説明

パターン形成方法およびパターン形成装置

【課題】 バス配線と交差するフィンガー配線を形成する際に、そのパターンを厚膜(高アスペクト比)に形成することができるとともに、その交差部における表面が凸凹になることを抑制することができる。
【解決手段】 ステップS30により形成されたフィンガー配線パターン73の高さ寸法を測定(ステップS50)し、この測定結果に基づいてステージ21の高さ位置の調整を行って基板9に対する第2ノズル57の高さ位置を調整する(ステップS60)。その後、第2ノズル57によってバス配線パターン71を形成する(ステップS70)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、太陽電池素子用の基板上に配線パターンなどのパターンを形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、図11(a)に示すように太陽電池素子用の基板9の表面には出力を取り出すための表面用のバス配線91と、このバス配線に対して直交する方向に交差するとともに互いに平行に設けられた複数のフィンガー配線93が形成されている(例えば、特許文献1参照)。基板9は例えばシリコン基板であり、その表面にはn型拡散層が形成され、このn型拡散層の表面にバス配線91とフィンガー配線93が形成されている。また、バス配線91とフィンガー配線93を除くn型拡散層の表面には反射防止膜が形成されている。
【0003】
図11(b)に示すように基板9の裏面には裏面用のバス配線95が形成されている。また、バス配線95を除く基板9の裏面のほぼ全面に集電用電極97が形成されている。
【0004】
また、図12に示すように、一般に太陽電池は複数の基板9a,9b,9cがリード線99によって電気的に接続された太陽電池モジュールとして利用される。例えば、リード線99の一方側は基板9aの表面に形成されたバス配線91aに半田付けされ、リード線99の他方側は基板9bの裏面に形成されたバス配線95bに半田付けされて、基板9aのバス配線91aと基板9bのバス配線95bとがリード線99によって電気的に接続される。
【0005】
上述のバス配線91、フィンガー配線93などの各配線を形成する方法として、スクリーン印刷法を用い、基板上に導電性のペーストを印刷して配線を形成する方法が知られている。スクリーン印刷法により形成されるフィンガー配線は、例えば、その幅が120μmで、その高さが20μmであり、その断面は扁平な凸形状である。
【0006】
近年、太陽電池素子による光電変換効率を向上させるために、上記フィンガー配線93の幅を小さくして、基板9の表面における受光面積を大きくすることが検討されている。しかしながら、フィンガー配線93の幅を小さくすると、フィンガー配線93の断面積が小さくなる。この結果、フィンガー配線93の電気抵抗が大きくなり、フィンガー配線93による集電能力が低下する。
【0007】
集電能力の低下を防止するためにフィンガー配線93を厚膜化することにより、電気抵抗の増加を抑制する方法が考えられる。換言すれば、フィンガー配線93の幅は小さくするが、その高さを大きくして高アスペクト比の配線を形成することによりフィンガー配線93の断面積を大きくし、電気抵抗の増加を抑制する方法が考えられる。しかしながら、スクリーン印刷法により配線を厚膜化することは難しく、高アスペクト比のフィンガー配線93を容易に形成することができない、という問題が発生する。
【0008】
そこで、スクリーン印刷法に替えて、例えば特許文献2に記載されるようなパターン形成方法を用いて配線を形成する方法が考えられる。この方法では基板上に線状に材料を供給するとともに、基板上に供給された材料に光を照射して材料を硬化させることによって、厚膜(高アスペクト比)の配線パターンを形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005‐353851号公報(例えば、図1、図2)
【特許文献2】特開2002‐184303号公報(例えば、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述のパターン形成方法を用いて基板9上にバス配線91を形成した後、このバス配線91上を交差するようにフィンガー配線93を形成すると次のような問題が発生する。すなわち、図13(a)に示すように基板9上に形成されたバス配線91上に複数のフィンガー配線93が積層されて形成される。この結果、バス配線91の表面がフィンガー配線93間の間隔に対応した凸凹形状となる。
【0011】
上述のようにバス配線91の表面が凸凹していると、リード線99がバス配線91の凸部の上面に半田付けられることとなる。凸部上面の幅はフィンガー配線93の幅に対応しているため、その寸法は小さい。この結果、バス配線91に対するリード線99の接触面積が小さくなり、半田付けされる範囲が狭くなる。このように半田付けされる範囲が狭くなると半田付けによる接着力が弱くなり、バス配線91に対してリード線99が十分な強度で接続されないという問題が発生する。
【0012】
本発明の目的は、上述のような点に鑑み、例えばバス配線に対して交差するフィンガー配線のようなパターンを形成する際に、パターンを厚膜(高アスペクト比)に形成することができるとともに、その交差部における表面が凸凹になることを抑制することができるパターン形成方法およびパターン形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に係る発明(パターン形成方法)は、第1ノズルに対して基板を第1方向に相対移動させつつ、パターンを形成するための材料を第1ノズルから基板の主面に線状に供給するとともに、前記材料の供給途中において第1ノズルからの前記材料の供給を停止する期間を設けて、第1方向に延びるとともに間隙を有する第1パターンを基板の主面に形成する第1形成工程と、第1形成工程により形成された第1パターンの基板の主面からの高さ寸法を測定する測定工程と、測定工程により測定された高さ寸法に基づいて、基板の主面に対する第2ノズルの相対的な高さ位置を調整する調整工程と、第2ノズルに対して第1方向と交差する第2方向に基板を相対移動させつつ、調整工程により調整された高さ位置にある第2ノズルから前記間隙に前記材料を線状に供給して、前記間隙において第1パターンと交差するとともに、第2方向に延びる第2パターンを形成する第2形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載されるパターン形成方法において、第1形成工程が、第2方向に沿って配列された複数の第1ノズルに対して基板を第1方向に相対移動させつつ、前記材料を複数の第1ノズルから基板の主面にそれぞれ線状に供給するとともに、前記材料の供給途中において複数の第1ノズルからの前記材料の供給をそれぞれ停止する期間を設けて、それぞれ第1方向に延びるとともに間隙を有する互いに平行な複数の第1パターンを基板の主面に形成する工程であり、前記測定工程が、第1形成工程により形成された複数の第1パターンの内、少なくとも一つの第1パターンの高さ寸法を測定する工程であり、第2形成工程が、第2ノズルに対して第2方向に基板を相対移動させつつ、調整工程により調整された高さ位置にある第2ノズルから複数の第1パターンの前記間隙に前記材料を線状にそれぞれ供給して、それぞれの前記間隙において第1パターンと交差するとともに、第2方向に延びる第2パターンを形成する工程であることを特徴とする。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載されるパターン形成方法において、前記測定工程が、第1形成工程により形成された複数の第1パターンの高さ寸法をそれぞれ測定する工程であり、前記調整工程が、第2形成工程において、測定工程により測定された複数の第1パターンのそれぞれの高さ寸法に応じて、基板の主面に対する第2ノズルの相対的な高さ位置をそれぞれ調整する工程であることを特徴とする。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載されるパターン形成方法において、前記測定工程が、前記隙間の近傍において第1パターンの高さを測定することを特徴とする。
【0017】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載されるパターン形成方法において、基板が太陽電池素子用の基板であり、前記材料が導電性を有する導電性のペーストであり、第1パターンがフィンガー配線用のパターンであり、第2パターンがフィンガー配線と直交するバス配線用のパターンであることを特徴とする。
【0018】
請求項6に係る発明(パターン形成装置)は、パターンを形成するための材料をそれぞれ吐出する第1ノズルおよび第2ノズルと、第1ノズルに対して基板を第1方向に相対移動させるとともに、第2ノズルに対して基板を第1方向と交差する第2方向に相対移動させる移動手段と、移動手段により第1ノズルに対して第1方向に相対移動する基板の主面に向けて、前記材料を第1ノズルから吐出して、基板の主面に前記材料を線状に供給するとともに、前記材料の供給途中において第1ノズルからの前記材料の供給を停止する期間を設けて、第1方向に延びるとともに間隙を有する第1パターンを基板の主面に形成する第1形成手段と、第1形成手段により形成された第1パターンの基板の主面からの高さ寸法を測定する測定手段と、測定手段により測定された高さ寸法に基づいて、基板の主面に対する第2ノズルの相対的な高さ位置を調整する調整手段と、移動手段により第2ノズルに対して第2方向に基板を相対移動する基板の主面に向けて、調整手段により調整された高さ位置にある第2ノズルから前記材料を吐出して前記間隙に前記材料を線状に供給し、前記間隙において第1パターンと交差するとともに、第2方向に延びる第2パターンを形成する第2形成手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載されるパターン形成装置において、第2方向に沿って配列された複数の第1ノズルを有し、第1形成手段が、移動手段により第1ノズルに対して第1方向に相対移動する基板の主面に向けて、前記材料を複数の第1ノズルからそれぞれ吐出して基板の主面に前記材料をそれぞれ線状に供給するとともに、前記材料の供給途中において複数の第1ノズルからの前記材料の供給をそれぞれ停止する期間を設けて、それぞれ第1方向に延びるとともに前記間隙を有する互いに平行な複数の第1パターンを基板の主面に形成する手段であり、測定手段が、第1形成手段により形成された複数の第1パターンの内、少なくとも一つの第1パターンの高さ寸法を測定する手段であり、第2形成手段が、移動手段により第2ノズルに対して第2方向に相対移動する基板の主面に向けて、調整工程により調整された高さ位置にある第2ノズルから複数の第1パターンの前記間隙に前記材料をそれぞれ吐出して前記間隙に前記材料を線状にそれぞれ供給して、それぞれの前記間隙において第1パターンと交差するとともに、第2方向に延びる第2パターンを形成する手段であることを特徴とする。
【0020】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載されるパターン形成装置において、前記測定手段が、第1形成手段により形成された複数の第1パターンの高さ寸法をそれぞれ測定する手段であり、前記調整手段が、第2形成手段によるパターン形成動作の途中において、測定手段により測定された複数の第1パターンのそれぞれの高さ寸法に応じて、基板の主面に対する第2ノズルの相対的な高さ位置をそれぞれ調整することを特徴とする。
【0021】
請求項9に係る発明は、請求項6から請求項8のいずれかに記載されるパターン形成装置において、前記測定手段が、前記隙間の近傍において第1パターンの高さを測定することを特徴とする。
【0022】
