説明

ヒドロキシメチルシクロヘキシルアミン類

本発明は、μ−オピオイドレセプターおよびORL1レセプターに対して親和性を有する化合物、それらの製造方法、それら化合物を含む医薬および医薬製造のためのそれら化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、μ−オピオイドレセプターおよびORL1レセプターに対して親和性を有するヒドロキシメチルシクロヘキシルアミン類、それらの製造方法、それら化合物を含む医薬および医薬製造のためのそれら化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
μ−オピオイドレセプターおよびORL1レセプターに対して親和性を有するシクロヘキサン誘導体は、従来技術から公知である。この関係では、例えば、国際公開第2002090317号パンフレット、国際公開第200290330号パンフレット、国際公開第2003008370号パンフレット、国際公開第2003008731号パンフレット、国際公開第2003080557号パンフレット、国際公開第2004043899号パンフレット、国際公開第2004043900号パンフレット、国際公開第2004043902号パンフレット、国際公開第2004043909号パンフレット、国際公開第2004043949号パンフレット、国際公開第2004043967号パンフレット、国際公開第2005063769号パンフレット、国際公開第2005066183号パンフレット、国際公開第2005110970号パンフレット、国際公開第2005110971号パンフレット、国際公開第2005110973号パンフレット、国際公開第2005110974号パンフレット、国際公開第2005110975号パンフレット、国際公開第2005110976号パンフレット、国際公開第2005110977号パンフレット、国際公開第2006018184号パンフレット、国際公開第2006108565号パンフレット、国際公開第2007079927号パンフレット、国際公開第2007079928号パンフレット、国際公開第2007079930号パンフレット、国際公開第2007079931号パンフレット、国際公開第2007124903号パンフレット、国際公開第2008009415号パンフレットおよび国際公開第2008009416号パンフレットを全面的に参照することができる。
【0003】
しかし、公知の化合物はどの観点からも満足であるとは限らない。実際、公知の化合物は、時として、ORL1レセプターに対して必ずしも最適な親和性を示さないことがある。一般には、化合物のORL1レセプターに対する親和性が高くなればなるほど、同じ薬理作用を引き出すためのその所要薬用量は減少することを最初に前提することができる。他方、所要薬用量が少なくなればなるほど、願わしくない副作用が発現する確率もますます低くなる。
【0004】
その上、公知の化合物は、時として、適当な結合アッセイでは、hERG−イオンチャネル、Lタイプ・カルシウム−イオンチャネル(フェニルアルキルアミン、ベンゾチアゼピン、ジヒドロピリジンの結合箇所)に対して、あるいはBTXアッセイ(バトラコトキシン)ではナトリウム−チャネルに対してある程度の親和性を示している。これらはそれぞれ、心臓血管性副作用の徴候と解釈することができる。さらに、公知化合物の多くは水性媒質中では低い可溶性しか示さず、それが特に、生体内利用率に悪影響を及ぼすことがある。加えて、公知の化合物は化学的安定性が不十分に過ぎないことがしばしばある。実際、それらの化合物は、時にはpH安定性、UV安定性または酸化安定性が十分でないことがあり、特に、貯蔵安定性およびまた経口による生体内利用率にも悪影響を及ぼすことがある。さらに、公知の化合物は一部には好ましくないPK/PD(薬動学/薬力学)特性を示すものがあり、それは、例えば長過ぎる作用期間となって現われることがある。
【0005】
公知化合物の代謝安定性も改良の必要性がありそうである。改良された代謝安定性は生体内利用率の上昇を示唆することがある。薬用物質の吸収および排泄に関与している搬送体分子との相互作用が微小である、または存在しないことも、改良された生体内利用率および恐らくは少ない医薬相互作用を示唆するものと評価することができる。
【0006】
さらに、薬用物質の分解および排泄に関与する酵素との相互作用もできる限り少なくすべきであろう。そのようなテスト結果も同様に、医薬相互作用が、恐らくは少ないか、全くないと想定し得ることを示唆するからである。
【0007】
ORL1レセプターに結合する別の化合物も必要である。その化合物は、できる限り、ORL1レセプターに対する親和性が少なくとも比較可能な、好ましくはより高いレベルのものとすべきであろう。他のレセプター(例えば、μ−オピオイドレセプター、δ−オピオイドレセプター)への追加結合、または他のレセプター(例えば、B1R−レセプター)への拮抗作用が更なる利点をもたらすことがある。
【0008】
それらの化合物は、その上、水性媒質中ではできる限り比較可能なレベルの、好ましくはより良好な溶解度を有しているべきであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2002090317号パンフレット
【特許文献2】国際公開第200290330号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2003008370号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2003008731号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2003080557号パンフレット
【特許文献6】国際公開第2004043899号パンフレット
【特許文献7】国際公開第2004043900号パンフレット
【特許文献8】国際公開第2004043902号パンフレット
【特許文献9】国際公開第2004043909号パンフレット
【特許文献10】国際公開第2004043949号パンフレット
【特許文献11】国際公開第2004043967号パンフレット
【特許文献12】国際公開第2005063769号パンフレット
【特許文献13】国際公開第2005066183号パンフレット
【特許文献14】国際公開第2005110970号パンフレット
【特許文献15】国際公開第2005110971号パンフレット
【特許文献16】国際公開第2005110973号パンフレット
【特許文献17】国際公開第2005110974号パンフレット
【特許文献18】国際公開第2005110975号パンフレット
【特許文献19】国際公開第2005110976号パンフレット
【特許文献20】国際公開第2005110977号パンフレット
【特許文献21】国際公開第2006018184号パンフレット
【特許文献22】国際公開第2006108565号パンフレット
【特許文献23】国際公開第2007079927号パンフレット
【特許文献24】国際公開第2007079928号パンフレット
【特許文献25】国際公開第2007079930号パンフレット
【特許文献26】国際公開第2007079931号パンフレット
【特許文献27】国際公開第2007124903号パンフレット
【特許文献28】国際公開第2008009415号パンフレット
【特許文献29】国際公開第2008009416号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の基礎となる課題は、医薬目的に適し、そして従来技術の化合物に比べて利点を有する化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は請求項に記載の対象によって解決される。驚くべきことに、μ−オピオイドレセプターおよびORL1レセプターに親和性を持つ、置換されたシクロヘキサン誘導体の製造が可能であることが見出された。
【0012】
本発明は、一般式(1)
【化1】

{式中、
1、’、Y2、’、Y3、’、YおよびY’はそれぞれ、相互に無関係に、−H、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CHO、−R、−C(=O)R、−C(=O)H、−C(=O)−OH、−C(=O)OR、−C(=O)NH、−C(=O)NHR、−C(=O)N(R、−OH、−OR、−OC(=O)H、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、−OC(=O)NHR、−OC(=O)N(R、−SH、−SR、−S(=O)1−2、−S(=O)1−2OH、−S(=O)1−2OR、−S(=O)1−2NH、−S(=O)1−2NHRまたは−S(=O)1−2N(R、−NH、−NHR、−N(R、−N(R3、−N(R、−NHC(=O)R、−NHC(=O)OR、−NHC(=O)NH、−NHC(=O)-NHR、−NH-C(=O)N(Rより成る群から選ばれるが、好ましくは、それぞれ、相互に無関係に、−H、−F、−Cl、−CNおよび−C1−8−脂肪族基より成る群から選ばれるか、あるいはYおよびY’、またはYおよびY’、またはYおよびY’、またはYおよびY’は一緒になって=Oを表し、
は、それぞれ独立して−C1−8−脂肪族基、−C3−12−環状脂肪族基、−アリール、−ヘテロアリール、−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−C1−8−脂肪族基−アリール、−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−C3−8−環状脂肪族基−C1−8−脂肪族基、−C3−8−環状脂肪族基−アリールまたは−C3−8−環状脂肪族基−ヘテロアリールを表し、
およびRは、相互に無関係にHまたは−C1−8−脂肪族基を表す。ただし、RおよびRは、好ましくは、双方とも−Hであることはない。あるいは、RおよびRは一緒になって環を形成し、−(CH2−4−を表し、
は−Rを表し、
は−H、−F、−Cl、−Br、−I、−R、−C(=O)H、−C(=O)R、−C(=O)OR、−CN、−C(=O)NH、−C(=O)NHR、−C(=O)N(R、−OH、−OR、−OC(=O)H、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、−OC(=O)NHR、−OC(=O)−N(R、−NH、−NH-R、−N(R、−N(R、−N(R、−NHC(=O)R、−NHC(=O)OR、−NHC(=O)-NHR、−NHC(=O)−N(R、−NO、−SH、−SR、−S(=O)1−2、−S(=O)1−2OH、−S(=O)1−2OR、−S(=O)1−2NH、−S(=O)1−2NHR、−S(=O)1−2N(R、−OS(=O)1−2、−OS(=O)1−2OH、−OS(=O)1−2OR、−OS(=O)1−2NH、−OS(=O)1−2NHRまたは−OS(=O)1−2N(Rを表し、
は−H、−R、−C(=O)H、−C(=O)R、−C(=O)OR、−CN、−C(=O)NH、−C(=O)NHRまたは−C(=O)N(Rを表し、
ただし、
「脂肪族基」はそれぞれ、分枝もしくは非分枝状、飽和または一価もしくは多価の不飽和、非置換またはモノ置換もしくはポリ置換された脂肪族炭化水素残基であり、
「環状脂肪族基」はそれぞれ、その環炭素原子の数が、好ましくは記載の範囲内にある(すなわち、「C3−8−」環状脂肪族基は、好ましくは3、4、5、6、7または8の環炭素原子を有している)、飽和または単一もしくは複合の不飽和、非置換またはモノ置換もしくはポリ置換された、脂肪族環状、単環もしくは多環の炭化水素残基であり、
ただし、「脂肪族基」および「環状脂肪族基」に関しての「モノ置換又はポリ置換」は、単一または複数の水素原子のモノ置換又はポリ置換、例えば、相互に無関係に、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CHO、=O、−R、−C(=O)R、−C(=O)H、−C(=O)OH、−C(=O)OR、−C(=O)NH、−C(=O)NHR、−C(=O)N(R、−OH、−OR、−OC(=O)H、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、−OC(=O)NHR、−OC(=O)−N(R、−SH、−SR、−SOH、−S(=O)1−2−R、−S(=O)1−2NH、−NH、−NHR、−N(R、−N(R、−N(R、−NHC(=O)R、−NHC(=O)OR、−NHC(=O)NH、−NHC(=O)−NHR、−NH−C(=O)N(R、−Si(R、−PO(ORより成る群から選ばれた置換基によるモノ、ジ、トリ置換または全置換の意味し、
「アリール」はそれぞれ独立して、少なくとも1つの芳香環を持つ、ただし、この環にヘテロ原子を持たない炭素環系を意味する。その場合アリール残基は、場合により、それぞれ相互に無関係にN、OおよびSから選ばれた、単一または複数のヘテロ環原子を持つことのできる、飽和状態、(部分的に)不飽和状態の、または芳香族のその他環系により縮合することができる。なお、各アリール残基は非置換またはモノもしくはポリ置換されて存在することができ、アリール置換基は同じでも異なっていてもよく、アリールのそれぞれ可能な任意の位置に存在することができ、
「ヘテロアリール」は1、2、3、4または5のヘテロ原子を含む、5、6または7の部分から成る環状芳香族残基を表す。その場合へテロ原子は同じか、または異なった窒素、酸素または硫黄であり、複素環は非置換またはモノもしくはポリ置換された形態を取ることができる。なお、複素環での置換の場合、置換基は同じでも異なっていてもよく、ヘテロアリールのそれぞれ可能な任意の位置に存在することができる。その複素環は二環系または多環系の一部にすることもでき、
ただし、「アリール」および「ヘテロアリール」に関しての「モノ置換又はポリ置換」は、環系における単一または複数の水素原子のモノ置換又はポリ置換、すなわち、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CHO、=O、−R、−C(=O)R、−C(=O)H、−C(=O)OH、−C(=O)OR、−C(=O)NH、−C(=O)NHR、−C(=O)−N(R、−OH、−O(CH1−2O−、−OR、−OC(=O)H、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、−OC(=O)NHR、−OC(=O)N(R、−SH、−SR、−SOH、−S(=O)1−2−R、−S(=O)1−2NH、−NH、−NHR、−N(R、−N(R、−N(R、−NHC(=O)R、−NHC(=O)OR、−NH−C(=O)NH、−NHC(=O)NHR、−NH-C(=O)N(R、−Si(R、−PO(ORより成る群から選ばれた置換基による置換の意味であり、その場合、場合により、存在するN環原子はそれぞれ酸化することができる(N酸化物)。}
で表わされる化合物、又はその個々のステレオ異性体 またはそれらの混合物、その遊離化合物および/またはその生理的に許容し得る塩および/または溶媒化合物に関する。
【0013】
異なった残基、例えばRとRとの統合化および例えば−OR、−OC(=O)R、−OC(=O)--NHRなど、置換基への残基の統合化の場合、置換基、例えばRは物質内で2つ、または、例えば−OR、−OC(=O)R、−OC(=O)--NHRなど、それ以上の数の残基に対して異なった意味を有することができる。
【0014】
本発明に基づく化合物は、ORL1レセプターおよびμ−オピオイドレセプターに対して良好な結合性を有している。
【0015】
好ましい実施形態では、本発明に基づく化合物はORL1/μの親和性比として、少なくとも0.1の値を示している。ORL1/μ比は1/[Ki(ORL1)/Ki(μ)]として定義されている。ORL1/μ比は、少なくとも0.2または少なくとも0.5であれば非常に好ましいが、より好ましくは、少なくとも1.0または少なくとも2.0、さらに好ましいのは、少なくとも3.0または少なくとも4.0、最も好ましいのは、少なくとも5.0または少なくとも7.5であるが、特に、少なくとも10または少なくとも15である。好ましい実施形態の1つでは、ORL1/μ比は0.1〜30、より好ましくは0.1〜25の範囲内にある。
【0016】
好ましい別の実施形態では、本発明に基づく化合物はORL1/μの親和性比として30超の値を示している。より好ましくは、その値は少なくとも50、さらに好ましくは、少なくとも100、最も好ましくは、少なくとも200、特に少なくとも300である。
【0017】
本発明に基づく化合物は、μ−オピオイドレセプターでのK値として、好ましくは、最大で500nMの値を示している。より好ましくは、最大で100nM、さらに好ましくは、最大で50nM、最も好ましくは、最大で10nM、特に最大で1.0nMである。
【0018】
μ−オピオイドレセプターでのK値の測定方法は当業者にとっては公知である。測定は実施例との関連で記述されているように行うのが好ましい。
【0019】
本発明に基づく化合物はORL1レセプターでのK値として、好ましくは、最大で500nMの値を示している。より好ましくは、最大で100nM、さらに好ましくは、最大で50nM、最も好ましくは、最大で10nM、特に最大で1.0nMである。
【0020】
ORL1レセプターでのK値の測定方法は当業者にとっては公知である。測定は実施例との関連で記述されているように行うのが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
驚くべきことに、1/[Ki(ORL1)/Ki(μ)]によって定義付けられるORL1/μの比が0.1〜30、好ましくは0.1〜25の範囲内にある、ORL1レセプターおよびμ−オピオイドレセプターに親和性のある化合物は、別のオピオイドレセプターの配位子と比較して、下記のとおり明らかな利点を有する薬理特性を有していることが明らかになった。
【0022】
1.本発明に基づく化合物は、急性痛モデルにおいては、時には適用段階3のオピオイドに比較し得る効能を示している。それらは、同時に、旧来のμ−オピオイドに対して明らかに優る生体適合性の面で傑出している。
【0023】
2.本発明に基づく化合物は、適用段階3の常用オピオイドとは異なり、単一型および多重型の神経障害性痛モデルに対しては明らかに高い効能を示す。それは、ORL1およびμ−オピオイド成分の相乗作用に依るものである。
【0024】
3.本発明に基づく化合物は、適用段階3の常用オピオイドとは異なり、神経病動物に対しては、抗アロディニア作用または抗過痛覚作用と抗侵害作用との可能な限りの、好ましくは完全な分離を示している。
【0025】
4.本発明に基づく化合物は、適用段階3の常用オピオイドとは異なり、慢性炎症痛(特に、カラーゲアンまたはCFA起因性の痛覚過敏症、内臓性炎症痛)の動物モデルでは急性痛に対し明白な作用増強効果を示している。
【0026】
5.本発明に基づく化合物では、適用段階3の常用オピオイドとは異なり、治療的効能を持つ用量領域においてμ−オピオイドの典型的な副作用(特に、呼吸機能低下、オピオイド起因性の痛覚過敏症、身体的な依存/禁断、精神的な依存/中毒)が明白に減少するか、または、より好ましくは観察されない。
【0027】
このように、ORL1/μの混合アゴニストは、1つにはμ−オピオイド副作用の減少化、また1つには慢性痛、なかでも神経障害性痛に対する効能の増大化に基づき、純μ−オピオイドと比較して明らかに拡大された安全間隔により優れている。それにより、痛み症状の治療、好ましくは慢性痛、さらに好ましくは神経障害性痛の治療において「治療ウィンドウ」が明らかに拡大される結果となる。
【0028】
1、’、Y2、’、Y3、’、YおよびY’はそれぞれ、相互に無関係に、好ましくは、−H、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NH、−NH−C1−6−脂肪族基、−NH−C3−8−環状脂肪族基、−NH−C1−6−脂肪族基−OH、−N(C1−6−脂肪族基)、−N(C3−8−環状脂肪族基)、−N(C1−6−脂肪族基−OH)、−NO、−NH−C1−6−脂肪族基−C3−8−環状脂肪族基、−NH−C1−6−脂肪族基−アリール、−NH−C1−6−脂肪族基−ヘテロアリール、−NH−アリール、−NH−ヘテロアリール、−SH、−S−C1−6−脂肪族基、−S−C3−8−環状脂肪族基、−S−C1−6−脂肪族基−C3−8−環状脂肪族基、−S−C1−6−脂肪族基−アリール、−S−C1−6−脂肪族基−ヘテロアリール、−S−アリール、−S−ヘテロアリール、−OH、−O−C1−6−脂肪族基、−O−C3−8−環状脂肪族基、−O−C1−6−脂肪族基−OH、−C1−6−脂肪族基−C3−8−環状脂肪族基、−O−C1−6−脂肪族基−アリール、−O−C1−6−脂肪族基−ヘテロアリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−C(=O)C1−6−脂肪族基、−O−C(=O)C3−8−環状脂肪族基、−O−C(=O)C1−6−脂肪族基−OH、−O−C(=O)C1−6−脂肪族基−C3−8−環状脂肪族基、−O−C(=O)C1−6−脂肪族基−アリール、−O−C(=O)C1−6−脂肪族基−ヘテロアリール、−O−C(=O)アリール、−O−C(=O)ヘテロアリール、−C1−6−脂肪族基、−C3−8−環状脂肪族基、−C1−6−脂肪族基−C3−8−環状脂肪族基、−C1−6−脂肪族基−アリール、−C1−6−脂肪族基−ヘテロアリール、−アリール、−ヘテロアリール、−C(=O)C1−6−脂肪族基、−C(=O)C3−8−環状脂肪族基、−C(=O)-C1−6−脂肪族基−C3−8−環状脂肪族基、−C(=O)C1−6−脂肪族基−アリール、−C(=O)-C1−6−脂肪族基−ヘテロアリール、−C(=O)-アリール、−C(=O)ヘテロアリール、−COH、−CO−C1−6−脂肪族基、−CO−C3−8−環状脂肪族基、−CO−C1−6−脂肪族基−C3−8−環状脂肪族基、−CO−C1−6−脂肪族基−アリール、−CO−C1−6−脂肪族基−ヘテロアリール、−CO−アリール、−CO−ヘテロアリールより成る群から選ばれる。あるいはYおよびY’、またはYおよびY’、またはYおよびY’、またはYおよびY’は一緒になって=Oを表している。Y、Y’、Y、Y’、Y、Y’、YおよびY’はそれぞれ、相互に無関係に、好ましくは、−H、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NH、−OHより成る群から選ばれる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
好ましい実施形態の1つでは、残基Y、Y’、Y、Y’、Y、Y’、YおよびY’の1つは−Hではないが、残りの残基は−Hを表している。
【0030】
特に好ましくは、Y、Y’、Y、Y’、Y、Y’、YおよびY’のそれぞれが−Hである。
【0031】
は、好ましくは、それぞれ独立して−C1−8−脂肪族基、−C3−12−環状脂肪族基、−アリール、−ヘテロアリール、−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−C1−8−脂肪族基−アリールまたは−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリールを表す。その場合、−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−C1−8−脂肪族基、−アリールまたは−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリールは、残基−C3−12−環状脂肪族基、−アリールまたは−ヘテロアリールがそれぞれ、2残基結合橋−C1−8−脂肪族基−を通じて結合していることを意味する。−C1−8−脂肪族基−アリールの好ましい例は、−CH−C、−CHCH−C、および−CH=CH−Cである。
【0032】
およびRは、相互に無関係にH、−C1−5−脂肪族基を表す。あるいはRおよびRは、一緒になって1つの環、すなわち−(CH−、−(CH−または−(CH−を形成する。RおよびRはそれぞれ、好ましくは、相互に無関係に、−H、−CHまたは−CHCHを表す。あるいはRおよびRは、一緒になって1つの環を形成し、−CHCH−または−CHCHCH−を表す。特に好ましい化合物は、RおよびRが相互に無関係にCHまたは−Hを表し、RおよびRが同時には−Hとならないものである。好ましい実施形態の1つではR=Rである。また別の好ましい実施形態ではR≠Rである。RおよびRは、好ましくは、それらが結合している窒素原子と共に下記官能基
【化2】

