フレキシブルプリント配線板およびその接続構造
【課題】フレキシブルプリント配線板の外部と接続する端子を狭ピッチ化しても確実に接続する。
【解決手段】フレキシブルプリント配線板19は、ベースフィルム10と、ベースフィルム10の第1面に形成された端子41,42を備える。第2端子42は、非貫通スルーホール43に設けられた接続導電体46を介して裏面の銅箔45と接続される。ベースフィルム10には、端子41,42を挟んでベースフィルム10を貫通する一対の基準孔が形成されている。このフレキシブルプリント配線板19は、基準孔と対応する位置に貫通孔が設けられた硬質基板と端子41,42と対応する位置で硬質基板の表面に設けられた接続端子とを備えた回路基板と、基準孔および貫通孔を貫通する位置合わせピンで位置決めされて接続される。フレキシブルプリント配線板19の端子41,42が設けられた領域は、回路基板に向かって付勢される。
【解決手段】フレキシブルプリント配線板19は、ベースフィルム10と、ベースフィルム10の第1面に形成された端子41,42を備える。第2端子42は、非貫通スルーホール43に設けられた接続導電体46を介して裏面の銅箔45と接続される。ベースフィルム10には、端子41,42を挟んでベースフィルム10を貫通する一対の基準孔が形成されている。このフレキシブルプリント配線板19は、基準孔と対応する位置に貫通孔が設けられた硬質基板と端子41,42と対応する位置で硬質基板の表面に設けられた接続端子とを備えた回路基板と、基準孔および貫通孔を貫通する位置合わせピンで位置決めされて接続される。フレキシブルプリント配線板19の端子41,42が設けられた領域は、回路基板に向かって付勢される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント配線板およびその接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント配線板は、ベースフィルムの片方あるいは両方の面に、銅箔などの導電体の配線パターンが形成され、さらにその表面をカバーレイで覆ったものである。さらに、絶縁体のフィルムを挟んで複数の配線パターンが積層された多層のフレキシブルプリント配線板もある。フレキシブルプリント配線板は可撓性を有し、液晶ディスプレイ、携帯電話、ノートPCなどに用いられている。フレキシブルプリント配線板に設けた端子部をコネクタに挿入することによって、フレキシブルプリント配線板と外部の電気回路とを接続する場合がある(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−8779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フレキシブルプリント配線板の端子部を外部のコネクタに挿入することによって、外部と電気的に接続する場合、コネクタの幅は端子のピッチと端子の数によって決まる。コネクタ側の端子(パッド)は、一般にリード線によって他の部分と結線されているため、狭ピッチ化が困難である。このため、コネクタを小型化することは困難である。
【0005】
そこで、フレキシブルプリント配線板の外部と接続する端子を狭ピッチ化しても確実に接続できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本発明は、フレキシブルプリント配線板の接続構造において、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの第1面に形成された複数の第1端子および複数の第2端子と前記第1端子に接続する前記第1面に形成された第1配線と前記第2の端子に前記ベースフィルムを貫通する孔に設けられた接続導電体を介して接続された前記第1面の裏側の第2面に形成された第2配線とを含む配線パターンと、を備えて前記端子を挟んで前記ベースフィルムの位置合わせ用の一対の位置合わせピンが貫通する基準孔が形成されたフレキシブルプリント配線板と、前記位置合わせピンがそれぞれ貫通する貫通孔が設けられた硬質基板と、前記位置合わせピンが前記基準孔および前記貫通孔に貫通したときに前記第1端子および前記第2端子とそれぞれ対向する位置で前記硬質基板の表面に設けられた複数の接続端子と、を備えた回路基板と、前記フレキシブルプリント配線板の前記第1端子および前記第2端子が設けられた領域を前記回路基板に向かって付勢する付勢部材と、を具備することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、フレキシブルプリント配線板において、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの第1面に形成された複数の第1端子および複数の第2端子と前記第1端子に接続する前記第1面に形成された第1配線と前記第2の端子に前記ベースフィルムを貫通する孔に設けられた接続導電体を介して接続された前記第1面の裏側の第2面に形成された第2配線とを含む配線パターンと、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、フレキシブルプリント配線板の外部と接続する端子を狭ピッチ化しても確実に接続できるようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の図2におけるI−I矢視断面図である。
【図2】図1のII−II矢視平面図である。
【図3】図1のIII−III矢視平面図である。
【図4】図3において補強材と第2のカバーレイと接着剤とを取り除いた状態を示す平面図である。
【図5】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の製造方法のフローチャートである。
【図6】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態と接続される回路基板の平面図である。
【図7】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態と回路基板との接続に用いる押さえ板の図8のVII−VII矢視平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視側面図である。
【図9】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の接続構造の組立方法のフローチャートである。
