説明

ナビゲーション装置

【課題】 相手先名を確実に表示することができ、利便性を向上させることができる「ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】 ナビゲーション装置本体3と、このナビゲーション装置本体3に接続された電話装置2とを備えたナビゲーション装置1であって、前記電話装置2に着信した電話番号に対応する相手先名を、前記電話番号およびこれに対応する前記相手先名が少なくとも記憶されたナビゲーションデータベース7から検索する検索手段5と、この検索手段5によって検索された前記相手先名を表示する表示手段12とを備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に係り、特に、電話装置を用いた通話を行うのに好適なナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車内で運転者が運転中に携帯電話を使用する場合には、運転の安全性を確保すべく、運転中でも両手が自由に使えるHFT(ハンズフリーテレフォン)を使用することが義務づけられるようになった。
【0003】
また、現状におけるナビゲーション装置は、このようなHFTに着信した電話番号に対応する相手先の施設名または個人名(以下、相手先名と称する)を、ナビゲーション装置に記憶されたユーザ電話帳から検索して取得し、取得された相手先名をナビゲーション装置の表示部に表示するようになっている。
【0004】
なお、ユーザ電話帳は、ナビゲーション装置において独自に作成されたものである場合や、携帯電話から読み込まれたものである場合がある。
【0005】
【特許文献1】特開平11−88525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、現状のナビゲーション装置では、予めユーザ電話帳に登録されている相手先名だけしか表示することができないので、利便性に欠けるといった問題が生じていた。
【0007】
具体的には、図6に示すように、ユーザ電話帳に登録されていない電話番号の着信があった場合には、電話番号56がそのまま画面57に表示されるだけで、相手先を特定することができなかった。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、相手先名を確実に表示することができ、利便性を向上させることができるナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するため、本発明に係るナビゲーション装置は、電話装置に着信した電話番号に対応する相手先名を、ナビゲーションデータベースから検索する検索手段と、この検索手段によって検索された前記相手先名を表示する表示手段とを備えたことを特徴としている。
【0010】
そして、このような構成によれば、検索手段によって、電話装置に着信した電話番号に対応する相手先名を、豊富なデータを有するナビゲーションデータベースから確実に検索することが可能となり、検索された相手先名を表示手段によって表示することが可能となる。
【0011】
また、本発明に係るナビゲーション装置は、ナビゲーション装置本体に記憶されたユーザ電話帳を備え、検索手段が、まず、前記電話装置に着信した電話番号に対応する相手先名を、前記ユーザ電話帳から検索し、次に、前記ユーザ電話帳から当該相手先名を検索することができない場合に、当該相手先名を前記ナビゲーションデータベースから検索することを特徴としている。
【0012】
そして、このような構成によれば、検索手段が、電話装置に着信した電話番号に対応する相手先名を、ユーザ電話帳から優先的に検索することが可能となる。
【0013】
さらに、本発明に係るナビゲーション装置は、電話番号の着信を契機として、当該電話番号に対応する相手先についての地図表示を行うことが可能とされていることを特徴としている。
【0014】
そして、このような構成によれば、電話番号の着信を契機として、当該電話番号に対応する相手先についての地図表示を行うことが可能となる。
【0015】
さらにまた、本発明に係るナビゲーション装置は、電話番号の着信を契機として、当該電話番号に対応する相手先を、ナビゲーションの目的地に設定することが可能とされていることを特徴としている。
【0016】
そして、このような構成によれば、電話番号の着信を契機として、当該電話番号に対応する相手先を、ナビゲーションの目的地に設定することが可能となる。
【0017】
また、本発明に係るナビゲーション装置は、電話装置に着信した電話番号およびこれに対応する相手先名が、前記電話装置の電話帳に登録されていない場合に、これらの電話番号および相手先名を、前記電話装置の電話帳に登録する電話装置電話帳登録手段を備えたことを特徴としている。
