説明

マイクロナノバブル含有液体製造方法、マイクロナノバブル含有液体製造装置、およびマイクロナノバブル含有液体応用装置

【課題】サイズ分布が幅広い各種のマイクロナノバブルを多量により経済的に作製できるマイクロナノバブル含有液体製造装置とマイクロナノバブル含有液体応用装置を提供する。
【解決手段】このマイクロナノバブル含有液体応用装置によれば、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8と旋回流型マイクロナノバブル発生機20でもって、サイズ分布の幅広いマイクロナノバブルを発生できる。また、泡レベル計(14A〜14C)とレベル調節計10によって、マイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ24を制御して、液面からの泡のレベルに応じて、マイクロナノバブル発生助剤の供給量を制御する。また、濁度計32と調節計34によって、マイクロナノバブル発生槽1内の液体の濁度に応じて、マイクロナノバブル発生助剤の供給量を制御すると共に、液体の濁度に応じて、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8に供給する空気量を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マイクロナノバブル含有液体製造方法、マイクロナノバブル含有液体製造装置、およびマイクロナノバブル含有液体応用装置に関する。この発明は、例えば、2種類のマイクロナノバブル発生機を利用して、サイズにおいて幅広いマイクロナノバブルを多量かつ効率的に発生させるマイクロナノバブル含有液体製造方法およびマイクロナノバブル含有液体製造装置に関する。また、この発明は、幅広いサイズ分布のマイクロナノバブルを含有する液体を多量に作製して、各種設備に応用利用して、各種設備の性能を格段に向上できるマイクロナノバブル含有液体応用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1種類のマイクロナノバブル発生機を利用してマイクロナノバブルを発生するマイクロナノバブルを発生する方法および装置が提案されている。
【0003】
このような従来技術としてのナノバブルの利用方法および装置が、特許文献1(特開2004−121962号公報)に示されている。この技術は、ナノバブルが有する浮力の減少、表面積の増加、表面活性の増大、局所高圧場の生成、静電分極の実現による界面活性作用と殺菌作用などの特性を活用したものである。より具体的には、それらが相互に関連することによって、汚れ成分の吸着機能、物体表面の高速洗浄機能、殺菌機能によって各種物体を高機能、低環境負荷で洗浄することができ、汚濁水の浄化を行うことができることを開示している。
【0004】
また、もう1つの従来技術であるナノ気泡の生成方法が、特許文献2(特開2003−334548号公報)に示されている。この技術は、液体中において、(1)液体の一部を分解ガス化する工程、(2)液体中で超音波を印加する工程または、(3)液体の一部を分解ガス化する工程および超音波を印加する工程から構成されている。
【0005】
また、別の従来技術としてのオゾンマイクロバブルを利用する廃液の処理装置が、特許文献3(特開2004−321959号公報)に示されている。この技術は、マイクロバブル発生装置にオゾン発生装置より生成されたオゾンガスと処理槽の下部から抜き出された廃液を加圧ポンプを介して供給している。また、この技術では、生成されたオゾンマイクロバブルをガス吹き出しパイプの開口部より処理槽内の廃液中に通気することを開示している。
【0006】
ところで、マイクロナノバブル発生方法およびマイクロナノバブル発生装置においては、マイクロナノバブルの発生状態を最適な状態にするように、管理し、常に最適な発生状態を維持して、各種設備の性能を向上させることが求められている。また、マイクロナノバブルを利用する分野では、サイズ分布が幅広い各種のマイクロナノバブルを多量により経済的に作製することが求められている。
【特許文献1】特開2004−121962号公報
【特許文献2】特開2003−334548号公報
【特許文献3】特開2004−321959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明の課題は、サイズ分布が幅広い各種のマイクロナノバブルを多量により経済的に作製できるマイクロナノバブル含有液体製造方法、マイクロナノバブル含有液体製造装置、およびマイクロナノバブル含有液体応用装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明のマイクロナノバブル含有液体製造方法は、マイクロナノバブル発生槽の内部に設置した性能の異なる2種類以上のマイクロナノバブル発生機で上記マイクロナノバブル発生槽内に導入された液体にマイクロナノバブルを発生させ、
上記2種類以上のマイクロナノバブル発生機は水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機と非水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機を含み、
上記マイクロナノバブル発生槽内の液体の液面からの泡のレベルを泡レベル計で検出し、
上記マイクロナノバブル発生槽内の液体の濁度を濁度計で検出し、
上記泡レベル計から得られる泡レベル検出信号に基づいて、上記マイクロナノバブル発生槽にマイクロナノバブル発生助剤を送出するマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプを制御して、上記マイクロナノバブル発生槽に導入するマイクロナノバブル発生助剤の量を制御し、
上記濁度計から得られる濁度検出信号に基づいて、上記マイクロナノバブル発生助剤定量ポンプを制御して、上記マイクロナノバブル発生槽に導入するマイクロナノバブル発生助剤の量を制御し、
上記濁度計から得られる濁度検出信号に基づいて、上記水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機に空気を供給するブロワーを制御して、上記水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機に供給する空気量を制御することを特徴としている。
【0009】
この発明のマイクロナノバブル含有液体製造方法によれば、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機と非水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機を含む2種類以上のマイクロナノバブル発生機でもって、サイズ分布の幅広いマイクロナノバブルを発生できる。また、マイクロナノバブル発生槽内の液面からの泡のレベルに応じて、マイクロナノバブル発生助剤の供給量を制御するので、マイクロナノバブルの発生効率を向上できる。また、マイクロナノバブル発生槽内の液体の濁度に応じて、マイクロナノバブル発生助剤の供給量を制御するので、マイクロナノバブルの発生効率を向上できる。また、マイクロナノバブル発生槽内の液体の濁度に応じて、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機に供給する空気量を制御するので、マイクロナノバブルを経済的に発生できる。
【0010】
したがって、この発明によれば、多種類のサイズのマイクロナノバブルを効率的に発生させて、次工程装置に有効に利用させることができる。
【0011】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体製造装置は、液体が導入されると共に、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機、非水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機、導入された液体の液面からの泡のレベルを検出する泡レベル計、および上記液体の濁度を検出する濁度計を有するマイクロナノバブル発生槽と、
上記マイクロナノバブル発生槽にマイクロナノバブル発生助剤を送出するマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプと、
上記水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機に空気を供給するブロワーと、
上記泡レベル計から得られる泡レベル検出信号に基づいて、上記マイクロナノバブル発生助剤定量ポンプを制御して、上記マイクロナノバブル発生槽に導入するマイクロナノバブル発生助剤の量を制御する第1の制御部と、
上記濁度計から得られる濁度検出信号に基づいて、上記マイクロナノバブル発生助剤定量ポンプを制御して、上記マイクロナノバブル発生槽に導入するマイクロナノバブル発生助剤の量を制御する第2の制御部と、
上記濁度計から得られる濁度検出信号に基づいて、上記ブロワーを制御して、上記水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機に供給する空気量を制御する第3の制御部とを備える。
【0012】
この実施形態によれば、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機と非水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機を含む2種類以上のマイクロナノバブル発生機でもって、サイズ分布の幅広いマイクロナノバブルを発生できる。また、泡レベル計と第1の制御部によって、マイクロナノバブル発生助剤定量ポンプを制御して、マイクロナノバブル発生槽内の液面からの泡のレベルに応じて、マイクロナノバブル発生助剤の供給量を制御するので、マイクロナノバブルの発生効率を向上できる。また、濁度計と第2の制御部によって、マイクロナノバブル発生槽内の液体の濁度に応じて、マイクロナノバブル発生助剤の供給量を制御するので、マイクロナノバブルの発生効率を向上できる。また、濁度計と第3の制御部によって、マイクロナノバブル発生槽内の液体の濁度に応じて、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機に供給する空気量を制御するので、マイクロナノバブルを経済的に発生できる。
