説明

ナビゲーション装置、経路案内方法、経路案内プログラム、および記録媒体

【課題】 リルート検索したとき、目的地点への到着時刻等の誤差等(誤差時間・誤差距離)を知ることのできるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 ナビゲーション装置79の制御部1は、マップデータを用い、逸脱地点から最適ルートを経て、再合流地点までの第1走行距離を求めるとともに、マップデータを用い、逸脱地点から、現在地点およびリルートを経て、再合流地点までの第2走行距離を求める。そして、制御部1は、上記の第1走行距離と第2走行距離との差分である差分距離(ロス予測距離)を表示させるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一度案内された経路(最適ルート)から逸脱した場合、逸脱地点から再度、経路案内(リルート探索)が行われるナビゲーション装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、ナビゲーション装置を備えた車両では、ユーザーは、ナビゲーション装置によって案内される経路にしたがって、車両を走行させる。しかしながら、ナビゲーション装置によって案内される経路よりも、自分の知っている経路の方が短時間で目的地に行けると判断した場合や、経路を誤って走行した場合等、案内される最適ルートから逸脱してしまう場合がある。
【0003】
このように、車両が最適ルートから外れたとき、車両の逸脱地点から自動的に再検索を行う、リルート探索機能を有したナビゲーション装置が存在する(特許文献1等)。
【特許文献1】特開2003−139554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような特許文献1のナビゲーション装置では、リルート探索機能により導き出された新たな経路と、先に導き出されていた最適ルートとで、到着時間にどの程度の時間差が生じるのかが不明である。そのため、ユーザーは、最適ルートから外れてしまったために、どの程度、目的地への到着時間等が狂ってしまったかを判断しづらい。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、最適ルートから外れたことに起因する時間誤差や距離誤差等をユーザーに知らしめるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも位置および速度を検出する位置検出ユニットと、マップデータ上に位置する目的地点までの第1誘導経路を探索する目的ルート探索、および、上記位置検出ユニットの検出位置が上記第1誘導経路から逸脱した場合、逸脱後の現在地点から上記第1誘導経路へと戻る再合流地点までの第2誘導経路を探索するリルート探索を行う制御部と、上記の誘導経路を報知する報知部と、を備えたナビゲーション装置であって、上記制御部は、上記マップデータを用い、上記逸脱地点から上記第1誘導経路を経て、上記再合流地点までの第1走行距離を求めるとともに、上記マップデータを用い、上記逸脱地点から、上記現在地点および上記第2誘導経路を経て、上記再合流地点までの第2走行距離を求め、上記の第1走行距離および第2走行距離の少なくとも一方を上記報知部によって、報知させることを特徴としている。
【0007】
その上、さらに、上記制御部は、上記の第1走行距離と第2走行距離との差分である差分距離を報知させることが好ましい。
【0008】
また、本発明のナビゲーション装置では、さらに、上記制御部は、上記位置検出ユニットでの検出速度および上記マップデータを用い、上記逸脱地点から上記第1誘導経路を経て、上記再合流地点までを走行するのに要する第1走行時間を求めるとともに、上記検出速度および上記マップデータを用い、上記逸脱地点から、上記現在地点および上記第2誘導経路を経て、上記再合流地点までを走行するのに要する第2走行時間を求め、上記の第1走行時間および第2走行時間の少なくとも一方を上記報知部によって、報知させることが好ましい。
【0009】
その上、さらに、上記制御部は、上記の第1走行時間と第2走行時間との差分である差分時間を報知させることが好ましい。
【0010】
なお、上記再合流地点は、上記第1誘導経路における中途地点、または、上記目的地点となっている。
【0011】
