説明

ナノ磁気メモリ素子とその製造方法

【課題】セルサイズの負担が小さいメモリ素子を具現して集積度を向上させることができる。ナノ磁気メモリ素子を提供する。
【解決手段】ナノ磁気メモリ素子のナノワイヤを経て第1電極から第2電極に流れるワード線電流によって磁性ナノドットが摂動された後に再配列される過程で形成される誘導電流の大きさを制御し、前記ナノ磁気メモリセルに複数のデータを書き込み/読み出すことを特徴とするナノ磁気メモリ素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ磁気メモリ素子に関し、より詳細には、ナノ磁気メモリ素子のナノワイヤを経て第1電極から第2電極に流れるワード線電流によって磁性ナノドットが摂動(perturbation)された後に再配列される過程で形成される誘導電流の大きさを制御し、前記ナノ磁気メモリセルに複数のデータを書き込みまたは読み出すこと(write/read)を特徴とするナノ磁気メモリ素子に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、大部分の半導体メモリ製造会社は、次世代記憶素子の一つとして強磁性体物質を用いた磁気抵抗メモリ(MRAM:Magnetic Random Access Memory)の開発に積極的に参加している。
【0003】
磁気抵抗メモリは、強磁性体薄膜を多層で形成して各薄膜層の磁化方向による電流変化を感知することで、データの読み書きが可能な記憶素子である。このようなMRAMは一般的にGMR(Giant Magneto Resistance:巨大磁気抵抗)、MTJ(Magnetic Tunnel Junction:磁気トンネル接合)など様々なセルの種類によって構成される。すなわち、MRAMは、スピンが電子の伝達現象に至大な影響を及ぼすために生ずる巨大磁気抵抗(GMR)現象やスピン偏極磁気透過現象を用いてメモリ素子を具現する。まず、巨大磁気抵抗(GMR)現象を用いたMRAMは、非磁性層を間に置いた二つの磁性層でスピン方向が同じ場合より相違する場合の抵抗が大きく異なるという現象を用いて具現される。また、スピン偏極磁気透過現象を用いたMRAMは、絶縁層を間に置いた二つの磁性層でスピン方向が同じ場合が相違する場合より電流透過が遥かによく起こるという現象を用いて具現される。
【0004】
図1は、このような従来の磁気抵抗メモリの多層磁性体薄膜構造であって、MTJ(Magnetic Tunnel Junction:磁気トンネル接合)セルの断面図である。
【0005】
図1を参照すると、一般的にMTJセル(100)は、反磁性体(anti−ferroelectric)薄膜(101)、固定層(fixed layer)強磁性体薄膜(102)、トンネリング電流が流れる薄い絶縁層(103)および自由層(free layer)強磁性体薄膜(104)で形成される。
【0006】
ここで、固定層(fixed layer)強磁性体薄膜(102)は、磁化方向が一方向で固定されている。また、反磁性体薄膜(101)は、固定層強磁性体薄膜(102)の磁化方向が変わらないように固定する役割をする。このような固定層強磁性体薄膜の磁化方向が変わらないようにするためにSAF(synthetic antiferromagnet)構造を形成したりもする。一方、可変層強磁性体薄膜(104)は、外部磁場によって磁化方向が変わる。また、可変層強磁性体薄膜(104)の磁化方向によって“0”または“1”のデータを記憶することができる。このようなMTJセル(100)に垂直方向に電流が流れる場合、薄い絶縁層(103)を介したトンネリング電流が発生するようになる。この時、固定層強磁性体薄膜(102)と可変層強磁性体薄膜(104)の磁化方向が反対である場合には、小さいトンネリング電流が流れるようになる。
【0007】
このような現象をTMR(Tunneling Magnetoresistance:トンネル磁気抵抗)効果と言う。このトンネリング電流の大きさを感知することで自由層強磁性体薄膜(104)の磁化方向を知ることができ、セルに格納されたデータを読み出すことができるようになる。
【0008】
図2は、従来の磁気抵抗メモリセルと対応する磁気抵抗メモリの断面図である。
【0009】
図2を参照すると、電界効果トランジスタ(204)のソース領域(205)の上部に接地線(207)が形成され、ゲートの上部に読み出しワード線(201)が形成される。また、ドレイン領域(206)の上部には第1導電層(208)、コンタクトプラグ(209)、第2導電層(210)およびコンタクトプラグ(211)が順に形成されている。また、書き込みワード線(203)の上部に連結層(212)が形成され、連結層(212)の上部にMTJセル(100)とビット線(202)がステック(stack)形式で形成されている。
【0010】
読み出しワード線(201)は、データの読み込み(リード(read))時に用いられる。書き込みワード線(203)は、電流の印加によって外部磁場を形成してMTJセル(100)内の自由層強磁性体薄膜(104)の磁化方向の変化によってデータを格納することができるようにする。ビット線(202)は、MTJセル(100)に垂直方向に電流を印加して自由層強磁性体薄膜(104)の磁化方向を知ることができるようにする。このような構成を有する従来のMRAMは、リード時に読み出しワード線(201)に電圧を加えて電界効果トランジスタ(204)を動作させる。また、ビット線(202)に電流を印加した後、MTJセル(100)に流れる電流の大きさを感知する。また、ライト(write)時には電界効果トランジスタ(204)をオフ状態で維持しながら、書き込みワード線(203)とビット線(202)に電流を印加させる。そして、これによって発生する外部磁場によってMTJセル(100)自由層の磁化方向を変化させる。
【0011】
