説明

ディスプレイ装置

【課題】本発明は、デュアル(dual)ディスプレイパネルを有するディスプレイ装置に関する。
【課題手段】本発明によるディスプレイ装置は、 第1情報をディスプレイする第1ディスプレイパネルと、上記第1ディスプレイパネルと重なる重なり位置と上記第1ディスプレイパネルとの重なりが解除される重なり解除位置との間で往復移動し、第2情報をディスプレイする第2ディスプレイパネルと、上記第1ディスプレイパネル上に配置される第1タッチパネルと、上記第2ディスプレイパネルの上に配置されるか、或いは上記第2ディスプレイパネルの両面に一対で配置される第2タッチパネルと、上記第1および第2ディスプレイパネルの上記重なり位置と上記重なり解除位置の少なくともいずれか1つの位置に応じて、上記第1および第2タッチパネルの少なくともいずれか1つから感知された信号に基づいて上記第1および第2ディスプレイパネルの少なくともいずれか1つに駆動電圧を印加する制御部とを含むことを特徴とする。これにより、デュアルディスプレイパネルのうち少なくともいずれか1つがOLEDパネルとして用いられることにより、スリム化およびコンパクト化を実現することができる。
なお、デュアルディスプレイパネルにそれぞれタッチパネルを備え、各ディスプレイパネルを相互移動することが可能なように設けて、それぞれのディスプレイパネルに異なる情報を表示でき、これにより、製品の使用性を増大させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置に関し、特に、タッチパネルに感知された信号によりデュアルディスプレイパネルにそれぞれ情報をディスプレイするディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な情報をディスプレイできるディスプレイ装置は、TV、PMP、MP3および携帯電話機などのような大型電子機器及び小型電子機器にも適用されている。
【0003】
特に、携帯電話のような移動通信端末機に適用されるディスプレイ装置は、液晶表示パネル(Liquid Crystal Display;LCD)、OLED(Organic Light Emitting Diode)又は電子ペーパー(E-Paper)等が使用される。
【0004】
一方、ディスプレイ装置に関する最近の産業動向によると、ディスプレイ装置に情報を表示するために信号を印加する入力方式としてタッチパネルが用いられている。このようなタッチパネルを有するディスプレイ装置は、1つのディスプレイパネルおよびタッチパネルを有するフルタッチ(full touch)機能のディスプレイ装置と、電力消耗を低減するために、タッチパネル、メインディスプレイパネルおよびサブディスプレイパネルを有するディスプレイ装置とに分けられる。
【0005】
ここで、サブディスプレイパネルには、バッテリー残余容量、現在時刻、日付およびユーザの名前などのような簡単なサブ情報を表示する。
【0006】
ところが、メインディスプレイパネルおよびサブディスプレイパネルを有するディスプレイ装置は、フルタッチ機能のディスプレイ装置に比べ電力消耗が少ないという利点はあるが、サブディスプレイパネルを備えるための別途の配置空間が必要となるので、機構的制約を受けることになる欠点がある。これにより、サブディスプレイパネルの厚さを最小化して全体的なディスプレイ装置のスリム化およびコンパクト化を図ることができる技術が要求されている。
【0007】
そして、上述したバッテリー残余容量、現在時刻、日付およびユーザの名前などのような簡単なサブ情報を表示するサブディスプレイパネルの機能の向上が要求されている。即ち、ユーザの便宜性の増大のためにタッチパネルから感知された信号によりメインディスプレイパネルおよびサブディスプレイパネルにそれぞれ情報を表示するデュアル方式のディスプレイ装置の必要性が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、スリム化およびコンパクト化を実現するために別途のサブディスプレイパネルを備えるための空間的な制約を改善したディスプレイ装置を提供することである。
【0009】
なお、本発明の他の目的は、タッチパネルから感知された信号に基づき、2つのディスプレイパネルを各々駆動するために、構造および制御方法を改善したディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、第1情報をディスプレイする第1ディスプレイパネルと、上記第1ディスプレイパネルと重なる重なり位置と上記第1ディスプレイパネルとの重なりが解除される重なり解除位置との間で往復移動し、第2情報をディスプレイする第2ディスプレイパネルと、上記第1ディスプレイパネル上に配置される第1タッチパネルと、上記第2ディスプレイパネル上に配置されるか、或いは上記第2ディスプレイパネルの両面に一対で配置される第2タッチパネルと、上記第1および第2ディスプレイパネルの上記重なり位置と上記重なり解除位置のいずれか1つの位置に応じて、上記第1および第2タッチパネルの少なくともいずれか1つから感知された信号に基づいて上記第1および第2ディスプレイパネルの少なくともいずれか1つに駆動電圧を印加する制御部とを含むことを特徴とするディスプレイ装置を提供する。
【0011】
ここで、上記第1ディスプレイパネルはOLEDパネルを含むことができる。
【0012】
上記第1ディスプレイパネルは、液晶表示パネル(LCD)および電子ペーパーのうちいずれか1つを含むことができる。
【0013】
そして、上記第2ディスプレイパネルはOLEDパネルを含むことができる。
【0014】
上記OLEDパネルはTOLED(透明有機EL)パネルを含むことができる。
【0015】
上記TOLEDパネルは、基板と、上記基板上に形成される第1電極と、上記第1電極上に形成される有機物層と、上記有機物層上に形成される第2電極と、上記有機物層と上記第2電極との間および上記第2電極の上部の少なくともいずれか1つに形成され、酸化物系、窒化物系、塩類およびこれらの複合物のうちいずれか1つを含む透光層とを含むことができる。ここで、上記酸化物系は、MoO、ITO、IZO、IO、ZnO、TO、TiO、SiO、WO、Al、Cr、TeO、及びSrOのうちいずれか1つを含むことができる。
【0016】
上記窒化物系はSi、AINのうちいずれか1つを含むことができる。
【0017】
そして、上記塩類は、CsCO、LiCO、KCO、NaCO、LiF、CsF、及びZnSeのうちいずれか1つを含むことができる。
【0018】
上記透光層の厚さは0.1nm以上100nm未満に形成されることが望ましい。
【0019】
上記有機物層は、上記第2電極からの電子注入を円滑にするために、仕事関数の低い金属類およびこれらの複合物のうちいずれか1つをドープして形成した電子輸送層を含むことができる。
【0020】
上記仕事関数の低い金属類は、Cs、Li、Na、K、及びCaのうちいずれか1つを含むことができる。
【0021】
そして、上記これらの複合物は、Li-Al、LiFCsF、及びCsCOのうちいずれか1つを含むことができる。
【0022】
上記TOLEDパネルは波長(nm)により70〜99%の透過率を示すことが望ましい。
【0023】