【図10】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の接続構造の組立過程における位置合わせピン挿入前の状態の断面図である。
【図11】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の接続構造の組立過程におけるフレキシブルプリント配線板の位置決め前の状態の断面図である。
【図12】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の接続構造の組立過程における押さえ板の位置決め前の状態の断面図である。
【図13】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の接続構造の組立過程における押さえ板のねじ止め前の状態の断面図である。
【図14】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の接続構造の組立過程における位置合わせピン抜きとり前の状態の断面図である。
【図15】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の接続構造の断面図である。
【図16】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の接続構造の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、この実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。
【0011】
図1は、本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の図2におけるI−I矢視断面図である。図2は、図1のII−II矢視平面図である。図3は、図1のIII−III矢視平面図である。図4は、図3において補強材と第2のカバーレイと接着剤とを取り除いた状態を示す平面図である。
【0012】
本実施の形態のフレキシブルプリント配線板19は、ベースフィルム10を有している。ベースフィルム10の両面には、銅箔45によって配線61,62および端子41,42が形成されている。銅箔45によって形成された配線61,62および端子41,42の表面には、銅めっき44が形成されている。
【0013】
端子41,42は、それぞれ複数の第1端子41と第2端子42とに分類される。第1端子41および第2端子42は、ベースフィルム10の第1面すなわち図1において上側の表面に形成されている。
【0014】
配線61,62は、第1配線61と第2配線62とに分類される。第1配線61は、ベースフィルム10の第1面に形成されていて、第1端子41に接続されている。第2配線62は、ベースフィルム10の第2面すなわち図1において下側の表面に形成されている。
【0015】
ベースフィルム10およびベースフィルム10の第2面に貼られた銅箔45には非貫通スルーホール43が形成されている。非貫通スルーホール43は、ベースフィルム10およびベースフィルム10の第2面に貼られた銅箔45を貫通し、ベースフィルム10の第1面に貼られた銅箔45は貫通していない。
【0016】
この非貫通スルーホール43には、接続導電体46が配置されている。この接続導電体46によって、ベースフィルム10の第1面および第2面に貼られた銅箔45を電気的に接続している。その結果、第2端子42は、ベースフィルム10の第2面に形成された第2配線62と電気的に接続されている。接続導電体46は、たとえば銅めっきである。
【0017】
ベースフィルム10の第1面は、第1端子41および第2端子42の近傍を除き、第1のカバーレイ11で覆われている。第1のカバーレイ11は、接着剤13でベースフィルム10および銅めっき44に接着されている。ベースフィルム10の第2面は、第2のカバーレイ12で覆われている。第2のカバーレイ12は、接着剤14でベースフィルム10および銅めっき44に接着されている。第2のカバーレイ12の表面のたとえば第1端子41および第2端子42の裏側にあたる部分には、接着剤15によって補強材16が接着されている。
【0018】
第1端子41および第2端子42の表面には、バンプ40が設けられている。バンプ40は、金あるいは鉛フリーはんだで形成されている。
【0019】
ベースフィルム10、第1のカバーレイ11および第2のカバーレイ12は、いずれも半透明のポリイミドなどの可撓性を持つ材料で30μm程度の厚さの膜状に形成されている。なお、ここではベースフィルム10は単層としたが、内部に1層以上の配線パターンが形成された複層のベースフィルムを用いてもよい。
【0020】
第1端子41は、互いに平行に延びる複数の第1配線61の先端に設けられている。第1端子41は、等間隔に直線状に配列されている。
【0021】
第2端子42は、第1端子41に対して第1配線61の反対側に設けられている。第2端子42は、第1端子41の配列方向に平行に配列されている。第2端子42の配列は、第1端子41の配列と同じピッチで、第1端子41の配列に対して配列方向にピッチの半分ずれている。
【0022】
第1端子41の配列および第2端子42の配列のピッチは、たとえば0.1mmである。
【0023】
また、このフレキシブルプリント配線板19には、一対の基準孔51が形成されている。基準孔51は、端子41,42を挟む位置に形成されている。本実施の形態では、基準孔51は、第1端子41の配列の延長線上に形成されている。
【0024】
図5は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の製造方法のフローチャートである。
【0025】
まず、両面銅張板に穴あけ加工を施す(S1)。両面銅張板は、ベースフィルム10の両側の面に銅箔が張り付けられたものである。銅箔の厚さは、30μm程度である。この両面銅張板に、非貫通スルーホール43を形成する。この際、ベースフィルム10およびベースフィルム10の第2面に貼られた銅箔45を貫通させた後、ベースフィルム10の第1面に貼られた銅箔45は貫通させないよう留意する。
【0026】
次に、必要に応じて清浄処理などを施した後に、無電解めっきを施す(S2)。これにより、銅箔45の表面に銅めっき44を形成するとともに、非貫通スルーホール43の内面に接続導電体46を形成する。接続導電体46は、無電解めっきの後さらに電解めっきを施して形成してもよい。
【0027】
