説明

ニトロソ化およびニトロシル化心血管化合物、組成物、ならびに使用方法

本発明は新規のニトロソ化および/もしくはニトロシル化心血管化合物または薬学的に許容されるその塩、ならびに少なくとも一つのニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物、任意で、少なくとも一つの酸化窒素供与体および/または少なくとも一つの治療薬を含む新規の組成物について記述する。本発明は同様に、任意でニトロソ化および/またはニトロシル化されてもよい少なくとも一つの本発明の心血管化合物、および任意で少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物および/または少なくとも一つの治療薬を含んでもよい新規の組成物およびキットを提供する。本発明は同様に、(a) 心血管疾患を治療する; (b) 腎血管性疾患を治療する; (c) 糖尿病を治療する; (d) 酸化ストレスから生じる疾患を治療する; (e) 内皮機能障害を治療する; (f) 内皮機能障害によって引き起こされる疾患を治療する; (g) 肝硬変を治療する; (h) 子癇前症を治療する; (j) 骨粗鬆症を治療する; および(k) 腎症を治療する方法を提供する。ニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物は、ニトロソ化および/またはニトロシル化アルドステロンアンタゴニスト、ニトロソ化および/またはニトロシル化アンギオテンシンIIアンタゴニスト、ニトロソ化および/またはニトロシル化カルシウムチャネル遮断薬、ニトロソ化および/またはニトロシル化エンドセリンアンタゴニスト、ニトロソ化および/またはニトロシル化ヒドララジン化合物、ニトロソ化および/またはニトロシル化中性エンドペプチダーゼ阻害剤、ならびにニトロソ化および/またはニトロシル化レニン阻害剤であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は新規のニトロソ化および/もしくはニトロシル化心血管化合物または薬学的に許容されるその塩、ならびに少なくとも一つのニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物、任意で、少なくとも一つの酸化窒素供与体および/または少なくとも一つの治療薬を含む新規の組成物について記述する。本発明は同様に、任意でニトロソ化および/またはニトロシル化された少なくとも一つの本発明の心血管化合物、任意で、少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物および/または少なくとも一つの治療薬を含む新規の組成物およびキットを提供する。本発明は同様に、(a) 心血管疾患を治療する; (b) 腎血管性疾患を治療する; (c) 糖尿病を治療する; (d) 酸化ストレスから生じる疾患を治療する; (e) 内皮機能障害を治療する; (f) 内皮機能障害によって引き起こされる疾患を治療する; (g) 肝硬変を治療する; (h) 子癇前症を治療する; (j) 骨粗鬆症を治療する; および(k) 腎症を治療する方法を提供する。ニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物は、ニトロソ化および/またはニトロシル化アルドステロンアンタゴニスト、ニトロソ化および/またはニトロシル化アンギオテンシンIIアンタゴニスト、ニトロソ化および/またはニトロシル化カルシウムチャネル遮断薬、ニトロソ化および/またはニトロシル化エンドセリンアンタゴニスト、ニトロソ化および/またはニトロシル化ヒドララジン化合物、ニトロソ化および/またはニトロシル化中性エンドペプチダーゼ阻害剤、ならびにニトロソ化および/またはニトロシル化レニン阻害剤であることが好ましい。
【0002】
関連出願
本出願は米国特許法第119条のもと、2003年8月28日付けで出願した米国特許出願第60/498,309号、および2004年1月12日付けで出願した米国特許出願第60/535,542号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
過去30年間にわたる米国での心血管系の罹患率および死亡率の減少は、心血管疾患の機構および治療戦略に関する研究の飛躍的な進歩の結果であった。心筋梗塞の発生率と有病率および心筋梗塞による死亡、ならびに脳血管障害による死亡は、主としてこれらの非常によく見られる疾患の予防、早期診断および治療の進歩によって、この間に著しく減少した。
【0004】
利尿、心血管疾患、ならびに酸化および/または内皮機能障害から生じる疾患の治療のために投与される化合物は、毒性の、慢性および/または衰弱性の副作用を引き起こすことが多い。ACE阻害剤、β-アドレナリン遮断薬、抗血栓性および血管拡張性化合物または抗高脂血症化合物などの心血管化合物は、例えば、喘息および/または気管支炎につながる呼吸毒性を示す。故に、効果がさらに高く、毒性がさらに低い化合物であって、低用量で使用できる化合物が当技術分野において必要とされている。本発明はこれらの、およびその他の重要な目的に向けられる。
【発明の開示】
【0005】
発明の概要
本発明は少なくとも一つのNOおよび/またはNO2基で置換(すなわち、ニトロシル化および/またはニトロソ化)された新規の心血管化合物、ならびに薬学的に許容されるその塩を提供する。この心血管化合物は、例えば、アルドステロンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、およびレニン阻害剤とすることができる。この心血管化合物は酸素(ヒドロキシル縮合)、硫黄(スルフヒドリル縮合)および/または窒素などの一つまたは複数の部位を介してニトロソ化および/またはニトロシル化されることができる。本発明は同様に、薬学的に許容される担体中に本明細書において記述される新規の化合物を含んだ組成物を提供する。
【0006】
本発明は同様に、任意で少なくとも一つのNOおよび/またはNO2基で置換(すなわち、ニトロシル化および/またはニトロソ化)された少なくとも一つの心血管化合物または薬学的に許容されるその塩と、任意で、少なくとも一つの酸化窒素供与体とを投与することが、心血管化合物の特性を向上させるという発見に基づいている。酸化窒素供与体としては、例えば、S-ニトロソチオール、亜硝酸塩、硝酸塩、N-オキソ-N-ニトロソアミン、フロキサン(furoxan)、シドノンイミン(sydnonimine)、SPM 3672、SPM 5185、SPM 5186およびこれらの類似体、ならびに酸化窒素合成酵素の各アイソザイムの基質が挙げられる。このように、本発明の別の態様は任意で少なくとも一つのNOおよび/またはNO2基で置換(すなわち、ニトロシル化および/またはニトロソ化)された少なくとも一つの心血管化合物と、少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物とを含んだ組成物を提供する。本発明は同様に、薬学的に許容される担体中の、このような組成物を提供する。
【0007】
本発明は、任意で少なくとも一つのNOおよび/もしくはNO2基で置換(すなわち、ニトロシル化および/またはニトロソ化)された少なくとも一つの心血管化合物と、任意で、少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物ならびに/またはアルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤、およびこれらの二つまたはそれ以上の組み合わせを含むがこれらに限定されない、少なくとも一つの治療薬を含んだ組成物を提供する。好ましい態様では、この少なくとも一つの治療薬はアルドステロンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、ジギタリス、利尿薬、およびヒドララジン化合物からなる群より選択される。本発明は同様に、薬学的に許容される担体中のそのような組成物を提供する。
【0008】
本発明の別の態様は治療的に有効な量の任意で少なくとも一つのNOおよび/またはNO2基で置換(すなわち、ニトロシル化および/またはニトロソ化)された少なくとも一つの本発明の心血管化合物と、アルドステロンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、利尿薬およびヒドララジン化合物からなる群より選択される少なくとも一つの治療薬を含んだ組成物を提供する。本発明は同様に、薬学的に許容される担体中のそのような組成物を提供する。
【0009】
本発明は治療的に有効な量の、任意で少なくとも一つのNOおよび/またはNO2基で置換(すなわち、ニトロシル化および/またはニトロソ化)された少なくとも一つの心血管化合物と、任意で、例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤、およびこれらの二つまたはそれ以上の組み合わせなどの少なくとも一つの治療薬とを患者に投与する段階を含む、その必要性がある患者において(a) 心血管疾患を治療する; (b) 腎血管性疾患を治療する; (c) 糖尿病を治療する; (d) 酸化ストレスから生じる疾患を治療する; (e) 内皮機能障害を治療する; (f) 内皮機能障害によって引き起こされる疾患を治療する; (g) 肝硬変を治療する; (h) 子癇前症を治療する; (j) 骨粗鬆症を治療する; および(k) 腎症を治療する方法を提供する。この方法は任意で、少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物の投与をさらに含むことができる。本発明のこの態様では、この方法は(i) ニトロソ化および/もしくはニトロシル化心血管化合物を投与する段階、(ii) 任意でニトロソ化および/もしくはニトロシル化された心血管化合物と、NO供与体とを投与する段階、(iii) 任意でニトロソ化および/もしくはニトロシル化された心血管化合物と、治療薬とを投与する段階、または(iv) 任意でニトロソ化および/もしくはニトロシル化された心血管化合物と、NO供与体と、治療薬とを投与する段階を含むことができる。好ましい態様では、この少なくとも一つの治療薬はアルドステロンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、利尿薬、およびヒドララジン化合物からなる群より選択される。心血管化合物、酸化窒素供与体、および/または治療薬は別々にまたは一つもしくは複数の薬学的に許容される担体中の同一組成物の成分として投与されてもよい。
【0010】
本発明の別の態様は任意でニトロソ化および/またはニトロシル化された少なくとも一つの心血管化合物と、任意で、少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物とを含むキットを提供する。このキットは、例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤、およびこれらの二つまたはそれ以上の組み合わせなどの少なくとも一つの治療薬をさらに含むことができる。心血管化合物、酸化窒素供与体および/または治療薬は、キット中の別々の構成要素であってもよくあるいは一つまたは複数の薬学的に許容される担体中の組成物の形態であってもよい。
【0011】
本発明のこれらのおよびその他の局面は本明細書に詳細に記述されている。
【0012】
発明の詳細な説明
本開示の全体を通して用いられる下記の用語は、特に記載がないかぎり、下記の意味を有すると理解されるべきである。
【0013】
「心血管疾患または障害」は、当技術分野において公知の任意の心血管疾患または障害のことをいい、うっ血性心不全、再狭窄、高血圧(例えば、肺高血圧、動揺性高血圧、特発性高血圧、低レニン高血圧、塩分感受性高血圧、低レニン、塩分感受性高血圧、血栓塞栓性肺高血圧; 妊娠による高血圧; 腎血管性高血圧; 高血圧依存性末期腎不全; 心血管手術法に関連する高血圧、左心室肥大高血圧等)、拡張機能障害、冠動脈疾患、心筋梗塞、脳梗塞、アテローム性動脈硬化、アテローム発生、脳血管疾患、狭心症(慢性、安定性、不安定性および異型(プリンツメタル型)狭心症を含む)、動脈瘤、虚血性心疾患、脳虚血、心筋虚血、血栓症、血小板凝集、血小板付着、平滑筋細胞増殖、医療機器の使用に関連する血管性または非血管性合併症、医療機器の使用に関連する創傷、血管または非血管壁損傷、末梢血管疾患、経皮経腔冠動脈造影後の新生内膜過形成、血管移植、冠動脈バイパス手術、血栓塞栓事象、血管形成術後の再狭窄、冠状動脈プラーク炎症、高コレステロール血症、塞栓症、脳卒中、ショック、不整脈、心房性細動または心房粗動、脳血管の血栓閉塞および再閉塞等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0014】
「血栓塞栓事象」としては、虚血性脳卒中、一過性虚血性脳卒中、心筋梗塞、狭心症、血栓症(例えば、再狭窄、動脈血栓症、冠状動脈血栓症、心臓弁血栓症、冠動脈狭窄、血栓性閉塞、人工血管血栓、ならびに初回および二次的血栓性脳卒中など)、血栓塞栓症(例えば、肺血栓塞栓症、脳血栓塞栓症等)、静脈血栓症、血小板減少症、出血性疾患、血栓性閉塞および再閉塞ならびに急性血管事象が挙げられるが、これらに限定されることはない。血栓塞栓事象を発症する危険性がある患者としては、虚血性脳卒中、一過性虚血性脳卒中、心筋梗塞を発症した経験のある、血栓塞栓性疾患の家族歴または遺伝的素因を有する者、不安定狭心症または慢性的な安定狭心症を有する者、ならびに糖尿病患者および関節リウマチ患者を含めて、プロスタサイクリン/トロンボキサンA2ホメオスタシスが変化している患者または正常なトロンボキサンA2レベルよりも高く、血栓塞栓症の危険性が増している患者を挙げることができる。
【0015】
「酸化ストレスから生じる疾患」とは、例えば、アテローム発生、アテローム症、動脈硬化、アテローム性動脈硬化、高血圧に関連する血管肥大、高リポ蛋白血症、老化による正常な血管変性、副甲状腺の反応性過形成、腎臓病(例えば、急性または慢性)、腫瘍性疾患、炎症性疾患、神経性および急性気管支肺疾患、腫瘍形成、虚血再灌流症候群、関節炎、敗血症、認知機能障害、内毒素性ショック、内毒素による臓器不全、ならびに同様の疾患などの、フリーラジカルまたはラジカル化合物の生成を含んだ任意の疾患のことをいう。
【0016】
「腎血管性疾患」とは、腎不全(例えば、急性または慢性)、腎機能不全、腎炎性浮腫、急性糸球体腎炎、乏尿性腎不全(oliguric renal failure)、重症高血圧に関連した腎臓変質、片側性の腎実質性疾患、多発性嚢胞腎、慢性腎盂腎炎、腎機能不全に関連した腎疾患、透析または腎移植に関連した合併症、腎血管性高血圧、腎症、糸球体腎炎、強皮症、糸球体硬化等を含むが、これらに限定されない、腎臓系の任意の疾患または機能障害のことをいう。
【0017】
「内皮機能障害」とは、内皮により行われるいずれかの生理学的過程の能力障害、具体的には、要因に関係のない酸化窒素の産生のことをいう。これは、例えば、アセチルコリンもしくはメタコリンに対する冠状動脈の反応性等などの、例えば侵襲的技術などにより、または、例えば、血流測定、肘の上下腕のカフ閉塞による上腕動脈流の拡張、上腕動脈の超音波検査、イメージング技術、非対称性ジメチルアルギニン(ADMA)などの血中バイオマーカーの測定等などの非侵襲的技術により評価することができる。後者の測定の場合、内皮依存的な血流依存性拡張は内皮機能障害と診断された患者で低下するはずである。
【0018】
「内皮機能障害を治療する方法」としては、例えば、アテローム性動脈硬化、高血圧、糖尿病、うっ血性心不全等などの、内皮機能障害によって引き起こされるまたは内皮機能障害から生じうる疾患の発症/診断の前の治療が挙げられるが、これに限定されることはない。
【0019】
「内皮機能障害によって引き起こされる疾患を治療する方法」としては、例えば、アテローム性動脈硬化、うっ血性心不全、高血圧、心血管疾患、脳血管疾患、腎血管性疾患、腸間膜血管疾患、肺血管疾患、眼血管疾患、末梢血管疾患、末梢虚血性疾患等などの、内皮の不全から生じるいずれかの疾患の治療が挙げられるが、これに限定されることはない。
【0020】
「治療薬」には、本明細書に記載の疾患を治療または予防するのに使用できる任意の治療薬が含まれる。「治療薬」としては、例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤等が挙げられる。治療薬には、薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、ならびに対応するニトロソ化および/またはニトロシル化誘導体を含むがこれらに限定されない、その薬学的誘導体が含まれる。酸化窒素供与体は治療活性を有するが、酸化窒素供与体は別に規定されているので、「治療薬」という用語は本明細書において記述される酸化窒素供与体を含まない。
【0021】
「プロドラッグ」とは、インビボにおいてより活性化される化合物のことをいう。
【0022】
「抗酸化薬」とは、フリーラジカルと反応しクエンチングできる任意の化合物のことをいい、およびこの化合物を含む。
【0023】
「アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤」とは、アンギオテンシンIのアンギオテンシンIIへの変換を触媒する酵素を阻害する化合物のことをいう。ACE阻害剤としては、ACEの活性を阻害し、それにより昇圧物質アンギオテンシンIIの形成を減らすかまたはなくすことによってレニン-アンギオテンシン系に関与するアミノ酸およびその誘導体、ジペプチドおよびトリペプチドを含むペプチド、ならびにACEに対する抗体が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0024】
「アンギオテンシンIIアンタゴニスト」とは、アンギオテンシンIIの機能、合成または異化を妨害する化合物のことをいう。アンギオテンシンIIアンタゴニストとしては、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIの異化を活性化する薬剤、およびアンギオテンシンIIからのアンギオテンシンIの合成を妨害する薬剤を含むが、これらに限定されない、ペプチド化合物および非ペプチド化合物が挙げられる。レニン-アンギオテンシン系は血液動態の調節ならびに水および電解質平衡に関与する。血液量、腎臓の灌流圧、または血漿中のナトリウムの濃度を低下させる因子はこの系を活性化する傾向があり、その一方でこれらのパラメータを増大させる因子はその機能を抑制する傾向がある。
【0025】
「抗高脂血症化合物」とは、高比重リポタンパク質(HDL)血清コレステロール濃度は低下しても、同じ状態のままであっても、または増大してもよいが、血清コレステロール濃度を有利に変化させる、例えば、血清低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール濃度を低下させるか、またはLDLコレステロールの酸化を阻害するような作用を有する任意の化合物または薬剤のことをいう。抗高脂血症化合物はLDLコレステロールおよびHDLコレステロールの血清濃度(および、より具体的には、トリグリセリド濃度)を正常なまたはほぼ正常な濃度にすることが好ましい。
【0026】
「利尿化合物」とは、患者から排泄される尿の量を増加させる任意の化合物または薬剤のことをいい、およびこの化合物を含む。
【0027】
「中性エンドペプチダーゼ阻害剤」とは、中性エンドペプチダーゼおよびアンギオテンシン変換(ACE)酵素の二重阻害剤である化合物を含めて、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系のアンタゴニストである化合物のことをいい、およびこの化合物を含む。
【0028】
「レニン阻害剤」とは、レニンの活性を妨害する化合物のことをいう。
【0029】
「ホスホジエステラーゼ阻害剤」または「PDE阻害剤」とは、酵素ホスホジエステラーゼを阻害する任意の化合物のことをいう。この用語は、環状グアノシン3',5'-一リン酸ホスホジエステラーゼ(cGMP-PDE)および環状アデノシン3',5'-一リン酸ホスホジエステラーゼ(cAMP-PDE)の選択的または非選択的阻害剤のことをいう。
【0030】
「血小板減少剤」とは、任意の数の潜在的機序を介した血中血栓の形成を妨害する化合物のことをいう。血小板減少剤としては、線維素溶解薬、抗血液凝固剤および血小板機能の任意の阻害剤が挙げられるが、これらに限定されることはない。血小板機能の阻害剤としては、成熟血小板がその正常の生理学的役割(すなわち、例えば、細胞性および非細胞性物質(entities)への接着、凝集、増殖因子などの因子の放出のようなその正常機能)等を果たす能力を損なう薬剤が挙げられる。
【0031】
「プロトンポンプ阻害剤」とは、胃壁細胞の分泌表面でH+/K+-ATPアーゼ酵素系を阻害することにより胃酸分泌を可逆的または不可逆的に阻止する任意の化合物のことをいう。
【0032】
「NSAID」とは、非ステロイド性抗炎症化合物または非ステロイド性抗炎症薬を指す。NSAIDは、プロスタグランジンの生合成を担当する酵素であるシクロオキシゲナーゼを阻害し、ある種のオータコイド阻害剤は、 (シクロオキシゲナーゼ-1およびシクロオキシゲナーゼ-2を含むがこれらに限定されない)種々のアイソザイムのシクロオキシゲナーゼの阻害剤、ならびにシクロオキシゲナーゼおよびリポキシゲナーゼの両方の阻害剤を含む。
【0033】
「シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)選択的阻害剤」とは、シクロオキシゲナーゼ-1酵素よりもシクロオキシゲナーゼ-2酵素を選択的に阻害する化合物を指す。一つの態様において、本発明の化合物は、ヒト全血COX-2アッセイにおいてシクロオキシゲナーゼ-2 IC50が約2μM未満で、シクロオキシゲナーゼ-1 IC50が約5μMより多く(Brideauら、Inflamm Res., 45: 68-74 (1996)に記載のとおり)、またシクロオキシゲナーゼ-1阻害に対するシクロオキシゲナーゼ-2阻害の選択性の割合が少なくとも10、好ましくは少なくとも40である。別の態様において、本発明の化合物はシクロオキシゲナーゼ-1 IC50が約1μMより多く、好ましくは20μMより多い。本発明の化合物は、リポキシゲナーゼ酵素も阻害することができる。このような選択性は、一般的なNSAIDに誘導される副作用の発現頻度を低下させることができることを示しうる。
【0034】
「患者」とは、動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトをいい、男性および女性、ならびに小児および成人を含む。
【0035】
「治療的に有効な量」とは、意図された目的を達成するのに有効な化合物および/または組成物の量を指す。
【0036】
「経皮的」とは、皮膚を介して血流中に化合物を流入させることによる化合物の送達を指す。
【0037】
「経粘膜」とは、粘膜組織を介して血流中に化合物を流入させることによる化合物の送達を指す。
【0038】
「透過性の増加」または「浸透性の増加」とは、化合物が皮膚または粘膜組織を浸透する速度が増加するように、選択した薬学的に活性な化合物に対する皮膚または粘膜組織での透過性の増加を指す。
【0039】
「担体」または「賦形剤」は、化合物の投与に好適な担体物質をいい、無毒性で、組成物の任意の成分と有害となるように相互作用しない、例えば、任意の液体、ゲル、溶媒、希釈液、溶解剤等の当技術分野において公知の任意のこのような物質を含む。
【0040】
「徐放性」とは、治療的に活性な化合物の血中濃度がある期間に渡って所望の治療範囲内に維持される、治療的に活性な化合物および/または組成物の放出を指す。この徐放性製剤は、所望の徐放性特性を得るために、当業者に公知である任意の従来の方法を使用して調製することができる。
【0041】
「酸化窒素付加物」または「NO付加物」とは、一酸化窒素種の生物活性が意図された作用部位において発現されるように、生理的条件下において、一酸化窒素の3つの酸化還元型(NO+、NO-、NO・)のいずれかを供与、放出、および/または直接または間接的に転移することができる化合物および官能基を指す。
【0042】
「酸化窒素の放出」または「酸化窒素の供与」とは、一酸化窒素種の生物活性が意図された作用部位において発現されるように、一酸化窒素の3つの酸化還元型(NO+、NO-、NO・)のいずれかを供与、放出、および/または直接または間接的に転移する方法を指す。
【0043】
「酸化窒素供与体」または「NO供与体」とは、一酸化窒素種を供与、放出、および/もしくは直接もしくは間接的に転移する、ならびに/または酸化窒素もしくは内皮由来の弛緩因子(EDRF)の内因性の産生をインビボにおいて刺激する、ならびに/または酸化窒素もしくはEDRFの内因的レベルをインビボにおいて上昇させる、ならびに/または酸化させて酸化窒素を産生する、ならびに/または酸化窒素合成酵素の基質である、ならびに/またはチトクロムP450である、化合物を指す。「NO供与体」はまた、L-アルギニンの前駆体、アルギナーゼ酵素の阻害剤、および酸化質素媒介物質である化合物も含む。
【0044】
「アルキル」とは、本明細書において規定する、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、架橋シクロアルキル基、シクロアルキル基、または複素環を指す。アルキル基はまた、例えばシクロアルキルアルキル基または複素環アルキル基等の1つまたは複数のラジカル種を含んでもよい。
【0045】
「低級アルキル」とは、炭素原子数1〜約10(好ましくは、炭素原子数1〜約8、さらに好ましくは炭素原子数1〜約6)の分岐鎖状または直鎖状非環式アルキル基を指す。例示的な低級アルキル基にはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソ-アミル、ヘキシル、オクチル等が挙げられる。
【0046】
「置換低級アルキル」とは、1つまたは複数の水素原子が1つまたは複数のR100基で置換されている、本明細書において規定する低級アルキル基を指し、式中、各R100は、独立に、本明細書において規定する、ヒドロキシ、エステル、アミジル、オキソ、カルボキシル、カルボキサミド、ハロ、シアノ、硝酸塩、またはアミノ基である。
【0047】
「ハロアルキル」とは、本明細書において規定する1つまたは複数のハロゲンが付加する、本明細書において規定する低級アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、架橋シクロアルキル基、シクロアルキル基、または複素環を指す。例示的なハロアルキル基には、トリフルオロメチル、クロロメチル、2-ブロモブチル、1-ブロモ-2-クロロ-ペンチル等が挙げられる。
【0048】
「アルケニル」とは、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を含んでもよい分岐鎖状または直鎖状C2〜C10炭化水素(好ましくはC2〜C8炭化水素、さらに好ましくはC2〜C6炭化水素)を指す。例示的なアルケニル基には、プロピレニル、ブテン-1-イル、イソブテニル、ペンテン-1-イル、2,2-メチルブテン-1-イル、3-メチルブテン-1-イル、ヘキサン-1-イル、ヘプテン-1-イル、オクテン-1-イル等が挙げられる。
【0049】
「低級アルケニル」とは、炭素-炭素二重結合を1つまたは2つ含んでもよい分岐鎖状または直鎖状C2〜C4炭化水素を指す。
【0050】
「置換アルケニル」とは、1つまたは複数の水素原子が1つまたは複数のR100基で置換されている、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を含んでもよい分岐鎖状または直鎖状C2〜C10炭化水素(好ましくはC2〜C8炭化水素、さらに好ましくはC2〜C6炭化水素)を指し、式中、各R100は、独立に本明細書において規定する、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシル、カルボキサミド、ハロ、シアノ、アミノ基である。
【0051】
「アルキニル」とは、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を含んでもよい不飽和非環式C2〜C10炭化水素(好ましくはC2〜C8炭化水素、さらに好ましくはC2〜C6炭化水素)を指す。例示的なアルキニルには、エチニル、プロピニル、ブチン-1-イル、ブチン-2-イル、ペンチル-1-イル、ペンチル-2-イル、3-メチルブチン-1-イル、ヘキシル-1-イル、ヘキシル-2-イル、ヘキシル-3-イル、3,3-ジメチル-ブチン-1-イル等が挙げられる。
【0052】
