説明

ナビゲーション装置

【課題】音声認識に基づく地名や道路名の検索の確実性を向上させた「ナビゲーション装置」を提供する。
【解決手段】音声認識辞書メモリ120は、地名音声認識辞書情報及び道路名音声認識辞書情報を記憶する。ディスプレイ70に文字選択画面が表示されている状態において、利用者がタッチパネル90に指等を接触させて文字又は文字列を選択すると、制御部102は、音声認識辞書メモリ120に記憶された地名音声認識辞書情報及び道路名音声認識辞書情報のうち、利用者によって選択された文字又は文字列を先頭に含む地名文字列及び道路名文字列を抽出する。その後、利用者が音声を発すると、音声認識部122は、その音声に対応する利用者音声文字列を生成し、制御部102は、抽出した地名文字列及び道路名文字列のうち、利用者音声文字列に最も類似するものを特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者によって設定された目的地までの経路を探索し、当該目的地までの案内を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は、利用者によって設定された目的地までの経路(誘導経路)を探索し、車両がその誘導経路に沿って目的地まで走行するように、画像や音声によって案内を行う。このようなナビゲーション装置では、利用者の音声を認識する機能を有するものが存在する(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
従来のナビゲーション装置は、目的地となり得る地名や道路名の文字列を含んだ音声認識辞書を用意しておく。そして、ナビゲーション装置は、利用者が地名や道路名を発声した際の音声の認識処理により当該音声に対応する文字列を特定し、音声認識辞書に含まれる地名や道路名の文字列のうち、認識した利用者の音声に対応する文字列に最も類似するものを目的地の候補として特定する機能を有する。また、従来の記載のナビゲーション装置は、利用者の音声からキーワードを抽出し、そのキーワードと利用者の関心事に基づいて、適切な地図情報を取得する。
【特許文献1】特開2004−20883号公報
【特許文献2】特開平8−50698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した音声認識辞書は、あらゆる地名や道路名毎に設ける必要があり、膨大な量となる。このため、利用者の音声に対応する文字列に最も類似する地名や道路名の文字列を特定する際に、誤りが生じる可能性が高いという問題があった。一方、利用者に地名や道路名の先頭の所定数の文字を発声させ、その音声の認識結果に基づいて、検索対象の音声認識辞書を絞り込み、その後、利用者が利用者が地名や道路名を発声した際の音声を認識した場合には、絞り込んだ後の音声認識辞書に含まれる地名や道路名の文字列のうち、認識した利用者の音声に対応する文字列に最も類似するものを特定する手法も考えられる。しかし、この手法では、利用者が地名や道路名の先頭の所定数の文字を発声した際の音声の認識に誤りが生じると、利用者の意図しない結果が得られてしまう。
【0005】
本発明の目的は、上述した問題を解決するものであり、音声認識に基づく地名や道路名の検索の確実性を向上させたナビゲーション装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るナビゲーション装置は、設定地点となり得る地名及び道路名の文字列を記憶した記憶手段と、利用者による操作部の操作によって選択された文字又は文字列を取得する取得手段と、前記記憶手段に記憶された地名及び道路名の文字列のうち、前記取得手段により取得された文字又は文字列を先頭に含むものを抽出する文字列抽出手段と、前記利用者が発する音声を認識し、認識結果を生成する音声認識手段と、前記文字列抽出手段により抽出された地名及び道路名の文字列のうち、前記音声認識手段により生成された認識結果に対応する地名又は道路名の文字列を検索する文字列検索手段とを有する。
【0007】
この構成によれば、利用者が操作部を操作して文字又は文字列を選択すると、予め記憶された地名及び道路名の文字列のうち、利用者によって選択された文字又は文字列を先頭に含むものが抽出され、その後に利用者が音声を発すると、その音声の認識結果が生成されて、抽出した地名及び道路名の文字列のうち、音声の認識結果に対応する地名又は道路名が検索される。従って、予め記憶された地名及び道路名の文字列が絞り込まれた上で、利用者が発した音声に基づく検索の対象となるため、検索対象となる地名又は道路名の量を減らし、検索の確実性が向上する。また、予め記憶された地名及び道路名の文字列の絞り込みは、利用者が操作部を操作して選択した文字又は文字列に基づいてなされており、従来のようにその絞り込みの際に音声認識を用いるものではないため、誤りが生じにくく、検索の確実性が向上する。
【0008】
