説明

ナビゲーション装置およびプログラム

【課題】駐車場の利便性に関する情報を作成可能なナビゲーション装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、設定された目的地に対応する目的地駐車場に車両2が駐車されていた駐車期間を特定し(S104)、ユーザと共に移動するGPS受信端末95における衛星からの電波の受信状態を取得する(S105)。そして、駐車期間における受信状態に基づき、目的地駐車場と目的地との間の移動が屋内を通った移動であるか否かを判断する。駐車場と目的地との間の移動が屋内を通った移動であると判断された場合(S106:YES、S109:YES)目的地駐車場が屋内移動駐車場であると特定し(S110)、屋内移動フラグをセットする(S112)。これにより、屋内移動駐車場を案内や、目的地までの移動を考慮した駐車場の案内や、地図データの作成等ができ、ユーザの利便性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、設定された目的地への経路を案内するナビゲーション装置が知られている。また、設定された目的地への経路を案内するだけでなく、ユーザの操作なしに目的地周辺のユーザにとって有用な施設、例えば駐車場、を案内する経路案内装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−96361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両を駐車場に駐車した後、目的地まで屋内を通って移動することができる駐車場の案内をユーザが所望することがある。例えば雨が降っている場合などである。しかしながら、特許文献1では、雨天時に雨に濡れない等、目的地までの移動を考慮した駐車場を案内することはできない。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、駐車場の利便性に関する情報を作成可能なナビゲーション装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載のナビゲーション装置は、設定された目的地に対応する駐車場に車両が駐車されていた駐車期間を特定する駐車期間特定手段と、衛星からの電波に基づいて現在位置を特定可能でありユーザと共に移動する受信装置における衛星からの電波の受信状態を取得する受信状態取得手段と、駐車期間における受信状態に基づき、駐車場と目的地との間の移動が屋内を通った移動であるか否かを判断する屋内移動判断手段と、屋内移動判断手段により、駐車場と目的地との間の移動が屋内を通った移動であると判断された場合、当該駐車場に対して目的地まで屋内を通って移動可能な駐車場である旨を示す情報を付与する情報付与手段と、を備えることを特徴とする。このような構成によれば、目的地まで屋内を通って移動可能な駐車場である旨を示す情報のような、駐車場の利便性に関する情報を作成することが出来る。そして、作成した情報に基づいて、例えば、目的地まで屋内を通って移動可能な駐車場の案内等の目的地までの移動を考慮した駐車場の案内や、駐車場の利便性を考慮した地図データの作成等をすることができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0006】
請求項2に記載のナビゲーション装置は、屋内移動判断手段により駐車場と目的地との間の移動が屋内を通った移動ではないと判断されており、且つ、駐車場に対して目的地まで屋内を通って移動可能な駐車場である旨を示す情報が付与されている場合、当該情報をキャンセルするか否かを天候に応じて判断するキャンセル判断手段を備える。これにより、情報付与手段により付与された目的地まで屋内を通って移動可能な駐車場である旨の情報をキャンセルするか否かを天候に応じて適切に判断することができ、屋内を通って移動可能な駐車場である旨の情報の正確性を高めることができる。
【0007】
請求項3に記載のナビゲーション装置は、新たな目的地が設定された場合に、当該新たな目的地に対応する駐車場を検索する対応駐車場検索手段と、対応駐車場検索手段により検索された駐車場に対して付与されている目的地まで屋内を通って移動可能な駐車場である旨を示す情報に基づいて、当該検索された駐車場を案内する案内手段と、を備える。これにより、目的地まで屋内を通って移動可能な駐車場である旨を示す情報に基づいて駐車場を案内するので、ユーザの利便性が向上する。目的地まで屋内を通って移動可能な駐車場である旨を示す情報に基づく案内とは、例えば、目的地まで屋内を通って移動可能な駐車場である旨の情報が付与された駐車場にアイコンを付して表示し案内する。また例えば、目的地に対応する駐車場が複数ある場合、目的地まで屋内を通って移動可能な駐車場の優先的にリスト表示し案内する。