図3は、従来のMRAMセルアレイ(cell array)を示した図面である。
【0012】
図3を参照すると、従来のMRAMは、一つのスイッチング素子トランジスタTと一つのMTJを有する1T+1MTJ構造を有する。具体的に、MRAMセルは、複数のワード線WL1〜WL4と複数のビット線BL1、BL2およびこれらによって選択されるセル(301)を備え、複数のビット線BL1、BL2とそれぞれ連結されるセンシングアンプ(sensing amp)SA1、SA2を備える。このような構造を有する従来のMRAMセルは、ワード線WL選択信号によってセルが選択され、スイッチング素子Tを介してMTJに一定電圧が加えられると、MTJの極性によってビット線BLに流れるセンシング電流が異なるようになる。従って。このセンシング電流をセンスアンプSAによって増幅させることでデータをリードすることができるようになる。
【0013】
このような従来の磁気抵抗メモリは、接地線(207)、読み出しワード線(201)、書き込みワード線(203)およびビット線(202)から成り、セル当り計4つの独立的な金属配線が構成されるため配線構造が複雑である。従って、このような構造の磁気抵抗メモリの単位面積は8Fとなり、比較的大きい面積を有する。また、従来の磁気抵抗メモリは、セルが占める有効面積が大きくなってメモリ素子の集積度が低下し、セルの設計側面においても不利な特性を有するようになる。なお、8Fは磁気抵抗メモリの加工寸法である。
【0014】
金属強磁性体薄膜を用いたMRAMでは、メモリセルのサイズが小さくなると磁化反転で必要とする電流磁界が増加する。これが、金属強磁性体を用いた従来のMRAMの大容量化に伴う課題であった。
【0015】
また、上述したように動作する従来の磁気抵抗メモリは、一つのセルが1T+1MTJ構造を有するためセル構造が複雑である。一つのセルがトランジスタTとMTJを別途で備えるため複雑な構造のセルを具現するための工程が困難である。
【0016】
また、従来のMRAMセルは、上述した構造的問題によるセル当りの金属配線の増加は、集積度を高めるのに限界要因として作用するという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するために案出されたものであって、ナノワイヤを経て第1電極から第2電極に流れるワード線電流によって磁性ナノドットが摂動(perturbation)された後に再配列される過程で形成される誘導電流の大きさを制御し、前記ナノ磁気メモリセルに複数のデータを書き込みまたは読み出すことを特徴とするナノ磁気メモリ素子を提供して簡単なナノ磁気メモリ素子を提供することで、セルサイズの負担が小さいメモリ素子を具現して集積度を向上しようとすることを目的とする。
【0018】
また、本発明は、磁気メモリ素子のセルが占める有効面積を小さくすることでメモリ素子の集積度を向上させ、セルの設計側面において有利な特性を有するようにすることを他の目的とする。
【0019】
また、本発明は、従来の金属強磁性体薄膜を用いたMRAMにおける磁化反転に必要な電流磁界問題を解決することで、メモリ素子の大容量化が可能なナノ磁気メモリ素子を提供することを更に他の目的とする。
【0020】
また、本発明は、従来のメモリ素子が有する複雑なセル構造を解決することで、メモリ素子のセル具現のための工程の単純化を提供することを更に他の目的とする。
【0021】
また、本発明は、セル当りの金属配線の減少によるメモリ素子の集積度を高めることを更に他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記目的を達成し、上述した従来技術の問題点を解決するために、本発明は、絶縁基板上に積層された第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に形成された第1電極および第2電極と、前記第1電極と前記第2電極を連結して前記第1絶縁層の上部に積層されるナノワイヤ(nano wire)と、前記ナノワイヤ上部に形成された一つ以上の磁性ナノドット(dot)と、前記磁性ナノドット上部に積層された第2絶縁層と、前記第2絶縁層の上部に積層された磁性体薄膜層を含むナノ磁気メモリセルとを備え、前記第1電極から前記ナノワイヤを経て前記第2電極に流れるワード線電流によって前記磁性ナノドットが摂動(perturbation)された後に再配列されて形成される誘導電流の大きさを制御し、前記ナノ磁気メモリセルに複数のデータを書き込みまたは読み出すことを特徴とするナノ磁気メモリ素子を提供する。
【0023】
本発明の一側によると、同一の第1ビット線と複数のナノ磁気メモリセルの第1電極が連結された複数のナノ磁気メモリセルを備え、複数のMOS(Metal−Oxide−Silicon)トランジスタそれぞれのドレインは前記複数のナノ磁気メモリセルの第2電極と連結され、前記複数のMOSトランジスタそれぞれのソースは第2ビット線に連結され、それぞれのゲートはそれぞれ相違したワード線と連結されることを特徴とするナノ磁気メモリ素子が提供される。
【0024】
本発明の更に他の一側によると、同一のビット線と連結された複数のナノ磁気メモリセルを備え、前記複数のナノ磁気メモリセルの第1電極は前記ビット線と連結され、前記複数のナノ磁気メモリセルの第2電極はそれぞれ相違したワード線と連結され、前記ワード線はスイッチングトランジスタに連結されることを特徴とするナノ磁気メモリ素子が提供される。
【0025】
