説明

不揮発性メモリのビットセルのI−V曲線を取得するためのデジタル方法および装置

【課題】不揮発性メモリビットセルに対する電流−電圧特性情報を生成するための方法および装置を提供する。
【解決手段】基準電流生成回路は、選択されたデジタルレジスタ設定に対応する選択された基準電流を生成する。センスアンプ回路は、遷移ゲート電圧が識別されるまで不揮発性メモリビットセルに掃引ゲート電圧が印加されるとき、前記基準電流を前記不揮発性メモリビットセルによって生成されるドレイン電流と比較する。前記遷移ゲート電圧および前記基準電流を前記不揮発性メモリビットセルに対する電流−電圧特性情報としてメモリに格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性メモリ(NVM)およびその動作方法に関する。一態様では、本発明は、フラッシュメモリまたは電気的に消去可能な読出専用メモリ(EEPROM)のメモリセルの電流−電圧(I−V)曲線を取得するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュメモリおよび電気的に消去可能な読出専用メモリ(EEPROM)は不揮発性メモリの一種であり、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、コンピュータおよび他の電子デバイス(自動車埋込型コントローラなど)などのデータ処理システムにおいて、デバイスに電力が供給されなくなるときに保存が必要なデータを格納する、情報の不揮発性メモリ記憶装置に用いられる。特許文献1には、メモリのビットセルの閾値電圧分布を測定する技術について記載されている。EEPROMのセルおよびフラッシュメモリのセルの特性は、ビットセルの電流−電圧(I−V)曲線により決定される。I−V曲線では、ワード線に印加される電圧に基づきEEPROMセルに流れるドレイン電流がプロットされる(ビット線は特定の電圧に設定されている)。NVMビットセルのI−V曲線は、ビットセルの問題を調査し、場合によっては故障しそうなビットセルを識別する、故障分析用の有用な診断ツールである。例えば、ビットセルに対するI−V曲線を用いると、そのビットセルについてプロットされるI−V曲線の傾きが正常から乖離する場合に、そのビットが不良な相互コンダクタンス(Gm)を有すると決定できるので、電場の印加時に故障を起こす前に、そうしたビットを検出することが可能である。さらにまた、ビットセルのI−V曲線は、リークの生じ易いビットセルなど他の潜在的な問題の識別や、短絡および開放ビットセルの判定を補助することが可能である。それらの問題は、NVMメモリセルの寸法が減少し続けており、NVMの故障状態を生じ得る信頼性および性能の問題が増加することによって、次第に大きな懸案となっている。複数のビットセルに対してビットセル電流−電圧(I−V)曲線を生成するための従来の診断技術では、PMU(パラメトリック測定ユニット)ハードウェアを用いてゲート電圧の掃引中に複数の電流測定値が取得されるが、そうした技術では多くの時間が必要になり、大抵のユーザアプリケーション環境では容易に利用可能でないテストハードウェア(例えば、PMUハードウェアまたは同等の機器)が必要である。加えて、ドレイン電流出力ピンは、通常、埋込型のNVMアプリケーションのユーザモードではアクセス不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,226,200号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フラッシュメモリのビットセルのI−V曲線をデジタル的に生成することによってビットセルの問題を調査し、ビットセルに関連する故障を発生直前に識別するための方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの方法、システム、および装置では、デジタルトリムなどによってデジタル調整可能な基準電流をビットセルに印加してビットセルの状態が変化する(非導通から導通に、または導通から非道通に)遷移ゲート電圧を決定することによって、ビットセルのI−V曲線を導出する。