ハイブリッド自動車
【課題】インバータとモータジェネレータとを一体化することでエンジンルーム内に搭載スペースを確保し、電気自動車やハイブリッド自動車としての補機バッテリの充電制御を行うDC−DCコンバータを有するハイブリッド自動車を提供する。
【解決手段】ハイブリッド自動車10は、高電圧の電池パック44と、充電監視システム20と、トランクアクスル16と、エアコン用コンプレッサ31と、ヒューズボックス23を介して接続される補機28と、を有している。また、充電監視システム20には、DC−DCコンバータ21と、FLボックス22と、電流センサ26と、DC−DCコンバータ21によって降圧された電力によって充電される鉛電池24と、が設けられている。
【解決手段】ハイブリッド自動車10は、高電圧の電池パック44と、充電監視システム20と、トランクアクスル16と、エアコン用コンプレッサ31と、ヒューズボックス23を介して接続される補機28と、を有している。また、充電監視システム20には、DC−DCコンバータ21と、FLボックス22と、電流センサ26と、DC−DCコンバータ21によって降圧された電力によって充電される鉛電池24と、が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
走行用の高圧バッテリと、補機バッテリと、高圧バッテリからの電力により補機バッテリを充電するDC−DCコンバータと、を備えると共に、モータとインバータとを一体化したハイブリッド自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーや環境問題に対する関心が高まり、排気ガスを出さない電気自動車や、燃料電池自動車及び燃費の良いハイブリッド自動車が注目されるようになった。ここで電気自動車は、バッテリに充電された電力をインバータにて制御しつつモータを駆動するものであり、ハイブリッド自動車は燃料電池による発電又は通常の内燃機関と電気自動車とを組み合わせて、電気自動車の充電作業の煩わしさを解消したものである。
【0003】
ハイブリッド自動車では、エンジンと走行用のモータジェネレータと高圧バッテリと発電機と電力を制御するためのインバータとを備えている。しかし、一般的に高圧バッテリの電圧は数百ボルトと高く車両に搭載されている補機類の電源としては不向きであるため、高圧バッテリとは別に、12ボルトの補機バッテリが搭載されている。また、補機バッテリは高圧バッテリを電源とするDC−DCコンバータにより高圧電圧から降圧して充電される。
【0004】
従来のハイブリッド自動車において、高圧バッテリ、高圧バッテリの電力を制御してモータジェネレータを制御するインバータ等は、搭載スペースと車両の重量バランスを取るため分散して配置されていた。しかし、特許文献1に示すように、車両の重量バランスを保ち、インバータとモータジェネレータとを一体化すると共に、従来別々の冷却系であった冷却システムを共用する技術が開示されている。このように、インバータとモータジェネレータとを一体化することにより小型化され、搭載スペースの確保が容易になった。
【0005】
また、特許文献2には、バッテリの直流電源を電源とする車載用電装装置に関し、バッテリの直流電源をその直流電圧より高い電圧に昇圧するDC−DCコンバータをエンジンルーム内に配置する技術が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、補機バッテリの充電電圧を精度よく制御するために、DC−DCコンバータから補機バッテリに供給される電流を検知し、補機バッテリに供給される電流に応じてDC/DCコンバータの出力電圧を補正する技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2005−333747号公報
【特許文献2】実開昭64−9855号公報
【特許文献3】特開2007−295785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、ハイブリッド自動車のさらなる燃費の改善及び省エネルギー化を図るため、外部交流電源により充電可能なプラグイン・ハイブリッド自動車も開発されるようになった。このような車両では、単にインバータとモータジェネレータと発電機とを一体化するだけでなく、高圧バッテリからDC−DCコンバータ及び補機バッテリ等に接続される車両配線や車両全体の機器の配置の見直しにより車両の軽量化を図り、燃費の改善が必要となる。
【0009】
そこで、インバータとモータジェネレータとを一体化することでエンジンルーム内に搭載スペースを確保し、電気自動車やハイブリッド自動車としての補機バッテリの充電制御を行うDC−DCコンバータを有するハイブリッド自動車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上のような目的を達成するために、本発明に係るハイブリッド自動車は、走行用の高圧バッテリを備えると共に、モータとインバータとを一体化したハイブリッド自動車において、高圧バッテリからの電力により補機バッテリを充電するDC−DCコンバータを補機バッテリに隣接して配置したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るハイブリッド自動車において、エンジンルーム内に補機バッテリとDC−DCコンバータとを設け、補機バッテリの車両後方側にDC−DCコンバータを配置したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るハイブリッド自動車において、DC−DCコンバータは、車両の制御をつかさどる制御装置からの指令に基づき、補機に接続されている補機バッテリとDC−DCコンバータとの間に設けられた電流センサにて検知した電流に応じて補機バッテリの充電及び放電を制御することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るハイブリッド自動車において、エンジンを停止して電気自動車として走行する場合は、補機バッテリへの充電電流を低減