説明

フープ洗浄乾燥装置

【課題】洗浄槽に純水を安定して供給でき、かつ、設備の大型化やコストアップを抑えることができるフープ洗浄乾燥装置を提供する。
【解決手段】洗浄槽3に設けられたノズル27に、フープ洗浄用に純水を収容する水タンク32をバルブ46を介して接続し、水タンク32に水圧送用の圧気を供給するための圧気供給手段53を接続し、洗浄槽3に、フープ洗浄後に洗浄槽3内の水を排出すると共に、フープ乾燥時に洗浄槽3内の空気を排出するための排気排水口34を形成し、排気排水口34に気液分離器9を介して空気吸引手段42を接続し、空気吸引手段42と水タンク32を同一のケーシング47内に収容してユニット化したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄槽内のフープに洗浄水を吹き付けてフープを洗浄するフープ洗浄乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ等は、フープ(FOUP:Front Openning Unify Pod)と称する搬送容器に収容されて搬送される。このフープは、前面部に開口部を有するフープ本体(シェルともいう)と、このフープ本体の開口部に着脱自在に装着されるドア(蓋ともいう)とからなっている。
【0003】
上記フープは、半導体ウエハ等の汚染源にならないようにするために、定期的に洗浄されることが好ましい。そこで、空のフープをフープ本体とドアに分離して洗浄室(洗浄槽ともいう)内に配置し、これらフープ本体及びドアに洗浄水を吹き付けて洗浄を行い、洗浄後、同洗浄室内でフープ本体及びドアに乾燥空気を吹き付けて乾燥させるようにしたフープ洗浄乾燥装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−109523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、フープ洗浄乾燥装置は、工場に予め設置されている給水源に配管を介して接続され、この給水源からの純水でフープを洗浄するようになっている。このため、工場に設置された他の機器が給水源の純水を使用しているときなど、一時的に純水の供給量が低下することがあり、純水を安定して得られないことがあるという課題があった。また、かかる課題を解決するために給水源を強化するのは、設備が大型化し多大な費用がかかるため現実的でなかった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、洗浄槽に純水を安定して供給でき、かつ、設備の大型化やコストアップを抑えることができるフープ洗浄乾燥装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、フープをフープ本体とドアに分離して収容する洗浄槽と、該洗浄槽に設けられ洗浄槽内のフープ本体とドアに純水又はドライエアを吹き付けるためのノズルとを備えたフープ洗浄乾燥装置において、上記ノズルに、フープ洗浄用に純水を収容する水タンクをバルブを介して接続し、該水タンクに水圧送用の圧気を供給するための圧気供給手段を接続し、上記洗浄槽に、フープ洗浄後に洗浄槽内の水を排出すると共に、フープ乾燥時に洗浄槽内の空気を排出するための排気排水口を形成し、該排気排水口に気液分離器を介して空気吸引手段を接続し、該空気吸引手段と上記水タンクを同一のケーシング内に収容してユニット化したものである。
【0008】
上記空気吸引手段がブロワからなり、上記ケーシングの上面には、ブロワからの熱気を放出するための穴を有するパンチングプレートが設けられ、該パンチングプレートとブロワの間には、ブロワからの騒音を遮るためのバッフルプレートが設けられるとよい。
【0009】
また、所定時間毎に上記水タンクと上記洗浄槽の間の給水系を洗浄すると共に、洗浄槽を洗浄し、かつ、洗浄槽と上記気液分離器の間の排水系を洗浄すべく、上記バルブを開くと共に上記空気吸引手段を駆動させる制御装置を備えるとよい。
【0010】
