ポリマー薄膜における自己整合ビアホールの形成
【課題】有機電界効果トランジスタにおけるビア形成を、低コストで効率的なプロセスで実現する。
【解決手段】誘電層106内にビア113を形成する際、まず各ビア位置にパターン化された導電材よりなるポストを印刷し、次にパターン化されていない誘電層106を堆積させ、次に第2のパターン化された導電層を堆積させる。ビア113は、誘電層106を堆積した後、第2の導電層を堆積する前に、ポストをフラッシュアニールすることにより形成される。
【解決手段】誘電層106内にビア113を形成する際、まず各ビア位置にパターン化された導電材よりなるポストを印刷し、次にパターン化されていない誘電層106を堆積させ、次に第2のパターン化された導電層を堆積させる。ビア113は、誘電層106を堆積した後、第2の導電層を堆積する前に、ポストをフラッシュアニールすることにより形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路で使用される有機トランジスタに関し、より詳しくは、1つの導電層と他の導電層とを接続するポリマー誘電体にビアホールを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電界効果トランジスタ(oFET)は、ディスプレイ、電子バーコード、および、センサなど多くの用途に提案されている。様々な用途でoFETが重宝とされるのは、製造コストが安く、回路規模が大きく、有機材料の化学的活性性質による。これらの使途の多くは、フレキソ印刷、グラビア印刷、シルクスクリーン、および、インクジェット印刷などの印刷技術を利用した製造方法に依存する。
【0003】
過去には、印刷されたトップゲート・ボトムゲート構造のトランジスタおよび回路が実証されている。通常、このようなシステムは、フレキシブル基板上の印刷された半導体、誘電体、ゲート導体からなる。
【0004】
図1を参照すると、トップゲート・ボトムコンタクト型MISトランジスタ100の断面図が示されている。トランジスタのソース・ドレインのための2つの導電領域101および102は、絶縁基板112上に堆積されてパターン化される。導電領域101および102間のギャップは、「チャネル」と呼ばれ、図1の103のように示される。半導電層104は、導体領域101および102上に堆積される。この半導体層は、チャネル103と重なっている必要があるが、トランジスタの他の領域内にはあってもなくてもよい。図1では、半導体は除去されている。
【0005】
誘電材料106の薄膜は、半導電層104、および、ソース101/ドレイン102の上に堆積される。誘電体106は、同様に他の領域内に堆積されてもされなくてもよい。そして、誘電体106は、ソースまたはドレインが誘電体の上の導電トレースに接続される領域にはなくてもよい。
【0006】
導電薄膜108が誘電体106の上に堆積されてパターン化されることにより、トランジスタのゲートを形成し、このトランジスタのゲートは、チャネル領域103と完全に重なっている必要がある。この導電層は、トランジスタ間の適切な接続として役立つ他の領域でパターン化されてもよい。この導電層108は、関連する回路設計により特定されるように、ソース/ドレイン層101/102と接続している必要がある。図1の例を参照すると、ソース101は導電層110と接続し、ドレイン102は、導電層111と接続する。回路構成によっては、ソース/ドレイン導電層とゲート層108との間を電気的に接続することも可能であり、その場合、ソース/ドレイン層101/102における金属が必ずしもトランジスタのソースまたはドレインとして用いられる必要はなく、相互接続として用いられてよい。
【0007】
ゲート導電層とソース・ドレイン導電層とを電気的に接続するホール113および114は、「ビア」と呼ばれる。従来技術では、これらのホールは、スタンプまたはシャドーマスクを用いることにより、それらの領域に誘電体を堆積させないことにより生成される。あるいは、ビアを定めるために化学的、物理的、または、反応性イオン手段によってエッチングした後にフォトリソグラフィなどのサブトラクティブ法が用いられてきた。
【0008】
パターニングは、正確な整合を必要とするので、ビアは、誘電体の上下で導体と正確に位置合わせされることにより、良好な電気的接触をなす。また、誘電体の不均一性は、誘電体の上下の導電層の絶縁を不確かなものとし、その結果、電気的接触状態は、好ましくないものとなる。
【0009】
いくつかのケースでは、2つの異なる形状を有するパターンが近接して印刷されると、1つの印刷領域により別の領域の材料が奪われるので、均一性を損なうことになる不均一な材料分布を招く。これらの望ましくない現象は、より小さいパターンを多数印刷することを要求される回路の複雑性が増すことに伴い悪化する。
【0010】
したがって、印刷された有機電界効果トランジスタ回路におけるゲート金属層とソース・ドレイン金属層との間に電気的接触を提供すべく、上記従来技術の制約を回避できる、安価な印刷技術を利用する実用的でスケーラブルなプロセスが望まれる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、誘電ポリマー薄膜内に自己整合ビアを形成してトップ導体とボトム導体との間に電気的接続を提供することができる安価で効率的な製造方法が開示される。
【0012】
プロセスは、第1のパターン化された導電層上に導電ポストを印刷し、次に、パターン化されない誘電体層を堆積し、次に、第2のパターン化された導電層を堆積することにより実現する。
【0013】
一実施形態では、ビアは、誘電体が堆積された後、第2の導電層が堆積される前にポストをフラッシュアニールする間に形成される。このプロセスでは、ポスト材料は、閃光によってアニールされ、その結果、ポストの上の誘電体を除去するエネルギーが放出される。
【0014】
他の実施形態では、ポスト材料は、揮発反応が起きて、ポスト材料のアニール間に誘電体が除去されるよう選ばれる。この場合、ポスト材料は、誘電体の堆積前には硬化されないかまたは部分的にしか硬化されない。
【0015】
さらなる他の実施形態では、これらの導電ポストは、誘電材料を寄せ付けない材料を含むよう選ばれる。本実施形態では、ポスト材料は、誘電体層が堆積する前に硬化されるか、一部硬化されるか、あるいは、硬化されなくてもよく、プロセスは、ポスト材料に対する誘電材料の反発特性を最大化するよう選ばれる。
【0016】
ポスト材料の選択として特に適切なのは、ナノ粒子導電性インクである。誘電材料は、一般的に、ナノ粒子インクの硬化温度でアニールされる。
【0017】