これによると、ユーザーは第1誘導経路からはずれたために、どの程度目的地点への到着時刻等に誤差が生じるかを認識することができる。また、誤差時間(差分時間)や誤差距離(差分距離)を参照することによって、例えば目的地点に至るまでに行くつもりであった経由地点を経由して目的地点へ行くか、経由地点を経由することなく目的地点へと行くかを選択することができる。つまり、本発明のナビゲーション装置は、誘導経路の選択の判断材料を数多く提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、ユーザーは第1誘導経路からはずれたために、どの程度目的地点への到着時刻等に誤差が生じるかを認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
[実施の形態1]
〔ナビゲーション装置等の構成について〕
図2は、車両(不図示)に搭載されたナビゲーション装置79の構成を示すブロック図である。
【0014】
この図2に示すように、ナビゲーション装置79は、少なくとも、位置センサー群(車両位置検出ユニット)19、メディア放送受信部21、HDD(記憶部)22、モニター(報知部)3、スピーカー(報知部)4、操作ボタン群(入力部)5、タイマー(経過時間測定部)6、内蔵電池23、RAM(Random Access Memory)24、ROM(Read Only Memory)25、および制御部1を含むように構成されている。
【0015】
位置センサー群19は、速度検出部11、GPS(Global Positioning System)測位部12、ジャイロスコープ13、距離検出部14、および地磁気検出部15を含むように構成されている。
【0016】
速度検出部11は、車両に備え付けられた車軸の回転状態に基づいて速度を検出するものであり、GPS測位部12は、GPS衛星からの電波信号(GPS信号)を利用し、車両の緯度・経度・高度等を特定するものである。
【0017】
ジャイロスコープ13は、GPS衛星からの電波を受信できない場合の補助手段として組み込まれているものであり、前後・左右・上下と3方向に対応する軸を用い、基準点からの相対位置を求めるものである。
【0018】
距離検出部14は、車両の前後方向の加速度等から走行距離を検出するものであり、地磁気検出部15は、地磁気から車両の進行方向を検出するものである。
【0019】
また、メディア放送受信部21は、メディア放送受信アンテナを介して、TV(TeleVision)放送局やラジオ放送局から送信されてくるTV放送信号やラジオ放送信号を受信するものである。
【0020】
HDD(Hard Disk Drive)22は、地図情報(マップデータ)やTV放送信号・ラジオ放送信号に基づく映像情報・音声情報(映像音声情報)等を記憶するものである。なお、マップデータ等の記憶するものとして、HDD22に限らず、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)等であっても構わない。
【0021】
モニター(表示部)3は、例えば液晶パネルから構成されるものであり、地図情報やTV放送信号に基づく映像情報等を表示するものである。
【0022】
スピーカー(放音部)4は、TV放送信号やラジオ放送信号に基づく音声情報等を放音したり、ナビゲーションの案内音声等を放音したりするものである。
【0023】
タイマー6は、経過時間を測定するものであり、例えば、最適ルート(後述)から逸脱した後の経過時間を測定するようになっている。
【0024】
操作ボタン群(操作部)5は、少なくとも、ナビ/TVキー50、録画開始キー51a、録画停止キー51b、地図拡大キー52a、地図縮小キー52b、経路設定キー53、戻りルートキー54、全ルートキー55、音量増加キー56a、音量減少キー56b、および4方向キー57・ENTERキー58、を含むように構成されている。なお、操作ボタン群5は、操作ボタン5と表現してもよい。
【0025】
ナビ/TVキー50は、モニター3上に、ナビゲーション装置79によるナビゲーション情報等(ナビ設定画面や地図情報等)を表示させるか、TV放送の映像情報等を表示させるか否かを決定するものである。
【0026】
録画開始キー51a・録画停止キー51bは、映像音声情報等をHDD22に録画を開始させるか録画を停止させるかを決定するためのものである。
【0027】
地図拡大キー52a・地図縮小キー52bは、ナビゲーション(経路案内)に使用される地図画像(マップデータ)を拡大させるか縮小させるかを決定させるものである。
【0028】
経路設定キー53は、ユーザーの行きたい場所(すなわち目的地点)の情報を入力させ、その目的地点に応じた最適な経路(最適ルート)の探索を開始させるものである。
【0029】
戻りルートキー54は、最適ルートからはずれた場合、その地点(逸脱地点)から最適ルートまでに戻るルート(戻りルート)をモニター3上に表示させるものである。
【0030】