上記気液分離器が、上記洗浄槽からの排水を水平方向に流す排水管部と、該排水管部から上方に分岐され上記空気吸引手段に接続される気液分離部とを備え、該気液分離部は、円筒状の排気管部と、該排気管部内に流路を一部遮るように設けられたトラップ板とを有しているとよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、洗浄槽に純水を安定して供給でき、かつ、設備の大型化やコストアップを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の好適実施の形態を添付図面を用いて説明する。図1はフープ洗浄乾燥装置の平面図である。図2は、フープ洗浄乾燥装置のタンク・排気ユニットの側面図であり、図3はタンク・排気ユニットの正面図である。図4は、フープ洗浄乾燥装置の気液分離器の平面図であり、図5は気液分離器の側面図であり、図6は気液分離器の正面図である。図7は洗浄槽の側面図であり、図8はフープ洗浄乾燥装置本体の側面図である。
【0013】
図1及び図8に示すように、フープ洗浄乾燥装置1は、フープ5の洗浄・乾燥を行うフープ洗浄乾燥装置本体2と、フープ洗浄乾燥装置本体2の洗浄槽3に純水を供給すると共に洗浄槽3内の水及び空気を吸引するタンク・排気ユニット4とからなる。
【0014】
フープ洗浄乾燥装置本体2は、架台6と、架台6の一端側に設けられフープ5の搬入搬出を行うためのロードポート部7と、架台6の他端側に設けられフープ5の洗浄及び乾燥を行う2つの洗浄槽3と、架台6の中央に設けられロードポート部7と洗浄槽3との間でフープ5の搬送を行う搬送ロボット8と、架台6の隅部に設けられ洗浄槽3から排出される水と空気を分離するための気液分離器9とを備えて構成されている。
【0015】
ロードポート部7は、3ポートすなわち3個のフープ5を載置するようになっている。ロードポート部7は、左の2ポート分のエリアがロード専用となっており、右端の1ポート分のエリアがアンロード専用となっている。
【0016】
搬送ロボット8は、例えば6軸の回転が可能なアーム10を有する多関節ロボットからなり、アーム10の先端部にはフープ本体11の上部に突設された被把持部12又はドア13を選択的に把持可能な把持機構14が設けられている。
【0017】
洗浄槽3は、上部が開放された洗浄槽本体15と、この洗浄槽本体15の上部に着脱自在に密着される筒状の内蓋16と、内蓋16の上部に着脱自在に密着される外蓋17とから主に構成されている。内蓋16及び外蓋17はそれぞれ電動式パワーシリンダ18、19により開閉されるようになっている。外蓋17の内面にはドア13を吸着保持するためのドア保持部20が設けられ、外蓋17の外面にはドア保持部20を回転させるドア回転機構21が設けられている。
【0018】
図7に示すように、洗浄槽本体15の底部中央部には、固定支軸22が上下に貫通して設けられ、固定支軸22の外周には筒状の回転軸23が回転自在に設けられている。また、洗浄槽本体15の底部には回転軸23を外周側から回転自在に支持する軸受筒体24が固定されており、軸受筒体24と固定支軸22とで回転軸23を回転自在に支持するようになっている。回転軸23の上端部には径方向外方に延出する回転台25が設けられ、この回転台25の先端にはフープ本体11を開口部を下向きにした状態でその四隅を保持する爪状の保持部26が上方に突出して設けられている。固定支軸22には回転軸23をタイミングベルト74及びベルト車75を介して回転駆動する電動機76が取付金具77を介して取り付けられており、洗浄時及び乾燥時に保持部26に保持されたフープ本体11を回転し得るようになっている。
【0019】
また、固定支軸22の上端には、保持部26に保持されたフープ本体11の内側を洗浄し乾燥させるための複数のノズル27を備えた内側洗浄管28が複数立設されている。固定支軸22の内部には内側洗浄管28と連通する供給通路29が形成されており、供給通路29には、切替弁30を介してタンク・排気ユニット4の水タンク32(図1参照)又はドライエア供給装置(図示せず)のいずれか一方が選択的に接続されるようになっている。また、洗浄槽本体15の外周部には、フープ本体11の外側を洗浄し乾燥させるための複数のノズル27を備えた外側洗浄管31が立設されており、外側洗浄管31にも、切替弁30を介して水タンク32(図1参照)又はドライエア供給装置(図示せず)のいずれか一方が選択的に接続されるようになっている。
【0020】
