説明

ナビゲーション装置およびその施設情報表示方法

【課題】 テレビ放送された映像コンテンツに含まれる飲食店などの施設情報とその関連画像をナビゲーションの地図データ上に自動配置する「ナビゲーション装置およびその施設情報表示方法」を提供する。
【解決手段】 本発明のナビゲーション装置は、受信した地上波ディジタルテレビ放送の映像コンテンツを所定の間隔でキャプチャリングし、その中から、施設およびその地図データ上の位置を特定し得るテキストデータを抽出し、抽出したテキストデータに基づいて、そのテキストデータにより特定される地図データ上の位置情報を取得し、位置情報が取得されたテキストデータおよびそれが含まれていた画像データを、ディスプレイ上の地図データにおける対象位置に関連付けて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、特に、地上波ディジタルテレビ放送を受信する機能を備えたナビゲーション装置およびその施設情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地上波ディジタルテレビ放送の開始によって移動体通信でも高精細な映像コンテンツを利用できるようになり、それに伴ってナビゲーション装置の多機能化およびAV(Audio Visual)機器との一層の複合化が進んでいる。このような多機能化および複合化によって、ユーザが車中でテレビ放送を視聴し、単に娯楽として楽しむだけでなく、これを目的地に関する情報ソースとして活用する例も見られるようになってきている。放送される映像コンテンツの中には、人気飲食店などを紹介する情報番組があり、ここで配信された情報を基に実際にその飲食店を来訪する利用者もある。
【0003】
一般的にナビゲーション装置において、ユーザがこのような飲食店を目的地に設定してナビゲーション誘導を実現させようとする場合、放送された店舗名、住所、あるいは電話番号などの情報をメモなどに予め記録し、これを機器に対して入力し、対象施設を特定して目的地設定を行う必要がある。しかしながらこのような作業は煩雑であり、従ってユーザがナビゲーション装置においてこのような作業を自動的に行ってくれることを所望することは自然である。そしてこのようなユーザの要求に答える技術として、特許文献1および2が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003ー269969号公報
【特許文献2】特開2002ー135677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの文献に開示された技術は、映像コンテンツと同時に配信されるテキストデータ信号を解析して、予め設定した店舗名などのキーワードとのマッチングを行って、該当店舗情報をナビゲーション地図上に配置するものである。従ってこの技術を利用すれば、ユーザによる登録作業が不要になりその利便性が高まる。
【0006】
しかしながら上記文献開示の技術においては、次のような問題がある。すなわち、第1に、映像コンテンツと同時配信されるテキストデータ信号を利用するため、ここに含まれていない店舗などを対象にすることができない。また、第2に、マッチングするキーワードを予め登録しておく必要があり、そのデータの物量や鮮度に結果が大きく依存する。また、第3に、この技術の利用によりユーザが自ら操作を行わないことにより、地図上に表示される店舗名などの情報と、視聴した映像コンテンツとの結び付きを記憶し辛くなり、それが却って利便性を下げる。といった問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、これらの問題を解決し、利便性の高いナビゲーション装置およびその施設情報表示方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るナビゲーション装置は、少なくとも地上波ディジタルテレビ放送を受信する機能を備えたナビゲーション装置であって、受信した地上波ディジタルテレビ放送の映像コンテンツを所定の間隔で画像データとして記憶する画像記憶手段と、前記画像記憶手段で記憶した画像データを解析してその中から、施設およびその地図データ上の位置を特定し得るテキストデータを抽出する施設情報抽出手段と、前記施設情報抽出手段で抽出したテキストデータに基づいて、そのテキストデータにより特定される地図データ上の位置情報を取得する施設位置取得手段と、前記施設位置取得手段で位置情報が取得されたテキストデータおよびそれが含まれていた画像データを、ディスプレイ上の地図データにおける対象位置に関連付けて表示する表示手段とを有する。