「架橋シクロアルキル」とは、2つ以上のシクロアルキル基、複素環基または隣接もしくは非隣接原子を介して融合されるその組み合わせを指す。架橋シクロアルキル基は、独立にアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシル、アルキルカルボン酸、アリール、アミジル、エステル、アルキルカルボン酸エステル、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、オキソおよびニトロから選択される1つ、2つまたは3つの置換基で置換されていても置換されていなくてもよい。例示的な架橋シクロアルキル基にはアダマンチル、デカヒドロナフチル、キヌクリジル(quinuclidyl)、2,6-ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン、7-オキサビシクロ(2.2.1)ヘプチル、8-アザビシクロ(3,2,1)オクト-2-エニル等が挙げられる。
【0053】
「シクロアルキル」とは、炭素原子数約3〜約10の飽和または不飽和の環式炭化水素を指す。シクロアルキル基は、独立にアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アリール、アミジル、エステル、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシル、アルキルカルボン酸、アルキルカルボン酸エステル、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、オキソ、アルキルスルフィニル、およびニトロから選択される1つ、2つ、または3つの置換基で置換されていなくても置換されていてもよい。例示的なシクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプタ-1,3-ジエニル等が挙げられる。
【0054】
「複素環または複素環基」とは、1〜約4の炭素原子が1つまたは複数の窒素、酸素、および/または硫黄原子で置換されている、炭素原子数約2〜約10(好ましくは炭素原子数約4〜約6)の飽和または不飽和の環式炭化水素基を指す。硫黄はチオ、スルフィニル、またはスルホニル酸化状態であってもよい。複素環または複素環基は、芳香族炭化水素基と融合してもよい。複素環基は、独立にアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルチオ、アリールオキシ、アリールチオ、アリールアルキル、ヒドロキシ、オキソ、チアール、ハロ、カルボキシル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸、アルキルカルボン酸エステル、アリール、アリールカルボン酸、アリールカルボン酸エステル、アミジル、エステル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルフィニル、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホンアミドニトレート、およびニトロから選択される1つ、2つ、または3つの置換基で置換されていなくても置換されていてもよい。例示的な複素環基には、ピロリル、フリル、チエニル、3-ピロリニル、4,5,6-トリヒドロ-2H-ピラニル、ピリジニル、1,4-ジヒドロピリジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、インドリル、チオフェニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、テトラゾリル、ピロリニル、ピロリンジニル、オキサゾリジニル(oxazolindinyl)1,3-ジオキソラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル(imidazolindinyl)、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ピペリジニル、1,4-ジオキサニル、モルホリニル、1,4-ジチアニル、チオモルホリニル、ピラジニル、ピペラジニル、1,3,5-トリアジニル、1,3,5-トリチアニル、ベンゾ(b)チオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリニル、キノリニル、2,6-ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン等が挙げられる。
【0055】
「複素環化合物」とは、少なくとも1つのアリールまたは複素環を含む単環式および多環式化合物を指す。
【0056】
「アリール」とは、1つまたは2つの芳香環を含む単環系、二環系、炭素環系または複素環系を指す。例示的なアリール基には、フェニル、ピリジル、ナフチル、キノイル(quinoyl)、テトラヒドロナフチル、フラニル、インダニル、インデニル、インドイル(indoyl)等が挙げられる。アリール基は(二環式アリール基を含む)、独立にアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、ハロ、シアノ、アルキルスルフィニル、ヒドロキシ、カルボキシル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸、アルキルカルボン酸エステル、アリール、アリールカルボン酸、アリールカルボン酸エステル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミジル、エステル、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、カルボニル、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホンアミド、およびニトロから選択される1つ、2つ、または3つの置換基で置換されていなくても置換されていてもよい。例示的な置換アリール基には、テトラフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、スルホンアミド、アルキルスルホニル、アリールスルホニル等が挙げられる。
【0057】
「シクロアルケニル」とは、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を含んでもよい不飽和環式C2〜C10炭化水素(好ましくはC2〜C8炭化水素、さらに好ましくはC2〜C6炭化水素)を指す。
【0058】
「アルキルアリール」とは、本明細書において規定するアリール基が付加されている本明細書において規定するアルキルを指す。例示的なアルキルアリール基には、ベンジル、フェニルエチル、ヒドロキシベンジル、フルオロベンジル、フルオロフェニルエチル等が挙げられる。
【0059】
「アリールアルキル」とは、本明細書において規定するアルキル基に結合している本明細書において規定するアリール基を指す。例示的なアリールアルキル基には、ベンジル、フェニルエチル、4-ヒドロキシベンジル、3-フルオロベンジル、2-フルオロフェニルエチル等が挙げられる。
【0060】
「アリールアルケニル」とは、本明細書において規定するアルケニル基に結合している本明細書において規定するアリール基を指す。例示的なアリールアルケニル基には、スチリル、プロペニルフェニル等が挙げられる。
【0061】
「シクロアルキルアルキル」とは、本明細書において規定するアルキル基に結合している本明細書において規定するシクロアルキル基を指す。
【0062】
「シクロアルキルアルコキシ」とは、本明細書において規定するアルコキシに結合している本明細書において規定するシクロアルキル基がを指す。
【0063】
「シクロアルキルアルキルチオ」とは、本明細書において規定するアルキルチオに結合している本明細書において規定するシクロアルキル基を指す。
【0064】
「複素環アルキル」とは、本明細書において規定するアルキル基に結合している本明細書において規定する複素環基を指す。
【0065】
「アリール複素環」とは、本明細書において規定するアリール環を含む二環式または三環式環が、アリール環の2つの隣接炭素原子を介して、本明細書において規定する複素環に付加しているものを指す。例示的なアリール複素環には、ジヒドロインドール、1,2,3,4-テトラ-ヒドロキノリン等が挙げられる。
【0066】
「アルキル複素環」とは、本明細書において規定するアルキル基結合した、本明細書において規定する複素環基を指す。例示的なアルキル複素環は2-ピリジルメチル、1-メチルピペリジン-2-オン-3-メチル等を含む。
【0067】
「アルコキシ」とは、R50O-を指し、式中、R50は、本明細書において規定するアルキル基(好ましくは、本明細書において規定する低級アルキル基またはハロアルキル基)である。例示的なアルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、t-ブトキシ、シクロペンチルオキシ、トリフルオロメトキシ等が挙げられる。
【0068】
「アリールオキシ」とは、R55O-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基である。例示的なアリールオキシ基には、ナフチルオキシ、キノリルオキシ、イソキノリジニルオキシ等が挙げられる。
【0069】
「アルキルチオ」とは、R50S-を指し、式中、R50は、本明細書において規定するアルキル基である。
【0070】
「低級アルキルチオ」とは、本明細書において規定するチオ基に付加している本明細書において規定する低級アルキル基を指す。
【0071】
「アリールアルコキシ」または「アルコキシアリール」とは、本明細書において規定するアリール基が付加している本明細書において規定するアルコキシ基を指す。例示的なアリールアルコキシ基には、ベンジルオキシ、フェニルエトキシ、クロロフェニルエトキシ等が挙げられる。
【0072】
「アリールアルキルチオ」とは、本明細書において規定するアリール基が付加した本明細書において規定するアルキルチオ基のことをいう。典型的なアリールアルキルチオ基としてはベンジルチオ、フェニルエチルチオ、クロロフェニルエチルチオ等が挙げられる。
【0073】
「アリールアルキルチオアルキル」とは、本明細書において規定するアルキル基が付加した本明細書において規定するアリールアルキルチオ基のことをいう。典型的なアリールアルキルチオ基としてはベンジルチオメチル、フェニルエチルチオメチル、クロロフェニルエチルチオエチル等が挙げられる。
【0074】
「アルキルチオアルキル」とは、本明細書において規定するアルキル基が付加した本明細書において規定するアルキルチオ基のことをいう。典型的なアルキルチオアルキル基としてはアリルチオメチル、エチルチオメチル、トリフルオロエチルチオエチル等が挙げられる。
【0075】
「アルコキシアルキル」とは、本明細書において規定するアルキル基に付加している本明細書において規定するアルコキシ基がを指す。例示的なアルコキシアルキル基には、メトキシメチル、メトキシエチル、イソプロポキシメチル等が挙げられる。
【0076】
「アルコキシハロアルキル」とは、本明細書において規定するハロアルキルに付加している本明細書において規定するアルコキシがを指す。例示的なアルコキシハロアルキニル基には、4-メトキシ-2-クロロブチル等が挙げられる。
【0077】
「シクロアルコキシ」とは、R54O-を指し、式中、R54は、本明細書において規定するシクロアルキル基または架橋シクロアルキル基である。例示的なシクロアルコキシ基には、シクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロへキシルオキシ等が挙げられる。
【0078】
「シクロアルキルチオ」とは、R54S-を指し、式中、R54は、本明細書において規定するシクロアルキル基または架橋シクロアルキル基である。例示的なシクロアルキルチオ基には、シクロプロピルチオ、シクロペンチルチオ、シクロへキシルチオ等が挙げられる。
【0079】
「ハロアルコキシ」とは、1つまたは複数のアルコキシ基の水素原子が、本明細書において規定するハロゲンで置換されている、本明細書において規定するアルコキシ基を指す。例示的なハロアルコキシ基には、1,1,1-トリクロロエトキシ、2-ブロモブトキシ等が挙げられる。
【0080】
「ヒドロキシ」とは、-OHを指す。
【0081】
「オキシ」とは、-O-を指す。
【0082】
「オキソ」とは、=Oを指す。
【0083】
「オキシレート」とは、-O-R77+を指し、式中、R77は、有機または無機陽イオンである。
【0084】
「チオール」とは、-SHを指す。
【0085】
「チオ」とは、-S-を指す。
【0086】
「オキシム」とは、(=N-OR81)を指し、式中、R81は、水素、アルキル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボン酸エステル、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキサミド基、アルコキシアルキル基、またはアルコキシアリール基である。
【0087】
「ヒドラゾン」とは、((=N-N(R81))(R'81))を指し、式中、R'81は、独立に本明細書において規定されるR81から選択される。
【0088】
「ヒドラジノ」とは、H2N-N(H)-を指す。
【0089】
「有機陽イオン」とは、正に荷電した有機イオンを指す。例示的な有機陽イオンには、アルキル置換アンモニウム陽イオン等が挙げられる。
【0090】
「無機陽イオン」とは、正に荷電した金属イオンを指す。例示的な無機陽イオンには、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のI族金属の陽イオンが挙げられる。
【0091】
「ヒドロキシアルキル」とは、本明細書において規定するアルキル基に付加している本明細書において規定するヒドロキシ基を指す。
【0092】
「硝酸塩」とは、-O-NO2を指す。
【0093】
「亜硝酸塩」とは、-O-NOを指す。
【0094】
「チオ硝酸塩」とは、-S-NO2を指す。
【0095】
「チオ亜硝酸塩」および「ニトロソチオール」とは、-S-NOを指す。
【0096】
「ニトロ」とは、-NO2基を指し「ニトロソ化」とは、それによって置換されている化合物を指す。
【0097】
「ニトロソ」とは、-NO基を指し「ニトロシル化」とは、それによって置換されている化合物を指す。
【0098】
「ニトリル」および「シアノ」とは、-CNを指す。
【0099】
「ハロゲン」または「ハロ」とは、ヨウ素(I)、臭素(Br)、塩素(Cl)、および/またはフッ素(F)を指す。
【0100】
「アミノ」とは、本明細書において規定する-NH2、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、または複素環を指す。
【0101】
「アルキルアミノ」とは、R50NH-を指し、式中、R50は、本明細書において規定するアルキル基である。例示的なアルキルアミノ基には、メチルアミノ、エチルアミノ、ブチルアミノ、シクロへキシルアミノ等が挙げられる。
【0102】
「アリールアミノ」とは、R55NH-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基である。
【0103】
「ジアルキルアミノ」とは、R52R53N-を指し、式中、R52およびR53は、各々独立に、本明細書において規定するアルキル基である。例示的なジアルキルアミノ基には、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルプロパルギルアミノ(propargylamino)等が挙げられる。
【0104】
「ジアリールアミノ」とは、R55R60N-を指し、式中、R55およびR60は、各々独立に本明細書において規定するアリール基である。
【0105】
「アルキルアリールアミノまたはアリールアルキルアミノ」とは、R52R55N-を指し、式中、R52は、本明細書において規定するアルキル基であり、R55は、本明細書において規定するアリール基である。
【0106】
「アルキルアリールアルキルアミノ」とは、R52R79N-を指し、式中、R52は、本明細書において規定するアルキル基であり、R79は、本明細書において規定するアリールアルキル基である。
【0107】
「アルキルシクロアルキルアミノ」とは、R52R80N-を指し、式中、R52は、本明細書において規定するアルキル基であり、R80は、本明細書において規定するシクロアルキル基である。
【0108】
「アミノアルキル」とは、本明細書において規定するアルキルに付加している本明細書において規定するアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、または複素環を指す。例示的なアミノアルキル基には、ジメチルアミノプロピル、ジフェニルアミノシクロペンチル、メチルアミノメチル等が挙げられる。
【0109】
「アミノアリール」とは、アルキルアミノ基、アリールアミノ基またはアリールアルキルアミノ基に付加しているアリール基を指す。例示的なアミノアリール基には、アニリノ、N-メチルアニリノ、N-ベンジルアニリノ等が挙げられる。
【0110】
「チオ」とは、-S-を指す。
【0111】
「スルフィニル」とは、-S(O)-を指す。
【0112】
「メタンチアル」とは、-C(S)-を指す。
【0113】
「チアル」とは、=Sを指す。
【0114】
「スルホニル」とは、-S(O)2-を指す。
【0115】
「スルホン酸」とは、-S(O)2OR76を指し、式中、R76は、本明細書において規定する水素、有機陽イオンまたは無機陽イオンである。
【0116】
「アルキルスルホン酸」とは、本明細書において規定するアルキル基に付加している本明細書において規定するスルホン酸基を指す。
【0117】
「アリールスルホン酸」とは、本明細書において規定するアリール基に付加している本明細書において規定するスルホン酸基を指す。
【0118】
「スルホン酸エステル」とは、-S(O)2OR58を指し、式中、R58は、本明細書において規定するアルキル基、アリール基、またはアリール複素環である。
【0119】
「スルホンアミド」とは、-S(O)2-N(R51)(R57)を指し、式中、R51およびR57は、各々独立に本明細書において規定する水素原子、アルキル基、アリール基、もしくはアリール複素環であるか、またはR51およびR57は、一体として本明細書において規定する複素環、シクロアルキル基、もしくは架橋シクロアルキル基である。
【0120】
「アルキルスルホンアミド」とは、本明細書において規定するアルキル基に付加さいている本明細書において規定するスルホンアミド基を指す。
【0121】
「アリールスルホンアミド」とは、本明細書において規定するアリール基に付加している本明細書において規定するスルホンアミド基を指す。
【0122】
「アルキルチオ」とは、R50S-を指し、式中、R50は、本明細書において規定するアルキル基(好ましくは、本明細書において規定する低級アルキル基)である。
【0123】
「アリールチオ」とは、R55S-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基である。
【0124】
「アリールアルキルチオ」とは、本明細書において規定するアルキルチオ基に付加している本明細書において規定するアリール基を指す。
【0125】
「アルキルスルフィニル」とは、R50-S(O)-を指し、式中、R50は、本明細書において規定するアルキル基である。
【0126】
「アルキルスルホニル」とは、R50-S(O)2-を指し、式中、R50は、本明細書において規定するアルキル基である。
【0127】
「アルキルスルホニルオキシ」とは、R50-S(O)2-O-を指し、式中、R50は、本明細書において規定するアルキル基である。
【0128】
「アリールスルフィニル」とは、R55-S(O)-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基である。
【0129】
「アリールスルホニル」とは、R55-S(O)2-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基である。
【0130】
「アリールスルホニルオキシ」とは、R55-S(O)2-O-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基である。
【0131】
「アミジル」とは、R51C(O)N(R57)-を指し、式中、R51およびR57は、各々独立に本明細書において規定する水素原子、アルキル基、アリール基、またはアリール複素環である。
【0132】
「エステル」とは、R51C(O)R76-を指し、式中、R51は、本明細書において規定する水素原子、アルキル基、アリール基またはアリール複素環である。
【0133】
「カルバモイル」とは、-O-C(O)N(R51)(R57)を指し、式中、R51およびR57は、各々独立に本明細書において規定する水素原子、アルキル基、アリール基、もしくはアリール複素環であるか、またはR51およびR57は一体として、本明細書において規定する複素環、シクロアルキル基、もしくは架橋シクロアルキルである。
【0134】
「カルボキシル」とは、-C(O)OR76を指し、式中、R76は、本明細書において規定する水素、有機陽イオン、または無機陽イオンである。
【0135】
「カルボニル」とは、-C(O)-を指す。
【0136】
「アルキルカルボニル」とは、R52-C(O)-を指し、式中、R52は、本明細書において規定するアルキル基である。
【0137】
「アリールカルボニル」とは、R55-C(O)-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基である。
【0138】
「アリールアルキルカルボニル」とは、R55-R52-C(O)-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基であり、R52は、本明細書において規定するアルキル基である。
【0139】
「アルキルアリールカルボニル」とは、R52-R55-C(O)-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基であり、R52は、本明細書において規定するアルキル基である。
【0140】
「複素環アルキルカルボニル」とは、R78C(O)-を指し、式中、R78は、本明細書において規定する複素環アルキル基である。
【0141】
「カルボン酸エステル」とは、-C(O)OR58を指し、式中、R58は、本明細書において規定するアルキル基、アリール基またはアリール複素環基である。
【0142】
「アルキルカルボン酸」および「アルキルカルボキシル」とは、本明細書において規定するカルボキシル基に付加している本明細書において規定するアルキルを指す。
【0143】
「アルキルカルボン酸エステル」とは、本明細書において規定するカルボン酸エステル基に付加している本明細書において規定するアルキルを指す。
【0144】
「アルキルエステル」とは、本明細書において規定するエステル基に付加している本明細書において規定するアルキル基を指す。
【0145】
「アリールカルボン酸」とは、本明細書において規定するカルボキシル基に付加している本明細書において規定するアリール基を指す。
【0146】
「アリールカルボン酸エステル」および「アリールカルボキシル」とは、本明細書において規定するカルボン酸エステル基に付加している本明細書において規定するアリール基を指す。
【0147】
「アリールエステル」とは、本明細書において規定するエステル基に付加している本明細書において規定するアリール基を指す。
【0148】
「カルボキサミド」とは、-C(O)N(R51)(R57)(式中、R51およびR57は、各々独立に本明細書において規定する水素原子、アルキル基、アリール基、もしくはアリール複素環であるか、またはR51およびR57は一体として、本明細書において規定する複素環、シクロアルキル基、もしくは架橋シクロアルキルである)を指す。
【0149】
「アルキルカルボキサミド」とは、本明細書において規定するカルボキサミド基に付加している本明細書において規定するアルキルを指す。
【0150】
「アリールカルボキサミド」とは、本明細書において規定するカルボキサミド基に付加している本明細書において規定するアリール基を指す。
【0151】
「尿素」とは、-N(R59)-C(O)N(R51)(R57)(式中、R51、R57、およびR59は、各々独立に本明細書において規定する水素原子、アルキル基、アリール基、もしくはアリール複素環であるか、またはR51およびR57は一体として、本明細書において規定する複素環、シクロアルキル基、もしくは架橋シクロアルキルである)を指す。
【0152】
「ホスホリル」とは、-P(R70)(R71)(R72)(式中、R70は、孤立電子対、チアール、またはオキソであり、R71およびR72は、各々独立に、本明細書において規定する共有結合、水素、低級アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ヒドロキシ、オキシ、またはアリールである)を指す。
【0153】
「シリル」とは-Si(R73)(R74)(R75)のことをいい、式中R73、R74およびR75はそれぞれ独立して、本明細書において規定する共有結合、低級アルキル、アルコキシ、アリールまたはアリールアルコキシである。
【0154】
本発明の化合物および組成物に使用される心血管化合物はアルドステロンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、中性エンドペプチダーゼ阻害剤およびレニン阻害剤であることが好ましい。
【0155】
適当なアルドステロンアンタゴニストとしては、カンレノン、カンレノ酸カリウム、ドロスピレノン、スピロノラクトン、エプレレノン(INSPRA (登録商標))、エポキシメクスレノン(epoxymexrenone)、ファドロゾール、プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ、γ-ラクトン、メチルエステル、(7α,11α,17β.)-; プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-ジメチルエステル、(7α,11α,17β.)-; 3'H-シクロプロパ(6,7)プレグナ-4,6-ジエン-21-カルボン酸、9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、γ-ラクトン、(6β,7β,11α,17β)-; プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、7-(1-メチルエチル)エステル、一カリウム塩、(7α,11α,17β.)-; プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、7-メチルエステル、一カリウム塩、(7α,11α,17β.)-; 3’H-シクロプロパ(6,7)プレグナ-1,4,6-トリエン-21-カルボン酸、9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、γ-ラクトン、(6β,7β,11α)-; 3'H-シクロプロパ(6,7)プレグナ-4,6-ジエン-21-カルボン酸、9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、メチルエステル、(6β,7β,11α,17β)-; 3'H-シクロプロパ(6,7)プレグナ-4,6-ジエン-21-カルボン酸、9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、一カリウム塩、(6β,7β,11α,17β)-; 3'H-シクロプロパ(6,7)プレグナ-1,4,6-トリエン-21-カルボン酸、9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、γ-ラクトン、(6β,7β,11α,17β)-; プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ、γ-ラクトン、エチルエステル、(7α,11α,17β)-; プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、γ-ラクトン、1-メチルエチルエステル、(7α,11α,17β)-; RU-28318、および同様のものが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0156】
適当なアンギオテンシンIIアンタゴニストとしては、アンギオテンシン、アビテサルタン、カンデサルタン、カンデサルタンシレキセチル、エリサルタン、エムブサルタン、エノルタソサルタン、エプロサルタン、フォンサルタン、フォラサルタン、グリシルロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、ミルファサルタン、メドキソミル、リピサルタン、プラトサルタン、サプリサルタン、サララシン、サルメシン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、ゾラサルタン、3-(2'(テトラゾール-5-イル)-1,1'-ビフェン-4-イル)メチル-5,7-ジメチル-2-エチル-3H-イミダゾ(4,5-b)ピリジン、アンギオテンシンIIに対する抗体、

