説明

パワーモジュールパッケージ及びその製造方法

【課題】本発明は、パワーモジュールパッケージ及びその製造方法に関する。
【解決手段】本発明のパワーモジュールパッケージ100は、メタル材質からなるベース基板110と、ベース基板110の内部に冷却物質が流れるように形成された冷却チャンネル200と、ベース基板110の外面に形成された陽極酸化層120と、陽極酸化層120を有するベース基板110の第1の面に形成された回路及び接続パッドを含むメタル層130と、メタル層130上に実装された半導体素子140と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーモジュールパッケージ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
全世界的にエネルギーの使用量が増加するにつれて、制限されたエネルギーの効率的な使用に多くの関心が集まっている。これにより、既存の家電用、産業用製品において、エネルギーの効率的な変換(Conversion)のためのIPM(Intelligent Power Module)を適用したインバータの採用が加速化している。
【0003】
このようなパワーモジュールの拡大適用により、高集積化、高容量化、小型化に対する市場の要求はさらに高まっており、これによる電子部品の発熱問題に対する解決が重要な課題となっている。
【0004】
これにより、パワーモジュールの効率増加及び高信頼性を確保するために、発熱問題を解決するための方案として、パワーモジュールと水冷システムとを別に製作して結合する構造を利用している実情である。
【0005】
しかし、上述の構造は、パワーモジュールと水冷システムの夫々に対する製作単価が高く、別の装置が結合する形態であるため、効率的な放熱効果を期待することが困難であるという問題点が発生している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の従来技術の問題点を解決するためのもので、本発明の一側面は、パワーモジュールと冷却物質が流れるようにするヒートシンクとの一体化により、放熱効率を向上させることができるパワーモジュールパッケージ及びその製造方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のパワーモジュールパッケージは、メタル材質からなるベース基板と、前記ベース基板の内部に冷却物質が流れるように形成された冷却チャンネルと、前記ベース基板の外面に形成された陽極酸化層と、前記陽極酸化層を有するベース基板の第1の面に形成された回路及び接続パッドを含むメタル層と、前記メタル層上に実装された半導体素子と、を含むことができる。
【0008】
また、前記冷却チャンネルは、前記ベース基板の厚さ方向を基準に中央に形成されることができる。
【0009】
また、前記冷却チャンネルは、前記ベース基板の厚さ方向の断面が円形または多角形の形状を有することができる。
【0010】
また、前記冷却チャンネルは、冷却物質が流入される流入部と、前記流入部と連結され、流入された前記冷却物質が経由する経路部と、前記経路部と連結され、前記冷却物質が流出される流出部と、を含み、前記経路部が複数の経路を有する場合、前記複数の経路が前記流入部及び前記流出部を基準に対称放射状であることができる。
【0011】
また、前記冷却チャンネルは、冷却物質が流入される流入部と、前記流入部と連結され、流入された冷却物質が経由する経路部と、前記経路部と連結され、前記冷却物質が流出される流出部と、を含み、前記冷却物質が経由する方向を基準に、前記経路部の幅を前記流入部及び前記流出部の幅より大きく形成することができる。
【0012】
また、前記冷却チャンネルは、多数の屈曲が形成されたパイプ形状であることができる。
【0013】
また、前記冷却チャンネルは、冷却物質が流入される流入部と、前記流入部と連結され、流入された冷却物質が経由する経路部と、前記経路部と連結され、前記冷却物質が流出される流出部と、を含み、前記経路部が複数の経路を有する場合、前記半導体素子の発熱量に比例するように前記経路を形成し、形成された前記経路を前記半導体素子の実装領域の下部に配置することができる。
【0014】
また、前記メタル層上に形成されるリードフレームと、前記半導体素子の間、または前記半導体素子と前記リードフレームとの間を電気的に連結するためのワイヤと、をさらに含むことができる。
【0015】
また、前記ベース基板の上部及び側面を包むように形成されたモールディングをさらに含むことができる。
【0016】
また、前記ベース基板はアルミニウムからなることができる。
【0017】
他の本発明によるパワーモジュールパッケージの製造方法は、メタル材質からなる第1及び第2のプレートを準備する段階と、前記第1及び第2のプレートの一面を除いた面に陽極酸化層を形成する段階と、前記第1及び第2のプレートの両方または一方の一面から内側方向に溝形状の冷却チャンネルを形成する段階と、前記第1のプレートの他面の陽極酸化層上に回路及び接続パッドを含むメタル層を形成する段階と、前記メタル層上に半導体素子を実装する段階と、前記第1及び第2のプレートを接合する段階と、を含むことができる。
【0018】
また、前記冷却チャンネルを形成する段階において、前記冷却チャンネルは、前記第1及び第2のプレートが接合された状態であるベース基板の厚さ方向を基準に中央に位置するように形成することができる。
【0019】
また、前記冷却チャンネルを形成する段階において、前記冷却チャンネルは、前記第1及び第2のプレートが接合された状態であるベース基板の厚さ方向の断面が円形または多角形の形状を有するように形成することができる。
【0020】
また、前記冷却チャンネルは、冷却物質が流入される流入部と、前記流入部と連結され、流入された冷却物質が経由する経路部と、前記経路部と連結され、前記冷却物質が流出される流出部と、を含み、前記冷却チャンネルを形成する段階において、前記経路部が複数の経路を有する場合、前記第1及び第2のプレートが接合された後、前記複数の経路が前記流入部及び前記流出部を基準に対称放射状になるように形成することができる。
【0021】
また、前記冷却チャンネルは、冷却物質が流入される流入部と、前記流入部と連結され、流入された冷却物質が経由する経路部と、前記経路部と連結され、前記冷却物質が流出される流出部と、を含み、前記冷却チャンネルを形成する段階において、前記第1及び第2のプレートが接合された後、前記経路部の冷却物質が経由する方向の幅を前記流入部及び前記流出部の幅より大きく形成することができる。
【0022】
また、前記冷却チャンネルを形成する段階において、第1及び第2のプレートが接合された後、前記冷却チャンネルが多数の屈曲を有するパイプ形状になるように形成することができる。
【0023】
また、前記冷却チャンネルは、冷却物質が流入される流入部と、前記流入部と連結され、流入された冷却物質が経由する経路部と、前記経路部と連結され、前記冷却物質が流出される流出部と、を含み、前記冷却チャンネルを形成する段階において、前記経路部が複数の経路を有する場合、前記半導体素子の発熱量に比例するように前記経路を形成し、形成された前記経路を前記半導体素子の実装領域の下部に配置することができる。
【0024】
また、前記半導体素子を実装する段階の後、前記第1及び第2のプレートを接合する段階の前に、前記メタル層上にリードフレームを形成する段階と、前記半導体素子の間、または前記半導体素子と前記リードフレームとの間を電気的に連結するためのワイヤを形成する段階と、をさらに含むことができる。
【0025】
また、前記ワイヤを形成する段階の後、前記ベース基板の上部及び側面を包むようにモールディングを形成する段階をさらに含むことができる。
【0026】
また、前記接合する段階において、前記第1のプレート及び第2のプレートを陽極ボンディング(Anodic Bonding)、有機接着(Organic adhesion)及びこれらの組み合わせの何れか一つにより接合することができる。
【0027】
本発明の特徴及び利点は添付図面に基づいた以下の詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。
【0028】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に用いられた用語や単語は通常的かつ辞書的な意味に解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されるべきである。
【発明の効果】
【0029】
本発明のパワーモジュールパッケージ及びその製造方法は、半導体素子が実装され、優れた放熱特性を有する陽極酸化層を含み、メタル材質からなるベース基板に、冷却チャンネルを形成してパワーモジュールとヒートシンクとを一体化することにより、ベース基板による放熱効果及び冷却チャンネルによる放熱効果がともに得られ、半導体素子から発生する熱をより効率的に伝達して放熱特性を向上させることができる。これにより、製品の信頼性が増大するという効果を期待することができる。
【0030】
また、本発明は、ベース基板とヒートシンクとを一体化することにより、パワーモジュールパッケージのサイズの減少及び製作単価を減らすことができるという長所がある。
【0031】