本発明の更に他の一側によると、絶縁基板上に第1絶縁層を積層する段階と、前記第1絶縁層の上に第1電極および第2電極を形成する段階と、前記第1電極と前記第2電極を連結して前記第1絶縁層の上部にナノワイヤ(nano wire)を積層する段階と、前記ナノワイヤ上部に一つ以上の磁性ナノドット(dot)を形成する段階と、前記磁性ナノドット上部に第2絶縁層を積層する段階と、前記第2絶縁層の上部に磁性体薄膜層を積層する段階とを含み、前記第1電極と第2電極の間に流れるワード線電流によって前記磁性ナノドットが摂動(perturbation)された後に再配列されて形成される誘導電流の大きさを制御し、前記ナノ磁気メモリセルに複数のデータを書き込みまたは読み出すことを特徴とするナノ磁気メモリ素子の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、ナノワイヤを経て第1電極から第2電極に流れるワード線電流によって磁性ナノドットが摂動(perturbation)された後に再配列される過程で形成される誘導電流の大きさを制御し、前記ナノ磁気メモリセルに複数のデータを書き込みまたは読み出すことを特徴とするナノ磁気メモリ素子を提供して簡単なナノ磁気メモリ素子を提供することで、セルサイズの負担が小さいメモリ素子を具現して集積度を向上させることができる。
【0027】
また、本発明によると、磁気メモリ素子のセルが占める有効面積を小さくすることでメモリ素子の集積度を向上させ、セルの設計側面において有利な特性を有するようにすることができる。
【0028】
また、本発明によると、従来の金属強磁性体薄膜を用いたMRAMにおける磁化反転に必要な電流磁界問題を解決することで、メモリ素子の大容量化が可能なナノ磁気メモリ素子を提供することができる。
【0029】
また、本発明によると、従来のメモリ素子が有する複雑なセル構造を解決することで、メモリ素子のセル具現のための工程を単純化することができる。
【0030】
また、本発明によると、セル当りの金属配線の減少によるメモリ素子の集積度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に対して詳しく説明する。
【0032】
図4は、本発明の一実施形態によるナノ磁気メモリ素子セルの断面図である。
【0033】
図4を参照すると、本発明によるナノ磁気メモリ素子セルは、磁性ナノドット(nano dot)(401)、絶縁基板(402)、絶縁体薄膜(403)、ナノワイヤあるいはナノチューブ(404)、第1電極(405)、第2電極(406)、および磁性体薄膜(407)を備える。
【0034】
絶縁基板(402)上に絶縁体薄膜(403)を積層(deposition)し、絶縁体薄膜(第1絶縁層)(403)の上に所定のリソグラフィ(lithography)過程を介して金属電極である第1電極(405)と第2電極(406)を形成する。第1電極(405)と第2電極(406)は、間を空けて形成されている。
【0035】
金属電極形成後、絶縁体薄膜上にナノワイヤ(404)あるいはナノチューブを所定の方法で積層させる。ナノワイヤ(404)上に絶縁体薄膜(408)積層後、磁性ナノドット(401)を形成させる。以後、磁性ナノドット(401)上に絶縁体薄膜(第2絶縁層)(409)を再び積層させ、絶縁体薄膜(409)上に磁性体薄膜(407)を積層させると、本発明によるナノ磁気メモリ素子セルが具現される。
【0036】
5ないし50ナノメートル範囲の直径を有する単分散(monodisperse)磁性粒子(例えば、コバルト)を製造する方法がMurrayなどの韓国特許出願99−27259号に記載されている。特に、このMurrayなどの特許においては、平均直径が8ないし10ナノメートルであり、大きさ分布の標準偏差が5%である磁性コバルト(Co)粒子の形成を開示している。また、50ナノメートルを超過しない直径を有する非常に規則的かつ周期的な配列を有する磁性粒子の層(単一層または多層)形態を製造する方法が韓国特許出願99−0028700号に記載されている。前記した方法や当業者によって周知されているその他の方法によって、磁性ナノドット(401)は形成が可能である。
【0037】
図5Aは、図4の点線方向のナノ磁気メモリ素子セルの断面構造図である。
【0038】
図4を参照して図5Aを説明すると次の通りである。図4の点線方向の断面は、絶縁基板(402)上に絶縁体薄膜(403)が積層され、絶縁体薄膜(403)上にナノワイヤ(404)を形成した後、ナノワイヤ(404)上に絶縁体薄膜(408)を積層し、絶縁体薄膜(408)上に磁性ナノドット(401)を形成する。再び磁性ナノドット(401)上に絶縁体薄膜(409)が積層され、その上に磁性体薄膜(407)が形成されている構造を有する。このような構造が1ビット単位セル(500)を形成し、1ビット単位セル(500)は規則的に羅列されたアレイ(array)形態で配置させることができる。前記ナノ磁気メモリ素子セルの製造方法については、図5Bで詳細に後述することにする。
【0039】
ナノワイヤ(404)は、半径が100ナノメートル以下であるアルミニウム(Al)、シリサイド(silicide)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)などの金属、酸化亜鉛(ZnO)、ケイ素(Si)などの半導体や有機性伝導体物質であったりする。前記シリサイドは金属シリサイド物質であって、Pt−Si、Ni−Si、Co−Si、Mo−Si、およびW−Siとなり得る。
【0040】
ナノワイヤ(404)の代わりにCNT(carbon nanotube:カーボンナノチューブ)がその役割を代行することもできる。CNTは機械的に容易に変形せず、化学的安全性と負電子親和力(negative electron affinity)が高いなどの長所を有すると共に、CNTからの電界放出特性は、真空度があまり良好でない環境でも安定した放出特性を有するものであると知られており、本発明のナノワイヤに代えて使用され得る。
【0041】
