説明

レーザ加工装置

【課題】レーザ光による加工を高速で行うことができるレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】レーザ加工装置1は、基台2と、基台2上にX方向に往復動可能に支持されたテーブル3と、テーブル3をX方向に往復動させる第1の駆動機構4と、レーザ光を出射するレーザヘッド5と、レーザヘッド5をY方向に移動可能に支持するレーザヘッド支持部6と、レーザヘッド5をX方向に駆動する第2の駆動機構7と、を備える。ワークWが載置されたテーブル3をX方向に往復動させながら、レーザヘッド5をY方向へ所定量ずつ間欠的に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工対象物(ワーク)をレーザ光により加工するレーザ加工装置、例えば集積型のアモルファスシリコン系太陽電池等の太陽電池パネルを作製する工程で、基板上に形成された光電変換部を複数の光電変換セルに分離するのに用いるレーザ加工装置に関する。なお、本発明は、太陽電池として非結晶系のアモルファスシリコンについて例示するが、結晶系(単結晶、多結晶)のもの、並びに、化合物半導体であるIII−V族、II−IV族のもの、及びその他の太陽電池製造分野においても用いることができる。
【背景技術】
【0002】
アモルファスシリコン系太陽電池は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する性能を表す変換効率が結晶シリコン系太陽電池より低いが、結晶シリコン系太陽電池と比べ大面積化が容易であること等の特徴がある。
集積型のアモルファスシリコン系太陽電池では、ガラス基板などの基板上に形成された光電変換部を複数の光電変換セルに分離する。この分離にレーザ加工装置が使用される。複数の光電変換セルを直列接続した積層型のアモルファスシリコン系太陽電池では、高電圧を得ることができる。
【0003】
従来、レーザ加工装置として、ワークが固定されたX−YテーブルをX軸およびY方向へ移動してレーザ光により加工する方式のものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-266325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、大面積の太陽電池を作製する工程でレーザ光による加工の高速化を図るためには、大面積で重量の大きいガラス基板が載置された重いX−YテーブルをX−Yの両方向に大きな駆動力で移動させなければならない。そのため、大きな駆動源を2つ設ける必要がある等、設備の大型化が必要となる。又、消費エネルギーも大きくなる。このため、大面積の太陽電池、例えば集積型のアモルファスシリコン系太陽電池を低コストかつ高速で加工することが難しく、大量生産する際に問題となる。
【0006】
また、テーブルを固定しておき、レーザ光を出射するレーザ光出射部をX―Yの2方向へ移動してレーザ光により加工する方式も考えられる。しかし、この方式では、レーザ光出射部を高速で移動させると、振動等の影響により安定したレーザ発振及びレーザ光の照射が難しいため、レーザ光出射部を高速で移動させることは好ましくない。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みて為されたもので、その目的は、レーザ光による加工を高速で行うことができ、低コストで大量生産に適したレーザ光による加工が可能なレーザ加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係るレーザ加工装置は、ワークをレーザ光により加工するレーザ加工装置であって、基台と、前記基台上に一方向に往復動可能に支持されたテーブルと、前記テーブルを前記一方向に往復動させる第1の駆動機構と、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源を前記一方向と直交する他方向に移動可能に支持するレーザ光源支持部と、前記レーザ光源を前記他方向に駆動する第2の駆動機構と、を備え、前記ワークが載置された前記テーブルを前記一方向に往復動させながら、前記レーザ光源を前記他方向に所定量ずつ間欠的に移動させることを特徴とする。
この構成によれば、ワークが載置された重いテーブルを一方向にのみ高速で往復動させ、テーブルの移動方向と直交する方向にレーザ光源を移動させるので、重いテーブルを駆動するための強力な駆動源は1個で良い。一方、レーザ光源は、テーブルと直交する他方向に所定量ずつ間欠的に移動させれば良いので、移動速度は比較的低速でも良い。このため、比較的簡単な設備でレーザ光による加工の高速化を図ることができ、低コストで大量生産に適したレーザ光による加工が可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明に係るレーザ加工装置は、前記ワークを前記テーブルと直交する方向へ搬送して前記テーブル上へ搬入する第1の搬送部と、加工済みの前記ワークを前記第1の搬送部とは反対側へ搬出する第2の搬送部と、前記第1の搬送部と前記第2の搬送部の間に設けられて前記第1の搬送部により搬入される前記ワークを受け取り前記テーブル上の加工位置へ移送すると共に、加工済みの前記ワークを前記第2の搬送部へ受け渡す移送機構とを備え、前記テーブルは、前記移送機構により移送される前記ワークを受け取る位置にある原位置から、前記第1の搬送部、前記移送機構および前記第2の搬送部により前記ワークが搬送される方向と直交する前記一方向に往復動可能であることを特徴とする。
