説明

プラズマCVD装置および成膜方法

【課題】プラズマサイズより広い範囲に均一な成膜を行うことが可能なプラズマCVD装置を提供する。
【解決手段】基板5が配置されるチャンバ10と、チャンバ10に接続され、基板5と対向するようにチャンバ10内に開口する開口部18を備えた管状部材20と、管状部材20の内部にプラズマを発生させるプラズマ発生装置24と、管状部材20に原料ガスを供給する原料ガス供給装置22とを有し、管状部材20の開口部18の内径dは、基板5の外径Dより小さく形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマCVD装置および成膜方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(以下「CNT」という。)は、化学的安定性を有し、低電界において電子を放出するという特性を有することから、例えば電界電子放出型表示装置(FED:Field Emission Display)用の電子源に応用されている。
【0003】
このCNTを、プラズマCVD法によって作製する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、まず一定の真空度に保持された真空チャンバ内に上記基板を配置する。次に、炭化水素ガスと水素ガスとからなる原料ガスを真空チャンバ内に導入する。そして、真空チャンバ内でプラズマを発生させ、プラズマで分解された原料ガスを基板表面に接触させる。これにより、基板表面にCNTが作製される。
【特許文献1】特開2005−350342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記方法のようにプラズマの内側や下側に基板を配置してCNTを作製すると、プラズマの大きさや密度分布の影響を強く受けることになる。すなわち、プラズマサイズより外側の基板表面には、CNTがほとんど作製されない。しかも、マイクロ波で大型プラズマを発生させるのは非常に困難である。またプラズマ密度分布が不均一であると、作製されるCNTの高さや配向状態が不均一になる。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、プラズマサイズより広い範囲に均一な成膜を行うことが可能なプラズマCVD装置および成膜方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るプラズマCVD装置は、被処理基板が配置されるチャンバと、前記チャンバに接続され、前記被処理基板と対向するように前記チャンバ内に開口する開口部を備えた管状部材と、前記管状部材の内部にプラズマを発生させるプラズマ発生装置と、前記管状部材に原料ガスを供給する原料ガス供給装置と、を有し、前記管状部材の開口部の内径は、前記被処理基板の外径より小さく形成されていることを特徴とする。
このプラズマCVD装置では、管状部材の内径以下のサイズのプラズマを発生させ、そのプラズマによって生成された活性種を開口部からチャンバの内部に吹き出すことができる。これにより、開口部の周囲にも活性種が放射されるので、被処理基板の周縁部にも活性種を入射させることが可能になる。したがって、プラズマサイズより広い範囲に均一な成膜を行うことができる。
【0007】
また前記原料ガス供給装置は、前記プラズマの発生位置を挟んで前記チャンバの反対側における前記管状部材に前記原料ガスを供給することが望ましい。
この構成によれば、プラズマ発生位置からチャンバに向かうガスの流れが生じる。これにより、プラズマ発生位置で生成された活性種を、開口部からチャンバの内部に吹き出すことができる。
【0008】
また前記開口部には、多孔板が配置されていることが望ましい。
この構成によれば、管状部材の内部をチャンバの内部より高圧にすることができる。これにより、管状部材の内部で生成された活性種を、多孔板からチャンバの内部に吹き出すことができる。
【0009】
また前記プラズマ発生装置は、石英材料からなる前記管状部材の内部にマイクロ波を導入してプラズマを発生させることが望ましい。
この構成によれば、マイクロ波で発生させたプラズマサイズが小さい場合でも、それより広い範囲に均一な成膜を行うことができる。しかも、マイクロ波で発生させたプラズマによって生成される活性種は、RFで発生させたプラズマよりもラジカルの量が多くなる。したがって、イオンの入射によるエッチング効果を抑制しつつ、ラジカルを用いて基板表面に成膜を行うことができる。
【0010】
また前記開口部と前記被処理基板との間に、金属メッシュ板が配置されていることが望ましい。
