説明

デジタル遅延線の時間遅延のプロセス、電圧、および温度のばらつき補正を行う装置と方法

【課題】プロセス、電圧、温度、補償回路、および連続的に遅延量を発生させる方法を提供する。
【解決手段】補償回路は2つの遅延線を含んでおり、各遅延線が遅延出力を供給する。2つの遅延線は、それぞれが多数の遅延エレメントを含み、その結果として1つ以上の電流枯渇型インバータを含む場合がある。遅延線の数は、2つの遅延線間で異なる場合がある。遅延出力は、2つの遅延出力に基づくオフセットパルスを決定した後、オフセットパルスの電圧を平均し、遅延量を決定する合成回路に供給される。遅延量は、1つ以上の電流または電圧となる場合があり、メモリバスドライバ、動的ランダムアクセスメモリ、同期DRAM、プロセッサ、あるいは他のクロック回路のようなアプリケーション回路の入力信号または出力信号に適用されるPVT補正量を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(政府のライセンス権利)
アメリカ合衆国政府は、NASAジョンソン宇宙センターにより与えられた契約番号NNJ06TA25C(下請け契約番号RH6−118204)の下で、本発明に対し、ある一定の権利を有する。
【0002】
本発明は、一般には、電気回路の詳細設計および電子工学上の詳細設計に関するものであり、より厳密に言えば、デジタル遅延線におけるプロセス、電圧、および/または温度(PVT)のばらつき補正を行うよう設計された回路に関するものである。
【背景技術】
【0003】
動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)のような様々な電子回路において、回路を通じた遅延量は決定的なパラメータである。しかしながら遅延の度合いは、プロセスおよび/または環境のばらつきにより異なることがある。プロセスばらつきは、チップ/ウェーハ製造におけるウェーハ間のばらつきおよび所定のウェーハ範囲内でのばらつきにより生じる。プロセスばらつきは、また、所定の回路に及ぼす電離放射線効果のように、すでに製造された回路に影響を及ぼす環境が変化したことにより生じる場合がある。
【0004】
回路の性能はまた、温度によりばらつきが生じる場合がある。例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)のような集積回路で使われるトランジスタには、概して、負の温度係数を有する閾値電圧が存在する。すなわち、温度が上昇するにつれ、トランジスタの誘導能力または学習能力は低下する。同様に、回路内のトランジスタ用ドレーン電流も温度上昇とともに上昇する場合がある。回路コンポーネントに及ぼすこれらの効果は、回路を通過する信号の遅延に影響を及ぼすことがある。加えて電圧の変化もまた所定の回路の性能に影響を及ぼすことがある。
【0005】
一般的に、米国特許第7,388,419号に記載されたような誘導サイクルあるいは学習サイクルにより、電子回路のプロセス、電圧、あるいは温度(PTV)の補正のため、何らかの補正が適用される。誘導サイクル中、補正装置は、テストパターン(例えば0および/または1というパターン)を発生させ、そのテストパターンをアプリケーション回路に送る。アプリケーション回路は入力テストパターンを受信し、対応する出力パターンを発生させる。その後、補正装置は、入力テストパターンと出力テストパターン間の位相差を決定し、決定した位相差に基づき、較正信号を送信する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施形態は、回路の詳細設計と方法を含む。本発明の第1の実施形態は補償回路である。補償回路は第1遅延線、第2遅延線、および遅延測定回路を含む。第1遅延線は、第1遅延出力を発生させるよう配列されている。第1遅延線はm個の遅延エレメントを含み、mは0より大きな整数となる。第2遅延線は、第2遅延出力を発生させるよう配列されている。第2遅延線はm+n個の遅延エレメントを含み、nは0より大きな整数となる。遅延測定回路は、第1遅延出力および第2遅延出力に基づきオフセットパルスを発生させるよう配列されており、さらにはオフセットパルスに基づき遅延量を発生させるよう配列されている。
【0007】
発明の第2の実施形態は集積回路である。集積回路は補償回路およびアプリケーション回路を含む。補償回路は、プロセス、電圧、および温度(PVT)のばらつきに対し、すでに調整済みの基準クロックからの信号に関する遅延量を発生させるよう配列されている。アプリケーション回路は、基準クロックからの遅延量と信号を受信し、遅延量を利用し、基準クロックからの信号を調整するよう配列されている。
【0008】
発明の第3の実施形態は方法である。第1遅延出力が発生する。第2遅延出力が発生する。第1遅延出力と第2遅延出力に基づき、オフセットパルスが決定される。オフセットパルスに基づき、遅延量が発生する。
【0009】
以下の図表に関して、本文書中で、実施形態の様々な実例を記すが、同じ数字は同じ対象を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、発明の実施形態に従い、実例としてのアプリケーション回路が使用されている実例としての補償回路の回路図である。
【図2】図2は、発明の実施形態に従い、実例としての補償回路をより詳細に示した回路図である。
【図3】図3は、発明の実施形態に従い、実例としての遅延エレメントを示した回路図である。
【図4A】図4Aは、発明の実施形態に従い、実例としての遅延測定回路を示した回路図である。
【図4B】図4Bは、発明の実施形態に従い、実例としての差動増幅器を示した回路図である。
【図4C】図4Cは、発明の実施形態に従い、実例としての起動回路を示した回路図である。
【図5】図5は、発明の実施形態に従い、実例としてのアプリケーション回路を示した回路図である。
【図6】図6は、発明の実施形態に従い、実例としてのメモリバスドライバを示した回路図である。
【図7】図7は、発明の実施形態に従い、基準電圧を発生させる実例回路を示した回路図である。
【図8】図8は、発明の実施形態に従い、アプリケーション回路でのPVTばらつきを補正する遅延量を発生させる上で、実例となる方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
アプリケーション回路内で、信号に多数の遅延線を通過させ、絶えずプロセス、電圧、および温度(PVT)のばらつきを補正する補償回路により、信号を結合させる方法および装置の内容を開示する。ダブルデータレート(DDR)DRAMインターフェースのような回路で正確な時間調整を行うには、誘導回路または学習回路により、遅延エレメントの継続的な再較正を行い、温度の継続的なばらつきに加え、初期のプロセスばらつきおよび継続的なプロセスばらつきを補正し、示された電圧を回路に供給する必要がある。
【0012】
クロック信号は、外部から供給されるにせよ、内部から供給されるにせよ、基準信号として利用される。アナログ回路におけるクロック信号もデジタル回路におけるクロック信号も、水晶発振器から得られる場合がある。これらの信号の位相や周波数は、電圧および温度のばらつきを埋め合わせることができるほど、極めて安定し不変である。したがって、これらのクロック信号は、PVTばらつきに鋭敏な補正用の絶対基準として利用することができる。クロック信号は、2つの遅延線を含む補償回路を通過する場合がある。例えば、第1遅延線はn個のコンポーネントを持ち、第2遅延線はn+m個のコンポーネント持つ場合がある(n>0、m>0)。所定の遅延線に用いられるコンポーネントの数は、固定されている場合もあれば、操作中、用途に応じ設定される場合もある。
【0013】
補償回路は、その後、2つ以上の遅延線からの信号を組み合わせて、遅延量を測定することができる。信号は、最初は、エクスルーシブオア(XOR)回路で組み合わされる場合がある。2つ以上の信号をXORした結果が、2つ以上の遅延線で位相が異なっているオフセットパルスを示すことがある。オフセットパルスは、その後フィルタされ、平均オフセットパルス幅を得ることがある。平均オフセットパルス幅は、遅延量測定に利用される場合がある。
【0014】
遅延量は、PVTばらつきの補正を行う所定の回路で利用する補償回路による出力となる場合がある。特に遅延量は、その後、補償回路でフィルタされ、直流(DC)または一定の電圧を決定することがある。アプリケーション回路は、DC電圧出力に対応する電流を補償回路から得、その電流を、必ずしも以下に限定されないが、インバータ(電流枯渇型インバータを含む)、論理ゲート、および/または演算増幅器およびこれらの組合せのような1つ以上の遅延エレメントの基準として利用し、そこからアプリケーション回路で入力クロックやストロボのPVTばらつきを補正することがある。
【0015】
本文書に記した補償回路は、絶えず、遅延量出力を発生させているが、その後これらの出力は、PVT補正のため、アプリケーション回路により利用される場合がある。遅延量が絶えず発生している現象を利用すれば、様々な集積回路、例えばDDR DRAMや他の複合回路で利用される誘導サイクルや学習サイクルに要する時間を省くことができる。遅延量は絶えず発生しているため、アプリケーション回路は、誘導サイクルを要求、待機する必要はなく、必要に応じ、PVT補正を行うことができる。連続補正はまた、温度や供給の変化のような環境変化をリアルタイムで調整することを可能にする。その代わりとして、本文書で記した補償回路は、補償回路の始動中に若干の遅延(例えば10μs以下)を招く恐れがあるが、その後、操作中は、PVTを補正する手段を絶えずアプリケーション回路に提供する。さらに補償回路は、アプリケーション回路と同じウェーハまたは回路基板上に存在する場合がある。クロックおよびクロックパルスは、電子工学応用の分野で広く利用されているため、本文書で内容を開示した方法、装置、および技術は、CMOS、n型金属酸化膜半導体(NMOS)、および/またはバイポーラ技術を使用して実行される回路を含むがこれらに限定されない様々な回路で利用可能である。
【0016】