一部の実施形態では、基準電流校正テーブルは製造テストフロー時に生成される。複数の基準電流(Iref)値は対応する複数のデジタルレジスタ設定と対にされ、不揮発性メモリ(例えば、テストフラッシュメモリ)に保存される。基準電流校正テーブルは任意の所望数の基準電流値を格納することができるが、一部の実施形態では、基準電流値の数(例えば、3つ)は、ビットセルのI―V曲線または少なくともその近似表現を生成するのに十分であるように定められる。ユーザテスト診断モード時、基準電流校正テーブルは、フラッシュメモリアレイの1つ以上のビットセルに対するビットセルI−V曲線を生成するために用いられる。特に、ユーザテストモジュールは、デジタルトリム機能を備えるデジタルトリム可能な基準電流回路から印加される校正テーブルのデジタルレジスタの値を通じて段階的に変化させることによって、ビットセルアレイに印加される基準電流値を変化させる。基準電流回路によって生成される各基準電流値において、ドレイン電圧制御回路はビットセルにドレイン電圧を印加し、複数のデジタル調整可能なゲート電圧がビットセルに順次印加され、ビットセルの状態が変化する遷移ゲート電圧値を決定するべく監視される。これによって、ビットセルI−V曲線が生成される。この目的のため、センスアンプ(SA)回路を用いて、得られるビットセル電流Idとデジタルトリム可能な基準電流回路から印加される基準電流とを比較することによって、ビットセル状態を感知することもできる。一例のNVM技術では、ビットセルに対するSA出力は、ビットセルドレイン電流が基準電流未満であるとき、論理状態「0」(非導通)となり、ビットセルドレイン電流が基準電流より大きいとき、論理状態「1」(導通)となる。各基準電流設定において、ビットセルのゲート電圧は低電圧から高電圧(または高電圧から低電圧)に掃引され、ビットセルのSA出力は、ビットセルの1つの状態(例えば、非導通、すなわち、論理状態「0」)から別の状態(例えば、導通、すなわち、論理状態「1」)への遷移が起こる遷移ゲート電圧を決定するべく監視される。ビットセルの遷移ゲート電圧が決定されると、ビットセルI−V曲線上の1つの点、すなわち、電流値(I)は基準電流と等しく、電圧値(V)は遷移ゲート電圧と等しい点が得られ、この処理がビットセルI−V曲線上の追加の点を得るべく繰り返される。認められるように、所与のビットセルI−V曲線について得られる点の数は、校正テーブルに格納されている基準電流値の数によって制限されるものの、わずか3つの点によって、関連するビットセル曲線の特性を伝えるのに十分な情報が提供される。また、ビットセル曲線はNVMの1つ以上のビットセルについて生成可能であるものの、一部の実施形態では、ビットセルI−V曲線が生成される必要があるのは、他の従来の方法(NVMビットセルの閾値電圧分布など)によって識別される外れ値を有するビットに対してのみであることが認められる。いずれの場合であっても、生成されるビットセルI−V曲線は、後続の処理および解析用に格納または転送されることができる。
【発明の効果】
【0006】
フラッシュメモリのビットセルのI−V曲線をデジタル的に生成することによってビットセルの問題を調査し、ビットセルに関連する故障を発生直前に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】ビットセルのI−V曲線を生成するための診断回路を有するNVMのブロック図。
【図2】例示的なビットセルに対するビットセルのI−V曲線を示すグラフ。
【図3】製造テストフロー時に基準電流の校正テーブルと関連するデジタルレジスタ設定とを生成するための方法を示す簡略化したフローチャート。
【図4】ユーザテストモード時にビットセルのI−V曲線を生成するための方法を示す簡略化したフローチャート。
