説明

リモートカメラ装置およびリモートカメラ操作装置

【課題】撮影要求を発信したリモートカメラ操作装置に適した撮像画像を簡便に取得可能な、リモートカメラ装置を提供する。
【解決手段】本発明のリモートカメラ装置1は、リモートカメラ操作装置を識別する識別情報を含む撮影要求信号を受信する通信部3と、識別情報から撮影要求信号を送信してきた外部のリモートカメラ操作装置を特定する操作装置特定部24と、特定したリモートカメラ操作装置の特性に適合する、または、リモートカメラ操作装置から指定された、撮影条件によって撮影を行う撮像部5と、撮影した撮像画像に対して撮影条件に基づいた画像処理を行う撮像画像制御部10と、特定したリモートカメラ操作装置に対して、撮像画像制御部10によって処理を行った撮像画像を送信するように通信部3を制御する通信制御部8と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影要求を受け、撮像し、撮像画像を転送するリモートカメラ装置およびこのリモートカメラ装置を操作するリモートカメラ操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ、カメラ付携帯電話などの普及により、従来に増して日常生活にカメラを使用する場面が増えてきている。また、観光地などに行けば、現地のカメラマンや常設のカメラ装置などを用いて、写真を撮ってもらうことが可能となっている。
【0003】
特許文献1には、リモコンボックス、カメラ、売店のモニタ、およびプリンタが相互に接続されている。リモコンボックスは、撮影ポイントの近くに常設され、ユーザは、当該リモコンボックスにて撮影ボタンを押し、撮影ポイントでスタンバイする(ポーズを取る)。撮影後、リモコンボックスから写真を特定するための情報が印刷された受付票を受け取り、その受付票を売店に持っていくと、売店モニタにて撮像された写真を確認し、売店プリンタで印画された購入することが可能である。
【0004】
また、特許文献2には、撮影に適した位置に設置してある遠隔操作カメラを操作して自分を撮影し、見学者が携行する受信装置が所定位置内に入ったことを検出して、写真を撮影し、受信装置が当該撮像画像を受信する技術について開示している。
【特許文献1】特開2005−192082号公報(平成17年7月14日 公開)
【特許文献2】特開2004−40736号公報(平成16年2月5日 公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、例えば携帯電話などのように、写真データを記憶可能な装置を持って歩くことができる昨今において、わざわざ売店に写真を購入しに行くことはわずらわしく感じる。
【0006】
また、特許文献2に開示の技術では、多種多様な端末より撮影要求を受ける場合において、撮像画像を、当該撮影要求を発してきた端末に適した状態(サイズ、画質など)にすることができない。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、撮影要求を発信したリモートカメラ操作装置に適した撮像画像を簡便に取得可能な、リモートカメラ装置およびこのリモートカメラ装置を操作するリモートカメラ操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のリモートカメラ装置は、上記課題を解決するために、カメラ機能を備え、遠隔操作可能なリモートカメラ装置において、リモートカメラ操作装置を識別する識別情報を含む撮影要求信号を受信する第1通信手段と、上記識別情報から上記撮影要求信号を送信してきた外部のリモートカメラ操作装置を特定する特定手段と、該特定したリモートカメラ操作装置の特性に適合する、または、リモートカメラ操作装置から指定された、撮影条件によって撮影を行う撮像手段と、撮影した撮像画像に対して上記撮影条件に基づいた画像処理を行う画像処理手段と、上記特定したリモートカメラ操作装置に対して、上記撮影手段によって撮影を行った撮像画像を送信するように上記第1通信手段を制御する通信制御手段と、を有することを特徴としている。
【0009】
リモートカメラ装置はカメラ機能を有しており、外部からの指示に基づいて撮影および撮影した撮像画像の送受信を行うことができる装置である。リモートカメラ操作装置とは、リモートカメラ装置を操作することができる装置の総称である。
【0010】
第1通信手段は、リモートカメラ装置が外部とのデータの送受信を行う場合のインターフェースである。撮影要求信号は、リモートカメラ操作装置から撮影の要求を受けるための信号であり、第1通信手段を通して、リモートカメラ装置に受信される。
【0011】
この撮影要求信号には、リモートカメラ操作装置を識別する識別情報が含まれている。そのため、リモートカメラ装置は撮影した撮像画像を正確に、迅速に、かつ、その場で、リモートカメラ操作装置に対して折り返し、送信することができる。つまり、特許文献1のような煩わしさが解消される。
【0012】
さらに、本発明では、特に、撮影を行う撮像手段は、特定したリモートカメラ操作装置の特性に適合する、または、リモートカメラ操作装置から指定された、撮影条件によって撮影を行っている。そのため、リモートカメラ操作装置に適合した、またはリモートカメラ操作装置を操作する操作者が所望する条件下において撮影することができる。従って、種々の端末(リモートカメラ操作装置)を持つユーザに対しても、リモートカメラ操作装置に合った撮像画像を送信することができる。それゆえ、特許文献2のような問題を解消することができる。
【0013】
なお、特許文献2について簡単な補足をする。特許文献2では、そもそも、本発明におけるリモートカメラ操作装置を博物館などで貸し出している。従って、ユーザは、博物館などで一旦プリントアウトして紙などで持ち帰るか、いちいちデータを貸し出された装置から記録媒体に保存して持ち帰る必要がある。また、サーバ上にて管理するという技術も記載もあるが、この場合でも、いちいちサーバ上にデータを取りに行かなければならないという煩わしさは拭えず、各ユーザが持っている種々の端末に合わせて撮影していないため、ユーザが所有している端末に不適である、という問題もある。本発明は、上記した構成により、こうした特許文献2の問題を解消している。
【0014】
また、本発明のリモートカメラ装置では、撮影した撮像画像に対して上記撮影条件に基づいた画像処理を行う画像処理手段をさらに有することが好ましい。上記構成によれば、撮影した撮像画像に対して上記撮影条件に基づいた画像処理を施すことができる。従って、より一層、リモートカメラ操作装置からの撮影条件に適合した撮像画像をリモートカメラ操作装置に対して送信することができる。
【0015】
また、本発明のリモートカメラ装置では、上記撮影要求信号には、上記撮影条件が含まれており、上記撮像手段は、この撮影条件に基づいて撮影を行うことが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、撮影要求信号に撮影条件が含まれている。そのため、リモートカメラ装置は、より明確に、リモートカメラ操作装置が要求する撮影条件を把握することができ、この撮影条件に合わせて撮影を行うことができる。
【0017】
また、本発明のリモートカメラ装置では、上記識別情報から上記撮影条件を設定する撮影条件設定手段をさらに有していることが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、識別情報から撮影条件を設定する撮影条件設定手段を有している。それゆえ、この撮影条件に基づいて撮影および画像処理を行うことにより、リモートカメラ操作装置に合った撮影を行うことができる。
【0019】
また、本発明のリモートカメラ装置では、上記撮影要求信号の信号状態から上記撮影条件を設定する撮影条件設定手段をさらに有していることが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、撮影要求信号の信号状態から撮影条件を設定する撮影条件設定手段を有している。それゆえ、この撮影条件に基づいて撮影および画像処理を行うことにより、リモートカメラ操作装置に合った撮影を行うことができる。
【0021】
また、本発明のリモートカメラ装置では、上記撮影条件とは、絞り、感度、画質、画像サイズ、フラッシュの発光の有無、画像フォーマット、および解像度、のいずれかまたはこれらの任意の組み合わせであることが好ましい。
【0022】
また、本発明のリモートカメラ装置では、上記リモートカメラ操作装置からさらに、暗号鍵を受け取り、上記画像処理手段は、上記暗号鍵に基づいて撮像画像を暗号化し、上記通信制御手段は、該暗号化された撮像画像を上記特定手段が特定したリモートカメラ操作装置に対して送信するように制御してもよい。
【0023】
上記構成によれば、リモートカメラ操作装置から暗号鍵を受け取り、撮像画像をこの暗号鍵にて暗号化し、この暗号化した撮像画像をリモートカメラ操作装置へ送信している。そのため、暗号化後は、不正にリモートカメラ操作装置から撮像画像を取得した場合や、リモートカメラ装置が誤って撮像画像を撮影要求信号を送ってきたリモートカメラ操作装置とは異なるリモートカメラ操作装置に対して送ってしてしまったとしても、この撮像画像を見られることを防止することができる。
【0024】
また、本発明のリモートカメラ装置では、撮像画像を保存する第1画像記憶手段を備えていることが好ましい。上記構成によれば、リモートカメラ装置において撮像画像を保存することができるので、リモートカメラ操作装置のユーザが後にアクセスして撮像画像を取得することができる。
【0025】
また、本発明のリモートカメラ装置では、上記リモートカメラ操作装置からさらに、暗号鍵を受け取り、上記画像処理手段は、上記暗号鍵に基づいて撮像画像を暗号化し、上記通信制御手段は、該暗号化された撮像画像を上記特定手段が特定したリモートカメラ操作装置に対して送信するように制御するようになっており、上記第1画像記憶手段は、上記暗号化された撮像画像を保存することが好ましい。
【0026】
上記構成によれば、保存している撮像画像を第三者に不正に取得されても、暗号化しているため、撮像画像を見られることを防止することができる。
【0027】
また、本発明のリモートカメラ装置では、時間を計時する第1計時手段を備えており、該第1計時手段により、上記撮影要求信号の受信から撮影を行うまでの待ち時間を計時し、上記撮影要求信号の受信からこの待ち時間経過後に撮影が行われる。
【0028】
上記構成によれば、撮影要求信号の受信から撮影を行うまでの待ち時間を計時する第1計時手段を有している。そのため、撮影要求信号の受信から撮影を行うまでの時間を確保することができる。従って、リモートカメラ操作装置側のユーザは、撮影要求信号の送信後、あわててポーズをとる必要がなくなる。
【0029】
また、本発明のリモートカメラ装置では、上記撮影要求信号を受信後に、撮影指示信号を受信すると、この撮影指示信号の受信を合図にして撮影が行われることが好ましい。上記構成によれば、撮影要求信号の受信後、さらに、撮影指示信号の受信を合図にして撮影が行われるようになっている。このように実際に撮影するタイミングを撮影要求信号を受信するタイミングと別にすることによって、リモートカメラ操作装置側のユーザは、撮影のための準備をゆっくり行うことができる。
【0030】