、ACS登録番号

の化合物、ならびに同様のものが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0157】
適当なカルシウムチャンネル遮断薬としては、アムロジピン(NORVASC (登録商標))、アニパミル、アラニジピン、アムリノン、アゼルニジピン、バルニジピン、ベンシクラン、ベニジピン、ベプリジル、シルニジピン、シンナリジン、クレンチアゼム、ジルチアゼム、ドタリジン、エホニジピン、エルゴジピン、ファントファロン、フェロジピン、フェンジリン、フルナリジン、フルスピリレン、フルニジピン、ガロパミル、イペノキサゾン、イスラジピン、ラシジピン、レミルジピン、レルカニジピン、ロメリジン、マニジピン、ミベフラジル、モナテピル、ニカルジピン、ニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニバルジピン、オキソジピン、ペルヘキシリン、フェニトイン、プレニラミン(phenytprenylamine)、プラニジピン、ラノラジン、リヨシジン、セモチアジル、タモラリジン、塩酸テミベリン、テロジリン、チアパミル、塩酸バタニジピン、ベラパミル、ジコノチド、AE-0047、CAI、JTV-519、CHF-1521、L-651582、NS-7、NW-1015、RO-2933、SB-237376、SL-34.0829-08、S-312d、SD-3212、TA-993、YM-430、および同様のものが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0158】
適当なエンドセリンアンタゴニストとしては、アトラセンタン、ボセンタン、ダルセンタン、エンドセリン、エンラセンタン、シタキセンタン、スルホンアミドエンドセリンアンタゴニスト、テゾセンタン、BMS 193884、BQ-123、SQ 28608、および同様のものが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0159】
適当なヒドララジン化合物としては、以下に限定されることはないが、下記式を有する化合物が挙げられる:

式中でa、bおよびcは独立して単結合または二重結合であり; R1およびR2はそれぞれ独立して水素、アルキル、エステルまたは複素環であって、アルキル、エステルおよび複素環(heterocyclic rind)は本明細書において規定されるとおりであり; R3およびR4はそれぞれ独立して孤立電子対または水素であり、但しR1、R2、R3およびR4の少なくとも一つは水素ではない。典型的なヒドララジン化合物としては、ブドララジン、カドララジン、ジヒドララジン、エンドララジン、ヒドララジン、ピルドララジン、トドララジン、および同様のものが挙げられる。
【0160】
適当なレニン阻害剤としては、アルドステロン、アリスキレン(SPP-100)、ジテキレン、エナルキレン(enalkrein) (A-64662)、メデュリピン(medullipin)、テルラキレン(terlkiren)、トニン、ザンキレン、RO 42-5892(レミキレン)、 A 62198、A 64662、A 65317、A 69729、A 72517 (ザンキレン)、A 74273、CP 80794、CGP 29287、CGP-38560A、EMD 47942、ES 305、ES 1005、ES 8891、FK 906、FK 744、H 113、H-142、KRI 1314、ペプスタチンA、RO 44-9375 (シプロキレン)、RO 42-5892、RO 66-1132、RO 66-1168、SP 500、SP 800、SR-43845、SQ 34017、U 71038、YM-21095、YM-26365、ペプチドの尿素誘導体、非ペプチド結合によって連結されたアミノ酸、ジ-およびトリ-ペプチド誘導体(例えば、Act-A、Act-B、Act-C、ACT-D、および同様のもの)、アミノ酸およびその誘導体、ジオールスルホンアミドおよびスルフィニル、修飾ペプチド、ペプチジルβ-アミノアシルアミノジオールカルバメート、レニンに対するモノクローナル抗体が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なレニン阻害剤は米国特許第5,116,835号、第5,114,937号、第5,106,835号、第5,104,869号、第5,095,119号、第5,098,924号、第5,095,006号、第5,089,471号、第5,075,451号、第5,066,643号、第5,063,208号、第4,845,079号、第5,055,466号、第4,980,283号、第4,885,292号、第4,780,401号、第5,071,837号、第5,064,965号、第5,063,207号、第5,036,054号、第5,036,053号、第5,034,512号、および第4,894,437号の中に詳細に記述されており、これらの各特許の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0161】
企図される本発明の心血管化合物は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, (1996); CD-ROM, 第13版の; STN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されており、その各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0162】
一つの態様では、本発明の心血管化合物はアルドステロンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、中性エンドペプチダーゼ阻害剤およびレニン阻害剤であって、これらは以下の官能基の一つまたは複数を含んでいなければならない: カルボン酸基(-COOH)、ヒドロキシル基(-OH)、チオール基(-SH)および/または第一級もしくは第二級アミン基(-NH)。本発明の心血管化合物は酸素(ヒドロキシル縮合)、硫黄(スルフヒドリル縮合)および/または窒素などのこれらの官能基の一つまたは複数を介してニトロソ化および/またはニトロシル化される。
【0163】
別の態様では、本発明は式(I)のニトロソ化および/またはニトロシル化アンギオテンシンIIアンタゴニストならびに薬学的に許容されるその塩について記述する:

式中:
X3は以下であり:


(7) -N(D1)-C(O)-N(D1)-CH2-CH2-CH3;
(8) -C(O)-U3D1;
(9) -C(O)-CH2-NH(D1);
(10) -S(O)2-N(D1)-C(O)-C6H5;
(11) -S(O)2-N(D1)-C(O)-ND1-CH2-CH2-CH3; または
(12) -S(O)2-N(D1)-OD1;
D4はD1、-C(O)-CH2-NH(D1)または-C(C6H5)3であり;
Z3は炭素、-CHまたは窒素原子であり;
R10はフッ素または水素原子であり;
Y3は以下であり:




Z4はC-R29または窒素であり;
R11は以下であり:
(1) -CH2-OD1;
(2) -C(O)-U3D1;
(3) -C(O)-O-CH(CH3)-O-C(O)-OR13; または
(4) -CH2-N(D1)-C(O)-OR13;
R12は塩素、-SCH3またはハロアルキルであり;
R13は低級アルキルまたはKであり;
R14は低級アルキルまたはシクロアルキルであり;
R15は以下であり:
(1) 水素;
(2) 低級アルキル;
(3)

(4)

または
(5) -C(O)-U3D1;
R16は水素、低級アルキル、アルコキシ、-OD1、シアノ、-C(O)-U3D1、NH(D1)またはアルキルカルボニルであり;
R17はアリールまたはシクロアルキルであり;
R18は各出現時において独立して低級アルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボン酸、ヒドロキシアルキル、アリールアルコキシ、アリールアルキルまたはアリールから選択され;
R19は水素または-C(O)-U3D1であり;
R20は水素、低級アルキルまたは-C(O)-U3D1であり;
R21は以下であり:

R22は水素、-C(O)-U3D1または

であり;
R23は低級アルキルまたはアルコキシアルキルであり;
R24は水素、アルキルまたはアリールであり;
R25は-(CH2)2-OD1または

であり;
R26は水素、低級アルキル、低級ハロアルキル、アリールまたはアリールアルキルであり;
R27は低級アルキル、アリール、アリールアルキルまたは-(CH2)k-C(O)U3D1であり;
R28は-OD1、-S(O)2-N(D1)H、-N(D1)H、-C(O)-U3D1またはCH2-OD1であり;
R29は水素、低級アルキルまたは-C(O)U3D1であり;
R30は低級アルキルまたはハロアルキルであり;
R31は以下であり:

o1は0から3の整数であり;
kは1から3の整数であり;
D1は水素、V3またはKであり;
Kは-(W3)a-Eb-(C(Re)(Rf))p1-Ec-(C(Re)(Rf))x-(W3)d-(C(Re)(Rf))y-(W3)i-Ej-(W3)g-(C(Re)(Rf))z-U3-V3であり;
V3は-NOまたは-NO2であり;
a、b、c、d、g、i、およびjは、各々独立に0〜3の整数であり;
p1、x、y、およびzは、各々独立に0〜10の整数であり;
W3は、各出現時において独立して-C(O)-、-C(S)-、-T3-、-(C(Re)(Rf))h-、アルキル基、アリール基、複素環、アリール複素環、または-(CH2CH2O)q1-であり;
Eは、各出現時において独立して-T3-、アルキル基、アリール基、-(C(Re)(Rf))h-、複素環、アリール複素環、または-(CH2CH2O)q1-であり;
T3は、各出現時において独立して共有結合、カルボニル、酸素、-S(O)0-または-N(Ra)Ri
hは、1〜10の整数であり;
q1は、1〜5の整数であり;
ReおよびRfは、各々独立に水素、アルキル、シクロアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール複素環、アルキルアリール、アルキルシクロアルキル、アルキル複素環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルチオ、アリールアルキルチオ、アリールアルキルチオアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルケニル、複素環アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルコキシハロアルキル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アリールアルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、アミノアルキル、アミノアリール、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アミジル、カルボキシル、カルバモイル、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、エステル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、スルホンアミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホン酸エステル、アルキルエステル、アリールエステル、尿素、ホスホリル、ニトロ、Kであり、またはReおよびRfはこれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル、メタンチアル、複素環、シクロアルキル基、アリール基、オキシム、ヒドラゾン、または架橋シクロアルキル基を形成し;
U3は、各出現時において独立して酸素、S(O)0-、または-N(Ra)Riであり;
oは、0〜2の整数であり;
Raは、孤立電子対、水素、またはアルキル基であり;
Riは、水素、アルキル、アリール、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アルキルアリール、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホンアミド、カルボキサミド、カルボン酸エステル、アミノアルキル、アミノアリール、-CH2-C(U3-V3)(Re)(Rf)、隣接原子と二重結合を形成する隣接原子との結合、式中、M1+は有機または無機陽イオンである-(N2O2-)-・M1+であり;
式(I)の化合物が少なくとも一つのNO基、および/または少なくとも一つのNO2基を含まなければならないという条件で、式中少なくとも一つのNO基および/または少なくとも一つのNO2基は、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を介して化合物に連結される。
【0164】
配列中に存在する多数の変数の意味が「共有結合」として選択される場合、または選択される整数が0である場合には、その意図は、1つの基を別の基に接続する1つの共有結合を示すということである。例えば、E0は共有結合を意味するが、E2は(E-E)を意味し、(C(R4)(R4))2は-C(R4)(R4)-C(R4)(R4)-を示す。
【0165】
本発明の別の態様では、式(I)のニトロソ化アンギオテンシンIIアンタゴニストには、米国特許第5,138,069号、米国特許第5,962,500号および米国特許第6,300,356号の中に開示されている化合物が含まれず、これらの各特許の開示はその全体が本明細書に組み入れられる。式(I)の一つの態様では:
Y3が以下である場合:

;
R11は-CH2-ONO2ではない。
【0166】
本発明の別の態様では、式(I)のニトロソ化アンギオテンシンIIアンタゴニストには、国際公開公報第99/67231号、国際公開公報第00/61537号、国際公開公報第00/61549号、国際公開公報第00/61541号、国際公開公報第01/12584号、国際公開公報第02/11707号、国際公開公報第02/053185号、国際公開公報第02/053188号および欧州特許第1 336 602号の中に開示されているロサルタンおよびカンデサルタン誘導体が含まれず、これらの各特許の開示はその全体が本明細書に組み入れられる。
【0167】
別の態様では、本発明は式(II)のニトロソ化および/またはニトロシル化アンギオテンシンIIアンタゴニストならびに薬学的に許容されるその塩について記述する:

式中:
U3およびD1は本明細書において規定されるとおりであり; ならびに
式(II)の化合物が少なくとも一つのNO基、および/または少なくとも一つのNO2基を含まなければならないという条件で、式中において少なくとも一つのNO基および/または少なくとも一つのNO2基は酸素原子、窒素原子または硫黄原子を介して化合物に連結される。
【0168】
別の態様では、本発明は式(III)のニトロソ化および/またはニトロシル化アンギオテンシンIIアンタゴニストならびに薬学的に許容されるその塩について記述する:

式中:
X3およびY3は本明細書において規定されるとおりであり; ならびに
式(III)の化合物が少なくとも一つのNO基、および/または少なくとも一つのNO2基を含まなければならないという条件で、式中において少なくとも一つのNO基および/または少なくとも一つのNO2基は酸素原子、窒素原子または硫黄原子を介して化合物に連結される。
【0169】
本発明の他の態様では、式(I)の化合物はニトロソ化アビテサルタン、ニトロシル化アビテサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化アビテサルタン、ニトロソ化カンデサルタン、ニトロシル化カンデサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化カンデサルタン、ニトロソ化エリサルタン、ニトロシル化エリサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化エリサルタン、ニトロソ化エムブサルタン、ニトロシル化エムブサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化エムブサルタン、ニトロソ化エノルタソサルタン、ニトロシル化エノルタソサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化エノルタソサルタン、ニトロソ化フォンサルタン、ニトロシル化フォンサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化フォンサルタン、ニトロソ化フォラサルタン、ニトロシル化フォラサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化フォラサルタン、ニトロソ化グリシルロサルタン、ニトロシル化グリシルロサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化グリシルロサルタン、ニトロソ化イルベサルタン、ニトロシル化イルベサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化イルベサルタン、ニトロソ化ロサルタン、ニトロシル化ロサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化ロサルタン、ニトロソ化オルメサルタン、ニトロシル化オルメサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化オルメサルタン、ニトロソ化ミルファサルタン、ニトロシル化ミルファサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化ミルファサルタン、ニトロソ化リピサルタン、ニトロシル化リピサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化リピサルタン、ニトロソ化タソサルタン、ニトロシル化タソサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化タソサルタン、ニトロソ化テルミサルタン、ニトロシル化テルミサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化テルミサルタン、ニトロソ化バルサルタン、ニトロシル化バルサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化バルサルタン、ニトロソ化SR-47436、ニトロシル化SR-47436、ニトロソ化およびニトロシル化SR-47436、または以下のACS登録番号

の化合物のいずれかのニトロソ化、もしくはニトロシル化、もしくはニトロソ化およびニトロシル化化合物であり; 式(II)の化合物はニトロソ化エプロサルタン、ニトロシル化エプロサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化エプロサルタンであり; 式(III)の化合物はニトロソ化サプリサルタン、ニトロシル化サプリサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化サプリサルタン、ニトロソ化ゾラサルタン(zalasartan)、ニトロシル化ゾラサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化ゾラサルタン、ならびに薬学的に許容されるその塩である。
【0170】
式(I)、(II)、または(III)のニトロソ化化合物ならびに薬学的に許容されるその塩に対する本発明の一つの態様において、Kは以下である:



R4およびR4'は各出現時において独立して水素、低級アルキル基、-OH、-CH2OH、-ONO2、-NO2もしくは-CH2ONO2であり; またはR4およびR4'はこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキル基もしくは複素環であり;
Vは-C(O)-T-、-T-C(O)-、-T-C(O)-TまたはT-C(O)-C(O)-Tであり;
Wは共有結合またはカルボニル基であり;
Tは各出現時において独立して酸素、(S(O)0)0またはNRjであり;
Rjは水素、アルキル基、アリール基、複素環、アルキルカルボニル基、アルキルアリール基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルフィニル基、アリールスルホニル基、スルホンアミド基、N-アルキルスルホンアミド基、N,N-ジアリールスルホンアミド基、N-アリールスルホンアミド基、N-アルキル-N-アリールスルホンアミド基、カルボキサミド基またはヒドロキシル基であり;
pは各出現時において独立して1から6の整数であり;
qは各出現時において独立して1から3の整数であり;
oは各出現時において独立して0から2の整数であり;
Yは独立して共有結合、カルボニル、酸素、-S(O)O-または-NRjであり;
Bはフェニルまたは(CH2)Oのいずれかであり;
Q'はシクロアルキル基、複素環またはアリール基であり;
Zは(=O)、(=N-OR5)、(=N-NR5R'5)または(=CR5R'5)であり;
MおよびM'はそれぞれ独立して-O-H3N+-(CR4R'4)q-CH2ONO2または-T-(CR4R'4)o-CH2ONO2であり; ならびに
R5およびR5'は各出現時において独立して水素、ヒドロキシル基、アルキル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボン酸エステル、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキサミド基、アルコキシアルキル基、アルコキシアリール基、シクロアルキル基または複素環である。
【0171】
式(I)、(II)、または(III)のニトロソ化化合物ならびに薬学的に許容されるその塩に対する本発明の一つの態様において、Kは以下である:





式中、
Y'は共有結合、カルボニル、酸素、-S(O)O-または-NR6であり;
T'は酸素、硫黄またはNR6であり;
X5は酸素、(S(O)o)oまたはNR6であり;
R6は水素、低級アルキル基、アリール基であり;
R7は低級アルキル基またはアリール基であり;
R8は各出現時において独立して水素、ヒドロキシル基、低級アルキル基、アリール基、-NO2、-CH2-ONO2または-CH2-OHであり;
n'およびm'はそれぞれ独立して0から10の整数であり; ならびに
oは0から2の整数である。
【0172】
本発明の他の態様では、式(I)のニトロソ化アンギオテンシンIIアンタゴニスト化合物は式(IV)のニトロソ化アビテサルタン、式(V)のニトロソ化カンデサルタン、式(VI)のニトロソ化エリサルタン、式(VII)のニトロソ化エムブサルタン、式(VIII)のニトロソ化エノルタソサルタン、式(IX)のニトロソ化フォンサルタン、式(X)のニトロソ化フォラサルタン、式(XI)のニトロソ化グリシルロサルタン、式(XII)のニトロソ化イルベサルタン、式(XIII)のニトロソ化ロサルタン、式(XIV)のニトロソ化オルメサルタン、式(XV)のニトロソ化ミルファサルタン、式(XVI)のニトロソ化リピサルタン、式(XVII)のニトロソ化タソサルタン、式(XVIII)のニトロソ化テルミサルタン、式(XIX)のニトロソ化バルサルタンであり; 式(II)のニトロソ化アンギオテンシンIIアンタゴニスト化合物は式(XX)のニトロソ化エプロサルタンであり; および式(III)のニトロソ化アンギオテンシンIIアンタゴニストは式(XXI)のニトロソ化サプリサルタン、式(XXII)のニトロソ化ゾラサルタン(zalasartan)、または薬学的に許容されるその塩であり、
式中で式(IV)の化合物は以下であり:

および式(V)の化合物は以下であり:

および式(VI)の化合物は以下であり:

および式(VII)の化合物は以下であり:

および式(VIII)の化合物は以下であり:

および式(IX)の化合物は以下であり:

および式(X)の化合物は以下であり:

および式(XI)の化合物は以下であり:

および式(XII)の化合物は以下であり:

および式(XIII)の化合物は以下であり:

および式(XIV)の化合物は以下であり:

および式(XV)の化合物は以下であり:

および式(XVI)の化合物は以下であり:

および式(XVII)の化合物は以下であり:

および式(XVIII)の化合物は以下であり:

および式(XIX)の化合物は以下であり:

および式(XX)の化合物は以下であり:

および式(XXI)の化合物は以下であり:

および式(XXII)の化合物は以下であり:

式中で
T'は酸素、硫黄またはNR6であり;
nBuは低級アルキル基CH3-CH2-CH2-CH2-であり;
nPrは低級アルキル基CH3-CH2-CH2-であり;
iPrは低級アルキル基(CH3)2-CH-であり;
OEtはアルコキシ基-OCH2-CH3であり;
R6は水素、低級アルキル基、アリール基であり;
Rm-Rnは一緒になって水素原子であってよく; または
Rmは以下であり:
(i) -C-(O)-;
(ii) -C-(O)-NR6;
(iii) -C(O)-O-;
(iv) -C(O)-S;
(v) -CH2-O-; または
(vi) -CH(CH3)-O-;
Rnは以下であり:
水素または




式中:
R9は低級アルキル基であり;
T'は酸素、硫黄またはNR6であり;
R6は水素、低級アルキル基、アリール基であり; および
但し式(IV)から式(XXII)の化合物は少なくとも一つの-NO2基を含まなければならない。
【0173】
一つまたは複数の不斉炭素原子を有する本発明の化合物は、光学的に純粋なエナンチオマー、純粋なジアステレオマー、エナンチオマーの混合物、ジアステレオマーの混合物、エナンチオマーのラセミ混合物、ジアステレオマーのラセミ体またはジアステレオマーのラセミ体の混合物として存在してもよい。本発明はこのような異性体およびそれらの混合物全てを予期しており、本発明の範囲内に含むものと理解されるべきである。
【0174】
本発明は、ニトロソ化および/またはニトロシル化アルドステロンアンタゴニスト、ニトロソ化および/またはニトロシル化カルシウムチャンネル遮断薬、ニトロソ化および/またはニトロシル化エンドセリンアンタゴニスト、ニトロソ化および/またはニトロシル化ヒドララジン化合物、ニトロソ化および/またはニトロシル化中性エンドペプチダーゼ阻害剤ならびにニトロソ化および/またはニトロシル化レニン阻害剤であるニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物について記述し、その場合、本発明のアルドステロンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、中性エンドペプチダーゼ阻害剤およびレニン阻害剤は少なくとも一つのニトロソ化および/もしくはニトロシル化カルボン酸基(-C(O)K)、ニトロソ化および/もしくはニトロシル化ヒドロキシル基(-OK)、ニトロソ化および/もしくはニトロシル化チオール基(-SK)ならびに/または第一級もしくは第二級のニトロソ化および/もしくはニトロシル化アミン基(-NK)を含むことによってニトロソ化および/またはニトロシル化される; 式中でKは本明細書において規定されるとおりである。
【0175】
別の好ましい態様では、本発明は本発明のニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物および薬学的に許容されるその塩について記述する。一つの態様では、薬学的に許容される塩は硝酸塩を含まない。
【0176】
一つまたは複数の不斉炭素原子を有する本発明の化合物は、光学的に純粋なエナンチオマー、純粋なジアステレオマー、エナンチオマーの混合物、ジアステレオマーの混合物、エナンチオマーのラセミ混合物、ジアステレオマーのラセミ体またはジアステレオマーのラセミ体の混合物として存在してもよい。本発明はこのような異性体およびそれらの混合物全てを予期しており、本発明の範囲内に含むものと理解されるべきである。
【0177】
本発明の別の態様はニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物および薬学的に許容されるその塩の代謝産物について記述する。これらの代謝産物としてはニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物および薬学的に許容されるその塩のニトロソ化および/またはニトロシル化されていない誘導体、分解産物、加水分解産物等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0178】
本発明の別の態様では、本発明の新規化合物を製造する方法およびこのような方法に有用な中間体を提供する。反応は、試薬に適当な溶媒中で実施され、材料は、実施される変換に好適である。分子に存在する官能基は、提案される化学的変換に一致しなければならないことが有機合成の当業者に理解される。これは、合成段階の順序、必要な保護基、および脱保護条件に関して、当業者による判断を必要とすることがある。出発物質の置換基は、記載されている方法の一部に必要な反応条件の一部に適合しないことがあるが、反応条件に適合する別の方法および置換基は当業者に容易に明らかである。硫黄および酸素保護基の使用は、合成手法中に望ましくない反応が生じないようにチオール基およびアルコール基を保護する上で周知であり、多数のこのような保護基が公知であり、例えば、GreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley & Sons、ニューヨーク(1999年)に記載されている。
【0179】
本明細書に記述されている化学反応は概して、本発明の化合物の調製に対しその最も広い用途という観点で開示されている。場合によっては、開示範囲内に含まれる各化合物に対し、その反応を記述どおりには適用できないこともある。当業者はこのようなことが起こる化合物を容易に認識するであろう。このような場合の全てにおいて、その反応を、当業者に公知の従来の改変により、例えば、干渉基の適切な保護により、別の従来試薬に変更することにより、反応条件の通常の変更等により、成功成功させることもできるし、または本明細書に開示されるその他の反応もしくは別の従来反応を本発明の対応する化合物の調製に適用することもできるであろう。全ての調製方法において、全ての出発物質は公知であるか、または公知の出発物質から容易に調製される。
【0180】
当業者は従来法を用いて、式(I)から(XXII)の化合物を合成することができる。親の心血管化合物(すなわち、非ニトロソ化および/または非ニトロシル化心血管化合物)のいくつかは市販されており、またはその合成が科学文献の中に報告されている。当業者に公知の従来法を利用し、心血管化合物は酸素、硫黄および/または窒素などの一つまたは複数の部位を介してニトロソ化および/またはニトロシル化される。化合物をニトロソ化および/またはニトロシル化する公知の方法は、米国特許第5,380,758号、第5,859,053号、第5,703,073号および第6,297,260号の中に、ならびに国際公開公報第94/03421号、第94/04484号、第94/12463号、第95/09831号、第95/19952号、第95/30641号、第97/27749号、第98/09948号、第98/19672号、第98/21193号、第00/51988号、第00/61604号、第00/72838号、第01/00563号、第01/04082号、第01/10814号、第01/12584号、第01/45703号、第00/61541号、第00/61537号、第02/11707号、第02/30866号、ならびにOae et al, Org. Prep. Proc. Int., 15(3):165-198 (1983)の中に記述されており、これらの各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。当業者は本明細書に記述されているニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物のいずれかを産生するために、これらの文献の中に記述されている化合物のニトロソ化および/またはニトロシル化の方法を適合することができる。本発明のニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物は、一酸化窒素(すなわち、酸化窒素)の生物学的活性型を供与し、転移しまたは放出する。
【0181】
本発明で用いることが企図される化合物、例えば、酸素(ヒドロキシル縮合)、硫黄(スルフヒドリル縮合)および/または窒素などの一つまたは複数の部位を介してニトロソ化および/またはニトロシル化される心血管化合物は、任意で、酸化窒素および酸化窒素を放出するかあるいは別の方法で酸化窒素の生物学的活性型をインビボの細胞膜上などの、その対象とする活性の部位に直接的にまたは間接的に送達しまたは転移する化合物と組み合わせて使用してもよい。
【0182】
一酸化窒素は三つの型: NO-(ニトロキシル)、NO・(酸化窒素)およびNO+(ニトロソニウム)で存在することができる。NO・は非常に反応性が高い短寿命の種であって、これは細胞に有害である可能性がある。このことは重大な意味を持つ。NOの薬理効果は、それが送達される形態に依存するからである。酸化窒素ラジカル(NO・)とは対照的に、ニトロソニウム(NO+)はO2またはO2-種と反応せず、NO+およびNO-を転移および/または放出できる官能基は同様に、多数の酸化還元金属の存在下において分解に抵抗性である。その結果として、荷電したNO等価物(正および/または負)の投与では、有害な副産物の生成または活性なNO成分の除去が起こらない。
【0183】
「酸化窒素」という用語は、荷電していない酸化窒素 (NO・)および荷電した一酸化窒素種、好ましくはニトロソニウムイオン(NO+)およびニトロキシルイオン(NO-)などの荷電した一酸化窒素種を包含する。酸化窒素の反応型はガス状の酸化窒素によって供与されることができる。一酸化窒素を放出、送達または転移する化合物は構造F-NOを有し、式中Fは一酸化窒素を放出、送達または転移する部分であり、その化合物にはその意図する目的のために、活性な形態でその目的の作用部位に一酸化窒素を供与する、任意のおよび全てのそのような化合物が含まれる。「NO付加物」という用語は、例えば、S-ニトロソチオール、亜硝酸塩、硝酸塩、S-ニトロチオール、シドノンイミン、2-ヒドロキシ-2-ニトロソヒドラジン、NONOエート(NONOates)、(E)-アルキル-2-((E)-ヒドロキシイミノ)-5-ニトロ-3-ヘキセンアミド(FK-409)、(E)-アルキル-2-((E)-ヒドロキシイミノ)-5-ニトロ-3-ヘキセンアミン、N-((2Z,3E)-4-エチル-2-(ヒドロキシイミノ)-6-メチル-5-ニトロ-3-ヘプテニル)-3-ピリジンカルボキサミド(FR 146801)、N-ニトロソアミン、N-ヒドロキシルニトロソアミン、ニトロシミン(nitrosimines)、二酸化ジアゼチン、オキサトリアゾール5-イミン、オキシム、ヒドロキシルアミン、N-ヒドロキシグアニジン、ヒドロキシウレア、ベンゾフロキサン、フロキサンおよび酸化窒素を合成する内因性酵素の基質を含む、一酸化窒素を放出、送達または転移する任意の化合物を包含する。
【0184】
適当なNONOエートとしては、(Z)-1-(N-メチル-N-(6-(N-メチル-アンモニオヘキシル)アミノ))ジアゼン-1-イウム-1,2-ジオレート(「MAHMA/NO」)、(Z)-1-(N-(3-アンモニオプロピル)-N-(n-プロピル)アミノ)ジアゼン-1-イウム-1,2-ジオレート(「PAPA/NO」)、(Z)-1-(N-(3-アミノプロピル)-N-(4-(3-アミノプロピルアンモニオ)ブチル)-アミノ)ジアゼン-1-イウム-1,2-ジオレート(スペルミンNONOエートまたは「SPER/NO」)および(Z)-1-(N,N-ジエチルアミノ)ジアゼニウム-1,2-ジオレートナトリウム(ジエチルアミンNONOエートまたは「DEA/NO」)ならびにその誘導体が挙げられるが、これらに限定されることはない。NONOエートは米国特許第6,232,336号、第5,910,316号および第5,650,447号の中にも記述されており、その開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。「NO付加物」は、一酸化窒素の生物学的活性型に対する種々の生来的に感受性の高い結合部位または人工的に供与された結合部位でモノニトロシル化、ポリニトロシル化、モノニトロソ化および/またはポリニトロソ化されることができる。
【0185】
適当なフロキサンとしては、CAS 1609、C93-4759、C92-4678、S35b、CHF 2206、CHF 2363等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0186】
適当なシドノンイミンとしては、モルシドミン(N-エトキシカルボニル-3-モルホリノシドノンイミン)、SIN-1 (3-モルホリノシドノンイミン)、CAS936 (3-(cis-2,6-ジメチルピペリジノ)-N-(4-メトキシベンゾイル)-シドノンイミン、ピルシドミン)、C87-3754 (3-(cis-2,6-ジメチルピペリジノ)シドノンイミン、リンシドミン、C4144 (塩酸3-(3,3-ジメチル-1,4-チアザン-4-イル)シドノンイミン)、C89-4095 (塩酸3-(3,3-ジメチル-1,1-ジオキソ-1,4-チアザン-4-イル)シドノンイミン等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0187】
適当なオキシムとしては、NOR-1、NOR-3、NOR-4等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0188】
NO付加物の一つのグループは、少なくとも1つの-S-NO基を含む化合物であるS-ニトソチオールである。これらの化合物には、S-ニトロソ-ポリペプチド(「ポリペプチド」という用語は、確認されている生物学的機能を持たないタンパク質およびポリアミノ酸、ならびにそれらの誘導体を含む)、S-ニトロシル化アミノ酸(天然型アミノ酸および合成アミノ酸、ならびにそれらの立体異性体およびラセミ混合物、ならびにそれらの誘導体を含む)、S-ニトロシル化糖、修飾または未修飾のS-ニトロシル化オリゴヌクレオチド(好ましくは、少なくとも5つのヌクレオチド、さらに好ましくは5〜200のヌクレオチド)、直鎖状または分岐鎖状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族、置換または無置換S-ニトロシル化炭化水素、ならびにS-ニトロソ複素環化合物が挙げられる。S-ニトソチオールおよびそれらを製造する方法は、各々の開示内容が全体として参照として本明細書に組み入れられている、米国特許第5,380,758号および同第5,703,073号、国際公開公報第97/27749号、国際公開公報第98/19672号、ならびにOaeら、Org. Prep. Proc. Int.,15 (3): 165-198 (1983)に記載されている。
【0189】
本発明の別の態様は、ニトロソ基が含硫アミノ酸およびその誘導体の硫黄基に結合しているS-ニトロソアミノ酸である。このような化合物には、例えば、S-ニトロソ-N-アセチルシステイン、S-ニトロソ-カプトプリル、S-ニトロソ-N-アセチルペニシラミン、S-ニトロソホモシステイン、S-ニトロソ-システイン、S-ニトロソ-グルタチオン、S-ニトロソ-システイニル-グリシン等が挙げられる。
【0190】
好適なS-ニトロシル化タンパク質には、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)およびカテプシンB等の酵素;リポタンパク質等の輸送タンパク質;ヘモグロビンおよび血清アルブミン等のヘムタンパク質;免疫グロブリン、抗体、およびサイトカイン等の生物学的防御タンパク質を含む種々の機能的クラスの、チオールを含有するタンパク質(NO基が、アミノ酸またはアミノ酸誘導体の1つまたは複数の硫黄基に結合している)が挙げられる。このようなニトロシル化タンパク質は、開示内容が全体として参照として本明細書に組み入れられている、国際公開公報第93/09806号に記載されている。例として、タンパク質の1つまたは複数のチオールまたは他の求核中心が修飾されているポリニトロシル化アルブミンが挙げられる。
【0191】
好適なS-ニトソチオールの他の例には以下が挙げられる:
(i)HS(C(Rc)(Rf))mSNO、
(ii)ONS(C(Re)(Rf))mRe、または
(iii)H2N-CH(CO2H)-(CH2)m-C(O)NH-CH(CH2SNO)-C(O)NH-CH2-CO2H
式中、
mは、2〜20の整数であり;
ReおよびRfは、各々独立に水素、アルキル、シクロアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール複素環、アルキルアリール、アルキルシクロアルキル、アルキル複素環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルチオ、アリールアルキルチオ、アリールアルキルチオアルキル、アルキオチオアルキル、シクロアルケニル、複素環アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルコキシハロアルキル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アリールアルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、アミノアルキル、アミノアリール、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アミジル、カルボキシル、カルバモイル、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、エステル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、スルホンアミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホン酸エステル、アルキルエステル、アリールエステル、尿素、ニトロ、Kであり、またはReおよびRfはこれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル、メタンチアル、複素環、シクロアルキル基、アリール基、オキシム、ヒドラゾンもしくは架橋シクロアルキル基を形成し;
Kは-(W3)a-Eb-(C(Rc)(Rf))p1-Ec-(C(Re)(Rf))x-(W3)d-(C(Re)(Rf))y-(W3)i-Ej-(W3)g-(C(Re)(Rf))z-U3-V3であり;
V3は-NOまたは-NO2であり;
a、b、c、d、g、iおよびjはそれぞれ独立して0から3の整数であり;
p1、x、yおよびzはそれぞれ独立して0から10の整数であり;
W3は各出現時において独立して-C(O)-、-C(S)-、-T3-、-(C(Re)(Rf))h-、アルキル基、アリール基、複素環、芳香族複素環、または-(CH2CH2O)ql-であり;
Eは各出現時において独立して-T3-、アルキル基、アリール基、-(C(Re)(Rf))h-、複素環、芳香族複素環、または-(CH2CH2O)ql-であり;
T3は各出現時において独立して共有結合、カルボニル、酸素、-S(O)o-または-N(Ra)Riであり;
hは1から10の整数であり;
q1は1から5の整数であり;
U3は各出現時において独立して共有結合、カルボニル、酸素、-S(O)o-または-N(Ra)Rjであり;
oは0から2の整数であり;
Raは孤立電子対、水素またはアルキル基であり;
Riは水素、アルキル、アリール、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アルキルアリール、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホンアミド、カルボキサミド、カルボン酸エステル、アミノアルキル、アミノアリール、-CH2-C(U3-V3)(Rc)(Rf)、隣接原子との結合であってその原子に二重結合をもたらす結合、式中M1+は有機または無機陽イオンである-(N2O2-)-・M1+である。
【0192】
ReおよびRfが複素環であるかまたはReおよびRfが一緒になって複素環である場合、Riはその基に含まれる任意の二置換窒素の置換基であってもよく、その際Riは本明細書において規定されるとおりである。
【0193】
ReおよびRfが複素環であるかまたはReおよびRfが一緒になって複素環である場合、Riはその基に含まれる任意の二置換窒素の置換基であってもよく、その際Riは本明細書において規定されるとおりである。
【0194】
ニトソチオールは、種々の合成方法によって製造することができる。一般に、先ずチオール前駆体を製造し、次いで、S-ニトロソ誘導体を産生する酸性条件下において(pHは約2.5である)チオール基をNaNO2でニトロソ化することによって、S-ニトソチオール誘導体に変換する。この目的に使用することができる酸には、硫酸水溶液、酢酸水溶液、および塩酸水溶液が挙げられる。チオール前駆体は、不活性溶媒中で、亜硝酸tert-ブチル等の有機亜硝酸塩またはテトラフルオロボレートニトロソニウム等のニトロソニウム塩と反応させることによってもニトロソ化することができる。
【0195】
NO付加物が、酸化窒素を供与、転移、または放出する化合物である、本発明に使用する別のグループのNO付加物には、少なくとも1つのON-OまたはON-N-基を含む化合物が挙げられる。少なくとも1つのON-OまたはON-N-基を含む化合物は、好ましくは、ON-O-またはON-N-ポリペプチド(「ポリペプチド」という用語は、確認されている生物学的機能を持たないタンパク質およびポリアミノ酸、ならびにそれらの誘導体を含む);ON-O-またはON-N-アミノ酸(天然型アミノ酸および合成アミノ酸、ならびにそれらの立体異性体およびラセミ混合物を含む);ON-O-またはON-N-糖、修飾または未修飾のON-O-またはON-N-オリゴヌクレオチド(少なくとも5つのヌクレオチド、好ましくは5〜200のヌクレオチドを含む)、直鎖状もしくは分岐鎖状、飽和もしくは不飽和、脂肪族もしくは芳香族、置換もしくは無置換ON-O-またはON-N-炭化水素、ならびにON-O-、ON-N-、またはON-C-複素環化合物である。化合物の好ましい例は、亜硝酸ブチル、亜硝酸イソブチル、亜硝酸tert-ブチル、亜硝酸アミル、亜硝酸イソアミル、N-ニトロソアミン、N-ニトロソアミド、N-ニトロソ尿素、N-ニトロソグアニジン、N-ニトロソカルバメート、N-アシル-ニトロソ化合物(N-メチル-N-ニトロソ尿素等);N-ヒドロキシ-N-ニトロソアミン、クペロン、アラノシン、ドパスチン(dopastin)、1,3-二置換ニトロシミノベンズイミダゾール、1,3,4-チアジアゾール-2-ニトロシミン、ベンゾチアゾール-2(3H)-ニトロシミン、チアゾール-2-ニトロシミン、オリゴニトロソシドノンイミン、3-アルキル-N-ニトロソ-シドノンイミン、2H-1,3,4-チアジアジンニトロシミンを含む、少なくとも一つのON-O-基またはON-N-基を含む。
【0196】
本発明に使用する別のグループのNO付加物には、O2N-O-、O2N-N-、またはO2N-S-基を少なくとも1つ含む化合物等の、酸化窒素を供与、転移、または放出する硝酸塩が挙げられる。これらの化合物の中では、O2N-O-、O2N-N-、またはO2N-S-ポリペプチド(「ポリペプチド」という用語は、確認されている生物学的機能を持たないタンパク質およびポリアミノ酸、ならびにそれらの誘導体を含む);O2N-O-、O2N-N-、またはO2N-S-アミノ酸(天然型アミノ酸および合成アミノ酸、ならびにそれらの立体異性体およびラセミ混合物を含む);O2N-O-、O2N-N-、またはO2N-S-糖;修飾または未修飾のO2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-オリゴヌクレオチド(少なくとも5つのヌクレオチド、好ましくは5〜200のヌクレオチドを含む);直鎖状もしくは分岐鎖状、飽和もしくは不飽和、脂肪族もしくは芳香族、置換もしくは無置換O2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-炭化水素;ならびにO2N-O-、O2N-N-、またはO2N-S-複素環化合物が好ましい。O2N-O-、O2N-N-、またはO2N-S-基を少なくとも1つ含む化合物の好ましい例には、二硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、クロニトレート(clonitrate)、四硝酸エリスリチル、六硝酸マンニトール、ニトログリセリン、ペンタエリスリトール-四硝酸、ペントリニトロール(pentrinitrol)、硝酸プロパチル、ならびに例えば、SPM 3672、SPM 5185、SPM 5186等のスルフヒドリルを含有するアミノ酸、ならびに各々の開示内容が全体として参照として本明細書に組み入れられている、米国特許第5,284,872号、同第5,428,061号、同第5,661,129号、同第5,807,847号および同第5,883,122号ならびに国際公開公報第97/46521号、国際公開公報第 00/54756号および国際公開公報第03/013432号に開示されているもの等の有機硝酸塩が挙げられる。
【0197】
NO付加物の別のグループとしては、酸化窒素を供与、転移、または放出するN-オキソ-N-ニトロソアミンであり、式:R1''R2''N-N(O-M+)-NOによって表される(式中、R1''およびR2''は、各々独立にポリペプチド、アミノ酸、糖、修飾もしくは未修飾オリゴヌクレオチド、直鎖状もしくは分岐鎖状、飽和もしくは不飽和、脂肪族もしくは芳香族、置換もしくは無置換炭化水素、または複素環基であり、M1+は、例えば、アルキル置換アンモニウム陽イオンまたは第I族金属の陽イオン等の有機または無機陽イオンである)。
【0198】
本発明は同様に、内因性NOを刺激するまたは内因性内皮由来弛緩因子(EDRF)のレベルをインビボにおいて上昇させるまたは酸化されて酸化窒素を生成する、ならびに/または酸化窒素合成酵素および/もしくはチトクロムP450に対する基質である化合物を対象とする。このような化合物としては、例えば、インビボで酸化されて酸化窒素を生成しうる、ニトロソ化および/またはニトロシル化類似体(例えば、ニトロソ化L-アルギニン、ニトロシル化L-アルギニン、ニトロソ化N-ヒドロキシ-L-アルギニン、ニトロシル化N-ヒドロキシ-L-アルギニン、ニトロソ化およびニトロシル化L-ホモアルギニン)を含む、L-アルギニン、L-ホモアルギニン、およびN-ヒドロキシ-L-アルギニン、N-ヒドロキシ-L-ホモアルギニン、N-ヒドロキシデブリソキン、N-ヒドロキシペンタミジン、N-ヒドロキシグアニジン化合物、アミドキシム、ケトキシム、アルドキシム化合物が挙げられる。チトクロムP450に対する基質になりうる化合物としては、例えば、イミノ(ベンジルアミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(((4-メチルフェニル)メチル)アミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(((4-メトキシフェニル)メチル)アミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(((4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)アミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(((4-ニトロフェニル)メチル)アミノ)メチルヒドロキシルアミン、(ブチルアミノ)イミノメチルヒドロキシルアミン、イミノ(プロピルアミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(ペンチルアミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(プロピルアミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ((メチルエチル)アミノ)メチルヒドロキシルアミン、(シクロプロピルアミノ)イミノメチルヒドロキシルアミン、イミノ-2-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリルメチルヒドロキシルアミン、イミノ(1-メチル(2-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル))メチルヒドロキシルアミン、(1,3-ジメチル(2-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル))イミノメチルヒドロキシルアミン、(((4-クロロフェニル)メチル)アミノ)イミノメチルヒドロキシルアミン、((4-クロロフェニル)アミノ)イミノメチルヒドロキシルアミン、(4-クロロフェニル)(ヒドロキシイミノ)メチルアミン、および1-(4-クロロフェニル)-1-(ヒドロキシイミノ)エタンなど、例えば、シトルリン、オルニチン、グルタミン、リジンを含む、L-アルギニンの前駆体および/またはその生理学的に許容される塩、これらのアミノ酸の少なくとも一つを含むポリペプチド、酵素アルギナーゼの阻害剤(例えば、N-ヒドロキシ-L-アルギニンおよび2(S)-アミノ-6-ボロノヘキサン酸)、例えば、ピルビン酸塩、ピルビン酸塩前駆体、四つまたはそれ以上の炭素原子を有するα-ケト酸、四つまたはそれ以上の炭素原子を有するα-ケト酸の前駆体を含む、酸化窒素媒介物質および/またはその生理学的に許容される塩(開示によって全体が本明細書に組み入れられる、国際公開公報第03/017996号に開示されている)、ならびに酸化窒素合成酵素に対する基質、サイトカイン、アデノシン、ブラジキニン、カルレチクリン、ビサコジルおよびフェノールフタレインが挙げられる。EDRFは内皮によって分泌される血管弛緩因子であり、酸化窒素(NO)または密接に関連するその誘導体として同定されている(Palmer et al, Nature, 327:524-526 (1987); Ignarro et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84:9265-9269 (1987))。
【0199】
本発明の別の態様では、酸化窒素供与体化合物と本発明のアンギオテンシンIIアンタゴニスト(すなわち、非ニトロソ化および/または非ニトロシル化アンギオテンシンIIアンタゴニスト)の組み合わせは、米国特許第2003/0216384号の中に開示される組み合わせを含まず、この特許の開示はその全体が本明細書に組み入れられる。
【0200】
本発明は同様に、本発明の化合物および組成物を部分的または完全に、例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤、およびこれらの二つまたはそれ以上の組み合わせなどの、その他の治療薬の代わりに、併用療法向けのその他の治療薬と組み合わせて使用できるという発見に基づいている。治療薬は任意でニトロソ化および/またはニトロシル化されてもよい。
【0201】
適当なアルドステロンアンタゴニストとしては、カンレノン、カンレノ酸カリウム、ドロスピレノン、スピロノラクトン、エプレレノン(INSPRA (登録商標))、エポキシメクスレノン(epoxymexrenone)、ファドロゾール、プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ、γ-ラクトン、メチルエステル、(7α, 11α, 17β)-; プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-ジメチルエステル、(7α, 11α, 17β)-; 3'H- シクロプロパ(6,7)プレグナ-4,6-ジエン-21-カルボン酸、9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、γ-ラクトン、(6β, 7β, 11α, 17β)-; プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、7-(1-メチルエチル)エステル、一カリウム塩、(7α, 11α, 17β)-; プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、7-メチルエステル、一カリウム塩、(7α, 11α, 17β)-; 3’H-シクロプロパ(6,7)プレグナ-1, 4, 6-トリエン-21-カルボン酸、9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、γ-ラクトン、(6β, 7β, 11α)-; 3’H-シクロプロパ(6,7)プレグナ-4,6-ジエン-21-カルボン酸、9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、メチルエステル、(6β, 7β, 11α, 17β)-; 3’H-シクロプロパ (6,7)プレグナ-4,6-ジエン-21-カルボン酸、9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、一カリウム塩、(6β, 7β, 11α, 17β)-; 3’H-シクロプロパ(6,7)プレグナ-1,4,6-トリエン-21-カルボン酸、9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、γ-ラクトン、(6β, 7β, 11α, 17β)-; プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9, 11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、γ-ラクトン、エチルエステル、(7α, 11α, 17β)-;プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、γ-ラクトン、1-メチルエチルエステル、(7α, 11α, 17β)-; RU-28318等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なアルドステロンアンタゴニストは文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0202】
いくつかの態様では、アルドステロンアンタゴニストはエプレレノンまたはスピロノラクトン(アルドステロンアンタゴニストのように作用するカリウム保持性利尿薬)である。より具体的な態様では、エプレレノンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約25ミリグラムから約300ミリグラムの量で投与する; スピロノラクトンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約25ミリグラムから約150ミリグラムの量で投与する。
【0203】
適当なα-アドレナリン受容体アンタゴニストとしては、フェントラミン、トラゾリン、イダゾキサン、デリグリドール、RX 821002、BRL 44408、BRL 44409、BAM 1303、ラベタロール、イフェンプロジル、ラウウォルシン、コリナシン、ラウバシン、テトラヒドロアルストニン、アポヨヒンビン、アクアミジン、β-ヨヒンビン、ヨヒンボール、ヨヒンビン、プソイドヨヒンビン、エピ-3α-ヨヒンビン、10-ヒドロキシ-ヨヒンビン、11-ヒドロキシ-ヨヒンビン、タムスロシン、ベノキサチアン、アチパメゾール、BE 2254、WB 4101、HU-723、テジサミル、ミルタジピン、セチプチリン、レボキシチン、デレクアミン、ナフトピル、サテリノン、SL 89.0591、ARC 239、ウラピジル、5-メチルウラピジル、モナテピル(monatepi)、ハロペリドール、インドラミン、SB 216469、モキシシリト、トラゾドン、ダピプロゾール、エファロキサン、レコルダーチ15/2739、SNAP 1069、SNAP 5089、SNAP 5272、RS 17053、SL 89.0591、KMD 3213、スピペロン、AH 11110A、クロロエチルクロニジン、BMY 7378、ニグルジピン等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なα-アドレナリン受容体アンタゴニストは文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM ,第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0204】
適当なアンギオテンシンIIアンタゴニストとしては、アンギオテンシン、アビテサルタン、カンデサルタン、カンデサルタンシレキセチル、エリサルタン、エムブサルタン、エノルタソサルタン、エプロサルタン、フォンサルタン、フォラサルタン、グリシルロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、ミルファサルタン、メドキソミル、リピサルタン、プラトサルタン、サプリサルタン、サララシン、サルメシン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、ゾラサルタン、3-(2'(テトラゾール-5-イル)-1,1'-ビフェン-4-イル)メチル-5,7-ジメチル-2-エチル-3H-イミダゾ(4,5-b)ピリジン、アンギオテンシンIIに対する抗体、

