ハイブリッド車両の制御装置
【課題】演算に必要な構成の簡略化が可能なハイブリッド車両の制御装置を提供すること。
【解決手段】アクセル開度と自動変速機3の入力回転毎に設定されたエンジン用の目標定常トルクマップとモータジェネレータ用のアシストトルクマップとを備え、これら2つのトルクマップの合計を車両の目標駆動トルクとする演算を行う統合コントローラ20を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、統合コントローラ20は、エンジン効率とモータ効率を合わせたシステム効率が最適となるトルクを基準として設定した最適発電トルクマップとアシストトルクマップとを1つのマップとしたアシスト・発電統合トルクマップを備え、このアシスト・発電統合トルクマップを用いてアシストトルクおよび発電トルクを演算するとともに、アシストトルクを演算する場合は0トルクで下限制限し、前記発電トルクを演算するときは0トルクを上限制限するようにした。
【解決手段】アクセル開度と自動変速機3の入力回転毎に設定されたエンジン用の目標定常トルクマップとモータジェネレータ用のアシストトルクマップとを備え、これら2つのトルクマップの合計を車両の目標駆動トルクとする演算を行う統合コントローラ20を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、統合コントローラ20は、エンジン効率とモータ効率を合わせたシステム効率が最適となるトルクを基準として設定した最適発電トルクマップとアシストトルクマップとを1つのマップとしたアシスト・発電統合トルクマップを備え、このアシスト・発電統合トルクマップを用いてアシストトルクおよび発電トルクを演算するとともに、アシストトルクを演算する場合は0トルクで下限制限し、前記発電トルクを演算するときは0トルクを上限制限するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動輪を駆動する駆動源としてエンジンとモータジェネレータとを備えたハイブリッド車両の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリに蓄えられた電気エネルギで作動するモータジェネレータと、燃料の燃焼によって作動するエンジンとを車両走行時の動力源として備えているハイブリッド車両が知られている。このようなハイブリッド車両では、モータジェネレータを、駆動輪に駆動力を与える側に駆動(力行)させたり、逆に、エンジンや駆動輪から入力される駆動力により発電機として駆動させたりすることが行われている。
【0003】
従来、この充電時のエンジン出力を、蓄電装置および発電機のエネルギ変換効率を考慮した燃料消費量、排出ガス量等のエンジンに関する所定の物理量のシステム全体の効率に基づいて設定するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この従来のハイブリッド車両の制御装置では、エンジンの出力トルクを求めるのにあたり、モータジェネレータによるアシストトルクを減算したり、モータジェネレータによる発電トルクを加算したりして求めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9―98516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の従来のハイブリッド車両の制御装置では、モータジェネレータをモータとして力行させる場合のアシストトルクを求めるためのアシストトルクマップの参照と、モータジェネレータを発電機として用いる場合の発電トルクを求めるための発電トルクマップの参照とを、並列に行っていたために、その演算のための制御装置の容量が大きくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、演算に必要な構成の簡略化が可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のハイブリッド車両の制御装置は、トルク算出部が、エンジン効率とモータ効率を合わせたシステム効率が最適となるトルクを基準として設定した最適発電トルクマップとアシストトルクマップとを1つのマップとしたアシスト・発電統合トルクマップを備え、このアシスト・発電統合トルクマップを用いてアシストトルクおよび発電トルクを演算するとともに、アシストトルクを演算する場合は0トルクで下限制限し、発電トルクを演算するときは0トルクを上限制限することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のハイブリッド車両の制御装置は、アシストトルクの算出と発電トルクの算出を、1枚のアシスト・発電統合トルクマップの参照により行うため、演算に必要な演算装置の容量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のハイブリッド車両の制御装置の一例である実施例1のハイブリッド車両の制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレインを示すパワートレイン構成図である。
【図2】実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示す制御システム構成図である。
【図3】実施例1の制御装置における統合コントローラを示す演算ブロック図である。
【図4】実施例1の制御装置で用いられる目標定常トルクマップを示すマップ図である。
【図5】実施例1の制御装置で用いられるエンジン始動停止線マップを示すマップ図である。
【図6】実施例1の制御装置で用いられるバッテリSOCに対する走行中発電要求出力を示す特性図である。
【図7】実施例1の制御装置で用いられるエンジンの最適燃費線を示す特性図である。
【図8】実施例1に用いた自動変速機における変速線の一例を示す変速マップ図である。
【図9】実施例1の制御装置で用いられるアシストトルクマップと最適発電トルクマップとを統合させたアシスト・発電統合トルクマップを示すマップ図である。
【図10】実施例1の制御装置で用いられるアシスト・発電統合トルクマップにおけるアシスト領域と発電領域と上下限領域との関係を示すトルク特性図である。
【図11】実施例1の制御装置におけるエンジンこもり音NG領域を考慮した最適発電トルクの設定方法の説明するための図であって、目標定常トルクマップに、エンジン吸気こもり音が相対的に大きくなるトルク領域(エンジンこもり音NG領域)を重ねたマップ図である。
【図12】実施例1の制御装置におけるエンジンこもり音NG領域を考慮した最適発電トルクの設定方法を説明するための図であって、最適発電トルクマップと目標定常トルクマップとを足し併せたトルクマップを示すマップ図である。
【図13】実施例1の制御装置の統合コントローラ20の動作点指令部400において、アシスト・発電統合トルクマップを参照して、MG目標トルクおよび目標エンジントルクを算出する構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0012】
まず、構成を説明する。
図1は、本発明のハイブリッド車両の制御装置の一例である実施例1のハイブリッド車両の制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレインを示すパワートレイン構成図である。以下、図1に基づきパワートレイン構成を説明する。
【0013】
実施例1を適用したハイブリッド車両は、図1に示すように、エンジン1と、モータジェネレータ2と、自動変速機3と、第1クラッチ4と、第2クラッチ5と、ディファレンシャルギア6と、駆動輪7,7と、を備えている。
