止するように設定されている。同図の各停止順に示す例では、小役Cに対応する停止図柄の組合せである「緑7・プラム・プラム」又は、中リール21b及び/又は右リール21cにおいて、第二及び/又は第三特定図柄である「プラム」が既に停止表示され、有効ライン1〜5のいずれかに沿って、「緑7」を停止表示させる場合、すなわち、「緑7」を停止表示させる停止位置が、上a、中a、下aのいずれか一つに限定される場合は、「プラム(14)・プラム・プラム」が停止表示されるように設定されている。
【0086】
なお、中リール21bにおいて第二特定図柄である「プラム」を停止制御するために選択される各停止図柄テーブルと、右リール21cにおいて第二特定図柄である「プラム」を停止制御するために選択される各停止図柄テーブルは、停止操作順によって、「プラム」を停止表示させる停止位置が、上、中、下のいずれか一つに限定される場合においても、各々「プラム」を「上b,上c」、「中b,中c」、「下b,下c」のいずれかに必ず停止表示されるように設定されている。
これは、図4に示すように、中リール21及び右リール21cにおいて、「プラム」が、停止表示可能な図柄コマ数の最大値である「4コマ」を超えない間隔をもって複数配置されているため、「プラム」を停止表示させる停止位置がいずれか一つに限定されても、停止ボタン5b,5cの操作のタイミングに拘わらず、必ず、当該停止位置に「プラム」を引き込むような停止制御ができるためである。
すなわち、中リール21及び右リール21cにおいて「プラム」は、停止操作順及び停止操作のタイミングに拘わらず、いかなる停止位置にも100%引き込むことができるようになっている。
【0087】
一方、左リール21aにおける小役Cに対応する第一特定図柄である「緑7」は、図柄番号12において1つしか存在しないため、左停止ボタン5aの操作のタイミングによっては、停止表示されない場合がある。
さらに、「緑7」は、停止操作順によっては、上a、中a、下aの停止位置に停止表示される割合が変化する。
以下、停止操作順によって変化する「緑7」が停止表示される割合について説明する。
【0088】
例えば、図14に示すように、最初に左リール21aに対応する左停止ボタン5aを停止操作する停止順1及び停止順2で選択される左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル101では、中リール21及び右リール21cは、未だ回転中であり、中リール21及び/又は右リール21cに停止表示される「プラム」の停止位置により「緑7」の停止位置は制限されないため、「緑7」を停止位置「上a」、「中a」、「下a」のいずれかに停止制御するように設定されている。
具体的には、図15に示す停止図柄テーブル101に設定されている「緑7」の停止制御のように、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが図柄番号7〜図柄番号13(停止操作時における「中a」の停止位置の図柄番号、以下同じ)の範囲であれば、停止表示可能な「0〜4」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「緑7」を「上a」、「中a」、「下a」のいずれかに停止表示させることができるようになっている。
すなわち、最初に左リール21aに対応する左停止ボタン5aを停止操作する停止操作順においては、「緑7」を「上a」、「中a」、「下a」のいずれかの停止位置に停止表示させることができる引き込み数は、図柄番号7〜図柄番号13までの「7コマ」となる。これにより、左リール21aにおいて「緑7」を「上a」、「中a」、「下a」のいずれかの停止位置に停止表示させることができる割合は、7/21となる。その結果、第一の特定図柄の組合せである特定図柄Cが停止表示される割合も、中リール21及び右リール21cにおいて「プラム」は、100%引き込むことができることから考慮する必要はないため、同様に、7/21となる。
【0089】
次に、中リール21bに対応する中停止ボタン5bを最初に停止操作する停止順3で選択される左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルは、停止順1及び停止順2と同様、停止図柄テーブル101が選択されるようになっている。
中停止ボタン5bを最初に停止操作する停止順3及び停止順4では、図14に示すように、中リール21bにおいて「プラム」が「中b」に停止表示される中リール21bを停止制御する停止図柄テーブル202が選択されている。
これより、有効ライン1又は有効ライン4又は有効ライン5に沿って、「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させることができるため、「緑7」を停止位置「上a」、「中a」、「下a」のいずれかに停止制御するように停止図柄テーブル101が選択されるようになっている。
なお、中リール21bにおいて「プラム」が「中b」に停止表示される中リール21bを停止制御する停止図柄テーブル202が選択されている理由は、「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させることができる有効ライン数を最大限確保するためである。
【0090】
一方、中リール21bに対応する中停止ボタン5bを最初に停止操作され、右リール21cに対応する右停止ボタン5cが停止操作された後に、左リール21aに対応する左停止ボタン5aが停止操作される停止順4で選択される左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルは、右リール21cにおいて停止表示された「プラム」の停止位置(右リール21cを停止制御する停止図柄テーブル305が選択されている)により、選択される停止図柄テーブルが異なるようになっている。
これは、中リール21bにおいて「プラム」が「中b」に停止表示されているとともに、右リール21cにおいて「プラム」が「上c」又は「中c」又は「下c」のいずれかに停止表示されていることで、「緑7・プラム・プラム」の組合せが停止表示される有効ラインが、有効ライン1又は有効ライン4又は有効ライン5に定まるためである。
【0091】
すなわち、右リール21cにおいて「プラム」が「上c」に停止表示されている場合には、左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルとしては、「緑7」を「下a」に停止表示させることで、有効ライン5に沿って「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させるよう左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル104が選択されるようになっている。
また、右リール21cにおいて「プラム」が「中c」に停止表示されている場合には、左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルとしては、「緑7」を「中a」に停止表示させることで、有効ライン1に沿って「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させるよう左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル103が選択されるようになっている。
同様に、右リール21cにおいて「プラム」が「下c」に停止表示されている場合には、左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルとしては、「緑7」を「上a」に停止表示させることで、有効ライン4に沿って「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させるよう左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル102が選択されるようになっている。
【0092】
このように、停止順4では、中リール21b及び右リール21cにおいて「プラム」が既に停止表示されていることから、「緑7」を停止表示される停止位置が、「上a」又は「中a」又は「下a」のいずれかに限定されるため、「緑7」を停止表示させることができる引き込み数も減少することになる。
例えば、図15に示す停止図柄テーブル102に設定されている「緑7」の停止制御のように、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが、図柄番号7から図柄番号11の範囲であれば、停止表示可能な「0〜4」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「緑7」を「上a」に停止表示させることができる。
すなわち、操作順4においては、「緑7」を「上a」の停止位置に停止表示させることができる引き込み数は「5コマ」となる。これにより、左リール21aにおいて「緑7」を「上a」の停止位置に停止表示させることができる割合及び第一特定図柄である特定図柄Cが停止表示される割合は、5/21となってしまう。
同様に、「緑7」を「中a」に停止表示させる停止図柄テーブル103及び「緑7」を「下a」に停止表示させる停止図柄テーブル104も、停止図柄テーブル104と同様、「緑7」を各停止位置に停止表示させることができる引き込み数は「5コマ」となり、左リール21aにおいて「緑7」を「中a」又は「下a」の停止位置に停止表示させることができる割合及び第一特定図柄である特定図柄Cが停止表示される割合は、5/21となる。
【0093】
その結果、停止順1及び停止順2及び停止順3では、7/21の割合で第一の特定図柄の組合せである特定図柄Cが停止表示されるにも拘わらず、停止順4では、特定図柄Cが停止表示される割合が5/21に減少してしまうことになる。これにより、仮に、リプレイタイムにおいて特定役である小役Cの当せんが報知されない仕様のスロットマシンであれば、遊技者は、停止順4により、停止操作を行うことで、第一の特定図柄の組合せが停止表示される可能性を低くすることができてしまい、特定図柄の組合せが停止表示される割合が、停止操作によって変わることになり、特定図柄としての適正を欠くことになってしまう。
【0094】
しかしながら、本発明に係る補助特定図柄を備えることで、特定図柄の組合せが停止表示される割合の低下を補うことができるようになっている。
具体的には、停止ボタンの停止操作順によって、「緑7」が停止表示される停止位置が、「上a」又は「中a」又は「下a」のいずれかに限定されるような場合には、左リール21aにおける図柄番号14の「プラム(14)」が本発明の第一補助特定図柄として機能し、特定図柄の組合せが停止表示される割合の低下を補うようになっている。
【0095】
例えば、図15に示す停止図柄テーブル102では、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが、図柄番号7〜図柄番号11の範囲であれば、停止表示可能な「0〜4」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「緑7」を「上a」に停止表示させるようになっているが、「緑7」が「上a」の停止位置を超えた図柄番号12〜図柄番号13の範囲で、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが発生した場合には、停止制御可能な「0〜1」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「プラム(14)」が「上a」に停止表示されるようになっている。
これにより、停止図柄テーブル102の例では、有効ライン4に沿って、第二の特定図柄の組合せである「プラム(14)・プラム・プラム」からなる補助特定図柄Cが停止表示される。
【0096】
この場合、「プラム(14)」を「上a」の停止位置に停止表示させることができる引き込み数は「2コマ」となる。これにより、左リール21aにおいて「プラム(14)」を「上a」の停止位置に停止表示させることができる割合及び第二の特定図柄の組合せである補助特定図柄Cが停止表示される割合は、2/21となる。
その結果、停止順4における第一の特定図柄の組合が停止表示される割合と、第二の特定図柄の組合せが停止表示される割合を合計した、トータルの特定図柄の組合せが停止表示される割合は、5/21に2/21を加えた7/21となり、停止順1及び停止順2及び停止順3と同等な割合にすることができる。
これにより、停止順4における第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合の減少を補うことができ、停止順1〜4までの特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等に保つことができる。
【0097】
次に、右リール21cに対応する右停止ボタン5cが最初に停止操作され、中リール21bに対応する中停止ボタン5bが停止操作された後に、左リール21aに対応する左停止ボタン5aが停止操作される停止順5で選択される左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルは、右リール21cにおいて停止表示された「プラム」の停止位置(右リール21cを停止制御する停止図柄テーブル304が選択されている)により、選択される停止図柄テーブルが異なるようになっている。
これは、中リール21bにおいて「プラム」が「中b」に停止表示されているとともに、右リール21cにおいて「プラム」が「上c」又は「「下c」のいずれかに停止表示されていることで、「緑7・プラム・プラム」の組合せが停止表示される有効ラインが、有効ライン4又は有効ライン5に定まるためである。
【0098】
すなわち、右リール21cにおいて「プラム」が「上c」に停止表示されている場合には、左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルとしては、停止順4と同様に、「緑7」を「下a」に停止表示させることで、有効ライン5に沿って「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させるよう左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル104が選択されるようになっている。
また、右リール21cにおいて「プラム」が「下c」に停止表示されている場合には、左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルとしては、停止順4と同様に、「緑7」を「上a」に停止表示させることで、有効ライン4に沿って「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させるよう左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル102が選択されるようになっている。
なお、右リール21cにおいて「プラム」が「上c」又は「下c」に停止表示される右リール21cを停止制御する停止図柄テーブル304が選択されているとともに、中リール21bにおいて「プラム」が「中b」に停止表示される中リール21bを停止制御する停止図柄テーブル202が選択されている理由は、「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させることができる有効ライン数を最大限確保するためである。
【0099】
このように、停止順5では、中リール21b及び右リール21cにおいて「プラム」が既に停止表示されていることから、「緑7」が停止表示される停止位置が、「上a」又は「下a」のいずれかに限定されるため、停止順4の場合と同様、「緑7」を停止表示させることができる引き込み数も減少する。
例えば、図15に示す停止図柄テーブル104に設定されている「緑7」の停止制御のように、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが、図柄番号9〜図柄番号13の範囲であれば、停止制御可能な「0〜4」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「緑7」を「下a」に停止表示させることができる。
すなわち、操作順5においては、停止順4と同様、「緑7」を「下a」の停止位置に停止表示させることができる引き込み数は「5コマ」となる。これにより、左リール21aにおいて「緑7」を「下a」の停止位置に停止表示させることができる割合及び第一特定図柄である特定図柄Cが停止表示される割合は、5/21となってしまう。
【0100】
しかしながら、図15に示す停止図柄テーブル104では、「緑7」が「下a」の停止位置を超えた図柄番号14〜図柄番号15の範囲で、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが発生した場合には、停止制御可能な「0〜1」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「プラム(14)」が「下a」に停止表示されるようになっている。
これにより、停止図柄テーブル104の例では、有効ライン5に沿って、第二の特定図柄の組合せである「プラム(14)・プラム・プラム」からなる特定図柄Cが停止表示される。
【0101】
この場合、「プラム(14)」を「下a」の停止位置に停止表示させることができる引き込み数は「2コマ」となる。これにより、左リール21aにおいて「プラム(14)」を「下a」の停止位置に停止表示させることができる割合及び第二の特定図柄の組合せである補助特定図柄Cが停止表示される割合は、2/21となる。
その結果、停止順5における第一の特定図柄の組合が停止表示される割合と、第二の特定図柄の組合せが停止表示される割合を合計した、トータルの特定図柄の組合せが停止表示される割合は、5/21に2/21を加えた7/21となり、停止順1及び2及び3と同等な割合にすることができる。
これにより、停止順4と同様に、停止順5における第一の特定図柄の組合が停止表示される割合の減少を補うことができ、停止順1〜5までの特定図柄の組合が停止表示される割合を均等に保つことができる。
【0102】
次に、右リール21cに対応する右停止ボタン5cを停止操作した後に、左リール21aに対応する左停止ボタン5aを停止操作する停止順6で選択される左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル105では、中リール21bは、未だ回転中であり、右リール21cに停止表示される「プラム」の停止位置にのみ「緑7」の停止位置は制限されるため、「緑7」を停止位置「上a」又は「下a」のいずれかに停止制御するように設定されている。
具体的には、図15に示す停止図柄テーブル105に設定されている「緑7」の停止制御のように、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが図柄番号7〜図柄番号13の範囲であれば、停止制御可能な「0〜4」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「緑7」を「上a」又は「下a」のいずれかに停止表示させることができるようになっている。
【0103】
すなわち、右リール21cに対応する右停止ボタン5cを停止操作した後に、左リール21aに対応する左停止ボタン5aを停止操作する停止順6においては、「緑7」を「上a」又は「下a」のいずれかの停止位置に停止表示させることができる引き込み数は「7コマ」となる。これにより、左リール21aにおいて「緑7」を「上a」又は「下a」のいずれかの停止位置に停止表示させることができる割合及び第一特定図柄である特定図柄Cが停止表示される割合は、7/21となる。
この場合は、停止順1〜3と同様、特定図柄Cが停止表示される割合は、7/21となるため、前述の停止順4及び5のように、第一補助特定図柄によって、特定図柄の組合せが停止表示される割合の低下を補う必要はない。
【0104】
なお、図15の各停止図柄テーブルにおいて、「緑7」が停止表示可能な範囲以外の図柄番号の範囲(空白の範囲)で、左停止ボタン5aの停止操作のタイミングが生じた場合には、いわゆる「取りこぼし」となり、当せん内容に対応した停止図柄の組合せとならず、図9におけるいずれの組合せにも該当しない「ハズレ」の組合せとなるように設定されている。
この場合には、小役Cに当せんした場合にも、該当する配当数のメダルも獲得できないこととなる。
【0105】
以上のように、本発明の特定役である小役Cに当せんし、各停止ボタン5の停止操作の順番により、「緑7」の停止位置が、「上a」、「中a」、「下a」のいずれかに限定される場合において、停止操作のタイミングによっては、第二の特定図柄の組合せである補助特定図柄Cが停止表示され、第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合の減少を補うことで、いかなる停止順においても、均等な割合で特定図柄の組合せが停止表示されるようになっている。
なお、本発明の特定役である小役A又は小役Bに当せんし場合においても、「赤7」又は「黄7」の停止位置が、いずれかの停止位置に限定される場合において、停止操作のタイミングによっては、小役Cの場合と同様な停止制御により、対をなす第二の特定図柄の組合せである補助特定図柄A又は補助特定図柄Bが停止表示され、第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合の減少を補うことで、いかなる停止順においても、均等に特定図柄の組合せが停止表示されるようになっていることは勿論である。
【0106】
また、各特定役である小役A〜Cに対応する色彩の異なる「7」は「6コマ」の間隔をもって均等に配置されている。このため、各「7」が停止制御される停止可能な範囲が、重複せず、棲み分けが行われるため、一の特定役に当せんした場合において、当該特定役に対応する「7」と色彩の異なる「7」をリプレイタイムの終了を回避する「目押し」の目安となる「ハズシ図柄」とすることができる。
これにより、例えば、小役Cに当せんし、この小役Cに対応する「緑7」が、遊技者に後述する特定図柄報知手段により報知された場合において、「緑7」と色彩の異なる「赤7」又は「黄7」である「ハズシ図柄」を積極的に狙って「目押し」を行うことができる。
その結果、「目押し」に成功した場合には、第一の特定図柄である「緑7・プラム・プラム」の組合せは停止表示されず、リプレイタイムの終了は回避され、リプレイタイムを継続させることができる。
【0107】
さらに、「ハズシ図柄」である「7」は、識別性の高い大きな外形で形成されているとともに、遊技者が最も期待する抽せん対象であるボーナス役に対応する図柄で構成されている。このため、上級者のみならず、初心者も、「目押し」に慣れ親しんでいる図柄であるため、「目押し」により「ハズシ」を行う場合にも、上級者と初心者との技量的な格差が生じにくい図柄となっている。
これにより、初心者でも、容易に「7」等を識別することで、簡単に「目押し」をすることができ、リプレイタイムの終了を回避することができる。
そのうえ、本実施形態では、各第一特定図柄「7」から左リール21aの回転方向に対して一図柄前方に配置された図柄(「リプレイ」など)の背景が、各第一特定図柄「7」と同じ色彩が付される。これにより、各第一特定図柄「7」と当該第一特定図柄「7」の一図柄前方に配置された図柄(「リプレイ」などの背景)が、同じ色彩が付されるため、第一特定図柄「7」が2図柄の範囲に亘って一体的に識別されることから、回転中の右リール21aにおいて、各第一特定図柄「7」を簡単に見分けることができ、「目押し」を更に容易にすることができるようになっている。
