説明

リソグラフィ装置及びパターニング・デバイスの運搬

【課題】外部汚染から保護し、装置スループットが最適になるリソグラフィ・パターニング装置を搬送するボックスを提供する。
【解決手段】運搬ボックス2は、パターニング・デバイスを格納する格納位置を有する内部空間10、及び、パターニング・デバイスの搬送のための開口を有するコンテナ部8を具備する。内部空間から装置へパターニング・デバイスを搬送する前に、内部空間が加圧される。ボックスはまた、開口を閉じる閉塞部、及び/又は、ボックスの内部空間から/そこへ、ガスを排気し、かつ/又は、供給するチャネル・システム18を備え、こうしたボックス装置と協働するように構成されたリソグラフィ装置を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「リソグラフィ装置及びパターニング・デバイスの運搬(Lithographic Apparatus and Patterning Device Transport)」という題名の、2004年6月24日に出願された米国特許出願第10/874,690号の利益を主張し、その一部継続出願である。その出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、リソグラフィ装置、機器、及び方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
リソグラフィ装置は、基板の標的部上に所望のパターンを塗布する機械装置である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造で使用される可能性がある。こうした状況で、別法として、「マスク」又は「レチクル」と呼ばれるリソグラフィ・パターニング・デバイスを使用して、ICの個々の層に対応する回路パターンを生成することができ、このパターンは、放射に敏感な材料の層(即ち、レジスト)を有する基板(例えば、シリコンウェハ)上の(例えば、1つのダイの一部、1つのダイ又はいくつかのダイを含む)標的部分の上にイメージングされる可能性がある。
【0004】
一般に、単一基板は、連続的に露光される隣接する標的部分のネットワークを収容するであろう。知られているリソグラフィ装置は、標的部分上に全体のパターンを一度に露光することによって、それぞれの標的部分が照射される、いわゆる、ステッパ、及び、投影ビームを通してパターンを、所与の方向(「走査」方向)に走査し、一方、基板を、この方向に平行又は逆平行に同期して走査することによって、それぞれの標的部分が照射される、いわゆる、スキャナを含む。
【0005】
本明細書で使用される「パターニング・デバイス」という用語は、基板の標的部分にパターンを作成するためなど、その断面内にパターンを有する投影ビームを与えるのに使用される可能性があるデバイスのことを言うものとして広範囲に解釈されるべきである。投影ビームに与えられるパターンは、基板の標的部分における所望のパターンと厳密に対応しなくてもよい。一般に、投影ビームに与えられるパターンは、集積回路などの、標的部分で作成される、デバイスの特定の機能層に対応するであろう。
【0006】
パターニング・デバイスは、透過タイプか、又は、反射タイプであってよい。パターニング手段の実施例は、マスク、プログラム可能なミラー・アレイ、及び、プログラム可能なLCDパネルを含む。マスクは、リソグラフィでよく知られており、バイナリ、交番位相シフト、減衰位相シフトなどのマスク・タイプ、並びに、種々のハイブリッド・マスク・タイプを含む。プログラム可能なミラー・アレイの実施例は、小型ミラーのマトリクス配置構成を使用し、小型ミラーのそれぞれは、入射放射ビームを異なる方向へ反射するために、個々に傾斜される可能性があり、こうして、反射ビームがパターニングされる。
【0007】
一般に、こうしたパターニング・デバイスは、よく知られており、広く使用されている運搬ボックスを介して1つの場所から別の場所へ運搬される。運搬は、パターニング・デバイスのストックとリソグラフィ装置の間で行われる可能性がある。パターニング・デバイスがボックス内部に位置する時に、運搬が可能であり、一方、パターニング・デバイスは、外部汚染(例えば、有機汚染、Si粒子、金属、粒子、化学汚染、分子汚染、塵粒子など)に対して防護される。
【0008】
運搬後、パターニング・デバイスは、ボックスからリソグラフィ装置へ搬送される可能性がある。その後、取り出し及び設置機械装置(即ち、設置機器)によって、レチクル・ステージ/テーブル/ホルダへ、さらなる運搬が行われ、レチクル・ステージ/テーブル/ホルダは、パターニング・デバイスを保持し、一方、露光放射ビームは、基板又はウェハを露光する。
【0009】
パターニング・デバイスを交換する従来の方法によれば、パターニング・デバイスを装填された運搬ボックスは、リソグラフィ装置に連結される。パターニング・デバイスを積載するボックスのドアが、リソグラフィ装置のドアに連結し、リソグラフィ装置のドアが、次に、エレベータ機構に連結する配置構成によって連結が容易になる。連結後、ドアを有するエレベータは、降下し、パターニング・デバイスは、レチクル・ステージへさらに運搬するために、リソグラフィ装置に入る。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施例は、ボックスからリソグラフィ装置へパターニング・デバイスを搬送する方法を含み、方法は、パターニング・デバイスが位置するボックスの内部空間を加圧することによって、内部空間において第1ガス圧を得ることと、加圧することに続いて、ボックスの内部空間を約1バール(10dyn/cm)の第2ガス圧下にあるリソグラフィ装置の内部空間に連結することと、ボックスの内部空間からリソグラフィ装置の内部空間にパターニング・デバイスを搬送することとを含み、第1ガス圧は、前記第2ガス圧より大きい。
【0011】
本発明の実施例によるリソグラフィ装置は、放射ビームを調整するように構成された照明システムと、パターニング・デバイスを支持するように構成された支持構造を含み、パターニング・デバイスは、放射ビームに所望のパターンを与えるように構成され、基板を保持するように構成された基板ホルダと、パターン化された放射ビームを基板の標的部分上に投影するように構成された投影システムと、パターニング・デバイスが位置するボックスの内部空間を加圧して、内部空間内で第1ガス圧を得るように構成された圧力ユニットと、前記ボックスの内部空間から約1バールの第2ガス圧下にある前記リソグラフィ装置の内部空間へパターニング・デバイスを搬送するように構成された搬送アセンブリとを備え、第1ガス圧は、第2ガス圧より大きい。
【0012】
本発明の実施例では、パターニング・デバイスが位置するボックスの内部空間を加圧することによって、内部空間において第1ガス圧を得ることと、加圧することに続いて、ボックスの内部空間を約1バールの第2ガス圧下にあるリソグラフィ装置の内部空間に連結することと、ボックスの内部空間からリソグラフィ装置の内部空間にパターニング・デバイスを搬送することとを含み、第1ガス圧は、第2ガス圧より大きく、接続された内部空間は、外部環境から実質的にガス漏れしないようにシールされる方法に従って、ボックスからリソグラフィ装置へパターニング・デバイスを搬送するための、機械装置が実行可能な命令によって符号化された機械装置が読み取り可能な媒体が提供される。
【0013】
ここで、本発明の実施例が、添付の概略的な図面を参照して、実施例としてのみ述べられるであろう。図面では、対応する参照符号は、対応する部品を指示する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の実施例によるリソグラフィ装置を概略的に示す。装置1は、
投影放射ビームPB(例えば、UV放射又はEUV放射)を提供するための照明システム(照明器)ILと、