【図5】各Vgおよび各基準電流でテストされているビットセルに対するセンスアンプ出力を示す電流−電圧曲線。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで図1を参照すると、NVM101のブロック図が概略的に示されている。NVM101は、複数のNVMセルからなるアレイ103と、それらのビットセルが不良な相互コンダクタンス(gm)特性値を有する、リークの生じ易いビットである等の問題を有するか否かを判定するためのビットセルのI−V曲線を生成するための診断回路とを備える。示したNVMアレイ103では、図示の目的で、4つのNVMセル105,107,109,111を浮遊(フローティング)ゲート型のフラッシュメモリセルとして示しているが、アレイ103が別のビットセル、他の種類のNVMセル(例えば、ナノ結晶、分割(スプリット)ゲートフラッシュ、窒化物系メモリ)またはその両方を含んでもよいことが理解される。
【0009】
メモリ101には、デジタル調整可能なゲート電圧(Vg)を生成するために行/ワード線またはゲート電圧制御回路117が設けられる。このゲート電圧(Vg)は、行デコーダ115およびメモリコントローラ113(または他の測定回路)に対し与えられるので、ゲート電圧Vgはユーザテストモードにおいて測定可能である。行デコーダ115は、メモリ動作時に、ワード線WL0,WL1に、このデジタル調整可能なゲート電圧Vgを選択的に提供する。これらのワード線は、アレイ103のメモリセルのゲートに接続されている。また、メモリ101は、アレイ103のセルを読み出すためにビット線BL0,BL1に接続されているセンスアンプを有する列デコーダおよびセンスアンプ(CD/SA)回路121も備える。メモリ動作時に、ドレイン電圧制御回路125は、ビット線BL0,BL1にドレイン電圧(Vdrain)を供給する。加えて、デジタルトリム可能な基準電流回路またはハードウェアユニット123は、ビットセル105,107,109,111の論理状態の読出/感知を行うためにCD/SA回路121における基準センスアンプに可変の基準電流(Iref)を供給する。一例のNVM技術では、ビットセルドレイン電流が基準電流未満であるとき、ビットセルに対するSA出力は論理状態0(非導通)であり、ビットセルドレイン電流が基準電流より大きいとき、SA出力は論理状態1(導通)である。CD/SA回路121は、データ線上のセルから読み出したデータを出力する。
【0010】
メモリコントローラ113は、読出、書込、およびテスト動作時に、アレイ103のメモリ動作を制御する。この目的のため、メモリコントローラ113は、行/ゲート電圧制御回路117、基準回路123、ドレイン電圧制御回路125、およびソース電圧制御回路127に接続されており、メモリおよびテスト動作時に、それらの回路によってアレイ103に提供される電圧および電流の値を制御する。また、メモリコントローラ113は、メモリおよびテスト動作時に、行デコード回路115およびCD/SA回路121の動作を制御するべく、制御情報を提供する。そうした動作時において、メモリコントローラ113は、プロセッサまたは外部テスタ150からアドレス、データ、および制御情報を受信するためのアドレス、データ、および制御線を有する。一実施形態では、プロセッサ150は、これと同じ集積回路であってもよく、異なる集積回路であってもよい。
【0011】
示した実施形態では、制御線のうちの1つは、メモリコントローラ113にユーザテストモードに入るように信号を送るためのテスト線を含む。ユーザテストモードは、デジタル調整可能な基準電流およびゲート電圧ならびにセンスアンプを用いてフラッシュアレイビットセルに対するI−V曲線をデジタル的に取得するように、テストモジュールまたは回路110によって制御される。I−V曲線の生成を可能とするべく、メモリコントローラ113は、基準電流校正テーブル160に接続されている。基準電流校正テーブル160は、複数の基準電流値Irefと、対応する複数のデジタルレジスタ設定とを格納しており、それらのデジタルレジスタ設定が、対応する複数の基準電流値Irefを生成するべく基準回路123に提供される。一部の実施形態では、製造時、校正テーブル160には基準電流値および関連するデジタルレジスタ設定が格納されている。それらの基準電流値および関連するデジタルレジスタ設定は、不揮発性メモリ領域(例えば、シャドウまたはテストフラッシュ)に保存され得る。校正テーブル160には任意の所望数の基準電流値が格納されてよいが、一部の実施形態では、校正テーブル160には少なくとも3つの基準電流値が格納されており、これはビットセルのI−V曲線または少なくともその近似を生成するには十分である。