この構成によれば、開口部から吹き出した活性種のうち、イオンが金属メッシュ板に捕捉されるので、主にラジカルを被処理基板に入射させることができる。したがって、イオンの被処理基板への入射によるエッチング効果を抑制しつつ、基板表面に対して垂直方向に成膜を行うことができる。
【0011】
一方、本発明に係る成膜方法は、被処理基板が配置されるチャンバと、前記チャンバに接続され、前記被処理基板と対向するように前記チャンバ内に開口する開口部を備えた管状部材と、を有し、前記管状部材の開口部の内径が、前記被処理基板の外径より小さく形成されているプラズマCVD装置を用いた成膜方法であって、前記管状部材に原料ガスを供給し、前記管状部材の内部にプラズマを発生させ、前記プラズマによって生成された活性種を前記開口部から前記チャンバの内部に吹き出すことにより、前記被処理基板に成膜処理を行うことを特徴とする。
この構成によれば、開口部の周囲にも活性種が放射されるので、被処理基板の周縁部にも活性種を入射させることが可能になる。したがって、プラズマサイズより広い範囲に均一な成膜を行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るプラズマCVD装置によれば、管状部材の内部でプラズマを発生させ、生成された活性種を開口部からチャンバの内部に吹き出して、被処理基板に入射させることができる。したがって、プラズマサイズより広い範囲に均一な成膜を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るプラズマCVD装置の概略構成図である。第1実施形態に係るプラズマCVD装置1は、被処理基板5が配置されるチャンバ10と、チャンバ10に接続され、被処理基板5と対向するようにチャンバ10内に開口する開口部18を備えた管状部材20と、管状部材20の内部にプラズマを発生させるプラズマ発生装置24と、管状部材20に原料ガスを供給する原料ガス供給装置22とを有し、管状部材20の開口部18の内径が、被処理基板5の外径より小さく形成されているものである。
【0015】
(プラズマCVD装置)
プラズマCVD装置1は、密閉されたチャンバ10を備えている。そのチャンバ10の内部には、被処理基板(以下、単に「基板」という。)5が載置されるステージ12が設けられている。ステージ12の内部には、基板5の温度を制御するヒータ(不図示)が設けられている。またチャンバ10の内部を減圧するため、ロータリーポンプやターボ分子ポンプ等の真空排気装置14がチャンバ10に接続されている。
【0016】
またチャンバ10には、管状部材20が接続されている。管状部材20の材質は任意であるが、後述するようにマイクロ波によってプラズマを発生させる場合には、外部からマイクロ波を導入できる石英等によって管状部材20を構成することが望ましい。また管状部材20は、軸方向に沿って一定の内径dに形成されているが、軸方向の一部に内径の異なる部分が設けられていてもよい。管状部材20は、被処理基板5と対向するようにチャンバ10内に開口する開口部18を備えている。この開口部18の内径dは、被処理基板5の外径Dより小さく形成されている。
【0017】
管状部材20の開口部18と、基板5が載置されるステージ12との間には、複数の孔を備えた金属メッシュ板16が配置されている。この金属メッシュ板16は、プラズマの遮蔽手段として機能するものであり、ステンレス等の金属材料で構成され、直径1〜3mm程度の複数の孔を備えている。金属メッシュ板16は、電気的にフローティング状態に保持されるか、または接地電位に保持されている。なお基板5の表面にカーボンナノチューブ(以下「CNT」という。)を成長させる場合には、基板5の表面に対して垂直にCNTを成長させるべく、金属メッシュ板16とステージ12との間にバイアス電圧の印加用電源が接続されていてもよい。この場合、例えば金属メッシュ板16と基板5との距離を20〜100mm程度とし、バイアス電圧を−400〜200V程度とすればよい。
【0018】
管状部材20の軸方向の中間部には、プラズマ発生装置24が設けられている。プラズマの発生には、RF(13.56MHz)やマイクロ波(2.45GHz)等が利用可能であるが、成膜反応にイオンよりラジカルを多く使用したい場合には、ラジカルの発生量が多いマイクロ波を利用することが望ましい。また波長が短いマイクロ波を利用することにより、比較的局在した領域にプラズマを発生させることが可能になり、また電子の運動エネルギーの大きいプラズマを発生させることが可能になる。さらにプラズマの発生に磁場を作用させれば、低圧でプラズマを安定に発生させることができる。マイクロ波を利用したプラズマ発生装置24は、マイクロ波発生器と、そのマイクロ波発生器を管状部材に接続する導波路とを備え、その導波路の接続位置における管状部材20の内部においてプラズマを発生させるようになっている。