内蓋16には、内蓋16と洗浄槽本体15との境界に位置して上方のドア13と下方のフープ本体11を洗浄し、乾燥させるノズル27を上下に備えた上部洗浄管33が設けられている。上部洗浄管33には、切替弁30を介して水タンク32又はドライエア供給装置(図示せず)のいずれか一方が選択的に接続されるようになっている。
【0021】
また、それぞれの洗浄槽本体15の底部には排気排水口34が設けられている。図4、図5及び図6に示すように、排気排水口34には排出用開閉弁35を介して気液分離器9が接続されている。
【0022】
気液分離器9は、洗浄槽3からの排水を水平方向に流す排水管部36と、排水管部36から上方に分岐され空気吸引手段に接続される気液分離部37とを備えて構成されている。排水管部36は、分岐部38の流路面積よりも出口側の流路面積が小さくなるように出口部39の流路を絞って形成されており、分岐部38で水の流速を落として気液分離部37での水と空気の分離が良好に行われるようになっている。気液分離部37は、円筒状の排気管部40と、排気管部40内に流路を一部遮るように設けられたトラップ板41と、排気管部40の上端部に水平方向に挿入されタンク・排気ユニット4のブロワ42に後述する吸込支管43等を介して接続される出口管部44とを備えて構成される。排気管部40は、所定長さ鉛直に延びて形成されており、重力により水を落として水と空気を分離させるようになっている。また、排気管部40の下端部45は、空気と水との分離が促進されるように内径を絞って形成されている。トラップ板41は、排気管部40内に上下に間隔を隔てて複数段に設けられており、各段で空気に含まれるミストを捕捉して落下させるようになっている。また、トラップ板41は、空気の流れを阻害しないように端部の板厚が徐々に薄くなるように形成されている。出口管部44は、排気管部40内に所定長さ没入されており、トラップ板41により屈曲された空気の流れを更に屈曲させ、気液分離を更に良好に行うようになっている。
【0023】
図1、図2及び図3に示すように、タンク・排気ユニット4は、供給用開閉弁46及び切替弁30を介してノズル27に接続される水タンク32と、気液分離器9を介して洗浄槽3の排気排水口34に接続される空気吸引手段たるブロワ42と、ブロワ42と水タンク32を収容するケーシング47とを備えて構成されている。
【0024】
水タンク32は、フープ洗浄用に純水を収容する洗浄専用のタンクであり、工場の既設の給水源48から純水を得て貯留するようになっている。すなわち、水タンク32は補給管49を介して給水源48に接続されており、水タンク32は、給水源48と洗浄槽3との間に介設されるバッファタンクとして機能するようになっている。水タンク32は、上下に長く形成されており、底部を基台50を介してケーシング47に固定されると共に上端部を固定金具51を介してケーシング47に固定されている。また、水タンク32の上端部には、給水源48に補給管49を介して接続される純水導入口52が設けられると共に、送風機等の圧気供給手段53に圧気供給管54を介して接続される圧気導入口55が設けられている。水タンク32の底部には、水タンク32内の純水を洗浄槽3に送り出すための送出口56が設けられている。水タンク32の容量は、2つの洗浄槽3を同時に洗浄できるサイズに設定されている。例えば、1つのフープ5を洗浄するために必要な純水が30リットルである場合、60リットルに若干の予備を足した70リットルに設定される。水タンク32の内面には、特殊なテフロン(登録商標)がコーティングされており、洗浄後の水に含まれる不純物や水垢等の汚れが付着し難いようになっている。
【0025】
また、水タンク32と補給管49には、水タンク32の水位を常に一定にするための水位保持装置57が設けられている。水位保持装置57は、補給管49に設けられた補給用開閉弁58と、水タンク32に設けられ水位を検出する水位検出センサ59と、水位検出センサ59と補給用開閉弁58に接続され水位検出センサ59で検出される水位が所定値に満たないとき補給用開閉弁58を開く第一制御装置60とを備えて構成される。
【0026】