【0018】
そして、このような構成によれば、登録手段によって、電話装置の電話帳に、電話装置に着信した電話番号およびこれに対応する相手先名を登録することが可能となる。
【0019】
さらに、本発明に係るナビゲーション装置は、電話装置に着信した電話番号およびこれに対応する相手先名が、ユーザ電話帳に登録されていない場合に、これらの電話番号および相手先名を、ユーザ電話帳に登録する登録手段を備えたことを特徴としている。
【0020】
そして、このような構成によれば、登録手段によって、ユーザ電話帳に、電話装置に着信した電話番号およびこれに対応する相手先名を登録することが可能となる。
【0021】
さらにまた、本発明に係るナビゲーション装置は、電話装置が、ナビゲーション装置本体に着脱可能に接続される携帯電話であることを特徴としている。
【0022】
そして、このような構成によれば、検索手段によって、携帯電話に着信した電話番号に対応する相手先名を、豊富なデータを有するナビゲーションデータベースから確実に検索することが可能となり、検索された相手先名を表示手段によって表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るナビゲーション装置によれば、検索手段によって、電話装置に着信した電話番号に対応する相手先名を、豊富なデータを有するナビゲーションデータベースから確実に検索することができ、検索された相手先名を表示手段によって表示することができる結果、相手先名を確実に表示することができ、利便性を向上させることができる。
【0024】
また、本発明に係るナビゲーション装置によれば、検索手段が、電話装置に着信した電話番号に対応する相手先名を、ユーザ電話帳から優先的に検索することができる結果、電話装置に着信した電話番号に対応する相手先名をさらに効率的に検索してすみやかに表示することができる。
【0025】
さらに、本発明に係るナビゲーション装置によれば、電話番号の着信を契機として、当該電話番号に対応する相手先についての地図表示を行うことができる結果、利便性をさらに向上させることができる。
【0026】
さらにまた、本発明に係るナビゲーション装置によれば、電話番号の着信を契機として、当該電話番号に対応する相手先を、ナビゲーションの目的地に設定することができる結果、利便性をさらに向上させることができる。
【0027】
また、本発明に係るナビゲーション装置によれば、登録手段によって、電話装置の電話帳に、電話装置に着信した電話番号およびこれに対応する相手先名を登録することができる結果、ユーザが、電話装置の電話帳に電話番号および相手先名を手入力する手間を省くことができ、利便性をさらに向上させることができる。
【0028】
さらに、本発明に係るナビゲーション装置によれば、登録手段によって、ユーザ電話帳に、電話装置に着信した電話番号およびこれに対応する相手先名を登録することができる結果、ユーザが、ユーザ電話帳に電話番号および相手先名を手入力する手間を省くことができ、利便性をさらに向上させることができる。
【0029】
さらにまた、本発明に係るナビゲーション装置によれば、検索手段によって、携帯電話に着信した電話番号に対応する相手先名を、豊富なデータを有するナビゲーションデータベースから確実に検索することができ、検索された相手先名を表示手段によって表示することができる結果、携帯電話が接続されたナビゲーション装置においても、相手先名を確実に表示することができ、利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明に係るナビゲーション装置の実施形態について、図1乃至図5を参照して説明する。
【0031】
図1に示すように、本実施形態におけるナビゲーション装置1は、電話装置としての携帯電話2と、この携帯電話2が接続されたナビゲーション装置本体3とによって構成されている。
【0032】
ナビゲーション装置本体3について詳述すると、このナビゲーション装置本体3は、検索部5を有しており、この検索部5には、携帯電話2に着信した相手先(発信元)の電話番号(以下、着信電話番号と称する)の情報が入力されるようになっている。
【0033】
検索部5には、ナビゲーション装置本体3に記憶されたユーザ電話帳6が接続されており、このユーザ電話帳6には、電話番号と、それに対応する相手先名が登録されている。
【0034】
このユーザ電話帳6は、ナビゲーション装置本体3において独自に作成されたものであってもよいし、または、携帯電話2からナビゲーション装置本体3に読み込まれたものであってもよいし、あるいは、メモリカード等の記憶媒体や通信を介してナビゲーション装置本体3に読み込まれたものであってもよい。
【0035】
なお、ユーザ電話帳6には、電話番号および相手先名以外の情報(例えば、メールアドレス等)が登録されていてもよいことは勿論である。