【0009】
この場合において、前記施設位置取得手段は、抽出したテキストデータおよび映像コンテンツと関連付けられて配信されるテキストデータに基づいてそれらテキストデータにより特定される位置情報を取得するものであってもよい。
【0010】
好ましくは本発明は、前記施設位置取得手段によりその位置が取得された一又は複数の施設の情報をディスプレイ上に表示して、ユーザがその施設をナビゲーション機能における目的地として登録することを選択可能にさせる目的地登録手段をさらに含む。また、好ましくは前記目的地登録手段により登録された施設をディスプレイ上に表示して、ユーザがその施設をナビゲーション機能における目的地として設定することを可能にさせる目的地設定手段をさらに含む。また、前記施設情報抽出手段で抽出するテキストデータは、その施設名および電話番号を含んでよい。
【0011】
また、本発明において、前記画像記憶手段は、受信したすべての映像コンテンツを対象に画像データを取得する必要はなく、例えば、前記映像コンテンツのストリーミングに同期して配信されるテキストデータがある場合に、そのテキストデータがある区間における映像コンテンツを画像データとして記憶するよう構成してもいいし、また、ユーザの指示を起点として映像コンテンツを画像データとして記憶する動作を開始してもいい。
【0012】
これら取得される画像データにはユーザにその施設を回想させるもの、例えばその施設の建物外観、飲食店であればその料理が含まれていることが好ましい。地図データ上に配置される画像データにこれらの情報が含まれる確度を向上させるために、複数枚の画像データを配置したり、一定期間の連続画像を配置しこれを動画的に再生したり、画像解析を行って対象画像データを絞り込むなどすることができる。
【0013】
本発明はまた、少なくとも地上波ディジタルテレビ放送を受信する機能を備えたナビゲーション装置における施設情報表示方法であって、受信した地上波ディジタルテレビ放送の映像コンテンツを所定の間隔で画像データとして記憶するステップと、前記記憶した画像データを解析してその中から、施設およびその地図データ上の位置を特定し得るテキストデータを抽出するステップと、前記抽出したテキストデータに基づいて、そのテキストデータにより特定される地図データ上の位置情報を取得するステップと、前記位置情報が取得されたテキストデータおよびそれが含まれていた画像データを、ディスプレイ上の地図データにおける対象位置に関連付けて表示するステップとを有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、放送された映像コンテンツに含まれる飲食店などの施設情報に加えて、これに関連する画像が地図データ上に配置されるので、ユーザをして容易にその放送およびその施設の記憶を回想でき、よってナビゲーションにおける利便性が高まる。また、目的地設定手段を備えた本発明においては、放送された施設を後に訪れるような場合でもその目的地への設定が容易に行える利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例に係るナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施例の制御部120の主な特徴部分の機能ブロック図である。
【図3】店舗情報取得プロセスを示すフローチャートである。
【図4】ディスプレイ上に店舗登録のための情報を表示するプロセスを示すフローチャートである。
【図5】目的地リストをディスプレイ上に表示するプロセスを示すフローチャートである。
【図6】画像キャプチャー部200でキャプチャリングされる画像データの一例である。
【図7】店舗登録画面生成部208により生成される登録画面の一例である。
【図8】目的地リスト生成部210により生成される選択画面の一例である。
【図9】ナビゲーションの地図上にテレビ放送から取得した店舗情報と画像データをマッピングした一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係るナビゲーション装置は、オーディオ・ビデオ再生機能、テレビ・ラジオ受信機能等を備えたものを例示する。
【実施例】
【0017】