【0013】
したがって、この実施形態のマイクロナノバブル含有液体製造装置によれば、多種類のサイズのマイクロナノバブルを効率的に発生させて、次工程装置に有効に利用させることができる。
【0014】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置は、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置と、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される次工程装置とを備える。
【0015】
この実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置によれば、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置で効率的に発生させた多種類のサイズのマイクロナノバブルを、次工程装置での工程で有効に作用させることができる。
【0016】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置は、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される浄化槽とを備える。
【0017】
この実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置によれば、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置で効率的に発生させた多種類のサイズのマイクロナノバブルを浄化槽に導入し、浄化槽の微生物を活性化させて、浄化槽の処理能力を向上できる。
【0018】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置は、上記次工程装置が、生物処理装置である。
【0019】
この実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置によれば、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置で効率的に発生させた多種類のサイズのマイクロナノバブルを生物処理装置に導入し、生物処理装置における微生物を活性化させて、発酵や醸造等の生物反応を向上できる。
【0020】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置は、上記次工程装置が、化学処理装置である。
【0021】
この実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置によれば、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置で効率的に発生させた多種類のサイズのマイクロナノバブルを化学処理装置に導入し、化学処理装置における酸化等の化学反応を促進できる。
【0022】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置は、上記次工程装置が、物理処理装置である。
【0023】
この実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置によれば、多種類のサイズのマイクロナノバブルを効率的に発生させて、物理処理装置における液中膜によるろ過等の物理現象を効率よくできる。
【0024】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体製造装置は、上記マイクロナノバブル発生槽は、第1のマイクロナノバブル発生部と、第2のマイクロナノバブル発生部と、上記第1のマイクロナノバブル発生部と第2のマイクロナノバブル発生部とを仕切る仕切り板とを有する。
【0025】
この実施形態によれば、第1、第2のマイクロナノバブル発生部において、互いに異なるサイズ分布の2種類のマイクロナノバブル集合体を作製できる。
【0026】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体製造装置は、上記第1のマイクロナノバブル発生部にマイクロナノバブル発生助剤を送出する第1のマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプと、
上記第1のマイクロナノバブル発生部における泡レベルを検出する第1の泡レベル計と、
上記第1の泡レベル計から得られる泡レベル検出信号に基づいて、上記第1のマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプを制御して、上記第1のマイクロナノバブル発生部に導入するマイクロナノバブル発生助剤の量を制御する第1のマイクロナノバブル発生助剤量制御部と、
上記第2のマイクロナノバブル発生部にマイクロナノバブル発生助剤を送出する第2のマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプと、
上記第2のマイクロナノバブル発生部における泡レベルを検出する第2の泡レベル計と、
上記第2の泡レベル計から得られる泡レベル検出信号に基づいて、上記第2のマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプを制御して、上記第2のマイクロナノバブル発生部に導入するマイクロナノバブル発生助剤の量を制御する第2のマイクロナノバブル発生助剤量制御部とを有する。
【0027】
この実施形態によれば、第1,第2のマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ、第1,第2の泡レベル計、第1,第2のマイクロナノバブル発生助剤量制御部によって、第1,第2のマイクロナノバブル発生部を、それぞれ、独立に制御して、自動的に最適なマイクロナノバブルを発生させることができる。
【0028】
また、マイクロナノバブルを2段階で発生させるので、幅広いサイズ分布のマイクロナノバブルを、多量に発生させることができる。特に、例えば、前段にバブルのサイズは比較的大きいが、マイクロナノバブルを多量に発生するマイクロナノバブル発生機を設置し、後段にバブルのサイズは比較的小さいが、少量のマイクロナノバブルを発生するマイクロナノバブル発生機を設置した場合、多様なマイクロナノバブルを効率よく発生できる。
【0029】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置は、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置と、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される有用微生物槽とを備える。
【0030】
この実施形態によれば、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から流出したマイクロナノバブル含有液体を有用微生物槽に導入するので、有用微生物槽の微生物が活性化して、従来と比較して、有用微生物による処理を効率化できると同時に、有用微生物による生産物の量および品質を向上できる。
【0031】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置は、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置と、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される発酵槽とを備える。
【0032】
この実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置によれば、マイクロナノバブル含有液体の製造装置から流出したマイクロナノバブル含有液体を発酵槽に導入するので、発酵槽の微生物が活性化して、従来と比較して、発酵が短時間に効率よく実施できると同時に、発酵生産物の量および品質が向上する。
【0033】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置は、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置と、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される水耕栽培槽とを備える。
【0034】
この実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置によれば、マイクロナノバブル含有液体の製造装置から流出したマイクロナノバブル含有液体を水耕栽培槽に導入するので、水耕栽培における栽培時間の短縮および水耕栽培対象種植物の大きさが向上する効果がある。また、マイクロナノバブルによる除菌効果により、従来、時として、病原菌が水耕液に発生していたが、病原菌が発生しない効果がある。
【0035】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置は、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置と、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される水産養殖槽とを備える。
【0036】
この実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置によれば、マイクロナノバブル含有液体の製造装置から流出したマイクロナノバブル含有液体を水産養殖槽に導入するので、対象養殖物の養殖期間を短縮できる。また、マイクロナノバブルによる除菌効果により、従来、時として、病原菌が養殖水槽に発生していたが、病原菌が発生しない効果がある。すなわち、養殖対象物が、病気にかかり難い効果がある。