パターニング・デバイス(例えば、マスク)MAを支持し、パターニング・デバイスをアイテムPLに対して正確に位置決めする第1位置決め機構PMに連結する、第1支持構造(例えば、マスク・テーブル/ホルダ)MTと、
基板(例えば、レジストをコーティングしたウェハ)Wを保持し、基板をアイテムPLに対して正確に位置決めする第2位置決め機構PWに連結する、基板テーブル(例えば、ウェハ・テーブル/ホルダ)WTと、
パターニング・デバイスMAによって投影ビームPBに与えられたパターンを、基板Wの標的部分C(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に結像する、投影システム(例えば、反射投影レンズ)PLとを備える。
【0015】
本明細書で示すように、装置は、反射タイプ(例えば、反射マスク又は先に述べたタイプのプログラム可能なミラー・アレイを使用する)であってもよい。別法として、装置は透過タイプ(例えば、透過マスクを使用する)であってもよい。
【0016】
照射器ILは、放射源SOからの放射ビームを受け取る。放射源及びリソグラフィ装置は、例えば、放射源がプラズマ放出源である時に、別々の構成要素である。こうした場合、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成すると考えられず、放射ビームは、一般に、例えば、適当な収集ミラー及び/又はスペクトル純化(purity)フィルタを備える放射収集器を使用して、放射源SOから照射器ILへ渡される。他の場合では、例えば、放射源は水銀ランプである時、放射源は装置と一体の部品であってもよい。放射源SO及び照明器ILは、放射システムと呼ばれてもよい。
【0017】
照明器ILは、ビームの角度輝度分布を調整するための調整機構を備えてもよい。一般に、照明器の瞳面における、少なくとも外部及び/又は内部の放射方向の輝度分布の程度(一般に、それぞれ、σ−外部及びσ−内部と呼ぶ)を調整することができる。照明器は、その断面において所望の均一性及び輝度分布を有する、投影ビームPBと呼ばれる、調節された投影ビームを提供する。
【0018】
投影ビームPBは、マスク・テーブルMT上に保持されるマスクMA上に入射する。マスクMAによって反射されて、投影ビームPBは、レンズPLを通過し、レンズPLは、基板Wの標的部分C上にビームを収束させる。第2位置決め機構PW及び位置センサIF2(例えば、干渉デバイス)を使用して、基板テーブルWTは、例えば、ビームPBの経路内に異なる標的部分Cを位置決めするために、正確に移動される可能性がある。同様に、第1位置決め機構PM及び位置センサIF1を使用して、例えば、マスク・ライブラリから機械的に取出した後か、又は、スキャン中に、ビームPBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めされる可能性がある。一般に、オブジェクト・テーブルMT及びWTの移動は、位置決め機構PM及びPWの一部を形成する、ストロークの長いモジュールとストロークの短いモジュールを使用して実現されるであろう。しかし、ステッパの場合(スキャナと対照的に)、マスク・テーブルMTは、ストロークの短いアクチュエータに単に連結されるか、又は、固定されてもよい。マスクMA及び基板Wは、マスク・アライメント・マークM1、M2、及び、基板アライメント・マークP1、P2を使用して位置合わせされてもよい。
【0019】
図示の装置が、以下の好ましいモードで使用され得る。
ステップ・モード:マスク・テーブルMT及び基板テーブルWTは、投影ビームに与えられる全体のパターンが、標的部分C上に1度で投影される間、実質的に固定したままにされる(即ち、単一静的(static)露光)。基板テーブルWTは、その後、異なる標的部分Cを露光できるようにX及び/又はY方向にシフトされる。ステップ・モードでは、露光フィールドの最大サイズは、単一静的露光で結像される標的部分Cのサイズを制限する。
スキャン・モード:マスク・テーブルMT及び基板テーブルWTは、投影ビームに与えられるパターンが、標的部分C上に投影される間、同期して走査される(即ち、単一動的露光)。マスク・テーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPLの(縮小率)拡大率及びイメージ反転特性によって決まる。スキャン・モードでは、露光フィールドの最大サイズは、単一動的露光の標的部分の(走査しない方向の)幅を制限し、走査運動の長さは、標的部分の(走査方向の)高さを決める。
他のモード:プログラム可能なパターニング・デバイスを保持するマスク・テーブルMTは、実質的に固定したままにされ、基板テーブルWTは、投影ビームに与えられるパターンが、標的部分C上に投影される間、移動する、即ち、走査される。このモードでは、一般に、パルス放射源が使用され、プログラム可能なパターニング・デバイスは、基板テーブルWTのそれぞれの移動後か、又は、走査中における連続した放射パルスの間に、必要に応じて更新される。この動作モードを、先に参照したタイプのプログラム可能なミラー・アレイなどの、プログラム可能なパターニング・デバイスを利用するマスク無しリソグラフィに容易に適用される可能性がある。
【0020】
上述した使用モードに関する組み合わせ、及び/又は、変形、或いは、全く異なる使用モードを使用してもよい。
【0021】
リソグラフィ装置1(図1、図2A、図2B)は、ウェハW上で露光されるリソグラフィ・パターンを含むパターニング・デバイスMA,4を装備する。運搬ボックス2は、リソグラフィ・パターニング・デバイスMA,4の運搬に使用される可能性がある。パターニング・デバイスの実施例は、EUVマスク又はEUVレチクルである。運搬ボックス2は、1つ又は複数のレチクル(例えば、多数の垂直に積層されたレチクル)を保持する可能性がある。パターニング・デバイスMA,4は、有機、化学、及び/又は、分子汚染などの汚染に対してボックスによって防護される。
【0022】
極紫外線(EUV)適用形態の場合、ペリクルを適用する時に欠点が存在する。ペリクルは、可能性のある汚染を、パターニング・デバイス上に存在するパターンから離しておくために、パターニング・デバイス上(パターン上に)に設置される可能性がある透明部材である。こうしたペリクルの適用は、(EUV波長で十分に透過性がある適した材料が現在知られていないために)EUVの適用形態の場合には回避される。ペリクルが無いことは、パターニング・デバイス上で汚染粒子の存在及びリスクを低減する特別な処置が適用されなければならないことを意味する。重要な処置は、パターニング・デバイスMA,4が、運搬中に汚染されないように、パターニング・デバイスが、ボックス2内のリソグラフィ装置1に運搬されることがである。
【0023】
この実施例では、運搬ボックス2(図2A、図2Bを参照されたい)は、ボックス(例えば、矩形断面)の形態を有するが、例えば、ピル形態、円筒形態などの、他の形態もまた可能であることが理解されるであろう。ボックス2は、多くの種類の金属、合成材料、又は、それらの組み合わせでできている可能性がある。可能性のある金属の選択は、アルミニウム及びチタンである。この実施例では、構成は、十分な程度の剛性を有して、予想される最大圧力差に対抗できるようになっている。
【0024】
図2Aは、パターニング・デバイスMA,4を搬送する、又は、交換するための、リソグラフィ装置1の装填ロック部6と協働することが可能なボックス2を備える、本発明の実施例による構成を示す。ボックス2は、1つ又は複数のマスク又はレチクルを保持する可能性がある。この実施例では、パターニング・デバイスは、装填ロック部6を介して、ボックス2からリソグラフィ装置1のさらなる内部空間7内に運搬される可能性がある。
【0025】