【0014】
実施例1を適用したハイブリッド車両は、エンジンと1モータ・2クラッチを備えたパワートレイン構成であり、走行モードとして、第1クラッチ4の締結によるHEVモード(ハイブリッド車両モード)と、第1クラッチ4の解放によるEVモード(電気車両モード)と、を有する。
【0015】
前記エンジン1は、その出力軸とモータジェネレータ2(略称MG)の入力軸とが、トルク容量可変の第1クラッチ4(略称CL1)を介して連結される。
前記モータジェネレータ2は、その出力軸と自動変速機3(略称AT)の入力軸とが連結される。
前記自動変速機3は、その出力軸にディファレンシャルギア6を介して駆動輪7,7が連結される。自動変速機3は、有段階のギア位置を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り替える有段変速機であり、実施例1では前進7速/後退1速のギア位置を持つ有段変速機を用いている。
【0016】
前記第2クラッチ5(略称CL2)は、自動変速機3のシフト状態に応じて異なる変速機内の動力伝達を担っているトルク容量可変のクラッチ・ブレーキによる締結要素のうちの1つを用いている。これにより自動変速機3は、第1クラッチ4を介して入力されるエンジン1の動力と、モータジェネレータ2から入力される動力を合成して駆動輪7,7へ出力する。
【0017】
前記第1クラッチ4と前記第2クラッチ5とには、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチ等を用いればよい。このパワートレイン系には、第1クラッチ4の接続状態に応じて2つの運転モードがあり、第1クラッチ4の切断状態では、モータジェネレータ2の動力のみで走行するEVモードであり、第1クラッチ4の接続状態では、エンジン1とモータジェネレータ2の動力で走行するHEVモードである。
【0018】
そして、パワートレインには、エンジン1の回転数を検出するエンジン回転センサ10と、モータジェネレータ2の回転数を検出するMG回転センサ11と、自動変速機3の入力軸回転数を検出するAT入力回転センサ12と、自動変速機3の出力軸回転数を検出するAT出力回転センサ13と、が設けられる。
【0019】
図2は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示す制御システム構成図である。以下、図2に基づいて制御システム構成を説明する。
【0020】
この制御システムは、図2に示すように、統合コントローラ20と、エンジンコントローラ21と、モータコントローラ22と、インバータ8と、バッテリ9と、ソレノイドバルブ14と、ソレノイドバルブ15と、アクセル開度センサ17と、ブレーキ油圧センサ23と、SOCセンサ16と、を備えている。
【0021】
前記統合コントローラ20は、パワートレイン系の動作点を統合制御する。この統合コントローラ20では、アクセル開度APOとバッテリ充電状態(バッテリSOC)と、車速VSP(自動変速機出力軸回転数に比例)と、に応じて、運転者が望む駆動力を実現できる運転モードを選択する。そして、モータコントローラ22に目標MGトルクもしくは目標MG回転数を指令し、エンジンコントローラ21に目標エンジントルクを指令し、ソレノイドバルブ14,15に駆動信号を指令する。
【0022】
前記エンジンコントローラ21は、エンジン1を制御する。前記モータコントローラ22は、モータジェネレータ2を制御する。前記インバータ8は、モータジェネレータ2を駆動する。前記バッテリ9は、電気エネルギを蓄える。前記ソレノイドバルブ14は、第1クラッチ4の油圧を制御する。前記ソレノイドバルブ15は、第2クラッチ5の油圧を制御する。前記アクセル開度センサ17は、アクセル開度(APO)を検出する。前記ブレーキ油圧センサ23は、ブレーキ油圧(BPS)を検出する。前記SOCセンサ16は、バッテリ9の充電状態を検出する。
【0023】
図3は、実施例1の統合コントローラ20を示す演算ブロック図である。以下、図3に基づいて統合コントローラ20の構成を説明する。
前記統合コントローラ20は、図3に示すように、目標駆動トルク演算部100と、モード選択部200と、目標発電出力演算部300と、動作点指令部400と、変速制御部500と、を備えている。
【0024】
前記目標駆動トルク演算部100は、図4に示す目標定常トルクマップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPから目標定常トルクを算出する。
【0025】
前記モード選択部200は、図5に示す車速毎のアクセル開度で設定されているエンジン始動停止線マップを用いて、運転モード(HEVモード、EVモード)を演算する。エンジン始動線とエンジン停止線は、エンジン始動線(SOC高、SOC低)とエンジン停止線(SOC高、SOC低)の特性に代表されるように、バッテリSOCが低くなるにつれて、アクセル開度APOが小さくなる方向に低下する特性として設定されている。
また、モード選択部200では、EVモードからHEVモードに遷移するのに伴い、エンジン始動処理を実行して、エンジン1の始動を行なう。
【0026】
このエンジン始動処理は、以下に述べる処理を実行する。
すなわち、EVモード状態で図5に示すエンジン始動線をアクセル開度APOが越えた時点で、第2クラッチ5を半クラッチ状態にスリップさせるように、第2クラッチ5のトルク容量を制御する。そして、第2クラッチ5がスリップ開始したと判断した後に第1クラッチ4の締結を開始してエンジン回転を上昇させる。そして、エンジン回転が初爆可能な回転数に達成したらエンジン1を燃焼作動させ、モータ回転数とエンジン回転数が近くなったところで第1クラッチ4を完全に締結する。その後、第2クラッチ5をロックアップさせてHEVモードに遷移させる。
【0027】
前記目標発電出力演算部300は、図6に示す走行中発電要求出力マップを用いて、バッテリSOCから目標発電出力を演算する。
【0028】
前記動作点指令部400では、アクセル開度APOと目標定常トルク、目標モードと車速VSPと目標発電出力とを入力する。そして、これらの入力情報を動作点到達目標として、過渡的な目標エンジントルクと目標MGトルクと目標CL2トルク容量と目標ATシフト(変速比)とCL1ソレノイド電流指令を演算する。この動作点指令部400における目標エンジントルクおよび目標MGトルクの演算の詳細については後述する。
【0029】
前記変速制御部500は、目標CL2トルク容量と目標変速比とから、これらを達成するように自動変速機3内のソレノイドバルブを駆動制御する。図8に変速制御で用いられる変速線マップの一例を示す。車速VSPとアクセル開度APOから現在のギア位置から次のギア位置をいくつにするか判定し、変速要求があれば変速クラッチを制御して変速させる。
【0030】
次に、本実施例1の特徴部分である動作点指令部400における目標エンジントルクおよび目標MGトルクの演算の詳細を説明する。
本実施例1では、目標MGトルクを、図9に示すアシスト・発電統合トルクマップを用いてアクセル開度APOおよび入力回転数に基づいて求める。このアシスト・発電統合トルクマップは、モータジェネレータ2による力行時のアシストトルクと、回生(発電時)における最適発電トルクマップとを1つにまとめて設定したものである。すなわち、現在のアクセル開度APOに応じたトルク特性線を選択し、このトルク特性線において現在の入力回転数に対応するトルク(アシストトルクまたは発電トルク)を求める。なお、この目標MGトルクは、アシストトルクはプラスの値、発電トルクはマイナスの値で算出される。また、実施例1では、アシスト・発電統合トルクマップを1つのマップとするのにあたり、1枚のマップとして示しているが、1つにマップ化したものであれば、必ずしも1枚のマップでなくてもよい。