【0037】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置は、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置と、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される活性汚泥槽とを備える。
【0038】
この実施形態によれば、マイクロナノバブル含有液体製造装置から流出したマイクロナノバブル含有液体を活性汚泥槽に導入するので、活性汚泥における微生物が活性化して、活性汚泥の処理能力を向上できる。また、マイクロナノバブルで活性化した微生物による処理で、処理水の水質が向上する。
【0039】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置は、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置と、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される工業用水前処理槽とを備える。
【0040】
この実施形態によれば、マイクロナノバブル含有液体の製造装置から流出したマイクロナノバブル含有液体を工業用水前処理槽に導入するので、工業用水前処理槽に繁殖している微生物が活性化して、工業用水中の微量有機物を微生物処理でき、工業用水の水質が向上する。
【0041】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置は、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置と、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される洗浄槽とを備える。
【0042】
この実施形態によれば、マイクロナノバブル含有液体の製造装置から流出したマイクロナノバブル含有液体を洗浄槽に導入するので、洗浄槽での洗浄が、マイクロナノバブルで強力に助長されることになる。
【0043】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体製造装置は、 上記第1のマイクロナノバブル発生部に上記水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機が設置されると共に上記第2のマイクロナノバブル発生部に上記非水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機が設置され、上記第1のマイクロナノバブル発生部は上記第2のマイクロナノバブル発生部よりも前段に配置されている。
【0044】
この実施形態のマイクロナノバブル含有液体製造装置によれば、前段の水槽となる第1のマイクロナノバブル発生部に水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機、後段の水槽となる第2のマイクロナノバブル発生部に非水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機を設置する。よって、前段の水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機,後段の非水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機によって、それぞれ、サイズ分布が異なる多種類のサイズのマイクロナノバブルを、多量に発生させることができる。
【0045】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体製造装置では、上記マイクロナノバブル発生助剤は、家庭用洗剤である。
【0046】
この実施形態によれば、マイクロナノバブル発生助剤が、市販されている家庭用の洗剤であるので、低コストで容易に調達でき、また使用後は、各種微生物で容易に分解できる。
【0047】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置では、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置と、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される埋設管路とを備える。
【0048】
この実施形態によれば、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置からのサイズ分布が異なる多種類のサイズのマイクロナノバブルを含む液体を埋設管路に導入する。よって、マイクロナノバブルが液体中に持続して存在し、埋設管路における水が嫌気性状態になることを防止し、ひいては、水から在留物由来の硫化水素が発生すること防止して、埋設管路が腐蝕するのを防止できる。なお、埋設管路の腐蝕原因は、硫化水素であると言われている。
【0049】
また、一実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置では、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置と、上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入されるビル排水設備およびビル給水設備を備える。
【0050】
この実施形態によれば、マイクロナノバブルが水の中に長く持続して存在し、マイクロナノバブルを含有する水による洗浄作用や除菌作用により、ビル排水設備およびビル給水設備の洗浄と除菌を実施し、ビル排水設備およびビル給水設備のメンテナンスコストを大幅に削減できる。
【発明の効果】
【0051】
この発明のマイクロナノバブル含有液体製造方法によれば、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機と非水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機を含む2種類以上のマイクロナノバブル発生機でもって、サイズ分布の幅広いマイクロナノバブルを発生できる。また、マイクロナノバブル発生槽内の液面からの泡のレベルに応じて、マイクロナノバブル発生助剤の供給量を制御するので、マイクロナノバブルの発生効率を向上できる。また、マイクロナノバブル発生槽内の液体の濁度に応じて、マイクロナノバブル発生助剤の供給量を制御するので、マイクロナノバブルの発生効率を向上できる。また、マイクロナノバブル発生槽内の液体の濁度に応じて、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機に供給する空気量を制御するので、マイクロナノバブルを経済的に発生できる。
【0052】
したがって、この発明によれば、多種類のサイズのマイクロナノバブルを効率的に発生させて、次工程装置に有効に利用させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0054】
(第1の実施の形態)
図1は、この発明の第1実施形態としてのマイクロナノバブル含有液体応用装置を模式的に示す図である。このマイクロナノバブル含有液体応用装置は、主として、マイクロナノバブル発生槽1と次工程装置27とから構成される。
【0055】
このマイクロナノバブル発生槽1は、各種材質から成る水槽であり、水槽の材質はプラスチック、ステンレス、塩化ビニル等、液体の性状によって、選定すればよい。
【0056】
マイクロナノバブル発生槽1の内部には、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8と非水中ポンプ型(旋回流型)マイクロナノバブル発生機20が設置され、それぞれ水流21Aと21Bを発生している。
【0057】
また、マイクロナノバブル発生槽1の内部には、電極棒端子部9に接続されている3本の電極棒14A,14B,14C、および濁度計32が設置されている。上記電極棒端子部9と3本の電極棒14A,14B,14Cとが泡レベル計を構成している
マイクロナノバブル発生槽1に濁度計32を設置する理由は、マイクロナノバブル発生槽1内の液体にマイクロナノバブルが発生する状況を計器で測定するためである。
【0058】
すなわち、槽内の液体に、マイクロナノバブルが多く発生すると、液体が白く濁り濁度が上昇する傾向がある。よって、マイクロナノバブルが多く発生すると、濁度計32が出力する濁度検出信号は高い値を示す。一方、槽内の液体にマイクロナノバブルが充分発生していないと、濁度が低下する傾向がある。よって、マイクロナノバブルの発生量が少ないと、濁度計32が出力する濁度検出信号は低い値を示すことになる。
【0059】
この実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置では、液体は、流入管5からマイクロナノバブル発生槽1に流入する。
【0060】
上記した水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8は、空気配管7で連結しているブロワー6から空気が供給されている。水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8は、高速回転することよって、ブロワー6から供給された空気を切断してマイクロバブルを発生し、その後、一部のマイクロバブルは収縮してマイクロナノバブルとなる。そして、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8は、マイクロナノバブルを吐出することによって、水流21Aを発生している。
【0061】
ここで、濁度計32が出力する濁度検出信号は信号線33Aで調節計34に伝送され、この調節計34が信号線33Cに出力する制御信号によって、ブロワー6の電動機回転数を制御して、ブロワー6による空気吐出量を制御している。これにより、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8に最適な空気量を供給している。そして、この水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8は、上記最適な空気量でもって、最適なマイクロナノバブルを発生する。