【0012】
テスト線によってメモリコントローラ113にユーザテスト/診断モードの信号が入力されると、テスト回路/モジュール110は、基準回路123に基準電流Irefを有効に変更させる。すなわち、基準回路123は、ビットセルのI−V曲線を取得するべく、デジタルレジスタ設定を通じて段階的に変化させ、各Irefにおいて各ビットセルの遷移Vgを検索することによって基準電流Irefを変化させる。換言すると、1つの選択された基準電流(Iref)が列デコードおよびセンスアンプ回路121に対し提供されると、ゲート電圧制御回路117は、得られるビットセル電流Idによってビットセルのセンスアンプ(SA)出力の状態が変化する(例えば、Vgが低電圧から高電圧に掃引される場合、0から1に変化する)まで、テスト下のビットセルに異なるVgレベルを供給する。ゲート電圧が掃引される場合、対象のビットセルのソースおよびドレイン電圧は予め決定されているか、掃引時に設定される。例えば、ビットセルのソースがソース電圧制御回路127によって接地されていると、ドレインはドレイン電圧制御回路124によって0.7Vに設定される。遷移ゲート電圧を検出するべく、列デコードおよびセンスアンプ回路121は、1ビットの1アドレス読出(OAD)モードで動作し、センスアンプを用いてビットセルの状態が変化するときを検出する。各遷移Vgレベルおよび関連する選択される基準電流(Iref)値は、ビットセルのI−V曲線上の1つの点であり、次いでデータ線に出力されるなどの方法によって、メモリコントローラ113のテストモジュールまたは回路110の制御の下に格納される。この処理が次いで繰り返され、校正テーブル160からの追加のデジタルレジスタ設定を用いて追加の基準電流(Iref)値を列デコードおよびセンスアンプ回路121に提供することによって、ビットセルのI−V曲線における追加の点が生成される。各追加の選択される基準電流について、ビットセルの状態が変化する遷移Vgを決定するべく、テスト下のビットセルに対するVgが再び掃引され、これによって、ビットセルI−V曲線における別の点が生成される。
【0013】
図2は、選択されたビットセルのI−V曲線のグラフ201であり、ビットセルのI−V曲線を用いた良好なビットセルと欠陥のあるビットセルとの判別について示すために提供される。X軸は読出動作中にビットセルのワード線に印加されるワード線またはゲート電圧(Vg)を表し、Y軸はメモリ読出動作中のビットセルのドレイン電流(Idrain)(ビット線電流)を表す。プロット線202は、正常なビットセル、すなわち、良好なビットセルに対する電流−電圧(I−V)曲線を示しており、この曲線の傾きがセルの相互コンダクタンス(gm)である。プロット線204は、202と同様の正常な相互コンダクタンスを有するもののVgが零のときに非零のドレイン電流を有する(このことは隠れた故障の存在を示す場合がある)、リークの生じ易いビットセルに対するI−V曲線を示す。そうしたリークの生じ易いビットによって、過度の列リークが生じ、プログラム動作中にドレイン電圧が低下することで、プログラム動作の不良が生じる場合がある。加えて、プロット線206は、正常な曲線202の傾きより小さな傾きを有する(隠れた故障の存在を示す場合がある)劣化した相互コンダクタンス(gm)を有するビットセルに対するI−V曲線を示す。劣化した相互コンダクタンス(gm)を有するビットセルでは、ビットの消去またはプログラムに時間が掛かるようになり、最終的には消去またはプログラム動作の不良を生じる場合がある。最後に、プロット線208は、Vgに関わらず一定であるドレイン電流を有する短絡ビットセルに対するI−V曲線を示す(これはビット線−接地短絡などビットセルにおける故障を示す)。
【0014】