【0031】
そして、このアシスト・発電統合トルクマップを用いてアシストトルクを演算する場合には、「0」トルクで下限制限されるように設定され、発電トルクを演算する場合は、「0」トルクで上限制限されるように設定されている。
図10は、このアシストトルクおよび発電トルクとアクセル開度APOとの関係を示すトルク特性図である。このように、アクセル開度APOによっては、トルクがマイナスの領域とプラスの領域に跨るトルク特性を有する。そこで、トルクがマイナスの発電領域と、トルクがプラスのアシスト領域との間の境界領域に、トルク「0」の上下限領域を設定している。これにより、アシストトルクの演算の際には、この上下限領域が下限値(トルク「0」)となり、発電トルクの演算の際には、この上下限領域が上限値(トルク「0」)となる。なお、図においてT○○は、トルクを示しており、具体的な数値の表示を省略したものである。
【0032】
図9に示すアシスト・発電統合トルクマップは、単に最適発電トルクに基づいて設定してもよいが、最適発電トルクマップに対して、以下に述べる必要な付加車両要件を考慮して設定し直すのが好ましい。
そこで、本実施例1では、最適発電トルクの設定において、エンジン吸気こもり音を考慮した設定し直しをしている。
【0033】
このような必要な付加車両要件を考慮した最適発電トルクマップの設定し直しについて図11および図12を用いて説明する。
図11は目標定常トルクマップに、エンジン吸気こもり音が相対的に大きくなるトルク領域(エンジンこもり音NG領域)を重ねたマップ図である。
すなわち、図11は図4に示した目標定常トルクマップに、エンジンこもり音が過大でこのこもり音を発生させたくない領域(エンジンこもり音NG領域)を点線で表示したものを重ねて示している。
最適発電トルクを設定する場合、目標定常トルクが示す走行トルク分に対して、発電トルクを少しずつ上乗せしてシステム効率が最大となる点を探す。
なお、システム効率=エンジン熱効率×発電効率である。
【0034】
例えば、あるアクセル開度の目標定常トルクMTTaにおける回転数Naに対し、発電トルク分を徐々に上乗せしていって、システム効率が最大となるトルクを探す。この例では、Nbの位置が最適発電トルクがNb点であったとする。この場合、このNa点とNb点との間のトルクが、モータジェネレータ2による発電トルクになる。従来は、このようにシステム効率が最大になる点(Nb)を探して最適発電トルクマップを形成している。
【0035】
これに対し、本実施例1では、この最適発電トルクが、エンジンこもり音NG領域に重なった場合には、以下のようにして最適発電トルクを設定し直している。
例えば、あるアクセル開度の目標定常トルクMTTbにおいて、回転数Ncに対して発電トルク分を上乗せした場合に、Ndで示す位置が最適発電トルクであったとする。このNdの位置は、エンジンこもり音NG領域に入っている。このような場合、最適発電トルクを、このNdの手前のNeの位置に設定し直す。したがって、この場合には、このNeとNcとの間のトルクを最適発電トルクとして設定し直す。
このようにして設定した最適発電トルクマップと、目標定常トルクマップとを足し併せたトルクマップの一例を、図12に示している。
【0036】
さらに、本実施例1では、最適発電トルクマップと目標定常トルクマップとを足し併せたトルクマップに対し、アクセル開度APO毎および回転数毎に、トルクの急変箇所が存在する場合は、それをなだらかにする修正(設定し直し)を行っている。
図において、円12aで囲んだ箇所は、その拡大図に示すように、アクセル開度APOを基準として、エンジントルクに山部121と谷部122とが隣り合う急変部分が存在する。そこで、これを緩やかにするために山部121から緩やかに延びる点線で示す修正部123による設定し直しを行っている。
同様に、図において円12bで囲んだ箇所には、回転数を基準として山部124,谷部125,山部126が連続する急変部が存在する。そこで、これを穏やかにするために、山部126から緩やかに延びる点線で示す修正部127による設定し直しを行っている。
【0037】
図13は、動作点指令部400において、上述したアシスト・発電統合トルクマップを参照してMG目標トルクおよび目標エンジントルクを算出する構成を示す回路図である。すなわち、この図に示す部分では、目標駆動トルク演算部100において算出された目標定常トルクに対し、モータジェネレータ2の目標MGトルクであるアシストトルク分を差し引くか、発電トルク分を加算して求めた目標エンジントルクをエンジントルク指令値として出力する。
【0038】
図13において、MGトルク算出部101が、上記アシスト・発電統合トルクマップを参照しアクセル開度APOおよび入力回転数に基づいて目標MGトルクを算出する。そして、上下限制限部102により上記「0」を下限値あるいは上限値とする制限を与えるようにしている。すなわち、この上下限制限部102が、図10に示す上下限領域相当の制限を与えている。
【0039】
減算部103は、目標定常トルクから目標MGトルクを減算する部分である。なお、発電トルクは、マイナス値であるので、減算することで絶対値が加算される。したがって、減算部103の出力が、アシスト・発電統合トルクマップを参照して得られた第1の目標エンジントルクである。
【0040】
一方、並行して目標発電出力演算部300において、図6に示す走行中発電要求出力マップに基づいてバッテリSOCに応じた目標発電出力を演算している。この目標発電出力は、バッテリSOCに応じており、バッテリSOCが所定値以上となると、充電不能となるため発電が制限される。そこで、このようなバッテリSOCにより制限された目標発電出力を回転数で除算して発電トルクを算出している。図13において除算部104がこの除算を行う部分である。
【0041】
さらに、加算部105では、このバッテリSOCに応じて算出された発電トルク(マイナス値)と目標定常駆動トルクとの加算を行って、第2の目標エンジントルクを算出している。
【0042】
比較出力部106では、第1の目標エンジントルクと第2の目標エンジントルクとを比較し、その低い方の値を、最終的な目標エンジントルクとする。そして、動作点指令部400では、この目標エンジントルクをエンジントルク指令値として出力する。したがって、第1の目標エンジントルクが発電トルクを上乗せした値である場合、バッテリSOCに応じた発電トルクを上乗せした第2の目標エンジントルクと比較して、低い方の値をエンジントルク指令値として出力する。
【0043】
また、動作点指令部400では、目標MGトルクを出力するが、この目標MGトルクにあっては、アシストトルクについては上下限制限部102の出力を用いる。一方、発電トルクについては、上下限制限部102の出力と除算部104の出力とにおいて絶対値が低い方の値を用いる。
【0044】
次に、実施例1の作用を説明する。
エンジン1を駆動しての走行時に、統合コントローラ20では、アクセル開度APOおよび回転数に応じ、エンジン最適燃費点となるように、モータジェネレータ2のアシストトルクおよび発電トルクを決定する。
【0045】
このとき、従来は、モータジェネレータ2のアシストトルクおよび発電トルクを決定するのにあたり、それぞれ、アシスト時にはアシストトルクマップを参照し、発電時には発電トルクマップを参照していた。
このため、その分、記憶容量および演算容量を要していた。
【0046】
それに対し、本実施例1では、アシストトルクおよび発電トルクを参照するマップを、アシスト・発電統合トルクマップの1つのみとした。