全ルートキー55は、最適ルートからはずれた場合、その地点(逸脱地点)から目的地点までの全てのルート(全ルート)をモニター3上に表示させるものである。
【0031】
音量増加キー56a・音量減少キー56bは、制御部1に対して、音声情報に基づく音量を増加あるいは減少(UP/DOWN)させるか否かを決定させるものである。
【0032】
4方向キー57・ENTERキー58は、各種操作(例えば進行方向表示等)を行わせるものである。
【0033】
また、内蔵電池23は、例えば不図示の車両搭載型バッテリー電池からの電力供給受けて、電力を蓄電できる電池である。そして、この内蔵電池23を設けることで、ナビゲーション装置79は、例えば車両から取り外したときでも、動作可能となっている。
【0034】
RAM24は、制御部1による処理結果(ナビゲーションによる道案内結果等)を記憶するものであり、ROM25は、ナビゲーション装置79を動作させるための制御プログラム等を記憶するものである。
【0035】
制御部1は、ナビゲーション装置79全体の動作制御等を行う中枢部分となっており、ナビゲーション装置79の各部材の駆動を有機的に制御して、ナビゲーション動作を統括制御するものである。
【0036】
例えば、制御部1は、位置検出センサー群19におけるGPS測位部12からのGPS信号、ジャイロスコープ13からの位置信号、距離検出部14からの走行距離信号、および、地磁気検出部15からの進行方向信号等から、車両等の位置が位置を判断するようになっている。
【0037】
そして、この判断によって、車両等が最適ルートからはずれたと判断した場合、そのはずれた位置(逸脱地点)から最適ルートへと再合流する戻りルート(再合流地点へと戻るルート)と、逸脱地点から目的地点(再合流地点ともいえる)までの新たなルート(全ルート)とを案内するようになっている(リルート検索するようになっている)。
【0038】
また特に、最適ルート上での逸脱地点から再合流地点までの予測走行距離・予測走行時間(最適ルート予測走行距離・最適ルート予測走行時間)と、リルート上(戻りルートまたは全ルート)での逸脱地点から再合流地点までの予測走行距離・予測走行時間(戻りルート予測走行距離・戻りルート予測走行時間、または、全ルート予測走行距離・全ルート予測走行時間)との差分距離・差分時間を、モニター上で表示させるようになっている。
【0039】
なお、差分距離・差分時間ではなく、最適ルート予測走行距離・最適ルート予測走行時間と、戻りルート予測走行距離・戻りルート予測走行時間(または、全ルート予測走行距離・全ルート予測走行時間)を表示するようになっていてもよい。
〔本発明のナビゲーション装置における道路登録工程について〕
ここで、上述した制御部1が、差分距離・差分時間(ロス予測距離・ロス予測時間)を表示する工程(方法)について、図1のフローチャート、および図3〜図6のルート説明図を用いて説明する。
【0040】
なお、フローチャートにおける各ステップをSと表記する。また、図3〜図6では、ナビゲーション装置79によって導き出される最適ルートを1点鎖線、例えばモニター3上には表示されないが制御部1が行っているルート探索を点線、走行したルートを実線、逸および脱地点からのルートを2点鎖線で図示している。
【0041】
まず、ユーザーが、例えば出発地点イからある場所に寄って(経由地点ロによって)、目的地点ハに行きたいとする。そこで、ユーザーは、経路設定キー53を用いて、出発地点イ・経由地点ロ・目的地点ハをナビゲーション装置79に入力する(S1)。すると、ナビゲーション装置79は、経由地点ロを通る出発地点イから目的地点ハまでの最適ルートを導くようになっている(図3参照)。
【0042】
なお、出発地点イから経由地点ロまでの距離(距離A)や、経由地点ロから目的地点ハまでの距離(距離B)は、マップデータから求めることができるようになっている。また、制御部1は、車両の平均速度等と、距離A・距離Bとから、最適ルートを走行するのに要する時間(予想走行時間)を求めるようにもなっている。そして、距離A・距離B(予測走行距離)や、予想走行時間を制御部1がモニター3上に表示させるようにしていてもよい。
【0043】
次に、ユーザーは、最適ルートにしたがって、車両を走行させるようにする(S2)。ところが、ユーザーは、誤ってこの最適ルートからはずれてしまうことがある(S3)。
【0044】
すると、位置検出センサー群19におけるGPS測位部12からのGPS信号、ジャイロスコープ13からの位置信号、距離検出部14からの走行距離信号、および、地磁気検出部15からの進行方向信号等から、制御部1は、車両が最適ルートから逸脱したことを認識する。そこで、制御部1は、この逸脱地点ニをマップデータ上に記録する(S4;図4参照)。
