説明

ナビゲーション装置

【課題】
表示画面上の道路をなぞることにより目的地に至るまでの経路を設定するナビゲーション装置で、通行規制のため通行することができない道路を指でなぞっても経路として設定されないナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】
乗員の道路をなぞっている指31が道路34に到達すると、道路34に対応するリンクの情報から、道路34から進入することができる道路35と進入できない道路38のリンクの情報を取得する。次に進入できないリンクに対応する道路38の表示を、ほかの道路と比較して薄く表示する。進入することができる道路をなぞった場合のみ目的地に至る経路としてなぞった道路が設定されるようにし、誤って通入することのできない道路38上をなぞっても目的地に至る経路41として設定されない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示された道路をなぞることによって、目的地に至るまでの経路を設定することができるナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
目的地までの通過経路を設定する際、表示画面に表示された道路を指又はタッチペンによりトレースすることによって、通過を希望する道路を設定するナビゲーション装置が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−111354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているナビゲーション装置では、ユーザが指で画面上をトレースすることによって通過したい道路を任意に指定できるようにされているため、一方通行などの通行規制のために通行することができない道路も通過経路として設定されてしまうという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明のナビゲーション装置は、道路地図を表示する道路地図表示手段と、道路地図上の押圧位置を検出する押圧位置検出手段と、道路地図に表示される道路のリンク情報およびノード情報を記憶する記憶手段と、押圧位置に対応する対応リンクを抽出する対応リンク抽出手段と、対応リンクに隣接する隣接リンクを抽出する隣接リンク抽出手段と、対応リンクを目的地に至る経路として設定する経路設定手段とを備え、経路設定手段は、対応リンクにおけるリンク情報およびノード情報より、(1)対応リンクから隣接リンクに進入できる場合は、押圧位置が隣接リンクに対応する位置であるとき、隣接リンクを目的地に至る経路として設定し、(2)通行規制により対応リンクから隣接リンクに進入できない場合は、押圧位置が前記隣接リンクに対応する位置であっても、隣接リンクを目的地に至る経路として設定しないことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、対応リンクにおけるリンク情報およびノード情報より、通行規制により前記対応リンクから隣接リンクに進入できないときは、隣接リンクに対応する道路をほかの道路と異なる表示形態で表示する道路表示手段をさらに備えることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、対応リンクにおけるリンク情報およびノード情報より、通行規制により対応リンクから隣接リンクに進入できないときは、隣接リンクに対応する道路を表示しない道路表示制御手段をさらに備えることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、経路設定手段によって設定された経路のリンクに、1つのノードに3つ以上のリンクが接続しているリンクを検出する経路異常検出手段と、経路異常検出手段により1つのノードに3つ以上のリンクが接続されているリンクを検出した場合、経路異常を報知する経路異常報知手段とをさらに備えることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載のナビゲーション装置において、経路異常検出手段によって1つのノードに3つ以上のリンクが接続されているリンクを検出した場合、設定された経路を修正する経路修正手段を備え、経路異常報知手段は、修正の要否を確認するメッセージを出力し、経路修正手段は、修正要が入力されたとき設定された経路を修正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、表示画面上の道路で通行規制のため通行することができない道路を指でなぞっても目的地に至る経路として設定されないので、通行規制のため通行することができない道路が目的地に至る経路として設定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。図1のナビゲーション装置1は、目的地までの経路をタッチパネル18上でトレースすることにより設定できるようにしている。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、入力装置17、タッチパネル18、VICS(道路交通情報システム)情報受信部20およびディスクドライブ21を有している。
【0007】
