説明

ナビゲーション装置

【課題】自分の好みや感覚に合わせて経路誘導の音声案内の内容を変更することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】表示モニタ16に交差点音声案内設定画面40が表示される。交差点音声案内設定画面40には、交差点略図41a〜41cと、経路誘導を受ける際の交差点の案内メッセージ候補42a〜42cとが表示される。交差点略図41a〜41cは、交差点の典型的な形態を表しており、交差点を進入して退出する方向が矢印として表されている。使用者は交差点略図41a〜41cを参照して、案内メッセージを変更する交差点の形態を選択する。そして、案内メッセージ候補42a〜42cの中から自分の好みや感覚に合った案内メッセージを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声にて目的地まで経路誘導するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
音声により案内情報を出力してユーザを目的地まで案内するナビゲーション装置で、ユーザの適性に応じて音声案内の内容を変更するものが従来技術として知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−116041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているナビゲーション装置では、乗員の適性に応じて音声案内の内容を変更するが、乗員の好みや感覚に合わせて音声案内の内容が変更できないという問題点がある。たとえば、交差点右折の音声案内をするとき、乗員によっては「次の交差点を右です。」と案内されるより、「次の交差点を右方向です。」と案内された方が乗員の好みや感覚に合う場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明のナビゲーション装置は、目的地までの推奨経路を経路探索する経路探索手段と、推奨経路を音声案内で経路誘導する経路誘導手段と、音声案内の案内メッセージの案内メッセージ候補を記憶する案内メッセージ記憶手段と、案内メッセージ候補の中から使用者によって選択された案内メッセージを選択する案内メッセージ選択手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、案内メッセージは誘導交差点における音声案内であることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、表示モニタを備え、案内メッセージ選択手段は、表示モニタに表示された案内メッセージ候補の中から使用者によって選択された案内メッセージを選択することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項3に記載のナビゲーション装置において、案内メッセージ候補とともに案内メッセージに対応する交差点略図を表示モニタに表示する交差点略図表示制御手段を備えることを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、使用者の発する音声を入力する音声入力手段を備え、案内メッセージ選択手段は、音声入力手段によって入力された言葉に基づいて案内メッセージ候補の中から案内メッセージを選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、自分の好みや感覚に合わせて使用者は音声案内の内容を変更することができるので、自分の好みや感覚に合った音声案内で経路誘導を受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
−第1の実施形態−
本発明の実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。図1のナビゲーション装置1は、音声出力により経路誘導する機能を有するとともに、使用者の発する音声によって操作される。このナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、マイク19、音声認識部110、データ記憶部111およびディスクドライブ112を有している。
【0007】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM113に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が探索ルートとして表示モニタ16に表示される。
【0008】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、車両の進行方向を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14cなどから成る。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0009】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはディスクドライブ112によって読み込まれるDVD−ROM113に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示などを行うことができる。