上記第2ディスプレイパネルは、上記重なり位置と上記重なり解除位置との間で上記第1ディスプレイパネルに対して摺動又は回転移動することができる。上記制御部は、上記第1および第2ディスプレイパネルが上記重なり位置に位置するとき、上記第2タッチパネルから感知された信号に基づいて上記第1ディスプレイパネルに駆動電圧を印加することが望ましい。その反面、上記制御部は、上記第1および第2ディスプレイパネルが上記重なり解除位置に位置するとき、上記第1タッチパネルから感知された信号に基づいて上記第1ディスプレイパネルに駆動電圧を印加し、上記第2タッチパネルから感知された信号に基づいて上記第2ディスプレイパネルに駆動電圧を印加することが望ましい。外部の照度を感知する輝度測定センサをさらに含み、上記制御部は、上記輝度測定センサから感知された信号に基づいて上記第1および第2ディスプレイパネルの少なくともいずれか1つの輝度が調整されるように駆動電圧を制御できる。また、上記の課題を解決するために、本発明は、第1情報をディスプレイする第1ディスプレイパネルと、上記第1ディスプレイパネルと重なる重なり位置と上記第1ディスプレイパネルとの重なりが解除される重なり解除位置との間で往復移動し、第2情報をディスプレイする第2ディスプレイパネルと、上記第2ディスプレイパネル上に配置されるタッチパネルと、上記第1および第2ディスプレイパネルが上記重なり位置と上記重なり解除位置のうちいずれか1つに位置するとき、上記タッチパネルから感知された信号に基づいて上記第1および第2ディスプレイパネルに選択的に駆動電圧を印加する制御部とを含むことを特徴とするディスプレイ装置を提供する。ここで、上記第1ディスプレイパネルは、OLEDパネル、液晶表示パネルおよび電子ペーパーのうちいずれか1つを含むことができ、上記第2ディスプレイパネルはOLEDパネルを含むことができる。そして、上記OLEDパネルはTOLED(透明有機EL)パネルを含むことができる。上記第2ディスプレイパネルは、上記重なり位置と上記重なり解除位置との間で上記第1ディスプレイパネルに対して摺動移動することが望ましい。上記第2ディスプレイパネルは、上記重なり位置と上記重なり解除位置との間で上記第1ディスプレイパネルに対して回転移動することが望ましい。上記制御部は、上記第1および第2ディスプレイパネルが上記重なり位置に位置するとき、上記タッチパネルから感知された信号に基づいて上記第1ディスプレイパネルに駆動電圧を印加することが望ましい。一方、上記制御部は、上記第1および第2ディスプレイパネルが上記重なり解除位置に位置するとき、上記タッチパネルから感知された信号に基づいて上記第2ディスプレイパネルに駆動電圧を印加することが望ましい。外部の照度を感知する輝度測定センサをさらに含み、上記制御部は、上記輝度測定センサから感知された信号に基づいて上記第1および第2ディスプレイパネルのうちずれか1つの輝度が調整されるように駆動電圧を制御できる。
【0024】
なお、上記の課題を解決するために、本発明は、第1情報をディスプレイする第1ディスプレイパネルと、上記第1ディスプレイパネルと重なる重なり位置と上記第1ディスプレイパネルとの重なりが解除される重なり解除位置との間で往復移動し、第2情報をディスプレイする第2ディスプレイパネルと、上記第1ディスプレイパネル上に配置される第1タッチパネルと、上記第1タッチパネルと面している上記第2ディスプレイパネルの片面に配置される第2タッチパネルと、上記第1および第2タッチパネルから感知された信号に基づいて上記第1および第2ディスプレイパネルに選択的に駆動電圧を印加する制御部とを含むことを特徴とするディスプレイ装置を提供する。
【0025】
上記第1ディスプレイパネルは、OLEDパネル、液晶表示パネルおよび電子ペーパーのうちいずれか1つを含むことができ、上記第2ディスプレイパネルはOLEDパネルを含むことができる。
【0026】
上記OLEDパネルはTOLED(透明有機EL)パネルを含むことができる。
【0027】
上記第2ディスプレイパネルは、上記重なり位置と上記重なり解除位置との間で上記第1ディスプレイパネルに対して摺動移動することができる。
【0028】
その反面、上記第2ディスプレイパネルは、上記重なり位置と上記重なり解除位置との間で上記第1ディスプレイパネルに対して回転移動することもできる。
【0029】
上記制御部は、上記第1および第2ディスプレイパネルが上記重なり解除位置に位置するとき、上記第1タッチパネルから感知された信号に基づいて上記第1ディスプレイパネルに駆動電圧を印加し、上記第2タッチパネルから感知された信号に基づいて上記第2ディスプレイパネルに駆動電圧を印加することが望ましい。
【0030】
外部の照度を感知する輝度測定センサをさらに含み、上記制御部は、上記輝度測定センサから感知された信号に基づいて上記第1および第2ディスプレイパネルのうち少なくともいずれか1つの輝度が調整されるように駆動電圧を制御することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によると、デュアルディスプレイパネルのうちいずれか1つをTOLEDパネルとして用いることにより、スリム化およびコンパクト化を実現できるディスプレイ装置を提供する。
【0032】
なお、本発明によると、デュアルディスプレイパネルにそれぞれタッチパネルを備え、各ディスプレイパネルを相互移動することが可能なように設けてそれぞれのディスプレイパネルに異なる情報を表示することにより、製品の使用性を増大させることができるディスプレイ装置を提供する。
【0033】
さらに、本発明によると、デュアルディスプレイパネルの相互重なり位置と重なり解除位置に応じて情報が表示されるディスプレイパネルを異にすることにより、製品の使用性を増大させることができるディスプレイ装置を提供する。
【0034】
そして、TOLEDとして用いられるディスプレイパネルは、酸化物系、窒化物系、塩類およびこれらの複合物のうちいずれか1つを含む透光層を、有機物層と第2電極との間および第2電極の上部のうち少なくともいずれか1つに形成することにより、両面発光を実現するとともに、透過率を向上させることができるディスプレイ装置を提供する。
【0035】
透光層を酸化物系、窒化物系、塩類およびこれらの複合物のうちいずれか1つを含む物質で構成することにより、第2電極の内部抵抗の増加を阻むことができ、製品の電気的性能を向上させることができるディスプレイ装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の望ましい実施例によるディスプレイ装置の制御ブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例によるディスプレイ装置の分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例によるディスプレイ装置における第1ディスプレイパネルと第2ディスプレイパネルの重なり位置である時の概略構成図である。
【図4】図3に示された第2ディスプレイパネルが、第1ディスプレイパネルに対して摺動移動する概略構成図である。
【図5】本発明の第2実施例によるディスプレイ装置における第2ディスプレイパネルが、第1ディスプレイパネルに対して回転移動する概略構成図である。
【図6】本発明の第1および第2実施例によるディスプレイ装置の制御フローチャートである。
【図7】本発明の第3実施例によるディスプレイ装置における第2ディスプレイパネルが、第1ディスプレイパネルに対して回転移動する概略構成図である。
【図8】本発明の第3実施例によるディスプレイ装置の制御フローチャートである。