同様の観点から、本発明に係るナビゲーション装置は、前記音声認識手段が、前記利用者が発する音声に対応する文字列を認識結果として生成し、前記文字列検索手段が、前記文字列抽出手段により抽出された地名及び道路名の文字列のうち、前記音声認識手段により生成された利用者が発する音声に対応する文字列に最も類似する地名及び道路名の文字列を特定する。
【0009】
また、本発明に係るナビゲーション装置は、前記文字列検索手段により検索された地名又は道路名の文字列を出力する出力手段を有する。
【0010】
また、本発明に係るナビゲーション装置は、前記出力手段が、前記文字列検索手段により検索された地名又は道路名の文字列に対応する音声を出力する。
【0011】
また、本発明に係るナビゲーション装置は、タッチパネル方式の表示ユニットに文字選択画面を表示する表示処理手段を有し、前記取得手段が、前記利用者による前記表示ユニットに接触する操作によって選択された文字又は文字列を取得する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、予め記憶された地名及び道路名の文字列が絞り込まれた上で、利用者が発した音声に対応する地名又は道路名の検索対象となるため、検索対象となる地名又は道路名の量を減らし、検索の確実性が向上する。また、予め記憶された地名及び道路名の文字列の絞り込みの際に音声認識を用いるものではないため、誤りが生じにくく、検索の確実性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明のナビゲーション装置が適用されたナビゲーション装置の構成を示す図である。図1に示すナビゲーション装置100は、車両に搭載されており、本体10、ハードディスクドライブ(HDD)20、操作ボタン30、通信部40、GPS受信部50、自律航法センサ60、ディスプレイ70、スピーカ80、タッチパネル90及びマイクロホン92により構成される。
【0014】
HDD20は、ハードディスク22を搭載しており、当該ハードディスク22に記録された地図データを読み出す。地図データは、段階的な縮尺毎の矩形領域の地図に対応する複数の図葉データを含む。この図葉データは、縮尺の情報と、矩形領域の四隅の経度及び緯度とを含んでおり、これらの縮尺、経度及び緯度によって一意に特定される。
【0015】
また、地図データは、道路情報を含む。この道路情報は、緯度及び経度によって特定される道路上の複数の位置(ノード)の集合と、道路名の仮名の文字列(道路名文字列)とを含む。また、地図データは、地域情報を含む。この地域情報は、地域の外周部の経度及び緯度の集合と、代表点の経度及び緯度と、地名の仮名の文字列とを含む。
【0016】
なお、地図データの記録媒体は、ハードディスク22に限られず、DVD、CD−ROM等であってもよく、記録媒体に応じたドライブが用意される。
【0017】
操作ボタン30は、誘導経路検索時の目的地の設定等において、利用者によって操作される。通信部40は、例えば、携帯電話機であり、ナビゲーション装置100に必要な各種情報を取得するために、外部との通信を行う。GPS受信部50は、車両の位置の検出に必要なGPS衛星からのGPS信号を受信する。自律航法センサ60は、車両の進行方向を検出するためのジャイロ等と、一定の走行距離毎にパルス(車速パルス)を発生する距離センサとにより構成される。
【0018】
ディスプレイ70は、地図画像や操作画面の画像等の各種の画像を表示する。タッチパネル90は、操作部に対応し、ディスプレイ70の表示面に取り付けられて、当該ディスプレイ70とともにタッチパネル方式の表示ユニットを構成する。このタッチパネル90は、利用者の指等が接触すると、その接触位置の情報を出力する。マイクロホン92は、利用者の音声を検出し、対応する音声信号を生成して出力する。
【0019】
本体10は、制御部102、バッファメモリ104、地図描画部106、操作画面・マーク描画部108、誘導経路記憶部110、誘導経路描画部112、画像合成部118、音声認識辞書メモリ120及び音声認識部122により構成される。
【0020】
制御部102は、ナビゲーション装置100の全体を制御する。具体的には、制御部102は、GPS受信部50によって受信されたGPS信号や、自律航法センサ60によって検出された車両の進行方向、車速パルスの出力間隔に基づいて、車両の位置、方位及び速度を算出する。また、制御部102は、HDD20に対して、ハードディスク22に記録された地図データの読み出しを指示する。制御部102の指示に応じてHDD104が読み出した地図データは、バッファメモリ104に格納される。更に、制御部102は、地図描画部106に対して、地図画像の描画を指示する。地図描画部106は、この指示に応じて、バッファメモリ104に格納された地図データを読み出し、当該地図データに基づいて地図画像を生成する。
【0021】
また、制御部102は、利用者による操作ボタン30の操作や、タッチパネル90の操作、ナビゲーション装置100の動作状態等に応じて、操作画面・マーク描画部108に画像描画の指示を出す。操作画面・マーク描画部108は、この指示に応じて、各種操作画面や自車位置マーク、カーソル位置の画像を描画する。