ブロワ42は、後述する分岐ボックス61を介してそれぞれの気液分離器9に吸込側を接続されると共に工場の既設の排気路(図示せず)に吐出側を接続されており、洗浄槽3内でフープ5を洗浄した後で駆動することで洗浄槽3内から水を吸い出し、洗浄槽3内でフープ5を乾燥させるときに駆動することで洗浄槽3内を負圧にしてフープ5の乾燥を促進するようになっている。
【0027】
ケーシング47は、箱形に形成されており、四隅に高さ調節自在な支持脚62を有する。ケーシング47は、水タンク32とブロワ42を水平方向に並べて収容するようになっている。また、ブロワ42の直上に位置されるケーシング47の上面には、ブロワ42からの熱気を放出するための穴を有するパンチングプレート63が設けられており、パンチングプレート63とブロワ42の間には、ブロワ42からの騒音を遮るためのバッフルプレート64が設けられている。具体的には、バッフルプレート64は、パンチングプレート63の下方に所定間隔を隔てて配置される邪魔板部65と、邪魔板部65の両側から上方に延びる取付ブラケット部66とを有し、パンチングプレート63の両側の上面に取付ブラケット部66の上端を取り付けられることでパンチングプレート63に臨んで配置されるようになっている。
【0028】
ケーシング47の前面には、ブロワ42の吸込側に接続される吸込管67と、ブロワ42の吐出側に接続される吐出管68と、一方の洗浄槽3のノズル27に純水を供給するための第一給水管69と、他方の洗浄槽3のノズル27に純水を供給するための第二給水管70とがそれぞれケーシング47外に延びて設けられている。吸込管67は、箱状に形成された分岐ボックス61を介して2系統の吸込支管43に分岐されている。一方の吸込支管43は、一方の洗浄槽3に接続された気液分離器9の出口管部44に接続されており、他方の吸込支管43は、他方の洗浄槽3に接続された気液分離器9の出口管部44に接続されている。また、分岐ボックス61は、ケーシング47の上面に取付フレーム71を介して前方に突出するように取り付けられており、底部に吸込管67と吸込支管43をそれぞれ接続するようになっている。
【0029】
ケーシング47の底部には、結露等によりケーシング47内に溜まった水を外部に排出するためのドレン管72が接続されている。ドレン管72の先端には、ドレン管72を開閉するためのコック73が設けられており、適宜コック73を開くことでケーシング47内に溜まった水を排出できるようになっている。
【0030】
また、搬送ロボット8、電動式パワーシリンダ18、19、ドア回転機構21、フープ本体11を回転させるための電動機76、排出用開閉弁35、供給用開閉弁46及びブロワ42は、第二制御装置78に接続されており、それぞれ第二制御装置78でコントロールされるようになっている。また特に、第二制御装置78は所定時間毎に排出用開閉弁35及び供給用開閉弁46を開くと共に、ブロワ42を駆動するようになっており、所定時間毎に水タンク32と洗浄槽3の間の給水系を洗浄すると共に、洗浄槽3を洗浄し、かつ、洗浄槽3と気液分離器9の間の排水系を洗浄するようになっている。なお、上記所定時間は、第二制御装置の書き換え可能な記憶媒体に記憶されており、ユーザが任意に設定できるようになっている。
【0031】
次に本実施の形態の作用を述べる。
【0032】
フープ5を洗浄する場合、搬送ロボット8はロードポート部7上のフープ5を把持し、洗浄槽3内に搬入する。このとき、フープ5はフープ本体11とドア13とに分割され、フープ本体11が洗浄槽本体15内の保持部26上にセットされ、ドア13が外蓋17のドア保持部20に吸着保持される。この後、水タンク32側の流路がノズル27側の流路に接続されてドライエア供給装置側の流路が閉じるように切替弁30が切り替えられ、供給用開閉弁46が開かれ、回転軸23とドア回転機構21が駆動される。これにより、水タンク32内の純水が水タンク32内の圧気によって押し出されてノズル27から吹き出ると共に、フープ本体11とドア13がそれぞれ縦軸回りに回転され、フープ本体11とドア13が洗浄される。
【0033】