【図9】本発明の第4実施例によるディスプレイ装置における第1ディスプレイパネルと第2ディスプレイパネルの重なり位置である時の概略構成図である。
【図10】図9に示された第2ディスプレイパネルが、第1ディスプレイパネルに対して摺動移動する概略構成図である。
【図11】本発明の第4実施例によるディスプレイ装置の制御フローチャートである。
【図12】本発明の望ましい実施例による第2ディスプレイパネルの構成断面図である。
【図13】図12に示された第2ディスプレイパネルの透光層による透過率グラフである。
【図14】図12に示された第2ディスプレイパネルの透光層による輝度グラフである。
【図15】図12に示された第2ディスプレイパネルに酸化物系、塩類およびこれらの複合物で各々透光層を形成した時の透過率グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付の図面を参照して本発明の望ましい実施例によるディスプレイ装置について詳細に説明する。
【0038】
但し、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0039】
先ず、本発明の望ましい実施例において関連の公知の機能或いは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にする場合は、その詳細な説明は省略する。そして、本発明による望ましい第1〜第4実施例の中で複数のタッチパネルを使用する第1〜第3実施例と1つのタッチパネルを使用する第4実施例における第1ディスプレイパネルおよび第2ディスプレイパネルの図面符号は異に記載したことを予め明らかにしておく。
【0040】
さらに、本発明の第1〜第3実施例に記載されている第2タッチパネルは、配置位置又は配置個数と関係がなく同一の符号を使用したことを予め明らかにしておく。
【0041】
図1は、本発明の第1〜第4実施例による制御ブロック図である。図1に示されたタッチパネルおよびディスプレイパネルは、本発明の第1〜第4実施例を包括的に具現したが、その細部的な説明については細分して説明する。
【0042】
図1に示すように、本発明の望ましい実施例によるディスプレイ装置1は、ディスプレイパネル10、タッチパネル50、バックライトユニット30、輝度測定センサ70および制御部90を含む。
【0043】
本発明の第1実施例によるディスプレイ装置1におけるディスプレイパネル10は、図2に示すように、第1ディスプレイパネル12、第2ディスプレイパネル14および駆動IC16を含む。
【0044】
第1ディスプレイパネル12は、OLEDパネル、液晶表示パネル(LCD)および電子ペーパー(E-Paper)のうちいずれか1つが用いられる。
【0045】
第1ディスプレイパネル12として用いられるOLEDパネルは、第2ディスプレイパネル14で詳細に説明し、以下では、液晶表示パネル又は電子ペーパーを用いる第1ディスプレイパネル12について説明する。
【0046】
第1ディスプレイパネル12として用いられる液晶表示パネルは、外部から印加される電圧により液晶の配列方向が変化する誘電異方性を用いて、下部に備えられたバックライトユニット30から照射された光を選択的に透過させて文字や数字或いはその他任意のアイコンを表示する。バックライトユニット30の種類にはCCFL(冷陰極蛍光ランプ)、EEFL(外部電極蛍光ランプ)、LED(発光ダイオード)およびFFL(平板型蛍光ランプ)等がある。液晶表示パネルは公知技術により理解することが可能であるので、詳しい構成についての説明は省略する。
【0047】
第1ディスプレイパネル12として用いられる電子ペーパーは、ペーパーに通常のインクの特徴を利用したものである。電子ペーパーは通常のペーパーのように反射光を利用して情報を表示する。電子ペーパーは、液晶表示パネルのように公知技術により理解することが可能であるので、詳しい構成についての説明は省略する。
【0048】
本発明の一実施例によるディスプレイ装置1における第1ディスプレイパネル12は、液晶表示パネルと電子ペーパーのうち液晶表示パネルを用いる。勿論、第1ディスプレイパネル12として液晶表示パネルを用いるため、第1ディスプレイパネル12の片面には光を照射するバックライトユニット30が配置される。
【0049】
第1ディスプレイパネル12には、後述する制御部90と電気的に接続される第1ディスプレイパネル用駆動IC16aが実装される。第1ディスプレイパネル12には、制御部90の制御により第1ディスプレイパネル用駆動IC16aが作動されて第1情報が表示される。ここで第1情報はメイン情報と称し、これにより、第1ディスプレイパネル12がメインディスプレイパネルとして用いられるということが分かる。例えば、第1ディスプレイパネル12は、携帯電話などのような移動通信端末機、PMPなどのような携帯用機器に適用される場合、後述する第2ディスプレイパネル14よりも解像度の高い文字や数字或いはその他任意のアイコン又は動画などをディスプレイする。
【0050】
第2ディスプレイパネル14としてはOLED(Organic Light Emitting Diode)が用いられる。OLEDパネルは、陰極(cathode)と陽極(anode)から注入された電子と正孔(電子に対応する電荷を持つ粒子)が有機物内で電気的に結合して光を発する自己発光現象或いはその現象を利用する有機発光ダイオードである。OLEDパネルは公知技術により理解することが可能であるので、詳しい構成についての説明は省略する。
【0051】
本発明における第2ディスプレイパネル14は、OLEDパネルのうちTOLED(Transparent Organic Light Emitting Diode)(透明有機EL)パネルを含む。TOLEDパネルは、ITO透明陽電極上に正孔輸送層、発光および電子輸送層をコーティングした後、透明陰電極を薄くコーティングした後、陰電極上に伝導度補償、保護層の役割および透明度の維持のためのITO膜をコーティングして製造する透明なOLEDパネルである。このようなTOLEDパネルは、図3に示すように、第1ディスプレイパネル12に表示される第1情報を透過できる。そして、本発明のディスプレイパネル10として用いられるTOLEDパネルについての構成および特徴は、本発明の第1〜第4実施例を説明した後に詳しく説明する。
【0052】
第2ディスプレイパネル14には、制御部90と電気的に接続される第2ディスプレイパネル用駆動IC16bが実装される。第2ディスプレイパネル14には、制御部90の制御により第2ディスプレイパネル用駆動IC16bが作動されて第2情報が表示される。本発明の第2ディスプレイパネル14は、メインディスプレイパネルとして用いられる第1ディスプレイパネル12とは異なりサブディスプレイパネルとして用いられる。したがって、第2ディスプレイパネル14に表示される第2情報は、第1ディスプレイパネル12に表示される第1情報よりも解像度の低いバッテリー残余容量、現在時刻、天気およびユーザの名前などが表示されるサブ情報とも称する。しかしながら、第2ディスプレイパネル14に表示される第2情報は、本発明の一実施例とは異なり、第1ディスプレイパネル12と同等の解像度を持つことができ、種々の情報を表示することもできる。
【0053】
そして、第2ディスプレイパネル14は、薄くコーティングされたTOLEDパネルが用いられるため、デュアルディスプレイパネル10の使用において、その厚さを最小化させることができるので、ディスプレイ装置1のスリム化およびコンパクト化を実現できる。