【0008】
以上は、ナビゲーション装置の発明として説明してきたが、次に示すようなプログラムの発明として実現することもできる。
すなわち、設定された目的地に対応する駐車場に車両が駐車されていた駐車期間を特定する駐車期間特定手段、衛星からの電波に基づいて現在位置を特定可能でありユーザと共に移動する受信装置における衛星からの電波の受信状態を取得する受信状態取得手段、駐車期間における受信状態に基づき、駐車場と目的地との間の移動が屋内を通った移動であるか否かを判断する屋内移動判断手段、及び屋内移動判断手段により、駐車場と目的地との間の移動が屋内を通った移動であると判断された場合、駐車場に対して目的地まで屋内を通って移動可能な駐車場である旨を示す情報を付与する情報付与手段、としてコンピュータを機能させるプログラムである。このようなプログラムを実行することで、上記と同様の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態の屋内移動判断処理を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態の駐車場属性情報を説明する説明図である。
【図4】本発明の一実施形態の駐車場案内処理を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態の屋内移動フラグに基づく案内の画面イメージを示す説明図である。
【図6】本発明の変形例によるキャンセル判断処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明によるナビゲーション装置を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
図1は、本実施形態によるナビゲーション装置1の全体構成を示すブロック図である。車両2に搭載されるナビゲーション装置1は、制御部10を中心に構成されており、制御部10に接続される位置検出器20、地図データ記憶部30、操作スイッチ群40、通信部50、描画部60、音声出力部70、および情報記憶部80等を備えている。
【0011】
制御部10は、通常のコンピュータとして構成されている。制御部10の内部には、CPU、ROM、I/O、および、これらの構成を接続するバスラインなどが備えられている。
位置検出器20は、いずれも周知の地磁気センサ21、ジャイロスコープ22、距離センサ23、および、衛星からの電波を受信するGPS(Global Positioning System)受信機24等を有している。これらのセンサ等21〜24は、各々が性質の異なる誤差を持っているため、相互に補完しながら使用される。
【0012】
地図データ記憶部30は、例えばハードディスク装置(HDD)として実現される記憶装置である。なお、本実施形態ではHDDを用いたが、DVD−ROMや、メモリカード等の他の媒体を用いても差し支えない。地図データ記憶部30は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データおよび経路を探索するための地図データを記憶している。地図データには、各種データが含まれるが、その一つとして施設に関する施設情報が含まれる。施設情報は、具体的には、施設を特定するIDと関連づけて記憶されているPOI(Point Of Interest)情報である。POI情報には、施設ID、住所、種別(ジャンル)、領域を示すデータなどが含まれる。また、施設に付属する付属駐車場や、施設と提携している提携駐車場がある場合、施設と駐車場とが関連づけて記憶されている。
【0013】
操作スイッチ群40は、ディスプレイ61と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチやリモコン装置等で構成され、各種入力に使用される。
通信部50は、後述する情報センタ90やGPS受信端末95との間で通信を行うための構成である。通信部50により受信した情報は、情報記憶部80に蓄積される。
【0014】
描画部60には、ディスプレイ61が接続されている。ディスプレイ61は、液晶やCRTを用いたカラーディスプレイである。このディスプレイ61を介して情報表示が行われる。