磁性ナノドット(401)は、Fe、Fe、Co、FePt、Ni、前記金属の酸化物、および亜鉄酸塩(ferrite:フェライト)よりなる群から選択されたいずれか一つの超常磁性粒子(superparamagnetic particle)であって、20ナノメートル以下の大きさを有するのが好ましい。なお、大きさの下限値については製造可能な大きさであればよい。
【0042】
磁性体薄膜(407)は、Fe、Fe、Co、FePt、Ni、前記金属の酸化物、または亜鉄酸塩(ferrite:フェライト)よりなる群から選択されたいずれか一つの強磁性体、強磁性体および反磁性体薄膜の積層薄膜、強磁性体薄膜の積層薄膜で形成されることができる。
【0043】
図5Bは、本発明の一実施形態によるナノ磁気メモリ素子セルを製造する方法を示した流れ図である。
【0044】
図5Bを参照すると、段階Iでは絶縁基板(402)を準備し、段階IIでは絶縁基板(402)上に絶縁体薄膜(403)を積層し、絶縁体薄膜(403)上にナノワイヤ(404)で形成される金属薄膜を蒸着する。絶縁体薄膜(403)はSiO、Al、Si、SiONなどの材料が用いられ得るし、絶縁体薄膜(403)の形成はALD、PVD、CVD、またはPLDなどの蒸着方法が可能である。また、絶縁体薄膜(403)の厚さは5nmないし10nmであることが好ましい。
【0045】
段階IIIではフォトリソグラフィ(photolithography)と所定のエッチング(etching)過程を経て、断面が四角形である金属ナノ配線(404)を形成する。四角形はエッチング過程の特性によって発生し得る形態である。以後、段階IVでは熱処理(heat treatment)過程を介して、金属ナノ配線(404)の表面張力(surface tension)によって金属ナノ配線(404)は円形あるいは半楕円形のナノワイヤ形態に加工が可能である。しかし、金属ナノ配線(404)が四角形であっても、本発明によるナノ磁気メモリ素子セルを具現するのに問題なく使用が可能である。また、ナノ配線(404)は、半径が100ナノメータ以下であるアルミニウム(Al)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)などの金属、酸化亜鉛(ZnO)、ケイ素(Si)などの半導体やシリサイド(silicide)、また有機性伝導体物質であったりする。
【0046】
また、ナノワイヤ(配線)(404)の代わりにCNT(carbon nanotube:カーボンナノチューブ)がその役割を行うこともできる。CNTは機械的に容易に変形せず、科学的安定性と負電子親和力(negative electron affinity)が高いなどの長所を有すると共に、CNTからの電界放出特性は、真空度があまり良好でない環境でも安定した放出特性を有するものとして知られており、本発明のナノワイヤの代わりに使用され得ることは上述した通りである。
【0047】
段階Vでは金属ナノ配線(404)が形成された絶縁体薄膜(403)上に再び絶縁体薄膜(408)を蒸着する。絶縁体薄膜(408)はSiO、Al、Si、SiONなどの材料が用いられ得るし、絶縁体薄膜(408)の形成はALD、PVD、CVD、またはPLDなどの蒸着方法が可能である。また、絶縁体薄膜(408)の厚さは5nmないし100nmであることが好ましい。
【0048】
段階VIではコロイド(colloidal)法により均一に製造された超常磁性体ナノドット(superparamagnetic nanodot)を絶縁体薄膜(408)上に形成する。磁性ナノドット(401)はFe、Fe、Co、FePt、Ni、前記金属の酸化物、または亜鉄酸塩(ferrite:フェライト)のいずれか一つ以上である超常磁性体粒子(superparamagnetic particle)であって、20ナノメータ以下であることが好ましく、これは上述した通りである。
【0049】
段階VIIでは磁性ナノドット(401)上に再び絶縁体薄膜(409)を蒸着する。絶縁体薄膜(409)はSiO、Al、Si、SiONなどの材料が用いられ得るし、絶縁体薄膜(408)の形成はALD、PVD、CVD、またはPLDなどの蒸着方法が可能である。
【0050】
段階VIIIでは絶縁体薄膜(409)上に磁性体薄膜(407)を塗布し、段階IXでは所定のフォトリソグラフィ過程を介して所望するパターンを磁性体薄膜(407)に形成させる。
【0051】
以後、段階Xで再び絶縁体薄膜(409)を磁性体薄膜(407)上に積層し、段階XIで磁性体薄膜(407)の表面まで絶縁体薄膜(409)を除去すると、本発明によるナノ磁気メモリ素子セルを製造することができる。
【0052】
図6は、本発明の一実施形態によるナノ磁気メモリ素子の書き込みモード(ライト(write)モード)における動作を説明するための図面である。
【0053】
図6を参照すると、第1電極(405)に正の方向の電流パルス信号(current pulse signal)(603)が印加されてナノワイヤ(404)に前記方向の信号が流れるようになると、ナノワイヤあるいは炭素ナノチューブに流れる電流I(603)によって誘導される磁場(magnetic field)Hと磁気誘導(magnetic induction)Bは[数1]の通りである。
【0054】
【数1】

【0055】
前記[数1]において、r(607)は電流が流れるナノワイヤの中心からの距離である。前記[数1]のMは磁性体薄膜(407)のmagnetizationを示す。
【0056】
