説明

プログラマブルロジックデバイス集積回路上の高速シリアルデータレシーバ用のデシリアライザ回路網

【課題】多数の異なるプロトコルに対して、および広範囲のデーターレートに対して、シリアル形式のデータをパラレル形式のデータに変換することが可能な、デシリアライザ回路網を提供する。
【解決手段】プログラマブルロジックデバイス(「PLD」)などの高速シリアルデータレシーバ回路網用のデシリアライザ回路網(10)は、シリアルデータを任意の複数のデータ幅を有するパラレルデータに変換するための回路網を含む。該回路網(10)はまた、広範囲の周波数の中の任意の周波数で動作可能である。該回路網(10)は様々な観点において構成可能/再構成可能であり、その構成/再構成の少なくとも1部分はダイナミックに(すなわち、PLDのユーザーモードオペレ−ションの間に)制御され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、米国仮特許出願第60/705,663号(2005年8月3日出願)、および米国仮特許出願第60/707,615号(2005年8月12日出願)の権利を主張し、これら両方の出願はその全体が本明細書において参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、プログラマブルロジックデバイス(「PLD」)およびその一般的な形式の他の集積回路(便宜上、全て「PLD」として参照される)に関する。より詳細には、本発明は、PLDに含まれる用途の高速シリアルデータレシーバ回路網に関する。
【背景技術】
【0003】
PLDは比較的に、一般的な目的のデバイスであることが意図されている。PLDは、PLDが支援するように設計されるニーズの範囲内で、任意のニーズに適合するようにプログラムされ(構成され)および/またはさもなくば制御され得る。PLDは高速シリアルデータ通信回路網を備え得、それによってPLDはシリアルデータを、PLDの外部にある回路網に送信するおよび/またはから受信することができる。この場合、PLDの高速シリアルデータ通信回路網は、PLD製品の様々なユーザーが採用することを希望する、様々な通信プロトコルを支援可能であることが望ましい。
【0004】
PLD上の高速シリアルデータレシーバ回路網の場合において、このような回路網が一般的に実行する必要のあるタスクの1つは、PLDに対する外部のソースからデータが通常受信されるときのシリアル形式から、レシーバ回路網がPLDの他の回路網(例えば、PLDのコアロジック回路網)にデータを好適に手渡すときのパラレル形式への、デシリアライゼーションである。本発明は、多数の異なる通信プロトコルに対して、および広範囲の考えられるデータレートにわたって、このタスクを実行することができるデシリアライザ回路網を提供する。本発明に従った回路網が支援可能な例示的なデータレートの範囲は、622Mbps(メガビット毎秒)から6.5Gbps(ギガビット毎秒)である。しかしながら、この範囲は単なる例であり、発明の他の実施形態は、必要な場合には他のデータレート範囲を支援できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に従って、PLD上の高速シリアルデータレシーバ回路網は、シリアルデータを任意のいくつかの異なるデータ幅を有するパラレルデータに変換することができるデシリアライザ回路網を含む。例えば、デシリアライザはシリアルデータをあるときには8ビット、あるときには10ビット、あるときには16ビット、またはあるときには20ビットで提示されるパラレルデータに変換し得る。デシリアライザ回路網はまた好適にも、かなり広い範囲の中の任意の周波数および/またはデータレートにおいて動作することができる。回路網は様々な観点において好適にも構成および再構成が可能であり、それはダイナミック構成(configuration)/再構成(re−configuration)(すなわち、PLDのユーザーモードオペレーションの間の)を含み得る。
【0006】
本発明はさらに、以下の手段を提供する。
【0007】
(項目1)
PLD上のデシリアライザ回路網であって、該デシリアライザ回路網は、
リタイム(re−timed)シリアルデータ信号および回復クロック信号の複数のバージョンを生成するCDR回路網であって、該回復クロック信号は該リタイムシリアルデータ信号の半分の周波数を有し、該複数のバージョンは、ほぼ180度互いに位相の異なる第1および第2のバージョンを含む、CDR回路網と、