音声出力部70にはスピーカ71が接続されており、このスピーカ71を介して音声による案内が行われる。
【0015】
情報記憶部80は、通信部50にて受信される情報を記憶するためのものであり、地図データ記憶部30と同一のHDDで構成されている。もちろん、メモリカード等の他の媒体を用いてもよい。
【0016】
受信装置としてのGPS受信端末95は、本実施形態ではGPS機能付き携帯電話として具現化される。GPS受信端末95は、ユーザが車両2に乗車していないとき、車両2の外に持ち出されてユーザと共に移動する。GPS受信端末95は、衛星からの電波を取得し、取得した電波に基づいて現在位置を特定可能である。GPS受信端末95には、衛星からの電波の受信状況と位置情報とが時刻情報と関連づけられた履歴情報が記憶されている。ここで、本実施形態における受信状況について簡単に説明する。GPSによって現在位置を特定するためには、少なくとも3つの衛星からの電波を受信する必要があるが、本実施形態においては、現在位置が特定できるか否かに関わらず、少なくとも1つの衛星からの電波を受信した場合、衛星からの電波を受信したものとする。また、いずれの衛星からも電波を受信していない場合、衛星からの電波を受信していない、とする。
【0017】
ところで、本実施形態では、目的地までの移動を考慮した駐車場を案内可能である点に特徴を有している。そこで、図2に示すフローチャートに基づいて屋内移動判断処理を説明する。
最初のステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す)では、目的地が設定される。目的地の設定は、操作スイッチ群40を介して条件が入力されることにより、条件にあった目的地候補のリストがディスプレイ61に表示される。そして、リストの中からの選択操作を行うことにより、目的地が設定される。本実施形態では、目的地として施設(以下、「目的地施設」という。)が設定されているものとする。
【0018】
S102では、S101で設定された目的地施設に対応する駐車場(以下、「目的地駐車場」という。)に駐車したか否かを判断する。本実施形態では、目的地駐車場とは、目的地施設の付属駐車場および提携駐車場とするが、目的地駐車場は、付属駐車場および提携駐車場に限らず、例えば、目的地施設から所定の範囲内(例えば、目的地施設を中心とする半径500mの範囲内)にある駐車場としてもよい。そして、S102では、目的地駐車場の領域内にて車両2のイグニッションがオフされることにより、目的地駐車場に駐車した、と判断される。目的地駐車場に駐車していないと判断された場合(S102:NO)、S102を繰り返す。目的地駐車場に駐車したと判断された場合(S102:YES)、S103へ移行する。このとき、目的地駐車場に駐車したと判断された時刻を記憶し、駐車期間の開始時刻とする。
【0019】
S103では、車両2のイグニッションがオンされたか否かを判断する。車両2のイグニッションがオンされていないと判断された場合(S103:NO)、S103を繰り返す。車両2のイグニッションがオンされたと判断された場合(S103:YES)、S104へ移行する。このとき、イグニッションがオンされたと判断された時刻を記憶し、駐車期間の終了時刻とする。
【0020】
S104では、S102にて記憶された開始時刻およびS103にて記憶された終了時刻に基づいて、車両2が目的地駐車場に駐車されていた駐車期間を特定する。本実施形態では、目的地駐車場の領域内にて車両2のイグニッションがオフされてからオンされるまでの期間を、駐車期間とする。なお、特定された駐車期間が所定時間(例えば5分)以下である場合、ユーザが車両2を降りて目的地施設まで行った可能性が低いため、本処理の対象から除外する。なお、除外対象を規定する所定時間は、目的地施設の種別(ジャンル)や、目的地施設までの距離等に応じて可変としてもよい。
【0021】
S105では、特定された駐車期間を含むGPS受信端末95の履歴情報を取得する。
S106では、S105で取得した駐車期間中のGPS受信端末95の履歴情報の受信状況に基づき、駐車期間中に衛星からの電波を全く受信していなかったか否かを判断する。駐車期間中に衛星からの電波を全く受信していなかったと判断された場合(S106:YES)、S110へ移行する。衛星からの電波を少なくとも駐車期間の一部では受信していたと判断された場合(S106:NO)、S107へ移行する。
【0022】
S107では、衛星からの電波を受信していない期間があったか否かを判断する。衛星からの電波を受信していない期間がなかったと判断された場合(S107:NO)、S111へ移行する。衛星からの電波を受信していない期間があったと判断された場合(S107:YES)、S108へ移行する。