その後、必要に応じて銅箔に表面処理を施し、銅箔表面にレジスト皮膜を形成する(S3)。配線61,62および端子41,42に対応するフォトマスクを被せて露光することにより、レジスト皮膜にパターンを焼き付ける。さらにパターンを現像して、エッチングを行うことにより、所定の銅箔パターンがベースフィルム10の表面に形成される(S4)。その後、レジスト皮膜を剥離する(S5)。
【0028】
エッチング処理の終了後、銅箔45のパターンが形成されたベースフィルム10に第1のカバーレイ11および第2のカバーレイ12を接着する(S7)。接着するカバーレイ11,12には、あらかじめ型抜き加工を施しておく(S6)。
【0029】
次に、第1端子41および第2端子42の表面に、バンプ40を形成する。バンプ40は、たとえば以下の方法で形成する。まず、第1端子41および第2端子42が露出した領域にフォトレジストを塗布する。次に、そのフォトレジストを所定のパターンが形成されたフォトマスクで覆い、露光することにより、パターニングを施す。このパターニングで第1端子41および第2端子42を露出させ、露出した部分に金めっきを形成する。金めっきを形成した後、フォトレジストを剥離する。この状態では、金めっきはフォトレジストの断面形状に対応した形状となっているため、加熱して金めっきの形状を整える。
【0030】
その後、端子41,42の裏面に補強材16を貼り付ける(S9)。補強材16が貼り付けられた後、外形加工線に沿って切断する(S10)。これにより、フレキシブルプリント配線板19が得られる。
【0031】
なお、フレキシブルプリント配線板19の製造方法は、これに限定されるものではなく、順序を変更するなどしてもよい。たとえば、バンプ40の形成は、補強材16の貼り付け後に行ってもよい。あるいは、場合によっては、補強材16を貼り付けた後、さらに外形加工をした後にバンプ40を形成してもよい。
【0032】
図6は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板と接続される回路基板の平面図である。
【0033】
この回路基板20は、硬質基板21を有している。硬質基板21には、フレキシブルプリント配線板19に形成された一対の基準孔51と同じ間隔で同じ径の一対の貫通孔52が形成されている。また、一対の貫通孔52を挟むように一対のねじ穴53が形成されている。
【0034】
硬質基板21の表面には、複数の接続端子22が形成されている。これらの接続端子22および貫通孔52の相対的な位置関係は、フレキシブルプリント配線板19に形成された端子41,42および基準孔51の相対的な位置関係と同じである。硬質基板21の表面の端子22の近傍を除く領域は、絶縁被膜23で覆われている。
【0035】
図7は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板と回路基板との接続に用いる押さえ板の図8のVII−VII矢視平面図である。図8は、図7のVIII−VIII矢視側面図である。
【0036】
押さえ板30は、たとえばステンレス鋼製の板であって、硬質基板21に形成された一対の貫通孔52および一対のねじ穴53と相対的な位置関係が同じで、同じ径の一対の位置合わせピン孔55および一対のねじ貫通孔54が形成されている。押さえ板30の裏面には、板ばね31が取り付けられている。
【0037】
図9は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の接続構造の組立方法のフローチャートである。
【0038】
まず、フレキシブルプリント配線板19を製造する(S11)。また、回路基板20を製造する(S12)。これらの製造の順序は、逆であってもよい。
【0039】
図10は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の接続構造の組立過程における位置合わせピン挿入前の状態の断面図である。
【0040】
次に、回路基板20の貫通孔52のそれぞれに位置合わせピン33を挿入する(S13)。位置合わせピン33は、貫通孔52の内径よりも外径が少し小さい円柱である。位置合わせピン33の円柱の一方の先端は細くなっている。また、他方の端部には、円柱部分よりも径が大きい頭が設けられている。位置合わせピン33は、細くなった先端が上を向くように回路基板20の貫通孔に挿入される。
【0041】
図11は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の接続構造の組立過程におけるフレキシブルプリント配線板の位置決め前の状態の断面図である。
【0042】
次に、フレキシブルプリント配線板19の位置決めをする(S14)。フレキシブルプリント配線板19の位置決めは、ベースフィルム10に形成された基準孔51に一対の位置合わせピン33を通過させることにより行う。回路基板20の接続端子22は、一対の基準孔51をそれぞれ貫通する位置合わせピン33が硬質基板21の一対の貫通孔52をそれぞれ貫通するときに、第1端子41および第2端子42とそれぞれ対向する位置に設けられている。このため、フレキシブルプリント配線板19の第1端子41および第2端子42のそれぞれの表面に設けられたバンプ40は、回路基板20の接続端子22のそれぞれと接触することになる。
【0043】
図12は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の接続構造の組立過程における押さえ板の位置決め前の状態の断面図である。
【0044】
次に、押さえ板30の位置決めをする(S15)。押さえ板30の位置決めは、押さえ板30に形成された位置合わせピン孔55に一対の位置合わせピン33を通過させることにより行う。押さえ板30に形成された一対の位置合わせピン孔55および一対のねじ貫通孔54は、硬質基板21に形成された一対の貫通孔52および一対のねじ穴53と相対的な位置関係が同じとなるように形成されている。よって、押さえ板30に形成された一対のねじ貫通孔54は、硬質基板21に形成された一対のねじ穴53と向かい合うように配置されることになる。
【0045】
図13は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の接続構造の組立過程における押さえ板のねじ止め前の状態の断面図である。
【0046】