偶数番号のビット位置にある、該リタイムシリアルデータ信号のビットを捕らえる、該第1のバージョンに応答する第1のレジスタ回路網と、
奇数番号のビット位置にある、該リタイムシリアルデータ信号のビットを捕らえる、該第2のバージョンに応答する第2のレジスタ回路網と
を備える、デシリアライザ回路網。
【0008】
(項目2)
上記第1のレジスタ回路網によって捕らえられる連続するビットの選択可能な数をデシリアライズする第1のデシリアライザ回路網と、
上記第2のレジスタ回路網によって捕らえられる連続するビットの選択可能な数をデシリアライズする第2のデシリアライザ回路網とをさらに備える、項目1に記載の回路網。
【0009】
(項目3)
上記選択可能な数は、4または5ビットを含む、項目2に記載の回路網。
【0010】
(項目4)
上記第1および第2のデシリアライザ回路網によってデシリアライズされたビットを、インターリーブされたデータ内において、そのオリジナルの偶数番号および奇数番号のビット位置にリストアするために、該デシリアライズされたビットをインターリーブする回路網をさらに備える、項目2に記載の回路網。
【0011】
(項目5)
上記インターリーブされたデータの2つの連続するグループを選択的にデシリアライズする回路網をさらに備える、項目4に記載の回路網。
【0012】
(項目6)
上記選択可能な数を制御するダイナミック再構成メモリ回路網をさらに備える、項目2に記載の回路網。
【0013】
(項目7)
選択的にデシリアライズする上記回路網を制御するダイナミック再構成メモリ回路網をさらに備える、項目5に記載の回路網。
【0014】
(項目8)
PLD上のデシリアライザ回路網であって、該デシリアライザ回路網は、
リタイムシリアルデータ信号と、該リタイムシリアルデータ信号のビットレートの二分の一の周波数を有する回復クロック信号とを生成するCDR回路網と、
選択可能な因子(factor)によって該回復クロック信号の周波数を分割して、比較的低い周波数のクロック信号を生成する周波数分割回路網と、
該低い周波数のクロック信号を使用して該リタイムシリアルデータ信号をデシリアライズする回路網と
を備える、デシリアライザ回路網。
【0015】
(項目9)
上記選択可能な因子を制御するダイナミック再構成メモリ回路網をさらに備える、項目8に記載の回路網。
【0016】
(項目10)
上記選択可能な因子は、4あるいは5に選択され得る、項目9に記載の回路網。
【0017】
(項目11)
PLD上のデシリアライザ回路網であって、該デシリアライザ回路網は、
リタイムシリアルデータ信号と、該リタイムシリアルデータ信号のビットレートの二分の一の周波数を有する回復クロック信号とを生成するCDR回路網と、
該回復クロック信号を使用して該リタイムシリアルデータ信号をパラレルな第1および第2データ信号にデシリアライズする第1のデシリアライザ回路網と、
該第1のデータ信号を第1の複数のパラレルデータ信号にデシリアライズする第2のデシリアライザ回路網と、
該第2のデータ信号を第2の複数のパラレルデータ信号にデシリアライズする第3のデシリアライザ回路網と
を備える、デシリアライザ回路網。
【0018】
(項目12)
上記第1および第2の複数のパラレルデータ信号をインターリーブして、第3の複数のパラレルデータ信号を生成するインターリーブ回路網をさらに備える、項目11に記載の回路網。
【0019】
(項目13)
連続する第3の複数の信号を選択的にデシリアライズして、第4の複数のパラレルデータ信号を生成するする第4のデシリアライザ回路網をさらに備える、項目12に記載の回路網。
【0020】
(項目14)
上記第2および第3のデシリアライザ回路網の各々は、上記第1および第2の複数のパラレルデータ信号のサイズに関して制御可能である、項目11に記載の回路網。
【0021】
(項目15)
上記第2および第3のデシリアライザ回路網を制御するダイナミック再構成メモリ回路網をさらに備える、項目14に記載の回路網。
【0022】
(項目16)
上記第4のデシリアライザ回路網を制御するダイナミック再構成メモリ回路網をさらに備える、項目13に記載の回路網。
【0023】
(項目17)
選択可能な因子によって上記回復クロック信号の周波数を分割して、上記第2および第3のデシリアライザ回路網の使用のためのより低い周波数の信号を生成する周波数分割回路網をさらに備える、項目11に記載の回路網。