ACS登録番号

の化合物等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なアンギオテンシンIIアンタゴニストは文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0205】
いくつかの態様では、アンギオテンシンIIアンタゴニストはカンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、テルミサルタンまたはバルサルタンである。より具体的な態様では、カンデサルタンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約15ミリグラムから約100ミリグラムの量でカンデサルタンシレキセチルとして投与する; エプロサルタンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約400ミリグラムから約1600ミリグラムの量でエプロサルタンメシラートとして投与する; イルベサルタンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約75ミリグラムから約1200ミリグラムの量で投与する; ロサルタンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約25ミリグラムから約100ミリグラムの量でロサルタンカリウムとして投与する; オルメサルタンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約5ミリグラムから約40ミリグラムの量でオルメサルタンメドキソミルとして投与する; テルミサルタンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約20ミリグラムから約80ミリグラムの量で投与する; バルサルタンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約80ミリグラムから約320ミリグラムの量で投与する。
【0206】
適当なアンギオテオシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)としては、アラセプリル、ベナゼプリル(LOTENSIN (登録商標)、CIBACEN (登録商標))、ベナゼプリラト、カプトプリル、セロナプリル、シラザプリル、デラプリル、デュイナプリル、エナラプリル、エナラプリラト、ファシドトリル、ホシノプリル、ホシノプリラト、ゲモパトリラト、グリコプリル、イドラプリル、イミダプリル、リシノプリル、モエキシプリル、モベルチプリル、ナフトピジル、オマパトリラット、ペントプリル、ペリンドプリル、ペリンドプリラト、キナプリル、キナプリラト、ラミプリル、ラミプリラト、レンチプリル、酢酸サララシン、スピラプリル、テモカプリル、トランドラプリル、トランドラプリラト、ウラピジル、ゾフェノプリル、アシルメルカプトおよびメルカプトアルカノイルプロリン、カルボキシアルキルジペプチド、カルボキシアルキルジペプチド、ホスフィニルアルカノイルプロリン、登録番号796406、AVE 7688、BP1.137、CHF 1514、E 4030、ER 3295、FPL-66564、MDL 100240、RL 6134、RL 6207、RL 6893、SA 760、S-5590、Z 13752A等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なアンギオテオシン変換酵素阻害剤は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第12版, バージョン12:1, 1996のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0207】
いくつかの態様では、アンギオテオシン変換酵素阻害剤はベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、キナプリル、ラミプリル、トランドラプリルまたはトランドラプリラトである。より具体的な態様では、ベナゼプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約5ミリグラムから約80ミリグラムの量で塩酸ベナゼプリルとして投与する; カプトプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約12.5ミリグラムから約450ミリグラムの量で投与する; エナラプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約2.5ミリグラムから約40ミリグラムの量でマレイン酸エナラプリルとして投与する; ホシノプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約5ミリグラムから約60ミリグラムの量でホシノプリルナトリウムとして投与する; リシノプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約12.5ミリグラムから約75ミリグラムの量で投与する; モエキシプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約7.5ミリグラムから約45ミリグラムの量で塩酸モエキシプリルとして投与する; キナプリルを一日当たり単回または複数回投与として約5ミリグラムから約40ミリグラムの量で塩酸キナプリルとして投与する; ラミプリルを一日当たり単回または複数回投与として約1.25ミリグラムから約40ミリグラムの量で塩酸ラミプリルとして投与する; トランドラプリルを一日当たり単回または複数回投与として約0.5ミリグラムから約4ミリグラムの量で投与する; トランドラプリラトを一日当たり単回または複数回投与として約0.5ミリグラムから約4ミリグラムの量で投与する。
【0208】
適当な抗糖尿病化合物としては、アカルボース、アセトヘキサミド、ブホルミン、カルブタミド、クロルプロパミド、グリボルヌリド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリソキピセド(glisoxepid)、グリブリド、グリブチアゾール、グリブゾール、グリヘキサミド、グリミジン、グリピナミド、インスリン、メトホルミン、ミグリトール、ナテグリニド、フェンブタミド、フェンホルミン、ピオグリタゾン、レパグリニド、ロシグリタゾン、トラザミド、トルブタミド、トルシクラミド、トログリタゾン、ボグリボース等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当な抗糖尿病化合物は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0209】
適当な抗高脂血症化合物としては、例えば、アトルバスタチン(LIPITOR (登録商標))、ベルバスタチン、セリバスタチン(BAYCOL (登録商標))、ダルバスタチン、フルインドスタチン(Sandoz XU-62-320)、フルバスタチン、グレンバスタチン、ロバスタチン(MEVACOR (登録商標))、メバスタチン、プラバスタチン(PRAVACHOL (登録商標))、ロスバスタチン(CRESTRO (登録商標))、シンバスタチン(ZOCOR (登録商標))、ベロスタチン(シンビノリンとしても知られている)、VYTORIN (商標)( エゼチミブ/シンバスタチン)、GR-95030、SQ 33,600、BMY 22089、BMY 22,566、CI 980等などのスタチンまたはHMG-CoA還元酵素阻害剤; ゲムフィブロジル、コレスチラミン(cholystyramine)、コレスチポール、ナイアシン、ナイアシン酸、胆汁酸抑制薬、例えば、コレスチラミン、コレセベラム、コレスチポール、ポリ(メチル-(3-トリメチルアミノプロピル)イミノ-トリメチレンジハライド)等; プロブコール; 例えば、ベザフィブラート(Bezalip (商標))、ベクロブラート、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラート(Lipidil (商標)、Lipidil Micro (商標))、ゲムフィブロジル(Lopid (商標))、ニコフィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラート、シムフィブラート、テオフィブラート(theofibrate)等などのフィブリン酸薬剤またはフィブラート系薬剤; 例えば、CGS 25159、CP-529414 (トルセトラピド)、JTT-705、置換N-[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)ベンジル]-N-(3-フェノキシフェニル)-トリフルオロ-3-アミノ-2-プロパノール、N,N-二置換トリフルオロ-3-アミノ-2-プロパノール、PD 140195 (4-フェニル-5-トリデシル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-チオール)、SC-794、SC-795、SCH 58149等などのコレステロールエステル転送蛋白(CETP)阻害剤が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0210】
いくつかの態様では、抗高脂血症化合物はアトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンまたはシンバスタチンである。より具体的な態様では、アトルバスタチンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約80ミリグラムの量で投与する; フルバスタチンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約20ミリグラムから約80ミリグラムの量で投与する; ロバスタチンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約80ミリグラムの量で投与する; プラバスタチンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約80ミリグラムの量で投与する; ロスバスタチンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約5ミリグラムから約40ミリグラムの量で投与する; シンバスタチンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約5ミリグラムから約80ミリグラムの量で投与する。
【0211】
適当な抗酸化薬としては、小分子抗酸化薬および抗酸化酵素が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当な小分子抗酸化薬としては、ヒドララジン化合物、グルタチオン、ビタミンC、ビタミンE、システイン、N-アセチル-システイン、β-カロチン、ユビキノン、ユビキノール-10、トコフェロール、コエンザイムQ、スーパーオキシドジスムターゼ模倣体、例えば、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)、DOXYL、PROXYLニトロキシド化合物; 4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(Tempol)、M-40401、M-40403、M40407、M-40419、M-40484、M-40587、M-40588等などが挙げられるが、これらに限定されることはない。適当な抗酸化酵素としては、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、NADPHオキシダーゼ阻害剤、例えば、アポシニン、アミノグアニジン、ONO1714、S17834 (ベンゾ(b)ピラン-4-オン誘導体)等など; キサンチンオキシダーゼ阻害剤、例えば、アロプリノール、オキシプリノール、アンフルチゾール、ジエチルジチオカルバメート、2-スチリルクロモン(2-styrylchromones)、クリシン、ルテオリン、ケンペロール、ケルセチン、ミリセチン、イソラムネチン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、3,4,5,2',3',4'-ヘキサヒドロキシベンゾフェノンおよび4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノンなど; 2-アミノ-4H-1,3-ベンゾチアジン-4-オン、2-グアニジノ-4H-1,3-ベンゾチアジン-4-オンおよびローダニンなどのベンゾチアジノン類似体; PR5 (1-(3,4-ジメトキシ-2-クロロベンジリデンアミノ)-3-ヒドロキシグアニジン)などのN-ヒドロキシグアニジン誘導体; 6-ホルミルプテリン等が挙げられるが、これらに限定されることはない。抗酸化酵素はウイルスベクターおよび/または非ウイルスベクターとして遺伝子治療により送達することができる。適当な抗酸化薬は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0212】
いくつかの態様では、抗酸化薬はアポシニン、ヒドララジン化合物およびスーパーオキシドジスムターゼ模倣体である。
【0213】
適当な抗血栓性および血管拡張性化合物としては、アビキシマブ、アセトルファン、アセチルサリチル酸、アルガトロバン、バメタン、ベンフロジル、ベンズヨーダロン、ベタヒスチン、ビサラミル、ブロビンカミン、ブフェニオド、シチコリン、クロベンフロール、クロピドグレル、シクランデラート、ダルテパリン、ジピリダモール、ドロプレニルアミン、エノキサパリン、フェンジリン、イフェンプロジル、イロプロスト、インドブフェン、イスボグレル、イソクススプリン、ヘパリン、ラミフィバン、ミドロジン、ナドロパリン、ニコチノイルアルコール、ナイリドリン、オザグレル、ペルヘキシリン、フェニルプロパノールアミン、プレニルアミン、パパベロリン、レビパリンナトリウム塩、リドグレル、スロクチジル、チノフェドリン、チンザパリン、トリフルサル、ビントペロール、キサンチノールナイアシネート等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当な抗血栓性および血管拡張性化合物は、文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0214】
適当なβ-アドレナリンアンタゴニストとしては、アセブトロール、アルプレノロール、アモスラロール、アロチノロール、アテノロール、ベフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブシンドロール、ブクモロール、ブフェトロール、ブフラロール、ブニトロロール、ブプラノロール、ブトフィロロール、カラゾロール、カプシノロール、カルテオロール、カルベジロール(COREG (登録商標))、セリプロロール、セタモロール、シンドロール、クロラノロール、ジレバロール、ジプラフェノン、エパノロール、エルセンチリド、エスモロール、エスプロロール、ヘドロキサロール(hedroxalol)、インデノロール、ラベタロール、ランジオロール、ラニオロール、レボブノロール、メピンドロール、メチルプラノール(methylpranol)、メチンドール(metindol)、メチプラノロール、メトリゾラノロール(metrizoranolol)、メトプロロール、モプロロール、ナドロール、ナドキソロール、ネビボロール、ニフェナロール、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プラクトロール、プロネタロール、プロプラノロール、ソタロール、ソタロールナドロール、スルフィナロール、タリプロロール(taliprolol)、タリノロール、テルタトロール、チリソロール、チモロール、トリプロロール、トマロロール(tomalolol)、トリメプラノール(trimepranol)、キサモテロール、キシベノロール、2-(3-(1,1-ジメチルエチル)-アミノ-2-ヒドロキシプロポキシ)-3-ピリデンカルボニトリルHCl、1-ブチルアミノ-3-(2,5-ジクロロフェノキシ)-2-プロパノール、1-イソプロピルアミノ-3-(4-(2-シクロプロピルメトキシエチル)フェノキシ)-2-プロパノール、3-イソプロピルアミノ-1-(7-メチリンダン-4-イルオキシ)-2-ブタノール、2-(3-t-ブチルアミノ-2-ヒドロキシ-プロピルチオ)-4-(5-カルバモイル-2-チエニル)チアゾール、7-(2-ヒドロキシ-3-t-ブチルアミンプロポキシ)フタリド、Acc 9369、AMO-140、BIB-16S、CP-331684、Fr-172516、ISV-208、L-653328、LM-2616、SB-226552、SR-58894A、SR-59230A、TZC-5665、UK-1745、YM-430等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なβ-アドレナリンアンタゴニストは文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0215】
いくつかの態様では、β-アドレナリンアンタゴニストはアテノロール、ビソプロロール、カルベジロール、メトプロロール、ネビボロール、プロプラノロールまたはチモロールである。より具体的な態様では、アテノロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約50ミリグラムから約200ミリグラムの量で投与する; ビソプロロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約2.5ミリグラムから約30ミリグラムの量でフマル酸ビソプロロールとして投与する; カルベジロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約3.125ミリグラムから約200ミリグラムの量で投与する; メトプロロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約50ミリグラムから約300ミリグラムの量で酒石酸メトプロロールとして投与する; ネビボロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約2.5ミリグラムから約20ミリグラムの量で塩酸ネビボロールとして投与する; プロプラノロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約40ミリグラムから約240ミリグラムの量で塩酸プロプラノロールとして投与する; チモロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約30ミリグラムの量でマレイン酸チモロールとして投与する。
【0216】
適当なカルシウムチャンネル遮断薬としては、アムロジピン(NORVASC (登録商標))、アニパミル、アラニジピン、アムリノン、アゼルニジピン、バルニジピン、ベンシクラン、ベニジピン、ベプリジル、シルニジピン、シンナリジン、クレンチアゼム、ジルチアゼム、ドタリジン、エホニジピン、エルゴジピン、ファントファロン、フェロジピン、フェンジリン、フルナリジン、フルスピリレン、フルニジピン、ガロパミル、イペノキサゾン、イスラジピン、ラシジピン、レミルジピン、レルカニジピン、ロメリジン、マニジピン、ミベフラジル、モナテピル、ニカルジピン、ニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニバルジピン、オキソジピン、ペルヘキシリン、フェニトイン、フェニトプレニルアミン(phenytprenylamine)、プラニジピン、ラノラジン、リヨシジン、セモチアジル、タモラリジン、塩酸テミベリン、テロジリン、チアパミル、塩酸バタニジピン、ベラパミル、ジコノチド、AE-0047、CAI、JTV-519、CHF-1521、L-651582、NS-7、NW-1015、RO-2933、SB-237376、SL-34.0829-08、S-312d、SD-3212、TA-993、YM-430等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なカルシウムチャンネル遮断薬は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0217】
いくつかの態様では、カルシウムチャンネル遮断薬はアムロジピン、 ジルチアゼム、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ベラパミルである。
【0218】
適当なジギタリスとしてはジゴキシンおよびジゴキシチン(digoxitin)が挙げられるが、これらに限定されることはない。いくつかの態様では、ジゴキシンを投与して、定常状態の血清濃度少なくとも約0.7ナノグラム/mlから約2.0ナノグラム/mlを達成する。
【0219】
適当な利尿薬としては、チアジド(例えば、アルチアジド、ベンドロフルメチアジド、ベンズクロルトリアジド、ベンズヒドロクロロチアジド、ベンズチアジド、ブチアジド、クロロチアジド、シクロペンチアジド(cyclopenethiazide)、シクロチアジド、エピチアジド、エチアジド、ヒドロベンズチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチルクロチアジド、メチルシクロチアジド、ペンフルタジド、ポリチアジド、テクロチアジド、トリクロルメチアジド、トリフルメタジド等など); アリルセム、アンブシド、アミロリド、アミノメトラジン、アゾセミド、ベメチジド、ブメタニド、ブタゾールアミド、ブチジド、カンレノン、カルペリチド、クロルアミノフェナミド、クロラザニル、クロルメロドリン、クロルタリドン、シクレタニド、クロフェナミド、クロパミド、クロレキソロン、コニバプタン、ダグルトリル(daglutril)、ジクロロフェナミド、ジスルファミド、エタクリン酸、エトクスゾラミド、エトゾリン、フェノールドパム、フェンキゾン、フロセミド、インダパミド、メブチジド、メフルシド、メラルライド、メラルライド、メルカプトメリンナトリウム、マーキュマリル酸(mercumallylic acid)、メルサリル、メタゾラミド、メチクラン(meticane)、メトラゾン、モザバプタン、ムゾリミン、N-(5-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アセトアミド、ネシリチド、パマブロム、パラフルチジド、ピレタニド、プロテオブロミン(protheobromine)、キネタゾン、スコパリウス、スピロノラクトン、テオブロミン、チクリナフェン、トルセミド、トルバプタン、トリアムテレン、トリパミド、ウラリチド、キシパミドまたはカリウム、AT 189000、AY 31906、BG 9928、BG 9791、C 2921、DTI 0017、JDL 961、KW 3902、MCC 134、SLV 306、SR 121463、WAY 140288、ZP 120等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当な利尿薬は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0220】
使われる利尿薬に応じて、低カリウム性アルカローシスを回避しながら体液平衡を最適化するために、カリウムを患者に投与することもできる。カリウムの投与は塩化カリウムの形態であっても、または、例えば、バナナもしくはオレンジジュースなどのカリウム含量の高い食料の毎日の摂取によってもよい。これらの化合物の投与方法は米国特許第4,868,179号の中にさらに詳細に記述されており、その特許の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0221】
いくつかの態様では、利尿薬はアミロリド、フロセミド、クロルタリドン、ヒドロクロロチアジドまたはトリアムテレンである。より具体的な態様では、アミロリドを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約5ミリグラムから約15ミリグラムの量で塩酸アミロリドとして投与する; フロセミドを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約600ミリグラムの量で投与する; クロルタリドンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約15ミリグラムから約150ミリグラムの量で投与する; ヒドロクロロチアジドを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約12.5ミリグラムから約300ミリグラムの量で投与する; トリアムテレンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約35ミリグラムから約225ミリグラムの量で投与する。
【0222】
適当なエンドセリンアンタゴニストとしては、アトラセンタン、ボセンタン、ダルセンタン、エンドセリン、エンラセンタン、シタキセンタン、スルホンアミドエンドセリンアンタゴニスト、テゾセンタン、BMS 193884、BQ-123、SQ 28608等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なエンドセリンアンタゴニストは文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0223】
適当なヒドララジン化合物としては、以下に限定されることはないが、下記式を有する化合物が挙げられる。