フープ本体11とドア13の洗浄が終了したら、排出用開閉弁35が開かれ、ブロワ42が駆動されて洗浄槽3内の水が排水される。ブロワ42が駆動されることにより気液分離器9の気液分離部37内が負圧となり、水タンク32内の水が空気と共に気液分離器9の排水管部36内に吸い込まれる。排水管部36内に吸い込まれた水と空気は、分岐部38で分離される。具体的には、空気は排気管部40に吸い込まれ、水は排気管部40への流入をトラップ板41により遮られ、自重により落下し、排水管部36の下流側に流れる。また、排気管部40には出口管部44が没入されて流路がラビリンス状に屈曲されているため、たとえ水しぶきがトラップ板41を越えて上昇したとしても出口管部44内に到達することはない。出口管部44を通過した空気は、ブロワ42に吸い込まれ、排水管部36を通過した水は、工場の既設の排水路(図示せず)に排水される。
【0034】
このようにして洗浄槽3内の水が排水されたら、水タンク32側の流路が閉じてドライエア供給装置側の流路がノズル27側の流路に接続されるように切替弁30が切り替えられ、ドライエア供給装置が駆動されて洗浄槽3内にドライエアが供給され、フープ本体11とドア13が乾燥される。またこのとき、フープ本体11とドア13は洗浄時よりも高速で回転され、フープ本体11とドア13に付着した水滴が遠心力で飛ばされると共に、ブロワ42が駆動されて洗浄槽3内が負圧になる。これにより、フープ本体11とドア13は短時間で確実に乾燥される。
【0035】
この後、内蓋16と外蓋17が開かれ、搬送ロボット8がフープ本体11とドア13を洗浄槽3外に搬出し、ロードポート部7に戻す。
【0036】
また、水タンク32への純水の供給は、工場の既設の給水源48から行う。具体的には、水位検出センサ59で検出される水タンク32の水位が所定値に満たないとき、第一制御装置60が補給用開閉弁58を開いて水タンク32に純水を補給する。すなわち、フープ洗浄開始と同時に水タンク32への純水の補給が開始され、洗浄、排水、乾燥の各工程と並行して水タンク32への純水の補給が行われる。このため、給水源48からの純水の供給が多少不安定であっても純水を迅速に補給することができ、水タンク32内の水位を速やかに回復することができる。
【0037】
また、フープ5の洗浄を行わない間、第二制御装置78は、所定時間毎に供給用開閉弁46及び排出用開閉弁35を開くと共に、ブロワ42を駆動する。これにより、水タンク32と洗浄槽3の間の給水系と、洗浄槽3と、洗浄槽3と気液分離器9の間の排水系とに純水が循環され、洗浄される。給水系、洗浄槽3及び排水系にバクテリア等が発生するのを防ぐことができる。
【0038】
このように、洗浄槽3内のノズル27に、フープ洗浄用に純水を収容する水タンク32をバルブたる供給用開閉弁46を介して接続し、水タンク32に水圧送用の圧気を供給するための圧気供給手段53を接続し、洗浄槽3に、フープ洗浄後に洗浄槽3内の水を排出すると共に、フープ乾燥時に洗浄槽3内の空気を排出するための排気排水口34を形成し、排気排水口34に気液分離器9を介して空気吸引手段たるブロワ42を接続し、ブロワ42と水タンク32を同一のケーシング47内に収容してユニット化したため、洗浄槽3に純水を安定して供給でき、かつ、給水源48等の設備の大型化やコストアップを抑えることができる。
【0039】
ケーシング47の上面には、空気吸引手段たるブロワ42からの熱気を放出するための穴を有するパンチングプレート63が設けられ、パンチングプレート63とブロワ42の間には、ブロワ42からの騒音を遮るためのバッフルプレート64が設けられるものとしたため、ブロワ42からの熱気と共に騒音が外部に漏れ出るのを抑えることができる。
【0040】
また、所定時間毎に水タンク32と洗浄槽3の間の給水系を洗浄すると共に、洗浄槽3を洗浄し、かつ、洗浄槽3と気液分離器9の間の排水系を洗浄すべく、供給用開閉弁46及び排出用開閉弁35を開くと共に空気吸引手段たるブロワ42を駆動させる第二制御装置78を備えたため、フープ5の洗浄を行わない間に給水系、洗浄槽3及び排水系にバクテリア等が発生するのを防ぐことができる。
【0041】
気液分離器9が、洗浄槽3からの排水を水平方向に流す排水管部36と、排水管部36から上方に分岐され空気吸引手段たるブロワ42に接続される気液分離部37とを備え、気液分離部37が、円筒状の排気管部40と、排気管部40内に流路を一部遮るように設けられたトラップ板41とを備えて構成されるものとしたため、吸引される空気と水を簡易な構造で確実に分離することができる。