【0010】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示として使用者に提供する。スピーカ17は、使用者の各種入力操作をガイドしたり、使用者に対し経路誘導するためなどの音声を発生する。入力装置18は、使用者が各種コマンドを設定するための入力スイッチを有し、リモコンなどによって実現される。使用者は、表示モニタ16の表示画面の指示にしたがって入力装置18を手動で操作することにより、目的地を選択して設定する。
【0011】
マイク19は、使用者が発する音声を入力する。マイク19にはPTT(Press to Talk)スイッチが設けられたおり、PTTスイッチが押下された状態で音声を発すると、マイク19に音声が入力される。音声認識部110は、マイク19で入力された音声を解析して認識する。その認識結果は制御回路11へ出力される。このようにして、使用者の音声が制御回路11に入力され、音声によりナビゲーション装置1を操作したり、単語などを音声入力したりすることができる。
【0012】
目的地が使用者により設定されると、ナビゲーション装置1はGPSセンサ14cにより検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。以下、この経路演算を経路探索と呼ぶ。このようにして求められたルート(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、使用者は地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路または使用者が道路をなぞることによって指定した経路にしたがって車両が走行できるように、使用者に対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0013】
データ記憶部111はメモリやハードディスクなどの書き換え可能な記録媒体によって構成され、ナビゲーション装置1の様々な機能に必要なデータなどを記憶する。データ記憶部110に記憶された情報は、制御回路11によって適宜読み出されて利用される。また、データ記憶部111には、経路演算された推奨経路の推奨経路データや、経路誘導するときの音声案内の案内メッセージが記憶されている。推奨経路データと音声案内の案内メッセージとの詳細については後述する。
【0014】
ディスクドライブ112には、表示モニタ16に表示する地図データが記録されたDVD−ROM113が装填される。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含み、表示用および経路探索用データには、道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、使用者の要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。ディスクドライブ112は、装填されたDVD−ROM113から、表示モニタ16へ地図を表示するための地図データを読み出す。なお、DVD−ROM113以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0015】
経路探索された推奨経路の情報は推奨経路データ21として、データ記憶部111に記憶される。推奨経路データ21について、図2を参照して説明する。 図2(a)は、探索された経路の一部を示す図であり、推奨経路R1は、リンクL1〜L6と、ノードN1〜N6とにより構成されており、各ノードで車両は90度方向変換する。このような推奨経路R1のデータ構造の一例を図2(b)に示す。
【0016】
推奨経路データ21は、推奨ルートID番号、ノード数、リンク数、ノード番号、各ノードの位置座標、各ノードに接続される進入リンク番号、各ノードに接続される退出リンク番号、進入リンクと退出リンクとの接続角度の各情報を有している。ノード番号N1については、ノードN1の位置座標X1,Y1と、ノードN1に接続される進入リンクのリンク番号L1と、ノードN1に接続される退出リンクのリンク番号L2、進入リンクL1と退出リンクL2との接続角度−90度とが記録されている。ここで、負の値は左折を示している。
【0017】
経路誘導で交差点を曲がるように指示するときに発生する案内メッセージは、交差点案内メッセージデータ30として、データ記憶部111に記憶される。交差点案内メッセージデータ30について、図3を参照して説明する。交差点案内メッセージデータ30は、推奨経路の進出リンクと退出リンクとのなす角度を所定の角度範囲ごとに区分けした角度範囲欄31を有し、それぞれの角度範囲に対応した音声案内の案内メッセージの候補となる案内メッセージ候補32a,32bが格納されている。格納されている案内メッセージ候補32a,32bは、音声案内のメッセージの中で「次の交差点を***」の「***」の部分のメッセージの候補となるものである。
【0018】
案内メッセージ候補32a,32b中で音声案内に使用する案内メッセージについては、適用欄33a,33bにフラグが設定される。たとえば、図2(a)で、リンクL1からノードN1を曲がってリンクL2へ進行する場合は、進入リンクであるリンクL1と退出リンクであるリンクL2とのなす角度が−90度であるので、角度範囲−105〜−75度の中でフラグが設定されている「左方向です」の案内メッセージが適用される。そして、車両がノードN1に接近すると、「次の交差点を左方向です」の音声案内のメッセージがスピーカ17から出力される。
【0019】