【0023】
S108では、駐車期間の開始時刻において、衛星からの電波を受信していなかったか否かを判断する。駐車期間の開始時刻において、衛星からの電波を受信していたと判断された場合(S108:NO)、S111へ移行する。駐車期間の開始時刻において、衛星からの電波を受信していなかったと判断された場合(S108:YES)、S109へ移行する。
【0024】
S109では、駐車の開始後、衛星からの電波を受信した地点が目的地施設の領域内か否かを判断する。衛星からの電波を受信した地点が目的地施設の領域内であると判断された場合(S109:YES)、S110へ移行する。衛星からの電波を受信した地点が目的地施設の領域内ではないと判断された場合(S109:NO)、S111へ移行する。
【0025】
駐車期間中において衛星からの電波を全く受信していなかった場合(S106:YES)、または、駐車開始時に衛星からの電波を受信しておらず(S108:YES)、駐車の開始後、衛星からの電波を受信した地点が目的地施設の領域内であった場合(S109:YES)に移行するS110では、当該目的地駐車場を目的地施設まで屋内を通って移動可能な駐車場(以下、「屋内移動駐車場」という。)であると特定する。本実施形態における屋内移動駐車場とは、目的地駐車場と目的地施設とを連絡する通路が屋内であることを意味するものであって、目的地施設自体が屋内か否かは問わない。
【0026】
衛星からの電波を受信していなかった期間がなかった場合(S107:NO)、駐車期間の開始時刻において、衛星からの電波を受信していたと判断された場合(S108:NO)、または、駐車の開始後に衛星からの電波を受信した地点が目的地施設の領域内ではないと判断された場合(S109:NO)に移行するS111では、当該目的地駐車場を目的地施設まで屋内を通って移動可能な屋内移動駐車場ではないと特定する。
【0027】
S112では、S110において屋内移動駐車場として特定された旨を示す情報を格納する。具体的には、S110にて屋内移動駐車場と特定された目的地駐車場について、目的地施設まで屋内を通って移動可能な駐車場である旨を示す屋内移動フラグを目的地施設と関連づけて格納する。その際、地図データ記憶部30に記憶されているPOI情報に含まれる駐車場属性情報として格納する。また、格納した駐車場属性情報は、通信ネットワークを介して情報センタ90へ送信してもよい。情報センタ90では、受信した駐車場属性情報を蓄積し、他のナビゲーション装置に送信してもよいし、地図データの作成に用いてもよい。なお、本実施形態では、屋内移動フラグが「目的地まで屋内を通って移動可能な駐車場である旨を示す情報」に対応している。
【0028】
駐車場属性情報の詳細について、図3に基づいて説明する。
図3は、施設Aが、複数の提携駐車場を有している場合の例である。この例では、駐車場P、駐車場Q、駐車場Rが施設Aの提携駐車場として予め対応づけられているものとする。ここで、駐車場Pが施設Aまで屋内を通って移動可能な屋内移動駐車場であると特定された場合、図3に示すように、施設Aに対応づけられている駐車場Pに屋内移動フラグをセットする。
【0029】
図4は、駐車場案内処理を説明するフローチャートである。この処理は、イグニッションがオンされてから所定間隔(例えば100msec毎)で行われるものである。
S121では、目的地が設定されたか否かを判断する。目的地の設定については、S101と同様に行われる。目的地が設定されていないと判断された場合(S121:NO)、S122以降の処理を行わない。目的地が設定されたと判断された場合(S121:YES)、S122へ移行する。なお、ここで設定された目的地が「新たな目的地」に対応している。
【0030】
S122では、S121にて設定された目的地に対応する駐車場を検索する。
S123では、検索された駐車場に屋内移動フラグがセットされた駐車場があるか否かを判断する。屋内移動フラグがセットされた駐車場がある場合(S123:YES)。S125へ移行する。屋内移動フラグがセットされた駐車場がない場合(S123:NO)、S124へ移行する。
【0031】
S124では、通常の駐車場案内を行い、駐車場案内処理を終了する。本実施形態では、S122で検索された目的地に対応する駐車場を、目的地からの距離が近い順にリスト表示する。
【0032】
