説明

マイクロダイヤフラムポンプ

【課題】外形寸法が極めて小さく、生産性が良く、流量制御精度が高く、動作が円滑であり、吸引力と吐出力が大きく、信頼性が高いマイクロダイヤフラムポンプを提供する。
【解決手段】吸入弁26および吐出弁28の一方の弁板14と他方の弁の流路となる流路開口16とが形成され、互いに逆向きに積層された二枚の弁板シート12と、この積層体に積層され弁座20および弁ストッパ22とが形成された二枚の弁座シート18と、ベース板32と、枠体34と、ダイヤフラム36と、駆動素子42と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、弁板や弁座やダイヤフラムなどのパターンを形成した複数の金属薄板を積層し、接合することにより形成するマイクロダイヤフラムポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年家庭用(戸建て住宅用)の分散型エネルギープラントとして燃料電池システムの普及と商業化が期待されている。この種の燃料電池では、燃料ガスや液体燃料、改質器に供給する水、改質器でできた水素などを燃料電池自体に供給するためのポンプが必要になる。また燃料から必要な水素(H2)を取り出す改質時に一酸化炭素(CO)が生成されるが、この一酸化炭素は電池触媒の性能に悪影響を及ぼすため、一酸化炭素濃度低減のため選択酸化用空気の流量制御も同時に求められる。さらに分析装置や医療関連(投薬、臨床試験など)では、気体や液体の微少量の供給が必要になる。さらに、電子機器の性能向上にに伴って発生する熱を放出し冷却するためのポンプも必要になる。
【0003】
従来よりこのような用途に用いるマイクロポンプが種々提案されている。特許文献1には、金属製のアウトブッシュ(第1円柱部13)とインブッシュ(第2円柱部16)との間に弁体(10)を挟んだ流入用および流出用のバルブ(6,7)を、ポンプボデーに設けた平坦な圧力室2に直交するように配置したマイクロポンプ1が開示されている。ここに圧力室2を形成するダイヤフラム8は2つのバルブ6,7の流入口と流出口を覆うように配置されている。
【0004】
特許文献2〜5には、吸入弁と吐出弁との間に圧力室(ダイヤフラム室)を設け、この圧力室を画成するダイヤフラムに貼り付けたピエゾ素子により圧力室の圧力を変化させて流体を吐出するポンプが示されている。すなわちダイヤフラムは吸入弁および吐出弁を覆う(両弁の一側面に接する)ようになっていないものである。またシリコン基板を一部に用いるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−236284号公報
【特許文献2】特開2006−161779号公報
【特許文献3】特開平6−93972号公報
【特許文献4】特開平5−1669号公報
【特許文献5】特開平10−299659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたものは、吸入弁と吐出弁が金属製の2つの円柱部材を同軸に嵌合して組み合わせるものであるから、ダイヤフラムに直交する方向(吸入弁と吐出弁の流路方向)の寸法が大きくなり、小型化が困難である。また円柱部材の加工と組み立てに多くの工数を必要とし、生産性が悪いという問題がある。さらに圧力室と各弁の弁体との間に比較的長い流体流路が必要になり、この流路が実質的に圧力室の一部となるが、この流路は容積が変化せず流体が滞留する部分(不要容積)であるから流体の流量制御精度が低下する。
【0007】
特許文献2〜5のものは、いずれも圧力室を形成するダイヤフラムが、流入弁と吐出弁の間に限定され、ダイヤフラムの面積が小さくなる。このためダイヤフラムの振動による圧力室の容積変化が小さくなり、流体の吸入/吐出の動作を円滑にするのが困難で、ダイヤフラムのストロークごとの吐出量の管理が不正確になるという問題がある。このため圧縮性の気体などには使用するのが困難または不可能である。さらにダイヤフラムの面積が小さいので流体の吸引力と吐出力を大きくするのが困難である、という問題もある。さらにまたここで用いるシリコン基板は比較的高価である、という問題もある。
【0008】