本発明の方法は、ほとんどのポリマー薄膜内にビアホールを形成するために概ね用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は、添付の図面を例にとって示されるが、これに限定されない。同様の参照符号は、同様の構成要素を示す。
【図1】従来技術における絶縁基板、有機ポリマー薄膜、誘電層、ビア、および、導電ゲートを含む有機FETトランジスタの断面図を示す。
【図2−4.9−11】本発明における印刷された有機FET回路内にビアを形成する順次工程段階である。
【図2】ソース・ドレイン導体が定められたソース・ドレイン電極と共に基板上に堆積されることにより、部分的に処理された基板を得る工程段階の断面図である。
【図3】続く、半導体が堆積されてアニールされる工程段階の断面図である。
【図4】続く、ナノ粒子インクが堆積される工程段階の断面図である。
【図5】インクジェット手段によりパターン化されたポストを示す。
【図6】フレキソ印刷によりパターン化されたポストを示す。
【図7】グラビア印刷によりパターン化されたポストを示す。
【図8】スクリーン印刷によりパターン化されたポストを示す。
【図9】続く、誘電インクが堆積される工程段階を示す断面図である。
【図10】続く、サンプルが閃光を浴びる工程段階を示す断面図である。
【図11】続く、ゲート導体が堆積される工程段階を示す断面図である。
【図12−18】続く、本発明におけるボトムゲート型トランジスタを製造する順次工程段階を示す断面図である。
【図12】ゲート層およびビアポストが堆積されたボトムゲート型トランジスタを形成する初期段階を示す。
【図13】続く、誘電体が堆積されるボトムゲート型トランジスタを形成する段階を示す。
【図14】ボトムゲートデバイス内におけるビア開口の形成を示す断面図である。
【図15】トップコンタクト・ボトムゲート型デバイスの形成中における半導体の堆積を示す断面図である。
【図16】トップコンタクトボトムゲート型デバイスにおける半導体を介したビア開口の形成を示す断面図である。
【図17】トップゲート・ボトムゲート型デバイス上へのソース・ドレインの堆積を示す断面図である。
【図18】半導体およびソース・ドレイン層の堆積によるボトムコンタクト・ボトムゲート型デバイスの形成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明におけるビア形成は、図2乃至4および9乃至11におけるトップゲート型有機トランジスタの製造と、図12乃至18におけるボトムゲート型有機トランジスタの製造とに関して記載される。
【0020】
図2を参照すると、ソース導体201およびドレイン導体202は、絶縁基板203上にそれぞれパターン化される。ソース・ドレイン導体の材料は、金属、導電性ポリマー、または、ナノ粒子インクなど、電気を伝導するものなら何でもよい。好適な堆積手段は、固体ソースの昇華および蒸着、あるいは、液体の堆積による。シャドーマスクを通じて、または、関心のパターンを直接堆積することにより、あるいは、堆積の後に不要な材料を取り除くことによりパターン化がなされ得る。基板は、電気的に絶縁していなければならず、可撓性または剛性材料からなる。可撓性基板材料は、PET、PEN、カプトン、マイラ、および、紙を含む。剛性材料は、シリコン、二酸化ケイ素、サファイヤ、あるいは、他の絶縁材料を含む。
【0021】
図3を参照すると、半導体204は、ソース201およびドレイン202と、基板203との間に堆積される。半導体は、回路の他の領域に適用されてもよいが、ソース201とドレイン202と間のチャネル領域内には少なくとも存在すべきである。半導体材料は、半導体特性を示すものなら何でもよく、ポリチオフェン、ペンタセンなどの有機化合物、および、シリコンなどの無機材料を含む。他の実施形態では、半導体は、ソース・ドレインの上部を一部または完全に覆う。さらに他の実施形態では、半導体は、まったくパターン化されず、回路全体を覆う層として堆積される。
【0022】
図4を参照すると、導電ポスト205および206は、ソース201およびドレイン202の上に堆積される。ポスト205および206は、ソース・ドレイン上に配置され、この場合、回路設計上、次の導電層との電気的接続が必要である。ただし、すべてのソース・ドレインがこのような接続を必要とするわけではない。このような接続は、導電トレース上に形成されることもできるが、必ずしもトランジスタのソースまたはドレインとして用いられるわけではない。
【0023】
導電ポスト205および206は、どんな材料で形成されてもよいが、好ましくは、次に堆積される誘電材料と適切に作用し合うように選ばれる。一実施形態では、ポスト材料は、アニールプロセスの間に十分なエネルギーが放出されることで「フラッシュアニール」されるよう選ばれる。このポスト材料は、この段階で部分的に硬化されても、あるいは、まったく硬化されなくてもよい。最終的なアニールプロセスは、誘電体が堆積された後に完了する。
【0024】
一実施形態では、ポストは、図5に示されるようなインクジェットプリンタにより堆積される。インク530の1つ以上の液滴は、強誘電面の収縮を含むメカニズムによるチャンバ534の物理的圧縮により、ノズル532を介し排出される。あるいは、インクは、熱手段によりチャンバ534またはノズル532内で膨張し得る。粘度および表面張力などのインクの特性は、堆積表面上に適切な構造を形成するよう選ばれる。
【0025】
他の実施形態では、ポストは、図6に示されるようなフレキソ印刷手段により堆積される。フレキソ版630上にポスト632の隆起したパターンが形成される。隆起した表面632は、インク634で覆われ、ポストが印刷されるべき領域と接触した状態で整合配置され、それによって、インク634がソース201およびドレイン202へと移動する。印刷プレートは、平坦であるか、または、ローラ上に配置されてよく、その場合、基板が連続的に送られ、回転してローラの下にいくことにより、ロール・ツー・ロールプリント方式のフレキソ印刷プラットフォームとなる。
【0026】
他の実施形態では、ポストは、図7に示されるようなグラビア印刷手段によって堆積される。セル732および734とも呼ばれるキャビティは、グラビア版730上に形成される。プレートは、インクに浸された後に、拭われることにより、セル732および734内にインクが残る。そしてプレートは、ポストが印刷される領域、および、ソース201、ドレイン202と接触するよう配置される。その後、インクは、ソース201およびドレイン202の表面へと移動する。グラビア版は平坦であってよく、あるいは、ローラ上に装着されてもよく、その場合、基板が連続的に送られ、回転してローラの下にいくことにより、ロール・ツー・ロール方式のグラビアプリントプロセスとなる。