次に、押さえ板30を硬質基板21にねじ止めする(S16)。ねじ32は、押さえ板30に形成されたねじ貫通孔54を通過し、硬質基板21に形成されたねじ穴53にねじ込まれる。これにより、フレキシブルプリント配線板19は、端子41,42が設けられた領域が押さえ板30およびこれに取り付けられた板ばね31によって、回路基板20に向かって付勢される。
【0047】
図14は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の接続構造の組立過程における位置合わせピン抜きとり前の状態の断面図である。
【0048】
ねじ32によって硬質基板21に固定された押さえ板30に取り付けられた板ばね31によって付勢されることにより、フレキシブルプリント配線板19の端子41,42の表面に設けられたバンプ40は、回路基板20の接続端子22に押しつけられる。これにより、両者は電気的に接続される。その後、位置合わせピン33は、抜き取られる(S17)。位置合わせピン33は、抜き取らずそのままの状態としてもよい。この場合、位置合わせピン33の先端をねじにしておき、押さえ板30にねじ込むようにすれば、別途ねじ32を用いる必要はない。
【0049】
図15は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の接続構造の断面図である。図16は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の接続構造の平面図である。
【0050】
このようにして、フレキシブルプリント配線板19の回路基板20への接続構造が完成する。この接続構造は、フレキシブルプリント配線板19と、回路基板20と、フレキシブルプリント配線板19の第1端子41および第2端子42が設けられた領域を回路基板20に向かって付勢する付勢部材とを有している。本実施の形態では、付勢部材とは、ねじ32によって硬質基板21に固定された押さえ板30に取り付けられた板ばね31である。このような付勢部材の代わりに、たとえばフレキシブルプリント配線板19と硬質基板21とを挟みこむクランプを用いてもよい。
【0051】
本実施の形態では、フレキシブルプリント配線板19に第1端子41および第2端子42を設けている。第2端子42は、裏面に形成された第2配線62と接続されている。このため、第1端子41に接続する第1配線61と干渉することなく第2配線62を配置することができる。その結果、第1端子41および第2端子42を密に配置することができる。つまり、フレキシブルプリント配線板19の端子41,42の配置領域をコンパクト化することができる。
【0052】
第1端子41および第2端子42は、同じピッチで平行な直線上に配列されている。また、第2端子42の配列は、第1端子41の配列とピッチの半分ずれている。このため、第2端子42は、フレキシブルプリント配線板19の端縁から見込んだときに、隣り合う第1端子41の間に配置されている。したがって、これらの端子41,42と接続される回路基板20の接続端子22も同じ方向から見込んだときに一方の列の接続端子22の間に他方の列の接続端子22が配列されている。その結果、第1端子41および第2端子42をより密に配置することができる。
【0053】
また、フレキシブルプリント配線板19の端子41,42の表面には、バンプ40を設けている。このため、フレキシブルプリント配線板19の端子41,42と回路基板20の接続端子22との間の電気的接続がより確実なものとなる。バンプ40は、回路基板20の接続端子22の側に設けてもよい。
【0054】
第2端子42は、ベースフィルム10の第2面に形成された第2配線62と非貫通スルーホール43に設けられた接続導電体46を介して接続されている。つまり、第2端子42の表面には、穴が形成されていないため、フレキシブルプリント配線板19の端子41,42と回路基板20の接続端子22との接続がより確実なものとなる。特に、第2端子42の表面にバンプ40を設けない場合には、この効果がより顕著になる。
【0055】
このように、本実施の形態によれば、フレキシブルプリント配線板の外部と接続する端子を狭ピッチ化しても確実に接続できる。
【符号の説明】
【0056】
10…ベースフィルム、11…第1のカバーレイ、12…第2のカバーレイ、13…接着剤、14…接着剤、15…接着剤、16…補強材、19…フレキシブルプリント配線板、20…回路基板、21…硬質基板、22…接続端子、23…絶縁被膜、30…押さえ板、31…板ばね、32…ねじ、33…位置合わせピン、40…バンプ、41…第1端子、42…第2端子、43…非貫通スルーホール、44…銅めっき、45…銅箔、46…接続導電体、51…基準孔、52…貫通孔、53…ねじ穴、54…ねじ貫通孔、55…位置合わせピン孔、61…第1配線、62…第2配線
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント配線板およびその接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント配線板は、ベースフィルムの片方あるいは両方の面に、銅箔などの導電体の配線パターンが形成され、さらにその表面をカバーレイで覆ったものである。さらに、絶縁体のフィルムを挟んで複数の配線パターンが積層された多層のフレキシブルプリント配線板もある。フレキシブルプリント配線板は可撓性を有し、液晶ディスプレイ、携帯電話、ノートPCなどに用いられている。フレキシブルプリント配線板に設けた端子部をコネクタに挿入することによって、フレキシブルプリント配線板と外部の電気回路とを接続する場合がある(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−8779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フレキシブルプリント配線板の端子部を外部のコネクタに挿入することによって、外部と電気的に接続する場合、コネクタの幅は端子のピッチと端子の数によって決まる。コネクタ側の端子(パッド)は、一般にリード線によって他の部分と結線されているため、狭ピッチ化が困難である。このため、コネクタを小型化することは困難である。
【0005】