再び図6を参照すると、ナノワイヤ(404)に正の方向の電流パルス信号(603)が流れるようになると、ナノワイヤ周辺には、磁場H(605)は地面に出る方向を基準とする時に反時計回りで形成され、前記反時計回りで形成された磁場H(605)によって、強磁性体あるいは強磁性体と反磁性体を積層して構成された磁性体薄膜(407)が磁化され、誘導磁気モーメント(induced magnetic moment)(601)が図6に示された方向に誘導される。これと反対に、ナノワイヤ(404)に負の方向の電流パルス信号(604)が流れるようになると、ナノワイヤ周辺には、磁場H(606)は地面に出る方向を基準とする時に時計回りで形成され、その大きさは前記[数1]で示した通りである。前記時計回りに形成された磁場H(606)によって、磁性体薄膜(407)には誘導磁気モーメント(602)が図6に示された方向に誘導される。磁性体薄膜(407)に誘導された磁気モーメント(601)は、磁性体薄膜(407)の強磁性特性によって、ナノワイヤ(404)に電流パルス信号の印加後にも一定値が残留して残るため、本発明で上述したように、ナノワイヤ(404)に流れる電流による磁性体薄膜(407)に誘導される磁気モーメントの方向によってナノ磁気メモリ素子にデータを記録することができるようになる。
【0057】
図7は、図6のナノワイヤに流れる電流による磁性体薄膜にそれぞれ異なるデータが記録されたナノ磁気メモリ素子セルの状態を示した断面図である。
【0058】
図6を参照して図7を説明すると、左側のナノ磁気メモリ素子セル(710)(以下“1の状態ナノ磁気メモリ素子セル”とする)は、電極を介したナノワイヤあるいは炭素ナノチューブに正の方向に印加された電流パルスによって1の状態(711)が記録されたものであり、右側のナノ磁気メモリ素子セル(720)(以下“0の状態ナノ磁気メモリ素子セル”とする)は、電極を介したナノワイヤあるいは炭素ナノチューブに負の方向に印加された電流パルスによって0の状態(721)が記録された状態を示す。前記1の状態と0の状態は、実際の具現において反対に具現されることもあるということは当業者にとっては自明であるだろう。
【0059】
これは単純に、書き込み用の電流パルス信号を第1電極(405)に印加してナノワイヤ(404)を経て第2電極に流れるようにすることによって、従来のMRAMの金属配線数より少ない2つの配線のみを必要とすることができるため、ナノ磁気メモリ素子の集積度を高めることができる。また、磁気メモリ素子のセルが占める有効面積を小さくすることでメモリ素子の集積度を向上させ、セルの設計側面において有利な特性を有するようにすることもできる。また、従来の金属強磁性体薄膜を用いたMRAMにおける磁化反転に必要な電流磁界問題が解決されるため、メモリ素子の大容量化が可能なナノ磁気メモリ素子の製造が可能である。
【0060】
図8は、ナノ磁気メモリ素子セルに1の状態のデータを読み出すために印加された読み出し用の電流パルス信号とそれによる出力される電流パルス信号の変化を示した図である。
【0061】
図8は、図10を参照して詳しく説明することにする。
【0062】
図10は、正の方向の読み出し用の電流パルス信号が印加される時、データが記録された磁性体薄膜の影響による磁性ナノドットが摂動(perturbation)された後、所定の緩和時間(relaxation time:弛緩時間)経過によって磁気モーメントが再配列される過程を示したものである。
【0063】
図10を参照すると、段階(1010)では、磁性体薄膜(407)には1の状態の磁気モーメント(711)が記録されており、前記磁性体薄膜の磁気力線(magnetic flux)によって超常磁性体状態の磁性ナノドット(401)の磁気モーメントが並んで整列されている状態(1011)を示す。
【0064】
段階(1020)では、ナノワイヤ(404)に正の方向の読み出し用の電流パルス信号が印加される場合、印加された電流方向によってナノワイヤ周辺に磁場H(1021)が反時計回りで摂動(perturbation)され、形成された磁場H(1021)によってナノドットの磁気モーメント(1011)は反時計回りで再配列される。
【0065】
段階(1030)では、ナノワイヤ(404)に正の方向の読み出し用の電流パルス信号の印加が完了した後に磁性ナノドットの状態を示したものである。正の方向の読み出し用の電流パルス信号の印加が完了すると、段階(1020)で反時計回りで摂動(perturbation)された磁性ナノドットの磁気モーメント(101)は、段階(1010)において最初に配列された状態に再配列される。摂動された状態から最初に配列された状態に復旧する時間、すなわち緩和時間(relaxation time:弛緩時間)に対して磁性ナノドットの磁気モーメント変化によって誘導電流がナノワイヤに発生するようになる。
【0066】
誘導電流が発生する過程を説明すると次の通りとなる。磁気モーメントの変化は電流の発生と関連があるが、これはMaxwell方程式で説明することができる。
【0067】
【数2】

【0068】
前記[数2]で、Jは電流密度(current density)、σは電気伝導度(electric conductivity)、Mは磁化(magnetization)を示す。前記[数2]は、磁気モーメントの変化量によるナノワイヤに誘導される電流が超常磁性体状態の磁性ナノドットの磁気モーメントが摂動された後に再配列される時間の変化による変化量と関連があることを示す。マイナス符号は、誘導される電流は磁場の変化を妨害する方向に生成されることを意味するレンツ(Lenz)の法則を意味する。
【0069】
磁性ナノドットの磁気モーメントの時間の変化は、緩和時間(relaxation time)τと関連があるが、緩和時間は[数3]のように表現されることができる。
【0070】
【数3】

【0071】
前記[数3]で、τは緩和時間定数(relaxation time constant)、Wは障壁エネルギー(barrier energy)、Kはボルツマン定数(Boltzman constant)、Tは温度を示す。また、障壁エネルギーWは[数4]のように表現されることができる。
【0072】
【数4】

【0073】
前記[数4]で、Wmaxは[数5]のように、Wminは[数6]のように表現されることができる。
【0074】
【数5】

【0075】
【数6】