【0027】
さらなる他の実施形態では、ポストは、図8に示すようなシルクスクリーン手段により堆積される。ポストが印刷されるべき場所は、ワイヤまたはナイロンメッシュシート830内に開口を有するようになる。スクリーンは、開口832および834と、予想されるプリント位置、ソース201、および、ドレイン202とが整合するよう、印刷されるべき表面と接触状態に置かれる。その後、インクは、スクリーン上面に配置され、開口を介し、スキージによってスクリーンプレート830の上面に押し付けられる。スクリーンもローラに装着されてよく、回転スクリーン印刷法が利用される。回転スクリーン印刷法により、基板が連続して送られて印刷され、ロール・ツー・ロール方式のスクリーン印刷プロセスとなる。
【0028】
他の実施形態では、アニールの間に揮発反応を起こすポスト材料が選ばれる。ポスト材料は、この段階で一部硬化されてもよいし、まったく硬化されなくてもよい。これは、所定の温度Tより高い温度で揮発する傾向にある熱揮発性ポリマーをポスト材料として利用することによりなし得る。この温度は、誘電体が堆積した後の最終的なアニールプロセスの間に得られる。
【0029】
さらなる他の実施形態では、誘電材料を寄せ付けないポスト材料が選ばれる。この場合、ポスト材料は、この段階で硬化されても、または、部分的に硬化されても、あるいは、まったく硬化されなくてもよい。ポスト材料に対する誘電体の反発特性を最大化するのに適したプロセスが選ばれる。
【0030】
さらなる他の実施形態では、誘電体と反対の極性を有する異なる犠牲ポリマーがポスト材料上のビア位置に堆積される。このような場合、犠牲ポリマーは、誘電体にビアを脱湿させ、自己整合させる。その結果、ビアは、犠牲ポリマーが除去された後、堆積されたゲート金属によって満たされることができる。
【0031】
図9を参照すると、誘電インク207が堆積される。誘電体は、ポスト205および206だけでなく、半導体204、および、ソース201・ドレイン202領域も覆う。これは、パターン化された誘電体を堆積するか、または、表面全体をパターン化しない誘電体でコーティングすることによりなされ得る。一実施形態では、誘電体は、ポスト205および206の上部を覆う。
【0032】
他の実施形態では、誘電体の高さは、ポスト205および206より低いので、ポストの上部は露出したままになる。一実施形態では、ポスト材料は、誘電体を寄せ付けず、ポスト材料の上部には誘電材料がない状態になる。これは、誘電液が疎水性の場合はポスト材料が親水性であるか、または、誘電液が親水性の場合はポスト材料が疎水性である場合に起こり得る。この湿潤性の違いにより、誘電体は、ナノ粒子インクと接触する場所から遠ざかるかまたは脱湿され、それによって、ビアの自己整合がなされ得る。
【0033】
図10を参照すると、誘電体の表面は、露光され、それによってポスト材料は「フラッシュアニール」を経て硬化される。本実施形態では、プロセスは、ポスト205および206の上に残った誘電体208および209を取り除くことができるエネルギーを放ち、それによって、ポスト上部が露出する。あるいは、閃光の放射が基板材料を通過できる場合、このフラッシュアニールは基板の下部を介しなされる。
【0034】
他の実施形態では、ポスト材料は、熱的にアニールされるか、または、高速熱アニールを受けることにより、誘電材料は、揮発反応を経てポスト上部から除去される。
【0035】
さらなる他の実施形態では、ポスト材料は、誘電材料を寄せ付けないので、ポスト上部は、誘電体がないままである。ポスト材料がそれ以前に完全にアニールされなかった場合、アニールプロセスは、この段階で完了されてよい。
【0036】
さらなる他の実施形態では、ポスト材料に対し実行されるアニールは、誘電材料に対するアニールとすることもできる。
【0037】
図11を参照すると、ゲート導体210が堆積され、パターン化され、アニールされることにより、回路の製造は完了する。トランジスタのゲートを形成するには、導電層210は、ソース201とドレイン202との間のチャネル領域を覆う必要がある。導電層210は、他のトランジスタのゲートに対応するようパターン化されるか、または、導電相互接続として用いられるか、あるいは、目的に応じて層の上に導電手段を提供すべく用いられてよい。
【0038】
ゲート導体は、金属、導電性ナノ粒子、または、導電性ポリマーを含むいかなる導電材料も含む。パターニングは、グラビア、インクジェット、フレキソ、または、シルクスクリーンなどの印刷技術を用い、溶液またはインクを堆積してパターン化することによっても実現する。あるいは、ゲート金属は、堆積の間にシャドーマスクを用いるか、または、その後にフォトレジストプロセスにより不要な材料を除去することによりパターン化され得る。
【0039】
上記方法によりすでに除去されているので、ポスト205および206の上の領域208および209の上には、誘電体も半導体も存在しない。したがって、導電層210がポスト205または206と接する場合、それらの間の材料を通じて第1のソース/ドレイン導電層と第2のゲート層導体との間は電気的に接触する。ソース/ドレイン導電層の主な目的は、トランジスタのソース/ドレインを定めることであり、ゲート導電層の主な目的は、ゲート層を定めることであり、いずれの層もコンデンサ、抵抗器、インダクタの形成、あるいは、相互接続など、目的に応じて金属をパターン化できる。
【0040】
本発明における同じビア形成方法は、図12に示されるようなボトムゲート構造においても用いられることができる。ゲート導体102と、導電領域1204および1206とを含むパターン化された導電層が基板1201上に形成される。このパターンは、基板1201上に流動導体を直接堆積させることにより、または、シャドーマスクを介し導電固体を蒸着させることにより、あるいは、基板全体を導電層でまず覆った後に選択的に取り除くことにより得ることができる。導電ゲート材料は、金属、導電性ポリマー、または、ナノ粒子金属インク溶液を含むどんな導電性基板であってもよい。
【0041】
その後、上記と同じ方法のいずれかを用いて表面1204および1206上にポストが堆積されることにより、ビア1210および1212が形成される。
【0042】
図13を参照すると、ビア1210および1212にわたり誘電体1214が堆積される。誘電体1214は、図13に示されるように領域全体を覆ってよい。あるいは、誘電体1214は、少なくともゲート層上のすべての導電領域が覆われるパターンで堆積されてもよい。導電領域間の範囲も覆われてよく、あるいは、必要に応じて覆われないままであってもよい。
【0043】