また、本発明のリモートカメラ装置では、時間を計時する第1計時手段を備えており、該第1計時手段により、上記撮影指示信号の受信から撮影を行うまでの待ち時間を計時し、上記撮影指示信号の受信からこの待ち時間経過後に撮影が行われることが好ましい。上記構成によれば、第1計時手段を備えている上に、さらに、撮影要求信号と撮影指示信号とを別にしている。そのため、ユーザは、より一層ゆっくりと撮影の準備を行うことができる。
【0031】
また、本発明のリモートカメラ装置では、上記撮影要求信号を受信後に、上記特定手段にて特定したリモートカメラ操作装置に対して、撮影指示用の信号パターンを送信し、該信号パターンを受信すると、この信号パターンの受信を合図にして撮影が行われることが好ましい。
【0032】
上記構成によれば、リモートカメラ操作装置に対して、撮影指示用の信号パターンを送信し、この信号パターンを撮影の合図に用いている。つまり、撮影指示信号をリモートカメラ装置側からリモートカメラ操作装置へ指定している。従って、撮影要求信号を送ってきたリモートカメラ操作装置以外から撮影指示信号によって撮影されることを防止することができる。
【0033】
また、本発明のリモートカメラ装置では、時間を計時する第1計時手段を備えており、該第1計時手段により、上記信号パターンの受信から撮影を行うまでの待ち時間を計時し、上記信号パターンの受信からこの待ち時間経過後に撮影が行われることが好ましい。上記によれば、第1の計時手段を備えているため、信号パターンの受信から撮影が行われるまでの時間を確保することができ、リモートカメラ操作装置のユーザはゆっくりと撮影の準備を行うことができる。
【0034】
また、本発明のリモートカメラ装置では、上記撮影要求信号の強度を検出し、この強度から適切な焦点距離を得ることが好ましい。上記構成によれば、撮影要求信号の強度を検出し、この強度から適切な焦点距離を得ている。この焦点距離に被写体を合わせることによって、より焦点の合った撮影を行うことができる。
【0035】
また、本発明のリモートカメラ装置では、上記第1通信手段は、指向性を持つ近距離無線通信にてリモートカメラ操作装置との通信を行い、上記通信制御手段は、上記撮影要求信号が発信されてきた方向を検出し、該方向へ撮影する方向が向けられることが好ましい。上記構成によれば、指向性を持つ近距離無線通信においてもリモートカメラ装置を撮影方向へ向けることができる。
【0036】
また、本発明のリモートカメラ操作装置は、上記課題を解決するために、リモートカメラ装置に対して遠隔操作を行うリモートカメラ操作装置であって、撮像を依頼する撮影要求信号を、上記リモートカメラ操作装置自身を識別する識別情報を含めて作成する撮影要求作成手段と、リモートカメラ装置との通信を行う第2通信手段とを有し、上記リモートカメラ操作装置自身の特性に適合するまたは外部から指定された撮影条件と、上記識別情報と、を含む上記撮影要求信号をリモートカメラ装置へ送信することによって、該撮影要求信号を送信したリモートカメラ装置が撮影した撮像画像を上記第2通信手段にて受信することを特徴としている。
【0037】
リモートカメラ操作装置は、カメラ機能を有するリモートカメラ装置に対して、外部から指示を送り、リモートカメラ装置にて撮影および撮影した撮像画像を受信することができる装置である。リモートカメラ装置とは、本発明のリモートカメラ操作装置により操作することができる装置の総称である。
【0038】
第2通信手段は、リモートカメラ操作装置がリモートカメラ装置とのデータの送受信を行う場合のインターフェースである。撮影要求信号は、撮影要求作成手段にて作成され、リモートカメラ装置に対して撮影の要求を行うための信号であり、第2通信手段を通して、リモートカメラ装置に送信される。
【0039】
この撮影要求信号には、リモートカメラ操作装置自身を識別する識別情報が含まれている。そのため、リモートカメラ装置装置はリモートカメラ装置が撮影した撮像画像を正確に、迅速に、かつ、その場で、リモートカメラ装置から折り返し、受信することができる。つまり、特許文献1のような煩わしさが解消される。
【0040】
さらに、本発明では、特に、リモートカメラ操作装置自身の特性に適合するまたは外部から指定された撮影条件をリモートカメラ装置に対して送信している。そのため、リモートカメラ操作装置に適合した、またはリモートカメラ操作装置を操作する操作者が所望する条件下において撮影し、処理した、撮像画像を得ることができる。従って、種々の端末(リモートカメラ操作装置)を持つユーザに対しても、リモートカメラ操作装置に合った撮像画像を受信することができる。それゆえ、特許文献2のような問題を解消することができる。
【0041】
また、本発明のリモートカメラ操作装置では、上記撮影条件とは、絞り、感度、画質、画像サイズ、フラッシュの発光の有無、画像フォーマット、および解像度、のいずれかまたはこれらの任意の組み合わせであることが好ましい。
【0042】
また、本発明のリモートカメラ操作装置では、上記リモートカメラ装置から受信した撮像画像を保存する第2画像記憶手段を備えていることが好ましい。上記によれば、リモートカメラ装置から受信した撮像画像を保存する第2画像記憶手段を備えている。従って、受信した画像をいつでも楽しむことができる。
【0043】
また、本発明のリモートカメラ操作装置では、上記リモートカメラ装置から受信した撮像画像を出力する出力手段を備えていることが好ましい。
【0044】
また、本発明のリモートカメラ操作装置では、上記リモートカメラ装置にて撮影が行われるまでの時間を計時する第2計時手段を備えていることが好ましい。上記構成によれば、第2計時手段にて時間を計時することができる。従って、リモートカメラ装置にて撮影されるまでの時間を計時することができる。
【0045】
また、本発明のリモートカメラ操作装置では、上記リモートカメラ装置にて撮影が行われるまでの時間を計時する第2計時手段を備えており、該第2計時手段による計時の様子を上記出力手段に出力する。上記構成によれば、第2計時手段を有しており、第2計時手段による計時の様子を出力手段に出力している。そのため、ユーザは、時刻計時の様子を確認することができるため、撮影の準備を確実に行うことができる。
【0046】
また、本発明のリモートカメラ操作装置では、撮影が行われるまでの残り時間が少なくなると、上記出力手段にて音声にて残り時間の経過を出力することが好ましい。上記構成によれば、撮影が行われるまでの残り時間が少なくなると、上記出力手段にて音声にて残り時間の経過を出力するようになっている。従って、撮影の寸前まで出力手段を見続けるという煩雑さを排除しつつ、見続けずとも確実に撮影をされる時刻を知ることができる。
【0047】
また、本発明のリモートカメラ操作装置では、上記第2計時手段は、撮影が行われる時刻を計時し、該撮影が行われる時刻になると、上記出力手段が撮影音を出力することが好ましい。上記構成によれば、撮影が行われる時刻になると、撮影音が出力されるので、撮影されたことによる臨場感を体験することができる。
【0048】
また、本発明のリモートカメラ操作装置では、上記第2計時手段は、撮影が行われる時刻を計時し、該撮影が行われる時刻を経過すると、撮像画像を受信する態勢に入る旨が上記出力手段に出力されることが好ましい。上記構成によれば、ユーザに対して撮影が終わったことを知らせて、速やかにリモートカメラ装置から撮像画像を受信できるように、ユーザに構えさせることができる。
【0049】
また、本発明のリモートカメラ操作装置では、リモートカメラ装置へ撮影要求信号を送信すると同時に、または、順次に、暗号鍵を送信するようになっており、該暗号鍵にて暗号化された撮像画像を受け取って該撮像画像を復号することが好ましい。上記構成によれば、暗号鍵をリモートカメラ装置に対して送信しているため、暗号化された撮像画像を得ることができる。そのため、たとえ、別のリモートカメラ操作装置に撮像画像を傍受されたとしても、撮像画像の中身を知らせることを防止することができる。
【発明の効果】
【0050】
本発明のリモートカメラ装置は、以上のように、リモートカメラ操作装置を識別する識別情報を含む撮影要求信号を受信する第1通信手段と、上記識別情報から上記撮影要求信号を送信してきた外部のリモートカメラ操作装置を特定する特定手段と、該特定したリモートカメラ操作装置の特性に適合する、または、リモートカメラ操作装置から指定された、撮影条件によって撮影を行う撮像手段と、撮影した撮像画像に対して上記撮影条件に基づいた画像処理を行う画像処理手段と、上記特定したリモートカメラ操作装置に対して、上記画像処理手段によって処理を行った撮像画像を送信するように上記第1通信手段を制御する通信制御手段と、を有している。
【0051】
また、本発明のリモートカメラ操作装置は、以上のように、リモートカメラ装置に対して遠隔操作を行うリモートカメラ操作装置であって、撮像を依頼する撮影要求信号を、上記リモートカメラ操作装置自身を識別する識別情報を含めて作成する撮影要求作成手段と、リモートカメラ装置との通信を行う第2通信手段とを有し、上記リモートカメラ操作装置自身の特性に適合するまたは外部から指定された撮影条件と、上記識別情報と、を含む上記撮影要求信号をリモートカメラ装置へ送信することによって、該撮影要求信号を送信したリモートカメラ装置が撮影した撮像画像を上記第2通信手段にて受信している。
【0052】
従って、撮影要求を発信したリモートカメラ操作装置に適した撮像画像を簡便に取得可能な、リモートカメラ装置およびこのリモートカメラ装置を操作するリモートカメラ操作装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。
【0054】
〔実施の形態1〕
(リモートカメラ操作装置およびリモートカメラ装置の動作の概要について)
図1は、本実施の形態のリモートカメラ操作装置2とリモートカメラ装置1との間で送受信される情報の送受信、および、これら装置の動作の概要を示すタイミングチャートである。
【0055】
まず、リモートカメラ操作装置2は、ユーザの指示を受けて、撮影要求信号(撮影要求)をリモートカメラ装置1へ送信する。この撮影要求には、どのリモートカメラ操作装置2から発信された撮影要求であるかを認識する(識別する)ための要求装置特定情報(特定情報;識別情報)を含んでいる。ここで、特定情報とは、リモートカメラ操作装置2のアドレス、デバイスID、端末IDなどである。
【0056】
つまり、リモートカメラ操作装置2は、撮影要求をリモートカメラ装置1に送信する際に、合わせて自分自身を識別する特定情報をリモートカメラ装置1に送信する。
【0057】
リモートカメラ装置1は、撮影要求を受信するとともに、該撮影要求を送信元のリモートカメラ操作装置2の特定情報を取得する。リモートカメラ装置1は、これらの取得後、写真の撮影を行い、取得した特定情報によって特定されるリモートカメラ操作装置2に対して、撮影した撮影画像(写真)を送信する。
【0058】
(リモートカメラについて)
図2は、リモートカメラ装置1の構成を示す機能ブロック図である。図3は、リモートカメラ装置1にて、リモートカメラ操作装置2から撮影要求を受信してから、リモートカメラ操作装置2へ撮像画像を送信するまでの処理(動作)を示すフローチャートである。図2および図3を用いてリモートカメラ装置1の機能および動作について説明する。
【0059】