【0054】
一方、図4および図5に示すように、本発明の第2ディスプレイパネル14は、第1ディスプレイパネル12と重なる重なり位置と第1ディスプレイパネル12との重なりが解除される重なり解除位置との間で往復移動する。ここで、図4に示された本発明の第1実施例による、ディスプレイ装置1における第2ディスプレイパネル14は、第1ディスプレイパネル12と重なる重なり位置と第1ディスプレイパネル12との重なりが解除される重なり解除位置との間で摺動して往復移動する。勿論、本発明には図示されていないが、第2ディスプレイパネル14が第1ディスプレイパネル12に対して回転移動することもできる。
【0055】
その反面、図5は、本発明の第2実施例によるディスプレイ装置1における第2ディスプレイパネル14が、第1ディスプレイパネル12との重なり位置と重なり解除位置との間で往復移動することを代表的に示すものである。図5は、摺動移動又は回転移動のうち回転移動を示すものであり、この際、図2および図3とは、第2タッチパネルの個数および配置位置が異なるが、本発明が追求する思想は同一である。
【0056】
本発明の第2実施例によるディスプレイ装置は、本発明の第1実施例とは異なり、第2ディスプレイパネル14をその間に置き、第2ディスプレイパネル14の両面に第2タッチパネル54を配置する。
【0057】
このような第2タッチパネル54の配置により第1ディスプレイパネル12および第2ディスプレイパネル14の重なり位置では、本発明の第1実施例と同一の機能をするが、第1ディスプレイパネル12および第2ディスプレイパネル14の重なり解除位置では、第1タッチパネル52と面している第2タッチパネル54により感知された信号により機能が具現される。
【0058】
上述した第1ディスプレイパネル12および第2ディスプレイパネル14は、本発明の実施例でそれぞれメインディスプレイパネルおよびサブディスプレイパネルとして説明されたが、本発明の一実施例とは異なり、サブディスプレイパネルおよびメインディスプレイパネルとして用いても良い。
【0059】
次に、タッチパネル50は、ペンや指により検光子が押され、検光子に加圧される力で導電フィルムが押され、X-Y電極パターンと接触することにより、X-Y電極パターンの電圧差を検出する静電容量方式によって電気信号を発生させる入力装置である。このようなタッチパネル50は、公知技術により理解できるので、詳しい構成についての説明は省略する。本発明の第1および第2実施例のタッチパネル50は、第1ディスプレイパネル12上に配置される第1タッチパネル52と、第2ディスプレイパネル14上に配置および第2ディスプレイパネルの両面に一対で配置される第2タッチパネル54とを含む。
【0060】
第1タッチパネル52は第1ディスプレイパネル12上に積層される。本発明の実施例による第1タッチパネル52から感知された信号は、第1ディスプレイパネル12に第1情報が表示されるように制御部90に送られる。勿論、第1タッチパネル52に信号を印加するためには、第1ディスプレイパネル12と第2ディスプレイパネル14とは重なり解除位置に位置しなければならない。
【0061】
第2タッチパネル54は、第2ディスプレイパネル14上に積層される。ここで、本発明の第1実施例における第2タッチパネル54は、第2ディスプレイパネル上に配置され、本発明の第2実施例における第2タッチパネル54は、第2ディスプレイパネル14の両面に配置される。
【0062】
第1ディスプレイパネル12と第2ディスプレイパネル14とが重なり位置に位置するとき、第2タッチパネル54から感知された信号は、第1ディスプレイパネル12に第1情報が表示されるように制御部90に送られる。その反面、第1ディスプレイパネル12と第2ディスプレイパネル14とが重なり解除位置に位置するとき、第2タッチパネル54から感知された信号は、第2ディスプレイパネル14に第2情報が表示されるように制御部90に送られる。即ち、第1ディスプレイパネル12と第2ディスプレイパネル14との重なり位置又は重なり解除位置に応じて制御部90に送られた第2タッチパネル54から感知された信号により第1情報又は第2情報が表示される。
【0063】
第1ディスプレイパネル12と第2ディスプレイパネル14とが重なり位置に位置するとき、第2タッチパネル54から感知された信号は、第1ディスプレイパネル12に第1情報が表示されるように提供される。しかしながら、第1ディスプレイパネル12と第2ディスプレイパネル14とが重なり解除位置に位置するとき、第2タッチパネル54から感知された信号は、第2ディスプレイパネル14に第2情報が表示されるように提供される。
【0064】
次に、輝度測定センサ70は、ディスプレイ装置1の使用環境に応じて第1ディスプレイパネル12および第2ディスプレイパネル14の少なくともいずれか1つに表示される情報の視認性を向上させるように使用環境の明るさを測定する。輝度測定センサ70により感知された信号は制御部90に送られ、このような信号に基づいて制御部90はディスプレイパネル10の輝度を段階的に制御する。輝度測定センサ70による制御方法は、後述する制御部90で詳細に説明する。
【0065】
制御部90は、タッチパネル50から感知された信号に基づいてディスプレイパネル10に駆動電圧を印加する。制御部90は、第1ディスプレイパネル12と第2ディスプレイパネル14とが重なる重なり位置のとき、第2タッチパネル54から感知された信号に基づいて第1ディスプレイパネル12に第1情報が表示されるように駆動電圧を印加する。その反面、制御部90は、第1ディスプレイパネル12と第2ディスプレイパネル14とが摺動移動又は回転移動により重なりが解除される重なり解除位置のとき、第1タッチパネル52から感知された信号に基づいて第1ディスプレイパネル12に第1情報が表示されるように駆動電圧を印加し、第2タッチパネル54から感知された信号に基づいて第2ディスプレイパネル14に第2情報が表示されるように駆動電圧を印加する。
【0066】
ここで、制御部90が重なり位置と重なり解除位置を区別してディスプレイパネル10に対する駆動電圧の印加が制御できるように、重なり位置と重なり解除位置を感知できる位置感知センサ(図示せず)のようなセンサが配置されることが望ましい。勿論、第1ディスプレイパネル12と第2ディスプレイパネル14の位置を感知できるならばいずれの公知のセンサを適用しても良い。
【0067】
制御部90は、輝度測定センサ70からの信号に基づいてディスプレイパネル10の輝度段階が変更されるように、ディスプレイパネル10に印加される駆動電圧を制御する。例えば、制御部90は、輝度測定センサ70からの信号に基づいて、ディスプレイ装置1の使用環境が明るい時は、ディスプレイパネル10の輝度を高めて駆動するように制御し、ディスプレイ装置1の使用環境が暗い時は、輝度を下げて駆動するように制御する。
【0068】
このような構成により、本発明の第1および第2実施例によるディスプレイ装置1の制御方法について図6を参照して詳細に説明するが、下記の制御方法は、本発明の第1および第2実施例によるディスプレイ装置に全て適用することができる。
【0069】
先ず、第1ディスプレイパネル12と第2ディスプレイパネル14とが重なり解除位置にあるか否かを判断する(S101)。第2ディスプレイパネル14が第1ディスプレイパネル12に対して重なり解除位置に位置していると判断されると、第1タッチパネル52と第2タッチパネル54の少なくともいずれか1つから信号が感知されるかを判断する(S103)。