の1つを形成する。
【0033】
は、好ましくは、−C1−8−脂肪族基、−C3−8−環状脂肪族基、−アリール、−ヘテロアリールを、またはそれぞれ−C1−3−脂肪族基を通じて結合している−アリール、−ヘテロアリールまたは−C3−8−環状脂肪族基を表している。
【0034】
は、好ましくは、それぞれ非置換またはモノもしくはポリ置換されたエチル、−プロピル、−ブチル、−ペンチル、−ヘキシル、−ヘプチル、−シクロペンチル、−シクロヘキシル、−フェニル、−ナフチル、−アンスラセニル、−チオフェニル、−ベンゾチオフェニル、−フリル、−チエニル、−チアゾリル、−ベンゾフラニル、−ベンゾジオキソラニル、−インドリル、−インダニル、−ベンゾジオキサニル、−ピロリル、−ピリジル、−ピリミジルまたは−ピラジニル、飽和、非分枝−C1−3−脂肪族基を介して結合している、それぞれ非置換またはモノもしくはポリ置換されたシクロペンチル、−シクロヘキシル、−ペンチル、−ナフチル、−アンスラセニル、−チオフェニル、−ベンゾチオフェニル、−フリル、−チエニル、−チアゾリル、−ベンゾフラニル、−ベンゾジオキソラニル、−インドリル、−インダニル、−ベンゾジオキサニル、−ピロリル、−ピリジル、−ピリミジルまたは−ピラジニルである。
【0035】
は、より好ましくは、それぞれ非置換またはモノもしくはポリ置換されたエチル、−プロピル、−ブチル、−ペンチル、−ヘキシル、−ヘプチル、−シクロペンチル、−シクロヘキシル、−フェニル、−ベンジル、−ナフチル、−アンスラセニル、−チオフェニル、−ベンゾチオフェニル、−フリル、−チエニル、−チアゾリル、−ベンゾフラニル、−ベンゾジオキソラニル、−インドリル、−インダニル、−ベンゾジオキサニル、−ピロリル、−ピリジル、−ピリミジルまたは−ピラジニル、飽和、非分枝−C1−3−脂肪族基を介して結合している、それぞれ非置換またはモノもしくはポリ置換されたC5−6−環状脂肪族基、−フェニル、−ナフチル、−アンスラセニル、−チオフェニル、−ベンゾチオフェニル、−ピリジル、−フリル、−チエニル、−チアゾリル、−ベンゾフラニル、−ベンゾジオキソラニル、−インドリル、−インダニル、−ベンゾジオキサニル、−ピロリル、−ピリミジル、−トリアゾリルまたは−ピラジニルである。
【0036】
は、それ以上に好ましくは、それぞれ非置換またはモノもしくはポリ置換されたプロピル、−ブチル、−ペンチル、−ヘキシル、−フェニル、−チオフェニル、−フリル、−チエニル、−チアゾリル、−ナフチル、−ベンジル、−ベンゾフラニル、−インドリル、−インダニル、−ベンゾジオキサニル、−ベンゾジオキソラニル、−ピリジル、−ピリミジル、−ピラジニル、−トリアゾリルまたは−ベンゾチオフェニル、飽和、非分枝−C1−3−脂肪族基を介して結合している、それぞれ非置換またはモノもしくはポリ置換されたフェニル、−フリル、−チエニルまたは−チアゾリルである。
【0037】
は、さらに好ましくは、それぞれ置換または非置換の−プロピル、−ブチル、−ペンチル、−ヘキシル、−フェニル、−フェネチル、−チオフェニル、−ピリジル、−トリアゾリル、−ベンゾチオフェニルまたは−ベンジル、特に好ましくは、−プロピル、−3−メトキシプロピル、−ブチル、−ペンチル、−ヘキシル、−フェニル、−3−メチルフェニル、−3−フルオロフェニル、−ベンゾ[1,3]−ジオキソイル、−チエニル、−ベンゾチオフェニル、−4−クロロベンジル、−ベンジル、−3−クロロベンジル、−4−メチルベンジル、−2−クロロベンジル、−4−フルオロベンジル、−3−メチルベンジル、−2−メチルベンジル、−3−フルオロベンジル、−2−フルオロベンジル、−1−メチル−1,2,4−トリアゾリルまたは−フェネチルである。
【0038】
は、特に極めて好ましくは、−ブチル、−エチル、−3−メトキシプロピル、−ベンゾチオフェニル、−フェニル、−3−メチルフェニル、−3−フルオロフェニル、−ベンゾ[1,3]−ジオキソイル、−ベンジル、−1−メチル−1,2,4−トリアゾリル、−チエニルまたは−フェネチルを表している。
【0039】
は、最も好ましくは、それぞれ非置換、または環がモノもしくはポリ置換された−フェニル、−ベンジルまたは−フェネチル、非置換またはモノもしくはポリ置換されたC1−5−脂肪族基、−C4−6−環状脂肪族基、−ピリジル、−チエニル、−チアゾリル、−イミダゾリル、−1,2,4−トリアゾリルまたは−ベンジイミダゾリルである。
【0040】
は、特別に好ましくは、置換されていない、または−F、−Cl、−Br、−CN、−CH、−C、−NH、−NO、−SH、−CF、−OH、−OCH、−OCまたは−N(CHによってモノもしくはポリ置換された−フェニル、−ベンジル、−フェネチル、−チエニル、−ピリジル、−チアゾリル、−イミダゾリル、−1,2,4トリアゾリル、−ベンジミダゾリルまたは−ベンジル、それぞれ置換されていない、または−OH、−OCHまたは−OCによってモノもしくはポリ置換された−エチル、−n−プロピル、−2−プロピル、−アリール、−n−ブチル、−イソブチル、−第2ブチル、−第3ブチル、−n−ペンチル、−イソ−ペンチル、−ネオペンチル、−n−ヘキシル、−シクロペンチルまたは−シクロヘキシルである。ただし、好ましくは、−チエニル、−ピリジル、−チアゾリル、−イミダゾリル、−1,2,4トリアゾリルおよび−ベンジミダゾリルは非置換とする。
【0041】
好ましい実施形態の1つでは、Rは−C1−6−脂肪族基、−アリール(好ましくは−フェニル)またはヘテロアリール(好ましくは−チエニル、−チアゾリルまたは−ピリジル)である。ただし、−アリールおよびヘテロアリールはそれぞれ、非置換であるか、または相互に無関係に、−F、−Cl、−Br、−I、−CH、−OCHおよび-OHから選ばれる置換基によってモノもしくはポリ置換されている。
【0042】
は、特別に好ましくは、置換されていない、または−F、−Cl、−CN、−CHにより単一置換された−フェニル、−チエニル、置換されていない、または−OCH、−OHもしくは−OC、特に−OCHによってモノもしくはポリ置換された−エチル、−n−プロピルまたは−n−ブチルである。
【0043】
は、好ましくは、−H、−F、−Cl、−Br、−I、−C1−8−脂肪族基、−C3−12−環状脂肪族基、−アリール、−ヘテロアリール、−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−C1−8−脂肪族基−アリール、−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−C(=O)H、−C(=O)−C1−8−脂肪族基、−C(=O)−C3−12−環状脂肪族基、−C(=O)−アリール、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−C(=O)−C1−8−脂肪族基−アリール、−C(=O)−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−C(=O)O−C1−8−脂肪族基、−C(=O)O−C3−12−環状脂肪族基、−C(=O)O−アリール、−C(=O)O−ヘテロアリール、−C(=O)O−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−C(=O)O−C1−8−脂肪族基−アリール、−C(=O)O−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−CN、−C(=O)NH、−C(=O)−NH−C1−8−脂肪族基、−C(=O)NH−C3−12−環状脂肪族基、−C(=O)NH−アリール、−C(=O)-NH−ヘテロアリール、−C(=O)−NH−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−C(=O)NH−C1−8−脂肪族基−アリール、−C(=O)--NH−C1−8−脂肪族基−ヘテロ-アリール、−C(=O)N(C1−8−脂肪族基)、−C(=O)N(C3−12−環状脂肪族基)、−C(=O)-N(アリール)、−C(=O)N−(ヘテロアリール)、−C(=O)N(C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基)、−C(=O)-N(C1−8−脂肪族基−アリール)、−C(=O)−N(C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール)、−OH、−OC1−8−脂肪族基、−OC3−12−環状脂肪族基、−Oアリール、−Oヘテロアリール、−OC1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−OC1−8−脂肪族基−アリール、−OC1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−OC(=O)H、−OC(=O)−C1−8−脂肪族基、−OC(=O)−C3−12−環状脂肪族基、−OC(=O)−アリール、−OC(=O)−ヘテロアリール、−OC(=O)−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−OC(=O)−C1−8−脂肪族基−アリール、−OC(=O)−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−OC(=O)O−C1−8−脂肪族基、−OC(=O)O−C3−12−環状脂肪族基、−OC(=O)O−アリール、−OC(=O)−O−ヘテロアリール、−OC(=O)O−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−OC(=O)-O−C1−8−脂肪族基−アリール、−OC(=O)−O−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−OC(=O)NH−C1−8−脂肪族基、−OC(=O)-NH−C3−12−環状脂肪族基、−OC(=O)NH−アリール、−OC(=O)NH−ヘテロアリール、−OC(=O)NH−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−OC(=O)NH−C1−8−脂肪族基−アリール、−OC(=O)NH−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−OC(=O)-N(C1−8−脂肪族基)、−OC(=O)N(C3−12−環状脂肪族基)、−OC(=O)-N(アリール)、−OC(=O)−N(ヘテロアリール)、−OC(=O)N(C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基)、−OC(=O)N(C1−8−脂肪族基−アリール)、−OC(=O)N(C1−8−脂肪族基−ヘテロ-アリール)、−NH、−NO、−NH−C1−8−脂肪族基、−NH−C3−12−環状脂肪族基、−NH−アリール、−NH−ヘテロアリール、−NH−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−NH−C1−8−脂肪族基−アリール、−NH−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−N(C1−8−脂肪族基)、−N(C3−12−環状脂肪族基)、−N(アリール)、−N(ヘテロアリール)、−N(C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基)、−N(C1−8−脂肪族基−アリール)、−N(C1−8−脂肪族基−ヘテロ-アリール)、−NHC(=O)−C1−8−脂肪族基、−NHC(=O)−C3−12−環状脂肪族基、−NHC(=O)−アリール、−NHC(=O)−ヘテロアリール、−NHC(=O)−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−NHC(=O)−C1−8−脂肪族基−アリール、−NHC(=O)−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−NHC(=O)-O−C1−8−脂肪族基、−NHC(=O)O−C3−12−環状脂肪族基、−NHC(=O)O−アリール、−NHC(=O)O−ヘテロアリール、−NHC(=O)O−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−NHC(=O)O−C1−8−脂肪族基−アリール、−NHC(=O)O−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−NHC(=O)NH−C1−8−脂肪族基、−NHC(=O)NH−C3−12−環状脂肪族基、−NHC(=O)-NH−アリール、−NHC(=O)−NH−ヘテロアリール、−NHC(=O)NH−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−NHC(=O)-NH−C1−8−脂肪族基−アリール、−NHC(=O)NH−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−NH-C(=O)-N(C1−8−脂肪族基)、−NHC(=O)N(C3−12−環状脂肪族基)、−NHC(=O)-N(アリール)、−NHC(=O)−N(ヘテロアリール)、−NHC(=O)-N(C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基)、−NHC(=O)-N(C1−8−脂肪族基−アリール)、−NHC(=O)N(C1−8−脂肪族基−ヘテロ-アリール)、−SH、−SC1−8−脂肪族基、−SC3−12−環状脂肪族基、−Sアリール、−Sヘテロ-アリール、−SC1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−SC1−8−脂肪族基−アリール、−SC1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−S(=O)1−21−8−脂肪族基、−S(=O)1−23−12−環状脂肪族基、−S(=O)1−2アリール、−S(=O)1−2ヘテロアリール、−S(=O)1−21−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−S(=O)1−21−8−脂肪族基−アリール、−S(=O)1−21−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−S(=O)1−2OH、−S(=O)1−2OC1−8−脂肪族基、−S(=O)1−2OC3−12−環状脂肪族基、−S(=O)-1−2Oアリール、−S(=O)1−2Oヘテロアリール、−S(=O)1−2OC1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−S(=O)1−2OC1−8−脂肪族基−アリール、−S(=O)1−2OC1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−S(=O)1−2NH、−S(=O)1−2NHC1−8−脂肪族基、−S(=O)1−2NHC3−12−環状脂肪族基、−S(=O)1−2NHアリール、−S(=O)1−2NHヘテロアリール、−S(=O)1−2NH-C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−S(=O)1−2NHC1−8−脂肪族基−アリール、−S(=O)1−2NHC1−8−脂肪族基−ヘテロ-アリール、−S(=O)1−2N(C1−8−脂肪族基)、−S(=O)1−2N(C3−12−環状脂肪族基)、−S(=O)1−2N(アリール)、−S(=O)1−2N(ヘテロアリール)、−S(=O)1−2N(C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基)、−S(=O)1−2N(C1−8−脂肪族基−アリール)、−S(=O)1−2N(C1−8−脂肪族基−ヘテロ-アリール)、−OS(=O)1−21−8−脂肪族基、−OS(=O)1−23−12−環状脂肪族基、−OS(=O)1−2アリール、−OS(=O)1−2ヘテロアリール、−OS(=O)1−21−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−OS(=O)1−21−8−脂肪族基−アリール、−OS(=O)1−21−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−OS(=O)1−2OH、−OS(=O)1−2OC1−8−脂肪族基、−OS(=O)1−2OC3−12−環状脂肪族基、−OS(=O)-1−2Oアリール、−OS(=O)1−2Oヘテロアリール、−OS(=O)1−2OC1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−OS(=O)1−2OC1−8−脂肪族基−アリール、−OS(=O)1−2OC1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−OS(=O)1−2NH、−OS(=O)1−2NHC1−8−脂肪族基、−O-S(=O)1−2NHC3−12−環状脂肪族基、−OS(=O)1−2NHアリール、−OS(=O)1−2NHヘテロアリール、−OS(=O)1−2NH-C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−OS(=O)1−2NHC1−8−脂肪族基−アリール、−OS(=O)1−2NHC1−8−脂肪族基−ヘテロ-アリール、−OS(=O)1−2N(C1−


−脂肪族基)、−OS(=O)1−2N(C3−12−環状脂肪族基)、−OS(=O)1−2N(アリール)、−OS(=O)1−2N(ヘテロアリール)、−OS(=O)1−2N(C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基)、−OS(=O)1−2N(C1−8−脂肪族基−アリール)または−OS(=O)1−2N(C1−8−脂肪族基−ヘテロ-アリール)である。
【0044】
は、より好ましくは、−C1−8−脂肪族基、−C3−12−環状脂肪族基、−アリール、−ヘテロアリール、−O−C1−8−脂肪族基、−O−C3−12−環状脂肪族基、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−NH−C1−8−脂肪族基、−NH−C3−12−環状脂肪族基、−NH−アリール、−NH−ヘテロアリール、−N(C1−8−脂肪族基)、−N(C3−12−環状脂肪族基)、−N(アリール)、−N(ヘテロアリール)、−S−C1−8−脂肪族基、−S−C3−12−環状脂肪族基、−S−アリールまたは−S−ヘテロアリールである。
【0045】
は、さらに好ましくは、−C3−12−環状脂肪族基、−アリール、−ヘテロアリール、−O−C1−8−脂肪族基、−O−C3−12−環状脂肪族基、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−NH−C1−8−脂肪族基、−NH−C3−12−環状脂肪族基、−NH−アリール、−NH−ヘテロアリール、−N(C1−8−脂肪族基)、−N(C3−12−環状脂肪族基)、−N(アリール)、−N(ヘテロアリール)、−S−C1−8−脂肪族基、−S−C3−12−環状脂肪族基または−S−アリールまたは−S−ヘテロアリールである。
【0046】
は、特に好ましくは、−アリール(好ましくは、場合により、置換されたフェニル)、−O−アリール(好ましくは、場合により、置換された−O−フェニル)または−ヘテロアリール(好ましくは、それぞれ場合により、置換された−インドリルまたは−インダニル)である。特に好ましい実施形態の1つでは、Rは、−アリール、−ヘテロアリール、−C3−12−環状脂肪族基、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−C3−12−環状脂肪族基、−NH−アリール、−NH−ヘテロアリール、−NH−C3−12−環状脂肪族基、−N(アリール)、−N(ヘテロアリール)、−N(C3−12−環状脂肪族基)、−S−アリール、−S−ヘテロアリール または−S−C3−12−環状脂肪族基である。ただし、−アリール、−ヘテロアリールおよび−C3−12−環状脂肪族基が特に好ましい。
【0047】
以下に、Rの好ましい実施例を図解して示す。
【化3】