【0045】
また、制御部1は、逸脱地点を通過後の車両の位置(図4での現在地点ホ)から、最適ルートと合流できる地点(再合流地点)へと戻るための戻りルート探索(リルート探索)と、現在地点ホからの目的地点ハへ直接走行するための全ルート探索(リルート探索)とを行うようになっている(S5)。
【0046】
なお、この段階では、図4に示すように、現在地点ホから再合流地点ヘまでの戻りルート、および現在地点ホから目的地点ハまでの全ルートは、モニター3上では表示されないようになっている(点線図示)。
【0047】
ただし、戻りルートまたは全ルートを通った場合と、最適ルートを通った場合とで生じ得る誤差時間・誤差距離(ロス予測時間・ロス予測距離)が、モニター3上に表示されるようになっている。
【0048】
そして、このロス予測距離・ロス予測時間は、下記のようにして求められる。
【0049】
〈戻りルートの場合でのロス予測距離(X1km)〉
まず、制御部1が、マップデータを用いて、逸脱地点ニから最適ルートを経て、再合流地点ヘまでの第1走行距離(距離A2α)を求めるとともに〔第1走行距離算出工程〕、マップデータを用い、逸脱地点ニから、現在地点ホおよび戻りルートを経て、再合流地点へまでの第2走行距離(距離Pα+距離Rα)を求めるようになっている〔第2走行距離算出工程〕。そして、制御部1は、この第1距離と第2距離とを差し引きすることで、差分の距離(ロス予測距離;X1km)を求めるようになっている〔差分距離算出工程〕。
【0050】
〈戻りルートの場合でのロス予測時間(Y1分)〉
まず、制御部1が、速度検出部11による車両速度とマップデータとを用いて、逸脱地点ニから最適ルートを経て、再合流地点ヘまでを走行するのに要する走行時間(第1走行時間)を求めるようになっている〔第1走行時間算出工程〕。さらに、制御部1は、車両速度・マップデータを用いて、逸脱地点ニから、現在地点ホおよび戻りルートを経て、再合流地点へまでを走行するのに要する走行時間(第2走行時間)を求めるようになっている〔第2走行時間算出工程〕。そして、制御部1は、この第1走行時間と第2走行時間とを差し引きすることで、差分の時間(ロス予測時間;Y1分)を求めるようになっている〔差分時間算出工程〕。
【0051】
〈全ルートの場合でのロス予測距離(X2km)〉
まず、制御部1が、マップデータを用いて、逸脱地点ニから最適ルートを経て、再合流地点となる目的地点ハまでの第1走行距離(距離A2α+距離A3α+距離B)を求めるとともに〔第1走行距離算出工程〕、マップデータを用い、逸脱地点ニから、現在地点ホおよび全ルートを経て、再合流地点である目的地点ハまでの第2走行距離(距離Pα+距離Qα)を求めるようになっている〔第2走行距離算出工程〕。そして、制御部1は、この第1走行距離と第2走行距離とを差し引きすることで、差分の距離(ロス予測距離;X2km)を求めるようになっている〔差分距離算出工程〕。
【0052】
〈全ルートの場合でのロス予測時間(Y2分)〉
まず、制御部1が、速度検出部11による車両速度とマップデータとを用いて、逸脱地点ニから最適ルートを経て、再合流地点となる目的地点ハまでを走行するのに要する走行時間(第1走行時間)を求めるようになっている〔第1走行時間算出工程〕。さらに、制御部1は、車両速度・マップデータを用いて、逸脱地点ニから、現在地点ホおよび全ルートを経て、再合流地点である目的地点ハまでを走行するのに要する走行時間(第2走行時間)を求めるようになっている〔第2走行時間算出工程〕。そして、制御部1は、この第1走行時間と第2走行時間とを差し引きすることで、差分の時間(ロス予測時間;Y2分)を求めるようになっている〔差分時間算出工程〕。
【0053】
以上のようにして、求められたロス予測距離(X1・X2)とロス予測時間(Y1・Y2)とを、制御部1は、図4に示すように、モニター3上で表示させるようになっている(報知工程;S6)。
【0054】
そして、このように表示されているモニター3をみて、ユーザーは、戻りルートキー54または全ルートキー55を用いて、戻りルートまたは全ルートの表示を選択できるようになっている(S7)。
【0055】
なお、必ずどちらかのルート(戻りルート・全ルート)を選択する必要はない。なぜなら、ユーザーが意図的に最適ルートからはずれている場合もあり得るためである。この場合、制御部1は、モニター3上に継続して、ロス予測距離(X1・X2)とロス予測時間(Y1・Y2)を継続表示するようになっている(S7→S8)。
【0056】