【0070】
第1タッチパネル52と第2タッチパネル54の少なくともいずれか1つから信号が感知されると、輝度測定センサ70により感知された信号に基づいてディスプレイパネル10の輝度段階を設定する(S105)。
【0071】
ステップS103で、第1タッチパネル52から信号が感知されたと判断されると、第1ディスプレイパネル12に第1情報を表示するように駆動電圧を印加する(S107)。その反面、ステップS103で、第2タッチパネル54から信号が感知されたと判断されると、第2ディスプレイパネル14に第2情報を表示するように駆動電圧を印加する(S109)。ステップS103で、第1タッチパネル52および第2タッチパネル54から信号が感知されたと判断さると、第1ディスプレイパネル12および第2ディスプレイパネル14にそれぞれ第1および第2情報を表示するように駆動電圧を印加する(S111)。
【0072】
ステップS101で、第1ディスプレイパネル12と第2ディスプレイパネル14とが重なり解除位置でないと判断されると、即ち、第1ディスプレイパネル12と第2ディスプレイパネル14とが重なり位置であると判断されると、第2タッチパネル54から信号が感知されるかを判断する(S113)。
【0073】
第2タッチパネル54から信号が感知されたと判断されると、輝度測定センサ70により感知された信号に基づいてディスプレイパネル10の輝度段階を設定する(S115)。第2タッチパネル54からの信号に基づいて第1ディスプレイパネル12に第1情報が表示されるように駆動電圧を印加する(S117)。
【0074】
次に、本発明の第3実施例によるディスプレイ装置は、図7に示すように、上述した本発明の第1実施例によるディスプレイ装置1の構成と同一であるが、本発明の第1実施例とは異なり、第2タッチパネル54が第1タッチパネル52と面して第2ディスプレイパネル14に配置される。したがって、ディスプレイ装置1についての構成は上述したので、本発明の第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。
【0075】
図8に示すように、本発明の第3実施例によるディスプレイ装置の制御フローチャートは、重なり解除位置で本発明の第1および第2実施例と類似している。
【0076】
即ち、第1ディスプレイパネル12と第2ディスプレイパネル14とが重なり解除位置にあるか否かを判断する(S201)。第2ディスプレイパネル14が第1ディスプレイパネル12に対して重なり解除位置に位置していると判断されると、第1タッチパネル52と第2タッチパネル54の少なくともいずれか1つから信号が感知されるかを判断する(S203)。
【0077】
第1タッチパネル52と第2タッチパネル54の少なくともいずれか1つから信号が感知されると、輝度測定センサ70により感知された信号に基づいてディスプレイパネル10の輝度段階を設定する(S205)。
【0078】
ステップS203で、第1タッチパネル52から信号が感知されたと判断されると、第1ディスプレイパネル12に第1情報を表示するように駆動電圧を印加する(S207)。その反面、ステップS103で、第2タッチパネル54から信号が感知されたと判断されると、第2ディスプレイパネル14に第2情報を表示するように駆動電圧を印加する(S209)。ステップS203で、第1タッチパネル52および第2タッチパネル54から信号が感知されたと判断されると、第1ディスプレイパネル12および第2ディスプレイパネル14にそれぞれ第1および第2情報を表示するように駆動電圧を印加する(S211)。
【0079】
ステップS201で、第1ディスプレイパネル12と第2ディスプレイパネル14とが重なり解除位置でないと判断されると、即ち、第1ディスプレイパネル12と第2ディスプレイパネル14とが重なり位置であると判断されると、外部に第1又は第2タッチパネルが露出していないので、第1又は第2ディスプレイパネルに情報が表示されるように駆動電圧を印加することができない。
【0080】
一方、本発明の第4実施例によるディスプレイ装置1は、本発明の第1実施例のように、ディスプレイパネル10、タッチパネル50、バックライトユニット30、輝度測定センサ70および制御部90を含む。しかしながら、本発明の第4実施例によるディスプレイ装置1におけるタッチパネル50は、本発明の第1実施例とは異なり、第2タッチパネル54(以下、本発明の第4実施例についての説明では'タッチパネル'とする)のみを含む。
【0081】
図9および図10に示すように、本発明の第4実施例によるディスプレイ装置1は、第1ディスプレイパネル12'と第2ディスプレイパネル14'との重なり位置でタッチパネル50から感知された信号に基づいて第1ディスプレイパネル12'に第1情報が表示されるように駆動電圧を印加する。その反面、ディスプレイ装置1は、第1ディスプレイパネル12'と第2ディスプレイパネル14'との重なり解除位置でタッチパネル50から感知された信号に基づいて第2ディスプレイパネル14'に第2情報が表示されるように駆動電圧を印加する。
【0082】
即ち、本発明の第4実施例によるディスプレイ装置1は、第1ディスプレイパネル12'と第2ディスプレイパネル14'とが重なり位置又は重なり解除位置に位置するとき、タッチパネル50により感知された信号に基づいて第1ディスプレイパネル12'又は第2ディスプレイパネル14'に第1情報又は第2情報が表示されるように駆動電圧を印加するものである。
【0083】
このような構成により、本発明の第4実施例によるディスプレイ装置1の制御方法について図11を参照して詳細に説明する。本発明の第2実施例によるディスプレイ装置1の制御方法についての説明でも、本発明の第1実施例のように、第1ディスプレイパネル12'と第2ディスプレイパネル14'が摺動して往復移動することが可能なように設けられる。勿論、本発明の第2実施例によるディスプレイ装置1は、本発明では図示していないが、第1ディスプレイパネル12'と第2ディスプレイパネル14'とが回転可能に設けることができる。
【0084】
先ず、第1ディスプレイパネル12'と第2ディスプレイパネル14'とが重なり解除位置に位置したか否かを判断する(S301)。第1ディスプレイパネル12'と第2ディスプレイパネル14'とが重なり解除位置に位置したと判断されると、タッチパネル50から信号が感知されるかを判断する(S303)。
【0085】
タッチパネル50から信号が感知されたと判断されると、輝度測定センサ70により感知された信号に基づいてディスプレイパネル10の輝度段階を設定する(S305)。タッチパネル50から感知された信号に基づいて第2ディスプレイパネル14'に第2情報が表示されるように駆動電圧を印加する(S307)。
【0086】
一方、ステップS301で、第1ディスプレイパネル12'と第2ディスプレイパネル14'とが重なり解除位置でない、重なり位置であると判断されると、タッチパネル50から信号が感知されるかを判断する(S309)。
【0087】
タッチパネル50から信号が感知されたと判断されると、輝度測定センサにより感知された信号に基づいてディスプレイパネル10の輝度段階を設定する(S311)。タッチパネル50から感知された信号に基づいて第1ディスプレイパネル12'に第1情報が表示されるように駆動電圧を印加する(S313)。
【0088】