させ、ゼロ近傍とすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るハイブリッド自動車において、回生制動中に補機バッテリへの充電電流を通常より大きくして充電することを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明に係るハイブリッド自動車において、外部交流電源を用いて充電する場合、補機バッテリより高圧バッテリを優先して充電させるために、DC−DCコンバータの動作周波数を通常より下げることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明を用いると、高圧バッテリからDC−DCコンバータ及び補機バッテリ等に接続される車両配線や車両全体の機器の配置を見直し、高圧配線の配置及び接続の簡略化、低圧配線の短縮化にいる電圧低下の低減、及び、ラジオノイズ特性の改善が可能となるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0018】
図1はハイブリッド自動車10における充電監視システム20の外観を示している。本発明におけるハイブリッド自動車10の特徴事項の一つは、インバータをトランクアクスルと一体化したことにより車両配線と機器の配置とを変更したことである。
【0019】
図1に示すハイブリッド自動車10では、フロントグリル14,ライト13及びフェンダ11に近い部位に充電監視システムを配置している。充電監視システムは、鉛電池24と、DC−DCコンバータ21と、高電圧のケーブルと高電圧ビューズとを接続するジャンクション・ボックス(以下、JBという。)と、低電圧のケーブルと低電圧ヒューズとを接続するJBであるFLボックスと、を有している。また、充電監視システム20の横には、エンジンのエアフィルタ15やトランクアクスル16等が配置されている。さらに、鉛電池24のグランド端子は、ボディー42のアース点にアースケーブル42によって接地されている。
【0020】
図2はハイブリッド自動車10の構成を示し、ハイブリッド自動車10は、高電圧の電池パック44と、充電監視システム20と、トランクアクスル16と、エアコン用コンプレッサ31と、ヒューズボックス23を介して接続される補機28と、を有している。また、充電監視システム20には、DC−DCコンバータ21と、FLボックス22と、電流センサ26と、DC−DCコンバータ21によって降圧された電力によって充電される鉛電池24と、が設けられている。
【0021】
図2の電池パック44は、車室内に配置され、電池パック44から伸びる高圧電源ケーブルはエンジンルームの機器に接続されている。高圧電源ケーブルはJBを内蔵するDC−DCコンバータ21に接続され、DC−DCコンバータ21からトランクアクスル16及びエアコン用コンプレッサ31等に高電圧電力が供給されている。また、トランクアクスル16には、第1モータジェネレータ17と第2モータジェネレータ18とインバータ19とが一体化されている。
【0022】
本発明で特徴的な事項の一つは、従来、車両を制御する車両コントローラが検知した鉛電池の電圧や電流によりDC−DCコンバータを制御していた構成を変更したことである。具体的には、DC−DCコンバータ21のDC−DCモジュール25を低圧・高圧のJBと一体又は近接配置し、鉛電池24の充放電量を検知する電流センサ26をDC−DCコンバータのCPU27へ接続することで、DC−DCコンバータ21がノイズや変動の少ない情報により精度の高い制御を可能としたことである。このような構成により、高圧配線の簡略化、低圧配線の短縮化による電圧低下の低減及びラジオノイズ特性の改善が可能となった。
【0023】
図3は車両の先頭方向上側から見た充電監視システム20の配置を示し、DC−DCコンバータ21と、FLボックス22と、FLボックス22の下に配置された鉛電池24と、フェンダー側に配置されたヒューズボックス23と、を示している。
【0024】
高電圧の電池パックからの電力は、DC−DCコンバータ21の高圧入力から入力され、インバータを有するトランクアクスルと、エアコン用コンプレッサ等に供給される。また、DC−DCモジュール25は、鉛電池24と補機との間の電流と、DC−DCモジュール25から鉛電池24を充電する際の電流と、をFLボックス22内の電流センサ26にて測定する。また、DC−DCコンバータ、ヒューズ、鉛電池が直近に配置されるため、鉛電池24の入出力管理が容易となる。この構成により充電監視が可能となり、充電監視に基づいて充放電制御を行うことで車両の燃費・効率アップが可能となる。
【0025】
図4はDC−DCコンバータ21の断面図である。高電圧入力コネクタ36は、DC−DCコンバータ21の下部に設けられ、DC−DCコンバータ21にて降圧された電力はDC−DCコンバータ21上部の出力端子から鉛電池24と補機へ供給される。DC−DCコンバータ21には、下から、基板の上に配置された高圧入力端子と高圧ヒューズ32とトランス34とCPU27と出力端子とが配置されている。なお、発熱するトランス34や図示しないトランジスタは放熱フィン35に接続されている。
【0026】
図5と図6には充電監視システムの配置に関するその他のバリエーションを示している。図5は鉛電池24の底部に配置した例であり、図6は鉛電池24の側面に配置した例である。これらの配置で共通な点は、鉛電池24の電極に近い位置にFLボックスを配置し、ヒューズボックス23をヒューズの交換作業を考慮して配置したことである。DC−DCコンバータ21の配置としては、衝突時の安全性を考慮すると図6の側面に配置するより図5の鉛電池の底面に配置する方が良く、図5の鉛電池24の底面に配置するより、図1のように鉛電池24の後方に配置する方がさらに望ましい。これは、バンパー、ライト、鉛電池24及び鉛電池24の取り付けステイ等の構造物変形によるエネルギー吸収が期待でき、高電圧部品の保護が容易となるからである。
【0027】