【0048】
は、好ましくは、−H、−C1−8−脂肪族基、−C3−12−環状脂肪族基、−アリール、−ヘテロアリール、−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−C1−8−脂肪族基−アリール、−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−C(=O)H、−C(=O)−C1−8−脂肪族基、−C(=O)−C3−12−環状脂肪族基、−C(=O)−アリール、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−C(=O)−C1−8−脂肪族基−アリール、−C(=O)−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−C(=O)O−C1−8−脂肪族基、−C(=O)O−C3−12−環状脂肪族基、−C(=O)O−アリール、−C(=O)O−ヘテロアリール、−C(=O)O−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−C(=O)O−C1−8−脂肪族基−アリール、−C(=O)O−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−CN、−C(=O)NH、−C(=O)−NH−C1−8−脂肪族基、−C(=O)NH−C3−12−環状脂肪族基、−C(=O)NH−アリール、−C(=O)NH−ヘテロアリール、−C(=O)−NH−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−C(=O)NH−C1−8−脂肪族基−アリール、−C(=O)-NH−C1−8−脂肪族基−ヘテロ-アリール、−C(=O)N(C1−8−脂肪族基)、−C(=O)N(C3−12−環状脂肪族基)、−C(=O)-N(アリール)、−C(=O)N−(ヘテロアリール)、−C(=O)N(C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基)、−C(=O)N(C1−8−脂肪族基−アリール)または−C(=O)−N(C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール)である。
【0049】
は、より好ましくは、−H、−C1−8−脂肪族基、−C3−12−環状脂肪族基、−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−C1−8−脂肪族基−アリール、−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−アリールおよび−ヘテロアリールから選択されている。
【0050】
以下に、R≠−Hの好ましい実施例を図解して示す。
【化4】

【0051】
好ましい実施形態の1つではRは−Hである。
【0052】
次表は、本発明に基づく化合物の特に好ましい実施形態をまとめたものである。
【0053】
【表1】

【0054】
説明目的のために、炭化水素残基を一方は脂肪族炭化水素残基として、もう一方は芳香族炭化水素残基として区分する。
【0055】
脂肪族炭化水素残基自体、非環状脂肪族炭化水素残基(=「脂肪族基」)を一方の側として、環状脂肪族炭化水素残基、すなわち、脂環族炭化水素残基(=「環状脂肪族基」)をもう一方の側として細分される。環状脂肪族基は単環または多環の形態を取ることができる。脂環族炭化水素残基(「環状脂肪族基」)は、純脂肪族炭素環だけでなく脂肪族複素環をも含む。すなわち、「環状脂肪族基」は−明示的に特定化されていない限り−純脂肪族炭素環(例えば、シクロヘキシル)、純脂肪族複素環(例えば、ピペリジルまたはピペラジル)のほか、非芳香族系、多環系および場合によっては混合系(例えば、デカリニル、デカヒドロキノリニル)をも含む。
【0056】
芳香族炭化水素自体、1つは炭素環系芳香族炭化水素(=「アリール」)として、また1つは複素環系芳香族炭化水素(=「ヘテロアリール」)として分けられる。
【0057】
少なくとも部分芳香族の多環系の分類は、主として、多環系の少なくとも1つの芳香族環が環に少なくとも1つのヘテロ原子(通例ではN、OまたはS)を有しているか否かで方向付けられる。この環にそのようなヘテロ原子が少なくとも1つ存在していれば、その場合は有利に「ヘテロアリール」である(それは、多環系の追加形成環として、ヘテロ原子を有するかもしくは有しない別の炭素環の芳香族または非芳香族の環が存在するという場合でさえ該当する)。多環系の複数芳香族環のいずれにもそのようなヘテロ原子が存在しないというのであれば、その場合は有利には「アリール」である(それは、多環系の追加形成された非芳香族環に環状へテロ原子が存在するという場合でさえ該当する)。
【0058】
したがって、多環置換基内の分類付けでは、有利にはヘテロアリール>アリール>環状脂肪族基の優先順位が適用される。上記より、次の置換基は好ましくは「アリール」として捉えられる。
【化5】

【0059】
説明目的であるため、単一結合の炭化水素残基と多重結合、例えば二重結合の炭化水素残基との間では概念的には区別を行わない。すなわち、「C1−3−脂肪族基」は、文脈に応じて、例えば−C1−3−アルキル、−C1−3−アルケニルおよび−C1−3−アルキニルだけでなく、例えば−C1−3−アルキレン−、−C1−3−アルケニレン−およびC1−3−アルキレン−をも包含する。
【0060】
脂肪族基はそれぞれ、好ましくは、分枝または非分枝状、飽和または一価もしくは多価の不飽和、非置換またはモノ置換もしくはポリ置換された脂肪族炭化水素残基である。脂肪族基が単一または多重置換されている場合では、置換基は−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CHO、=O、−R、−C(=O)R、−C(=O)−OH、−C(=O)OR、−C(=O)NH、−C(=O)NHR、−C(=O)N(R、−OH、−OR、−OC(=O)H、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、−OC(=O)−NHR、−OC(=O)N(R、−SH、−SR、−SOH、−S(=O)1−2−R、−S(=O)1−2NH、−NH、−NHR、−N(R、−N(R、−N(R、−NHC(=O)R、−NHC(=O)OR、−NHC(=O)NH、−NHC(=O)NHR、−NH−C(=O)N(R、−Si(R、−PO(ORで構成される群から、相互に無関係に選択されている。このように、「脂肪族基」は、分枝または直鎖形態を取ることができる脂環族の飽和または不飽和の炭化水素残基、すなわち、アルカニル、アルケニルおよびアルキニルを包含する。その場合、アルケニルは少なくとも1つのC=C−二重結合およびアルキニルは少なくとも1つのC≡C−三重結合を有している。非置換で単一結合の好ましい脂肪族基は、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCH-CHCH、−CH(CH)CHCH、−CHCH(CH、−C(CH、−CHCHCH−CHCHおよび−CHCH−CHCHCHCHのほか、さらに−CH=CH、−C≡CH、−CHCH=CH、−CH=CHCH、−CHC≡CH、−C≡CCHおよび−CH=CHCH=CHをも包含する。非置換で二重結合の好ましい脂肪族基は、−CH−、−CHCH−、−CHCH(CH)−、−CH(CH)−CH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)−CH−、−CHCHCH(CH)−、−CH−(CHCH)CH−および−CHCH−CHCH−のほか、さらに−CH=CH−、−C≡C−、−CHCH=CH−、−CH=CHCH−、−CHC≡C−および−C≡CCH−をも包含する。置換された単一結合の好ましい脂肪族基は、−CHF、−CHF、−CF、−CHCF、−CFCF、−CHOH、−CHCHOH、−CHCHOHCH、−CHOCHおよびCHCHOCHを包含している。置換された二重結合の好ましい脂肪族基は−CF−、−CFCF−、−CHCHOH−、−CHOHCH−および−CHCHOHCH−を包含する。特に好ましいのは、メチル、エチル、n−プロピルおよびn−ブチルである。
【0061】
環状脂肪族基はそれぞれ、好ましくは、飽和型または一価もしくは多価の不飽和、非置換型またはモノもしくはポリ置換型の脂肪族(すなわち、非芳香族)で、単環式または多環式の炭化水素残基である。環の炭化水素原子の数は、好ましくは、記載の範囲内とする(すなわち、「C3−8−」環状脂肪族基は、好ましくは、3、4、5、6、7または8個の環炭化水素原子を有している)。説明目的であるため、「C3−8−環状脂肪族基」としては、飽和または不飽和で非芳香族の環炭化水素原子数が3、4、5、6、7または8個である環式炭化水素を優先して選んでいる。その場合、場合により、、1個または2個の炭化水素原子が相互に無関係にヘテロ原子S、NまたはOによって置換されている。シクロアルキルがモノ置換又はポリ置換されている限り、その置換基は、相互に無関係に、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CHO、=O、−R、−C(=O)R、−C(=O)OH、−C(=O)OR、−C(=O)NH、−C(=O)NHR、−C(=O)N(R、−OH、−OR、−OC(=O)H、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、−OC(=O)NHR、−OC(=O)−N(R、−SH、−SR、−SOH、−S(=O)1−2−R、−S(=O)1−2NH、−NH、−NHR、−N(R、−N(R、−N(R、−NHC(=O)R、−NHC(=O)OR、−NHC(=O)NH、−NHC(=O)NHR、−NH−C(=O)N(R、−Si(R、−PO(ORより成る群から選ばれる。C3−8−環状脂肪族基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、シクロへキセニル、シクロヘプテニルおよびシクロオクテニルに加え、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、モルフォリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラゾリノニルおよびピロリジニルより成る群から選ばれたものが好ましい。環状脂肪族基がRによって置換され、そのRがアリールまたはヘテロアリールである場合、このアリールまたはヘテロアリールの置換基は、1つの結合を通じて環状脂肪族基へ結合することができるが、しかしまた、環状脂肪族基の2つの隣位環原子を通じて結合する、すなわち、縮合(アネレート)することができる。
【0062】
「脂肪族基」または「環状脂肪族基」との関係では「モノ置換又はポリ置換」とは、好ましくは、1個または複数個の水素原子の−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−OC1−6−アルキル、−OC(=O)C1−6−アルキル、−SH、−NH、−NHC1−6−アルキル、−N(C1−6−アルキル)、−C(=O)OC1−6−アルキルまたは−C(=O)OHによるモノ置換又はポリ置換、例えば、単一、二重、三重または四重の置換と解される。好ましくは化合物が対象であり、その場合「置換された脂肪族基」または「置換された環状脂肪族基」とは、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−CH、−C、−NH、−NO、−SH、−CF、−OH、−OCH、−OCまたは−N(CHによって置換された脂肪族基または環状脂肪族基を意味している。特に好ましい置換基は−F、−Cl、−OH、−SH、−NHおよび−C(=O)OHである。
【0063】
ポリ置換基とは、異なった、または同一の原子に多重に、例えば、モノまたはポリ置換されている、例えば、−CFまたは−CHCFの場合のように同一C原子において、または−CH(OH)−CH=CH−CHClの場合のように異なった箇所でトリ置換されている残基であると解される。ポリ置換は同一の、または異なった置換基で行うことができる。場合によっては、置換基自体も置換されていてもよい。そうであれば、−O脂肪族基は、特に−OCHCHO−CHCH−OHをも包含する。脂肪族基または環状脂肪族基は、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−CH、−C、−NH、−NO、−SH、−CF、−OH、−OCH、−OCまたは−N(CHによって置換されているのが好ましい。特別好ましいのは、脂肪族基または環状脂肪族基が−OH、−OCHまたは−OCによって置換されている場合である。
【0064】
アリールはそれぞれ、相互に無関係に、好ましくは、少なくとも1つの芳香族環を持ち、且つ、その環にヘテロ原子を持たない炭素環の環系を表す。その場合アリール残基は、必要であれば、それぞれ相互に無関係にN、OおよびSから選ばれ、それ自体1個または複数個のヘテロ環原子を持つことのできるその他の飽和、(部分)不飽和または芳香族の環系によって縮合された形で存在することができる。なお、各アリール残基は非置換またはモノ置換もしくはポリ置換された形で存在することができ、アリール置換基はそれぞれ同一であるか、または異なっていてもよく、アリールの任意可能な各ポジションを占めることができる。好ましいアリールは、フェニル、ナフチル、アンスラセニル、フェナンスレニル、フルオロアンセニル、フルオレニル、インダニルおよびテトラリニルである。特に好ましくは、フェニルおよびナフチルである。アリールがモノ置換又はポリ置換されている限り、アリール置換基はそれぞれ同一であるか、または異なっていてもよく、アリールの任意可能な各ポジションを占めることができ、それらは、相互に無関係に、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CHO、=O、−R、−C(=O)R、−C(=O)OH、−C(=O)OR、−C(=O)−NH、−C(=O)NHR、−C(=O)N(R、−OH、−O(CH1−2O−、−OR、−OC(=O)H、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、−OC(=O)−NHR、−OC(=O)N(R、−SH、−SR、−SOH、−S(=O)1−2−R、−S(=O)1−2NH、−NH、−NHR、−N(R、−N(R、−N(R、−NHC(=O)R、−NHC(=O)OR、−NHC(=O)NH、−NHC(=O)NHR、−NH−C(=O)N(R、−Si(R、−PO(ORより成る群から選ばれる。置換されたアリールで好ましいのは、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2−メトキシ−フェニル、3−メトキシ−フェニル、4−メトキシ−フェニル、2,3−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、2−メチル−フェニル、3−メチル−フェニル、4−メチル−フェニル、2,3−ジメチル−フェニル、2,4−ジメチル−フェニルおよび3,4−ジメチル−フェニルである。
【0065】
ヘテロアリールは、好ましくは、1、2、3、4または5個のヘテロ原子を含む5、6または7部分から成る環芳香族残基を表す。その場合ヘテロ原子は同一であるか、または異なっており、窒素、酸素または硫黄であり、複素環は非置換であるか、またはモノ置換もしくはポリ置換されていてもよい。複素環での置換の場合では、置換基はそれぞれ同一であるか、または異なっていてもよく、ヘテロアリールの任意可能な各ポジションを占めることができる。なお、複素環は二環系または多環系の一部であってもよい。「ヘテロアリール」は、好ましくは、ピロリル、インドリル、フリル(フラニル)、ベンゾフラニル、チエニル(チオフェニル)、ベンゾチエニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオクサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオクサゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサニル、フタラジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾイル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラニル、インダゾリル、プリニル、インドリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、カルバゾリル、フェナジニル、フェノチアジニルまたはオキサジアゾリルより成る群から選ばれる。その場合結合は、ヘテロアリール残基の任意可能な各環部分を通じて行うことができる。ヘテロアリールがモノ置換又はポリ置換されている場合、そのヘテロアリール置換基は同一であるか、または異なっていてもよく、ヘテロアリールの任意可能な各ポジションを占めることができ、相互に無関係に、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CHO、=O、−R、−C(=O)R、−C(=O)OH、−C(=O)OR、−C(=O)−NH、−C(=O)NHR、−C(=O)N(R、−OH、−O(CH1−2O−、−OR、−OC(=O)H、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、−OC(=O)NHR、−OC(=O)−N(R、−SH、−SR、−SOH、−S(=O)1−2−R、−S(=O)1−2NH、−NH、−NHR、−N(R、−N(R、−N(R、−NH−C(=O)R、−NHC(=O)OR、−NHC(=O)NH、−NHC(=O)NHR、−NH−C(=O)N(R、−Si(R、−PO(ORより成る群から選ばれる。
【0066】
「アリール」または「ヘテロアリール」に関しては、「モノ置換又はポリ置換」は、環系の1個または複数個の水素原子の単一または多重の、例えばジ、トリ、テトラまたはペンタ置換と解される。
【0067】
アリールおよびヘテロアリールの置換基はそれぞれ、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−CHO、−COH、−NH、−NO、−NHR、−N(R、−N(R、−N(R、−SH、−SR、−OH、−OR、−C(=O)R、−CO、−C(=O)NH、−C(=O)NHR、−C(=O)N(R、−S(=O)1−2、−S(=O)1−2NH、−SOH、=Oまたは−Rから、相互に無関係に選択されているのが特に好ましい。好ましい置換基は、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−OC1−6−アルキル、−O−C(=O)−C1−6−アルキル、−SH、−NH、−NHC1−6−アルキル、−N(C1−6−アルキル)、−C(=O)OC1−6−アルキルまたは−C(=O)OHである。好ましくは化合物が対象であり、その場合「置換されたアリール」または「置換されたヘテロアリール」とは、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−CH、−C、−NH、−NO、−SH、−CF、−OH、−OCH、−OCまたは−N(CHによって置換されたアリールまたはヘテロアリールを意味している。特に好ましい置換基は−F、−Cl、−OH、−SH、−NHおよび−C(=O)OHである。
【0068】
本発明に基づく化合物は、個々のステレオ異性体 またはそれらの混合物、その遊離化合物および/またはその生理的に許容し得る塩および/または溶媒化合物の形で存在することができる。
【0069】
本発明に基づく化合物は、置換模様の如何によってはキラルまたはアキラルになり得る。
【0070】
本発明に基づく化合物の場合、シクロへキサン環に関しては、置換の如何によっては1,4ポジション(1ポジション:>C(NRR)R、4ポジション:>COHRCH)の置換模様をシン/アンチでも表すことのできる異性体になり得る。「シン/アンチ異性体」はステレオ異性体 (立体配置異性体)の下位群である。
【0071】
好ましい実施形態では、シン異性体のジアステレオマー過剰率(de)は、少なくとも50%de、より好ましくは、少なくとも75%de、さらに好ましくは、少なくとも90%de、最も好ましくは、少なくとも95%deおよび特に少なくとも99%deである。別の好ましい実施形態では、アンチ異性体のジアステレオマー過剰率(de)は、少なくとも50%de、より好ましくは、少なくとも75%de、さらに好ましくは、少なくとも90%de、最も好ましくは、少なくとも95%deおよび特に少なくとも99%deである。
【0072】
異性体(ジアステレオマー)の適当な分離方法は当業者にとっては公知である。その例としては、カラムクロマトグラフィー、分取HPLCおよび晶出分離法を挙げることができる。
【0073】
本発明に基づく化合物がキラルであれば、それらは、好ましくは、ラセミ体として、またはエナンチオマーの優勢な形態として存在する。好ましい実施形態の1つでは、S−エナンチオマーのエナンチオマー過剰率(ee)は、少なくとも50%ee、より好ましくは、少なくとも75%ee、さらに好ましくは、少なくとも90%ee、最も好ましくは、少なくとも95%eeおよび特に少なくとも99%eeである。別の好ましい実施形態では、R−エナンチオマーのエナンチオマー過剰率(ee)は、少なくとも50%ee、より好ましくは、少なくとも75%ee、さらに好ましくは、少なくとも90%ee、最も好ましくは、少なくとも95%eeおよび特に少なくとも99%eeである。
【0074】
エナンチオマーの適当な分離方法は当業者にとっては公知である。その例としては、キラル定常相での分取HPLCおよびジアステレオマー中間体への変換を挙げることができる。ジアステレオマー中間体への変換は、例えば、キラル、エナンチオマー純粋な酸の使用による塩形成として行うことができる。そのように形成されたジアステレオマーの分離後には、塩は再び遊離塩基またはその他の塩に変換することができる。
【0075】
その他に明記しない限り、本発明に基づく化合物についての言及はそれぞれ、任意の混合比から成る異性体(例えば、ステレオ異性体 、ジアステレオマー、エナンチオマー)すべてを包含する。
【0076】
その他に明記しない限り、本発明に基づく化合物についての言及はそれぞれ、遊離化合物(すなわち、塩ではない形態)および生理的に許容し得るすべての塩を包含する。
【0077】
本発明に基づく化合物の生理的に許容し得る塩は、説明目的には、アニオンを含む塩、または−特にヒトおよび/または哺乳動物への適用では−生理的に許容し得る無機酸または有機酸を含有するそれぞれの化合物の酸を含む塩とする。
【0078】
特定の酸の生理的に許容し得る塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、蟻酸、酢酸、蓚酸、琥珀酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸、フマル酸、乳酸、クエン酸、グルタミン酸、サッカリン酸、モノメチルセバシン酸、5−オキソ−プロリン、ヘキサン−1−スルホン酸、ニコチン酸、2−、3−または4−アミノ安息香酸、2,4,6−トリメチル−安息香酸、α−リポン酸、アセチルグリシン、アセチルサリチル酸、馬尿酸および/またはアスパラギン酸の塩である。特に好ましいのは、塩化水素酸塩、クエン酸塩およびへミクエン酸塩である。
【0079】
カチオンまたは塩基を含む生理的に許容し得る塩としては、−特にヒトおよび/または哺乳動物への適用で−生理的に許容し得る塩、すなわち、少なくとも1種の、好ましくは無機のカチオンを含むアニオンとしてのそれぞれの化合物の塩である。特に好ましいものとしては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩のほかに、アンモニウム塩、あるいは特に(モノ)または(ジ)ナトリウム塩、(モノ)または(ジ)カリウム塩、マグネシウム塩またはカルシウム塩がある。
【0080】
以下では、本発明に基づく化合物のそれぞれ好ましい実施形態を説明する。その他に明記しない限り、それぞれ上記で説明した置換基についての全定義付けおよびそれぞれの好ましい実施形態を準用することができるので、それらについては繰り返さない。
【0081】
一般式(1)で表される本発明に基づく化合物は、好ましい実施形態では次の一般式(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)または(9)を有している。
【化6】