【0076】
前記[数5]、[数6]で、Kはeffective anisotropy constantであり、Bは磁性体薄膜(407)に形成された磁気誘導(magnetic induction)、Vは磁性ナノドット(401)の磁気体積(magnetic volume)を示す。また、Mはナノドット(401)層の飽和(saturation)磁化を示す。
【0077】
前記[数5]、[数6]から磁性体薄膜(407)に形成された磁気誘導Bと摂動されて形成された磁化(magnetization)Mが逆並行(anti−parallel)すると、前記[数4]で、Wは[数7]のように表現されることができるであろう。
【0078】
【数7】

【0079】
が前記[数7]のように表現されると、これは相対的に小さいWとなる。また、前記[数3]で、相対的に小さい緩和時間τ、すなわち速い緩和を引き起こすことを意味するようになり、速い緩和時間は、前記[数3]で大きい値の電流を誘導するであろう。
【0080】
しかし、磁性体薄膜(407)に形成された磁気誘導Bと摂動されて形成された磁化(magnetization)Mが平行(parallel)すると、前記[数4]で、Wは[数8]のように表現されることができるであろう。
【0081】
【数8】

【0082】
が前記[数8]のように表現されると、これは相対的に大きい値のWとなる。また、前記[数3]で、相対的に大きい緩和時間τ、すなわち遅い緩和を引き起こすことを意味するようになり、遅い緩和時間は、前記[数2]で小さい値の電流を誘導するであろう。
【0083】
再び図7を参照すると、ナノ磁気メモリ素子セルに1の状態データ(810)を読み出すために印加された読み出し用の電流パルス信号(820)のうち、正の方向への電流パルスが印加された場合には、図10で詳述したように、磁性体薄膜(407)に形成された磁気誘導Bと摂動されて形成された磁化(magnetization)Mが平行(parallel)するようになる。これは、相対的に大きい値のWおよび遅い緩和時間を引き起こし、[数2]で小さい値の電流を誘導し、レンツの法則によって方向は正の方向に電流が誘導されるであろう。従って、第2電極に出力される電流には、前記方向および大きさで誘導された電流パルス(831)が存在するようになるであろう。
【0084】
一方、ナノ磁気メモリ素子セルに1の状態データ(810)を読み出すために印加された読み出し用の電流パルス信号(820)のうち、負の方向への電流パルスが印加された場合には、図10で詳述したように、磁性体薄膜(407)に形成された磁気誘導Bと摂動されて形成された磁化(magnetization)Mが逆並行(anti−parallel)するようになる。これは、相対的に小さい値のWおよび速い緩和時間を引き起こし、[数2]で大きい値の電流を誘導し、レンツの法則によって方向は正の方向に電流が誘導されるであろう。従って、第2電極に出力される電流には、前記方向および大きさで誘導された電流パルス(832)が存在するようになるであろう。
【0085】
前記出力される電流パルス波形(830)の正の方向電流印加の後に誘導される電流波形(831)と負の方向電流印加の後に誘導される電流波形(832)の大きさを分析することで、磁性体薄膜に記録されているデータを読み出すことができる。
【0086】
図9は、ナノ磁気メモリ素子セルに0の状態のデータを読み出すために印加された読み出し用の電流パルス信号とそれによる出力される電流パルス信号の変化を示した図である。
【0087】
図9を参照すると、ナノ磁気メモリ素子セルに0の状態データ(910)を読み出すために印加された読み出し用の電流パルス信号(920)のうち、正の方向への電流パルスが印加された場合には、図10で詳述したように、磁性体薄膜(407)に形成された磁気誘導Bと摂動されて形成された磁化(magnetization)Mが逆並行(anti−parallel)するようになる。これは、相対的に小さい値のWおよび速い緩和時間を引き起こし、[数2]で大きい値の電流を誘導し、レンツの法則によって方向は負の方向に電流が誘導されるであろう。従って、第2電極に出力される電流には、前記方向および大きさで誘導された電流パルス(931)が存在するようになるであろう。
【0088】
一方、ナノ磁気メモリ素子セルに1の状態データ(910)を読み出すために印加された読み出し用の電流パルス信号(920)のうち、負の方向への電流パルスが印加された場合には、図10で詳述したように、磁性体薄膜(407)に形成された磁気誘導Bと摂動されて形成された磁化(magnetization)Mが平行(parallel)するようになる。これは、相対的に大きい値のWおよび遅い緩和時間を引き起こし、[数2]で小さい値の電流を誘導し、レンツの法則によって方向は負の方向に電流が誘導されるであろう。従って、第2電極に出力される電流には、前記方向および大きさで誘導された電流パルス(932)が存在するようになる。
【0089】
前記出力される電流パルス波形(930)の正の方向電流印加の後に誘導される電流波形(931)と負の方向電流印加の後に誘導される電流波形(932)の大きさを分析することで、磁性体薄膜に記録されているデータを読み出すようになる。
【0090】
図11は、本発明の一実施形態によるナノ磁気メモリ素子セルアレイ(array)が具現されたNORタイプの高集積メモリ回路を示したものである。
【0091】
図11を参照すると、同一の第1ビット線(1140)と複数のナノ磁気メモリセル(1110)の第1電極(405)が連結された複数のナノ磁気メモリセル(1110)を備え、複数のMOS(Metal−Oxide−Silicon)トランジスタ(1120)それぞれのドレインは前記複数のナノ磁気メモリセルの第2電極(406)と連結され、前記複数のMOSトランジスタ(1120)それぞれのソースは第2ビット線(1150)に連結され、それぞれのゲートはそれぞれ相違したワード線(1130)と連結されている構造である。本発明の当業者であれば周知のように、ワード線とビット線によってナノ磁気メモリセルを選択した後、上述したような読み取り/書き込み過程を経ることができる。