この発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、外形寸法を極めて小さくすることができ、生産性が良く、流体の流量制御精度が向上し、流体の吸入/吐出の動作を円滑にし、吸引力と吐出力を大きくすることができ、使用する材料がシリコン基板に制約されることなく材料の選定自由度が大きくなり、信頼性の高いマイクロダイヤフラムポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明によれば第1の目的は、吸入弁および吐出弁の一側に接するダイヤフラム室を有するマイクロダイヤフラムポンプであって、前記吸入弁および吐出弁の一方の弁板と他方の弁の流路となる流路開口とが形成され、互いに弁板と流路開口とが対向する向きに積層された二枚の弁板シートと、この積層体の両面に積層され前記一方の弁板シートの弁板に対向する弁座および他方の弁板シートの弁板に対向する弁ストッパとが形成された二枚の弁座シートと、一方の弁座シートに重ねられ前記吸入弁および吐出弁にそれぞれ連通する2つの流路を有するベース板と、他方の弁座シートの周縁に重ねられ前記吸入弁および吐出弁を囲む枠体と、この枠体に重ねられこの枠体を重ねた弁座シートとの間にダイヤフラム室を形成するダイヤフラムと、このダイヤフラムに保持した駆動素子と、を備えることを特徴とするマイクロダイヤフラムポンプ、により達成される。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、ダイヤフラムの面積を吸入弁と吐出弁の外側まで拡げることにより拡大できるから、ダイヤフラム室の容積変化を大きくして、流体の吸入/吐出の動作を円滑にできる。また吸入弁と吐出弁とは二枚の弁板シートを重ねその両外側にそれぞれ弁座シートを重ねることにより形成するから全体を極めて薄くすることができポンプの小型化が可能である。弁板シートと弁座シートとベース板と枠体とダイヤフラムを積層して接合(多層化接合)し、ダイヤフラムに外側から駆動素子を取り付ければよいので、生産性が良く大幅なコストダウンが可能である。
【0011】
ここに弁板シートと弁座シートは、吸入弁を構成する二枚の組合わせと吐出弁を構成する二枚の組合わせとを同一形状とすれば、これらを逆向きにして重ねることができるので、この場合には生産性がさらに向上する。特に複数のポンプに対応する弁板シート、弁座シート、ベース板、枠体、ダイヤフラムをそれぞれ形成したシート状の部材を準備して、これらを積層し接合することによって多数のポンプを同時に形成し、その後この積層体をカットして個々のポンプに分割することも可能であり、この場合は生産性がさらに向上する。
【0012】
ダイヤフラム室(圧力室)とそれぞれの弁とは一方の弁座シートを介して接することになるから、ダイヤフラム室とそれぞれの弁とをつなぐ流体流路は極めて短くなり、ダイヤフラムの流体吐出時のダイヤフラム室容積を十分に小さくできる。すなわち(最大容積/不要容積)の比を極めて大きくできる。このため吸入/吐出動作をダイヤフラムのストロークごとに確実に行わせることができ流体の吐出量(流量)の管理が正確になる。またダイヤフラム面積が大きいから、流体の吸引/吐出力を大きくでき、非圧縮性の流体(液体など)に限らず圧縮性の流体(気体など)にも使用可能になる可能性が有る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例であるマイクロダイヤフラムポンプの斜視図
【図2】同じく分解斜視図
【図3】同じく拡大側断面図
【図4】同じく一部の拡大分解斜視図
【図5】同じくベース板の弁板と流路開口の平面図
【図6】同じく弁座シートの弁座と弁ストッパの平面図
【図7】図6におけるVII−VII線拡大断面図
【図8】図5のVIII−VIII線で断面した弁の側断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
二枚の弁板シートと、二枚の弁座シートは、ステンレス鋼などの金属薄板で形成し、これらを多層化接合すれば、比較的高価なシリコン基板を使用する必要がなくなる(請求項2)。使用する金属は流体に対して腐食しないものを選定するのがよい。またステンレス薄板を多層積層し接合するためには、ステンレス鋼に対して濡れ性やはんだ付け強度などの点からSn(スズ)濃度の高いはんだや、Sn−Agなどの銀合金のはんだメッキを用いたり、接着剤や、金属の拡散接合など、種々の方法が使用可能である。
