説明

レーザ移動を用いて感熱基板上に移植した磁気ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)デバイスおよびこれを製造する方法

【課題】 ポリマおよびプラスチック等の低温基板上に磁気メモリ・デバイスを製造する方法を提供する。
【解決手段】 低温基板上に磁気メモリ・デバイス(およびその結果として生じる構造)を形成する方法は、メモリ・デバイスを、分解可能な材料層で被覆された透明基板上に形成し、所定の高圧を生成させる急速加熱を施すステップと、メモリ・デバイスを低温基板に移動するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、磁気メモリ・デバイスに関し、更に具体的には、磁気トンネル接合(MTJ:magnetic tunnel junction)デバイスを感熱基板上に移植した(transplant)磁気ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
MRAMは、現在、磁気トンネル接合(MTJ)を相補型金属酸化膜半導体(CMOS:complementary metal oxide semiconductor)技術と組み合わせるために、Si上に製造されている。
【0003】
MTJデバイスは、不揮発性、高密度、高性能ストレージ要素を提供することができる可能性を持っている。「スマート・カード(smart card)」、「ウェアラブル・センサ(wearablesensor)」等のMTJの低性能の用途では、ポリマおよびプラスチック等の可撓性の感熱基板上にMTJを製造する必要がある。しかしながら、MTJデバイスの処理中に必要な熱の量(thermal budget, 例えば約250℃および約400℃の間)のため、これらの基板材料上に直接製造することができない。すなわち、かかるデバイスの処理は、低温基板(low-temperature substrate)に適合しない。
【0004】
更に、現在のプラスチック製のスマート・カードは、メモリを含む1つ以上の半導体チップを、カードに埋め込んだモジュールに取り付けている。カードに回路を直接にインプリントする(imprint)または接着することによって、いっそう機械的な可撓性および耐性が高まり、軽量になる。また、低性能の用途では、コストも重要な要素である。シリコン・チップの代わりに、プラスチック上にメモリ回路を製造するもっと安価な方法を用いることは、好ましいであろう。しかしながら、本発明の前には、かかる方法は提供されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の方法および構造の前述および他の問題、欠点、および不利な点に鑑み、本発明の特徴は、ポリマおよびプラスチック等の可撓性の標準的な(例えば低温基板等の感熱性の)基板上に、磁気メモリ・デバイス(MRAMデバイス・アレイ、MRAMスタック、MTJ等)を製造することができる、かかるデバイス(例えばMTJ等)に適用される方法および構造を提供することである。
【0006】
別の特徴は、かかる基板材料上にMTJデバイスを直接製造することができる構造および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の例示的な態様では、低温基板上に磁気メモリ・デバイスを形成する方法(および結果として生じる構造)は、メモリ・デバイスを、分解可能な材料層によって被覆した透明基板上に形成し、結果的に所定の高圧を生成させる急速加熱を施す、ステップと、メモリ・デバイスを低温基板に移動させる(transfer)ステップと、を含む。
【0008】
本発明の第2の例示的な態様では、感熱基板上に磁気トンネル接合(MTJ)デバイスを形成する方法は、MTJデバイスを有する透明基板を窒化物材料によって被覆するステップと、レーザ・リフトオフ・プロセスを用いてMTJデバイスを低温基板に移動させるステップと、を含む。
【0009】
本発明の第3の例示的な態様では、磁気メモリ・デバイスは、分解可能な材料で被覆した透明基板と、透明基板上に形成されたデバイスと、分解可能な材料が所定の高圧にさらされた後にデバイスを受容するための低温基板と、を含む。
【0010】
本発明の第4の例示的な態様では、低温基板の上に磁気メモリ・デバイスを形成する方法は、窒化物層によって被覆した透明基板上にメモリ・デバイスを形成するステップと、メモリ・デバイスにレーザ光を照射して窒化物層に圧力をかけるステップと、メモリ・デバイスを低温基板に移動させるステップと、を含む。
【0011】
従って、本発明の独特かつ自明でない(unobvious)態様によって、プラスチック、ポリマ等の低温基板の上に、磁気メモリ・デバイス(例えばMRAMデバイス、MRAMスタック、MTJ等)を好都合に形成することができる。
【0012】
本発明の方法を用いた低性能用途向きのメモリ回路の製造によって、スマート・カードおよびウェアラブル・センサを含む多くのデバイス用に適用できる可能性のある、低コストで、可撓性が高く、耐久性があり、軽量なプラスチック回路を生成することができる。
【0013】
