説明

ナビゲーション装置及びT字路交差点検出方法

【課題】より適正にT字路交差点を検出する「ナビゲーション装置及びT字路交差点判定方法」を提供する。
【解決手段】対象交差点ノード410を中心とする所定半径の円420と、ノード410に接続するセグメントが属する道路上のセグメントとの交点421、422、423(d)と、各交点に対象交差点ノード410から向かう方向431、432、433(e)を求める。そして、この3つの方向が、所定の関係を満たすかどうかを調べ、所定の関係を満たす場合のみ対象交差点をT字路交差点と判定する。所定の関係は、3つの方向を各々を、A、B、Cのうちから排他的に選択した任意の一つとして、|A-B|=180度±Δ、かつ、|A-C|=90度±Δ、かつ、|B-C|=90度±Δとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に搭載されるナビゲーション装置において交差点を案内する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車に搭載されるナビゲーション装置において交差点を案内する技術としては、地図データより求まる、交差点に対する道路の接続方向から交差点の形状を検出する技術が知られている(たとえば、特許文献1、2)。
【特許文献1】特開2001-215129号公報
【特許文献2】特開平5-46082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
さて、地図データでは、道路網は、直線の連続体として表現されることが一般的である。
また、図4aに示すような形状を有するT字路交差点でない交差点400周辺の道路網が、地図データにおいて、図4bに示すように直線の連続体として表現されることがある。
そして、図4bに示すように道路網が表現されている場合、交差点に対する道路の接続方向から交差点の形状を検出すると、図4cに示すように、交差点に対応する接続点410に接続する三つの直線411、412、413がT字状に接続点410で連結しているために、当該交差点がT字路交差点として誤検出されてしまうことになる。
【0004】
そこで、本発明は、より適正にT字路交差点を検出することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題達成のために、本発明は、道路網形状を表す道路地図データに基づいて交差点案内を行うナビゲーション装置に、交差点案内を行う交差点がT字路交差点であるか否かを判定するT字路交差点判定手段と、交差点案内を行う交差点の案内を、当該交差点がT字路交差点であった場合には、当該交差点がT字路交差点である旨の案内を含めて行う交差点案内手段とを備え、前記T字路交差点判定手段において、前記道路地図データから求まる、前記交差点案内を行う交差点に接続する道路が3本であって、前記道路地図データから求まる、前記交差点案内を行う交差点に接続する3つの道路上の、当該交差点案内を行う交差点からの距離が所定距離となる3つの地点に、当該交差点案内を行う交差点から向かう3つの方向が、当該交差点案内を行う交差点からT字状に伸びている場合に、当該交差点案内を行う交差点がT字路交差点であると判定するようにしたものである。
【0006】
また、前記課題達成のために、道路網形状を表す道路地図データに基づいて、交差点がT字路交差点であるか否かを判定するT字路交差点判定方法を、前記道路地図データに基づいて、交差点に接続する道路が3本であるか否かを判定する第1ステップと、前記交差点に接続する道路が3本でないと判定された場合に、当該交差点がT字路交差点でないと判定する第2ステップと、交差点に接続する道路が3本であると判定された場合に、前記道路地図データに基づいて、当該交差点に接続する3つの道路上の、当該交差点からの距離が所定距離となる3つの地点を求め、求めた3つの地点に、当該交差点から向かう3つの方向が、当該交差点からT字状に伸びているか否かを判定する第3ステップと、前記求めた3つの地点に、当該交差点から向かう3つの方向が、当該交差点からT字状に伸びていないと判定された場合に、当該交差点がT字路交差点でないと判定する第4ステップと、前記求めた3つの地点に、当該交差点から向かう3つの方向が、当該交差点からT字状に伸びていると判定された場合に、当該交差点がT字路交差点であると判定する第5ステップとより構成したものである。
【0007】
また、前記課題達成のために、本発明は、道路網形状と、各交差点のT字路交差点であるか否かの識別とを表す道路地図データを作成する地図データ作成方法として、前記道路網形状に基づいて、交差点に接続する道路が3本であるか否かを判定する第1ステップと、交差点に接続する道路が3本であると判定された場合に、前記道路網形状に基づいて、当該交差点に接続する3つの道路上の、当該交差点からの距離が所定距離となる3つの地点を求め、求めた3つの地点に、当該交差点から向かう3つの方向が、当該交差点からT字状に伸びているか否かを判定する第2ステップと、前記求めた3つの地点に、当該交差点から向かう3つの方向が、当該交差点からT字状に伸びていると判定された場合に、当該交差点がT字路交差点である旨の識別を前記地図データに登録する第3ステップとを有する地図データ作成方法も提供する。
【0008】
ここで、以上のナビゲーション装置やT字路交差点判定方法や地図データ作成装置における、交差点から求めた3つの地点に向かう前記3つの方向が、当該交差点からT字状に伸びていることの判定は、当該3つの方向の内の2つの方向の角度差が180度±所定の許容角度範囲の範囲内にあって、残る1つの方向の他の方向に対する角度差が90度±所定の許容角度範囲の角度範囲内にある場合に、当該3つの方向が、当該交差点からT字状に伸びていると判定するようにしてもよい。
【0009】
以上のように、本発明によれば、交差点に対する道路の接続方向から当該交差点がT字路交差点であるか否かを判定するのではなく、交差点に接続する3つの道路上の、当該交差点からの距離が所定距離となる3つの地点に、当該交差点から向かう3つの方向が、当該交差点からT字状に伸びているか否かに応じて、当該交差点がT字路交差点であるか否かを判定するので、道路の全体的な形状より当該交差点がT字路交差点であるか否かを判定することができるようになる。よって、T字路交差点ではない交差点近傍での道路が、地図データにおいてT字状に表現されているような場合にも、誤って当該交差点をT字路交差点と判定することがなく、結果、より適正にT字路交差点を検出することができるようになる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明によれば、より適正にT字路交差点を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係るナビゲーションシシステムの構成を示す。
ナビゲーションシステムは、自動車に搭載されるシステムであり、図示するように、ナビゲーション装置1と、スピーカ2と、操作部3と、表示装置4と、車両状態センサ5と、GPS受信機6とを備えて構成される。
ここで、車両状態センサ5は、角加速度センサや地磁気センサなどである方位センサや、車速パルスセンサなどである車速センサなどの各種車両状態を検出する各種センサである。
そして、ナビゲーション装置1は、地図を表す地図データを記憶したHDDなどの記憶装置11、現在状態算出部12、ルート探索部13、メモリ14、音声を生成しスピーカ2から出力する音声生成部15、制御部16、案内画像生成部17、操作部3や表示装置4を用いたユーザとの間の入出力を制御するGUI制御部18を備えている。
【0012】
但し、以上のナビゲーション装置1は、ハードウエア的には、マイクロプロセッサや、メモリや、その他のグラフィックプロセッサやジオメトリックプロセッサ等の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたCPU回路であって良く、この場合、以上に示したナビゲーション装置1の各部は、マイクロプロセッサが予め用意されたプログラムを実行することにより具現化するプロセスとして実現されるものであって良い。また、この場合、このようなプログラムは、記録媒体や適当な通信路を介して、ナビゲーション装置1に提供されるものであって良い。
【0013】
次に、図2aに、記憶装置11に記憶される地図データの内容を示す。
図示するように、地図データは、地図データのバージョン等を記述した管理データ、各道路路線の情報を表す路線データ、地図を表す基本地図データとを含んで構成される。
そして、基本地図データは、道路ネットワークを表す道路ユニットと、地図に含まれる道路以外の描画オブジェクト(地名や地形図形等)を表す描画ユニットとを有する。
