説明

ポリイミド用剥離剤

【課題】金属(特にアルミニウムおよびモリブデン)の腐食を抑えつつ、優れた洗浄性を有するポリイミド用剥離剤を提供する。
【解決の手段】水、アルカリ剤[B]、多価アルコールを除く水溶性有機溶剤[C]、多価アルコール[D]、下記一般式(1)で表わされるシラン系化合物[A]を含有し、前記[C]成分の含有量が30〜95重量%であるポリイミド用剥離剤。
[(XN−(CH−)NH2−m−(CH−]Si(OR)4−n (1)
[但し、式中k、lは1〜4の整数、mは0〜2の整数、nは1〜3の整数を表す。Rは水素又は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水素又は炭素1〜4のアルキル基である。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属配線(特にアルミニウムおよびモリブデン)を有する液晶基板や半導体基板上のポリイミド配向膜や半導体素子回路の製造に用いられるポリイミド系フォトレジスト等を剥離する際に使用されるポリイミド用剥離剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アルカリ洗浄液は、油脂類、樹脂、微粒子、樹脂などを除去する能力に優れているので、電子部品、金属部品などの洗浄に多く使用されている。しかし、一般のアルカリ洗浄液はアルミニウムおよびモリブデンを溶解する作用が強く、アルミニウムおよびモリブデンを使用している電子部品などの洗浄には適用しにくいのが現状である。例えばTFT側液晶パネルのポリイミド配向膜を剥離しようとした場合、TFT回路のモリブデン/アルミの積層配線が溶解してしまう。そこで配線部分をワックス等で保護して洗浄し、炭化水素などの溶剤でワックスを除去してガラス基板を再生させる方法等が取られているが、工程が煩雑である。
【0003】
また、アルカリ洗浄剤の一種として、半導体素子回路等の製造工程において、フォトレジスト残渣を除去する目的で従来よりアルカリ系剥離剤が使用されてきた。アルカリ系剥離剤には無水のものと含水のものがあり、剥離性の観点から、含水のものが好ましい。しかし、含水アルカリ系剥離剤は基板上の金属配線を溶解するという問題があった。この問題を解決し金属配線などを溶解しないレジスト剥離剤として、第4級アンモニウム水酸化物に各種アルコールを含有する水溶液等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、金属防食性を向上させる目的で、Si原子を含む化合物を含有するレジスト用剥離剤が知られている(特許文献2参照)。しかし、これらのレジスト剥離剤は、ポリイミドに対する剥離性が不十分である。
【特許文献1】特開2005−336470号公報
【特許文献2】特許3410369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、これら従来技術を用いてもポリイミド配向膜の剥離性及び金属(特にアルミニウムおよびモリブデン)の防食性を両立できていないのが現状であり、これらの諸問題の改善が要望されていた。
【0005】
したがって、本発明は、金属(特にアルミニウムおよびモリブデン)の腐食を抑えつつ、優れた洗浄性を有するポリイミド用剥離剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水、アルカリ剤[B]、多価アルコールを除く水溶性有機溶剤[C]、多価アルコール[D]、及び、下記一般式(1)で表わされるシラン系化合物[A]を含有し、前記[C]成分の含有量が30〜95重量%であるポリイミド用剥離剤である。
[(XN−(CH−)NH2−m−(CH−]Si(OR)4−n (1)
但し、式中k、lは1〜4の整数、mは0〜2の整数、nは1〜3の整数を表す。Rは水素又は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水素又は炭素1〜4のアルキル基である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のポリイミド用剥離剤はポリイミド剥離性に優れ、かつ、金属(特にアルミニウムおよびモリブデン)防食性に優れている。そのため液晶パネル用ガラス基板のTFT側の金属配線にダメージを与えず、ポリイミド配向膜を容易に剥離洗浄することが出来る。また、本発明のポリイミド用剥離剤はカラーフィルターに損傷を与えず、カラーフィルター側のポリイミド配向膜も同様に剥離洗浄できる。さらに、本発明のポリイミド用剥離剤は油分、指紋、樹脂及び微粒子の洗浄性にも優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
上記シラン系化合物[A]としては、上記一般式(1)で表される化合物であれば特に限定されず、具体的には、例えば、γ−アミノプロピルトリヒドロキシシランおよびその縮合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(3−アミノプロピル)アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。その中でも特に好ましいのはγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランである。上記シラン系化合物[A]は1種を使用してもよく又は2種以上を併用してもよい。