【0036】
さらに、検索部5には、ナビゲーションデータベース7が接続されており、このナビゲーションデータベース7は、ユーザ電話帳6に登録された特定の電話番号および相手先名よりもはるかに多くの電話番号および相手先名の情報を保有している。また、ナビゲーションデータベース7は、地図データ等のナビゲーションのために必要な一切のデータを保有している。
【0037】
検索部5は、携帯電話2から入力された着信電話番号に対応する相手先名(以下、対応相手先名と称する)を、まず、ユーザ電話帳6から検索するようになっている。
【0038】
次に、検索部5は、ユーザ電話帳6から対応相手先名を検索することができない場合には、対応相手先名を、ナビゲーションデータベース7から検索するようになっている。
【0039】
そして、検索部5は、ユーザ電話帳6またはナビゲーションデータベース7から検索された対応相手先名の情報を出力するようになっている。
【0040】
検索部5の出力側には、相手先名画像発生部8が接続されており、この相手先名画像発生部8には、検索部5から出力された対応相手先名のデータが入力されるようになっている。
【0041】
そして、相手先名画像発生部8は、入力された対応相手先名のデータに基づいて、この対応相手先名を表示するための文字画像データを生成して出力するようになっている。
【0042】
さらに、検索部5の出力側には、操作画面発生部10が接続されており、この操作画面発生部10は、検索部5による対応相手先名の検索の完了を受信することにより、通話の開始または応答保留をユーザに選択させる着信時操作画面17(図2参照)を表示するための着信時操作画面用画像データを生成して出力するようになっている。
【0043】
相手先名画像発生部8および操作画面発生部10の出力側には、画像合成部11が接続されており、この画像合成部11には、相手先名画像発生部8から出力された文字画像データと、操作画面発生部10から出力された着信時操作画面用画像データとが入力されるようになっている。
【0044】
そして、画像合成部11は、入力された文字画像データと着信時操作画面用画像データとを合成した着信時合成画像データを出力するようになっている。
【0045】
画像合成部11の出力側には、ディスプレイ装置12が接続されており、このディスプレイ装置12には、画像合成部11から出力された着信時合成画像データが入力されるようになっている。
【0046】
そして、ディスプレイ装置12は、画像合成部11側から入力された着信時合成画像データを画像に変換して画面上に出力するようになっている。
【0047】
これにより、着信時において、ディスプレイ装置12の画面上には、図2に示すように、対応相手先名(図2における(公序良俗違反につき、不掲載))を含む文字画像14と、応答保留ボタン15および開始ボタン16を備えた着信時操作画面17とが合成された着信時合成画像18が表示されることになる。
【0048】
したがって、本実施形態においては、対応相手先名を、豊富なデータを保有するナビゲーションデータベース7から確実に検索することができ、検索された対応相手先名をディスプレイ装置12によって表示することができる。
【0049】
また、検索部5が、対応相手先名をユーザ電話帳6から優先的に検索することによって、対応相手先名を効率的に検索することができる。
【0050】
ナビゲーション装置本体3は、ユーザの操作に応じた入力操作信号を出力する入力操作部20を有しており、ユーザは、この入力操作部20を介して、前述した着信時合成画像18における着信時操作画面17の操作等を行うことができるようになっている。
【0051】
入力操作部20は、例えば、ディスプレイ装置12のタッチパネルであってもよいし、または、リモコンやリニアエンコーダ等であってもよい。
【0052】
入力操作部20の出力側には、前述した操作画面発生部10が接続されており、この操作画面発生部10には、入力操作部20の入力操作信号として、着信時操作画面17の開始ボタン16を選択する旨の信号が入力されるようになっている。
【0053】
これにより、操作画面発生部10は、着信電話番号に対応する相手先(以下、対応相手先と称する)についての地図表示や、対応相手先の目的地としての設定等をユーザによって選択させる通話時第1操作画面22(図3参照)を表示するための通話時第1操作画面用画像データを生成して画像合成部11に出力するようになっている。
【0054】
画像合成部11は、操作画面発生部10から出力された通話時第1操作画面用画像データと、相手先名画像発生部8によって生成された対応相手先名を表示するための文字画像データとを入力し、これらの画像データを合成した通話時第1合成画像データをディスプレイ装置12に出力するようになっている。