一方、戻りルートを選択した場合(S7のYES、S9のYES)、すなわち、戻りルートキー54を押下した場合、図5に示すように、戻りルートが表示されるようになっている(S10)。この図5では、戻りルートキー54を押下した地点(リルート表示地点ト)から、最適ルートに戻るための戻りルート(リルート表示地点トから再合流地点ヘ’まで)が表示されるようになっている。
【0057】
そして、このように、戻りルートが表示される場合、制御部1は、戻りルートの場合でのロス予測距離(X1)・ロス予測時間(Y1)を表示するようにもなっている。
【0058】
なお、この図5に示す戻りルートでのロス予測距離(X1)は、逸脱地点ニからリルート表示地点トまでの距離(距離Pβ)、および、戻りルートでのリルート表示地点トから再合流地点ヘ’までの距離(距離Rβ)の合計距離(距離Pβ+距離Rβ)と、最適ルートでの逸脱地点ニから再合流地点ヘ’までの距離(距離A2β)との差分からなっている(距離Pβ+距離Rβ−距離A2β)。そして、ロス予測時間(Y1)は、車両が(距離Pβ+距離Rβ)の走行に要する時間と、(距離A2β)の走行に要する時間との差分からなっている。
【0059】
また、この図5の現在地点ホ’は、戻りルートを走行する車両の現在地点を示している。
【0060】
また、全ルートを選択した場合(S7のYES、S9のNO)、すなわち、全ルートキー55を押下した場合、図6に示すように、全ルートが表示されるようになっている(S11)。この図6では、全ルートキー55を押下した地点(リルート表示地点ト)から、目的地点ハに戻るための全ルート(リルート表示地点トから再合流地点である目的地点ハまで)が表示されるようになっている。
【0061】
そして、このように、全ルートが表示される場合、制御部1は、全ルートの場合でのロス予測距離(X2)・ロス予測時間(Y2)を表示するようにもなっている。
【0062】
なお、この図6に示す全ルートでのロス予測距離(X2)は、逸脱地点ニからリルート表示地点トまでの距離(距離Pβ)、および、全ルートでのリルート表示地点トから目的地点ハまでの距離(距離Qβ)との合計距離(距離Pβ+距離Qβ)と、最適ルートでの逸脱地点ニから経由地点ロまでの距離(距離A4)、および、経由地点ロから目的地点ハまでの距離(距離B)までの合計距離との差分からなっている((距離Pβ+距離Qβ)−(距離A4+距離B))。そして、ロス予測時間(Y2)は、車両が(距離Pβ+距離Qβ)の走行に要する時間と、(距離A4+距離B)の走行に要する時間との差分からなっている。
【0063】
また、この図6の現在地点ホ’’は、戻りルートを走行する車両の現在地点を示している。
【0064】
以上のように、モニター3上でのロス予測距離・ロス予測時間(S8、S10、またはS11でのモニター3上のロス予測距離・ロス予測時間)をみながら、ユーザーは目的地点ハまで、車両を走行させるようになっている(S12)。
【0065】
〔本発明の種々有る特徴の一例について〕
以上のように、本発明のナビゲーション装置79は、少なくとも位置および速度を検出する位置検出センサー群19と、マップデータ上に位置する目的地点までの最適ルート(第1誘導経路)を探索する目的ルート探索、および、位置検出センサー群19の検出位置が最適ルートから逸脱した場合、逸脱後の現在地点から最適ルートへと戻る再合流地点までのリルート(戻りルートまたは全ルート;第2誘導経路)を探索するリルート探索を行う制御部1と、最適ルート・リルートを表示するモニター3とを備えている。
【0066】
そして、制御部1は、マップデータを用い、逸脱地点から最適ルートを経て、再合流地点までの第1走行距離を求めるとともに、マップデータを用い、逸脱地点から、現在地点およびリルートを経て、再合流地点(目的地点もあり得る)までの第2走行距離を求めるようになっている。その上、制御部1は、上記の第1走行距離および第2走行距離の少なくとも一方をモニター3によって、表示(報知)させるようになっている。
【0067】
なお、上述したように、上記の第1走行距離および第2走行距離をモニター3上に、表示させてもよいが、よりユーザーにわかりやすくするために、制御部1は、上記の第1走行距離と第2走行距離との差分である差分距離(ロス予測距離)を表示させるようになっている。
【0068】
また、制御部1は、距離だけではなく、時間表示も可能になっている。具体的には、位置検出センサー群19での検出速度(車両速度等)およびマップデータを用い、逸脱地点から最適ルートを経て、再合流地点までを走行するのに要する第1走行時間を求めるとともに、検出速度およびマップデータを用い、逸脱地点から、現在地点およびリルートを経て、再合流地点(目的地点もあり得る)までを走行するのに要する第2走行時間を求めるようにもなっている。そして、制御部1は、この第1走行時間および第2走行時間の少なくとも一方をモニター3によって、表示させるようになっている。