さらに、本発明は、冷却チャンネルのデザインを自由に具現することが可能であるため、パワーモジュールパッケージに実装される半導体素子の特性及び用途に応じて、冷却チャンネルの経路を集中配置するか、または面積を調節することにより、高発熱の半導体素子からの熱を効率的に放出させることができるという効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施例によるパワーモジュールパッケージの構成を示す図面である。
【図2】本発明の第2実施例によるパワーモジュールパッケージの構成を示す図面である。
【図3】本発明の第3実施例によるパワーモジュールパッケージの構成を示す図面である。
【図4】本発明による冷却チャンネルの多様な構成を説明するための平面図である。
【図5】本発明による冷却チャンネルの多様な構成を説明するための平面図である。
【図6】本発明による冷却チャンネルの多様な構成を説明するための平面図である。
【図7】本発明による冷却チャンネルの多様な構成を説明するための平面図である。
【図8】本発明による冷却チャンネルの多様な構成を説明するための平面図である。
【図9】本発明による冷却チャンネルの多様な構成を説明するための平面図である。
【図10】本発明の第1実施例によるパワーモジュールパッケージの製造方法を説明するための工程図である。
【図11】本発明の第1実施例によるパワーモジュールパッケージの製造方法を説明するための工程図である。
【図12】本発明の第1実施例によるパワーモジュールパッケージの製造方法を説明するための工程図である。
【図13】本発明の第1実施例によるパワーモジュールパッケージの製造方法を説明するための工程図である。
【図14】本発明の第1実施例によるパワーモジュールパッケージの製造方法を説明するための工程図である。
【図15】本発明の第1実施例によるパワーモジュールパッケージの製造方法を説明するための工程図である。
【図16】本発明の第1実施例によるパワーモジュールパッケージの製造方法を説明するための工程図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにあたり、係わる公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。本明細書において、第1、第2などの用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素は前記用語によって限定されない。
【0034】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0035】
パワーモジュールパッケージ
図1は本発明の第1実施例によるパワーモジュールパッケージの構成を示す図面である。
【0036】
以下、図1に図示された本発明の第1実施例によるパワーモジュールパッケージの構成を、本発明の他の実施例によるパワーモジュールパッケージの構成を示す図2及び図3と、本発明による冷却チャンネルの多様な構成を説明するための平面図である図4から図9を参照して説明する。
【0037】
図1に図示するように、パワーモジュールパッケージ100は、メタル材質からなるベース基板110と、ベース基板110の内部に冷却物質が流れるように形成された冷却チャンネル200と、ベース基板110の外面に形成された陽極酸化層120と、陽極酸化層120を有するベース基板110の第1の面に形成された回路及び接続パッドを含むメタル層130と、メタル層130上に実装された半導体素子140と、を含む。
【0038】
この際、ベース基板110は熱伝導度に優れたアルミニウムからなることができ、これに限定されるものではない。
【0039】
また、陽極酸化層120は酸化アルミニウム(Aluminum Oxide)絶縁層であることができる。この際、酸化アルミニウム絶縁層は優れた熱伝導度(例えば、7〜20W/m・K)を有し、且つ、高い絶縁特性(例えば、25V/μm)により、モジュールの高い放熱特性及び電気的ブレークダウン(Breakdown)特性を保障することができる。
【0040】
また、冷却物質は、水(Water)、冷媒などのように冷却チャンネル200を介して移動しながら、パワーモジュールパッケージ100の放熱特性を提供することができる物質であれば、何れも可能である。
【0041】
図1に図示するように、冷却チャンネル200はベース基板110の厚さ方向を基準に中央に形成されることができ、これに限定されるものではない。ここで、「中央」とは、ベース基板110の内部で上部及び下部から同様に離隔される位置を意味すると定義する。
【0042】
第1実施例から第3実施例の図1から図3に図示するように、冷却チャンネル200は、ベース基板110の厚さ方向の断面が円形または多角形の形状を有することができる。
【0043】
一方、図4から図6に図示するように、冷却チャンネル200は、冷却物質が流入される流入部201と、流入部201と連結され、流入された冷却物質が経由する経路部203と、経路部203と連結され、冷却物質が流出される流出部205と、を含む。