【0055】
そして、ディスプレイ装置12は、画像合成部11側から入力された通話時第1合成画像データを画像に変換して画面上に出力するようになっている。
【0056】
これにより、通話時において、ディスプレイ装置12の画面上には、図3に示すように、対応相手先名を含む文字画像19と、対応相手先についての地図表示を行うための地図表示ボタン24および対応相手先をナビゲーションの目的地として設定するための目的地ボタン25を備えた通話時第1操作画面22とが合成された通話時第1合成画像27が表示されることになる。
【0057】
なお、図3に示すように、通話時第1操作画面22は、送話音量の調整ボタン28、受話音量の調整ボタン29、通話中であることを示すアイコン30、前の画面に戻るためのボタン31、通話終了ボタン23および発信ボタン35等を備えたものであってもよい。
【0058】
また、文字画像19は、対応相手先名以外にも、着信電話番号等の文字を含むものであってもよい。
【0059】
入力操作部20の出力側には、地図描画部32が接続されており、この地図描画部32には、ナビゲーションデータベース7が接続されている。
【0060】
地図描画部32には、入力操作部20の通話時第1操作画面22についての入力操作信号として、通話時第1操作画面22の地図表示ボタン24を選択する旨の信号が入力されるようになっている。
【0061】
そして、地図描画部32は、通話時第1操作画面22の地図表示ボタン24を選択する旨の信号が入力されると、ナビゲーションデータベース7の地図データを読み込んで加工することによって、対応相手先およびその周辺の地図33(図4参照)を表示するための対応相手先地図描画データを生成して画像合成部11に出力するようになっている。
【0062】
また、操作画面発生部10には、地図描画部32と同様に、通話時第1操作画面22についての入力操作信号として、通話時第1操作画面22の地図表示ボタン24を選択する旨の信号が入力されるようになっている。
【0063】
そして、操作画面発生部10は、通話時第1操作画面22の地図表示ボタン24を選択する旨の信号が入力されることにより、地図表示後における対応相手先の目的地としての設定等をユーザによって選択させる通話時第2操作画面34(図4参照)を表示するための通話時第2操作画面用画像データを生成して画像合成部11に出力するようになっている。
【0064】
画像合成部11は、地図描画部32から出力された出力された対応相手先地図描画データと、操作画面発生部10から出力された通話時第2操作画面用画像データとを入力し、これらの画像データを合成した通話時第2合成画像データをディスプレイ装置12に出力するようになっている。
【0065】
そして、ディスプレイ装置12は、入力された通話時第2合成画像データを画像に変換して画面上に出力するようになっている。
【0066】
これにより、通話時において、ディスプレイ装置12の画面上には、図4に示すように、対応相手先およびその周辺の地図33と、対応相手先をナビゲーションの目的地として設定するための目的地ボタン26を備えた通話時第2操作画面34とが合成された通話時第2合成画像36が表示されることになる。
【0067】
なお、図4に示すように、通話時第2操作画面34は、ナビゲーションの際の経由地を選択する経由地ボタン37、対応相手先の最寄りに存在する所望の施設を検索する最寄り検索ボタン38および携帯電話2の電話帳への着信電話番号および対応相手先名の登録を選択する登録ボタン39等を備えたものであってもよい。
【0068】
入力操作部20の出力側には、目的地設定部41が接続されており、この目的地設定部41には、入力操作部20の通話時第1操作画面22または通話時第2操作画面34についての入力操作信号として、目的地ボタン25、26を選択する旨の信号が入力されるようになっている。
【0069】
そして、目的地設定部41は、目的地ボタン25、26を選択する旨の信号が入力されることにより、対応相手先名を、ナビゲーションの目的地として設定するようになっている。
【0070】
したがって、本実施形態においては、着信電話番号の着信を契機として、対応相手先についての地図表示を行うことができ、さらに、対応相手先を、ナビゲーションの目的地に設定することができる。
【0071】
検索部5は、携帯電話2を通じて通話が終了したことを検知すると、携帯電話2に記憶された電話帳を検索することによって、着信電話番号および対応相手先名が、携帯電話2の電話帳に登録されているか否かを判定し、判定結果を操作画面発生部10に出力するようになっている。
【0072】
操作画面発生部10は、検索部5の判定結果に基づき、着信電話番号および対応相手先名が、携帯電話2の電話帳に登録されていない場合には、着信電話番号および対応相手先名を携帯電話2の電話帳に登録するか否かを選択させる終話時操作画面42(図5参照)を表示するための終話時操作画面用画像データを生成して画像合成部11に出力するようになっている。