図2Bは、装填ロック部無しの、リソグラフィ装置1と協働するボックス2を備える、本発明の実施例による別の構成を提供する。こうした構成はうまく働くが、以前の構成(図2Aを参照されたい)が好ましい場合がある。その理由は、以前の構成が、ロック部6を介して、リソグラフィ装置のさらなる内部空間7内への、パターニング・デバイスMA,4の高度な加圧フィードスルーを提供し、汚染に対する防護が向上するからである。さらなる内部空間7は、例えば、投影システム、基板ホルダ/テーブルなどのような、リソグラフィ装置1の露光関連構成部品が位置するエリアを包含してもよい。(先の説明を参照されたい。)空間についての典型的な容積は以下の通り、即ち、搬送ボックスの内部空間が10−4、装填ロック部6の内部空間が10−2、及び、リソグラフィ装置のさらなる内部空間7が5mである。
【0026】
以降で、図2Aによる構成が、より詳細に説明されるであろう。図3Aに示すように、運搬ボックス2は、パターニング・デバイス4を格納位置に格納する内部空間10、及び、パターニング・デバイス4を搬送する、かつ/又は交換するための開口12を有するコンテナ部8を装備する。ボックス2はまた、開口12を閉じる閉塞部14を備える。この実施例では、開口は底面にあるが、前面の開口又は、上面の開口もまた適用される可能性があることが理解されるであろう。パターニング・デバイス4は、パターニング・デバイス4を積載するための積載ピン13A、13Bを装備したテーブル13によって保持される。したがって、積載ピン13A、13Bは、格納位置を規定する。
【0027】
図3Aに示すように、運搬ボックス2は、コンテナ部8と閉塞部14の間に位置するガス漏れしないシール16を装備する。ガス漏れしないシール16は、コンテナ部8及び/又は閉塞部14の1つ又は複数の凹所に嵌る弾性部材である可能性がある。ボックス2は、内部空間10からガスを排気させる、かつ/又は、内部空間10内にガスを通気させるための、チャネル・システム18を装備する。(本明細書で使用される「排気する」という用語は、ある空間内の圧力についての任意の低減を包含することが理解される。)チャネル・システム18は、図3Bにはっきりと示される。
【0028】
リソグラフィ・システム1のさらなる内部空間7(露光関連構成部品が位置する)に対してパターニング・デバイス4を運搬する時に装填ロック部6と協働して、運搬ボックス2に関してチャネル・システム18が使用される方法は、以下でより詳細に説明されるであろう。
【0029】
運搬ボックス2のチャネル・システム18は、内部空間10に接続された出力チャネル20を備える。出力チャネル20は、内部空間10からガスを排気するため外部排気装置に接続される可能性がある。外部排気装置は、内部空間のガス圧を調整するように構成されたガス圧ユニットの一部である可能性がある。そのため、ボックス2は真空状態にポンプで引かれる可能性がある。この実施例では、出力チャネル20は、出力チャネル20を介して、内部空間10が粒子によって汚染されることから防護するための、粒子フィルタ22を装備する。この実施例では、出力チャネル20は、出力チャネル20が外部デバイスに接続されない時に出力チャネルを閉塞するため出力弁24を有することに留意されたい。そのため、開口12が閉塞状態にある時に、閉塞部14がコンテナ部8に対する真空漏れしないシールを実施するため、ボックス2は、ボックス2が排気装置に接続されない時に真空状態を維持する可能性があり、弁24は、ボックスが排気デバイスに接続されない時に閉塞する可能性がある。
【0030】
チャネル・システム18は、内部空間10に接続される入力チャネル26を備える。入力チャネル18は、内部空間10にガスを供給する外部供給装置に接続可能である。外部供給装置は、ガス圧ユニットの一部である可能性がある。これは、内部空間10の状態が、1つの圧力状態(例えば、約1バール)からガス圧の高い(例えば、10〜100バール)状態に変換される可能性がある、ボックス2の通気(又は、供給)と呼ばれる。好ましくは、入力チャネル26は、粒子フィルタ28、及び、入力チャネル26が外部供給装置に接続されない時に入力チャネル26を閉塞させるための入力弁30を装備する。一般に、運搬ボックス2は、清浄ガスで通気されるであろうが、そのガス内にたとえ汚染粒子が存在しても、フィルタ28は、これらの粒子が、内部空間10に入ることを防止する可能性がある。
【0031】
図5Aに示すように、運搬ボックス2の内部空間10は、分離部材32を装備し、分離部材32は、この実施例では、ガス透過性カバー・シートを備える。ガス透過性カバー・シートは、50nmより大きい寸法を有する粒子をろ過除去することができるようになっている(20〜50nmより大きな寸法を有する全ての粒子をろ過除去する可能性のあるシートもまた適用される可能性があることに留意されたい)。分離部材32は、ボックス2が閉塞状態にある時に、ボックス2の内部空間10内で、第1区画34.1及び第2区画34.2を画定する。分離部材32は、第2区画34.2の格納位置に設置された時のパターニング・デバイス4を、第1区画34.1内での可能性のある汚染に対して防護すること可能にする。ガス透過性カバー・シートは、不幸にも、第1区画34.1に入ってしまった汚染粒子/分子(例えば、真空シール16を通過した汚染粒子)に対する防護を提供する可能性がある。透過性カバー・シート32は、接続部材36.1、36.2を介してコンテナ8の天井に搭載される。
【0032】
さらに、分離部材32は、内壁部38に取り付けられ、弾性シール40を介して閉塞部14を押さえつける。シール40は、一般に、大きな圧力差(大きいとは、約1バールの大きさである)に耐える必要がなく、その結果、汚染粒子に対する良好な遮蔽を提供する中空の(断面が)O形状、又は、(断面が)V形状の(剛性の低い)シールを適用することが有利である。分離部材32、壁部38、及びシール40は、内部空間10内で粒子の漏れない分離を形成し、区画34.1及び34.2を生み出す。分離部材32には、距離キーパ41A、41Bが取り付けられ、距離キーパ41A、41Bは、パターニング・デバイス4が運搬中にガタガタすることを防止するために、積載ピン13A、13B上にパターニング・デバイス4を押し付けることによって、シート32とパターニング・デバイス4の間の距離を維持する。
【0033】
図5Aに示すように、チャネル・システム18は、入力チャネル26が第1区画34.1内に流れ、出力チャネル20が第2区画34.2から流れ出るようになっている。さらに、分離部材32は、第1区画34.1が第2区画34.2の上に位置するように実質的に水平に向きを調整される。以下でより詳細に説明するように、こうした構成は、排気中と通気中の両方で、内部空間10の上部から、分離部材32の透過性シートを通って、内部空間10の底部の方への、ガス流の有利な方向を提供する。透過性シートは、比較的スムーズなガス流を生み出し、ガス流がスムーズであればあるほど、パターニング・デバイス4を汚染する可能性がある、ばらばらの汚染粒子がぶつかる恐れが小さくなる。
【0034】
本発明はまた、本発明の実施例に従って、運搬ボックス2と協働する装填ロック部6(図4Aを参照されたい)に関する。装填ロック部6は、リソグラフィ装置、パターニング・デバイス・ストック装置、汚染−粒子−スキャナ、清浄ユニットなどのような装置の一部である可能性がある。装填ロック部6は、ボックス2のチャネル・システム18が、装填ロック部6のチャネル・システムに接続されるように、運搬ボックス2に連結されるようになっている。チャネル・システムの連結は、運搬ボックス2のそれぞれの入力チャネル26及び出力チャネル20が、装填ロック部6のチャネル・システムのそれぞれの第1チャネル42及び第2チャネル44に連結されるようになっている(図5Aを参照されたい)。それぞれの第1及び第2チャネル42、44は、好ましくは、それぞれの第1弁46及び第2弁48を装備する。
【0035】