【0044】
図4に図示するように、冷却チャンネル200の経路部203が複数の経路を有する場合、複数の経路が流入部201及び流出部205を基準に対称放射状であることができる。
【0045】
例えば、図4のB領域に形成された複数の経路の両側が流入部201及び流出部205に夫々連結された状態で、流入部201及び流出部205を基準に放射状に形成されることができる。
【0046】
また、図5に図示するように、冷却物質が経由する方向を基準に、B領域の経路部203の幅を流入部201及び流出部205の幅より大きく形成することができる。
【0047】
また、図6に図示するように、冷却チャンネル200は、多数の屈曲が形成されたパイプ形状であることができる。
【0048】
一方、経路部203が複数の経路を有する場合、半導体素子140の発熱量に比例するように経路を形成し、形成された経路を半導体素子140の実装領域の下部に配置することができる。
【0049】
例えば、図7に図示するように、発熱が予想される半導体素子140の実装領域の下部に経路部203の経路を多数個形成する場合、半導体素子140のうちでも高発熱の電力素子141の下部に形成される経路の数を、電力素子141に比べ発熱が少ない制御素子143の下部に形成される経路の数より多く形成することができる。
【0050】
これにより、発熱量が大きい半導体素子140に対する放熱特性が向上するだけでなく、相対的に高発熱の電力素子141からの熱も円滑に伝達されるため、放熱特性がさらに向上するという効果を期待することができる。
【0051】
また、高発熱の電力素子141に、より多くの経路を形成することにより、電力素子141からの発熱が制御素子143に及ぶ影響を最小化することができる。
【0052】
例えば、電力素子141はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、ダイオード(Diode)などであり、制御素子143は制御IC(Control Integrated Circuit)などを含むことができる。
【0053】
また、経路部203の幅を半導体素子140の発熱量に比例するように形成することも可能である。
【0054】
例えば、図8に図示するように、半導体素子140が実装される領域の経路部203の幅を他の領域(例えば、半導体素子が実装されていない領域)より大きく形成し、さらに、高発熱が予想される電力素子141の実装領域に形成される経路部203の幅を、電力素子141に比べ低発熱が予想される制御素子143の実装領域に形成される経路部203の幅より大きく形成することできる。
【0055】
また、冷却チャンネル200は、半導体素子の発熱量に応じて、図9に図示するように、経路部203が集中されるように形成することも可能である。
【0056】
例えば、図6のような冷却チャンネル200において、半導体素子の発熱量に応じて電力素子141の下部及び制御素子143の下部に多数の経路部203が形成されるようにし、さらに、制御素子143に比べ高発熱が予想される電力素子141の下部に経路部203がより集中配置されるように形成することができる。
【0057】
上述の図8及び図9の冷却チャンネル200は、電力素子141からの発熱が制御素子143まで及ぶ影響を最小化することができる。
【0058】
また、パワーモジュールパッケージ100は、メタル層130上に形成されるリードフレーム150と、半導体素子140の間、または半導体素子140とリードフレーム150との間を電気的に連結するためのワイヤ160をさらに含むことができる。
【0059】
また、パワーモジュールパッケージ100は、ベース基板110の上部及び側面を包むように形成されたモールディング170をさらに含むことができる。
【0060】
この際、モールディング170は、放熱効率特性のために、ベース基板110の下部面が露出した形態を有するように形成される。
【0061】
パワーモジュールパッケージの製造方法
図10から図16は本発明の第1実施例によるパワーモジュールパッケージの製造方法を説明するための工程図である。
以下、図10から図16に図示された本発明の第1実施例によるパワーモジュールパッケージの製造方法を、図4から図9の図面をともに参照して説明する。
【0062】
まず、図10(a)及び図10(b)に図示するように、メタル材質からなる第1及び第2のプレート111、113を準備する。
【0063】
次に、第1及び第2のプレート111、113の一面を除いた面に陽極酸化層121、123を形成する。
【0064】
例えば、図10(a)及び図10(b)に図示するように、第1及び第2のプレート111、113が互いに接合される面を除いた三面に陽極酸化層121、123を形成する。
【0065】