実施例においては、放送されている飲食店などの施設の情報をナビゲーション地図上にマッピングする例に沿って本発明を説明する。図1は、本発明の実施例に係るナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。同図に示すように、ナビゲーション装置100は、オーディオデータやビデオデータを再生するオーディオ・ビデオ(AV)再生部102、地上波ディジタルテレビ放送を受信するテレビチューナー104、AM、FM等のラジオ放送を受信するラジオチューナー106、目的地までの経路案内等を行うナビゲーション部108、外部との間でデータ通信を行うデータ通信部110、ユーザーからの入力を受け取る入力部112、スピーカから音声を出力する音声出力部114、ディスプレイに画像を表示する情報表示部116、道路地図に関するデータやプログラムデータなどを記憶する記憶部118、各部を制御する制御部120を含んで構成される。図1のナビゲーション装置100の構成は、例示であり、これらすべての機能を包含しなくてもよいし、あるいは他の機能を包含するものであってもよい。
【0018】
オーディオ・ビデオ再生部102は、CD、DVD、半導体メモリ、記憶部118などに記憶されたオーディオデータやビデオデータを再生する。再生されたオーディオデータやビデオデータは、制御部120によって、音声出力部114および情報表示部116から出力される。
【0019】
テレビチューナー104は、制御部120によって選択されたチャンネルの地上波ディジタル放送の番組を受信し、受信したテレビ放送のストリーミングデータをリアルタイムでデコードし、そこから音声データ、映像データ、電子番組情報(EPG)や文字データなどのテキストデータを抽出する。制御部120は、テレビチューナー104からこれらの信号を受け取り、音声出力部114に番組の音声信号を出力させ、情報表示部116に番組の映像信号を表示させる。さらに、制御部120は、入力部112からのユーザーの指示に応じて、電子番組情報や文字データを情報表示部116に表示させる。ラジオチューナー106は、制御部120によって選択されたチャンネルのラジオ放送を受信し、受信されたラジオ放送をデコードし、ステレオあるいはモノラルの音声データ、多重化された文字データなどを抽出し、抽出された音声データは、音声出力部114から出力される。
【0020】
データ通信部110は、有線または無線により外部機器や外部装置との間でデータ通信を可能にする。例えば、外部記憶装置との接続を可能にしそこに記憶されたデータを読み出したり、外部通信装置との接続を可能にしインターネットなどのネットワークへの接続を行う。
【0021】
ナビゲーション部108は、GPS衛星や自立航法センサを用いて自車位置を算出したり、目的地までの最適な経路の誘導などを行う。ナビゲーション部108が動作されるとき、制御部120は、情報表示部116に自車位置周辺の道路地図などを表示させる。また、ナビゲーションに関する音声案内を音声出力部114から出力させる。
【0022】
入力部112は、リモコン、マウス、音声入力、タッチパネルなどの入力手段を含むことができる。ユーザーは、入力部112を介して、テレビ放送のチャンネルを選択したり、動作させる機能を選択したり、その他必要な指示を与えることができる。本発明に関連してユーザは後述するように、この入力部112を介してテレビ放送された飲食店等施設をナビゲーション装置における目的地とするべく選択し登録する。音声出力部114は、音声信号を増幅し、増幅された音声信号を車内に配置されたスピーカから出力する。情報表示部116は、静止画や動画を表示するためのディスプレイを含む。さらにディスプレイには、入力部112の一手段としてのタッチパネルが搭載され、ユーザーからの入力を受け取ることができるようになっている。
【0023】
記憶部118は、ナビゲーション部108が必要とする道路地図デー夕、制御部120が実行するプログラムデー夕、テレビチューナー104で受信されたテレビ放送の番組や電子番組情報などを記憶する。さらに記憶部118は、後述するように特定のテレビ放送における映像をキャプチャリングした多数の画像データを記憶する。制御部120は、中央処理装置、マイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどの装置を含み、記憶部118に格納されたプログラムを実行し、各部の制御を行う。
【0024】
次に、本実施例の制御部120の主な特徴部分の機能ブロック図を図2に示す。制御部120は、本発明に係る機能構成として、画像キャプチャー部200、施設情報抽出部202、テキスト抽出部204、位置情報取得部206、店舗登録画面生成部208、目的地リスト生成部210を有する。
【0025】