交差点の案内メッセージは次のようにして変更することができる。図4および図5を参照して説明する。図4は、表示モニタ16に表示された交差点における音声案内の設定画面を説明するための図である。使用者は、ナビゲーション装置1の機能の不図示の設定メニューから、入力装置18を操作して音声案内の内容を設定する音声ガイド設定モードを選択し、交差点の音声案内を選択する不図示のマークを選択すると、図4に示す交差点音声案内設定画面40が表示される。
【0020】
交差点音声案内設定画面40には、交差点略図41a〜41cと交差点の案内メッセージ候補42a〜42cとが表示される。交差点略図41a〜41cは、交差点の典型的な形態を表しており、交差点を進入して退出する方向が矢印として表される。たとえば、略図41aには右折する交差点を表し、略図41bには右斜め後ろ方向に進行する交差点を表し、略図41cには右前方向に進行する交差点を表す。交差点略図41a〜41cは図4に示された3種類に限らず、マーク43a,43bを選択すると、他の形態の交差点が表示される。
【0021】
使用者は交差点略図41a〜41cを参照して、案内メッセージを変更する交差点の形態を選択する。そして、案内メッセージ候補42a〜42cの中から自分の好みや感覚に合った案内メッセージを選択する。たとえば、交差点を90度の角度で右折する場合の音声案内メッセージを「右です」から「右方向です」に変更する場合、交差点略図41aの下欄の案内メッセージ候補42a中で適用する案内メッセージを「右です」から「右方向です」に変更する。適用する案内メッセージを「右方向です」に変更すると、「右方向です」の表示が反転する。また、交差点音声案内設定画面40上の案内メッセージの変更に伴い、交差点案内メッセージデータ30の案内メッセージ32bの適用欄33bに設定されているフラグの位置が「右です」の位置から「右方向です」の位置に変更される。
【0022】
図5は、案内メッセージの設定が変更された後に車両が交差点を右折するときの案内メッセージを説明するための図である。表示モニタ16には道路地図50が表示され、道路地図50には、自車位置マーク51とともに推奨経路52が表示される。推奨経路52は、交差点53を90度の角度で右折する。そして、車両が交差点53に所定距離まで近づくと、「次の交差点を右方向です」の案内メッセージ54がスピーカ17から出力される。
【0023】
次に、第1の実施形態のナビゲーション装置1の案内メッセージの変更処理について図6のフローチャートを参照して説明する。図6の処理は、交差点音声案内設定画面40が表示モニタ16に表示されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される
【0024】
ステップS601では、交差点音声案内設定画面40に表示されている案内メッセージ候補42a〜42cの中から案内メッセージが選択されたかを判定する。選択された場合はステップS601が肯定判定され、ステップS602へ進む。選択されていない場合はステップS601を繰り返す。ステップS602では、データ記憶部110に記憶されている交差点案内メッセージデータの適用欄33a,33bに設定されているフラグの位置を、選択された案内メッセージの位置に変更する。ステップS603では、案内メッセージの設定は終了するか判定する。終了されたか否かは不図示の戻りマークが選択されたか否かによって判断する。終了された場合は案内メッセージの変更処理を終了する、終了されていない場合はステップS601へ戻る。
【0025】
以上の第1の実施形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)自分の好みや感覚に合わせて使用者は音声案内の案内メッセージを変更することができるので、自分の好みや感覚に合った音声案内で経路誘導を受けることができる。また、自分の好みや感覚に合った案内メッセージで経路誘導を受けるので、案内メッセージを間違えて捉え、誤って推奨経路から外れることが少なくなる。
(2)交差点の形態を表した略図が表示されるので、変更したい案内メッセージをすぐに見つけ出すことができる。
【0026】
−第2の実施形態−
第2の実施形態のナビゲーション装置の構成は、第1の実施形態によるナビゲーション装置1の構成と同じである。第2の実施形態のナビゲーション装置は、交差点音声案内設定画面40から入力装置18を操作して案内メッセージを設定変更する以外に、マイク19に音声を発して、案内メッセージの設定を変更することができる。この案内メッセージの設定変更について、図7を参照して説明する。
【0027】
図7は、音声による案内メッセージの設定変更を説明するための図である。使用者は経路誘導を受けながら運転しているものとする。ナビゲーション装置1の表示モニタ16には道路地図70が表示され、道路地図70には車両の自車位置マーク71とともに推奨経路72が表示されている。推奨経路72は、交差点73を90度の角度で右折するものとする。そして、車両が交差点73に所定距離まで近づくと、スピーカ17から「次の交差点を右です」という案内メッセージ74が出力される。使用者は、この案内メッセージを聞いて違和感を感じた場合は、次のようにして案内メッセージを変更する。
【0028】