したがって、統合コントローラ20は、従来のように、個別にアシストトルクおよび発電トルクを参照するものと比較して、記憶容量および演算容量を削減できる。
また、アシストと発電とを1つのモータジェネレータ2で行っているが、それぞれ別のマップで行うものと比較して、アシストから発電、発電からアシストへの切替を円滑に行うことが可能となる。
【0047】
しかも、このアシスト・発電統合トルクマップは、上下限領域を設定し、1つのマップでありながら、アシスト時にマイナス値のアシストトルクが算出されることがないとともに、発電時にプラス値の発電トルクが算出されることがない。
したがって、トルク変動の発生を抑えることができる。
【0048】
次に、実施例1の効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)実施例1のハイブリッド車両の制御装置は、
エンジン1と、
このエンジン1から駆動輪7,7への駆動系の途中に介在され、力行により駆動輪7,7の駆動を行い、回生により発電を行うモータジェネレータ2と、
モータジェネレータ2と駆動輪7,7との間に介装され、変速比が異なる複数の変速段を有する自動変速機3と、
自動変速機3の入力回転数を検出するAT入力回転センサ12、およびアクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ17とを備えた検出部と、
アクセル開度APOと自動変速機3の入力回転毎に設定されたエンジン用の目標定常トルクマップとモータジェネレータ用のアシストトルクマップとを備え、これら2つのトルクマップの合計を車両の目標駆動トルクとする演算を行う統合コントローラ20と、
を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
統合コントローラ20は、エンジン効率とモータ効率を合わせたシステム効率が最適となるトルクを基準として設定した最適発電トルクマップとアシストトルクマップとを1つのマップとしたアシスト・発電統合トルクマップを備え、このアシスト・発電統合トルクマップを用いてアシストトルクおよび発電トルクを演算するとともに、アシストトルクを演算する場合は0トルクで下限制限し、発電トルクを演算するときは0トルクを上限制限することを特徴とする。
したがって、統合コントローラ20は、従来のように、個別にアシストトルクおよび発電トルクを参照するものと比較して、記憶容量および演算容量を削減できる。
また、アシストと発電とを1つのモータジェネレータ2で行っているが、それぞれ別のマップで行うものと比較して、アシストから発電、発電からアシストへの切替を円滑に行うことが可能となる。
しかも、このアシスト・発電統合トルクマップは、上下限領域を設定し、1つのマップでありながら、アシスト時にマイナス値のアシストトルクが算出されることがないとともに、発電時にプラス値の発電トルクが算出されることがない。
【0049】
(2)最適発電トルクマップは、システム効率が最適となるトルクを基準とした上でさらに付加車両要件に応じて設定し直している。
したがって、最適発電トルクマップとアシストトルクマップとを1つのマップとするだけでなく付加車両要件も加えることにより、統合コントローラ20の記憶容量および演算容量を削減できるだけでなく、車両のトータル性能も向上できる。
【0050】
(3)最適発電トルクマップにおける付加車両要件に応じた設定し直しが、最適発電トルクマップにおいてエンジン吸気こもり音が過大となるトルク領域を外して設定し直したことである。
したがって、モータジェネレータ2を発電させる際に、エンジン吸気こもり音が発生するのを抑制できる。
【0051】
(4)付加車両要件に応じた設定し直しが、入力回転数の方向とアクセル開度APOの方向とのトルク急変部分において、この急変を抑える修正である。
したがって、システム効率を基準としたトルク特性に付加車両要件を付加した場合にあっても、エンジントルクの急変の発生を抑えることができる。
【0052】
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0053】
実施例1では、第2クラッチ5を、有段式の自動変速機3に内蔵した摩擦要素の中から選択する例を示した。しかし、自動変速機3とは別に第2クラッチ5を設けても良く、例えば、モータジェネレータ2と変速機入力軸との間に自動変速機3とは別に第2クラッチ5を設ける例や、変速機出力軸と駆動輪の間に自動変速機3とは別に第2クラッチ5を設ける例も含まれる。
【0054】
実施例1では、エンジン1とモータジェネレータ2との間に第1クラッチ4を設け、HEVモードとEVモードを切り替えるようにした例を示した。しかし、HEVモードとEVモードを切り替えるモード切替手段としては、例えば、プラネタリギア等のように、クラッチを用いることなくクラッチ機能を発揮するような差動装置や動力分割装置を用いる例としてもよい。あるいは、このような走行モード切替を行うことなく、エンジンとモータジェネレータとを直結させてもよい。
【0055】
実施例1では、駆動輪として後輪を示したが、前輪、あるいは全輪を駆動輪としたものにも適用することができる。
【0056】
実施例1では、最適発電トルクマップにおける付加車両条件に応じた設定し直しとして、エンジン吸気こもり音が過大となる領域を外した設定し直しと、トルク急変部分をなだらかなトルクに修正する設定し直しを示したが、付加車両条件としては、これらに限定されない。例えば、車両の駆動系の共振周波数領域から外すような設定し直しなど他の付加条件に基づいて設定し直してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 エンジン
2 モータジェネレータ
3 自動変速機
4 第1クラッチ
5 第2クラッチ
6 ディファレンシャルギア
7 駆動輪
8 インバータ
9 バッテリ
10 エンジン回転センサ
11 MG回転センサ
12 AT入力回転センサ
13 AT出力回転センサ
14,15 ソレノイドバルブ
16 SOCセンサ
17 アクセル開度センサ
20 統合コントローラ(トルク算出部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動輪を駆動する駆動源としてエンジンとモータジェネレータとを備えたハイブリッド車両の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリに蓄えられた電気エネルギで作動するモータジェネレータと、燃料の燃焼によって作動するエンジンとを車両走行時の動力源として備えているハイブリッド車両が知られている。このようなハイブリッド車両では、モータジェネレータを、駆動輪に駆動力を与える側に駆動(力行)させたり、逆に、エンジンや駆動輪から入力される駆動力により発電機として駆動させたりすることが行われている。
【0003】