【0015】
弁板は、弁板シートに形成した弁板開口の内縁から内径側に伸びる支持腕に保持した構造とし、弁板シートに形成した流路開口およびベース板に形成した吐出弁の流路となる流路開口の開口径は、前記弁板開口の内径に等しく(ほぼ等しい、あるいは実質的に等しいものを含む)するのがよい(請求項3)。弁板シートや弁座シートなどを多層接合する場合に積層して加圧する必要があるが、この時に弁板やその支持腕に加圧力が加わらず、これらが他のシートに接合されるのを防ぐことができる。
【0016】
弁板シート、弁座シートはエッチング、プレス打ち抜き加工など種々の方法で加工できる(請求項4)。特にこれらのシートに多数のポンプの弁板、流路開口、弁座シート、弁ストッパなどの加工を行い、多数のポンプを同時に製作する場合には、能率良くこれらのシートを製作できる。
【0017】
枠体とダイヤフラムは金属薄板とし、これらを請求項2で形成した積層体(予備積層体)の一側面に積層し、この積層体の他側面にベース板をそれぞれ積層して接合することによりポンプを形成することができる(請求項5)。このように弁板シートと弁座シートの積層と、枠体、ダイヤフラム、ベース板の積層とに2回の接合に分けることにより、組み立て精度の向上と製作能率の向上が図れる。
【0018】
二枚の弁座シートに形成する弁座には、弁板が接触する環状の突条を形成しておくのがよい(請求項6)。この突条の加工には、弁座となる部分を残してその周囲をハーフエッチングで僅かに彫り込むことにより形成することができるが、他の方法で形成しても良い。この場合には、弁板の突条に対する接触圧が増大し、シール性能が向上する。すなわち弁としての密閉性が向上する。
【0019】
この場合環状の突条にはDLC(Diamond−Like Coating)の皮膜を形成しておくのがよい(請求項7)。DLCは分子構造が潤滑性が良いカーボン構造と、硬度が高いダイヤモンド構造とを含み、両者の長所を有するものである。従って突条の硬化と平滑化が可能になり、耐摩耗性と耐久性が向上すると共に、シール性が向上する。このように突条にDLC加工をした場合には、DLCの硬度が高いことを利用して弁板をこの突条にスタンピング(押圧)することによって、弁板と弁座の密着性を一層向上させることができる(請求項8)。このスタンピングを可能にするためには、弁ストッパにスタンピング加工用の加工具(パンチなど)を通す開口を形成しておく(請求項9)。すなわち弁ストッパは、弁座となる突条に対向する(従って弁板に対向する)環状部とこの環状部の周囲に周方向に分割した流路を設け、この環状部にスタンピング工具を挿通すればよい。
【0020】
ダイヤフラムに保持する駆動素子は、ピエゾ素子が適する(請求項10)。例えばジルコン・チタン酸鉛(PZT)を含みPZTと総称される圧電性材料の焼結体を用い、これをダイヤフラムに貼着し、電界印加によって分極させたものを使用することができる。ダイヤフラムには、この駆動素子を囲む第2の枠体を固着しておけば、この第2の枠体の内側に駆動素子やダイヤフラムの可動域(可動空間)を確保でき、このポンプを基板などに実装した場合に、隣接する部品が接触してポンプ動作の障害になることがない。
【実施例1】
【0021】
図1〜4において、符号10は本発明に係るマイクロダイヤフラムポンプである。このポンプ10は、複数のステンレスの金属薄板と枠体とを多層化接合、すなわち金属薄板などを位置合わせして積層し、接合したものであり、一辺が約7〜10mmの四角形である。12は弁板シートであり、図5に示すように、厚さ0.01mm(10ミクロン)のステンレス薄板に弁板14と流路開口16とをエッチングやプレス打ち抜きにより形成したものである。ここに弁板14は、流路開口16とほぼ同径の弁板開口14aから内径側に折曲しながら伸びる支持腕14bに保持されている。
【0022】
のステンレス薄板に、弁座20と弁ストッパ22とをエッチングやプレス打ち抜きにより形成したものである。弁座20は、流路となる円形の開口20aと、この周縁に沿う環状の突条20bとを有する。この突条20bは、図7に示すように、突条20bを残してその回りをハーフエッチングする(所定の深さまでエッチングによって除去する)ことにより僅かにへこませることで形成できる。図7で20cはこのハーフエッチングする範囲を示す。ハーフエッチングするのは、開口20aの中心から流路開口16とほぼ同径の範囲である。