画像キャプチャー部200は、テレビ放送のストリーム再生と並行してその画像データを所定の間隔でキャプチャリングし、記憶部118に蓄積していく。各画像データにはシリアル番号が付され、後に特定の画像を抽出できるようにしておく。この場合に、低いサンプリングレートでユーザが視聴するすべての番組をキャプチャリングの対象とすることもできるが、最終的に必要な画像は飲食店などの施設に係る画像なので、記憶容量の観点からキャプチャリングの対象番組を絞り込むことが好ましい。そのため、受信した放送データに含まれるテキストデータから番組カテゴリやキーワードを抽出し、ナビゲーション装置側で予め設定しておいた番組名やキーワードと比較して、それらが一致した番組のみを対象としてキャプチャリングを行うことができる。また、ユーザが入力部112を操作して指定した番組のみをキャプチャリングの対象とするよう設計することもできる。
【0026】
施設情報抽出部202は、画像キャプチャー部200で取得したすべての画像データを順次解析し、画像内に含まれている文字情報を抽出し、そこから施設に係る情報を取得する。すなわち画像データを2値化処理などの方法で文字とそれ以外に分離し、この文字画像を記憶部118に予め登録されている基準文字と照合して文字を特定し、その文字コード列を出力する。次いでこの出力された文字列に、店舗名、住所、電話番号などのパターン辞書をベースとしてパターン認識処理を施し、文字列から店舗名、住所、電話番号情報を抽出する。抽出された施設情報は、その基の画像データと関連付けられて記憶部118に保存される。基本的にこれらの情報が抽出できなかった画像データは不要なので、記憶部118において消去あるいは上書き処理される。
【0027】
テキスト抽出部204は、施設情報抽出部202に対して補完的に機能するもので、受信したテレビ放送のデータに含まれるテキストデータに対して、店舗名、住所、電話番号などのパターン辞書をベースとしてパターン認識処理を施し、そこから店舗名、住所、電話番号情報を抽出する。抽出された情報は、施設情報抽出部202で取得した情報と関連付けられて記憶部118に保存され、後の位置情報取得部206における処理において補完的に利用される。
【0028】
位置情報取得部206は、施設情報抽出部202で取得された施設情報に基づき、ナビゲーション部108と連係して、その地図データ上の座標を取得・決定するものである。具体的には、位置情報取得部206は、施設情報抽出部202により施設情報(テキスト抽出部204からの情報があればその情報も)が得られると、その情報をナビゲーション部108に渡し、そこからの返信を待つ。ナビゲーション部108は受け取った施設情報に基づいて、内蔵辞書あるいはデータ通信網を介してその施設の緯度・経度を特定し、その結果を位置情報取得部206に返す。位置情報取得部206で得られた位置情報は、その基となっている画像データに関連付けられて記憶部118に保存される。
【0029】
店舗登録画面生成部208は、その位置が決定された一または複数の店舗情報をディスプレイに表示するための画像構成を生成する。具体的な画像構成の例については後述するが、テレビ放送の映像と併設的にその表示領域を確保し、そこに対象店舗を特定する店舗名、住所、電話番号などをリスト表示し、表示された複数の店舗から特定の店舗を選択・登録できるようにする選択・登録ボタンを配置する。この店舗登録画面を通してユーザによって選択・登録された店舗情報は、次に説明する目的地リストの対象項目として記憶部118に記録される。もっともユーザによる登録を行わずに、その位置が決定されたすべての店舗を目的リストの対象項目として自動的に設定するべく記憶しても良い。
【0030】
目的地リスト生成部210は、ユーザがナビゲーション装置による目的地として、テレビ放送された店舗をディスプレイ上で選択するための画像構成を生成する。記憶部118には、店舗登録画面生成部208を介して登録された複数の店舗情報が蓄積されており、目的地リスト生成部210はユーザがそれらの店舗からナビゲーションの目的地を選択する場合に、ユーザの操作に伴って起動される。生成される目的地リストの具体的な画面構成例は後述するが、記憶部118から読み出された複数の店舗の情報をリスト形式で表示し、ユーザのタッチパネル操作によりその1つを選択できるようにするものである。
【0031】
次に、本実施例に係るナビゲーション装置における動作について、図3乃至図5に示すフローチャートを参照して説明する。図3は、テレビ放送のストリーム再生と並行してそのバックグラウンドで行われる店舗情報取得プロセスを示すフローチャート、図4は、ユーザの操作に基づいてディスプレイ上に店舗登録のための情報を表示するプロセスを示すフローチャート、図5は、ユーザの操作に基づいて目的地リストをディスプレイ上に表示するプロセスを示すフローチャートである。