【0024】
(項目18)
上記選択可能な因子を制御するダイナミック再構成メモリ回路網をさらに備える、項目17に記載の回路網。
【0025】
(摘要)
プログラマブルロジックデバイス(「PLD」)などの高速シリアルデータレシーバ回路網用のデシリアライザ回路網は、シリアルデータを任意の複数のデータ幅を有するパラレルデータに変換するための回路網を含む。該回路網はまた、広範囲の周波数の中の任意の周波数で動作可能である。該回路網は様々な観点において構成可能/再構成可能であり、その構成/再構成の少なくとも1部分はダイナミックに(すなわち、PLDのユーザーモードオペレ−ションの間に)制御され得る。
【0026】
発明のさらなる特徴、その本質および様々な利点は、添付の図面および以下の詳細な記載内容から一層明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】発明に従って構成された回路網の例示的な実施形態の、単純化された概略ブロックダイヤグラムである。
【図2】発明に従った図1のある局面の例示的な実施形態のより詳細な、単純化された概略ブロックダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
発明に従って構成されるデータデシリアライザ回路網10の例示的な実施形態が、図1に示される。導入のための概観のために、図1に示される全てのものはPLDの回路網の部分である。デシリアライザ10はシリアルデータを、PLDのクロックおよびデータリカバリー(「CDR」)回路網20から受信し、そのデータをパラレル形式でPLDのフィジカルコーディングサブレイヤー(「PCS」)回路網30に加える。デシリアライザ10の動作の様々な局面は、PLDのダイナミックランダムアクセスメモリ(「RAM」)回路網40の出力信号によって制御され得る。
【0029】
図1に示された例示的な実施形態において、デシリアライザ10は、広範囲のデータレートの中の任意のデータレートにおける、CDR20によるシリアルデータ出力を取り扱うことができ、それはまた任意のいくつかの異なるパラレルデータ幅に、そのデータをデシリアライズすることができる。例えば、CDR20からのシリアルビットレートは約622Mbpsから約6.5Gbpsまでの範囲内の任意のレートであり得、デシリアライザ10によるパラレルデータ出力の幅は8ビット、10ビット、16ビット、または20ビットであり得る。この柔軟性が、回路網が任意の多数の異なる通信標準またはプロトコルを支援することを、可能とする。
【0030】
CDR回路網20はそれが操作するシリアルデータ信号を、一般的にはPLDの外部にあるソースから受信する。CDR回路網20はそのシリアルデータ信号から、いわゆるリタイムデータ信号D、およびリタイムデータ信号と同期化されたいわゆる回復クロック信号を回復(recover)する。リタイムデータ信号Dは、CDR回路網20がデシリアライザ10に対して加えるシリアルデータ信号である。CDR回路網20はまたデシリアライザ10に対して、4個の異なる位相、すなわち0度、90度、180度および270度を有する回復クロック信号を加える。議論が進行するにつれてより明白となるように、議論されている例示的な実施形態はハーフレート能力を含み、それはクロック信号の両端においてシリアルデータをクロックすることができる。例えば、CDR20がリタイムシリアルデータDを6.25Gbpsで出力しつつある場合には、それは回復クロック信号を3.125GHzで出力し得る。CDR20のマルチ位相の回復クロック出力の目的の1つは、回復クロック信号周波数の2倍のシリアルビットレートを有するデータの処理において使用され得る、ハーフレートクロック信号の複数のバージョンを提供することである。
【0031】
デシリアライザ10の内部において、リタイムシリアルデータ信号Dおよび回復クロック信号は、1:2デマルチプレクサ(「demux」)回路網100に加えられる。回路網100は、CDR20によって出力される連続するシリアルデータビットDを2個づつ捕らえ(登録し)、これらのビットの各々を回路130aおよび130bの対応する1つに加える。詳細には、シリアルデータストリームDの中の「偶数」番号のビット位置にある各ビットは、回路網100によって回路網130aに加えられ、シリアルデータストリームDの中の「奇数」番号のビット位置にある各ビットは、回路網100によって回路網130bに加えられる。いくつかの回復クロック信号の位相がどのように使用され得るかの例示として、回路網100は、0度位相の回復クロック信号の立上りエッジでCDR20からデータを受け取る1個のレジスタ、および180度位相の回復クロック信号の立上りエッジでCDR20からデータを受け取る第2のレジスタ、を含み得る。0度位相のデータは偶数のビット位置からのものであり得、180度位相のデータは奇数のビット位置からのものであり得る。この方法で、2個の連続するシリアルビット位置からのデータは、回復ハーフレートクロック信号の各サイクルの間に、demux回路網100の2個の出力レジスタに対してパラレル化され(parallelized)得る。