運搬ボックス2を装填ロック部6に連結する間に、閉塞部14は、装填ロック部6の開口51を閉塞するために、閉塞部材50に連結する。閉塞部材50の外側部は、ガス漏れしないシール52を装備する可能性があり、ガス漏れしないシール52は、連結後に、閉塞部14と閉塞部材50の間に空間を画成する。一実施例では、この空間内に存在するガスは、極めた完全な連結が確立するように排気される。好ましくは、閉塞部14と閉塞部材50を固定する機械的連結が行われ、その結果、両者は、装填ロック部6の内側部54などの加圧された環境内に置かれた時でも、互いに押し付けられる。運搬ボックス2と装填ロック部6の間の協働は、以降でより詳細に説明される。
【0036】
図6は、運搬ボックス2を装填ロック部6に連結した後に、パターニング・デバイス4、テーブル13、積載要素58A、58B、閉塞部14、及び閉塞部材50を含む全体56が、装填ロック部6の内部空間54内に降下した状況を示す。全体56を降下することは、搬送アセンブリの一部であり、図5に概略的に示すエレベータ機構60によって行われる。EUV適用形態では、内部空間54は、一般に、真空状態に保たれるが、他の適用形態では、内部空間54は約1バールの圧力である場合がある。
【0037】
装填ロック部6は、設置機器62を装備し、設置機器62は、パターニング・デバイス4を有するテーブル13を、装填ロック内部空間54からリソグラフィ装置1の露光ユニット(例えば、さらなる内部空間7内に位置する)へ搬送するつかみ腕64(図7を参照されたい)を備える。運搬中、つかみ腕64は、テーブル13の下で移動し、パターニング・デバイス4を有するテーブルを積載要素58A、58Bから持ち上げる。
【0038】
装填ロック部6は、パターニング・デバイス4を有するテーブル13が、内側部54と露光ユニット間での運搬中に、そこを通って供給される付加的な真空ロック(搬送通路)を装備する可能性がある。露光ユニット内で使用された後、設置機器は、パターニング・デバイス4を有するテーブル13を運搬して、積載要素58A、58B上に戻す可能性がある。
【0039】
図8Aは、エレベータ機構60が、ボックス2の開口12と装填ロック部の開口51が閉塞するように全体56を持ち上げ、パターニング・デバイス2が運搬ボックス2内に搬送される状況を概略的に示す。
【0040】
装填ロック部6は、第1弁46、第2弁48、第1チャネル42に連結する排気装置、及び第2チャネル44に連結する供給装置を制御する制御システム65を装備してもよく、その結果、以降の動作下でより詳細に説明されるように、連結中に、ボックス2は、第2弁48を開けた後に排気装置によって排気され、かつ/又は、第1弁46を開けた後に供給装置によって通気される可能性がある。制御システム65は、排気中及び通気中にガス流が、第1区画34.1から第2区画34.2への方向であるように、弁及びデバイスを制御するようになっている。
【0041】
運搬ボックス2及び装填ロック部6は、例えば、機械的ノッチ、及び/又は、ボックス2と装填ロック部6の接続が所定の相互位置にあるように行われることをチェックし、確保するための、磁石及び磁石検出器の組み合わせを含む、接続アライメント手段を装備する可能性がある。こうして、一方では、ボックス2と装填ロック部6の内部空間、及び、他方では、外部環境66のガス漏れの無い良好なシールを保つために、適切な連結が確保される可能性がある。
【0042】
さらに、適切な連結に関するチェックはまた、安全のために重要である。例えば、エレベータ機構60又は搬送アセンブリは、アライメント手段からの信号によって制御される可能性があり、適切な連結が確立された時に確実に作動するだけであるようにされる。こうして、ボックス2に適切に接続されない場合、エレベータ機構60の予想外の移動は行われない。
【0043】
以降で、ボックス2及び装填ロック部6の動作は、先に提供した、詳細な構成上の説明に基づいて述べられるであろう。
【0044】
パターニング・デバイス4は、ボックス2の運搬中に、内部空間10内に設置される可能性があり、内部空間10は、窒素又はアルゴンなどの適したガスで充填される可能性がある。パターニング・デバイス4は、通常、ボックス2の内部空間10内の、大気圧条件(例えば、約1バール)下で運搬される。しかし、内部空間は、運搬中に、過度の圧力下(例えば、100バールの圧力下)に置かれる可能性があり、それによって、汚染粒子が外部環境66から内部空間に入る可能性が、過度の圧力によって低減される。
【0045】
運搬後、
運搬ボックス2を装填ロック部6と連結させること(図5Aを参照されたい)、
第1ガス圧(例えば、1バールより大きい絶対圧力)が得られるまで、ボックス2の内部空間10の圧力を変更すること(図5Bを参照されたい)、
ボックス2の内部空間10と、第1ガス圧より小さい第2ガス圧下(約1バールの絶対ガス圧力下)に既にある、(内部空間に接続する)装填ロック部の内部空間54との間に搬送開口を作成すること、及び、
内部空間10からパターニング・デバイス搬送開口を通って内部空間54内に搬送させることによって(図6を参照されたい)、パターニング・デバイス4は、運搬ボックス2から装填ロック部6へ搬送される。
【0046】
連結する前に、ボックスを加圧することが可能である。しかし、ボックスが装填ロック部に連結される時にボックスを加圧することが好ましい場合がある。その理由は、その後、装填ロック部に位置するガス圧ユニットに接続される連結したチャネル・システムを介して加圧が行われる可能性があるからである。
【0047】
ボックス2と装填ロック部6との連結中に(図5A)、入力チャネル26は、第1弁46によって閉塞された第1チャネル42に連結され、出力チャネル20は、第2弁48によって閉塞された第2チャネル44に連結する場合がある。連結中に、装填ロック部6は、入力弁30及び出力弁24を自動的に開く。図4Aに示すように、第1及び第2チャネル42、44は、装填ロック部6の一部である。連結後、第1チャネル42は第1弁46によって閉塞され、第2チャネル44は第2弁48によって閉塞される。
【0048】
連結中に、ロック及び押し付け機構(例えば、ばねに接続された突起を有する回転可能ピンであって、ピンは、バネの押し付け力の下で、閉塞部を一緒にロックするように回転する可能性がある)は、加圧状態下でも、閉塞部14、閉塞部材50、及び、シール52の完全な接続を確保するために適用される可能性がある。
【0049】
圧力を変える場合、第1弁46が開いて、適したガスを、第1チャネル42に供給し、入力チャネル26を通って、内部空間10内に入れられる場合がある。こうして、ボックスはガスを充填される(例えば、大気より大きい圧力下で、図8Bを参照されたい)。入力チャネル26は、ガス・フィルタ28を装備するため、ガス内に存在する可能性のある汚染粒子はろ過除去されることになる。しかし、好ましくは、チャネル42は、清浄な、粒子の無いガスが、チャネル42、26を通って供給されるように、ガス圧ユニットの清浄ガス供給デバイスに接続される。このプロセスの間で、ガス流は図8Aにおいて矢印で示される。装填ロック部6は、その内部空間54内で第2圧力状態を維持することに留意されたい。
【0050】
別法として、又は、付加的に(例えば、後で)、圧力を変える場合、第2弁48が開いて、ボックス2からのガスの排気が可能になる場合がある(開く前に、ボックスの圧力が低減される、適用形態の場合)。一実施例では、装填ロック部6は、第2チャネル44に接続される場合がある、排気されたガス用のリザーバ(ガスがそこから回収される場合がある)を装備する。代替として、ガスは、外部雰囲気に通気される場合がある。ガス流の方向は、図5Bに示す矢印に従う。このガス流は、第1区画34.1から第2区画34.2へ送られる。パターニング・デバイス4は、テーブル13に面する面(低面)上にパターンを含む場合があり、その結果、ガス流の方向はパターンから離れる方に送られ、それによって、汚染の可能性が最適に低減されるため有利である。ボックス2を排気した後、弁48が閉塞する。
【0051】