【0082】
(式中、該当の表示がある場合に限られるが、
は−H、−F、−Cl、−CN、−NOまたは−OCHを表し、
(ヘテロ−)アリールは、それぞれ非置換またはモノもしくはポリ置換されたヘテロアリールまたはアリールを表す。)
【0083】
本発明に基づく化合物は、例えば置換基R1、およびR(第1世代の置換基)によって定義付けされるが、それら自体、場合によっては置換されている(第2世代の置換基)。定義付け次第では、これら置換基の置換基自体も新たに置換させることができる(第3世代の置換基)。例えばY=−Rで、R=−C1−8−脂肪族基(第1世代の置換基)であれば、−C1−8−脂肪族基自体、R=−アリールとして、例えば−OR(第2世代の置換基)により置換させることができる。それにより、官能基−C1−8−脂肪族基−Oアリールが生じる。次に−アリール自体、例えば−Cl(第3世代の置換基)によって新たに置換させることができる。それによって、最終的には官能基−C1−8−脂肪族基−Oアリール−Clが生じる。
【0084】
ところで、好ましい実施形態の1つでは、第3世代の置換基は新たには置換できなくなっている。すなわち、その場合では第4世代の置換基は存在しない。
【0085】
別の好ましい実施形態の1つでは、第2世代の置換基は新たには置換できなくなっている。すなわち、その場合では既に第3世代の置換基が存在しない。換言すれば、この実施形態では、R〜Rの官能基はそれぞれ、場合により、置換できるが、しかし、それぞれの置換基はそれら自体新たに置換することはできない。
【0086】
また別の好ましい実施形態の1つでは、既に第1世代の置換基が新たには置換できなくなっている。すなわち、その場合では第2世代の置換基も第3世代の置換基も存在しない。換言すれば、この実施形態では、R〜Rの官能基はそれぞれ置換不可能である。
【0087】
特に好ましいのは、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェニルエタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェノキシエタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−(1H−インドール−1−イル)エタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−(イソインドリン−2−イル)エタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−(4−フルオロフェニル)エタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−(3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)−2−フェニルエタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−(3−メトキシフェニル)シクロヘキシル)−2−フェニルエタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−(チオフェン−2−イル)シクロヘキシル)−2−フェニルエタノール、
・ 1−(4−ブチル−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)−2−フェニルエタノール、
・ 1−シクロペンチル−2−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−3−フェニルプロパン−2−オル、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−1−フェニル−2−(ピリジン−4−イル)エタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−(フェニルチオ)エタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−(フェニルスルホニル)エタノール、
・ 2−(シクロヘキシルオキシ)−1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)エタノール、
・ 2−(ベンジルオキシ)−1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)エタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェネトキシエタノール、
・ 2−((1H−インドール−3−イル)メトキシ)−1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)エタノール、
・ 2−(2−(1H−インドール−3−イル)エトキシ)−1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)エタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−((2−(トリエチルシリル)−1H−インドール−3−イル)メトキシ)-エタノール、
・ 1−(2−(4−(ジメチルアミノ)−4−(3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)−2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−2−オン、
・ 2−(4,4a−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b]インドール−2(3H,9H,9aH)−イル)−1−(4−(ジメチルアミノ)−4−(3−フルオロ-フェニル)-シクロヘキシル)エタノール、
・ 1−シンナモイル−3−(2−(4−(ジメチルアミノ)−4−(3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)−2−ヒドロキシエチル)-テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン、
・ 2−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−1−フェニルプロパン−2−オル、
・ 2−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−1,3−ジフェニルプロパン−2−オル、
・ 2−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−1−フェニル−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−2−オル、
・ 2−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−1−フェニル−3−(ピリジン−3−イル)プロパン−2−オルおよび
・ 2−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−1−フェニル−3−(ピリジン−4−イル)プロパン−2−オル
の群からの化合物およびその生理的に許容し得る塩および/または溶媒化合物である。
【0088】
そのほかで好ましい化合物は、
・ 2−(9−(ベンゾールスルホニル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−ベータ−カルボリン−2−イル)−1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)エタノール、
・ 2−(2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル)−1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)エタノール、
・ 2−シクロヘキシルオキシ−1−(4−ジメチルアミノ−4−チオフェン−2−イルシクロヘキシル)エタノール、
・ 2−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−1−フェノキシプロパン−2−オルおよび
・ 3−((3S)−3−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−3−ヒドロキシ−プロプ−1−イニル)−1H−インドール−1−カルボン酸ターシャリー−ブチルエステル、
およびその生理的に許容し得る塩である。
【0089】
本発明に基づく化合物は、例えば、様々な疾病との関係で重要な存在であるORL1レセプターに作用するので、薬剤中の医薬有効物質として適する。
【0090】
したがって、少なくとも1種の本発明に基づく化合物のほか、場合により、適する添加剤および/または助剤および/または場合によってはその他の有効物質をも含む医薬も本発明の対象の1つである。
【0091】
本発明に基づく化合物は、μ−オピオイドレセプターまたはORL1レセプターに対し、国際公開第2004043967号パンフレットの実施例に開示されている化合物と同等の親和性を有している。しかし、これらの化合物よりも高い溶解度を示し、したがって特に医薬の開発に適する。
【0092】
本発明に基づく医薬は、少なくとも1種の本発明に基づく化合物のほか、場合により、適当な添加剤および/または助剤、例えば担体物質、充填物質、溶剤、希釈剤、着色剤および/または結合剤を含み、注入溶液、液滴または液汁形態の液状医薬として、顆粒、錠剤、小丸薬、貼り薬、カプセル、膏薬/噴霧式膏薬またはエアゾール形態の半固体状医薬として加工することができる。助剤などの選択およびその使用量は、医薬の適用箇所によって、すなわち、口腔内、経口、腸管外、静脈内、腹膜内、皮膚内、筋肉内、鼻腔内、頬、直腸のいずれなのか、または局部なのか、例えば皮膚、粘膜または眼内なのかに依存する。経口投与には、錠剤、糖衣錠、カプセル、顆粒、液滴、液汁およびシロップ形態の製剤が、腸管外、局所および吸入での適用には溶液、懸濁液、再調製容易な乾燥製剤およびスプレーが適している。場合により、皮膚浸透促進剤の添加のもとで、デポー剤、溶液製剤または膏薬に適用される本発明に基づく化合物は、経皮適用製剤として適している。経口または経皮による適用が可能な調製形態であれば、本発明に基づく化合物を遅延放出させることができる。本発明に基づく化合物は、例えばインプラント材またはインプラントされたポンプなど、腸管外での長時間デポー形でも適用することができる。本発明に基づく医薬には、原則として、当業者には公知のその他の有効物質を添加することもできる。
【0093】
患者へ投与すべき有効物質量は、患者の体重、適用方法、適応症および疾患の重度に依存して変動する。本発明に基づく化合物の少なくとも1種の適用量は、通例では0.00005〜50mg/kg、好ましくは0.001〜0.5mg/kgとする。
【0094】
上記すべての形態の本発明に基づく医薬に共通することだが、それぞれの医薬に、本発明に基づく少なくとも1種の化合物のほかに、別の有効物質、特にオピオイド、好ましくは強力オピオイド、特にモルヒネ、または麻酔薬、好ましくはヘクソバルビタールまたはハロタンが含まれていれば特に好ましい。
【0095】
好ましい形態の医薬では、成分として含まれる本発明に基づく化合物は、純粋なジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーとして存在する。
【0096】
ORL1レセプターは、特に痛み現象において確認された。それに対応して、本発明に基づく化合物は、痛み、特に急性痛、神経障害性痛または慢性痛の治療のための医薬の製造に使用することができる。
【0097】
したがって、痛み、特に急性痛、内臓性痛、神経障害性痛または慢性痛の治療用医薬の製造のために本発明に基づく化合物を使用することも本発明の対象の1つである。
【0098】
本発明のもう1つの対象は、不安状態、ストレスおよびストレスと関連する症候群、うつ病、てんかん、アルツハイマー病、老人性痴呆、知覚全般機能障害、学習障害および記憶障害(脳代謝賦活剤として)、禁断症状、アルコール乱用および/またはドラッグ乱用および/または薬物乱用、アルコール依存症および/またはドラッグ依存症および/または薬物依存症、性的機能障害、心臓血管疾患、低血圧症、高血圧症、耳鳴り、掻痒、偏頭痛、難聴、腸の運動機能低下、摂食障害、拒食症、肥満症、運動器官障害、下痢、悪液質、尿失禁の治療のための医薬、筋弛緩剤、鎮痙剤または麻酔剤としての医薬、またはオピオイド系鎮痛剤または麻酔剤による治療における同時投与のため、利尿または抗ナトリウム利尿、抗不安のため、運動活力の調節のため、神経伝達物質放出の調節のためおよびそれに関連する神経変性疾患の治療のため、禁断症状の治療のためおよび/またはオピオイド中毒能力の引き下げのための医薬の製造における本発明に基づく化合物の使用である。
【0099】
その場合、前記使用のいずれか1つでは、使用される化合物が純粋なジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーとして、ラセミ体として、またはジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーの非等分子または等分子の混合物として存在すれば、好ましい結果になることがある。
【0100】
本発明のまた別の対象は、痛み、それも特に慢性痛の治療を必要とするヒト以外の哺乳動物またはヒトにおける、特に前記適応症の1つに対する、本発明に基づく化合物または本発明に基づく医薬の治療上有効な用量での投与という治療方法に関する。
【0101】
本発明のさらに別の対象は、下記の説明および実施例に示された、本発明に基づく化合物の製造方法に関する。その場合特に適しているのは、適当なカルボニル化合物に適当な求核剤を付加することで一般式Iの化合物を製造することのできる、本発明に基づく化合物の製造方法である。Rが−Hでない場合では、RかR−CH−を別の順序で導入することができる(反応式1)。
【化7】

【0102】
この場合、中間接続された合成において、適当な炭素求核剤のアルデヒドVIへの付加によってケトンIIまたはIIIへと誘導することができる。得られたアルコールVを、続いて、当業者にとっては公知の酸化方法によってケトンIIまたはIIIへ移行させることができる。それに代り、ワインレブアミド(IV)タイプのカルボニル化合物を炭素求核剤による置換でケトンに移行させることができる(反応式2)。
【化8】

【0103】
ワインレブアミドの製造は当業者には公知である。
【0104】
がR−CH−と同一である場合には、一般式Iの化合物は、少なくとも2当量の適当な炭素求核剤を対応のカルボン酸エステルまたはその他適当なカルボニル化合物に付加することによっても得ることができる。
【0105】
が−Hである場合には、中間工程VおよびVIが省かれる。
【0106】
一般式Iの化合物の上記に代る製造方法は、Rを含む適当な求核剤による末端エポオキシドVIIでの開環置換の方法である(反応式3)。その場合、アセタール保護された予備段階VIII、好ましくはケタールから開始するのが好ましい。開環置換によって生じるケタールVIIIは保護解除されてIXとなる。続く工程ではアルコール官能に適当な保護基、例えば別のアセタールが導入され、一般式Xの化合物になる。先に得られたケト官能を当業者には公知の方法によってアミノニトリルXIに変換させ、続いて常法に従い炭素求核剤によりタイプXIIのアミンに変換させる。その後アルコールでのアセタール保護基の除去により一般式Iの化合物が製出される。
【化9】

【0107】
この方法は、Rがヘテロ原子を通じて結合している、すなわち、RがN、SおよびOから選択されたヘテロ原子で始まる場合には特に有利である。
【0108】
タイプVIIの末端エポオキシドは、当業者には公知の方法によって、例えば、適当なカルボニル化合物IIIへのメチリジンの付加によって、または適当なオレフィンXIVのエポオキシド化によって製造することができる(反応式4)。
【化10】

【0109】
本発明に基づく化合物の合成に関するその他詳細については、国際公開第2002090317号パンフレット、国際公開第200290330号パンフレット、国際公開第2003008370号パンフレット、国際公開第2003008731号パンフレット、国際公開第2003080557号パンフレット、国際公開第2004043899号パンフレット、国際公開第2004043900号パンフレット、国際公開第2004043902号パンフレット、国際公開第2004043909号パンフレット、国際公開第2004043949号パンフレット、国際公開第2004043967号パンフレット、国際公開第2005063769号パンフレット、国際公開第2005066183号パンフレット、国際公開第2005110970号パンフレット、国際公開第2005110971号パンフレット、国際公開第2005110973号パンフレット、国際公開第2005110974、国際公開第2005110975、国際公開第2005110976、国際公開第2005110977号パンフレット、国際公開第2006018184号パンフレット、国際公開第2006108565号パンフレット、国際公開第2007079927号パンフレット、国際公開第2007079928号パンフレット、国際公開2007079930号パンフレット、国際公開第2007079931号パンフレット、国際公開第2007124903号パンフレット、国際公開第2008009415号パンフレットおよび国際公開第2008009416号パンフレットを全面的に参照することができる。
[実施例]
【0110】
下記の実施例は本発明をより詳しく説明するためのものであるが、それらを限定的に解釈してはならない。
【0111】
製造された化合物の収量は最適化されていない。温度はいずれも修正されていない。「エーテル」の記載はジエチルエーテル、「EE」は酢酸エチルおよび「DCM」はジクロロメタンをそれぞれ意味している。「当量」の記載は質量の当量、「Smp.」は融点または融解温度領域、「Zers.」は分解、「RT」は室温、「abs.」は絶対(無水)、「rac.」はラセミ化、「konz.」は濃縮、「min」は分、「h」は時間、「d」は日、「Vol.%」は容量パーセント、「m%」は質量パーセントを意味し、「M」はmol/l単位での濃度表示である。
【0112】
カラムクロマトグラフィーの固定相としては、E.Merck社/ダルムシュタットのシリカゲル60(0.040〜0.063mm)を使用した。薄層クロマトグラフィー分析は、E.Merck社/ダルムシュタットのHPTLC既製プレートおよびシリカゲル60F254を使用して行った。クロマトグラフィー分析用の展開剤の混合比は常に容量/容量で表示している。
【0113】
1H-NMR: Varian社Mercury 400BB型、400 MHz またはVarian 社Mercury 300 BB型、300 MHz、
13C-NMR: Varian 社Mercury 400BB型、100 MHzまたはVarian 社Mercury 300 BB型、75 MHz、
内部基準 : TMS、化学シフト 単位ppm、br.: 広域シグナル
19F-NMR : Varian 社Mercury 400BB型、376.8 MHz、
内部基準 : CFCl3
【0114】
LC-MS法 : MSD6140搭載Agilent LC-MS 1200 ラピッド・レゾリューション、
勾配 : 時間0分 : 95%水(+1%蟻酸)/5%メタノール(+1%蟻酸)→時間5.4分 : 0%水/100%メタノール(+1%蟻酸)、
カラム温度 : 50℃、注入容量 : 5μL、流動速度0.8mL/分、フラグメンター電圧 : 100V[正負]、検出 : MM−ES+APCI+DAD(254nm)、カラム : SB−C18 2.1mm×30mm、3.5ミクロン
【0115】
【表2】

[実施例1]
【0116】
1−(4−ジメチルアミノ−4−(3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)−2−フェニル−エタノール
【化11】

【0117】
第1工程:4−ジメチルアミノ−4−(3−フルオロフェニル)シクロヘキサンカルバルデヒド
無水テトラヒドロフラン(5mL)および無水N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)の中にメトキシメチルトリフェニルフォスフォニウムクロライド(2.18g、6.36mmol)を投入した懸濁液に、アルゴンの送入下、鉱油(254mg、6.36mmol)に水素化ナトリウムを加えた60%分散液を混和した。混合物を室温で2時間撹拌した。続いて、無水テトラヒドロフラン(5mL)および無水N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)の中に4−ジメチルアミノ−4−(3−フルオロフェニル)シクロヘキサノン(1.0g、4.24mmol)を投入した溶液を30分内で滴下し、室温で一晩撹拌した。引き続き、氷冷下で2Mの塩酸(25mL)を滴下し、室温で5時間撹拌した。その後、混合物を酢酸エチル(5×20mL)およびジエチルエーテル(3×20mL)で抽出した。水相を4M苛性ソーダでpH11に設定し、酢酸エチル(4×20ml)で抽出した。一緒にされた、アルカリ溶液からの有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0118】
収量:1.49g(>100%)、褐色の油
1H-NMR(DMSO-d6) : ジアステレオマー混合物である。特徴的シグナルがすべて同定できた。
【0119】
第2工程:1−(4−ジメチルアミノ−4−(3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)−2−フェニル−エタノール
無水テトラヒドロフラン(30mL)に溶かした4−ジメチルアミノ−4−(3−フルオロフェニル)シクロヘキサンカルバルデヒド(1.49g、5.97mmol)の溶液に氷冷下で、テトラヒドロフラン(6.00mL、12mmol)に溶かした2Mの塩化ベンジルマグネシウム溶液を滴加した。混合物を室温で2日間撹拌し、次に氷冷下で飽和塩化アンモニウム溶液(30mL)を加えた。テトラヒドロフランは真空下で除去し、残留物を4Mの苛性ソーダでpH8に設定した。水性懸濁液をジエチルエーテル(3×30mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製物(2.18g)をフラッシュクロマトグラフィーによってジクロロメタン/メタノール[95:5+1%NH3(H2O中32%濃度)]を用いて精製した。さらに、未精製の極性ジアステレオ異性体 (500mg)を、新たにフラッシュクロマトグラフィーによってジクロロメタン/メタノール[95:5+1%NH3(H2O中32%濃度)]を用いて精製した。
【0120】
収量:125mg(6%)、白色固体
融点:170℃
1H-NMR(DMSO-d6): 0.56-1.10 (m、2H)、1.20-1.60 (m、4H)、1.74 (br d、1H、J = 13.0 Hz)、1.91 (s、6H)、2.46 (m、1H、DMSOシグナルにより重畳)、2.56-2.70 (m、3H)、3.27 (m、1H)、4.23 (d、1H、J = 6.0 Hz)、7.02-7.25 (m、8H)、7.41 (dd、1H、J = 7.9および14.5 Hz)。
13C-NMR (DMSO-d6): 23.2、25.8、32.4、32.7、37.9、40.7、42.8、61.0、74.5、112.8 (d、J = 21 Hz)、114.6 (d、J = 21 Hz)、123.9、125.3、127.8、129.2、140.2、162.2 (d、J = 242 Hz)。
[実施例2]
【0121】
1−(4−ブチル−4−ジメチルアミノシクロヘキシル)−2−フェニルエタノール
実施例1の第1工程で4−ジメチルアミノ−4−(3−フルオロフェニル)シクロヘキサノンを4−ブチル−4−ジメチルアミノシクロヘキサノンに代え、続く第2工程で同様の置換を行うことによって実施例2を行った。
【0122】
1H-NMR (CDCl3): 0.90 (3H、t、J = 7.1 Hz)、1.14-1.49 (9H、m)、1.56-1.82 (6H、m)、2.28 (6H、s)、2.63 (1H、dd、J = 8.9、13.6 Hz)、2.88 (1H、dd、J = 4.7、13.6 Hz)、3.66 (1H、m)、7.16-7.22 (3H、m)、7.27-7.29 (2H、m)。OH-プロトンは特定できなかった。
13C-NMR (CDCl3): 14.0、21.8、23.5、23.7 (2C)、26.7 (2C)、31.1、31.7、31.8、37.0 (2C)、41.0、42.3、76.4、126.0、128.3 (2C)、129.3 (2C)、139.3。
LC-MS (方法8): [M+H]+: m/z = 304.3、Rt= 2.4 分
[実施例3および実施例4]
【0123】
(1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェニルエタノール 塩化水素酸塩、非極性ジアステレオマー)、
(1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェニルエタノール、極性ジアステレオマー)
【化12】