なお、本実施形態では、各第一特定図柄「7」から左リール21aの回転方向に対して一図柄前方に配置された図柄の背景を、各第一特定図柄「7」と同じ色彩としたが、図柄自体の色彩を同色にすることもできる。
また、各第一特定図柄「7」から左リール21aの回転方向に対して一図柄前方のみならず、一図柄後方の図柄及び/又は背景を同色にすることもできる。
【0108】
また、各特定役である小役A〜Cに対応する色彩の異なる「7」が均等に配置されていることより、例えば、リプレイタイムに小役A〜Cのいずれかの当せんした場合において、遊技者に、小役A〜Cのいずれかの当せんを察知されないよう前述の特定図柄報知手段を作動させずに、特定役の当せんのみを報知する後述の特定役報知手段を作動させることで、遊技者に、「ハズシ図柄」である「赤7」又は「黄7」又は「緑7」のいずれかを三者択一で選択させ、「目押し」を行わせるゲームを行うことができる。
これにより、遊技者は、当せんした特定役を推測して、「ハズシ図柄」の「目押し」を行う。
色彩の異なる「7」が均等に3つ配置されており、停止制御される停止可能な範囲が、重複せず、棲み分けが行われるため、遊技者の推測が当る確率は2/3となり、この確率をもって、リプレイタイムの終了を回避することができる。
反対に、1/3の確率で、特定図柄の組合せが停止表示され、リプレイタイムを終了させることもできる。
【0109】
なお、上記において、小役Cに当せんした場合に選択される停止図柄テーブルについて示したが、選択される停止図柄テーブルは、図11示す抽せん対象毎に、異なる組合せとなるように選択され、当せん内容に対応する停止図柄の組合せで可能な限り停止するように設定されていることはいうまでもない。
【0110】
次に、制御部10では、上記のようなリール停止制御処理に続いて、図6に示すように、停止表示された停止図柄の組合せを判定する停止図柄判定処理(S7)が行われるようになっている。
停止図柄判定処理は、停止時の各リールの図柄番号領域における図柄番号を参照することで、停止図柄の組合せを判定する。
各リールの図柄番号領域における図柄番号は、前述したように、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄番号と一致しているため、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄を判別することで、すべての有効ライン1〜5に停止表示された図柄の組合せを判定することができる(図4参照)。
そして、判定された停止図柄の組合せが、内部抽せんにおいて当せんした当せんフラグに対応した停止図柄の組合せか否か判定し、合致していた場合には、当せんフラグに対応したその後の処理を行うようになっている。
以下、当せんフラグが、ボーナス役、再遊技役、小役の場合について説明する。
【0111】
当せんした当せんフラグが、ボーナス役A,B,Cのいずれかのボーナス役であり、かつ、対応する停止図柄の組合せであるいずれかの色の同色の「7・7・7」で停止したと判定した場合には、当せん時にセットされた図12における当せんフラグ領域1の対応する「ビット」を「0」でクリアする。
そして、図8におけるゲームモードフラグをボーナス遊技に該当する「ビット5」に「1」をセットし、他のビットを「0」でクリアすることで、ボーナス遊技に移行するようになっている。
一方、当せんした当せんフラグが、ボーナス役であるにも拘わらず、対応する停止図柄の組合せであるいずれかの色の同色の「7・7・7」で停止していないと判定した場合には、当せん時にセットされた図12における当せんフラグ領域1の対応する「ビット」を「0」でクリアせずに、そのままにし、ボーナス役の当せんフラグを次回遊技に持ち越すようになっている。
この状態は、次回遊技においても、対応する停止図柄の組合せであるいずれかの色の同色の「7・7・7」で停止しない限り、継続されるようになっている。
【0112】
ボーナス遊技では、所定の小役が非常に高い確率で当せん・入賞する状態となり、ボーナス遊技における獲得メダル枚数が、規定枚数を超えると、ボーナス遊技が終了するようになっている。
そして、ボーナス遊技が終了した時点で、図8におけるゲームモードフラグをリプレイタイム(RT)に該当する「ビット1」に「1」をセットし、他のビットを「0」でクリアすることで、リプレイタイム(RT)に移行するようになっている(図7参照)。
【0113】
リプレイタイム(RT)に移行すると、前述したように、内部抽せんにおいてリプレイタイム用の乱数テーブルが参照され、再遊技役である「リプレイ」が1/1.2の割合の高確率で頻出する遊技状態になり、再遊技役に当せんする度にメダルを投入することなく次回遊技可能となるため、その分投入するメダルの量も抑えられ、遊技者への負担が、通常遊技より軽減され、遊技者に有利な遊技状態となっている。これにより、遊技者は、メダルの投資を抑えつつ、ボーナス役の当せんを期待した遊技状態を楽しむことができるようになっている。
一方、このような遊技状態において、リプレイタイム(RT)の終了か継続かの成否が決定される特定図柄の組合せが停止表示されることになる特定役が、図11のリプレイタイム用の乱数テーブルに基づき抽せんされるようになっている。
【0114】
そして、抽せん番号4,5,6に該当する小役A(特定役)、小役B(特定役)、小役C(特定役)のいずれかに当せんした場合には、後述する特定役報知手段により、当該当せんが報知されるとともに、特定図柄報知手段により、当せんした小役に対応する左リール21aにおける色彩の付された第一特定図柄「7」が、表示器L1に表示されるようになっている。
そして、表示器L1に表示された色彩の付された「7」と色彩の異なる「7」を狙いつつ、左リール21aに対応する左停止ボタン5aを停止操作する「目押し」に成功することで、第一の特定図柄の組合せが停止表示されず、リプレイタイム(RT)の終了が回避され、リプレイタイム(RT)を継続させることができる。
また、特定役報知手段及び特定図柄報知手段を作動させない場合には、上記特定役の当せんは、外部から察知されないため、特定図柄の組合せで停止表示されるようになり、リプレイタイム(RT)を終了させるように作用させることもできる。
【0115】
そして、リプレイタイム(RT)において、特定図柄の組合せの停止表示が判定された場合には、図8におけるゲームモードフラグを通常遊技に該当する「ビット0」に「1」をセットし、他のビットを「0」でクリアすることで、通常遊技に移行するようになっている(図7参照)。
【0116】
なお、停止図柄判定処理では、停止図柄の判定毎に、リプレイタイム(RT)における遊技回数を計数するとともに、遊技回数が所定の遊技回数(Nゲーム回数)に到達した場合には、通常遊技に移行する制御が行われている。
リプレイタイム(RT)の遊技回数は、RAM11bの所定の領域に設けられた遊技回数計数カウンタを、停止図柄の組合せの判定毎に更新することで、計数されるようになっている。なお、本実施形態では、リプレイタイム(RT)において、特定図柄の組合せが停止表示されたとき、又は、ボーナス役に当せんしたときには、通常遊技に移行するようになっている。
これらの場合には、図8におけるゲームモードフラグを通常遊技に該当する「ビット0」に「1」をセットし、他のビットを「0」でクリアすることで、リプレイタイム(RT)を終了させ、通常遊技に移行するようになっている(図7)。
【0117】
次に、停止図柄判定処理において当せんフラグが、再遊技役の場合について説明する。
当せんした当せんフラグが、再遊技役の「リプレイ」であり、かつ、対応する停止図柄の組合せが「リプレイ・リプレイ・リプレイ」で停止したと判定した場合には、当せん時にセットされた図12における当せんフラグ領域2の対応する「ビット0」を「0」でクリアと同時に、次回遊技において、メダル投入することなく遊技可能となるよう、図6に示すように、前述したメダル投入処理が終了した後の遊技状態に移行させるようになっている(S8)。
なお、再遊技役に対応する停止図柄の組合せを構成する図柄である「リプレイ」は、図4に示すように、各リールとも最大でも4コマの間隔をもって配置されているため、図柄コマ送り数「0〜4」の範囲であれば、停止ボタンの停止操作のタイミングによらず、常に「上,中,下」のいずれの停止位置にも停止可能であり、再遊技役は、必ず成立するようになっている。
【0118】
当せんフラグが小役の場合は、以下のような処理が行われる。
各小役に対応する停止図柄の組合せで停止したと判定した場合は、図6に示すように、メダルが獲得される「入賞」として判定され(S9)、当せん時にセットされた図12における当せんフラグ領域3の各小役に対応する「ビット」を「0」でクリアし、その後、メダル払出処理(S10)に移行するようになっている。
一方、各小役に対応する停止図柄の組合せで停止されず、いわゆる「取りこぼし」と判定された場合には、上記と同様、当せん時にセットされた図12における当せんフラグ領域3の各小役に対応する「ビット」を「0」でクリアし、内部抽せんにおいて上記のボーナス役、再遊技役、小役のいずれにも該当しない「ハズレ」と同様、メダル投入処理(S2)以前の遊技状態に移行するようになっている。
【0119】
「入賞」として判定された場合のメダル払出処理(S10)では、図9に示すように小役の種類に応じた配当数のメダルを払出すような制御が行われる。
具体的には、メダル払出処理では、図5に示すにホッパー駆動回路32を制御することで、ホッパー31内に設けられたメダル払出モータが駆動制御され、メダルを払出すようになっている。
そして、メダルが払出されることで、メダル検出部33の所定のセンサから1枚メダルが払出される毎に1パルスの払出信号が出力されるようになっている。
制御部10では、この払出信号を監視し、パルス数が各小役のメダル配当数になるまで、ホッパー駆動回路32を制御するようになっている。
これにより、小役の種類に応じた所定数のメダルを払出すことができる。
以上のように、図6に示すフローチャートに基づき制御部10において行われるメダル投入処理からメダル払出処理までの処理により、スロットマシン遊技における1ゲームをなすとともに、この1ゲームが繰り返されることで遊技が進行するようになっている。
【0120】
[演出制御部]
次に、特定図柄報知手段、特定役報知手段として機能する演出制御部40について説明する。
演出制御部40は、制御部10と同様に、CPUやROM、RAMが搭載されたマイクロコンピュータであり、制御部10から送信された制御コマンドに従って、サウンド回路41及び表示器駆動回路42を制御することで、表示器L1,各告知部L3〜L4及びスピーカ9が所定の演出を行うように駆動制御される。
なお、制御部10と演出制御部40間の通信は、制御部10から演出制御部40への一方向性が担保された通信形態で構成されており、演出制御部40における制御処理により、制御部10が影響されないようになっている。
制御部10は、1ゲーム毎に内部抽せんにおける当せん内容やゲームモードフラグの内容を含む制御コマンドを演出制御部40に送信するようになっている。
その結果、演出制御部40では、この制御コマンドを解読することで、制御部10が管理する遊技状態に対応し、かつ、内部抽せんにおける当せん内容に即した演出を行うことが可能となっている。
【0121】
特定図柄報知手段及び特定役報知手段は、リプレイタイム(RT)における内部抽せんにおいて、特定役に当せんし、この当せん内容の制御コマンドを受信した場合に、作動するときと、作動しないときがあるように設定されている。
リプレイタイム(RT)では、多彩な遊技性を備えるように、演出制御部40における抽せん処理やボーナス遊技後のゲーム回数に応じて作動、未作動が決定されるように設定されている。
例えば、演出制御部40において抽せん処理を行い、この抽せん処理に当せんした場合に特定図柄報知手段が作動するようにしてもよい。又は、ボーナス遊技後の所定の遊技回数の間(例えば、Nゲーム回数より少ない遊技回数間)は、特定図柄報知手段のみ作動し、その後は、特定役報知手段のみ作動するように設定することもできる。
これにより、遊技者は、左リール21aに当せんした特定役に対応した「7」と色彩の異なる「7」を「目押し」することで、リプレイタイム(RT)の終了が回避され、リプレイタイム(RT)を継続させることができる。
【0122】
次に、特定図柄報知手段又は特定役報知手段が作動した場合の報知態様について説明する。
図16は、特定図柄報知手段又は特定役報知手段が作動した場合の表示器L1及び特定役当せん告知部L3の表示態様を示す図である。
同図に示すように、特定図柄報知手段が作動した時には、遊技者が、当せんした小役A〜C(特定役)に対応する色彩の「7」が判別可能となる表示態様となっている。
具体的には、表示器L1では、各小役に対応した色彩の「7」が表示されるようになっている。
これにより、遊技者は、左リール21aに各小役に対応した「7」と異なる色彩の「7」を狙って「目押し」を行うことができる。
このように、本発明の特定図柄報知手段が作動することで、各小役に対応した「7」と異なる色彩の「7」を狙って「ハズシ」を行い、リプレイタイム(RT)の終了を回避することができる。
【0123】
一方、特定役報知手段が作動した時には、遊技者が、特定役である小役Aと小役B、小役Cのいずれかの当せん内容に当せんしたことが判別可能となる表示態様となっている。
具体的には、表示器L1では、各小役に対応した3色の「7」が同時に表示され、特定役当せん告知部L3では、点滅表示が行われる。これらの表示は、いずれか一方のみで行われることもある。
これにより、前述の特定図柄報知手段が作動せず、特定役報知手段のみが作動した時には、小役A、小役B、小役Cのうち、いずれの小役に当せんしたのか判別不能となっている。
その結果、遊技者は、当せんしたいずれかの小役を予測して、左リール21aに予測した小役に対応する「7」と色彩の異なる「7」を狙って「目押し」を行うようになっている。
これにより、遊技者に、リプレイタイム(RT)の終了か、継続かの成否を遊技者に委ねて決定させることができ、リプレイタイムにおいて、遊技者にスリルを味あわせることができ、遊技性の向上が図られる。
【0124】
なお、上記の例では、特定図柄報知手段及び特定役報知手段が作動した場合の表示器及び告知部による視覚的な報知態様を示したが、サウンド回路41を制御することで、スピーカ9より音声を伴った演出を行うようにすることもできる。
例えば、特定図柄報知手段が作動した場合には、左リール21aに各小役に対応した「7」と色彩の異なる「7」を狙って「目押し」を行うような音声を出力することもできる。
また、特定役報知手段のみが作動した場合には、前述した三者択一で「ハズシ図柄」の「目押し」を行うゲームを示唆する「三択」などの音声を出力してもよい。
【0125】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン1では、プレイタイムが終了することになる特定図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする必要をなくすことができ、その結果、特定図柄の組合せを構成する図柄として、リール上の「チェリー」や他の図柄に比べ外形の大きな図柄を採用することができる。
すなわち、前述したように「チェリー役」以外の役は、一の有効ラインに沿って3つのリールにおいて停止表示された固有の図柄の組合せの停止表示により成立するようになっている。このため、先に停止表示された図柄の停止位置によって、後に停止表示される図柄の停止位置が限定されてしまう。その結果、後に停止表示される図柄の引き込み数が少なくなり、ひいては特定図柄の組合せが停止表示される割合が減少してしまう。
【0126】
そこで、本発明に係る第一特定図柄「7」から左リール21aの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された第一補助特定図柄「プラム」を備えることで、この問題が解消される。
具体的には、第二特定図柄「プラム」と第三特定図柄「プラム」は、中リール21b及び右リール21cにおいて、停止表示可能な図柄コマ数の最大値である4コマを超えない間隔をもって、複数配置されているため、対応する各停止ボタン5b,5cの停止操作タイミング及び停止操作の順番に拘わらず、必ずある有効ラインに沿って停止表示させることができるようになっている。
【0127】
一方、第一特定図柄「7」は、左リール21aに一つしか配置されていないため、左リール21aに対応する左停止ボタン5aの停止操作タイミングいかんによっては、停止表示されない場合もあり、停止表示されるか否かによって、第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」の停止表示が左右される、前述の「チェリー」と同様な役割を果たす図柄となっている。
その結果、第一特定図柄「7」の停止表示いかんによって、リプレイタイムの終了か又は継続かが決定されるため、遊技者が、当該第一特定図柄「7」を停止表示可能な範囲以外で「目押し」をすることにより、停止表示されないようにする「ハズシ」の対象となる図柄となっている。
【0128】
そして、このような第一特定図柄「7」は、例えば、当該第一特定図柄「7」が表された左リール21aに対応する左停止ボタン5aが最初に停止操作される場合において、「上段」、「中段」、「下段」のいずれかの停止位置に当該第一特定図柄「7」を引き込めるコマ数である「引き込み数」は、停止表示可能な図柄コマ数の範囲が「0〜4」のとき、左リール21aにおいて「7コマ」存在することになる。
その結果、左リール21aにおいて、図柄が、例えば、21図柄が配置されている場合は、第一特定図柄「7」を停止表示させることができる割合は7/21となり、さらに、第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」が停止表示される割合は、第二特定図柄「プラム」と第三特定図柄「プラム」は必ず停止表示されるため、7/21の割合で第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」が停止表示されることになる。
【0129】
一方、少なくとも他のリールに対応するいずれかの停止ボタンが、左リール21aに対応する左停止ボタン5aより先に停止操作されることで、先に停止表示された他のリールにおける図柄の停止位置によって、第一特定図柄「7」が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つに限定される場合は、当該第一特定図柄「7」の「引き込み数」は、「5コマ」に減少し、第一特定図柄「7」を左リール21aにおいて停止表示させることができる割合及び第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」が停止表示される割合は、5/21となってしまう。
【0130】
ところが、第一特定図柄「7」から左リール21aの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された本発明の第一補助特定図柄「プラム」を備えることで、第一特定図柄「7」が通過した後から第一補助特定図柄「プラム」の通過までの2コマを、第一補助特定図柄「プラム」の停止表示範囲とするとともに、この2コマの範囲で、対応する左停止ボタン5aが停止操作された場合には、第一補助特定図柄「プラム」を停止表示させることで、第二の特定図柄の組合せ「プラム・プラム・プラム」を表示させることができる。この場合、第一補助特定図柄「プラム」を左リール21aにおいて停止表示させることができる割合及び第二の特定図柄の組合せ「プラム・プラム・プラム」が停止表示される割合は、2/21となる。
【0131】
これにより、第一特定図柄「7」が表された左リール21aに対応する左停止ボタン5aが、他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作されることで、第一特定図柄「7」が停止表示される停止位置が一つに限定される場合、第一特定図柄「7」の「引き込み数」は「5コマ」に減少し、第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」が停止表示される割合は、5/21となってしまうが、第一補助特定図柄「プラム」を停止表示させる「引き込み数」2コマが加わることで、第二の特定図柄の組合せ「プラム・プラム・プラム」が停止表示される割合である2/21が加算されるため、全体の特定図柄の組合せが停止表示される割合は、最初に左リール21aに対応する左停止ボタン5aが停止操作された場合と同様、7/21とすることができる。
その結果、停止ボタン5の停止操作順の違いにより生じる特定図柄の組合せの停止表示される割合の減少を補うことができ、停止ボタン5の停止操作順によらず、特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等にすることができる。
【0132】
なお、第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」に対応する小役A〜C(特定役)は、抽せん対象であり、何らかの遊技価値が付与される「役」に該当するため、回動式遊技機の規則によると、当該小役A〜Cに当せんした場合には、第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」となるように最大限停止制御しなければならない。一方、第一補助特定図柄「プラム」を含む第二の特定図柄の組合せ「プラム・プラム・プラム」は、「役」とは異なり、停止表示によりなんら遊技価値が付与されない図柄の組合せであるため、回動式遊技機の規則に準じると、積極的に停止制御する必要がなく、あらかじめ定められた条件に基づき、停止表示されるように停止制御することができる。
これにより、第二の特定図柄の組合せ「プラム・プラム・プラム」は、左リール21aに対応する左停止ボタン5aが他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作されることで、第一特定図柄「7」が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つの停止位置に限定される場合に停止制御されるように設定するとともに、第一補助特定図柄「プラム」が停止表示可能な図柄コマ数を、第一特定図柄「7」が停止表示可能な範囲を通過した後から第一補助特定図柄「プラム」の通過までの2コマの範囲とあらかじめ設定することができる。
その結果、左リール21aに対応する左停止ボタン5aが、他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作されることで、第一特定図柄「7」が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つに限定される場合に限り、2/21の停止表示の割合をもって、第二の特定図柄の組合せ「プラム・プラム・プラム」を停止表示させることができ、第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」が停止表示される割合の減少を補うことができる。
【0133】
以上のことより、「チェリー役」以外の役においても、「チェリー役」と同等の「引き込み数」を確保することができるとともに、停止ボタン5の停止操作の順番に拘わらず、特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等に保つことができる。その結果、第一特定図柄を、「チェリー」以外の図柄であって、他の図柄に比べて外形の大きな図柄とすることができる。
これにより、遊技者が、第一特定図柄を停止表示させない「ハズシ」を行う場合においても、第一特定図柄を識別し易い大きな外形の図柄である「7」を採用することができ、第一特定図柄「7」を外すための「目押し」が容易にできる。