<実例としての補償回路図およびアプリケーション回路図>
図1は、発明の実施形態に従い、実例としてのアプリケーション回路120を用い使用されている実例としての補償回路110の回路図100である。補償回路110は、基準クロック(REFCLK)、入力電圧および接地電圧(それぞれVDD、VSS)、電源切断(PD)、リセット(RSTN)、テストモード(TM)、周波数選択(FS)信号を利用する。基準クロック信号は、いかなる標準連続クロック信号にも成り得る。電源切断信号がアサートされた場合、補償回路は遮断するべきであり、より望ましくは、電源切断信号が高くアサートされるべきである。リセット信号は、補償回路110をリセットする場合があるが、むしろリセット信号が低くアサートされる一方で、基準クロック信号が存在する場合に、リセットは起こる。周波数選択信号が、アプリケーション回路の機能周波数を示す場合がある。例えば、補償回路110は、アプリケーション回路120は、周波数選択信号が低くアサートされた時の第1機能周波数(例えば133MH)、および周波数選択信号が高くアサートされた時の第2機能周波数(例えば266MH)で機能している、と仮定することができる。それゆえ、補償回路110は、一連の基準クロック周波数(例えば80MH〜200MH)を処理することができる。テストモード信号は、アサートされた場合、補償回路のテスト実施を示し、以下に記した位相信号を決定する場合がある。
【0017】
位相信号(PHO0-PHO3)を利用し、補正のため、位相オフセット量を選択する場合がある。選ばれた位相オフセットのコーディングを可能にするため、4つの位相信号がビットとして利用される場合がある。例えば4つの位相信号が、0000〜1111(ベース10では0〜15までの範囲)までの二進法による「位相値」を示す場合がある。位相値を決定するために、より多くのあるいは少ない位相信号が利用される場合もある。位相信号PHO0-PHO3は、図7に関して以下で詳述するように、発生用基準電圧を選択するために利用される場合がある。
【0018】
その後、位相値に基づき、位相オフセットおよび基準電圧オフセットが決定される場合がある。基準電圧オフセットを決定する1つの方法は、位相値を参照表に対するキーとして利用しながら表の自動照合を介し、キーに対応する位相、周波数、および/または基準電圧オフセットを検索することである。位相オフセット信号に基づき、位相、周波数、および/または基準電圧オフセットを決定する他の方法も実行可能である。
【0019】
補償回路110は、アプリケーション回路120への入力となる遅延量118を出力する。遅延量118は、基準クロックREFCLK112のPVT補正値を表す電流または電圧である。遅延量の決定は、図3に関して以下に記す。図1は、遅延量118が未変化で出力されるように配列されたアプリケーション回路120を示す。多数のアプリケーション回路を介し、PVT補正データ(すなわち遅延量118)を「デイジーチェーン接続する」ことにより、アプリケーション回路120が遅延量118を通過するよう構成することは差し支えない。
【0020】
補償回路110は、電圧と温度の大きなばらつきを調整するよう設計されている。例えば、宇宙環境では、補償回路は、およそ10%(例えば1.8V±0.15Vまたは2.5V±0.2V)変化する入力電圧、および−55℃〜125℃までばらつく温度の補正をしなければならない場合がある。補償回路110は、アプリケーション回路の製作中、または操作中のいずれかに起こるプロセスばらつきの原因を説明できるようにも設計されている。操作中に起こる可能性があるプロセスばらつきは、必ずしも以下に限定されないが、負のバイアス温度不安定性(NBTI)、ホットキャリア相互作用(HCI)および/または総電離放射線量(TID)効果を含む。さらにプロセスばらつきは、宇宙環境では放射線レベルが比較的高いため、操作中、地上環境での場合より宇宙環境でより頻繁に起こる可能性がある。
【0021】
図1は、遅延量118に加え、入力電圧および接地電圧(それぞれVDD、VSS)、電源切断(PD)信号、入力DQS(データストロボ)信号114を利用し、さらに出力OUT0−OUT4を発生させる実例としてのアプリケーション回路120を示す。アプリケーション回路120は、入力遅延量を取り入れ、これをDQS信号114のような入力信号に適用し、PVTばらつきの補正として、DQS信号114に対応する出力OUT0−OUT4を1つ以上発生させる。それぞれの出力OUT0−OUT4は、異なるPVT補正量に対応する場合がある。したがって、アプリケーション回路は、入力信号と遅延量に基づき、遅延量を(クロックされた)入力信号に適用し、PVT補正出力を発生させることができる。
【0022】
電源切断信号は、補償回路110に関して上記のように作動する。出力OUT0−OUT4は、それぞれ別個の出力が異なる遅延を有する状態で、アプリケーション回路120のタップを表す場合がある。
【0023】
補償回路110および/またはアプリケーション回路120は、CMOS、NMOS、あるいはバイポーラ技術のような様々な技術により、集積回路として履行される場合がある。補償回路110および/またはアプリケーション回路120は、特定用途向けIC(ASIC)に、および/またはASICのマクロセルとしてパッケージされる場合がある。
【0024】