従来、この充電時のエンジン出力を、蓄電装置および発電機のエネルギ変換効率を考慮した燃料消費量、排出ガス量等のエンジンに関する所定の物理量のシステム全体の効率に基づいて設定するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この従来のハイブリッド車両の制御装置では、エンジンの出力トルクを求めるのにあたり、モータジェネレータによるアシストトルクを減算したり、モータジェネレータによる発電トルクを加算したりして求めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9―98516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の従来のハイブリッド車両の制御装置では、モータジェネレータをモータとして力行させる場合のアシストトルクを求めるためのアシストトルクマップの参照と、モータジェネレータを発電機として用いる場合の発電トルクを求めるための発電トルクマップの参照とを、並列に行っていたために、その演算のための制御装置の容量が大きくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、演算に必要な構成の簡略化が可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のハイブリッド車両の制御装置は、トルク算出部が、エンジン効率とモータ効率を合わせたシステム効率が最適となるトルクを基準として設定した最適発電トルクマップとアシストトルクマップとを1つのマップとしたアシスト・発電統合トルクマップを備え、このアシスト・発電統合トルクマップを用いてアシストトルクおよび発電トルクを演算するとともに、アシストトルクを演算する場合は0トルクで下限制限し、発電トルクを演算するときは0トルクを上限制限することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のハイブリッド車両の制御装置は、アシストトルクの算出と発電トルクの算出を、1枚のアシスト・発電統合トルクマップの参照により行うため、演算に必要な演算装置の容量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のハイブリッド車両の制御装置の一例である実施例1のハイブリッド車両の制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレインを示すパワートレイン構成図である。
【図2】実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示す制御システム構成図である。
【図3】実施例1の制御装置における統合コントローラを示す演算ブロック図である。
【図4】実施例1の制御装置で用いられる目標定常トルクマップを示すマップ図である。
【図5】実施例1の制御装置で用いられるエンジン始動停止線マップを示すマップ図である。
【図6】実施例1の制御装置で用いられるバッテリSOCに対する走行中発電要求出力を示す特性図である。
【図7】実施例1の制御装置で用いられるエンジンの最適燃費線を示す特性図である。
【図8】実施例1に用いた自動変速機における変速線の一例を示す変速マップ図である。
【図9】実施例1の制御装置で用いられるアシストトルクマップと最適発電トルクマップとを統合させたアシスト・発電統合トルクマップを示すマップ図である。
【図10】実施例1の制御装置で用いられるアシスト・発電統合トルクマップにおけるアシスト領域と発電領域と上下限領域との関係を示すトルク特性図である。
【図11】実施例1の制御装置におけるエンジンこもり音NG領域を考慮した最適発電トルクの設定方法の説明するための図であって、目標定常トルクマップに、エンジン吸気こもり音が相対的に大きくなるトルク領域(エンジンこもり音NG領域)を重ねたマップ図である。
【図12】実施例1の制御装置におけるエンジンこもり音NG領域を考慮した最適発電トルクの設定方法を説明するための図であって、最適発電トルクマップと目標定常トルクマップとを足し併せたトルクマップを示すマップ図である。
【図13】実施例1の制御装置の統合コントローラ20の動作点指令部400において、アシスト・発電統合トルクマップを参照して、MG目標トルクおよび目標エンジントルクを算出する構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0012】
まず、構成を説明する。
図1は、本発明のハイブリッド車両の制御装置の一例である実施例1のハイブリッド車両の制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレインを示すパワートレイン構成図である。以下、図1に基づきパワートレイン構成を説明する。
【0013】
実施例1を適用したハイブリッド車両は、図1に示すように、エンジン1と、モータジェネレータ2と、自動変速機3と、第1クラッチ4と、第2クラッチ5と、ディファレンシャルギア6と、駆動輪7,7と、を備えている。
【0014】
実施例1を適用したハイブリッド車両は、エンジンと1モータ・2クラッチを備えたパワートレイン構成であり、走行モードとして、第1クラッチ4の締結によるHEVモード(ハイブリッド車両モード)と、第1クラッチ4の解放によるEVモード(電気車両モード)と、を有する。
【0015】
前記エンジン1は、その出力軸とモータジェネレータ2(略称MG)の入力軸とが、トルク容量可変の第1クラッチ4(略称CL1)を介して連結される。
前記モータジェネレータ2は、その出力軸と自動変速機3(略称AT)の入力軸とが連結される。
前記自動変速機3は、その出力軸にディファレンシャルギア6を介して駆動輪7,7が連結される。自動変速機3は、有段階のギア位置を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り替える有段変速機であり、実施例1では前進7速/後退1速のギア位置を持つ有段変速機を用いている。
【0016】
前記第2クラッチ5(略称CL2)は、自動変速機3のシフト状態に応じて異なる変速機内の動力伝達を担っているトルク容量可変のクラッチ・ブレーキによる締結要素のうちの1つを用いている。これにより自動変速機3は、第1クラッチ4を介して入力されるエンジン1の動力と、モータジェネレータ2から入力される動力を合成して駆動輪7,7へ出力する。
【0017】
前記第1クラッチ4と前記第2クラッチ5とには、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチ等を用いればよい。このパワートレイン系には、第1クラッチ4の接続状態に応じて2つの運転モードがあり、第1クラッチ4の切断状態では、モータジェネレータ2の動力のみで走行するEVモードであり、第1クラッチ4の接続状態では、エンジン1とモータジェネレータ2の動力で走行するHEVモードである。
【0018】
そして、パワートレインには、エンジン1の回転数を検出するエンジン回転センサ10と、モータジェネレータ2の回転数を検出するMG回転センサ11と、自動変速機3の入力軸回転数を検出するAT入力回転センサ12と、自動変速機3の出力軸回転数を検出するAT出力回転センサ13と、が設けられる。
【0019】
図2は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示す制御システム構成図である。以下、図2に基づいて制御システム構成を説明する。
【0020】
この制御システムは、図2に示すように、統合コントローラ20と、エンジンコントローラ21と、モータコントローラ22と、インバータ8と、バッテリ9と、ソレノイドバルブ14と、ソレノイドバルブ15と、アクセル開度センサ17と、ブレーキ油圧センサ23と、SOCセンサ16と、を備えている。
【0021】
前記統合コントローラ20は、パワートレイン系の動作点を統合制御する。この統合コントローラ20では、アクセル開度APOとバッテリ充電状態(バッテリSOC)と、車速VSP(自動変速機出力軸回転数に比例)と、に応じて、運転者が望む駆動力を実現できる運転モードを選択する。そして、モータコントローラ22に目標MGトルクもしくは目標MG回転数を指令し、エンジンコントローラ21に目標エンジントルクを指令し、ソレノイドバルブ14,15に駆動信号を指令する。
【0022】
