説明

タイトジャンクション形成促進剤

【課題】表皮細胞のタイトジャンクション形成を促進させることにより、皮膚のバリア機能改善に使用でき、皮膚のハリや潤いを維持して皺、乾燥肌、日焼け肌、老化肌を予防又は改善することのできる皮膚外用剤組成物を提供する。
【解決手段】キンギンカ(スイカズラ科スイカズラ、学名:Lonicera japonica Thunberg
(Caprifoliaceae))から得られる抽出物を含有することを特徴とするタイトジャンクション形成促進剤、並びに前記キンギンカから得られる抽出物と、ナイアシンアミドとを含有することを特徴とするタイトジャンクション形成促進剤及び皮膚外用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は培養細胞又は生体中のタイトジャンクション形成を促進するタイトジャンクション形成促進剤に関し、また化粧料、医薬品等に配合し、皮膚のバリア機能を高めることのできるタイトジャンクション形成促進剤に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚は人間の身体の最外層に位置する臓器であり、その重要な役割のひとつに、水分が身体の内部から過剰に蒸発するのを抑えるとともに、細菌などの異物が体内に侵入するのを防ぐなどの、物質の透過を制御するバリア機能がある。皮膚のバリア機能は、冬場の乾燥や過度の紫外線を浴びるなどにより崩壊することが知られている。タイトジャンクションは、細胞周囲にベルト状に存在し、隣接する細胞同士を密着させ、シールすることで物質の透過を制御している。腸管、腎臓の尿細管、血管などの内壁ではタイトジャンクションがよく発達しており、タイトジャンクションが細胞同士を密着させることで、細胞と細胞の隙間の出入りを制御している。皮膚では角層のバリア機能が発達していることから、タイトジャンクションは存在しないと考えられてきた。しかし、表皮・顆粒層にオクルーディン、クローディン1、クローディン4といったタイトジャンクション構成タンパク質が存在し、これらからなる連続したタイトジャンクションが物質透過性に重要な役割を果たし、透過バリアとして働くことが明らかになった(非特許文献1)。さらには、低分子量Gタンパク質Rac1や極性タンパク質aPKCなどの活性化により、タイトジャンクション構成タンパク質が連続したライン上に並ぶこと(非特許文献2)、またクローディン4の量的な低下で細胞間の物質透過性が増加すること(非特許文献3)なども報告されている。
【0003】
近年、このような観点からタイトジャンクション機能を高めるような素材を探索する試みがなされている。例えば、ガングリオシドがタイトジャンクションの形成を促進し、アレルゲンの侵入を防ぐこと(特許文献1)、消化管ホルモンを有効成分とする消化管粘膜機能維持剤(特許文献2)、核酸ならびにその分解物を有効成分とするタイトジャンクション形成促進剤(特許文献3)、アレルゲンの吸収抑制活性を有するペプチドやアミノ酸(特許文献4)等が開示されている。しかしながら、製剤中の安定性や経済性等の点から未だ満足できるものには至っておらず、副作用のない素材開発が望まれていた。
【0004】
【特許文献1】特開平8−109133号公報
【特許文献2】特開平8−268908号公報
【特許文献3】特開平9−30978号公報
【特許文献4】特開2002−257814号公報
【非特許文献1】Experimental Dermatology, 16, p324, 2007
【非特許文献2】J. Invest. Dermatol., 127, p782, 2007
【非特許文献3】J. Cell Biol., 145, p195, 1999
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の目的とするところは、表皮細胞のタイトジャンクション形成を促進させる素材、並びにタイトジャンクション形成に関与するクローディン4やphospho−aPKCのタンパク発現を促進させる素材を提供するにある。
【0006】
また本発明は、表皮細胞のタイトジャンクション形成を促進させることによる、バリア機能改善効果を有する皮膚外用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的は、キンギンカ(スイカズラ科スイカズラ、学名:Lonicera japonica Thunberg (Caprifoliaceae))から得られる抽出物(キンギンカ抽出物)を含有することを特徴とするタイトジャンクション形成促進剤、クローディン4発現促進剤及びphospho−aPKC発現促進剤によって達成され、更にキンギンカ抽出物と、ナイアシンアミドとを組み合わせて配合することにより、特に優れたタイトジャンクション形成促進効果、クローディン4、phospho−aPKCの発現促進効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のキンギンカ抽出物は、ヒト表皮細胞においてクローディン4やphospho−aPKCの発現を促進し、タイトジャンクション形成を促進する。また、キンギンカ抽出物とナイアシンアミドを組み合わせることで、特に顕著にタイトジャンクション形成が促進される(後記試験例参照)。したがって、本発明のキンギンカ抽出物を皮膚外用組成物に適用した場合、表皮細胞におけるタイトジャンクション形成が促進され、皮膚のハリや潤いが維持され、皺、乾燥肌、日焼け肌、老化肌を予防又は改善する効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の構成について詳説する。