タッチパネル18は、表示モニタ16の表面に積層される透明のタッチスイッチであり、表示モニタ16に表示される画像はタッチパネル18を通して表示される。タッチパネル18は、タッチパネル18上の操作位置に応じた信号をタッチパネルコントロール部19に送出し、タッチパネルコントロール部19はタッチパネル18の押圧位置を算出する。ディスクドライブ21には、表示モニタ16に表示する地図データが記録されたDVD−ROM22が装填される。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、乗員の要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM22に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が推奨経路として表示モニタ16に表示される。
【0009】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、車両の進行方向を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14cなどからなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0010】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはディスクドライブ21によって読み込まれるDVD−ROM22に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示など行うことができる。
【0011】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示として乗員に提供する。入力装置17は、乗員が各種コマンドを設定するための入力スイッチを有し、リモコンなどによって実現される。乗員は、表示モニタ16の表示画面の指示に従って入力装置17を手動で操作することにより、目的地を選択して目的地を設定する。上述したとおり、タッチパネル18は表示モニタ16のモニタ画面上に設けられた透明パネルであり、表示モニタ16に表示した表示画面はタッチパネル18を通して表示される。また、表示モニタ16の表示画面を押圧するとタッチパネル18が押圧される。タッチパネル18は入力装置17と同様に入力機能を有する。表示モニタ16に表示された地図画面や各種ボタン、表示メニューなどを指で押圧するとタッチパネル18が押圧され、タッチパネルコントロール部19によって押圧位置が算出される。そして、算出された押圧位置は制御回路11に入力され、目的地を設定したり、各種ボタンや表示メニューに対応する機能を実行させたりする。また、表示モニタ16に表示された道路を指でなぞると、なぞった道路が目的地に至るまでの経路として設定される。なぞった道路には軌跡線が表示される。軌跡線はほかの道路と表示形態、たとえば表示色や線幅などをほかの道路と変えて表示される。
【0012】
目的地が乗員により設定されると、ナビゲーション装置1はGPSセンサ14cにより検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められたルート(以下、探索ルートという)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、乗員は地図上の探索ルートを画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、探索ルートに従って車両が走行できるように、乗員に対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を誘導する。
【0013】
VICS情報受信部20は、図示しないVICS情報センターから供給される渋滞情報などのVICS情報を受信し、制御回路11に出力する。このVICS情報は主に高速道路上に設置されている電波ビーコンや、主に一般道路上に設置されている光ビーコン、またはFM多重放送によって送信される。ナビゲーション装置1は、これらによって送信されたVICS情報をVICS情報受信部20により受信する。
【0014】
ディスクドライブ21は、装填されたDVD−ROM22から、表示モニタ16へ地図を表示するための地図データを読み出す。なお、DVD−ROM22以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0015】
次に、表示モニタ16に表示された道路を指でなぞることによって、目的地に至る経路を設定する操作を、図2〜8を参照して説明する。図2は、目的地に至る経路を設定するために、表示モニタ16に表示された道路を指31でまさになぞり始めようとしたときの表示画面を示したものである。表示モニタ16には、目的地32までの経路で、通過を希望する道路33〜37が表示されている。また、道路38には一方通行の通行規制があり、交差点39から道路38へ進入することはできない。また、交差点310には、道路35から右折方向以外進入することができないという通行規制があり、道路35からは、道路311および道路312へ進入することはできない。
【0016】
次に、道路上をなぞっている指が道路34に到達したときの表示モニタ16の表示を図3に示す。乗員が道路をなぞって、目的地に至る経路として設定された道路は軌跡線41として、表示モニタ16に表示される。乗員の道路上をなぞっている指31が道路34に到達すると、道路34から進入することのできない道路38の表示がほかの道路と比べて薄くなる。このように道路38の表示がほかの道路と比べて薄くなることによって、乗員は道路38へ進入できないことがわかる。また、誤って進入することができない道路38をなぞってしまっても、図4に示すように、道路38には軌跡線41は表示されず、目的地32に至る経路として設定されない。
【0017】