認められるように、異常な相互コンダクタンス、零Vgにおける非零の電流、または他の異常を有するビットセルのI−V曲線が、セルにおける製造欠陥を示す場合がある。加えて、NVMセルは、セルに対する電気的なストレスのために経時的に劣化する場合がある。よって、製造テスト時には許容可能なテスト結果を与えるセルが、そうしたストレスによって時を経て故障する場合がある。したがって、セルが製造テスト時にテストに合格した場合であっても、そうしたセルが使用時またはユーザテストモード時にビットセルのI−V曲線に異常を有するか否かを判定することは望ましい。
【0015】
ここで図3を参照する。図3には、製造テストフロー時に基準電流および関連するデジタルレジスタ設定の校正テーブルを生成するための方法301を示す簡略化したフローチャートを示す。示した方法では、処理は工程302で開始し、デジタルトリム可能な基準電流回路の第1のデジタルレジスタ値を設定し(工程304)、基準電流回路によって生成される基準電流(Iref)を測定する(工程306)。次いで、測定される基準電流(Iref)と対応する第1のデジタルレジスタ値とを、テストフラッシュメモリに格納されている校正テーブルの第1のエントリに保存する(工程308)。測定される基準電流(Iref)と対応する第1のデジタルレジスタ値とを対にするまたは関連付けることによって、校正テーブルにアクセスして第1のデジタルレジスタ値を引き出し、その値を用いて対応する基準電流を生成することができる。また、以下にさらに詳細に記載するように、I−V曲線上の点を規定する目的で、測定される基準電流(Iref)を引き出してもよい。追加の基準電流値が校正される場合(判定ブロック310の肯定の結果)、処理は工程304に戻り、適切なまたは所定の増分(インクリメント)を用いて、デジタルトリム可能な基準電流回路のデジタルレジスタの値を設定する。必要な基準電流値が校正される(判定ブロック310の否定の結果)と、処理は校正テーブルをメモリに格納することによって完了する(工程312)。
【0016】
図4は、ユーザテストモード時にビットセルの相互コンダクタンス曲線を生成するための方法401を示す簡略化したフローチャートである。示した方法では、処理は動作402にて開始する。動作404において、メモリは診断ユーザテストモードに入る。一部の実施形態では、メモリコントローラ113がテスト線において診断モードに入るとの信号を受信するとき、診断モードに入る。他の実施形態では、メモリは、プロセッサ(例えば、150)または外部テスタから命令を受信するとき、診断モードに入る。
【0017】
動作406において、基準電流値が校正テーブルから選択され、対応する基準電流トリムレジスタの値が設定される。一部の実施形態では、テストモジュールまたは回路110またはコントローラ113は、基準回路123が対応する基準電流(Iref)を生成するように、基準電流トリムレジスタの値を設定する。加えて、行/ゲート電圧制御回路117はテスト下のビットセルに第1のワード線/ゲート電圧(例えば、0V)を提供するように設定され、ドレイン電圧制御回路125はテスト下のビットセルに適切なドレイン電圧を提供するように設定され、ソース電圧制御回路127はテスト下のビットセルに適切なソース電圧を手続するように設定される。この構成では、テスト下のビットセルは第1のワード線電圧に応答して特定のドレイン電流を生じ、センスアンプはビットセルのドレイン電流を基準電流と比較して、ビットセルの状態を判定する。
【0018】
動作408において、テストモジュールまたは回路110またはコントローラ113は、第1のワード線/ゲート電圧がビットセルの状態を変化させる(非導通から導通、または導通から非導通)ドレイン電流を生成するゲート電圧Vgであるか否かを判定する。一部の実施形態では、回路121のセンスアンプ(SA)回路が、ビットセルの状態が変化するときを判定する。低電圧(例えば、0V)から高電圧(例えば、9V)にVgが上昇すると仮定すると、ビットセルの遷移Vgでは、ビットセルのSA出力が0から1に変化する。他方、Vgが高電圧(例えば、9V)から低電圧(例えば、0V)に低下すると仮定すると、ビットセルの遷移Vgでは、ビットセルのSA出力が1から0に変化する。