【0062】
より具体的には、濁度計32の値が所定値よりも低いことは、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8からのマイクロナノバブルの発生量が少ないことを示している。よって、この場合、上記調節計34は、ブロワー6の電動機回転数を増加させて、マイクロナノバブルをより多く発生させて、濁度計32の濁度検出信号が表す濁度の数値が高くなるように制御している。
【0063】
一方、濁度計32の濁度検出信号が表す濁度の数値が所定値よりも高い場合は、マイクロナノバブル発生槽1内の液体にマイクロナノバブルが充分に発生している。よって、この場合、調節計34は、ブロワー6の電動機の回転数を少なくして、ブロワー6を省エネルギー運転とし、かつ、槽内の液体にマイクロナノバブルが充分に発生した状態で水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8を稼動していることになる。
【0064】
また、濁度計32が出力する濁度検出信号による濁度の数値が所定値よりも高い場合は、マイクロナノバブルが充分に発生しているので、調節計34は、信号線33Dに出力する制御信号によって、マイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ24の電動機回転数を少なくして、マイクロナノバブル発生助剤タンク25から配管35を経由してマイクロナノバブル発生槽1に導入されるマイクロナノバブル発生助剤の添加量を減少させる制御を行っても良い。この添加量の制御を行うことは、ランニングコストの低減に役立つ。ここで、上記調節計34は、第2,第3の制御部をなす。
【0065】
また、マイクロナノバブル発生槽1内の液体の液面からの泡の高さ(泡レベル)が水面の近くであり、泡レベルが低い場合は、泡レベル計を構成する3本の電極棒14A,14B,14Cのうち、真ん中の電極棒14Bが泡で通電状態となる。これにより、この電極棒14Bから電極棒端子部9を経由して信号線33Bでつながっているレベル調節計10は、信号線33Eに出力する制御信号により、マイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ24の電動機回転数を増加させるように制御する。これにより、マイクロナノバブル発生助剤タンク25から配管35を経由してマイクロナノバブル発生槽1に導入するマイクロナノバブル発生助剤の量を増加させる。これにより、槽内の液体に泡がより多く発生するようにする。
【0066】
なお、図1において向かって右側の最も長い電極棒14Aは、アース棒であり、水位のレベルを感知することなく、残りの2本の電極棒14B,14Cで泡レベルを感知している。また、図1において、4は液面よりも上方の空間部分である。
【0067】
また、逆に、マイクロナノバブル発生槽1内の液体の液面からの泡レベルが、水面より大幅に上昇していて、泡レベルが高い場合は、3本の電極棒14A〜14Cのうちの最も短い電極棒14Cが泡で液面に対して通電状態となる。この場合は、電極棒14Cからの信号は電極棒端子部9を経由して信号線33Bからレベル調節計10に伝送される。すると、レベル調節計10は、信号線33Eに制御信号を出力して、マイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ24の電動機回転数が減少するように制御する。この制御により、マイクロナノバブル発生助剤タンク25から配管35を経由してマイクロナノバブル発生槽1に導入されるマイクロナノバブル発生助剤の量を減少させて、槽内の液体の液面上に生じる泡の量を減少させる。
【0068】
なお、マイクロナノバブル発生助剤としては、各種界面活性剤や各種アルコール類などがあるが、目的によって選定すればよい。
【0069】
一方、非水中ポンプ型(旋回流型)マイクロナノバブル発生機20は、配管L1,L2によって、循環ポンプ17と連携しており、マイクロナノバブル発生機20への高圧の循環水の供給は、循環ポンプ17で実施される。また、非水中ポンプ型(旋回流型)マイクロナノバブル発生機20には、空気を引き込むための空気引き込み管18と、空気量を調整するためのニードルバルブ19が設置されている。この循環ポンプ17,空気引き込み管18でもって、マイクロナノバブル発生機20への高圧の循環水と空気が供給されてマイクロナノバブル発生機20からマイクロナノバブルが発生することとなる。
【0070】
ところで、上記非水中ポンプ型(旋回流型)マイクロナノバブル発生機20が発生するマイクロナノバブルは、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8が発生するマイクロナノバブルよりも小さいことが知られている。よって、この第1実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置で設置した2台の性能の異なるマイクロナノバブル発生機8,20のうちの水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8で、まず少し大きめのマイクロナノバブルを作製する。そして、この少し大きめのマイクロナノバブルを含有している液体を非水中ポンプ型(旋回流型)マイクロナノバブル発生機20に導入することにより、マイクロナノバブルのうちナノバブルを多く発生させている。バブルは、より超微細な方が、液体中に長く持続するし、作用も効果的である。
【0071】
こうして、マイクロナノバブル発生槽1では、充分な量の幅広いサイズ分布のマイクロナノバブルが液体に含有されて、その後、流出管22から流出したマイクロナノバブル含有液体は、出口配管26を通って、次工程装置27に導入される。ここで、上記マイクロナノバブル含有液体は、次工程装置27において求められるサイズのマイクロナノバブルを多量に含有しているので、次工程装置27でマイクロナノバブルの作用が強力に実施される。
【0072】
なお、次工程装置27としては、産業界での各種様々な装置が該当しており、適用範囲は広い。この第1実施形態では、マイクロナノバブル発生槽1と次工程装置27との組み合わせによる液体のマイクロナノバブル含有液体応用装置の実施形態である。
【0073】
なお、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8は、市販されているものを採用できるが、メーカーを限定するものではない。ここでは、具体的一例として、野村電子工業株式会社のものを採用した。また、非水中ポンプ型(旋回流型)マイクロナノバブル発生機20は、具体的一例としてナノプラネット研究所の製品を採用した。なお、非水中ポンプ型(旋回流型)マイクロナノバブル発生機20の他の商品としては、他メーカーの商品もあるが、目的にしたがって選定すればよい。また、上記実施形態では、1つの水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8と1つの(旋回流型)マイクロナノバブル発生機20を備えたが、2つ以上の水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機と2つ以上の旋回流型マイクロナノバブル発生機を備えてもよい。
【0074】
ここで、4種類のバブルについて説明する。
【0075】
(i) 通常のバブル(気泡)は水の中を上昇して、ついには表面でパンとはじけて消滅する。
【0076】
(ii) マイクロバブルは、その発生時において、10〜数10μmの気泡径を有する気泡であり、マイクロバブルは、発生後に収縮運動により『マイクロナノバブル』に変化する。
【0077】
(iii) マイクロナノバブルは、10μmから数百nm前後の直径を有する気泡である。マイクロナノバブルとは、マイクロバブルとナノバブルとが混合したバブルと説明できる。
【0078】
(iv) ナノバブルは、数百nm以下の直径を有する気泡である。
【0079】
(第2の実施の形態)
次に、図2に、この発明の第2実施形態であるマイクロナノバブル含有液体応用装置を示す。この第2実施形態では、マイクロナノバブル発生槽1に導入される液体が生活排水に置き換わっている点が、前述の第1実施形態と異なる。また、この第2実施形態では、次工程装置27を浄化槽42に置き換得た点が、上述の第1実施形態と異なる。よって、この第2実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0080】
この第2実施形態は、マイクロナノバブル含有液体が具体的には、浄化槽42に導入されるマイクロナノバブル含有生活排水である。すなわち、生活排水をマイクロナノバブル発生槽1に導入する。そして、マイクロナノバブル発生槽1に界面活性剤をマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ24で、最適量添加して、マイクロナノバブル発生槽1で、マイクロナノバブルを効果的に発生させて、マイクロナノバブル含有生活排水を作製する。
【0081】
マイクロナノバブルを充分に含有した生活排水は浄化槽42に導入されて、この生活排水に含有されるマイクロナノバブルが、浄化槽42に繁殖している微生物を活性化して、生活排水を効果的に微生物処理する。
【0082】
この第2実施形態のように、マイクロナノバブル含有生活排水を浄化槽42に導入した場合の効果としては、次の(1)〜(5)の効果がある。
【0083】
(1) 浄化槽42からの発泡が存在していた場合は、その発泡が減少する。
【0084】
(2) 浄化槽42の汚泥すなわち微生物が活性化し、処理水の水質を向上できる。
【0085】
(3) 浄化槽42からの悪臭が減少する。
【0086】
(4) 浄化槽42による処理水質が安定化する。
【0087】
(5) 浄化槽42におけるアンモニア性窒素の酸化が驚異的に進行する。
【0088】
なお、次工程装置を、浄化槽42に替えて、浄化槽42と全く同様ではないが比較的類似の排水が導入される合併処理浄化槽、農業集落排水施設、下水処理施設としてもよいことは言うまでもない。