ここで、道路網データでは、交差点を表すノードと、ノード間を連結するリンクの集合として道路網を定義しており、各リンクの形状は、直線であるセグメントの連結体として表現される。そして、各セグメントは、リンクの両端のノードと、リンク上に配置されたリンク内のセグメントの接続点であるシェープポイントによって定義される。すなわち、図2bに示すような道路網の交差点Aと交差点Bの間の道路は、図2cに示すように交差点Aに対応するノードN1と、交差点Bに対応するノードN2と、ノードN1とノードN2を連結するリンクL(N1N2)にモデル化され、ノードN1とノードN2とを両端とする、リンクL(N1N2)の形状はシェープポイントSP01-SP05で順次接続されたセグメントSG1-SG6によって規定される。
【0014】
そして、道路ユニットは、ノード毎に設けられたノードデータと、リンク毎に設けられたリンクデータとを有する。
また、各ノードデータには、対応するノードの識別子となるノード番号、対応するノードの各種属性を表すノード属性、対応するノードの位置を表すノード座標、接続リンクリストと、接続ノードリストとを含み、接続リンクリストには、対応するノードに接続するリンクのリンク番号を表す接続リンク番号が登録され、接続ノードリストには、対応するノードに一本のリンクを介して接続する他のノードのノード番号を表す接続ノード番号が登録される。
【0015】
また、各リンクデータには、対応するリンクの識別子となるリンク番号、対応するリンクの各種属性を表すリンク属性、対応するリンクの端点となる二つノードのノード番号を表す第1端点ノードと第2端点ノード、シェープポイントリストが登録される。また、リンクデータのシェープポイントリストには、対応するリンク上のシェープポイントの座標を表すシェープポイント座標を、第1端点ノードから第2端点ノード向かって対応するリンクを進んだ場合に通過する順序に従って登録する。
【0016】
さて、このような構成において、ナビゲーション装置1の現在状態算出部12は、車両状態センサ5やGPS受信機6の出力から推定される現在位置に対して、記憶装置11から読み出した地図データの道路ユニットが示す前回決定した現在位置の周辺の地図とのマップマッチング処理などを施して、現在位置として最も確からしい座標と、現在の進行方向として最も確からしい方向とを、それぞれ現在位置、現在進行方位として決定し、メモリ14に設定する。
【0017】
また、制御部16は、ユーザから操作部3、GUI制御部18を介して目的地の設定を受付け、これをメモリ14にセットする。そして、目的地までの誘導経路をルート探索部13に探索させる。ルート探索部13は、必要地理的範囲の地図データを記憶装置11から読み出し、メモリ14に設定されている現在位置から目的地までの最小コストの経路を距離最小、時間最小などコストモデルに基づいて探索し、探索した経路を誘導経路としてメモリ14にセットする。
【0018】
また、制御部16は、メモリ14にセットされた現在位置が目的地近傍となったならば、目的地到着と判定し、メモリ14にセットされている目的地や誘導経路をクリアする処理を行う。
また、案内画像生成部17は、メモリ14にセットされている現在位置を参照し、地図データが示す現在位置周辺の地図を、ユーザが設定している縮尺で表す地図画像を生成する。また、案内画像生成部17は、描画した地図画像上に、メモリ14にセットされている現在位置を表す図形を描画し、案内画像をとしてGUI制御部18を介して表示装置4に表示する処理を繰り返し行う。ここで、メモリ14に目的地や誘導経路がセットされている場合には、案内画像生成部17は、誘導経路が示す誘導経路の地図画像が表す地図表示範囲内の部分を表す図形も案内画像に含めて表示する。また、地図表示範囲内に目的地が含まれる場合には、さらに、目的地を表す図形も案内画像に含めて表示する。
【0019】
以下、このような構成において、メモリ14に目的地や誘導経路が設定されているとき、すなわち、経路案内中に制御部16が行う交差点案内処理について説明する。
図3aに、この交差点案内処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、メモリ14に設定されている現在位置と誘導経路とを参照して、現在位置の誘導経路上次の進路変更交差点への所定距離(たとえば、300m)接近を監視する(ステップ302)。ここで、進路変更交差点とは、誘導経路に従って進行する場合に進路を変更(右折/左折等)することになる交差点である。
【0020】
そして、次の進路変更交差点に接近したならば、当該次の進路変更交差点を対象交差点とするT字路交差点判定処理を行って、当該次の進路変更交差点がT字路交差点であるかどうかを判定する(ステップ304)。このT字路交差点判定処理の詳細については後述する。
【0021】