前記エンジンコントローラ21は、エンジン1を制御する。前記モータコントローラ22は、モータジェネレータ2を制御する。前記インバータ8は、モータジェネレータ2を駆動する。前記バッテリ9は、電気エネルギを蓄える。前記ソレノイドバルブ14は、第1クラッチ4の油圧を制御する。前記ソレノイドバルブ15は、第2クラッチ5の油圧を制御する。前記アクセル開度センサ17は、アクセル開度(APO)を検出する。前記ブレーキ油圧センサ23は、ブレーキ油圧(BPS)を検出する。前記SOCセンサ16は、バッテリ9の充電状態を検出する。
【0023】
図3は、実施例1の統合コントローラ20を示す演算ブロック図である。以下、図3に基づいて統合コントローラ20の構成を説明する。
前記統合コントローラ20は、図3に示すように、目標駆動トルク演算部100と、モード選択部200と、目標発電出力演算部300と、動作点指令部400と、変速制御部500と、を備えている。
【0024】
前記目標駆動トルク演算部100は、図4に示す目標定常トルクマップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPから目標定常トルクを算出する。
【0025】
前記モード選択部200は、図5に示す車速毎のアクセル開度で設定されているエンジン始動停止線マップを用いて、運転モード(HEVモード、EVモード)を演算する。エンジン始動線とエンジン停止線は、エンジン始動線(SOC高、SOC低)とエンジン停止線(SOC高、SOC低)の特性に代表されるように、バッテリSOCが低くなるにつれて、アクセル開度APOが小さくなる方向に低下する特性として設定されている。
また、モード選択部200では、EVモードからHEVモードに遷移するのに伴い、エンジン始動処理を実行して、エンジン1の始動を行なう。
【0026】
このエンジン始動処理は、以下に述べる処理を実行する。
すなわち、EVモード状態で図5に示すエンジン始動線をアクセル開度APOが越えた時点で、第2クラッチ5を半クラッチ状態にスリップさせるように、第2クラッチ5のトルク容量を制御する。そして、第2クラッチ5がスリップ開始したと判断した後に第1クラッチ4の締結を開始してエンジン回転を上昇させる。そして、エンジン回転が初爆可能な回転数に達成したらエンジン1を燃焼作動させ、モータ回転数とエンジン回転数が近くなったところで第1クラッチ4を完全に締結する。その後、第2クラッチ5をロックアップさせてHEVモードに遷移させる。
【0027】
前記目標発電出力演算部300は、図6に示す走行中発電要求出力マップを用いて、バッテリSOCから目標発電出力を演算する。
【0028】
前記動作点指令部400では、アクセル開度APOと目標定常トルク、目標モードと車速VSPと目標発電出力とを入力する。そして、これらの入力情報を動作点到達目標として、過渡的な目標エンジントルクと目標MGトルクと目標CL2トルク容量と目標ATシフト(変速比)とCL1ソレノイド電流指令を演算する。この動作点指令部400における目標エンジントルクおよび目標MGトルクの演算の詳細については後述する。
【0029】
前記変速制御部500は、目標CL2トルク容量と目標変速比とから、これらを達成するように自動変速機3内のソレノイドバルブを駆動制御する。図8に変速制御で用いられる変速線マップの一例を示す。車速VSPとアクセル開度APOから現在のギア位置から次のギア位置をいくつにするか判定し、変速要求があれば変速クラッチを制御して変速させる。
【0030】
次に、本実施例1の特徴部分である動作点指令部400における目標エンジントルクおよび目標MGトルクの演算の詳細を説明する。
本実施例1では、目標MGトルクを、図9に示すアシスト・発電統合トルクマップを用いてアクセル開度APOおよび入力回転数に基づいて求める。このアシスト・発電統合トルクマップは、モータジェネレータ2による力行時のアシストトルクと、回生(発電時)における最適発電トルクマップとを1つにまとめて設定したものである。すなわち、現在のアクセル開度APOに応じたトルク特性線を選択し、このトルク特性線において現在の入力回転数に対応するトルク(アシストトルクまたは発電トルク)を求める。なお、この目標MGトルクは、アシストトルクはプラスの値、発電トルクはマイナスの値で算出される。また、実施例1では、アシスト・発電統合トルクマップを1つのマップとするのにあたり、1枚のマップとして示しているが、1つにマップ化したものであれば、必ずしも1枚のマップでなくてもよい。
【0031】
そして、このアシスト・発電統合トルクマップを用いてアシストトルクを演算する場合には、「0」トルクで下限制限されるように設定され、発電トルクを演算する場合は、「0」トルクで上限制限されるように設定されている。
図10は、このアシストトルクおよび発電トルクとアクセル開度APOとの関係を示すトルク特性図である。このように、アクセル開度APOによっては、トルクがマイナスの領域とプラスの領域に跨るトルク特性を有する。そこで、トルクがマイナスの発電領域と、トルクがプラスのアシスト領域との間の境界領域に、トルク「0」の上下限領域を設定している。これにより、アシストトルクの演算の際には、この上下限領域が下限値(トルク「0」)となり、発電トルクの演算の際には、この上下限領域が上限値(トルク「0」)となる。なお、図においてT○○は、トルクを示しており、具体的な数値の表示を省略したものである。
【0032】
図9に示すアシスト・発電統合トルクマップは、単に最適発電トルクに基づいて設定してもよいが、最適発電トルクマップに対して、以下に述べる必要な付加車両要件を考慮して設定し直すのが好ましい。
そこで、本実施例1では、最適発電トルクの設定において、エンジン吸気こもり音を考慮した設定し直しをしている。
【0033】
このような必要な付加車両要件を考慮した最適発電トルクマップの設定し直しについて図11および図12を用いて説明する。
図11は目標定常トルクマップに、エンジン吸気こもり音が相対的に大きくなるトルク領域(エンジンこもり音NG領域)を重ねたマップ図である。
すなわち、図11は図4に示した目標定常トルクマップに、エンジンこもり音が過大でこのこもり音を発生させたくない領域(エンジンこもり音NG領域)を点線で表示したものを重ねて示している。
最適発電トルクを設定する場合、目標定常トルクが示す走行トルク分に対して、発電トルクを少しずつ上乗せしてシステム効率が最大となる点を探す。
なお、システム効率=エンジン熱効率×発電効率である。
【0034】
例えば、あるアクセル開度の目標定常トルクMTTaにおける回転数Naに対し、発電トルク分を徐々に上乗せしていって、システム効率が最大となるトルクを探す。この例では、Nbの位置が最適発電トルクがNb点であったとする。この場合、このNa点とNb点との間のトルクが、モータジェネレータ2による発電トルクになる。従来は、このようにシステム効率が最大になる点(Nb)を探して最適発電トルクマップを形成している。
【0035】
これに対し、本実施例1では、この最適発電トルクが、エンジンこもり音NG領域に重なった場合には、以下のようにして最適発電トルクを設定し直している。
例えば、あるアクセル開度の目標定常トルクMTTbにおいて、回転数Ncに対して発電トルク分を上乗せした場合に、Ndで示す位置が最適発電トルクであったとする。このNdの位置は、エンジンこもり音NG領域に入っている。このような場合、最適発電トルクを、このNdの手前のNeの位置に設定し直す。したがって、この場合には、このNeとNcとの間のトルクを最適発電トルクとして設定し直す。
このようにして設定した最適発電トルクマップと、目標定常トルクマップとを足し併せたトルクマップの一例を、図12に示している。
【0036】