この構成によれば、未加工のワークは第1の搬送部によりテーブル上へ搬入され、第1の搬送部により搬入されるワークは移送機構により受け取られてテーブル上の加工位置へ移送される。また、加工済みのワークは、移送機構により第2の搬送部へ受け渡された後、第2の搬送部により搬出される。これにより、未加工のワークが第1の搬送部上に載置されてから、加工済みのワークが第2の搬送部により搬出されるまでの、1つのワークに要するレーザ光による加工時間が短縮され、スループットが向上する。
【0010】
請求項3に記載の発明に係るレーザ加工装置は、前記移送機構が、前記ワークの両側部の一方の側面に係合可能な従動ローラと、その他方の側面に係合可能な駆動ローラと、前記駆動ローラを駆動するモータと、前記駆動ローラを保持し、前記駆動ローラが前記他方の側面に係合する第1位置と、前記ワークの側面との係合が解除される第2位置との間で揺動可能に支持されたアームと、前記アームを前記第1位置又は第2位置へ揺動させるアーム駆動部と、を備え、前記アーム駆動部は、前記移送機構が前記ワークを前記第1の搬送部から受け取り前記加工位置へ移送する際には、前記アームを前記第2位置から前記第1位置へ揺動させ、前記ワークが前記加工位置まで移送されると、前記アームを前記第1位置から前記第2位置へ揺動させ、かつ、前記ワークの加工が終了すると、前記アームを前記第2位置から前記第1位置へ揺動させることを特徴とする。
この構成によれば、移送機構が未加工のワークを第1の搬送部から受け取りテーブル上の加工位置へ移送する際には、ワークが従動ローラと駆動ローラとの間に挟まれた状態で駆動ローラの回転により加工位置へ移送される。この移送後は、アームが第2位置へ揺動され、移送機構の駆動ローラがワークの側面との係合が解除された位置へ退避するので、テーブルの円滑な往復動が確保される。
【0011】
請求項4に記載の発明に係るレーザ加工装置は、前記テーブルには多数の圧縮空気噴出口が設けられており、前記ワークが前記テーブル上を移動する際には、前記多数の圧縮空気噴出口から圧縮空気を噴出させて前記ワークを浮上させることを特徴とする。
この構成によれば、ワークがテーブル上を移動する際には、多数の圧縮空気噴出口から圧縮空気を噴出させてワークを浮上させるので、ワークがテーブル上を移動する際に、ワークに傷が付くのを防ぐことができる。また、多数の圧縮空気噴出口を備えたテーブルは、ワークを受け取る原位置ではテーブル上を移動するワークを浮上させる。このため、テーブルは、加工時にワークが固定されるテーブル本来の機能に加えて、第1の搬送部、移送機構および第2の搬送部とともにワークを搬送する機能も果たすことができる。
【0012】
請求項5に記載の発明に係るレーザ加工装置は、前記圧縮空気噴出口の数および大きさの少なくとも一方が、前記圧縮空気により前記ワークに付与する浮上力を、前記ワークの中央部より前記ワークの両端部で大きくするように設定されていることを特徴とする。この構成によれば、大型のワーク(例えば大型のガラス基板)を浮上させる際に、圧縮空気によりワークに付与する浮上力を、その中央部よりその両端部で大きくすることにより、ワークにそりが生じるのを防止することができる。
【0013】
請求項6に記載の発明に係るレーザ加工装置は、前記ワークが、ガラス基板と、前記基板上に形成された光電変換部とを備え、前記レーザ光により前記光電変換部を複数の帯状の光電変換セルに分離することを特徴とする。
この構成によれば、大型の太陽電池パネルを低コストで大量生産するのに適したレーザ加工装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、レーザ光による加工を高速で行うことができるレーザ加工装置を実現することができる。特に、大型の太陽電池パネルを低コストで大量生産するのに適したレーザ加工装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係るレーザ加工装置全体の概略構成を示す平面図で、ワークがテーブル上に搬入される前の状態を示している。
【図2】図1と同じ平面図で、ワークがテーブル上に搬入された状態を示している。
【図3】図1と同じ平面図で、ワークがテーブル上から搬出された状態を示している。
【図4】図1に示すレーザ加工装置の一部を省略して示した斜視図で、テーブルがX方向において最も後退した位置(原位置)にある状態を示している。
【図5】図4と同様の斜視図で、テーブルがX方向において最も前進した位置にある状態を示している。