【0032】
CDR回路網20によって出力されるマルチ位相の回復クロック信号は、またローカルクロック生成回路網110に加えられる。回路網110はそれが受信する回復クロック信号を使用し、デシリアライザ10のさらなるデシリアライゼーションの操作において必要とされる、いくつかの他のクロック信号を生成する。図1の実施形態においては、回路網110は6個もの異なる出力クロック信号CLK[5:0]を生成することが示されている。
【0033】
回路網110の出力信号はクロックドライバ回路網120に加えられ、それはデシリアライザに対する中央のクロックを駆動しバランスを取る。
【0034】
回路網110の(それ故に回路網120の)出力信号は、例えば、回復クロック信号の周波数の4分の1または5分の1の、比較的低い周波数のクロック(「LFCLK」)信号を含み得る。この理由は、議論が進行するにつれて明らかとなる。現時点においては、しかしながら、回路網110がLFCLK信号を生成するために回復クロック信号周波数を4または5で分割するかどうかは、ダイナミック再構成RAM制御回路網40によって制御され得る、デシリアライザ10の選択的に変更可能な機能の1つであることを述べることが適切である。
【0035】
以前に述べたとおり、リタイムシリアルデータの偶数番号を有するビット位置からのビット(「DE」)は、demux回路網100によって1:5/4demux回路網130aに加えられ、奇数番号を有するビット位置からのビット(「DO」)は、同様に1:5/4demux回路網130bに加えられる。回路130の各々は、それに連続して加えられた4個または5個のビットを蓄積し、次いでこれらの4個または5個のビットをパラレルに出力する。デシリアライザ10がPCS30に対して、データを8ビットまたは16ビットのグループ(8ビットモードまたは16ビットモード)で供給しようとするときには、回路網130の4ビットの蓄積モードが使用される。デシリアライザ10がPCS30に対して、データを10ビットまたは20ビットのグループ(10ビットモードまたは20ビットモード)で供給しようとするときには、回路網130の5ビットの蓄積モードが使用される。
【0036】
回路網130の考えられる構成および動作の例として、これら回路網の各々は、回路網120からの5個の位相分配された(phase−distributed)LFCLK信号によってそれぞれクロックされる、5個の入力レジスタを含み得る。(8ビットモードおよび16ビットモードにおいては、5番目のレジスタは使用されず、位相分配はクロック信号の5番目のバージョンを省略する。これらの場合のLFCLK周波数は回復クロック周波数を4で割った値である。回路網130の5個の入力レジスタの全てが使用されるときには、LFCLK周波数は回復クロック周波数を5で割った値である。)DE信号は回路網130aの入力レジスタに加えられる。DO信号は回路網130bの入力レジスタに加えられる。これらの回路網の各々の入力レジスタが4個または5個のビットを蓄えるたびごとに、これらのビットはその回路網の出力レジスタにパラレルに移送される。この記述から、回路網130に加えられる回路網120の6個の出力信号は、これらの回路網の最大5個までの入力レジスタをクロッキングするための最大5個までの位相分配された信号と、これらの回路網の出力レジスタをクロッキングするための第6番目の信号であり得ることが、わかる。
【0037】
demux130aのパラレル出力信号は、10:20demuxおよび8:16demux回路網150の入力レジスタの、偶数番号を有するビット位置に加えられる。demux130bのパラレル出力信号は、回路網150の入力レジスタの、奇数番号を有するビット位置に加えられる。10および20ビットモードにおいては、その入力レジスタの10個のビット全てが使用される。8および16ビットモードにおいては、その入力レジスタの8個のビットのみが使用される。