<実例としての補償回路>
図2は、発明の実施形態に従い、実例としての補償回路110をより詳細に示した回路図である。補償回路110は、REFCLK入力112を2つの遅延線200と210に送る。それぞれの遅延線は、1つ以上の遅延エレメントを持つことがあり、図2は第1実例として1つの遅延エレメント202aを持つ遅延線200、および第2実例として4例の遅延エレメント220a、220b、220c、220dを持つ遅延線210を示す。図2において、電気コンポーネントポインティングアップに接続されているが分類されていない各線路(すなわち、表題「図2」から離れているということ)は、VDD電圧入力を表し、電気コンポーネントポインティングダウンに接続されているが分類されていない各線路は、VSS電圧入力を表す場合がある。
【0025】
より一般的に言えば、補償回路は、m個の遅延エレメント(m>0)を持つ第1遅延線、およびm+n個の遅延エレメント(n>0)を持つ第2遅延線を有する場合がある。遅延量118は、2つの遅延線のそれぞれを通り過ぎるREFCLK112のパルス比較に基づく場合がある。
【0026】
図2で示したように、両遅延線200および210の遅延エレメント202a、220a、220b、220c、220dは、すべて全く同じ場合があるが、換言すれば、それらは、各々が、全く同じ電気コンポーネントを有する場合があり、各電気コンポーネントは同じ方法で接続された、ということである。遅延エレメントの実例としての実施形態は、図3に関して以下で検討する。他の実施形態では、遅延エレメント202a、220a、220b、220c、220dは、全く同じではない場合があり、および/または所定の遅延線上の遅延エレメントはすべて全く同じであるが他の遅延線上の遅延エレメントとは異なっている場合があり(すなわち、遅延エレメント220a、220b、220c、220dは、全く同じであるがすべてが遅延エレメント202aとは異なっている場合がある、ということである)。さらに他の実施形態では、遅延エレメント202a、220a、220b、220c、220dの1つ以上は、演算増幅器(op−amp)のような1つ以上の他の電子コンポーネントに置換することができる。
【0027】
図2は、3つの入力を受け入れる各遅延因子を示すが、1つはREFCLKに基づく入力パルス、他の2つは入力電流IBNおよびIBPである。各遅延エレメントは、異なる入力を受け入れる場合があり、図2は、遅延エレメント202a、220a、220b、220c、220eは、それぞれ、別個のIBP入力であるIBP0、IBP1、IBP2、IBP3、IBP4、IBP5、および別個のIBN入力であるIBN0、IBN1、IBN2、IBN3、IBN4、IBN5を受け入れることを示している。所定の遅延線の各遅延エレメントへの電流入力は、異なることもあれば、異ならないこともあり、例えば、遅延エレメント202aへのIBP0入力とIBN0入力に対応する電流は、それぞれ、遅延エレメント220aへのIBP1入力とIBN1入力と同じ場合もあれば、同じでない場合もある。図2で示したように、遅延線210の遅延エレメント220aは、入力としてREFCLK112を利用し、連続するそれぞれの遅延エレメント220b、220c、220dは、遅延エレメント220aのREFCLK112入力の代わりに、入力として前記の遅延エレメント(それぞれ220a、220b、220c)の出力を利用する場合がある。
【0028】
遅延線200の遅延エレメントに対する入力電流は、図1に関して上記で検討した位相信号で示されたように、位相オフセット、基準電圧オフセット、および/または周波数オフセットに基づき調整される場合がある。
【0029】
遅延量118は、遅延線200および210を通過する、または通過したパルスを組み合わせることにより、および/またはフィルタリングすることにより決定される場合がある。図2は、2つの遅延線200および210の出力パルスが、XOR230への入力となっていることを示す。XOR230は、入力でエクスルーシブオア操作を行い、オフセットパルスを発生させる。オフセットパルスは、遅延線200を通過するパルスがどこで位相ずれを起こし、遅延線210を通過するかを示すことができる。
【0030】
XOR230の出力は、フィルタ240でフィルタされると、入力としてXOR230のオフセットパルス出力、および遅延線200からのパルスを利用し、NANDのこれらの入力をNANDゲート242で合わせた後、インバータ244を有するNANDゲート242の出力を変換し、フィルタされたオフセットパルスOPを発生させる。したがって、フィルタ240は、遅延線200のオフセットパルスと出力を、効果的かつ論理的にANDする場合がある。
【0031】
オフセットパルスOPは、図4Aに関して以下でより詳細に検討した遅延測定回路400のような遅延測定回路に入力され、遅延量118を発生させる場合がある。

<実例としての遅延エレメント>
図3は、発明の実施形態に従い、実例としての遅延エレメント300を示す回路図である。遅延エレメント300は、図2に関して上述した補償回路110、および/または図5に関して以下に記述したアプリケーション回路120における1つ以上の遅延エレメントとして利用される場合がある。
【0032】
図3は、クロック入力パルス(IN)だけでなく、電源(VDD)および接地電圧(VSS)入力を受け入れる遅延エレメント300を示す。加えて、遅延エレメント300は2種類の電流入力(IBPおよびIBN)を受け入れる。IBPとIBNは、図2に関して上述したIBPとIBNと同じ電流入力である場合がある。電源切断(PD)入力は、遅延エレメント300の電源切断入力として作動する。
【0033】
図3は、入力電流と電圧が、全く同じ2つの電流枯渇型インバータ310と320の間で、鏡に写ったように示されていることを表す。電流枯渇型インバータ310、320は、それぞれ、2つの遅延に影響を及ぼし、入力信号を変換する。電流入力であるIBPとIBN、および電圧入力であるVDDとVSSに加え、電流枯渇型インバータ310は、入力パルスINを入力として利用し、出力(例えばノード325で測定されたもの)として、入力パルスINの変換・遅延コピーを発生させる。電流枯渇型インバータ320は、電流枯渇型インバータ310の出力を入力として利用し、出力として出力パルスOUT2を発生させる。直列状態にある2つの電流枯渇型インバータを利用することにより、OUT2出力パルスの論理値(すなわち「0」または「1」)は、入力パルスINの場合と同じになる。
【0034】
図3は、4個のトランジスタから構成される電流枯渇型インバータ310、320のそれぞれを示すが、電流枯渇型インバータ310用トランジスタは312、314、316、318であり、電流枯渇型インバータ320用トランジスタは322、324、326、328である。例えば、電流枯渇型ミラー310は、PMOSトランジスタ312と314、およびNMOSトランジスタ316と318から構成される。トランジスタ312は、電源VDDに接続したソースノード、IBP電流入力に接続したゲートノード、およびトランジスタ314のエミッタノードに接続したドレーンノードを持つ。両トランジスタ314、316のゲートノードは、入力信号INに接続されており、トランジスタ314、316のドレーンノードは共に接続されている。トランジスタ316のソースノードは、トランジスタ318のドレーンノードに接続されている。トランジスタ318のゲートノードは、IBN電流入力318に接続され、トランジスタ318のソースノードは接地VSSに接続されている。
【0035】
トランジスタ302、304と連携して作動する電流枯渇型インバータ310、320は、電流IBPとIBNに基づき、入力パルスINから出力パルスOUTまで通過している信号が招いた遅延量を調整することができる。トランジスタ302は、電流枯渇型インバータ310、320が発生させることのある電流を制限することにより、電流枯渇型インバータ310、320を通過する信号の遅延を調整し、それぞれの電流枯渇型インバータに従った負荷を発生させることができる。同様に、トランジスタ304は、それぞれの電流枯渇型インバータ310、320が発生させる電流を制限することにより、電流枯渇型インバータ310、320を通過する信号の遅延を調整し、それぞれの電流枯渇型インバータに従った負荷を発生させることができる。
【0036】
図3は、直列に接続された2つのORゲート340、342に伝えられる電流枯渇型インバータ320で発生した出力パルスOUT2を示すものであり、出力パルスOUTを形作る働きをする。ORゲート340は、OUT2および(論理的「0」として働く)VSSを論理的入力として利用し、出力パルスOUT1を発生させる。ORゲート340の効果は、OUT2と同じ論理値を持つOUT2の遅延版として、OUT1を発生させることである。同様にORゲート342は、OUT1とVSSを論理的入力として利用し、出力パルスOUTを発生させる。ORゲート342の効果は、OUTと同じ論理値を持つOUT1の遅延版としてOUTを発生させることである。したがって、出力パルスOUT、OUT2は、たとえ遅延であっても、論理的に入力パルスINに相当する。
【0037】
図3に示されなかった実施形態では、ORゲート340、342は、必ずしも以下に限定されるわけではないが、適切に配列されたインバータ群(例えば対)、ANDゲート、NANDゲート、あるいは出力パルスを形作るが、出力パルスOUTの論理値が出力パルスOUT2の論理値から変化しないことを確実にするNORゲートなど、他のコンポーネントと置換される場合がある。
【0038】
遅延エレメント300の最終的な効果は、出力パルスOUTおよびOUT2を発生させることであり、それぞれは、入力パルスINの遅延版、増幅版に対応する。遅延バッファ300は、出力パルスOUTをクロック信号として利用し、一般に一様な歪対称の回路用OUTを供給する場合がある。
【0039】