【図6】移送機構部分を拡大して示す斜視図である。
【図7】ガラス基板と移送機構との関係を示す説明図で、移送機構の駆動ローラがガラス基板の端部に係合した状態を示している。
【図8】図7と同様の説明図で、移送機構の駆動ローラとガラス基板の側面との係合が解除された状態を示している。
【図9】レーザ加工装置のテーブルの表面の一部を示す斜視図である。
【図10】一実施形態に係るレーザ加工装置により太陽電池パネルの光電変換部を複数の光電変換セルに分離する手順を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図3は本発明の一実施形態に係るレーザ加工装置1全体の概略構成を示す平面図であり、図4及び図5は、図1乃至図3に示すレーザ加工装置1の斜視図である。図1は加工対象物(ワーク)がレーザ加工装置1のテーブル上に搬入する直前の状態を示し、図2はワークがテーブルの所定の位置に載置された状態、図3は加工後にテーブルからワークが搬出された状態を示す平面図である。図4は、ワークがテーブルに載置された状態(図2の位置に配置された状態)を示す斜視図であり、図5はワ−クを載せたテーブルをレーザ加工装置の内部方向(X方向)に移動させた状態を示す斜視図である。
レーザ加工装置1は、加工対象物を切断または表面加工等の各種処理に使用することができる。以下の実施例においては、太陽電池パネルを作成する際に、ガラス基板は切断することなく、ガラス基板表面に形成された光電変換セルのみを所定の形状に分離切断するレーザ加工装置の例を説明する。例えば図10(A)乃至(D)に示すように、集積型のアモルファスシリコン系太陽電池等の太陽電池パネル100を作製する工程でレーザ加工装置を用いることができる。なお、以下の説明では、太陽電池パネル100の作製工程において、ガラス基板上に形成された光電変換部をレーザ光により複数の光電変換セルに分離する前の状態にある太陽電池パネルを「ワークW」と称する。太陽電池パネル100は、例えば、ガラス基板101と、ガラス基板上に形成された光電変換部102とを備え、光電変換部102は、例えば、ガラス基板上101に形成された透明電極層と、透明電極層上に形成された光電変換層と、光電変換層上に形成された金属電極層等を備える。光電変換層は、例えば、pn構造又はpin構造のアモルファスシリコン層からなる。この例では、レーザ加工装置1は、レーザ光により光電変換部102を分離することにより、電気的に直列接続される帯状の光電変換セル(単位セル)103を作製するための分離加工工程に用いられる。
【0017】
複数の光電変換セル103を直列接続した積層型のアモルファスシリコン系太陽電池では、高電圧を得ることができる。なお、図10(B)乃至(D)で、符号104は光電変換部102がレーザ光により部分的に除去された分離部を示している。なお、ガラス基板101として、例えば横1200mm、縦600mmで、比較的重量のある大型ガラス基板が用いられている。
【0018】
レーザ加工装置1は、図1乃至図5に示すように、基台2と、基台2上に一方向(図1では紙面内の縦方向:X方向とする)に往復動可能に支持されたテーブル3と、テーブル3をX方向に往復動させる第1の駆動機構4とを備える。ここで、テーブル3を往復動させる速度は、上記のような大きさのワークW(ガラス基板101)を載せた状態で例えば3.5G程度、望ましくはそれ以上の高速で駆動するのが好ましい。また、図に示す実施例では、レーザ加工装置1は、レーザ光を出射するレーザ光源としての2個のレーザヘッド5(5a、5b)と、レーザヘッド5をX方向と直交する方向(図1では紙面内の横方向:Y方向)に移動可能に支持するレーザ光源支持部としてのレーザヘッド支持部6と、レーザヘッド5をY方向に駆動する第2の駆動機構7(モータ等)とを備える。
なお、この実施形態では、レーザ光源としてレーザ発光部と一体になったレーザヘッド5を用いたが、光ファイバ等を用いてレーザ発光部とレーザ出射部(レーザ光源)を離して設けることも可能である。また、本実施形態では、レーザヘッド5は2個のレーザ照射部5a、5bを備えるレーザ光源を用いたが、1個のレーザ照射部でも、3個以上のレーザ照射部を有するレーザ光源を用いることもできる。レーザヘッドを増やすことにより、複数の加工を並列処理することが可能となり、高速化を図ることが可能となる。また、レーザ照射部の内部に光学系(レンズ等)を設けても、レーザ照射部の外に光学系を設けても良い。
【0019】
このレーザ加工装置1の特徴の一つは、図4、図5に示すように、ワークWが載置されたテーブル3をX方向に高速で往復動させながら、レーザヘッド5をY方向へ所定量ずつ間欠的に低速移動させる点にある。レーザヘッド5は、テーブル3のX方向における往復動の方向が切り換わる期間(テーブルの停止期間及び停止前後の短い期間)中に、Y方向へ所定量ずつ間欠的に移動される。これにより、図10(A)乃至(D)に示すように、レーザ光によりガラス基板上の光電変換セルがX方向に分離される。
【0020】