前述およびその他の目的、態様、および利点は、図面を参照した以下の本発明の例示的な実施形態の詳細な説明から、より良く理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
これより、図面、より具体的には図1から図3を参照して、本発明による方法および構造の例示的な実施形態を示す。
【0015】
以下に説明するように、本発明の例示的な実施形態において、MTJデバイスを標準的な(例えば感熱性)基板上に移植する方法を提供する。例えば透明基板(例えば石英、サファイア等)上に製造したデバイスのアレイを、例示的なレーザ・リフトオフ・プロセス(lift-off process)を用いて移動させる。
【0016】
基板がレーザ光に対して透過性である限り、どんな基板も使用可能であることを再び注記しておく。すなわち、基板に応じて、透過(transmission)のために適切な光の波長が見出される。サファイアは、非常に広い波長範囲にわたって移動(transfer)を行うことができるので、好適である。
【0017】
ここで図面、具体的には図1に移ると、例示的なMRAMデバイス構造100が図示されている。
【0018】
構造100は、MTJセル120と共に、基礎にある導電性(例えばCu等)配線110を含む。MTJセルは、通常、下部コンタクト電極、下部磁気層、酸化Alバリア、上部磁気層、および上部コンタクト電極を含む。
【0019】
基礎にある導電性(例えばCu等)配線110は、透明な(例えばサファイア、石英等。以後、例示的な目的のみのため、サファイアを想定する)基板130上に製造され、これは、好ましくは、窒化物材料140の薄いブランケット層で覆われている。窒化物材料層140は、好ましくは、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、または窒化インジウム、あるいはそれらの合金またはそれら全ての群から選択された1つ以上の窒化物膜を含む。
【0020】
上部導電性(例えばCu)配線125の間に、エッチング等によって、絶縁層160(例えばSiO2、SiN、SiON、SiONF等)を形成することができる。更に、上部銅配線125は、導電性窒化物材料(例えばTiN、TaN、WN等)または他の導電性金属または酸化物層170の上に形成することができる。TiN170/MTJスタック120間には、好ましくは、絶縁性窒化物材料180(例えばSiN)または絶縁性酸窒化物(例えばSiON)が形成されている。
【0021】
バンドギャップより大きい(またはその近傍の)光子エネルギを用いて、ワイドギャップInGaAlN膜の表面にレーザを照射すると、結果として、以下の反応に従って窒化物のメタライゼーションまたは金属化が生じることがわかっている。
【0022】
XN=X+1/2N2 (ここで、XはGa、Al、またはInを表す。)
【0023】
これは、基板(例えばサファイア)130の背面を通って入射するレーザ・プローブ150によって界面のメタライゼーションを行うことによって、透明な(サファイア)基板上に成長させたGaN薄膜を基板からリフトオフすることができることを示すのに用いると好都合である。
【0024】
また、この手法を拡張して、Si層を成長させるためのテンプレートとしてGaN層を用いることにより、メタライゼーション・プロセスを利用して、成長しすぎたSi層をリフトオフさせて任意の基板上に付着させることが可能であることが示されている。また、AlN、InN、およびそれらの合金を用いた効率的な膜移動も期待される。
【0025】
従って、図1は、透明(例えばサファイア)基板130上に製造したMRAMデバイス・アレイに対し、当該MRAMデバイス・アレイを低温基板(例えばプラスチック、ポリマ等)190に移動するためにパルス・レーザ150を印加することを示す。
【0026】
図2は、透明基板130から低温基板190へのMRAMデバイス・アレイのパルス・レーザ誘導移動を行った後の構造を示す。図示のように、プラスチック基板上に磁気メモリ(MTJスタック)が形成されている。更に、分解可能な材料(例えば窒化物材料)は、窒素の放出によって、その置換基(substituent)に分解されている。従って、図2に示す例では、窒化物材料(例えばAlN)140の下に、アルミニウム層195、界面層200がある。
【0027】
ここで図3に示す本発明の方法300に移ると、透明(例えばサファイア、石英等)基板の上に、分解可能な材料(例えばAlN、GaN、あるいはInNまたはそれら全て等の窒化物、およびそれらの合金等)膜を付着する(ステップ310)。分解は、比較的低い温度(例えば室温または室温の近く)で実行可能であることに留意すべきである。しかしながら、もっと高い温度も用いることができる(例えば約250℃まで)。用いるホスト基板にかかわらず、付着温度は、ホスト基板の劣化または剥離が始まる温度未満であることが重要である。
【0028】