【0042】
なお、フープ洗浄乾燥装置本体2は、2つの洗浄槽3を具備するものとしたが、洗浄槽3の数は単数であってもよく3つ以上の複数であってもよい。
【0043】
ロードポート部7は、3個のフープ5を載置するものとしたが、これに限るものではない。ロードポート部7は、1つ又は複数のフープ5を載置するものとしてもよい。
【0044】
空気吸引手段はブロワ42からなるものとしたが、洗浄槽3内を負圧にできる装置であればブロワ42に限るものではない。
【0045】
また、第一制御装置60と第二制御装置78は、一つの制御装置に統合し、それぞれの機能を1つの制御装置でなし得るようにしてもよい。
【0046】
排出用開閉弁35は必要に応じて省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の好適実施の形態を示すフープ洗浄乾燥装置の平面図である。
【図2】フープ洗浄乾燥装置のタンク・排気ユニットの側面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】フープ洗浄乾燥装置の気液分離器の平面図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】図4の正面図である。
【図7】フープ洗浄乾燥装置の洗浄槽の側面図である。
【図8】フープ洗浄乾燥装置の要部側面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 フープ洗浄乾燥装置
3 洗浄槽
5 フープ
9 気液分離器
11 フープ本体
13 ドア
27 ノズル
32 水タンク
34 排気排水口
36 排水管部
37 気液分離部
40 排気管部
41 トラップ板
42 ブロワ(空気吸引手段)
46 供給用開閉弁(バルブ)
47 ケーシング
53 圧気供給手段
63 パンチングプレート
64 バッフルプレート
78 第二制御装置(制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フープをフープ本体とドアに分離して収容する洗浄槽と、該洗浄槽に設けられ洗浄槽内のフープ本体とドアに純水又はドライエアを吹き付けるためのノズルとを備えたフープ洗浄乾燥装置において、上記ノズルに、フープ洗浄用に純水を収容する水タンクをバルブを介して接続し、該水タンクに水圧送用の圧気を供給するための圧気供給手段を接続し、上記洗浄槽に、フープ洗浄後に洗浄槽内の水を排出すると共に、フープ乾燥時に洗浄槽内の空気を排出するための排気排水口を形成し、該排気排水口に気液分離器を介して空気吸引手段を接続し、該空気吸引手段と上記水タンクを同一のケーシング内に収容してユニット化したことを特徴とするフープ洗浄乾燥装置。
【請求項2】
上記空気吸引手段がブロワからなり、上記ケーシングの上面には、ブロワからの熱気を放出するための穴を有するパンチングプレートが設けられ、該パンチングプレートとブロワの間には、ブロワからの騒音を遮るためのバッフルプレートが設けられた請求項1記載のフープ洗浄乾燥装置。
【請求項3】
所定時間毎に上記水タンクと上記洗浄槽の間の給水系を洗浄すると共に、洗浄槽を洗浄し、かつ、洗浄槽と上記気液分離器の間の排水系を洗浄すべく、上記バルブを開くと共に上記空気吸引手段を駆動させる制御装置を備えた請求項1又は2記載のフープ洗浄乾燥装置。
【請求項4】
上記気液分離器が、上記洗浄槽からの排水を水平方向に流す排水管部と、該排水管部から上方に分岐され上記空気吸引手段に接続される気液分離部とを備え、該気液分離部は、円筒状の排気管部と、該排気管部内に流路を一部遮るように設けられたトラップ板とを有している請求項1〜3のいずれかに記載のフープ洗浄乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−45174(P2010−45174A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207911(P2008−207911)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【出願人】(308025945)株式会社コンタクト (8)
【Fターム(参考)】