ドレイン電流によってビットセルの状態が変化しない場合、テスト下のビットセルに第2のワード線/ゲート電圧が与えられ、ビットセルのSA出力の状態を変化させるビットセルゲート電圧Vgを求めて処理が繰り返される。一部の実施形態では、デジタル調整可能な行/ゲート電圧制御回路117は、ドレイン電流が基準電流に一致する遷移点が検出されるまで、上昇する(または低下する)ゲート電圧のシーケンスを通じて電圧を段階的に変化させるまたは掃引することによって複数のワード線/ゲート電圧を提供するように設定される。一部の実施形態では、この電圧のサーチは、ビットセルの状態遷移が見出されるまで様々なワード線/ゲート電圧レベルにて1アドレス読出(OAD)を実行することによって行われる。テストモジュールまたは回路110によって担われる機能は、コンピュータ読取可能な非一時的な記憶媒体により有形物として具体化される状態機械、ファームウェア、またはソフトウェアとして実装されてよい。
【0019】
遷移ゲート電圧Vgが取得されると、I−V曲線上のデータ点は、選択される基準電流(Iref)および対応する(遷移ドレイン電流を生成した)ゲート電圧(Vg)として規定される。ビットセルのI−V曲線に追加のデータ点が必要な場合(判定動作410の肯定の結果)、校正テーブルから別の基準電流を選択し(動作406)、それに一致するゲート電圧を求める(動作408)ことによって、処理が繰り返される。認められるように、所与のビットセルのI−V曲線について取得可能なデータ点の数は、校正テーブルに格納される基準電流値の数によってのみ制限されるものであるが、最低3つの点、高々10個の点、またはそれより多くの点によって、関連するビットセル曲線の特性を導くのに十分な情報が得られる。所望の実装に応じて、校正テーブルにおける一部のまたは全部の基準電流値がデータ点を生成するために用いられてよい。
【0020】
ビットセルのI−V曲線に追加のデータ点が不要である場合(判定動作410の否定の結果)、取得されたデータ点は動作412において保存またはプロットされ、処理は動作414にて終了する。例えば、メモリコントローラ113は、取得されるI−V曲線データ点を格納するためのレジスタを備えてもよい。一部の実施形態では、メモリコントローラは、図4の動作を実行するべく、制御線を介してプロセッサ150によって制御される。これに代えて、テスト時にメモリコントローラ113を制御するべく、メモリ101がテスト時にテスタに接続されてもよい。そのようにして、I−V曲線データ点の評価または解析は、ビットセルが不良な相互コンダクタンスまたは損なわれた相互コンダクタンスを有するか否かなど、欠陥を有すると見なされるか否かを判定するべく、本技術分野において知られる後処理ツールを用いて実行されてよい。一部の実施形態では、メモリ回路を含む集積回路が破棄されるが、他の実施形態では、欠陥のある相互コンダクタンスを有するセルが識別され、その回路の冗長なメモリセルによって置き換えられる。さらに他の実施形態では、欠陥のあるセルは格納に使用不能であるとマークが付けられてもよい。他の実施形態では、収集されたI−V曲線データ点は、その曲線が「正常」であるか否かを判定するべく後処理される。一例の処理では何らかの初期的なオフセットが存在するか否かを調べるために、曲線の傾き(換言すれば、相互コンダクタンスまたはGm)を計算する。ユーザ側において欠陥を有するビットセルが見出される場合、電場の印加による最終的な故障を回避するために、そのビットセルがアプリケーションで使用されることを停止するよう、ユーザに通知することも可能である。例えば、異常なIdが検出される場合、エンジン警告灯/メンテナンス灯が点灯されてもよい。別の場合では、アプリケーションによって所定のリスク軽減動作が行われる。欠陥を有するビットセルが工場テスト時に見出される場合、欠陥の本質的な原因を判定し、製造に情報のフィードバックを行って製造プロセスを改良するべく、物理解析を実行されてもよい。
【0021】