第1の駆動機構4は、モータ8と、モータ8の回転をX方向の直線運動に変換してテーブル3に伝えるボールねじ9(図5参照)と、テーブル3上に固定された一対のリニアガイド10とを備える。
【0021】
レーザヘッド支持部6は、図4及び図5に示すように、テーブル3より上方の位置でY方向へ延びる支持枠11を有する門型のコラム12を備え、支持枠11上にレーザヘッド5がY方向へ移動可能に支持されている。
レーザヘッド5は、支持枠11上をY方向へ移動可能な移動板13と、テーブル3上に配置されたワークWへレーザ光をそれぞれ照射する2つのレーザ照射部5a,5bとを備える。レーザ照射部5a,5bが移動板13に取り付けられており、レーザ照射部5a,5bが移動板13とともに支持枠11上をY方向へ移動するようになっている。
【0022】
レーザ照射部5a,5bは、例えば、レーザ発振器と、レーザ発信器から出射されるレーザ光を、非線形効果を利用して波長変換する非線形光学結晶と、波長変換されたレーザ光をテーブル3上へ集光するレンズとをそれぞれ備える。各レーザ照射部5a,5bは、レーザ発振器として例えば1064nmのレーザ光(赤外線)を出射するNd:YAGレーザをそれぞれ用いる。そのレーザ光の波長(1064nm)を、非線形光学結晶を用いて第二高調波を発生させることによって、波長532nmのレーザ光(緑色の光)が各レーザ照射部5a,5bからテーブル3上に略垂直に照射されるようになっている。つまり、レーザヘッド5からは、波長532nmの2本のレーザ光がテーブル3上に所定の間隔(例えば50mm間隔)で略垂直に照射されるようになっている。
【0023】
第2の駆動機構7は、図1、図4、及び図5等に示すように、モータ14と、モータ14の回転をY方向の直線運動に変換して移動板13に伝えるボールねじ15と、一対のリニアガイド16とを備える。支持枠11は、底壁部と両側壁部とを有する枠体で、その底壁部上にモータ14とボールねじ15とが配置されている。また、その両側壁部の各上端部にリニアガイド16が形成されている。なお、図1で符号17は軸受である。Y方向の駆動手段として、ベルト駆動、リニアモータ、その他の駆動手段を用いることもできる。
【0024】
テーブル3は、テーブル3上にワークWが搬入/搬出される第1の位置(図4に示す位置)と、第1の位置からX方向に最大に移動した第2の位置(図5に示す位置)との間で往復動可能である。また、門型のコラム12は、図1及び図4に示すように、テーブル3上へのワークWの搬入/搬出を妨げないように、第1の位置にあるテーブル3に対してX方向にずれた位置にある。
【0025】
また、レーザ加工装置1は、図1乃至図3に示すように、ワークWをテーブル3と直交する方向(図1では横方向:Y方向)へ搬送してテーブル3上へ搬入する第1の搬送部21と、加工済みのワークWを第1の搬送部21とは反対側へ搬出する第2の搬送部22とを備える。さらに、レーザ加工装置1は、第1の搬送部21と第2の搬送部22の間に設けられ、第1の搬送部21により搬入されるワークWを受け取り加工位置(図2に示す位置)へ移送すると共に、加工済みのワークWを第2の搬送部22へ受け渡す移送機構23を備える。
図1はワークWが第1の搬送部21上にある状態を、図2はワークWがテーブル3上の加工位置にある状態を、そして図3はワークWが第2の搬送部22上にある状態をそれぞれ示している。
【0026】
また、テーブル3は、移送機構23により移送されるワークWを受け取る位置にある原位置(図1乃至4に示す位置)から、第1の搬送部21、移送機構23および第2の搬送部22によりワークWが搬送される方向(図1では横方向:Y方向)と直交する一方向(図1では縦方向:X方向)に往復動可能である。
【0027】
第1の搬送部21は、複数のローラ25(図2参照)と、これらのローラ25を駆動する駆動源としてのモータ29aとを備える。複数のローラ25がモータ29aにより回転されることにより、ワークWが図1に位置からテーブル3上へ搬送される。また、第2の搬送部22は、複数のローラ26(図2参照)と、これらのローラ26を駆動する駆動源としてのモータ29bとを備える。複数のローラ26がモータ29bにより回転されることにより、ワークWが図3に位置から外部へ搬送される。
【0028】
移送機構23は、ワークWのガラス基板101の側面に沿って配置された複数の駆動ローラ31(図1の中央、上側部分参照)と、ガラス基板101の駆動ローラ31の対抗する側面に沿って配置された複数の従動ローラ30を備えている。図6は、テーブル3上でガラス基板101を把持している移送機構23の概略を例示する斜視図である。複数の駆動ローラ31はモータ32により駆動される。複数の駆動ローラ31は揺動アーム33に設けられており、複数の従動ローラ30は、テーブル3の一端部に回転可能に取り付けられている。
【0029】