【0023】
弁ストッパ22は、この突条20bより幅が広い環状部22aと、この環状部22aの周囲に周方向に分割された3つの流路22bとを有する。この環状部22aは、後記するようにポンプ10を組み立てた状態で弁板14を介して弁座20の突条20bに対向するものである。また環状部22aの円形の開口部22cは、後記するようにスタンピング工具を通す必要から、突条20bよりも僅かに径が大きい。
【0024】
このように加工された弁板シート12と弁座シート18とは二枚ずつ準備され、弁板シート12,12を図2〜4に示すように重ね、その両側に弁座シート18,18を重ねて多層化接合する。例えば拡散接合(真空中で加熱・加圧して接合)する。なおこの時弁板シート12,12は、図2,4から明らかなように、左右を逆にして(180度回転して)または裏返して重ねる。このため弁板シート12の弁板14と流路開口16は、弁板シート12の左右を逆にしたり裏返した時に弁座シート18の弁座20,弁ストッパ22と同心に重なる位置に形成する。この結果この積層体(予備積層体)24には、図3に示す吸入弁26と吐出弁28とが形成される。
【0025】
前記突条20bにはDLCの皮膜を形成しておく。このDLCは例えば真空蒸着、スパッタリングなどの物理的方法(PVD)、プラズマCVDなどの化学的方法(気相成長法)により形成することができる。この時、突条20b以外の領域には被膜形成を防ぐためのマスキングをしておく。またハーフエッチング20cを行う時にはこの突条20bなどのエッチングをしない領域にエッチングを防ぐためのマスキングをしておく。
【0026】
この予備積層体24には図4に示すように、上方から吸入弁26の弁ストッパ22に設けた開口部22cに円環状プレス面を持つスタンピング工具(ポンチなど)30の先端をを通して、弁板14をその下の弁座20の突条20bに押圧する(スタンピングする)。同様に下方から吐出弁18の弁ストッパ22に設けた開口部22cにスタンピング工具30の先端を通し、弁板14をその上の弁座20の突条20bに押圧する。この結果弁板14と突条20bとのなじみが向上し、閉弁時のシール性を向上させることができる。
【0027】
図2〜4で、符号32はベース板である。このベース板32は、例えば厚さ0.5mmのステンレス板であって、吸入弁26の弁座20(開口20a)に対向する流路32aと、吐出弁28の弁ストッパ22(流路22b)に対向する流路32bとが形成されている。これらの流路32a、32bは予備積層体24の下面に積層される。
【0028】
34は枠体であり、ベース板30と外形が同じで、厚さが0.02mmのステンレス薄板に外周縁から所定幅内側の四角形の開口部32aを打ち抜いたものである。この開口部32は吸入弁26と吐出弁28の周囲を囲んでいる。36はダイヤフラムであり、厚さ0.05mmのステンレス薄板である。これもベース板32と外形が同じである。38は第2の枠体であり、厚さ0.04mmのステンレス薄板である。この第2の枠体38は外形がベース板32と同一である。
【0029】
前記予備積層体24には、下面にベース板32が、上面に枠体34とダイヤフラム36と第2の枠体38とが順次重ねられ、加圧しながら多層化接合される。例えば拡散接合される。この結果ダイヤフラム36とこれに対向する上方の弁座シート18との間にダイヤフラム室(圧力室)40が形成される。
【0030】
以上のようにして多数の金属薄板の多層化接合がなされると、次に第2の枠体38の右方からダイヤフラム36にシート状のPZT42が貼着される。このPZT42は分極前のものであればこれを電界中に入れて分極する。このPZT42の電極に接続される配線は上方に導かれて、図示しない駆動回路に接続される。
【0031】
この実施例は、ベース板32の流路32a、32bをそれぞれ流体の供給路と吐出路(共に図示せず)に接続し、PZT42の駆動回路を作動させて用いる。PZT42の作動によってダイヤフラム36が上下に振動し、この振動によってダイヤフラム室40の容積が変化する。この振動によってダイヤフラム室40が負圧になる時には吸入弁26の弁板14が弁座20から離れて吸入弁26が開き、吐出弁28の弁板14は弁座20に当たって吐出弁28が閉じる。この結果吸入弁26から新しく流体が吸入される。ダイヤフラム36がダイヤフラム室40を加圧する時には、吸入弁26が閉じ、吐出弁28が開き、流体はダイヤフラム室40から吐出弁28を通して吐出される。