【0089】
(第3の実施の形態)
次に、図3に、この発明の第3実施形態であるマイクロナノバブル含有液体応用装置を示す。この第3実施形態は、上述の第1実施形態の次工程装置27を生物処理装置28に置き換えた点が、第1実施形態と異なる。よって、この第3実施形態では、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付けて詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0090】
この第3実施形態では、具体的には、生物処理装置28に、マイクロナノバブル発生槽1からのマイクロナノバブル含有液体を導入する。この第3実施形態では、液体をマイクロナノバブル発生槽1に導入して、その後、マイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ24によってマイクロナノバブル発生槽1に界面活性剤を最適量だけ添加する。
【0091】
このマイクロナノバブル発生槽1で、効果的にマイクロナノバブルを発生して作製したマイクロナノバブル含有液体は、広範なサイズ分布のマイクロナノバブルを充分に含有している。この広範なサイズ分布のマイクロナノバブルを充分に含有した液体は、生物処理装置28に導入される。この生物処理装置28では、上記液体が含有するマイクロナノバブルが、生物処理装置28に繁殖している微生物を活性化して、生物処理装置28での生物反応を効果的に進行させる。
【0092】
この第3実施形態では、マイクロナノバブル含有液体を生物処理装置28に導入したことによって、次の(1)〜(4)の効果がある。
【0093】
(1) 生物処理装置28での反応時間の短縮が可能となった。
【0094】
(2) 生物処理装置28からの発泡の発生がある場合は、その発泡が減少する。
【0095】
(3) 生物処理装置28における微生物が活性化し、反応物量の増大や、品質の向上を達成できる。
【0096】
(4) 生物処理装置28からの悪臭が減少する。
【0097】
(第4の実施の形態)
次に、図4に、この発明の第4実施形態であるマイクロナノバブル含有液体応用装置を示す。この第4実施形態は、上述の第1実施形態における次工程装置27を化学処理装置29に置き換えた点が第1実施形態と異なる。よって、この第4実施形態では、上述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0098】
この第4実施形態では、具体的には、マイクロナノバブル含有液体を化学処理装置29に導入する。この第4実施形態では、液体をマイクロナノバブル発生槽1に導入して、そして、界面活性剤をマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ24でマイクロナノバブル発生槽1に最適量だけ添加する。これにより、マイクロナノバブル発生槽1で、効果的にマイクロナノバブルを発生し、マイクロナノバブル含有液体を作製する。マイクロナノバブルを充分に含有した液体は、マイクロナノバブル発生槽1から化学処理装置29に導入されて、この液体が含有するマイクロナノバブルは、化学処理装置29での化学反応を効果的に進行させる。
【0099】
この第4実施形態のように、マイクロナノバブル含有液体を化学処理装置29に導入した場合の効果としては、次の(1)〜(3)の効果がある。
【0100】
(1) 化学処理装置29では、従来は場合によっては反応効率が悪い場合が存在していたが、マイクロナノバブルを含有する液体によれば反応効率を改善できる。
【0101】
(2) 化学処理装置29からの発泡の発生がある場合は、その発泡が減少する。
【0102】
(3) 化学処理装置29からの悪臭が減少する。
【0103】
(第5の実施の形態)
次に、図5に、この発明の第5実施形態であるマイクロナノバブル含有液体応用装置を示す。この第5実施形態は、第1実施形態における次工程装置27を物理処理装置30に置き換えた点が、第1実施形態と異なる。よって、この第5実施形態では、第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0104】
この第5実施形態は、物理処理装置30にマイクロナノバブル含有液体を導入する。この第5実施形態では、液体をマイクロナノバブル発生槽1に導入して、マイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ24で界面活性剤をマイクロナノバブル発生槽1に最適量だけ添加する。これにより、マイクロナノバブル発生槽1で、効果的にマイクロナノバブルを発生し、マイクロナノバブル含有液体を作製する。そして、充分にマイクロナノバブルを含有した液体は、マイクロナノバブル発生槽1から物理処理装置30に導入されて、この液体に含有されるマイクロナノバブルが、物理処理装置30での物理反応処理を効果的に進行させる。例えば、物理反応処理として、ろ過、吸着などの単位操作に対して、マイクロナノバブル液体は、次の(1)〜(4)の効果がある。
【0105】
(1) 物理処理装置30での反応は、従来は物理的な閉塞などによって、ろ過、吸着が効果的に進行しないことがあったが、マイクロナノバブル液体によれば、物理的な閉塞の発生を回避して物理的な単位操作の課題を解決できた。
【0106】
(2) 物理処理装置30による物理処理がろ過である場合、閉塞の回避が課題であったが、マイクロナノバブルによる洗浄効果によってこの課題を解決できた。
【0107】
(3) 物理処理装置30における物理的な単位操作が容易に進行する。
【0108】
(4) 物理処理装置30からの悪臭が減少する。
【0109】
(第6の実施の形態)
次に、図6に、この発明の第6実施形態であるマイクロナノバブル含有液体応用装置を示す。この第6実施形態は、上述の第1実施形態におけるマイクロナノバブル発生槽1内の構造が、第1実施形態と異なっている。具体的には、この第6実施形態では、マイクロナノバブル発生槽1の内部に、仕切り壁11を設置して、マイクロナノバブル発生槽1内を2つに分割した点が、上述の第1実施形態と異なる。よって、この第6実施形態では、第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0110】
図6に示すように、この第6実施形態では、マイクロナノバブル発生槽1は、仕切り壁11によって、第1のマイクロナノバブル発生部2と第2のマイクロナノバブル発生部3とに分割されている。この第1のマイクロナノバブル発生部2には、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8が存在する一方、第2のマイクロナノバブル発生部3には、非水中ポンプ型(旋回流型)マイクロナノバブル発生機20が存在している。
【0111】
この第6実施形態では、マイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ24で、マイクロナノバブル発生助剤タンク25に貯留しているマイクロナノバブル発生助剤を第1のマイクロナノバブル発生部2のみに添加して、第1のマイクロナノバブル発生部2においてマイクロナノバブルを効率的に発生させている。
【0112】
この第6実施形態では、槽1内に仕切り壁11を設置することによって、導入された液体は、第1のマイクロナノバブル発生部2に最初に導入される。そして、第1のマイクロナノバブル発生部2に導入された液体に、さらに、マイクロナノバブル発生助剤ポンプ24でもってマイクロナノバブル発生助剤が、添加される。そして、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8が、槽1への液体の導入と連動して運転され、槽1内の液体においてマイクロナノバブルが効率的に発生する。
【0113】
次に、第1のマイクロナノバブル発生部2において、マイクロナノバブルを1次的に含有した液体は、仕切り壁11からのオーバーフローでもって、次に、第2のマイクロナノバブル発生部3に導入される。
【0114】
そして、この第2のマイクロナノバブル発生部3では、液体の導入と連動して、非水中ポンプ型(旋回流型)マイクロナノバブル発生機20が循環ポンプ17と共に運転され、第1のマイクロナノバブル発生部2で発生するマイクロナノバブルよりもさらに細かいマイクロナノバブルが発生する。
【0115】
すなわち、非水中ポンプ型(旋回流型)マイクロナノバブル発生機20は、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8よりも泡が小さいマイクロナノバブルを発生することは、あらかじめ判明している。そして、そのような仕様のマイクロナノバブル発生機を2種類選定している。より具体的には、第1のマイクロナノバブル発生部2では、1次的に泡が大きいマイクロナノバブルをまず作製する。次に、第2のマイクロナノバブル発生部3では、2次的に、より細かいマイクロナノバブルを作製する。この1次的なマイクロナノバブル発生と、2次的なマイクロナノバブル発生との組み合わせによって、より細かいマイクロナノバブルを多量に作製することができる。
【0116】
なお、この第6実施形態においても、第2のマイクロナノバブル発生部3には、濁度計32が設置されており、この濁度計32の濁度検出信号によって、調節計34がマイクロナノバブル発生助剤ポンプ24の電動機回転数を制御して、マイクロナノバブル発生槽1へ添加されるマイクロナノバブル発生助剤の量を適正量に制御している。具体的には、マイクロナノバブル発生槽1内の液体にマイクロナノバブルが適正に発生している場合は、液体が牛乳のように白濁している場合である。よって、マイクロナノバブルの発生状態を濁度計32で検出でき、濁度計32の関連機器(調節計34等)によってマイクロナノバブルの発生状態を制御できることとなる。
【0117】
そして、この第6実施形態では、マイクロナノバブル発生槽1から得られる多量のマイクロナノバブルが含有された液体を、流出管22から配管26を経由して次工程装置27に導入して、液体に含有されたマイクロナノバブルによる上述したような本来の作用を発揮することとなる。
【0118】