図7は、駆動ローラ31と従動ローラ30がガラス基板101を挟んでいる状態を模式的に示す側面図であり、図8は、揺動アーム33が揺動して駆動ローラ31がガラス基板101から離れた状態を模式的に示す側面図である。移送機構23の揺動アーム33は、複数の駆動ローラ31を保持し、駆動ローラ31がガラス基板101の側面と係合してガラス基板を挟持する第1位置(図7に示す位置)と、ガラス基板101の側面から離れる第2位置(図8に示す位置)との間で揺動可能である。揺動アーム33は、支持板33aとこの支持板33aの両端に固定された端板33b,33bとからなる。両端板33b,33bの一方には、モータ32が取り付けられており、支持板33aには複数の駆動ローラ31が回転可能に支持されている。複数の駆動ローラ31には、複数のウォームギヤ37が一体に設けられている。また、両端板33b,33bには、モータ32に連結された回転軸36が回転可能に支持されている。この回転軸36には、複数のウォームギヤ37とそれぞれ螺合したウォームホイールギヤ38が設けられている。モータ32の回転は、回転軸36、複数のウォームホイールギヤ38、複数のウォームギヤ37をそれぞれ介して複数の駆動ローラ31に伝達されるようになっている。
【0030】
さらに、移送機構23は、揺動アーム33を第1位置又は第2位置へ揺動させる一対のアーム駆動部40を備える。アーム駆動部40は、支柱34に固定された支持板41と、支持板41に回転可能に支持されており一端が端板33bに固定された連結ロッド42と、連結ロッド42の他端に固定されており、上下動により連結ロッド42を回転させるリンク機構43とを備える。リンク機構を上下動させるアクチュエータは、例えばエアシリンダ等を用いることができる。
揺動アーム33が図6、図7に示すような第1位置にあって、複数の駆動ローラ31がガラス基板101の他方の側面に係合した状態で、リンク機構43が上方へ変位すると、この変位がリンク機構43を介して連結ロッド42に伝達され、連結ロッド42が反時計方向に回転することにより、揺動アーム33が第2の位置(図8の位置)の方へ揺動する。これにより、揺動アーム33が第1位置から第2位置へ揺動して駆動ローラ31とガラス基板101の他方の側面との係合が解除される。また、揺動アーム33が第2位置にある状態で、リンク機構43が下方へ変位すると、この変位により連結ロッド42が時計方向に回転し、揺動アーム33が第1の位置の方へ揺動する。これにより、駆動ローラ31がガラス基板101の他方の側面に係合する。
【0031】
また、移送機構23において、各従動ローラ30と各駆動ローラ31はそれぞれ僅かな量だけ上下に移動可能に支持されているとともに、ばね等により上方へ付勢されている。後述するように、ワークWはテーブル3に搬入される際及びテーブル3から搬出される際には、ワークWは圧縮空気によりテーブル3よりわずかに浮上した状態で移動し、所定の加工位置まで移動した後にワークWはをテーブル3に吸着されてテーブル3上に固定される。ワークWのガラス基板101が、搬送される時と加工位置でテーブル3に吸着された状態では、各従動ローラ30と各駆動ローラ31が下方へ僅かに変位できるようになっている。
【0032】
アーム駆動部40は、ワークWを第1の搬送部21から受け取りテーブル3上の加工位置へ移送する際には、揺動アーム33を図7に示す第1位置へあり、駆動ローラ31と従動ローラ30でガラス基板101を挟んで、テーブル3上の所定の位置まで移動させる。ワークWがテーブル3上の加工位置まで移送されると(図2参照)、アーム駆動部40は揺動アーム33を第1位置から第2位置へ揺動させる。そして、アーム駆動部40は、ワークWの加工が終了すると、揺動アーム33を第2位置から第1位置へ揺動させるようになっている。
【0033】
また、レーザ加工装置1のテーブル3の上面には、多数の圧縮気体噴出口や、吸着孔が設けられている。ワークWがテーブル3上を移動する際には、ガラス基板101が撓んでテーブル3に接触して傷が付くのを防ぐために、多数の圧縮気体空気噴出口から圧縮気体を噴出させてガラス基板101(ワークW)を浮上させるようになっている。また、ワークWがテーブル3の所定の位置まで移送されたら、ガラス基板を吸着固定して、テーブル3をX方向に高速往復移動させる。
【0034】
図9は、レーザ加工装置1のテーブル3の表面の一部を示す斜視図である。図9(a)乃至(c)はそれぞれテーブルの駆動ローラ(後述する)側の1/4に切断した大きさで示しており、図9(a)〜(c)はそれぞれ第1の実施例から第3の実施例を示している。テーブル3の上面には、複数の孔91a、91b、92が設けられている。孔91a、孔91bは圧縮空気もしくは不活性ガスを噴出する圧縮気体噴出口であり、孔92は、吸引のための吸着口92である。
【0035】
圧縮気体噴出口91は、ワークWを第1の搬送部21から移送機構23によりテーブル3上の所定の位置まで移送して載置する際、及びワークWを移送機構23によりテーブル3から第2の搬送部22上まで移送して排出する際に、圧縮気体を噴出してワークWがテーブルに接触しないように持上げて移動させるものである。また、テーブル3の上面には、ワークWを吸引して固定するための複数の吸着孔92が形成されており、吸着孔92は図示を省略する吸引源に接続されている。ワークWがテーブル3上に搬入され、テーブル3上で加工位置に位置決めされると、中空部18(図7、図8参照)内が真空引きされ、ワークWのガラス基板101がテーブル3上の所定の加工位置でテーブル3に吸着されるようになっている。なお、ワークWを吸着以外の方法により加工位置でテーブル3に固定することも可能である。