また、陽極酸化層121、123は、その用途に応じて、Al2O3酸化膜を陽極酸化することにより20μm〜500μmに形成することができる。
【0066】
次に、図11(a)及び図11(b)に図示するように、第1及び第2のプレート111、113の両方または一方の一面から内側方向に溝形状の冷却チャンネル200を形成する。
【0067】
この際、冷却チャンネル200は、化学及び電気化学エッチング、機械的加工(Routing、V−cut)などによって形成されることができる。
【0068】
また、第1及び第2のプレート111、113の両方に冷却チャンネル200を形成する場合、第1及び第2のプレート111、113が互いに接合された後、第1及び第2のプレート111、113に形成された冷却チャンネル200が一つの冷却チャンネル200の形態にならなければならないため、第1及び第2のプレート111、113の互いに対応する領域に冷却チャンネル200を形成する。
【0069】
もし、第1及び第2のプレート111、113の一方にのみ冷却チャンネル200を形成する場合、上述の事項を考慮しなくてもよい。
【0070】
また、冷却チャンネル200は、第1及び第2のプレート111、113が接合された状態であるベース基板110の厚さ方向を基準に、中央に位置するように形成することができる。
【0071】
また、冷却チャンネル200は、第1及び第2のプレート111、113が接合された状態であるベース基板110の厚さ方向の断面が円形及び多角形の何れか一つの形状を有するように形成されることができる。
【0072】
次に、図12に図示するように、第1のプレート111の他面の陽極酸化層121上に、回路及び接続パッドを含むメタル層130を形成する。
【0073】
この際、メタル層130に、乾式スパッタリング(Sputtering)または湿式無電解及び電解メッキによってメタルシード層を形成した後、湿式化学メッキ及び電解メッキまたはリフトオフ(Lift−off)法によって接続パッド及び回路を形成する。
【0074】
前記メタルシード層は、Cu、Cu/Ni、Cu/Ti、Au/Pt/Ni/Cu、Au/Pt/Ni/Cu/Ti及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれた少なくとも一つの材料からなることができる。前記「/」は「及び」を意味すると定義する。
【0075】
次に、図13に図示するように、メタル層130上に半導体素子140を実装する。
【0076】
ここで、半導体素子140をメタル層130に実装するための接合材としては、半田(Solder)、有機樹脂(Organic Resin)などを用いることができる。
【0077】
次に、図14に図示するように、メタル層130上にリードフレーム150を形成する。
【0078】
この際、半導体素子140が実装されていないメタル層130部分の上にリードフレーム150を形成する。
【0079】
ここで、リードフレーム150をメタル層130に実装するための接合材としては、半田(Solder)、有機樹脂(Organic Resin)などを用いることができる。
【0080】
次に、図14に図示するように、半導体素子140の間、または半導体素子140とリードフレーム150との間を電気的に連結するためのワイヤ160を形成する。
【0081】
次に、図15に図示するように、ベース基板110の上部及び側面を包むようにモールディングを形成する。
【0082】
より詳細に説明すると、第1のプレート111の上部に配置されたメタル層130、半導体素子140、ワイヤ160及び第1のプレート111の側面を全て覆って、リードフレーム150の一側を覆う形態にモールディングを形成する。
【0083】
一方、モールディング170を第1のプレート111の側面だけでなく、第2のプレート113の側面にも形成することが可能であり、この場合は、モールディング170を形成する前に、第1のプレート111と第2のプレート113との接合段階を優先的に行う。
【0084】
即ち、モールディング170は、運用者の必要に応じてその形状を変形することが可能である。
【0085】
この際、第1のプレート111と第2のプレート113とが接合された状態であるベース基板110における下部面は、モールディングに覆われず露出する形態を有する。これは、半導体素子140から発生した熱を外部に円滑に放出させるためである。
【0086】
次に、図16に図示するように、第1及び第2のプレート111、113を接合する。
【0087】
この際、第1のプレート111及び第2のプレート113は、陽極ボンディング(Anodic Bonding)、有機接着(Organic adhesion)及びこれらの組み合わせの何れか一つにより接合することができる。
【0088】