<実例としての遅延測定回路>
図4Aは、発明の実施形態に従い、実例としての遅延測定回路400を示した回路図である。本文書で別個に示したが、実例としての遅延測定回路400は、補償回路110の一部となる場合がある。
【0040】
遅延測定回路400は、バイアス電流IBIASはもちろんのこと、図2に関して上述した補償回路200で発生させたオフセットパルスのようなオフセットパルスOPを入力として利用し、差動増幅器420(「Diff Amp」)で遅延量DMを決定し、OPのデューティサイクル値を平均し、平均デューティサイクル値により基準電圧VREFを測定する。差動増幅器420は、入力信号である入力信号OPに基づく+IN、VREFに基づく−IN、VDD、VSS、IBIAS、PD、およびFSからの出力信号であるIPOS、およびINEGを発生させる。基準電圧発生器700は、入力信号であるVDD、VSS、PHO0、PHO1、PHO2、PHO3から出力としてVREFを発生させる。差動増幅器420は図4Bに関して以下で詳述し、基準電圧発生器700は図7に関して以下で詳述する。
【0041】
遅延量は、単一の出力あるいは複数の出力、いずれかの出力となる場合がある。図4Aは、8つの出力、つまりIBN0、IBN1、IBN2、IBN3、IBN4、IBN5、IBN6、およびDMを有する電流鏡410を示す。別個の電流鏡は、正の電圧入力用に、通信タップを提供する場合がある。図4Aは、7つの出力であるIBP0、IBP1、IBP2、IBP3、IBP4、IBP5、IBP6を有する電流鏡412を示す。出力IBN0〜IBN6までのそれぞれ、およびDMは、同じ電流と電圧を持つ場合があり、出力IBP0〜IBP6までのそれぞれも同じ電流と電圧を持つ場合があるが、出力IBN0〜IBN6およびDMの電圧と電流は、出力IBP0〜IBP6の電流と電圧と異なる場合がある。したがって遅延量DMは、1つ以上の電流として出力される場合がある。さらに遅延量DMは、追加アプリケーション回路に伝えられ、図1に関して上述したように、PVT補正のデイジーチェーン接続を可能にする。
【0042】
差動増幅器420を用いれば、遅延測定回路400は、ループ増幅器420に対する入力−INとして機能を果たしている基準電圧VREFに関して、ループ増幅器420に対する入力+INとして機能を果たしている入力OPとして受信されるパルスの幅を平均することにより、OPの平均幅、またはデューティサイクルを決定するよう配列されたレシオメトリック回路となる場合がある。
【0043】
図4Aは、起動回路490を有する遅延測定回路400を示す。起動回路490は、リセット後、および/または遅延測定回路を作動させるとすぐに、遅延測定回路400を急に止めることがある。図4Aは、VDD、VSS、否定電源切断信号
【0044】
【数1】

【0045】
、入力としてのPHO1、PHO2、PHO3信号を有し、出力信号OUTを発生させるよう配列された起動回路490を示す。起動回路490は、図4Cに関して以下で詳述されている。
【0046】
起動回路490の出力信号OUTは、トランスミッションゲート402に伝えられる場合がある。RST信号が高い場合、トランスミッションゲート402は、出力信号OUTを遅延測定回路の残りの部分に送ることがあるが、そうでなければ、出力信号OUTは、遅延測定回路の残りの部分に伝えられない場合がある。したがって、出力信号OUTは、リセット信号RSTが高いと表示され、遅延測定回路400がリセットされつつある場合にのみ伝えられるに過ぎない。
【0047】

<実例としての差動増幅器>
図4は、発明の実施形態に従う実例としての差動増幅器420を示した回路図である。差動増幅器420は、図4Aに関して上述したように、入力を利用し、出力を発生させる。より厳密に言えば、図4Bは、トランジスタ438、448に進んだ+IN入力、およびトランジスタ442、452に進んだ−IN入力を示す。+IN入力と−IN入力の差異は、差動増幅器420で増し、IPOS、INEG出力として供給される場合がある。ループ増幅器420は、−IN入力での基準電圧に関して、+IN入力のパルス平均幅を比較する。トランジスタ430、476は、電源切断PD信号が高い場合、電源切断状態にするために利用される。
【0048】
図4Bは、2つの電流ソースである左電流ソース、および右電流ソースを有する差動増幅器420を示す。左電流ソースは、PMOSトランジスタである424、426、438、442および抵抗器である440、464、466を含む。トランジスタ424および426のソースノードはVDDに接続されており、トランジスタ424および426のゲートノードはIBIAS入力に接続されており、トランジスタ424および426のドレーンノードは、双方とも、抵抗器440に接続されている。トランジスタ424のドレーンノードは、トランジスタ438のソースノードにも接続されており、トランジスタ438のゲートノードは+IN入力に接続されており、トランジスタ438のドレーンノードは抵抗器464に接続されている。トランジスタ426のドレーンノードはトランジスタ442のソースノードにも接続されており、トランジスタ442のゲートノードは−IN入力に接続されており、トランジスタ442のドレーンノードは抵抗器466に接続されている。左電流ソースの出力は、ノード453で利用される場合がある。左電流ソースの出力は、その後、PMOSトランジスタ454のゲートノードに送られる。左電流ソースの出力が電流をトランジスタ454へ供給した場合、トランジスタ454の働きで、電流は、トランジスタ428のドレーンノード出力からVSS(その後はNMOSトランジスタ444のゲートノードを通過する)へ流れる場合がある。その後、IPOS出力は、トランジスタ444のソースノードにある。
【0049】
右電流ソースは、同様の方法で、それぞれ左電流ソースのトランジスタ424、426、438、442に対応するトランジスタ434、436、448、452に接続されており、またそれぞれ左電流ソースの抵抗器440、464、466に対応する右電流ソースの抵抗器450、472、474に接続されている。右電流ソースの出力は、ノード457で利用される場合がある。しかしながら、(トランジスタ442のゲートノードで受信される−IN入力とは対照的に)トランジスタ448のゲートノードは+IN入力を受信するため、ノード457における右電流ソースの出力は、左電流ソースの−IN入力よりもむしろ+IN入力(それゆえ、NMOSトランジスタ446のソースノードからのINEG出力)に左右される可能性がある。例えば、−IN入力と+IN入力が逆の極性を持っていれば、IPOS出力とINEG出力も逆の極性を持つことがある。
【0050】
FS入力が高く設定されることにより、否定FS入力
【0051】
【数2】