【0009】
本発明においては、上記シラン系化合物[A]の含有量は、0.1〜10重量%が好ましい。シラン系化合物[A]の含有量が0.1重量%未満ではアルミニウムおよびモリブデン防食性が不十分となるおそれがあり、10重量%を超えるとポリイミド剥離性が低下するおそれがある。より好ましくは0.2〜5重量%である。
【0010】
本発明で使用されるアルカリ剤[B]としては、アルカリ洗浄に使用可能なものであれば特に限定はなく、公知のアルカリ剤を使用可能であるが、第4級アンモニウム水酸化物[B1]、沸点150℃以上のアルカノールアミン[B2]が好適な例として挙げられる。上記第4級アンモニウム水酸化物[B1]及び沸点150℃以上のアルカノールアミン[B2]は、それぞれ単独でも、又は、両方を併用してもよい。上記第4級アンモニウム水酸化物[B1]は下記一般式(2)で表される。
【0011】
【化1】

【0012】
式中Rは炭素数1〜3のアルキル基、または炭素数1〜3のヒドロキシ置換アルキル基を表し、R1、R、R3は、同一又は異なった、炭素数1〜3のアルキル基を表す。第4級アンモニウム水酸化物[B1]としては、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、トリメチル(1−ヒドロキシプロピル)アンモニウムヒドロキシド等が例示できる。これらの中で特に好ましいのはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(以下TMAHと略称する)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシドである。上記第4級アンモニウム水酸化物[B1]は1種を使用してもよく又は2種以上を併用してもよい。
【0013】
上記アルカノールアミン[B2]は沸点150℃以上のものが好ましい。沸点150℃未満では使用温度条件40〜80℃で飛散しやすく、臭気の点で好ましくない。沸点150℃以上のアルカノールアミン[B2]としては、例えば、同一分子中にアミノ基とアルコール性水酸基を持つ化合物でモノ、ジ、トリ等のエタノールアミン、イソプロパノールアミン等が挙げられる。これらの中でモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが特に好ましい。上記アルカノールアミン[B2]は1種を使用してもよく又は2種以上を併用してもよい。
【0014】
本発明において、アルカリ剤[B]の含有量は、0.1〜60重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜50重量%である。アルカリ剤の含有量が0.1重量%未満ではポリイミド剥離性が不十分である場合があり、60重量%を超えると、粘度が上がり作業性が低下する場合がある。第4級アンモニウム水酸化物[B1]の含有量は、0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜5重量%、沸点150℃以上のアルカノールアミン[B2]の含有量は、5〜55重量%、より好ましくは10〜50重量%である。第4級アンモニウム水酸化物[B1]の含有量が10重量%を超えると、金属腐食性が抑えられない、第4級アンモニウム水酸化物が溶解しない場合がある。
【0015】
本発明において、水の含有量は、1〜50重量%が好ましく、より好ましくは5〜30重量%である。水の含有量が1重量%未満では第4級アンモニウム水酸化物が溶解せず、50重量%を超えると金属防食性が不十分となるおそれがある。
【0016】
本発明における多価アルコールを除く水溶性有機溶剤[C]としては、水溶性有機溶剤であって多価アルコール(2価以上のアルコール)でないものであれば特に限定されないが、25℃の水に対する溶解度(g/100gHO)が100以上であり、沸点が150℃以上のものが好適に利用できる。沸点150℃未満では使用温度条件(40〜80℃)で飛散しやすく、臭気、安全性の点で好ましくない。具体的にはグリコールエーテル、極性溶剤等が挙げられる。グリコールエーテルとしてはエチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノターシャルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等、極性溶剤としてはジメチルスルホキシド(以下DMSOと略す)、スルホラン、N−メチル−2ピロリドン、γ−ブチロラクタム、フルフラール等が挙げられる。これらの中で、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、DMSO等が好ましく使用できる。これら水溶性有機溶剤は単独または混合して用いてもよい。
【0017】
本発明において、多価アルコールを除く水溶性有機溶剤[C]の含有量は、30〜95重量%、好ましくは40〜90重量%である。水溶性極性溶剤[C]の含有量が30重量%未満では油脂類、樹脂に対する溶解性が低下し、95重量%を超えると他の成分が少なくなりポリイミド剥離性とアルミニウムおよびモリブデン防食性の両立が困難になるおそれがある。