【0022】
また、制御部102は、利用者による操作ボタン30の誘導経路検索のための操作に応じて、バッファメモリ104に格納された地図データを読み出し、当該地図データに基づいて、所定の経路探索アルゴリズムを用いて目的地までの誘導経路を設定する。設定された誘導経路の情報(例えば、出発地から目的地までの誘導経路に対応する複数のノード(経度及び緯度)の集合)は、誘導経路記憶部110に記憶される。更に、制御部102は、経路誘導の開始等の所定のタイミングで、誘導経路描画部112に対して、誘導経路の画像の描画を指示する。誘導経路描画部112は、この指示に応じて、誘導経路記憶部110に記憶された誘導経路情報に基づいて、誘導経路画像を生成する。
【0023】
また、制御部102は、利用者による操作ボタン30の操作や、タッチパネル90の操作、ナビゲーション装置100の動作状態等に応じて、画像合成部118に、画像合成を指示する。画像合成部118は、この指示に応じて、地図描画部106、操作画面・マーク描画部108及び誘導経路描画部112によって生成された各種画像を適宜合成し、得られた画像をディスプレイ70に表示させる。
【0024】
また、制御部102は、利用者による操作ボタン30の操作や、タッチパネル90の操作、ナビゲーション装置100の動作状態等に応じて、音声を生成し、スピーカ80に出力させる。例えば、制御部102は、経路誘導中に誘導経路情報に基づいて、交差点を曲がる指示等の案内音声を生成し、スピーカ80に出力させる。
【0025】
本実施形態のナビゲーション装置100では、音声認識による目的地設定が行われる。この音声認識による目的地設定に先立って、制御部102は、地名認識辞書情報及び道路名認識辞書情報を生成し、音声認識辞書情報メモリ120に記憶させる。具体的には、制御部102は、HDD20に対して、地図データ内の地域情報及び道路情報の読み出しを指示する。HDD20は、この指示に応じて、ハードディスク22から地図データ内の全ての地域情報及び道路情報を読み出し、バッファメモリ104へ記憶させる。
【0026】
制御部102は、バッファメモリ104に記憶された地域情報及び道路情報を読み出す。次に、制御部102は、各地域情報内の地名文字列を抽出し、これらからなる地名音声認識辞書情報を生成する。また、制御部102は、各道路情報内の道路名文字列を抽出し、これらからなる道路名音声認識辞書情報を生成する。図2(a)は地名音声認識辞書情報の構成を示し、図2(b)は道路名音声認識辞書情報の構成を示す。
【0027】
更に、制御部102は、生成した地名音声認識辞書情報及び道路名音声認識辞書情報を音声認識辞書メモリ120に記憶させる。音声認識辞書メモリ120は、これら地名音声認識辞書情報及び道路名音声認識辞書情報を記憶する。
【0028】
上述した地名認識辞書情報及び道路名認識辞書情報の生成及び記憶がなされた後、音声認識による目的地設定が行われる。図2は、音声認識による目的地設定の動作を示すフローチャートである。
【0029】
制御部102は、利用者により操作ボタン30が操作されて、目的地の地名及び道路名の音声認識が指示されたか否かを判定する(S101)。目的地の地名及び道路名の音声認識が指示された場合、制御部102は、操作画面・マーク描画部108に対して、利用者が文字を選択するための操作画面(文字選択画面)の画像の描画を指示する。操作画面・マーク描画部108は、この指示に応じて、文字選択画面の画像を描画する。
【0030】
文字選択画面の画像は、画像合成部118を介してディスプレイ70に出力され、当該ディスプレイに表示される。図4は、文字選択画面の構成を示す図である。図4に示す文字選択画面は、五十音の各文字のボタン201と、選択された文字又は文字列の表示欄202と、選択された文字又は文字列を確定させるための確定ボタン203の各画像を含んで構成される。
【0031】
次に、制御部102は、利用者によって文字又は文字列が選択されたか否かを判定する(S103)。具体的には、ディスプレイ70に文字選択画面が表示されている状態において、利用者がタッチパネル90に指等を接触すると、当該タッチパネル90は、制御部102に対して、接触位置を出力する。制御部102は、その接触位置と、文字選択画面における、文字ボタン201及び確定ボタン203の位置とに基づいて、利用者がどの文字ボタン201を選択したか否か、あるいは、確定ボタン203を選択したか否かを判定することができる。
【0032】
そして、1又は複数の文字ボタン201を選択した後、確定ボタン203を選択した場合には、1又は複数の文字ボタン201に対応する文字又は文字列が選択されたと判定する。文字又は文字列が選択された場合には、制御部102は、その文字又は文字列を生成する(S104)。ここで、文字列は、文字ボタン201の選択順に対応する文字の配列となる。
【0033】