連結し、圧力を変えた後、パターニング・デバイス4及びテーブル13は、装填ロック部6内に搬送される。これは、全体56をエレベータ60によって降下させることによって行われ、パターニング・デバイス搬送開口が、内部空間10と、パターニング・デバイスが供給される内部空間54との間に作成される。内部空間10及び54は、ここで、パターニング・デバイス搬送開口を介して接続される。接続された、又は、結合された内部空間が、外部環境66からガス漏れしないようにシールされてもよいことが留意される(図6参照)。
【0052】
図7の状況では、パターニング・デバイス4は、装填ロック部6内に搬送されている。設置機器62は、装填ロック部6から露光ユニットへパターニング・デバイス4を運搬する可能性がある。使用後、パターニング・デバイスは、設置機器62によって戻され、テーブル13と共に積載要素58A、58B上に設置される(図7)。その後、エレベータ機構60は、ボックスと装填ロック部の両方が閉塞するまで、全体56を上昇させる(図8A)。
【0053】
一配置構成では、リソグラフィ・パターニング装置を運搬するボックスが提示され、ボックスは、パターニング・デバイスを搬送するために、リソグラフィ装置と協働するようになっており、ボックスは、パターニング・デバイスを格納する格納位置、及び、パターニング・デバイスを搬送する開口を有する内部空間、開口を閉塞する閉塞部、並びに、ガスをボックスの内部空間から/へ排気する、かつ/又は、ガスをボックスの内部空間へ/から供給するように構成されたチャネル・システムを有するコンテナ部を備える。
【0054】
パターニング・デバイス運搬ボックスは、閉塞部によって実質的にガス漏れしない閉塞を可能にするために、コンテナ部と閉塞部の間に真空シールを装備する場合がある。したがって、排気デバイスは、リソグラフィ装置とボックスの内部空間が接続される前に、排気デバイスがポンプで真空に引かれることができるように、ボックスのチャネル・システムに接続される可能性がある。
【0055】
こうした配置構成では、接続中に、内部空間と内部空間の間のガス流は、ゼロであるか、又は、少なくとも最小である。さらに、リソグラフィ装置の内部空間の真空状態は、接続中にほとんど影響を受けないため、真空状態を回復する時に時間損失が存在せず、その結果、装置のスループットが最適になる。
【0056】
極紫外(EUV)リソグラフィ露光プロセスなどの特定のリソグラフィ装置の場合、(例えば、空気がこうした波長の放射を吸収するため)真空状態が必要とされる。しかし、これらの適用形態では、パターニング・デバイスの交換中に、ボックスの内部空間は、一般に、大気圧(約1バール)下にあるため、エレベータ機構又は搬送アセンブリがパターニング・デバイスを降下させる時に、ボックスからのガスがリソグラフィ装置に入る。そのため、リソグラフィ装置の一部を形成する可能性がある真空状態の装填ロック部を使用することが有利である場合がある。パターニング・デバイスは、装填ロック部の内部空間内にガスをもたらすことなく、排気されたボックスから装填ロック部内に搬送される可能性がある。得られる結果は、装填ロック部の真空状態を回復する時に深刻な時間遅延が導入されないように、装填ロック部の内部空間が実質的に真空のままであることである。
【0057】
パターニング・デバイスは、ボックスから、装填ロック部を介して、リソグラフィ装置の(レチクル・ステージが位置する)さらなる真空の内部空間内に搬送される場合がある。EUV適用形態の場合、リソグラフィ装置のさらなる内部空間は真空状態内にある。装填ロック部からリソグラフィ装置内のレチクル・ステージへの運搬は、普通なら大きな時間遅延を引き起こすことになる大きな圧力差を克服する必要無しで行われる可能性がある。その結果、リソグラフィ装置のスループットが最適化される。
【0058】
チャネル・システムは、ボックスからガスを排気する出力チャネルを備えてもよい。出力チャネルは、(例えば、排気装置がチャネルに接続されない時に)チャネルを閉塞させるための出力弁を装備する可能性がある。別の配置構成では、出力チャネルは、汚染粒子がボックスの内部空間に入ることを防止するために、汚染フィルタを装備する。
【0059】
チャネル・システムはまた、例えば、内部空間にガスを供給する(通気する)外部供給(通気)装置と共に、内部空間に接続する入力チャネルを備えてもよい。原理上は、入力及び出力チャネルは結合される。
【0060】
入力チャネルは、入力チャネルを閉塞させる入力弁を装備してもよい。入力チャネルは、ボックスの内部空間を、入力チャネルが入力弁によって閉塞される、一定の過度の加圧下に置く可能性を生ずる。例えば、パターニング・デバイスをボックスの内部空間内に搬送中に、内部空間は、適したガスで過度の加圧下に保たれる可能性があり、パターニング・デバイスをリソグラフィ装置へ搬送する直前に、内部空間は、排気されて、ボックス内で真空状態が得られる可能性がある。排気と通気の両方について、同じガス流の方向を達成することが可能であるように、入力チャネルが出力チャネルから分離されること、並びに、入力チャネルが、粒子フィルタを装備することが有利である場合がある。
【0061】
ボックスの内部空間は、ガス透過性シートを含む分離部材を装備してもよく、分離部材は、閉塞状態において、ボックスの内部空間の第1及び第2区画を画定し、分離部材は、パターニング・デバイスが第2区画内の位置に設置されると、第1区画からの可能性のある汚染に対する防護を可能にする。分離部材は、ボックスの内壁に固着される(fix)可能性がある。
【0062】
チャネル・システムは、チャネル・システムの入力チャネルが第1区画内に流れ、出力チャネルが第2区画から流れ出るようになっていてもよい。そのため、排気中のガス流の方向は、通気中のガス流の方向と同じであり、ガス流によって導入される粒子汚染の可能性は、排気と通気の間で方向が異なる場合より小さい。
【0063】
該して、EUVパターニング・デバイスは、レチクル・ホルダに対してボックス内でクランプされ、パターンを有するパターニング・デバイスの面は下方向を向く。本発明の実施例では、分離部材は、実質的に水平になるように向きを調整され、第1区画が、第2区画の上に位置するように画定される。そのため、入力チャネルを通ってボックス内に入るガス流は、ボックスの上側から下側へ送られる。同様に、出力チャネルを通るガス流は、ボックスの上側から下側へ、したがって、入力チャネルを介したガス流と同じ方向に送られる。これは、ガス流の有利な方向である。その理由は、ガス流が、パターニング・デバイス上のパターンから離れる方に送られ、それによって、第2区画の汚染粒子が渦巻く恐れが減り、パターニング・デバイスのパターンを汚染することが最高に低減されるからである。
【0064】
ガス透過性シートを有する分離部材を使用することの付加的な利点は、分離部材が、ボックスを通して通気/排気中の緩やかな(gentle)ガス流を生じ、その結果、ばらばらの汚染粒子がぶつかる可能性が最小になることである。
【0065】
パターニング・デバイス運搬ボックスと協働する別のリソグラフィ装置では、リソグラフィ装置は、リソグラフィ装置のそれぞれの第1及び第2チャネル(それぞれの第1及び第2チャネルはそれぞれの第1及び第2弁を装備する)が、それぞれ、入力チャネル及び出力チャネルに接続されるようにボックスに連結されるようになっていてもよい。リソグラフィ装置は、入力及び出力弁が、ボックスとリソグラフィ装置の連結中に自動的に開くようになっている可能性がある。
【0066】
リソグラフィ装置は、第1弁、第2弁、第1チャネルに連結した供給装置、及び、第2チャネルに連結した排気装置を制御する制御システムを装備してもよく、それによって、連結中に、ボックスは、第2弁を開けた後、排気装置によって排気される、かつ/又は、第1弁を開けた後、供給デバイスによって通気される可能性がある。これによって、制御システムは、排気中及び通気中にガス流が、第1区画から第2区画への方向であるように、弁及びデバイスを制御するようになっている可能性がある。
【0067】