次に、道路上をなぞっている指が道路35に到達したときの表示モニタ16の表示を図5に示す。道路上をなぞっている指31が道路35に到達すると、道路35から進入することのできない道路311および道路312の表示がほかの道路と比べて薄くなる。このように道路311および道路312の表示がほかの道路と比べて薄くなることによって、乗員は道路311および道路312へ進入できないことがわかる。また、誤って進入することができない道路、たとえば道路312をなぞってしまっても、図6に示すように、道路312には軌跡線41は表示されず、目的地までの経路として設定されない。
【0018】
目的地32までの経路で通過を希望する道路33〜37を指31でなぞり終えると、図7に示すように道路33〜37には軌跡線41が表示され、目的地32までの経路として道路33〜37に対応する複数のリンクが設定される。そして、表示モニタ16から指31を離すと、道路33,34,35,36を通り、道路37の目的地32までの経路設定が確定する。そして、指31でなぞった道路に対応する複数のリンクの情報が、目的地32に至る経路の情報としてRAM13に記憶される。
【0019】
次に、軌跡線41になぞり間違いはないか、つまり目的地32に至る経路が異常経路であるか否かが確認される。そして、なぞり間違いの箇所と思われる道路が存在していた場合は、その箇所を修正するか否かを問合せをする画面が表示される。たとえば、図8(a)に示すように、跡線41を引くつもりが、誤って軌跡線81も引いたとする。ナビゲーション装置1は、なぞり間違い箇所と思われる道路の軌跡線81の表示態様を変え、その箇所を消去するか否かの問合せメッセージ82を表示モニタ16に表示する。なお、なぞり間違い箇所と思われる道路の判断については後述する。そして、乗員がYESボタン83を押圧し、図8(b)に示すように、軌跡線81を指31でなぞることによって軌跡線81が消去される。そして、修正後の目的地32に至る経路の情報がRAM13に記憶される。乗員がNOボタン84を押圧した場合は、軌跡線81がそのまま残る。
【0020】
次に、以上説明した経路設定処理を図9,10のフローチャートを使用して説明する。図9,10の処理は、道路を指でなぞることによって経路を設定することができるモードの道路地図が表示モニタ16に表示されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0021】
ステップS901では、表示モニタ16の表示画面上が押圧されて、つまりタッチパネル18が押圧されてタッチパネル18が操作信号を出力しているか否かを判定し、ステップS901が肯定判定されるとステップS902へ進む。操作信号が検出されない場合は、ステップS901を繰り返し実行する。ステップS902では、タッチパネル18から出力される操作信号に対応する対応リンクを決定する。対応リンクは次のように決定される。すなわち、操作信号に基づいてタッチパネル18上の押圧位置を算出し、さらに地図上の押圧位置を算出する。そして、DVD−ROM22に記憶されている地図データより、地図上の押圧位置から所定の範囲内にあるノードを抽出する。抽出したノードに接続するリンクを抽出して、そのリンクから地図上の押圧位置までの距離を算出する。そして、算出した距離が最も小さいリンクを対応リンクとして決定する。
【0022】
ステップS903では、対応リンクに対応する道路に軌跡線41を表示する。ステップS904では、タッチパネル18の押圧が中止されたか否かを判定する。押圧が中止されていない場合は、引き続き操作信号が検出されるので、ステップS904が否定判定され、ステップS905へ進む。タッチパネル18の押圧が中止された場合は、操作信号が検出されないので、ステップS904が肯定判定されて、ステップS1001へ進む。ステップS905では、再度、地図上の押圧位置を検出する。ステップS906では、ステップS905で検出された今回の押圧位置と、ステップS902で検出された前回の押圧位置とに基づいて、押圧位置の移動方向、つまり、指31の移動方向を算出する。
【0023】
ステップS907では、DVD−ROM22に記憶されている地図データのリンク情報およびノード情報に基づいて、対応リンクの両端ノードのうち、指31の移動方向に位置するノードの通行規制データを取得する。ここで、ノードの通行規制データとは、そのノードに接続されているリンクに関する通行規制情報であり、たとえば、一方通行規制、右折禁止、左折禁止、直進禁止など、対応リンクから進入できない通行規制情報である。リンクの通行規制情報は、地図データに規制レコードとして格納されており、対応リンクの両端ノードのうち、指31の移動方向に位置するノードに接続しているリンク(隣接リンク)のリンク情報から抽出することができる。ステップS908では、対応リンクに接続されているリンクのうち、指31の移動方向に位置する隣接リンクに通行規制があり、対応リンクからその隣接リンクへ進入することができない道路については、その表示形態を変更して薄く表示する。そして、進入できる道路については、その表示形態を変更しない。
【0024】
ステップS909では、タッチパネル18の押圧位置を検出する。ステップS910では、ステップS902と同様な方法により押圧位置に対応するリンクを決定する。ステップS911では、押圧位置に対応するリンクは対応リンクから進入可能な隣接リンクであるか否かを判定する。対応リンクから進入可能な隣接リンクであるか否かの判断はステップS907で取得した対応リンクの指31の移動方向に位置するノードの通行規制データに基づいて行う。
【0025】