【0052】
が低く設定される場合、トランスミッションゲート484とトランジスタ460、462、468、470、478、480、482は、IPOS出力とINEG出力間の差の利得を満たすために利用される。特に利得は2、換言すれば、FSが高く設定されている場合、IPOSとINEG間の差は2倍になる場合がある。例えば、FS入力が高く設定されている状態は、FS入力が低く設定されている場合に比べ、基準クロック周波数は2倍に相当すると仮定する。その後、差動増幅器440は、FS入力が低く設定されている場合は、ベース基準クロック周波数用に対応する出力を供給し、FS入力が高く設定されている場合は2倍基準クロック周波数用に2倍の出力を供給する場合がある。
【0053】

<実例としての起動回路>
図4Cは、発明の実施形態に従い、実例としての起動回路490を示す回路図である。図4Cは、VDD、VSS、否定電源切断信号
【0054】
【数3】

【0055】
、および入力としてのPHO1、PHO2、PHO3信号を有し、出力信号OUTを発生させるよう配列された起動回路490を示す。図4Cで電気コンポーネントポインティングアップに接続されているがラベルなし(すなわち、「図4C」で指定されない)の各回線はVDD電圧入力を表し、電気コンポーネントポインティングダウンに接続されているがラベルなしの各回線は、VSS電圧入力を表す場合がある。
【0056】
図4Cは、インバータ491に伝えられる否定電源切断信号
【0057】
【数4】

【0058】
を示すが、その後、非否定電源切断信号PDを発生させる。
【0059】
【数5】

【0060】
が高く設定された場合(換言すれば、PDが低く設定された場合)、
【0061】
【数6】

【0062】
はまた信号を通過させるコンポーネント492、493にも伝えられる。PD信号は、またNPNトランジスタ494のゲートノードにも供給され、VDDを有する入力からVSSまでの電流の流れ、およびVDDを有する入力から起動回路の残りの部分まで、電流の流れを制御する。したがって出力信号OUTは、PDが高く設定されている場合(あるいは同様に
【0063】
【数7】

【0064】
が低く設定されている場合)は発生しない場合がある。
図4Cは、A、B、C、D入力が論理的に高く、それぞれのトランスミッションゲート495、496、497、498が電流の流れを可能にすると、出力信号OUTが発生する場合があることを示す。図4Cの右手に示した論理は、トランスミッションゲート495、496、497、498に対するA、AN、B、BN、C、CN、D、DN入力を発生させるために利用される場合がある。
【0065】
図4Cは、入力信号であるAおよびAN用に、PHO1、PHO2、PHO3入力信号は、それぞれ、インバータ495a、495b、495cにより変換されることを示す。図4Cは、否定
【0066】
【数8】

【0067】
入力信号は、NANDゲート495dへ進んだ後、AN入力を発生させることを示す。その後、AN入力は、インバータ495eで否定され、A入力を発生させる。したがって、PHO1、PHO2、PHO3が高く設定されない限り、入力ANは高く設定され、対応する入力Aは低く設定される場合がある。もっとも、PHO1、PHO2、PHO3のすべてが高く設定されても、入力Aは高く設定され、入力ANは低く設定される場合もある。以下の数式は、AおよびANの入力を記したものであり、A=!PHO1+!PHO2+!PHO3、AN=!Aとなるが、!は論理的NOT演算子、+は論理的AND演算子である。
【0068】
同様に、コンポーネント496a、496b、496c、496dは、図4Cに示したが、PHO1入力が高く設定され、PHO2、PHO3入力が低く設定された場合は、入力Bを高く設定することができ、数式および入力BNは入力Bの論理的否定とし、対応する数式は、B=PHO1+!PHO2+!PHO3、BN=!Bとなる。コンポーネントである497aおよび497bは、図4Cに示したが、入力信号であるPHO2およびPHO3の両方が高く設定され、入力信号であるCNが入力Cの論理的否定である場合、入力Cは高く設定することができ、対応する数式はC=PHO2+PHO3、CN=!Cとなる。コンポーネントである498aおよび498bは、図4Cに示したが、入力信号であるPHO3が高く設定され、入力信号であるDNが入力Dの論理的否定である場合、入力Dは高く設定することができ、対応する数式はD=PHO3、DN=!PHO3となる。
【0069】
PHO1、PHO2、PHO3という入力信号を利用することにより、様々なモードの補償回路110および/またはアプリケーション回路120で電流を発生させることができる。特に、PHO1、PHO2、PHO3という入力信号の組合せの1つでテストモードが信号として送られ、起動回路490で発生したOUT出力発生につながる場合がある(例えば、PHO1が高く設定され、PHO2が低く設定され、PHO3が低く設定された状態でテストモードが信号として送られるとB出力が発生し、そのためトランスミッションゲート496がOUT出力用に電流を流れさせる場合がある)。
【0070】
OUT出力は、遅延測定回路400のバイアスコンポーネントに電流を供給する場合があるが、これは換言すれば、OUT出力は、電流鏡である410と420に様々なIBN出力とIBP出力を発生させ、補償回路110および/またはアプリケーション回路120の様々な遅延エレメントに電力を供給する場合がある、ということである。したがってテストモードで作動中、補償回路110および/またはアプリケーション回路は、位相固定ループ(PLL)のような他の回路のリセットを待っている間、バイアスがかかることがあるため、比較的長い起動時間(例えば250μs以上)を要し、それゆえ、PVT補正を行うのに必要な時間を総リセットタイムバジェットのさらに数パーセントまで減らす必要がある場合がある(例えば10追加μs以下であり、これは他の回路構成での250μsリセットに基づくリセットタイムバジェットの4%以下の追加に等しい)。
【0071】