【0010】
本発明に用いられるキンギンカは、初夏に咲く花で、咲き始めは白色で時が経つにつれて黄色に変化し白花、黄花と入り乱れて開花する。キンギンカ抽出物は、キンギンカ植物体を抽出原料として、公知の抽出溶媒を用いて溶媒抽出することにより得ることができる。
【0011】
本発明に用いられるキンギンカ抽出物を得るための抽出溶媒としては、水又はメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール類、アセトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル等のエーテル類、及びベンゼン等の芳香族化合物類の、一種又は二種以上の混合物から選択することができる。
【0012】
また本発明に用いられるキンギンカ抽出物は、抽出溶液のままでも良く、あるいは、常法により濃縮、乾固、ろ過、再抽出等を行っても良い。キンギンカ抽出物は、市販されており、それらを使用することができる。
【0013】
本発明のタイトジャンクション形成促進剤、クローディン4発現促進剤及びphospho−aPKC発現促進剤は、それ自身で、培養細胞又は生体細胞に適用して、タイトジャンクション形成を促進することができるが、化粧料、医薬の組成物等の皮膚外用剤組成物に適用して用いても良い。
【0014】
本発明のタイトジャンクション形成促進剤、クローディン4発現促進剤及びphospho−aPKC発現促進剤、並びにそれらの皮膚外用剤組成物の形態は、液剤、固形剤あるいは半固形剤のいずれでもよく、好ましくは軟膏、ゲル、クリーム、スプレー剤、貼付剤、ローション、パック類、乳液、パウダー、トワレ、発布剤、香水及び入浴剤等が挙げられ、また適用する皮膚としては頭皮を含む人体上の皮膚全てに利用が期待できる。
【0015】
また本発明のタイトジャンクション形成促進剤、クローディン4発現促進剤及びphospho−aPKC発現促進剤は、ナイアシンアミドと組み合わせることにより、さらにタイトジャンクション形成が促進され、皮膚のハリや潤いを維持して皺、乾燥肌、日焼け
肌、老化肌を予防又は改善することのできる、より優れた皮膚外用剤組成物を提供することができる。
【0016】
尚、本発明のタイトジャンクション形成促進剤、クローディン4発現促進剤及びphospho−aPKC発現促進剤、並びにそれらの皮膚外用剤組成物には上記の他に、タール系色素、酸化鉄等の着色顔料、パラベン、フェノキシエタノール等の防腐剤、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコン等のシリコン油、パラフィン、ワセリン等の炭化水素類、オリーブスクワラン、米 スクワラン、米胚芽油、ホホバ油、ヒマシ油、紅花油、オリーブ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油等の植物油、ミツロウ、モクロウ、カルナバロウ等のロウ類、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル、イソステアリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル等 のエステル油、エタノール等の低級アルコール類、セタノール、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、長鎖分岐脂肪族アルコール等の高級アルコール類、コレステロール、フィトステロール、分岐脂肪酸コレステロールエステル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリルエステル等のステロール類及び誘導体、硬化油等の加工油類、ステアリン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、イソ型長鎖脂肪酸、アンテイソ型長鎖脂肪酸等の高級脂肪酸、リモネン、水素添加ビサボロール等のテルペン類、トリカプリル・カプリン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソ型長鎖脂肪酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル等のトリグリセリド、セチル硫酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸塩等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、変性シリコン、蔗糖エステル等の非イオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、ベタイン型、スルホベタイン型、スルホアミノ酸型等の両性界面活性剤、レシチン、リゾフォスファチジルコリン、セラミド、セレブロシド等の天然系界面活性剤、酸化チタン、酸化亜鉛等の顔料、ジブチルヒドロキシトルエン等の抗酸化剤、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、塩化カルシウム等の無機塩類、クエン酸ナトリウム、酢酸カリウム、琥珀酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ジクロロ酢酸、メバロン酸、グリチルリチン酸等の有機酸及びその塩、塩酸エタノールアミン、硝酸アンモニウム、塩酸アルギニン、ジイソプロピルアミン塩、尿素、デカルボキシカルノシン等の有機アミン類及びその塩、エデト酸等のキレート剤、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、ペクチン、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、寒天等の増粘剤、水酸化カリウム、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の中和剤、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルフォン酸塩等の紫外線吸収剤、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルビトール、ジグリセリン、ラフィノース等の多価アルコール、各種アミノ酸、アスコルビン酸、ビオチン、トコフェロール等のビタミン類及びアスコルビン酸硫酸エステル塩、アスコルビン酸燐酸エステル塩、ニコチン酸トコフェロール等のビタミン誘導体等を本発明の目的を達成する範囲内で適宜配合することができる。
【0017】
本発明に用いられるキンギンカ抽出物を各種組成物に適用する場合の組成物中における含有量は、その形態により異なり、一概には規定できないが、適用組成物全体を100質量%として、乾燥固形分換算で0.0001〜1質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは0.001〜0.01質量%である。但し、入浴剤のように使用時に希釈されるものの場合は、0.01〜5質量%の範囲が好ましい。
【0018】
また、培養細胞に対してタイトジャンクション形成を促進させる時は、キンギンカ抽出物を細胞の培養液中に、乾燥固形分換算で0.001質量%以上含有させるのが好ましく、更に好ましくは、0.01〜0.03質量%である。
【0019】
本発明において、ナイアシンアミドをキンギンカ抽出物と組み合わせて各種組成物に適用する場合、その含有量は、組成物の総量を基準として、0.0001〜10質量%の範囲とするのが好ましく、更に好ましくは0.001〜1質量%である。
【実施例】
【0020】
実施例として、本発明のタイトジャンクション形成促進効果を示す試験例及び処方例を記載する。尚、各試験で用いた細胞、培地並びに評価方法は以下の通りである。尚、特にことわらない限り、%は質量%を示す。
【0021】
・培養表皮細胞
ヒト正常表皮角化細胞は市販品(Epidercell/新生児包皮:クラボウ社製)を用いた。
【0022】
・表皮細胞培養用培地
MCDB153培地(和光純薬工業社製)をベースとし、ハイドロコーチゾン(0.5μmol/L)、エタノールアミン(0.1mmol/L)、ホスホエタノールアミン(0.1mmol/L)、インシュリン(5μg/mL)、及びEGF(上皮細胞成長因子:10ng/mL)を加えた改変MCDB153培地を用いた。使用時には、さらにBPE(牛脳下垂体抽出液、クラボウ社製)を培地1mL当たり4μL添加し、これを表皮細胞培養用培地とした。
【0023】
(試験例−1)タイトジャンクション形成促進作用
1.試験化合物(括弧内は培地添加濃度)
キンギンカ抽出物(0.01〜0.03%、乾燥固形分換算)及びナイアシンアミド(0.001%)
【0024】
2.試験方法
ヒト正常表皮角化細胞をミリセルセルカルチャーインサート(MILLIPORE社製、直径12mm、径孔0.4μm、ポリカーボネートフィルター)に1.5×10個/1ウェルずつ播種し、上層0.5mL、下層2mLの表皮細胞培養用培地にて、95%(V/V)空気−5%(V/V)炭酸ガスの雰囲気下、37℃で3日間培養した。培養4日目に予め試験化合物を所定濃度添加したカルシウムイオン1.8mM含有表皮細胞培養用培地に培地交換した。さらに3〜6日間培養後、電気抵抗測定器(Millicell−ERS(MILLIPORE社製))を用いて、TER(Transepitherial Electrical Resistance)値(Ωm)を測定した。なお、試料添加は各群n=4で試験を行い、結果はそれぞれの平均値で示した。
【0025】
3.試験結果
キンギンカ抽出物を添加したときのTER値を測定した結果、無添加群(図1−(1))と比べて、キンギンカ抽出物を添加することにより、表皮細胞のTER値が上昇した(図1−(2)(3))。