【0092】
図12は、本発明の一実施形態によるナノ磁気メモリ素子セルアレイ(array)が具現されたクロスポイント(Cross−point)構造の高集積メモリ回路を示したものである。
【0093】
図12を参照すると、同一のビット線(1240)と連結された複数のナノ磁気メモリセル(1210)を備え、前記複数のナノ磁気メモリセルの第1電極(405)は前記ビット線(1240)と連結され、前記複数のナノ磁気メモリセルの第2電極(406)はそれぞれ相違したワード線(1230)と連結され、前記ワード線(1230)はセレクション(selection)トランジスタ(1220)に連結されている構造である。セレクション(selection)トランジスタによって所定のナノ磁気メモリセルが選択され、ワード線とビット線を介して上述したようにデータの読み取りおよび書き込みが可能である。
【0094】
以上のように、本発明を上述した実施形態と図面によって説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、本発明が属する分野において通常の知識を有する者にとっては、このような記載から多様な修正および変形が可能である。
【0095】
よって、本発明の範囲は、説明された実施形態に限定されてはならず、添付の特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものなどによって定められなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】従来の磁気抵抗メモリの多層磁性体薄膜構造であって、MTJ(Magnetic Tunnel Junction:磁気トンネル接合)セルの断面図である。
【図2】従来の磁気抵抗メモリセルと対応する磁気抵抗メモリの断面図である。
【図3】従来のMRAMセルアレイ(cell array)を示した図である。
【図4】本発明の一実施形態によるナノ磁気メモリ素子セルの断面図である。
【図5A】図4の点線方向のナノ磁気メモリ素子セルの断面構造図である。
【図5B】本発明の一実施形態によるナノ磁気メモリ素子セルを製造する方法を示した流れ図である。
【図6】本発明の一実施形態によるナノ磁気メモリ素子のライトモードにおける動作を説明するための図である。
【図7】図6のナノワイヤに流れる電流による磁性体薄膜にそれぞれ異なるデータが記録されたナノ磁気メモリ素子セルの状態を示した断面図である。
【図8】ナノ磁気メモリ素子セルに1の状態のデータを読み出すために印加された読み出し用の電流パルス信号とそれによる出力される電流パルス信号の変化を示した図である。
【図9】ナノ磁気メモリ素子セルに0の状態のデータを読み出すために印加された読み出し用の電流パルス信号とそれによる出力される電流パルス信号の変化を示した図である。
【図10】正の方向の読み出し用の電流パルス信号が印加される時、データが記録された磁性体薄膜の影響による磁性ナノドットが摂動(perturbation)された後、所定の緩和時間(relaxation time:弛緩時間)の経過によって磁気モーメントが再配列される過程を示した図である。
【図11】本発明の一実施形態によるナノ磁気メモリ素子セルアレイ(array)が具現されたNORタイプの高集積メモリ回路を示した図である。
【図12】本発明の一実施形態によるナノ磁気メモリ素子セルアレイ(array)が具現されたCross−pointタイプの高集積メモリ回路を示した図である。
【符号の説明】
【0097】
401…磁性ナノドット、
402…絶縁基板、
403…絶縁体薄膜、
404…ナノワイヤあるいは炭素ナノチューブ、
405…第1電極、
406…第2電極、
407…磁性体薄膜、
408…絶縁層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板上に積層された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に形成された第1電極および第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極を連結して前記第1絶縁層の上部に積層されたナノワイヤと、
前記ナノワイヤ上部に形成された一つ以上の磁性ナノドットと、
前記磁性ナノドット上部に積層された第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上部に積層された磁性体薄膜層と、
を含むナノ磁気メモリセルを備え、
前記第1電極から前記ナノワイヤを経て第2電極に流れるワード線電流によって前記磁性ナノドットが摂動された後に再配列されて形成される誘導電流の大きさを制御し、前記ナノ磁気メモリセルに複数のデータを書き込みまたは読み出すことを特徴とするナノ磁気メモリ素子。
【請求項2】
前記ナノワイヤは、アルミニウム、金、銅、および白金からなる群から選択されたいずれか一つ以上の金属、酸化亜鉛、ケイ素からなる半導体、シリサイド、または有機伝導体物質のうち、少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のナノ磁気メモリ素子。
【請求項3】
前記ナノワイヤは、100ナノメートル以下の半径を有することを特徴とする請求項1に記載のナノ磁気メモリ素子。
【請求項4】
前記磁性ナノドットは、Fe、Fe、Co、FePt、Ni、前記金属の酸化物、および亜鉄酸塩からなる群から選択されたいずれか一つ以上の超常磁性体粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載のナノ磁気メモリ素子。