【0134】
以上のことより、停止ボタン5の停止操作順に拘わらず、「チェリー役」と同等な引き込み数を確保しつつ、「ハズシ」を行う場合の目安となる第一特定図柄を識別性の高い大きな外形の図柄である「7」とすることができ、小役A〜Cに当せんした場合のリプレイタイムの終了を回避するための「目押し」において、上級遊技者と初心者との巧拙の格差を是正することができる。
【0135】
以上、本発明のスロットマシンの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係るスロットマシンは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態のスロットマシンでは、使用する遊技媒体がメダル(コイン)の場合を示したが、本発明に係るスロットマシンに使用可能な遊技媒体はメダルに限られず、例えば、パチンコ球と同様の遊技球を遊技媒体として使用することもできる。このような遊技球を使用して遊技可能なスロットマシンは、パチロット等とも呼ばれ、本発明のスロットマシンとして適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、遊技媒体として主にメダル(コイン)や遊技球(パチンコ球)を使用して遊技が行われるスロットマシン(回胴式遊技機)に利用することができ、特に、リプレイタイムが特定図柄の組合せの停止表示により終了するスロットマシンに好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシンを示す概略正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの表示窓における有効ラインを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの各リールの図柄配列と図柄番号との関係を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの制御部を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの制御部における制御処理のフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの各リプレイタイムの移行条件と終了条件との関係を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るスロットマシンのゲームモード領域おける各ビットに対応する遊技状態の関係を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの抽せん対象となる役と対応する停止図柄の組合せと付与される遊技価値との関係を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの第一の特定図柄の組合せと対をなす第二の特定図柄の組合せを示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの抽せん対象と遊技状態別の乱数テーブルとの関係を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの当せんフラグ領域における各ビットに対応する抽せん対象の関係を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの各リールに対応する図柄番号領域を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの特定役に当せんした場合において停止順毎に選択される停止図柄テーブルを示す図である。
【図15】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの特定役に当せんした場合に選択される停止図柄テーブルにおける制御内容を示した図である。
【図16】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの各報知手段の作動時における報知態様を示す図である。
【符号の説明】
【0138】
1 スロットマシン
2 前面パネル
3 表示窓
4 スタートレバー
5(5a,5b,5c) 停止ボタン
6 メダル投入口
7 BETボタン
8 遊技メダル払出口
9 スピーカ
10 制御部
20 ドラムユニット
21(21a,21b,21c) リール
30 メダル払出装置
40 演出制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体を投入後、スタート操作により回転を開始する複数のリール(回胴)を、停止操作により停止させ、各リールに付された絵柄,文字等の図柄が有効ライン上で所定の図柄の組合せで表示されることによって、表示された図柄の組合せに応じた遊技媒体を獲得できるスロットマシン(回胴式遊技機)に関し、特に、遊技媒体を投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされるリプレイタイムを、特定の役に対応する特定の図柄の組合せの停止表示によって終了させるスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スロットマシンは、遊技者が遊技媒体となる遊技用のメダル(コイン)や遊技球(パチンコ球)を投入してスタートレバーを押下することにより、外周面に所定の絵柄や数字,文字等の図柄が表された複数のリール(通常3個のリール)が回転を開始し、定速回転後、任意のタイミングで停止ボタンが押されることでリールが停止し、停止表示されたリール上の図柄の組合せに応じて所定数の遊技媒体が払い出される遊技機である。
【0003】
このようなスロットマシンでは、一遊技毎にスタートレバーの操作のタイミングで、所定の抽せん確率に基づいて、内部抽せんが行われる。内部抽せんの結果、複数の抽せん対象から今回の遊技の当せん内容が決定され、当せん内容に対応した図柄の組合せで停止表示されるように、停止ボタンの押下タイミングに基づき、各リールが停止制御されるようになっている。
そして、内部抽せんにおける抽せん対象には、対応する停止表示されるリール上の図柄の組合せにより、遊技者に対して遊技価値が付与される抽せん対象と、なんら遊技価値が付与されない抽せん対象であるハズレがある。遊技者に対して遊技価値が付与される抽せん対象は、役と呼ばれ、対応する停止表示されるリール上の図柄の組合せにより、遊技媒体が付与される、いわゆる「入賞」となって、数枚のメダルが獲得される「小役」、遊技媒体は付与されないが、次回遊技において、メダルを投入することなく遊技可能となる「再遊技役」、所定の小役が連続して当せんする特別な遊技状態であるボーナス遊技に移行する条件となる「ボーナス役」がある。
これらの抽せん対象が抽せんされる抽せん確率は、通常、ハズレが頻出するとともに、小役、再遊技役が時折発生し、ボーナス役が稀に発生するように設定されている。したがって、遊技状態のうちの大半は、ハズレや小役、再遊技役が発生する通常遊技が占めることになり、遊技者は、このような通常遊技において、ボーナス役の当せんを期待しつつ、スロットマシン遊技を進行させている。
【0004】
近年のスロットマシンにおいては、上記の通常遊技、ボーナス遊技の外に、遊技者に有利となるその他の遊技状態が設定されているスロットマシンもある。
遊技者に有利となる遊技状態としては、上記の再遊技役が高確率で発生し、再遊技が頻出する状態(再遊技頻出遊技)が継続する、いわゆる「リプレイタイム(RT)」(以下、再遊技頻出遊技をリプレイタイムと称し、必要に応じて再遊技頻出遊技を使用する。)と呼ばれる遊技状態が知られている。
リプレイタイムでは、再遊技役が高確率で発生することから、再遊技役に当せんする度にメダルを投入することなく次回遊技可能となるため、その分投入するメダルの量も抑えられ、遊技者への負担が、通常遊技より軽減され、遊技者に有利な遊技状態となっている。
【0005】
以上のような複数の遊技状態は、通常遊技を基本の遊技状態として、一定の条件が成立することで順次遷移するようになっている。
ボーナス遊技は、内部抽せんにより、ボーナス役に当せんするとともに、「7・7・7」などの所定の停止図柄の組合せが停止表示されることにより、通常遊技等からボーナス遊技に移行するようになっている。
ボーナス遊技は、所定の小役が高確率で発生するように設定され、既定のメダル数の獲得により終了するようになっている。
【0006】
リプレイタイムは、ボーナス遊技の終了後や、長期間ボーナス役の当せんがなく通常遊技が継続する、いわゆる「はまりモード」を救済するために、一定の遊技回数の間、ボーナス役の当せんがない状態が継続した場合などに移行するようになっている。
リプレイタイムでは、再遊技役が高確率で発生するとともに、この間の抽せん対象には、「ボーナス役」が含まれている。これにより、リプレイタイムでは、遊技者は、通常遊技より少ない遊技投資で、ボーナス役の当せんを期待しながら、遊技を楽しめるようになっている。
リプレイタイムの終了条件には、リプレイタイム中におけるボーナス役の当せんや、ボーナス役に対応する図柄の組合せの停止表示によるボーナス遊技への移行以外に、例えば、あらかじめ定められた遊技回数が消化されることや、特定の図柄の組合せ(以下、特定図柄の組合せという)が停止表示されることなどが、遊技機に関する規則において規定されている。
【0007】
最近では、リプレイタイム中において、特定の役(以下、特定役という)に当せんし、当該特定役に対応する特定図柄の組合せの停止表示を終了条件とする場合において、遊技者にリプレイタイムの継続の成否に関与させる仕様のスロットマシンが多く見受けられる。
このようなスロットマシンでは、各リールを停止させる停止ボタンの操作時に、一定の技術を介入させた遊技者の選択により、特定図柄の組合せの停止表示を回避させる、いわゆる「ハズシ」を行わせることで、引続きリプレイタイムを継続させるようにしている。
【0008】
「ハズシ」は通常、特定の一のリールにおいて行われるようになっている。
例えば、特定役を「チェリー役」とし、対応する特定図柄の組合せが「左リールの左図柄・中リールの中図柄・右リールの右図柄」の順で「チェリー・ANY・ANY」(ANYは、図柄の種類を特定しないすべての図柄を示す、以下同じ。)としたときに、リプレイタイムにおいて、「チェリー役」に当せんし、当該当せんが遊技者に対して報知された場合には、遊技者は、左リールに対応して設けられた左停止ボタンを、左リールに「チェリー」が停止表示されないタイミングで停止操作をする、いわゆる「ハズシ」を行うことで、特定図柄の組合せが停止表示されず、リプレイタイムの終了が回避され、リプレイタイムを継続させることができるようになっている。
この例のように、左リールに「チェリー」が停止表示されないタイミングで、左停止ボタンを停止操作する場合には、遊技者が、回転中の左リールにおける「チェリー」を目視するとともに、「チェリー」が停止可能な範囲を通過した後に、停止ボタンを停止操作したり、「チェリー」が停止表示されない範囲に表された図柄である「ハズシ図柄」を目安とし、停止ボタンを停止操作したりする、いわゆる「目押し」と呼ばれる行為が必要とされる。
【0009】
とくに、複数の「チェリー役」を設け、特定図柄の組合せを構成する左図柄である「チェリー」を各々異なる図柄色に彩色するとともに、各「チェリー」を停止可能な範囲を重複させず、かつ、停止可能な範囲を隙間なくリール上に配置した場合には、一の「チェリー役」に当せんしたときには、他の「チェリー役」に対応する色彩の「チェリー」が「ハズシ図柄」となり、遊技者は、左リールにおいて「ハズシ図柄」となる「チェリー」を狙って「目押し」することになる。
このような場合において、一般的に「チェリー」は、リールに占める図柄大きさが小さい部類の図柄に属するため、上級の遊技者にとっては、回転中のリールにおいて「チェリー」を識別でき、リプレイタイムの終了を回避することができるものの、特に「目押し」の技量が不足している初心者にとっては、識別しにくく、「目押し」を失敗する確率が高いため、リプレイタイムの終了を回避することが困難とされていた。
その結果、「目押し」の技量の差によって、遊技収支にも格差を生じさせることになり、初心者に対して、公平な遊技を提供するものではなかった。
【0010】
これに対して、特許文献1では、特定の小役に当せんしたときに、当該特定の小役に対応する図柄の組合せが停止表示されないタイミングで停止ボタンの停止操作が行われる、いわゆる「取りこぼし」が生じた場合に、特定図柄の組合せが停止表示される発明が開示されている。
この発明では、特定図柄の組合せが停止表示されることを回避し、特定の小役に対応する図柄の組合せを停止表示し易くするため、当該図柄の組合せを構成する所定のリールに表された図柄が、リールに占める図柄の大きさが大きい図柄であるボーナス役に対応する図柄「7」を採用している。
その結果、回転している当該リールにおいて、識別し易い「7」を「目押し」することで、「取りこぼし」が発生することなく、特定の小役に対応する図柄の組合せが停止表示させることができ、特定図柄の組合せの停止表示を回避することができるようになっている。
このように、ハズシ図柄を図柄の大きさが大きい「7」にすることで、初心者が「目押し」において、識別し易くなり、技量の格差を是正することができる。
【0011】
【特許文献1】特許第3910622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、これまで提案されているスロットマシンでは、以下のような弊害も生じていた。
リプレイタイムにおいて遊技者の関与により、リプレイタイムの終了を回避させ、リプレイタイムを継続させるタイプのスロットマシンでは、前述の一つのリールに停止表示される「チェリー」のみで、特定図柄の組合せが確定する「チェリー役」を特定役としている仕様のスロットマシンが、市場に多く設置させている。
ところが、前述したように、「チェリー」は、リールにおいて図柄の大きさの占める割合が比較的小さいという欠点があることから、「チェリー」が停止表示される範囲を外す「ハズシ」を行う場合の「目押し」においても、他の色の「チェリー」からなる「ハズシ図柄」を狙う「目押し」においても、「チェリー」の図柄自体の識別性が低いため、正確な「目押し」を困難にさせている。
単純に「チェリー」の外形を大きくすることも考えられるが、一般的には、ボーナス遊技に移行するボーナス役に対応する図柄である「7」等の識別性を優先するため、「チェリー」に比べ、「7」等を大きく形成する慣行があり、「チェリー」の図柄自体を大きく形成することは適切ではない。
【0013】
これに対して、特許文献1に記載された発明では、ボーナス役に対応する図柄であり、識別性の高い図柄である「7」を「目押し」させるとともに、「7」が停止表示されず、「取りこぼし」が発生した場合に、特定図柄の組合せが停止表示されるようになっているが、このような仕様を有するスロットマシンは、市場において人気がなく一般的ではなかった。また、特定図柄の組合せが、「取りこぼし」が発生した場合に、必ず停止表示されるように設定されているため、各リールにおける特定図柄の組合せを構成する図柄は、いかなる停止タイミングにおいても必ず停止表示されるように各リールにおいて配置する必要があり、配置上の制約が多く、リールにおける図柄配置の自由度を狭める弊害も生じさせていた。
【0014】
そこで、「チェリー役」のように一つのリールに停止表示される図柄のみで確定せず、一の有効ラインに沿って、三つのリールに停止表示された固有の図柄の組合せで「役」が確定する所定の小役等を特定役とすることが考えられる。
ところが、このような一の有効ラインに沿って停止表示された固有の図柄の組合せに対応する役では、以下のような問題があった。
【0015】
スロットマシン遊技においては、回転中の各リールを停止させるために、各リールに対応するように停止ボタンが設けられている。
そして、当該停止ボタンの停止操作は、遊技者の任意のタイミングで停止操作されるとともに、停止操作の順番も任意に選択できるようになっている。
また、「役」に当せんした場合、スロットマシンでは、当該「役」に対応する図柄の組合せを構成する各図柄の停止表示可能な図柄コマ数(通常0〜4コマ)内において停止操作タイミングが発生したときは、当該「役」に対応する図柄の組合せとなるように停止制御しなければならないようになっている。
このような制約があるため、特定役に対応する図柄の組合せを、三つのリールにおいて一の有効ラインに沿って停止表示される固有の図柄の組合せとした場合において、停止ボタンの停止操作順の違いにより、当該図柄の組合せが停止表示される割合が異なる場合があった。
【0016】
例えば、特定図柄の組合せを構成する左リールにおける図柄の停止表示を回避し易くするため、対応する特定図柄の組合せが「7・プラム・プラム」からなる特定役を設け、「7」を左リールに1つ配置するとともに、中リール及び右リールにおける「プラム」を、停止ボタンの停止操作タイミングに拘わらず、必ず停止表示されるように複数配置した場合において、停止ボタンの停止操作の順番により、「7・プラム・プラム」の組合せで停止表示される割合が異なってしまう。
具体的には、最初に左リールにおける「7」を停止表示させる場合には、「上段」、「中段」、「下段」のいずれかの停止位置に停止表示させるように停止制御すればよいため、回転中の左リールにおける「7」が、「下段」に位置しているときに、停止操作タイミングが発生した場合には、停止表示可能な図柄コマ数として「0」を選択すれば「下段」の停止位置に停止表示できる。一方、回転中の左リールにおける「7」が、「上段」の停止位置よりリールの回転方向に対して4コマ後方に位置している場合には、停止表示可能な図柄コマ数の最大値である「4」を選択することにより「上段」の停止位置に停止表示させることができる。
すなわち、左リールにおける「7」を最初に停止表示させる場合には、「7」を「上段」、「中段」、「下段」のいずれかの停止位置に引き込めるコマ数(以下、引き込み数という)は、「7」が「下段」に位置する場合から、「上段」の停止位置よりリールの回転方向に対して4コマ後方に位置している場合の範囲である「7コマ」存在することになる。
【0017】
ところが、既に中リール及び/又は右リールにおいて「プラム」が停止表示され、最初に左リールに対応する停止ボタンを停止操作しない場合には、先に停止表示されている図柄の停止位置によって、後に停止表示される図柄の停止位置が限定されてしまうため、上述の引き込み数が5コマに減ってしまう場合がある。
例えば、中リール及び右リールの各「上段」の停止位置に「プラム」が既に停止表示されている場合において、回転中の左リールにおける「7」が、「中段」、「下段」に位置するときは、リールを逆に回転しない限り、「上段」の停止位置には停止表示させることはできず、結局、回転中の左リールにおける「7」が、「上段」に位置する場合(停止表示可能な図柄コマ数は「0」)からリールの回転方向に対して4コマ後方に位置している場合の範囲である「5コマ」が引き込み数となる。
その結果、停止ボタンの操作の順番によっては、特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」で停止表示される割合が異なってしまい、これを逆手に取った遊技者が、最初に左停止ボタンを停止操作せずに、例えば、常に左停止ボタンを最後に停止操作することで、特定図柄の組合せが停止表示される割合を減らすことができてしまう。
【0018】
すなわち、停止ボタンの操作の順番によって、特定図柄の組合せの成否を制御する仕様を有するスロットマシンは別として、このように、「目押し」により特定図柄の組合せの停止表示を回避させる仕様のスロットマシンにおいては、停止ボタンの停止操作順により特定図柄の組合せが停止表示される割合が増減することは、新たな不安定要素となり、特定図柄の組合せとして適正を欠き、このような要素を排除する必要があった。
一方、市場において一般的なスロットマシンの仕様と同様に、特定役を「チェリー役」とし、特定図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とした場合には、中リールと右リールに停止表示された図柄に拘わらず、左リールの上段、中段、下段のいずれかの停止位置に「チェリー」が停止表示されるのみで、特定図柄の組合せが確定する。このため、いかなる停止ボタンの停止操作順によっても、「チェリー」の引き込み数は「7コマ」となり、上記のような停止操作の順番の違いにより特定図柄の組合せが停止表示される割合が異なるような問題は生じない。
【0019】
以上のような従来のスロットマシンが有する問題を解決すべく、本願発明者らは、鋭意研究の結果、リプレイタイムが終了することになる特定図柄の組合せが停止表示されることを回避するために遊技者が行う「目押し」の負担を軽減すべく、特定図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」からなる図柄の組合せとせずに、一の有効ラインに沿って、3つのリールに停止表示される固有の図柄の組合せとすることで、特定図柄の組合せを構成する図柄に外形の大きな図柄を採用するとともに、その結果停止ボタンの停止操作順の違いにより生じる特定図柄の組合せが停止表示される割合の減少を補う補助特定図柄を設けることで、特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等にする従来には存在しない魅力的なスロットマシンを実現し得る本発明に想到するに至ったものである。
【0020】
すなわち、本発明は、上述したような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、停止ボタンの停止操作順の違いにより生じる特定図柄の組合せが停止表示される割合の変化を抑えることで、特定図柄の組合せを構成する図柄に識別性の高い外形の大きな図柄を採用することができ、リプレイタイムの終了を回避するときの「目押し」の負担を軽減するスロットマシンの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するため、本発明のスロットマシンは、請求項1に記載するように、スタート操作により各々数種類の図柄が所定の順序で配置された第一リール、第二リール、第三リールが回転を開始し、各リールに対応して設けられた停止ボタンの停止操作により回転する各リールが停止されることで、各リールにおける連続して隣接する三つ図柄が停止表示されるとともに、所定の有効ラインに沿って停止表示された各リールに表された図柄の組合せに基づき遊技価値を付与するスロットマシンであって、複数の抽せん対象から所定の抽せん確率に基づいてゲーム毎に内部抽せんを行い、抽せんされた当せん内容に対応した図柄の組合せを構成する各リールにおける図柄が停止表示可能な所定の図柄コマ数内で、前記各停止ボタンの停止操作のタイミングが生じたときに、当せん内容に対応した停止図柄の組合せとなるように各リールを停止制御する停止制御手段と、通常遊技、ボーナス遊技、及び遊技媒体を投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされる再遊技頻出遊技を含む複数の遊技状態に移行させるゲーム管理手段と、前記抽せん対象となる特定の役に対応する図柄の組合せであって、第一リールにおいて他の図柄の外形より大きく表され、当該リールに一つ配置される第一特定図柄と、第二リールに表され、停止表示可能な前記図柄コマ数の最大値を超えない間隔をもって、複数配置される第二特定図柄と、第三リールに表され、停止表示可能な前記図柄コマ数の最大値を超えない間隔をもって、複数配置される第三特定図柄の組合せからなり、前記各特定図柄が一の前記有効ラインに沿って停止表示されることで、前記再遊技頻出遊技が終了する第一の特定図柄の組合せと、前記第一特定図柄から第一リールの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された第一補助特定図柄と、前記第二特定図柄と、前記第三特定図柄の組合せからなり、前記第一補助特定図柄と前記第二特定図柄と前記第三特定図柄が一の前記有効ラインに沿って停止表示されることで遊技価値が付与されることなく前記再遊技頻出遊技が終了する第二の特定図柄の組合せと、を設定する特定図柄設定手段と、を備え、前記停止制御手段が、前記特定の役に当せんし、前記第一特定図柄が停止表示可能な前記図柄コマ数内で、第一リールに対応する停止ボタンの停止操作のタイミングが生じたときは、前記第一の特定図柄の組合せとなるように各リールを停止制御するとともに、前記第一特定図柄が停止表示可能な前記図柄コマ数内を通過し、2コマ以内に当該停止操作のタイミングが生じたときは、各停止ボタンの停止操作順により、前記第一特定図柄が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つに限定される場合に限り、前記第一補助特定図柄を停止表示させ、第二の特定図柄の組合せとなるように第一リールを停止制御する構成としてある。
