説明

パチンコ機用前面ガラスの処理装置

【課題】ガラス片と樹脂膜片とに分離し、回収利用する装置を提供する。
【解決手段】前面ガラスを破砕する破砕機1と、該破砕機によって破砕された前面ガラスを投入するための上部投入口12を設けた円筒状ケーシング10の内部に、高速回転可能な複数のハンマー11からなる破砕手段を備え、破砕手段により破砕されたガラス片と樹脂膜片との混合物を排出するスリット状の排出口13を円筒状ケーシングの下部に設けた粉砕機2と、該粉砕機2の下方に設けたメッシュを有する振動篩3とからなり、振動篩3のメッシュ上に落下させたガラス片と樹脂膜片との混合物を該振動篩3の作動によりガラス片6と樹脂膜片7とに分離させる装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂膜が貼着された膜付きガラスまたは樹脂膜を中間膜とした合せガラスからなるパチンコ機の前面ガラスをガラス片と樹脂膜片とに分離して回収する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機は流行や使用者のニーズに合わせて入れ替えが頻繁に行われている。従って、廃棄される廃パチンコ機の数も膨大な量に上っており、近年、地球環境のクリーンな維持のために、資源の再利用が推進され、廃パチンコ機においても再利用への取り組みが注目されている。
【0003】
パチンコ機は、ガラス、合成樹脂、木材、鉄及び回路基板等に含まれる非鉄系有価金属類等から構成されている。特にガラスは広く再利用が行われているものであり、パチンコ機においてはパチンコ機の前面ガラスとして遊技盤前面に設置され、従来、前面ガラスの遊技盤面側に遊技球が衝突して生じる騒音の軽減のために、枠に2枚のガラスを空気層を介してはめ込む、簡易な複層ガラスが用いられていた。
【0004】
このような騒音が少ないパチンコ機の要求に対し騒音を抑制する効果を持つ樹脂膜(フィルム)を貼着させた前面ガラスおよび騒音を軽減する効果を持つ遮音性の樹脂膜を中間膜とした合せガラスを使用することが提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、前面ガラスに防音効果を持つ合成樹脂シートを付けたものが開示されている。
【0006】
また、本出願人に係る特許文献2には、2枚のガラス板を中間膜である樹脂接着層を介して貼着した合わせガラスを、複層ガラスに組み込んだ前面ガラスが開示されており、該合わせガラスを用いることで、遊技球とガラス面との衝突により発生する騒音の抑制に顕著な効果を奏するとされている。少なくとも内側ガラス板が、少なくとも二枚のガラス板を樹脂接着層を介して貼着した合せガラスからなり、前記樹脂接着層が厚み0.2ないし1mmのエチレンビニルアセテート系、ポリビニルアセタール系、またはポリビニルクロライド系樹脂からなり、周波数6300Hz付近の騒音レベルを抑制することを特徴とするパチンコ機用前面板が開示されている。
【0007】
本出願人に係る特許文献3には、パチンコ機用の前面ガラスに、ポリスチレンとゴム系樹脂のブロック共重合でなる樹脂膜Aを、透明性を有する熱接着性の樹脂膜Bで挟着されてなる中間膜を用いて、ガラス板と透明体とを積層した積層ガラスを用い、樹脂膜Aには水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体を、樹脂膜Bには、可塑化されたポリビニルアセタール系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体を主体とした変性物、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体を主体とした変性物、ウレタン系重合体、塩化ビニル重合体を主体とした変性物の中から選ばれる樹脂を用いることが開示される。
【0008】
また、自動車用、建築用の大型の廃合わせガラスを粉砕して、ガラス片と中間膜片とに分離し回収利用する装置が本出願人に係る特許文献4および特許文献5に開示されている。
【0009】
特許文献4に記載の合わせガラスをガラス片と中間膜片とに分離して回収する装置は、一対のガラスと中間膜からなる合わせガラスを破砕する破砕機1と、高速回転可能な複数のハンマーからなる破砕手段により破砕されたガラス片と中間膜片との混合物を排出するスリット状の排出口を円筒状ケーシングの下部に設けた粉砕機と、粉砕機の下方に設けたメッシュを有する振動篩とからなる。特許文献5に記載の合わせガラスをガラス片と中間膜片とに分離して回収する装置は、破砕機がなく、上記の粉砕機が2段となり、粉砕機の下方に設けたメッシュを有する振動篩とからなる。