式中、a、bおよびcは独立して単結合または二重結合であり; R1およびR2はそれぞれ独立して水素、アルキル、エステルまたは複素環であって、アルキル、エステルおよび複素環は本明細書において規定されるとおりであり; R3およびR4はそれぞれ独立して孤立電子対または水素であり、但しR1、R2、R3およびR4の少なくとも一つは水素ではない。典型的なヒドララジン化合物としては、ブドララジン、カドララジン、ジヒドララジン、エンドララジン、ヒドララジン、ピルドララジン、トドララジン等が挙げられる。適当なヒドララジン化合物は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0224】
いくつかの態様では、ヒドララジン化合物はヒドララジンまたは塩酸ヒドララジンなどの薬学的に許容されるその塩である。より具体的な態様では、ヒドララジンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約300ミリグラムの量で塩酸ヒドララジンとして投与する。
【0225】
適当なH2受容体アンタゴニストとしては、ブリマミド、シメチジン、エブロチジン、ファモチジン、ニザチジン、ロキサチジン、ランチジン、チオチジン等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なH2受容体アンタゴニストは文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995, Pgs. 901-915; CD-ROM, 第13版のMerck Indexの中に; およびNitroMed Inc.に委譲された国際公開公報第00/28988号の中に詳細に記述されており、それらの開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0226】
適当な中性エンドペプチダーゼ阻害剤としては、心房性ナトリウム利尿ペプチド、ジアザピン、アゼピノン、エカドトリル、ファシドトリル、ファシドトリラト、オマパトリラト、サムパトリラト、BMS 189,921、Z 13752 A等が挙げられるが、これらに限定されることはない。中性エンドペプチダーゼ阻害剤は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0227】
適当なNSAIDとしては、アセトアミノフェン、アセメタシン、アセクロフェナク、アルミノプロフェン、アンフェナク、ベンダザック、ベノキサプロフェン、ブロンフェナク、ブクロクス酸、ブチブフェン、カルプロフェン、シンメタシン、クロピラク、ジクロフェナク、エトドラク、フェルビナク、フェンクロズ酸、フェンブフェン、フェノプロフェン、フェンチアザク、フルノキサプロフェン、フルルビプロフェン、イブフェナク、イブプロフェン、インドメタシン、イソフェゾラク、イソキセパク、インドプロフェン、ケトプロフェン、ロナゾラク、ロキソプロフェン、メチアジン酸、モフェゾラク、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピラゾラック(pirozolac)、ピルプロフェン、プラノプロフェン、プロチジン酸、サリチルアミド、スリンダク、スプロフェン、スキシブゾン、チアプロフェン酸、トルメチン、キセンブシン、キシモプロフェン、ザルトプロフェン、ゾメピラク、アスピリン、アセメトシン、ブマジゾン、カルプロフェナク、クリダナク、ジフルニサル、エンフェナム酸、フェンドサール、フルフェナム酸、フルニキシン、ゲンチジン酸、ケトロラク、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メサラミン、それらのプロドラッグ等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なNSAIDは文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995, Pgs. 617-657; CD-ROM, 第13版のMerck Indexの中に; ならびにNitroMed Inc.に委譲された米国特許第6,057,347号および第6,297,260号の中に詳細に記述されており、それらの開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0228】
いくつかの態様では、NSAIDはアセトアミノフェン、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ナプロキセンまたはアスピリンである。より具体的な態様では、アセトアミノフェンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約325ミリグラムから約4グラムの量で投与する; ジクロフェナクを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約50ミリグラムから約250ミリグラムの量で投与する; フルルビプロフェンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約100ミリグラムから約300ミリグラムの量で投与する; イブプロフェンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約400ミリグラムから約3.2グラムの量で投与する; インドメタシンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約25ミリグラムから約200ミリグラムの量で投与する; ケトプロフェンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約50ミリグラムから約300ミリグラムの量で投与する; ナプロキセンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約250ミリグラムから約1.5グラムの量で投与する; アスピリンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約2グラムの量で投与する。
【0229】
適当なホスホジエステラーゼ阻害剤としては、フィラミナスト、ピクラミラスト、ロリプラム、Org 20241、MCI-154、ロフルミラスト、トボリノン、ポシカル、リキサジノン、ザプリナスト、シルデナフィル、ピラゾロピリミジノン、モタピゾン、ピモベンダン、ザルダベリン、シグアゾダン、CI 930、EMD 53998、イマゾダン、サテリノン、塩酸ロプリノン、3-ピリジンカルボニトリル誘導体、アセフィリン、アルビフィリン、バミフィリン、デンブフィレン、ジフィリン、ドキソフィリン、エトフィリン、トルバフィリン、テオフィリン、ナンテリノン、ペントキソフィリン、プロキシフィリン、シロスタゾール、シロスタミド、MS 857、ピロキシモン、ミルリノン、アムリノン、トラフェントリン、ジピリダモール、パパベロリン、E4021、チエノピリミジン誘導体、トリフルサル、ICOS-351、テトラヒドロピペラジノ(1,2-b)β-カルボリン-1,4-ジオン誘導体、カルボリン誘導体、2-ピラゾリン-5-オン誘導体、融合ピリダジン誘導体、キナゾリン誘導体、アントラニル酸誘導体、イミダゾキナゾリン誘導体、タダラフィル、バルデナフィル、およびGoodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, Inc. (1995), The Physician's Desk Reference (第49版), Medical Economics (1995), Drug Facts and Comparisons (1993版), Facts and Comparisons (1993)やCD-ROM, 第13版のMerck Indexに記載されるもの等が挙げられるが、これらに限定されることはない。ホスホジエステラーゼ阻害剤ならびにそのニトロソ化および/またはニトロシル化誘導体は、米国特許第5,932,538号、第5,994,294号、第5,874,437号、米国特許第RE 0377234号として再発行されている第5,958,926号、第6,172,060号、第6,197,778号、第6,177,428号、第6,172,068号、第6,221,881号、第6,232,321号、第6,197,782号、第6,133,272号、第6,211,179号、第6,316,457号および第6,331,542号の中にも開示されており、これらの各特許の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0230】
適当なカリウムチャンネル遮断薬としては、ニコランジル、ピナシジル、クロマカリム(BRL 34915)、アプリカリム、ビマカリム、エマカリム、レマカリム、ミノキシジル、ジアゾキシド、9-クロロ-7-(2-クロロフェニル)-5H-ピリミド(5,4,-d) (2)-ベンザゼピン、Ribi、CPG-11952、CGS-9896、ZD 6169、ジアジキシド、Bay X 9227、P1075、Bay X 9228、SDZ PCO 400、WAY-120,491、WAY-120,129、Ro 31-6930、SR 44869、BRL 38226、S 0121、SR 46142A、CGP 42500、SR 44994、フマル酸アルチリド、ロラゼパム、テマゼパム、リルマザホン、ニメタゼパム、ミダゾラム、ロルメタゼパム、ロプラゾラム、フマル酸イブチリド、ハロキサゾラム、フルニトラゼパム、エスタゾラム、ドキセファゼパム、クロナゼパム、シノラゼパム、ブロチゾラム等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なカリウムチャンネル遮断薬は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0231】
適当な血小板減少剤としては、例えば、アンクロド、アニストレプラーゼ、乳酸ビソブリン、ブリノラーゼ、ハーゲマン因子(すなわち、第XII因子)断片、例えば、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、組換えTPA、プラスミン、プラスミノーゲンなどのプラスミノーゲン活性化因子等などの線維素溶解薬; 第Xa因子、因子TFPI、第VIIa因子、第IXc因子、第Va因子、第VIIIa因子の阻害剤、その他の凝固因子の阻害剤等を含むが、これらに限定されない抗血液凝固剤; 例えば、クマリン、クマリン誘導体(例えば、ワルファリンナトリウム)などのビタミンKアンタゴニスト; 例えば、非分画型のおよび低分子量型の両ヘパリンなどのグリコサミノグリカン(glycosoaminoglycans); アルデパリンナトリウム、ビバリルジン、ブロミンジオン、クマリン、ダルテパリンナトリウム、ダナパロイドナトリウム; 塩酸ダゾキシベン、デシルジン、ジクマロール、硫酸エフェガトラン、エノキサパリンナトリウム、イフェトロバン、イフェトロバンナトリウム、リアポレートナトリウム、メシル酸ナファモスタット、フェンプロクモン、スルファチド、チンザパリンナトリウム、レテプラーゼ(retaplase); トリフェナグレル、ワルファリン、デキストラン等; アブシキシマブ、アカデシン、アニパミル、アルガトロバン、アスピリン、クロピドグレル、ジアデノシン5',5'''-P1,P4-テトラリン酸(Ap4A)類似体、ジフィブロチド、二塩酸ジラゼプ、ジピリダモール、ドーパミン、3-メトキシチラミン、グルカゴン、例えば、Ro-43-8857、L-700,462などの糖タンパク質IIb/IIIaアンタゴニスト、イロプロスト、イソカルバサイクリンメチルエステル、イタジグレル、ケタンセリン、BM-13.177、ラミフィバン、リファリジン、モルシドミン、ニフェジピン、オキサグレラート、プロスタグランジン、例えば、レキシパファント、プロスタサイクリン、ピラジン、ピリジノールカルバメート、ReoPro(すなわち、アブシキシマブ)、スルフィンピラゾン、合成化合物BN-50727、BN-52021、CV-4151、E-5510、FK-409、GU-7、KB-2796、KBT-3022、KC-404、KF-4939、OP-41483、TRK-100、TA-3090、TFC-612、ZK-36374、2,4,5,7-テトラチアオクタン、2,4,5,7-テトラチアオクタン2,2-ジオキシド、2,4,5-トリチアヘキサン、テオフィリン、ペントキシフィリン(pentoxifyllin)などの血小板活性化因子アンタゴニスト、例えば、ピコタミド、スロトロバン、チクロピジン、チロフィバン、トラピジル、チクロピジン、トリフェナグレル、トリリノレイン、3-置換 5,6-ビス(4-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアジンなどのトロンボキサンおよびトロンボキサン合成酵素阻害剤; 糖タンパク質IIb/IIIaに対する抗体; 例えば、クロプリドグレル(clopridogrel)などの抗セロトニン薬; スルフィンピラゾン等; アスピリン; ジピリダモール; クロフィブレート; ピリジノールカルバメート; グルカゴン、カフェイン; テオフィリン、ペントキシフィリン; チクロピジン等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0232】
適当なプロトンポンプ阻害剤としては、ジスルプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、レミノプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、チモプラゾール、テナトプラゾール、2-(2-ベンズイミダゾリル)-ピリジン、三環イミダゾール、チエノピリジンベンズイミダゾール、フロロアルコキシ置換ベンズイミダゾール、ジアルコキシベンズイミダゾール、N-置換2-(ピリジルアルケンスルフィニル)ベンズイミダゾール、シクロヘプテンピリジン、5-ピロリル-2-ピリジルメチルスルフィニルベンズイミダゾール、アルキルスルフィニルベンゾイミダゾール、フルオロ−ピリジルメチルスルフィニルベンズイミダゾール、イミダゾ(4,5-b)ピドリジン、RO 18-5362、IY 81149、4-アミノ-3-カルボニルキノリン、4-アミノ-3-アシルナフチリド、4-アミノキノリン、4-アミノ-3-アシルキノリン、3-ブチリル-4-(2-メチルフェニルアミノ)-8-(2-ヒドロキシエトキシ)キノリン、キナゾリン、テトラヒドロイソキノリン-2-イルピリミジン、YH 1885、3-置換1,2,4-チアジアゾロ(4,5-a)ベンズイミダゾール、3-置換イミダゾ(1,2-d)- チアジアゾール、2-スルフィニルニコチンアミド、ピリジルスルフィニルベンズイミダゾール、ピリジルスルフィニルチエノイミダゾール、チエノイミダゾール-トルイジン、4,5-ジヒドロオキサゾール、チエノイミダゾール-トルイジン、Hoe-731、イミダゾ(1,2-a) ピリジン、ピロロ(2,3-b)ピリジン等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なプロトンポンプ阻害剤は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995; CD-ROM, 第13版のMerck Indexの中に; およびNitroMed Inc.に委譲された国際公開公報第00/50037号の中に詳細に記述されており、それらの開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0233】
適当なレニン阻害剤としては、アルドステロン、アリスキレン(SPP-100)、ジテキレン、エナルキレン(enalkrein) (A-64662)、メデュリピン(medullipin)、テルラキレン(terlkiren)、トニン、ザンキレン、RO 42-5892(レミキレン)、 A 62198、A64662、A 65317、A 69729、A 72517 (ザンキレン)、A 74273、CP 80794、CGP 29287、CGP-38560A、EMD 47942、ES 305、ES 1005、ES 8891、FK 906、FK 744、H 113、H-142、KRI 1314、ペプスタチンA、RO 44-9375 (シプロキレン)、RO 42-5892、RO 66-1132、RO 66-1168、SP 500、SP 800、SR-43845、SQ 34017、U 71038、YM-21095、YM-26365、ペプチドの尿素誘導体、非ペプチド結合によって連結されたアミノ酸、ジペプチド誘導体およびトリペプチド誘導体(例えば、Act-A、Act-B、Act-C、ACT-D等)、アミノ酸およびその誘導体、ジオールスルホンアミドおよびスルフィニル、修飾ペプチド、ペプチジルβ-アミノアシルアミノジオールカルバメート、レニンに対するモノクローナル抗体が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なレニン阻害剤は、次の各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,116,835号、第5,114,937号、第5,106,835号、第5,104,869号、第5,095,119号、第5,098,924号、第5,095,006号、第5,089,471号、第5,075,451号、第5,066,643号、第5,063,208号、第4,845,079号、第5,055,466号、第4,980,283号、第4,885,292号、第4,780,401号、第5,071,837号、第5,064,965号、第5,063,207号、第5,036,054号、第5,036,053号、第5,034,512号、および第4,894,437号; および文献、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexに詳細に記述されている。
【0234】
適当なCOX-2阻害剤としては、ニメスリド、セレコキシブ(CELEBREX (登録商標))、エトリコキシブ(ARCOXIA (登録商標))、フロスリド、ルミラコキシブ(PREXIG (登録商標)、COX-189)、パレコキシブ(DYNSTAT (登録商標))、ロフェコキシブ(VIOXX (登録商標))、チラコキシブ(JTE-522)、ヴァルデコキシブ(BEXTRA (登録商標))、ABT 963、BMS 347070、CS 502、DuP 697、GW-406381、NS-386、SC-57666、SC-58125、SC-58635等、ならびにこれらの二つまたはそれ以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なCOX-2阻害剤は、次の各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,344,991号、第5,380,738号、第5,393,790号、第5,409,944号、第5,434,178号、第5,436,265号、第5,466,823号、第5,474,995号、第5,510,368号、第5,536,752号、第5,550,142号、第5,552,422号、第5,604,253号、第5,604,260号、第5,639,780号、第5,932,598号および第6,633,272号、ならびに国際公開公報第94/03387号、第94/15723号、第94/20480号、第94/26731号、第94/27980号、第95/00501号、第95/15316号、第96/03387号、第96/03388号、第96/06840号、第96/21667号、第96/31509号、第96/36623号、第97/14691号、第97/16435号、第01/45703号および第01/87343号; および文献、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexに記載される。
【0235】
いくつかの態様では、COX-2阻害剤はセレコキシブ、エトリコキシブ(etoracoxib)、ルミラコキシブ、パレコキシブ、ロフェコキシブまたはヴァルデコキシブである。より具体的な態様では、セレコキシブを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約100ミリグラムから約800ミリグラムの量で投与する; エトリコキシブを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約50ミリグラムから約200ミリグラムの量で投与する; ルミラコキシブを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約40ミリグラムから約1200ミリグラムの量で投与する; パレコキシブを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約20ミリグラムから約100ミリグラムの量で投与する; ロフェコキシブを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約12.5ミリグラムから約50ミリグラムの量で投与する; ヴァルデコキシブを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約40ミリグラムの量で投与する。
【0236】
本発明は一つまたは複数の薬学的に許容される担体中に(i) 本発明のニトロソ化および/もしくはニトロシル化アンギオテンシンアンタゴニスト化合物または薬学的に許容されるその塩、ならびに(ii) アルドステロンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、利尿薬、およびヒドララジン化合物からなる群より選択される少なくとも一つの化合物を含有する組成物を提供する。本発明の他の態様では、アルドステロンアンタゴニストはエプレレノンまたはスピロノラクトンであり; アンギオテンシンIIアンタゴニストはカンデサルタンシレキセチル、エプロサルタンメシレート、イルベサルタン、ロサルタンカリウム、メドキソミル、テルミサルタン、トランドラプリル、トランドラプリラトまたはバルサルタンであり; アンギオテンシン変換酵素阻害剤は塩酸ベナゼプリル、カプトプリル、マレイン酸エナラプリル、ホシノプリルナトリウム、リシノプリル、塩酸モエキシプリル、塩酸キナプリルであり; β-アドレナリンアンタゴニストはフマル酸ビソプロロール、カルベジロール、酒石酸メトプロロール、塩酸プロプラノロールまたはマレイン酸チモロールであり; 利尿薬は塩酸アミロリド、クロルタリドン、ヒドロクロロチアジドまたはトリアムテレンであり; およびヒドララジン化合物は塩酸ヒドララジンである。
【0237】