【0069】
なお、上述したように、上記の第1走行時間および第2走行時間をモニター3上に、表示させてもよいが、よりユーザーにわかりやすくするために、制御部1は、上記の第1走行時間と第2走行時間との差分である差分時間(ロス予測時間)を表示させるようになっている。
【0070】
このような本発明のナビゲーション装置79であれば、ユーザーは最適ルートからはずれたために、どの程度目的地点への到着時刻に誤差が生じるかを認識することができる。また、誤差時間や誤差距離を参照することによって、経由地点ロ(図3〜図6参照)を経由して目的地点へ行くか、経由地点ロを経由することなく目的地点へと行くかを選択することができる。つまり、本発明のナビゲーション装置79は、ルート選択の判断材料を数多く提供することができる。
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0071】
例えば、ロス予測距離・ロス予測時間をユーザーに知らしめるために、上述では、モニター3に表示させるようにしている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、ロス予測距離・ロス予測時間をスピーカー4にて流すようにしてもよい。このようにしておけば、ユーザーは運転中に視線をフロントガラスから外すことなく、ロス予測距離・ロス予測時間を認識することができる。
【0072】
また、リルートの表示を選択する手段として、操作ボタン群5の戻りルートキー54、または全ルートキー55を用いた場合について説明してきたが、これに限定されるものではない。例えば、モニター3上に表示されるカーソル等を直接触れることで、選択可能なタッチパネルであってもよい。
【0073】
また、戻りルートキー54やタッチパネルのようなタッチ式操作に限らず、集音マイクに向かって、ユーザーがリルートの種類を発することで、選択できる音声認識であっても構わない。具体的には、集音マイクで集音した言葉を制御部1が分析して、発したリルート(戻りルートまたは全ルート)を特定させるようにしている。
【0074】
このような音声認識によって、リルートの表示を選択できるようにしておけば、ユーザーは、上記同様、ユーザーは運転中に視線をフロントガラスから外すことなく、リルートの種類を選択表示できることになる。
【0075】
また、タイマー6を用いて、最適ルートから逸脱した後の経過時間を測定することで、定期的にリルート探索を行うようにしていても構わない。
【0076】
また、本発明のナビゲーション装置79の各部(例えば制御部1等)は、それらを機能させるためのプログラム(例えば経路案内プログラム)でも実現される。そして、このプログラムは、コンピューターに実行させるためのプログラムであり、コンピューターに読み取り可能な記録媒体に記録することもできる。
【0077】
その結果、道路登録プログラムを、記録媒体として、持ち運び自在に提供することができる。
【0078】
なお、この記録媒体としては、マイクロコンピューターで処理が行われるために、メモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであってもよい。また、外部記憶装置(不図示)として、プログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0079】
いずれの場合においても、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサー(例えば制御部1)によるアクセスで実行させる構成であってもよい。あるいは、いずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、不図示のプログラム記憶エリアにダウンロードされた後に実行される方式であってもよい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置(ナビゲーション装置79)に格納されているものとする。
【0080】
ここで、上記プログラムメディアは、本体(ナビゲーション装置79)と例えば分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0081】
また、本発明のナビゲーション装置79では、インターネットを含む通信ネットワークと接続可能な構成とすることもできる。そのため、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0082】
なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置(ナビゲーション装置79)に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、一度案内された経路(最適ルート)から逸脱した場合、逸脱地点から再度、経路案内(リルート探索)が行われるナビゲーション装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明のナビゲーション装置でのナビゲーション過程(経路案内)を示すフローチャートである。
【図2】本発明のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図3】出発地点から、経由地点を経て、目的地点に至るまでの最適ルートを示すルート説明図である。
【図4】逸脱地点をマップデータ上に記録したことを示すルート説明図である。
【図5】戻りルートを示すルート説明図である。
【図6】全ルートを示すルート説明図である。
【符号の説明】
【0085】
1 制御部
3 モニター(報知部、表示部)
4 スピーカー(報知部、放音部)
5 操作ボタン群(入力部、タッチ操作部)
6 タイマー(経過時間計測部)
11 速度検出部
12 GPS測位部
13 ジャイロスコープ
14 距離検出部
15 地磁気検出部
19 位置検出センサー群(車両位置検出ユニット)
22 HDD
53 経路設定キー
54 戻りルートキー
55 全ルートキー
55 交差点選択キー
79 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも位置および速度を検出する位置検出ユニットと、
マップデータ上に位置する目的地点までの第1誘導経路を探索する目的ルート探索、および、上記位置検出ユニットの検出位置が上記第1誘導経路から逸脱した場合、逸脱後の現在地点から上記第1誘導経路へと戻る再合流地点までの第2誘導経路を探索するリルート探索を行う制御部と、
上記の誘導経路を報知する報知部と
を備えたナビゲーション装置において、
上記制御部は、
上記マップデータを用い、上記逸脱地点から上記第1誘導経路を経て、上記再合流地点までの第1走行距離を求めるとともに、
上記マップデータを用い、上記逸脱地点から、上記現在地点および上記第2誘導経路を経て、上記再合流地点までの第2走行距離を求め、
上記の第1走行距離および第2走行距離の少なくとも一方を上記報知部によって、報知させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
さらに、上記制御部は、
上記の第1走行距離と第2走行距離との差分である差分距離を報知させることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
さらに、上記制御部は、
上記位置検出ユニットでの検出速度および上記マップデータを用い、上記逸脱地点から上記第1誘導経路を経て、上記再合流地点までを走行するのに要する第1走行時間を求めるとともに、
上記検出速度および上記マップデータを用い、上記逸脱地点から、上記現在地点および上記第2誘導経路を経て、上記再合流地点までを走行するのに要する第2走行時間を求め、
上記の第1走行時間および第2走行時間の少なくとも一方を上記報知部によって、報知させることを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
さらに、上記制御部は、
上記の第1走行時間と第2走行時間との差分である差分時間を報知させることを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
上記再合流地点が、上記第1誘導経路における中途地点、または、上記目的地点であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
上記報知部は、表示部または放音部であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
少なくとも位置および速度を検出するとともに、
マップデータ上に位置する目的地点までの第1誘導経路を探索する目的ルート探索、および、検出された検出位置が上記第1誘導経路から逸脱した場合、逸脱後の現在地点から上記第1誘導経路へと戻る再合流地点までの第2誘導経路を探索するリルート探索を行い、
上記の誘導経路を報知するナビゲーション装置の経路案内方法において、
上記マップデータを用い、上記逸脱地点から上記第1誘導経路を経て、上記再合流地点までの第1走行距離を求める第1走行距離算出工程と、