【特許文献1】特開平9−276510号公報
【特許文献2】特開平7−24120号公報
【特許文献2】特開2007-136057号公報
【特許文献4】特開2002-186952号公報
【特許文献5】特開2001-104928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
パチンコ機はパチンコ機の流行や使用者のニーズに合わせて入れ替えが頻繁に行われ、廃棄される廃パチンコ機の数も膨大な量となる。従って、リサイクルを前提とし設計される。
【0011】
前面ガラスの遊技盤面側に遊技球が衝突して生じる騒音の軽減のために、パチンコ機の前面ガラスに遮音性の樹脂膜を用いた膜付きガラスおよび合せガラスを採用する場合、そのリサイクルが差し迫った問題となる。
【0012】
パチンコ機の前面ガラスにフィルムを貼着した膜付きガラスや合わせガラスを使用している場合、それを破砕または粉砕したとしても、フィルムや中間膜等の樹脂膜片にガラス片が付着して残っていると再利用できず、産業廃棄物として処分せざるを得ない。
【0013】
そこで本発明は、前記パチンコ機の前面ガラスをガラス片と樹脂膜片に分離し、両方を再利用することが可能な装置を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、樹脂膜が貼着された膜付きガラスまたは樹脂膜を中間膜とした合せガラスからなるパチンコ機の前面ガラスを破砕した後に粉砕し、ガラス片と樹脂膜片とに分離し、回収利用できることを目的としたものであり、該前面ガラスを粉々に粉砕する粉砕機の前段に、該前面ガラスをある程度の大きさに破砕する破砕機を設けることによって、不要となった膜付きガラスまたは合わせガラスからなる廃パチンコ機用前面ガラスを、樹脂膜が貼着したままの状態で投入し、連続的に処理してガラス片と樹脂膜片とに分離する装置である。
【0015】
即ち、本発明は、樹脂膜が貼着された膜付きガラスまたは樹脂膜を中間膜とした合せガラスからなるパチンコ機の前面ガラスをガラス片と樹脂膜片とに分離して回収する装置であって、パチンコ機の前面ガラスを破砕する破砕機と、該破砕機によって破砕された前面ガラスを投入するための上部投入口を設けた円筒状ケーシングの内部に、高速回転可能な複数のハンマーからなる破砕手段を備え、破砕手段により破砕されたガラス片と樹脂膜片との混合物を排出するスリット状の排出口を円筒状ケーシングの下部に設けた粉砕機と、該粉砕機の下方に設けたメッシュを有する振動篩とからなり、振動篩のメッシュ上に落下させたガラス片と樹脂膜片との混合物を該振動篩の作動によりガラス片と樹脂膜片とに分離させることによって、パチンコ機の前面ガラスをガラス片と樹脂膜片とに分離して回収する装置である。
【0016】
また、本発明は、前記破砕機の破砕手段が、ロール面に突起および/または切断刃を設け隣設させた一組の回転可能な金属ロールであることを特徴とする上記のパチンコ機の前面ガラスをガラス片と樹脂膜片とに分離して回収する装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の樹脂膜が貼着された膜付きガラスまたは樹脂膜を中間膜とした合せガラスからなるパチンコ機の前面ガラスをガラス片と樹脂膜片とに分離して回収する装置によって、不要となった膜付きガラスまたは合わせガラスからなるパチンコ機の前面ガラスを破砕した後に粉砕し、ガラス片と樹脂膜片とに分離した後に回収することで、ガラス、樹脂膜両方を再利用することが可能となった。
【0018】
パチンコ機には、前述のように使用サイクルがあり、大量のガラスが纏まって廃棄される。しかしながら、膜付きガラスまたは合わせガラスからなるパチンコ機の前面ガラス多量に処理するとしても、効率よく処理が可能な本発明の膜付きガラスまたは合わせガラスからなるパチンコ機の前面ガラスをガラス片と樹脂膜片とに分離して回収する装置を用いることで、リサイクルが容易となった。
【0019】