【0038】
回路網120によって出力される2個のクロック信号が、2分割(divide by
2)回路網140に加えられる。回路網140は、デシリアライザ10がその広い方のパラレルデータ出力モード(すなわち、16ビットモードまたは20ビットモード)の1つで動作しているか否かに応じて、それが受信する信号の周波数を選択的に2で分割する。その場合には、回路網140は周波数を2で割る。そうでない場合には、回路網140は周波数を2で割らない。回路網140が周波数を2で割るか否かは、ダイナミック再構成RAM制御回路網40によって制御され得るデシリアライザ10の、選択的に変更可能なもう1つの機能である。回路網140の出力信号はdemux150と、またPCS30にも加えられる。
【0039】
8ビットモードおよび10ビットモードにおいては、回路網150はその入力レジスタデータを出力レジスタに送る。この出力レジスタは20のビット位置を含み得るが、しかし8または10ビットモードにおいては、これらのビット位置の8個または10個のみが使用される。16ビットモードおよび20ビットモードにおいては、回路網150はその入力レジスタから、その20ビット出力レジスタの交代性の(alternate)10ビットの部分に、連続するデータを送り得る。この方法で、回路網150は連続する8または10ビットのバイトを、回路網150の出力レジスタの中の16または20ビットのパラレルワードにデシリアライズすることができる。回路網150がシングル幅モード(8または10のパラレル出力ビット)またはダブル幅モード(16または20のパラレル出力ビット)の何れにおいて動作するかは、ダイナミック再構成RAM制御回路網40によって制御され得るデシリアライザ10の、選択的に変更可能なもう1つの機能である。
【0040】
PCS30は回路網140からのCLK_DIVRX信号の立上りエッジにおいて、回路網150の出力レジスタからデータを受信する。これまでの議論から明らかなように、デシリアライザ回路網10の動作モードに応じて、これは8ビット、10ビット、16ビット、または20ビットの幅を有するパラレルデータである。
【0041】
バイトデシリアライザ回路網150の例示的な実施形態が、図2により詳細に示されている。図2において、回路網150からのアップストリームである、図1からの回路網は100ETC.の符号で示される。この回路網(100ETC.)は最大で10ビットまでのパラレルデータ(図2ではD10ABの符号で示される)を回路網150に供給する。この回路網はまた、2個のクロック信号(図2ではPHASE[0]およびPHASE[2]の符号で示される)を回路網150に供給する。これらのクロック信号は相互に180度位相が異なり、それらは両者共に、回路網100ETC.がパラレルデータ(8または10ビット)の連続するバイトを出力するときの周波数を有する。
【0042】
回路網150の内部において、回路網100ETC.によって出力されるデータはレジスタ210およびレジスタ260bに加えられる。PHASE[2]信号はマルチプレクサ(「mux」)220の選択可能な1つの入力端子に加えられ、また2分割回路網140にも加えれる。PHASE[0]信号は、mux250の選択可能な1つの入力に加えられる。回路網140はそれが受信する信号の周波数を2で割り、その結果として得られる信号の真(true)および相補(complement)バージョンを、それぞれmux220および250の選択可能な第2の入力に加える。
【0043】
mux220および250の各々は、インバータ240を経由するメモリビット230からの信号によって制御され、その選択可能な入力のどちらをそれが出力するかを、選択する。ビット230はダイナミック再構成RAM制御回路網40の中のメモリビットであり得る。回路網が8ビットモードまたは10ビットモードで動作している場合には、そのときにはインバータ240の出力信号がmux220および250をして、それぞれPHASE[2]およびPHASE[0]信号を出力させる。回路網が16ビットモードまたは20ビットモードで動作している場合には、そのときにはインバータ240の出力信号がmux220および250をして、それぞれ回路網140の真および相補の出力信号を出力させる。
【0044】