リソグラフィ装置は、装填ロック部がボックスと協働するようになっているように、リソグラフィ装置の前記チャネル・システムを装備する装填ロック部を有してもよい。
【0068】
さらに別の配置構成では、ボックスからリソグラフィ装置へパターニング・デバイスを搬送する方法が提供され、方法は、内部空間内で第1真空状態を得るために、パターニング・デバイスを装填された運搬ボックスの実質的にガス漏れしないようにシールされた内部空間からガスを排気すること、第2真空状態のリソグラフィ装置の内部空間を設けること、パターニング・デバイス搬送開口を介して、ボックスの内部空間をリソグラフィ装置の内部空間に接続することを含み、接続された内部空間は、外部環境から実質的にガス漏れしないようにシールされており、ボックスの内部空間からパターニング・デバイス搬送開口を通してリソグラフィ装置の内部空間へパターニング・デバイスを搬送することを含む。
【0069】
本発明の実施例では、格納部又は運搬ボックスからリソグラフィ装置へパターニング・デバイスを搬送する方法が提供されており、方法は、搬送中にパターニング・デバイスを汚染する恐れを実質的に低減する。一般に、パターニング・デバイスが、格納ボックスの内部空間から、大気圧(即ち、約1バール)下で動作するリソグラフィ装置の内部空間へ搬送される時、リソグラフィ装置内部に存在する粒子は、パターニング・デバイス上に堆積する場合がある。この状況は、一般に、格納ボックスの内部空間が、リソグラフィ装置の内部空間より実質的に同じか、又は、低い圧力を有する場合に起こる。
【0070】
本発明の実施例では、格納ボックスの内部空間は、格納ボックスの内部空間のガス圧が、リソグラフィ装置の内部空間のガス圧より大きいように加圧される。こうして、格納ボックスに入る汚染粒子の流れが止まる場合がある。さらなる実施例では、圧力又はガス流は、最初に、格納ボックス内部、又は、パターニング・デバイスの表面上に存在する場合がある粒子を吹き飛ばすように送られる場合がある。
【0071】
本発明の実施例では、格納ボックスの内部空間は、空気、或いは、リソグラフィ装置の内部空間内に存在する雰囲気と含有物が実質的に同じであるガス又は混合物で加圧される場合がある。格納ボックスの内部空間を加圧するのに使用される場合がある適したガスの実施例は、アルゴン及び/又は別の希ガス、窒素及び/又は別の実質的に反応性のないガスなどを含む。
【0072】
格納ボックスの内部空間は、格納ボックスをリソグラフィ装置上に設置する前か、設置するのに続いて加圧される場合があることが理解されるであろう。後者の状況では、格納ボックスの内部空間は、格納ボックスをリソグラフィ装置上に設置した後に加圧される。こうした場合、内部空間は、格納ボックスをリソグラフィ装置へ運搬する間、大気圧下に保たれる場合がある。前者の場合、リソグラフィ装置の内部空間は、遠隔の場所で加圧され、加圧された格納ボックスは、リソグラフィ装置へ運搬される。こうした場合、汚染粒子が格納ボックスの内部空間に入る可能性が減る場合がある。本発明の実施例では、ボックスの内部空間の初期圧力は、10バールより大きい可能性がある。本発明の別の実施例では、初期圧力は約100バールである。
【0073】
運搬中のボックスの内部空間の圧力は、パターニング・デバイスを搬送する間のボックスの内部空間の圧力と異なる場合があることも理解されるであろう。本発明の実施例では、内部空間の運搬圧力は、ボックスをリソグラフィ装置へ運搬する間の、パターニング・デバイスの汚染を制限するために、搬送圧力より大きい場合がある。そのため、ボックスがリソグラフィ装置上に設置されると、運搬圧力は、リソグラフィ装置の内部空間の圧力より大きい、所望の搬送圧力、即ち、約1バールに達するように減少される場合がある。こうした圧力減少は、例えば、搬送中に、過剰なガスの流出がリソグラフィ装置の内部空間内に入るのを回避するために行われる場合がある。
【0074】
図9は、本発明の実施例による、リソグラフィ装置及びマスク格納ボックスの略図を示す。リソグラフィ装置の内部空間7の圧力は、約1バールである(即ち、リソグラフィ装置は大気圧下にある)。本発明のこの実施例では、装置は、格納ボックスがリソグラフィ装置上に設置されると、格納ボックスの内部空間が加圧されるように構成される。
【0075】
図9に見ることができるように、リソグラフィ装置1は、内部空間7、及び、格納ボックス2内に位置するパターニング・デバイスMAが搬送される可能性がある開放可能壁部7aを含む。格納ボックス2は、内部空間2a及び開放可能カバー部2bを含み、開放可能カバー部2bがリソグラフィ装置1の開放可能壁部7aに重なるようにリソグラフィ装置1上に設置される。内部空間2aからリソグラフィ装置1の内部空間7へパターニング・デバイスMAを搬送するために、開放可能カバー部2bは、開放可能壁部7aと協働して開く。
【0076】
図9に示す本発明の実施例では、リソグラフィ装置1は、格納ボックス2が装置上に設置されると、内部空間2aを加圧するように構成された加圧ユニット7bを含む。リソグラフィ装置1はまた、ボックス内部空間の初期(即ち、搬送前)圧力を検出するように構成されたセンサ・ユニット7cを含む。格納ボックス2は、内部空間2a内にガスを導入するか、又は、内部空間2aからガスを排気するように構成されたチャネル・システムを装備してもよい。特に、チャネル・システムは、内部空間2aに接続され、加圧ユニット7bに接続可能な入力チャネル2cを含んでもよい。加圧ユニット7bが、リソグラフィ装置の一部であるとして図9に示されるが、圧力ユニット7bは、リソグラフィ装置1から遠隔の場所に位置してもよいことが理解されるであろう。
【0077】
動作時、格納ボックス2がリソグラフィ装置上に設置されると、センサ・ユニット7cが、内部空間2aの初期圧力を検出し、加圧ユニット7bが作動して、内部空間2aを(例えば、センサ・ユニット7cによって測定される)所望のガス圧に加圧する。センサ・ユニットによって検出された初期圧力が所望の圧力より大きい場合、加圧ユニット7bは、内部空間2aの圧力を減少させる。そのため、所望のガス圧が得られると、開放可能カバー部2bは、開放可能壁部7aと協働して開き、パターニング・デバイスMAが、格納ボックス2からリソグラフィ装置1へ搬送される。センサ・ユニット7cは、リソグラフィ装置1の一部であるとして図9で示されたが、センサ・ユニット7cは格納ボックス2の一部であってもよいことが理解されるであろう。本発明の実施例では、格納ボックス2上に配置されたセンサ・ユニット7cは、格納ボックスがリソグラフィ装置1上に設置されると、加圧ユニット7bに接続される。
【0078】
ボックスの内部空間2aから装置の内部空間7へパターニング・デバイスを搬送する時に必要とされる異なる動作は、機械装置が読み取り可能な命令に従って実行されてもよいことが理解されるであろう。これらの機械装置が読み取り可能な命令は、例えば、リソグラフィ装置の制御ユニットのデータ記憶媒体に埋め込まれてもよい。
【0079】
本明細書では、ICを製造する時のリソグラフィ装置の使用が特に参照される場合があるが、本明細書で述べるリソグラフィ装置は、集積化された光学システム、磁気ドメイン・メモリ用の誘導及び検出パターン、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造などの他の適用形態を有してもよいことが理解されるべきである。
【0080】
こうした代替の適用形態の状況で、本明細書における「ウェハ」又は「ダイ」という用語の任意の使用は、それぞれ、「基板」又は「標的部分」という、より一般的な用語と同意語として考えられてもよいことを、当業者は理解するであろう。本明細書で言及される基板は、例えば、トラック・ツール(通常、レジスト層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)又は、計量ツール、又は、検査ツールにおいて、露光の前又は後で、処理されてもよい。適用可能である場合、本明細書の開示は、こうした、また、他の基板処理ツールに適用可能であってよい。さらに、基板は、例えば、多層ICを作成するために、2回以上処理されてもよく、その結果、本明細書で使用される基板という用語は、既に、複数の処理された層を含む基板のことを言う場合もある。