そして、次の進路変更交差点がT字路交差点である場合には、音声生成部15に、たとえば、「300m先のT字路交差点を左折です」といったような、次の進路変更交差点における進路変更方向と、当該次の進路変更交差点までの距離と、当該次の進路変更交差点がT字路交差点である旨を案内する音声案内メッセージをスピーカ2に出力させる(ステップ306)。そして、ステップ302の監視に戻る。
【0022】
一方、次の進路変更交差点がT字路交差点でない場合には(ステップ304)、「300m先の交差点を左折です」といったような、次の進路変更交差点における進路変更方向と、当該次の進路変更交差点までの距離を案内する音声案内メッセージをスピーカ2に出力させる(ステップ308)。そして、ステップ302の監視に戻る。
【0023】
以上、制御部16が行う交差点案内処理について説明した。
次に、交差点案内処理のステップ304で行うT字路交差点判定処理の詳細について説明する。
図3bに、このT字路交差点判定処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、地図データを参照して、T字路交差点判定処理の対象となっている対象交差点に対応するノードに接続するセグメント数が3であるかどうかを調べ(ステップ352)、3でなければ、対象交差点はT字路交差点では無いと判定し(ステップ360)、処理を終了する。
【0024】
一方、対象交差点に対応するノードに接続するセグメント数が3であれば(ステップ352)、3つの接続セグメントの各々について、接続セグメントが属する道路区間を形成するセグメントと、対象交差点に対応するノードを中心とする所定半径(たとえば、50m)の円とが交わるポイントを算出する(ステップ354)。ここで、接続セグメントが属する道路区間は、当該接続セグメントが属する道路のうちの、対象交差点に対応するノードよりも当該接続セグメント側にある道路区間とする。
【0025】
そして、3つの接続セグメントについてステップ354で算出した3つのポイントの、対象交差点に対応するノードに対する方向が所定の関係を満たしているかどうかを調べる(ステップ356)。ここで、所定の関係は、3つのポイントの対象交差点に対応するノードに対する3つの方向の各々を、A、B、Cのうちから排他的に選択した任意の一つとして、|A-B|=180度±Δ、かつ、|A-C|=90度±Δ、かつ、|B-C|=90度±Δを満たす場合に、満たされる関係とする。なお、Δは、T字形状からのずれの許容値として予め定めた角度である。ここで、この所定の関係は、対象交差点に対応するノードから各交点に引いた直線が、おおよそT字形状を形成する場合に満たされる関係である。
【0026】
そして、所定の関係を満たしていれば、対象交差点はT字路交差点であると判定して(ステップ358)処理を終了し、満たしていなければ、対象交差点はT字路交差点では無いと判定し(ステップ360)、処理を終了する。
以上、T字路交差点判定処理について説明した。
ここで、図4に、このようなT字路交差点判定処理の処理例を示す。
いま、図4aに示すような形状を有する、T字路交差点でない交差点400周辺の道路網が、地図データにおいて、図4bに示すようにリンク/セグメントの連続体として表現されているものとする。
そして、図4bに示すように道路網が表現されている場合に、交差点400を対象交差点とするT字路交差点判定処理は、次のように行われる。
すなわち、まず、図4dに示すように対象交差点に対応するノード410を中心とする所定半径(たとえば、30m)の円420と、ノード410に接続するセグメントが属する道路上の任意のセグメントとの交点421、422、423を求める。この交点は、たとえば、ノード410に接続している各セグメントについて次の処理を行うことにより求めることができる。
【0027】
すなわち、まず、ノード410に接続しているセグメントを対象セグメントとする。そして、対象セグメント上にノード410までの距離が所定半径となるポイントが存在しているかどうかを調べ、存在する場合はそのポイントを交点とし、存在しない場合には、対象セグメントにノード410と反対方向側で接続しているセグメントに対象セグメントを更新する処理を、交点が見つかるまで行う。
【0028】