【0036】
図9(b)および(c)の実施形態について説明する。図9(b)では、中央部分の噴出口91aに比べて、駆動ローラ側30側に噴出口31bを多く設けてある。図9(b)はテーブルの1/4のみを示すので、図9では表わされていないが、従動ローラ側にも多くの噴出口91bが設けられる。図9(c)では、数を増やさず、開口を大きくした噴出口91cを設けたテーブル3を例示している。
大型のガラス基板101(ワークW)を浮上させる際に、圧縮空気によりガラス基板101に付与する浮上力を、ガラス基板101の中央部よりその両端部で大きくするのが好ましい。一方、ガラス基板101の両端部では従動ロータ30と駆動ローラ31を挟んでいるので、移送中はローラごと浮上させる必要があるため、ローラの重さ分だけ中央部より大きな浮上力を付与しないと、それらのローラの重みでガラス基板101にそりが生じてしまい、太陽電池パネルの性能に悪影響を及ぼしてしまうからである。
そのために、図9(b)、(c)の例では、レーザ加工装置1では、圧縮空気噴出口91b、91c(図1参照)の数および大きさの少なくとも一方が、圧縮空気によりガラス基板101に付与する浮上力を、ガラス基板101の中央部よりその両端部で大きくするように設定したものである。
【0037】
次に、上記レーザ加工装置1により太陽電池パネル100の光電変換部102を複数の光電変換セル103に分離する手順を、説明する。
(1)図1に示すように、ワークWを第1の搬送部21上に載せ、モータ等により複数のローラ25を回転させる。これにより、ワークWが複数のローラ25によりテーブル3上へ搬送される。
(2)ワークWがテーブル3上に搬送されてくると、ガラス基板101の両側部が移送機構23の従動ローラ30と駆動ローラ31とに係合し、その両側部が一定圧力で押圧される。複数の駆動ローラ31をモータ32で回転させることにより、ワークWがテーブル3上を図2に示す加工位置まで移送される。
このとき、ワークWがテーブル3上を移動する際にガラス基板101に傷が付くのを防ぐために、多数の圧縮気体噴出口91aから圧縮空気を噴出させてガラス基板101をテーブル3から浮上させる。
【0038】
(3)ワークWがテーブル3上で加工位置に位置決めされると、テーブル3の中空部18(図7参照)内が真空引きされ、ワークWのガラス基板101が加工位置でテーブル3に吸着される。また、揺動アーム33が第1位置から第2位置へ揺動して駆動ローラ31とガラス基板101の他方の側面との係合が解除される。
(4)この状態で、第1の駆動機構4のモータ8を一方向に回転(正転)させてテーブル3を、図4および図10(A)に示す第1の位置から図5および図10(B)に示す第2の位置までX方向へ移動させる。
この移動(テーブルの往動)により、レーザヘッド5(2つのレーザ照射部5a,5b)から出射される2つのレーザ光が、ワークW上を図10(A)に示す位置から図10 (B)に示す位置までX方向へ移動する。これにより、光電変換部102に最初の2つの分離部104が2つのレーザ光により除去されて形成される(図10(B)参照)。
【0039】
(5)次に、モータ7を一方向に回転(正転)させることにより、レーザヘッド5を、テーブル3の往復動の方向が切り換わる期間(テーブルの停止期間)中に、図10(B)に示す位置からY方向へ所定量移動させる。レーザヘッドの移動中は、X方向の移動を停止させるようにしても、往復動の切り替わり期間のX方向速度の遅い期間中にレーザヘッドを移動させるようにしてもよい。
(6)次に、第1の駆動機構4のモータ8を他方向に回転(逆転)させてテーブル3を、図10(B)に示す第2の位置から図10(C)に示す第1の位置までX方向へ移動させる。
この移動(テーブルの復動)により、レーザヘッド5から出射される2つのレーザ光が、ワークW上を図10(B)に示す位置から図10(C)に示す位置までX方向へ移動する。これにより、光電変換部102に新たに2つの分離部104が2つのレーザ光により除去されて形成される(図10(C)参照)。
【0040】
(7)次に、モータ7を正転させることにより、レーザヘッド5を、上記テーブルの停止期間中に、または往復動の方向切り替え期間中に図10(C)に示す位置からY方向へ更に所定量移動させる。
(8)次に、第1の駆動機構4のモータ8を正転させてテーブル3を、図10(C)に示す第2の位置から図10(D)に示す第1の位置までX方向へ移動させる。
この移動(テーブルの復動)により、レーザヘッド5から出射される2つのレーザ光が、ワークW上を図10(C)に示す位置から図10(D)に示す位置までX方向へ移動する。これにより、光電変換部102に新たに2つの分離部104が2つのレーザ光により除去されて形成される(図10(D)参照)。