<実例としてのアプリケーション回路>
図5は、発明の実施形態に従い、実例としてのアプリケーション回路500を示す回路図である。実例としてのアプリケーション回路500は、補償回路110の試験を行うために利用される場合がある、および/または図1に関して上記で検討したアプリケーション回路120の代わりをする場合がある。
【0072】
実例としてのアプリケーション回路500は、ストロボ入力DQS114を受信する。DQS114は、データストロボ入力を表す場合がある。データストロボ入力は、読み取り操作や書き込み操作のようなメモリ操作を実行するたびに、パルスを持つ場合がある。メモリ操作は、データストロボ入力の立ち上がりまたは立ち下がりに基づき、タイミングが設定される場合がある。
【0073】
図5は、5個の遅延エレメント510、520、530、540、および550を有するアプリケーション回路500を示す。遅延エレメントの実例としての実施形態は、図3に関して上記で検討した。各遅延エレメントは、遅延測定DMに相当する1つ以上の電流、または電圧を受け取る場合がある。図5は、2種類の入力電流、すなわち正の電流IBP0、IBP1、IBP2、IBP3、IBP4、および負の電流IBN0、IBN1、IBN2、IBN3、IBN4を受け取るそれぞれの遅延エレメント510、520、530、540、550を示す。より多くの遅延エレメントまたはより少ない遅延エレメントがアプリケーション回路550で利用される場合がある。
【0074】
これらの負の電流および正の電流は、それぞれ、図4に示された電流鏡420、430で発生したものに該当する場合がある。そのようなものとして、負の電流は、明確に遅延量DMを表す場合があり、正の電流は基準電圧VREFを表す場合がある。
【0075】
図5は、全く同じものとして、遅延エレメント510、520、530、540、550のそれぞれを示す。他の実施形態では、遅延エレメント510、520、530、540、550は全く同じでないこともある。さらに他の実施形態では、遅延エレメント510、520、530、540、550のうち1つ以上は、1つ以上の他の電子コンポーネント、例えば演算増幅器(op−amp)と置換される場合がある。
【0076】
図5はまた、5つのタップ512、522、532、542、552を有するアプリケーション回路500も示す。タップのそれぞれは、1つ以上の遅延エレメントから1つ以上の出力を伝達するのに使われる場合があるが、これは換言すれば、タップ512、522、532、542、552は、それぞれ、遅延エレメント510、520、530、540、550から1つ以上の出力を伝達する場合がある、ということである。本発明の他の実施形態では、1つ以上の他のアプリケーション回路が、実例としてのアプリケーション回路120に置換される場合がある。タップ512、522、532、542、552の各出力は、DQS入力114に対応するPVT補正出力を表す場合がある。しかしながら、タップ512、522、532、542、552における出力のそれぞれは、PVT補正の一部として、経時的により長い遅延を含む場合がある。さらに他の実施形態では、図5に示した場合よりも多くの、あるいは少ないタップがアプリケーション回路で利用される場合がある。
【0077】
アプリケーション回路500は、より大きなアプリケーション回路のコンポーネントとして利用される場合がある。例えば、より大きなアプリケーション回路は、アプリケーション回路500を、それぞれの入力信号のPVT補正を行う「フロントエンド」、それぞれの出力信号のPVT補正を行う「バックエンド」として利用する場合がある。より厳密に言えば、DRAMは、DRAMを作動させる補正データストロボ信号を利用する前に、DQS信号のPVT補正を行うフロントエンドとして、アプリケーション回路500を包含する場合がある。同様に、出力としてデータストロボ信号を発生させるメモリコントローラあるいは他の装置は、アプリケーション回路を利用し、出力データストロボ信号をPVT補正する場合がある。補正データストロボ信号用に利用する特定タップの選択(換言すれば、遅延の特定量)は、設計時、または操作時に決定される場合がある。アプリケーション回路500と他のアプリケーション回路との組合せに関し、他の多くの実例も考え得る。
【0078】
他の多くのアプリケーション回路も考え得る。他のアプリケーション回路には、必ずしも以下に限定されるものではないが、メモリ回路(例えばDRAMや同期DRAM(SDRAM))、プロセッサ回路、制御回路構成、および/またはドライバ回路などがある。例えばアプリケーション回路は、DRAMあるいはSDRAMの場合があり、さらに必ずしも以下に限定されないが、DDR基準、DDR2基準、および/またはDDR3基準のような1つ以上のDRAM基準に従うよう配列される場合がある。さらに、いかなるクロック回路、例えば必ずしも以下に限定されないが、プロセッサや制御論理回路は、アプリケーション回路として、たやすく利用できよう。また図6に関して以下に記したようなメモリバスドライバも、アプリケーション回路として利用される場合がある。
【0079】

<実例としてのメモリバスドライバ>
図6は、発明の実施形態に従うメモリバスドライバ600である。メモリバスドライバ600は、図1および図5に関して上述したように、アプリケーション回路として利用される場合がある。メモリバスドライバ600は、DRAMとインターフェースで接続される場合がある。DRAMは、DDR、DDR2、および/またはDDR3の基準を満たすよう配列されたDRAMのようなSDRAMとなる場合がある。補償回路110は、斜交平行線模様で図6の中心に示す。図6に示した回路の残りの部分は、図1で上述したアプリケーション回路120に相当する。
【0080】
メモリバスドライバ600は、個々のクロック信号が適切に作用する2つのドメインまたは領域に分けられる。CLK1Xドメイン(図6に示したように断続線で2つの部分に分割されている)は、CLK1X信号が操作を同期化しているメモリバスドライバの領域を示す。DQSドメインは、DQS信号が操作を同期化しているメモリバスドライバの領域を示す。メモリバスドライバは、DRAMのようなメモリ(本書では示さない)と関連して利用される場合がある。
【0081】
多くの回線がメモリバスドライバ600に接続される場合がある。D0[7:0]、D1[7:0]およびDQ[7:0]回線が、データ回線となる場合があり、[7:0]という命名法は、8本の回線が利用されていることを示す。例えばD0[7:0]回線は、D0[0]、D0[1]、D0[2]、D0[3]、D0[4]、D0[5]、D0[6]、D0[7]の8本の回線を含む。DQSTX回線は、データは関連メモリから伝達するべきであることを示すストロボ信号として利用される場合がある。D0[7:0]回線は、データを受信するため、および/またはデータをメモリバスドライバに伝達するために利用される場合がある。DQS回線は、データがDQ[7:0]回線上に存在する場合にアサートされることがある。VREF回線は、図4に関して上述したように、および/または図6に関して以下に記したように、基準電圧を伝える場合がある。PHO[3:0]回線は、図1に関して上述し、図7に関して以下に記した位相信号を伝える場合がある。電源切断PD回線は、図1および図2に関して上述した電源切断信号のようなメモリバスドライバ600の機能を一時的に抑止する電源切断信号を伝える場合がある。
【0082】
READCMD回線は、読み取り操作、または書き込み操作を関連メモリで実行すべきどうかを示す信号を含む場合がある。RSTN回線は、図1に関して上述したようなリセット信号を伝える場合がある。
【0083】
CLK1X回線は、100MHあるいは133.33MHのような既知の周波数で作動するクロック信号を伝える場合がある。CLK1X90回線は、CLK1X信号からの90°位相シフト信号のような、CLK1X信号の位相シフト版を表す信号を伝える場合がある。同様にCLK2X回線は、増倍クロック信号を表す信号を伝える場合があるが、増倍クロック信号とは、換言すれば、周波数がCLK1X回線の倍数であるクロック信号であり、その倍数は2、3、または他の整数となる場合がある。図6で示したように、CLK2X回線の倍数は2である。RXCLKSELにより、CLK1X回線上の信号またはCLK1X90回線上の信号のいずれかを選択するように、クロック信号の選択が可能となる場合がある。
【0084】
CASLAT[1:0]回線は、2つの回線(CASLAT[0]およびCASLAT[1])であり、それぞれがカラムアドレスストロボ(CAS)待ち時間量を示す信号を伝える場合がある。RDVALID回線は、読み取り操作が効果的であるかどうかを示す信号を伝える場合がある。RDELAY[1:0](RDELAY[1]およびRDELAY[1])回線は、読み取り遅延量を示す2つの回線となる場合がある。
【0085】
メモリバスドライバ600は、関連メモリで書き込み操作または読み取り操作のいずれかを制御する目的で利用される場合がある。データがデータ回線D0[7:0]およびD1[7:0]に到達し、[DQ7:0]回線を介してメモリに書き込まれる書き込み操作を行う目的で、データD0/D1回線の半分(すなわち、データ回線D0[0:7]またはD1[0:7]のいずれか)が多重チャンネル(MUX)602により選択される場合がある。MUX602の出力は、トグル方式フリップフロップ(TFF)604へ伝えられる場合がある。DQO[7:0]として示したように、TFF604の出力は、DQ[7:0]回線を介し関連メモリへ送られる場合がある。TFF606を通じ、DQSTX回線からの信号を通過させることに基づき、DQSO信号が発生する場合があるが、その後はDQS回線上で関連メモリに送られる。
【0086】
読み取り操作のために、DQSTX信号は、DQS回線を介して入力され、TFF624でラッチされた後、周波数選択(FS)信号として補償回路110に伝えられる場合がある。同様に、図6で、DQ[7:0]回線から与えられたDQRX[7:0]として示した入力データは、TFF614でラッチされる場合がある。TFF614および624は、クロック信号として、それぞれORゲート616および626を介し、DQS_DLY信号で論理的にORされたSTROBE_ENABLE信号を利用する場合がある。DQS_DLY信号は、補償回路110の出力遅延量を表す場合がある。読み取り操作中、入力データは、上述したように、弾性バッファ618に保管される場合がある。
【0087】
弾性バッファ618の特定の操作毎のバッファは、3ビット計数回路634で制御された1:4MUX632で選択される場合があり、3ビット計数回路634は、補償回路110からのDQS_DLY信号出力により刻時パルスを送り込まれている。図6でWPTRとして示したように、3ビット計数回路634の出力はTFF636へも伝えられると、弾性バッファ618はより多くのデータを記憶できることを示すready信号、および弾性ポインタは完全にふさがっていることを示すフル信号を発信する。WPTR信号は、書き込み操作用に出力される弾性バッファ618の操作毎のバッファを選択する場合がある。
【0088】
読み取り操作用弾性バッファ618の特定の操作毎のバッファの選択は、CASレイテンシTFF642へ伝えられるCASLAT[1:0]回線上の信号で制御される。より厳密に言えば、CASレイテンシTFF642を構成する6つのTFFが存在するが、これら6つのTFFは直列に接続され、READCMD回線からの信号を、多くのクロックサイクルの間、ラッチする場合があるが、既存のものに代わる実施形態では、より多くのTFFあるいはより少ないTFFが、CASレイテンシTFF642を構成する場合がある。CASレイテンシTFF642は、MUX640を介したRXCLKSEL回線上の信号で選択されたように、CLK1X回線またはCLK1XN90回線のいずれかの回線上の信号によりクロック制御される。CASレイテンシTFF642は4つの出力を発生させるが、その1つは制御信号として2つのCASLAT[1:0]回線を用いるMUX644により選択される。
【0089】
図6でSTROBE_ENABLEとして示したMUX644の出力は、TFF650、652、654、656へ送られ、これらは4つのクロックサイクルの間、STROBE_ENABLE信号をラッチする。3ビットカウンタ662と同様に、TFF650、652、654、656は、CLK1X回線上の信号によってクロック制御される。TFF652、654、656の出力は、RDVALID回線上の信号に従い、MUX660内へ送られ、RDELAY[1:0]回線からの制御信号で制御されるように、1つの出力を発生させる。図6でRPTINCとして示したMUX660の出力は、3ビットカウンタ662に送られるが、同カウンタは、図6でRPTRとして示した信号を発生させ、MUX630を制御するために利用される。RPTR信号は、弾性バッファ618の操作毎のバッファを選択し、読み取り操作用に出力される場合がある。同様に、WPTR信号は、弾性バッファ618の操作毎のバッファを選択するために利用される場合がある。
【0090】