【0081】
本明細書で使用される「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外(UV)放射(例えば、365、248、193、157、又は126nmの波長を有する)、及び、極紫外(EUV)放射(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)、並びに、イオン・ビーム又は電子ビームなどの粒子ベームを含む、全てのタイプの電磁放射を包含する。
【0082】
支持構造は、パターニング・デバイスの重量を保持する、即ち、搭載する。支持構造は、パターニング・デバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、及び、例えば、パターニング・デバイスが真空環境内で保持されるか否かなどの他の条件に応じた方法で、パターニング・デバイスを保持する。支持は、機械的クランプ、真空又は他のクランプ技法、例えば、真空条件下の静電クランプを使用して行われる可能性がある。支持構造は、フレーム又はテーブルであってよく、例えば、必要に応じて、固定されるか、又は、移動可能であってよく、また、パターニング手段を、例えば、投影システムに対して、確実に所望の位置にあるようにしてもよい。本明細書における「レチクル」又は「マスク」という用語は、「パターニング・デバイス」という、より一般的な用語と同意語として考えられてもよい。
【0083】
本明細書で使用される「投影システム」という用語は、例えば、使用される露光放射又は、浸漬流体の使用又は真空の使用などの他の因子に適した、屈折光学系、反射光学系、及び反射屈折光学系を含む、種々のタイプの投影システムを包含するものとして広範囲に解釈されるべきである。本明細書における「レンズ」という用語の任意の使用は、「投影システム」という、より一般的な用語と同意語として考えられてもよい。
【0084】
照明システムもまた、投影された放射ビームを、送り、成形し、又は、制御するための、屈折、反射、及び反射屈折光学部品を含む種々のタイプの光学部品を包含してもよく、こうした部品はまた、以下で、ひとまとめで、即ち、単数形で、「レンズ」と呼ばれてもよい。
【0085】
リソグラフィ装置は、2つ(デュアル・ステージ)の、又は、それより多くの基板テーブル(及び/又は、2つ以上のマスク・テーブル)を有するタイプであってよい。こうした「マルチ・ステージ」機械装置では、付加的なテーブルを並列に使用することができるか、又は、1つ又は複数のテーブル上で、準備工程を実行し、一方、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用することができる。
【0086】
リソグラフィ装置はまた、投影システムの最終要素と基板の間の空間を満たすために、比較的高い屈折率を有する液体、例えば、水に基板が浸漬されるタイプであってよい。浸漬液体は、例えば、マスクと投影システムの第1要素の間の、リソグラフィ装置の他の空間に適用されてもよい。投影システムの開口数を増加させるための浸漬技法は、当技術分野ではよく知られている。
【0087】
本発明の特定の実施例が先に述べられたが、本発明は、述べられる以外の方法で実施されてもよいことが理解されるであろう。例えば、本発明は、先に開示した方法を記述する機械装置が読み取り可能な命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータ・プログラム、或いは、こうしたコンピュータ・プログラムを記憶しているデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとってもよい。したがって、説明は、本発明を制限することを意図しない。本明細書で提示される、構成、動作、及び挙動が述べられ、同時に、本明細書に存在する詳細のレベルを仮定して、実施例の変更及び変形が可能であることが理解された。したがって、以上の詳細な説明は、決して、本発明を制限することを意味しない、又は、意図されず、むしろ、本発明の範囲は、添付特許請求項によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施例によるリソグラフィ装置の図である。
【図2A】本発明によるボックス及び本発明による装填ロック部を装備したリソグラフィ装置の側面略図である。
【図2B】本発明によるボックス及び本発明によるリソグラフィ装置の側面略図である。
【図3】Aは本発明によるボックスの縦方向断面の概略側面図であり、ボックスはパターニング・デバイスを備え、BはAの部分の詳細図である。
【図4】Aは本発明による装填ロック部の縦方向断面の概略側面図であり、BはAの部分の詳細図である。
【図5】Aは、ボックスが排気されている状況で示され、Aによる装填ロック部と連結した、図3Aによるボックスを備えるシステムの縦方向断面の概略側面図であり、BはAの部分の詳細図である。
【図6】パターニング・デバイスがボックスから装填ロック部へ搬送される状況で示された、図5Aによるシステムの概略側面図である。
【図7】パターニング・デバイスをシステムと、システムに連結したリソグラフィ露光ユニットとの間で交換される状況で示した、図5Aによるシステムの概略側面図である。
【図8】Aは、パターニング・デバイスが、装填ロック部を介してボックス内に供給され、ボックスが通気される状況で示された、図5Aによるシステムの概略側面図であり、BはAの部分の詳細図である。
【図9】本発明の実施例によるリソグラフィ装置及びマスク格納ボックスの概略図である。
【符号の説明】
【0089】
PB 投影ビーム
IL 照明器
MA パターニング・デバイス(マスク)
PL 投影システム(反射性投影レンズ)
PM 第1位置決め機構
MT マスク・テーブル
WT 基板テーブル(ウェハ・テーブル)
W 基板
PW 第2位置決め機構
SO 放射源
C 標的部分
IF1、IF2 位置センサ
M1、M2 マスク・アライメント・マーク
P1、P2 基板アライメント・マーク
1 リソグラフィ装置
2 運搬ボックス
2b 開放可能カバー部
4 パターニング・デバイス
6 装填ロック部
7 リソグラフィ装置の内部空間
7a 開放可能壁部
7b 加圧ユニット
7c センサ・ユニット
8 コンテナ部
2a、10 パターニング・デバイスを格納する内部空間
12 開口
13 テーブル
13A、13B 積載ピン
14 閉塞部
16 シール
18 チャネル・システム
20 出力チャネル
22、28 粒子フィルタ
24 出力弁
26 入力チャネル
30 入力弁
32 分離部材(透過性カバー・シート)
34.1 第1区画
34.2 第2区画
36.1、36.2 接続部材
38 内部壁
40 弾性シール
41A、41B 距離キーパ
42 第1チャネル
44 第2チャネル
46 第1弁
48 第2弁
50 閉塞部材
51 開口
54 内部空間
56 全体
58A、58B 積載部材
60 エレベータ機構
62 設置機器
64 つかみ腕
65 制御システム
66 外部環境

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボックスからリソグラフィ装置へパターニング・デバイスを搬送する方法であって、
前記パターニング・デバイスが位置するボックスの内部空間を、前記内部空間において第1ガス圧を得るべく加圧すること、
前記加圧することに続いて、前記ボックスの前記内部空間を、約1バールの第2ガス圧下にある前記リソグラフィ装置の内部空間に対して開けること、
前記ボックスの前記内部空間から前記リソグラフィ装置の前記内部空間に前記パターニング・デバイスを搬送すること、を含み、