動作406,408に使用され得る一例のサーチ処理を示すべく、ここで図5を参照する。図5には、各Vgおよび各基準にてテストされているビットセルに対するセンスアンプの出力を示す電流−電圧曲線502を示す。示すように、行504の0および1によって、基準電流(Iref)が1μAのときにおける、各Vgにてテストされているビットセルに対するセンスアンプ(SA)の出力が示される。ここで、ビットセルドレイン電流が基準電流未満であるとき、ビットセルに対するSA出力は0であり、ビットセルドレイン電流が基準電流より大きいとき、ビットセルに対するSA出力は1である。同様に、行506には、Irefが5μAと等しいときにおける、掃引Vgレベルでの0および1のSA出力が示されており、行508には、Irefが10μAと等しいときにおける、掃引Vgレベルでの0および1のSA出力が示されている。示した例では、Vg1,Vg5,Vg10は、それぞれ1μA,5μA,10μAのIrefにおけるVg遷移の値であり、これらはビットセルのI−V曲線における3つのデータ点を規定する。
【0022】
以上のように、不揮発性メモリビットセルに対する電流−電圧特性情報を生成するための方法および装置が提供されることが認められる。開示の方法では、複数の基準電流値と、対応する複数のデジタルレジスタ設定とを含む校正テーブルが取得または提供される。校正テーブルはテストフラッシュメモリから読み出されてもよく、デジタルトリム可能な基準電流回路のデジタルレジスタを複数の値のうちの1つに設定し、複数の値の各々において該デジタルトリム可能な基準電流回路によって生成された基準電流を測定し、測定された基準電流と関連するデジタルレジスタ値とを校正テーブルに値の対として保存することによって生成された後、格納される。校正テーブルが読み出されると、校正テーブルの選択されたデジタルレジスタ設定に対応する選択された基準電流が生成される。これは、校正テーブルの選択されたデジタルレジスタ設定をデジタルトリム可能な基準電流回路に適用して基準電流を生成することなどによって行われる。その後、選択された基準電流と一致するドレイン電流を生成する一致(「遷移」)ゲート電圧が識別されるまで不揮発性メモリビットセルに1つ以上の掃引ゲート電圧が印加されるとき、基準電流は不揮発性メモリビットセルによって生成されるドレイン電流と比較される。この比較は、複数のゲート電圧において不揮発性メモリの1アドレス読出を実行するべく、選択された基準電流およびドレイン電流をセンスアンプ回路に印加することによって行われてもよい。追加の電流−電圧特性情報を生成するべく、校正テーブルから別のデジタルレジスタ設定が選択され、該別のデジタルレジスタ設定に対応する第2の基準電流を生成するために用いられてもよい。第2の基準電流は、第2の基準電流と一致するドレイン電流を生成する第2の一致(「遷移」)ゲート電圧が識別されるまで不揮発性メモリビットセルに1つ以上のゲート電圧が印加されることによって生成されるドレイン電流と比較される。例えば、得られるビットセルドレイン電流が準電流より大きく(または小さく)なり、ビットセルのセンスアンプ出力が論理状態0から1(または1から0)に変化するまで、ゲート電圧をローからハイに上昇させる(またはハイからローに低下させる)ことによって、掃引ゲート電圧が不揮発性メモリビットセルに印加されてもよい。最終的に、各一致ゲート電圧および選択された基準電流は、不揮発性メモリビットセルに対する電流−電圧特性情報(電流−電圧曲線上の点など)として格納されてよい。
【0023】
別の形態では、不揮発性メモリデバイスおよびそのテスト方法が提供される。開示したように、該メモリデバイスは、行および列のアレイで配置される複数の不揮発性メモリビットセルを備える。例えば、該複数の不揮発性メモリビットセルは、行および列で配置される複数の不揮発性半導体メモリトランジスタを備え、各メモリトランジスタがソース、ドレイン、および浮遊ゲートを備え、浮遊ゲートは電子を注入可能かつ放電可能であり、半導体メモリトランジスタの各行におけるすべてのトランジスタのゲートは対応するワード線に接続され、各列におけるすべてのトランジスタのドレインは対応するビット線に接続され、各行におけるすべてのトランジスタのソースは対応するソース制御線に接続されている。