リモートカメラ装置1は、図2に示すように、通信部(第1通信手段)3、制御部4、撮像部5、および撮像画像記憶部6を備えている。さらに制御部4は、撮影要求処理部(撮影条件設定手段)7、通信制御部(通信制御手段)8、計時部(第1計時手段)9、撮像画像制御部(画像処理手段)10、および、操作装置特定部(特定手段)24を有している。
【0060】
通信部3は、撮影要求を受信するIR受光部と、リモコン信号を受信したり、撮像画像を送信したりする発光部とを有しており、通信制御部8にて制御される。また、通信部3は、撮影要求を受信すると、この信号を撮影要求処理部7へ送る。撮影要求処理部7は、撮像部5を用いて撮像を行う。撮像画像制御部10は、撮像部5にて撮像された画像を処理し、撮像画像記憶部6に記憶する。計時部9は、リモートカメラ装置1内部のクロックを計測し、撮影までの時間を計測(計時)するカウンタしての役割などを有している。なお、通信制御部8は制御部4内に設けられているが、制御部4の外部に設けられていてもよい。
【0061】
次に、図3を用いてリモートカメラ装置1の動作について説明する。
【0062】
図示しないが、まず、リモートカメラ装置1は、リモートカメラ操作装置2から接続要求を受ける。次に、リモートカメラ装置1は、リモートカメラ操作装置2から通信部3にて撮影要求を受信すると、撮影要求処理部7にて撮影要求に含まれる特定情報、撮影条件情報(撮影条件;例えば、絞り、感度、画質、画像サイズ、フラッシュの発光の有無、画像フォーマット、および解像度など)などの情報を取得する(S1)。この特定情報を取得後、上記操作装置特定部24は、撮影要求を送信してきたリモートカメラ操作装置2を特定する。
【0063】
上記の撮影条件とは、撮影要求には、どのような環境で撮影して欲しいか、JPEGにするかTIFFにするか、または、XGA若しくはSXGAなどの情報を指す。但し、これらの「撮影条件」は必ずしも撮影要求に含まれている必要はなく、撮影要求には、少なくとも、上記特定情報が含まれていれば足りる。これらの情報が含まれていた場合には、S1において撮影要求処理部7が取得する。
【0064】
次に、撮影要求処理部7は、撮像準備を行う(具体的には撮像部5を立ち上げる;S2)。そして、リモートカメラ操作装置2からの要求により、一旦リモートカメラ操作装置2との通信を切断する。
【0065】
その後、撮像部5にて撮影を行い(S3;詳細は後述)、撮像画像制御部10にて撮像画像を転送可能な状態に処理する(S4)。ここで、転送可能な状態に処理する、とは、例えば量子化を行ってデジタルデータ化する、転送するデータ量を減らすために圧縮する、受信した装置が表示できるように所定のフォーマット(撮影条件情報にて指定されているフォーマットなど)にする、ことなどが考えられる。なお、特許請求の範囲に記載の「画像処理」には、上記S4に記載の撮像画像を転送可能な状態に処理することも含まれる。そして、撮像画像制御部10は、撮像画像を転送可能な状態に処理するとともに、一旦、撮像画像記憶部6に保存する(S5)。
【0066】
通信制御部8は、「操作装置特定部24が特定した、撮影要求を送信してきたリモートカメラ操作装置2」に対して接続要求を送信して、このリモートカメラ操作装置2との通信接続を確立する。このときのDistination Addressは、最初に接続要求を送信してきたリモートカメラ操作装置(撮像画像を特定情報によって特定されるリモートカメラ操作装置)2のアドレスを指定する。通信が確立したら、通信制御部8にて通信部3を制御して、リモートカメラ操作装置2に対して送信し(S6)、処理を終了する。
【0067】
図4は、図2に示した撮影ステップ(S3)の一例について詳細に示すフローチャートである。つまり、図4は、図2に示すS3のサブルーチンである。この図4では、撮影要求を受信してから所定の時間を経過した後に撮像する(シャッターを切る)処理について示している。
【0068】
撮影ステップを開始すると、撮影要求処理部7は、撮影要求を受け取ってから実際に撮影を行うまでの待ち時間を、撮影要求に含まれる情報(撮影条件)から取得する(S8)。ここでの、待ち時間は、撮影要求に含まれる情報から取得する場合に限られず、所定の時間(例えば30秒;決めうち)として、予め、撮影要求処理部7に記憶させておいてもよい。そして、計時部9にて待ち時間の計時を開始する(S9)。
【0069】
待ち時間を経過すると(S10でYESの場合)、撮像部5にて撮影し(S11)、処理を終了する。待ち時間を経過していない場合(S10でNOの場合)には、計時部9にて計時を続行する。ここで撮像した画像は、上記したように、撮像画像制御部10によって上記のような処理を施した後に記憶してもよいが、図4に示すように、撮影(撮像)した画像を処理せずに、または、処理する前に保存(記憶)しておいてもよい(S12)。
【0070】
(第2の撮影ステップ)
図5は、図2に示した撮影ステップ(S3)の図4とは別の例についての詳細に示すフローチャートである。この図5では、撮影要求を受信した後に、実際にシャッターを切るための撮影指示信号(撮影指示)を受信してから撮像する(シャッターを切る)処理について示している。
【0071】
撮影ステップを開始すると、撮影要求処理部7は撮影を指示する信号である撮影指示を受信するために待機する。そして、撮影指示を受けたかどうかを判定する(S15)。撮影要求処理部7は、撮影指示を受信すると(S15でYESの場合)、撮影指示を受信してから実際に撮像する(シャッターを切る)までの待ち時間を取得する(S16)。なお、ここでいう待ち時間は、撮影指示を受け取ってから実際に撮影するまでの時間である。また、撮影ステップ開始後は、撮影指示を受信していない場合(S15でNOの場合)には、撮影要求処理部7は、引き続き、撮影指示を待つ。
【0072】
次に、計時部9は、待ち時間の計時を開始する(S17)。次に、計時部9は、待ち時間経過したかどうか判定し、経過した場合(S18でYESの場合)には、撮像部5にて撮像を行う(S19)。その後、撮像画像を保存して(S20)、動作を終了する。なお、この場合も画像を保存せずに、撮像画像制御部10による処理が施されてから記憶してもよい。なお、待ち時間が経過していない場合(S18でNOの場合)には、引き続き計時を行う。また、ここでは撮影指示を受信してから実際に撮像を行うまで所定時間の経過を待つこととしているが、所定時間の経過を待たずに「撮影指示を受信したらまもなく撮影する」としてもよい。この場合は、待ち時間の取得ステップ(S16)から待ち時間の経過を待つステップ(S18)までを省略できる。
【0073】
図6(a)は、撮影要求に含まれる撮影条件のデータの一例を示している。ここでは、XML(eXtensible Markup Language)形式にて撮影要求を構成しているが、CSV(Camma Separated Value)形式、または、HTML形式、などであってもよい。
【0074】
なお、一度に多くのデータを送信することができない通信方法、例えば基本周波数が長いリモコン信号などで送信する場合は、図6(a)に示したような各種撮影条件を一度に送信することができないので、複数回の通信にて撮影条件を順次受信することが考えられる。
【0075】
図6(a)の例では、撮影実行について撮影指示(シャッターコマンド)を待つかどうか、撮影要求または撮影指示の受信から何秒後に撮影を実行するか(2行目)、撮像画像のフォーマット(画像フォーマット)はどの形式にするか(3行目)、撮像画像のサイズはどうするか(4行目)、画質をどうするか(5行目)、感度(ISO値)はどうするか(6行目)、撮像画像を装飾するかどうか、装飾するとしたらどう装飾するか(7行目)を指定するためのフォーマットを示している。
【0076】
一例であるが、ここで設定されている値は、それぞれ、図6(a)に示すように、撮影指示受信後、10秒経過後に撮影(2行目)、JPEGフォーマット(3行目)、サイズは1280ピクセル×960ピクセル(4行目)、画質は高画質(5行目)、感度はISO400(6行目)、イルカ枠で装飾(7行目)、である。
【0077】
これらの撮影要求に含まれる撮影条件は、予めどの項目が設定可能であるかをリモートカメラ装置1からリモートカメラ操作装置2に渡す構成であってもよい。また、リモートカメラ操作装置2から要求された撮影条件の項目であっても、リモートカメラ装置1は設定を許可しない項目については無視してもよい。もちろん、リモートカメラ操作装置2から指定されない撮影条件に関して、既定値(デフォルト値)を用いて設定してもよい。
【0078】
また、撮影条件は、上記のように明示的にリモートカメラ操作装置2から受信する場合に限られない。例えば、撮影要求処理部7は、撮影要求の信号状態からどのような特性のリモートカメラ操作装置2から撮影要求を受信したか、を判断し、撮影条件(撮影条件情報)を設定してもよい。また、撮影要求処理部7は、上記特定情報と、この特定情報によって特定されるリモートカメラ操作装置2の特性とを関連付けて、管理し、取得した特定情報に基づいて、関連付けられている特性を取得してもよい。つまり、撮影要求処理部7は、特定情報から撮影条件を設定することもできる。例えば、リモートカメラ操作装置2の機種名が特定情報によって特定可能である場合などにおいて有効である。
【0079】
図6(b)は、撮影指示(シャッター指示)のデータの一例を示す図である。
【0080】
撮影指示には、予め所定の信号パターンを決めておく、何も決めずに何らかの信号を受信したら受信した信号は全て撮影指示であるとする、または、リモートカメラ装置1からリモートカメラ操作装置2に対して撮影指示の信号パターンを指定する、のいずれかが考えられる。
【0081】
図6(b)では、リモートカメラ装置1からリモートカメラ操作装置2に対して送信する、撮影指示用の信号パターンを示している。ここでは、一例であるが、この信号パターンは、同図に示す通り、「0100100100」である。
【0082】
また、リモートカメラ装置1からリモートカメラ操作装置2に対して撮影指示用の信号パターンを指定する方法において、撮影要求を受信するたびに、撮影指示用の信号パターンを変更することが考えられる。このように撮影指示用の信号パターンを変更することによって、撮影要求を送信してきたリモートカメラ操作装置2だけが撮影指示の信号パターンを知ることとなるので、撮影要求を送信してきたリモートカメラ操作装置2以外のリモートカメラ操作装置2から何らかのデータを受信しても、このデータは指定しておいた撮影指示用の信号パターンとは異なるので、撮影指示とみなさないように制御することが可能となる。このとき、撮影要求を送信してきたリモートカメラ操作装置2に対して撮影指示の信号パターンを送信するために、特定情報をあて先として撮影指示の信号パターンを送信することが考えられる。
【0083】
リモートカメラ操作装置2が受信する撮影指示信号の信号パターンにリモコン信号を用いる場合であれば、256ビット程度に収まるデータであることが考えられる。また、この信号パターンは、例えば、リモートカメラ装置1が撮影要求を受信したときに、撮影要求に対して応答を送信する際に一緒に送信してもよい。
【0084】
また、上記した計時部9を用いて、上記撮影指示用の信号パターンをリモートカメラ操作装置から受信してから所定の待ち時間を計時し、この待ち時間を経過後に撮影を行うようにしてもよい。なお、計時部9を用いずに、撮影指示用の信号パターンの受信を合図に撮影するように構成してもよい。
【0085】
(リモートカメラ操作装置について)