さらに、本発明の樹脂膜が貼着された膜付きガラスまたは樹脂膜を中間膜とした合せガラスからなるパチンコ機の前面ガラスをガラス片と樹脂膜片とに分離して回収する装置によって、樹脂膜が貼着された膜付きガラスまたは樹脂膜を中間膜とした合せガラスからなるパチンコ機の前面ガラスをガラス片と樹脂膜片とに破砕し分離する前に、樹脂膜が貼着されたガラスと合わせガラスとを分別しなくてもよいため、処理効率に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の樹脂膜が貼着された膜付きガラスまたは樹脂膜を中間膜とした合せガラスからなるパチンコ機の前面ガラスをガラス片と樹脂膜片とに分離して回収する装置は、例えば、図1に示すように、破砕機1と粉砕機2を上下に設け、破砕機1の上部に、パチンコ機の前面ガラス5の搬送用のコンベア4を配置した構成としている。
【0021】
コンベア4から投入された樹脂膜が貼着された膜付きガラスまたは樹脂膜を中間膜とした合せガラスからなるパチンコ機の前面ガラス5を破砕する破砕機1は、破砕機1の主要部である破砕手段の一例である図2および図3に示すように、前面ガラス5を破砕するために、ロール1a面に突起1bおよび/または切断刃1cを設け隣設させた一組の回転可能な金属ロール1aを破砕手段として用いる。
【0022】
図2の(a)が、ロール1a面に突起1bを設けた前記破砕手段の一例の正面図であり、図2の(b)が側面図である。また、図3の(a)が、ロール1a面に切断刃1cを設けた前記破砕手段の一例の正面図であり、図3の(b)が側面図である。ロール1a間に前面ガラス5を投入すると、図示しないモーター等の駆動源により回転する一組の金属ロール1aに設けられた突起1bまたは切断刃1cにより、前面ガラス5が押圧されて、パチンコ機の前面ガラス5のガラス部分が亀甲状に割られた後、せん断力が加えられ、樹脂膜が伸ばされ、引き裂かれ、あるいは破られる。
【0023】
破砕機によって、合わせガラスのガラス部分が割られ、樹脂部分が伸ばされ、引き裂かれ、あるいは破られることで後段に設けられた粉砕機2での粉砕が容易になる。即ち、粉砕機2の粉砕手段である高速回転する複数のハンマー11、11、・・・が、ガラス部分と衝突してガラスを割る際の衝撃が小さくなり、高速回転する複数のハンマー11、11、・・・およびその回転部分のダメージが軽減される。
【0024】
本発明の樹脂膜が貼着された膜付きガラスまたは樹脂膜を中間膜とした合せガラスからなるパチンコ機の前面ガラスをガラス片と樹脂膜片とに分離して回収する装置を構成する破砕機1の破砕手段である金属ロール1aに設けられた突起1bの本数、形状、切断刃1cの形状等を工夫することによって、前面ガラス5を亀甲状に割った際の小片状のガラス部分の面積を調整することができる。
【0025】
ガラス部分の面積が小さすぎると後段の粉砕機2の回転部分に樹脂膜部分がからみつき、ガラス部分の面積が大きすぎると、後段の粉砕機2の構成部材であるハンマー部11、11、・・・にダメージを与える。
【0026】
パチンコ機の前面ガラス5を、予め、割ることなく、そのままの状態で投入し、ガラス片6と樹脂膜片7に分離回収することができる規模の本発明の装置において、本発明の装置を構成する粉砕機2に投入する、破砕機1で破砕後の、亀甲状となり樹脂膜に付着している各ガラス部分の好ましい面積は、本発明者が試験したところ、200cm〜450cmであった。200cm以下では、ハンマー11、11、・・・の柄等の回転部分にからみつき、ハンマー11、11、・・・の高速回転の妨げとなる。また、450cm以上ではハンマー11、11、・・・でガラス部分を割る際の衝撃が大きすぎ、ハンマー11、11、・・・および回転部分にダメージを与える。
【0027】
また、本発明のパチンコ機の前面ガラスをガラス片と樹脂膜片とに分離して回収する装置を構成する破砕機1の破砕手段である金属ロール1aにおいて、一つの金属ロール1aに突起1bと切断刃1cを共に設けても構わない。
【0028】
例えば、破砕用の突起1bを設け、且つ、切断刃1cを設けた回転する一対のロール1aの間に前面ガラス5を通すことで、前面ガラス5を分断することが可能となる。
【0029】
さらに、本発明の装置を構成する破砕機1に前記金属ロール1aを、複数用いても構わない。突起1bを設けた一対の回転する金属ロール1aの間に前面ガラスを通した後、同方向に回転する切断刃1cを設けた一対の金属ロール1aの間に、前面ガラス5を連続して通すことで、前面ガラス5を分断することが可能となる。
【0030】
破砕機1で破砕後の前面ガラス5は、破砕機1より粉砕機2の投入口12に直接落下させて、粉砕機2の円筒状ケーシング10内に供給する。