図7はDC−DCコンバータの出力電圧制御特性を示す。このDC−DCコンバータの特性によると、鉛電池を充電する場合において、DC−DCコンバータの出力電圧は、鉛電池自体の電圧より高い(Vhi)を出力できるが、消費電流が増加して予め決められた定格電流以上を取り出そうとすると出力電圧は急激に減少する。また、鉛電池の出力電圧(Vlo)近傍では、鉛電池への充電量が少ないため、充電中は充電電圧をVloより高めに設定することが必要となる。
【0028】
このような出力電圧制御特性により、本実施形態のDC−DCコンバータでは、次に示す3つの制御を行うこととした。具体的には、(1)EV走行時に鉛電池への充電電流をゼロで制御。(2)HV走行時において、力走時に充電電流をゼロに制御し、回生時に電圧を上げて、定電流又は定電圧充電を制御。(3)プラグイン交流充電時に、補機バッテリへの充電電流を制限する制御、というものである。
【0029】
図8はEV走行時におけるDC−DCコンバータの制御の流れを示すフローチャート図であり、図10はEV走行時におけるDC−DCコンバータの制御波形を示している。本処理は、上述した(1)EV走行時に鉛電池への充電電流をゼロで制御するものである。なお、図10において、上側の波形は充電電流(Ich)を示し、下側の波形は充電電圧(Vch)を示している。
【0030】
図8の処理は、EV走行時は燃費向上のため、高圧の電池パック(高圧電池)から鉛電池への電力持ち出しを減らし、充電電流がゼロになるようDC−DCコンバータの電圧調整を行う。その後、エンジン始動により発電が期待できる場合に定電流及び定電圧モードにて充電を行うことにより、高圧電池による入力電流を低減(1−Vlo/Vhi)させている。
【0031】
図8の処理が実行されると、ステップS10にてハイブリッド自動車の初期設定(ReadyOn)が実行され、正常で有る場合にはステップS12へ移る。ステップS12において、充電電圧(Vch)の状態を検知して充電が必要であるかどうかを判定すると共に、エンジンが停止中であって、モータによる電気自動車としての走行モードであるEV走行である場合には、ステップS14に移り、充電電流制限モード(ステップS14)を実行する。この処理により図10のEV走行時には、充電電圧(Vch)をVloとし、充電電流(Ich)をゼロにすることで、高圧電池の負荷を低減すると共に、充電電流制限の時間積算を開始する。
【0032】
ステップS16において、充電電流制限モードにおいて時間積算が許容時間であるTmin以下であれば充電電流制限モードを継続し、もし、時間積算が平均時間であるTave以上である場合は、ステップS12のEV走行判定に移り、エンジン走行に移っているかどうか判断をした後、ステップS14の充電電流制限モード又はステップS18の低電流充電モードに移る。また、時間積算が放電過多となるTmax以上となった場合には充電を行うため、ステップS18の定電流充電モードに移ることになる。
【0033】
図8のステップS12において、エンジン走行を検出すると、ステップS18の定電流充電モードにて充電を開始する。図10の定電流充電において充電電圧Vchが上昇してVhiに達すると、ステップS20において、定電圧充電に移行する前段階の判定を行う、もし、Vhiに達していると判断すると、ステップS22に移る。ステップS22では、定電圧充電を実行するため、充電電流Ichが減少することになる。ステップS24では、充電電流Ichが充電を継続する必要がない最低電流であるILOWより小さい場合には充電を停止して高圧電池の負荷を低減させることになる。なお、ステップS24の次は、図9のステップS26に移ることになり、ILOWより大きい場合には充電を継続するためのステップS18に戻る。
【0034】
図9はエンジン走行時におけるDC−DCコンバータの制御の流れを示すフローチャート図であり、図11はエンジン走行時におけるDC−DCコンバータの制御波形を示している。図9のステップS26では、充電電流制限モードであり、高圧電池の負荷を低減させているが、Tmin以上となるかをステップS28にて判断し、Tmin以上となると充電を行う前に、放電が開始しているかを確認する。DC−DCコンバータは取り出せる電流値が鉛電池より小さいため、DC−DCコンバータの電流リミッタが作動(ステップS30)することにより鉛電池の放電モードであるステップS32に移る。放電が開始されると、鉛電池からの放電が行われる。その後、電流リミッタ値以上の放電が停止すると、ステップS34の定電流充電モードを実行し、ステップS34の定電圧モードの判断を行う。図11の場合には、ステップS36の定電流充電モード、ステップS38の定電圧充電モード、及びステップS40の最低電流判断処理を順次実行することになる。
【0035】
図12は回生走行時におけるDC−DCコンバータの制御の流れを示し、図13は回生走行時におけるDC−DCコンバータの制御波形を示している。本処理は、上述した(2)HV走行時において力走時に充電電流をゼロに制御し、回生時に充電電圧を上げて、定電流又は定電圧充電を実施するものである。また、通常走行中において、回生中にのみ鉛電池の充電を実施する動作を行うことを特徴とし、その電力メリット((1−Vlo/Vhi)×力走時間比率)は回生と力行との走行時間により求まる。
【0036】
図12のステップS42において、力行と判断すると、ステップS44の充電電流制限モードとなる。その後、走行状態が変化して力行から回生となると、ステップS46において、回生と判断され、上述した定電流・電圧充電モードと同様のステップS48を実行することになる。
【0037】
図14はプラグイン交流充電時におけるDC−DCコンバータの制御の流れを示し、図15はプラグイン交流充電時におけるDC−DCコンバータの制御波形を示している。本発明で特徴的な事項の一つは、プラグイン交流充電時において、容量の大きい高圧電池の充電を優先するために、比較的短時間に終了するであろう鉛電池の充電を急速充電制御により実行し、充電が終了した後は、高圧電池への充電に注力するというものである。これは、上述した(3)プラグイン交流充電時に、補機バッテリへの充電電流を制限することで実現する。
【0038】