窒化物膜を充分な厚さにして、レーザ光(例えば用いるレーザ光に応じて)が窒化物膜に吸収されるようにしなければならないことに留意すべきである。窒化物の一部は、移動後のMRAM上に残る場合があり、その時点で除去するか、または残すことができることを注記しておく。すなわち、レーザ光がMRAMに完全に吸収されることによってMRAMスタックが損傷を受けないように、窒化物をあまり薄くしてはならない。このため、好ましくは、窒化物膜は、約100Åから約2000Åの厚さを有する。
【0029】
ステップ320では、磁気メモリ・デバイス(例えばMRAMアレイ、MRAMスタック、MTJ等、所望の用途によって異なる)を、導電性(例えばCu等)の配線と共に、窒化物表面上に形成する。MRAMデバイス・アレイは、好ましくは、移動の後にそれ以上の処理を実質的に全く必要としない(または最小限の処理しか必要としない)ように完了する。すなわち、好ましくは、MRAMデバイスは、サファア基板上で完全に製造され処理される。
【0030】
移動プロセスの間、上部の銅配線(追加の絶縁性上部層を有する)を、下向きにして、低温(例えばポリマまたはプラスチック)ホスト基板上に、極めて近い距離に配置(mount)する。ホスト基板上に、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等のエラストマ材料の薄い層を被覆して、移動プロセス中の2つの基板の密接な接触を可能とすることが好ましい。また、2つの表面は、エポキシまたは他の手段(mechanism)を用いて接着することができる。
【0031】
ステップ330では、好ましくは分解可能な材料(例えば窒化物)のバンドギャップの近傍またはそれより大きい、好ましくは単一のパルスのレーザ放射を行って、界面窒化物のメタライゼーションを行う。レーザ光は、局所的な移動に有用な、約200から400mJ/cm2(例えばかなり大きいビーム)程度のパターニングしたレーザ光ビームとすることができることを注記しておく。
【0032】
かかるメタライゼーションの結果、ステップ340において、窒化物/MRAM構造は、透明(例えばサファイア、石英等)基板から分離し、ホスト基板(例えばプラスチック、ポリマ等)に付着する。レーザについては、好ましくはエキシマ・レーザを用い、約0.1ナノ秒程度(またはそれ未満)の持続時間を有するパルスを生成する。
【0033】
この方法において、193nmまたは248nmの波長を有するレーザを用いることができる。同様の理由で、いずれかの短いパルス・レーザを用いることができ、これによって、光を窒化物材料に吸収させることができる。このため、極めて短い時間期間で、窒化物材料の薄い層を加熱し、続けて分解させる(例えばその構成要素に分解する)。剥離が起こるのは、窒化物メタライゼーションから窒素が放出されることによって圧力が上昇するからである。
【0034】
任意でレーザ・ビームをラスタリング(rastering)することによって、単一のパルスを用いて様々なMRAMアレイを移動させることができることを注記しておく(ステップ350)。
【0035】
更に、用いる幾何学的形状に応じて、窒化物の上部にSi層を任意で成長させることにより(ステップ360)、MRAMデバイスをトランジスタと一体化させて、セルの動作を制御することができ、これらのセルを同時に移動させる。シリコン層は、シリコンの成長温度および基礎にある窒化物材料に応じて、エピタキシャル、多結晶、またはアモルファスとすることができる。サファイアの上に、エピタキシャル質の広いバンドギャップの窒化物を成長させることができる。続けて、この窒化物層の上にシリコンを成長させることで、事実上、単一の結晶で、アモルファルまたは多結晶シリコンよりも良い結晶質が得られる。従って、上部のMRAMデバイスと共に、成長させたシリコンに製造したトランジスタを、同時に移動させることができる。
【0036】
あるいは、MRAMアレイ移動の前に、ホスト基板(例えばプラスチック、ポリマ等の低温基板)上に、任意の有機トランジスタを製造することができ(ステップ370)、移動したMRAM構造と相互接続することができる。
【0037】
移動プロセスの後、任意で(設計者の要求に応じて)、すでに実施されているドライ・エッチングまたはウェット・エッチングの技法を用いて、上にある窒化物層をエッチングにより除去することができる(ステップ380)。
【0038】
本発明のレーザ移動プロセスの問題は、MRAM構造およびホスト基板の温度上昇である。温度上昇は、窒化物膜およびサファイア基板の既知の熱力学および熱特性に基づいて推測することができる。
【0039】
例えば、248nmのエキシマ・レーザからのエネルギ・フルエンスが300mJ/cm2までの場合、0.5μmの距離での最大の温度上昇は、サファイアを介した伝導について約150℃である(また、石英を介した伝導について約350℃である)。サファイアの場合、温度は、100度未満まで急速に(0.1μs内)低下する。このため、温度上昇はあまり深刻ではなく、窒化物層の厚さによって制御することができる。
【0040】
従って、本発明は、レーザ光に対して透過性の基板上に磁気メモリ・デバイス(例えばMRAMデバイス・アレイ、MRAMスタック、MTJセル等)を形成し、下部の薄い窒化物層がレーザ光を吸収して高圧等のために分解し、これによってMRAMデバイス・アレイの低温基板への移動を容易にする方法(およびその結果として得られる構造)を提供する。