次に、制御部102は、音声認識辞書メモリ120に記憶された地名音声認識辞書情報を構成する地名文字列のうち、生成した文字又は文字列を先頭に含む地名文字列、及び、音声認識辞書メモリ120に記憶された道路名音声認識辞書情報を構成する道路名文字列のうち、生成した文字又は文字列を先頭に含む道路名文字列を抽出する(S105)。
【0034】
次に、制御部102は、音声認識部122に対して、音声認識を指示する。音声認識部122は、この指示に応じて、マイクロホン92から送られる利用者の音声に対応する音声信号入力すると、利用者の音声認識を行い、利用者の音声に対応するビット列であるパターン情報(利用者音声パターン)を生成する。更に、音声認識部122は、その利用者音声パターンに対応する文字列(利用者音声文字列)を生成する(S106)。生成された利用者音声文字列は、制御部102へ出力される。
【0035】
次に、制御部102は、利用者音声文字列をキーとして、S105において抽出した地名文字列及び道路名文字列を検索し、これら抽出した地名文字列及び道路名文字列のうち、利用者音声文字列に最も類似するものを特定する(S107)。ここでは、例えば、制御部102は、抽出した地名文字列及び道路名文字列のうち、利用者音声文字列と完全一致するものを特定し、完全一致するものが存在しない場合には、利用者音声文字列と1文字違いのものを特定するというように、類似の度合を徐々に下げて特定処理を行うことで、抽出した地名文字列及び道路名文字列のうち、利用者音声文字列に最も類似するものを特定する。
【0036】
次に、制御部102は、S107において特定した地名文字列又は道路名文字列に対応する音声パターンを生成し、更に、その音声パターンに対応する音声信号を生成する。更に、制御部102は、生成した音声信号に対応する音声をスピーカ80から出力させる(S108)。
【0037】
その後、制御部102は、利用者によって、出力した音声に対応する地名又は道路名が目的地として確定されたか否かを判定する(S109)。例えば、利用者が操作ボタン30の確定ボタン(図示せず)を押下した場合には、制御部102は、出力した音声に対応する地名又は道路名が目的地をして確定されたと判定する。
【0038】
地名又は道路名が目的地として確定した場合には、制御部102は、その確定した地名又は道路名を目的地として設定する(S110)。具体的には、制御部102は、バッファメモリ104に記憶されている地域情報及び道路情報のうち、確定した地名に対応する地名文字列を含む地域情報又は確定した道路名に対応する道路名文字列を含む道路情報を特定する。更に、制御部102は、地域情報を特定した場合には、その地域情報内の代表点の経度及び緯度を目的地として設定し、道路情報を特定した場合には、その道路情報内の複数のノードのいずれかの緯度及び経度(例えば、車両の位置に最も近いノードの経度及び緯度)を目的地として設定する。その後は、その設定された目的地までの誘導経路が探索される。
【0039】
一方、利用者によって、出力した音声に対応する地名又は道路名が目的地として確定されなかった場合、例えば、利用者が操作ボタン30の取り消しボタン(図示せず)を押下した場合には、制御部102は、S107において特定した地名文字列又は道路名文字列を、その後にS107において地名文字列又は道路名文字列を特定する際の対象から除外する(S111)。その後は、S107以降の動作が繰り返され、制御部102は、残りの地名文字列及び道路名文字列のうち、利用者音声文字列に最も類似するものを特定する(S107)。
【0040】
上述した実施形態において、制御部102は、取得手段、文字列抽出手段及び文字列検索手段に対応し、音声認識辞書メモリ120は、記憶手段に対応する。また、音声認識部122は、音声認識手段に対応し、スピーカ80は、出力手段に対応し、操作画面・マーク描画部108は、表示処理手段に対応する。
【0041】
このように、本実施形態のナビゲーション装置100では、ディスプレイ70に文字選択画面が表示されている状態において、利用者がタッチパネル90に指等を接触させて文字又は文字列を選択すると、制御部102は、音声認識辞書メモリ120に記憶された地名音声認識辞書情報を構成する地名文字列及び道路名音声認識辞書情報を構成する道路名文字列のうち、利用者によって選択された文字又は文字列を先頭に含む地名文字列及び道路名文字列を抽出する。その後、利用者が音声を発すると、音声認識部122は、その音声に対応する利用者音声文字列を生成し、制御部102は、抽出した地名文字列及び道路名文字列のうち、利用者音声文字列に最も類似するものを特定する。この特定された地名文字列に対応する地名又は道路名文字列に対応する道路名が目的地候補となる。
【0042】