【0073】
画像合成部11は、操作画面発生部10から出力された終話時操作画面用画像データを、現在表示されている画像(例えば、通話時第1合成画像27)の画像データ上に合成させた終話時合成画像データを、ディスプレイ装置12に出力するようになっている。
【0074】
そして、ディスプレイ装置12は、画像合成部11側から入力された終話時合成画像データを画像に変換して画面上に出力するようになっている。
【0075】
これにより、終話時において、ディスプレイ装置12の画面上には、図5に示すように、通話時において表示されていた画像(図5においては通話時第1合成画像27)上に、終話時操作画面42が重ねて表示された終話時合成画像43が表示されることになる。
【0076】
なお、終話時操作画面42は、携帯電話の電話帳への着信電話番号および対応相手先名の登録を行うことを選択する登録実行ボタン44と、登録を行わないことを選択する否定ボタン48とを備えている。
【0077】
検索部5の出力側には、登録部45が接続されており、さらに、この登録部45の入力側には入力操作部20が、出力側には、携帯電話2が接続されている。
【0078】
登録部45には、入力操作部20の終話時操作画面42についての入力操作信号として、登録実行ボタン44を選択する旨の信号が入力されるようになっている。
【0079】
また、登録部45には、入力操作部20の通話時第2操作画面34についての入力操作信号として、登録ボタン39を選択する旨の信号が入力されるようになっている。
【0080】
そして、登録部45は、登録実行ボタン44または登録ボタン39を選択する旨の信号が入力されることにより、通話の終了後において、着信電話番号および対応相手先名を、携帯電話2の電話帳に登録するようになっている。
【0081】
したがって、本実施形態においては、登録部45によって、携帯電話2の電話帳に、着信電話番号および対応相手先名を簡便な操作によって自動的に登録することができ、ユーザが、これらの着信電話番号および対応相手先名を携帯電話2の電話帳に手入力する手間を省くことができる。
【0082】
なお、登録部45は、着信電話番号および対応相手先名が、ユーザ電話帳6に登録されていない場合には、これらをユーザ電話帳6に登録するようにしてもよい。この登録に際しては、携帯電話2の電話帳の場合と同様に、ユーザが、着信電話番号および対応相手先名をユーザ電話帳6に登録することを選択するための操作画面を表示するようにしてもよい。
【0083】
そのようにすれば、登録部45によって、着信電話番号および対応相手先名をユーザ電話帳6に簡便な操作によって自動的に登録することができ、ユーザが、これらの着信電話番号および対応相手先名をユーザ電話帳6に手入力する手間を省くことができる。
【0084】
携帯電話2の出力側には、音声出力部46が接続されており、この音声出力部46には、携帯電話2によって受信された対応相手先からの受信音声データが入力されるようになっている。
【0085】
音声出力部46は、入力された受信音声データを復号化して出力するようになっている。
【0086】
音声出力部46の出力側には、スピーカ47が接続されており、このスピーカ47には、音声出力部46から出力された受信音声データが入力されるようになっている。
【0087】
そして、スピーカ47は、入力された受信音声データを再生するようになっている。
【0088】
携帯電話2には、入力操作部20が接続されており、入力操作部20は、着信時操作画面17の開始ボタン16を選択することによって、携帯電話2を通じた通話を開始させるようになっている。また、入力操作部20は、操作画面発生部10によって生成された操作画面(図示せず)を介して携帯電話2による発信(発呼)のための操作を行うことができるようになっている。
【0089】
さらに、本実施形態において、ナビゲーション装置本体3は、通常のナビゲーションのための構成を備えている。
【0090】
すなわち、ナビゲーション装置本体3は、GPSレシーバ49を有しており、このGPSレシーバ49は、図示しないGPS衛星から、軌道および時刻についての情報を受信して、受信結果を出力するようになっている。
【0091】
また、ナビゲーション装置本体3は、車速センサや、ジャイロセンサ等の各種センサ50を有しており、これらのセンサ50は、自車の速度、自車の発進または停止、あるいはカーブでの横方向の加速度等を検出し、検出結果を出力するようになっている。
【0092】
GPSレシーバ49および各種センサ50の出力側には、自車位置計算部51が接続されており、この自車位置計算部51には、GPSレシーバ49の受信結果および各種センサ50の検出結果が入力されるようになっている。