(第7の実施の形態)
次に、図7に、この発明の第7実施形態であるマイクロナノバブル含有液体応用装置を示す。この第7実施形態は、上述した第1実施形態におけるマイクロナノバブル発生槽1内の構造が、第1実施形態と異なっている。よって、この第7実施形態では、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0119】
この第7実施形態では、具体的には、次の(i)〜(iv)の点が上述の第1実施形態と異なっている。
【0120】
(i) マイクロナノバブル発生槽1の内部に仕切り壁11を設置して、マイクロナノバブル発生槽1を2分割し、マイクロナノバブル発生部2とマイクロナノバブル発生部3に区分している点。
【0121】
(ii) 第1のマイクロナノバブル発生部2にマイクロナノバブル発生助剤を添加するための第1のマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ24と、第2のマイクロナノバブル発生部3にマイクロナノバブル発生助剤を添加するための第2のマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ23とを備えた点。
【0122】
(iii) 第1のマイクロナノバブル発生部2における泡レベルを検出する第1の泡レベル計をなす電極棒14A,14B,14Cおよび電極棒端子部9と、第2のマイクロナノバブル発生部3における泡レベルを検出する第2の泡レベル計をなす電極棒15A,15B,15Cおよび電極棒端子部33とを備える点。
【0123】
(iv) 第1のマイクロナノバブル発生助剤量制御部としてのレベル調節計10と、第2のマイクロナノバブル発生助剤量制御部としてのレベル調節計12とを備える点。
【0124】
上記レベル調節計10は、第1の泡レベル計から得られる泡レベル検出信号に基づいて第1のマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ24を制御して、第1のマイクロナノバブル発生部2に導入するマイクロナノバブル発生助剤の量を制御する。また、レベル調節計12は、第2の泡レベル計から得られる泡レベル検出信号に基づいて第2のマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ23を制御して、第2のマイクロナノバブル発生部3に導入するマイクロナノバブル発生助剤の量を制御する。
【0125】
このように、この第7実施形態では、マイクロナノバブル発生槽1における第1,第2のマイクロナノバブル発生部2,3のそれぞれに対応するマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ24,23を有している。これにより、各マイクロナノバブル発生部2,3のそれぞれにマイクロナノバブル発生助剤を添加することで、各マイクロナノバブル発生部2,3においてマイクロナノバブルを効率的に発生させている。すなわち、この第6実施形態では、液体は、最初に第1のマイクロナノバブル発生部2に導入される。そして、この第1のマイクロナノバブル発生部2に導入された液体に、マイクロナノバブル発生助剤ポンプB24によって、マイクロナノバブル発生助剤が添加される。そして、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8が上記液体の導入と連動して運転され、この第1のマイクロナノバブル発生部2においてマイクロナノバブルが効率的に発生する。
【0126】
次に、この第1のマイクロナノバブル発生部2において1次的にマイクロナノバブルを含有した液体は、次に、オーバーフローで仕切り壁11を越えて、第2のマイクロナノバブル発生部3に導入される。
【0127】
そして、この第2のマイクロナノバブル発生部3では、第2のマイクロナノバブル発生助剤ポンプ23によって、マイクロナノバブル発生助剤が添加される。そして、液体の導入と連動して、非水中ポンプ型(旋回流型)マイクロナノバブル発生機20が循環ポンプ17と共に運転され、さらに細かいマイクロナノバブルが発生する。
【0128】
この非水中ポンプ型(旋回流型)マイクロナノバブル発生機20の方が、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8よりも泡が小さいマイクロナノバブルを発生することは、あらかじめ判明している。またそのような仕様の2種類のマイクロナノバブル発生機を選定している。より具体的には、1次的に、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8でもって泡が大きいマイクロナノバブルをまず作製して、次に、2次的に、非水中ポンプ型(旋回流型)マイクロナノバブル発生機20よって、さらに細かいマイクロナノバブルの作製している。
【0129】
このマイクロナノバブルの1次的な作製と2次的な作製との組み合わせでもって、この第7実施形態によれば、より細かいマイクロナノバブル量を多量に作製できる。
【0130】
なお、この第7実施形態では、第2のマイクロナノバブル発生部3には、濁度計32が設置されている。この濁度計32による濁度検出信号によって、調節計34がマイクロナノバブル発生助剤ポンプ23の電動機回転数を制御して、配管35を通って第2のマイクロナノバブル発生部3に添加するマイクロナノバブル発生助剤の量を適正量に制御している。具体的には、マイクロナノバブル発生槽1内の液体にマイクロナノバブルが適正に発生している場合は、液体が牛乳のように白濁している場合である。よって、マイクロナノバブルの発生状態を濁度計32で検出でき、濁度計32の関連機器(調節計34等)によってマイクロナノバブルの発生状態を制御できることとなる。
【0131】
そして、この第7実施形態では、マイクロナノバブル発生槽1から得られる多量のマイクロナノバブルが含有された液体を、流出管22から配管26を経由して次工程装置27に導入して、液体に含有されたマイクロナノバブルによる上述したような本来の作用を発揮することとなる。
【0132】
(第8の実施の形態)
次に、図8に、この発明の第8実施形態であるマイクロナノバブル含有液体応用装置を示す。この第8実施形態は、上述の第1実施形態における次工程装置27をより具体的な有用微生物槽31に置き換えた点が、第1実施形態と異なる。よって、この第8実施形態では、第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略して、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0133】
この第8実施形態では、第1実施形態における次工程装置27が有用微生物槽31に置き換えられているので、有用微生物槽31において、有用微生物を多量のマイクロナノバブルで活性化して、有用微生物による処理効率を向上できると同時に、有用微生物による生産物の量および品質を向上できる。
【0134】
なお、有用微生物槽31の代表的一例としては、医薬品生産における抗生物質の製造槽等が挙げられる。
【0135】
(第9の実施の形態)
次に、図9に、この発明の第9実施形態であるマイクロナノバブル含有液体応用装置を示す。この第9実施形態は、第1実施形態における次工程装置27をより具体的な発酵槽36に置き換えた点が第1実施形態と異なる。よって、この第9実施形態では、第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0136】
この第9実施形態では、第1実施形態における次工程装置27を発酵槽36に置き換えたことで、発酵槽36の微生物をマイクロナノバブル発生槽1から導入された液体に含有される多量のマイクロナノバブルで活性化している。これにより、従来と比較して、発酵を短時間に効率よく実施できると同時に、発酵生産物の量および品質を向上できる。
【0137】
なお、発酵槽36の代表としては、ビール、ワイン、焼酎および日本酒生産における発酵槽等が挙げられる。
【0138】
(第10の実施の形態)
次に、図10に、この発明の第10実施形態であるマイクロナノバブル含有液体応用装置を示す。この第10実施形態は、上述した第1実施形態における次工程装置27をより具体的な植物栽培における水耕栽培槽37に置き換えた点が第1実施形態と異なる。よって、この第10実施形態では、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付けて詳細説明を省略し、上述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0139】
この第10実施形態では、第1実施形態における次工程装置27を水耕栽培槽37に置き換えたので、マイクロナノバブル発生槽1から水耕栽培槽37に導入される液体に含有される多量のマイクロナノバブルによって、水中の溶存酸素濃度を高めて、植物の根の成長を高めている。また、この第10実施形態では、マイクロナノバブルは水耕液の除菌に有効となることより、植物の水耕栽培におけるウイルスに起因する病原菌が発生することを防止している。
【0140】
(第11の実施の形態)
次に、図11に、この発明の第11実施形態であるマイクロナノバブル含有液体応用装置を示す。この第11実施形態は、上述した第1実施形態における次工程装置27をより具体的な水産養殖における水産養殖槽38に置き換えた点が、第1実施形態と異なる。よって、この第11実施形態では、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付けて詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0141】
この第11実施形態では、第1実施形態における次工程装置27を水産養殖槽38に置き換えたので、マイクロナノバブル発生槽1から水産養殖槽38に導入される多量のマイクロナノバブルによって水中の溶存酸素濃度を高めて、水産養殖における対象生物としての魚類、貝類、甲殻類の成長を高めている。また、マイクロナノバブルは飼育水の除菌に有効であるので、水産養殖におけるウイルス起因の病原菌が発生することを防止している。
【0142】
(第12の実施の形態)