屋内移動フラグがセットされた駐車場がある場合(S123:YES)に移行するS125では、屋内移動フラグに基づく案内を行い、駐車場案内処理を終了する。本実施形態では、S122で検索された目的地に対応する駐車場を、目的地からの距離が近い順にリスト表示するとともに、屋内移動フラグがセットされている駐車場について、屋内移動駐車場であることを示すアイコンを表示する。
【0033】
ここで、屋内移動フラグに基づく案内の具体例を、図5に基づいて説明する。
この例では、目的地として施設Aが設定され(S121:YES)、施設Aの提携駐車場として駐車場P、Q、R、S、Tが検索されたものとする(S122)。検索された駐車場のうち、駐車場P、Rに屋内移動フラグがセットされているものとし(S123:YES)、屋内移動フラグに基づく案内を行う(S125)。この場合、駐車場P、Rに屋内移動フラグがセットされているので、図5の画面イメージに示すように、駐車場P、Q、R、S、Tを目的地からの距離が近い順にリスト表示するとともに、駐車場P、Rについて、屋内移動駐車場であることを示すアイコンを表示する。
【0034】
屋内移動フラグに基づく案内は、屋内移動駐車場であることを示すアイコンを表示して案内することに限らず、様々な方法で行うことができる。例えば、目的地に対応する駐車場をリスト表示する際、屋内移動フラグがセットされている駐車場の優先度を上げてリスト表示したり、屋内移動フラグがセットされている駐車場のみを距離順にリスト表示したりすることができる。また例えば、ディスプレイ61に表示される地図上において、屋内移動駐車場の表示を、屋内移動駐車場でない駐車場の表示と色を変えたり、屋内移動駐車場の表示を点滅させたり、枠で囲んだりして表示するなどしてもよい。
【0035】
また、天候情報に基づいて、目的地に対応する駐車場の案内方法を変えてもよい。例えば、雨が降っていると判断された場合、屋内移動フラグに基づく案内を行い、雨が降っていないと判断された場合、屋内移動フラグに基づかない案内を行う、といった具合である。降雨や降雪の有無だけでなく、例えば外気温が所定の範囲(例えば10℃〜25℃)にない場合、屋内移動駐車場の優先度を高めてもよい。また、強風などの各種注意報や警報、紫外線情報、光化学スモッグ情報等に基づいて案内方法を変えてもよい。
【0036】
以上、詳述したように、本実施形態のナビゲーション装置1では、設定された目的地に対応する目的地駐車場に車両2が駐車されていた駐車期間を特定し(S104)、ユーザと共に移動するGPS受信端末95における衛星からの電波の受信状態を取得する(S105)。そして、駐車期間における受信状態に基づき、目的地駐車場と目的地との間の移動が屋内を通った移動であるか否かを判断する。駐車場と目的地との間の移動が屋内を通った移動であると判断された場合(S106:YES、S109:YES)目的地駐車場が屋内移動駐車場であると特定し(S110)、屋内移動フラグをセットする(S112)。これにより、目的地まで屋内を通って移動可能な駐車場である旨を示す情報のような、駐車場の利便性に関する情報を作成することができる。そして、作成した情報に基づいて、例えば、屋内移動駐車場の案内等の目的地までの移動を考慮した駐車場の案内や、駐車場の利便性を考慮した地図データの作成等をすることができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0037】
また、新たな目的地が設定された場合、当該新たな目的地に対応する駐車場を検索する(S122)。そして、検索された駐車場に屋内移動フラグがセットされた駐車場がある場合(S123:YES)、屋内移動フラグに基づく案内を行う(S125)。本実施形態では、目的地まで屋内を通って移動可能な駐車場に屋内移動駐車場であることをを示すアイコンを表示して案内するので、ユーザの利便性が向上する。
【0038】
なお、本実施形態の制御部10が、「駐車期間特定手段」、「受信状態取得手段」、「屋内移動判断手段」、「情報付与手段」、「対応駐車場検索手段」、「案内手段」を構成する。そして、図2中のS104が「駐車期間特定手段」の機能としての処理に相当し、S105が「受信状態取得手段」の機能としての処理に相当し、S106〜S109が「屋内移動判断手段」の機能としての処理に相当し、S112が「情報付与手段」の機能としての処理に相当する。また、図4中のS122が「対応駐車場検索手段」の機能としての処理に相当し、S125が「案内手段」の機能としての処理に相当する。
【0039】
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