さらに、本実施例1では、最適発電トルクマップと目標定常トルクマップとを足し併せたトルクマップに対し、アクセル開度APO毎および回転数毎に、トルクの急変箇所が存在する場合は、それをなだらかにする修正(設定し直し)を行っている。
図において、円12aで囲んだ箇所は、その拡大図に示すように、アクセル開度APOを基準として、エンジントルクに山部121と谷部122とが隣り合う急変部分が存在する。そこで、これを緩やかにするために山部121から緩やかに延びる点線で示す修正部123による設定し直しを行っている。
同様に、図において円12bで囲んだ箇所には、回転数を基準として山部124,谷部125,山部126が連続する急変部が存在する。そこで、これを穏やかにするために、山部126から緩やかに延びる点線で示す修正部127による設定し直しを行っている。
【0037】
図13は、動作点指令部400において、上述したアシスト・発電統合トルクマップを参照してMG目標トルクおよび目標エンジントルクを算出する構成を示す回路図である。すなわち、この図に示す部分では、目標駆動トルク演算部100において算出された目標定常トルクに対し、モータジェネレータ2の目標MGトルクであるアシストトルク分を差し引くか、発電トルク分を加算して求めた目標エンジントルクをエンジントルク指令値として出力する。
【0038】
図13において、MGトルク算出部101が、上記アシスト・発電統合トルクマップを参照しアクセル開度APOおよび入力回転数に基づいて目標MGトルクを算出する。そして、上下限制限部102により上記「0」を下限値あるいは上限値とする制限を与えるようにしている。すなわち、この上下限制限部102が、図10に示す上下限領域相当の制限を与えている。
【0039】
減算部103は、目標定常トルクから目標MGトルクを減算する部分である。なお、発電トルクは、マイナス値であるので、減算することで絶対値が加算される。したがって、減算部103の出力が、アシスト・発電統合トルクマップを参照して得られた第1の目標エンジントルクである。
【0040】
一方、並行して目標発電出力演算部300において、図6に示す走行中発電要求出力マップに基づいてバッテリSOCに応じた目標発電出力を演算している。この目標発電出力は、バッテリSOCに応じており、バッテリSOCが所定値以上となると、充電不能となるため発電が制限される。そこで、このようなバッテリSOCにより制限された目標発電出力を回転数で除算して発電トルクを算出している。図13において除算部104がこの除算を行う部分である。
【0041】
さらに、加算部105では、このバッテリSOCに応じて算出された発電トルク(マイナス値)と目標定常駆動トルクとの加算を行って、第2の目標エンジントルクを算出している。
【0042】
比較出力部106では、第1の目標エンジントルクと第2の目標エンジントルクとを比較し、その低い方の値を、最終的な目標エンジントルクとする。そして、動作点指令部400では、この目標エンジントルクをエンジントルク指令値として出力する。したがって、第1の目標エンジントルクが発電トルクを上乗せした値である場合、バッテリSOCに応じた発電トルクを上乗せした第2の目標エンジントルクと比較して、低い方の値をエンジントルク指令値として出力する。
【0043】
また、動作点指令部400では、目標MGトルクを出力するが、この目標MGトルクにあっては、アシストトルクについては上下限制限部102の出力を用いる。一方、発電トルクについては、上下限制限部102の出力と除算部104の出力とにおいて絶対値が低い方の値を用いる。
【0044】
次に、実施例1の作用を説明する。
エンジン1を駆動しての走行時に、統合コントローラ20では、アクセル開度APOおよび回転数に応じ、エンジン最適燃費点となるように、モータジェネレータ2のアシストトルクおよび発電トルクを決定する。
【0045】
このとき、従来は、モータジェネレータ2のアシストトルクおよび発電トルクを決定するのにあたり、それぞれ、アシスト時にはアシストトルクマップを参照し、発電時には発電トルクマップを参照していた。
このため、その分、記憶容量および演算容量を要していた。
【0046】
それに対し、本実施例1では、アシストトルクおよび発電トルクを参照するマップを、アシスト・発電統合トルクマップの1つのみとした。
したがって、統合コントローラ20は、従来のように、個別にアシストトルクおよび発電トルクを参照するものと比較して、記憶容量および演算容量を削減できる。
また、アシストと発電とを1つのモータジェネレータ2で行っているが、それぞれ別のマップで行うものと比較して、アシストから発電、発電からアシストへの切替を円滑に行うことが可能となる。
【0047】
しかも、このアシスト・発電統合トルクマップは、上下限領域を設定し、1つのマップでありながら、アシスト時にマイナス値のアシストトルクが算出されることがないとともに、発電時にプラス値の発電トルクが算出されることがない。
したがって、トルク変動の発生を抑えることができる。
【0048】
次に、実施例1の効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)実施例1のハイブリッド車両の制御装置は、
エンジン1と、
このエンジン1から駆動輪7,7への駆動系の途中に介在され、力行により駆動輪7,7の駆動を行い、回生により発電を行うモータジェネレータ2と、
モータジェネレータ2と駆動輪7,7との間に介装され、変速比が異なる複数の変速段を有する自動変速機3と、
自動変速機3の入力回転数を検出するAT入力回転センサ12、およびアクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ17とを備えた検出部と、
アクセル開度APOと自動変速機3の入力回転毎に設定されたエンジン用の目標定常トルクマップとモータジェネレータ用のアシストトルクマップとを備え、これら2つのトルクマップの合計を車両の目標駆動トルクとする演算を行う統合コントローラ20と、
を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
統合コントローラ20は、エンジン効率とモータ効率を合わせたシステム効率が最適となるトルクを基準として設定した最適発電トルクマップとアシストトルクマップとを1つのマップとしたアシスト・発電統合トルクマップを備え、このアシスト・発電統合トルクマップを用いてアシストトルクおよび発電トルクを演算するとともに、アシストトルクを演算する場合は0トルクで下限制限し、発電トルクを演算するときは0トルクを上限制限することを特徴とする。
したがって、統合コントローラ20は、従来のように、個別にアシストトルクおよび発電トルクを参照するものと比較して、記憶容量および演算容量を削減できる。
また、アシストと発電とを1つのモータジェネレータ2で行っているが、それぞれ別のマップで行うものと比較して、アシストから発電、発電からアシストへの切替を円滑に行うことが可能となる。
しかも、このアシスト・発電統合トルクマップは、上下限領域を設定し、1つのマップでありながら、アシスト時にマイナス値のアシストトルクが算出されることがないとともに、発電時にプラス値の発電トルクが算出されることがない。
【0049】
(2)最適発電トルクマップは、システム効率が最適となるトルクを基準とした上でさらに付加車両要件に応じて設定し直している。
したがって、最適発電トルクマップとアシストトルクマップとを1つのマップとするだけでなく付加車両要件も加えることにより、統合コントローラ20の記憶容量および演算容量を削減できるだけでなく、車両のトータル性能も向上できる。
【0050】