マイク19に設けられたPTTスイッチを押下して、マイク19に向かって「案内方法変更」という言葉75を発する。次に使用者は、「右方向です」という言葉75を発する。その結果、交差点案内メッセージデータ30の案内メッセージ32bの適用欄33bに設定されているフラグの位置が「右です」の位置から「右方向です」の位置に変更される。そして、次回、75〜105の角度で曲がる交差点に近づいたときは、「次の交差点を右方向です」という言葉が出力される。
【0029】
使用者が発した言葉が、たとえば「右折」など交差点案内メッセージデータ30の案内メッセージ32bに含まれていない場合は、案内メッセージ32bの中で一番近いものを選択し(たとえば、「右方向です」)、「右方向ですというのはどうですか」という問合せメッセージを音声をスピーカ17から出力して、使用者に対して案内メッセージの適用の可否の問い合わせを行う。使用者がマイク19に向かって「了解」、「オーケイ」など肯定的な言葉を発した場合は、その案内メッセージの位置にフラグを設定する。また、「だめ」、「却下」など否定的な言葉を発した場合は、ほかの案内メッセージの問合せメッセージを出力して、ほか案内メッセージの適用の可否を問い合わせる。
【0030】
次に、第2の実施形態のナビゲーション装置1の案内メッセージの変更処理について図8および図9のフローチャートを参照して説明する。図8,9の処理は、経路誘導が開始されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0031】
ステップS801では、マイク19に設けられたPTTスイッチが押下されたかを判定する。押下された場合はステップS801が肯定判定され、ステップS802へ進む。押下されていない場合はステップS801を繰り返す。ステップS802では、マイク19から「案内方法変更」の言葉が入力されたか判定する。入力された場合はステップS802が肯定判定され、ステップS803へ進む。入力されない場合はステップS802を繰り返す。
【0032】
ステップS803では、案内メッセージの言葉が入力されたかを判定する。入力された場合はステップS803が肯定判定されステップS804へ進む。入力されていない場合はステップS803を繰り返す。ステップS804では、交差点案内メッセージデータ30より、前回出力した案内メッセージにおける角度範囲の案内メッセージ候補の中に、入力された言葉が含まれている案内メッセージはあるか判定する。ある場合はステップS804が肯定判定され、ステップS805へ進む。ない場合はステップS804が否定判定され、図9のステップS901へ進む。
【0033】
ステップS805では、交差点案内メッセージデータ30における適用欄のフラグ位置を、入力された言葉が含まれている案内メッセージの位置に変更する。そして、案内メッセージの変更処理を終了する。
【0034】
図9のステップS901では、前回出力した案内メッセージにおける角度範囲の案内メッセージ候補の中から入力された言葉に近い案内メッセージを選択する。ステップS902では、選択した案内メッセージを出力して選択した案内メッセージの適用を問い合わせるための問合せメッセージを出力する。
【0035】
ステップS903では、肯定的な言葉がマイク19より入力されたか判定する。肯定的な言葉が入力された場合はステップS903が肯定判定され、ステップS904へ進む。ステップS904では、交差点案内メッセージデータ30の適用欄33a,33bにおけるフラグ位置を、選択した案内メッセージの位置に変更する。そして、案内メッセージの変更処理を終了する。ステップS905では、前回出力した案内メッセージにおける角度範囲の案内メッセージ候補の中からほかの案内メッセージを選択する。そして、ステップS902へ戻る。
【0036】
以上の第2の実施形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)音声にて案内メッセージを変更することができるので、運転操作中でも変更することができる。したがって、案内メッセージに対して違和感を感じたらすぐに案内メッセージを変更することができ、違和感を感じた案内メッセージの変更し忘れを防止することができる。
【0037】
(2)交差点案内メッセージデータ30の案内メッセージ候補32a,32bにない案内メッセージを使用者が発しても、ほかの案内メッセージを出力して適用の可否を問い合わせるので、交差点案内メッセージデータ30に格納されている案内メッセージ候補32a,32bを覚えていなくても使用者の感覚にあった案内メッセージに変更することができる。
【0038】
以上の実施の形態のナビゲーション装置1を次のように変形することができる。
(1)交差点の案内メッセージは進入リンクと退出リンクとの角度によって決定されたが、道路の種別や幅員を考慮に入れてもよい。たとえば、図10の交差点略図101に示すように、交差点を進入する道路と右斜め前方向に進む道路とが主要道路で、直進する道路と左斜め後ろに進む道路とが細街路である場合は、「道なりです」という案内メッセージでも経路誘導することができる。したがって、同じ形態の交差点であっても、道路の種別や幅員によって案内メッセージが変わる場合もあるので、道路の種別や幅員を考慮に入れた案内メッセージ候補102を交差点音声案内設定画面40に表示し、交差点略図も道路の幅員などを変化させたもの101を表示して案内メッセージを選択できるようにしてもよい。
【0039】
(2)使用者の発した案内メッセージの言葉より交差点案内メッセージデータ30に格納されている案内メッセージのフラグの設定を変更したが、使用者の発した案内メッセージをそのまま交差点案内メッセージデータ30に格納し、使用者の発した案内メッセージで音声案内が受けられるようにしてもよい。このようにすることによって使用者の好みや感覚により合った案内メッセージで音声案内を受けることができる。