【0041】
本発明について、いくつかの例示的な実施形態の観点で説明してきたが、本発明は、特許請求の範囲の精神および範囲内で変更を行い得ることは、当業者には認められよう。
【0042】
更に、出願人の意図は、後に審査(prosecution)の間に補正されたとしても、全ての請求要素の均等物を包含することである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の例示的な実施形態による例示的な構造100を示す。
【図2】本発明の例示的な実施形態に従って、磁気メモリ・デバイス(例えばMRAMデバイス・アレイ)を低温基板へとパルス・レーザ誘導移動させた後の構造100を示す。
【図3】本発明の例示的な実施形態による、感熱性基板上にMTJデバイスを形成する方法300を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温基板の上に磁気メモリ・デバイスを形成する方法であって、
前記メモリ・デバイスを、分解可能な材料層によって被覆された透明基板上に形成し、所定の高圧を生成させる急速加熱を施す、ステップと、
前記メモリ・デバイスを前記低温基板に移動するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記低温基板がプラスチック基板を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記低温基板がポリマ基板を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記透明基板がサファイア基板を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記透明基板が石英基板を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
レーザ光リフトオフ・プロセスを用いて、前記磁気メモリ・デバイスを移動するステップを更に含み、
前記レーザ光リフトオフ・プロセスが、前記分解可能な材料層に前記所定の高圧を与える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記基板がレーザ光に対して透過性であり、前記レーザ光が前記分解可能な材料層によって吸収され、これによって前記分解可能な材料層を分解する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記分解可能な材料層が窒化物材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記窒化物材料が窒化ガリウムを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記窒化物材料が窒化アルミニウムを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記窒化物材料が窒化インジウムを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記窒化物材料が前記透明基板上に成長され、前記方法が、
前記透明基板の背面側を介して入射したレーザ・プローブによって前記透明基板と前記窒化物材料との界面のメタライゼーションを行うことによって、前記透明基板から前記窒化物材料をリフトオフさせるステップを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記分解可能な材料層が、前記低温基板が劣化を始める温度未満の温度で前記透明基板上に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記分解可能な材料層の表面上に、前記磁気メモリ・デバイスを導電性配線と共に形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記移動の間に、前記磁気メモリ・デバイス上に搭載した上部導電配線を前記低温基板上に搭載するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記低温基板に下向きに搭載した上部導電配線をエポキシによって接着するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記窒化物材料のバンドギャップと実質的に同じかまたはそれより大きいレーザ放射パルスを前記透明基板に印加し、これによって界面の窒化物のメタライゼーションを生じさせるステップを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
前記メタライゼーションに基づいて、前記透明基板から前記窒化物材料/磁気メモリ・デバイス構造を分離させるステップと、
前記窒化物/磁気メモリ・デバイスを前記低温基板に付着させるステップと、
を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記透明基板にレーザ光を印加するステップを更に含み、