<実例としての基準電圧発生器>
図7は、発明の実施形態に従い、基準電圧を発生させるための実例としての基準電圧発生器700を示す回路図である。
【0091】
実例としての基準電圧発生器700では、入力として、図1および4Aに関して上述した位相信号PHO1、PHO2、PHO3を利用する。位相信号PHO0、PHO1、PHO2、およびPHO3は、4−to−16デコーダ710に送られる場合がある。紙面の都合により、4−to−16デコーダ710の16の出力回線L0〜L15のうち、15しか示さない。
【0092】
位相信号は、個々の基準電圧が発生することを示す2進数として、機械言語に翻訳処理される場合がある。例えば、信号は、PHO3信号が4ビット2進数の最も重要なデジットとして機械言語に翻訳処理され、PHO2は2番目に重要なデジットとして機械言語に翻訳処理され、PHO1は3番目に重要なデジットとして機械言語に翻訳処理され、PHO0は重要度の最も低いデジットとして(あるいは逆に)機械言語に翻訳処理されるよう、処理される場合がある。例えば、位相信号のこの解釈を利用し、基準電圧発生器の利用者が、ベース2のベース10=1001において、基準電圧番号9を利用することを望むと仮定する。利用者は、その後、PHO3とPHO0の信号を高く設定(2進数の1の値を示す)し、PHO2とPHO1の信号を低く(2進数の0の値を示す)設定する場合がある。もう1つの実例として、利用者がベース2のベース10=1100において、基準電圧12を利用することを望むと仮定する。その後、基準電圧12を選択するために、利用者はPHO3とPHO2の信号を高く設定し、PHO1とPHO0の信号を低く設定する場合がある。
【0093】
4−to−16デコーダは、位相信号入力に基づき、出力回線L0〜L15のうち1つのみを作動させ、残りの出力回線は不活性化させる場合がある。例えば、PHO3とPHO2の信号は高く設定され、PHO1とPHO0の信号は低く設定されるならば、出力回線L12(基準電圧12に相当する)が作動する場合がある。
【0094】
第1通信伝送ゲート、すなわち伝送ゲート740a〜740oの1つ(伝送ゲート740pは示さない)および第2通信伝送ゲート750a〜750o(伝送ゲート750pは示さない)を開くため、作動回線上の信号が利用される場合がある。次に、VDDのような既知の電圧での電流が、通信抵抗器R720〜R734(R735は示さない)を通り過ぎ、その後は第2通信伝送ゲート750a〜750o(伝送ゲート750pは示さない)を通り過ぎた後、基準電圧VREFとして出力される場合がある。各不活性回線は、電流を流す通信伝送ゲートを開けない場合があるため、各不活性回線用に出力電圧が発生しない場合がある。抵抗器R720〜R735のそれぞれで、抵抗値が異なる場合があるため、考えられる16の各作動回線で基準電圧も異なる場合ある。したがって位相信号PHO0〜PHO3は、基準電圧発生器700により、考えられる16の基準電圧VREF出力の1つを決定するために利用される。より多くの、あるいはより少ない基準電圧が考えられるが、これらは、位相信号、伝送ゲート、および/または抵抗の通信追加または削除に基づき、基準電圧発生器700により出力される場合がある。
【0095】