【0022】
このような構成とすることにより、リプレイタイムが終了することになる特定図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする必要をなくすことができ、その結果、特定図柄の組合せを構成する図柄として、リール上の「チェリー」や他の図柄に比べ外形の大きな図柄を採用することができる。
すなわち、前述したように「チェリー役」以外の役は、一の有効ラインに沿って3つのリールにおいて停止表示された固有の図柄の組合せの停止表示により成立するようになっている。このため、先に停止表示された図柄の停止位置によって、後に停止表示される図柄の停止位置が限定されてしまう。その結果、後に停止表示される図柄の引き込み数が少なくなり、ひいては特定図柄の組合せが停止表示される割合が減少してしまう。
【0023】
そこで、本発明に係る第一特定図柄から第一リールの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された第一補助特定図柄を備えることで、この問題が解消される。
具体的には、第二特定図柄と第三特定図柄は、各々各リールにおいて、停止表示可能な図柄コマ数の最大値を超えない間隔をもって、複数配置されているため、対応する各停止ボタンの停止操作タイミング及び停止操作の順番に拘わらず、必ずある有効ラインに沿って停止制御されるようになっている。
一方、第一特定図柄は、第一リールに一つしか配置されていないため、第一リールに対応する停止ボタンの停止操作タイミングいかんによっては、停止表示されない場合もあり、停止表示されるか否かによって、第一の特定図柄の組合せの停止表示が左右される、前述の「チェリー」と同様な役割を果たす図柄となっている。
その結果、第一特定図柄の停止表示いかんによって、リプレイタイムの終了か又は継続かが決定されるため、遊技者が、当該第一特定図柄を停止表示可能な範囲以外で「目押し」をすることにより、停止表示されないようにする「ハズシ」の対象となる図柄となっている。
【0024】
そして、このような第一特定図柄は、当該第一特定図柄が表された第一リールに対応する停止ボタンが最初に停止操作される場合において、「上段」、「中段」、「下段」のいずれかの停止位置に当該第一特定図柄を引き込めるコマ数である「引き込み数」は、例えば、停止制御可能な図柄コマ数の範囲が「0〜4」のとき、前述のように「7コマ」存在することになる。
その結果、第一リールにおいて、図柄が、例えば、21図柄が配置されている場合は、第一特定図柄を停止表示させることができる割合は7/21となり、さらに、第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合は、第二特定図柄と第三特定図柄は必ず停止表示されるため、7/21の割合で第一の特定図柄の組合せが停止表示されることになる。
【0025】
一方、少なくとも他のリールに対応するいずれかの停止ボタンが、第一リールに対応する停止ボタンより先に停止操作されることで、先に停止表示された他のリールにおける図柄の停止位置によって、第一特定図柄が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つに限定される場合は、当該第一特定図柄の「引き込み数」は、「5コマ」に減少する。その結果、第一特定図柄を第一リールにおいて停止表示させることができる割合及び第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合は、5/21となってしまう。
【0026】
ところが、第一特定図柄から第一リールの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された本発明の第一補助特定図柄を備えることで、第一特定図柄が通過した後から第一補助特定図柄の通過までの2コマを、第一補助特定図柄の停止表示範囲とするとともに、この2コマの範囲で、対応する停止ボタンが停止操作された場合には、第一補助特定図柄を停止表示させることで、第二の特定図柄の組合せを表示させることができる。この場合、第一補助特定図柄を第一リールにおいて停止表示させることができる割合及び第二の特定図柄の組合せが停止表示される割合は、2/21となる。
【0027】
これにより、第一特定図柄が表された第一リールに対応する停止ボタンが、他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作されることで、第一特定図柄が停止表示される停止位置が一つに限定される場合、第一特定図柄の「引き込み数」は「5コマ」に減少し、第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合は、5/21となってしまうが、第一補助特定図柄を停止表示させる「引き込み数」2コマが加わることで、第二の特定図柄の組合せが停止表示される割合である2/21が加算されるため、全体の特定図柄の組合せが停止表示される割合は、最初に第一リールに対応する停止ボタンが停止操作された場合と同様、7/21とすることができる。
その結果、停止ボタンの停止操作順の違いにより生じる特定図柄の組合せの停止表示される割合の減少を補うことができ、停止ボタンの停止操作順によらず、特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等にすることができる。
【0028】
なお、第一の特定図柄の組合せに対応する特定の役は、抽せん対象であり、何らかの遊技価値が付与される「役」に該当するため、回動式遊技機の規則によると、当該特定の役に当せんした場合には、第一の特定図柄の組合せとなるように最大限停止制御しなければならない。一方、第一補助特定図柄を含む第二の特定図柄の組合せは、「役」とは異なり、停止表示によりなんら遊技価値が付与されない図柄の組合せであるため、回動式遊技機の規則に準じると、積極的に停止制御する必要がなく、あらかじめ定められた条件に基づき、停止表示されるように停止制御することができる。
これにより、第二の特定図柄の組合せは、第一リールに対応する停止ボタンが他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作されることで、第一特定図柄が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つの停止位置に限定される場合に停止制御されるように設定するとともに、第一補助特定図柄が停止表示可能な図柄コマ数を、第一特定図柄が停止表示可能な範囲を通過した後から第一補助特定図柄の通過までの2コマの範囲とあらかじめ設定することができる。
その結果、第一リールに対応する停止ボタンが、他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作されることで、第一特定図柄が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つに限定される場合に限り、2/21の停止表示の割合をもって、第二の特定図柄の組合せを停止表示させることができ、第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合の減少を補うことができる。
【0029】
以上のことより、「チェリー役」以外の役においても、「チェリー役」と同等の「引き込み数」を確保することができるとともに、停止ボタンの停止操作の順番に拘わらず、特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等に保つことができる。その結果、第一特定図柄を、「チェリー」以外の図柄であって、他の図柄に比べて外形の大きな図柄とすることができる。
これにより、遊技者が、第一特定図柄を停止表示させない「ハズシ」を行う場合においても、第一特定図柄を識別し易い大きな外形の図柄を採用することができ、第一特定図柄を外すための「目押し」が容易にできる。
【0030】
なお、「ハズシ」を行う場合において、好ましくは、第一特定図柄が表された第一リールに対応する停止ボタンを最初に停止操作することが望ましい。
これは、第一リールに対応する停止ボタンが、他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作された場合において、第一特定図柄が通過した直後の停止操作のタイミングであれば、第一特定図柄が停止表示されないものと勘違いし、誤って、停止操作をすると、第一補助特定図柄が停止表示されてしまう場合があるからである。
このような勘違いを避けるためにも、第一リールに対応する停止ボタンを最初に停止操作をすることが好ましく、第一特定図柄が通過した直後を見計らって「目押し」をしても、第一補助特定図柄が停止表示されることはないため、特定図柄の組合せが停止表示されることはない。
以上のことより、停止ボタンの停止操作順に拘わらず、「チェリー役」と同等な引き込み数を確保しつつ、「ハズシ」を行う場合の目安となる第一特定図柄を識別性の高い大きな外形の図柄とすることができ、特定役に当せんした場合のリプレイタイムの終了を回避するための「目押し」において、上級遊技者と初心者との巧拙の格差を是正することができる。
【0031】
なお、第一リール、第二リール、第三リールは、スロットマシンにおいて、左リール、中リール、右リールのいずれかに対応するものであるが、特に対応関係を限定するものではない。
一般的に、「目押し」の対象となるリールは、両端側に位置する左リール又右リールとされていることが多いため、第一リールが、左リール又は右リールに該当することが好ましい。
【0032】
また、本発明のスロットマシンは、請求項2に記載するように、前記第一特定図柄が、ボーナス役に対応する図柄の組合せを構成する図柄と兼用される構成とすることができる。
【0033】
このような構成とすることにより、第一特定図柄が、ボーナス役に対応する図柄の組合せを構成する図柄である「7」や「BAR」などの、リールにおいて他の図柄より大きな外形で表された図柄とすることができる。
スロットマシンにおいては、ボーナス役に対応する図柄の組合せは、通常、「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」などの図柄の組合せからなり、これらの図柄の組合せを構成する図柄は、リールにおいて他の図柄より大きな外形で表されている。
ボーナス役は、遊技者が最も期待する抽せん対象であるとともに、各リールにおいて表されている数も少なく、遊技者の「目押し」を必要とするため、大きな外形で表されている。このため、上級者のみならず、初心者も、「目押し」に慣れ親しんでいる図柄であるため、「目押し」により「ハズシ」を行う場合にも、上級者と初心者との技量的な格差が生じにくい図柄である。
これにより、初心者でも、容易に「7」等を識別することで、簡単に「目押し」をすることができ、リプレイタイムの終了を回避することができる。
【0034】
また、本発明のスロットマシンは、請求項3に記載するように、前記第一特定図柄が、前記第一リールにおいて複数表され、前記各第一特定図柄が種類の異なる図柄からなるとともに、当該各第一特定図柄に対応する第一の特定図柄の組合せが複数設けられ、当該各第一特定図柄と対をなす前記第一補助特定図柄を備え、前記各第一特定図柄が、停止表示可能な前記図柄コマ数の最大値に少なくとも2コマ加えた間隔をもって、前記第一リールに配置される構成とすることができる。
【0035】
このような構成とすることにより、第一特定図柄が、停止表示可能な図柄コマ数の最大値に少なくとも2コマ加えた間隔をもって、第一リールに配置されることで、各第一特定図柄及び、各第一特定図柄と対をなす第一補助特定図柄が停止制御される停止可能な範囲が、重複せず、棲み分けが行われるため、一の特定役に当せんした場合において、当該特定役に対応する第一特定図柄と図柄の種類の異なる第一特定図柄をリプレイタイムの終了を回避する「目押し」の目安となる、いわゆる「ハズシ図柄」とすることができる。
その結果、例えば、一の特定役に当せんし、この特定役に対応する第一特定図柄が、遊技者に報知された場合において、当該第一特定図柄と図柄の種類の異なる他の第一特定図柄である「ハズシ図柄」を積極的に狙って「目押し」を行うことができる。
そして、「ハズシ図柄」は、識別性の高い大きな外形で形成されているため、「ハズシ図柄」を狙った「目押し」を容易にすることができる。
【0036】
また、本発明のスロットマシンは、請求項4に記載するように、前記複数の各第一特定図柄が、形状が同一で、色彩が各々異なる図柄からなる構成とすることができる。
このような構成とすることにより、前述のように「ハズシ図柄」を積極的に狙って「目押し」を行う場合にも、形状が同一なので、色の違いのみに着目して、「目押し」を行うことができる。
これにより第一特定図柄は、それ自体大きな外形で表されているとともに、各第一特定図柄の形状が同一なので、図柄の形状の違い見分ける必要がなくなり、色の違いのみ見分けることで、容易に「目押し」を行うことができる。
【0037】
また、本発明のスロットマシンは、請求項5に記載するように、前記第一特定図柄から第一リールの回転方向に対して一図柄前方及び/又は後方に配置された図柄及び/又は図柄の背景が、当該第一特定図柄と同じ色彩が付される構成とすることができる。
このような構成とすることにより、第一特定図柄と当該第一特定図柄の一図柄前方及び/又は後方に配置された図柄及び/又は図柄の背景が、同じ色彩が付されるため、第一特定図柄が2図柄又は3図柄の範囲に亘って一体的に識別されることから、回転中の第一リールにおいて、第一特定図柄を簡単に見分けることができ、「目押し」を更に容易にすることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明のスロットマシンによれば、特定図柄の組合せを構成する図柄として識別性の高い図柄の採用に伴い、停止操作順の違いにより発生する、当該図柄の組合せが停止表示される割合の変化を抑えつつ、リプレイタイムの終了を回避するときの「目押し」の負担を軽減する従来には存在しない魅力的なスロットマシンを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明に係るスロットマシンの好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
ここで、以下の実施形態に示す本発明のスロットマシンは、プログラムに制御されたコンピュータにより動作するようになっている。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、所定の制御、例えば、リールの回転開始,リールの停止制御,内部抽せん等を行わせる。このように、本発明にかかるスロットマシンにおける各制御,動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現されるものである。なお、プログラムは予めROM等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行される。
【0040】
[スロットマシン本体]
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係るスロットマシン本体の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンを示す概略正面図であり、図2は、同じく本実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図であり、図3は、本実施形態に係るスロットマシンの表示窓における有効ラインを示す図である。
これら図に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、従来のスロットマシンと同様に、スロットマシン1に備えられた複数のリール21a,21b,21cを回転させることによって遊技媒体を獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
【0041】
そして、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイタイムが終了することになる特定図柄の組合せが停止表示されることを回避するために遊技者が行う「目押し」の負担を軽減すべく、特定図柄の組合せを一の有効ラインに沿って3つのリールにおいて停止表示される固有の図柄の組合せとすることで、特定図柄の組合せを構成する図柄に外形の大きな図柄を採用するとともに、その結果停止ボタンの停止操作順の違いにより生じる特定図柄の組合せが停止表示される割合の減少を補う補助特定図柄を設けることで、特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等にすることができるようになっている。
【0042】
具体的には、本実施形態のスロットマシン1は、内部がマイクロコンピュータ等で構成された制御部10及び必要な機械,装置等を収納可能な前面側が開口された筐体1bと、前面側を開閉可能に覆う前扉1aとからなる筐体状に構成されている。
前扉1aは、図1及び図2に示すように、スロットマシン1の筐体1bにヒンジ等を介して開閉自在に取り付けられる扉体で、この前扉1aに前面パネル2とその他各部が備えられてスロットマシン1の正面部を構成している。
【0043】
前扉1aの最上部には、表示器L1が備えられ、また、表示器L1の左右両脇にはスピーカ9が備えられている。
表示器L1は、液晶表示装置等からなる特定役の当せんを報知する後述の特定役報知手段等として機能し、リプレイタイムにおいて、特定役に当せんしたときに、リプレイタイムの終了を回避する「目押し」の負担を軽減させるために、特定役の当せん情報、特定役に対応する特定図柄の組合せの情報(各図柄の絵柄など)などを演出画像(動画及び静止画像を含む)として表示することで、遊技者に報知するようになっている。
この表示器L1による演出は、スピーカ9からの音による演出と連動して、又はスピーカ9による音による演出とは独立して行われるようになっている。
この表示器L1は、制御部10から送信されるとともに、筐体1bに設けられた演出制御部40が受信する制御コマンドに基づき、演出制御部40に備えられる表示器駆動回路42によって駆動制御される(図5参照)。
【0044】
スピーカ9は、遊技者に対してメロディ音やメッセージ音等の各種の音声を発生することで、特定役の当せんを報知する後述の特定役報知手段等として機能し、このスピーカ9を介して、上述した表示器L1とともに、又は表示器L1とは別個に、音による所定の演出が行われるようになっている。
例えば、リプレイタイムにおいて、特定役に当せんしたときに、リプレイタイムの終了を回避する「目押し」の負担を軽減させるために、特定役の当せん報知、特定図柄の図柄名称などが、音声によりスピーカ9から出力されることで、遊技者に報知することができる。
このスピーカ9から発生される音声は、制御部10から送信されるとともに、筐体1bに設けられた演出制御部40が受信する制御コマンドに基づき、演出制御部40に備えられるサウンド回路41によって生成・出力されるようになっている(図5参照)。
【0045】
前面パネル2には、ほぼ中央部分に表示窓3が設けられ、筐体内の各リール21a〜21cが外部から視認可能となっている。
表示窓3は、スロットマシン1内部に配設された三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21c(図2参照)の視認用の窓部で、通常、無色透明又は有色透明な樹脂製パネル等からなり、三つの各リール21の周囲に表された複数の図柄のうち、縦方向に連続して隣接する三つの図柄をそれぞれ視認,識別できるようになっている。
そして、この表示窓3を介して視認されるリール21の停止図柄の組合せには、有効ラインが設定されている。
図3に示すように、有効ラインは、水平に3つ平行に並んだ中段、上段、下段の有効ライン1、有効ライン2、有効ライン3と、斜めにクロスする2つの有効ライン4、有効ライン5の計5ラインが設けられ、有効ライン1〜5に沿って停止表示されたリール21a〜21cに表された図柄の組合せによって、ゲームの結果が決定されるようになっている。
【0046】
前面パネル2の表示窓3の下側には、貯留枚数表示部2aと、状態表示部2bと、獲得枚数表示部2cとが備えられている。
貯留枚数表示部2a,状態表示部2b及び獲得枚数表示部2cは、それぞれ7セグメントLED等からなり、所定の数値が表示されるようになっている。
貯留枚数表示部2aは、貯留メダル数が表示され、状態表示部2bは、ボーナス遊技におけるメダルの払出総数や消化ゲーム数が表示され、獲得枚数表示部2cは、入賞時の払出数が表示される。
各表示部は、制御部10に備えられた表示部駆動回路15によって駆動制御される(図5参照)。
【0047】
前面パネル2の表示窓3の左側には、下側より、ボーナス当せん告知部L2、特定役当せん告知部L3が備えられている。
ボーナス当せん告知部L2は、スロットマシン1の制御部10における内部抽せんの結果、ボーナス役に当せんした場合に、所定の条件に基づき、点灯又は点滅するLED発光ダイオード(以下、LEDという)と、LEDの光によって絵柄等を透光表示させる透光表示部とを有している。
特定役当せん告知部L3は、特定役に当せんしたときに報知手段として機能し、点灯又は点滅するLEDと、絵柄等をLEDの光によって透光表示させる透光表示部とを有している。
そして、上記の各告知部L2〜L3は、制御部10から送信されるとともに、演出制御部40が受信する制御コマンドに基づき、演出制御部40に備えられる表示器駆動回路42によって駆動制御される(図5参照)。
【0048】
前面パネル2の下側の前扉1aのほぼ中央部分には、スタートレバー4,停止ボタン5,メダル投入口6,精算ボタン6b,BETボタン7等の遊技者が操作するためのボタン類が備えられている。
スタートレバー4は、三つの各リール21の回転を開始させるゲームスタート手段であり、このスタートレバー4が遊技者の操作によって押下されることで、後述する制御部10にスタート信号が出力され(図5参照)、本体内部の各リール21a〜21cが一斉又は順次に回転するようになっている。
また、このスタートレバー4の押下によりスタート信号が入力されることで、制御部10において内部抽せんが行われ、当せん内容が決定されるようになっている。
【0049】