【0019】
なお、チャンバ10に接続された管状部材20にプラズマ発生装置を設け、また管状部材20と基板5との間に金属メッシュ板16を設けたので、プラズマの発生位置と基板5とを離間配置することができる。これにより、プラズマからエネルギーを受けて基板5が加熱されるのを抑制することが可能になり、ステージ12に設けられたヒータによって基板5の温度を制御することができる。また、プラズマにより生成されたイオンからダメージを受けて基板5が損傷するのを防止することができる。
【0020】
プラズマの発生位置を挟んでチャンバ10とは反対側における管状部材20の端部に、原料ガス供給装置が接続されている。すなわち、プラズマの発生位置より上流側に原料ガス供給装置が接続されている。なお基板5の表面にCNTを成長させる場合には、原料ガスとして炭素含有ガスを採用する。具体的な炭素含有ガスとして、メタンやエチレン、アセチレンなどの炭化水素ガスのほか、気化させたアルコールなどを採用することが可能である。特に、基板加熱温度で分解しないメタンガスを採用することが望ましい。なお炭素含有ガスの希釈のため、またCNT成長の触媒として、水素ガス、アンモニア、窒素ガスまたはアルゴンのうち少なくとも一つを、炭素含有ガスに混合して用いる。原料ガス供給装置22は、これらのガスを供給しうるように構成されている。
【0021】
(成膜方法)
次に、第1実施形態に係るプラズマCVD装置1を用いた成膜方法について説明する。ここでは、基板5の表面にCNTを成長させる場合を例にして説明する。CNTは、NiやFe、Co等の遷移金属、またはこれらの遷移金属を含む合金の上に成長する。そこで基板5として、上記金属からなる基板、またはガラスや石英、Si等の基板上に上記金属からなる被膜を形成した基板を採用する。なお、上記金属からなる被膜を基板上の一部領域のみに形成しておけば、その一部領域のみに選択的にCNTを成長させることも可能である。
【0022】
具体的な成膜方法として、まず基板5をチャンバ10内のステージ12上に載置し、ステージ12に設けられたヒータにより、基板5を例えば300〜700℃程度に加熱する。次に、真空排気装置14を運転してチャンバ10の内部を減圧する。次に、原料ガス供給装置22から管状部材20の内部に原料ガスを供給する。原料ガスとして、例えばメタンガスと水素ガスとの混合ガスを供給する。次に、プラズマ発生装置24を駆動し、管状部材20の内部にマイクロ波を導入する。これにより、管状部材20の内径以下のサイズのプラズマが発生する。このプラズマにより原料ガスが励起されて、ラジカルやイオン等の活性種が生成される。
【0023】
ところで、プラズマ発生位置の上流側に原料ガスを供給することにより、プラズマ発生位置からチャンバ10に向かうガスの流れが生じる。プラズマ発生位置で生成された活性種は、このガスの流れに乗って拡散し、管状部材20の開口部18からチャンバ10の内部に吹き出す。またプラズマ自体が拡散して、開口部18からチャンバ10の内部に吹き出す。これにより、内径dの開口部18の周囲にも活性種が放射されるので、外径D(>d)の基板5の周縁部にも活性種を入射させることが可能になる。したがって、マイクロ波で発生させたプラズマサイズdが小さい場合でも、それより広い範囲Dに均一な成膜を行うことができる。
【0024】
なお、開口部18から吹き出した活性種のうち、イオン種は開口部18と基板5との間に配置された金属メッシュ板16によって捕捉されるので、主にラジカルを基板5に入射させることができる。これにより、イオンの入射によるエッチング効果を抑制しつつ、基板5の表面に対して垂直にCNTを成長させることができる。これに加えて、基板5に印加するバイアス電圧や装置内の電場および磁場等を制御することにより、イオン種を除いた活性種を反応に利用することが望ましい。
【0025】
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態に係るプラズマCVD装置の概略構成図である。第2実施形態に係るプラズマCVD装置2は、管状部材20の内圧を、チャンバ10の内圧より高く設定しうるようになっている点で、第1実施形態と相違している。なお第1実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
【0026】
(プラズマCVD装置)