外部交流電源から高圧電池を充電する場合において、DC−DCコンバータから補機バッテリへの電流の持ち出しを最小限に抑えるために、無駄なエネルギー消費を低減する処理を実行する。図14の処理が開始すると、ステップS50において、AC充電であるかを判断し、充電と判断した場合には、ステップS52の急速充電制御を実行する。次に、鉛電池のVch電圧によりステップS58の定電流充電モードとなる。この時、図16に示すようなスイッチング動作により一定時間の通電と、可変時間によるスイッチングタイミング調整により動作周波数を下げることによりスイッチイング損失を低減している。特に、プラグイン交流充電中は、車両の補機の電流消費量が少ないため、このような処理を実行しても急激な消費電流の変化がなく、鉛電池を短時間で確実に充電を完了し、始動時に鉛電池への充電(高電圧負荷)を最小に抑えている。
【0039】
図17はDC−DCコンバータによるスイッチング動作を示している。プラグイン交流充電であると判断した場合、電流センサ26による電流値を電流制御部45が読み込み、PLL46によりスイッチング周波数を可変して、PWM制御部47にてDC−DCモジュールの制御を行い、電池パック44へ充電されている高圧負荷を最小に抑えつつ、鉛電池24を充電することが可能となっている。
【0040】
以上、上述したように、本実施形態に係るDC−DCコンバータを用いることにより、高圧バッテリからDC−DCコンバータ及び補機バッテリ等に接続される車両配線や車両全体の機器の配置を見直し、高圧配線の配置及び接続の簡略化、低圧配線の短縮化にいる電圧低下の低減、及び、ラジオノイズ特性の改善が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係るハイブリッド自動車の充電監視システムの外観を示した外観図である。
【図2】本発明の実施形態に係るハイブリッド自動車の構成を示す構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る充電監視システムの構成を示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係るDC−DCコンバータの断面図である。
【図5】本実施形態に係る充電監視システムの配置に関する一例である。
【図6】本実施形態に係る充電監視システムの配置に関する別の一例である。
【図7】本実施形態に係るDC−DCコンバータの出力電圧制御特性の説明図である。
【図8】本実施形態に係るEV走行時におけるDC−DCコンバータの制御の流れを示すフローチャート図である。
【図9】本実施形態に係るEV走行時におけるDC−DCコンバータの制御の流れを示すフローチャート図である。
【図10】本実施形態に係るEV走行時におけるDC−DCコンバータの制御波形を説明する説明図である。
【図11】本実施形態に係るエンジン走行時におけるDC−DCコンバータの制御波形を説明する説明図である。
【図12】本実施形態に係る回生走行時におけるDC−DCコンバータの制御の流れを示すフローチャート図である。
【図13】本実施形態に係る回生走行時におけるDC−DCコンバータの制御波形を説明する説明図である。
【図14】本実施形態に係るプラグイン交流充電時におけるDC−DCコンバータの制御の流れを示すフローチャート図である。
【図15】本実施形態に係るプラグイン交流充電時におけるDC−DCコンバータの制御波形を説明する説明図である。
【図16】本実施形態に係るプラグイン交流充電時におけるDC−DCコンバータのスイッチングによる制御波形を説明する説明図である。
【図17】本実施形態に係るDC−DCコンバータによるスイッチング動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0042】
10 ハイブリッド自動車、11 フェンダ、12 バンパー、13 ライト、14 フロントグリル、15 エアフィルタ、16 トランクアクスル、17 第1モータジェネレータ、18 第2モータジェネレータ、19 インバータ、20 充電監視システム、21 DC−DCコンバータ、22 FLボックス、23 ヒューズボックス、24 鉛電池、25 DC−DCモジュール、26 電流センサ、27 CPU、28 補機、31 エアコン用コンプレッサ、32 高圧ヒューズ、34 トランス、35 放熱フィン、36 高圧入力コネクタ、37 出力コネクタ、38 基板、41 アースケーブル、42 ボディー、44 電池パック、45 電流制御部、46 PLL、47 PWM制御部。
【技術分野】
【0001】
走行用の高圧バッテリと、補機バッテリと、高圧バッテリからの電力により補機バッテリを充電するDC−DCコンバータと、を備えると共に、モータとインバータとを一体化したハイブリッド自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーや環境問題に対する関心が高まり、排気ガスを出さない電気自動車や、燃料電池自動車及び燃費の良いハイブリッド自動車が注目されるようになった。ここで電気自動車は、バッテリに充電された電力をインバータにて制御しつつモータを駆動するものであり、ハイブリッド自動車は燃料電池による発電又は通常の内燃機関と電気自動車とを組み合わせて、電気自動車の充電作業の煩わしさを解消したものである。
【0003】
ハイブリッド自動車では、エンジンと走行用のモータジェネレータと高圧バッテリと発電機と電力を制御するためのインバータとを備えている。しかし、一般的に高圧バッテリの電圧は数百ボルトと高く車両に搭載されている補機類の電源としては不向きであるため、高圧バッテリとは別に、12ボルトの補機バッテリが搭載されている。また、補機バッテリは高圧バッテリを電源とするDC−DCコンバータにより高圧電圧から降圧して充電される。
【0004】
従来のハイブリッド自動車において、高圧バッテリ、高圧バッテリの電力を制御してモータジェネレータを制御するインバータ等は、搭載スペースと車両の重量バランスを取るため分散して配置されていた。しかし、特許文献1に示すように、車両の重量バランスを保ち、インバータとモータジェネレータとを一体化すると共に、従来別々の冷却系であった冷却システムを共用する技術が開示されている。このように、インバータとモータジェネレータとを一体化することにより小型化され、搭載スペースの確保が容易になった。