図14に示すように、上記のような方法によるフラッシュアニール、または、熱アニールによりビア金属開口が形成される。アニールにおけるエネルギー放出は、ビアポスト上の誘電体を除去する。
【0044】
図15では、誘電層1214上に半導電層1216が形成される。他の実施形態では、ビア開口を形成する前に半導電層1216が形成され得る。いずれにせよ、半導体1216は、トランジスタのゲートを作り上げるすべての領域を覆わなくてはならない。
【0045】
半導体1216は、ビア領域上を含む、ゲート導体以外の領域に配置されてもされなくてもよい。半導体1216は、表面領域全体を覆ってよい。図16に示すように、ビア1210および1212を開ける上記方法は、該ビアを介し誘電体および半導体を開口するために用いられ得る。
【0046】
一実施形態では、図17に示すように、ソース1222、ドレイン1224を形成する導電ソース/ドレイン層、および、導電領域1220および1226より先に半導体1216を堆積させることにより「トップコンタクト・ボトムゲート」構造が形成される。導電領域1220および1226は、適切な電気接点のためのチップの他の領域に割り当てられる導電相互接続を表わす。ソース1222およびドレイン1224の少なくとも一部は、トランジスタを形成するためにゲート1202と重ならなくてはならない。ソース1222とドレイン1224との間の領域は、トランジスタのチャネル領域であって、ゲートと完全に重なり合う必要がある。
【0047】
図18に示す他の実施形態では、「ボトムコンタクト・トップゲート」構造は、パターン化されたゲート層が定められた後に半導体を堆積させることにより形成される。この構造では、ソース1222とドレイン1224との間の空間がチャネル領域を決定する。チャネル領域は、ゲート1202と完全に重なり合う必要がある。半導体1216は、チャネル領域全体を少なくとも覆う必要がある。あるいは、半導体は、ソース1222、ドレイン1224、および、他のいかなる領域を覆ってもよい。半導電層1216は、パターン化をまったくせずに適用されてもかまわない。この場合、上記ビア開口技術は、誘電体と半導体とを貫通して開口を形成する。
【0048】
これまで上記説明および例示の実施形態において本発明を詳細に記載してきたが、当業者であれば、本発明の趣旨および範囲を逸脱せずに多くの変更がなされ得ることは明らかであろう。したがって、上記構造は、例えば、さまざまな異なるナノ粒子、ポリマーを含んでよく、さまざまな印刷方法が用いられることによりこの結果をなし得ると理解できよう。プロセスは、トップゲート・トップ電極、トップゲート・ボトム電極、ボトムゲート・トップ電極、ボトムゲート・ボトム電極、および、縦型FETなどの構造を含む変形トランジスタ構造ばかりでなく、さまざまな段階における表面処理も含み得る。
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路で使用される有機トランジスタに関し、より詳しくは、1つの導電層と他の導電層とを接続するポリマー誘電体にビアホールを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電界効果トランジスタ(oFET)は、ディスプレイ、電子バーコード、および、センサなど多くの用途に提案されている。様々な用途でoFETが重宝とされるのは、製造コストが安く、回路規模が大きく、有機材料の化学的活性性質による。これらの使途の多くは、フレキソ印刷、グラビア印刷、シルクスクリーン、および、インクジェット印刷などの印刷技術を利用した製造方法に依存する。
【0003】
過去には、印刷されたトップゲート・ボトムゲート構造のトランジスタおよび回路が実証されている。通常、このようなシステムは、フレキシブル基板上の印刷された半導体、誘電体、ゲート導体からなる。
【0004】
図1を参照すると、トップゲート・ボトムコンタクト型MISトランジスタ100の断面図が示されている。トランジスタのソース・ドレインのための2つの導電領域101および102は、絶縁基板112上に堆積されてパターン化される。導電領域101および102間のギャップは、「チャネル」と呼ばれ、図1の103のように示される。半導電層104は、導体領域101および102上に堆積される。この半導体層は、チャネル103と重なっている必要があるが、トランジスタの他の領域内にはあってもなくてもよい。図1では、半導体は除去されている。
【0005】
誘電材料106の薄膜は、半導電層104、および、ソース101/ドレイン102の上に堆積される。誘電体106は、同様に他の領域内に堆積されてもされなくてもよい。そして、誘電体106は、ソースまたはドレインが誘電体の上の導電トレースに接続される領域にはなくてもよい。
【0006】
導電薄膜108が誘電体106の上に堆積されてパターン化されることにより、トランジスタのゲートを形成し、このトランジスタのゲートは、チャネル領域103と完全に重なっている必要がある。この導電層は、トランジスタ間の適切な接続として役立つ他の領域でパターン化されてもよい。この導電層108は、関連する回路設計により特定されるように、ソース/ドレイン層101/102と接続している必要がある。図1の例を参照すると、ソース101は導電層110と接続し、ドレイン102は、導電層111と接続する。回路構成によっては、ソース/ドレイン導電層とゲート層108との間を電気的に接続することも可能であり、その場合、ソース/ドレイン層101/102における金属が必ずしもトランジスタのソースまたはドレインとして用いられる必要はなく、相互接続として用いられてよい。
【0007】
ゲート導電層とソース・ドレイン導電層とを電気的に接続するホール113および114は、「ビア」と呼ばれる。従来技術では、これらのホールは、スタンプまたはシャドーマスクを用いることにより、それらの領域に誘電体を堆積させないことにより生成される。あるいは、ビアを定めるために化学的、物理的、または、反応性イオン手段によってエッチングした後にフォトリソグラフィなどのサブトラクティブ法が用いられてきた。
【0008】
パターニングは、正確な整合を必要とするので、ビアは、誘電体の上下で導体と正確に位置合わせされることにより、良好な電気的接触をなす。また、誘電体の不均一性は、誘電体の上下の導電層の絶縁を不確かなものとし、その結果、電気的接触状態は、好ましくないものとなる。
【0009】
いくつかのケースでは、2つの異なる形状を有するパターンが近接して印刷されると、1つの印刷領域により別の領域の材料が奪われるので、均一性を損なうことになる不均一な材料分布を招く。これらの望ましくない現象は、より小さいパターンを多数印刷することを要求される回路の複雑性が増すことに伴い悪化する。
【0010】