そこで、フレキシブルプリント配線板の外部と接続する端子を狭ピッチ化しても確実に接続できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本発明は、フレキシブルプリント配線板の接続構造において、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの第1面に形成された複数の第1端子および複数の第2端子と前記第1端子に接続する前記第1面に形成された第1配線と前記第2の端子に前記ベースフィルムを貫通する孔に設けられた接続導電体を介して接続された前記第1面の裏側の第2面に形成された第2配線とを含む配線パターンと、を備えて前記端子を挟んで前記ベースフィルムの位置合わせ用の一対の位置合わせピンが貫通する基準孔が形成されたフレキシブルプリント配線板と、前記位置合わせピンがそれぞれ貫通する貫通孔が設けられた硬質基板と、前記位置合わせピンが前記基準孔および前記貫通孔に貫通したときに前記第1端子および前記第2端子とそれぞれ対向する位置で前記硬質基板の表面に設けられた複数の接続端子と、を備えた回路基板と、前記フレキシブルプリント配線板の前記第1端子および前記第2端子が設けられた領域を前記回路基板に向かって付勢する付勢部材と、を具備することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、フレキシブルプリント配線板において、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの第1面に形成された複数の第1端子および複数の第2端子と前記第1端子に接続する前記第1面に形成された第1配線と前記第2の端子に前記ベースフィルムを貫通する孔に設けられた接続導電体を介して接続された前記第1面の裏側の第2面に形成された第2配線とを含む配線パターンと、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、フレキシブルプリント配線板の外部と接続する端子を狭ピッチ化しても確実に接続できるようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の図2におけるI−I矢視断面図である。
【図2】図1のII−II矢視平面図である。
【図3】図1のIII−III矢視平面図である。
【図4】図3において補強材と第2のカバーレイと接着剤とを取り除いた状態を示す平面図である。
【図5】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の製造方法のフローチャートである。
【図6】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態と接続される回路基板の平面図である。
【図7】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態と回路基板との接続に用いる押さえ板の図8のVII−VII矢視平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視側面図である。
【図9】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の接続構造の組立方法のフローチャートである。
【図10】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の接続構造の組立過程における位置合わせピン挿入前の状態の断面図である。
【図11】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の接続構造の組立過程におけるフレキシブルプリント配線板の位置決め前の状態の断面図である。
【図12】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の接続構造の組立過程における押さえ板の位置決め前の状態の断面図である。
【図13】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の接続構造の組立過程における押さえ板のねじ止め前の状態の断面図である。
【図14】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の接続構造の組立過程における位置合わせピン抜きとり前の状態の断面図である。
【図15】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の接続構造の断面図である。
【図16】本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の接続構造の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、この実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。
【0011】
図1は、本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施の形態の図2におけるI−I矢視断面図である。図2は、図1のII−II矢視平面図である。図3は、図1のIII−III矢視平面図である。図4は、図3において補強材と第2のカバーレイと接着剤とを取り除いた状態を示す平面図である。
【0012】
本実施の形態のフレキシブルプリント配線板19は、ベースフィルム10を有している。ベースフィルム10の両面には、銅箔45によって配線61,62および端子41,42が形成されている。銅箔45によって形成された配線61,62および端子41,42の表面には、銅めっき44が形成されている。
【0013】
端子41,42は、それぞれ複数の第1端子41と第2端子42とに分類される。第1端子41および第2端子42は、ベースフィルム10の第1面すなわち図1において上側の表面に形成されている。
【0014】
配線61,62は、第1配線61と第2配線62とに分類される。第1配線61は、ベースフィルム10の第1面に形成されていて、第1端子41に接続されている。第2配線62は、ベースフィルム10の第2面すなわち図1において下側の表面に形成されている。
【0015】
ベースフィルム10およびベースフィルム10の第2面に貼られた銅箔45には非貫通スルーホール43が形成されている。非貫通スルーホール43は、ベースフィルム10およびベースフィルム10の第2面に貼られた銅箔45を貫通し、ベースフィルム10の第1面に貼られた銅箔45は貫通していない。
【0016】
この非貫通スルーホール43には、接続導電体46が配置されている。この接続導電体46によって、ベースフィルム10の第1面および第2面に貼られた銅箔45を電気的に接続している。その結果、第2端子42は、ベースフィルム10の第2面に形成された第2配線62と電気的に接続されている。接続導電体46は、たとえば銅めっきである。