図7は、リモートカメラ操作装置2の機能構成を示す機能ブロック図である。一方、図8は、リモートカメラ操作装置2が、ユーザから撮影要求を送信するよう指示されてから、撮像画像を受信して出力するまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【0086】
リモートカメラ操作装置2は、図7に示すように、制御部11、通信部(第2通信手段)12、撮像画像記憶部(第2画像記憶手段)13、出力部(出力手段)14、および指示入力受付部15を備えている。また、制御部11は、撮影要求作成部(撮影要求作成手段)16、通信制御部17、計時部18、および撮像画像制御部19を有している。
【0087】
指示入力受付部15は、ボタンやタッチパネルなどから構成され、ユーザからの指示を受け付ける。撮影要求作成部16は、指示入力受付部15からの信号に基づき、撮影要求を作成する。通信制御部17は、撮影要求作成部16の撮影要求の作成を受けて、リモートカメラ装置1への撮影要求の送信の準備を行い、通信部12を用いて撮影要求をリモートカメラ装置1へ送信する。さらに、通信制御部17は、通信部12にて撮像画像を受信する準備を行う。撮像画像制御部19は、受信した撮像画像を撮像画像記憶部13に記憶する。出力部14は、ディスプレイ、スピーカー、LED、バイブレーターなどを有しており、受信した撮像画像を表示する役割を有している。
【0088】
次に、リモートカメラ操作装置2の動作について説明する。
【0089】
まず、指示入力受付部15が、ユーザから撮影要求を出すように指示される(撮影要求を受け付ける)と、撮影要求作成部16は、撮影要求を作成する。次に、通信制御部17の指示によって通信部12から撮影要求をリモートカメラ装置1へ送信する(S23)。
【0090】
この撮影要求には、少なくとも自装置(リモートカメラ操作装置2)のアドレス、デバイスID、端末IDなどによって指定(特定)される特定情報(識別情報)を含む。撮影要求には、さらに、後述するように指示入力受付部15によって入力された内容に基づいて撮影条件(例えば、絞り、感度、画質、画像サイズ、フラッシュの発光の有無、画像フォーマット、および解像度など)を含ませることが考えられる。
【0091】
その後、撮影指示にて撮影させる場合には通信部12にてリモートカメラ装置1に対して撮影指示を送信する(S24)。なお、撮影要求の受信をトリガとしてリモートカメラ装置が撮影を行うようになっている場合には、撮影指示の送信は不要である。撮影要求(および撮影指示)を送信すると、撮影要求作成部16は、撮影が行われる(シャッターが切られる)時間までの待ち時間を取得する(S25)。
【0092】
図示しないが、このときの待ち時間は、リモートカメラ操作装置2をユーザが操作することによって入力された待ち時間とすることが考えられる。もしくは、決めうちの待ち時間(例えば20秒)とすることも考えられる。
【0093】
その後、計時部18によって取得した待ち時間を計測(計時)する(S26)。
【0094】
このとき、出力部14にて計時の経過やカウントダウン(残り時間を時間経過に伴って順次表示する態様;シャッターが押されるまでのカウントダウンも含む)をユーザに対して提示する(出力する;S27)。この提示により、シャッターが切られることに対する心構えが十分にできるので、利便性が向上する。なお、このカウントダウンは、リモートカメラ装置1側で行ってもよく、リモートカメラ操作装置2側で必ずしも行う必要はない。
【0095】
そして、計時部18にて待ち時間を経過するまで、計測(計時)を続ける(S28)。一方、リモートカメラ装置1が撮影要求あるいは撮影指示を受信して間もなく撮影するようにする場合には、待ち時間を計時するステップ(S26・S27・S28)を省略することができる。
【0096】
その後、撮影要求作成部16は、通信制御部17に対して撮像画像の受信を待機する状態に入るよう指示(撮像画像を受信する態勢に入る旨の指示を)すると、通信制御部17は、通信部12によって撮像画像を受信する待機状態へ入る(S29)。ここで、出力部14に「写真を受信します。カメラの方へ向けてください」というメッセージを表示してもよい。
【0097】
そして撮像画像を通信部22にて受信すると(S30)、撮像画像制御部19は受信した撮像画像を撮像画像記憶部23へ保存し(S31)、必要に応じて出力部14へ出力(表示)し(S32)、処理を終了する。
【0098】
図9(a)は、リモートカメラ操作装置2の出力部14にてユーザに提示される、ユーザに撮影条件を入力させるための撮影条件設定用の「画面表示例」である。
【0099】
一方、図9(b)は、同じくリモートカメラ操作装置2の出力部14にてユーザに提示される、撮影要求の発信を指示させるための操作の「画面表示例」である。これらの画面の取得方法としては、リモートカメラ装置1から有線無線を問わず直接接続することによって取得する方法、リモートカメラ操作装置2に備え付けの取り外し可能な記憶媒体(メモリカードなど)をリモートカメラ操作装置2に挿入することによって取得する方法、リモートカメラ装置1用のサーバにアクセスしてホームページ(HTML形式など)として取得する方法、またはリモートカメラ装置1の近辺に添付された二次元バーコード(Quick Response:QRコード(登録商標))を読み取ることによって取得する方法などが考えられる。
【0100】
また、これらの画面のデータ形式は、HTML形式やSVG(Scarable Vector Graphics)形式、XML形式、X−Forms形式、またはJava(登録商標) Scriptなどで表現(記述)することが考えられ、撮影要求作成部16が画面構成を解釈(書式の解析、描画)し、出力部14に出力することが考えられる。
【0101】
また、撮影条件設定においては、ユーザ入力によってどの撮影条件が設定されたかに基づいて、リモートカメラ装置1へ送信する撮影条件をどのようなデータ形式にするか、例えば、図6(a)に示すようなXML形式にする、または、設定された条件ごとに分離して順次送信する、などが記述されていることが考えられる。
【0102】
また、これらの画面がどのように操作されるかについて、いずれのボタンでどの項目が設定されるかについて画面を構成する記述の中に記載する(HTMLであれば「accesskey=”1”」と記載すると「1ボタンが押されたら」という意味を記載可能)、または、カーソルを表示し、カーソルが表示されている項目のみたとえば決定ボタンなどで操作可能とし、ユーザはカーソルを移動させ、決定ボタンを用いて操作する、などが考えられる。
【0103】
撮影条件の設定用の画面表示例では、図9(a)に示すように、撮像画像のサイズ設定、撮影感度(ISO値)の設定、フラッシュの発光させるかどうかの決定、または装飾はどうするかの決定、などの各項目についてユーザが設定可能となっていることを示している。上記以外にも、撮影を実行するまでの待ち時間、または再度撮影指示を受信するまで撮影を実行せず待つかどうか、などを設定する画面も考えられる。
【0104】
ここで、リモートカメラ操作装置2の出力部14の出力能力に基づいて撮像画像のサイズ設定表示がされていることが望ましい。
【0105】
図9(a)の例は、出力部14の出力能力は、SXGA(1280ピクセル×1024ピクセル)が限界で、UXGA(1600ピクセル×1200ピクセル)は表示できない場合における例であり、UXGAの欄には「表示できません」と表示する。
【0106】
これによって、リモートカメラ装置1はUXGAのサイズで撮像画像を保存し、リモートカメラ操作装置2はUXGAにて保存された撮像画像を受信してもよいが、出力部14の能力不足によりリモートカメラ操作装置2上において表示することはできないことをユーザに提示可能となる。
【0107】
この「表示できません」表示は、UXGAが含まれる画像サイズ設定項目をユーザに提示する段階において、撮影要求作成部16が出力部14の出力能力と比較して、能力不足と判断した項目について上記のように提示するよう、提示用画面を構成することができる。
【0108】
撮影要求の発信を指示させるため操作の画面表示例(b)では、「写真を撮る!」ボタンを押すと、撮影要求を発信する旨を提示している。発信する撮影要求には上記のとおり少なくとも自装置(リモートカメラ操作装置2)の識別子(特許請求の範囲に記載の識別情報)となりうる、アドレス、デバイスID、または装置IDなどの特定情報を含んでいる。なお、ここでいうボタンは、携帯電話であれば、例えば、「F」キーや決定キーなどが挙げられる。
【0109】
図10(a)は、リモートカメラ操作装置2の出力部14にてユーザに提示される、撮影指示を発信させるための画面表示例であり、図10(b)は、リモートカメラ操作装置2の出力部14にてユーザに提示される、同じく撮影が実行されるまでのカウントダウン提示を行う、画面表示例である。
【0110】
図10(a)に示す撮影指示を発信する画面表示において、撮影指示がなされると、撮影指示がリモートカメラ装置1へ送信される(S24;図8参照)。具体的には、出力部14の画面には、「写真を撮る準備ができたら再度ボタンを押してください」という画面が表示され、「はい、チーズ!」ボタンが選択可能となる。
【0111】
ここで、「はい、チーズ!」ボタンを選択すると、撮影指示(シャッター指示)が、リモートカメラ装置1に発せられる。この撮影指示はリモコン信号で飛ばすことができるが、2mぐらいの距離であれば、Ir simpleにて飛ばすこともできる。
このとき、上記図6(b)で説明したように、リモートカメラ装置1から撮影指示の信号パターンが予め指定されている場合においては、この指定された信号パターンにて撮影指示を送信する。
【0112】
図10(b)に示すカウントダウン提示は、図8にS27にて示す「カウントダウン画面表示」のステップにおける提示である。このカウントダウン提示は、リモートカメラ装置1側で行ってもよいが、リモートカメラ装置1が、リモートカメラ操作装置2付近のユーザ(被写体)から離れている場合においては、提示が見づらくなってしまうため、リモートカメラ操作装置2側で行うことが望ましい。
【0113】
また、撮影が実行される直前に(3秒前程度に;撮影が行われるまでの残り時間が少なく)なったときには、上記のような視覚的な表示だけでなく、出力部14に設けたスピーカーを用いて音声によってもカウントダウンを提示すると、より好適である。こうすることによって、撮影が行われる寸前まで画面に見入る必要がなく、十分な心構えのもとで撮影を行うことが可能となる。
【0114】
この音声によるカウントダウンも、上記と同様の理由から、リモートカメラ操作装置2側で行うことが望ましい。また、カウントダウンだけでなく、撮影の瞬間にシャッターが切られる音「カシャッ!」を発音する(撮影音を出力する)ことによって、さらに写真を撮られているという状況をユーザに伝えることが可能となる。この音声によるカウントダウンの提示は、出力部14に設けられたバイブレーターなどを用いて、触覚的に提示することによって、耳の不自由なユーザに対しても同様の作用をもたらすことが可能となる。
【0115】
なお、ここでいう「撮影の瞬間」とは、上記取得した待ち時間を計時部18で計時した結果得られる、撮影予想時刻を指している。つまり、リモートカメラ操作装置2とリモートカメラ装置1とのクロックの誤差が大きくなければ、スタートさえ赤外線IRで指示していれば厳密な同期を気にしなくても、リモートカメラ装置1側でシャッターを切るタイミングはリモートカメラ操作装置2側で想定(計測)することが可能である。