【0018】
本発明における多価アルコール[D]としては、アルカリ洗浄に使用可能なものであれば特に限定はないが、2〜8価のものが好ましく、具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。この中で、特に好ましいのはエチレングリコール、グリセリン、ソルビトールである。
【0019】
本発明において、多価アルコール[D]の含有量は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは3〜20重量%である。多価アルコール[D]の含有量が1重量%未満ではアルミニウムおよびモリブデン防食性が不十分となるおそれがあり、50重量%を超えるとポリイミド剥離性が低下するおそれがある。
【0020】
シラン系化合物[A]と2〜8価の多価アルコール[D]は、併用することにより、金属に対する防食性、特にモリブデンに対する防食性が大幅に向上する。
【0021】
本発明においては、水、上述の[A]、[B1]及び/又は[B2]、25℃の水に対する溶解度(g/100gHO)が100以上であり、沸点が150℃以上の[C]、並びに、2〜8価の[D]成分の組合せが好ましい。
【0022】
本発明においては、上述の水、[A]、[B]、[C]、及び[D]成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲内で、界面活性剤等一般のアルカリ洗浄液に使用されている添加剤をその他成分[E]として加えることができる。上記成分[E]としては、例えば、炭素数6〜12の分岐脂肪酸石鹸をあげることができる。これら他の成分の配合量は、通常、組成物中、0.01〜10重量%であってよい。
【0023】
本発明のポリイミド用剥離剤は、pH12以上であることが好ましい。pHが11未満の場合、十分なポリイミド剥離性を得られない場合がある。
【0024】
本発明のポリイミド用剥離剤は、その粘度が、作業性、剥離性の観点から、20mPa・s(25℃)以下が望ましい。
【0025】
本発明のポリイミド用剥離剤は、上記各成分を混合して製造することができる。例えば、[A]、[B1]及び/又は[B2]、[C]、[D]、該当する場合は[E]、並びに水を混合して調製できる。
【0026】
本発明のポリイミド用剥離剤の使用方法を以下に例示する。ただし、本発明はこの例に限定されるものではない。まず、ポリイミド配向膜が形成された基板(ガラス等の基板)を用意する。上記ポリイミド配向膜の材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、カップリング剤、エチレングリコールモノブチルエーテル及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を主成分とするポリイミド配向膜材料等のポリイミド系材料であってよい。次に、この基板のポリイミド配向膜を本発明のポリイミド用剥離剤中に、例えば室温〜80℃、1〜10分間浸せきする。このとき、必要により剥離剤を攪拌するか、又は基板を振動してもよい。または、本発明の剥離剤を基板にシャワーやスプレー等で吹き付けることもできる。この際、ブラシ洗浄を併用することにより、ポリイミド配向膜除去性を向上させることもできる。ポリイミド配向膜を溶解又は剥離した後、好ましくは純水で、溶解したポリイミド配向膜を含む剥離剤を洗浄除去し、ポリイミド配向膜を基板上から除去する。その後、エアナイフ等で、基板上の液体を吹き飛ばし、基板を乾燥させる。
【実施例】
【0027】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0028】
実施例1〜7、比較例1〜10
表1記載の各成分部数(重量部)(純分表示)を1Lビーカー中に入れ、室温で充分攪拌して実施例及び比較例のポリイミド用剥離剤を調製した。
表1中の略号は以下の通りである。
A成分(シラン系化合物)
A1:γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン
A2:1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン
B成分(アルカリ剤)
B1:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
B2a:エタノールアミン
B2b:トリエタノールアミン
C成分(水溶性有機溶剤)
C1:DMSO
C2:ジエチレングリコールモノメチルエーテル
D成分(多価アルコール)
D1:エチレングリコール
D2:グリセリン
D3:ソルビトール
【0029】
実施例及び比較例で得られたポリイミド用剥離剤の評価試験方法を以下に示し、評価結果を表1に示す。
1.ポリイミド配向膜(以下、単に配向膜)剥離性
ポリイミド樹脂、カップリング剤、エチレングリコールモノブチルエーテル及びNMPを主成分とする配向膜材料をガラス基板上に塗布し、120℃で60分間焼成した1μmのポリイミド膜を剥離対象物とした。この1×4cmに切断した基板の塗布面を上にしてアルカリ洗浄液中に40℃で所定時間(1分、2分)、浸漬した。その後、取り出し、純水で洗浄し、Nガスを用いたエアーガンで純水を吹き飛ばし、自然乾燥させた。それぞれ、処理後の基板を顕微鏡で観察し配向膜剥離性を次の5段階で評価した。