進入可能なリンクの場合は、ステップS911が肯定判定され、ステップS903へ進む。進入可能なリンクではない場合は、ステップS911が否定判定され、ステップS909へ戻る。このステップS911によって、進入することができないリンクに対応する道路を押圧してもステップS903へ進むことができず、押圧位置のリンクに対応する道路に軌跡線41が表示されない。
【0026】
上述したように、ステップS904でタッチパネル18から指が離れたことが判定されると、ステップS1001に進み、軌跡線41が表示された道路に対応する1または2以上のリンクを、目的地32に至る経路の情報としてRAM13に記憶する。ステップS1002では押圧されたリンクからなる経路に経路異常があるか否か判定を行う。ここで、経路異常とは、たとえば、乗員が間違って希望しない道路を指31でなぞってしまい、その後、指31の位置を元の位置に戻したことによって設定された経路、つまり同一ルートを逆戻りして設定された経路をいう。このような経路異常は、設定された経路の中に、枝分かれしている経路があるか、つまり、3つ以上のリンクが接続されているノードが存在するか否かによって判断される。経路異常がある場合は、ステップS1002が肯定判定され、ステップS1003へ進む。経路異常がない場合は、ステップS1002が否定判定され、ステップS1011へ進む。ステップS1003では、経路異常の異常個所をほかの経路と異なる表示対象で表示する。
【0027】
ステップS1004では、乗員に対して、異常個所を修正するか否かを問合せする。問合せは、表示モニタ16に図8(a)に示すような、「この軌跡線は誤りと思われます。消去しますか?」などといったメッセージ82を表示モニタ16に表示することによって行う。ステップS1005では、乗員が修正を希望するか否かを判定する。これは、図8(a)に示すようにタッチパネル18にYESボタン83およびNOボタン84を表示し、YESボタン83が押圧された場合は、ステップS1005を肯定判定して、ステップS1006へ進み、NOボタン84が押圧された場合は、ステップS1005を否定判定して、ステップS1011へ進む。
【0028】
ステップS1006では、図8(b)に示すように消去する経路を指31でなぞるように指示するメッセージ85を表示モニタ16に表示して、修正する箇所を指31でなぞるように指示する。ステップS1007では、タッチパネル18が押圧されたか否かを判定する。ステップS1007が肯定判定されると、ステップS1008へ進み、否定されると、ステップS1007を繰り返し実行する。ステップS1008では、ステップS902と同様な方法により地図上の押圧位置に対応するリンクを決定する。ステップS1009では、決定されたリンクに対応する道路の軌跡線41を消し、S1010では、決定されたリンクの情報をRAM13に記憶されている目的地32に至る経路の情報から削除する。ステップS1011では、RAM13に記憶された目的地32至る経路の情報に基づいて経路誘導を開始する。そして、経路設定処理は終了する。
【0029】
以上の実施の形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)表示画面上の道路を指でなぞった場合、その道路が通行規制のため通行することができない道路である場合は目的地に至る経路として設定されないようにした。その結果、通行規制のない道路だけが目的地までの経路として設定される。
(2)表示画面上の道路を指でなぞって経路を設定する際、指の移動方向に位置するノードに接続されたリンクのうち、車両が進入できないリンクに対応する道路については、ほかの道路と比べて薄く表示するようにした。その結果、誤って通行することができない道路を指でなぞる誤操作を低減することができる。また、通行することができない道路を考慮に入れて、目的地に至る経路を設定することができる。
(3)希望しない道路を目的地までの経路として誤って設定したとしても、それが異常経路と判定されたときは、後でその箇所だけを修正することができるようにした。そのため、はじめから目的地までの経路を設定しなおす必要がない。特に、ナビゲーション装置1が右ハンドル車に搭載された場合、利き腕でない左手の指で道路をなぞり、経路として希望しない道路をなぞってしまう危険性が高いので、右ハンドルの車両に搭載するナビゲーション装置1において、その効果は大きい。
【0030】
以上の実施の形態のナビゲーション装置1を次のように変形することができる。
(1)通行規制により進入することができない道路を、ほかの道路に比べて薄く表示したが、ほかの道路と異なる表示形態で表示していれば道路の表示を薄くすることに限定されない。たとえば、進入することができない道路の表示色をほかの道路と変えて表示してもよいし、また、点滅して表示してもよい。
(2)通行規制により進入することができない道路を、ほかの道路に比べて薄く表示したが、進入することができない道路が目的地へ至る経路として設定されないようにするため、通行規制により進入することができない道路を表示しないようにしてもよい。
(3)道路が密集して希望する道路を指でなぞることができない場合があるので、道路が密集しているときは、表示モニタ16に表示される地図画面を拡大して表示するようにしてもよい。たとえば、表示モニタ16に表示される地図上のノード密度やリンク密度を算出し、所定以上の場合は、道路が密集していて目的の道路をなぞることができないと判定して、地図を拡大して表示するようにしてもよい。
(4)異常経路の可能性がある場合は、異常個所の表示態様を変えて表示したが、表示態様を変えて表示する以外に異常個所を拡大して表示するようにしてもよい。
(5)タッチパネル18から指を離すことにより目的地に至る経路が確定されるようにしたが、確定ボタンを表示モニタ16に表示し、確定ボタンが押圧されると設定した経路が目的地に至る経路として確定されるようにしてもよい。