【0124】
実施例1の第2工程で4−ジメチルアミノ−4−(3−フルオロフェニル)シクロヘキサンカルバルデヒドを4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキサンカルバルデヒドに代えることによって、同様に実施例3および4を行った。
【0125】
1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェニルエタノール (非極性ジアステレオ異性体 )
収量:170mg(16%)、帯黄色油、
1H-NMR (CDCl3): 1.35-1.90 (m、6H)、2.05 (s、6H)、2.58-2.72 (m、3H)、2.94-3.06 (m、1H)、3.42-3.50 (m、1H)、3.72 (br s、1H)、4.20-4.23 (m、1H)、7.02-7.95 (m、10H)。
【0126】
1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェニルエタノール(極性ジアステレオ異性体 )
収量:142mg(14%)、白色固体
融点:161〜166°C
1H-NMR (CDCl3) : 0.99-1.16 (m、2H)、1.46-1.78 (m、5H)、1.89-1.98 (m、1H)、2.07 (s、6H)、2.49 (dd、1H、J = 9.5および13.5 Hz)、2.76 (br d、1H、J = 12.5 Hz)、2.80 (dd、1H、J = 13.7、3.2 Hz)、3.40 (ddd、1H、J = 9.6、6.4、3.3 Hz)、7.11-7.43 (m、10H)。
【0127】
第2工程:(1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェニルエタノール−塩化水素酸塩、非極性ジアステレオマー)
1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェニルエタノール(非極性ジアステレオ異性体 、140mg、0.41mmol)に、ジエチルエーテル(25mL)に溶かした塩化水素の7.5M溶液を混和した。上澄溶液を除去し、沈殿物を真空の乾燥器内で水酸化カリウムを介して乾燥させた。
【0128】
収量:80mg(51%)、白色固体
融点:235℃
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.29-1.44 (m、3H)、1.76-1.90 (m、1H)、1.92-2.04 (m、1H)、2.24-2.38 (m、2H)、2.43 (t、6H、J = 5.3 Hz)、2.45-2.58 (m、3H、一部DMSOシグナルにより重畳)、2.90 (dd、1H、J = 3.1および13.7 Hz)、3.80-3.88 (m、1H)、4.44 (s、1H)、7.13-7.19 (m、1H)、7.22-7.29 (m、4H)、7.47-7.55 (m、3H)、7.66-7.71 (m、2H)、10.48 (s、1H)。
[実施例5]
【0129】
1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−2−(4−フルオロフェニル)エタノール
【化13】

【0130】
実施例3および4の第1工程で塩化ベンジルマグネシウムを4−塩化フルオロベンジルマグネシウムに代えることによって、同様に実施例5を行った。
【0131】
融点:75℃
1H-NMR(CDCl3) : 1.32-1.56 (m、3H)、1.58-1.84 (m、6H)、2.05 (s、6H)、2.66 (m、2H)、2.95 (d、1H、J = 13.8 Hz)、3.68 (m、1H)、6.96-7.05 (m、2H)、7.18-7.40 (m、7H)。
13C-NMR (DMSO-d6) : 23.1、24.1、32.8、32.9、37.8、40.3、42.5、58.9、76.4、115.2 (d、J = 21 Hz)、126.4、126.6、127.2、130.7 (d、J = 8 Hz)、134.9、139.6、161.6 (d、J = 244 Hz)。
LC-MS (方法8): [M+H]+: m/z = 342.3、Rt = 2.4 分。
[実施例6および実施例7]
【0132】
1−(4−ジメチルアミノ−4−チオフェン−2−イル−シクロヘキシル)−2−フェニルエタノール(極性ジアステレオマー)および
1−(4−ジメチルアミノ−4−チオフェン−2−イル−シクロヘキシル)−2−フェニルエタノール(非極性ジアステレオマー)
【化14】

【0133】
第1工程:1−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デク−8−イル)−2−フェニルエタノール
無水テトラヒドロフラン(30mL)に溶かした1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−8−カルバルデヒド(4.42g、25.9mmol)の溶液に、塩化ベンジルマグネシウムの2M溶液(26mL、52mmol)を、氷冷下で滴加した。混合物は室温で一晩撹拌した。続いて、反応混合物に、氷冷下で飽和塩化アンモニウム溶液(10mL)および水(10mL)を加えた。溶剤は真空中で濃縮した。残留物をジエチルエーテル(3×10mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0134】
収量:2.23g(32%)、白色固体
融点:86℃
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.15-1.85 (m、9H)、2.54 (dd、1H、J = 13.6、8.4 Hz)、2.72 (dd、1H、J = 13.6、4.2 Hz)、3.45 (m、1H)、3.83 (s、4H)、4.38 (d、1H、J = 6.0 Hz)、7.10-7.30 (m、5H)
2〜4モル当量の塩化ベンジルマグネシウムの使用下で3〜48.11mmolの類似調製液により26〜47%の収率が達成された。
【0135】
第2工程:4−(1−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)シクロヘキサノン
テトラヒドロフラン(30mL)に溶かした1−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デク−8−イル)−2−フェニルエタノール(2.98g、11.3mmol)の溶液に、2Mの塩酸(30mL)を投入した。溶液を50℃で一晩撹拌した。この混合物を4Mの苛性ソーダでアルカリ域に設定し、相分離を行い、水相をジクロロメタン(3×20mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0136】
収量:2.52g(100%)、無色油
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.40-1.80 (m、3H)、1.90 (m、1H)、2.08 (m、1H)、2.14-2.42 (m、4H)、2.61 (dd、1H、J = 8.2および13.6 Hz)、2.76 (dd、1H、J = 4.6および13.6 Hz)、3.59 (m、1H)、4.57 (d、1H、J = 5.9 Hz)、7.13-7.32 (m、5H)
【0137】
第3工程:4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェニルエチル]シクロヘキサノン
無水ジクロロメタン(50mL)に溶かした4−(1−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)シクロヘキサノン(2.52g、11.5mmol)の溶液に、エチルビニルエーテル(998mg、1.32mL、13.8mmol)およびピリジニウムトシラート(44mg、0.17mmol)を混和し、室温で一晩撹拌した。混合物にジクロロメタン(20mL)を加え、水、50%炭酸水素ナトリウム溶液および塩化ナトリウム溶液(それぞれ50mLずつ)で洗浄した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0138】
収量:2.93g、オレンジ色の油
1H-NMR (DMSO-d6) : スペクトルは予想されるシグナルすべてを含む。
2つのジアステレオ異性体 の混合物である。
【0139】
第4工程:1−ジメチルアミノ−4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェニルエチル]シクロへキサンカルボニトリル
4Mの塩酸(2.61mL)とメタノール(1.56mL)との混合物に、氷冷下で40%ジメチルアミン水溶液(6.05mL、47.9mmol)を混和した。この混合物に、メタノール(6mL)およびテトラヒドロフラン(3mL)に溶かした4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェニルエチル]シクロヘキサノン(2.91g、10.0mmol)の溶液を投入した。その後、混合物にシアン化カリウム(1.56g、24.1mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した後、続いて水(150mL)を加え、ジエチルエーテル(4×50mL)で抽出した。一緒にされた有機相を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。残留物はジクロロメタン(50mL)に入れ、水(30mL)で洗浄した。有機相を新たに硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0140】
収量:3.18g、オレンジ色の油
1H-NMR (DMSO-d6): スペクトルは予想されるシグナルすべてを含む。ジアステレオ異性体 の混合物である。
【0141】
第5工程:{4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェニルエチル]−1−チオフェン−2−イル−シクロヘキシル}ジメチルアミン
テトラヒドロフラン(15mL)に溶かした1−ジメチルアミノ−4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェニルエチル]シクロへキサンカルボニトリル(1.06g、3.1mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン(9.25mL、9.25mmol)に溶かした2−臭化チエニルマグネシウムの1M溶液をアルゴン雰囲気中にて氷冷下で滴下した。混合物を室温で48時間撹拌し、続いて水および飽和塩化アンモニウム溶液(それぞれ10mLずつ)を加えた。相を分離し、水相をジエチルエーテル(3×10mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0142】
収量:1.12g、帯黄色油
1H-NMR (DMSO-d6) : スペクトルは予想されるシグナルすべてを含む。ジアステレオ異性体 の混合物である。
【0143】
第6工程:1−(4−ジメチルアミノ−4−チオフェン−2−イル−シクロヘキシル)−2−フェニルエタノール
テトラヒドロフラン(20mL)に溶かした{4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェニルエチル]−1−チオフェン−2−イル−シクロヘキシル}ジメチルアミン(1.10g、2.73mmol)の溶液に、2Mの塩酸(20mL)を投入し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。続いて、4Mの苛性ソーダでアルカリ域に設定し、ジクロロメタン(4×10mL)で抽出した。一緒にされた有機相を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製物(956mg)はフラッシュクロマトグラフィーによってシクロヘキサン/酢酸エチル(3:2)により、次にメタノールを用いて精製した。そのようにして製出した分画成分はそれぞれジメチルエーテル中に入れ、そこへ2Mの塩酸(20mL)を加えた。相分離を行った。酸性水相はジメチルエーテル(3×10mL)で抽出し、その後4Mの苛性ソーダでアルカリ域に設定した。水相をジクロロメタン(4×10mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0144】
極性ジアステレオ異性体
収量:466mg(使用された第2工程に対して46%)、ベージュ色の固体
融点:85℃
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.22-1.75 (m、7H)、2.01 (s、6H)、2.40-2.46 (m、2H)、2.55 (dd、1H、J = 13.6および8.6 Hz)、2.75 (dd、1H、J = 13.6および4.0 Hz)、3.45 (m、1H)、4.35 (d、1H、J = 6.1 Hz)、6.90 (d、1H、J = 3.5 Hz)、7.03 (dd、1H、J = 3.5および5.1 Hz)、7.14-7.30 (m、5H)、7.37 (d、1H、J = 5.1 Hz)。
13C-NMR (DMSO-d6) : 22.1、23.9、35.1、35.3、37.5、40.6、42.8、58.1、75.1、122.8、123.5、125.3、126.0、127.7、129.3、140.4、145.2。
LC-MS (方法7) : [M+H]+: m/z = 330.3、Rt = 2.8 分。
非極性ジアステレオ異性体
収量:16mg(使用された第2工程に対して1%)、黄色油
1H-NMR (CDCl3) : 1.43-1.82 (m、8H)、2.12 (s、6H)、2.51 (d、2H、J = 13.8 Hz)、2.63 (dd、1H、J = 9.5および13.6 Hz)、2.97 (dd、1H、J = 3.4および13.6 Hz)、3.70 (m、1H)、6.87 (dd、1H、J = 1.1および3.4 Hz)、7.03 (dd、1H、J = 3.6および5.1 Hz)、7.20-7.27 (m、4H)、7.30-7.36 (m、2H)。
LC-MS (方法1) : [M+H]+: m/z = 330.3、Rt = 3.3分。
[実施例8]
【0145】
1−(4−ブチル−4−ジメチルアミノシクロヘキシル)−2−フェニルエタノール
【化15】

【0146】
実施方法は、第4工程の適用下で実施例6および7に準じて行い、第5工程での臭化チエニルマグネシウムを臭化ブチルマグネシウムに代えて、実施例8を行った。
【0147】
第5工程:{1−ブチル−4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェニルエチル]シクロヘキシル}ジメチルアミン
テトラヒドロフラン(15mL)に溶かした1−ジメチルアミノ−4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェニルエチル]シクロへキサンカルボニトリル(1.06g、3.1mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン(4.62mL、9.25mmol)に溶かしたn−臭化ブチルマグネシウムの2M溶液をアルゴン雰囲気中にて氷冷下で滴下した。混合物を室温で48時間撹拌し、その後水および飽和塩化アンモニウム溶液(それぞれ10mLずつ)を加えた。相を分離し、水相をジエチルエーテル(3×10mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0148】
収量:1.12g、帯黄色油
1H-NMR (DMSO-d6) : スペクトルは予想されるシグナルすべてを含む。
ジアステレオ異性体 の混合物である。
【0149】
第6工程:1−(4−ブチル−4−ジメチルアミノシクロヘキシル)−2−フェニルエタノール
無水テトラヒドロフラン(20mL)に溶かした{1−ブチル−4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェニルエチル]シクロヘキシル}ジメチルアミン(1.09g、2.90mmol)の溶液に2Mの塩酸(20mL)を加え、室温で3日間撹拌した。テトラヒドロフランを真空中で除去し、酸性水溶液をジエチルエーテル(3×10mL)で抽出し、その後4Mの苛性ソーダでアルカリ域に設定した。そのアルカリ水相をジクロロメタン(4×10mL)で抽出した。一緒にされた有機相を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製物(646mg)をフラッシュクロマトグラフィーによってジクロロメタン/メタノール(9:1→8:2→0:1)を用いて精製した。そのようにして得た生成物は塩化水素酸塩の形態であった。それをジクロロメタンに投入し、その懸濁液を炭酸カリウム飽和溶液で洗浄した。有機相は硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0150】
収量:306mg(使用された第2工程に対して35%)、帯黄色油
1H-NMR (DMSO-d6) : 0.86 (t、3H、J = 7.0 Hz)、1.45-1.58 (m、13H)、1.66-1.75 (m、2H)、2.13 (s、6H)、2.52 (dd、1H、J = 8.5および13.3 Hz、DMSOシグナルが一部重なる)、2.72 (dd、1H、J = 4.1および13.6 Hz)、3.38 (m、1H)、4.26 (d、1H、J = 6.0 Hz)、7.10-7.30 (m、5H).
13C-NMR (DMSO-d6): 13.9、21.6、23.4、23.5、26.4、30.8、32.0、32.1、36.8、40.6、43.0、55.5、75.3、125.4、127.8、129.1、140.3.
LC-MS (方法7): [M+H]+: m/z = 304.5、Rt = 2.9 分。
[実施例9]
【0151】
1−[4−ジメチルアミノ−4−(3−メトキシフェニル)シクロヘキシル]−2−フェニルエタノール
【化16】

【0152】
実施方法は、第4工程の適用下で実施例6および7に準じて行い、、第5工程での臭化チエニルマグネシウムを3−臭化メトキシフェニルマグネシウムに代えて実施例9を行った。
【0153】
第5工程:[4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェニルエチル]−1−(3−メトキシフェニル)シクロヘキシル]ジメチルアミン
テトラヒドロフラン(15mL)に溶かした1−ジメチルアミノ−4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェニルエチル]シクロへキサンカルボニトリル(1.06g、3.1mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン(9.25mL、9.25mmol)に溶かした3−臭化メトキシフェニルマグネシウムの1M溶液をアルゴン雰囲気中にて氷冷下で滴下した。混合物を室温で48時間撹拌し、その後に水および塩化アンモニウム飽和溶液(それぞれ10mLずつ)を加えた。相分離を行い、水相をジエチルエーテル(3×10mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0154】
収量:1.56g、帯黄色油
1H-NMR (DMSO-d6) : スペクトルは予想されるシグナルすべてを含む。
ジアステレオ異性体 の混合物である。
【0155】
第6工程:1−[4−ジメチルアミノ−4−(3−メトキシフェニル)シクロヘキシル]−2−フェニルエタノール
無水テトラヒドロフラン(20mL)に溶かしたWW561(1.54g、3.61mmol)の溶液に、2Mの塩酸(20mL)を加え、室温で2日間撹拌した。テトラヒドロフランは真空中で除去し、酸性水溶液をジエチルエーテル(3×10mL)で抽出した後、4Mの苛性ソーダでアルカリ域に設定した。このアルカリ水相をジクロロメタン(4×10mL)で抽出した。一緒にされた有機相を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製物(670mg)をフラッシュクロマトグラフィーによってシクロヘキサン/酢酸エチル(3:2)→ジクロロメタン/メタノール(9:1)により濃縮した。
【0156】
収量:163mg(第3工程に対して15%)、白色固体
融点:75℃
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.15-1.52 ( m、7H)、1.95 (s、6H)、2.52-2.68 (m、3H)、2.77 (dd、1H、J = 3.7および13.6 Hz)、3.45 (m、1H)、3.74 (s、3H)、4.33 (d、1H、J = 6.1 Hz)、6.78-6.84 (m、2H)、6.89 (d、1H、J = 7.9 Hz)、7.11-7.30 (m、6H)。
13C-NMR (DMSO-d6) : 22.2、24.2、32.8、32.9、37.6、40.5、42.9、58.2、75.0、110.9、112.9、118.8、125.3、127.7、127.9、129.3、140.5、141.5、158.6。
【0157】
不純生成物を含む別の分画成分(350mg)を、フラッシュクロマトグラフィーによってジクロロメタン/メタノール(95:5)により新たに精製した。それにより、さらに90mgの1−[4−ジメチルアミノ−4−(3−メトキシフェニル)シクロヘキシル]−2−フェニルエタノールが得られた(第3工程に対して8%)、白色固体
融点:72℃
[実施例10]
【0158】
1−[4−ジメチルアミノ−4−(3−メトキシフェニル)シクロヘキシル]−2−フェニルエタノール
【化17】