【0017】
ベースフィルム10の第1面は、第1端子41および第2端子42の近傍を除き、第1のカバーレイ11で覆われている。第1のカバーレイ11は、接着剤13でベースフィルム10および銅めっき44に接着されている。ベースフィルム10の第2面は、第2のカバーレイ12で覆われている。第2のカバーレイ12は、接着剤14でベースフィルム10および銅めっき44に接着されている。第2のカバーレイ12の表面のたとえば第1端子41および第2端子42の裏側にあたる部分には、接着剤15によって補強材16が接着されている。
【0018】
第1端子41および第2端子42の表面には、バンプ40が設けられている。バンプ40は、金あるいは鉛フリーはんだで形成されている。
【0019】
ベースフィルム10、第1のカバーレイ11および第2のカバーレイ12は、いずれも半透明のポリイミドなどの可撓性を持つ材料で30μm程度の厚さの膜状に形成されている。なお、ここではベースフィルム10は単層としたが、内部に1層以上の配線パターンが形成された複層のベースフィルムを用いてもよい。
【0020】
第1端子41は、互いに平行に延びる複数の第1配線61の先端に設けられている。第1端子41は、等間隔に直線状に配列されている。
【0021】
第2端子42は、第1端子41に対して第1配線61の反対側に設けられている。第2端子42は、第1端子41の配列方向に平行に配列されている。第2端子42の配列は、第1端子41の配列と同じピッチで、第1端子41の配列に対して配列方向にピッチの半分ずれている。
【0022】
第1端子41の配列および第2端子42の配列のピッチは、たとえば0.1mmである。
【0023】
また、このフレキシブルプリント配線板19には、一対の基準孔51が形成されている。基準孔51は、端子41,42を挟む位置に形成されている。本実施の形態では、基準孔51は、第1端子41の配列の延長線上に形成されている。
【0024】
図5は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の製造方法のフローチャートである。
【0025】
まず、両面銅張板に穴あけ加工を施す(S1)。両面銅張板は、ベースフィルム10の両側の面に銅箔が張り付けられたものである。銅箔の厚さは、30μm程度である。この両面銅張板に、非貫通スルーホール43を形成する。この際、ベースフィルム10およびベースフィルム10の第2面に貼られた銅箔45を貫通させた後、ベースフィルム10の第1面に貼られた銅箔45は貫通させないよう留意する。
【0026】
次に、必要に応じて清浄処理などを施した後に、無電解めっきを施す(S2)。これにより、銅箔45の表面に銅めっき44を形成するとともに、非貫通スルーホール43の内面に接続導電体46を形成する。接続導電体46は、無電解めっきの後さらに電解めっきを施して形成してもよい。
【0027】
その後、必要に応じて銅箔に表面処理を施し、銅箔表面にレジスト皮膜を形成する(S3)。配線61,62および端子41,42に対応するフォトマスクを被せて露光することにより、レジスト皮膜にパターンを焼き付ける。さらにパターンを現像して、エッチングを行うことにより、所定の銅箔パターンがベースフィルム10の表面に形成される(S4)。その後、レジスト皮膜を剥離する(S5)。
【0028】
エッチング処理の終了後、銅箔45のパターンが形成されたベースフィルム10に第1のカバーレイ11および第2のカバーレイ12を接着する(S7)。接着するカバーレイ11,12には、あらかじめ型抜き加工を施しておく(S6)。
【0029】
次に、第1端子41および第2端子42の表面に、バンプ40を形成する。バンプ40は、たとえば以下の方法で形成する。まず、第1端子41および第2端子42が露出した領域にフォトレジストを塗布する。次に、そのフォトレジストを所定のパターンが形成されたフォトマスクで覆い、露光することにより、パターニングを施す。このパターニングで第1端子41および第2端子42を露出させ、露出した部分に金めっきを形成する。金めっきを形成した後、フォトレジストを剥離する。この状態では、金めっきはフォトレジストの断面形状に対応した形状となっているため、加熱して金めっきの形状を整える。
【0030】
その後、端子41,42の裏面に補強材16を貼り付ける(S9)。補強材16が貼り付けられた後、外形加工線に沿って切断する(S10)。これにより、フレキシブルプリント配線板19が得られる。
【0031】
なお、フレキシブルプリント配線板19の製造方法は、これに限定されるものではなく、順序を変更するなどしてもよい。たとえば、バンプ40の形成は、補強材16の貼り付け後に行ってもよい。あるいは、場合によっては、補強材16を貼り付けた後、さらに外形加工をした後にバンプ40を形成してもよい。
【0032】
図6は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板と接続される回路基板の平面図である。
【0033】
この回路基板20は、硬質基板21を有している。硬質基板21には、フレキシブルプリント配線板19に形成された一対の基準孔51と同じ間隔で同じ径の一対の貫通孔52が形成されている。また、一対の貫通孔52を挟むように一対のねじ穴53が形成されている。
【0034】
硬質基板21の表面には、複数の接続端子22が形成されている。これらの接続端子22および貫通孔52の相対的な位置関係は、フレキシブルプリント配線板19に形成された端子41,42および基準孔51の相対的な位置関係と同じである。硬質基板21の表面の端子22の近傍を除く領域は、絶縁被膜23で覆われている。
【0035】
図7は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板と回路基板との接続に用いる押さえ板の図8のVII−VII矢視平面図である。図8は、図7のVIII−VIII矢視側面図である。
【0036】
押さえ板30は、たとえばステンレス鋼製の板であって、硬質基板21に形成された一対の貫通孔52および一対のねじ穴53と相対的な位置関係が同じで、同じ径の一対の位置合わせピン孔55および一対のねじ貫通孔54が形成されている。押さえ板30の裏面には、板ばね31が取り付けられている。
【0037】
図9は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の接続構造の組立方法のフローチャートである。