次に、本発明のディスプレイパネルとして用いられるTOLEDパネルは、図12に示すように、基板100、第1電極130、第2電極150、有機物層170および透光層190等を含むことができる。
【0089】
基板100は、第1電極130、第2電極150、有機物層170および透光層190を支持する。基板100は、発光する光が透過できるように透過性を有しているガラス材質又はプラスチック材質を使用する。
【0090】
第1電極130は、通常、下部電極とも言い、基板100上に形成される。第1電極130は、陽極(+)のアノード(anode)であり、スパッタ(sputtering)法、イオンプレーティング(ion plating)法および電子銃(e-gun)などを用いた熱蒸着法により基板100上に形成される。ここで、本発明の実施例による第1電極130は、透過性を有する燐-錫酸化物(indium tin-oxide)電極を用いるが、透過性を有する燐-亜鉛酸化物(indium zin-oxide)電極を用いても良い。
【0091】
第2電極150は、通常、第1電極130と対応される上部電極と言い、有機物層170上に形成される。第2電極150は、陽極(+)の第1電極130とは反対の陰極(−)のカソード(cathode)である。第2電極150は、透過性を有する金属の銀(Ag)、アルミニウム(Al)およびマグネシウム-銀(Mg:Ag)合金のうちいずれか1つを選んで用いる。
【0092】
有機物層170は、第1電極130と第2電極150との間に介して、第1電極130と第2電極150間の通電により発光する。有機物層170は、第1電極130と第2電極150間の通電により発光するように正孔注入層(hole injection layer:HIL)172、正孔輸送層(hole transporting layer:HTL)174、発光層(emissive layer:EML)176、電子輸送層(electron transporting layer:ETL)178および電子注入層(electron injection layer:EIL)179から形成される。
【0093】
ここで、有機物層170は、スピンコート(spin coating)法、熱蒸着(thermal evaporation)法、スピンキャスティング(spin casting)法、スパッタ法、電子ビーム蒸着(e-beam evaporation)法および化学気相蒸着(chemical vapor deposition:CVD)法などにより第1電極130と第2電極150との間に介する。
【0094】
正孔注入層172は、第1電極130からの正孔を注入する役割をし、正孔輸送層174は、正孔注入層172から注入された正孔が第2電極150の電子と出会うための正孔の移動路の役割をする。
【0095】
電子注入層179は、第2電極150からの電子を注入する役割をし、電子輸送層178は、電子注入層179から注入された電子が、正孔輸送層174から移動する正孔と発光層176で出会うための電子の移動路の役割をする。
【0096】
電子輸送層178には、第2電極150からの電子注入を円滑にするために、仕事関数の低い金属類およびこれらの複合物のうちいずれか1つをドープして形成でき、これは電子注入層179の有無に関係なく全て適用することができる。
【0097】
ここで、上記仕事関数の低い金属類は、Cs、Li、Na、K、およびCaなどを、上記のこれらの複合物はLi-Al、LiF、CsF、およびCsCOなどを含むことができる。
【0098】
一方、発光層176は、正孔輸送層174と電子輸送層178との間に介して正孔輸送層174からの正孔と電子輸送層178からの電子により発光する。即ち、発光層176は、各々正孔輸送層174および電子輸送層178との界面で出会う正孔と電子によって発光するのである。
【0099】
透光層190は、有機物層170と第2電極150との間および第2電極150の上部のうち少なくともいずれか1つに形成することができる。例えば、透光層190は、第2電極150の上面と下面ともに形成されても、第2電極150の下面および上面のいずれか片面にだけ形成されても良い。
【0100】
以下、本実施例では、透光層190が第2電極150を挟んで上面と下面に形成される構成を例示するが、これに限定されず、第2電極150の下面および上面のいずれか片面にだけ形成される構成も同様に適用できることは勿論である。
【0101】
透光層190は、有機物層170と第2電極150との間に形成される第1透光層191と、第2電極150の上部に形成される第2透光層192とを含むことができる。
【0102】
望ましくは、第1透光層191は、有機物層170中の電子注入層179と第2電極150との間に形成されても、電子注入層179自体に形成されても良い。また、第2透光層192は第1透光層191に対向する第2電極150の上面に積層されても良い。
【0103】
ここで、透光層190は、第2電極150が透過性を有すると共に、高い透過率を有するように機能をする。そして、透光層190は、薄膜で形成され、第2電極150の面抵抗を減少させることにより、TOLEDパネルの性能低下を阻止する。このような透光層190の特性については、後述する酸化物系、窒化物系、塩類およびこれらの複合物を説明した後、図13〜図15を参照して詳細に説明する。
【0104】
本発明の透光層190は、酸化物系、窒化物系、塩類およびこれらの複合物のうちいずれか1つを含むことができる。
【0105】
ここで、上記酸化物系は、MoO、ITO、IZO、IO、ZnO、TO、TiO、SiO、WO、Al、Cr、TeO、およびSrOなどを含むことができる。また、上記窒化物系はSi、AINなどを含むことができる。また、上記塩類はCsCO、LiCO、KCO、NaCO、LiF、CsF、およびZnSeなどを含むことができる。
【0106】
上記のように、透光層190を構成する酸化物系、窒化物系、塩類およびこれらの複合物を用いると、図13〜図15に示すように、優れた透過率と輝度効果を有するので望ましいが、上記のような物質以外にも第2電極150が透過性を有すると共に、高い透過率を有するようにする物質であれば良い。
【0107】
透光層190において、第1透光層191と第2透光層192は同一の物質で構成されるが、互いに異なる物質で構成されても良い。例えば、第1透光層191は酸化物系を含み、第2透光層192は窒化物系、塩類およびこれらの複合物を含んでも良い。又は、第1透光層191は窒化物系を含み、第2透光層192は酸化物系、塩類およびこれらの複合物を含んでも良い。又は、第1透光層191は塩類を含み、第2透光層192は酸化物系、窒化物系およびこれらの複合物を含んでも良い。
【0108】
透光層190の厚さは0.1nm以上100nm未満に形成されることが望ましい。このような透光層190の厚さ寸法の限定理由を例を挙げて説明すると、透光層190の厚さが0.1nm未満に小さくなると、透過率は増加するが、これに比例して抵抗も増加するので、TOLEDパネルの性能が低下する。
【0109】
その反面、透光層190の厚さが100nm以上に大きくなると、抵抗が減少して性能の低下は発生しないが、透光層190厚さの増加により透過率が減少する。そして、本発明の実施例による透光層190は、熱蒸着法により形成されることが望ましい。
【0110】
このような構成について本発明のTOLEDパネルの特性を以下で説明する。
【0111】