【0005】
また、特許文献2には、バッテリの直流電源を電源とする車載用電装装置に関し、バッテリの直流電源をその直流電圧より高い電圧に昇圧するDC−DCコンバータをエンジンルーム内に配置する技術が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、補機バッテリの充電電圧を精度よく制御するために、DC−DCコンバータから補機バッテリに供給される電流を検知し、補機バッテリに供給される電流に応じてDC/DCコンバータの出力電圧を補正する技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2005−333747号公報
【特許文献2】実開昭64−9855号公報
【特許文献3】特開2007−295785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、ハイブリッド自動車のさらなる燃費の改善及び省エネルギー化を図るため、外部交流電源により充電可能なプラグイン・ハイブリッド自動車も開発されるようになった。このような車両では、単にインバータとモータジェネレータと発電機とを一体化するだけでなく、高圧バッテリからDC−DCコンバータ及び補機バッテリ等に接続される車両配線や車両全体の機器の配置の見直しにより車両の軽量化を図り、燃費の改善が必要となる。
【0009】
そこで、インバータとモータジェネレータとを一体化することでエンジンルーム内に搭載スペースを確保し、電気自動車やハイブリッド自動車としての補機バッテリの充電制御を行うDC−DCコンバータを有するハイブリッド自動車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上のような目的を達成するために、本発明に係るハイブリッド自動車は、走行用の高圧バッテリを備えると共に、モータとインバータとを一体化したハイブリッド自動車において、高圧バッテリからの電力により補機バッテリを充電するDC−DCコンバータを補機バッテリに隣接して配置したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るハイブリッド自動車において、エンジンルーム内に補機バッテリとDC−DCコンバータとを設け、補機バッテリの車両後方側にDC−DCコンバータを配置したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るハイブリッド自動車において、DC−DCコンバータは、車両の制御をつかさどる制御装置からの指令に基づき、補機に接続されている補機バッテリとDC−DCコンバータとの間に設けられた電流センサにて検知した電流に応じて補機バッテリの充電及び放電を制御することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るハイブリッド自動車において、エンジンを停止して電気自動車として走行する場合は、補機バッテリへの充電電流を低減させ、ゼロ近傍とすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るハイブリッド自動車において、回生制動中に補機バッテリへの充電電流を通常より大きくして充電することを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明に係るハイブリッド自動車において、外部交流電源を用いて充電する場合、補機バッテリより高圧バッテリを優先して充電させるために、DC−DCコンバータの動作周波数を通常より下げることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明を用いると、高圧バッテリからDC−DCコンバータ及び補機バッテリ等に接続される車両配線や車両全体の機器の配置を見直し、高圧配線の配置及び接続の簡略化、低圧配線の短縮化にいる電圧低下の低減、及び、ラジオノイズ特性の改善が可能となるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0018】
図1はハイブリッド自動車10における充電監視システム20の外観を示している。本発明におけるハイブリッド自動車10の特徴事項の一つは、インバータをトランクアクスルと一体化したことにより車両配線と機器の配置とを変更したことである。
【0019】
図1に示すハイブリッド自動車10では、フロントグリル14,ライト13及びフェンダ11に近い部位に充電監視システムを配置している。充電監視システムは、鉛電池24と、DC−DCコンバータ21と、高電圧のケーブルと高電圧ビューズとを接続するジャンクション・ボックス(以下、JBという。)と、低電圧のケーブルと低電圧ヒューズとを接続するJBであるFLボックスと、を有している。また、充電監視システム20の横には、エンジンのエアフィルタ15やトランクアクスル16等が配置されている。さらに、鉛電池24のグランド端子は、ボディー42のアース点にアースケーブル42によって接地されている。
【0020】
図2はハイブリッド自動車10の構成を示し、ハイブリッド自動車10は、高電圧の電池パック44と、充電監視システム20と、トランクアクスル16と、エアコン用コンプレッサ31と、ヒューズボックス23を介して接続される補機28と、を有している。また、充電監視システム20には、DC−DCコンバータ21と、FLボックス22と、電流センサ26と、DC−DCコンバータ21によって降圧された電力によって充電される鉛電池24と、が設けられている。
【0021】
図2の電池パック44は、車室内に配置され、電池パック44から伸びる高圧電源ケーブルはエンジンルームの機器に接続されている。高圧電源ケーブルはJBを内蔵するDC−DCコンバータ21に接続され、DC−DCコンバータ21からトランクアクスル16及びエアコン用コンプレッサ31等に高電圧電力が供給されている。また、トランクアクスル16には、第1モータジェネレータ17と第2モータジェネレータ18とインバータ19とが一体化されている。