請求項10に係る発明は、請求項6から請求項9のいずれかに記載されるパターン形成装置において、基板が太陽電池素子用の基板であり、前記材料が導電性を有する導電性のペーストであり、第1パターンがフィンガー配線用のパターンであり、第2パターンがフィンガー配線と直交するバス配線用のパターンであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1から請求項10のいずれかに係る発明によれば、例えばバス配線と交差するフィンガー配線を形成する際に、そのパターンを厚膜(高アスペクト比)に形成することができるとともに、その交差部における表面が凸凹になることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態であるパターン形成装置1を模式的に示す側面図である。
【図2】第1ノズルを示す側面図(a)および底面図(b)である。
【図3】第2ノズルを示す側面図(a)および底面図(b)である。
【図4】実施形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態の動作の流れを示すフロー図である。
【図6】形成されたフィンガー配線パターンを示す上面図である。
【図7】各パターンが形成される様子を示す側面図(a),(b)である。
【図8】高さ測定の状態を示す斜視図(a)およびバス配線パターンの形成後の状態と示す斜視図(b)である。
【図9】変位計による測定状態を示す側面図(a),(b)である。
【図10】変形例におけるグラフを示す図である。
【図11】太陽電池素子用の基板の表面(a)および裏面(b)を示す図である。
【図12】複数の基板がリード線により接続されている状態を示す側面図である。
【図13】交差部における比較例(a),(d)および実施例(b),(c)の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態であるパターン形成装置1を模式的に示す側面図である。パターン形成装置1は例えば図11に示す太陽電池用の基板9上にバス配線91用のバス配線パターン71およびフィンガー配線93用のフィンガー配線パターン73を形成するものである。
【0026】
基板9は、例えば、単結晶シリコンや多結晶シリコンなどからなるp型半導体であるシリコン基板である。また、上記バス配線91およびフィンガー配線93が形成される基板9の表面側にはn型拡散層が形成され、このn型拡散層上には反射防止膜が形成されている。
【0027】
パターン形成装置1は、図1に示すように基板載置部20、駆動部30、第1形成部40および第2形成部50を備える。基板載置部20は上からステージ21、ターンテーブル23およびナット部25が積層された構造を有する。ステージ21はその上面にて基板9を水平に保持する。ターンテーブル23はステージ21を水平面内において90度、回動させる。ナット部25はターンテーブル23の下面に固定されている。
【0028】
さらに、ターンテーブル23とステージ21との間には、昇降部22が設けられている。昇降部22は、ターンテーブル23に対してステージ21を昇降させ、ステージ21に載置された基板9の高さ(Z方向位置)を位置決めする。昇降部22としては、例えばソレノイドや圧電素子などのアクチュエータによるもの、ギヤによるもの、楔の噛み合わせによるものなどを用いることができる。
【0029】
駆動部30は、基台31の(+X)側端の上面に固定されたモータ35を備える。モータ35はサーボモータでありエンコーダを内蔵している。モータ35の回転軸にはボール螺子33が固定されている。ボール螺子33の(−X)側端部は基台31の(−X)側端部の上面に、X軸周りに回転自在に固定されている。ボール螺子33は上記ナット部25に螺合されている。一対のガイドレール37は基台31の上面にX方向に沿って延設されている。ガイドレール37は上記ナット部25を滑動自在に支持するとともに基板載置部20の移動方向を規定する。
【0030】
第1形成部40は比較的線幅の小さいフィンガー配線用の配線パターン(フィンガー配線パターン73)を基板9の主面に形成するための形成部である。なお、フィンガー配線パターン73が本発明の第1パターンに相当する。
【0031】
第1形成部40はパターンを形成するための材料である例えば導電性のペースト7を吐出する複数の第1ノズル47を備える。複数の第1ノズル47はY方向に延びる第1ヘッド41の下面にY方向に沿って列状に設けられている。第1ヘッド41は基板載置部20をY方向に沿って跨ぐように基台31に設けられたフレーム81の梁部の下面に取り付けられている。
【0032】
第1ヘッド41には配管42の一方端が流路接続されている。配管42の他方端はタンク43に貯留されたペースト7中に配置される。配管42の途中には流路を開閉するためのバルブ45が介装されている。また、配管44の一方端はタンク43内の上部空間に対して流路接続され、その他方端は図示しない窒素ガスの供給源に流路接続されている。配管44の途中にはタンク43に供給する窒素ガスの圧力を調整するレギュレータ46が介装されている。
【0033】
パターンを形成するための材料であるペースト7は導電性および光硬化性を有し、例えば、導電性粒子、有機ビヒクル(溶剤、樹脂、増粘剤等の混合物)および光重合開始剤を含む。導電性粒子は例えば銀粉末であり、有機ビヒクルは樹脂材料としてのエチルセルロースと有機溶剤を含む。
【0034】
図2(a),(b)に示すように複数の第1ノズル47の下端部が(+X)方向に向かってそれぞれ傾斜するように、第1ヘッド41の下面に複数(例えば16本)の第1ノズル47がY方向に列状に設けられる。
【0035】
第1ヘッド41の内部には上記配管42に連通するマニホールド87が形成されている。第1ノズル47の下端部には吐出口85が設けられ、この吐出口85とマニホールド87とを連通する流路83が第1ヘッド41および第1ノズル47内に形成されている。
【0036】
吐出口85のY方向の幅寸法は、形成すべきフィンガー配線パターン73の幅寸法とほぼ等しく、例えば50μmであり、複数の吐出口86の間隔は複数本のフィンガー配線パターン73の間隔とほぼ等しい。
【0037】