【0041】
(9)以上の動作を繰り返すことにより、レーザヘッド5から出射される2つのレーザ光により、光電変換部102に2つの分離部104を順次形成していき、光電変換部102全体を複数の光電変換セル103に分離する(図10(D)参照)。
最後の2つの分離部104が形成された時点で、レーザヘッド5は、ワークWに対して右端に位置する。つまり、図10(A)に示す位置から最も右側に移動した位置にある。
(10)この後、モータ7を他方向に回転(逆転)させて、図10(A)に示す位置へ戻す。
以上の手順により、一つのワークWに対するレーザ加工が終了する。
【0042】
上記実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)ワークWが載置された重いテーブル3をX方向にのみ高速で往復動させ、テーブル3の移動方向と直交する方向(Y方向)にレーザヘッド5を移動させるので、重いテーブル3を駆動するための強力な駆動源は1個で良い。一方、比較的軽いレーザヘッド5は、テーブル3と直交するY方向に所定量ずつ間欠的に移動させれば良いので、移動速度は比較的低速でも良い。このため、比較的簡単な設備でレーザ光による加工の高速化を図ることができ、低コストで大量生産に適したレーザ光による加工が可能となる。
【0043】
(2)未加工のワークWは第1の搬送部21によりテーブル3上へ搬入され(図1参照)、第1の搬送部21により搬入されるワークWは移送機構23により受け取られてテーブル3上の加工位置へ移送される(図2参照)。また、加工済みのワークWは、移送機構23により第2の搬送部22へ受け渡された後、第2の搬送部22により搬出される(図3参照)。これにより、未加工のワークが第1の搬送部21上にロボットアームなどにより載置されてから、加工済みのワークが第2の搬送部22により搬出されるまでの、1つのワークに要するレーザ光による加工時間が短縮され、スループットが向上する。
【0044】
(3)未加工のワークWを移送機構23の複数の駆動ローラ31の回転によりテーブル3上の加工位置へスムーズに移送することができるとともに、加工済みのワークWを複数の駆動ローラ31の回転により第2の搬送部22へスムーズに移送することができる。
(4)移送機構23が未加工のワークWを第1の搬送部21から受け取りテーブル3上の加工位置へ移送する際には、ワークWのガラス基板101が複数の従動ローラ30と複数の駆動ローラ31との間に挟まれた状態で(図7参照)、駆動ローラ31の回転により加工位置へ移送される。この移送後は、揺動アーム33が第2位置へ揺動され(図8参照)、移送機構23の駆動ローラ31がガラス基板101の側面との係合が解除された位置へ退避するので、テーブルの円滑な往復動が確保される。
【0045】
(5)ワークWがテーブル3上を移動する際には、多数の圧縮空気噴出口50から圧縮空気を噴出させてワークを浮上させるので、ワークWのガラス基板101に傷が付くのを防ぐことができる。
(6)多数の圧縮空気噴出口50を備えたテーブル3は、ワークWを受け取る原位置(図1で示す位置)ではテーブル上を移動するワークを浮上させる。このため、テーブル3は、加工時にワークWが吸着により固定されるテーブル本来の機能に加えて、第1の搬送部21、移送機構23および第2の搬送部22とともにワークを搬送する機能も果たすことができる。
(7)大型のワーク(例えば大型のガラス基板101)を浮上させる際に、圧縮空気によりワークに付与する浮上力を、その中央部よりその両端部で大きくしている。これにより、従動ロータ30と駆動ローラ31の重みでガラス基板101にそりが生じるのを防止することができ、太陽電池パネルの性能が向上する。
(8)大面積のガラス基板101などの基板を用いて集積型のアモルファスシリコン系太陽電池を作製する過程で、ガラス基板101上に形成された光電変換部102をレーザ光により部分的に除去して複数の光電変換セル103を高速で形成することができる。これにより、特に、大型の太陽電池パネルを低コストで大量生産することができる。
【0046】
(9)レーザヘッド5から出射される2つのレーザ光により、光電変換部102に2つの分離部104を順次形成していき、光電変換部102を複数の光電変換セル103に分離するので、大面積のワークW全体を更に短時間でレーザ光により加工することができる。
(10)レーザヘッド5は、レーザ光が出射されるレーザ照射部5a,5bからワークWまでの距離が常に一定に保たれたままの状態でY方向に間欠的に移動するので、大面積のワークW全面に亘って加工不良の発生が抑制される。例えば、複数の分離部104の幅のバラツキや、各分離部の形状が不揃いになるなどの加工不良の発生が抑制される。これにより、太陽電池の性能向上を図ることができる。
【0047】
なお、上記一実施形態では、ワークWとして太陽電池パネル100を用いるレーザ加工装置1について説明したが、本発明は、太陽電池パネルに限らず、電子回路基板などのシート状のワークをレーザ光により加工するレーザ加工装置にも適用可能である。