【符号の説明】
【0032】
10 マイクロダイヤフラムポンプ
12 弁板シート
14 弁板
14a 弁板開口
14b 支持腕
16 流路開口
18 弁座シート
20 弁座
20a 開口
20b 突条
20c ハーフエッチング範囲
22 弁ストッパ
22a 環状部
22b 流路
22c 開口
24 予備積層体
26 吸入弁
28 吐出弁
30 スタンピング工具
32 ベース板
34 枠体
36 ダイヤフラム
38 第2の枠体
40 ダイヤフラム室
42 駆動素子(ピエゾ素子、PZT)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入弁および吐出弁の一側に接するダイヤフラム室を有するマイクロダイヤフラムポンプであって、
前記吸入弁および吐出弁の一方の弁板と他方の弁の流路となる流路開口とが形成され、互いに弁板と流路開口とが対向する向きに積層された二枚の弁板シートと、
この積層体の両面に積層され前記一方の弁板シートの弁板に対向する弁座および他方の弁板シートの弁板に対向する弁ストッパとが形成された二枚の弁座シートと、
一方の弁座シートに重ねられ前記吸入弁および吐出弁にそれぞれ連通する2つの流路を有するベース板と、
他方の弁座シートの周縁に重ねられ前記吸入弁および吐出弁を囲む枠体と、
この枠体に重ねられこの枠体を重ねた弁座シートとの間にダイヤフラム室を形成するダイヤフラムと、
このダイヤフラムに保持した駆動素子と、
を備えることを特徴とするマイクロダイヤフラムポンプ。
【請求項2】
二枚の弁板シートと、二枚の弁座シートとは、金属薄板で形成され、これらは二枚の弁板シートを二枚の弁座シートで挟んで多層化接合されている請求項1のマイクロダイヤフラムポンプ。
【請求項3】
弁板は、弁板シートに形成した弁板開口の内縁から内径側に伸びる支持腕に保持され、弁板シートに形成した流路開口およびベース板に形成した吐出弁の流路となる流路開口の開口径は、前記弁板開口の内径に等しい請求項1のマイクロダイヤフラムポンプ。
【請求項4】
弁板シートの弁板および流路開口と、弁座シートの弁座および弁ストッパとはエッチング、プレス打ち抜き加工のいずれかで加工されている請求項1のマイクロダイヤフラムポンプ。
【請求項5】
枠体とダイヤフラムは金属薄板であり、これらは請求項2で形成された積層体の一側面に積層され、この積層体の他側面にベース板をそれぞれ積層して多層化接合されている請求項2のマイクロダイヤフラムポンプ。
【請求項6】
二枚の弁座シートに形成する弁座には、弁板に対向する環状の突条が形成され、弁板との密閉性を向上させている請求項1のマイクロダイヤフラムポンプ。
【請求項7】
二枚の弁座シートに形成した環状の突条にはDLCが成膜されて突条の硬化、平滑化処理が施されている請求項6のマイクロダイヤフラムポンプ。
【請求項8】
二枚の弁板シートの弁板には、弁座シートの環状の突条に押圧して突条との密着性を向上させるスタンピング加工が施されている請求項7のマイクロダイヤフラムポンプ。
【請求項9】
弁座シートの弁ストッパは、他の弁座シートの弁座に形成した突条に対向する環状部と、この環状部の周囲に周方向に分割された流路とを備え、前記環状部にスタンピング加工具を挿通可能とした請求項8のマイクロダイヤフラムポンプ。
【請求項10】
駆動素子はダイヤフラムに貼着したピエゾ素子である請求項1のマイクロダイヤフラムポンプ。
【請求項11】
ダイヤフラムには、ピエゾ素子を囲む第2の枠体が固着されている請求項10のマイクロダイヤフラムポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−256741(P2011−256741A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130304(P2010−130304)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(591117413)株式会社菊池製作所 (33)
【Fターム(参考)】