<評価基準>
5:ガラス基板上に配向膜が全くなし
4:ガラス基板上に配向膜が痕跡程度残っている
3:ガラス基板上の一部に配向膜が少し残っている
2:ガラス基板上の大部分に配向膜が残っている
1:ガラス基板上の全面に配向膜が残っている
【0030】
2.アルミ防食性
3cm×4cmの純アルミ板をポリイミド用剥離剤中に70℃24時間浸せきし、水素ガス発生状況及び重量減少率を測定した。算出方法は以下のとおり。
重量減少率(%)=100×(W0−W1)/W0
[W0:元のアルミ板重量(g)、W1:70℃、24時間浸せき後のアルミ板重量(g)]
また、重量減少率と同時に、水素ガスの発生状況も、下記の評価基準で観察した。
<評価基準>
5:水素ガスの発生が全くない
4:水素ガスの発生が極わずかに認められる
3:水素ガスの発生がやや認められる
2:水素ガスの発生がかなり認められる
1:水素ガスの発生が激しく認められる
【0031】
3.モリブデン防食性
モリブデンが蒸着されたガラス基板10mm×10mmと、ポリイミド用剥離剤を70mLの広口瓶に入れ、モリブデン蒸着面を上にした状態で70℃に保持した。処理開始から24時間経過後のモリブデン蒸着面の外観変化を下記の評価基準で観察した。
<評価基準>
○:変化なし
△:黒色に変化する
×:モリブデン膜が溶解して消失する。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
表1の結果から、シラン化合物[A]、アルカリ剤[B]、多価アルコールを除く水溶性有機溶剤[C]、多価アルコール[D]、水を用いた本発明のポリイミド用剥離剤はpHが12以上あるにもかかわらず、アルミニウムおよびモリブデン防食性が極めて良好で、配向膜剥離性/アルミニウムおよびモリブデン防食性を両立することが判る(実施例1〜7)。一方[A]成分と[D]成分を含まない組成物(比較例1)および[A]成分を含まず、[B]成分を大量に含む組成物(比較例8)はアルミ防食性およびモリブデン防食性が劣る。[D]成分を含むが[A]成分を含まない組成物(比較例2)および、[A]成分を含むが[D]成分を含まない組成物(比較例5および7)は、アルミ防食性には優れるものの、モルブデン防食性が劣る。[A]、[B]、[D]の各成分を含むが[C]成分を含まない組成物(比較例3)および[A]、[B]、[C]、[D]の各成分を含むが[C]成分の含有量が少ない組成物(比較例10)、は、アルミ防食性に優れるが、モリブデン防食性に劣り、配向膜の剥離ができない。先行文献1(特開2005−336470号公報)記載の組成物(比較例4)は配向膜剥離性とアルミ防食性が共に不十分である。先行文献2(特許3410369号公報)に記載されているが本発明には該当しないシラン系化合物を含む組成物(比較例6および9)は、モリブデン防食性が劣る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水、アルカリ剤[B]、多価アルコールを除く水溶性有機溶剤[C]、多価アルコール[D]、及び、下記一般式(1)で表わされるシラン系化合物[A]を含有し、前記[C]成分の含有量が30〜95重量%であるポリイミド用剥離剤。
[(XN−(CH−)NH2−m−(CH−]Si(OR)4−n (1)
[但し、式中k、lは1〜4の整数、mは0〜2の整数、nは1〜3の整数を表す。Rは水素又は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水素又は炭素1〜4のアルキル基である。]
【請求項2】
シラン系化合物[A]がγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランである請求項1記載のポリイミド用剥離剤。
【請求項3】
アルカリ剤[B]が第4級アンモニウム水酸化物[B1]及び/又は沸点150℃以上のアルカノールアミン[B2]であり、水溶性有機溶剤[C]が25℃における水に対する溶解度が100以上でかつ、沸点150℃以上であり、多価アルコール[D]が2〜8価のアルコールである請求項1又は2記載のポリイミド用剥離剤。
【請求項4】
シラン系化合物[A]を0.1〜10重量%、アルカリ剤[B]を0.1〜60重量%、水溶性有機溶剤[C]を30〜95重量%、多価アルコール[D]を1〜50重量%、水を1〜50重量%含有する請求項1〜3のいずれか記載のポリイミド用剥離剤。
【請求項5】
pHが12以上である請求項1〜4のいずれか記載のポリイミド用剥離剤。
【請求項6】
液晶基板上のポリイミド配向膜用剥離剤である請求項1〜5のいずれか記載のポリイミド用剥離剤。

【公開番号】特開2009−114268(P2009−114268A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286781(P2007−286781)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(000214250)ナガセケムテックス株式会社 (173)
【出願人】(000115083)ユシロ化学工業株式会社 (69)
【Fターム(参考)】