【0032】
図3において、店舗情報取得のためのプロセスは、ユーザがディジタルテレビ放送を視聴する操作で開始される(ステップ301)。視聴操作によってテレビ放送が受信されそのストリーム再生が開始されると、それと並行して所定間隔でその放送映像に対する画像キャプチャリングが開始され、順次記憶部118に保存されて行く(ステップ302)。保存される画像には対象放送番組との関連付けが分かるようにその放送IDが付されると共に、シリアル番号が付され、後の処理において記憶される店舗情報と関連付けが取れるよう管理される。先に説明したように、この処理は受信したテキストデータの内容を判断してその結果に基づいて開始させてもよく、またユーザの操作を待って開始させてもよい。
【0033】
画像のキャプチャリングが開始されるとこの処理とほぼ並行して、施設情報抽出部202に係るプログラムが起動されて(ステップ303)、記憶部118から順次画像データを読み出し、画像解析を行ってそこに含まれる文字情報を抽出する(ステップ304)。そして、抽出した文字情報に対して、店舗名、住所、電話番号などのパターン認識処理を施し、その中から店舗名、住所、電話番号などの対象店舗の位置を特定しうる情報を抽出する(ステップ305)。抽出された情報は、その基となった画像データに関連付けられて記憶部118に保存される。画像データから対象店舗の位置を特定し得るような情報が抽出できなかった場合、処理はステップ303に戻され、続く画像データに対して同様の処理が施される。
【0034】
ステップ306において、画像データから対象店舗の位置を特定し得る情報が抽出されたと判断された場合には、テキスト抽出部204の機能により受信したテレビ放送におけるテキストデータが検索され、そこから店舗名等の情報の抽出が試みられる(ステップ307)。次いで、抽出されたこれらの店舗に係るテキストデータは、位置情報取得部206においてナビゲーション部108に渡され、ここでその店舗の位置情報が検索・特定される(ステップ308)。続くステップ309において、位置情報取得部206において対象店舗の位置が特定されたと判断されると、その位置情報はその基となっている画像データと関連付けられて記憶部118内に記憶される(ステップ310)。次いで処理はステップ303に戻され、すべての画像データについて同様の処理が施され、処理すべき画像が無くなった場合に本プロセスは終了する。
【0035】
次に図4のフローチャートに沿って、ユーザがテレビ放送で視聴した店舗をシステムに登録する際における本システムのプロセスについて説明する。本プロセスによって、テレビ放送の視聴中ユーザは任意のタイミングで本システムを操作して、現在放送されてる番組で紹介された店舗を登録することができるようになる。従って本プロセスはユーザによる入力部112の操作で開始される(ステップ401)。
【0036】
本プロセスが開始されると、ユーザが視聴中の番組IDを備えたデータを対象にして店舗情報の選出が行われる(ステップ402)。このユーザ操作の時点で図3におけるすべての処理が完了していない場合、図3のプロセスにおいて割り込み処理が実行されてその処理は一旦中断される。そして処理が終了し取得されている店舗データに対してのみこの処理が実行される。選出された一または複数の店舗情報はディスプレイの表示領域の一部を占有するかたちで放送中の番組映像に重ねるような画面構成によってリスト表示される(ステップ403)。
【0037】
表示された店舗情報は、タッチパネルあるいはシステムの操作ボタンを通してユーザにより選択され(ステップ404)、ナビゲーションに係る目的地の1つとしてシステム上に登録される(ステップ405)。登録された店舗情報は、その基となっている画像データと関連付けられて記憶部118に保存される。そして、本システムにおけるナビゲーション部108が起動され、ディスプレイ上に地図データが表示されると、この登録された店舗の座標エリアに表示位置を移動し、その対象座標にその店舗情報および画像データをマッピングする(ステップ406)。以上により本プロセスは終了する。なお、ユーザが視聴していた番組が終了後一定期間、本プロセスが実行されなかった場合には、ユーザはその番組に係る店舗情報を必要としないと判断して、当該番組に係る画像データおよび店舗情報を削除の対象とすることができる。
【0038】