停止ボタン5は、回転するリール21を停止させる停止手段であり、三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cに対応して設けられた三つの停止ボタン(左)5a,停止ボタン(中)5b,停止ボタン(右)5cが備えられている。この各停止ボタン5a,5b,5cが遊技者の任意のタイミングで押下されることで、制御部10にストップ信号が出力され(図5参照)、対応する各リール21a,21b,21cの回転が停止されるようになっている。
従って、遊技者がこれらスタートレバー4及び停止ボタン5を操作することにより、三つのリール21a〜21cを回転及び停止させて、各リール21a〜21cに表された図柄を所定の組合せの停止表示となるようスロットマシン遊技を行うことができる。
【0050】
メダル投入口6は、ゲームに使用される遊技媒体となるメダルの受け入れ口であり、このメダル投入口6から投入されたメダル数に応じてゲームが行えるようになっている。
メダル投入口6の本体内部側には、図2に示すようにメダルセレクタ6aが備えられ、投入されたメダル数がカウントされ、そのメダル数を示すメダル信号が、本体内部の制御部10に出力されるようになっている。これにより、メダル投入口6からメダルが1枚投入されれば1枚賭けのゲーム、2枚投入されれば2枚賭けのゲーム、3枚投入されれば3枚賭け(MAXBET)のゲームが行えるようになる。
【0051】
また、メダル投入口6から投入されるメダルの数は、貯留メダル数として制御部10内のRAM11bに記憶されるようになっており(図5参照)、遊技の開始に先立って、予め複数のメダルを投入し、貯留メダルとして貯留,記憶できるようになっている。
具体的には、メダルが3枚投入されている状態で、さらにメダル投入口6からメダルが投入されると、4枚目以降のメダルは貯留メダルとして、所定数(例えば、最大50枚)が貯留,記憶される。また、入賞時の払出があった場合、貯留メダルの最大数までは、入賞メダルは貯留メダルとして貯留させる。貯留メダル数は前面パネル2の貯留枚数表示部2aに数値として表示される。
【0052】
精算ボタン6bは、遊技の終了時等に貯留メダルを精算するためのスイッチである。
この精算ボタン6bが押下されることで、貯留メダル分のメダルがメダル払出装置30から遊技メダル払出口8に排出され、RAM11bに記憶された貯留メダル数のデータも消去される。
また、貯留メダルが精算されることで貯留枚数表示部2aの数値もゼロ表示となる。
【0053】
メダルのBETボタン(投入ボタン)7は、メダル投入口6から投入されたメダルに貯留メダルがある場合に、その貯留メダルの中からゲームに使用する(賭ける)メダルを投入(BET)するメダル投入用のスイッチである。
具体的には、一回の押下によって一ゲームに投入可能な最大数のメダル(通常3枚)を貯留メダルから投入する3枚賭け用のMAXBETボタン7aと、一回の押下で1枚のメダルを貯留メダルから投入する1枚賭け用の1BETボタン7bとが備えられている。
1BETボタン7bは一回押下するたびに1枚賭け、2枚賭け、3枚賭けとBET数が増加するようになっている。
このBETボタン7が押下されると、メダル信号が制御部10に出力され(図5参照)、押下された回数と同数のメダルが、RAM11bに記憶された貯留メダルからゲームに投入されることになる。
なお、貯留メダルが投入されると、RAM11bに記憶された貯留メダル数が投入数だけ減算され、貯留枚数表示部2aの表示数値も投入数だけ減ることになる。
【0054】
スロットマシン1の最下部には、遊技メダル払出口8が備えられている。
停止ボタン5の押下によって停止された各リール21が所定の図柄の組合せとなった場合に、筐体内のメダル払出装置30から図柄の組合せに応じた数量のメダルが、遊技メダル払出口8より、払い出されるようになっている。払い出されたメダル数は、リールの表示窓3の下側にある状態表示部を構成する獲得枚数表示部2cに表示される。
【0055】
スロットマシン1の筐体内部には、図2に示すように、三個のリール21a〜21cを回転及び停止駆動するドラムユニット20や、メダルを払い出すメダル払出装置30、その他の機械,装置等が備えられている。
ドラムユニット20は、三つのリール21a,21b,21cと、三つのリール21a〜21cを回転自在に保持し、各リール21a〜21cに対応するステッピングモータ23a〜23cを回転駆動することで各リール21a〜21cの回転の始動,定速回転及び停止の制御を行うモータ駆動回路22と、各リール21a〜21cが一回転する毎に各リール21a〜21cの基準位置を検出してマーカー信号として制御部10に出力する回胴位置検出部24と、を備えている(図5参照)。
【0056】
リール21は、既存のスロットマシンにおけるものと同様、外周に複数(通常21個)の絵柄や文字等の図柄が表された円筒状部分からなり、縦方向(図面上から下方向)に回転する三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cが横方向(図面左右方向)に一列に並んで配設されている(図2参照)。
各リール21a〜21cに表された図柄は、図4に示すように、各リールごとに等間隔で配設され、例えば色違いの3種類の「7」や「ベル」,「スイカ」,「チェリー」,「リプレイ」,「プラム」等の絵柄や文字が、所定の順番で表示されており、各リールに21個ずつの図柄が表示されるようになっている。
そして、これらのリール21a〜21cに表された図柄が、スタートレバー4が押下操作されることで、下方向に回転するとともに、対応する停止ボタン5a〜5cが押下操作されることで、各リール21a〜21cに表された縦方向に連続して隣接する三つの図柄が、上述した表示窓3の有効ライン1〜5に沿って停止し、停止表示された停止図柄の組合せによって、遊技価値が付与される(図9参照)。
【0057】
このような三つのリール21a〜21cは、制御部10とドラムユニット20のモータ駆動回路22及び回胴位置検出部24によって駆動制御及び停止制御される。制御部10では、前述の回胴位置検出部24から入力される基準位置を示すマーカー信号に基づき、各リール21a〜21cの現在の回転位置を常時監視するようになっている。
ドラムユニット20では、三つのリール21a〜21cは対応する三つのステッピングモータ23a〜23cによってそれぞれ回転自在に保持されており、スタートレバー4及び停止ボタン5a〜5cが押下操作されることで、モータ駆動回路22に制御部10からパルス(駆動)信号が入力され、ステッピングモータ23a〜23cを駆動して(図5参照)、対応するリール21a〜21cの回転の始動,定速回転及び停止の制御が行われる。
【0058】
そして、遊技者が停止ボタン5を押下したタイミングに基づき、制御部10で行われる内部抽せんにおける当せん内容に応じてリール21の停止位置が制御されて、各リール21a〜21cの現在の停止可能な回転位置から所定の図柄コマ数の範囲内(0〜4コマの範囲内)で、当せん内容に対応する図柄が有効ライン1〜5に停止するように、リール21が停止制御されることになる。
これにより、スタートレバー4からのスタート信号を契機として制御部10で内部抽せんが行われ、制御部10からのパルス信号によりドラムユニット20が制御されることで、停止ボタン5が押下されるタイミングに基づく所定の図柄コマ数の範囲内で、当せん内容に応じた図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されるよう、各リール21a,21b,21cが停止制御されることになる。
【0059】
メダル払出装置30は、筐体内のドラムユニット20の下側に配設されるメダル払出用の装置であり、払出用のメダルを収納するホッパー31と、ホッパー31に設けられたメダル払出モータを駆動制御して所定数のメダルを排出させるホッパー駆動回路32と、排出されたメダルの枚数を所定のセンサによって検出して払出信号として制御部10に出力するメダル検出部33と、を備えている(図5参照)。
そして、このメダル払出装置30から排出されるメダルが、前扉1aの遊技メダル払出口8からスロットマシン前面に払い出されて遊技者に提供されることになる。
【0060】
[制御部]
次に、スロットマシン1全体を制御する制御部10について、図5、図6を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係る制御部及びその周辺構成の概略を示すブロック図であり、図6は、本実施形態に係る制御部において実行される制御の流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、本実施形態の制御部10は、上述したスロットマシン1の各部を制御する、IC,メモリ,各種回路基板等を備えたマイクロコンピュータを有する制御基板として構成され、筐体1bの後部に配設されている。
具体的には、制御部10は、CPU11と、当該CPU11に内蔵され記憶手段であるROM11a及びRAM11b、基準クロックを発生する本体クロック発生回路12、乱数発生のための基準クロックを生成する乱数クロック発生回路14、内部抽せん用の乱数を生成する乱数カウンタ13、各表示部2a〜2cを駆動する表示部駆動回路15等を備えている。
そして、制御部10では、ROM11aに記憶されたプログラムやデータに基づき、スロットマシン1全体を制御する処理が実行されるようになっている。
【0061】
具体的には、制御部10において、メダル投入を監視し、ゲーム可能な状態とし、スタートレバー4の操作のタイミングで、各リールを回転制御するとともに、所定の抽せん確率に基づき内部抽せんを行い、当せん内容を決定し、遊技者による停止ボタン5の停止操作のタイミングに基づき、当せん内容に対応する停止図柄の組合せで停止表示されるよう、各リール21を停止制御する。
さらに、停止表示された停止図柄の組合せを判定して、図柄の組合せに応じて、所定数のメダルを払出したり、通常遊技、ボーナス遊技、メダルを投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされるリプレイタイムを含む複数の遊技状態に移行させたりするゲーム管理を行うようになっている。
以下、図6のフローチャートに基づき、制御部10で実行される処理の流れを詳細に説明する。
【0062】
まず、スロットマシン1が電源投入されると、初期化処理が行われるようになっている(S1)。初期化処理では、RAM11bの作業領域を初期化するとともに、各種の初期設定が行われる。初期設定では、遊技状態を管理するゲームモードフラグを設定する処理も行われる。
本実施形態では、遊技状態として、通常遊技、ボーナス遊技、メダルを投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされるリプレイタイム(RT)が設けられている。
リプレイタイム(RT)は、通常遊技より、再遊技役が抽せんされる確率が高く設定された遊技状態となっている。
通常遊技においても、再遊技役は抽せんされる抽せん対象となっているため、再遊技役の抽せん確率で比較すると、リプレイタイム(RT)(高確率)>通常遊技(低確率)、となる関係が成り立つようになっている。
なお、ボーナス遊技においては、再遊技役は抽せんされないようになっている。
【0063】
本実施形態における各リプレイタイムの移行条件と終了条件との関係を図7に示す。
同図に示すように、リプレイタイム(RT)は、ボーナス遊技終了後に移行し、所定の遊技回数(Nゲーム回数)の間リプレイタイムが継続した後、通常遊技に移行するようになっている。なお、所定の遊技回数(Nゲーム回数)間に、特定図柄の組合せが停止表示されるか、又は、ボーナス役に当せんした場合には、通常遊技に移行するようになっている。
また、本実施形態では、電源投入時の遊技状態は、通常遊技から開始されるように設定されている。
このため、初期設定では、電源投入時の遊技状態を管理するため、ゲームモードフラグを通常遊技に設定する処理を行うようになっている。
本実施形態におけるゲームモードフラグと遊技状態の関係を図8に示す。
同図に示すように、ゲームモードフラグは、RAM11bに設けられたゲームモード領域にビット単位で設定されるようになっている。
具体的には、「ビット0」に「1」をセットで通常遊技、「ビット1」に「1」をセットでリプレイタイム(RT)、「ビット2」に「1」をセットでボーナス遊技となり、設定されたビット毎のゲームモードフラグを1ゲーム毎に参照することで、各遊技状態となるように制御される(ゲーム管理手段)。
そして、初期設定では、通常遊技となるように、同図における「ビット0」に「1」をセットし、その他のビットは、「0」でクリアされるようになっている。
これにより、電源投入後、ボーナス役に当せんし、ボーナス遊技となるまで、通常遊技が継続されるようになっている。
【0064】
次に、制御部10では、メダル投入を監視するメダル投入処理を行う(S2)。
メダル投入処理では、具体的には、メダルセレクタ6aからのメダル信号及びBETボタン7(MAXBETボタン7a,1BETボタン7b)からのメダル信号の入力を監視し、メダル投入口6から投入されたメダルの枚数、又はBETボタン7が押下されて賭けられたメダルの投入枚数を確認するとともに、BETボタン7からのメダル信号に基づき、RAM11bで記憶される貯留メダル枚数を減少させる。これにより、各ゲームに賭けられる賭け数1〜3が決定されることになる。
これにより、1回のゲームがスタート可能な状態となる。
【0065】
さらに、制御部10は、遊技者によるスタートレバー4操作を監視し(S3)、スタートレバー4操作に伴い生成されるスタート信号が入力されると、内部抽せん処理(S4)を行うとともに、リール21の制御信号となるパルス(駆動)信号をドラムユニット20へ出力し、リール21a〜21cを回転させるリール回転制御処理を行うようになっている(S5)。
以下、本実施形態に係る内部抽せんについて説明する。
【0066】
内部抽せんは、ゲーム毎に遊技者のスタートレバー4の操作のタイミングで行われる抽せん処理であり、カウンタIC等からなる乱数カウンタ13から取得される乱数と、ROM11aに予め設定・記憶された乱数テーブルの値とを比較・判定することにより実行される。
更新範囲(0〜16383)で発生する乱数カウンタ13から出力される乱数をスタートレバー4の操作のタイミングで取得(ラッチ)し、取得された乱数を、遊技状態別の乱数テーブルの各抽せん対象に対応する当せん範囲と比較することにより、いずれの抽せん対象に対応する当せん範囲に属しているかを判定し、その属する当せん範囲が示す抽せん対象が今回ゲームの当せん内容として決定・当せんするようになっている。
【0067】
内部抽せんにおいて抽せんされる抽せん対象には、遊技者に対して遊技価値が付与される役と呼ばれるものと、なんら遊技価値の付与されないハズレがある。
遊技価値が付与される役には、対応する停止表示される各リール21に表された図柄の組合せにより、遊技媒体が付与される、いわゆる「入賞」となって、数枚のメダルが獲得される「小役」、遊技媒体は付与されないが、次回遊技において、メダルを投入することなく遊技可能となる「再遊技役」、遊技媒体は付与されないが、所定の小役が連続して当せんする特別な遊技状態であるボーナス遊技に移行する条件となる「ボーナス役」がある。
図9に本実施形態の抽せん対象である各役と、対応する停止表示される各リール21に表された図柄の組合せと、付与される遊技価値との関係を示す。
【0068】
同図に示すように、「ボーナス役」は、停止図柄の組合せの色の違いで、対応する停止図柄の組合せが「左リール21aの左図柄・中リール21bの中図柄・右リール21cの右図柄」の順(以下、同様)で「赤7・赤7・赤7」となるボーナス役A、対応する停止図柄の組合せが「黄7・黄7・黄7」となるボーナス役B、対応する停止図柄の組合せが「緑7・緑7・緑7」となるボーナス役Cの3種類が設けられ、いずれの図柄の組合せの停止表示によっても、同様なボーナス遊技に移行するとともに、ボーナス遊技後には、リプレイタイム(RT)に移行するようになっている(図7参照)。
「再遊技役」は、対応する停止図柄の組合せが「リプレイ・リプレイ・リプレイ」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルの配当はないが、次回遊技において、メダルを投入することなく遊技をすることができるようになっている。
【0069】
「小役」は、対応する停止図柄の組合せの違いにより、小役A〜小役Fの6種類が設けられている。
小役Aは、対応する停止図柄の組合せが「赤7・プラム・プラム」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが2枚配当されるようになっている。
さらに、小役Aは、本発明に係る特定の役(以下、特定役という。)であって、「赤7・プラム・プラム」の組合せが停止表示されることでリプレイタイム(RT)が終了する本発明に係る第一の特定の組合せ(特定図柄A)となっており、左リール21aの「赤7」、中リール21bの「プラム」、右リール21cの「プラム」が、各々本発明に係る第一特定図柄、第二特定図柄、第三特定図柄に該当する。
小役Bは、対応する停止図柄の組合せが「黄7・プラム・プラム」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが2枚配当されるようになっている。
また、小役Bも、本発明に係る特定役であって、「黄7・プラム・プラム」の組合せが停止表示されることでリプレイタイム(RT)が終了する本発明に係る第一の特定図柄の組合せ(特定図柄B)となっており、左リール21aの「黄7」、中リール21bの「プラム」、右リール21cの「プラム」が、各々本発明に係る第一特定図柄、第二特定図柄、第三特定図柄に該当する。
小役Cは、対応する停止図柄の組合せが「緑7・プラム・プラム」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが2枚配当されるようになっている。
同様に、小役Cは、本発明に係る特定役であって、「緑7・プラム・プラム」の組合せが停止表示されることでリプレイタイム(RT)が終了する本発明に係る第一の特定図柄の組合せ(特定図柄C)となっており、左リール21aの「緑7」、中リール21bの「プラム」、右リール21cの「プラム」が、各々本発明に係る第一特定図柄、第二特定図柄、第三特定図柄に該当する。
【0070】
なお、上記の色彩の異なる各第一特定図柄の「7」は、図4に示すように、停止表示可能な図柄コマ数の最大値である「4コマ」に「2コマ」加えた「6コマ」の間隔をもって、左リール21aに、隙間なく均等に配置されている。
これにより、各第一特定図柄及び後述の第一補助特定図柄が停止制御される停止可能な範囲が、重複せず、棲み分けが行われるため、小役A〜Cのいずれかの小役に当せんした場合において、当該小役に対応する第一特定図柄「7」と色彩の異なる「7」をリプレイタイムの終了を回避する「目押し」の目安となる「ハズシ図柄」とすることができる。
その結果、例えば、小役Aに当せんし、この小役Aに対応する第一特定図柄である「赤7」が、遊技者に後述の特定図柄報知手段により報知された場合において、当該「赤7」と色彩の異なる「黄7」又は「緑7」を「ハズシ図柄」として積極的に狙って「目押し」を行うことで、「赤7・プラム・プラム」が停止表示されず、リプレイタイムの終了を回避することができるようになっている。
【0071】
小役Dは、対応する停止図柄の組合せが「チェリー・ANY・ANY」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが2枚配当されるようになっている。「ANY」は、中リール21b,右リール21cに表された全ての図柄(図4参照)が対象となることを意味するため、小役Aは、左リール21aに「チェリー」が停止表示されることで、事実上、入賞が確定するようになっている。
小役Eは、対応する停止図柄の組合せが「ベル・ベル・ベル」からなり、当該図柄の組合せの停止表示により、メダルが2枚配当されるようになっている。
また、小役Fは、対応する停止図柄の組合せが「スイカ・スイカ・スイカ」からなり、当該停止図柄の組合せの停止表示により、メダルが15枚配当されるようになっている。
【0072】
なお、本発明に係る第二の特定図柄の組合せが、上記の各小役A,B,Cに対応する第一の特定図柄の組合せと対をなすように設定されている。
図10は、第一の特定図柄の組合せと対をなす第二の特定図柄の組合せとの対応関係を示した図である。
小役Aに対応する特定図柄Aと対をなす第二の特定図柄の組合せとしては、左リール21aにおける「赤7」から当該リールの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された図柄番号「0」(図4参照)に該当する「プラム」を本発明に係る第一補助特定図柄とする「プラム(0)・プラム・プラム」となる組合せ(補助特定図柄A)が設定されている。
小役Aに当せんし、中リール21b及び/又は右リール21cにおいて、第二及び/又は第三特定図柄である「プラム」が既に停止表示され、有効ライン1〜5のいずれかに沿って、「赤7」を停止表示させる場合、すなわち、「赤7」を停止表示させる停止位置が、上a、中a、下aのいずれか一つに限定される場合、回転中における左リール21aの「赤7」が当該有効ラインを超え、プラム(0)までの範囲で、左停止ボタン5aが停止操作されたときに、「プラム(0)・プラム・プラム」が停止表示されるようになっている。
【0073】
また、小役Bに対応する特定図柄Bと対をなす、第二の特定図柄の組合せとしては、左リール21aにおける「黄7」から当該リールの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された図柄番号「7」(図4参照)に該当する「プラム」を本発明に係る第一補助特定図柄とする「プラム(7)・プラム・プラム」となる組合せ(補助特定図柄B)が設定されている。
小役Bに当せんし、中リール21b及び/又は右リール21cにおいて、第二及び/又は第三特定図柄である「プラム」が既に停止表示され、有効ライン1〜5のいずれかに沿って、「黄7」を停止表示させる場合、すなわち、「黄7」を停止表示させる停止位置が、上a、中a、下aのいずれか一つに限定される場合、回転中における左リール21aの「黄7」が当該有効ラインを超え、プラム(7)までの範囲で、左停止ボタン5aが停止操作されたときに、「プラム(7)・プラム・プラム」が停止表示されるようになっている。
【0074】
同様に、小役Cに対応する特定図柄Cと対をなす、第二の特定図柄の組合せとしては、左リール21aにおける「緑7」から当該リールの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された図柄番号「14」(図4参照)に該当する「プラム」を本発明に係る第一補助特定図柄とする「プラム(14)・プラム・プラム」となる組合せ(補助特定図柄C)が設定されている。
小役Cに当せんし、中リール21b及び/又は右リール21cにおいて、第二及び/又は第三特定図柄である「プラム」が既に停止表示され、有効ライン1〜5のいずれかに沿って、「緑7」を停止表示させる場合、すなわち、「緑7」を停止表示させる停止位置が、上a、中a、下aのいずれか一つに限定される場合、回転中における左リール21aの「緑7」が当該有効ラインを超え、プラム(14)までの範囲で、左停止ボタンaが停止操作されたときに、「プラム(14)・プラム・プラム」が停止表示されるようになっている。
これらの各第二の特定図柄の組合せである補助特定図柄A〜Cは、停止表示により、「ハズレ」と同様に、なんら遊技価値を付与されることはないが、リプレイタイムにおいて、各小役に当せんしたときに、当該小役と対応関係にある補助特定図柄A〜Cが停止表示されることで、リプレイタイムが終了するようになっている。
なお、各小役A〜Cに当せんした場合において、当せんした小役と対応関係にない補助特定図柄A〜Cは、停止表示されないようになっている。
【0075】