第2実施形態では、管状部材20の開口部18に多孔板17が配置されている。多孔板17は、ステンレス等の金属板に、複数の小口径の孔が形成されたものである。この多孔板17は、第1実施形態の金属メッシュ板と同様の電気的状態に保持されていればよい。
また第2実施形態では、プラズマの発生位置とチャンバ10との間における管状部材20に、原料ガス供給装置22が接続されている。すなわち、管状部材20におけるプラズマの発生位置より下流側に原料ガス供給装置22が接続されている。なお原料ガス供給装置22は、第1実施形態と同様にプラズマ発生位置より上流側に接続されていてもよい。
【0027】
(成膜方法)
次に、第2実施形態に係るプラズマCVD装置2を用いた成膜方法について説明する。まず、真空排気装置14を運転してチャンバ10の内部を減圧する。次に、原料ガス供給装置22から管状部材20の内部に原料ガスを供給する。ここで、管状部材20の開口部18には多孔板17が配置されているので、管状部材20の内部をチャンバ10の内部より高圧にすることができる。この圧力差により、管状部材20からチャンバ10に向かうガスの流れが生じる。
【0028】
次に、プラズマ発生装置24を駆動し、管状部材20の内部にプラズマを発生させる。このプラズマによって生成された活性種は、上述したガスの流れに乗って拡散し、多孔板17からチャンバ10の内部に吹き出す。またプラズマ自体が拡散し、多孔板17からチャンバ10の内部に吹き出す。これにより、内径dの開口部18の周囲にも活性種が放射されるので、外径D(>d)の基板5の周縁部にも活性種を入射させることが可能になる。したがって、マイクロ波で発生させたプラズマサイズdが小さい場合でも、それより広い範囲Dに均一な成膜を行うことができる。
【実施例1】
【0029】
実施例1では、第1実施形態に係るプラズマCVD装置を用いて、基板上にCNTを成長させた。図1に示すプラズマCVD装置1において、管状部材20の内径dを50mm、長さを150mmとした。また管状部材20に対するプラズマ発生装置24の接続位置と、開口部18との距離を100mmとした。また管状部材20と金属メッシュ板16との距離を30mm、金属メッシュ板16と基板5との距離を20mmとした。
【0030】
また基板5の外径Dは、管状部材20の内径dの2倍の100mmとした。その基板5として、シリコン基板上に厚さ1nmのFe膜がEB蒸着によって形成されたものを採用した。また金属メッシュ板16接地電位とし、ステージを−100〜200Vとして、基板にバイアス電圧を印加した。さらに、ステージ12のヒータにより基板5を600℃に加熱した。また原料ガスとして、CHガスを20sccm、Hガスを80sccm、2.0Torrで原料ガス供給装置22から供給した。また、プラズマ発生装置24から500Wのマイクロ波を管状部材20に導入して、プラズマを発生させた。
【0031】
その結果、外径100mmの基板5の全面に均一なCNTを成長させることができた。具体的には、基板5の中央位置および基板端から約5mmの位置のいずれにおいても、高さ11μm程度のCNTを、基板5に対して垂直に成長させることができた。なお、基板5の外径Dが100mm(管状部材20の内径dの2倍)の場合、基板5の各部におけるCNTの高さばらつきは±5%以内であり、基板5の外径Dが125mm(管状部材20の内径dの2.5倍)の場合、CNTの高さばらつきは±10%以内であった。また、管状部材の内部圧力が1〜10Torrの範囲において上記と同様の結果が得られたが、圧力が低い方が良好であった。
【実施例2】
【0032】
実施例2では、第2実施形態に係るプラズマCVD装置を用いて、基板上にCNTを成長させた。その際、チャンバの内部圧力を1Torr以下、管状部材の内部圧力を10Torr以下とし、その他の反応条件は実施例1と同じにした。
その結果、基板の全面に均一なCNTを成長させることができた。なおプラズマ発生位置の上流側に原料ガスを供給した場合でも、プラズマ発生位置の下流側に原料ガスを供給した場合と同様に、基板の全面に均一なCNTを成長させることができた。
(比較例1)
【0033】
比較例1では、図3に示すプラズマCVD装置101を用いて、基板上にCNTを成長させた。
図3は比較例1に係るプラズマCVD装置の概略構成図である。このプラズマCVD装置101は、チャンバ110の上面に石英窓120を備えている。この石英窓120の外径は、基板105の外径と同等の約200mmに形成されている。その石英窓120の外側から、石英窓120の全面に対してマイクロ波を導入しうるようになっている。またチャンバ110の側面上方に、原料ガス供給装置122が接続されている。さらに、プラズマ発生位置となるチャンバ110の上部と、基板105を載置するステージ112が配置されたチャンバ110の下部との間には、金属メッシュ板116が配置されている。なお金属メッシュ板116と基板105との距離は20mmに設定され、金属メッシュ板116およびステージ112はいずれも接地電位とされている。