図13は、本発明のTOLEDパネルに形成された透光層190の有無による透過率グラフである。ここで、図13の‘a’は透光層190を形成した本発明のTOLEDパネルの線図であり、‘b’は本発明と異なり透光層190がないTOLEDパネルの線図である。
【0112】
本発明のTOLEDパネルは、波長(nm)により70〜99%の透過率を示すことができる。例えば、図13に示すように、波長(nm)による透過率をみると、550nmで本発明のTOLEDパネルの透過率は約80%を示し、透光層190がないTOLEDパネルは約47%を示している。このような結果から、透光層190があるTOLEDパネルの透過率は、透光層190がないTOLEDパネルに比べて1.7倍がより高いことが分かる。
そして、図14は、 透光層190の有無によるTOLEDパネルの輝度グラフである。図14に示す‘c’は、本発明のTOLEDパネルの線図であり、‘d’は、透光層190がないTOLEDパネルの線図である
電圧(V)10Vによる輝度をみると、透光層190があるTOLEDパネルは約25,000を示し、透光層190がないTOLEDパネルは約20,000を示している。透光層190の有無により輝度は1.25倍の差があることが分かる。
【0113】
次に、図15の‘e’線図は、MoO、ITO、IZO、IO、ZnO、TO、TiO、SiO、WO、Al、Cr、TeO、およびSrOなどの酸化物系から形成された透光層190に対する透過率であり、‘f’線図は、CsCO、LiCO、KCO、NaCO、LiF、CsF、およびZnSeなどの塩類から形成された透光層190に対する透過率である。
【0114】
図15に示すように、酸化物系から透光層190を形成する場合は、約80%の透過率を有し、塩類から透光層190を形成する場合は約75%の透過率を有する。酸化物系を含む透光層190は、塩類を含む透光層190より5%程度透過率が高いものの、その差は僅かであるから、本発明の実施例のように、酸化物系と塩類およびこれらの複合物を選択的に用いることが望ましい。
【0115】
これにより、デュアルディスプレイパネルのうちいずれか1つがTOLEDパネルとして用いられることにより、スリム化およびコンパクト化を実現することができる。
【0116】
なお、デュアルディスプレイパネルにそれぞれタッチパネルを備え、各ディスプレイパネルを相互移動することが可能なように設けて、それぞれのディスプレイパネルに異なる情報を表示でき、これにより、製品の使用性を増大させることができる。
【0117】
さらに、デュアルディスプレイパネルの相互重なり位置と重なり解除位置に応じて情報が表示されるディスプレイパネルを異にして、製品の使用性を増大させることができる。
【0118】
これにより、TOLEDパネルとして用いられるディスプレイパネルの第2電極50を挟んで透過層90を形成して両面発光を実現し、透過率を向上させることができる。
【0119】
なお、透光層を形成して第2電極50の厚さを調整でき、これにより、透過率および電気的性能を向上させることができる。
【符号の説明】
【0120】
10:ディスプレイパネル 12:第1ディスプレイパネル
12':第1ディスプレイパネル 14:第2ディスプレイパネル
14':第2ディスプレイパネル 50:タッチパネル
52:第1タッチパネル 54:第2タッチパネル
70:輝度測定センサ 90:制御部
100:基板 130:第1電極
150:第2電極 170:有機物層
172:正孔注入層 174:正孔輸送層
176:発光層 178:電子輸送層
179:電子注入層 190:透光層
191:第1透光層 192:第2透光層

















【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1情報をディスプレイする第1ディスプレイパネルと、
前記第1ディスプレイパネルと重なる重なり位置と前記第1ディスプレイパネルとの重なりが解除される重なり解除位置との間で往復移動し、第2情報をディスプレイする第2ディスプレイパネルと、
前記第1ディスプレイパネル上に配置される第1タッチパネルと、
前記第2ディスプレイパネル上に配置されるか、或いは前記第2ディスプレイパネルの両面に一対で配置される第2タッチパネルと、
前記第1および第2ディスプレイパネルの前記重なり位置と前記重なり解除位置のうちいずれか1つの位置に応じて、前記第1および第2タッチパネルの少なくともいずれか1つから感知された信号に基づいて前記第1および第2ディスプレイパネルの少なくともいずれか1つに駆動電圧を印加する制御部とを含むことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
前記第1ディスプレイパネルは、液晶表示パネル(LCD)および電子ペーパー(E-Paper)のうちいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記第1ディスプレイパネルはOLEDパネルを含むことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第2ディスプレイパネルはOLEDパネルを含むことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記OLEDパネルはTOLED(透明有機EL)パネルを含むことを特徴とする請求項3又は4に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記TOLEDパネルは、
基板と、
前記基板上に形成される第1電極と、
前記第1電極上に形成される有機物層と、
前記有機物層上に形成される第2電極と、
前記有機物層と前記第2電極との間および前記第2電極の上部の少なくともいずれか1つに形成され、酸化物系、窒化物系、塩類およびこれらの複合物のうちいずれか1つを含む透光層とを含むことを特徴とする請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記酸化物系は、MoO、ITO、IZO、IO、ZnO、TO、TiO、SiO、WO、Al、Cr、TeO、およびSrOのうちいずれか1つを含むことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記窒化物系は、Si、AINのうちいずれか1つを含むことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記塩類は、CsCO、LiCO、KCO、NaCO、LiF、CsF、ZnSeのうちいずれか1つを含むことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記透光層の厚さは0.1nm以上100nm未満に形成されることを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記有機物層は、前記第2電極からの電子注入を円滑にするために、仕事関数の低い金属類およびこれらの複合物のうちいずれか1つをドープして形成した電子輸送層を含むことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
前記仕事関数の低い金属類は、Cs、Li、Na、KおよびCaのうちいずれか1つを含むことを特徴とする請求項11に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
前記これらの複合物は、Li-Al、LiF、CsF、およびCsCOのうちいずれか1つを含むことを特徴とする請求項11に記載のディスプレイ装置。