【0116】
図11(a)〜(c)は、撮影終了後、リモートカメラ操作装置2がリモートカメラ装置1から撮像画像を受信するために受信待機に入るときに、出力部14に提示する画面表示例である。図11(a)(b)は、より好適な状態で撮像画像を受信できるよう指示する画面表示例であり、図11(c)は、撮像画像の受信に失敗したときの画面表示例である。
【0117】
図11(a)は、Bluetooth(登録商標)やIEEE802.11に代表されるような近距離無線通信によって撮像画像を受信させる場合において、リモートカメラ装置1とリモートカメラ操作装置2とが互いに離れている場合には撮像画像が受信できない、または、受信が困難であるため、リモートカメラ装置1の近くに来るように表示している画面表示例である。この画面表示例では、リモートカメラ装置1の周りには白線で円が描いてあり、その中に入っていれば受信が行えるように、「写真を受信できるところ(白線の円の中まで)移動してください」と表示している。この場合において、実際に通信が快適に行える距離にいるかどうかを事前に確認して表示を行ってもよいが、既に快適に通信できる距離にいた場合に表示してもよい。
【0118】
図11(b)は、赤外線通信やミリ波通信のような指向性のある近距離無線通信によって撮像画像を受信させる場合における画面表示例である。この場合は、リモートカメラ操作装置2を撮像画像が発信される装置(リモートカメラ装置1)の方に向けないと撮像画像を受信できない。このため、撮像画像を発信する装置(リモートカメラ装置1)の方へリモートカメラ操作装置2を向けるよう(撮像画像を受信する態勢に入る旨)、ユーザに提示している。具体的には、「赤外線の受光部をカメラの方へ向けてください」と提示している。この場合も同様に、リモートカメラ装置1の周りの通信が快適に行える距離に白線が引いてあるとより好適である。また、図11(a)の場合と同様に実際に通信が快適に行えるか距離にいるかどうか事前に確認して表示を行ってもよいが、既に快適に通信できる距離にいた場合に表示してもかまわない。
【0119】
図11(c)は、図11(a)に示すように近距離無線通信にて撮像画像を受信するように、待機していたにもかかわらず、一定時間、撮像画像を受信できなかった場合における画面表示例である。再度、快適に通信を行える範囲である白い円の中に入るようユーザに指示する旨、表示している。なお、図示しないが、図11(b)の場合のように、指向性のある近距離無線通信にて撮像画像を受信させる場合において、一定時間撮像画像を受信できなかったのであれば、再度撮像画像を発信する装置(リモートカメラ装置1)の方へリモートカメラ操作装置2を向けるよう表示することは言うまでもない。
【0120】
図12は、リモートカメラ装置1が複数枚の写真を撮像した場合において、撮像した写真のうちリモートカメラ操作装置2が希望する写真を送信する処理の流れを示したタイミングチャートである。リモートカメラ装置1が、撮像した複数の画像(撮像画像)のサムネイルを作成し、リモートカメラ操作装置2へ送信する。リモートカメラ操作装置2側のユーザが、受信したサムネイルを見て、所望する写真を選び、選択信号としてリモートカメラ装置1へ送信する。
【0121】
リモートカメラ装置1は、受信した選択信号によって選択された撮像画像を順次リモートカメラ操作装置2へ送信する。このとき、複数の撮像画像が選択された場合において、撮像画像を、ユーザから指定された順に送信してもよく、先に撮影したものから送信してもよく、または、全く関係なく送信準備が整ったものから順次送信してもよい。
【0122】
図13(a)(b)は、リモートカメラ装置1が、有料で撮影を行う場合において、リモートカメラ操作装置2に課金する例について示す図である。図13(a)は、ICカードリーダ装置20を示している。このICカードリーダ装置20は、リモートカメラ装置1側に設置することができる。一方、リモートカメラ操作装置2側には課金のための情報を記憶しているICチップ(不図示)が、内蔵または付属され、このICチップがICカードリーダ装置20の課金情報通信部30にかざされることによってICカードリーダ装置20とICチップとが互いに通信し、課金のための情報がICチップからICカードリーダ装置20に送られる。
【0123】
例えば、クレジットカード会社にてクレジットカードのカード番号とICチップ固有のIDとが関連付けて管理される場合では、ICチップ固有のIDがICカードリーダ装置20に渡される。ICカードリーダ装置20は、受信したICチップ固有のIDを元にクレジットカード会社に問い合わせを行い、関連付けられているクレジットカード番号からの決済を行うよう指示する。そして、決裁可能かどうかが判断される、あるいは決裁が完了したことを受け、何らかの通信手段(例えば近距離無線通信手段)によって撮像画像を受信する。
【0124】
これにより、リモートカメラ装置1は、課金を確認してから撮像画像を送信するので、課金を確実に行うことが可能である。なお、上記のようにICチップによってやり取りをしなくとも、その場で現金決裁可能なように、自動販売機のように金銭の投入口を備え、所定の金額が投入されたことを確認してから撮像画像を送信してもよい。
【0125】
図13(b)は、課金を行う前に、予めある程度劣化させた撮像画像、または、加工した撮像画像を送信しておき、受信した撮像画像で納得した(撮像画像の受信および金銭の支払いを受諾した)ユーザが課金に必要な情報(例えば端末ID;ICチップ固有のID)を送信することによって、リモートカメラ装置1側で課金処理を行った後に、リモートカメラ装置1からリモートカメラ操作装置2に対して撮像画像を送信する例を示している。このとき、課金に必要な端末IDは、当初の撮影要求送信時に、撮影要求に含めて送信しておいてもよいが、課金に関わる重要な情報であるため、課金時のみ送受信されることがセキュリティ上望ましい。
【0126】
また、この図13(b)では最初にある程度劣化させた写真を送付しておくとした。しかしながら、これに限らず、特に劣化させずに、リモートカメラ操作装置2に撮像画像を送信するが、この撮像画像のデータの構成を、一定時間経過した後も課金処理が行われていないことを検出すると、リモートカメラ操作装置2上から消去される、またはスクランブルされるような時限的なデータの構成としてもよい。
【0127】
図14は、リモートカメラ装置1が、複数の装置(リモートカメラ操作装置2)から撮影要求を受信した場合における、撮像画像の送信処理の例を示すタイミングチャートである。ここでは、一例として、リモートカメラ装置1が、リモートカメラ操作装置(不図示)2a、リモートカメラ操作装置(不図示)2b、リモートカメラ操作(不図示)2cの3つの異なるリモートカメラ操作装置2から撮影要求を受信したとする。受信した撮影要求にはそれぞれ、リモートカメラ操作装置2a、リモートカメラ操作装置2b、リモートカメラ操作2cを識別するための個々の特定情報が含まれている。なお、以降の説明では、すでに各装置2a・2b・2cからの撮影要求による撮影は終了しているものとして、動作の一例を説明する。
【0128】
リモートカメラ装置1は、まず、リモートカメラ操作装置2aをあて先として通信の接続要求を行い、通信を確立できるかどうか確認する。リモートカメラ操作装置2aとの通信を確立できなかった場合には、リモートカメラ操作装置2bとの通信確立を試みる。リモートカメラ操作装置2bとの通信が確立したことを確認すると、つまり、リモートカメラ操作装置2bから肯定応答を受信すると、リモートカメラ操作装置2bの撮影要求によって撮影された撮像画像をリモートカメラ操作装置2bに対して特定情報を元に送信する。その後、リモートカメラ操作装置2cへの通信の接続要求を行う。
【0129】
この例では、ある1時点において、リモートカメラ装置1が通信できるリモートカメラ操作装置2が、1つの装置であるとしているが、通信手段の能力によっては同時に複数装置に対して通信を行ってもよい。また、撮像画像の送信などを行っている途中であっても、撮影要求をさらに受信した場合には、能力に応じて、並行的に撮影、送信処理を行ってもよい。
【0130】
〔実施の形態2〕
本発明の別の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態の説明では、上記の実施の形態1との相違点のみ説明する。
【0131】
図15は、本実施の形態のリモートカメラ操作装置2とリモートカメラ装置1との間で送受信される情報、およびこれら装置の動作を示すタイミングチャートである。
【0132】
実施の形態1と違う点は、(i)リモートカメラ操作装置2からリモートカメラ装置1へ撮影要求を送信する際に、特定情報と合わせて、撮像画像を暗号化するために用いる暗号鍵を送信する点、および、(ii)リモートカメラ装置1が撮影要求を受信する際に受信した暗号鍵を用いて、撮像画像を暗号化し、暗号化した撮像画像をリモートカメラ操作装置2へ送信する点、である。
【0133】
これによって、撮影要求を送信したリモートカメラ操作装置2以外の装置が撮像画像を受信したとしても、復号できない限りは撮像画像を正しく閲覧できず、秘匿性が向上するという効果を奏する。
【0134】
本実施の形態で用いる「暗号鍵」は、シーザー暗号、または換字暗号などのような簡単な暗号鍵を用いることが考えられる。どのような暗号鍵でどのような暗号化が行われているかを知るためには、リモートカメラ操作装置2からリモートカメラ装置1へ送信される暗号鍵を含む撮影要求と、リモートカメラ装置1からリモートカメラ操作装置2へ送られる暗号化された撮像画像と、の両方を傍受する必要がある。従って、そのような面倒なことをしてまで他人の写真を覗きたい人は少ないと考えられるため、秘匿性が確保される。
【0135】
一方、計算量は多いが、さらに安全で高度な鍵方式である、PGP(Pretty Good Privacy)と呼ばれる公開鍵、秘密鍵暗号方式を用いてもよい。
【0136】
この場合においては、リモートカメラ操作装置2からリモートカメラ装置1に対して撮影要求とともに公開鍵を送信する。リモートカメラ装置1は、撮像画像を公開鍵にて暗号化し、リモートカメラ操作装置2へ送信する。公開鍵秘密鍵暗号方式においては、暗号化した鍵自体では復号が不可能な仕組みとなっているため、公開鍵を含む撮影要求、暗号化された撮像画像の両者を傍受したとしても、復号が可能な鍵は入手できないため、より高い秘匿性が確保される。
【0137】
また、リモートカメラ装置1の撮像画像記憶部13に撮像画像本体を記憶せず(一旦は記憶した後で削除する例も含む)、暗号化された撮像画像のみを記憶するように構成してもよい。これにより、リモートカメラ装置1の中に不正に進入して当該暗号化された撮像画像を入手したとしても、復号は不可能、という更なる効果を奏する。
【0138】
なお、リモートカメラ装置1は、撮影要求を受信した際に受信した暗号鍵は、撮影要求処理部7が取得し、撮像画像の暗号化は、この暗号鍵を用いて撮像画像制御部10が行う。
【0139】
リモートカメラ操作装置2は、暗号鍵(もしくは公開鍵秘密鍵のペア)を撮影要求作成部16にて作成して管理する、または、撮影要求の度毎に生成する。受信した暗号化された撮像画像の復号は、撮像画像制御部19にて行う。