【0034】
比較例1では、外径が200mmの基板105を採用した。そしてチャンバ110の側面から原料ガスを供給し、石英窓120から2kWのマイクロ波を導入して、直径が約200mmのプラズマを発生させた。
その結果、基板5の中央位置では、CNTを高さ6μm程度に成長させることができたが、基板端から10mmの位置では、CNTを高さ2μm程度にしか成長させることができなかった。
【0035】
以上の結果から、本発明のように、基板より小サイズのプラズマを管状部材の内部で発生させ、これをチャンバ内に吹き出させることにより、基板の全面に対する均一な成膜が可能になることが確認された。一方、チャンバ内で基板と同サイズのプラズマを発生させても、基板の全面に対する均一な成膜は困難であることが確認された。
【0036】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では基板表面にCNTを成長させる場合を例にして説明したが、基板表面にCNT以外の被膜を形成する場合に本発明を適用することも可能である。また、図1および図2ではプラズマの下方に基板が配置される装置構成としたが、プラズマの上方または側方に基板が配置される装置構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1実施形態に係るプラズマCVD装置の概略構成図である。
【図2】第2実施形態に係るプラズマCVD装置の概略構成図である。
【図3】比較例1に係るプラズマCVD装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0038】
d…プラズマサイズ(開口部の内径) D…基板の外径 1,2…プラズマCVD装置 5…基板(被処理基板) 10…チャンバ 12…ステージ 16…金属メッシュ板 17…多孔板 18…開口部 20…管状部材 22…原料ガス供給装置 24…プラズマ発生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板が配置されるチャンバと、
前記チャンバに接続され、前記被処理基板と対向するように前記チャンバ内に開口する開口部を備えた管状部材と、
前記管状部材の内部にプラズマを発生させるプラズマ発生装置と、
前記管状部材に原料ガスを供給する原料ガス供給装置と、を有し、
前記管状部材の開口部の内径は、前記被処理基板の外径より小さく形成されていることを特徴とするプラズマCVD装置。
【請求項2】
前記原料ガス供給装置は、前記プラズマの発生位置を挟んで前記チャンバの反対側における前記管状部材に前記原料ガスを供給することを特徴とする請求項1に記載のプラズマCVD装置。
【請求項3】
前記開口部には、多孔板が配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマCVD装置。
【請求項4】
前記プラズマ発生装置は、石英材料からなる前記管状部材の内部にマイクロ波を導入してプラズマを発生させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のプラズマCVD装置。
【請求項5】
前記開口部と前記被処理基板との間に、金属メッシュ板が配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のプラズマCVD装置。
【請求項6】
被処理基板が配置されるチャンバと、
前記チャンバに接続され、前記被処理基板と対向するように前記チャンバ内に開口する開口部を備えた管状部材と、を有し、
前記管状部材の開口部の内径が、前記被処理基板の外径より小さく形成されているプラズマCVD装置を用いた成膜方法であって、
前記管状部材に原料ガスを供給し、前記管状部材の内部にプラズマを発生させ、前記プラズマによって生成された活性種を前記開口部から前記チャンバの内部に吹き出すことにより、前記被処理基板に成膜処理を行うことを特徴とする成膜方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−247014(P2007−247014A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−74246(P2006−74246)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】