次に図5のフローチャートに沿って、ユーザが先の処理により登録した店舗をナビゲーションの目的地とする際における本システムのプロセスについて説明する。本プロセスによってユーザは、任意のタイミングで本システムを操作して、テレビ放送で過去に視聴したことのある店舗を目的地として本システムによるナビゲーションを行うことができる。従って本プロセスもユーザによる入力部112の操作で開始される(ステップ501)。
【0039】
本プロセスが開始されると、図4のプロセスで目的地として登録された店舗情報が記憶部118から選出される(ステップ502)。選出された複数の店舗情報に基づいてリスト形式の表示画面が構成され、ディスプレイ上に表示される(ステップ503)。リスト表示された店舗情報は、タッチパネルあるいはシステムの操作ボタンを通してユーザにより選択され(ステップ504)、本システムに係るナビゲーションの目的地として設定される(ステップ505)。この処理によって本システムにおけるナビゲーション部108によるナビゲーションが開始されることになる。そして、目的地の地図上に選択された店舗の情報(例えば、店舗名、住所、電話番号)およびその画像データがマッピングされる(ステップ506)。好適な実施例においてこの画像データは、ユーザによるタッチパネル操作により拡大・縮小表示させたり、複数枚の画像を切換え表示させたりできる。
【0040】
次に、先のプロセスにおいて生成されるディスプレイ上の画面構成の一実施例を図6乃至図9に示す。図6は画像キャプチャー部200でキャプチャリングされる画像データの一例を示している。ここではグルメ情報番組を視聴する場合の例を示している。グルメ情報番組の中には、多数の人気料理店を実際に訪問して紹介するタイプの番組があり、そのような番組では図に示すように、そこで紹介されている料理店の映像、すなわち建物外観やおすすめ料理などの映像と共に、その店舗のテキスト情報、すなわち店名、住所、電話番号(図中の表示領域A)などが映し出されることがある。このような番組を本システムを通して再生した場合、画像キャプチャー部200で取得される画像データには、図6相当の画像データが含まれることになり、その表示領域Aのテキスト情報は、施設情報抽出部202における処理の対象となる。
【0041】
図7は、店舗登録画面生成部208により生成される登録画面の一例を示している。この例では、放送映像の左側3分の1の領域を使って、その放映中の番組で紹介された店舗の情報(ここでは店舗名)がリスト表示される。ユーザはこのような表示に対して、タッチパネル操作により登録を希望する店舗名を押下し、次いで登録ボタンを押下することによって、その店舗をナビゲーションの目的地の1つとして登録できる。なお、店舗名の1つを押下したときにその詳細情報および画像データをポップアップ表示するような構成を取ることもできる。
【0042】
図8は、目的地リスト生成部210により生成される選択画面の一例を示している。この例では、店舗登録画面を介して登録されている複数の店舗の情報がリスト表示されている。ユーザはタッチパネル操作によりそのうちの1つを選択することによって、その店舗をナビゲーションの目的地として設定する。店舗登録画面の場合と同様に、店舗名を押下したときに、他の情報や画像データをポップアップ表示するような構成を取ってもよい。
【0043】
図9は、ナビゲーションの地図上にテレビ放送から取得した店舗情報と画像データをマッピングした一例を示している。先にも説明したが、地図上のこれら情報は、ユーザによる操作に伴って拡大・縮小させたり、複数画像を切換えたりできるよう構成してよい。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
100:ナビゲーション装置 102:AV再生部
104:テレビチューナー 106:ラジオチューナー
108:ナビゲーション部 110:データ通信部
112:入力部 114:音声出力部
116:情報表示部 118:記憶部
120:制御部 200:画像キャプチャー部
202:施設情報抽出部 204:テキスト抽出部
206:位置情報取得部 208:店舗登録画面生成部
210:目的地リスト生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも地上波ディジタルテレビ放送を受信する機能を備えたナビゲーション装置であって、
受信した地上波ディジタルテレビ放送の映像コンテンツを所定の間隔で画像データとして記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段で記憶した画像データを解析してその中から、施設およびその地図データ上の位置を特定し得るテキストデータを抽出する施設情報抽出手段と、