【0031】
本発明の装置を構成する粉砕機2は、円筒状のケーシング10を横向きにしたもので、その内部中心に図示しないモーターと直結した回転軸を設け、該回転軸の外周にはモーターの回転駆動により高速回転可能な複数のハンマー11、11、・・・を備えている。回転軸の外周に設けたハンマー11、11、・・・を回転させるモーターの回転数は、破砕機1によって破砕された合わせガラス5の量、小片状のガラス部位の面積等の破砕状況により変える必要があるため、回転数を制御可能とすることが好ましい。回転数を変えることで、回転軸の外周に設けたハンマー11、11、・・・の回転速度が制御可能となる。
【0032】
また、該ハンマー11、11、・・・はガラスとの衝突により摩耗するために、ニッケルを組成物として含まない金属製および合金製であることが好ましい。ガラスとの衝突によりニッケル粉がハンマー11、11、・・・から発生してガラス粉に混入すると、ガラス粉をガラス原料とし再使用した際に、製造したガラスにニッケル起因の欠陥が生じる可能性がある。
【0033】
また、本発明の装置を構成する粉砕機2は、破砕された前面ガラス5の投入口12を円筒状ケーシング10の上部に、粉砕後のガラス片6および樹脂膜片7の排出口13を円筒状ケーシング10の下部に備えている。
【0034】
排出口13は、スリット状に仕切られており、仕切られた各々の開口部の大きさに違いを設けている。開口部の大きさに違いを設ける理由は、粉砕機2の円筒状ケーシング10内部で、破壊された樹脂ガラス5とハンマー11、11、・・・との衝突により発生したガラス片6はスリット間隔の狭い開口部より素早く落下し、細かいガラス片の少量付着した樹脂膜片7は、回転方向に対し後に設けられたスリット間隔の広い開口部より落下させるためである。また、ガラス片が多数付着し未だ剛性を保っている樹脂膜片は、開口部から落ちることなく、再度円筒状ケーシング10内部を回転しつつハンマー11、11、・・・と衝突させることで、前面ガラス5をガラス片6と樹脂膜片7に分離する効率を上げることができる。
【0035】
パチンコ機用前面ガラス5を破壊することなく、そのままの状態で投入しガラス片6と樹脂膜片7に分離回収することができる規模の本発明の装置において、本発明の装置を構成する粉砕機2の排出口13において、スリット状に仕切られた開口部の好ましい間隔および個数は、本発明者が試験したところ、回転方向に順じてスリット間隔5mm〜15mmの開口部を20〜30個設け、続いてスリット間隔が60mm〜80mmの開口部を2個〜3個設けた場合であった。
【0036】
該スリット状の複数の開口部よりなる排出口13から排出された、ガラス片6およびガラス片が付着した樹脂膜片7の混合物は、本発明の装置を構成する振動篩3のメッシュ上に落下させる。
【0037】
振動篩3は、図示しない駆動源によって振動し、振動篩3のメッシュ上に粉砕機2の排出口13から落下したガラス片6、およびガラス片の付着した樹脂膜片7の混合物を、振動篩3の振動によりガラス片6をメッシュの隙間より下方に落下させてガラス片回収箱8内に回収し、樹脂膜片7はメッシュの隙間より落下せず、付着したガラス片と分離しつつ振動篩3の末端より樹脂膜片回収箱9内に落下し回収される。
【0038】
次いで、本発明の前面ガラス5をガラス片6と樹脂膜片7とに分離して回収する装置の作用、および使用例について説明する。
【0039】
本発明の装置を使用する前に、処理する前面ガラス5を、樹脂膜の材料(ポリビニルブチラール、エチレン−ビニルアセテート共重合体等)別、または取り付けられていたパチンコ機の種類別に分別しておくと、分離回収後の再利用時に異なった種類の回収物が混ざらないため好ましい。なお、パチンコ機用前面ガラスに用いられている板ガラスは、着色のない透明ガラスであるために、本発明の装置を使用する前に、膜付きガラスと膜が付いていない単板ガラスとを分別する必要はなく、同時に処理しても差し支えない。
【0040】
まず、前面ガラス5は、搬送コンベア4によって搬送され、破砕機1の破砕手段である一組の金属ロールの間に投入される。前面ガラス5は、回転する金属ロールによりロール間に挟み込まれた後、ロール面に設けられた突起または切断刃によりガラス部分を割られ、樹脂膜部分を伸ばされ、引き裂かれ、あるいは破られることにより寸断された後、破砕機1の下方に配設された、粉砕機2の円筒状ケーシング10の上部に設けられた投入口12へ投入される。
【0041】