第1形成部40は第1光照射部61をさらに備える。第1光照射部61は第1ヘッド41の(+X)側の位置に所定間隔を空けて配置されるようにフレーム81に固定される。つまり、第1ヘッド41と第1光照射部61はフレーム81に一体的に固定されている。第1照射部47には光ファイバー62の一方端が光学的に接続されている。光ファイバー62の他方端は第1光源部63に光学的に接続されている。第1光源部63は紫外線を放射する光源と、光源と光ファイバー63との間に配置されたシャッター機構を有する。
【0038】
第2形成部50は第1形成部40より(+X)側に配置されている。第2形成部50は比較的線幅の大きいバス配線用のパターン(バス配線パターン71)を基板9の主面に形成するための形成部である。なお、バス配線パターン71が本発明の第2パターンに相当する。
【0039】
第2形成部50は材料である例えば導電性のペースト7を吐出する複数の第2ノズル57を備える。複数の第2ノズル57はY方向に延びる第2ヘッド51の下面にY方向に沿って列状に設けられている。第2ヘッド51は基板載置部20をY方向に沿って跨ぐように基台31に設けられたフレーム82の梁部の下面に取り付けられている。
【0040】
第2ヘッド51には配管52の一方端が流路接続されている。配管52の他方端はタンク53に貯留されたペースト7中に配置される。配管52の途中には流路を開閉するためのバルブ55が介装されている。また、配管54の一方端はタンク53内の上部空間に対して流路接続され、その他方端は図示しない窒素ガスの供給源に流路接続されている。配管54の途中にはタンク53に供給する窒素ガスの圧力を調整するレギュレータ56が介装されている。
【0041】
図3(a),(b)に示すように複数の第2ノズル57が鉛直下向きに((−Z)方向に)延びるように、第5ヘッド51の下面に複数(例えば2本)の第2ノズル57がY方向に列状に設けられる。
【0042】
第2ヘッド51の内部には上記配管52に連通するマニホールド88が形成されている。第2ノズル57の下端部には吐出口86が設けられ、この吐出口86とマニホールド88とを連通する流路84が第2ヘッド51および第2ノズル57内に形成されている。
【0043】
吐出口86のY方向の幅寸法は、形成すべきバス配線パターン71の幅寸法(例えば2mm)とほぼ等しく、また、2つの吐出口85の間隔は2本のバス配線パターン71の間隔とほぼ等しい。
【0044】
第2形成部50は第2光照射部64をさらに備える。第2光照射部64は第2ヘッド51の(+X)側の位置に所定間隔を空けて配置されるようにフレーム81に固定される。つまり、第1ヘッド41と第1光照射部61はフレーム82に一体的に固定されている。第2光照射部64には光ファイバー65の一方端が光学的に接続されている。光ファイバー65の他方端は第2光源部66に光学的に接続されている。第2光源部66は紫外線を放射する光源と、光源と光ファイバー65との間に配置されたシャッター機構を有する。
【0045】
また、第2形成部50は変位計5を備える。変位計5は例えばレーザ変位センサーであり、第2ヘッド51の(−X)側の位置に所定間隔を空けて配置されるようにフレーム82に固定される。変位計5はその下方を通過する基板9の主面(上面)の高さ位置、および、基板9の主面に形成されたフィンガー配線パターン73の上面の高さ位置をそれぞれ測定する。
【0046】
図4はパターン形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。制御部60はCPU、RAMおよびROMなどから構成されるコンピュータである。制御部60はターンテーブル23に電気的に接続され、ターンテーブル23の回動動作を制御する。制御部60はモータ35に電気的に接続され、モータ35の駆動・停止、回転数および回転方向などを制御するとともに、モータ35からのフィードバック情報を取得する。制御部60はバルブ45,55に電気的に接続され、各バルブの開閉動作を制御する。制御部60は第1光源部63および第2光源部66にそれぞれ電気的に接続され、各光源部内の光源の点灯・消灯やシャッター機構の開閉動作を制御する。
【0047】
また、制御部60はモータ35からのフィードバック情報に基づいて基板載置部20のX方向における原点位置からの移動距離を算出して検出する。換言すれば、制御部60はステージ21に載置された基板9のX方向における位置を算出して検出する。
【0048】
変位計5は制御部60に電気的に接続され、測定結果である変位量データを制御部60に送信する。なお、上記変位量は基板9の主面に対するフィンガー配線パターン73の高さ寸法に相当する。
【0049】
制御部60は昇降部22に電気的に接続され、上記変位量に基づいて昇降量を算出し、昇降量データとして昇降部22に送信する。
【0050】
次にパターン形成装置1の動作について、図5に示すフロー図を参照して説明する。
【0051】
まず、図5に示すステップS10において、図1の(−X)側端部(原点位置)に配置されたステージ21上の所定位置に図示しない搬送ロボットまたは操作者により基板9が載置され、基板が搬入される(基板搬入工程)。基板が搬入されると制御部60はモータ35の駆動を開始してボール螺子33を回転駆動させる。ボール螺子33が回転駆動されるとナット部25が(+X)方向に駆動されて、ステージ21を含む基板載置部20が(+X)方向への移動を開始する(ステップS20、ステージ移動開始工程)。
【0052】
次にステップS30においてフィンガー配線パターンの形成工程(第1形成工程)が実行され、図6に示すようにX方向に沿った互いに平行な複数(例えば16本)のフィンガー配線パターン73が基板9の主面に形成される。各フィンガー配線パターン73は、バス配線パターン71が形成されるべき形成領域71a内には形成されず、間欠的に形成される。
【0053】