したがって、印刷された有機電界効果トランジスタ回路におけるゲート金属層とソース・ドレイン金属層との間に電気的接触を提供すべく、上記従来技術の制約を回避できる、安価な印刷技術を利用する実用的でスケーラブルなプロセスが望まれる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、誘電ポリマー薄膜内に自己整合ビアを形成してトップ導体とボトム導体との間に電気的接続を提供することができる安価で効率的な製造方法が開示される。
【0012】
プロセスは、第1のパターン化された導電層上に導電ポストを印刷し、次に、パターン化されない誘電体層を堆積し、次に、第2のパターン化された導電層を堆積することにより実現する。
【0013】
一実施形態では、ビアは、誘電体が堆積された後、第2の導電層が堆積される前にポストをフラッシュアニールする間に形成される。このプロセスでは、ポスト材料は、閃光によってアニールされ、その結果、ポストの上の誘電体を除去するエネルギーが放出される。
【0014】
他の実施形態では、ポスト材料は、揮発反応が起きて、ポスト材料のアニール間に誘電体が除去されるよう選ばれる。この場合、ポスト材料は、誘電体の堆積前には硬化されないかまたは部分的にしか硬化されない。
【0015】
さらなる他の実施形態では、これらの導電ポストは、誘電材料を寄せ付けない材料を含むよう選ばれる。本実施形態では、ポスト材料は、誘電体層が堆積する前に硬化されるか、一部硬化されるか、あるいは、硬化されなくてもよく、プロセスは、ポスト材料に対する誘電材料の反発特性を最大化するよう選ばれる。
【0016】
ポスト材料の選択として特に適切なのは、ナノ粒子導電性インクである。誘電材料は、一般的に、ナノ粒子インクの硬化温度でアニールされる。
【0017】
本発明の方法は、ほとんどのポリマー薄膜内にビアホールを形成するために概ね用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は、添付の図面を例にとって示されるが、これに限定されない。同様の参照符号は、同様の構成要素を示す。
【図1】従来技術における絶縁基板、有機ポリマー薄膜、誘電層、ビア、および、導電ゲートを含む有機FETトランジスタの断面図を示す。
【図2−4.9−11】本発明における印刷された有機FET回路内にビアを形成する順次工程段階である。
【図2】ソース・ドレイン導体が定められたソース・ドレイン電極と共に基板上に堆積されることにより、部分的に処理された基板を得る工程段階の断面図である。
【図3】続く、半導体が堆積されてアニールされる工程段階の断面図である。
【図4】続く、ナノ粒子インクが堆積される工程段階の断面図である。
【図5】インクジェット手段によりパターン化されたポストを示す。
【図6】フレキソ印刷によりパターン化されたポストを示す。
【図7】グラビア印刷によりパターン化されたポストを示す。
【図8】スクリーン印刷によりパターン化されたポストを示す。
【図9】続く、誘電インクが堆積される工程段階を示す断面図である。
【図10】続く、サンプルが閃光を浴びる工程段階を示す断面図である。
【図11】続く、ゲート導体が堆積される工程段階を示す断面図である。
【図12−18】続く、本発明におけるボトムゲート型トランジスタを製造する順次工程段階を示す断面図である。
【図12】ゲート層およびビアポストが堆積されたボトムゲート型トランジスタを形成する初期段階を示す。
【図13】続く、誘電体が堆積されるボトムゲート型トランジスタを形成する段階を示す。
【図14】ボトムゲートデバイス内におけるビア開口の形成を示す断面図である。
【図15】トップコンタクト・ボトムゲート型デバイスの形成中における半導体の堆積を示す断面図である。
【図16】トップコンタクトボトムゲート型デバイスにおける半導体を介したビア開口の形成を示す断面図である。
【図17】トップゲート・ボトムゲート型デバイス上へのソース・ドレインの堆積を示す断面図である。
【図18】半導体およびソース・ドレイン層の堆積によるボトムコンタクト・ボトムゲート型デバイスの形成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明におけるビア形成は、図2乃至4および9乃至11におけるトップゲート型有機トランジスタの製造と、図12乃至18におけるボトムゲート型有機トランジスタの製造とに関して記載される。
【0020】
図2を参照すると、ソース導体201およびドレイン導体202は、絶縁基板203上にそれぞれパターン化される。ソース・ドレイン導体の材料は、金属、導電性ポリマー、または、ナノ粒子インクなど、電気を伝導するものなら何でもよい。好適な堆積手段は、固体ソースの昇華および蒸着、あるいは、液体の堆積による。シャドーマスクを通じて、または、関心のパターンを直接堆積することにより、あるいは、堆積の後に不要な材料を取り除くことによりパターン化がなされ得る。基板は、電気的に絶縁していなければならず、可撓性または剛性材料からなる。可撓性基板材料は、PET、PEN、カプトン、マイラ、および、紙を含む。剛性材料は、シリコン、二酸化ケイ素、サファイヤ、あるいは、他の絶縁材料を含む。
【0021】
図3を参照すると、半導体204は、ソース201およびドレイン202と、基板203との間に堆積される。半導体は、回路の他の領域に適用されてもよいが、ソース201とドレイン202と間のチャネル領域内には少なくとも存在すべきである。半導体材料は、半導体特性を示すものなら何でもよく、ポリチオフェン、ペンタセンなどの有機化合物、および、シリコンなどの無機材料を含む。他の実施形態では、半導体は、ソース・ドレインの上部を一部または完全に覆う。さらに他の実施形態では、半導体は、まったくパターン化されず、回路全体を覆う層として堆積される。
【0022】
図4を参照すると、導電ポスト205および206は、ソース201およびドレイン202の上に堆積される。ポスト205および206は、ソース・ドレイン上に配置され、この場合、回路設計上、次の導電層との電気的接続が必要である。ただし、すべてのソース・ドレインがこのような接続を必要とするわけではない。このような接続は、導電トレース上に形成されることもできるが、必ずしもトランジスタのソースまたはドレインとして用いられるわけではない。
【0023】
導電ポスト205および206は、どんな材料で形成されてもよいが、好ましくは、次に堆積される誘電材料と適切に作用し合うように選ばれる。一実施形態では、ポスト材料は、アニールプロセスの間に十分なエネルギーが放出されることで「フラッシュアニール」されるよう選ばれる。このポスト材料は、この段階で部分的に硬化されても、あるいは、まったく硬化されなくてもよい。最終的なアニールプロセスは、誘電体が堆積された後に完了する。