上記マップデータを用い、上記逸脱地点から、上記現在地点および上記第2誘導経路を経て、上記再合流地点までの第2走行距離を求める第2走行距離算出工程と、
上記の第1走行距離および第2走行距離の少なくとも一方を報知させる報知工程とを
含むことを特徴とするナビゲーション装置の経路案内方法。
【請求項8】
さらに、上記の第1走行距距離と第2走行距離との差分である差分距離を求める差分距離算出工程を含むとともに、
上記報知工程では、上記差分距離を報知させるようになっていることを特徴とする請求項7に記載のナビゲーション装置の経路案内方法。
【請求項9】
さらに、上記の検出された速度および上記マップデータを用い、上記逸脱地点から上記第1誘導経路を経て、上記再合流地点までを走行するのに要する第1走行時間を求める第1走行時間算出工程と、
上記の検出された速度および上記マップデータを用い、上記逸脱地点から、上記現在地点および上記第2誘導経路を経て、上記再合流地点までを走行するのに要する第2走行時間を求める第2走行時間算出工程と、
を含み
上記報知工程で、上記の第1走行時間および第2走行時間の少なくとも一方を報知させることを特徴とする請求項7または8に記載のナビゲーション装置の経路案内方法。
【請求項10】
さらに、上記の第1走行時間と第2走行時間との差分である差分時間を求める差分時間算出工程、を含むとともに、
上記報知工程では、上記差分時間を報知させるようになっていることを特徴とする請求項9に記載のナビゲーション装置の経路案内方法。
【請求項11】
上記再合流地点が、上記第1誘導経路における中途地点、または、上記目的地点であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のナビゲーション装置の経路案内方法。
【請求項12】
少なくとも位置および速度を検出する位置検出ユニットと、
マップデータ上に位置する目的地点までの第1誘導経路を探索する目的ルート探索、および、上記位置検出ユニットの検出位置が上記第1誘導経路から逸脱した場合、逸脱後の現在地点から上記第1誘導経路へと戻る再合流地点までの第2誘導経路を探索するリルート探索を行う制御部と、
上記の誘導経路を報知する報知部と
を備えたナビゲーション装置の経路案内プログラムにおいて、
上記制御部に、
上記マップデータを用い、上記逸脱地点から上記第1誘導経路を経て、上記再合流地点までの第1走行距離を求めるように機能させるとともに、
上記マップデータを用い、上記逸脱地点から、上記現在地点および上記第2誘導経路を経て、上記再合流地点までの第2走行距離を求めるように機能させる一方、
上記の第1走行距離および第2走行距離の少なくとも一方を上記報知部によって、報知させるように機能させることを特徴とするナビゲーション装置の経路案内プログラム。
【請求項13】
さらに、上記制御部に、
上記の第1走行距離と第2走行距離との差分である差分距離を報知させるように機能させることを特徴とする請求項12に記載のナビゲーション装置の経路案内プログラム。
【請求項14】
さらに、上記制御部に、
上記位置検出ユニットでの検出速度および上記マップデータを用い、上記逸脱地点から上記第1誘導経路を経て、上記再合流地点までを走行するのに要する第1走行時間を求めるように機能させるとともに、
上記検出速度および上記マップデータを用い、上記逸脱地点から、上記現在地点および上記第2誘導経路を経て、上記再合流地点までを走行するのに要する第2走行時間を求めるように機能させる一方、
上記の第1走行時間および第2走行時間の少なくとも一方を上記報知部によって、報知させるように機能させることを特徴とする請求項12または13に記載のナビゲーション装置の経路案内プログラム。
【請求項15】
さらに、上記制御部に、
上記の第1走行時間と第2走行時間との差分である差分時間を報知させるように機能させることを特徴とする請求項14に記載のナビゲーション装置の経路案内プログラム。
【請求項16】
上記再合流地点が、上記第1誘導経路における中途地点、または、上記目的地点であることを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載のナビゲーション装置の経路案内プログラム。
【請求項17】
請求項12〜16のいずれか1項に記載したナビゲーション装置の経路案内プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−194675(P2006−194675A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−5145(P2005−5145)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】