【請求項14】
前記TOLEDパネルは、波長(nm)により70〜99%の透過率を示すことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項15】
前記第2ディスプレイパネルは、前記重なり位置と前記重なり解除位置との間で前記第1ディスプレイパネルに対して摺動移動することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項16】
前記第2ディスプレイパネルは、前記重なり位置と前記重なり解除位置との間で前記第1ディスプレイパネルに対して回転移動することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記第1および第2ディスプレイパネルが前記重なり位置に位置するとき、前記第2タッチパネルから感知された信号に基づいて前記第1ディスプレイパネルに駆動電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記第1および第2ディスプレイパネルが前記重なり解除位置に位置するとき、
前記第1タッチパネルから感知された信号に基づいて前記第1ディスプレイパネルに駆動電圧を印加し、前記第2タッチパネルから感知された信号に基づいて前記第2ディスプレイパネルに駆動電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項19】
外部の照度を感知する輝度測定センサをさらに含み、
前記制御部は、前記輝度測定センサから感知された信号に基づいて前記第1および第2ディスプレイパネルの少なくともいずれか1つの輝度が調整されるように駆動電圧を制御することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項20】
第1情報をディスプレイする第1ディスプレイパネルと、
前記第1ディスプレイパネルと重なる重なり位置と前記第1ディスプレイパネルとの重なりが解除される重なり解除位置との間で往復移動し、第2情報をディスプレイする第2ディスプレイパネルと、
前記第2ディスプレイパネル上に配置されるタッチパネルと、
前記第1および第2ディスプレイパネルが、前記重なり位置と前記重なり解除位置のうちいずれか1つに位置するとき、前記タッチパネルから感知された信号に基づいて前記第1および第2ディスプレイパネルに選択的に駆動電圧を印加する制御部とを含むことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項21】
前記第1ディスプレイパネルは、OLEDパネル、液晶表示パネルおよび電子ペーパーのうちいずれか1つを含み、
前記第2ディスプレイパネルは、OLEDパネルを含むことを特徴とする請求項20に記載のディスプレイ装置。
【請求項22】
前記OLEDパネルはTOLED(透明有機EL)パネルを含むことを特徴とする請求項21に記載のディスプレイ装置。
【請求項23】
前記第2ディスプレイパネルは、前記重なり位置と前記重なり解除位置との間で前記第1ディスプレイパネルに対して摺動移動することを特徴とする請求項20に記載のディスプレイ装置。
【請求項24】
前記第2ディスプレイパネルは、前記重なり位置と前記重なり解除位置との間で前記第1ディスプレイパネルに対して回転移動することを特徴とする請求項20に記載のディスプレイ装置。
【請求項25】
前記制御部は、前記第1および第2ディスプレイパネルが前記重なり位置に位置するとき、
前記タッチパネルから感知された信号に基づいて前記第1ディスプレイパネルに駆動電圧を印加することを特徴とする請求項20に記載のディスプレイ装置。
【請求項26】
前記制御部は、前記第1および第2ディスプレイパネルが前記重なり解除位置に位置するとき、
前記タッチパネルから感知された信号に基づいて前記第2ディスプレイパネルに駆動電圧を印加することを特徴とする請求項20に記載のディスプレイ装置。
【請求項27】
外部の照度を感知する輝度測定センサをさらに含み、
前記制御部は、前記輝度測定センサから感知された信号に基づいて前記第1および第2ディスプレイパネルの少なくともいずれか1つの調整されるように駆動電圧を制御することを特徴とする請求項20に記載のディスプレイ装置。
【請求項28】
第1情報をディスプレイする第1ディスプレイパネルと、
前記第1ディスプレイパネルと重なる重なり位置と前記第1ディスプレイパネルとの重なりが解除される重なり解除位置との間で往復移動し、第2情報をディスプレイする第2ディスプレイパネルと、
前記第1ディスプレイパネル上に配置される第1タッチパネルと、
前記第1タッチパネルと面している前記第2ディスプレイパネルの片面に配置される第2タッチパネルと、
前記第1および第2タッチパネルから感知された信号に基づいて前記第1および第2ディスプレイパネルに選択的に駆動電圧を印加する制御部とを含むことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項29】
前記第1ディスプレイパネルは、OLEDパネル、液晶表示パネルおよび電子ペーパーのうちいずれか1つを含み、
前記第2ディスプレイパネルは、OLEDパネルを含むことを特徴とする請求項28に記載のディスプレイ装置。
【請求項30】
前記OLEDパネルはTOLED(透明有機EL)パネルを含むことを特徴とする請求項29に記載のディスプレイ装置。
【請求項31】
前記第2ディスプレイパネルは、前記重なり位置と前記重なり解除位置との間で前記第1ディスプレイパネルに対して摺動移動することを特徴とする請求項28に記載のディスプレイ装置。
【請求項32】
前記第2ディスプレイパネルは、前記重なり位置と前記重なり解除位置との間で前記第1ディスプレイパネルに対して回転移動することを特徴とする請求項28に記載のディスプレイ装置。
【請求項33】
前記制御部は、前記第1および第2ディスプレイパネルが前記重なり解除位置に位置するとき、
前記第1タッチパネルから感知された信号に基づいて前記第1ディスプレイパネルに駆動電圧を印加し、前記第2タッチパネルから感知された信号に基づいて前記第2ディスプレイパネルに駆動電圧を印加することを特徴とする請求項28に記載のディスプレイ装置。
【請求項34】
外部の照度を感知する輝度測定センサをさらに含み、
前記制御部は、前記輝度測定センサから感知された信号に基づいて前記第1および第2ディスプレイパネルの少なくともいずれか1つの輝度が調整されるように駆動電圧を制御することを特徴とする請求項20に記載のディスプレイ装置。

【図2】
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【図12】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2012−528352(P2012−528352A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512947(P2012−512947)
【出願日】平成22年5月4日(2010.5.4)
【国際出願番号】PCT/KR2010/002843
【国際公開番号】WO2010/137806
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(511062243)ネオビューコロン カンパニー,リミテッド (8)
【Fターム(参考)】