具体的に上記ステップS30について説明すると、制御部60はモータ35から取得したフィードバック情報に基づいてステージ21のX方向における位置を算出して、基板9がフィンガー配線パターン73の形成開始位置に到達したことを検出したときに、制御部60はバルブ45を開ける。タンク43内は配管44を介して供給された窒素ガスにより加圧されているので、バルブ45が開くと、タンク43内に貯留されたペースト7が配管42を介してタンク43外に押し出される。
【0054】
配管42により第1ヘッド41に送液されたペースト7は、マニホールド87および流路83を介して第1ノズル47の16個の吐出口85から基板9の進行方向における前方端側(+X方向端側)の主面に向けてそれぞれ吐出される。そして、第1ノズル47の16個の吐出口85から吐出されたペースト7は、X方向に移動する基板9の主面にそれぞれ線状に供給されてX方向に沿うとともに互いに平行な16本のフィンガー配線パターン71が形成される。
【0055】
制御部60はモータ35から取得したフィードバック情報に基づいてステージ21のX方向における位置を算出して、基板9上の(+X)側の形成領域71aが第1ノズル47の下方に到達する直前位置に基板9が達したことを検出したときに、制御部60はバルブ45を閉じて第1ノズル47へのペースト7の送液を停止し、第1ノズル47からのペースト7の吐出を停止する。
【0056】
制御部60はモータ35から取得したフィードバック情報に基づいてステージ21のX方向における位置を算出して、基板9上の(+X)側の形成領域71aが第1ノズル47の下方を通過する直前位置に基板9が達したことを検出したときに、制御部60はバルブ45を開けて第1ノズル47へのペースト7の送液を再開し、第1ノズル47からのペースト7の吐出を再開する(図7(a)参照)。
【0057】
次の(−X側の)形成領域71aに対しても上述のように第1ノズル47からのペースト7の吐出停止、再開を実行する。そして、制御部60はモータ35から取得したフィードバック情報に基づいてステージ21のX方向における位置を算出して、基板9がフィンガー配線パターン73の形成停止位置に到達したことを検出したときに、制御部60はバルブ45を閉じて第1ノズル47へのペースト7の送液を停止し、第1ノズル47からのペースト7の吐出を停止する。
【0058】
上述のようにステップS30の動作を実行することによって、各フィンガー配線パターン73は各形成領域71a内には形成されない。換言すれば、各フィンガー配線パターン73は、X方向に沿って直線状に配列された互いの間に間隙を有する3本のパターンによって構成され、パターン同士の隙間に各形成領域71aが存在する。
【0059】
第1ノズル47から基板9の主面に供給されたペースト7の断面形状は、吐出口86から吐出された直後のペースト7の形状が維持されて、その断面寸法を例えば幅が50μm、高さが50μmとなるように形成することができる。従来のスクリーン印刷法を用いた場合のフィンガー配線の断面寸法は例えば幅が120μm、高さが20μmであり、本実施形態のパターン形成方法を用いる方が、厚膜の配線パターンを形成することができる。すなわち、本実施形態のパターン形成方法によれば、断面寸法の幅に対する高さの比を大きくすることができ、高アスペクト化を図ることができる。
【0060】
ステップS30が完了すると、制御部60はターンテーブル23によって、基板9を保持したステージ21を90度、回動させる。ステージ21が90度、回動すると基板9上に形成されたフィンガー配線パターン73の長手方向がY方向と平行になる(ステップS40、ステージ90度回動工程)。このようにステージ21を90度、回動することによってステージ21に載置された基板9の移動方向は、上述のステップS30によるフィンガー配線パターン73の形成工程における移動方向(第1方向)とは直交関係で交差する第2方向に変更されることとなる。
【0061】
次にステップS50において、図8(a)に示すように第2形成部50に設けられた変位計5の下方を、(+X)方向に駆動されるステージ21上の基板9に形成されたフィンガー配線パターン73が通過するときに、フィンガー配線パターン73の高さ寸法が測定される。後述するようにバス配線パターン71の高さ寸法をフィンガー配線パターン73の高さ寸法と同じにするために、変位計5によって形成領域71a(間隙)の近傍位置におけるフィンガー配線パターン73の高さ寸法を測定することが好ましい。
【0062】
まず、基板9の移動に伴って変位計5の下方に基板9の上面(主面)が到達したときに、図9(a)に示すように変位計5はその内部に設けられた半導体レーザ素子から基板9の上面に向けてレーザ光を出射するとともに、上面から反射した反射光をその内部に設けられた光位置検出素子にて受光する。次に基板9の移動に伴って変位計5の下方に所定のフィンガー配線パターン73が到達したときに、図9(b)に示すように変位計5はその内部に設けられた半導体レーザ素子からフィンガー配線パターン73の上面に向けてレーザ光を出射するとともに、上面から反射した反射光をその内部に設けられた光位置検出素子にて受光する。
【0063】
変位計5は、図9(a)の状態のときの光位置検出素子にて受光した反射光の受光位置に対して、図9(b)の状態のときの光位置検出素子にて受光した反射光の受光位置が変位した変位量を測定する。測定結果である変位量は基板9の上面からのフィンガー配線パターン73の高さ寸法に相当する。変位計5は測定結果である変位量データを制御部60に送信する。
【0064】
ステップS50によるフィンガー配線パターン73の高さ寸法の測定工程が完了すると、駆動部30によってステージ21が(−X)方向に駆動され、第2形成部50の(−X)側まで戻された後、次のステップS60が実行される。
【0065】
ステップS60において、制御部60は変位計5から送信された変位量データに基づいて昇降部22に送信すべき昇降量データを算出する。次のステップS70にて第2形成部50によって形成されるバス配線パターン71の高さ寸法(図7(b)のh)は、ステージ21上に載置された基板9の上面に対する第2ノズル57の相対的な高さ位置(図7(b)のH)に依存する。すなわち、相対的な高さ位置Hが高いほど形成されるバス配線パターン71の高さ寸法hも高くなる。