【0022】
本発明で特徴的な事項の一つは、従来、車両を制御する車両コントローラが検知した鉛電池の電圧や電流によりDC−DCコンバータを制御していた構成を変更したことである。具体的には、DC−DCコンバータ21のDC−DCモジュール25を低圧・高圧のJBと一体又は近接配置し、鉛電池24の充放電量を検知する電流センサ26をDC−DCコンバータのCPU27へ接続することで、DC−DCコンバータ21がノイズや変動の少ない情報により精度の高い制御を可能としたことである。このような構成により、高圧配線の簡略化、低圧配線の短縮化による電圧低下の低減及びラジオノイズ特性の改善が可能となった。
【0023】
図3は車両の先頭方向上側から見た充電監視システム20の配置を示し、DC−DCコンバータ21と、FLボックス22と、FLボックス22の下に配置された鉛電池24と、フェンダー側に配置されたヒューズボックス23と、を示している。
【0024】
高電圧の電池パックからの電力は、DC−DCコンバータ21の高圧入力から入力され、インバータを有するトランクアクスルと、エアコン用コンプレッサ等に供給される。また、DC−DCモジュール25は、鉛電池24と補機との間の電流と、DC−DCモジュール25から鉛電池24を充電する際の電流と、をFLボックス22内の電流センサ26にて測定する。また、DC−DCコンバータ、ヒューズ、鉛電池が直近に配置されるため、鉛電池24の入出力管理が容易となる。この構成により充電監視が可能となり、充電監視に基づいて充放電制御を行うことで車両の燃費・効率アップが可能となる。
【0025】
図4はDC−DCコンバータ21の断面図である。高電圧入力コネクタ36は、DC−DCコンバータ21の下部に設けられ、DC−DCコンバータ21にて降圧された電力はDC−DCコンバータ21上部の出力端子から鉛電池24と補機へ供給される。DC−DCコンバータ21には、下から、基板の上に配置された高圧入力端子と高圧ヒューズ32とトランス34とCPU27と出力端子とが配置されている。なお、発熱するトランス34や図示しないトランジスタは放熱フィン35に接続されている。
【0026】
図5と図6には充電監視システムの配置に関するその他のバリエーションを示している。図5は鉛電池24の底部に配置した例であり、図6は鉛電池24の側面に配置した例である。これらの配置で共通な点は、鉛電池24の電極に近い位置にFLボックスを配置し、ヒューズボックス23をヒューズの交換作業を考慮して配置したことである。DC−DCコンバータ21の配置としては、衝突時の安全性を考慮すると図6の側面に配置するより図5の鉛電池の底面に配置する方が良く、図5の鉛電池24の底面に配置するより、図1のように鉛電池24の後方に配置する方がさらに望ましい。これは、バンパー、ライト、鉛電池24及び鉛電池24の取り付けステイ等の構造物変形によるエネルギー吸収が期待でき、高電圧部品の保護が容易となるからである。
【0027】
図7はDC−DCコンバータの出力電圧制御特性を示す。このDC−DCコンバータの特性によると、鉛電池を充電する場合において、DC−DCコンバータの出力電圧は、鉛電池自体の電圧より高い(Vhi)を出力できるが、消費電流が増加して予め決められた定格電流以上を取り出そうとすると出力電圧は急激に減少する。また、鉛電池の出力電圧(Vlo)近傍では、鉛電池への充電量が少ないため、充電中は充電電圧をVloより高めに設定することが必要となる。
【0028】
このような出力電圧制御特性により、本実施形態のDC−DCコンバータでは、次に示す3つの制御を行うこととした。具体的には、(1)EV走行時に鉛電池への充電電流をゼロで制御。(2)HV走行時において、力走時に充電電流をゼロに制御し、回生時に電圧を上げて、定電流又は定電圧充電を制御。(3)プラグイン交流充電時に、補機バッテリへの充電電流を制限する制御、というものである。
【0029】
図8はEV走行時におけるDC−DCコンバータの制御の流れを示すフローチャート図であり、図10はEV走行時におけるDC−DCコンバータの制御波形を示している。本処理は、上述した(1)EV走行時に鉛電池への充電電流をゼロで制御するものである。なお、図10において、上側の波形は充電電流(Ich)を示し、下側の波形は充電電圧(Vch)を示している。
【0030】
図8の処理は、EV走行時は燃費向上のため、高圧の電池パック(高圧電池)から鉛電池への電力持ち出しを減らし、充電電流がゼロになるようDC−DCコンバータの電圧調整を行う。その後、エンジン始動により発電が期待できる場合に定電流及び定電圧モードにて充電を行うことにより、高圧電池による入力電流を低減(1−Vlo/Vhi)させている。
【0031】
図8の処理が実行されると、ステップS10にてハイブリッド自動車の初期設定(ReadyOn)が実行され、正常で有る場合にはステップS12へ移る。ステップS12において、充電電圧(Vch)の状態を検知して充電が必要であるかどうかを判定すると共に、エンジンが停止中であって、モータによる電気自動車としての走行モードであるEV走行である場合には、ステップS14に移り、充電電流制限モード(ステップS14)を実行する。この処理により図10のEV走行時には、充電電圧(Vch)をVloとし、充電電流(Ich)をゼロにすることで、高圧電池の負荷を低減すると共に、充電電流制限の時間積算を開始する。
【0032】
ステップS16において、充電電流制限モードにおいて時間積算が許容時間であるTmin以下であれば充電電流制限モードを継続し、もし、時間積算が平均時間であるTave以上である場合は、ステップS12のEV走行判定に移り、エンジン走行に移っているかどうか判断をした後、ステップS14の充電電流制限モード又はステップS18の低電流充電モードに移る。また、時間積算が放電過多となるTmax以上となった場合には充電を行うため、ステップS18の定電流充電モードに移ることになる。