【0024】
一実施形態では、ポストは、図5に示されるようなインクジェットプリンタにより堆積される。インク530の1つ以上の液滴は、強誘電面の収縮を含むメカニズムによるチャンバ534の物理的圧縮により、ノズル532を介し排出される。あるいは、インクは、熱手段によりチャンバ534またはノズル532内で膨張し得る。粘度および表面張力などのインクの特性は、堆積表面上に適切な構造を形成するよう選ばれる。
【0025】
他の実施形態では、ポストは、図6に示されるようなフレキソ印刷手段により堆積される。フレキソ版630上にポスト632の隆起したパターンが形成される。隆起した表面632は、インク634で覆われ、ポストが印刷されるべき領域と接触した状態で整合配置され、それによって、インク634がソース201およびドレイン202へと移動する。印刷プレートは、平坦であるか、または、ローラ上に配置されてよく、その場合、基板が連続的に送られ、回転してローラの下にいくことにより、ロール・ツー・ロールプリント方式のフレキソ印刷プラットフォームとなる。
【0026】
他の実施形態では、ポストは、図7に示されるようなグラビア印刷手段によって堆積される。セル732および734とも呼ばれるキャビティは、グラビア版730上に形成される。プレートは、インクに浸された後に、拭われることにより、セル732および734内にインクが残る。そしてプレートは、ポストが印刷される領域、および、ソース201、ドレイン202と接触するよう配置される。その後、インクは、ソース201およびドレイン202の表面へと移動する。グラビア版は平坦であってよく、あるいは、ローラ上に装着されてもよく、その場合、基板が連続的に送られ、回転してローラの下にいくことにより、ロール・ツー・ロール方式のグラビアプリントプロセスとなる。
【0027】
さらなる他の実施形態では、ポストは、図8に示すようなシルクスクリーン手段により堆積される。ポストが印刷されるべき場所は、ワイヤまたはナイロンメッシュシート830内に開口を有するようになる。スクリーンは、開口832および834と、予想されるプリント位置、ソース201、および、ドレイン202とが整合するよう、印刷されるべき表面と接触状態に置かれる。その後、インクは、スクリーン上面に配置され、開口を介し、スキージによってスクリーンプレート830の上面に押し付けられる。スクリーンもローラに装着されてよく、回転スクリーン印刷法が利用される。回転スクリーン印刷法により、基板が連続して送られて印刷され、ロール・ツー・ロール方式のスクリーン印刷プロセスとなる。
【0028】
他の実施形態では、アニールの間に揮発反応を起こすポスト材料が選ばれる。ポスト材料は、この段階で一部硬化されてもよいし、まったく硬化されなくてもよい。これは、所定の温度Tより高い温度で揮発する傾向にある熱揮発性ポリマーをポスト材料として利用することによりなし得る。この温度は、誘電体が堆積した後の最終的なアニールプロセスの間に得られる。
【0029】
さらなる他の実施形態では、誘電材料を寄せ付けないポスト材料が選ばれる。この場合、ポスト材料は、この段階で硬化されても、または、部分的に硬化されても、あるいは、まったく硬化されなくてもよい。ポスト材料に対する誘電体の反発特性を最大化するのに適したプロセスが選ばれる。
【0030】
さらなる他の実施形態では、誘電体と反対の極性を有する異なる犠牲ポリマーがポスト材料上のビア位置に堆積される。このような場合、犠牲ポリマーは、誘電体にビアを脱湿させ、自己整合させる。その結果、ビアは、犠牲ポリマーが除去された後、堆積されたゲート金属によって満たされることができる。
【0031】
図9を参照すると、誘電インク207が堆積される。誘電体は、ポスト205および206だけでなく、半導体204、および、ソース201・ドレイン202領域も覆う。これは、パターン化された誘電体を堆積するか、または、表面全体をパターン化しない誘電体でコーティングすることによりなされ得る。一実施形態では、誘電体は、ポスト205および206の上部を覆う。
【0032】
他の実施形態では、誘電体の高さは、ポスト205および206より低いので、ポストの上部は露出したままになる。一実施形態では、ポスト材料は、誘電体を寄せ付けず、ポスト材料の上部には誘電材料がない状態になる。これは、誘電液が疎水性の場合はポスト材料が親水性であるか、または、誘電液が親水性の場合はポスト材料が疎水性である場合に起こり得る。この湿潤性の違いにより、誘電体は、ナノ粒子インクと接触する場所から遠ざかるかまたは脱湿され、それによって、ビアの自己整合がなされ得る。
【0033】
図10を参照すると、誘電体の表面は、露光され、それによってポスト材料は「フラッシュアニール」を経て硬化される。本実施形態では、プロセスは、ポスト205および206の上に残った誘電体208および209を取り除くことができるエネルギーを放ち、それによって、ポスト上部が露出する。あるいは、閃光の放射が基板材料を通過できる場合、このフラッシュアニールは基板の下部を介しなされる。
【0034】
他の実施形態では、ポスト材料は、熱的にアニールされるか、または、高速熱アニールを受けることにより、誘電材料は、揮発反応を経てポスト上部から除去される。
【0035】
さらなる他の実施形態では、ポスト材料は、誘電材料を寄せ付けないので、ポスト上部は、誘電体がないままである。ポスト材料がそれ以前に完全にアニールされなかった場合、アニールプロセスは、この段階で完了されてよい。
【0036】
さらなる他の実施形態では、ポスト材料に対し実行されるアニールは、誘電材料に対するアニールとすることもできる。
【0037】
図11を参照すると、ゲート導体210が堆積され、パターン化され、アニールされることにより、回路の製造は完了する。トランジスタのゲートを形成するには、導電層210は、ソース201とドレイン202との間のチャネル領域を覆う必要がある。導電層210は、他のトランジスタのゲートに対応するようパターン化されるか、または、導電相互接続として用いられるか、あるいは、目的に応じて層の上に導電手段を提供すべく用いられてよい。
【0038】
ゲート導体は、金属、導電性ナノ粒子、または、導電性ポリマーを含むいかなる導電材料も含む。パターニングは、グラビア、インクジェット、フレキソ、または、シルクスクリーンなどの印刷技術を用い、溶液またはインクを堆積してパターン化することによっても実現する。あるいは、ゲート金属は、堆積の間にシャドーマスクを用いるか、または、その後にフォトレジストプロセスにより不要な材料を除去することによりパターン化され得る。
【0039】