また、上記一実施形態では、レーザヘッド5は2つのレーザ照射部5a,5bを備えているが、レーザヘッド5が一つのレーザ照射部或いは3つ以上のレーザ照射部を備えたレーザ加工装置にも本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1:レーザ加工装置
2:基台
3:テーブル
4:第1の駆動機構
5:レーザヘッド
5a、5b:レーザ照射部
6:レーザヘッド支持部
7:第2の駆動機構
8:モータ
9:ボールねじ
10:リニアガイド
11:支持枠
12:門型のコラム
13:移動板
14:モータ
15:ボールねじ
16:リニアガイド
21:第1の搬送部
22:第2の搬送部
23:移送機構
30:従動ローラ
31:駆動ローラ
32:モータ
33:揺動アーム
33a:端板
34:支柱
36:回転軸
37:ウォームギヤ
38:ウォームホイールギヤ
40:アーム駆動部
41:揺動板
42:連結ロッド
91a、91b、91c:圧縮空気噴出口
92:吸着口
101:ガラス基板
102:光電変換部
103:光電変換セル
104:分離部
W:ワーク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークをレーザ光により加工するレーザ加工装置であって、
基台と、前記基台上に一方向に往復動可能に支持されたテーブルと、前記テーブルを前記一方向に往復動させる第1の駆動機構と、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源を前記一方向と直交する他方向に移動可能に支持するレーザ光源支持部と、前記レーザ光源を前記他方向に駆動する第2の駆動機構と、を備え、
前記ワークが載置された前記テーブルを前記一方向に往復動させながら、前記レーザ光源を前記他方向に所定量ずつ間欠的に移動させることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項2】
前記ワークを前記テーブルと直交する方向へ搬送して前記テーブル上へ搬入する第1の搬送部と、加工済みの前記ワークを前記第1の搬送部とは反対側へ搬出する第2の搬送部と、前記第1の搬送部と前記第2の搬送部の間に設けられて前記第1の搬送部により搬入される前記ワークを受け取り前記テーブル上の加工位置へ移送すると共に、加工済みの前記ワークを前記第2の搬送部へ受け渡す移送機構とを備え、前記テーブルは、前記移送機構により移送される前記ワークを受け取る位置にある原位置から、前記第1の搬送部、前記移送機構および前記第2の搬送部により前記ワークが搬送される方向と直交する前記一方向に往復動可能であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記移送機構は、前記ワークの両側部の一方の側面に係合可能な従動ローラと、その他方の側面に係合可能な駆動ローラと、前記駆動ローラを駆動するモータと、前記駆動ローラを保持し、前記駆動ローラが前記他方の側面に係合する第1位置と、前記ワークの側面との係合が解除される第2位置との間で揺動可能に支持されたアームと、前記アームを揺動させて前記第1位置又は第2位置へ揺動させるアーム駆動部と、を備え、前記アーム駆動部は、前記移送機構が前記ワークを前記第1の搬送部から受け取り前記加工位置へ移送する際には、前記アームを前記第2位置から前記第1位置へ揺動させ、前記ワークが前記加工位置まで移送されると、前記アームを前記第1位置から前記第2位置へ揺動させ、かつ、前記ワークの加工が終了すると、前記アームを前記第2位置から前記第1位置へ揺動させることを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
前記テーブルには多数の圧縮空気噴出口が設けられており、前記ワークが前記テーブル上を移動する際には、前記多数の圧縮空気噴出口から圧縮空気を噴出させて前記ワークを浮上させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
前記圧縮空気噴出口の数および大きさの少なくとも一方が、前記圧縮空気により前記ワークに付与する浮上力を、前記ワークの中央部より前記ワークの両端部で大きくするように設定されていることを特徴とする請求項4に記載のレーザ加工装置。
【請求項6】
前記ワークは、ガラス基板と、前記基板上に形成された光電変換部とを備え、前記レーザ光により前記光電変換部を複数の帯状の光電変換セルに分離することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−632(P2011−632A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147527(P2009−147527)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(302033126)アイエス・テクノロジー・ジャパン株式会社 (10)
【Fターム(参考)】