mux220の出力信号はレジスタ210をクロックするために使用される。mux250の出力信号はレジスタ260aおよびレジスタ260bをクロックするために使用される。レジスタ260aはその入力をレジスタ210の出力から得る。レジスタ260aおよび260bの出力はバッファ270aおよび270bを経由して、PCS30にパラレルに加えられる。mux250の出力信号もまたバッファ280を経由してPCS30に加えられる。
【0045】
上記から、8ビットモードおよび10ビットモードにおいては、回路網100ETC.からのデータはレジスタ210および260aを通じて、PHASE[2]およびPHASE[0]信号を使用してクロックされ、それは回路網100ETC.が連続するデータを出力するレートと等しい周波数を有することがわかる。回路要素140および260bは有効に使用されない。バッファ280の出力信号は、レジスタ260aからの信号をPCS30の中にクロッキングするために適切である。16ビットモードおよび20ビットモードにおいては、上とは反対に、レジスタ210および260bは、回路網100ETC.が連続するデータを出力するレートの半分で、交互にクロックされる。従って、レジスタ210および260bは回路網100ETCの連続するデータ出力を交互に蓄える。また16ビットモードおよび20ビットモードにおいては、レジスタ260aはレジスタ260bとパラレルにクロックされることから、レジスタ260bが回路網100ETC.から新しいデータを取り込むときに、レジスタ260aは回路網100ETC.から以前のデータを取り込むが、そのデータはレジスタ210によって以前に取り込まれ、今出力されつつあるデータである。従って、レジスタ260aおよび260bの出力は、回路網100ETC.によって連続して出力された2個のパラレルな8または10ビットのバイトである。再度、バッファ280の出力信号は、このデータをPCS30の中にクロッキングするために適切である。
【0046】
これまでの記述は単に発明の原理を例示的に示すものに過ぎず、発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者によって様々な修正がなされ得ることが理解される。例えば、上述された特定の動作周波数は単に例示であり、必要な場合には他の周波数が代わりに使用され得る。
【符号の説明】
【0047】
10 デシリアライザ回路網
20 クロックおよびデータリカバリー(CDR)回路網
30 フィジカルコーディングサブレイヤー(PCS)回路網
40 ダイナミックRAM制御回路網
100、130a、130b、150 デマルチプレクサ回路網
110 ローカルクロック生成回路網
120 クロックドライバ回路網
140 2分割回路網
210、260a、260b レジスタ
220、250 マルチプレクサ
230 メモリビット
240 インバータ
270a、270b、280 バッファ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PLD上のデシリアライザ回路網であって、前記デシリアライザ回路網は、
リタイムシリアルデータ信号と、前記リタイムシリアルデータ信号のビットレートの二分の一の周波数を有する回復クロック信号とを生成するCDR回路網と、
選択可能な因子によって前記回復クロック信号の周波数を分割して、比較的低い周波数のクロック信号を生成する周波数分割回路網と、
前記低い周波数のクロック信号を使用して前記リタイムシリアルデータ信号をデシリアライズする回路網と
を備える、デシリアライザ回路網。
【請求項2】
前記選択可能な因子を制御するダイナミック再構成メモリ回路網をさらに備える、請求項1に記載の回路網。
【請求項3】
前記選択可能な因子は、4あるいは5に選択され得る、請求項2に記載の回路網。
【請求項4】
前記回復クロック信号を使用して前記リタイムシリアルデータ信号をパラレルな第1および第2のデータ信号にデシリアライズする第1のデシリアライザ回路網をさらに備える、請求項1に記載の回路網。
【請求項5】
前記低い周波数のクロック信号を使用して前記リタイムシリアルデータ信号をデシリアライズする回路網は、前記第1のデータ信号を第1の複数のパラレルデータ信号にデシリアライズする第2のデシリアライザ回路網を含む、請求項4に記載の回路網。
【請求項6】
前記低い周波数のクロック信号を使用して前記リタイムシリアルデータ信号をデシリアライズする回路網は、前記第2のデータ信号を第2の複数のパラレルデータ信号にデシリアライズする第3のデシリアライザ回路網を含む、請求項5に記載の回路網。