【0093】
そして、自車位置計算部51は、入力されたGPSレシーバ49の受信結果および各種センサ50の検出結果に基づいて、現在の自車位置を算出し、算出結果を地図描画部32に出力するようになっている。
【0094】
地図描画部32は、入力操作部20から、現在地の地図表示を指示する旨の入力操作信号が入力されると、自車位置計算部51の算出結果に基づいて、ナビゲーションデータベース7の地図データを読み込んで加工することによって、現在地・地図描画データを生成して画像合成部11に出力するようになっている。
【0095】
自車位置計算部51の出力側には、自車位置マーク発生部52が接続されており、この自車位置マーク発生部52には、自車位置計算部51の算出結果が入力されるようになっている。
【0096】
自車位置マーク発生部52は、ナビゲーションデータベース7と接続されており、このナビゲーションデータベース7の地図データにおける所定の道路上に現在の自車位置を整合させるマップマッチングを行うようになっている。
【0097】
そして、自車位置マーク発生部52は、マップマッチングを行った上で、地図上における現在の自車位置を示す自車位置マークを描画するための自車位置マーク描画データを生成して画像合成部11に出力するようになっている。
【0098】
画像合成部11は、地図描画部32から出力された現在地・地図描画データと、自車位置マーク発生部52から出力された自車位置マーク描画データとを合成してディスプレイ装置12に出力するようになっている。
【0099】
これにより、ディスプレイ装置12の画面上には、現在地およびその周辺の地図と、この地図上における現在地に対応する位置に重ねて表示された自車位置マークとが表示されることになる。
【0100】
自車位置計算部51および目的地設定部41の出力側には、ルート計算部53が接続されており、このルート計算部53には、ナビゲーションデータベース7が接続されている。
【0101】
ルート計算部53は、自車位置計算部51によって算出された現在の自車位置から目的地設定部41によって設定された目的地までの推奨ルートをナビゲーションデータベース7の地図データを参照して算出し、算出結果を出力するようになっている。
【0102】
ルート計算部53の出力側には、案内画像発生部54が接続されており、この案内画像発生部54には、ルート計算部53の算出結果が入力されるようになっている。
【0103】
そして、案内画像発生部54は、入力されたルート計算部53の算出結果に基づいて、自車を目的地まで案内するための案内画像を表示するための案内画像データを生成して画像合成部11に出力するようになっている。案内画像データには、例えば、交差点拡大画像を表示するための画像データや、推奨ルートを現在地・地図描画データにおける地図上に重ねて表示するための画像データ等が含まれている。
【0104】
画像合成部11は、案内画像発生部54から出力された案内画像データを現在地・地図描画データと適宜合成させてディスプレイ装置12に出力するようになっている。
【0105】
これにより、ディスプレイ装置12の画面上には、案内画像が適宜表示されることになる。
【0106】
ルート計算部53の出力側には、案内音声発生部55が接続されており、この案内音声発生部55には、ルート計算部53の算出結果が入力されるようになっている。
【0107】
そして、案内音声発生部55は、入力されたルート計算部53の算出結果に基づいて、案内音声データを生成してスピーカ47に出力するようになっている。
【0108】
これにより、スピーカ47によって、交差点右左折案内等の音声案内が適宜行われることになる。
【0109】
次に、本実施形態におけるナビゲーション装置1の主たる作用について説明する。
【0110】
(着信時の作用)
携帯電話2を通じて着信電話番号が着信すると、検索部5は、まず、対応相手先名をユーザ電話帳6から検索する。
【0111】
そして、検索部5は、ユーザ電話帳6から対応相手先名を検索することができなかった場合には、次に、対応相手先名を、ナビゲーションデータベース7から検索する。
【0112】
これにより、対応相手先名がユーザ電話帳6に登録されていない場合であっても、対応相手先名をナビゲーションデータベース7から確実に検索することができる。
【0113】
検索部5は、ナビゲーションデータベース7またはユーザ電話帳6から対応相手先名を検索した後、相手先名画像発生部8に、対応相手先名の情報を出力するとともに、操作画面発生部10に、対応相手先名の検索の完了を通知する。
【0114】
次いで、相手先名画像発生部8は、前述した対応相手先名を表示するための文字画像データを生成して画像合成部11に出力する。また、このとき、操作画面発生部10は、前述した着信時操作画面用画像データを生成して画像合成部11に出力する。