【0159】
第1工程:4−ジメチルアミノ−4−(3−メトキシフェニル)シクロへキサンカルボニトリル
無水1,2−ジメトキシエタン(40mL)および無水エタノール(2mL)に溶かした4−(ジメチルアミノ)−4−(3−メトキシフェニル)シクロヘキサノン(2.47g、10mmol)およびトシルメチルイソシアニド(2.54g、13mmol)の溶液を−30℃に冷却した。続いて、無水テトラヒドロフラン(20mL)に溶かしたカリウム−tert−ブチラート(2.70g、24mmol)の溶液を、内部温度が5℃を越えないように滴下した。混合物を0℃で1時間、室温で24時間、さらに続いて逆流下で5時間撹拌した。その反応混合物を室温に下げ濾過した。濾過残留物を1,2−ジメトキシエタンで洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、残留物をジエチルエーテルに投入して、その溶液を水(3×20mL)および塩化ナトリウム飽和溶液(20mL)で洗浄した。有機相は硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製物(1.76g)をフラッシュクロマトグラフィーによって酢酸エチルにより、次に酢酸エチル/メタノール(9:1→8:2)を用いて精製した。
非極性ジアステレオ異性体
【0160】
収量:401mg(15%)、帯黄色油
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.60-1.90 (m、6H)、1.94 (s、6H)、2.22-2.34 (m、2H)、2.81 (m、1H)、3.74 (s、3H)、6.78-6.90 (m、3H)、7.27 (t、1H、J = 7.9 Hz)。
13C-NMR (DMSO-d6) : 24.7、26.3、30.5、37.4、54.9、58.7、111.3、113.2、119.3、122.9、128.4、139.2、158.8。
LC-MS (方法8): [M+H]+: m/z = 259.3、Rt = 0.9 分。
極性ジアステレオ異性体
収量:505mg(19%)、帯黄色油
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.33-1.52 (m、2H)、1.92 (s、6H)、1.93-2.18 (m、6H)、2.92 (m、1H)、3.76 (s、3H)、6.80-6.94 (m、3H)、7.30 (t、1H、J = 7.9 Hz)。
13C-NMR (DMSO-d6) : 24.9、26.4、30.3、37.7、54.8、59.2、111.4、113.6、119.4、122.8、128.4、138.7、158.8。
LC-MS (方法8) : [M+H]+: m/z = 259.2、Rt = 1.0 分。
【0161】
第2工程:1−[4−ジメチルアミノ−4−(3−メトキシフェニル)シクロヘキシル]−2−フェニルエタノン
無水テトラヒドロフラン(5mL)に溶かした極性ジアステレオ異性体 (240mg、0.9mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン(1.4mL、2.8mmol)に溶かした塩化ベンジルマグネシウムの2M溶液を氷冷下で加え、室温で3日間撹拌した。反応混合物に塩化アンモニウム飽和溶液(8mL)および水(5mL)を混和した。溶剤を真空中で除去し、水性懸濁液をジエチルエーテル(3×20mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製物をフラッシュクロマトグラフィーによってジクロロメタン/メタノール(95:5)を用いて精製した。
【0162】
収量:120mg(36%)、帯黄色油
1H-NMR (CDCl3) : 1.33-1.46 (m、2H)、1.72 (t、2H、J = 14.5 Hz)、1.87 (d、2H、J = 11.1 Hz)、2.13 (s、6H)、2.56 (m、1H)、2.70 (d、2H、J = 12.5 Hz)、3.69 (s、2H)、3.85 (s、3H)、6.82-6.94 (m、4Hz)、7.16 (d、1H、J = 7.1 Hz)、7.22-7.38 (m、4H)。
【0163】
第3工程:1−[4−ジメチルアミノ−4−(3−メトキシフェニル)シクロヘキシル]−2−フェニルエタノール
無水メタノール(5mL)に溶かした第2工程からの生成物(112mg、0.3mmol)の溶液に、硼化水素ナトリウム(24mg、0.6mmol)を0℃で加え、室温で3時間撹拌した。続いて、硼化水素ナトリウム(12mg、0.3mmol)を更に添加し、室温でさらに2時間撹拌した。混合物に水(20mL)を混和した。溶剤を真空中で除去した後に、水性懸濁液を酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製物(76mg)をフラッシュクロマトグラフィー(10g、20×1.1cm)に従ってジクロロメタン/メタノール[(95:5)+1%アンモニア溶液(30%水溶液)]を用いて精製した。
【0164】
収量:57mg(50%)、帯黄色固体
融点:120℃
1H-NMR (DMSO-d6) : 0、84-1.12 (m、2H)、1.18-1.58 (m、6H)、1.72 (d、1H、J = 12.5 Hz)、1.91 (s、6H)、2.40-2.50 (m、1H)、2.54-2.70 (m、2H)、3.26 (m、1H)、3.75 (s、3H)、4.20 (d、1H、J = 6.0 Hz)、6.79-6.92 (m、3H)、7.10-7.33 (m、6H)。
13C-NMR (DMSO-d6) : 23.5、25.9、32.5、32.7、37.9、40.7、42.9、61.1、74.6、110.7、114.4、120.3、125.3、127.8、128.4、129.1、138.4、140.1、158.9。
[実施例11]
【0165】
1−(4−(ジメチルアミノ)−4−(3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)−2−(5−(フェニルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール−2(5H)−イル)エタノール
【化18】

【0166】
第1工程:1,3,4,9−テトラヒドロ−β−カルボリン−2−カルボン酸ベンジルエステル
無水テトラヒドロフラン(30mL)に投入した2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン(4.43g、25.7mmol)および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(266mg)の懸濁液に、無水テトラヒドロフラン(30mL)に溶かしたN−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシニミド(9.61g、38.6mmol)の溶液を氷冷下で加えた。懸濁液を室温で16時間撹拌し、続いてテトラヒドロフランを真空中で除去した。残留物を酢酸エチル(20mL)に溶かし、水(2×20mL)で洗浄した。有機相は硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製物(11.0g)をフラッシュクロマトグラフィーによってシクロヘキサン/酢酸エチル(4:1)を用いて精製した。
【0167】
収量:6.64g(84%)、白色固体
1H-NMR (DMSO-d6) : 2.71 (t、2H、J = 5.6 Hz)、3.76 (t、2H、J = 5.3 Hz)、4.64 (br s、2H)、5.14 (s、2H)、6.96 (ddd、1H、J = 8.0、7.1 および1.1 Hz)、7.04 (ddd、1H、J = 8.2、7.1および1.2 Hz)、7.25-7.44 (m、7H)、10.78 および10.84 (2 s、1H)。
【0168】
第2工程:9−ベンゼンスルホニル−1,3,4,9−テトラヒドロ−β−カルボリン−2−カルボン酸ベンジルエステル
無水ジクロロメタン(100mL)に溶かした第1工程からの生成物(6.61g、21.6mmol)の溶液に、粉末化した水酸化ナトリウム(1.73g、43.3mmol)およびテトラ−n−硫酸水素ブチルアンモニウム(111mg)を加え、室温で1時間撹拌した。懸濁液に氷冷下で塩化ベンゼンスルホニル(4.21g、3.07mL、23.8mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、続いて水およびジクロロメタン(それぞれ50mLずつ)を加えた。有機相を分離して塩化ナトリウム溶液(40mL)で洗浄した。有機相はその後硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーによってシクロヘキサン/酢酸エチル(4:2)によって精製した。
【0169】
収量:5.66g(58%)、白色固体
融点:153℃
1H-NMR (DMSO-d6) : 2.67 (t、2H、J = 5.5 Hz)、3.73 (t、2H、J = 4.7 Hz)、4.97 (br s、2H)、5.16 (s、2H)、7.26 (dt、1H、J = 7.4および1.0 Hz)、7.31-7.94 (m、12H)、8.01 (br d、J = 8.1 Hz)。
【0170】
第3工程:9−ベンゼンスルホニル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
酢酸(20.7mL)に投入した第2工程の生成物(4.14g、9.27mmol)からの懸濁液に、酢酸(20.7mL)に投入した33%の臭化水素を加え、室温で1時間撹拌した。混合物をジエチルエーテル(500mL)に注ぎ入れた。沈殿した臭化水素酸塩を吸引濾過してジエチルエーテルで洗浄し、デシケータ内で水酸化カリウムを介して乾燥させた。この塩(3.60g)に炭酸カリウム飽和溶液(100mL)を加え、得られた混合物をジクロロメタン(3×25mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0171】
収量:2.51g(86%)、白色固体
融点:190〜195℃
1H-NMR (DMSO-d6) : 2.53 (t、2H、J = 5.5 Hz)、2.91 (t、2H、J = 5.5 Hz)、4.11 (s、2H)、7.20-7.33 (m、2H)、7.40-7.43 (m、1H)、7.52-7.60 (m、2H)、7.62-7.70 (m、1H)、7.84-7.90 (m、2H)、7.96-8.04 (m、1H)。
【0172】
第4工程:2−(9−ベンゼンスルホニル−1,3,4,9−テトラヒドロ−β−カルボリン−2−イル)−1−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デク−8−イル)エタノール
無水テトラヒドロフラン(50mL)に溶かした第3工程からの生成物(2.51g、8.05mmol)および8−オキシラニル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン(1.34g、7.30mmol)の溶液に、スルホン酸カルシウムトリフルオロメタン(1.22g、3.60mmol)を加え、室温で48時間撹拌した。テトラヒドロフランは真空中で除去した。残留物をジクロロメタン(40mL)に入れ、25%炭酸カリウム溶液(2×25mL)で洗浄した。有機相は硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製物(4.31g)をフラッシュクロマトグラフィーによってシクロヘキサン/酢酸エチル(1:2)を用いて精製した。
【0173】
収量:2.33g(64%)、白色固体
融点:158℃
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.22-1.48 (m、5H)、1.57 (s、1H)、1.62-1.78 (m、3H)、2.48-2.68 (m、4H)、2.72-2.90 (m、2H)、3.51 (m、1H)、3.83 (s、4H)、3.95 (d、1H、J = 17.0 Hz)、4.03 (d、1H、J = 17.0 Hz)、4.38 (d、1H、J = 4.4 Hz)、7.25 (dt、1H、J = 7.3および1.2 Hz)、7.31 (ddd、1H、J = 8.4、7.3 および1.5 Hz)、7.40-7.45 (m、1H)、7.51-7.60 (m、2H)、7.64-7.71 (m、1H)、7.82-7.89 (m、2H)、7.99-8.03 (m、1H)。
【0174】
第5工程:4−[2−(9−ベンゼンスルホニル−1,3,4,9−テトラヒドロ−β−カルボリン−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサノン
テトラヒドロフラン(30ml)に溶かした第4工程からの生成物(748mg、1.50mmol)の溶液に2Mの塩酸(30mL)を加え、室温で16時間撹拌した。混合物を4Mの苛性ソーダによりアルカリ域に設定し、酢酸エチル(3×35mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0175】
収量:658mg(96%)、ベージュ色の固体
融点:174℃
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.40-1.64 (m、2H)、1.76-1.98 (m、2H)、2.02 (m、1H)、2.15--2.26 (m、2H)、2.27-2.45 (m、2H)、2.54-2.70 (m、4H)、2.77-2.93 (m、2H)、3.64 (m、1H)、3.98 (d、1H、J = 17.0 Hz)、4.06 (d、1H、J = 17.0 Hz)、4.56 (d、1H、J = 4.4 Hz)、7.25 (dt、1H、J = 7.3および1.1 Hz)、7.32 (ddd、1H、J = 8.6、7.3 および1.4 Hz)、7.44 (m、1H)、7.52-7.60 (m、2H)、7.67 (m、1H)、7.83-7.89 (m、2H)、8.02 (br d、1H、J = 7.8 Hz)。
LC-MS (方法7) : [M+H]+: m/z = 453.2、Rt = 2.7 分。
【0176】
第6工程:4−[2−(9−ベンゼンスルホニル−1,3,4,9−テトラヒドロ−β−カルボリン−2−イル)−1−(ターシャリー−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]シクロヘキサノン
無水N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)に溶かした第6工程からの生成物(553mg、1.22mmol)、イミダゾール(250mg、3.66mmol)およびターシャリー−ブチルジメチルクロロシラン(275mg、1.83mmol)から成る溶液を室温で48時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残留物に25%炭酸カリウム溶液(30mL)を混和し、ジクロロメタン(3×35mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製物(1.3g)をフラッシュクロマトグラフィー(85g、20×3.8cm)に従ってシクロヘキサン/酢酸エチル(2:1)を用いて精製した。
【0177】
収量:588mg(85%)、白色固体
融点:150〜152℃
1H-NMR (DMSO-d6) : 0.03 (s、3H)、0.04 (s、3H)、0.85 (s、9H)、1.44-1.66 (m、2H)、1.86-2.06 (m、3H)、2.14-2.25 (m、2H)、2.28-2.47 (m、2H)、2.55-2.70 (m、4H)、2.71-2.92 (m、2H)、3.83 (m、1H)、3.89 (d、1H、J = 16.8 Hz)、4.00 (d、1H、J = 16.8 Hz)、7.26 (dt、1H、J = 7.3 および1.2 Hz)、7.32 (ddd、1H、8.6、7.3 および1.4 Hz)、7.42-7.48 (m、1H)、7.52-7.60 (m、2H)、7.64-7.72 (m、1H)、7.80-7.88 (m、2H)、8.00-8.06 (m、1H)。
【0178】
第7工程:4−[2−(9−ベンゼンスルホニル−1,3,4,9−テトラヒドロ−β−カルボリン−2−イル)−1−(ターシャリー−ブチルジメチルシラニルオキシ)-エチル]−1−ジメチルアミノ−シクロへキサンカルボニトリル
4Mの塩酸(256μL)とメタノール(153μL)との混合物に40%ジメチルアミン水溶液(596μL、4.73mmol)を氷冷下で混和した。混合物に、メタノール(3mL)およびテトラヒドロフラン(3mL)に溶かした第6工程からの生成物(557mg、0.98mmol)の溶液を添加した。続いて、シアン化カリウム(153mg、2.36mmol)および水(2mL)を加えた。懸濁液を室温で一晩撹拌し、その後水(20mL)で希釈した。混合物をジメチルエーテル(5×20mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0179】
収量:609mg(100%)、帯黄色油
ジアステレオマー混合物である。
1H-NMR (DMSO-d6) : スペクトルは予想されるシグナルすべてを含む。
【0180】
第8工程:[4−[2−(9−ベンゼンスルフォニル−1,3,4,9−テトラヒドロ−β−カルボリン−2−イル)−1−(ターシャリー−ブチルジメチルシラニルオキシ)-エチル]−1−(3−フルオロフェニル)シクロヘキシル]ジメチルアミン
無水テトラヒドロフラン(20mL)に溶かした第7工程からの生成物(521mg、0.84mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン(2.5mL、2.5mmol)に溶かした3−臭化フルオロフェニルマグネシウムの1M溶液をアルゴン雰囲気中にて氷冷下で加え、室温で2日間撹拌した。続いて、反応混合物に塩化アンモニウム飽和溶液および水(それぞれ10mLずつ)を加えて相分離させた。水相をジエチルエーテル(2×30mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。残留物(491mg)をフラッシュクロマトグラフィーによってシクロヘキサン/酢酸エチル(4:1)を用いて精製した。それにより、なお不純物として3−フルオロフェノールを含む生成物(211mg)が得られた。これを、新たに、フラッシュクロマトグラフィーによってシクロヘキサン/tert−ブチルメチルエーテル(4:1)を用いて精製した。
【0181】
収量:149mg(25%)、白色固体
1H-NMR (DMSO-d6): 0.01 (s、3H)、0.04 (s、3H)、0.88 (s、9H)、1.15-1.80 (m、7H)、1.92 (s、6H)、2.56-2.56 (m、6H)、2.56-2.95 (m、2H)、3.65-3.73 (m、1H)、3.86 (d、1H、J = 16.9 Hz)、3.99 (d、1H、J = 17.0 Hz)、7.00-7.15 (m、2H)、7.20-7.45 (m、5H)、7.50-7.59 (m、2H)、7.62-7.70 (m、1H)、7.80-7.87 (m、2H)、8.01 (d、1H、J = 8.2 Hz).
13C-NMR (DMSO-d6) : -5.1、-4.9、-4.0、-3.8、17.9、20.5、24.1、25.8、25.9、32.6、32.7、37.4、49.7、51.6、58.3、61.3、71.3、74.1、111.6 (d、J = 22 Hz)、112.6 (d、J = 21 Hz)、113.1、113.7、117.1、118.6、120.7 (br)、122.4、122.5、123.6、124.4、126.0、128.8 (d、J = 8 Hz)、129.3、129.8、132.9、134.5、135.3、137.4、143.1 (d、J = 6 Hz)、161.9 (d、J = 242 Hz)。
LC/MS (方法8): [M+H]+: m/z = 691.4、Rt = 4.2 分。
【0182】
第9工程:2−(9−ベンゼンスルホニル−1,3,4,9−テトラヒドロ−β−カルボリン−2−イル)−1−[4−ジメチルアミノ−4−(3−フルオロフェニル)シクロヘキシル]エタノール
テトラヒドロフラン(20mL)に溶かした第8工程からの生成物(176mg、0.255mmol)の溶液に、2Mの塩酸(20mL)を加え、室温で1日間撹拌した。続いて、反応混合物を50℃で15時間、その後さらに室温で16時間撹拌した。次に、混合物を2Mの苛性ソーダ(30mL)によりアルカリ域に設定し、相分離を行った。水相をジエチルエーテル(3×10mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製物(151mg)をフラッシュクロマトグラフィーによってジクロロメタン/メタノール(97:3)を用いて精製した。
【0183】
収量:35mg(22%)、無色油
1H-NMR (CDCl3) : 1.35-1.78 (m、7H)、1.85 (br d、1H、J = 12.4 Hz)、2.04 (s、6H)、2.48-2.66 (m、3H)、2.50-2.86 (m、4H)、3.05 (m、1H)、3.65 (t、1H、J = 7.8 Hz)、4.02 (d、1H、J = 16.4 Hz)、4.13 (d、1H、J = 16.4 Hz)、6.95 (t、1H、J = 8.1 Hz)、7.01 (dd、1H、J = 11.5および1.4 Hz)、7.09 (d、1H、J = 7.5 Hz)、7.20-7.46 (m、6H)、7.52 (m、1H)、7.77 (m、2H)、8.12 (d、1H、J = 8.1 Hz)。
13C-NMR (CDCl3) : 20.8、23.2、23.8、32.9、37.6、41.9、49.5、51.3、58.7、60.3、70.1、113.1 (d、J = 20 Hz)、113.6 (d、J = 21 Hz)、114.2、117.3、118.2、122.4、123.6、124.3、126.2、128.5 (d、J = 8 Hz)、129.3、129. 6、132.6、133.6、136.1、138.7、143.0 (br)、162 (d、J = 245 Hz).
LC-MS (方法7): [M+H]+: m/z = 576.3、Rt = 2.4 分。
[実施例12]
【0184】
2−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)エタノール
【化19】