【0040】
(3)使用者が変更することができる案内メッセージは音声案内に使用する案内メッセージであれば、誘導交差点の案内メッセージに限定されない。たとえば、「100m先の交差点を右です」という案内メッセージを、「すぐそこの交差点を右です」のように変更できるようにしてもよい。
【0041】
本発明のナビゲーション装置は、目的地までの推奨経路を経路探索する経路探索手段と、推奨経路を音声案内で経路誘導する経路誘導手段と、音声案内の案内メッセージの案内メッセージ候補を記憶する案内メッセージ記憶手段と、案内メッセージ候補の中から使用者によって選択された案内メッセージを選択する案内メッセージ選択手段とを備える構成を有していれば、以上説明した実施の形態になんら限定されず、車載用にも限定されない。たとえば、目的地の設定などすると、経路誘導の内容を実行するパーソナルコンピュータも含まれる。
【0042】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の経路探索手段は制御回路11に対応し、経路誘導手段は制御回路および表示モニタ16、スピーカ19に対応する。案内メッセージ記憶手段はデータ記憶部111に対応し、案内メッセージ選択手段は、制御回路11および入力装置18、または制御回路11およびマイク19に対応する。交差点略図表示制御手段は制御回路11に対応し、音声入力手段はマイク19および音声認識部110に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)は、探索された経路の一部を示す図であり、図2(b)は推奨経路データを説明するための図である。
【図3】交差点案内メッセージデータを説明するための図である。
【図4】表示モニタに表示された交差点音声案内設定画面を説明するための図である。
【図5】案内メッセージの設定が変更された後に車両が交差点を右折するときの案内メッセージを説明するための図である。
【図6】第1の実施形態の案内メッセージの変更処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】音声による案内メッセージの設定変更を説明するための図である。
【図8】第2の実施形態の案内メッセージの変更処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】第2の実施形態の案内メッセージの変更処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】道路の種別や幅員を考慮に入れた交差点音声案内設定画面を説明するための図である。
【符号の説明】
【0044】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
12 ROM
13 RAM
14 現在地検出装置
16 表示モニタ
17 スピーカ
18 入力装置
19 スピーカ
110 音声認識部
111 データ記憶部
113 DVD−ROM
21 推奨経路データ
30 交差点案内メッセージデータ
31 角度
32a,32b,42a〜42c,102 案内メッセージ候補
40 交差点音声案内設定画面
41a〜41b,101 交差点略図
50,70 道路地図
51,71 自車位置マーク
52,72 推奨経路
53,73 交差点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの推奨経路を経路探索する経路探索手段と、
前記推奨経路を音声案内で経路誘導する経路誘導手段と、
前記音声案内の案内メッセージの案内メッセージ候補を記憶する案内メッセージ記憶手段と、
前記案内メッセージ候補の中から使用者によって選択された前記案内メッセージを選択する案内メッセージ選択手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記案内メッセージは誘導交差点における音声案内であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、
表示モニタを備え、
前記案内メッセージ選択手段は、前記表示モニタに表示された前記案内メッセージ候補の中から使用者によって選択された案内メッセージを選択することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記案内メッセージ候補とともに前記案内メッセージに対応する交差点略図を前記表示モニタに表示する交差点略図表示制御手段を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、
前記使用者の発する音声を入力する音声入力手段を備え、
前記案内メッセージ選択手段は、前記音声入力手段によって入力された言葉に基づいて前記案内メッセージ候補の中から案内メッセージを選択することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−108001(P2007−108001A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−298813(P2005−298813)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】