【0033】
図8のステップS12において、エンジン走行を検出すると、ステップS18の定電流充電モードにて充電を開始する。図10の定電流充電において充電電圧Vchが上昇してVhiに達すると、ステップS20において、定電圧充電に移行する前段階の判定を行う、もし、Vhiに達していると判断すると、ステップS22に移る。ステップS22では、定電圧充電を実行するため、充電電流Ichが減少することになる。ステップS24では、充電電流Ichが充電を継続する必要がない最低電流であるILOWより小さい場合には充電を停止して高圧電池の負荷を低減させることになる。なお、ステップS24の次は、図9のステップS26に移ることになり、ILOWより大きい場合には充電を継続するためのステップS18に戻る。
【0034】
図9はエンジン走行時におけるDC−DCコンバータの制御の流れを示すフローチャート図であり、図11はエンジン走行時におけるDC−DCコンバータの制御波形を示している。図9のステップS26では、充電電流制限モードであり、高圧電池の負荷を低減させているが、Tmin以上となるかをステップS28にて判断し、Tmin以上となると充電を行う前に、放電が開始しているかを確認する。DC−DCコンバータは取り出せる電流値が鉛電池より小さいため、DC−DCコンバータの電流リミッタが作動(ステップS30)することにより鉛電池の放電モードであるステップS32に移る。放電が開始されると、鉛電池からの放電が行われる。その後、電流リミッタ値以上の放電が停止すると、ステップS34の定電流充電モードを実行し、ステップS34の定電圧モードの判断を行う。図11の場合には、ステップS36の定電流充電モード、ステップS38の定電圧充電モード、及びステップS40の最低電流判断処理を順次実行することになる。
【0035】
図12は回生走行時におけるDC−DCコンバータの制御の流れを示し、図13は回生走行時におけるDC−DCコンバータの制御波形を示している。本処理は、上述した(2)HV走行時において力走時に充電電流をゼロに制御し、回生時に充電電圧を上げて、定電流又は定電圧充電を実施するものである。また、通常走行中において、回生中にのみ鉛電池の充電を実施する動作を行うことを特徴とし、その電力メリット((1−Vlo/Vhi)×力走時間比率)は回生と力行との走行時間により求まる。
【0036】
図12のステップS42において、力行と判断すると、ステップS44の充電電流制限モードとなる。その後、走行状態が変化して力行から回生となると、ステップS46において、回生と判断され、上述した定電流・電圧充電モードと同様のステップS48を実行することになる。
【0037】
図14はプラグイン交流充電時におけるDC−DCコンバータの制御の流れを示し、図15はプラグイン交流充電時におけるDC−DCコンバータの制御波形を示している。本発明で特徴的な事項の一つは、プラグイン交流充電時において、容量の大きい高圧電池の充電を優先するために、比較的短時間に終了するであろう鉛電池の充電を急速充電制御により実行し、充電が終了した後は、高圧電池への充電に注力するというものである。これは、上述した(3)プラグイン交流充電時に、補機バッテリへの充電電流を制限することで実現する。
【0038】
外部交流電源から高圧電池を充電する場合において、DC−DCコンバータから補機バッテリへの電流の持ち出しを最小限に抑えるために、無駄なエネルギー消費を低減する処理を実行する。図14の処理が開始すると、ステップS50において、AC充電であるかを判断し、充電と判断した場合には、ステップS52の急速充電制御を実行する。次に、鉛電池のVch電圧によりステップS58の定電流充電モードとなる。この時、図16に示すようなスイッチング動作により一定時間の通電と、可変時間によるスイッチングタイミング調整により動作周波数を下げることによりスイッチイング損失を低減している。特に、プラグイン交流充電中は、車両の補機の電流消費量が少ないため、このような処理を実行しても急激な消費電流の変化がなく、鉛電池を短時間で確実に充電を完了し、始動時に鉛電池への充電(高電圧負荷)を最小に抑えている。
【0039】
図17はDC−DCコンバータによるスイッチング動作を示している。プラグイン交流充電であると判断した場合、電流センサ26による電流値を電流制御部45が読み込み、PLL46によりスイッチング周波数を可変して、PWM制御部47にてDC−DCモジュールの制御を行い、電池パック44へ充電されている高圧負荷を最小に抑えつつ、鉛電池24を充電することが可能となっている。
【0040】
以上、上述したように、本実施形態に係るDC−DCコンバータを用いることにより、高圧バッテリからDC−DCコンバータ及び補機バッテリ等に接続される車両配線や車両全体の機器の配置を見直し、高圧配線の配置及び接続の簡略化、低圧配線の短縮化にいる電圧低下の低減、及び、ラジオノイズ特性の改善が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係るハイブリッド自動車の充電監視システムの外観を示した外観図である。
【図2】本発明の実施形態に係るハイブリッド自動車の構成を示す構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る充電監視システムの構成を示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係るDC−DCコンバータの断面図である。
【図5】本実施形態に係る充電監視システムの配置に関する一例である。
【図6】本実施形態に係る充電監視システムの配置に関する別の一例である。
【図7】本実施形態に係るDC−DCコンバータの出力電圧制御特性の説明図である。
【図8】本実施形態に係るEV走行時におけるDC−DCコンバータの制御の流れを示すフローチャート図である。
【図9】本実施形態に係るEV走行時におけるDC−DCコンバータの制御の流れを示すフローチャート図である。
【図10】本実施形態に係るEV走行時におけるDC−DCコンバータの制御波形を説明する説明図である。