前記施設情報抽出手段で抽出したテキストデータに基づいて、そのテキストデータにより特定される地図データ上の位置情報を取得する施設位置取得手段と、
前記施設位置取得手段で位置情報が取得されたテキストデータおよびそれが含まれていた画像データを、ディスプレイ上の地図データにおける対象位置に関連付けて表示する表示手段と、
を有するナビゲーション装置。
【請求項2】
前記施設位置取得手段は、抽出したテキストデータおよび映像コンテンツと関連付けられて配信されるテキストデータに基づいてそれらテキストデータにより特定される位置情報を取得するものである、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記施設位置取得手段によりその位置が取得された一又は複数の施設の情報をディスプレイ上に表示して、ユーザがその施設をナビゲーション機能における目的地として登録することを選択可能にさせる目的地登録手段をさらに含む、請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記目的地登録手段により登録された施設をディスプレイ上に表示して、ユーザがその施設をナビゲーション機能における目的地として設定することを可能にさせる目的地設定手段をさらに含む、請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記施設情報抽出手段で抽出するテキストデータは、その施設名および電話番号を含む、請求項1ないし4の何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
少なくとも地上波ディジタルテレビ放送を受信する機能を備えたナビゲーション装置における施設情報表示方法であって、
受信した地上波ディジタルテレビ放送の映像コンテンツを所定の間隔で画像データとして記憶するステップと、
前記記憶した画像データを解析してその中から、施設およびその地図データ上の位置を特定し得るテキストデータを抽出するステップと、
前記抽出したテキストデータに基づいて、そのテキストデータにより特定される地図データ上の位置情報を取得するステップと、
前記位置情報が取得されたテキストデータおよびそれが含まれていた画像データを、ディスプレイ上の地図データにおける対象位置に関連付けて表示するステップと、
を有するナビゲーション装置における施設情報表示方法。
【請求項7】
前記位置情報を取得するステップは、抽出したテキストデータおよび映像コンテンツと関連付けられて配信されるテキストデータに基づいてそれらテキストデータにより特定される位置情報を取得するものである、請求項6に記載のナビゲーション装置における施設情報表示方法。
【請求項8】
前記既知情報を取得するステップによりその位置が取得された一又は複数の施設の情報をディスプレイ上に表示して、ユーザがその施設をナビゲーション機能における目的地として登録することを選択可能にさせるステップをさらに含む、請求項6または7に記載のナビゲーション装置における施設情報表示方法。
【請求項9】
前記施設をナビゲーション機能における目的地として登録することを選択可能にさせるステップにより登録された施設をディスプレイ上に表示して、ユーザがその施設をナビゲーション機能における目的地として設定することを可能にさせるステップをさらに含む、請求項8に記載のナビゲーション装置における施設情報表示方法。
【請求項10】
少なくとも地上波ディジタルテレビ放送を受信する機能を備えたナビゲーション装置における施設情報表示プログラムであって、
受信した地上波ディジタルテレビ放送の映像コンテンツを所定の間隔で画像データとして記憶するステップと、
前記記憶した画像データを解析してその中から、施設およびその地図データ上の位置を特定し得るテキストデータを抽出するステップと、
前記抽出したテキストデータに基づいて、そのテキストデータにより特定される地図データ上の位置情報を取得するステップと、
前記位置情報が取得されたテキストデータおよびそれが含まれていた画像データを、ディスプレイ上の地図データにおける対象位置に関連付けて表示するステップと、
を有するナビゲーション装置における施設情報表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−203026(P2011−203026A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69091(P2010−69091)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】