次に、図12に、この発明の第12実施形態であるマイクロナノバブル含有液体応用装置を示す。
【0143】
この第12実施形態は、上述の第1実施形態における次工程装置27を、より具体的な排水処理における活性汚泥槽39に置き換えた点が、第1実施形態と異なる。よって、この第12実施形態では、第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0144】
この第12実施形態では、次工程装置27を活性汚泥槽39に置き換えたので、マイクロナノバブル発生槽1から活性汚泥槽39に導入される液体に含有される多量のマイクロナノバブルで微生物を活性化して、排水処理における活性汚泥槽39内の微生物活性を高めて排水処理効率を向上できる。
【0145】
(第13の実施の形態)
次に、図13に、この発明の第13実施形態であるマイクロナノバブル含有液体応用装置を示す。
【0146】
この第13実施形態は、上述の第1実施形態における次工程装置27を、より具体的な工業用水前処理槽40に置き換えた点が、第1実施形態と異なる。 よって、この第13実施形態では、第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0147】
この第13実施形態では、第1実施形態における次工程装置27を工業用水前処理槽40に置き換えたので、マイクロナノバブル発生槽1から工業用水前処理槽40に導入される液体に含有される多量のマイクロナノバブルでもって工業用水前処理槽40における微生物の活性を高めることができる。このことは、工業用水中の有機物処理に有効となって、工業用水原水の有機物濃度が高い場合に、特に有効なシステムとなる。
【0148】
(第14の実施の形態)
次に、図14に、この発明の第14実施形態であるマイクロナノバブル含有液体応用装置を示す。この第14実施形態は、上述の第1実施形態における次工程装置27を、より具体的な洗浄槽41に置き換えた点が、第1実施形態と異なる。よって、この第14実施形態では、第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0149】
この第14実施形態では、第1実施形態における次工程装置27を洗浄槽41に置き換えたので、マイクロナノバブル発生槽1から洗浄槽41に導入される液体に含有される多量のマイクロナノバブルによって、洗浄槽41における洗浄効果を高めて、洗浄対象物の洗浄をより効果的に実施できることとなる。 よって、この第14実施形態によれば、高いレベルの洗浄が必要な工程において、特に有効なシステムとなる。
【0150】
(第15の実施の形態)
次に、図15に、この発明の第15実施形態であるマイクロナノバブル含有液体応用装置を示す。この第15実施形態は、上述の第1実施形態における次工程装置27を、より具体的な埋設管路43に置き換えた点が、第1実施形態と異なる。よって、この第15実施形態では、第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0151】
この第15実施形態は、第1実施形態における次工程装置27を埋設管路43に置き換えたので、マイクロナノバブル発生槽1から埋設管路43に導入される液体が含有する多量のマイクロナノバブルによって、埋設管路43における洗浄効果を高めて、埋設管路43をマイクロナノバブルで常時洗浄可能となる。よって、この第15実施形態によれば、埋設管理43を常時、洗浄でき、メンテナンスコストを低減できる。
【0152】
(第16の実施の形態)
次に、図16に、この発明の第16実施形態であるマイクロナノバブル含有液体応用装置を示す。この第16実施形態は、第1実施形態における次工程装置27が、より具体的なビル排水設備およびビル給水設備44に置き換えられている。よって、この第16実施形態では、第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0153】
この第16実施形態では、マイクロナノバブル発生槽1から多量のマイクロナノバブルを含有する液体をビル排水設備およびビル給水設備44に導入する。この多量のマイクロナノバブルを含有する液体によって、ビル排水設備およびビル給水設備44に対する洗浄効果が高められる。よって、配管類の洗浄を効果的に実施できることとなる。よって、この第16実施形態によれば、ビル排水設備およびビル給水設備44に対する洗浄作業などのメンテナンスコストを低減できる。
【0154】
(実験例)
図12に示す第12実施形態のマイクロナノバブル含有液体応用装置に対応する実験装置を製作した。この実験装置におけるマイクロナノバブル発生槽12の容量を約0.3mとし、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機8の動力を0.75kwとし、非水中ポンプ型(旋回流型)マイクロナノバブル発生機20の循環ポンプ17の動力を0.4kwとした。また、この実験装置とは別に、活性汚泥槽39に流入させる排水にマイクロナノバブルを含有させない実験装置を作製した。
【0155】
そして、活性汚泥槽39に流入させる排水にマイクロナノバブルを多量に含有させる実験と、活性汚泥槽39に流入させる排水にマイクロナノバブルを含有させない場合との2系列の実験を行って比較した。
【0156】
3ケ月間の実験運転後に、活性汚泥槽39の処理水の水質を比較した。その結果、生物学的酸素要求量の項目において、マイクロナノバブルを多量に含有させた活性汚泥の処理水の方が、マイクロナノバブル非含有の場合での実験装置の活性汚泥槽の処理水と比較して、約40%低い値であった。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】この発明のマイクロナノバブル含有液体応用装置の第1実施形態を模式的に示す図である。
【図2】この発明のマイクロナノバブル含有液体応用装置の第2実施形態を模式的に示す図である。
【図3】この発明のマイクロナノバブル含有液体応用装置の第3実施形態を模式的に示す図である。
【図4】この発明のマイクロナノバブル含有液体応用装置の第4実施形態を模式的に示す図である。
【図5】この発明のマイクロナノバブル含有液体応用装置の第5実施形態を模式的に示す図である。
【図6】この発明のマイクロナノバブル含有液体応用装置の第6実施形態を模式的に示す図である。
【図7】この発明のマイクロナノバブル含有液体応用装置の第7実施形態を模式的に示す図である。
【図8】この発明のマイクロナノバブル含有液体応用装置の第8実施形態を模式的に示す図である。
【図9】この発明のマイクロナノバブル含有液体応用装置の第9実施形態を模式的に示す図である。
【図10】この発明のマイクロナノバブル含有液体応用装置の第10実施形態を模式的に示す図である。
【図11】この発明のマイクロナノバブル含有液体応用装置の第11実施形態を模式的に示す図である。
【図12】この発明のマイクロナノバブル含有液体応用装置の第12実施形態を模式的に示す図である。
【図13】この発明のマイクロナノバブル含有液体応用装置の第13実施形態を模式的に示す図である。
【図14】この発明のマイクロナノバブル含有液体応用装置の第14実施形態を模式的に示す図である。
【図15】この発明のマイクロナノバブル含有液体応用装置の第15実施形態を模式的に示す図である。
【図16】この発明のマイクロナノバブル含有液体応用装置の第16実施形態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0158】
1 マイクロナノバブル発生槽
2 第1のマイクロナノバブル発生部
3 第2のマイクロナノバブル発生部
5 流入管
6 ブロワー
7 空気配管
8 水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機
9 電極棒端子部
10 レベル調節計
11 仕切り壁
12 レベル調節計
13 電極棒端子部
14A〜14C 電極棒
15A〜15C 電極棒
17 循環ポンプ
18 空気吸込み管
19 ニードルバルブ
20 非水中ポンプ型(旋回流型)マイクロナノバブル発生機
21A、21B 水流
22 流出管
23 第1のマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ
24 第2のマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプ
25 マイクロナノバブル発生助剤タンク
26 出口配管
27 次工程装置
28 生物処理装置
29 化学処理装置
30 物理処理装置
31 有用微生物培養槽
32 濁度計
33 信号線
34 調節計
35 配管
36 発酵槽
37 水耕栽培槽
38 水産養殖槽
39 活性汚泥槽
40 工業用水前処理槽
41 洗浄槽
42 浄化槽
43 埋設配管
44 ビル排水設備および給水設備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロナノバブル発生槽の内部に設置した性能の異なる2種類以上のマイクロナノバブル発生機で上記マイクロナノバブル発生槽内に導入された液体にマイクロナノバブルを発生させ、
上記2種類以上のマイクロナノバブル発生機は水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機と非水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機を含み、
上記マイクロナノバブル発生槽内の液体の液面からの泡のレベルを泡レベル計で検出し、
上記マイクロナノバブル発生槽内の液体の濁度を濁度計で検出し、
上記泡レベル計から得られる泡レベル検出信号に基づいて、上記マイクロナノバブル発生槽にマイクロナノバブル発生助剤を送出するマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプを制御して、上記マイクロナノバブル発生槽に導入するマイクロナノバブル発生助剤の量を制御し、
上記濁度計から得られる濁度検出信号に基づいて、上記マイクロナノバブル発生助剤定量ポンプを制御して、上記マイクロナノバブル発生槽に導入するマイクロナノバブル発生助剤の量を制御し、