【請求項7】
前記第1および第2の複数のパラレルデータ信号内の信号をインターリーブして、第3の複数のパラレルデータ信号を生成するインターリーブ回路網をさらに備える、請求項6に記載の回路網。
【請求項8】
連続する第3の複数のパラレルデータ信号を選択的にデシリアライズして、第4の複数のパラレルデータ信号を生成する第4のデシリアライザ回路網をさらに備える、請求項7に記載の回路網。
【請求項9】
前記第2および第3のデシリアライザ回路網の各々は、前記第1および第2の複数のパラレルデータ信号のサイズに関して制御可能である、請求項6に記載の回路網。
【請求項10】
前記第2および第3のデシリアライザ回路網を制御するダイナミック再構成メモリ回路網をさらに備える、請求項9に記載の回路網。
【請求項11】
前記第4のデシリアライザ回路網を制御するダイナミック再構成メモリ回路網をさらに備える、請求項8に記載の回路網。
【請求項12】
前記第2および第3のデシリアライザ回路網の各々は、レジスタ回路網を含む、請求項6に記載の回路網。
【請求項13】
リタイムシリアルデータ信号をデシリアライズする方法であって、
前記方法は、
CDR回路網を使用して、前記リタイムシリアルデータ信号と、前記リタイムシリアルデータ信号のビットレートの二分の一の周波数を有する回復クロック信号とを生成することと、
周波数分割回路網を使用して、選択可能な因子によって前記回復クロック信号の周波数を分割して、比較的低い周波数のクロック信号を生成することと、
前記低い周波数のクロック信号を使用して前記リタイムシリアルデータ信号をデシリアライズすることと
を含む、方法。
【請求項14】
ダイナミック再構成メモリ回路網を使用して、前記選択可能な因子を制御することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記選択可能な因子は、4あるいは5に選択され得る、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第1のデシリアライザ回路網を使用して、前記回復クロック信号を使用して前記リタイムシリアルデータ信号をパラレルな第1および第2のデータ信号にデシリアライズすることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記低い周波数のクロック信号を使用して前記リタイムシリアルデータ信号をデシリアライズすることは、第2のデシリアライザ回路網を使用して、前記第1のデータ信号を第1の複数のパラレルデータ信号にデシリアライズすることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記低い周波数のクロック信号を使用して前記リタイムシリアルデータ信号をデシリアライズすることは、第3のデシリアライザ回路網を使用して、前記第2のデータ信号を第2の複数のパラレルデータ信号にデシリアライズすることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
インターリーブ回路網を使用して、前記第1および第2の複数のパラレルデータ信号内の信号をインターリーブして、第3の複数のパラレルデータ信号を生成することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
第4のデシリアライザ回路網を使用して、連続する第3の複数のパラレルデータ信号を選択的にデシリアライズして、第4の複数のパラレルデータ信号を生成することをさらに含む、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−95356(P2012−95356A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−20528(P2012−20528)
【出願日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【分割の表示】特願2006−211487(P2006−211487)の分割
【原出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【出願人】(597154922)アルテラ コーポレイション (163)
【氏名又は名称原語表記】Altera Corporation
【Fターム(参考)】