一方、冷却チャンネル200は、冷却物質が流入される流入部201と、流入部201と連結され、流入された冷却物質が経由する経路部203と、経路部203と連結され、冷却物質が流出される流出部205と、を含む。
【0089】
図4に図示するように、冷却チャンネル200の経路部203が複数の経路を有する場合、複数の経路が流入部201及び流出部205を基準に対称放射状であることができる。
【0090】
例えば、図4のB領域に形成された複数の経路の両側が流入部201及び流出部205に夫々連結された状態で、流入部201及び流出部205を基準に放射状に形成されることができる。
【0091】
また、図5に図示するように、冷却物質が経由する方向を基準に、B領域の経路部203の幅を流入部201及び流出部205の幅より大きく形成することができる。
【0092】
また、図6に図示するように、冷却チャンネル200は、多数の屈曲が形成されたパイプ形状であることができる。
【0093】
一方、経路部203が複数の経路を有する場合、半導体素子140の発熱量に比例するように経路を形成し、形成された経路を半導体素子140の実装領域の下部に配置することができる。
【0094】
例えば、図7に図示するように、発熱が予想される半導体素子140の実装領域の下部に経路部203の経路を多数個形成する場合、半導体素子140のうちでも高発熱の電力素子141の下部に形成される経路の数を、電力素子141に比べ発熱が少ない制御素子143の下部に形成される経路の数より多く形成することができる。
【0095】
これにより、発熱量が大きい半導体素子140に対する放熱特性が向上するだけでなく、相対的に高発熱の電力素子141からの熱も円滑に伝達されるため、放熱特性がさらに向上するという効果を期待することができる。
【0096】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明によるパワーモジュールパッケージ及びその製造方法はこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0097】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【符号の説明】
【0098】
100 パワーモジュールパッケージ
110 ベース基板
111 第1のプレート
113 第2のプレート
120 陽極酸化層
121 第1の陽極酸化層
123 第2の陽極酸化層
130 メタル層
140 半導体素子
141 電力素子
143 制御素子
150 リードフレーム
160 ワイヤ
170 モールディング
200 冷却チャンネル
201 流入部
203 経路部
205 流出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタル材質からなるベース基板と、
前記ベース基板の内部に冷却物質が流れるように形成された冷却チャンネルと、
前記ベース基板の外面に形成された陽極酸化層と、
前記陽極酸化層を有するベース基板の第1の面に形成された回路及び接続パッドを含むメタル層と、
前記メタル層上に実装された半導体素子と、
を含むパワーモジュールパッケージ。
【請求項2】
前記冷却チャンネルは、前記ベース基板の厚さ方向を基準に中央に形成される請求項1に記載のパワーモジュールパッケージ。
【請求項3】
前記冷却チャンネルは、前記ベース基板の厚さ方向の断面が円形または多角形の形状を有する請求項1に記載のパワーモジュールパッケージ。
【請求項4】
前記冷却チャンネルは、
冷却物質が流入される流入部と、
前記流入部と連結され、流入された前記冷却物質が経由する経路部と、
前記経路部と連結され、前記冷却物質が流出される流出部と、を含み、
前記経路部が複数の経路を有する場合、前記複数の経路が前記流入部及び前記流出部を基準に対称放射状である請求項1に記載のパワーモジュールパッケージ。
【請求項5】
前記冷却チャンネルは、
冷却物質が流入される流入部と、
前記流入部と連結され、流入された冷却物質が経由する経路部と、
前記経路部と連結され、前記冷却物質が流出される流出部と、を含み、
前記冷却物質が経由する方向を基準に、前記経路部の幅が前記流入部及び前記流出部の幅より大きい請求項1に記載のパワーモジュールパッケージ。
【請求項6】
前記冷却チャンネルは、多数の屈曲が形成されたパイプ形状である請求項1に記載のパワーモジュールパッケージ。
【請求項7】
前記冷却チャンネルは、
冷却物質が流入される流入部と、
前記流入部と連結され、流入された冷却物質が経由する経路部と、
前記経路部と連結され、前記冷却物質が流出される流出部と、を含み、
前記経路部が複数の経路を有する場合、前記半導体素子の発熱量に比例するように前記経路を形成し、形成された前記経路を前記半導体素子の実装領域の下部に配置する請求項1に記載のパワーモジュールパッケージ。