【0066】
バス配線91がフィンガー配線93よりも高くなると、太陽電池素子の表面にて受光すべき太陽光が遮られ、太陽電池素子からの出力が低下する。また、バス配線91がフィンガー配線93よりも低くなると、フィンガー配線93によって集電された電力をバス配線91にて効率よく回収することができない。また、バス配線91がフィンガー配線93よりも低いと、図13(d)に示すようにリード線99の幅がバス配線91よりも広い場合、リード線99の両端裏面がフィンガー配線93の上面に当接し、バス配線91とリード線99との間にギャップGが生じる。この結果、バス配線91にリード線99を接着することができない。
【0067】
したがって、図13(c)に示すようにバス配線91の高さをフィンガー配線93の高さと同じにすることが好ましい。例えば、フィンガー配線93の高さ寸法が50μmであれば、バス配線91の高さ寸法も50μmであることが好ましい。但し、互いの高さ寸法が若干、異なることは許容され、例えば、フィンガー配線93の高さ寸法が50μmであれば、バス配線91の高さ寸法は上下それぞれ2μmの誤差は許容され、48μmから52μmの範囲内であれば良い。なお、バス配線91の高さ寸法が50μmより大きく52μm以下の場合、図13(d)に示すギャップGが生じるが、この程度のギャップGであればリード線99が撓むことによって、リード線99をバス配線91の上面に当接させることができ、リード線99をバス配線91に接着させることができる。
【0068】
制御部60が受信した変位量データであるフィンガー配線パターン73の高さ寸法が例えば51μmであれば、次のステップS70にて第2形成部50によってバス配線パターン71の高さ寸法も51μmに形成できるように、制御部60は昇降量データを算出する。例えば、ステージ21の上面の高さ位置の初期設定値が、第2形成部50によって形成すべきバス配線パターン71の高さ寸法が50μmであるとして設定されている場合、制御部60はステージ21の高さ位置を1μmだけ下げるべき昇降量データを算出する。そして、制御部60は算出した昇降量データを昇降部22に送信する。昇降量データを受信した昇降部22は、昇降量データに基づいてステージ21を昇降させ、例えば1μmだけ降下させる。この結果、ステージ21上に載置された基板9の上面に対する第2ノズル57の相対的な高さ位置を調整することができ、例えば1μmだけ第2ノズル57の相対的な高さ位置を高くすることができる。
【0069】
次にステップS70において、バス配線パターン71の形成工程(第2形成工程)が実行される。バス配線パターン71は、図6および図8(a)に示す基板9の主面上の形成領域71a内に形成される互いに平行な複数(例えば2本)のパターンである。バス配線パターン71とフィンガー配線パターン73は直交関係で交差する。
【0070】
ステップS70では、制御部60はモータ35を駆動してステージ21を(+X)方向に移動させる。制御部60はモータ35から取得したフィードバック情報に基づいてステージ21のX方向における位置を算出して、移動するステージ21上の基板9がバス配線パターン71の形成開始位置に到達したことを検出したときにバルブ55を開ける。タンク53内は配管54を介して供給された窒素ガスにより加圧されているので、バルブ55が開くと、タンク53内に貯留されたペースト7が配管52を介してタンク53外に押し出される。
【0071】
配管52により第2ヘッド51に送液されたペースト7は、マニホールド88および流路84を介して第2ノズル57の2個の吐出口86から移動する基板9上の2つの形成領域71a内にそれぞれ供給される。
【0072】
制御部60はモータ35から取得したフィードバック情報に基づいてステージ21のX方向における位置を算出して、基板9がバス配線パターン71の形成停止位置に到達したことを検出したときに、制御部60はバルブ55を閉じて第2ノズル57へのペースト7の送液を停止し、第2ノズル57からのペースト7の吐出を停止する。この結果、図8(b)に示すように形成領域71a内にその断面寸法が例えば、幅が2mm、高さが50μmであるバス配線パターン71が形成される。
【0073】
ステップS70において、バス配線パターン71はその高さ寸法がフィンガー配線パターン73の高さ寸法と同じになるように形成される。ステップS50において測定したフィンガー配線パターン73の高さ寸法が例えば50μmである場合、バス配線パターン71はその高さ寸法が上述のように48μmから52μmの範囲内となるように形成され、好ましくは50μmとなるように形成される。また、ステップS50において測定したフィンガー配線パターン73の高さ寸法が例えば50μmとは異なり51μmである場合、バス配線パターン71はその高さ寸法が51μmとなるように形成され、フィンガー配線パターン73の高さ寸法が例えば49μmである場合、バス配線パターン71はその高さ寸法が49μmとなるように形成される。なお、バス配線パターン71をその高さ寸法が51μmや49μmとなるように形成した場合も上下それぞれ2μm程度の誤差は許容される。
【0074】
次に図5のステップS80においてステージ21が図1に示す(+X)側の端部に到達したことを制御部60が検出すると、制御部60はモータ35の駆動を停止して、ステージ21の移動を停止する(移動停止工程)。停止したステージ21上から図示しない搬送ロボットまたは操作者が基板9を受け取り搬出する(ステップS90、搬出工程)。
【0075】
上述のように基板9の表面にある反射防止膜上に形成されたバス配線パターン71およびフィンガー配線パターン73は、後工程である焼成工程においてファイアースルー法により反射防止膜の下に形成されているn型拡散層に電気的に接続されることとなる。
【0076】
なお、上述の実施形態を以下のように変形実施しても良い。