【図11】本実施形態に係るエンジン走行時におけるDC−DCコンバータの制御波形を説明する説明図である。
【図12】本実施形態に係る回生走行時におけるDC−DCコンバータの制御の流れを示すフローチャート図である。
【図13】本実施形態に係る回生走行時におけるDC−DCコンバータの制御波形を説明する説明図である。
【図14】本実施形態に係るプラグイン交流充電時におけるDC−DCコンバータの制御の流れを示すフローチャート図である。
【図15】本実施形態に係るプラグイン交流充電時におけるDC−DCコンバータの制御波形を説明する説明図である。
【図16】本実施形態に係るプラグイン交流充電時におけるDC−DCコンバータのスイッチングによる制御波形を説明する説明図である。
【図17】本実施形態に係るDC−DCコンバータによるスイッチング動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0042】
10 ハイブリッド自動車、11 フェンダ、12 バンパー、13 ライト、14 フロントグリル、15 エアフィルタ、16 トランクアクスル、17 第1モータジェネレータ、18 第2モータジェネレータ、19 インバータ、20 充電監視システム、21 DC−DCコンバータ、22 FLボックス、23 ヒューズボックス、24 鉛電池、25 DC−DCモジュール、26 電流センサ、27 CPU、28 補機、31 エアコン用コンプレッサ、32 高圧ヒューズ、34 トランス、35 放熱フィン、36 高圧入力コネクタ、37 出力コネクタ、38 基板、41 アースケーブル、42 ボディー、44 電池パック、45 電流制御部、46 PLL、47 PWM制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行用の高圧バッテリを備えると共に、モータとインバータとを一体化したハイブリッド自動車において、
高圧バッテリからの電力により補機バッテリを充電するDC−DCコンバータを補機バッテリに隣接して配置したことを特徴とするハイブリッド自動車。
【請求項2】
請求項1に記載のハイブリッド自動車において、
エンジンルーム内に補機バッテリとDC−DCコンバータとを設け、補機バッテリの車両後方側にDC−DCコンバータを配置したことを特徴とするハイブリッド自動車。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のハイブリッド自動車において、
DC−DCコンバータは、
車両の制御をつかさどる制御装置からの指令に基づき、補機に接続されている補機バッテリとDC−DCコンバータとの間に設けられた電流センサにて検知した電流に応じて補機バッテリの充電及び放電を制御することを特徴とするハイブリッド自動車。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のハイブリッド自動車において、
エンジンを停止して電気自動車として走行する場合は、補機バッテリへの充電電流を低減させ、ゼロ近傍とすることを特徴とするハイブリッド自動車。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のハイブリッド自動車において、
回生制動中に補機バッテリへの充電電流を通常より大きくして充電することを特徴とするハイブリッド自動車。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のハイブリッド自動車において、
外部交流電源を用いて充電する場合、補機バッテリより高圧バッテリを優先して充電させるために、DC−DCコンバータの動作周波数を通常より下げることを特徴とするハイブリッド自動車。
【請求項1】
走行用の高圧バッテリを備えると共に、モータとインバータとを一体化したハイブリッド自動車において、
高圧バッテリからの電力により補機バッテリを充電するDC−DCコンバータを補機バッテリに隣接して配置したことを特徴とするハイブリッド自動車。
【請求項2】
請求項1に記載のハイブリッド自動車において、
エンジンルーム内に補機バッテリとDC−DCコンバータとを設け、補機バッテリの車両後方側にDC−DCコンバータを配置したことを特徴とするハイブリッド自動車。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のハイブリッド自動車において、
DC−DCコンバータは、
車両の制御をつかさどる制御装置からの指令に基づき、補機に接続されている補機バッテリとDC−DCコンバータとの間に設けられた電流センサにて検知した電流に応じて補機バッテリの充電及び放電を制御することを特徴とするハイブリッド自動車。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のハイブリッド自動車において、
エンジンを停止して電気自動車として走行する場合は、補機バッテリへの充電電流を低減させ、ゼロ近傍とすることを特徴とするハイブリッド自動車。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のハイブリッド自動車において、
回生制動中に補機バッテリへの充電電流を通常より大きくして充電することを特徴とするハイブリッド自動車。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のハイブリッド自動車において、
外部交流電源を用いて充電する場合、補機バッテリより高圧バッテリを優先して充電させるために、DC−DCコンバータの動作周波数を通常より下げることを特徴とするハイブリッド自動車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−36594(P2010−36594A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198006(P2008−198006)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]