本発明は治療的に有効な量の、本明細書に記載の化合物および/または組成物をその必要性がある患者に投与することによって、心血管疾患を治療する方法を提供する。例えば、患者は治療的に有効な量の少なくとも一つのニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物を投与されてもよい。別の態様では、患者は治療的に有効な量の任意でニトロソ化および/またはニトロシル化された少なくとも心血管化合物と、少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物とを投与されてもよい。別の態様では、患者は治療的に有効な量の任意でニトロソ化および/またはニトロシル化された少なくとも一つの心血管化合物と、例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、利尿薬、ジギタリス、心血管エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤、およびこれらの二つまたはそれ以上の組み合わせなどを含むがこれらに限定されない、少なくとも一つの治療薬とを投与されてもよい。別の態様では、患者は治療的に有効な量の任意でニトロソ化および/またはニトロシル化された少なくとも一つの心血管化合物と、少なくとも一つの治療薬と、少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物とを投与されてもよい。一つの態様では、心血管疾患は高血圧、うっ血性心不全および/または拡張機能障害である。任意でニトロソ化および/もしくはニトロシル化された心血管化合物、酸化窒素供与体、ならびに/または治療薬は別々にまたは一つもしくは複数の薬学的に許容される担体中の同一組成物の成分として投与されてもよい。
【0238】
本発明は治療的に有効な量の本明細書に記載の化合物および/または組成物をその必要性がある患者に投与することによって、腎血管性疾患を治療する方法を提供する。例えば、患者は治療的に有効な量の少なくとも一つのニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物を投与されてもよい。別の態様では、患者は治療的に有効な量の任意でニトロソ化および/またはニトロシル化された少なくとも一つの心血管化合物と、少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物とを投与されてもよい。別の態様では、患者は治療的に有効な量の任意でニトロソ化および/またはニトロシル化された少なくとも一つの心血管化合物と、例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤、およびこれらの二つまたはそれ以上の組み合わせなどを含むがこれらに限定されない、少なくとも一つの治療薬とを投与されてもよい。別の態様では、患者は治療的に有効な量の任意でニトロソ化および/またはニトロシル化された少なくとも一つの心血管化合物と、少なくとも一つの治療薬と、少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物とを投与されてもよい。一つの態様では、腎血管性疾患は腎不全または腎機能不全である。任意でニトロソ化および/もしくはニトロシル化された心血管化合物、酸化窒素供与体、ならびに/または治療薬は別々にまたは一つもしくは複数の薬学的に許容される担体中の同一組成物の成分として投与されてもよい。
【0239】
本発明は、治療的に有効な量の本明細書に記載の化合物および/または組成物をその必要性がある患者に投与することによって、糖尿病を治療する; 酸化ストレスから生じる疾患を治療する; 内皮機能障害を治療する; 内皮機能障害によって引き起こされる疾患を治療する; 肝硬変を治療する; 子癇前症を治療する; 骨粗鬆症を治療する; および腎症を治療する方法を提供する。例えば、患者は治療的に有効な量の少なくとも一つのニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物を投与されてもよい。別の態様では、患者は治療的に有効な量の任意でニトロソ化および/またはニトロシル化された少なくとも心血管化合物と、少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物とを投与されてもよい。別の態様では、患者は治療的に有効な量の任意でニトロソ化および/またはニトロシル化された少なくとも一つの心血管化合物と、例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤、およびこれらの二つまたはそれ以上の組み合わせなどを含むがこれらに限定されない、少なくとも一つの治療薬とを投与されてもよい。別の態様では、患者は治療的に有効な量の任意でニトロソ化および/またはニトロシル化された少なくとも一つの心血管化合物と、少なくとも一つの治療薬と、少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物とを投与されてもよい。任意でニトロソ化および/もしくはニトロシル化された心血管化合物、酸化窒素供与体、ならびに/または治療薬は別々にまたは一つもしくは複数の薬学的に許容される担体中の同一組成物の成分として投与されてもよい。
【0240】
別個に投与する場合には、任意でニトロソ化および/もしくはニトロシル化されてもよい心血管化合物、酸化窒素供与体、ならびに/または治療薬は、全体の治療法の一部として、すなわち併用療法としてほぼ同じ時に投与することができる。「ほぼ同じ時」は、それらが全体の治療法の一部として、すなわち併用療法または治療カクテルとして投与される限り、同時に、逐次的に、同じ時に、同じ日の異なる時間に、または異なる日に任意でニトロソ化および/またはニトロシル化されている心血管化合物を投与してもよいことを含む。
【0241】
インビボにおいて投与する場合には、本発明の化合物および組成物は、薬学的に許容される担体と併用して、本明細書に記載する用量で投与することができる。本発明の化合物および組成物を、少なくとも1つの心血管化合物および/または少なくとも1つのニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物および/または少なくとも1つの酸化窒素供与体および/または治療薬との併用として投与する場合には、それらは、治療標的の具体的な疾病状態に有効であることが公知の1つまたは複数の追加の化合物と併用して使用することもできる。酸化窒素供与体、治療薬および/または他の追加の化合物は、ニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物の投与と同時、逐次的、またはその前に投与することができる。
【0242】
本発明の化合物および組成物は、薬学的に許容される従来の無毒性の担体、補助剤、および賦形剤を適宜含有する剤形製剤で、経口、口腔内、非経口、吸入、局所適用、注射、経皮的または直腸内(例えば、坐剤の使用による)を含むが、これらに限定されない利用可能で効果的な任意の送達システムによって投与することができる。非経口には、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射、または注入技法が挙げられる。本発明の一つの態様において、ニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物は経口的、非経口的、または吸入によって投与される。
【0243】
当業者に公知の経皮的な化合物の投与は、化合物の経皮的通過を介して患者の全身の循環に注入する薬学的化合物の送達に関係する。局所投与も、経皮パッチまたはイオン導入装置等の経皮的投与の使用に関係することがある。他の成分を経皮パッチに組み入れることもできる。例えば、1つまたは複数の保存剤またはヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、クロロクレゾール、塩化ベンザルコニウム等を含むがこれらに限定されない抗菌剤と共に、組成物および/または経皮パッチを製剤化することができる。本発明の化合物および組成物の局所投与用の剤形には、クリーム、スプレー、ローション、ゲル、軟膏、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、等を挙げることができる。このような剤形では、本発明の組成物を、例えば保存剤としての1%または2%(wt/wt)ベンジルアルコール、乳化ワックス、グリセリン、パルミチン酸イソプロピル、乳酸、精製水およびソルビトール溶液と混合して、白色で、滑らかで、均一で、不透明なクリームまたはローションを形成することができる。また、本発明の組成物はポリエチレングリコール400を含有することができる。それらを、例えば保存剤としての2%(wt/wt)ベンジルアルコール、白色ワセリン、乳化ワックスおよびテノックス(tenox) II(ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、クエン酸、プロピレングリコール)と混合して軟膏を形成することができる。織パッドまたはロール状の包帯材、例えばガーゼに、溶液、ローション、クリーム、軟膏状の本発明の組成物を含浸させてもよく、または他のこのような形態を局所的な適用に使用してもよい。本発明の組成物は、樹脂性架橋剤を本発明の組成物と共に含浸させ、不浸透性の裏材に積層したアクリル系ポリマー接着剤の1つ等の経皮的システムを使用して、局所的に適用することもできる。
【0244】
本発明の組成物は、樹脂性架橋剤を本発明の組成物と共に浸透させ、不浸透性の裏材に積層したアクリル系ポリマー接着剤の一つなどの経皮的システムを使用して局所的に適用することもできる。特定の態様では、本発明の組成物は経皮パッチとして、より具体的には、徐放性経皮パッチとして投与される。本発明の経皮パッチは、例えば、粘着性マトリックス、ポリマーマトリックス、貯蔵パッチ、マトリックスまたはモノリシック型の積層構造などのいずれかの従来型のものを含むことができ、通常、一つまたは複数の裏打ち層、接着剤、浸透促進剤、任意の速度制御膜および塗布の前に接着剤を露出させるために取り除かれる剥離ライナ(release liner)で構成される。ポリマーマトリックス・パッチは同様に、ポリマーマトリックス成形材料を含む。適当な経皮パッチは、例えば、米国特許第5,262,165号、第5,948,433号、第6,010,715号および第6,071,531号の中に詳細に記述されており、これらの各特許の開示はその全体が本明細書に組み入れられる。
【0245】
経口投与用の固体剤形には、カプセル、徐放性カプセル、錠剤、徐放性の錠剤、咀しゃく錠、舌下錠、発泡性の錠剤、咀嚼錠、ピル、粉末、サシェ、顆粒およびゲルを挙げることができる。このような固体剤形では、作用化合物を、スクロース、ラクトース、またはデンプン等の少なくとも1つの不活性希釈剤と混合することができる。このような剤形は、通常不活性希釈剤以外の追加の物質、例えばステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤を含むことができる。カプセル、錠剤、発泡性の錠剤、およびピルの場合には、剤形は緩衝剤を含むことができる。軟ゼラチンカプセルは、本発明の作用化合物または組成物と植物油の混合物を含有するように製剤化することができる。硬ゼラチンカプセルは、本発明の作用化合物の顆粒を、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、アミロペクチン、ゼラチンのセルロース誘導体等の固体の粉状担体と組み合わせて含有することができる。錠剤およびピルは、腸溶コーティングを用いて製剤化することができる。
【0246】
経口投与用の液体剤形は、当技術分野において通常使用される水等の不活性希釈剤を含有する、薬学的に許容されるエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルを挙げることができる。このような組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、ならびに甘味剤、矯味矯臭剤および芳香剤等の補助剤も含むことができる。
【0247】
小児発熱等を治療するため等の、本発明の化合物および組成物の膣または直腸投与用の坐剤は、本発明の化合物または組成物を、直腸内で融解して薬物を放出するように、室温において固体であり、直腸体温において液体であるカカオ脂およびポリエチレングリコール等の好適な無刺激性賦形剤と混合することによって製剤化することができる。
【0248】
注射用製剤、例えば滅菌注射用の水性または油性懸濁液は、好適な分散剤、湿潤剤、および/または懸濁化剤を使用して公知の技術により製剤化することができる。滅菌注射用製剤は、例えば1,3-ブタンジオール溶液等の、非経口的に許容される無毒性の希釈剤または溶媒の滅菌注射用溶液または懸濁液であってもよい。使用することができる許容される賦形剤および溶媒には、水、リンガー液、および等張性塩化ナトリウム溶液が含まれる。滅菌固定油も、溶媒または懸濁媒体として従来から使用されている。
【0249】
本発明の組成物は、従来の賦形剤、すなわち本発明の作用化合物と有害に反応しない、非経口的な適用に好適な薬学的に許容される有機または無機担体物質をさらに含むことができる。薬学的に許容される好適な担体には、例えば水、塩溶液、アルコール、植物油、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、界面活性剤、ケイ酸、粘性パラフィン、芳香油、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、ペトロエトラル(petroethral)脂肪酸エステル、ヒドロキシメチル-セルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。薬学的製剤は滅菌し、適宜、作用化合物と有害に反応しない補助剤、例えば潤滑剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響する塩、緩衝剤、着色剤、矯味矯臭剤、および/または芳香性物質等と混合することができる。非経口的な適用のために特に好適な賦形剤は、好ましくは油性もしくは水性溶液および懸濁液、エマルジョンまたは植え込み物からなる。水性懸濁液は、懸濁液の粘度を増加する物質を含有することができ、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランを含む。任意で、懸濁剤は安定剤も含有することができる。
【0250】
本発明の組成物は、適宜少量の湿潤剤、乳化剤、および/またはpH緩衝剤も含有することができる。本発明の組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、ピル、カプセル、徐放性製剤、または粉末であってもよい。本発明の組成物は、従来の結合剤およびトリグリセリド等の担体を含有する坐剤として製剤化することができる。経口製剤は、薬学用グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム等の標準的な担体を含むことができる。
【0251】
例えば、リポソームへの封入、マイクロバブル、エマルジョン、微粒子、マイクロカプセル等を含む、種々の送達系が公知であり、本発明の化合物または組成物を投与するために使用することができる。単回投与単位または徐放性剤形として必要な用量を投与することができる。
【0252】
本発明の組成物の生物学的利用能は、好適な賦形剤またはリン脂質もしくは界面活性剤等の物質の存在下において粉砕、製粉、噴霧乾燥等の従来の技法を使用して製剤を微粒化することによって増大させることができる。
【0253】
本発明の徐放性剤形は、治療薬が内部に分散されているマイクロ粒子および/またはナノ粒子を含んでもよく、あるいは純粋な、好ましくは結晶性の、固形状の治療薬を含んでもよい。徐放性投与の場合、純粋な、好ましくは結晶性の、治療薬を含んだマイクロ粒子剤形が好ましい。本発明のこの局面の治療用剤形は、徐放に適した任意の形状のものであってよい。
【0254】
ナノ粒子徐放性治療用剤形は、好ましくは生物分解性をもち、任意には、血管平滑筋細胞に結合し、これらの細胞内にまず第1に飲食作用により進入する。プレリソソーム小胞およびリソソーム内で経時的(例えば、30から120日; または10から21日)に、ナノ粒子の生物分解が起こる。本発明の好ましいより大きなマイクロ粒子治療用剤形は、より小さなマイクロ粒子のいくつかだけが食作用によって細胞内に入っていく状態で、その後の標的細胞摂取のため、治療薬を放出する。当業者であれば、標的細胞が本発明の剤形を同化し代謝する精確な機構が、これらの細胞の形態学、生理学、および代謝プロセスによって左右されるということが認識されると思われる。粒子徐放性治療用剤形のサイズも同様に、細胞同化様式に関し重要である。例えば、小さい方のナノ粒子は、間質液と共に細胞間を流れ、輸注された組織の中に浸透することができる。大きい方のマイクロ粒子は、輸注された一次組織内で間質にさらに容易に捕捉される傾向をもち、かくして抗増殖性治療薬を送達するのに有用である。
【0255】
本発明の特定の徐放性剤形には、生物分解性マイクロ粒子またはナノ粒子が含まれる。より具体的には、生物分解性マイクロ粒子またはナノ粒子は、治療薬を放出しかくして粒状構造内に孔を形成するランダムな非酵素的加水分解分裂により生物分解するマトリックスを含有するポリマーで形成される。
【0256】
特定の態様では、本発明の組成物は徐放性錠または徐放性カプセルとして経口的に投与される。例えば、この徐放性製剤は治療的に有効な量の少なくとも一つのニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物または薬学的に許容されるその塩と、任意で少なくとも一つの酸化窒素供与体とを含むことができ、あるいはこの徐放性製剤は治療的に有効な量の少なくとも一つのニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物または薬学的に許容されるその塩と、少なくとも一つの酸化窒素供与体と、任意で少なくとも一つの治療薬とを含むことができる。
【0257】
本発明の化合物および組成物は、薬学的に許容される塩の形態として製剤化することができる。薬学的に許容される塩には、例えばアルカリ金属塩および遊離酸、または遊離塩基の添加塩が挙げられる。薬学的に許容されるという条件付きで、塩の性質は重大ではない。薬学的に許容される好適な酸添加塩は、無機酸または有機酸から調製することができる。このような無機酸の例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸およびリン酸が挙げられるが、これらに限定されない。適当な有機酸には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボニック(embonic)酸(パモン(pamoic)酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、ステアリン酸、アルギン酸、β-ヒドロキシ酪酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ガラクタル酸およびガラクツロン酸等の脂肪族、シクロ脂肪族、芳香族、複素環族、カルボン酸およびスルホン酸類の有機酸が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される好適な塩基添加塩には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛から作製される金属塩、または一級、二級、および三級アミン、環状アミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)、およびプロカイン等から作製される有機塩が挙げられるが、これらに限定されない。これらの塩全ては、例えば適当な酸または塩基を本発明の化合物と反応させることによって対応する化合物から従来の手段によって調製することができる。一つの態様において、本発明の化合物の、薬学的に許容される塩は、硝酸塩を含まない。
【0258】
個々の必要量は変わる場合があるが、本発明の化合物および/または組成物の有効量の最適範囲の設定は当技術分野の範囲内である。一般に、当業者が調節することができる、本発明の化合物および組成物の有効量を提供するために必要な用量は、レシピエントの年齢、健康状態、身体状態、性別、食餌、体重、機能不全の程度、治療頻度、ならびに患者の機能不全または疾病、医学的な状態の性質および範囲、投与経路、使用する特定の化合物の活性、効果、薬学動態的および毒性プロファイル、薬物送達システムを使用するかどうか、および本発明の化合物を薬物併用の一部として投与するかどうかにより変わる。
【0259】
特定の疾患または状態を治療する際に有効である本発明の所定のニトロソ化および/またはニトロシル化心血管化合物の量は、疾患または状態の性質に依存し、GoodmanおよびGilman、上記、The Physician's Desk Reference、Medical Economics Company, Inc.、Oradell、N. J.、 1995年、およびDrug Facts and Comparisons, Inc.、St. Louis、MO、1993年を参照することを含む、標準的な臨床技法によって設定することができる。製剤に使用する正確な用量も、投与経路および疾病または疾患の重篤度に依存し、医師および患者の状況によって決定されるべきである。
【0260】
本発明は同様に、少なくとも、一つまたは複数の任意でニトロソ化および/またはニトロシル化された新規の心血管化合物、ならびに一つまたは複数の本明細書に記載のNO供与体を含む、本発明の薬学的化合物および/または組成物の一つまたは複数の成分で充填された一つまたは複数の容器を含んだ薬学的キットを提供する。さらなる治療薬または組成物(例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤等、ならびにこれらの二つまたはそれ以上の組み合わせ)、その組成物を投与する装置、およびヒト用の製造、使用または販売に関する当局による承認を反映する薬剤または生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府当局が規定する形態の通知が、このようなキットに付随する場合がある。
【0261】
本明細書において引用または記述した各特許、特許出願および刊行物の開示は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0262】
本発明を詳細に記述してきたが、当業者であれば、数多くの変更および改良を本発明に加えられること、ならびにそのような変更および改良は本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく加えられることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)、(II)もしくは(III)の化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、
式中で、式(I)の化合物は以下であり:

式中:
X3は以下であり:

(7) -N(D1)-C(O)-N(D1)-CH2-CH2-CH3;
(8) -C(O)-U3D1;
(9) -C(O)-CH2-NH(D1);
(10) -S(O)2-N(D1)-C(O)-C6H5;
(11) -S(O)2-N(D1)-C(O)-ND1-CH2-CH2-CH3; または
(12) -S(O)2-N(D1)-OD1;
D4はD1、-C(O)-CH2-NH(D1)または-C(C6H5)3であり;
Z3は炭素、-CHまたは窒素原子であり;
R10はフッ素または水素原子であり;
Y3は以下であり:




Z4はC-R29または窒素であり;
R11は以下であり:
(1) -CH2-OD1;
(2) -C(O)-U3D1;
(3) -C(O)-O-CH(CH3)-O-C(O)-OR13; または
(4) -CH2-N(D1)-C(O)-OR13;
R12は塩素、-SCH3またはハロアルキルであり;
R13は低級アルキルまたはKであり;
R14は低級アルキルまたはシクロアルキルであり;
R15は以下であり:
(1) 水素;
(2) 低級アルキル;
(3)

(4)

または
(5) -C(O)-U3D1;
R16は水素、低級アルキル、アルコキシ、-OD1、シアノ、-C(O)-U3D1、NH(D1)またはアルキルカルボニルであり;
R17はアリールまたはシクロアルキルであり;
R18は各出現時において独立して低級アルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボン酸、ヒドロキシアルキル、アリールアルコキシ、アリールアルキルまたはアリールから選択され;
R19は水素または-C(O)-U3D1であり;
R20は水素、低級アルキルまたは-C(O)-U3D1であり;
R21は以下であり:

R22は水素、-C(O)-U3D1または

であり;
R23は低級アルキルまたはアルコキシアルキルであり;
R24は水素、アルキルまたはアリールであり;
R25は-(CH2)2-OD1または

であり;
R26は水素、低級アルキル、低級ハロアルキル、アリールまたはアリールアルキルであり;
R27は低級アルキル、アリール、アリールアルキルまたは-(CH2)k-C(O)U3D1であり;
R28は-OD1、-S(O)2-N(D1)H、-N(D1)H、-C(O)-U3D1またはCH2-OD1であり;
R29は水素、低級アルキルまたは-C(O)U3D1であり;
R30は低級アルキルまたはハロアルキルであり;
R31は以下であり:

o1は0から3の整数であり;
kは1から3の整数であり;
D1は水素、V3またはKであり;
Kは-(W3)a-Eb-(C(Re)(Rf))p1-Ec-(C(Re)(Rf))x-(W3)d-(C(Re)(Rf))y-(W3)i-Ej-(W3)g-(C(Re)(Rf))z-U3-V3であり;
V3は-NOまたは-NO2であり;
a、b、c、d、g、iおよびjはそれぞれ独立して0から3の整数であり;
p1、x、yおよびzはそれぞれ独立して0から10の整数であり;
W3は各出現時において独立して-C(O)-、-C(S)-、-T3-、-(C(Re)(Rf))h-、アルキル基、アリール基、複素環、アリール複素環、または-(CH2CH2O)q1-であり;
Eは各出現時において独立して-T3-、アルキル基、アリール基、-(C(Re)(Rf))h-、複素環、アリール複素環、または-(CH2CH2O)ql-であり;
T3は各出現時において独立して共有結合、カルボニル、酸素、-S(O)o-または-N(Ra)Riであり;
hは1から10の整数であり;
q1は1から5の整数であり;
ReおよびRfはそれぞれ独立して水素、アルキル、シクロアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール複素環、アルキルアリール、アルキルシクロアルキル、アルキル複素環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルチオ、アリールアルキルチオ(arylalklythio)、アリールアルキルチオアルキル(arylalklythioalkyl)、アルキルチオアルキル、シクロアルケニル、複素環アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルコキシハロアルキル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アリールアルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、アミノアルキル、アミノアリール、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アミジル、カルボキシル、カルバモイル、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、エステル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、スルホンアミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホン酸エステル、アルキルエステル、アリールエステル、尿素、ホスホリル、ニトロ、Kであり、またはReおよびRfはこれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル、メタンチアル(methanthial)、複素環、シクロアルキル基、アリール基、オキシム、ヒドラゾンもしくは架橋シクロアルキル基を形成し;
U3は各出現時において独立して酸素、-S(O)o-または-N(Ra)Riであり;
oは0から2の整数であり;
Raは孤立電子対、水素またはアルキル基であり;
Riは水素、アルキル、アリール、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アルキルアリール、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホンアミド、カルボキサミド、カルボン酸エステル、アミノアルキル、アミノアリール、-CH2-C(U3-V3)(Re)(Rf)、隣接原子との結合であってその原子に二重結合をもたらす結合、-(N2O2-)-・M1+であり、式中でM1+は有機または無機陽イオンであり; ならびに
式(I)の化合物が少なくとも一つのNO基、および/または少なくとも一つのNO2基を含まなければならないという条件で、式中において少なくとも一つのNO基および/または少なくとも一つのNO2基は酸素原子、窒素原子または硫黄原子を介して化合物に連結され; および
式(II)の化合物は以下であり:

式中:
U3およびD1は本明細書において規定されるとおりであり; ならびに
式(II)の化合物が少なくとも一つのNO基、および/または少なくとも一つのNO2基を含まなければならないという条件で、式中において少なくとも一つのNO基および/または少なくとも一つのNO2基は酸素原子、窒素原子または硫黄原子を介して化合物に連結され; および
式(III)の化合物は以下であり:

式中:
X3およびY3は本明細書において規定されるとおりであり; ならびに
式(III)の化合物が少なくとも一つのNO基、および/または少なくとも一つのNO2基を含まなければならないという条件で、式中において少なくとも一つのNO基および/または少なくとも一つのNO2基は酸素原子、窒素原子または硫黄原子を介して化合物に連結される。
【請求項2】
請求項1記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む組成物。
【請求項3】
式(I)の化合物はニトロソ化アビテサルタン、ニトロシル化アビテサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化アビテサルタン、ニトロソ化カンデサルタン、ニトロシル化カンデサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化カンデサルタン、ニトロソ化エリサルタン、ニトロシル化エリサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化エリサルタン、ニトロソ化エムブサルタン、ニトロシル化エムブサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化エムブサルタン、ニトロソ化エノルタソサルタン、ニトロシル化エノルタソサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化エノルタソサルタン、ニトロソ化フォンサルタン、ニトロシル化フォンサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化フォンサルタン、ニトロソ化フォラサルタン、ニトロシル化フォラサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化フォラサルタン、ニトロソ化グリシルロサルタン、ニトロシル化グリシルロサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化グリシルロサルタン、ニトロソ化イルベサルタン、ニトロシル化イルベサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化イルベサルタン、ニトロソ化ロサルタン、ニトロシル化ロサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化ロサルタン、ニトロソ化オルメサルタン、ニトロシル化オルメサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化オルメサルタン、ニトロソ化ミルファサルタン、ニトロシル化ミルファサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化ミルファサルタン、ニトロソ化リピサルタン、ニトロシル化リピサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化リピサルタン、ニトロソ化タソサルタン、ニトロシル化タソサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化タソサルタン、ニトロソ化テルミサルタン、ニトロシル化テルミサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化テルミサルタン、ニトロソ化バルサルタン、ニトロシル化バルサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化バルサルタン、ニトロソ化SR-47436、ニトロシル化SR-47436、ニトロソ化およびニトロシル化SR-47436、または以下のACS登録番号

の化合物のいずれかのニトロソ化、もしくはニトロシル化、もしくはニトロソ化およびニトロシル化化合物であり; 式(II)の化合物はニトロソ化エプロサルタン、ニトロシル化エプロサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化エプロサルタンであり; 式(III)の化合物はニトロソ化サプリサルタン、ニトロシル化サプリサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化サプリサルタン、ニトロソ化ゾラサルタン(zalasartan)、ニトロシル化ゾラサルタン、ニトロソ化およびニトロシル化ゾラサルタン、または薬学的に許容されるその塩である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
Kが以下である:



R4およびR4'は各出現時において独立して水素、低級アルキル基、-OH、-CH2OH、-ONO2、-NO2もしくは-CH2ONO2であり; またはR4およびR4'はこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキル基または複素環であり;
Vは-C(O)-T-、-T-C(O)-、-T-C(O)-TまたはT-C(O)-C(O)-Tであり;
Wは共有結合またはカルボニル基であり;
Tは各出現時において独立して酸素、(S(O)0)0またはNRjであり;
Rjは水素、アルキル基、アリール基、複素環、アルキルカルボニル基、アルキルアリール基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルフィニル基、アリールスルホニル基、スルホンアミド基、N-アルキルスルホンアミド基、N,N-ジアリールスルホンアミド基、N-アリールスルホンアミド基、N-アルキル-N-アリールスルホンアミド基、カルボキサミド基またはヒドロキシル基であり;
pは各出現時において独立して1から6の整数であり;
qは各出現時において独立して1から3の整数であり;
oは各出現時において独立して0から2の整数であり;
Yは独立して共有結合、カルボニル、酸素、-S(O)O-または-NRjであり;
Bはフェニルまたは(CH2)Oのいずれかであり;
Q'はシクロアルキル基、複素環またはアリール基であり;
Zは(=O)、(=N-OR5)、(=N-NR5R'5)または(=CR5R'5)であり;
MおよびM'はそれぞれ独立して-O-H3N+-(CR4R'4)q-CH2ONO2または-T-(CR4R'4)o-CH2ONO2であり; ならびに
R5およびR5'は各出現時において独立して水素、ヒドロキシル基、アルキル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボン酸エステル、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキサミド基、アルコキシアルキル基、アルコキシアリール基、シクロアルキル基または複素環である、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
Kが以下である:





式中:
Y'は共有結合、カルボニル、酸素、-S(O)O-または-NR6であり;
T'は酸素、硫黄またはNR6であり;
X5は酸素、(S(O)o)oまたはNR6であり;
R6は水素、低級アルキル基、アリール基であり;
R7は低級アルキル基またはアリール基であり;
R8は各出現時において独立して水素、ヒドロキシル基、低級アルキル基、アリール基、-NO2、-CH2-ONO2または-CH2-OHであり;
n'およびm'はそれぞれ独立して0から10の整数であり; ならびに
oは0から2の整数である、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
式(I)の化合物は式(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)、(XV)、(XVI)、(XVII)、(XVIII)もしくは(XIX)の化合物であり; 式(II)の化合物は式(XX)の化合物であり; および式(III)の化合物は式(XXI)もしくは(XXII)の化合物、または薬学的に許容されるその塩であり、
式中で、式(IV)の化合物は以下であり:

および式(V)の化合物は以下であり:

および式(VI)の化合物は以下であり:

および式(VII)の化合物は以下であり:

および式(VIII)の化合物は以下であり:

および式(IX)の化合物は以下であり:

および式(X)の化合物は以下であり:

および式(XI)の化合物は以下であり:

および式(XII)の化合物は以下であり:

および式(XIII)の化合物は以下であり:

および式(XIV)の化合物は以下であり:

および式(XV)の化合物は以下であり:

および式(XVI)の化合物は以下であり:

および式(XVII)の化合物は以下であり:

および式(XVIII)の化合物は以下であり:

および式(XIX)の化合物は以下であり:

および式(XX)の化合物は以下であり:

および式(XXI)の化合物は以下であり:

および式(XXII)の化合物は以下であり:

式中
T'は酸素、硫黄またはNR6であり;
nBuは低級アルキル基CH3-CH2-CH2-CH2-であり;
nPrは低級アルキル基CH3-CH2-CH2-であり;
iPrは低級アルキル基(CH3)2-CH-であり;
OEtはアルコキシ基-OCH2-CH3であり;
R6は水素、低級アルキル基、アリール基であり;
Rm-Rnは一緒になって水素原子であってよく; または
Rnは:
水素または




式中:
R9は低級アルキル基であり;
T'は酸素、硫黄またはNR6であり;
R6は水素、低級アルキル基、アリール基であり; および
但し式(IV)から式(XXII)の化合物は少なくとも一つの-NO2基を含まなければならない、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
治療的に有効な量の請求項2記載の組成物を患者に投与する段階を含む、その必要性がある患者において心血管疾患を治療する方法。
【請求項8】
心血管疾患はうっ血性心不全、再狭窄、高血圧、拡張機能障害、冠動脈疾患、心筋梗塞、脳梗塞、アテローム性動脈硬化、アテローム発生、脳血管疾患、狭心症、動脈瘤、虚血性心疾患、脳虚血、心筋虚血、血栓症、血小板凝集、血小板付着、平滑筋細胞増殖、医療機器の使用に関連する血管性もしくは非血管性合併症、医療機器の使用に関連する創傷、血管壁もしくは非血管壁損傷、末梢血管疾患、経皮経腔冠動脈造影後の新生内膜過形成、血管移植、冠動脈バイパス手術、血栓塞栓事象、血管形成術後の再狭窄、冠状動脈プラーク炎症、高コレステロール血症、塞栓症、脳卒中、ショック、不整脈、心房性細動もしくは心房粗動、または血栓閉塞性および再閉塞性脳血管疾患(reclusion cerebrovascular incident)である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
心血管疾患はうっ血性心不全、高血圧または拡張機能障害である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
治療的に有効な量の請求項2記載の組成物を患者に投与する段階を含む、その必要性がある患者において腎血管性疾患を治療する方法。
【請求項11】
腎血管性疾患は腎不全(renal failure)または腎機能不全(renal insufficiency)である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
治療的に有効な量の請求項2記載の組成物を患者に投与する段階を含む、その必要性がある患者において酸化ストレスから生じる疾患を治療する; 内皮機能障害を治療する; 内皮機能障害によって引き起こされる疾患を治療する; 肝硬変を治療する; 子癇前症を治療する; 骨粗鬆症を治療する; または腎症を治療する方法。
【請求項13】
(i) 少なくとも一つの治療薬; (ii) 少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物; または(iii) 少なくとも一つの治療薬および少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物をさらに含む、請求項2記載の組成物。
【請求項14】
治療薬がアルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤、またはこれらの二つもしくはそれ以上の組み合わせである、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
治療薬がアルドステロンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、利尿薬およびヒドララジン化合物からなる群より選択される少なくとも一つの化合物である、請求項14記載の組成物。
【請求項16】
アルドステロンアンタゴニストはエプレレノンまたはスピロノラクトンであり; アンギオテンシンIIアンタゴニストはカンデサルタンシレキセチル、メシル酸エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタンカリウム、メドキソミル、テルミサルタン、トランドラプリル、トランドラプリラトまたはバルサルタンであり; アンギオテンシン変換酵素阻害剤は塩酸ベナゼプリル、カプトプリル、マレイン酸エナラプリル、フォシノプリルナトリウム、リシノプリル、塩酸モエキシプリル、塩酸キナプリルであり; β-アドレナリンアンタゴニストはフマル酸ビソプロロール、カルベジロール、酒石酸メトプロロール、塩酸プロプラノロールまたはマレイン酸チモロールであり; 利尿薬は塩酸アミロリド、クロルタリドン、ヒドロクロロチアジドまたはトリアムテレンであり; およびヒドララジン化合物は塩酸ヒドララジンである、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
酸化窒素供与体化合物はS-ニトロソチオール、亜硝酸塩、硝酸塩、S-ニトロチオール、シドノニミン、NONOエート、N-ニトロソアミン、N-ヒドロキシルニトロソアミン(N-hydroxyl nitrosamine)、ニトロシミン(nitrosimine)、二酸化ジアゼチン、オキサトリアゾール5-イミン、オキシム、ヒドロキシルアミン、N-ヒドロキシグアニジン、ヒドロキシウレアまたはフロキサン(furoxan)からなる群より選択される、請求項13記載の組成物。
【請求項18】
(i) 少なくとも一つの治療薬; (ii) 少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物; または(iii) 少なくとも一つの治療薬および少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物を投与する段階をさらに含む、請求項7、10または12記載の方法。
【請求項19】
治療薬がアルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤、またはこれらの二つもしくはそれ以上の組み合わせである、請求項18記載の方法。
【請求項20】
治療薬がアルドステロンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、利尿薬およびヒドララジン化合物からなる群より選択される少なくとも一つの化合物である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
アルドステロンアンタゴニストはエプレレノンまたはスピロノラクトンであり; アンギオテンシンIIアンタゴニストはカンデサルタンシレキセチル、メシル酸エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタンカリウム、メドキソミル、テルミサルタン、トランドラプリル、トランドラプリラトまたはバルサルタンであり; アンギオテンシン変換酵素阻害剤は塩酸ベナゼプリル、カプトプリル、マレイン酸エナラプリル、フォシノプリルナトリウム、リシノプリル、塩酸モエキシプリルまたは塩酸キナプリルであり; β-アドレナリンアンタゴニストはフマル酸ビソプロロール、カルベジロール、酒石酸メトプロロール、塩酸プロプラノロールまたはマレイン酸チモロールであり; 利尿薬は塩酸アミロリド、クロルタリドン、ヒドロクロロチアジドまたはトリアムテレンであり; およびヒドララジン化合物は塩酸ヒドララジンである、請求項20記載の方法。
【請求項22】
酸化窒素供与体化合物はS-ニトロソチオール、亜硝酸塩、硝酸塩、S-ニトロチオール、シドノニミン、NONOエート、N-ニトロソアミン、N-ヒドロキシルニトロソアミン(N-hydroxyl nitrosamine)、ニトロシミン(nitrosimine)、二酸化ジアゼチン、オキサトリアゾール5-イミン、オキシム、ヒドロキシルアミン、N-ヒドロキシグアニジン、ヒドロキシウレアまたはフロキサンからなる群より選択される、請求項18記載の方法。
【請求項23】
請求項1記載の少なくとも一つの化合物を含むキット。
【請求項24】
(i) 少なくとも一つの治療薬; (ii) 少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物; または(iii) 少なくとも一つの治療薬および少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物をさらに含む、請求項23記載のキット。
【請求項25】
(i) 少なくとも一つの治療薬; (ii) 少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物; または(iii) 少なくとも一つの治療薬および少なくとも一つの酸化窒素供与体化合物がキット中の別々の成分の形態で存在する、請求項24記載のキット。

【公表番号】特表2007−504135(P2007−504135A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524730(P2006−524730)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/026910
【国際公開番号】WO2005/023182
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(505000044)ニトロメッド インコーポレーティッド (14)
【Fターム(参考)】