破砕機1により破砕された前面ガラス5は、粉砕機2に投入された後、円筒状ケーシング10内部の高速回転する複数のハンマー11、11、・・・との衝突により粉砕され、細かいガラス片6と、細かいガラス片の少量付着した樹脂膜片7となり、円筒状ケーシング10下部に設けられた排出口13より排出される。
【0042】
排出された、ガラス片6、樹脂膜片7は、粉砕機2の下方に配設された振動篩3のメッシュ上に落ちる。ガラス片6は細かいのでメッシュの穴を通過し、ガラス片回収箱8内に回収される。樹脂膜片7はメッシュよりサイズが大きいのでメッシュに傾斜を付けることにより、メッシュ上を振動により運ばれ、樹脂膜片回収箱9内に回収される。細かいガラス片の少量付着した樹脂膜片7は、振動により、メッシュ上で擦れることでガラス片を分離しながらメッシュ上を運ばれ樹脂膜片回収箱9内に回収される。
【0043】
樹脂膜片回収箱9内に分離回収された樹脂膜片7を水洗すれば、樹脂膜片7の表面に付着してなる微量なガラス粉が除去され、回収された樹脂膜片7の品質が向上する。
【0044】
樹脂膜片7に付着しているガラス粉の付着割合を知るには、所定重量の樹脂膜片7を燃焼させ、燃焼後の残渣、即ち、残ったガラスの重量により算出することができる。
【0045】
以上、好適な実施例について述べたが、本発明はこれに限定されるものでなく種々の応用が考えられる。
【0046】
即ち、粉砕機2は1段でなく、2段以上とし、複数の粉砕機を使用しても構わない。複数の粉砕機2を使用することで装置は大掛かりとなるが、各粉砕機2の排出口13のスリット幅を調整し、前段程スリット幅の間隔を広くすることで、ガラス片6と樹脂膜片7とに分離する効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明のパチンコ機の前面ガラスをガラス片と樹脂膜片とに分離して回収する装置の一例の側面図である。
【図2】(a)本発明の装置を構成する破砕機の主要部である破砕手段の一例の正面図である。(b)本発明の装置を構成する破砕機の主要部である破砕手段の一例の側面図である。
【図3】(a)本発明の装置を構成する破砕機の主要部である破砕手段の一例の正面図である。(b)本発明の装置を構成する破砕機の主要部である破砕手段の一例の側面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 破砕機
2 粉砕機
3 振動篩
4 コンベア
5 前面ガラス
6 ガラス片
7 樹脂膜片
8 ガラス片回収ボックス
9 樹脂膜片回収ボックス
10 円筒状ケーシング
11 ハンマー
12 投入口
13 排出口


【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂膜が貼着された膜付きガラスまたは樹脂膜を中間膜とした合せガラスからなるパチンコ機の前面ガラスをガラス片と樹脂膜片とに分離して回収する装置であって、前面ガラスを破砕する破砕機と、該破砕機によって破砕された前面ガラスを投入するための上部投入口を設けた円筒状ケーシングの内部に、高速回転可能な複数のハンマーからなる破砕手段を備え、破砕手段により破砕されたガラス片と樹脂膜片との混合物を排出するスリット状の排出口を円筒状ケーシングの下部に設けた粉砕機と、該粉砕機の下方に設けたメッシュを有する振動篩とからなり、振動篩のメッシュ上に落下させたガラス片と樹脂膜片との混合物を該振動篩の作動によりガラス片と樹脂膜片とに分離させることによって、パチンコ機の前面ガラスをガラス片と樹脂膜片とに分離して回収する装置。
【請求項2】
前記破砕機の破砕手段が、ロール面に突起および/または切断刃を設け隣設させた一組の回転可能な金属ロールであることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機の前面ガラスをガラス片と樹脂膜片とに分離して回収する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−221128(P2010−221128A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71158(P2009−71158)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000002200)セントラル硝子株式会社 (1,198)
【Fターム(参考)】