上記濁度計から得られる濁度検出信号に基づいて、上記水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機に空気を供給するブロワーを制御して、上記水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機に供給する空気量を制御することを特徴とするマイクロナノバブル含有液体製造方法。
【請求項2】
液体が導入されると共に、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機、非水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機、導入された液体の液面からの泡のレベルを検出する泡レベル計、および上記液体の濁度を検出する濁度計を有するマイクロナノバブル発生槽と、
上記マイクロナノバブル発生槽にマイクロナノバブル発生助剤を送出するマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプと、
上記水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機に空気を供給するブロワーと、
上記泡レベル計から得られる泡レベル検出信号に基づいて、上記マイクロナノバブル発生助剤定量ポンプを制御して、上記マイクロナノバブル発生槽に導入するマイクロナノバブル発生助剤の量を制御する第1の制御部と、
上記濁度計から得られる濁度検出信号に基づいて、上記マイクロナノバブル発生助剤定量ポンプを制御して、上記マイクロナノバブル発生槽に導入するマイクロナノバブル発生助剤の量を制御する第2の制御部と、
上記濁度計から得られる濁度検出信号に基づいて、上記ブロワーを制御して、上記水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機に供給する空気量を制御する第3の制御部とを備えることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体製造装置。
【請求項3】
請求項2に記載のマイクロナノバブル含有液体製造装置と、
上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される次工程装置とを備えることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体応用装置。
【請求項4】
請求項2に記載のマイクロナノバブル含有液体製造装置と、
上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される浄化槽とを備えることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体応用装置。
【請求項5】
請求項3に記載のマイクロナノバブル含有液体応用装置において、
上記次工程装置が、生物処理装置であることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体応用装置。
【請求項6】
請求項3に記載のマイクロナノバブル含有液体応用装置において、
上記次工程装置が、化学処理装置であることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体応用装置。
【請求項7】
請求項3に記載のマイクロナノバブル含有液体応用装置において、
上記次工程装置が、物理処理装置であることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体応用装置。
【請求項8】
請求項2に記載のマイクロナノバブル含有液体製造装置において、
上記マイクロナノバブル発生槽は、
第1のマイクロナノバブル発生部と、
第2のマイクロナノバブル発生部と、
上記第1のマイクロナノバブル発生部と第2のマイクロナノバブル発生部とを仕切る仕切り板とを有することを特徴とするマイクロナノバブル含有液体製造装置。
【請求項9】
請求項8に記載のマイクロナノバブル含有液体製造装置において、
上記第1のマイクロナノバブル発生部にマイクロナノバブル発生助剤を送出する第1のマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプと、
上記第1のマイクロナノバブル発生部における泡レベルを検出する第1の泡レベル計と、
上記第1の泡レベル計から得られる泡レベル検出信号に基づいて、上記第1のマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプを制御して、上記第1のマイクロナノバブル発生部に導入するマイクロナノバブル発生助剤の量を制御する第1のマイクロナノバブル発生助剤量制御部と、
上記第2のマイクロナノバブル発生部にマイクロナノバブル発生助剤を送出する第2のマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプと、
上記第2のマイクロナノバブル発生部における泡レベルを検出する第2の泡レベル計と、
上記第2の泡レベル計から得られる泡レベル検出信号に基づいて、上記第2のマイクロナノバブル発生助剤定量ポンプを制御して、上記第2のマイクロナノバブル発生部に導入するマイクロナノバブル発生助剤の量を制御する第2のマイクロナノバブル発生助剤量制御部とを有することを特徴とするマイクロナノバブル含有液体製造装置。
【請求項10】
請求項2に記載のマイクロナノバブル含有液体製造装置と、
上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される有用微生物槽とを備えることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体応用装置。
【請求項11】
請求項2に記載のマイクロナノバブル含有液体製造装置と、
上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される発酵槽とを備えることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体応用装置。
【請求項12】
請求項2に記載のマイクロナノバブル含有液体製造装置と、
上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される水耕栽培槽とを備えることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体応用装置。
【請求項13】
請求項2に記載のマイクロナノバブル含有液体製造装置と、
上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される水産養殖槽とを備えることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体応用装置。
【請求項14】
請求項2に記載のマイクロナノバブル含有液体製造装置と、
上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される活性汚泥槽とを備えることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体応用装置。
【請求項15】
請求項2に記載のマイクロナノバブル含有液体製造装置と、
上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される工業用水前処理槽とを備えることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体応用装置。
【請求項16】
請求項2に記載のマイクロナノバブル含有液体製造装置と、
上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される洗浄槽とを備えることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体応用装置。
【請求項17】
請求項8に記載のマイクロナノバブル含有液体製造装置において、
上記第1のマイクロナノバブル発生部に上記水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機が設置されると共に上記第2のマイクロナノバブル発生部に上記非水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機が設置され、
上記第1のマイクロナノバブル発生部は上記第2のマイクロナノバブル発生部よりも前段に配置されていることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体製造装置。
【請求項18】
請求項2に記載のマイクロナノバブル含有液体製造装置において、
上記マイクロナノバブル発生助剤は、家庭用洗剤であることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体製造装置。
【請求項19】
請求項2に記載のマイクロナノバブル含有液体製造装置と、
上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入される埋設管路とを備えることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体応用装置。
【請求項20】
請求項2に記載のマイクロナノバブル含有液体製造装置と、
上記マイクロナノバブル含有液体製造装置から得られるマイクロナノバブル含有液体が導入されるビル排水設備およびビル給水設備を備えることを特徴とするマイクロナノバブル含有液体応用装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−73658(P2008−73658A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−258446(P2006−258446)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】