【0038】
まず、フレキシブルプリント配線板19を製造する(S11)。また、回路基板20を製造する(S12)。これらの製造の順序は、逆であってもよい。
【0039】
図10は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の接続構造の組立過程における位置合わせピン挿入前の状態の断面図である。
【0040】
次に、回路基板20の貫通孔52のそれぞれに位置合わせピン33を挿入する(S13)。位置合わせピン33は、貫通孔52の内径よりも外径が少し小さい円柱である。位置合わせピン33の円柱の一方の先端は細くなっている。また、他方の端部には、円柱部分よりも径が大きい頭が設けられている。位置合わせピン33は、細くなった先端が上を向くように回路基板20の貫通孔に挿入される。
【0041】
図11は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の接続構造の組立過程におけるフレキシブルプリント配線板の位置決め前の状態の断面図である。
【0042】
次に、フレキシブルプリント配線板19の位置決めをする(S14)。フレキシブルプリント配線板19の位置決めは、ベースフィルム10に形成された基準孔51に一対の位置合わせピン33を通過させることにより行う。回路基板20の接続端子22は、一対の基準孔51をそれぞれ貫通する位置合わせピン33が硬質基板21の一対の貫通孔52をそれぞれ貫通するときに、第1端子41および第2端子42とそれぞれ対向する位置に設けられている。このため、フレキシブルプリント配線板19の第1端子41および第2端子42のそれぞれの表面に設けられたバンプ40は、回路基板20の接続端子22のそれぞれと接触することになる。
【0043】
図12は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の接続構造の組立過程における押さえ板の位置決め前の状態の断面図である。
【0044】
次に、押さえ板30の位置決めをする(S15)。押さえ板30の位置決めは、押さえ板30に形成された位置合わせピン孔55に一対の位置合わせピン33を通過させることにより行う。押さえ板30に形成された一対の位置合わせピン孔55および一対のねじ貫通孔54は、硬質基板21に形成された一対の貫通孔52および一対のねじ穴53と相対的な位置関係が同じとなるように形成されている。よって、押さえ板30に形成された一対のねじ貫通孔54は、硬質基板21に形成された一対のねじ穴53と向かい合うように配置されることになる。
【0045】
図13は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の接続構造の組立過程における押さえ板のねじ止め前の状態の断面図である。
【0046】
次に、押さえ板30を硬質基板21にねじ止めする(S16)。ねじ32は、押さえ板30に形成されたねじ貫通孔54を通過し、硬質基板21に形成されたねじ穴53にねじ込まれる。これにより、フレキシブルプリント配線板19は、端子41,42が設けられた領域が押さえ板30およびこれに取り付けられた板ばね31によって、回路基板20に向かって付勢される。
【0047】
図14は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の接続構造の組立過程における位置合わせピン抜きとり前の状態の断面図である。
【0048】
ねじ32によって硬質基板21に固定された押さえ板30に取り付けられた板ばね31によって付勢されることにより、フレキシブルプリント配線板19の端子41,42の表面に設けられたバンプ40は、回路基板20の接続端子22に押しつけられる。これにより、両者は電気的に接続される。その後、位置合わせピン33は、抜き取られる(S17)。位置合わせピン33は、抜き取らずそのままの状態としてもよい。この場合、位置合わせピン33の先端をねじにしておき、押さえ板30にねじ込むようにすれば、別途ねじ32を用いる必要はない。
【0049】
図15は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の接続構造の断面図である。図16は、本実施の形態のフレキシブルプリント配線板の接続構造の平面図である。
【0050】
このようにして、フレキシブルプリント配線板19の回路基板20への接続構造が完成する。この接続構造は、フレキシブルプリント配線板19と、回路基板20と、フレキシブルプリント配線板19の第1端子41および第2端子42が設けられた領域を回路基板20に向かって付勢する付勢部材とを有している。本実施の形態では、付勢部材とは、ねじ32によって硬質基板21に固定された押さえ板30に取り付けられた板ばね31である。このような付勢部材の代わりに、たとえばフレキシブルプリント配線板19と硬質基板21とを挟みこむクランプを用いてもよい。
【0051】
本実施の形態では、フレキシブルプリント配線板19に第1端子41および第2端子42を設けている。第2端子42は、裏面に形成された第2配線62と接続されている。このため、第1端子41に接続する第1配線61と干渉することなく第2配線62を配置することができる。その結果、第1端子41および第2端子42を密に配置することができる。つまり、フレキシブルプリント配線板19の端子41,42の配置領域をコンパクト化することができる。
【0052】
第1端子41および第2端子42は、同じピッチで平行な直線上に配列されている。また、第2端子42の配列は、第1端子41の配列とピッチの半分ずれている。このため、第2端子42は、フレキシブルプリント配線板19の端縁から見込んだときに、隣り合う第1端子41の間に配置されている。したがって、これらの端子41,42と接続される回路基板20の接続端子22も同じ方向から見込んだときに一方の列の接続端子22の間に他方の列の接続端子22が配列されている。その結果、第1端子41および第2端子42をより密に配置することができる。
【0053】
また、フレキシブルプリント配線板19の端子41,42の表面には、バンプ40を設けている。このため、フレキシブルプリント配線板19の端子41,42と回路基板20の接続端子22との間の電気的接続がより確実なものとなる。バンプ40は、回路基板20の接続端子22の側に設けてもよい。
【0054】