上記方法によりすでに除去されているので、ポスト205および206の上の領域208および209の上には、誘電体も半導体も存在しない。したがって、導電層210がポスト205または206と接する場合、それらの間の材料を通じて第1のソース/ドレイン導電層と第2のゲート層導体との間は電気的に接触する。ソース/ドレイン導電層の主な目的は、トランジスタのソース/ドレインを定めることであり、ゲート導電層の主な目的は、ゲート層を定めることであり、いずれの層もコンデンサ、抵抗器、インダクタの形成、あるいは、相互接続など、目的に応じて金属をパターン化できる。
【0040】
本発明における同じビア形成方法は、図12に示されるようなボトムゲート構造においても用いられることができる。ゲート導体102と、導電領域1204および1206とを含むパターン化された導電層が基板1201上に形成される。このパターンは、基板1201上に流動導体を直接堆積させることにより、または、シャドーマスクを介し導電固体を蒸着させることにより、あるいは、基板全体を導電層でまず覆った後に選択的に取り除くことにより得ることができる。導電ゲート材料は、金属、導電性ポリマー、または、ナノ粒子金属インク溶液を含むどんな導電性基板であってもよい。
【0041】
その後、上記と同じ方法のいずれかを用いて表面1204および1206上にポストが堆積されることにより、ビア1210および1212が形成される。
【0042】
図13を参照すると、ビア1210および1212にわたり誘電体1214が堆積される。誘電体1214は、図13に示されるように領域全体を覆ってよい。あるいは、誘電体1214は、少なくともゲート層上のすべての導電領域が覆われるパターンで堆積されてもよい。導電領域間の範囲も覆われてよく、あるいは、必要に応じて覆われないままであってもよい。
【0043】
図14に示すように、上記のような方法によるフラッシュアニール、または、熱アニールによりビア金属開口が形成される。アニールにおけるエネルギー放出は、ビアポスト上の誘電体を除去する。
【0044】
図15では、誘電層1214上に半導電層1216が形成される。他の実施形態では、ビア開口を形成する前に半導電層1216が形成され得る。いずれにせよ、半導体1216は、トランジスタのゲートを作り上げるすべての領域を覆わなくてはならない。
【0045】
半導体1216は、ビア領域上を含む、ゲート導体以外の領域に配置されてもされなくてもよい。半導体1216は、表面領域全体を覆ってよい。図16に示すように、ビア1210および1212を開ける上記方法は、該ビアを介し誘電体および半導体を開口するために用いられ得る。
【0046】
一実施形態では、図17に示すように、ソース1222、ドレイン1224を形成する導電ソース/ドレイン層、および、導電領域1220および1226より先に半導体1216を堆積させることにより「トップコンタクト・ボトムゲート」構造が形成される。導電領域1220および1226は、適切な電気接点のためのチップの他の領域に割り当てられる導電相互接続を表わす。ソース1222およびドレイン1224の少なくとも一部は、トランジスタを形成するためにゲート1202と重ならなくてはならない。ソース1222とドレイン1224との間の領域は、トランジスタのチャネル領域であって、ゲートと完全に重なり合う必要がある。
【0047】
図18に示す他の実施形態では、「ボトムコンタクト・トップゲート」構造は、パターン化されたゲート層が定められた後に半導体を堆積させることにより形成される。この構造では、ソース1222とドレイン1224との間の空間がチャネル領域を決定する。チャネル領域は、ゲート1202と完全に重なり合う必要がある。半導体1216は、チャネル領域全体を少なくとも覆う必要がある。あるいは、半導体は、ソース1222、ドレイン1224、および、他のいかなる領域を覆ってもよい。半導電層1216は、パターン化をまったくせずに適用されてもかまわない。この場合、上記ビア開口技術は、誘電体と半導体とを貫通して開口を形成する。
【0048】
これまで上記説明および例示の実施形態において本発明を詳細に記載してきたが、当業者であれば、本発明の趣旨および範囲を逸脱せずに多くの変更がなされ得ることは明らかであろう。したがって、上記構造は、例えば、さまざまな異なるナノ粒子、ポリマーを含んでよく、さまざまな印刷方法が用いられることによりこの結果をなし得ると理解できよう。プロセスは、トップゲート・トップ電極、トップゲート・ボトム電極、ボトムゲート・トップ電極、ボトムゲート・ボトム電極、および、縦型FETなどの構造を含む変形トランジスタ構造ばかりでなく、さまざまな段階における表面処理も含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電層内に自己整合ビアを形成する方法であって、各ビア位置にポストを形成することにより、前記誘電層上の第1の導電層と、前記誘電層下の第2の導電層との間に電気接点を提供することを含む方法。
【請求項2】
トップゲート型有機トランジスタを作製することをさらに含み、前記第1の導電層は、前記トランジスタのソース/ドレインとして用いられ、前記第2の導電層は、前記トランジスタのゲートとして用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ボトムゲート型有機トランジスタを作製することをさらに含み、前記第1の導電層は、前記トランジスタの前記ゲートとして用いられ、前記第2の導電層は、前記トランジスタの前記ソース/ドレインとして用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記誘電層は、パターン化せずに堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポストの材料は、印刷手段により配置される流体である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ポストの材料は、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、または、スクリーン印刷により配置される流体である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記誘電体は、前記ポストの上部を覆う、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記誘電体の高さは、前記ポストより低い、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の導電層が堆積される前に、前記ポストの材料をフラッシュアニールすることにより前記ポストの上の誘電材料を除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の導電層が堆積される前に、前記ポストの材料を熱アニールすることにより前記ポストの上の前記誘電材料を除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ポストの上の疎水性誘電材料を、親水性ポスト材料を用いて除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ポストの上の親水性誘電材料を、疎水性ポスト材料を用いて除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