そして、このような本発明に係る特定役である小役A〜Cを含め、上述した各役は、内部抽せんにおいて、抽せんされる抽せん対象となっている。
本実施形態の内部抽せんにおける遊技状態別の抽せん対象を図11に示す。
同図に示すように、抽せん対象には、例えば11種類の組合せが設けられており、各抽せん対象は、遊技状態毎で、抽せんされる確率が異なるように設定されている。
具体的には、同図に示すように、遊技状態別に異なる乱数テーブルが参照され、通常遊技では、通常遊技用の乱数テーブル、リプレイタイム(RT)では、リプレイタイム用の乱数テーブルを参照して内部抽せんが行われるようになっている。
そして、各参照される乱数テーブルは、抽せん対象が抽せんされる確率が異なるように、抽せん対象が当せんすることとなる当せん範囲が異なる値に設定されている。
【0076】
同図における各乱数テーブルに表された値は、乱数の更新範囲(0〜16383)における各抽せん対象が抽せんされることとなる乱数の当せん範囲から算出された各抽せん対象の当せん幅を示している。各抽せん対象は、乱数カウンタ13から出力される乱数が、抽せん対象毎にあらかじめ定められた当せん範囲に該当した場合に、当せんされるようになっている。各抽せん対象の当せん幅は、この当せん範囲の上限値から下限値を減算することで算出され、乱数の更新範囲に占める各抽せん対象の当せん幅の割合から各抽せん対象の当せん確率が算出されるようになっている。
なお、図中の「・・・」は抽せん対象毎に設定されている当せん幅の所定の数値を示している。
たとえば、抽せん番号10に該当する「リプレイ」の当せん幅は、通常遊技用の乱数テーブルでは、「2245」、リプレイタイム用の乱数テーブルでは、「13650」と設定されており、これにより各遊技状態における再遊技役(「リプレイ」)の当せん確率は、通常遊技では、「1/7.3」(≒2245/16384)、リプレイタイム(RT)では、「1/1.2」(≒13650/16384)となっている。
その結果、各遊技状態における再遊技役(「リプレイ」)の当せん確率を比較すると、リプレイタイム(RT)の当せん確率(高確率)>通常遊技の当せん確率(低確率)の関係となっている。
同様に、対応する図柄の組合せが第一の特定図柄の組合せとなる小役A〜Cも、所定の当せん確率となるように設定され、リプレイタイムにおいて、抽せん番号4〜6に当せんした場合に、当せんした小役に対応する色彩の「7」を停止表示させないように、他の色彩の「7」を「目押し」することで、特定図柄の組合せの停止表示を回避することができるようになっている。
【0077】
そして、遊技状態別の乱数テーブルは、前述のゲームモードフラグの値を参照することで、使用する乱数テーブルが決定されるようになっている。
乱数の判定は、抽せん番号が大きな値の抽せん番号から順次行い、各抽せん対象の当せん範囲の上限値と、乱数カウンタ13から取得された乱数と、を比較し、当該遊技における当せん内容が決定される。
決定された当せん内容は、当せんフラグによって管理されるようになっている。
図12は、RAM11bにおける当せんした各役に対応する当せんフラグを設定する当せんフラグ領域を示す図である。
同図に示すように、当せんフラグ領域は、当せん役に対応して当せんフラグ領域1〜当せんフラグ領域3が設けられ、当せんフラグ領域1は、ボーナス役を設定する領域、当せんフラグ領域2は、再遊技役(リプレイ)を設定する領域、当せんフラグ領域3は、各種小役を設定する領域となっている。
そして、内部抽せんにおいて、当せんした当せん内容に応じた当せんフラグが設定されるようになっている。
【0078】
例えば、図11における、抽せん番号1の抽せん対象である「ボーナスA」に当せんした場合には、当せんフラグ領域1における「ビット0」に「1」がセットされる。
また、抽せん番号4の抽せん対象である「小役A」に当せんした場合には、当せんフラグ領域3の「ビット0」に「1」がセットされる。
同様に、抽せん番号10の抽せん対象である「リプレイ」に当せんした場合には、当せんフラグ領域2の「ビット0」に「1」がセットされる。
そして、この当せんフラグ領域のセットされたフラグを参照して、その後のリール停止制御処理や、停止図柄判定処理が行われ、停止図柄判定処理においてすべて「0」でクリアされるようになっている。
なお、これらの当せんフラグのうち、ボーナス役であるボーナスA、B、Cに関する当せんフラグは、対応する停止図柄の組合せ(「7・7・7・」)で停止表示されない限り、当せんフラグはクリアされず、当せんフラグが次回の遊技に持ち越されるようになっている。
【0079】
次に、制御部10では、各リール21を回転制御するリール回転制御処理を行う。リール回転処理では、モータ駆動回路22にパルス(駆動)信号を出力し、ステッピングモータ23a〜23cを駆動して(図5参照)、対応するリール21a〜21cの回転の始動,定速回転の制御が行われる。
そして、各リール21の回転中においては、ドラムユニット20から入力されるマーカー信号により、各リール21a〜21cの図柄位置を監視する処理が行われるようになっている。
具体的には、RAM11bの所定の領域には、図13に示すように、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄番号を管理する図柄番号領域が、各リール単位で設けられている。
図柄番号領域は、制御部10がモータ駆動回路22に出力するパルス(駆動)信号が所定パルス数(各図柄間の回転角度に相当)毎に+1更新されるとともに、各リールが一周する毎に回胴位置検出部24から出力されるマーカー信号により、初期化(図柄番号0)されるようになっている。
そして、各図柄番号領域の値は、そのときの中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄番号と一致している(図4参照)。
これにより、後述するリール停止制御処理や停止図柄判定処理において、各リールに対応する停止ボタン5が停止操作された場合の、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄を判別することで、リール停止制御処理では、停止表示可能な図柄コマ数(0〜4コマ)の範囲内で、各リール21を回転させて停止することで、当せん内容に対応する図柄の組合せとなるように停止制御したり、停止図柄判定処理では、有効ライン1〜5に停止表示された図柄の組合せを判定したりすることができるようになっている。
【0080】
次に、遊技者の停止ボタン5の停止操作により、各リール21を停止制御する本発明の停止制御手段として機能するリール停止制御処理について説明する。
リール停止制御処理では、遊技者が各停止ボタン5を押下するタイミングで発生するストップ信号に基づき、前述した内部抽せんにおける当せん内容(当せんフラグ)に対応した図柄の組合せが停止表示されるように各リール21を停止制御する(S6)。
具体的には、各リール21の停止制御は、リール21毎に、検出されたストップ信号のタイミングにおける各リールの図柄番号領域の図柄番号の値を参照し、停止表示可能な図柄コマ数の範囲内(0〜4コマ)にある当せんフラグに対応した停止図柄を各リール毎に決定するとともに、この図柄コマ数に対応するパルス信号をモータ駆動回路22に出力することで、目的とする停止図柄まで各リール21を回転させた後、各リール21を励磁して停止させる処理が行われるようになっている。
なお、当せんフラグに対応した停止図柄が停止表示可能な図柄コマ数の範囲内(0〜4コマ)にない場合には、図9のいずれの停止図柄の組合せとならない「ハズレ」の組合せとなるように各リールを制御する。
【0081】
各リール21毎に決定される停止図柄は、ROM11aに記憶された停止図柄テーブル基づき、決定される。
停止図柄テーブルは、当せんフラグと、各リール21の停止操作の順番と、図柄番号領域の図柄番号の値とにより、選択される停止図柄テーブルが異なるように複数の停止図柄テーブルが設けられ、各停止図柄テーブルには、ストップ信号のタイミングにおける図柄番号からリールを回転させる図柄コマ数(「0〜4」のいずれかの値)が設定されている。
停止図柄テーブルは、前述した図11における抽せん対象毎に異なる組合せとなるように選択される。これは、各抽せん対象に対応して、停止表示される図柄が異なるためである。また、停止ボタン5の停止操作の順番により、選択される停止図柄テーブルも異なるようになっている。
なお、選択される停止図柄テーブル及び停止図柄テーブルに設定された図柄コマ数は、図4に示す図柄の配列及びストップ信号のタイミングから回転可能な図柄コマ送り数(0〜4コマ)の範囲に基づいて、当せん内容に対応する停止図柄の組合せで可能な限り停止するように設定されている。
ストップ信号のタイミングから回転可能な図柄コマ送り数(0〜4コマ)の範囲に当せん内容に対応する停止図柄が存在しない場合は、他の当せん内容に対応する停止図柄の組合せとなることもなく、図9におけるいずれの役にも該当しない「ハズレ」の組合せで停止表示されるように設定されている。
【0082】
ここで、本発明に係る特定役である小役A〜Cに当せんした場合の、各リール21の停止制御について説明するが、各小役とも、同等な停止制御であるため、代表して小役Cの停止制御について説明する。
図14は、「小役C」に当せんした場合の、各リールに対応する停止ボタン5の停止操作毎に順次選択される停止図柄テーブルを模式的に示した図である。
同図に示すように、選択される停止図柄テーブルは、停止ボタン5の停止操作の順番により異なるようになっている。停止操作の順番は、遊技者の任意の選択により6通り存在する。
【0083】
具体的には、左リール21aに対応する左停止ボタン5aを最初に停止操作する場合では、「左停止ボタン5a→中停止ボタン5b→右停止ボタン5c」の順番で停止操作をする停止順1と、「左停止ボタン5a→右停止ボタン5c→中停止ボタン5b」の順番で停止操作をする停止順2とがある。
中リール21bに対応する中停止ボタン5bを最初に停止操作する場合では、「中停止ボタン5b→左停止ボタン5a→右停止ボタン5c」の順番で停止操作をする停止順3と、「中停止ボタン5b→右停止ボタン5c→左停止ボタン5a」の順番で停止操作をする停止順4とがある。
また、右リール21cに対応する右停止ボタン5cを最初に停止操作する場合では、「右停止ボタン5c→中停止ボタン5b→左停止ボタン5a」の順番で停止操作をする停止順5と、「右停止ボタン5c→左停止ボタン5a→中停止ボタン5b」の順番で停止操作をする停止順6とがある。
これらの停止順は、各停止ボタン5の押下操作により発生するストップ信号に基づき、判別されるようになっている。
そして、各停止順毎に、停止図柄テーブルが順次選択されることで、当せん内容に対応した停止図柄の組合せが停止表示されるようになっている。
【0084】
同図の各停止順1〜6における数字は、選択される停止図柄テーブルの番号を示すとともに、「1○○」は左リール21aを停止制御するために選択される停止図柄テーブル、「2○○」は中リール21bを停止制御するために選択される停止図柄テーブル、「3○○」は右リール21cを停止制御するために選択される停止図柄テーブルを示している。さらに各停止図柄テーブルにおける「上a」,「中a」,「下a」は、図3の左リール21aの図柄の停止位置を示し、「上b」,「中b」,「下b」は、同図の中リール21bの図柄の停止位置を示し、「上c」,「中c」,「下c」は、同図の右リール21cの図柄の停止位置を示している。
【0085】
停止図柄テーブルは、当せん内容に対応する停止図柄が、各リールにおける停止位置(上a〜下a、上b〜下b、上c〜下c)に可能な限り停止するように設定されている。同図の各停止順に示す例では、小役Cに対応する停止図柄の組合せである「緑7・プラム・プラム」又は、中リール21b及び/又は右リール21cにおいて、第二及び/又は第三特定図柄である「プラム」が既に停止表示され、有効ライン1〜5のいずれかに沿って、「緑7」を停止表示させる場合、すなわち、「緑7」を停止表示させる停止位置が、上a、中a、下aのいずれか一つに限定される場合は、「プラム(14)・プラム・プラム」が停止表示されるように設定されている。
【0086】
なお、中リール21bにおいて第二特定図柄である「プラム」を停止制御するために選択される各停止図柄テーブルと、右リール21cにおいて第二特定図柄である「プラム」を停止制御するために選択される各停止図柄テーブルは、停止操作順によって、「プラム」を停止表示させる停止位置が、上、中、下のいずれか一つに限定される場合においても、各々「プラム」を「上b,上c」、「中b,中c」、「下b,下c」のいずれかに必ず停止表示されるように設定されている。
これは、図4に示すように、中リール21及び右リール21cにおいて、「プラム」が、停止表示可能な図柄コマ数の最大値である「4コマ」を超えない間隔をもって複数配置されているため、「プラム」を停止表示させる停止位置がいずれか一つに限定されても、停止ボタン5b,5cの操作のタイミングに拘わらず、必ず、当該停止位置に「プラム」を引き込むような停止制御ができるためである。
すなわち、中リール21及び右リール21cにおいて「プラム」は、停止操作順及び停止操作のタイミングに拘わらず、いかなる停止位置にも100%引き込むことができるようになっている。
【0087】
一方、左リール21aにおける小役Cに対応する第一特定図柄である「緑7」は、図柄番号12において1つしか存在しないため、左停止ボタン5aの操作のタイミングによっては、停止表示されない場合がある。
さらに、「緑7」は、停止操作順によっては、上a、中a、下aの停止位置に停止表示される割合が変化する。
以下、停止操作順によって変化する「緑7」が停止表示される割合について説明する。
【0088】
例えば、図14に示すように、最初に左リール21aに対応する左停止ボタン5aを停止操作する停止順1及び停止順2で選択される左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル101では、中リール21及び右リール21cは、未だ回転中であり、中リール21及び/又は右リール21cに停止表示される「プラム」の停止位置により「緑7」の停止位置は制限されないため、「緑7」を停止位置「上a」、「中a」、「下a」のいずれかに停止制御するように設定されている。
具体的には、図15に示す停止図柄テーブル101に設定されている「緑7」の停止制御のように、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが図柄番号7〜図柄番号13(停止操作時における「中a」の停止位置の図柄番号、以下同じ)の範囲であれば、停止表示可能な「0〜4」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「緑7」を「上a」、「中a」、「下a」のいずれかに停止表示させることができるようになっている。
すなわち、最初に左リール21aに対応する左停止ボタン5aを停止操作する停止操作順においては、「緑7」を「上a」、「中a」、「下a」のいずれかの停止位置に停止表示させることができる引き込み数は、図柄番号7〜図柄番号13までの「7コマ」となる。これにより、左リール21aにおいて「緑7」を「上a」、「中a」、「下a」のいずれかの停止位置に停止表示させることができる割合は、7/21となる。その結果、第一の特定図柄の組合せである特定図柄Cが停止表示される割合も、中リール21及び右リール21cにおいて「プラム」は、100%引き込むことができることから考慮する必要はないため、同様に、7/21となる。
【0089】
次に、中リール21bに対応する中停止ボタン5bを最初に停止操作する停止順3で選択される左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルは、停止順1及び停止順2と同様、停止図柄テーブル101が選択されるようになっている。
中停止ボタン5bを最初に停止操作する停止順3及び停止順4では、図14に示すように、中リール21bにおいて「プラム」が「中b」に停止表示される中リール21bを停止制御する停止図柄テーブル202が選択されている。
これより、有効ライン1又は有効ライン4又は有効ライン5に沿って、「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させることができるため、「緑7」を停止位置「上a」、「中a」、「下a」のいずれかに停止制御するように停止図柄テーブル101が選択されるようになっている。
なお、中リール21bにおいて「プラム」が「中b」に停止表示される中リール21bを停止制御する停止図柄テーブル202が選択されている理由は、「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させることができる有効ライン数を最大限確保するためである。
【0090】
一方、中リール21bに対応する中停止ボタン5bを最初に停止操作され、右リール21cに対応する右停止ボタン5cが停止操作された後に、左リール21aに対応する左停止ボタン5aが停止操作される停止順4で選択される左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルは、右リール21cにおいて停止表示された「プラム」の停止位置(右リール21cを停止制御する停止図柄テーブル305が選択されている)により、選択される停止図柄テーブルが異なるようになっている。
これは、中リール21bにおいて「プラム」が「中b」に停止表示されているとともに、右リール21cにおいて「プラム」が「上c」又は「中c」又は「下c」のいずれかに停止表示されていることで、「緑7・プラム・プラム」の組合せが停止表示される有効ラインが、有効ライン1又は有効ライン4又は有効ライン5に定まるためである。
【0091】
すなわち、右リール21cにおいて「プラム」が「上c」に停止表示されている場合には、左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルとしては、「緑7」を「下a」に停止表示させることで、有効ライン5に沿って「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させるよう左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル104が選択されるようになっている。
また、右リール21cにおいて「プラム」が「中c」に停止表示されている場合には、左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルとしては、「緑7」を「中a」に停止表示させることで、有効ライン1に沿って「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させるよう左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル103が選択されるようになっている。
同様に、右リール21cにおいて「プラム」が「下c」に停止表示されている場合には、左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルとしては、「緑7」を「上a」に停止表示させることで、有効ライン4に沿って「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させるよう左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル102が選択されるようになっている。
【0092】
このように、停止順4では、中リール21b及び右リール21cにおいて「プラム」が既に停止表示されていることから、「緑7」を停止表示される停止位置が、「上a」又は「中a」又は「下a」のいずれかに限定されるため、「緑7」を停止表示させることができる引き込み数も減少することになる。
例えば、図15に示す停止図柄テーブル102に設定されている「緑7」の停止制御のように、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが、図柄番号7から図柄番号11の範囲であれば、停止表示可能な「0〜4」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「緑7」を「上a」に停止表示させることができる。
すなわち、操作順4においては、「緑7」を「上a」の停止位置に停止表示させることができる引き込み数は「5コマ」となる。これにより、左リール21aにおいて「緑7」を「上a」の停止位置に停止表示させることができる割合及び第一特定図柄である特定図柄Cが停止表示される割合は、5/21となってしまう。
同様に、「緑7」を「中a」に停止表示させる停止図柄テーブル103及び「緑7」を「下a」に停止表示させる停止図柄テーブル104も、停止図柄テーブル104と同様、「緑7」を各停止位置に停止表示させることができる引き込み数は「5コマ」となり、左リール21aにおいて「緑7」を「中a」又は「下a」の停止位置に停止表示させることができる割合及び第一特定図柄である特定図柄Cが停止表示される割合は、5/21となる。
【0093】
その結果、停止順1及び停止順2及び停止順3では、7/21の割合で第一の特定図柄の組合せである特定図柄Cが停止表示されるにも拘わらず、停止順4では、特定図柄Cが停止表示される割合が5/21に減少してしまうことになる。これにより、仮に、リプレイタイムにおいて特定役である小役Cの当せんが報知されない仕様のスロットマシンであれば、遊技者は、停止順4により、停止操作を行うことで、第一の特定図柄の組合せが停止表示される可能性を低くすることができてしまい、特定図柄の組合せが停止表示される割合が、停止操作によって変わることになり、特定図柄としての適正を欠くことになってしまう。
【0094】
しかしながら、本発明に係る補助特定図柄を備えることで、特定図柄の組合せが停止表示される割合の低下を補うことができるようになっている。
具体的には、停止ボタンの停止操作順によって、「緑7」が停止表示される停止位置が、「上a」又は「中a」又は「下a」のいずれかに限定されるような場合には、左リール21aにおける図柄番号14の「プラム(14)」が本発明の第一補助特定図柄として機能し、特定図柄の組合せが停止表示される割合の低下を補うようになっている。
【0095】
例えば、図15に示す停止図柄テーブル102では、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが、図柄番号7〜図柄番号11の範囲であれば、停止表示可能な「0〜4」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「緑7」を「上a」に停止表示させるようになっているが、「緑7」が「上a」の停止位置を超えた図柄番号12〜図柄番号13の範囲で、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが発生した場合には、停止制御可能な「0〜1」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「プラム(14)」が「上a」に停止表示されるようになっている。
これにより、停止図柄テーブル102の例では、有効ライン4に沿って、第二の特定図柄の組合せである「プラム(14)・プラム・プラム」からなる補助特定図柄Cが停止表示される。
【0096】
この場合、「プラム(14)」を「上a」の停止位置に停止表示させることができる引き込み数は「2コマ」となる。これにより、左リール21aにおいて「プラム(14)」を「上a」の停止位置に停止表示させることができる割合及び第二の特定図柄の組合せである補助特定図柄Cが停止表示される割合は、2/21となる。