(3)最適発電トルクマップにおける付加車両要件に応じた設定し直しが、最適発電トルクマップにおいてエンジン吸気こもり音が過大となるトルク領域を外して設定し直したことである。
したがって、モータジェネレータ2を発電させる際に、エンジン吸気こもり音が発生するのを抑制できる。
【0051】
(4)付加車両要件に応じた設定し直しが、入力回転数の方向とアクセル開度APOの方向とのトルク急変部分において、この急変を抑える修正である。
したがって、システム効率を基準としたトルク特性に付加車両要件を付加した場合にあっても、エンジントルクの急変の発生を抑えることができる。
【0052】
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0053】
実施例1では、第2クラッチ5を、有段式の自動変速機3に内蔵した摩擦要素の中から選択する例を示した。しかし、自動変速機3とは別に第2クラッチ5を設けても良く、例えば、モータジェネレータ2と変速機入力軸との間に自動変速機3とは別に第2クラッチ5を設ける例や、変速機出力軸と駆動輪の間に自動変速機3とは別に第2クラッチ5を設ける例も含まれる。
【0054】
実施例1では、エンジン1とモータジェネレータ2との間に第1クラッチ4を設け、HEVモードとEVモードを切り替えるようにした例を示した。しかし、HEVモードとEVモードを切り替えるモード切替手段としては、例えば、プラネタリギア等のように、クラッチを用いることなくクラッチ機能を発揮するような差動装置や動力分割装置を用いる例としてもよい。あるいは、このような走行モード切替を行うことなく、エンジンとモータジェネレータとを直結させてもよい。
【0055】
実施例1では、駆動輪として後輪を示したが、前輪、あるいは全輪を駆動輪としたものにも適用することができる。
【0056】
実施例1では、最適発電トルクマップにおける付加車両条件に応じた設定し直しとして、エンジン吸気こもり音が過大となる領域を外した設定し直しと、トルク急変部分をなだらかなトルクに修正する設定し直しを示したが、付加車両条件としては、これらに限定されない。例えば、車両の駆動系の共振周波数領域から外すような設定し直しなど他の付加条件に基づいて設定し直してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 エンジン
2 モータジェネレータ
3 自動変速機
4 第1クラッチ
5 第2クラッチ
6 ディファレンシャルギア
7 駆動輪
8 インバータ
9 バッテリ
10 エンジン回転センサ
11 MG回転センサ
12 AT入力回転センサ
13 AT出力回転センサ
14,15 ソレノイドバルブ
16 SOCセンサ
17 アクセル開度センサ
20 統合コントローラ(トルク算出部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
このエンジンから駆動輪への駆動系の途中に介在され、力行により前記駆動輪の駆動を行い、回生により発電を行うモータジェネレータと、
前記モータジェネレータと前記駆動輪との間に介装され、変速比が異なる複数の変速段を有する変速機と、
前記変速機の入力回転数を検出するセンサ、およびアクセル開度を検出するセンサとを備えた検出部と、
前記アクセル開度と前記変速機の入力回転毎に設定された前記エンジン用の目標定常トルクマップと前記モータジェネレータ用のアシストトルクマップとを備え、これら2つのトルクマップの合計を車両の目標駆動トルクとする演算を行うトルク算出部と、
を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
前記トルク算出部は、エンジン効率とモータ効率を合わせたシステム効率が最適となるトルクを基準として設定した最適発電トルクマップと前記アシストトルクマップとを1つのマップとしたアシスト・発電統合トルクマップを備え、このアシスト・発電統合トルクマップを用いて前記アシストトルクおよび発電トルクを演算するとともに、前記アシストトルクを演算する場合は0トルクで下限制限し、前記発電トルクを演算するときは0トルクを上限制限することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記最適発電トルクマップは、前記システム効率が最適となるトルクを基準とした上でさらに付加車両要件に応じて設定し直したものであることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記付加車両要件に応じた設定し直しが、前記最適発電トルクマップにおいて前記エンジン吸気こもり音が過大となるトルク領域を外して設定し直したことであることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記付加車両要件に応じた設定し直しが、前記入力回転数の方向と前記アクセル開度の方向とのトルク急変部分において、この急変を抑える修正であることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項1】
エンジンと、
このエンジンから駆動輪への駆動系の途中に介在され、力行により前記駆動輪の駆動を行い、回生により発電を行うモータジェネレータと、
前記モータジェネレータと前記駆動輪との間に介装され、変速比が異なる複数の変速段を有する変速機と、
前記変速機の入力回転数を検出するセンサ、およびアクセル開度を検出するセンサとを備えた検出部と、
前記アクセル開度と前記変速機の入力回転毎に設定された前記エンジン用の目標定常トルクマップと前記モータジェネレータ用のアシストトルクマップとを備え、これら2つのトルクマップの合計を車両の目標駆動トルクとする演算を行うトルク算出部と、
を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
前記トルク算出部は、エンジン効率とモータ効率を合わせたシステム効率が最適となるトルクを基準として設定した最適発電トルクマップと前記アシストトルクマップとを1つのマップとしたアシスト・発電統合トルクマップを備え、このアシスト・発電統合トルクマップを用いて前記アシストトルクおよび発電トルクを演算するとともに、前記アシストトルクを演算する場合は0トルクで下限制限し、前記発電トルクを演算するときは0トルクを上限制限することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記最適発電トルクマップは、前記システム効率が最適となるトルクを基準とした上でさらに付加車両要件に応じて設定し直したものであることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記付加車両要件に応じた設定し直しが、前記最適発電トルクマップにおいて前記エンジン吸気こもり音が過大となるトルク領域を外して設定し直したことであることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記付加車両要件に応じた設定し直しが、前記入力回転数の方向と前記アクセル開度の方向とのトルク急変部分において、この急変を抑える修正であることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−91549(P2012−91549A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238147(P2010−238147)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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