各ポストを犠牲ポリマーで覆うことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の導電層は、第1の金属層を含み、前記第2の導電層は、第2の金属層を含み、各ポストは、インクポストを含み、各ビア位置にポストを形成することにより、前記誘電層上の第1の導電層と、前記誘電層下の第2の導電層との間に電気接点を設けることは、
前記第1の金属層を基板上に堆積させることと、
前記第1の金属層上に複数の前記インクポストを形成することと、
前記複数のインクポスト上に前記誘電層を形成することと、
前記複数のインクポストの上面を露出させるよう前記誘電層をアニールすることと、
前記誘電層上に前記第2の金属層を堆積させることにより、前記アニールされた複数のインクポストビアを介し前記第2の金属層から前記第1の金属層に至る導電経路を提供することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項1】
誘電層内に自己整合ビアを形成する方法であって、各ビア位置にポストを形成することにより、前記誘電層上の第1の導電層と、前記誘電層下の第2の導電層との間に電気接点を提供することを含む方法。
【請求項2】
トップゲート型有機トランジスタを作製することをさらに含み、前記第1の導電層は、前記トランジスタのソース/ドレインとして用いられ、前記第2の導電層は、前記トランジスタのゲートとして用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ボトムゲート型有機トランジスタを作製することをさらに含み、前記第1の導電層は、前記トランジスタの前記ゲートとして用いられ、前記第2の導電層は、前記トランジスタの前記ソース/ドレインとして用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記誘電層は、パターン化せずに堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポストの材料は、印刷手段により配置される流体である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ポストの材料は、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、または、スクリーン印刷により配置される流体である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記誘電体は、前記ポストの上部を覆う、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記誘電体の高さは、前記ポストより低い、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の導電層が堆積される前に、前記ポストの材料をフラッシュアニールすることにより前記ポストの上の誘電材料を除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の導電層が堆積される前に、前記ポストの材料を熱アニールすることにより前記ポストの上の前記誘電材料を除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ポストの上の疎水性誘電材料を、親水性ポスト材料を用いて除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ポストの上の親水性誘電材料を、疎水性ポスト材料を用いて除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
各ポストを犠牲ポリマーで覆うことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の導電層は、第1の金属層を含み、前記第2の導電層は、第2の金属層を含み、各ポストは、インクポストを含み、各ビア位置にポストを形成することにより、前記誘電層上の第1の導電層と、前記誘電層下の第2の導電層との間に電気接点を設けることは、
前記第1の金属層を基板上に堆積させることと、
前記第1の金属層上に複数の前記インクポストを形成することと、
前記複数のインクポスト上に前記誘電層を形成することと、
前記複数のインクポストの上面を露出させるよう前記誘電層をアニールすることと、
前記誘電層上に前記第2の金属層を堆積させることにより、前記アニールされた複数のインクポストビアを介し前記第2の金属層から前記第1の金属層に至る導電経路を提供することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−156543(P2012−156543A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−89162(P2012−89162)
【出願日】平成24年4月10日(2012.4.10)
【分割の表示】特願2008−117116(P2008−117116)の分割
【原出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(512036111)タップ デベロップメント リミテッド ライアビリティ カンパニー (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−89162(P2012−89162)
【出願日】平成24年4月10日(2012.4.10)
【分割の表示】特願2008−117116(P2008−117116)の分割
【原出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(512036111)タップ デベロップメント リミテッド ライアビリティ カンパニー (2)
【Fターム(参考)】
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