その結果、停止順4における第一の特定図柄の組合が停止表示される割合と、第二の特定図柄の組合せが停止表示される割合を合計した、トータルの特定図柄の組合せが停止表示される割合は、5/21に2/21を加えた7/21となり、停止順1及び停止順2及び停止順3と同等な割合にすることができる。
これにより、停止順4における第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合の減少を補うことができ、停止順1〜4までの特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等に保つことができる。
【0097】
次に、右リール21cに対応する右停止ボタン5cが最初に停止操作され、中リール21bに対応する中停止ボタン5bが停止操作された後に、左リール21aに対応する左停止ボタン5aが停止操作される停止順5で選択される左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルは、右リール21cにおいて停止表示された「プラム」の停止位置(右リール21cを停止制御する停止図柄テーブル304が選択されている)により、選択される停止図柄テーブルが異なるようになっている。
これは、中リール21bにおいて「プラム」が「中b」に停止表示されているとともに、右リール21cにおいて「プラム」が「上c」又は「「下c」のいずれかに停止表示されていることで、「緑7・プラム・プラム」の組合せが停止表示される有効ラインが、有効ライン4又は有効ライン5に定まるためである。
【0098】
すなわち、右リール21cにおいて「プラム」が「上c」に停止表示されている場合には、左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルとしては、停止順4と同様に、「緑7」を「下a」に停止表示させることで、有効ライン5に沿って「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させるよう左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル104が選択されるようになっている。
また、右リール21cにおいて「プラム」が「下c」に停止表示されている場合には、左リール21aを停止制御する停止図柄テーブルとしては、停止順4と同様に、「緑7」を「上a」に停止表示させることで、有効ライン4に沿って「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させるよう左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル102が選択されるようになっている。
なお、右リール21cにおいて「プラム」が「上c」又は「下c」に停止表示される右リール21cを停止制御する停止図柄テーブル304が選択されているとともに、中リール21bにおいて「プラム」が「中b」に停止表示される中リール21bを停止制御する停止図柄テーブル202が選択されている理由は、「緑7・プラム・プラム」の組合せを停止表示させることができる有効ライン数を最大限確保するためである。
【0099】
このように、停止順5では、中リール21b及び右リール21cにおいて「プラム」が既に停止表示されていることから、「緑7」が停止表示される停止位置が、「上a」又は「下a」のいずれかに限定されるため、停止順4の場合と同様、「緑7」を停止表示させることができる引き込み数も減少する。
例えば、図15に示す停止図柄テーブル104に設定されている「緑7」の停止制御のように、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが、図柄番号9〜図柄番号13の範囲であれば、停止制御可能な「0〜4」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「緑7」を「下a」に停止表示させることができる。
すなわち、操作順5においては、停止順4と同様、「緑7」を「下a」の停止位置に停止表示させることができる引き込み数は「5コマ」となる。これにより、左リール21aにおいて「緑7」を「下a」の停止位置に停止表示させることができる割合及び第一特定図柄である特定図柄Cが停止表示される割合は、5/21となってしまう。
【0100】
しかしながら、図15に示す停止図柄テーブル104では、「緑7」が「下a」の停止位置を超えた図柄番号14〜図柄番号15の範囲で、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが発生した場合には、停止制御可能な「0〜1」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「プラム(14)」が「下a」に停止表示されるようになっている。
これにより、停止図柄テーブル104の例では、有効ライン5に沿って、第二の特定図柄の組合せである「プラム(14)・プラム・プラム」からなる特定図柄Cが停止表示される。
【0101】
この場合、「プラム(14)」を「下a」の停止位置に停止表示させることができる引き込み数は「2コマ」となる。これにより、左リール21aにおいて「プラム(14)」を「下a」の停止位置に停止表示させることができる割合及び第二の特定図柄の組合せである補助特定図柄Cが停止表示される割合は、2/21となる。
その結果、停止順5における第一の特定図柄の組合が停止表示される割合と、第二の特定図柄の組合せが停止表示される割合を合計した、トータルの特定図柄の組合せが停止表示される割合は、5/21に2/21を加えた7/21となり、停止順1及び2及び3と同等な割合にすることができる。
これにより、停止順4と同様に、停止順5における第一の特定図柄の組合が停止表示される割合の減少を補うことができ、停止順1〜5までの特定図柄の組合が停止表示される割合を均等に保つことができる。
【0102】
次に、右リール21cに対応する右停止ボタン5cを停止操作した後に、左リール21aに対応する左停止ボタン5aを停止操作する停止順6で選択される左リール21aを停止制御する停止図柄テーブル105では、中リール21bは、未だ回転中であり、右リール21cに停止表示される「プラム」の停止位置にのみ「緑7」の停止位置は制限されるため、「緑7」を停止位置「上a」又は「下a」のいずれかに停止制御するように設定されている。
具体的には、図15に示す停止図柄テーブル105に設定されている「緑7」の停止制御のように、左停止ボタン5aを停止操作するタイミングが図柄番号7〜図柄番号13の範囲であれば、停止制御可能な「0〜4」の図柄コマ数分、左リール21aを回転制御することにより、「緑7」を「上a」又は「下a」のいずれかに停止表示させることができるようになっている。
【0103】
すなわち、右リール21cに対応する右停止ボタン5cを停止操作した後に、左リール21aに対応する左停止ボタン5aを停止操作する停止順6においては、「緑7」を「上a」又は「下a」のいずれかの停止位置に停止表示させることができる引き込み数は「7コマ」となる。これにより、左リール21aにおいて「緑7」を「上a」又は「下a」のいずれかの停止位置に停止表示させることができる割合及び第一特定図柄である特定図柄Cが停止表示される割合は、7/21となる。
この場合は、停止順1〜3と同様、特定図柄Cが停止表示される割合は、7/21となるため、前述の停止順4及び5のように、第一補助特定図柄によって、特定図柄の組合せが停止表示される割合の低下を補う必要はない。
【0104】
なお、図15の各停止図柄テーブルにおいて、「緑7」が停止表示可能な範囲以外の図柄番号の範囲(空白の範囲)で、左停止ボタン5aの停止操作のタイミングが生じた場合には、いわゆる「取りこぼし」となり、当せん内容に対応した停止図柄の組合せとならず、図9におけるいずれの組合せにも該当しない「ハズレ」の組合せとなるように設定されている。
この場合には、小役Cに当せんした場合にも、該当する配当数のメダルも獲得できないこととなる。
【0105】
以上のように、本発明の特定役である小役Cに当せんし、各停止ボタン5の停止操作の順番により、「緑7」の停止位置が、「上a」、「中a」、「下a」のいずれかに限定される場合において、停止操作のタイミングによっては、第二の特定図柄の組合せである補助特定図柄Cが停止表示され、第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合の減少を補うことで、いかなる停止順においても、均等な割合で特定図柄の組合せが停止表示されるようになっている。
なお、本発明の特定役である小役A又は小役Bに当せんし場合においても、「赤7」又は「黄7」の停止位置が、いずれかの停止位置に限定される場合において、停止操作のタイミングによっては、小役Cの場合と同様な停止制御により、対をなす第二の特定図柄の組合せである補助特定図柄A又は補助特定図柄Bが停止表示され、第一の特定図柄の組合せが停止表示される割合の減少を補うことで、いかなる停止順においても、均等に特定図柄の組合せが停止表示されるようになっていることは勿論である。
【0106】
また、各特定役である小役A〜Cに対応する色彩の異なる「7」は「6コマ」の間隔をもって均等に配置されている。このため、各「7」が停止制御される停止可能な範囲が、重複せず、棲み分けが行われるため、一の特定役に当せんした場合において、当該特定役に対応する「7」と色彩の異なる「7」をリプレイタイムの終了を回避する「目押し」の目安となる「ハズシ図柄」とすることができる。
これにより、例えば、小役Cに当せんし、この小役Cに対応する「緑7」が、遊技者に後述する特定図柄報知手段により報知された場合において、「緑7」と色彩の異なる「赤7」又は「黄7」である「ハズシ図柄」を積極的に狙って「目押し」を行うことができる。
その結果、「目押し」に成功した場合には、第一の特定図柄である「緑7・プラム・プラム」の組合せは停止表示されず、リプレイタイムの終了は回避され、リプレイタイムを継続させることができる。
【0107】
さらに、「ハズシ図柄」である「7」は、識別性の高い大きな外形で形成されているとともに、遊技者が最も期待する抽せん対象であるボーナス役に対応する図柄で構成されている。このため、上級者のみならず、初心者も、「目押し」に慣れ親しんでいる図柄であるため、「目押し」により「ハズシ」を行う場合にも、上級者と初心者との技量的な格差が生じにくい図柄となっている。
これにより、初心者でも、容易に「7」等を識別することで、簡単に「目押し」をすることができ、リプレイタイムの終了を回避することができる。
そのうえ、本実施形態では、各第一特定図柄「7」から左リール21aの回転方向に対して一図柄前方に配置された図柄(「リプレイ」など)の背景が、各第一特定図柄「7」と同じ色彩が付される。これにより、各第一特定図柄「7」と当該第一特定図柄「7」の一図柄前方に配置された図柄(「リプレイ」などの背景)が、同じ色彩が付されるため、第一特定図柄「7」が2図柄の範囲に亘って一体的に識別されることから、回転中の右リール21aにおいて、各第一特定図柄「7」を簡単に見分けることができ、「目押し」を更に容易にすることができるようになっている。
なお、本実施形態では、各第一特定図柄「7」から左リール21aの回転方向に対して一図柄前方に配置された図柄の背景を、各第一特定図柄「7」と同じ色彩としたが、図柄自体の色彩を同色にすることもできる。
また、各第一特定図柄「7」から左リール21aの回転方向に対して一図柄前方のみならず、一図柄後方の図柄及び/又は背景を同色にすることもできる。
【0108】
また、各特定役である小役A〜Cに対応する色彩の異なる「7」が均等に配置されていることより、例えば、リプレイタイムに小役A〜Cのいずれかの当せんした場合において、遊技者に、小役A〜Cのいずれかの当せんを察知されないよう前述の特定図柄報知手段を作動させずに、特定役の当せんのみを報知する後述の特定役報知手段を作動させることで、遊技者に、「ハズシ図柄」である「赤7」又は「黄7」又は「緑7」のいずれかを三者択一で選択させ、「目押し」を行わせるゲームを行うことができる。
これにより、遊技者は、当せんした特定役を推測して、「ハズシ図柄」の「目押し」を行う。
色彩の異なる「7」が均等に3つ配置されており、停止制御される停止可能な範囲が、重複せず、棲み分けが行われるため、遊技者の推測が当る確率は2/3となり、この確率をもって、リプレイタイムの終了を回避することができる。
反対に、1/3の確率で、特定図柄の組合せが停止表示され、リプレイタイムを終了させることもできる。
【0109】
なお、上記において、小役Cに当せんした場合に選択される停止図柄テーブルについて示したが、選択される停止図柄テーブルは、図11示す抽せん対象毎に、異なる組合せとなるように選択され、当せん内容に対応する停止図柄の組合せで可能な限り停止するように設定されていることはいうまでもない。
【0110】
次に、制御部10では、上記のようなリール停止制御処理に続いて、図6に示すように、停止表示された停止図柄の組合せを判定する停止図柄判定処理(S7)が行われるようになっている。
停止図柄判定処理は、停止時の各リールの図柄番号領域における図柄番号を参照することで、停止図柄の組合せを判定する。
各リールの図柄番号領域における図柄番号は、前述したように、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄番号と一致しているため、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a〜21cの図柄を判別することで、すべての有効ライン1〜5に停止表示された図柄の組合せを判定することができる(図4参照)。
そして、判定された停止図柄の組合せが、内部抽せんにおいて当せんした当せんフラグに対応した停止図柄の組合せか否か判定し、合致していた場合には、当せんフラグに対応したその後の処理を行うようになっている。
以下、当せんフラグが、ボーナス役、再遊技役、小役の場合について説明する。
【0111】
当せんした当せんフラグが、ボーナス役A,B,Cのいずれかのボーナス役であり、かつ、対応する停止図柄の組合せであるいずれかの色の同色の「7・7・7」で停止したと判定した場合には、当せん時にセットされた図12における当せんフラグ領域1の対応する「ビット」を「0」でクリアする。
そして、図8におけるゲームモードフラグをボーナス遊技に該当する「ビット5」に「1」をセットし、他のビットを「0」でクリアすることで、ボーナス遊技に移行するようになっている。
一方、当せんした当せんフラグが、ボーナス役であるにも拘わらず、対応する停止図柄の組合せであるいずれかの色の同色の「7・7・7」で停止していないと判定した場合には、当せん時にセットされた図12における当せんフラグ領域1の対応する「ビット」を「0」でクリアせずに、そのままにし、ボーナス役の当せんフラグを次回遊技に持ち越すようになっている。
この状態は、次回遊技においても、対応する停止図柄の組合せであるいずれかの色の同色の「7・7・7」で停止しない限り、継続されるようになっている。
【0112】
ボーナス遊技では、所定の小役が非常に高い確率で当せん・入賞する状態となり、ボーナス遊技における獲得メダル枚数が、規定枚数を超えると、ボーナス遊技が終了するようになっている。
そして、ボーナス遊技が終了した時点で、図8におけるゲームモードフラグをリプレイタイム(RT)に該当する「ビット1」に「1」をセットし、他のビットを「0」でクリアすることで、リプレイタイム(RT)に移行するようになっている(図7参照)。
【0113】
リプレイタイム(RT)に移行すると、前述したように、内部抽せんにおいてリプレイタイム用の乱数テーブルが参照され、再遊技役である「リプレイ」が1/1.2の割合の高確率で頻出する遊技状態になり、再遊技役に当せんする度にメダルを投入することなく次回遊技可能となるため、その分投入するメダルの量も抑えられ、遊技者への負担が、通常遊技より軽減され、遊技者に有利な遊技状態となっている。これにより、遊技者は、メダルの投資を抑えつつ、ボーナス役の当せんを期待した遊技状態を楽しむことができるようになっている。
一方、このような遊技状態において、リプレイタイム(RT)の終了か継続かの成否が決定される特定図柄の組合せが停止表示されることになる特定役が、図11のリプレイタイム用の乱数テーブルに基づき抽せんされるようになっている。
【0114】
そして、抽せん番号4,5,6に該当する小役A(特定役)、小役B(特定役)、小役C(特定役)のいずれかに当せんした場合には、後述する特定役報知手段により、当該当せんが報知されるとともに、特定図柄報知手段により、当せんした小役に対応する左リール21aにおける色彩の付された第一特定図柄「7」が、表示器L1に表示されるようになっている。
そして、表示器L1に表示された色彩の付された「7」と色彩の異なる「7」を狙いつつ、左リール21aに対応する左停止ボタン5aを停止操作する「目押し」に成功することで、第一の特定図柄の組合せが停止表示されず、リプレイタイム(RT)の終了が回避され、リプレイタイム(RT)を継続させることができる。
また、特定役報知手段及び特定図柄報知手段を作動させない場合には、上記特定役の当せんは、外部から察知されないため、特定図柄の組合せで停止表示されるようになり、リプレイタイム(RT)を終了させるように作用させることもできる。
【0115】
そして、リプレイタイム(RT)において、特定図柄の組合せの停止表示が判定された場合には、図8におけるゲームモードフラグを通常遊技に該当する「ビット0」に「1」をセットし、他のビットを「0」でクリアすることで、通常遊技に移行するようになっている(図7参照)。
【0116】
なお、停止図柄判定処理では、停止図柄の判定毎に、リプレイタイム(RT)における遊技回数を計数するとともに、遊技回数が所定の遊技回数(Nゲーム回数)に到達した場合には、通常遊技に移行する制御が行われている。
リプレイタイム(RT)の遊技回数は、RAM11bの所定の領域に設けられた遊技回数計数カウンタを、停止図柄の組合せの判定毎に更新することで、計数されるようになっている。なお、本実施形態では、リプレイタイム(RT)において、特定図柄の組合せが停止表示されたとき、又は、ボーナス役に当せんしたときには、通常遊技に移行するようになっている。
これらの場合には、図8におけるゲームモードフラグを通常遊技に該当する「ビット0」に「1」をセットし、他のビットを「0」でクリアすることで、リプレイタイム(RT)を終了させ、通常遊技に移行するようになっている(図7)。
【0117】
次に、停止図柄判定処理において当せんフラグが、再遊技役の場合について説明する。
当せんした当せんフラグが、再遊技役の「リプレイ」であり、かつ、対応する停止図柄の組合せが「リプレイ・リプレイ・リプレイ」で停止したと判定した場合には、当せん時にセットされた図12における当せんフラグ領域2の対応する「ビット0」を「0」でクリアと同時に、次回遊技において、メダル投入することなく遊技可能となるよう、図6に示すように、前述したメダル投入処理が終了した後の遊技状態に移行させるようになっている(S8)。
なお、再遊技役に対応する停止図柄の組合せを構成する図柄である「リプレイ」は、図4に示すように、各リールとも最大でも4コマの間隔をもって配置されているため、図柄コマ送り数「0〜4」の範囲であれば、停止ボタンの停止操作のタイミングによらず、常に「上,中,下」のいずれの停止位置にも停止可能であり、再遊技役は、必ず成立するようになっている。
【0118】
当せんフラグが小役の場合は、以下のような処理が行われる。
各小役に対応する停止図柄の組合せで停止したと判定した場合は、図6に示すように、メダルが獲得される「入賞」として判定され(S9)、当せん時にセットされた図12における当せんフラグ領域3の各小役に対応する「ビット」を「0」でクリアし、その後、メダル払出処理(S10)に移行するようになっている。
一方、各小役に対応する停止図柄の組合せで停止されず、いわゆる「取りこぼし」と判定された場合には、上記と同様、当せん時にセットされた図12における当せんフラグ領域3の各小役に対応する「ビット」を「0」でクリアし、内部抽せんにおいて上記のボーナス役、再遊技役、小役のいずれにも該当しない「ハズレ」と同様、メダル投入処理(S2)以前の遊技状態に移行するようになっている。
【0119】
「入賞」として判定された場合のメダル払出処理(S10)では、図9に示すように小役の種類に応じた配当数のメダルを払出すような制御が行われる。
具体的には、メダル払出処理では、図5に示すにホッパー駆動回路32を制御することで、ホッパー31内に設けられたメダル払出モータが駆動制御され、メダルを払出すようになっている。
そして、メダルが払出されることで、メダル検出部33の所定のセンサから1枚メダルが払出される毎に1パルスの払出信号が出力されるようになっている。
制御部10では、この払出信号を監視し、パルス数が各小役のメダル配当数になるまで、ホッパー駆動回路32を制御するようになっている。
これにより、小役の種類に応じた所定数のメダルを払出すことができる。
以上のように、図6に示すフローチャートに基づき制御部10において行われるメダル投入処理からメダル払出処理までの処理により、スロットマシン遊技における1ゲームをなすとともに、この1ゲームが繰り返されることで遊技が進行するようになっている。
【0120】
[演出制御部]
次に、特定図柄報知手段、特定役報知手段として機能する演出制御部40について説明する。
演出制御部40は、制御部10と同様に、CPUやROM、RAMが搭載されたマイクロコンピュータであり、制御部10から送信された制御コマンドに従って、サウンド回路41及び表示器駆動回路42を制御することで、表示器L1,各告知部L3〜L4及びスピーカ9が所定の演出を行うように駆動制御される。
なお、制御部10と演出制御部40間の通信は、制御部10から演出制御部40への一方向性が担保された通信形態で構成されており、演出制御部40における制御処理により、制御部10が影響されないようになっている。
制御部10は、1ゲーム毎に内部抽せんにおける当せん内容やゲームモードフラグの内容を含む制御コマンドを演出制御部40に送信するようになっている。
その結果、演出制御部40では、この制御コマンドを解読することで、制御部10が管理する遊技状態に対応し、かつ、内部抽せんにおける当せん内容に即した演出を行うことが可能となっている。
【0121】
特定図柄報知手段及び特定役報知手段は、リプレイタイム(RT)における内部抽せんにおいて、特定役に当せんし、この当せん内容の制御コマンドを受信した場合に、作動するときと、作動しないときがあるように設定されている。
リプレイタイム(RT)では、多彩な遊技性を備えるように、演出制御部40における抽せん処理やボーナス遊技後のゲーム回数に応じて作動、未作動が決定されるように設定されている。
例えば、演出制御部40において抽せん処理を行い、この抽せん処理に当せんした場合に特定図柄報知手段が作動するようにしてもよい。又は、ボーナス遊技後の所定の遊技回数の間(例えば、Nゲーム回数より少ない遊技回数間)は、特定図柄報知手段のみ作動し、その後は、特定役報知手段のみ作動するように設定することもできる。
これにより、遊技者は、左リール21aに当せんした特定役に対応した「7」と色彩の異なる「7」を「目押し」することで、リプレイタイム(RT)の終了が回避され、リプレイタイム(RT)を継続させることができる。
【0122】
次に、特定図柄報知手段又は特定役報知手段が作動した場合の報知態様について説明する。
図16は、特定図柄報知手段又は特定役報知手段が作動した場合の表示器L1及び特定役当せん告知部L3の表示態様を示す図である。
同図に示すように、特定図柄報知手段が作動した時には、遊技者が、当せんした小役A〜C(特定役)に対応する色彩の「7」が判別可能となる表示態様となっている。
具体的には、表示器L1では、各小役に対応した色彩の「7」が表示されるようになっている。