前記第1ガス圧が前記第2ガス圧より大きいことからなる、パターニング・デバイスを搬送する方法。
【請求項2】
前記搬送することが前記開けることに続いて行われる請求項1に記載の搬送する方法。
【請求項3】
前記リソグラフィ装置の開放可能壁部上に前記ボックスの開放可能カバー部を、前記リソグラフィ装置の前記開放可能壁部に重なるように設置することを含み、
前記内部空間を開けることが前記開放可能カバー部及び前記開放可能壁部を開けることを含む請求項1に記載の搬送する方法。
【請求項4】
前記加圧する前に、前記リソグラフィ装置の開放可能壁部上に前記ボックスの開放可能カバー部を、前記リソグラフィ装置の前記開放可能壁部に重なるように設置することを含み、
前記内部空間を前記開けることは、前記開放可能カバー部及び前記開放可能壁部を開けることを含む請求項1に記載の搬送する方法。
【請求項5】
前記加圧することは、前記内部空間を開ける前に、前記パターニング・デバイスが前記第1ガス圧を得るべく位置する前記内部ボックスの圧力を低減することを含む請求項4に記載の搬送する方法。
【請求項6】
前記低減することが、前記ボックスの前記内部空間から、フィルタを装備したチャネルを通して、かつ、前記チャネルを閉塞させる弁によってガスを排気することを含む請求項5に記載の搬送する方法。
【請求項7】
前記低減する前の前記内部ボックスの圧力が10バールより大きい請求項5に記載の搬送する方法。
【請求項8】
前記低減する前の前記内部ボックスの圧力が10バール以内の大きさである請求項5に記載の搬送する方法。
【請求項9】
前記設置することに続き、かつ、前記加圧する前に、前記ボックスの前記内部空間の圧力を検出することを含む請求項4に記載の搬送する方法。
【請求項10】
前記加圧することは、前記ボックスの前記内部空間を外部供給装置に接続することを含む請求項4に記載の搬送する方法。
【請求項11】
前記加圧する前に、前記ボックスの前記内部空間のガス圧が実質的に1バールに等しくされている請求項1に記載の搬送する方法。
【請求項12】
前記ボックスの前記内部空間がアルゴン及び窒素からなるグループのうちの少なくとも1つで加圧される請求項1に記載の搬送する方法。
【請求項13】
前記ボックスの前記内部空間の雰囲気が、前記リソグラフィ装置の前記内部空間の雰囲気と実質的に含有物を同じにする請求項1に記載の搬送する方法。
【請求項14】
前記ボックスの前記内部空間が、フィルタ及びガス透過性シートからなるグループのうちの少なくとも1つを含む分離部材を具備し、前記分離部材が、前記内部空間内に第1及び第2区画を画成する請求項1に記載の搬送する方法。
【請求項15】
前記分離部材が、前記第2区画内に設置されたパターニング・デバイスを、前記第1区画からの汚染から防護するように構成される請求項14に記載の搬送する方法。
【請求項16】
リソグラフィ装置であって、
放射ビームに所望のパターンを与えるように構成されたパターニング・デバイスを支持するように構成された支持構造と、
基板を保持するように構成された基板ホルダと、
前記パターン化された放射ビームを前記基板の標的部分上に投影するように構成された投影システムと、
ボックスの内部空間から前記リソグラフィ装置の約1バールのガス圧下にある内部空間へ前記パターニング・デバイスを搬送するように構成された搬送組立体と、
前記ボックスの内部空間から前記リソグラフィ装置の内部空間へ前記パターニング・デバイスを搬送する直前に、前記リソグラフィ装置の前記内部空間のガス圧より大きい第1ガス圧を有するように前記ボックスの前記内部空間を加圧する構成にされたガス圧ユニットと、を含み、前記第1ガス圧が前記リソグラフィ装置の内部空間のガスより大きくされるリソグラフィ装置。
【請求項17】
前記ガス圧ユニットは、前記ボックスの前記内部空間に連結するように構成されたチャネル・システムを含む請求項16に記載のリソグラフィ装置。
【請求項18】
前記ボックスがチャネルを含み、前記チャネルが、前記ボックスの前記内部空間に接続され、排気装置に接続するように構成され、フィルタ及び前記チャンネルを閉じる弁を具備する請求項16に記載のリソグラフィ装置。
【請求項19】
前記ガス圧ユニットが、前記搬送アセンブリによってボックスの内部空間から前記リソグラフィ装置の内部空間へ前記搬送デバイスを搬送する前に、前記ボックスの前記内部空間の圧力を低減するように構成される請求項16に記載のリソグラフィ装置。
【請求項20】
前記第1ガス圧が10バールより大きい請求項19に記載のリソグラフィ装置。
【請求項21】
前記第1ガス圧が10バールの大きさ以内である請求項19に記載のリソグラフィ装置。
【請求項22】
前記圧力ユニットが、前記ボックスの前記内部空間を加圧する前に、前記ボックスの前記内部空間の圧力を検出するように構成された圧力センサを含む請求項16に記載のリソグラフィ装置。
【請求項23】
前記ボックスの前記内部空間が、アルゴン及び窒素からなるグループのうちの少なくとも1つで加圧される請求項16に記載のリソグラフィ装置。
【請求項24】
前記ボックスの前記内部空間の雰囲気が、前記リソグラフィ装置の前記内部空間の雰囲気と実質的に含有物を同じにする請求項16に記載のリソグラフィ装置。
【請求項25】
前記ボックスの前記内部ボックスが、フィルタ及びガス透過性シートからなるグループのうちの少なくとも1つを備える分離部材を具備し、前記分離部材が、前記内部空間内に第1及び第2区画を画成する請求項16に記載のリソグラフィ装置。
【請求項26】
前記分離部材が、前記パターニング・デバイスを前記第2区画内に位置させて格納位置に設置される際、前記第1区画内の可能性のある汚染に対する防護を与えるように構成される請求項25に記載のリソグラフィ装置。
【請求項27】
前記搬送アセンブリがエレベータ機構を含む請求項16に記載のリソグラフィ装置。
【請求項28】
機械装置が実行可能な命令によって符号化されたデータ記憶媒体であって、前記命令が、ボックスからリソグラフィ装置へパターニング・デバイスを搬送する方法を記述し、前記方法は、
前記パターニング・デバイスが位置するボックスの内部空間を、前記内部空間において第1ガス圧を得るべく加圧すること、
前記加圧することに続いて、前記ボックスの前記内部空間を約1バールの第2ガス圧下にある前記リソグラフィ装置の内部空間に対して開けること、
前記ボックスの内部空間から前記リソグラフィ装置の内部空間に前記パターニング・デバイスを搬送すること、を含み、
前記第1ガス圧が、前記第2ガス圧より大きくされているデータ記憶媒体。
【請求項29】
前記接続された内部空間が、外部環境から実質的にガス漏れしないようにシールされる請求項28に記載のデータ記憶媒体。
【請求項30】
前記搬送することが、前記開けた後に行われる請求項28に記載のデータ記憶媒体。
【請求項31】
前記方法が、前記加圧する前に、前記リソグラフィ装置の開放可能壁部上に前記ボックスの開放可能カバー部を前記リソグラフィ装置の前記開放可能壁部に重なるように設置することを含み、
前記接続することが、前記開放可能カバー部及び前記開放可能壁部を開けることを含む請求項28に記載のデータ記憶媒体。
【請求項32】
前記加圧することは、前記開ける前に、前記パターニング・デバイスが前記第1ガス圧を得るべく位置される前記内部ボックスにおける圧力を低減することを含む請求項28に記載のデータ記憶媒体。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−41499(P2006−41499A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−183273(P2005−183273)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(504151804)エイエスエムエル ネザランドズ ベスローテン フエンノートシャップ (1,856)
【Fターム(参考)】