【0115】
そして、画像合成部11は、これらの文字画像データと着信時操作画面用画像データとを合成し、これを前記着信時合成画像データとしてディスプレイ装置12に出力する。
【0116】
そして、ディスプレイ装置12が、前記着信時合成画像データを画像に変換することにより、ディスプレイ装置12の画面上に、図2に示したような着信時合成画像18が表示される。
【0117】
この結果、ユーザは、対応相手先名を確実に把握することができる。
【0118】
そして、着信時合成画像18の表示の後、入力操作部20の操作によって、着信時合成画像18における前述した着信時操作画面17の開始ボタン16が選択されると、対応相手先との通話が開始される。
【0119】
(通話時の作用)
操作画面発生部10は、開始ボタン16の選択によって通話が開始されると、前述した通話時第1操作画面用画像データを生成して画像合成部11に出力する。
【0120】
次いで、画像合成部11は、前記通話時第1操作画面用画像データと、相手先名画像発生部8によって生成された対応相手先名を表示するための文字画像データとを合成し、これを通話時第1合成画像データとしてディスプレイ装置12に出力する。
【0121】
そして、ディスプレイ装置12が、前記通話時第1合成画像データを画像に変換することによって、ディスプレイ装置12の画面上に、図3に示したような通話時第1合成画像27が表示される。
【0122】
次に、この通話時第1合成画像27の表示の後、入力操作部20の操作によって、前記通話時第1合成画像27における前述した通話時第1操作画面22の地図表示ボタン24が選択されると、地図描画部32は、ナビゲーションデータベース7の地図データを読み込んで加工することによって、前述した対応相手先地図描画データを生成して画像合成部11に出力する。
【0123】
また、このとき、操作画面発生部10は、前述した通話時第2操作画面用画像データを生成して画像合成部11に出力する。
【0124】
次いで、画像合成部11は、これらの対応相手先地図描画データと、通話時第2操作画面用画像データとを合成し、これを通話時第2合成画像データとしてディスプレイ装置12に出力する。
【0125】
そして、ディスプレイ装置12が、前記通話時第2合成画像データを画像に変換することによって、ディスプレイ装置12の画面上に、図4に示したような通話時第2合成画像36が表示される。
【0126】
これにより、ユーザは、対応相手先およびその周囲の地図を把握することができる。
【0127】
次に、前記通話時第2合成画像36の表示の後、入力操作部20の操作によって、前記通話時第2合成画像36における前述した通話時第2操作画面34の目的地ボタン26が選択されると、対応相手先名が、目的地設定部41によってナビゲーションの目的地として設定される。
【0128】
これにより、対応相手先を目的地としたナビゲーションを実行することができる。
【0129】
なお、この対応相手先名を目的地としたナビゲーションは、終話後に実行するようにしてもよい。
【0130】
また、通話時第1操作画面22の目的地ボタン25の選択によって、対応相手先名をナビゲーションの目的地に設定するようにしてもよい。
【0131】
(終話時以降の作用)
検索部5は、携帯電話2を通じて通話が終了したことを検知すると、携帯電話2に記憶された電話帳を検索することによって、着信電話番号および対応相手先名が、携帯電話2の電話帳に登録されているか否かを判定し、判定結果を操作画面発生部10に出力する。
【0132】
次いで、操作画面発生部10は、検索部5の判定結果に基づいて、着信電話番号および対応相手先名が、携帯電話2の電話帳に登録されていない場合には、前述した終話時操作画面用画像データを生成して画像合成部11に出力する。
【0133】
画像合成部11は、この終話時操作画面用画像データを、現在表示されている画像(例えば、前記通話時第1合成画像27)の画像データ上に合成させ、これを終話時合成画像データとしてディスプレイ装置12に出力する。
【0134】
そして、ディスプレイ装置12が、前記終話時合成画像データを画像に変換することにより、ディスプレイ装置12の画面上に、図5に示したような終話時合成画像43が表示される。
【0135】
次に、前記終話時合成画像43の表示の後、入力操作部20の操作によって、前記終話時合成画像43の終話時操作画面42において、登録実行ボタン44が選択されると、登録部45によって、これらの着信電話番号および対応相手先名が、携帯電話2の電話帳に登録される。
【0136】
これにより、着信電話番号および対応相手先名を簡便な操作によって自動的に登録することができる。
【0137】