前記レーザ光が前記分解可能な材料層に吸収されて、前記分解可能な材料層を加熱し、続いて前記分解可能な材料層を分解する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記分解可能な材料層が窒化物を含み、前記窒化物のメタライゼーションから窒素の放出によって蓄積した圧力によって剥離が起こる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記レーザ光のビームをラスタリングして、異なる磁気メモリ・デバイスが単一のパルスを用いて移動可能であるようにするステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項22】
前記窒化物材料の上にSi層を成長させ、これによって前記磁気メモリ・デバイスを磁気トンネル接合(MTJ)セルにおけるトランジスタと一体化させ、同時に移動させることを可能とするステップを更に含み、
前記トランジスタが前記窒化物材料の上に前記磁気メモリ・デバイスと共に形成されている、請求項8に記載の方法。
【請求項23】
前記磁気メモリ・デバイスの移動の前に前記低温基板上に有機トランジスタを形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記磁気メモリ・デバイスの移動の後に、前記分解可能な材料層をエッチングするステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記分解可能な材料層の厚さを調節することによって、前記透明基板における温度上昇を制御するステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項26】
低温基板上に磁気トンネル接合(MTJ)デバイスを形成する方法であって、
その上にMTJデバイスを有するように、透明基板を窒化物材料によって被覆するステップと、
レーザ・リフトオフ・プロセスを用いて前記MTJデバイスを前記低温基板に移動させるステップと、
を含む、方法。
【請求項27】
前記透明基板がレーザ光に対して透過性である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
磁気メモリ・デバイスであって、
分解可能な材料で被覆した透明基板と、
前記透明基板上に形成されたデバイスと、
前記分解可能な材料が所定の高圧にさらされた後に、前記デバイスを受容するための低温基板と、
を含む、磁気メモリ・デバイス。
【請求項29】
前記デバイスが、第1の導電配線と、前記第1の導電配線に結合された磁気トンネル接合(MTJ)と、前記透明基板上に製造された第2の導電配線とを含む、請求項28に記載の磁気メモリ・デバイス。
【請求項30】
前記分解可能な材料が窒化物材料を含む、請求項28に記載の磁気メモリ・デバイス。
【請求項31】
前記分解可能な材料が窒化ガリウムを含む、請求項30に記載の磁気メモリ・デバイス。
【請求項32】
前記窒化物材料が窒化アルミニウムを含む、請求項30に記載の磁気メモリ・デバイス。
【請求項33】
前記窒化物材料が約100Åから約2000Åの間の厚さを有する、請求項30に記載の磁気メモリ・デバイス。
【請求項34】
前記窒化物材料が、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化インジウム、およびそれらの合金の少なくとも1つを含む1つ以上の窒化物膜を含む、請求項30に記載の磁気メモリ・デバイス。
【請求項35】
低温基板の上に磁気メモリ・デバイスを形成する方法であって、
窒化物層によって被覆した透明基板上にメモリ・デバイスを形成するステップと、
前記メモリ・デバイスにレーザ光を照射して前記窒化物層に圧力をかけるステップと、
前記メモリ・デバイスを低温基板に移動させるステップと、
を含む、方法。
【請求項36】
前記低温基板がプラスチック基板を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記低温基板がポリマ基板を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記透明基板がサファイア基板を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記透明基板が石英基板を含む、請求項35に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−503129(P2007−503129A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533353(P2006−533353)
【出願日】平成16年5月24日(2004.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2004/016271
【国際公開番号】WO2004/114312
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】