【0140】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに別の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態の説明では、上記の実施の形態1・2との相違点のみ説明する。
【0141】
図16(a)は、本実施の形態に係るリモートカメラ装置1の概略構成(筐体)の例を示す図である。
【0142】
上記の実施の形態1・2と違う点は、被写体(ユーザ)がリモートカメラ装置1に対してどちらの方向にあるか(いるか)を検出して、被写体が撮影領域に入るように、リモートカメラ装置1の向き、より正確には、撮像部5の向きを制御する点である。
【0143】
被写体がどちらの方向にあるかを検出する方法として、赤外線やミリ波通信のような指向性のある近距離無線通信手段にて撮影要求(または撮影指示)を受信することにより検出する方法が考えられる。
【0144】
次に、指向性のある赤外線通信を用いて撮影要求(または撮影指示)を受信することにより、被写体のある方向を検出するための本実施の形態の構成および動作について説明する。
【0145】
本実施の形態のリモートカメラ装置1は、図16(a)に示すように、複数の赤外線受信用レンズ(レンズ)21を有する通信部3と、この通信部3上に配され、この通信部3とは独立して駆動可能な撮像部5と、を有している。
【0146】
レンズ21は、それぞれ互いに異なる方向を向いており、図16(a)では、およそ90度の範囲から入射した赤外線を受光できるように上方から見て放射状に(扇形状に)配されている(図16(b)参照)。なお、レンズ21は、180度、または全方位である360度の範囲から入射した赤外線を受光できるように配されていてもよい。さらに、場合によっては上下方向に異なる方向にレンズ21を配してもよい。
【0147】
図16(b)に示すような角度で、撮影要求または撮影指示を示す赤外線(IR)が入射したとする。この場合、右から2番目のレンズ21aが一番大きな(強い)光を受信し、一番右のレンズ21bがレンズ21aに次ぐ強さの光を受信し、右から3番目のレンズ21cがレンズ21bに次ぐ強さの光を受光する。なお、図中、「大」、「中」、「小」は、各レンズ21a・21b・21cが検出した光(入射光)の強さを示している。
【0148】
どのレンズ21でどれくらいの光を受信したかを検出し、それらを比較することによって、赤外線が発信されてきた方向(撮影要求または撮影指示がされてきた方向)を検出することが可能である。
【0149】
そして、入射光が一番強いレンズ21が向いている方向が、赤外線が発信されてきた方向(撮影要求または撮影指示がされてきた方向)であると認識し、撮像部5の向きを変え、ファインダー(図16(a)参照)22の中に被写体が写るようにすることができる。
【0150】
図16(c)は、被写体を検出した方向へ撮像部5を向けるイメージ図であり、破線で示す状態から矢印A方向に回転させることにより、撮像部5を実線で示す状態に移動させて、撮像部5を赤外線が入射する方向へ移動させる状態を示している。このとき通信部3も一緒に動かされてもよいし、通信部3を固定したまま撮像部5のみ独立して動かすように構成してもよい。
【0151】
次に、図17を用いて、本実施の形態のリモートカメラ装置1の動作について説明する。
【0152】
図17は、通信部3において赤外線を受信した場合に、赤外線が入射してきた方向を検出する処理を説明するフローチャートである。この処理は、通信制御部8にて行われる。
【0153】
通信部3を構成する複数のデバイス(レンズ21)のうちいずれかにおいて信号を受信すると、受信光(入射光)が所定の強さ以上であるかどうかをチェックする(S35)。このチェックするステップによって、自然光やノイズを除去することができる。受信光が所定の強さ以下であると判定されると(S35でNOの場合)、受信光は、自然光あるいはノイズとみなされ、特に処理せず終了する。ここで、所定の強さとは、例えば、10μmW/cm^2である。
【0154】
受信光が所定の強さ以上であると判定されると(S35でYESの場合)、受信信号の強度が一番強かったレンズ21を特定する(S36)。ここで説明の便宜上、このレンズ21を参照符号21A、このレンズ21Aの隣に配されたレンズ21の参照符号を21Bで表す。このレンズ21A(図17中デバイスAにて示す)の隣にあるレンズ21Bの受信信号の強度をチェックし、レンズ21Aの次に受信信号の強度が強かったレンズ21B’(図中デバイスBにて示す)を特定する(S37)。
【0155】
図16(b)のように一列に並んでいた場合には、レンズ21Aの両隣のレンズ21Bをチェックし、より受信信号の強度が強かった方のレンズ21B’を特定する。レンズ21Aおよびレンズ21Bを特定すると、両者の受信信号の強度差から、送信されてきた赤外線の方向(入射角)を算出し(S38)、動作を終了する。
【0156】
なお、図16(a)〜(c)のように、複数のレンズ21にて赤外線を受光するよう構成した場合において、上記のように光量や信号強度を比較する方法以外に、信号の受信検出が最も早かったレンズ21がいずれであるか、つまり、受信デバイス(レンズ21)の制御チップが最も早く反応したものはどれか、を検出することによっても同様の結果を得ることができる。
【0157】
図18は、送信されてきた赤外線の入射角度だけではなく、被写体とレンズ21との距離を推定して、適切な焦点距離を得るために用いる対応表(テーブル)の例である。なお、焦点距離とは、レンズとフィルムとの距離を示す用語であり、ズーム倍率と焦点距離との関係はカメラの機種によって変わるものである。受光した光の強さによって、何倍ズームにするかを決め、合わせて焦点距離を決める。図18では、光の強さ−ズームでもよいし、光の強さ−焦点距離でもよい。
【0158】
この例では、入射した赤外線の光の強さを測定して、焦点距離を設定するよう、入射光の強さとズーム値とが対応付けられている。例えば、入射光が50mW/cm^2(二乗)であった場合、ズーム値は「2倍」が関連付けられている。この対応表はリモートカメラ装置1の通信部3にて管理され、導き出されたズーム値は撮影要求処理部7が撮像部5を制御することによって設定される。なお、ここでは、ズームの制御は、撮影要求処理部7にて行っているが、この制御は、別途撮影条件制御部(不図示)を設けて行ってもよい。
【0159】
〔実施の形態4〕
本発明のさらに別の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態の説明では、上記の実施の形態1〜3との相違点のみ説明する。
【0160】
図19は、本実施の形態のリモートカメラ装置1の撮像部5と、リモートカメラ装置1の通信部(本実施の形態ではリモコンボックスともいう)3と、リモートカメラ操作装置2と、の配置関係を示す図である。本実施の形態では、同図から分かる通り、撮像部5と通信部3とが互いに離れた位置に配されており、両者は、専用線25にて接続されている。
【0161】
本実施の形態と、実施の形態1ないし実施の形態3との相違点は、リモートカメラ装置1の撮像部5と、リモートカメラ操作装置2との距離が遠い場合において、リモートカメラ装置1の撮像部5とリモートカメラ装置1の通信部3とが互いに専用線25のような通信手段にて接続されており、かつ、通信部3とリモートカメラ操作装置2とが互いに近くに配されている点である。
【0162】
リモートカメラ装置1の通信部3と、リモートカメラ操作装置2とが互いに近距離無線通信にて通信する場合において特に有効である。例えば、沖縄の万座毛、福井の東尋坊、および和歌山の三段壁などのような断崖絶壁で有名な観光名所において、絶壁の端に立ち、遠く(例えば対岸)に設置されたリモートカメラ装置1の撮像部5にて撮影を行わせるようなことが考えられる。この場合においては、リモートカメラ装置1の撮像部5自体はリモートカメラ操作装置2と離れていてもよい。つまり、撮影要求の受信および撮像画像の発信を行うことができるように、リモートカメラ装置1に専用線を介して接続された通信部3がリモートカメラ装置1とが互いに通信可能な距離内にあればよい。リモートカメラ操作装置2のユーザは、通信部3に対して撮影要求を発信し、撮像画像を受信する。なお、リモートカメラ装置1の撮像部5とリモートカメラ装置1の通信部3とは互いに専用線25にて接続されているため、両者間の通信が傍受されることを防止することができる。
【0163】
〔実施の形態5〕
本発明のさらに別の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態の説明では、上記の実施の形態1〜4との相違点のみ説明する。
【0164】
図20(a)は、実施の形態のリモートカメラ装置1とリモートカメラ操作装置2との関係を示す図である。リモートカメラ操作装置2と撮像部5同士が互いに離れていた実施の形態4とは対照的に、本実施の形態では、目の前の人が持っているカメラ(リモートカメラ装置1)で撮影してもらい、撮像画像を受け取る、というものである。
【0165】
カメラは、メーカーごと機種ごとに特性が異なり、ユーザにとって一番使いやすいカメラは、自分のカメラである。よって、観光地などで自分のカメラを渡して撮ってもらったとしても、満足できる写真を撮ってもらえることは少ない。撮影を頼まれた側のユーザにとっても、はやり使いやすいのは自分のカメラだからであって、渡されたカメラのシャッターはとりあえず切るが、切るだけとなってしまう。そこで、図20(a)のように、写真を撮りたい(撮ってもらいたい)側の人が持つリモートカメラ操作装置2が、目の前にいる人のリモートカメラ装置1に対して撮影要求を送信し、このリモートカメラ装置1から撮像画像を受信する。
【0166】
これによって、すぐ撮像画像を入手できるので、従来のように自分のカメラを渡して撮ってもらう程度に手軽に、かつ、撮影する人にとっても快適に操作可能な環境で写真撮影を行うことが可能となる。
【0167】
図20(b)は、撮影を頼まれた側であるリモートカメラ装置1側のカメラに表示される撮影後のメッセージの例である。撮影を終了すると、撮影要求を送信した装置(リモートカメラ操作装置2)の方に向けるように表示する。なお、送信後は、カメラ内のメモリの節約のために、あるいは撮影される側のプライバシー保護のために、撮像された写真はリモートカメラ装置1側の撮像画像記憶部6からは消去されることが望ましい。または、プライバシーを保護するために、実施の形態2に示したように、撮像画像記憶部6には暗号化した撮像画像のみ記憶してもよい。
【0168】
〔実施の形態6〕
(IrSimpleにて通信を行う場合)
本発明のさらに別の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態の説明では、上記の実施の形態1〜5との相違点のみ説明する。
【0169】
図21は、本実施の形態に係る、リモートカメラ装置1とリモートカメラ操作装置2との間で、撮影要求および撮像画像の送受信をIrSimpleにて行う場合における、送受信される信号を詳細に説明するタイミングチャートである。
【0170】
IrSimpleとは、赤外線通信の標準規格の一つであり、同じく標準規格のIrDAにおける通信開始時のネゴシエーションの手順を簡略化し、高速にデータを転送することが可能な通信方式である。IrSimpleは、一回の信号送信において送信可能なデータの量を、IrDAよりはるかに多く設定することが可能である。送信側(プライマリ)が主導するモデルであり、プライマリとなった装置は多量のデータを短時間で送信することが可能である。