なお、通話時第2操作画面34における登録ボタン39の選択によって、携帯電話2の電話帳への着信電話番号および対応相手先名の登録を行ってもよいことは勿論である。
【0138】
以上述べたように、本実施形態におけるナビゲーション装置1によれば、検索部5によって、携帯電話2への着信電話番号に対応する対応相手先名を、豊富なデータを有するナビゲーションデータベース7から確実に検索することができ、検索された対応相手先名をディスプレイ装置12によって表示することができる。
【0139】
この結果、例えば、宿泊予定の宿や、予約を入れた飲食店からの着信等の携帯電話2の電話帳やユーザ電話帳6に登録していない相手先からの着信があった場合においても、相手先名を確実に表示することができ、利便性を向上させることができる。
【0140】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態を示すブロック図
【図2】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態において、着信時合成画像を示す図
【図3】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態において、通話時第1合成画像を示す図
【図4】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態において、通話時第2合成画像を示す図
【図5】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態において、終話時合成画像を示す図
【図6】従来のナビゲーション装置における着信時の画面を示す図
【符号の説明】
【0142】
1 ナビゲーション装置
2 携帯電話
3 ナビゲーション装置本体
5 検索部
6 ユーザ電話帳
7 ナビゲーションデータベース
12 ディスプレイ装置
24 地図表示ボタン
25,26 目的地ボタン
32 地図描画部
41 目的地設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置本体と、このナビゲーション装置本体に接続された電話装置とを備えたナビゲーション装置であって、
前記電話装置に着信した電話番号に対応する相手先名を、ナビゲーションデータベースから検索する検索手段と、
この検索手段によって検索された前記相手先名を表示する表示手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記ナビゲーション装置本体に記憶されたユーザ電話帳を備え、
前記検索手段は、まず、前記電話装置に着信した電話番号に対応する相手先名を、前記ユーザ電話帳から検索し、次に、前記ユーザ電話帳から当該相手先名を検索することができない場合に、当該相手先名を前記ナビゲーションデータベースから検索すること
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記電話番号の着信を契機として、当該電話番号に対応する相手先についての地図表示を行うことが可能とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記電話番号の着信を契機として、当該電話番号に対応する相手先を、ナビゲーションの目的地に設定することが可能とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記電話装置に着信した電話番号およびこれに対応する相手先名が、前記電話装置の電話帳に登録されていない場合に、これらの電話番号および相手先名を、前記電話装置の電話帳に登録する登録手段を備えたこと
を特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記電話装置に着信した電話番号およびこれに対応する相手先名が、前記ユーザ電話帳に登録されていない場合に、これらの電話番号および相手先名を、前記ユーザ電話帳に登録する登録手段を備えたこと
を特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記電話装置が、前記ナビゲーション装置本体に着脱可能に接続される携帯電話であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−329649(P2006−329649A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−149382(P2005−149382)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により明細書の一部または全部を不掲載とする。
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】