【請求項8】
前記メタル層上に形成されるリードフレームと、
前記半導体素子の間、または前記半導体素子と前記リードフレームとの間を電気的に連結するためのワイヤと、
をさらに含む請求項1に記載のパワーモジュールパッケージ。
【請求項9】
前記ベース基板の上部及び側面を包むように形成されたモールディングをさらに含む請求項1に記載のパワーモジュールパッケージ。
【請求項10】
前記ベース基板はアルミニウムからなる請求項1に記載のパワーモジュールパッケージ。
【請求項11】
メタル材質からなる第1及び第2のプレートを準備する段階と、
前記第1及び第2のプレートの一面を除いた面に陽極酸化層を形成する段階と、
前記第1及び第2のプレートの両方または一方の一面から内側方向に溝形状の冷却チャンネルを形成する段階と、
前記第1のプレートの他面の陽極酸化層上に回路及び接続パッドを含むメタル層を形成する段階と、
前記メタル層上に半導体素子を実装する段階と、
前記第1及び第2のプレートを接合する段階と、
を含むパワーモジュールパッケージの製造方法。
【請求項12】
前記冷却チャンネルを形成する段階において、
前記冷却チャンネルは、前記第1及び第2のプレートが接合された状態であるベース基板の厚さ方向を基準に中央に位置するように形成する請求項11に記載のパワーモジュールパッケージの製造方法。
【請求項13】
前記冷却チャンネルを形成する段階において、
前記冷却チャンネルは、前記第1及び第2のプレートが接合された状態であるベース基板の厚さ方向の断面が円形または多角形の形状を有するように形成する請求項11に記載のパワーモジュールパッケージの製造方法。
【請求項14】
前記冷却チャンネルは、
冷却物質が流入される流入部と、
前記流入部と連結され、流入された冷却物質が経由する経路部と、
前記経路部と連結され、前記冷却物質が流出される流出部と、を含み、
前記冷却チャンネルを形成する段階において、
前記経路部が複数の経路を有する場合、前記第1及び第2のプレートが接合された後、前記複数の経路が前記流入部及び前記流出部を基準に対称放射状になるように形成する請求項11に記載のパワーモジュールパッケージの製造方法。
【請求項15】
前記冷却チャンネルは、
冷却物質が流入される流入部と、
前記流入部と連結され、流入された冷却物質が経由する経路部と、
前記経路部と連結され、前記冷却物質が流出される流出部と、を含み、
前記冷却チャンネルを形成する段階において、
前記第1及び第2のプレートが接合された後、前記経路部の冷却物質が経由する方向の幅を前記流入部及び前記流出部の幅より大きく形成する請求項11に記載のパワーモジュールパッケージの製造方法。
【請求項16】
前記冷却チャンネルを形成する段階において、
第1及び第2のプレートが接合された後、前記冷却チャンネルが多数の屈曲を有するパイプ形状になるように形成する請求項11に記載のパワーモジュールパッケージの製造方法。
【請求項17】
前記冷却チャンネルは、
冷却物質が流入される流入部と、
前記流入部と連結され、流入された冷却物質が経由する経路部と、
前記経路部と連結され、前記冷却物質が流出される流出部と、を含み、
前記冷却チャンネルを形成する段階において、
前記経路部が複数の経路を有する場合、前記半導体素子の発熱量に比例するように前記経路を形成し、形成された前記経路を前記半導体素子の実装領域の下部に配置する請求項11に記載のパワーモジュールパッケージの製造方法。
【請求項18】
前記半導体素子を実装する段階の後、前記第1及び第2のプレートを接合する段階の前に、
前記メタル層上にリードフレームを形成する段階と、
前記半導体素子の間、または前記半導体素子と前記リードフレームとの間を電気的に連結するためのワイヤを形成する段階と、
をさらに含む請求項11に記載のパワーモジュールパッケージの製造方法。
【請求項19】
前記ワイヤを形成する段階の後、
前記ベース基板の上部及び側面を包むようにモールディングを形成する段階をさらに含む請求項18に記載のパワーモジュールパッケージの製造方法。
【請求項20】
前記接合する段階において、
前記第1のプレート及び第2のプレートを陽極ボンディング(Anodic Bonding)、有機接着(Organic adhesion)及びこれらの組み合わせの何れか一つにより接合する請求項11に記載のパワーモジュールパッケージの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−21283(P2013−21283A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228704(P2011−228704)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】