また、無添加群(図2−(1))と比べて、キンギンカ抽出物とナイアシンアミドとを同時添加することにより、更にTER値が上昇した(図2−(3))。
【0026】
(試験例−2)クローディン4およびphospho−aPKCのタンパク発現解析
1.試験化合物(括弧内は培地添加濃度)
キンギンカ抽出物(0.03%、乾燥固形分換算)及びナイアシンアミド(0.001%)
【0027】
2.培養方法
ヒト正常表皮角化細胞を24穴プレートに1.5×10個/1ウェルずつ播種し、1mLの表皮細胞培養用培地にて、95%(V/V)空気−5%(V/V)炭酸ガスの雰囲気下、37℃で3日間培養した。培養4日目に予め試験化合物を所定濃度添加したカルシウムイオン1.8mM含有表皮細胞培養用培地に培地交換した。さらに4日間培養し、SDS入りトリスバッファーで細胞を溶解後、ソニケーション、次いで遠心分離し、上清を細胞抽出液とした。その細胞抽出液に対するクローディン4、及びphospho−aPKCのウェスタンブロットを以下の方法により行った。
【0028】
3.ウェスタンブロット
3−1.SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動
細胞抽出液8μL、4倍濃縮SDS Sample Buffer(invitrogen社製)4μL、10倍濃縮 Sample Reducing Agent(invitrogen社製)1.6μL、水2.4μLを混合し、70℃10分加熱後、電気泳動に供した。電気泳動は4−12% Bis−Tris Gel(invitrogen社製)を用い、NuPAGE GelSystem(invitrogen社製)の添付説明書にしたがった。
【0029】
3−2.タンパク質のPVDF膜への転写
タンパク質のPVDF膜(Immobilon 1(MILLIPORE社製))への転写は、Xcell II Blot Module(invitrogen社製)を使用し、添付説明書にしたがった。
【0030】
3−3.免疫学的検出
転写後のPVDF膜は、ブロッキング試薬(クローディン4:5%濃度にスキムミルクを0.05%Tween−20含有PBSに溶解した試薬、phospho−aPKC:5%濃度にBSAを0.05%Tween−20含有PBSに溶解した試薬)に室温で30分浸した後、ブロッキング試薬で40000倍に希釈したヒトクローディン4抗体(ZYMED Laboratories社製)、または1000倍に希釈したphospho−aPKC抗体(Cell Signaling社製)と4℃で24hr反応させた。尚、各抗体の希釈倍率は適切な検出シグナルを得るために事前に設定した。次に、PVDF膜を0.05%Tween−20含有PBS中で振盪洗浄し、0.05%Tween−20含有PBSで5000倍に希釈した抗マウスIgG抗体(ICN社製)、または2000倍に希釈した抗ウサギIgG抗体(DAKO社製)と室温で45分反応させた。最後に、PVDF膜を0.05%Tween−20含有PBS中で振盪洗浄後、SuperSignal WestPico Chemiluminescent Substrate(PIERCE社製)、またはSuperSignal West Dura Extended Duration Substrate(PIERCE社製)を用い添付説明書にしたがい、シグナルを検出した。
【0031】
4.試験結果:
キンギンカ抽出物を添加したときのクローディン4およびphospho−aPKCのタンパク発現解析を行った結果、無添加群(図3−(1)、図4−(1))と比べて、キンギンカ抽出物を添加することにより、クローディン4およびphospho−aPKCの発現が増加した(図3−(2)、図4−(2))。また、キンギンカ抽出物とナイアシンアミドとを同時添加することにより、クローディン4の発現がさらに増加した(図3−(3)、図4−(3))。
【0032】
次に、下記の配合成分に従って、美容液、クリーム、乳液を常法により製造した。
【0033】
(実施例−1)美容液
(成分名) (配合量)
エタノール 6
PEG−60水添ヒマシ油 1
ジプロピレングリコール 10
グリセリン 3
ジメチコンコポリオールメチル 0.4
グリコシルトレハロース 5
加水分解水添デンプン 5
カラギーナン 2
ラフィノース 3
ナイアシンアミド 1
メチルセリン 0.1
アミノ酪酸 1
加水分解シルク 1
加水分解コンキオリン 1
キンギンカ抽出物(スイカズラ花エキス)

キョウニンエキス 1
アンズ果汁 2
アボカドエキス 1
リン酸二ナトリウム 0.1
リン酸カリウム 0.1
EDTA−2Na 0.05
フェノキシエタノール 0.5
香料 0.02
水 残量
合計 100
【0034】
(実施例−2)クリーム
(成分名) (配合量)
スクワラン 10
マルチトール 10
マカデミアナッツ油 5
1,3−ブチレングリコール 4
ベヘニルアルコール 5
ジメチコン 1
ステアリン酸グリセリル 2
PEG−6ソルビットミツロウ 2
ポリソルベート65 2
ステアリン酸 1
パルミチン酸セチル 1
ミツロウ 1
ワセリン 1
ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 1
ポリソルベート80 0.5
ナイアシンアミド 0.5
キサンタンガム 0.3
メチルセリン 0.5
アセチルグルコサミン 0.1
アミノ酪酸 1
ニコチン酸トコフェロール 0.001
水添レシチン 0.1
アンズ果汁 0.1
加水分解シルク 0.1
キンギンカ抽出物(スイカズラ花エキス)
0.001
キョウニンエキス 1
ユズエキス 1
アボカドエキス 5
加水分解コンキオリン 0.1
EDTA−2Na 0.1
フェノキシエタノール 0.5
メチルパラベン 0.25
水 残量
合計 100
【0035】
(実施例−3)乳液
(成分名) (配合量)
エタノール 10
グリセリン 10
ジプロピレングリコール 5
PEG−75 5
シクロメチコン 2
ナイアシンアミド 1
PEG−60水添ヒマシ油 1
フェニルトリメチコン 2
マカデミアナッツ油 2
ポリソルベート20 1
グリチルリチン酸アンモニウム 0.2
メチルセリン 0.001
アミノ酪酸 0.001
ニコチン酸トコフェロール 0.1
アンズ果汁 1
キサンタンガム 0.05
メトキシケイヒ酸オクチル 1
キンギンカ抽出物(スイカズラ花エキス)
0.1
加水分解シルク 0.1
キョウニンエキス 0.1
シラン根エキス 0.001
アボカドエキス 0.1
加水分解コンキオリン 0.1
カルボマー 0.5
水酸化カリウム 0.3
EDTA−3Na 0.05
フェノキシエタノール 0.1
香料 0.05
水 残量
合計 100
【0036】
実施例1〜3の化粧料を使用することにより、皮膚のハリや潤いが向上し、また、皺、乾燥肌、日焼け肌、老化肌の改善効果が見られた。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明により、表皮細胞のタイトジャンクション形成を促進させることにより、皮膚のハリや潤いを維持して、皺、乾燥肌、日焼け肌、老化肌を予防又は改善することのできる、軟膏、ゲル、クリーム、スプレー剤、貼付剤、ローション、パック類、乳液、パウダー、トワレ、発布剤、香水及び入浴剤等の各種皮膚外用剤組成物を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】ヒト正常表皮角化細胞におけるキンギンカ抽出物のタイトジャンクション形成促進効果を示す図である。図中、(1)は無添加群、(2)はキンギンカ抽出物0.01%添加群、(3)はキンギンカ抽出物0.02%添加群を示す。
【図2】ヒト正常表皮角化細胞におけるキンギンカ抽出物とナイアシンアミドのタイトジャンクション形成促進効果を示す図である。図中、(1)は無添加群、(2)はキンギンカ抽出物0.03%添加群、(3)はキンギンカ抽出物0.03%+ナイアシンアミド0.001%添加群を示す。
【図3】ヒト正常表皮角化細胞におけるキンギンカ抽出物とナイアシンアミドのクローディン4の発現増加効果を示す図である。図中、(1)は無添加群、(2)はキンギンカ抽出物0.03%添加群、(3)はキンギンカ抽出物0.03%+ナイアシンアミド0.001%添加群を示す。
【図4】ヒト正常表皮角化細胞におけるキンギンカ抽出物とナイアシンアミドのphospho−aPKCの発現増加効果を示す図である。図中、(1)は無添加群、(2)はキンギンカ抽出物0.03%添加群、(3)はキンギンカ抽出物0.03%+ナイアシンアミド0.001%添加群を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キンギンカ(スイカズラ科スイカズラ)から得られる抽出物を含有することを特徴とするタイトジャンクション形成促進剤。
【請求項2】
キンギンカ(スイカズラ科スイカズラ)から得られる抽出物と、ナイアシンアミドを含有することを特徴とするタイトジャンクション形成促進剤。
【請求項3】
キンギンカ(スイカズラ科スイカズラ)から得られる抽出物を含有することを特徴とするクローディン4発現促進剤。
【請求項4】
キンギンカ(スイカズラ科スイカズラ)から得られる抽出物と、ナイアシンアミドを含有することを特徴とするクローディン4発現促進剤。
【請求項5】
キンギンカ(スイカズラ科スイカズラ)から得られる抽出物を含有することを特徴とするphospho−aPKC発現促進剤。
【請求項6】
キンギンカ(スイカズラ科スイカズラ)から得られる抽出物と、ナイアシンアミドを含有することを特徴とするphospho−aPKC発現促進剤。
【請求項7】
キンギンカ(スイカズラ科スイカズラ)から得られる抽出物と、ナイアシンアミドを含有することを特徴とする皮膚外用組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−269900(P2009−269900A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154978(P2008−154978)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】