次に、このようにして交点421、422、423を求めたならば、図4eに示すように各交点421、422、423にノード410から向かう方向431、432、433を求め、この3つの方向が、所定の関係を満たすかどうかを調べる。図4fは、Δ=30度として、|A-B|=180度±Δ、かつ、|A-C|=90度±Δ、かつ、|B-C|=90度±Δという所定の関係が満たされる場合に、三つの方向A、B、Cが存在し得る角度範囲の相対的な関係を示したものであり、図4g1、g2、g3に示すように、三つの方向431、432、433については、これら方向をどのような組み合わせでA、B、Cとしようが、この所定の関係は満たされない。よって、ノード410から各交点421、422、423に引いた直線は、およそT字形状を成しておらず、この対象交差点はT字路交差点ではないと正しく判定される。
【0029】
一方、T字路交差点周辺の道路網が、地図データにおいて図4hに示すようにリンク/セグメントの連続体として表現されている場合には、このT字路交差点を対象交差点とするT字路交差点判定処理では、図4jに示すように交点521、522、523と、これら交点に対するT字路交差点に対応するノード510からの方向531、532、533が算出される。そして、これらの方向531、532、533は、図示するように、図4fに示した所定の関係を満たし、したがって、ノード510から各交点521、522、523に引いた直線が、おおよそT字形状を形成するので、対象交差点はT字路交差点であると正しく判定されることになる。
【0030】
なお、上記した所定の関係を満たすかどうかの判定に当たっては、三つの交点について求めた三つの方向のうちの、角度差が最も大きい二つの方向をA、B、残りの方向をCとして当該所定の関係が満たされるかどうか調べるようにしてもよい。または、対象交差点に対応するノードに接続する3つのセグメントのうち、対象交差点に対応するノードから伸びる方向の角度差が最も大きい二つのセグメントについて求めた方向をA、B、残るセグメントについて求めた方向をCとして当該所定の関係が満たされるかどうか調べるようにしてもよい。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上の実施形態では、ナビゲーション装置1において、交差点がT字路交差点であるかどうかの判定を行うようにしたが、この判定は、地図データ作成の際に各交差点について行いT字路交差点であるかどうかの判定を行うようにしてもよい。また、この場合には、各交差点についての判定結果を、各交差点に対応するノードのノードデータのノード属性として地図データに記憶しておくようにし、ナビゲーション装置1では、各交差点がT字路交差点であるかどうかを、当該交差点に対応するノードのノード属性より判定するようにする。すなわち、たとえば、図3aの交差点案内処理では、そのステップ304で、次の進路変更交差点がT字路交差点であるかどうかを、次の進路変更交差点に対応するノードのノードデータのノード属性より判定するようにする。
【0032】
以上のように、本実施形態によれば、交差点に対する道路の接続方向から当該交差点がT字路交差点であるか否かを判定するのではなく、交差点に接続する3つの道路上の、当該交差点からの距離が所定距離となる3つの地点に、当該交差点から向かう3つの方向が、当該交差点からT字状に伸びているか否かに応じて、当該交差点がT字路交差点であるか否かを判定するので、道路の全体的な形状より当該交差点がT字路交差点であるか否かを判定することができるようになる。よって、T字路交差点ではない交差点近傍での道路が、地図データにおいてT字状に表現されているような場合にも、誤って当該交差点をT字路交差点と判定することがなく、結果、より適正にT字路交差点を検出することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置が備える地図データを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る交差点案内処理とT字路交差点判定処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る前T字路交差点判定処理の処理例を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1…ナビゲーション装置、2…スピーカ、3…操作部、4…表示装置、5…車両状態センサ、6…GPS受信機、11…記憶装置、12…現在状態算出部、13…ルート探索部、14…メモリ、15…音声生成部、16…制御部、17…案内画像生成部、18…GUI制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路網形状を表す道路地図データに基づいて交差点案内を行うナビゲーション装置であって、
交差点案内を行う交差点がT字路交差点であるか否かを判定するT字路交差点判定手段と、