【0171】
まず、撮影要求を送信するために、リモートカメラ操作装置2は、接続要求(Connect.request)を送信する。この接続要求を正しく受信したリモートカメラ装置1は、応答(Connect.response)を返信する。これによって、リモートカメラ操作装置2はプライマリ側装置となる。
【0172】
リモートカメラ操作装置2は、応答を受信すると、撮影要求を送信する(PUT.request)。ここに、撮影要求の旨、および、特定情報、撮影条件を一緒に、あるいは別々に送信することが可能である。リモートカメラ装置1は、一回のデータ受信について、一回の応答(PUT.response)を送信することが望ましい。
【0173】
もし、撮影要求、撮影条件を明示的に送信せず、リモートカメラ装置1は何らかの接続要求を受信したら間もなく写真を撮像するよう構成する場合であれば、上記の接続要求を撮影要求とみなし、撮影要求の送信を省略してもよい。
【0174】
リモートカメラ操作装置2は、撮影要求などを送信し終えると、一旦通信を切断するよう要求する切断要求を送信し(DISCONNECT.request)、リモートカメラ装置1から応答(DISCONNECT.response)を受信する。これによって、リモートカメラ操作装置2はプライマリとしての立場を一旦終える。
そして、リモートカメラ装置1は、撮影を行い撮像画像の準備が整うと、リモートカメラ操作装置2に撮像画像を送信するために、接続要求(CONNECT.request)をリモートカメラ操作装置2に対して送信し、リモートカメラ操作装置2より応答(CONNECT.response)を受信する。これによって、リモートカメラ装置1はIrSimpleのプライマリ装置となる。
【0175】
上記のように接続を確立すると、撮影画像を送信する(PUT(DATE))。撮像画像のサイズに応じて、複数回に分けて送信してもよい。リモートカメラ操作装置2は、一回のデータ受信について、一回の応答(PUT.response)を送信することが望ましい。そして、撮像画像の送信を終えると、リモートカメラ装置1は、切断要求(DISCONNECT.request)を送信し、応答(DISCONNECT.response)を受信する。なお、IrSimpleでは、応答を受け取らない片方向通信を行うことが可能である。片方向通信を行うことで、応答の受信を待たなくてもよいので、より通信にかかる時間を短縮することが可能となる。この場合においては、上記応答(*.response)は送受信されない。
【0176】
図22は、図21に示した撮影要求の送信時において、送受信する信号をより詳細に示したタイミングチャートである。IrSimpleでは、接続要求において、自装置のデバイスアドレス(Source Address)、相手装置のデバイスアドレス(Destination Address)、および接続ID(Connection Address)を接続要求パケットであるSNRMフレームに含めることが可能である。
【0177】
リモートカメラ操作装置2から接続要求を送信する場合において、Source Addressとしてリモートカメラ操作装置2のIDを設定し、Destination Addressとして「相手を指定しない」意味のグローバルアドレスを設定、Connection Addressは適宜設定する。ここで、Source Addressに指定した自装置のデバイスアドレスが、特定情報となりうる。なお、相手デバイスアドレスがわかっているなら、設定しておいてもかまわない。
【0178】
SNRMフレームを受信したリモートカメラ装置1は、応答パケットに、同じくSource Address、Destination Address、Connection Addressを指定可能なUAフレームを含めることが可能である。ここでのUAフレーム内のSouce Addressにはリモートカメラ装置1のIDを、Destination Addressには、受信したSNRMフレームに含まれていたリモートカメラ操作装置2のIDを設定し、Connection AddressにはSNRMフレームにて指定されていたConnection Addressを設定する。以降のPUT、DISCONNECTには、Connection Addressを指定する。
【0179】
なお、ここでリモートカメラ装置1は、SNRMフレームで受信したリモートカメラ操作装置2のIDを記憶しておくことが望ましい。これにより、後の再接続において、先に接続したリモートカメラ操作装置2以外のリモートカメラ操作装置2に対して写真を送ってしまうことを防止することができる。
【0180】
図23は、図21に示した撮影後の撮像画像送受信において送受信される信号をより詳細に示したタイミングチャートである。リモートカメラ装置1は、先ほど記憶しておいたリモートカメラ操作装置2のIDをDestination Addressとして指定したSNRMフレームをリモートカメラ操作装置2に対して送信する。IrDAならびにIrSimpleにおいて、自装置を指定した信号またはDestination Addressを特に指定しない(グローバルアドレスが設定されている)信号を受信した以外においては、受信を拒否するよう、規定されている。
【0181】
そのため、接続要求のDestination Addressにリモートカメラ操作装置2を指定しておくことで、規格に則った仕様の装置であれば、接続要求を受け付けないため、結果、リモートカメラ操作装置2のみが接続要求を受信可能となる。接続要求を受信したリモートカメラ操作装置2は、同図に示したように設定されたUAフレームを送信する。なお、Souce Addressとして設定されるIDは、恒久的に同じIDを使用するか、或いは使い捨てか、はデバイスの実装に依存している。ここで、リモートカメラ操作装置2が使い捨てのIDを使用する場合は、リモートカメラ装置1に送信した接続要求にて使用した自装置IDを記憶しておき、リモートカメラ操作装置2より受信した接続要求に指定されたDestination Addressが、上記記憶しておいた自装置IDと一致するかどうか判断し、一致すれば受信することが考えられる。
【0182】
図24は、実施の形態2のように、撮像画像を暗号化する場合における、送受信手段をIrSimpleで構成した場合の信号の詳細を示した図である。図21との相違点は、接続要求時のPUTに前述の暗号鍵を含める点である。このとき使用される鍵は、ごく簡単な暗号鍵でもよいが、PGP(公開鍵と秘密鍵のペアを作成)を用いてもよい。PGPである場合には、公開鍵をリモートカメラ装置1に対して送信する。公開鍵で暗号化したデータは秘密鍵でしか復号できない、秘密鍵で暗号化したデータは公開鍵でしか復号できない、という性質から、たとえカメラに不正に進入したとしても、写真を復号することはかなり困難となる。なお、上記では、主に赤外線通信における例について説明してきたが、特定情報がメールアドレスとして送信された場合には、撮像画像をメールとして送信することが考えられる。また、特定情報がファクシミリ番号として送信された場合には、撮像画像をファクシミリにて送信することが考えられる。
【0183】
最後に、リモートカメラ装置1およびリモートカメラ操作装置2の各ブロック、特に操作装置特定部24および通信制御部8・17は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0184】
すなわち、操作装置特定部24および通信制御部8・17は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである操作装置特定部24および通信制御部8・17の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記操作装置特定部24および通信制御部8・17に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0185】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0186】
また、操作装置特定部24および通信制御部8・17を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0187】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、今回開示した実施の形態および実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0188】
本発明のリモートカメラ操作装置およびリモートカメラ装置はカメラ内臓型の携帯電話に特に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1】本実施の形態のリモートカメラ操作装置とリモートカメラ装置との間で送受信される情報、およびこれら装置の動作の概要を示すタイミングチャートである。
【図2】リモートカメラ装置の構成を表す機能ブロック図である。
【図3】リモートカメラ装置にて、リモートカメラ操作装置から撮影要求を受信してから、リモートカメラ操作装置へ撮像画像を送信するまでの処理を示すフローチャートである。
【図4】図2に示した撮影ステップ(S3)の一例について詳細に示すフローチャートである。
【図5】図2に示した撮影ステップ(S3)の図4とは別の例について詳細に示すフローチャートである。
【図6】(a)は、撮影要求のデータの一例を示す図であり、(b)は、撮影指示(シャッター指示)のデータの一例を示す図である。
【図7】リモートカメラ操作装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図8】リモートカメラ操作装置が、ユーザから撮影要求を送信するよう指示されてから、撮像画像を受信して出力するまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】(a)は、リモートカメラ操作装置の出力部にてユーザに提示される、ユーザに撮影条件を入力させるための撮影条件設定用の「画面表示例」であり、(b)は、リモートカメラ操作装置の出力部にてユーザに提示される、撮影要求の発信を指示させるための操作の「画面表示例」である。
【図10】(a)は、リモートカメラ操作装置の出力部にてユーザに提示される、撮影指示を発信させるための画面表示例であり、(b)は、リモートカメラ操作装置の出力部にてユーザに提示される、同じく撮影が実行されるまでのカウントダウン提示を行う、画面表示例である。
【図11】(a)は、近距離無線通信によって撮像画像を受信させる場合において、リモートカメラ装置とリモートカメラ操作装置とが互いに離れている場合にリモートカメラ装置1の近くに来るように表示している画面表示例であり、(b)は、指向性のある近距離無線通信によって撮像画像を受信させる場合における画面表示例であり、図11(a)に示すように近距離無線通信にて撮像画像を受信するように、待機していたにもかかわらず、一定時間、撮像画像を受信できなかった場合における画面表示例である。
【図12】リモートカメラ装置が複数枚の写真を撮像した場合において、撮像した写真のうちリモートカメラ操作装置が希望する写真を送信する処理の流れを示したタイミングチャートである。