ステップS50において上述の実施形態では変位計5によって所定の1本のフィンガー配線パターン73の高さ寸法を測定したが、図8(a)に示すX方向に並んだ複数本のフィンガー配線パターン73の高さ寸法をそれぞれ測定しても良い。この場合、任意の複数本のフィンガー配線パターン73の高さ寸法をそれぞれ測定しても良いし、全ての(例えば16本の)フィンガー配線パターン73の高さ寸法をそれぞれ測定しても良い。
【0077】
変位計によってそれぞれ測定した複数本のフィンガー配線パターン73の高さ寸法に相当する複数の変位量データは、それぞれ制御部60に送信される。複数の変位量データを受信した制御部60は複数の変位量に基づいて昇降量を算出する。例えば、制御部60は複数の変位量の平均値を算出し、この平均値に基づいて昇降量を算出する。
【0078】
また、制御部60は複数の変位量データに基づいて複数の昇降量をそれぞれ算出しても良い。そして、上述の実施形態のようにステップS70のバス配線パターン71の形成工程に先立って、ステップS60のステージ21の高さ調整工程を実行するのではなく、ステップS70の実行中においてステップS60の動作を実行しても良い。つまり、バス配線パターン71の形成途中において、交差するフィンガー配線パターン73の高さ寸法に応じて昇降部22によってステージ21の昇降動作を制御してステージ21上の基板9の高さ位置を調整して、基板9に対する第2ノズル57の相対的な高さ位置を調整しても良い。
【0079】
例えば図8(a)に示すX方向に並んだ16本のフィンガー配線パターン73の高さ寸法が図10の棒グラフに示される寸法である場合、ステップS70において第2ノズル57が各フィンガー配線パターン73を通過する前に、第2ノズル57の相対的な高さ位置を図10の折れ線グラフで示すようにそれぞれ調整する。この結果、各フィンガー配線パターン73とバス配線パターン71とが当接する複数の位置において各フィンガー配線パターン73の高さ寸法とバス配線パターン71の高さ寸法とを同じにすることができる。なお、図10に示すグラフの横軸は図8に示すX方向の位置をX方向に並んだ16本のフィンガー配線パターン73に対して順番に番号を付して示し、縦軸は各フィンガー配線パターン73の高さ寸法または第2ノズル57の相対的な高さ位置を示す。
【0080】
上述の実施形態や変形例において、ステップS50のフィンガー配線パターン73の高さ寸法の測定工程は、一方側の形成領域71aに隣接するフィンガー配線パターン73に対して実行されるが、他方側の形成領域71aに隣接するフィンガー配線パターン73に対して実行されても良いし、双方で実行されても良い。
【0081】
上述の実施形態や変形例において、光硬化性を有しないペーストを用いても良い。このようなペーストは、光硬化などの硬化処理によらず溶剤の揮発のみによって固化するペーストで、例えば、導電性粒子、有機ビヒクル(溶剤、樹脂、増粘剤等の混合物)を含む。導電性粒子は例えば銀粉末であり、有機ビヒクルは樹脂材料としてのエチルセルロースと有機溶剤を含む。なお、光硬化性を有しないペーストを加熱するなどして硬化させる構成でも良い。この場合、ペーストを光硬化するための光照射部や光源部は不要となる。
【0082】
ステージ21に対して第2ノズル57を昇降させて、ステージ21に載置された基板9に対する第2ノズル57の高さ位置を調整しても良い。
【0083】
上記実施形態においては第1形成部40および第2形成部50に対して基板9が移動する構成であるが、固定配置された基板9に対して第1形成部40および第2形成部50をX方向に移動させても良い。または、固定配置された基板9に対して第1形成部40を所定方向(例えばX方向)に移動させるとともに第2形成部50を所定方向と直交する方向(例えばY方向)に移動させる構成でも良い。
【0084】
バス配線パターン71とフィンガー配線パターン73のように直交関係で交差する配線パターンに限らず、直交(90度)以外の角度で交差する配線パターンの形成に本発明を適用しても良い。
【0085】
互いに交差し線幅が同じであるパターンを形成する場合は第1ノズル47と第2ノズル57は同一のノズルであっても良い。
【0086】
本発明によって形成するパターンは上記バス配線パターンやフィンガー配線パターンに限定されず、例えばプラズマディスプレイパネル(PDP)を製造する際に基板上に形成される隔壁を形成するためのパターンでも良い。また、基板上に接着剤であるペーストを形成するためのパターンでも良い。
【符号の説明】
【0087】
1 パターン形成装置
5 変位計
7 ペースト
9 基板
20 基板載置部
30 駆動部
40 第1形成部
41 第1ヘッド
47 第1ノズル
50 第2形成部
51 第2ヘッド
57 第2ノズル
60 制御部
61 第1光照射部
64 第2光照射部
71 バス配線パターン
73 フィンガー配線パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ノズルに対して基板を第1方向に相対移動させつつ、パターンを形成するための材料を第1ノズルから基板の主面に線状に供給するとともに、前記材料の供給途中において第1ノズルからの前記材料の供給を停止する期間を設けて、第1方向に延びるとともに間隙を有する第1パターンを基板の主面に形成する第1形成工程と、
第1形成工程により形成された第1パターンの基板の主面からの高さ寸法を測定する測定工程と、
測定工程により測定された高さ寸法に基づいて、基板の主面に対する第2ノズルの相対的な高さ位置を調整する調整工程と、
第2ノズルに対して第1方向と交差する第2方向に基板を相対移動させつつ、調整工程により調整された高さ位置にある第2ノズルから前記間隙に前記材料を線状に供給して、前記間隙において第1パターンと交差するとともに、第2方向に延びる第2パターンを形成する第2形成工程と、
を含むことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項2】
請求項1に記載されるパターン形成方法において、