(ア)キャンセル判断処理
屋内移動駐車場ではないと特定された駐車場に対し、今回の目的地と対応する屋内移動フラグが既にセットされていた場合、天候に応じて屋内移動フラグをキャンセルするか否かを判断するように構成してもよい。具体的には、図2のS111の後に、図6に示すキャンセル判断処理を行ってもよい。
【0040】
ここで、図6に示すフローチャートに基づいて、キャンセル判断処理を説明する。
S131では、屋内移動フラグがセットされているか否かを判断する。屋内移動フラグがセットされていない場合(S131:NO)、S132以降の処理を行わない。屋内移動フラグがセットされている場合(S131:YES)、S132へ移行する。
【0041】
S132では、駐車期間における目的地周辺の天候情報を取得する。
S133では、S132で取得した天候情報に基づき、GPS受信端末95において衛星からの電波を受信可能であった期間の天候が雨であったか否かを判断する。具体的には、GPS受信端末95において衛星からの電波を受信可能であった期間の天候が雨であった場合(S133:YES)、S135へ移行する。GPS受信端末95において衛星からの電波を受信可能であった期間の天候が雨でなかった場合(S133:NO)、S134へ移行する。
【0042】
S134では、雨が降っていなかったのでユーザは屋外を移動した可能性が高いと判断し、当該駐車場の屋内移動フラグを維持する。
GPS受信端末95において衛星からの電波を受信可能であった期間の天候が雨であった場合(S133:YES)に移行するS135では、当該駐車場の屋内移動フラグをキャンセルする。ここでの処理は、雨が降っているにも関わらず、ユーザが屋外を移動したとすれば、屋内移動フラグがセットされているのがエラーであり、実際には当該駐車場から目的地まで屋内を移動可能ではなかった可能性が高いと判断する。
【0043】
このような構成によれば、屋内移動駐車場ではないと特定された駐車場に屋内移動フラグがセットされている場合(S131:YES)、屋内移動フラグをキャンセルするか否かを天候に応じて判断する(S133)。すなわち、目的地周辺の天候が雨でなかった場合(S133:NO)、屋内移動フラグを維持し(S134)、雨であった場合(S133:YES)、屋内移動フラグをキャンセルする(S135)。これにより、屋内移動フラグをキャンセルするか否かを天候に応じて適切に判断することができ、屋内移動フラグの正確性を高めることができる。
【0044】
なお、制御部10が「キャンセル判断手段」を構成し、図5中のS133〜S135が「キャンセル判断手段」の機能としての処理に相当する。また、この例では、屋内移動フラグを維持するか否かを目的地周辺の天候が雨であったか否かに基づいて判断したが、雨に限らず、雪、雹、強風等、目的地周辺の天候が悪天候であったか否かに基づいて判断してもよい。また、降水量に基づいて判断してもよい。
【0045】
(イ)施設領域
受信不可期間の後、衛星からの電波を再受信した地点が目的地施設の領域内であると判断された場合(S109:YES)、当該駐車場を屋内移動駐車場として特定した。ところで例えば、目的地駐車場から屋内を移動可能な通路があり、当該通路の出口が目的地に隣接する道路、例えば歩道、にあることがある。この場合、駐車場から目的地まで概ね屋内を移動可能であるため、屋内移動駐車場として案内することが望ましい。そこで、目的地施設に隣接する道路を含む領域を拡大した目的地施設の領域とし、S109の判断処理を行ってもよい。尚、拡大した目的地施設の領域の特定については、目的地施設に隣接する道路の領域が地図データに記憶されている場合には、目的地施設に隣接する道路の領域を目的地施設の領域に加えた領域を、「拡大した目的地施設の領域」としてもよいし、目的地施設に隣接する道路の領域が地図データに記憶されていない場合には、目的地施設の領域から所定距離(例えば、15m)拡大した領域を、「拡大した目的地施設の領域」としてもよい。
【0046】
同様に、駐車場に隣接する道路に、目的地施設まで屋内を移動可能な通路の入口がある場合がある。そこで、駐車場に隣接する道路を含む領域を拡大した駐車場の領域とし、S108の判断処理を行ってもよい。尚、拡大した駐車場の領域の特定については、駐車場に隣接する道路の領域が地図データに記憶されている場合には、駐車場に隣接する領域を駐車場の施設に加えた領域を、「拡大した駐車場の領域」としてもよいし、駐車場に隣接する道路の領域が地図データに記憶されていない場合には、駐車場の領域から所定距離(例えば、30m)拡大した領域を、「拡大した駐車場の領域」としてもよい。