従って、利用者の文字又は文字列の選択に応じて、地名音声認識辞書情報を構成する地名文字列及び道路名音声認識辞書情報を構成する道路名文字列が絞り込まれた上で、更に、音声認識による地名音声認識辞書情報及び道路名音声認識辞書情報の絞り込みと、音声認識による目的地候補の検索とが同時に行われており、検索の対象となる地名音声認識辞書情報を構成する地名文字列及び道路名音声認識辞書情報を構成する道路名文字列の量を減らし、検索の確実性が向上する。また、地名音声認識辞書情報を構成する地名文字列及び道路名音声認識辞書情報を構成する道路名文字列の絞り込みは、利用者がタッチパネル90に指等を接触させて選択した文字又は文字列に基づいてなされており、従来のようにその絞り込みの際に音声認識を用いるものではないため、誤りが生じにくく、検索の確実性が向上する。
【0043】
なお、上述した実施形態では、図3のS108において、S107にて特定した地名文字列又は道路名文字列に対応する地名又は道路名の音声を出力したが、ディスプレイ70に表示させるようにしてもよい。また、上述した実施形態では、地名音声認識辞書情報及び道路名音声認識辞書情報から抽出した地名文字列及び道路名文字列のうち、利用者音声文字列に最も類似するものを特定したが、利用者音声文字列に類似する複数の地名文字列及び道路名文字列を特定するようにしてもよい。この場合、例えば、利用者音声文字列に完全一致する地名文字列及び道路名文字列と、1文字違いの地名文字列及び道路名文字列とが特定される。
【0044】
また、上述した実施形態では、目的地が設定地点となる場合における、当該目的地の音声認識による設定について説明したが、他の設定地点、例えば、目的地に至るまでに経由する経由地等の音声認識による設定においても、同様に本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上、説明したように、本発明に係るナビゲーション装置は、音声認識に基づく地名や道路名の検索の確実性を向上させることができ、ナビゲーション装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】ナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】地名音声認識辞書情報及び道路名音声認識辞書情報の構成を示す図である。
【図3】音声認識による目的地設定の動作を示すフローチャートである。
【図4】文字選択画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
10 本体
20 ハードディスクドライブ(HDD)
22 ハードディスク
30 操作ボタン
40 通信部
50 GPS受信部
60 自律航法センサ
70 ディスプレイ
80 スピーカ
90 タッチパネル
92 マイクロホン
100 ナビゲーション装置
102 制御部
104 バッファメモリ
106 地図描画部
108 操作画面・マーク描画部
110 誘導経路記憶部
112 誘導経路描画部
118 画像合成部
120 音声認識辞書メモリ
122 音声認識部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定地点となり得る地名及び道路名の文字列を記憶した記憶手段と、
利用者による操作部の操作によって選択された文字又は文字列を取得する取得手段と、
前記記憶手段に記憶された地名及び道路名の文字列のうち、前記取得手段により取得された文字又は文字列を先頭に含むものを抽出する文字列抽出手段と、
前記利用者が発する音声を認識し、認識結果を生成する音声認識手段と、
前記文字列抽出手段により抽出された地名及び道路名の文字列のうち、前記音声認識手段により生成された認識結果に対応する地名又は道路名の文字列を検索する文字列検索手段とを有するナビゲーション装置。
【請求項2】
前記音声認識手段は、前記利用者が発する音声に対応する文字列を認識結果として生成し、
前記文字列検索手段は、前記文字列抽出手段により抽出された地名及び道路名の文字列のうち、前記音声認識手段により生成された利用者が発する音声に対応する文字列に最も類似する地名及び道路名の文字列を特定する請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記文字列検索手段により検索された地名又は道路名の文字列を出力する出力手段を有する請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記文字列検索手段により検索された地名又は道路名の文字列に対応する音声を出力する請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
タッチパネル方式の表示ユニットに文字選択用の画面を表示する表示処理手段を有し、
前記取得手段は、前記利用者による前記表示ユニットに接触する操作によって選択された文字又は文字列を取得する請求項1乃至4のいずれかに記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−38751(P2010−38751A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−202847(P2008−202847)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】