交差点案内を行う交差点の案内を、当該交差点がT字路交差点であった場合には、当該交差点がT字路交差点である旨の案内を含めて行う交差点案内手段とを有し、
前記T字路交差点判定手段は、前記道路地図データから求まる、前記交差点案内を行う交差点に接続する道路が3本であって、前記道路地図データから求まる、前記交差点案内を行う交差点に接続する3つの道路上の、当該交差点案内を行う交差点からの距離が所定距離となる3つの地点に、当該交差点案内を行う交差点から向かう3つの方向が、当該交差点案内を行う交差点からT字状に伸びている場合に、当該交差点案内を行う交差点がT字路交差点であると判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1記載のナビゲーション装置であって、
前記T字路交差点判定手段は、前記3つの方向の内の2つの方向の角度差が180度±所定の許容角度範囲の範囲内にあって、残る1つの方向の他の方向に対する角度差が90度±所定の許容角度範囲の角度範囲内にある場合に、当該3つの方向が、当該交差点案内を行う交差点からT字状に伸びているとすることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
道路網形状を表す道路地図データに基づいて、交差点がT字路交差点であるか否かを判定するT字路交差点判定方法であって、
前記道路地図データに基づいて、交差点に接続する道路が3本であるか否かを判定する第1ステップと、
前記交差点に接続する道路が3本でないと判定された場合に、当該交差点がT字路交差点でないと判定する第2ステップと、
交差点に接続する道路が3本であると判定された場合に、前記道路地図データに基づいて、当該交差点に接続する3つの道路上の、当該交差点からの距離が所定距離となる3つの地点を求め、求めた3つの地点に、当該交差点から向かう3つの方向が、当該交差点からT字状に伸びているか否かを判定する第3ステップと、
前記求めた3つの地点に、当該交差点から向かう3つの方向が、当該交差点からT字状に伸びていないと判定された場合に、当該交差点がT字路交差点でないと判定する第4ステップと、
前記求めた3つの地点に、当該交差点から向かう3つの方向が、当該交差点からT字状に伸びていると判定された場合に、当該交差点がT字路交差点であると判定する第5ステップとを有することを特徴とするT字路交差点判定方法。
【請求項4】
請求項3記載のT字路交差点判定方法であって、
前記第3ステップにおいて、前記3つの方向の内の2つの方向の角度差が180度±所定の許容角度範囲の範囲内にあって、残る1つの方向の他の方向に対する角度差が90度±所定の許容角度範囲の角度範囲内にある場合に、当該3つの方向が、当該交差点案内を行う交差点からT字状に伸びていると判定することを特徴とするT字路交差点判定方法。
【請求項5】
道路網形状と、各交差点のT字路交差点であるか否かの識別とを表す道路地図データを作成する地図データ作成方法であって、
前記道路網形状に基づいて、交差点に接続する道路が3本であるか否かを判定する第1ステップと、
交差点に接続する道路が3本であると判定された場合に、前記道路網形状に基づいて、当該交差点に接続する3つの道路上の、当該交差点からの距離が所定距離となる3つの地点を求め、求めた3つの地点に、当該交差点から向かう3つの方向が、当該交差点からT字状に伸びているか否かを判定する第2ステップと、
前記求めた3つの地点に、当該交差点から向かう3つの方向が、当該交差点からT字状に伸びていると判定された場合に、当該交差点がT字路交差点である旨の識別を前記地図データに登録する第3ステップとを有することを特徴とする地図データ作成方法。
【請求項6】
請求項5記載の地図データ作成方法であって、
前記第2ステップにおいて、前記3つの方向の内の2つの方向の角度差が180度±所定の許容角度範囲の範囲内にあって、残る1つの方向の他の方向に対する角度差が90度±所定の許容角度範囲の角度範囲内にある場合に、当該3つの方向が、当該交差点案内を行う交差点からT字状に伸びていると判定することを特徴とする地図データ作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−8261(P2010−8261A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−168667(P2008−168667)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】