<実例としてのPVTばらつき補正方法>
図8は、発明の実施形態に従い、アプリケーション回路におけるPVTばらつきを補正する遅延量を発生させる実例としての方法800のフローチャートである。本文書で発表した本フローチャートの各ブロックは、プロセスで、特異的論理関数または手順を実行するためのモジュール、セグメント、あるいは電子コンポーネントの組合せ、ことによると実行コンピュータファームウェアおよび/またはソフトウェアを表す場合があることを理解しなければならない。既存のものに代わる実行は、実例としての実施形態の範囲内に含まれるが、その範囲内では、本文書に記したブロックは、実質的に同時あるいは逆の順序を含むが、既に示したあるいは検討した順序からから外れて実行される場合があり、これは関連する機能性に依存するが、記した実施形態の技術に適切に精通した人々ならば理解可能である。
【0096】
方法800は、ブロック810で始まる。ブロック810では、第1遅延出力が発生する。第1遅延出力は、第1遅延回線により発生する場合がある。第1遅延回線はm個の遅延エレメントを含む場合があるが、mは0より大きな整数である。m個の遅延エレメントは共に接続され、遅延回線を構成する場合がある。同時に、m個の遅延エレメントのそれぞれは、図3で示した遅延エレメントのそれぞれのように、あるいは図4で示した遅延バッファのそれぞれのように、全く同じ場合がある。
【0097】
第1遅延回線は、1つ以上の入力を受け入れる場合がある。入力は、基準クロック入力はもちろんのこと、電源VDDおよび接地VSS電圧を含む場合がある。同様に入力は、図3、図4に関して上記で検討したIBPやIBNのような1つ以上の入力電流を含む場合がある。第1遅延回線の各遅延エレメントは、上記で検討したように、全く同じ場合がある一方で、異なる入力電流および/または異なる基準クロック入力を受け入れるように、異なる入力を受け入れる場合がある。同様に、電圧入力のような一部の入力は、第1遅延回線のすべての遅延エレメント間では一般的である場合がある。第1遅延出力は、図3、図4に関して上記で検討したように、これらの入力に基づき発生する場合がある。
【0098】
第1遅延回線は、集積回路上に存在する場合がある。集積回路は、n型金属酸化膜シリコン(NMOD)、相補型金属酸化膜シリコン(CMOS)、バイポーラ技術または1つ以上の他の技術で実行される場合がある。
【0099】
ブロック820では、第2遅延出力が発生する場合がある。第1遅延出力は、第2遅延回線で発生する場合がある。第1遅延回線は、m+n個の遅延エレメントを含む場合があるが、mはブロック810に関して上述した通りであり、nは0よりも大きな整数である。第2遅延回線の遅延エレメントは、ブロック810に関して上述した遅延エレメントの特性を持っている場合がある。さらにまた、第1遅延回線と第2遅延回線の各遅延エレメントは、全く同じ場合があるが、これは換言すれば、2つの遅延回線が共に2×m+n個の全く同じ遅延エレメントを含んでいる場合がある、ということである。
【0100】
第2遅延回線(および第2入力回線の個々の遅延エレメント)の入出力は、ブロック810に関して上記で検討した第1遅延回線の入出力の特性を共有する場合がある。
2つの遅延回線は、図1〜4および図6に関して上述したような補償回路の一部となる場合がある。第2遅延回線および/または補償回路は、ブロック810に関して上述したような集積回路上に存在する場合がある。
【0101】
ブロック830では、第1遅延出力および第2遅延出力に基づき、オフセットパルスが発生する場合がある。例えばオフセットパルスは、第1遅延出力および第2遅延出力でXOR操作を行うことに基づき、発生する場合がある。XOR操作出力は、フィルタ処理される場合がある。例えばXOR出力は第1遅延出力または第2遅延出力のいずれかでNANDされた後に変換され、XOR出力および選ばれた遅延出力の効果的なANDが行われる場合がある。
【0102】
ブロック840では、遅延量は、オフセットパルスに基づき発生する場合がある。遅延量は、経時的に平均したオフセットパルスの幅またはデューティサイクルの決定に基づく場合がある。その後遅延量は、オフセットパルスの平均電圧となり、ことによると1つ以上の電流および/または電圧として供給される場合がある。電圧は直流(DC)電圧となる場合がある。遅延測定回路は、入力オフセットパルスから遅延量を発生させるために利用されることがある。遅延量は、基準電圧に関して決定される場合がある。測定遅延回路はレシオメトリックとなる、および/または差動増幅器を含む場合がある。
【0103】
上述したように第1、第2オフセットパルスに基づき遅延量を発生させることにより、遅延量は、基準クロック信号用のプロセス、電圧、および温度(PVT)補正に対応する電流、または電圧となる場合がある。
【0104】
ブロック850では、遅延量は、アプリケーション回路に対する出力となる場合がある。アプリケーション回路は、補償回路からの遅延測定(電流または電圧のいずれか)出力を利用する場合がある。遅延量は、図5のDQS信号に関して上述したようなアプリケーション回路の入力信号をPVT補正する1つ以上の電流として入力される場合がある。
【0105】
アプリケーション回路は、図5に関して上記で示した実施形態としてのアプリケーション回路のような、あるいは図6に関して上記で示したようなメモリバスドライバのようなテストアプリケーション回路となる場合がある。あるいはその代わりとしてアプリケーション回路はまた、必ずしも以下に限定されないが、1つ以上のランダムアクセスメモリ(RAM)(例えばDRAMおよび/またはSDRAM)、1つ以上のプロセッサ回路、1つ以上の制御回路、および/または1つ以上のタイミング回路のようなクロック信号を入力として利用するいかなる回路にもなる場合もある。アプリケーション回路は、入力信号をPVT補正するフロントエンド、あるいは出力信号をPVT補正するバックエンドとして、図5に示した実例となるアプリケーション回路を利用する場合がある。アプリケーション回路は、変化しない遅延測定信号の中を通り、多数のアプリケーション回路に対するPVT補正をデイジーチェーン接続することが可能となる場合がある。他にも多くの種類のアプリケーション回路が考え得る。
【0106】

<結論>
本発明の典型的な実施形態を上述した。しかしながら熟練の技術を持つ人々は、ここに記した実施形態はさらなる変更、改良が可能であることを理解するであろう。しかしながら本文書で詳述した本配列や他の配列は、実例を示す目的のみで提供したものであり、本発明はすべての変更や改良を網羅するものと解釈されるべきである。そのようなものとして熟練の技術を持つ人々は、他の配列や他のエレメント(例えば機械、インターフェース、関数、命令、関数グループ化など)を代わりに利用でき、エレメントの中には完全に省くことができるものが存在する場合があることを正しく理解するであろう。さらにまた、本文書に記したエレメントの多くは機能的実在物であり、他のコンポーネントと共に離散型あるいは分散型コンポーネントとして、あるいは適切に組み合わせと場所を選定し、実装される場合がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス、電圧、および温度(PVT)のばらつきに対し、すでに調整した基準クロックから遅延量となる信号を生成させるように構成された補償回路と、
前記基準クロックからの遅延量と信号を受信するよう構成され、前記基準クロックからの信号を調整するため遅延量を用いるように構成されたアプリケーション回路と、
を有することを特徴とする集積回路。
【請求項2】
第1の遅延出力を生成させるように構成された第1の遅延線であって、該第1の遅延線はm個の遅延エレメントを含み、mは0より大きな整数であることを特徴とする第1の遅延線と、
第2の遅延出力を発生させるよう構成された第2の遅延線であって、該第2の遅延線はm+n個の遅延エレメントを含み、nは0より大きな整数であることを特徴とする第2の遅延線と、
前記第1の遅延出力と前記第2の遅延出力に基づいてオフセットパルスを生成させ、前記オフセットパルスに基づいて遅延量を生成させるよう構成された遅延測定回路と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記遅延量を発生させることが、出力パルス幅の決定および出力パルス幅のフィルタリングを包含し、前記出力パルス幅のフィルタリングが経時的に生成した多くの出力パルスの電圧の平均をとることを含み、前記遅延量は出力パルス数の平均電圧であることを特徴とする、請求項1に記載の補償回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−246092(P2010−246092A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−24183(P2010−24183)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】