第2端子42は、ベースフィルム10の第2面に形成された第2配線62と非貫通スルーホール43に設けられた接続導電体46を介して接続されている。つまり、第2端子42の表面には、穴が形成されていないため、フレキシブルプリント配線板19の端子41,42と回路基板20の接続端子22との接続がより確実なものとなる。特に、第2端子42の表面にバンプ40を設けない場合には、この効果がより顕著になる。
【0055】
このように、本実施の形態によれば、フレキシブルプリント配線板の外部と接続する端子を狭ピッチ化しても確実に接続できる。
【符号の説明】
【0056】
10…ベースフィルム、11…第1のカバーレイ、12…第2のカバーレイ、13…接着剤、14…接着剤、15…接着剤、16…補強材、19…フレキシブルプリント配線板、20…回路基板、21…硬質基板、22…接続端子、23…絶縁被膜、30…押さえ板、31…板ばね、32…ねじ、33…位置合わせピン、40…バンプ、41…第1端子、42…第2端子、43…非貫通スルーホール、44…銅めっき、45…銅箔、46…接続導電体、51…基準孔、52…貫通孔、53…ねじ穴、54…ねじ貫通孔、55…位置合わせピン孔、61…第1配線、62…第2配線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースフィルムと、前記ベースフィルムの第1面に形成された複数の第1端子および複数の第2端子と前記第1端子に接続する前記第1面に形成された第1配線と前記第2の端子に前記ベースフィルムを貫通する孔に設けられた接続導電体を介して接続された前記第1面の裏側の第2面に形成された第2配線とを含む配線パターンと、を備えて前記端子を挟んで前記ベースフィルムの位置合わせ用の一対の位置合わせピンが貫通する基準孔が形成されたフレキシブルプリント配線板と、
前記位置合わせピンがそれぞれ貫通する貫通孔が設けられた硬質基板と、前記位置合わせピンが前記基準孔および前記貫通孔に貫通したときに前記第1端子および前記第2端子とそれぞれ対向する位置で前記硬質基板の表面に設けられた複数の接続端子と、を備えた回路基板と、
前記フレキシブルプリント配線板の前記第1端子および前記第2端子が設けられた領域を前記回路基板に向かって付勢する付勢部材と、
を具備することを特徴とするフレキシブルプリント配線板の接続構造。
【請求項2】
前記第1端子および前記第2端子の表面に設けられたバンプを具備することを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板の接続構造。
【請求項3】
前記接続端子の表面に設けられたバンプを具備することを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板の接続構造。
【請求項4】
前記第1端子は等間隔に配列され、前記第2端子は前記第1端子の配列方向に平行に隣り合う前記第1端子の間隔の半分ずれて配列されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント配線板の接続構造。
【請求項5】
ベースフィルムと、
前記ベースフィルムの第1面に形成された複数の第1端子および複数の第2端子と前記第1端子に接続する前記第1面に形成された第1配線と前記第2の端子に前記ベースフィルムを貫通する孔に設けられた接続導電体を介して接続された前記第1面の裏側の第2面に形成された第2配線とを含む配線パターンと、
を具備することを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
【請求項1】
ベースフィルムと、前記ベースフィルムの第1面に形成された複数の第1端子および複数の第2端子と前記第1端子に接続する前記第1面に形成された第1配線と前記第2の端子に前記ベースフィルムを貫通する孔に設けられた接続導電体を介して接続された前記第1面の裏側の第2面に形成された第2配線とを含む配線パターンと、を備えて前記端子を挟んで前記ベースフィルムの位置合わせ用の一対の位置合わせピンが貫通する基準孔が形成されたフレキシブルプリント配線板と、
前記位置合わせピンがそれぞれ貫通する貫通孔が設けられた硬質基板と、前記位置合わせピンが前記基準孔および前記貫通孔に貫通したときに前記第1端子および前記第2端子とそれぞれ対向する位置で前記硬質基板の表面に設けられた複数の接続端子と、を備えた回路基板と、
前記フレキシブルプリント配線板の前記第1端子および前記第2端子が設けられた領域を前記回路基板に向かって付勢する付勢部材と、
を具備することを特徴とするフレキシブルプリント配線板の接続構造。
【請求項2】
前記第1端子および前記第2端子の表面に設けられたバンプを具備することを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板の接続構造。
【請求項3】
前記接続端子の表面に設けられたバンプを具備することを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板の接続構造。
【請求項4】
前記第1端子は等間隔に配列され、前記第2端子は前記第1端子の配列方向に平行に隣り合う前記第1端子の間隔の半分ずれて配列されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント配線板の接続構造。
【請求項5】
ベースフィルムと、
前記ベースフィルムの第1面に形成された複数の第1端子および複数の第2端子と前記第1端子に接続する前記第1面に形成された第1配線と前記第2の端子に前記ベースフィルムを貫通する孔に設けられた接続導電体を介して接続された前記第1面の裏側の第2面に形成された第2配線とを含む配線パターンと、
を具備することを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−74502(P2012−74502A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217586(P2010−217586)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000113322)東芝ホクト電子株式会社 (172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000113322)東芝ホクト電子株式会社 (172)
【Fターム(参考)】
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