【0185】
第1工程:2−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−1−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デク−8−イル)エタノール
無水アセトニトリル(60mL)に溶かした8−オキシラニル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン(1.41g、7.66mmol)、イソインドリン(1.00g、8.43mmol)およびスルホン酸カルシウムトリフルオロメタン(1.29g、3.8mmol)の溶液を室温で一晩撹拌した。続いて、溶剤を真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチル(50mL)に入れ、溶液を25%炭酸カリウム溶液(3×50mL)で洗浄した。水相を酢酸エチル(3×40mL)で抽出し、一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0186】
収量:2.04g(88%)、ベージュ色の固体
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.24-1.48 (m、5H)、1.59 (br s、1H)、1.64-1.74 (m、3H)、2.56 (dd、1H、J = 7.4、12.2 Hz)、2.70 (dd、1H、J = 4.7、12.2 Hz)、(m、2H)、3.44 (m、1H)、3.83 (s、4H)、3.83-3.94 (m、4H)、4.30 (d、1H、J= 4.4 Hz)、7.15-7.26 (m、4 H)。
【0187】
第2工程:4−[2−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサノン
アセトン(60mL)に溶かした2−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−1−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デク−8−イル)エタノール(2.05g、6.74mmol)の溶液に、2Mの塩酸(19mL)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮化し、残留物を2Mの苛性ソーダでアルカリ域に設定し、溶液をジクロロメタン(3×40mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製物(1.67g)をフラッシュクロマトグラフィーによって酢酸エチル/メタノール(9:1)を用いて精製した。
【0188】
収量:1.12g(64%)、ベージュ色の固体
融点:136℃
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.40-1.68 (m、2H)、1.82-2.10 (m、3H)、2.14-2.24 (m、2H)、2.28-2.46 (m、2H)、2.70 (dd、1H、J = 7.1、12.3 Hz)、2.77 (dd、1H、J = 5.2 Hz)、3.58 (m、1H)、3.85-3.97 (m、4H)、4.54 (br s、1H)、7.15-7.25 (m、4H)。
【0189】
第3工程:4−[2−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]−1−ジメチルアミノシクロへキサンカルボニトリル
メタノール(785μL)に投入して0℃に冷却した4Mの塩酸(706μL)に40%ジメチルアミン水溶液(1.72ml、12.5mmol)を加えた。続いて、メタノール(4mL)およびテトラヒドロフラン(6mL)に溶かした4−[2−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサノン(732mg、2.82mmol)の溶液を添加した。次に、混合物にシアン化カリウム(445mg、6.67mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。その後、反応混合物に水(80mL)を加え、ジエチルエーテル(3×20mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0190】
収量:672mg(76%)、白色固体
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.20-1.50 (m、7H)、1.60-1.90 (m、2H)、2.22 および2.33 (2 s、6H)、2.63-2.75 (m、2H)、3.45 (m、1H)、3.82-3.94 (m、4H)、4.36 および4.45 (2 d、1H、J = それぞれ4.7 Hz)、7.15-7.24 (m、4H)。
比率約4.5:1のジアステレオ異性体 混合物が得られた。
【0191】
第4工程:2−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)エタノール
テトラヒドロフラン(4.25mL、8.49mmol)に溶かした塩化フェニルマグネシウムの2M溶液に、無水テトラヒドロフラン(30mL)に溶かした4−[2−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]−1−ジメチルアミノシクロへキサンカルボニトリル(666mg、2.12mmol)の溶液を氷冷下で滴加し、室温で一晩撹拌した。続いて、混合物に塩化アンモニウム飽和溶液および水(それぞれ10mLずつ)を氷冷下で滴加した。テトラヒドロフランを真空中で留別し、残留物をジエチルエーテル(3×30mL)で抽出した。一緒にされた有機相を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製物(761mg)をフラッシュクロマトグラフィーによってクロロホルム/メタノール(9:1)を用いて精製した。新たに行ったクロロホルム(25%アンモニア水溶液により飽和)/メタノール(95:5)でのフラッシュクロマトグラフィーによりベージュ色固体として83mg(10%)の収量を得た。
【0192】
融点:130〜135℃
1H-NMR (CDCl3) : 1.26 (s、1H)、1.40-1.90 (m、7H)、2.05 (s、6H)、2.58-2.70 (m、2H)、2.79 (dd、1H、J = 10.2、11.8 Hz)、2.84 (dd、1H、J = 3.5、11.8 Hz)、3.63 (m、1H)、3.93 (d、2H、J = 11.1 Hz)、4.12 (d、2H、J = 11.1 Hz)、7.21-7.29 (m、5H)、7.30-7.39 (m、4H)。
比率約4:1のジアステレオ異性体 混合物が得られた。
[実施例13および実施例14]
【0193】
(1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェンオキシエタノール、非極性ジアステレオ異性体 )
(1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェンオキシエタノール、極性ジアステレオ異性体 )
【化20】

【0194】
第1工程:8−オキシラニル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン
鉱油(1.78g、44.59mmol)に投入した水酸化ナトリウムの60%分散液をジメチルスルフォキシド(25mL)に入れ、そこへ沃化トリメチルスルフォキソニウム(9.80g、44.6mmol)を添加した。混合物を室温で45分間撹拌した。続いて、ジメチルスルフォキシド(20mL)に溶かした1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−8−カルバルデヒド(7.59g、44.6mmol)の溶液を混合物に添加した。反応混合物を60℃で18時間撹拌した。冷却後、混合物を水(100ml)の中に注ぎ入れジエチルエーテル(4×20mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製物(4.64g)をフラッシュクロマトグラフィーによってシクロヘキサン/酢酸エチル(4:1)を用いて精製した。
【0195】
収量:1.09g(13%)、無色油
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.10-1.85 (m、8H)、2.50 (2H、DMSOシグナルの重畳)、2.64 (dd、1H、J = 5.0、4.0 Hz)、2.71 (ddd、1H、J = 6.6、4.0、2.7 Hz)、3.84 (s、4H)。
【0196】
類似方法により下記の生成物ロットを製出した。
a)1.16gの1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−8−カルバルデヒドより247mg、理論値の20%、
b)2.99gの1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−8−カルバルデヒドより560mg、理論値の17%、
c)7.6gの1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−8−カルバルデヒドより7.34g、このロットは多量のジクロロメタンおよびシクロへキサンを含んでいた。生成物含有量は、最大で理論値の約30%であった。
【0197】
第2工程:1−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デク−8−イル)−2−フェノキシエタノール
鉱油(834mg、20.7mmol)に投入した水酸化ナトリウムの60%分散液を無水N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に入れ、そこへフェノール(1.96g、20.8mmol)を加えた。混合物を室温で15分間撹拌し、続いて、N,N−ジメチルホルムアミド(6mL)に溶かした8−オキシラニル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン(2.62g、含量約30%、約4mmol)の溶液を添加した。反応混合物を120℃で5.5時間撹拌して、その後室温に冷却し、水(1mL)を加えて真空中で濃縮した。残留物に繰り返しトルエンを加え、その都度新たに真空中で濃縮した。粗製物(2.9g)をフラッシュクロマトグラフィー(200g、20×5.6cm)に従ってシクロヘキサン/酢酸エチル(4:1)を用いて精製した。
【0198】
収量:1.01g(約90%)、無色油
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.30-1.80 (m、9H)、3.59 (m、1H)、3.82-3.88 (s、4H、ddによる重畳、1H)、3.93 (dd、1H、J = 4.2、9.9 Hz)、4.79 (d、1H、J = 5.4 Hz)、6.88-6.95 (m、3H)、7.24-7.30 (m、2H)。
【0199】
第3工程:4−(1−ヒドロキシ−2−フェノキシエチル)シクロヘキサノン
アセトン(30mL)に溶かした1−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デク−8−イル)−2−フェノキシエタノール(1.25g、4.5mmol)の溶液に2Mの塩酸を添加し、室温で48時間撹拌した。アセトンを真空中で除去し、水性残留物のpH値を2M苛性ソーダによりアルカリ域に設定し、水性残留物をジクロロメタン(4×20mL)で抽出した。一緒された有機相は硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0200】
収量:928mg(88%)、帯黄色油
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.45-1.65 (m、2H)、1.88-2.13 (m、3H)、2.15-2.26 (m、2H)、2.31-2.45 (m、2H)、3.72 (m、1H)、3.90 (dd、1H、J = 6.2、9.9 Hz)、3.99 (dd、1H、J = 4.4、9.9 Hz)、4.96 (d、1H、J = 5.4 Hz)、6.90-6.98 (m、3H)、7.25-7.32 (m、2H)。
【0201】
第4工程:4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェノキシエチル]シクロヘキサノン
無水ジクロロメタン(20mL)に溶かした4−(1−ヒドロキシ−2−フェノキシエチル)シクロヘキサノン(919mg、3.92mmol)の溶液にピリジニウムトシラート(15mg、0.06mmol)およびエチルビニルエーテル(339mg、450μL、4.70mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。続いて、混合物をジクロロメタン(20mL)の添加後に、水、5%炭酸水素ナトリウム溶液および塩化ナトリウム飽和溶液(それぞれ50mLずつ)で洗浄した。有機相は硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
粗製物(1.09g)をフラッシュクロマトグラフィーによってシクロヘキサン/酢酸エチル(4:1)を用いて精製した。
【0202】
収量:929mg(77%)、無色油
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.02-1.13 (m、3H)、1.21 (dd、3H、J = 5.2、9.1 Hz)、1.44-1.70 (m、3H)、1.90-2.30 (m、4H)、2.32-2.47 (m、2H)、3.38-3.64 (m、2H)、3.71-3.88 (m、1H)、3.94-4.15 (m、2H)、4.80 および4.90 (2 q、1H、J = 5.3 Hz)、6.90-6.94 (m 3H)、7.29 (t、2H、J = 8.0 Hz)。
生成物はジアステレオ異性体 混合物として製出された。
【0203】
第5工程:1−ジメチルアミノ−4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェノキシエチル]シクロヘキサンカルボニトリル
4Mの塩酸(747μL)とメタノール(448μL)とからの混合物に、40%ジメチルアミン水溶液(1.73mL、13.7mmol)を氷冷下で加えて、4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェノキシエチル]シクロヘキサノン(880mg、2.87mmol)へ投入した後にシアン化カリウム(448mg、6.88mg)を添加した。溶解補助のために、さらにテトラヒドロフラン(3mL)を添加した。この反応混合物を室温で6時間撹拌し、続いて水(50mL)を加えてジエチルエーテル(4×30mL)で抽出した。一緒にされた有機相を真空中で濃縮化し、残留物をジクロロメタン(30mL)に入れ、水(30mL)で洗浄した。有機相は硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0204】
収量:877mg(84%)、無色油
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.00-1.12 (m、3H)、1.16-1.24 (m、3H)、1.30-2.00 (m、8H)、2.10-2.30 (m、7H)、3.40-3.70 (m、3H)、4.00-4.10 (m、2H)、4.74-4.90 (m、1H)、6.90-6.99 (m、3H)、7.25-7.32 (m、2H)。
生成物はジアステレオ異性体 の混合物として得られる。
【0205】
第6工程:{4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェノキシエチル]−1−フェニルシクロヘキシル}ジメチルアミン
テトラヒドロフラン(3.6mL、7.3mmol)に溶かした塩化フェニルマグネシウムの2M溶液に、無水テトラヒドロフラン(15mL)に溶かした1−ジメチルアミノ−4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェノキシエチル]シクロへキサンカルボニトリル(871mg、2.4mmol)の溶液を氷冷下で滴加した。混合物を室温で一晩撹拌し、続いて、塩化アンモニア飽和溶液および水(それぞれ5mLずつ)を加えた。相分離を行い、水相をジエチルエーテル(3×20mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0206】
収量:946mg(99%)、帯黄色油
1H-NMR (DMSO-d6) : 0.90-1.26 (m、6H)、1.26-1.80 (m、9H)、1.93 (s、6H)、2.61-2.71 (m、1H)、3.40-3.69 (m、2H)、3.93-4.14 (m、2H)、4.71-4.92 (m、1H)、6.70-7.70 (m、10H)。
生成物はジアステレオ異性体 混合物として製出された。
【0207】
第7工程:1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェノキシエタノール
アセトン(30mL)に溶かした{4−[1−(1−エトキシ−エトキシ)−2−フェノキシエチル]−1−フェニルシクロヘキシル}ジメチルアミン(892mg、2.16mmol)の溶液に2Mの塩酸(10mL)を加え、室温で一晩撹拌した。続いて、混合物のpH値を0.5Mの苛性ソーダでアルカリ域に設定し、その後ジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製物(1.26g)をフラッシュクロマトグラフィーによって酢酸エチル/メタノール(9:1→0:1)を用いて精製した。
【0208】
1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェノキシエタノール
(非極性ジアステレオ異性体 )
収率:317mg(43%)、帯黄色油
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.22-1.38 (m、2H)、1.40-1.74 (m、5H)、1.92 (s、6H)、2.58-2.74 (m、2H)、3.56-3.65 (m、1H)、3.88 (dd、1H、J = 10.0、6.3 Hz)、3.98 (dd、1H、J = 10.0、4.0 Hz)、4.78 (d、1H、J = 5.5 Hz)、6.88-6.97 (m、3H)、7.18-7.37 (m、7H)。
1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェノキシエタノール
(極性ジアステレオ異性体 )
収量:41mg(5%)、帯黄色固体
融点:145〜147℃
1H-NMR (DMSO-d6) : 0.80-1.10 (m、2H)、1.38-1.54 (m、4H)、1.72 (br d、1H、J = 12.8 Hz)、1.89 (s、6H)、2.58-2.74 (m、2H)、3.40-3.52 (m、1H)、3.77 (dd、1H、J = 9.9、6.1 Hz)、3.84 (dd、1H、J = 9.9、4.4 Hz)、4.67 (br s、1H)、6.84-6.92 (m、3H)、7.20-7.40 (m、7H)。
[実施例15]
【0209】
2−ベンゾイルオキシ−1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)エタノール
【化21】

【0210】
第1工程:実施例13および14の第2工程でフェノールをベンジルアルコールに代え、続いて同様の反応を行うことにより実施例15を行った。
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.15-1.68 (m、8H)、1.92 (s、6H)、2.52-2.70 (m、2H)、3.35-3.50 (m、2H)、4.49 (m、3H)、7.18-7.40 (m、10 H).
13C-NMR (DMSO-d6): 22.3、23.7、32.6、32.7、37.5、58.1、72.1、72.7、72.9、126.1 (br)、126.3 (br)、127.1 (br)、127.4、128.1、138.7、139.7。
1種類のジアステレオ異性体のみ単離された。
[実施例16]
【0211】
2−(シクロヘキシルオキシ)−1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)エタノール
【化22】

【0212】
実施例13および14の第2工程でフェノールをシクロヘキサノールに代え、続いて同様の反応を行うことにより実施例16を行った。
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.10-1.57 (m、16H)、1.80 (m、2H)、1.92 (s、6H)、2.63 (br d、2H、J = 13.9 Hz)、3.22 (m、1H)、3.28-3.45 (m、3H)、4.31 (d、1H、J = 4.7 Hz)、7.23 (m、1H)、7.28-7.35 (m、4H)。
13C-NMR (DMSO-d6) : 22.7、23.2、23.7、25.3、31.7、32.6、37.4、58.3、70.2、73.0、76.4、126.1、126.5、127.0、139.6。
1種類のジアステレオ異性体のみ単離された。
[実施例17]
【0213】
2−シクロヘキシルオキシ−1−(4−ジメチルアミノ−4−チオフェン−2−イル−シクロヘキシル)エタノール
【化23】

【0214】
実施例16に準じて行うが、第6工程で塩化フェニルマグネシウムを2−臭化チエニルマグネシウムに代えて実施例17を行った。
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.10-1.57 (m、15H)、1.80 (m、2H)、1.99 (s、6H)、2.42 (d、2H、J = 13.7 Hz)、3.21 (m、1H)、3.27-3.44 (m、3H)、4.34 (d、1H、J = 4.7 Hz)、6.89 (dd、1H、J = 1.1 および3.4 Hz)、7.02 (dd、1H、J = 3.4 および5.1 Hz)、7.37 (dd、1H、J = 1.1 および5.1 Hz)。
13C-NMR (DMSO-d6) : 22.2、23.2、23.6、25.3、31.7、35.1、37.3、58.1、70.1、72.9、76.4、122.8、123.5、126.0、145.2。
1種類のジアステレオ異性体のみ単離された。
[実施例18]
【0215】
1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−2−インドール−1−イル−エタノール
【化24】

【0216】
実施例13および14の第2工程でフェノールをインドールに代え、続いて同様の反応を行うことにより実施例18を行った。
1H-NMR (CDCl3) : 1.44-1.64 (m、3H)、1.64-1.90 (m、4H)、2.05 (s、6H)、2.65-2.74 (m、2H)、3.89 (ddd、1H、J = 2.8、6.6、9.2 Hz)、4.06 (dd、1H、J = 9.1、14.3 Hz)、4.40 (dd、1H、J = 2.8、14.3 Hz)、6.52 (d、1H、J = 3.1 Hz)、7.11 (m、1H)、7.18 (d、1H、J = 3.1 Hz)、7.22 (ddd、1H、J = 1.2、7.1、8.2 Hz)、7.16-7.42 (m、6H)、7.64 (d、1H、J = 7.9 Hz)。
[実施例19]
【0217】
1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェニルスルファニルエタノール
【化25】

【0218】
実施例13および14の第2工程でフェノールをチオフェノールに代え、続いて同様の反応を行うことにより実施例19を行った。
1H-NMR (CDCl3): 1.48-1.64 (m、4H)、1.66-1.82 (m、4H)、2.10 (s、6 H)、2.60-2.72 (m、2H)、2.94 (dd、1H、J = 8.8および13.6 Hz)、3.29 (dd、1H、J = 3.4 および13.6 Hz)3.64 (m、1H)、7.21 (m、1H)、7.25-7.43 (m、9H).
LC-MS (方法8): [M+H]+: m/z = 356.2、Rt = 2.6 分。
[実施例20]
【0219】
2−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−1−フェノキシプロパン−2−オル
【化26】

【0220】
実施例13および14に準じて第7工程を構成し、それを出発点として下記のとおり実施例20の合成を実現した。
【0221】
第8工程:1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェノキシエタノン
無水ジクロロメタン(25mL)に溶かした1−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェノキシエタノール(800mg、2.35mmol)の溶液に、ジクロロメタン(22.9g、8.10mmol)に溶かしたDess−Martin−Periodinanの15%溶液を加えた。混合物を室温で4時間、続いて40℃で1.5時間撹拌した後にジエチルエーテル(100mL)を混和した。懸濁液を25%の炭酸カリウム溶液、5%の炭酸水素ナトリウム溶液、1Mの硫酸ナトリウム溶液および水(それぞれ50mLずつ)で洗浄した。有機相は硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0222】
収量:931mg(>100%)、帯黄色固体
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.40-1.53 (m、2H)、1.62-1.72 (m、2H)、1.75-1.88 (m、2H)、1.95 (s、6H)、2.58-2.70 (m、3H)、4.94 (s、2H)、6.86-6.90 (m、2H)、6.91-6.96 (m、1H)、7.25-7.30 (m、3H)、7.33-7.37 (m、4H)。
【0223】
第9工程:2−(4−ジメチルアミノ−4−フェニルシクロヘキシル)−1−フェノキシプロパン−2−オル
無水テトラヒドロフラン(30mL)に溶かした第7工程からの生成物(粗製物、300mg、最大0.89mmol)の懸濁液に、ジエチルエーテル(8.8mL、26.7mmol)に溶かした臭化メチレンマグネシウムの3M溶液をアルゴン雰囲気中にて氷冷下で加え、室温で3時間撹拌した。続いて、混合物に塩化アンモニウム飽和溶液および水(それぞれ10mLずつ)を氷冷下で滴加し、ジエチルエーテル(3×20mL)で抽出した。一緒にされた有機抽出物を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空中で濃縮した。粗製品(167mg)をフラッシュクロマトグラフィー(20g、20×2.0cm)に従って酢酸エチル/メタノール(9:1)を用いて精製した。
【0224】
収量:102mg(第6工程に対して32%)、無色油
1H-NMR (DMSO-d6) : 1.15 (s、3H)、1.20-1.30 (m、2H)、1.50-1.70 (m、5H)、1.92 (s、6H)、2.71 (br、d、2H、J = 14.3 Hz)、3.76 (d、1H、J = 9.3 Hz)、3.83 (d、1H、J = 9.3 Hz)、4.38 (s、1H)、6.88-6.97 (m、3H)、7.18-7.40 (m、7H)。
LC-MS (方法7): [M+H]+: m/z = 354.3、Rt = 3.3 分。
[比較例1]
【0225】
3−{3−[4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル]−3−ヒドロキシプロプ−1−イニル}−1H−インドール−1−カルボン酸−ターシャリー−ブチルエステル
【化27】