第1形成工程が、第2方向に沿って配列された複数の第1ノズルに対して基板を第1方向に相対移動させつつ、前記材料を複数の第1ノズルから基板の主面にそれぞれ線状に供給するとともに、前記材料の供給途中において複数の第1ノズルからの前記材料の供給をそれぞれ停止する期間を設けて、それぞれ第1方向に延びるとともに間隙を有する互いに平行な複数の第1パターンを基板の主面に形成する工程であり、
前記測定工程が、第1形成工程により形成された複数の第1パターンの内、少なくとも一つの第1パターンの高さ寸法を測定する工程であり、
第2形成工程が、第2ノズルに対して第2方向に基板を相対移動させつつ、調整工程により調整された高さ位置にある第2ノズルから複数の第1パターンの前記間隙に前記材料を線状にそれぞれ供給して、それぞれの前記間隙において第1パターンと交差するとともに、第2方向に延びる第2パターンを形成する工程であることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項3】
請求項2に記載されるパターン形成方法において、
前記測定工程が、第1形成工程により形成された複数の第1パターンの高さ寸法をそれぞれ測定する工程であり、
前記調整工程が、第2形成工程において、測定工程により測定された複数の第1パターンのそれぞれの高さ寸法に応じて、基板の主面に対する第2ノズルの相対的な高さ位置をそれぞれ調整する工程であることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載されるパターン形成方法において、
前記測定工程が、前記隙間の近傍において第1パターンの高さを測定することを特徴とするパターン形成方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載されるパターン形成方法において、
基板が太陽電池素子用の基板であり、
前記材料が導電性を有する導電性のペーストであり、
第1パターンがフィンガー配線用のパターンであり、
第2パターンがフィンガー配線と直交するバス配線用のパターンであることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項6】
パターンを形成するための材料をそれぞれ吐出する第1ノズルおよび第2ノズルと、
第1ノズルに対して基板を第1方向に相対移動させるとともに、第2ノズルに対して基板を第1方向と交差する第2方向に相対移動させる移動手段と、
移動手段により第1ノズルに対して第1方向に相対移動する基板の主面に向けて、前記材料を第1ノズルから吐出して、基板の主面に前記材料を線状に供給するとともに、前記材料の供給途中において第1ノズルからの前記材料の供給を停止する期間を設けて、第1方向に延びるとともに間隙を有する第1パターンを基板の主面に形成する第1形成手段と、
第1形成手段により形成された第1パターンの基板の主面からの高さ寸法を測定する測定手段と、
測定手段により測定された高さ寸法に基づいて、基板の主面に対する第2ノズルの相対的な高さ位置を調整する調整手段と、
移動手段により第2ノズルに対して第2方向に基板を相対移動する基板の主面に向けて、調整手段により調整された高さ位置にある第2ノズルから前記材料を吐出して前記間隙に前記材料を線状に供給し、前記間隙において第1パターンと交差するとともに、第2方向に延びる第2パターンを形成する第2形成手段と、
を備えることを特徴とするパターン形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載されるパターン形成装置において、
第2方向に沿って配列された複数の第1ノズルを有し、
第1形成手段が、移動手段により第1ノズルに対して第1方向に相対移動する基板の主面に向けて、前記材料を複数の第1ノズルからそれぞれ吐出して基板の主面に前記材料をそれぞれ線状に供給するとともに、前記材料の供給途中において複数の第1ノズルからの前記材料の供給をそれぞれ停止する期間を設けて、それぞれ第1方向に延びるとともに前記間隙を有する互いに平行な複数の第1パターンを基板の主面に形成する手段であり、
測定手段が、第1形成手段により形成された複数の第1パターンの内、少なくとも一つの第1パターンの高さ寸法を測定する手段であり、
第2形成手段が、移動手段により第2ノズルに対して第2方向に相対移動する基板の主面に向けて、調整工程により調整された高さ位置にある第2ノズルから複数の第1パターンの前記間隙に前記材料をそれぞれ吐出して前記間隙に前記材料を線状にそれぞれ供給して、それぞれの前記間隙において第1パターンと交差するとともに、第2方向に延びる第2パターンを形成する手段であることを特徴とするパターン形成装置。
【請求項8】
請求項7に記載されるパターン形成装置において、
前記測定手段が、第1形成手段により形成された複数の第1パターンの高さ寸法をそれぞれ測定する手段であり、
前記調整手段が、第2形成手段によるパターン形成動作の途中において、測定手段により測定された複数の第1パターンのそれぞれの高さ寸法に応じて、基板の主面に対する第2ノズルの相対的な高さ位置をそれぞれ調整することを特徴とするパターン形成装置。
【請求項9】
請求項6から請求項8のいずれかに記載されるパターン形成装置において、
前記測定手段が、前記隙間の近傍において第1パターンの高さを測定することを特徴とするパターン形成装置。
【請求項10】
請求項6から請求項9のいずれかに記載されるパターン形成装置において、
基板が太陽電池素子用の基板であり、
前記材料が導電性を有する導電性のペーストであり、
第1パターンがフィンガー配線用のパターンであり、
第2パターンがフィンガー配線と直交するバス配線用のパターンであることを特徴とするパターン形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−152487(P2011−152487A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13791(P2010−13791)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】