これにより、遊技者は、左リール21aに各小役に対応した「7」と異なる色彩の「7」を狙って「目押し」を行うことができる。
このように、本発明の特定図柄報知手段が作動することで、各小役に対応した「7」と異なる色彩の「7」を狙って「ハズシ」を行い、リプレイタイム(RT)の終了を回避することができる。
【0123】
一方、特定役報知手段が作動した時には、遊技者が、特定役である小役Aと小役B、小役Cのいずれかの当せん内容に当せんしたことが判別可能となる表示態様となっている。
具体的には、表示器L1では、各小役に対応した3色の「7」が同時に表示され、特定役当せん告知部L3では、点滅表示が行われる。これらの表示は、いずれか一方のみで行われることもある。
これにより、前述の特定図柄報知手段が作動せず、特定役報知手段のみが作動した時には、小役A、小役B、小役Cのうち、いずれの小役に当せんしたのか判別不能となっている。
その結果、遊技者は、当せんしたいずれかの小役を予測して、左リール21aに予測した小役に対応する「7」と色彩の異なる「7」を狙って「目押し」を行うようになっている。
これにより、遊技者に、リプレイタイム(RT)の終了か、継続かの成否を遊技者に委ねて決定させることができ、リプレイタイムにおいて、遊技者にスリルを味あわせることができ、遊技性の向上が図られる。
【0124】
なお、上記の例では、特定図柄報知手段及び特定役報知手段が作動した場合の表示器及び告知部による視覚的な報知態様を示したが、サウンド回路41を制御することで、スピーカ9より音声を伴った演出を行うようにすることもできる。
例えば、特定図柄報知手段が作動した場合には、左リール21aに各小役に対応した「7」と色彩の異なる「7」を狙って「目押し」を行うような音声を出力することもできる。
また、特定役報知手段のみが作動した場合には、前述した三者択一で「ハズシ図柄」の「目押し」を行うゲームを示唆する「三択」などの音声を出力してもよい。
【0125】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン1では、プレイタイムが終了することになる特定図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする必要をなくすことができ、その結果、特定図柄の組合せを構成する図柄として、リール上の「チェリー」や他の図柄に比べ外形の大きな図柄を採用することができる。
すなわち、前述したように「チェリー役」以外の役は、一の有効ラインに沿って3つのリールにおいて停止表示された固有の図柄の組合せの停止表示により成立するようになっている。このため、先に停止表示された図柄の停止位置によって、後に停止表示される図柄の停止位置が限定されてしまう。その結果、後に停止表示される図柄の引き込み数が少なくなり、ひいては特定図柄の組合せが停止表示される割合が減少してしまう。
【0126】
そこで、本発明に係る第一特定図柄「7」から左リール21aの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された第一補助特定図柄「プラム」を備えることで、この問題が解消される。
具体的には、第二特定図柄「プラム」と第三特定図柄「プラム」は、中リール21b及び右リール21cにおいて、停止表示可能な図柄コマ数の最大値である4コマを超えない間隔をもって、複数配置されているため、対応する各停止ボタン5b,5cの停止操作タイミング及び停止操作の順番に拘わらず、必ずある有効ラインに沿って停止表示させることができるようになっている。
【0127】
一方、第一特定図柄「7」は、左リール21aに一つしか配置されていないため、左リール21aに対応する左停止ボタン5aの停止操作タイミングいかんによっては、停止表示されない場合もあり、停止表示されるか否かによって、第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」の停止表示が左右される、前述の「チェリー」と同様な役割を果たす図柄となっている。
その結果、第一特定図柄「7」の停止表示いかんによって、リプレイタイムの終了か又は継続かが決定されるため、遊技者が、当該第一特定図柄「7」を停止表示可能な範囲以外で「目押し」をすることにより、停止表示されないようにする「ハズシ」の対象となる図柄となっている。
【0128】
そして、このような第一特定図柄「7」は、例えば、当該第一特定図柄「7」が表された左リール21aに対応する左停止ボタン5aが最初に停止操作される場合において、「上段」、「中段」、「下段」のいずれかの停止位置に当該第一特定図柄「7」を引き込めるコマ数である「引き込み数」は、停止表示可能な図柄コマ数の範囲が「0〜4」のとき、左リール21aにおいて「7コマ」存在することになる。
その結果、左リール21aにおいて、図柄が、例えば、21図柄が配置されている場合は、第一特定図柄「7」を停止表示させることができる割合は7/21となり、さらに、第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」が停止表示される割合は、第二特定図柄「プラム」と第三特定図柄「プラム」は必ず停止表示されるため、7/21の割合で第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」が停止表示されることになる。
【0129】
一方、少なくとも他のリールに対応するいずれかの停止ボタンが、左リール21aに対応する左停止ボタン5aより先に停止操作されることで、先に停止表示された他のリールにおける図柄の停止位置によって、第一特定図柄「7」が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つに限定される場合は、当該第一特定図柄「7」の「引き込み数」は、「5コマ」に減少し、第一特定図柄「7」を左リール21aにおいて停止表示させることができる割合及び第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」が停止表示される割合は、5/21となってしまう。
【0130】
ところが、第一特定図柄「7」から左リール21aの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された本発明の第一補助特定図柄「プラム」を備えることで、第一特定図柄「7」が通過した後から第一補助特定図柄「プラム」の通過までの2コマを、第一補助特定図柄「プラム」の停止表示範囲とするとともに、この2コマの範囲で、対応する左停止ボタン5aが停止操作された場合には、第一補助特定図柄「プラム」を停止表示させることで、第二の特定図柄の組合せ「プラム・プラム・プラム」を表示させることができる。この場合、第一補助特定図柄「プラム」を左リール21aにおいて停止表示させることができる割合及び第二の特定図柄の組合せ「プラム・プラム・プラム」が停止表示される割合は、2/21となる。
【0131】
これにより、第一特定図柄「7」が表された左リール21aに対応する左停止ボタン5aが、他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作されることで、第一特定図柄「7」が停止表示される停止位置が一つに限定される場合、第一特定図柄「7」の「引き込み数」は「5コマ」に減少し、第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」が停止表示される割合は、5/21となってしまうが、第一補助特定図柄「プラム」を停止表示させる「引き込み数」2コマが加わることで、第二の特定図柄の組合せ「プラム・プラム・プラム」が停止表示される割合である2/21が加算されるため、全体の特定図柄の組合せが停止表示される割合は、最初に左リール21aに対応する左停止ボタン5aが停止操作された場合と同様、7/21とすることができる。
その結果、停止ボタン5の停止操作順の違いにより生じる特定図柄の組合せの停止表示される割合の減少を補うことができ、停止ボタン5の停止操作順によらず、特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等にすることができる。
【0132】
なお、第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」に対応する小役A〜C(特定役)は、抽せん対象であり、何らかの遊技価値が付与される「役」に該当するため、回動式遊技機の規則によると、当該小役A〜Cに当せんした場合には、第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」となるように最大限停止制御しなければならない。一方、第一補助特定図柄「プラム」を含む第二の特定図柄の組合せ「プラム・プラム・プラム」は、「役」とは異なり、停止表示によりなんら遊技価値が付与されない図柄の組合せであるため、回動式遊技機の規則に準じると、積極的に停止制御する必要がなく、あらかじめ定められた条件に基づき、停止表示されるように停止制御することができる。
これにより、第二の特定図柄の組合せ「プラム・プラム・プラム」は、左リール21aに対応する左停止ボタン5aが他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作されることで、第一特定図柄「7」が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つの停止位置に限定される場合に停止制御されるように設定するとともに、第一補助特定図柄「プラム」が停止表示可能な図柄コマ数を、第一特定図柄「7」が停止表示可能な範囲を通過した後から第一補助特定図柄「プラム」の通過までの2コマの範囲とあらかじめ設定することができる。
その結果、左リール21aに対応する左停止ボタン5aが、他のリールに対応する停止ボタンより後に停止操作されることで、第一特定図柄「7」が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つに限定される場合に限り、2/21の停止表示の割合をもって、第二の特定図柄の組合せ「プラム・プラム・プラム」を停止表示させることができ、第一の特定図柄の組合せ「7・プラム・プラム」が停止表示される割合の減少を補うことができる。
【0133】
以上のことより、「チェリー役」以外の役においても、「チェリー役」と同等の「引き込み数」を確保することができるとともに、停止ボタン5の停止操作の順番に拘わらず、特定図柄の組合せが停止表示される割合を均等に保つことができる。その結果、第一特定図柄を、「チェリー」以外の図柄であって、他の図柄に比べて外形の大きな図柄とすることができる。
これにより、遊技者が、第一特定図柄を停止表示させない「ハズシ」を行う場合においても、第一特定図柄を識別し易い大きな外形の図柄である「7」を採用することができ、第一特定図柄「7」を外すための「目押し」が容易にできる。
【0134】
以上のことより、停止ボタン5の停止操作順に拘わらず、「チェリー役」と同等な引き込み数を確保しつつ、「ハズシ」を行う場合の目安となる第一特定図柄を識別性の高い大きな外形の図柄である「7」とすることができ、小役A〜Cに当せんした場合のリプレイタイムの終了を回避するための「目押し」において、上級遊技者と初心者との巧拙の格差を是正することができる。
【0135】
以上、本発明のスロットマシンの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係るスロットマシンは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態のスロットマシンでは、使用する遊技媒体がメダル(コイン)の場合を示したが、本発明に係るスロットマシンに使用可能な遊技媒体はメダルに限られず、例えば、パチンコ球と同様の遊技球を遊技媒体として使用することもできる。このような遊技球を使用して遊技可能なスロットマシンは、パチロット等とも呼ばれ、本発明のスロットマシンとして適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、遊技媒体として主にメダル(コイン)や遊技球(パチンコ球)を使用して遊技が行われるスロットマシン(回胴式遊技機)に利用することができ、特に、リプレイタイムが特定図柄の組合せの停止表示により終了するスロットマシンに好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシンを示す概略正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの表示窓における有効ラインを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの各リールの図柄配列と図柄番号との関係を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの制御部を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの制御部における制御処理のフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの各リプレイタイムの移行条件と終了条件との関係を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るスロットマシンのゲームモード領域おける各ビットに対応する遊技状態の関係を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの抽せん対象となる役と対応する停止図柄の組合せと付与される遊技価値との関係を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの第一の特定図柄の組合せと対をなす第二の特定図柄の組合せを示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの抽せん対象と遊技状態別の乱数テーブルとの関係を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの当せんフラグ領域における各ビットに対応する抽せん対象の関係を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの各リールに対応する図柄番号領域を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの特定役に当せんした場合において停止順毎に選択される停止図柄テーブルを示す図である。
【図15】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの特定役に当せんした場合に選択される停止図柄テーブルにおける制御内容を示した図である。
【図16】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの各報知手段の作動時における報知態様を示す図である。
【符号の説明】
【0138】
1 スロットマシン
2 前面パネル
3 表示窓
4 スタートレバー
5(5a,5b,5c) 停止ボタン
6 メダル投入口
7 BETボタン
8 遊技メダル払出口
9 スピーカ
10 制御部
20 ドラムユニット
21(21a,21b,21c) リール
30 メダル払出装置
40 演出制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタート操作により各々数種類の図柄が所定の順序で配置された第一リール、第二リール、第三リールが回転を開始し、各リールに対応して設けられた停止ボタンの停止操作により回転する各リールが停止されることで、各リールにおける連続して隣接する三つ図柄が、上段・中段・下段の停止位置に停止表示されるとともに、所定の有効ラインに沿って停止表示された各リールに表された図柄の組合せに基づき遊技価値を付与するスロットマシンであって、
複数の抽せん対象から所定の抽せん確率に基づいてゲーム毎に内部抽せんを行い、抽せんされた当せん内容に対応した図柄の組合せを構成する各リールにおける図柄が停止表示可能な所定の図柄コマ数内で、前記各停止ボタンの停止操作のタイミングが生じたときに、当せん内容に対応した停止図柄の組合せとなるように各リールを停止制御する停止制御手段と、
通常遊技、ボーナス遊技、及び遊技媒体を投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされる再遊技頻出遊技を含む複数の遊技状態に移行させるゲーム管理手段と、
前記抽せん対象となる特定の役に対応する図柄の組合せであって、第一リールにおいて他の図柄の外形より大きく表され、当該リールに一つ配置される第一特定図柄と、第二リールに表され、停止表示可能な前記図柄コマ数の最大値を超えない間隔をもって、複数配置される第二特定図柄と、第三リールに表され、停止表示可能な前記図柄コマ数の最大値を超えない間隔をもって、複数配置される第三特定図柄の組合せからなり、前記各特定図柄が一の前記有効ラインに沿って停止表示されることで、前記再遊技頻出遊技が終了する第一の特定図柄の組合せと、前記第一特定図柄から第一リールの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された第一補助特定図柄と、前記第二特定図柄と、前記第三特定図柄の組合せからなり、前記第一補助特定図柄と前記第二特定図柄と前記第三特定図柄が一の前記有効ラインに沿って停止表示されることで遊技価値が付与されることなく前記再遊技頻出遊技が終了する第二の特定図柄の組合せと、を設定する特定図柄設定手段と、を備え、
前記停止制御手段が、前記特定の役に当せんし、前記第一特定図柄が停止表示可能な前記図柄コマ数内で、第一リールに対応する停止ボタンの停止操作のタイミングが生じたときは、前記第一の特定図柄の組合せとなるように各リールを停止制御するとともに、前記第一特定図柄が停止表示可能な前記図柄コマ数内を通過し、2コマ以内に当該停止操作のタイミングが生じたときは、各停止ボタンの停止操作順により、前記第一特定図柄が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つに限定される場合に限り、前記第一補助特定図柄を停止表示させ、第二の特定図柄の組合せとなるように第一リールを停止制御することを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
前記第一特定図柄が、ボーナス役に対応する図柄の組合せを構成する図柄と兼用される請求項1記載のスロットマシン。
【請求項3】
前記第一特定図柄が、前記第一リールにおいて複数表され、前記各第一特定図柄が種類の異なる図柄からなるとともに、当該各第一特定図柄に対応する第一の特定図柄の組合せが複数設けられ、当該各第一特定図柄と対をなす前記第一補助特定図柄を備え、
前記各第一特定図柄が、停止表示可能な前記図柄コマ数の最大値に少なくとも2コマ加えた間隔をもって、前記第一リールに配置される請求項1又は2記載のスロットマシン。
【請求項4】
前記複数の各第一特定図柄が、形状が同一で、色彩が各々異なる図柄からなる請求項3記載のスロットマシン。
【請求項5】
前記第一特定図柄から第一リールの回転方向に対して一図柄前方及び/又は後方に配置された図柄及び/又は図柄の背景が、当該第一特定図柄と同じ色彩が付される請求項1〜4のいずれか一項に記載のスロットマシン。
【請求項1】
スタート操作により各々数種類の図柄が所定の順序で配置された第一リール、第二リール、第三リールが回転を開始し、各リールに対応して設けられた停止ボタンの停止操作により回転する各リールが停止されることで、各リールにおける連続して隣接する三つ図柄が、上段・中段・下段の停止位置に停止表示されるとともに、所定の有効ラインに沿って停止表示された各リールに表された図柄の組合せに基づき遊技価値を付与するスロットマシンであって、
複数の抽せん対象から所定の抽せん確率に基づいてゲーム毎に内部抽せんを行い、抽せんされた当せん内容に対応した図柄の組合せを構成する各リールにおける図柄が停止表示可能な所定の図柄コマ数内で、前記各停止ボタンの停止操作のタイミングが生じたときに、当せん内容に対応した停止図柄の組合せとなるように各リールを停止制御する停止制御手段と、
通常遊技、ボーナス遊技、及び遊技媒体を投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされる再遊技頻出遊技を含む複数の遊技状態に移行させるゲーム管理手段と、
前記抽せん対象となる特定の役に対応する図柄の組合せであって、第一リールにおいて他の図柄の外形より大きく表され、当該リールに一つ配置される第一特定図柄と、第二リールに表され、停止表示可能な前記図柄コマ数の最大値を超えない間隔をもって、複数配置される第二特定図柄と、第三リールに表され、停止表示可能な前記図柄コマ数の最大値を超えない間隔をもって、複数配置される第三特定図柄の組合せからなり、前記各特定図柄が一の前記有効ラインに沿って停止表示されることで、前記再遊技頻出遊技が終了する第一の特定図柄の組合せと、前記第一特定図柄から第一リールの回転方向に対して後方に一図柄間隔をおいて配置された第一補助特定図柄と、前記第二特定図柄と、前記第三特定図柄の組合せからなり、前記第一補助特定図柄と前記第二特定図柄と前記第三特定図柄が一の前記有効ラインに沿って停止表示されることで遊技価値が付与されることなく前記再遊技頻出遊技が終了する第二の特定図柄の組合せと、を設定する特定図柄設定手段と、を備え、
前記停止制御手段が、前記特定の役に当せんし、前記第一特定図柄が停止表示可能な前記図柄コマ数内で、第一リールに対応する停止ボタンの停止操作のタイミングが生じたときは、前記第一の特定図柄の組合せとなるように各リールを停止制御するとともに、前記第一特定図柄が停止表示可能な前記図柄コマ数内を通過し、2コマ以内に当該停止操作のタイミングが生じたときは、各停止ボタンの停止操作順により、前記第一特定図柄が停止表示可能な停止位置が、上段、中段、下段のいずれか一つに限定される場合に限り、前記第一補助特定図柄を停止表示させ、第二の特定図柄の組合せとなるように第一リールを停止制御することを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
前記第一特定図柄が、ボーナス役に対応する図柄の組合せを構成する図柄と兼用される請求項1記載のスロットマシン。
【請求項3】
前記第一特定図柄が、前記第一リールにおいて複数表され、前記各第一特定図柄が種類の異なる図柄からなるとともに、当該各第一特定図柄に対応する第一の特定図柄の組合せが複数設けられ、当該各第一特定図柄と対をなす前記第一補助特定図柄を備え、
前記各第一特定図柄が、停止表示可能な前記図柄コマ数の最大値に少なくとも2コマ加えた間隔をもって、前記第一リールに配置される請求項1又は2記載のスロットマシン。
【請求項4】
前記複数の各第一特定図柄が、形状が同一で、色彩が各々異なる図柄からなる請求項3記載のスロットマシン。
【請求項5】
前記第一特定図柄から第一リールの回転方向に対して一図柄前方及び/又は後方に配置された図柄及び/又は図柄の背景が、当該第一特定図柄と同じ色彩が付される請求項1〜4のいずれか一項に記載のスロットマシン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−95443(P2009−95443A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−268888(P2007−268888)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】
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