【図13】(a)は、ICカードリーダ装置を示す図であり、(b)は、リモートカメラ装置側で課金処理を行った後に、リモートカメラ装置からリモートカメラ操作装置に対して撮像画像を送信する例を示すタイミングチャートである。
【図14】リモートカメラ装置が、複数の装置(リモートカメラ操作装置)から撮影要求を受信した場合における、撮像画像の送信処理の例を示すタイミングチャートである。
【図15】実施の形態2のリモートカメラ操作装置とリモートカメラ装置との間で送受信される情報、およびこれら装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図16】(a)〜(c)は実施の形態3を示すものであり、(a)は、実施の形態3のリモートカメラ装置の概略構成を示す図であり、(b)は、図16(a)に示す通信部を示す平面図であり、(c)は、撮像部の移動の様子を示す平面図である。
【図17】実施の形態3を示すものであり、通信部において赤外線を受信した場合に、赤外線が入射してきた方向を検出する処理を説明するフローチャートである。
【図18】実施の形態3を示すものであり、送信されてきた赤外線の入射角度だけではなく、被写体とレンズとの距離を推定して、適切な焦点距離を得るために用いる対応表(テーブル)の例である。
【図19】実施の形態4を示すものであり、リモートカメラ装置の撮像部と、リモートカメラ装置の通信部と、リモートカメラ操作装置と、の配置関係を示す図である。
【図20】(a)(b)は、実施の形態5を示すものであり、(a)は、実施の形態のリモートカメラ装置1とリモートカメラ操作装置との関係を示す図である。(b)は、撮影を頼まれた側であるリモートカメラ装置側のカメラに表示される撮影後のメッセージの例である。
【図21】実施の形態6を示すものであり、リモートカメラ装置とリモートカメラ操作装置との間で、撮影要求および撮像画像の送受信をIrSimpleにて行う場合における、送受信される信号を詳細に説明するタイミングチャートである。
【図22】図21に示した撮影要求の送信時において、送受信する信号をより詳細に示したタイミングチャートである。
【図23】図21に示した撮影後の撮像画像送受信において送受信される信号をより詳細に示したタイミングチャートである。
【図24】実施の形態6を示すものであり、実施の形態2のように、撮像画像を暗号化する場合における、送受信手段をIrSimpleで構成した場合の信号の詳細を示した図である。
【符号の説明】
【0190】
1 リモートカメラ装置
2 リモートカメラ操作装置
3 通信部(第1通信手段)
5 撮像部(撮像手段)
6 撮像画像記憶部(第1画像記憶手段)
7 撮影要求処理部(撮影条件設定手段)
8 通信制御部(通信制御手段)
9 計時部(第1計時手段)
10 画像制御部(画像処理手段)
12 通信部(第2通信手段)
13 撮像画像記憶部(第2画像記憶手段)
14 出力部(出力手段)
16 撮影要求作成部(撮影要求作成手段)
24 操作装置特定部(特定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ機能を備え、遠隔操作可能なリモートカメラ装置において、
リモートカメラ操作装置を識別する識別情報を含む撮影要求信号を受信する第1通信手段と、
上記識別情報から上記撮影要求信号を送信してきた外部のリモートカメラ操作装置を特定する特定手段と、
該特定したリモートカメラ操作装置の特性に適合する、または、リモートカメラ操作装置から指定された、撮影条件によって撮影を行う撮像手段と、
上記特定したリモートカメラ操作装置に対して、撮像画像を送信するように上記第1通信手段を制御する通信制御手段と、を有することを特徴とするリモートカメラ装置。
【請求項2】
撮影した撮像画像に対して上記撮影条件に基づいた画像処理を行う画像処理手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のリモートカメラ装置。
【請求項3】
上記撮影要求信号には、上記撮影条件が含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載のリモートカメラ装置。
【請求項4】
上記識別情報から上記撮影条件を設定する撮影条件設定手段をさらに有していることを特徴とする請求項1または2に記載のリモートカメラ装置。
【請求項5】
上記撮影要求信号の信号状態から上記撮影条件を設定する撮影条件設定手段をさらに有していることを特徴とする請求項1または2に記載のリモートカメラ装置。
【請求項6】
上記撮影条件とは、絞り、感度、画質、画像サイズ、フラッシュの発光の有無、画像フォーマット、および解像度、のいずれかまたはこれらの任意の組み合わせであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のリモートカメラ装置。
【請求項7】
上記リモートカメラ操作装置からさらに、暗号鍵を受け取り、
上記画像処理手段は、上記暗号鍵に基づいて撮像画像を暗号化し、
上記通信制御手段は、該暗号化された撮像画像を上記特定手段が特定したリモートカメラ操作装置に対して送信するように制御することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のリモートカメラ装置。
【請求項8】
撮像画像を保存する第1画像記憶手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のリモートカメラ装置。
【請求項9】
上記リモートカメラ操作装置からさらに、暗号鍵を受け取り、
上記画像処理手段は、上記暗号鍵に基づいて撮像画像を暗号化し、
上記通信制御手段は、該暗号化された撮像画像を上記特定手段が特定したリモートカメラ操作装置に対して送信するように制御するようになっており、
上記第1画像記憶手段は、上記暗号化された撮像画像を保存することを特徴とする請求項8に記載のリモートカメラ装置。
【請求項10】
時間を計時する第1計時手段を備えており、該第1計時手段により、上記撮影要求信号の受信から撮影を行うまでの待ち時間を計時し、上記撮影要求信号の受信からこの待ち時間経過後に撮影が行われることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のリモートカメラ装置。
【請求項11】
上記撮影要求信号を受信後に、撮影指示信号を受信すると、この撮影指示信号の受信を合図にして撮影が行われることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のリモートカメラ装置。
【請求項12】
時間を計時する第1計時手段を備えており、該第1計時手段により、上記撮影指示信号の受信から撮影を行うまでの待ち時間を計時し、上記撮影指示信号の受信からこの待ち時間経過後に撮影が行われることを特徴とする請求項11に記載のリモートカメラ装置。
【請求項13】
上記撮影要求信号を受信後に、上記特定手段にて特定したリモートカメラ操作装置に対して、撮影指示用の信号パターンを送信し、該信号パターンを受信すると、この信号パターンの受信を合図にして撮影が行われることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載のリモートカメラ装置。
【請求項14】
時間を計時する第1計時手段を備えており、該第1計時手段により、上記信号パターンの受信から撮影を行うまでの待ち時間を計時し、上記信号パターンの受信からこの待ち時間経過後に撮影が行われることを特徴とする請求項13に記載のリモートカメラ装置。
【請求項15】
上記撮影要求信号の強度を検出し、この強度から適切な焦点距離を得ることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載のリモートカメラ装置。
【請求項16】
上記第1通信手段は、指向性を持つ近距離無線通信にてリモートカメラ操作装置との通信を行い、
上記通信制御手段は、上記撮影要求信号が発信されてきた方向を検出し、
該方向へ撮影する方向が向けられることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載のリモートカメラ装置。
【請求項17】
リモートカメラ装置に対して遠隔操作を行うリモートカメラ操作装置であって、
撮像を依頼する撮影要求信号を、上記リモートカメラ操作装置自身を識別する識別情報を含めて作成する撮影要求作成手段と、
リモートカメラ装置との通信を行う第2通信手段とを有し、
上記リモートカメラ操作装置自身の特性に適合するまたは外部から指定された撮影条件と、上記識別情報と、を含む上記撮影要求信号をリモートカメラ装置へ送信することによって、該撮影要求信号を送信したリモートカメラ装置が撮影した撮像画像を上記第2通信手段にて受信することを特徴とするリモートカメラ操作装置。
【請求項18】
上記撮影条件とは、絞り、感度、画質、画像サイズ、フラッシュの発光の有無、画像フォーマット、および解像度、のいずれかまたはこれらの任意の組み合わせであることを特徴とする請求項17に記載のリモートカメラ操作装置。
【請求項19】
上記リモートカメラ装置から受信した撮像画像を保存する第2画像記憶手段を備えていることを特徴とする請求項17または18に記載のリモートカメラ操作装置。
【請求項20】
上記リモートカメラ装置から受信した撮像画像を出力する出力手段を備えていることを特徴とする請求項17ないし19のいずれか1項に記載のリモートカメラ操作装置。
【請求項21】
上記リモートカメラ装置にて撮影が行われるまでの時間を計時する第2計時手段を備えていることを特徴とする請求項17ないし20のいずれか1項に記載のリモートカメラ操作装置。
【請求項22】
上記リモートカメラ装置にて撮影が行われるまでの時間を計時する第2計時手段を備えており、該第2計時手段による計時の様子を上記出力手段に出力することを特徴とする請求項20に記載のリモートカメラ操作装置。
【請求項23】
撮影が行われるまでの残り時間が少なくなると、上記出力手段にて音声にて残り時間の経過を出力することを特徴とする請求項22に記載のリモートカメラ操作装置。
【請求項24】
上記第2計時手段は、撮影が行われる時刻を計時し、該撮影が行われる時刻になると、
上記出力手段が撮影音を出力することを特徴とする請求項22または23に記載のリモートカメラ操作装置。
【請求項25】
上記第2計時手段は、撮影が行われる時刻を計時し、該撮影が行われる時刻を経過すると、
撮像画像を受信する態勢に入る旨が上記出力手段に出力されることを特徴とする請求項22ないし24のいずれか1項に記載のリモートカメラ操作装置。
【請求項26】
リモートカメラ装置へ撮影要求信号を送信すると同時に、または、順次に、暗号鍵を送信するようになっており、
該暗号鍵にて暗号化された撮像画像を受け取って該撮像画像を復号することを特徴とする請求項17ないし25のいずれか1項に記載のリモートカメラ操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−173992(P2007−173992A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−365530(P2005−365530)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】