【0226】
この化合物の合成および生物学的活性に関する下記データは文献(国際公開第04043900号パンフレット)に記載されている。
[比較例2]
【0227】
(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニル−4’、9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−ピラノ[3,4−b]インドール]−2−イル)メタノール
【化28】

【0228】
第1工程:4−(ジメチルアミノ)−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロへキサン−1,1’−ピラノ[3,4−b]インドール]−2−イル)メタノール(可能な4種のラセミ体ジアステレオ異性体 対の1つ)
2−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニル−4’,9’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロへキサン−1,1’−ピラノ[3,4−b]インドール]−2−イル)酢酸−メチルエステル(190mg、0.44mmol)を2NのHCl(20ml)とエタノール(20ml)との混合物中で溶かし、室温で18時間撹拌した。精製のためエタノールを真空中で除去し、水性残留物をNaHCOで中和し、2NのNaOHにより強塩基に設定した。水溶液を酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。一緒にされた有機相を、MgSOを通じて乾燥させ、続いて濃縮した。得られた固形残留物は、求める純粋な形での所望のアルコールの可能な4ジアステレオ異性体 の1つであることが明らかになった。(プロパン−2−オルから)得られた生成物は、収量が153mg(89%)で融点が219〜233℃であった。
【0229】
13C-NMR (101 MHz、DMSO-d6、δppm) : 22.1、27.9、30.5、31.0、37.9、43.9、59.1、60.8、61.6、73.8、106.5、111.0、117.3、118.2、120.4、126.2、126.3、127.59、127.63、135.9、136.6、137.4。
【0230】
本発明に基づく化合物の効能試験
ORL1結合の測定
化合物を、CHO−ORL1組換細胞の膜においてH-ノシセプチン/オルファニンFQによるレセプター結合アッセイにより試験した。このテストシステムは、Ardati他によって紹介された方法(学術誌Mol.Pharmacol第51巻、1997年刊、816〜824ページ)に従って行った。この試験ではH-ノシセプチン/オルファニンFQの濃度は0.5nMとした。結合アッセイは、10mMのMgClおよび1mMのEDTAの添加によりpH7.4に設定した50mMのHEPESにおいて、それぞれ200μlのバッチ、それぞれ20μgの膜蛋白質によって行った。ORL1レセプターへの結合は、それぞれ1mgのWGA−SPAビーズ(Amersham−Pharmacia社/フライブルク)の使用下、バッチの室温での1時間の培養および続いてのシンチレーション・カウンターTrilux(Wallac社/フィンランド)での計測によって決定した。親和性は、表1にナノモルK値として、またはc=1μMでの阻害率%として表記している。
【0231】
μ結合の測定
ヒトのμ−オピエートレセプターに対する親和性をマイクロ滴定プレートでの均質バッチにおいて測定した。その目的のため、それぞれの被験化合物のシリーズ希釈物を、ヒトのμ−オピエートレセプターを発現するCHO−K1細胞のレセプター膜調製物(NEN社/Zaventem(ベルギー))のRB−HOMレセプター膜調製物)(インキュベーションバッチ250μl当り15〜40μgの蛋白質)により、1nmol/lの放射性リガンド[H]−ナロキソン(NET719、NEN社/Zaventem(ベルギー)および1mgのWGA−SPAビーズ(Amersham/Pharmacia社/フライベルク(ドイツ)のWheat Germ Agglutinin SPAビーズ)の存在下、総体積250μlとして室温で90分間培養した。培養緩衝剤として、0.05重量%のアジ化ナトリウムおよび0.06重量%の牛の血清アルブミンで補充した50mmol/トリス−HCLを使用した。非特異性結合の測定には、追加として25μmol/lのナロキソンを添加した。90分間の培養時間の経過後には、マイクロ滴定プレートを1000gでは20分間の遠心分離にかけ、β−カウンタ(Microbeta−trilux、PerkinElmer Wallac社/フライブルク(ドイツ))で放射能を計測した。試験物質濃度を1μmol/lとして、放射性リガンドのそれ自体の結合からヒトのμ−オピエートレセプターへの排除率を計測し、特異結合の阻害パーセンテージ(%阻害)を表記した。一部には、排除率から出発して、一般式IのC50被験化合物の濃度差から、放射性リガンドの排除率50%を誘起する阻害濃度を算出した。チェン・プルソフ式による換算から試験物質のKi値を得た。幾つかの例ではKi値の算出を省き、試験濃度1μMでの阻害だけを測定した。
【0232】
ラットに対するテールフリックテストでの鎮痛試験
実施例3の被験化合物の鎮痛効能を、D’AmourおよびSmith(専門誌Pharm.Exp.Ther.第72巻7479ページ(1941年)の方法に従いラットに対する制動放射(テールフリック)テストで試験した。それには、体重134〜189gのSprague Dawley系雌ラットを使用した。被験動物を個別に特殊なテストケージに入れ、尾の付け根に焦点を合せ、そこへランプ(テールフリックタイプ50/08/1.bc、Labtec,Dr.Hess社)の熱光線を当てた。ランプの光度は、非処理動物の場合でランプのスイッチを入れてから尾を突然移動させる(痛み潜時)までの時間が2.5〜5秒になるように設定した。被験動物には、試験化合物の投与前に30分間で2回予備テストを行い、その測定平均値を算出し予備テスト平均値とした。痛み測定は静脈内投与の20、40および60分後に行った。鎮静作用は次式
[(T−T)/(T−T)]×100
に従い痛み潜時の増大(%MPE)として算出した。
式中、Tは物質投与前の潜伏時間、Tは物質投与後の潜伏時間であり、Tは最大露光時間(12秒)である。
【0233】
用量依存性の測定のため、それぞれの試験化合物を、それぞれ閾値用量および最大作用用量を含めた、対数級数的に増大する用量で3〜5回投与し、回帰分析を利用してED50値を算出した。ED50値の計算は最大作用域で、物質の静脈内投与20分後に行った。
【0234】
比濁法による溶解度試験(燐酸塩緩衝剤、pH7.4)
この方法は、pH7.4の10mM燐酸塩緩衝溶液における一定濃度(1μM、3μM、10μM、30μMおよび100μM)での物質の溶解度を試験する。最初に、DMSOに溶かした10mMの物質溶液が必要であり、それより、上記の濃度レベルにあるストック溶液を同様にDMSOで100倍分調製し、試験バッチ中の最終DMSO濃度を1%(容積/容積)とする。実験は何回もの測定によって行う。DMSOストック溶液を緩衝液に添加後を37℃で2時間培養し、その後620nmで吸光測定を行う。試料の吸光が純緩衝液/DMSO溶液の吸光を上回れば、それが沈殿形成のインジケータと見なされる。溶解度の下限(「lower bound」)は、最初に沈殿形成を伴う濃度の1つ前の濃度とする(例えば、沈殿形成が10μMで検出された場合には3μMがそれになる)。
【0235】
比較試験
【0236】
【表3】

【0237】
上記の表から明らかなように、実施例1、3、4、5、6、7、8、9、12、13、15、16、17および18の本発明に基づく化合物は、比較例1の類似構造を持つ公知化合物に比較してORL1レセプターでは、更に、時にはμ−オピオイドレセプターででも驚くほど高い結合を示す。さらには、実施例4の本発明に基づく化合物は比較例2の化合物より水性媒質中では約10倍高い溶解度を有していることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

{式中、
1、’、Y2、’、Y3、’、YおよびY’がそれぞれ相互に無関係に、−H、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CHO、−R、−C(=O)R、−C(=O)H、−C(=O)−OH、−C(=O)OR、−C(=O)NH、−C(=O)NHR、−C(=O)N(R、−OH、−OR、−OC(=O)H、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、−OC(=O)NHR、−OC(=O)N(R、−SH、−SR、−S(=O)1−2、−S(=O)1−2OH、−S(=O)1−2OR、−S(=O)1−2NH、−S(=O)1−2NHRまたは−S(=O)1−2N(R、−NH、−NHR、−N(R、−N(R3、−N(R、−NHC(=O)R、−NHC(=O)OR、−NHC(=O)NH、−NHC(=O)-NHR、−NH-C(=O)N(Rより成る群から選ばれるか、あるいはYおよびY’、またはYおよびY’、またはYおよびY’、またはYおよびY’が一緒になって=Oを表し、
が、それぞれ独立して−C1−8−脂肪族基、−C3−12−環状脂肪族基、−アリール、−ヘテロアリール、−C1−8−脂肪族基−C3−12−環状脂肪族基、−C1−8−脂肪族基−アリール、−C1−8−脂肪族基−ヘテロアリール、−C3−8−環状脂肪族基−C1−8−脂肪族基、−C3−8−環状脂肪族基−アリールまたは−C3−8−環状脂肪族基−ヘテロアリールを表し、
およびRが、相互に無関係にHまたは−C1−8−脂肪族基を表すか、、あるいは、RおよびRが一緒になって環を形成して−(CH2−4−を表し、
が−Rを意味し、
が−H、−F、−Cl、−Br、−I、−R、−C(=O)H、−C(=O)R、−C(=O)OR、−CN、−C(=O)NH、−C(=O)NHR、−C(=O)N(R、−OH、−OR、−OC(=O)H、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、−OC(=O)NHR、−OC(=O)−N(R、−NH、−NH-R、−N(R、−N(R、−N(R、−NHC(=O)R、−NHC(=O)OR、−NHC(=O)-NHR、−NHC(=O)−N(R、−NO、−SH、−SR、−S(=O)1−2、−S(=O)1−2OH、−S(=O)1−2OR、−S(=O)1−2NH、−S(=O)1−2NHR、−S(=O)1−2N(R、−OS(=O)1−2、−OS(=O)1−2OH、−OS(=O)1−2OR、−OS(=O)1−2NH、−OS(=O)1−2NHRまたは−OS(=O)1−2N(Rを表し、
が−H、−R、−C(=O)H、−C(=O)R、−C(=O)OR、−CN、−C(=O)NH、−C(=O)NHRまたは−C(=O)N(Rを表し、
その場合、「脂肪族基」がそれぞれ、分枝もしくは非分枝状、飽和または一価もしくは多価の不飽和、非置換またはモノ置換もしくはポリ置換された脂肪族炭化水素残基であり、
「環状脂肪族基」がそれぞれ、その環炭素原子の数が、好ましくは記載の範囲内にある、飽和または単一もしくは複合の不飽和、非置換またはモノ置換もしくはポリ置換された、脂肪族環状の単環もしくは多環の炭化水素残基であり、
ただし、「脂肪族基」および「環状脂肪族基」に関しての「モノ置換又はポリ置換」が、単一または複数の水素原子のモノ置換又はポリ置換、例えば、相互に無関係に、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CHO、=O、−R、−C(=O)R、−C(=O)H、−C(=O)OH、−C(=O)OR、−C(=O)NH、−C(=O)NHR、−C(=O)N(R、−OH、−OR、−OC(=O)H、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、−OC(=O)NHR、−OC(=O)−N(R、−SH、−SR、−SOH、−S(=O)1−2−R、−S(=O)1−2NH、−NH、−NHR、−N(R、−N(R、−N(R、−NHC(=O)R、−NHC(=O)OR、−NHC(=O)NH、−NHC(=O)−NHR、−NH−C(=O)N(R、−Si(R、−PO(ORより成る群から選ばれた置換基によるモノ、ジ、トリ置換または全置換を意味し、
「アリール」がそれぞれ独立して、少なくとも1つの芳香環を持つ、ただし、この環にヘテロ原子を持たない炭素環系を意味し、その場合アリール残基が、場合により、それぞれ相互に無関係にN、OおよびSから選ばれた、単一または複数のヘテロ環原子を持つことのできる、飽和状態、(部分的に)不飽和状態または芳香族のその他環系により縮合することができ、なお、各アリール残基が非置換またはモノもしくはポリ置換されて存在することができ、アリール置換基は同じでも異なっていてもよく、アリールのそれぞれ可能な任意の位置に存在することができ、
「ヘテロアリール」が1、2、3、4または5のヘテロ原子を含む、5、6または7の部分から成る環状芳香族残基を表し、その場合へテロ原子は同じか、または異なった窒素、酸素または硫黄であり、複素環は非置換またはモノもしくはポリ置換された形態を取ることができ、なお、複素環での置換の場合、置換基は同じでも異なっていてもよく、ヘテロアリールのそれぞれ可能な任意の位置に存在することができ、その複素環は二環系または多環系の一部にすることもでき、
ただし、「アリール」および「ヘテロアリール」に関しての「モノ置換又はポリ置換」は、環系における単一または複数の水素原子のモノ置換又はポリ置換、すなわち、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CHO、=O、−R、−C(=O)R、−C(=O)H、−C(=O)OH、−C(=O)OR、−C(=O)NH、−C(=O)NHR、−C(=O)−N(R、−OH、−O(CH1−2O−、−OR、−OC(=O)H、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、−OC(=O)NHR、−OC(=O)N(R、−SH、−SR、−SOH、−S(=O)1−2−R、−S(=O)1−2NH、−NH、−NHR、−N(R、−N(R、−N(R、−NHC(=O)R、−NHC(=O)OR、−NH−C(=O)NH、−NHC(=O)NHR、−NH-C(=O)N(R、−Si(R、−PO(ORより成る群から選ばれた置換基による置換の意味であり、その場合、場合により、存在するN環原子はそれぞれ酸化することができる。}、
で表わされる化合物、又はその個々のステレオ異性体 またはそれらの混合物、その遊離化合物および/またはその生理的に許容し得る塩。
【請求項2】
が−H、−F、−Cl、−Br、−I、−C3−12−環状脂肪族基、−アリール、−ヘテロアリール、−C3−8−環状脂肪族基−C1−8−脂肪族基、−C3−8−環状脂肪族基−アリール、−C3−8−環状脂肪族基−ヘテロアリール、−C(=O)H、−C(=O)R、−C(=O)OR、−CN、−C(=O)NH、−C(=O)NHR、−C(=O)N(R、−OH、−OR、−OC(=O)H、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、−OC(=O)NHR、−OC(=O)−N(R、−NH、−NH-R、−N(R、−N(R、−N(R、−NHC(=O)R、−NHC(=O)OR、−NHC(=O)-NHR、−NHC(=O)−N(R、−NO、−SH、−SR、−S(=O)1−2、−S(=O)1−2OH、−S(=O)1−2OR、−S(=O)1−2NH、−S(=O)1−2NHR、−S(=O)1−2N(R、−OS(=O)1−2、−OS(=O)1−2OH、−OS(=O)1−2OR、−OS(=O)1−2NH、−OS(=O)1−2NHRまたは−OS(=O)1−2N(Rを表している、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1、’、Y2、’、Y3、’、YおよびY’がそれぞれ、−Hを表している、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
が、それぞれ非置換、または環がモノもしくはポリ置換された−フェニル、−ベンジルまたは−フェネチル、非置換またはモノもしくはポリ置換されたC1−5−脂肪族基、−C4−6−環状脂肪族基、−ピリジル、−チエニル、−トリアゾリル、−イミダゾリル、−1,2,4−チアゾリルおよび−ベンジイミダゾリルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が−Hを表している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
下記の一般式(4)、(5)、(6)、(7)、(8)または(9)
【化2】

[表中、該当の表示がある場合に限られるが、
は−H、−F、−Cl、−CN、−NOまたは−OCHを表し、(ヘテロ−)アリールは、それぞれ非置換またはモノもしくはポリ置換されたヘテロアリールまたはアリールを表す]
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
次の群:
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェニルエタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェノキシエタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−(1H−インドール−1−イル)エタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−(イソインドリン−2−イル)エタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−(4−フルオロフェニル)エタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−(3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)−2−フェニルエタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−(3−メトキシフェニル)シクロヘキシル)−2−フェニルエタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−(チオフェン−2−イル)シクロヘキシル)−2−フェニルエタノール、
・ 1−(4−ブチル−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)−2−フェニルエタノール、
・ 1−シクロペンチル−2−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−3−・フェニルプロパン−2−オル、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−1−フェニル−2−(ピリジン−4−イル)エタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−(フェニルチオ)エタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−(フェニルスルホニル)エタノール、
・ 2−(シクロヘキシルオキシ)−1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)エタノール、
・ 2−(ベンジルオキシ)−1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)エタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−フェネトキシエタノール、
・ 2−((1H−インドール−3−イル)メトキシ)−1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)エタノール、
・ 2−(2−(1H−インドール−3−イル)エトキシ)−1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)エタノール、
・ 1−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−2−((2−(トリエチルシリル)−1H−インドール−3−イル)メトキシ)-エタノール、
・ 1−(2−(4−(ジメチルアミノ)−4−(3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)−2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−2−オン、
・ 2−(4,4a−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b]インドール−2(3H,9H,9aH)−イル)−1−(4−(ジメチルアミノ)−4−(3−フルオロ-フェニル)-シクロヘキシル)エタノール、
・ 1−シンナモイル−3−(2−(4−(ジメチルアミノ)−4−(3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)−2−ヒドロキシエチル)-テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン、
・ 2−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−1−フェニルプロパン−2−オル、
・ 2−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−1,3−ジフェニルプロパン−2−オル、
・ 2−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−1−フェニル−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−2−オル、
・ 2−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−1−フェニル−3−(ピリジン−3−イル)プロパン−2−オルおよび
・ 2−(4−(ジメチルアミノ)−4−フェニルシクロヘキシル)−1−フェニル−3−(ピリジン−4−イル)プロパン−2−オル
から選ばれる、請求項1に記載の化合物又はその生理的に許容し得る塩。
【請求項8】
その個々のステレオ異性体 またはそれらの混合物、その遊離化合物および/またはその生理的に許容し得る塩である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の少なくとも一種の化合物および場合により、適当な添加物質および/または助剤および/または場合により、別の有効物質を含む医薬。
【請求項9】
その個々のステレオ異性体 またはそれらの混合物、その遊離化合物および/またはその生理的に許容し得る塩の形にある、請求項1〜7のいずれか一項に記載された化合物の痛み治療用医薬の製造への使用。
【請求項10】
その個々のステレオ異性体 またはそれらの混合物、その遊離化合物および/またはその生理的に許容し得る塩および/または溶媒化合物の形にある、請求項1〜7のいずれか一項に記載された化合物の不安状態、ストレスおよびストレスと関連する症候群、うつ病、てんかん、アルツハイマー病、老人性痴呆、知覚全般機能障害、学習障害および記憶障害(脳代謝賦活剤として)、禁断症状、アルコール乱用および/またはドラッグ乱用および/または薬物乱用、アルコール依存症および/またはドラッグ依存症および/または薬物依存症、性的機能障害、心臓血管疾患、低血圧症、高血圧症、耳鳴り、掻痒、偏頭痛、難聴、腸の運動機能低下、摂食障害、拒食症、肥満症、運動器官障害、下痢、悪液質、尿失禁の治療のための医薬、筋弛緩剤、鎮痙剤または麻酔剤としての医薬、またはオピオイド系鎮痛剤または麻酔剤による治療における同時投与のための、利尿または抗ナトリウム利尿、抗不安のための、運動活力の調節のための、神経伝達物質放出の調節のためおよびそれに関連する神経変性疾患の治療のため、禁断症状の治療のための、および/またはオピオイド依存症の可能性の減少のための医薬の製造への使用。

【公表番号】特表2011−517669(P2011−517669A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501142(P2011−501142)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/002184
【国際公開番号】WO2009/118171
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(390035404)グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (127)
【Fターム(参考)】