(6)広域地図が表示されている場合、押圧した位置に対応するリンクを中心に、希望する道路を指でなぞることができる程度に表示モニタ16に表示される地図を拡大表示してもよい。
【0031】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の道路地図表示手段は表示モニタ16に対応し、押圧位置検出手段はタッチパネル18およびタッチパネルコントロール部19に対応する。記憶手段はDVD−ROM22に対応し、対応リンク抽出手段および隣接リンク抽出手段は制御回路11およびDVD−ROM22に対応する。経路設定手段は制御回路11、RAM13および表示モニタ16に対応し、道路表示手段および道路表示制御手段は制御回路11および表示モニタ16に対応する。経路異常検出手段は制御回路11に対応し、経路異常報知手段は表示モニタ16に対応する。経路修正手段は制御回路11およびタッチパネル18に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】表示モニタに表示された道路地図を説明するための図である。
【図3】目的地までの経路を設定するための操作を説明するための図である。
【図4】通行規制のために進入することのできない道路を指でなぞったときの表示モニタの表示画面を説明するための図である。
【図5】目的地までの経路を設定するための操作を説明するための図である。
【図6】通行規制のために進入することのできない道路を指でなぞった場合の表示モニタの表示画面を説明するための図である。
【図7】目的地までの経路が確定したときに表示モニタに表示される表示画面を説明するための図である。
【図8】設定した経路が異常経路である場合に表示モニタに表示される表示画面を説明するための図である。
【図9】ナビゲーション装置1における経路設定処理の一部の処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】ナビゲーション装置1における経路設定処理の一部の処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
12 ROM
13 RAM
14 現在地検出装置
15 画像メモリ
16 表示モニタ
17 入力装置
18 タッチパネル
19 タッチパネルコントロール部
20 VICS情報受信部
21 ディスクドライブ
22 DVD−ROM
32 目的地
33〜38,311,312 道路
39,310 交差点
41,81 軌跡線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路地図を表示する道路地図表示手段と、
前記道路地図上の押圧位置を検出する押圧位置検出手段と、
前記道路地図に表示される道路のリンク情報およびノード情報を記憶する記憶手段と、
前記押圧位置に対応する対応リンクを抽出する対応リンク抽出手段と、
前記対応リンクに隣接する隣接リンクを抽出する隣接リンク抽出手段と、
前記対応リンクを目的地に至る経路として設定する経路設定手段とを備え、
前記経路設定手段は、前記対応リンクにおけるリンク情報およびノード情報より、(1)前記対応リンクから前記隣接リンクに進入できる場合は、押圧位置が前記隣接リンクに対応する位置であるとき、前記隣接リンクを目的地に至る経路として設定し、(2)通行規制により前記対応リンクから前記隣接リンクに進入できない場合は、押圧位置が前記隣接リンクに対応する位置であっても、前記隣接リンクを目的地に至る経路として設定しないことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記対応リンクにおけるリンク情報およびノード情報より、通行規制により前記対応リンクから前記隣接リンクに進入できないときは、前記隣接リンクに対応する道路をほかの道路と異なる表示形態で表示する道路表示手段をさらに備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記対応リンクにおけるリンク情報およびノード情報より、通行規制により前記対応リンクから前記隣接リンクに進入できないときは、前記隣接リンクに対応する道路を表示しない道路表示制御手段をさらに備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記経路設定手段によって設定された経路のリンクに、1つのノードに3つ以上のリンクが接続しているリンクを検出する経路異常検出手段と、
前記経路異常検出手段により1つのノードに3つ以上のリンクが接続されているリンクを検出した場合、経路異常を報知する経路異常報知手段とをさらに備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4に記載のナビゲーション装置において、
前記経路異常検出手段によって1つのノードに3つ以上のリンクが接続されているリンクを検出した場合、前記設定された経路を修正する経路修正手段を備え、
前記経路異常報知手段は、修正の要否を確認するメッセージを出力し、
前記経路修正手段は、修正要が入力されたとき前記設定された経路を修正することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−308310(P2006−308310A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−128097(P2005−128097)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】