【請求項5】
前記磁性ナノドットは、20ナノメートル以下の大きさを有することを特徴とする請求項1に記載のナノ磁気メモリ素子。
【請求項6】
前記磁性体薄膜が、Fe、Fe、Co、FePt、Ni、前記金属の酸化物、および亜鉄酸塩からなる群から選択されたいずれか一つ以上の強磁性体、または前記強磁性体の組み合わせから成る複合層、または前記強磁性体と反強磁性体物質との複合層を含むことを特徴とする請求項1に記載のナノ磁気メモリ素子。
【請求項7】
同一の第1ビット線と複数のナノ磁気メモリセルの第1電極が連結された複数のナノ磁気メモリセルと、
複数のMOSトランジスタと、を備え、
前記複数のMOSトランジスタそれぞれのドレインは、前記複数のナノ磁気メモリセルの第2電極と連結され、前記複数のMOSトランジスタそれぞれのソースは第2ビット線に連結され、それぞれのゲートはそれぞれ相違したワード線と連結されていることを特徴とするナノ磁気メモリ素子。
【請求項8】
同一のビット線と連結された複数のナノ磁気メモリセルを備え、
前記複数のナノ磁気メモリセルの第1電極は前記ビット線と連結され、前記複数のナノ磁気メモリセルの第2電極はそれぞれ相違したワード線と連結され、前記ワード線はセレクショントランジスタに連結されることを特徴とするナノ磁気メモリ素子。
【請求項9】
前記複数のナノ磁気メモリセルは、絶縁基板上に積層された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に形成された第1電極および第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極を連結して絶縁層の上部に積層されるナノワイヤと、
前記ナノワイヤ上部に形成された一つ以上の磁性ナノドットと、
前記磁性ナノドット上部に積層された第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上部に積層された磁性体薄膜層と、
を含むことを特徴とする請求項7または8に記載のナノ磁気メモリ素子。
【請求項10】
前記ナノワイヤは、アルミニウム、金、銅、および白金からなる群から選択されたいずれか一つ以上の金属、酸化亜鉛、ケイ素からなる半導体、シリサイド、または有機伝導体物質のうち、少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項9に記載のナノ磁気メモリ素子。
【請求項11】
前記ナノワイヤは、100ナノメートル以下の半径を有することを特徴とする請求項9に記載のナノ磁気メモリ素子。
【請求項12】
前記磁性ナノドットは、Fe、Fe、Co、FePt、Ni、前記金属の酸化物、および亜鉄酸塩からなる群から選択されたいずれか一つ以上の超常磁性体粒子を含むことを特徴とする請求項9に記載のナノ磁気メモリ素子。
【請求項13】
前記磁性ナノドットは、20ナノメートル以下の大きさを有することを特徴とする請求項9に記載のナノ磁気メモリ素子。
【請求項14】
前記磁性体薄膜は、Fe、Fe、Co、FePt、Ni、前記金属の酸化物、および亜鉄酸塩からなる群から選択されたいずれか1つ以上の強磁性体、または前記強磁性体の組み合わせから成る複合層、または前記強磁性体と反強磁性体物質との複合層を含むことを特徴とする請求項9に記載のナノ磁気メモリ素子。
【請求項15】
絶縁基板上に第1絶縁層を積層する段階と、
前記第1絶縁層の上に第1電極および第2電極を形成する段階と、
前記第1電極と前記第2電極を連結して前記第1絶縁層の上部にナノワイヤを積層する段階と、
前記ナノワイヤ上部に一つ以上の磁性ナノドットを形成する段階と、
前記磁性ナノドット上部に第2絶縁層を積層する段階と、
前記第2絶縁層の上部に磁性体薄膜層を積層する段階と、
を含み、
前記第1電極から前記ナノワイヤを経て第2電極に流れるワード線電流によって前記磁性ナノドットが摂動された後に再配列されて形成される誘導電流の大きさを制御し、前記ナノ磁気メモリセルに複数のデータを書き込みまたは読み出すことを特徴とするナノ磁気メモリ素子の製造方法。
【請求項16】
前記ナノワイヤは、アルミニウム、金、銅、および白金からなる群から選択されたいずれか一つ以上の金属、酸化亜鉛、ケイ素からなる半導体、シリサイド、または有機伝導体物質のうち、少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項15に記載のナノ磁気メモリ素子の製造方法。
【請求項17】
前記ナノワイヤは、100ナノメートル以下の半径を有することを特徴とする請求項15に記載のナノ磁気メモリ素子の製造方法。
【請求項18】
前記磁性ナノドットは、Fe、Fe、Co、FePt、Ni、前記金属の酸化物、および亜鉄酸塩からなる群から選択されたいずれか一つ以上の超常磁性体粒子を含むことを特徴とする請求項15に記載のナノ磁気メモリ素子の製造方法。
【請求項19】
前記磁性ナノドットは、20ナノメートル以下の大きさを有することを特徴とする請求項15に記載のナノ磁気メモリ素子の製造方法。
【請求項20】
前記磁性体薄膜は、Fe、Fe、Co、FePt、Ni、前記金属の酸化物、および亜鉄酸塩からなる群から選択されたいずれか一つ以上の強磁性体、または前記強磁性体の組み合わせから成る複合層、または前記強磁性体と反強磁性体物質との複合層を含むことを特徴とする請求項15に記載のナノ磁気メモリ素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−273952(P2007−273952A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12009(P2007−12009)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】