また、S108での判断処理は、駐車期間の開始時刻から所定時間(例えば5分)後に、衛星からの電波を受信していなかったか否かを判断してもよい。
【0047】
(ウ)駐車場属性情報
上記実施形態では、施設に対して提携駐車場が対応づけて記憶されていたが、駐車場に対して施設を対応づけて記憶するように構成してもよい。例えば、駐車場Qが、複数の施設の提携駐車場である場合、駐車場Qに対して、施設A、施設B、施設Cが予め対応づけられている、といった具合である。ここで、駐車場Qから施設Aまで屋内を通って移動可能であると特定された場合、駐車場Qについて、施設Aと対応づけて屋内移動フラグをセットするように構成してもよい。
【0048】
(エ)GPS受信端末
上記実施形態では、GPS受信端末は、携帯電話であった。GPS受信端末は、携帯電話に限らず、衛星からの電波を受信し現在位置を特定可能な装置であれば、どのような装置であってもよい。特に、ナビゲーション装置1が携帯可能であってユーザと共に移動する場合、ナビゲーション装置1自体がGPS受信端末95を構成してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1:ナビゲーション装置、2:車両、10:制御部(駐車期間特定手段、受信状態取得手段、屋内移動判断手段、情報付与手段、キャンセル判断手段、対応駐車場検索手段、案内手段)、20:位置検出器、21:地磁気センサ、22:ジャイロスコープ、23:距離センサ、24:GPS受信機、30:地図データ記憶部、40:操作スイッチ群、50:通信部、60:描画部、61:ディスプレイ、70:音声出力部、71:スピーカ、80:情報記憶部、90:情報センタ、95:GPS受信端末(受信装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された目的地に対応する駐車場に車両が駐車されていた駐車期間を特定する駐車期間特定手段と、
衛星からの電波に基づいて現在位置を特定可能でありユーザと共に移動する受信装置における衛星からの電波の受信状態を取得する受信状態取得手段と、
前記駐車期間における前記受信状態に基づき、前記駐車場と前記目的地との間の移動が屋内を通った移動であるか否かを判断する屋内移動判断手段と、
前記屋内移動判断手段により、前記駐車場と前記目的地との間の移動が屋内を通った移動であると判断された場合、前記駐車場に対して前記目的地まで屋内を通って移動可能な駐車場である旨を示す情報を付与する情報付与手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記屋内移動判断手段により前記駐車場と前記目的地との間の移動が屋内を通った移動ではないと判断されており、且つ、前記駐車場に対して前記情報が付与されている場合、当該情報をキャンセルするか否かを天候に応じて判断するキャンセル判断手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
新たな目的地が設定された場合に、当該新たな目的地に対応する駐車場を検索する対応駐車場検索手段と、
前記対応駐車場検索手段により検索された駐車場に対して付与されている前記情報に基づいて、当該検索された駐車場を案内する案内手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
設定された目的地に対応する駐車場に車両が駐車されていた駐車期間を特定する駐車期間特定手段、
衛星からの電波に基づいて現在位置を特定可能でありユーザと共に移動する受信装置における衛星からの電波の受信状態を取得する受信状態取得手段、
前記駐車期間における前記受信状態に基づき、前記駐車場と前記目的地との間の移動が屋内を通った移動であるか否かを判断する屋内移動判断手段、
及び前記屋内移動判断手段により、前記駐車場と前記目的地との間の移動が屋内を通った移動であると判断された場合、前記駐車場に対して前記目的地まで屋内を通って移動可能な駐車場である旨を示す情報を付与する情報付与手段、
としてコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−128100(P2011−128100A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289025(P2009−289025)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】