また、該メモリデバイスは、不揮発性テストフラッシュメモリに格納されている校正テーブルメモリも備える。校正テーブルメモリは、複数の基準電流値に対応するデジタルレジスタ設定を格納している。加えて、デジタル調整可能な基準電流生成回路は、校正テーブルメモリの選択されるデジタルレジスタ設定に相当する選択される基準電流を生成し、列デコーダはアレイの選択される不揮発性メモリビットセルに選択される基準電流を印加する。また、メモリデバイスは、複数の掃引ゲート電圧を生成するためのゲート電圧生成回路と、該複数の掃引ゲート電圧を選択される不揮発性メモリビットセルに印加するための行デコーダとも備える。最終的に、センスアンプ回路は、遷移ゲート電圧が識別されるまで不揮発性メモリビットセルに該複数の掃引ゲート電圧が印加されるとき、基準電流を該不揮発性メモリビットセルによって生成されるドレイン電流と比較する。動作および設計において、センスアンプ回路は、選択される不揮発性メモリビットセルによって生成されるドレイン電流が該選択される基準電流未満であるとき、第1の論理状態を出力し、選択される不揮発性メモリビットセルによって生成されるドレイン電流が該基準電流より大きいとき、第2の論理状態を出力する。一部の実施形態では、メモリデバイスは、第1の選択される基準電流値と、対応する第1の遷移ゲート電圧とを含む複数の電流−電圧値の対を格納するためのメモリを備え、他の実施形態では、メモリデバイスは、第1の選択される基準電流値と、対応する第1の遷移ゲート電圧とを含む複数の電流−電圧値の対を出力するための1つ以上のデータ出力ポートを備える。
【0024】
さらに別の形態では、1つ以上の不揮発性メモリビットセルに対する電流−電圧曲線データ点を取得するための方法および装置を提供する。開示の方法では、校正テーブルに格納されるデジタル値に対応する所定基準電流が生成される。一部の実施形態では、デジタルトリム可能な基準電流回路のデジタルレジスタ設定を第1のデジタル値に設定し、デジタルトリム可能な基準電流回路によって生成される基準電流を測定し、測定した基準電流と第1のデジタル値とを校正テーブルに値の対として保存することによって、校正テーブルが生成される。このようにして、複数の所定の基準電流値と、対応する複数のデジタル値とを含む校正テーブルを取得し、該校正テーブルから第1のデジタル値を選択し、第1のデジタル値に対応する所定の基準電流を生成することによって、所定の基準電流が生成される。選択される不揮発性メモリビットセルに所定のソースおよびドレイン電圧が印加され、該選択される不揮発性メモリビットセルに掃引ゲート電圧が印加される。遷移ゲート電圧が識別されるまで該不揮発性メモリビットセルに掃引ゲート電圧が印加されるとき、所定の基準電流が該不揮発性メモリビットセルによって生成されるドレイン電流と比較される。遷移ゲート電圧が識別されると、所定の基準電流に対応する第1の値と遷移ゲート電圧に対応する第2の値とを含む電流−電圧曲線データ点が出力される。掃引ゲート電圧が印加されているときに、センスアンプに複数の所定の基準電流を印加することによって、選択される不揮発性メモリビットセルに対する電流−電圧特性情報を提供するように、複数の遷移ゲート電圧および基準電流値が生成される。これによって、選択される不揮発性メモリビットセルに対する複数の電流−電圧曲線点が規定される。選択される不揮発性メモリビットセルに対するそれらの電流−電圧曲線点が時間を通じて(例えば、異なる時間間隔で、使用場所以外で、またはその両方で)処理され、選択される不揮発性メモリビットセルが不良な相互コンダクタンスまたは損なわれた相互コンダクタンスを有するか、さもなければ欠陥を有するか否かが判定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリビットセルに対する電流−電圧特性情報を生成するための方法であって、
選択されたデジタルレジスタ設定に対応する選択された基準電流を生成する工程と、
遷移ゲート電圧が識別されるまで不揮発性メモリビットセルに掃引ゲート電圧が印加されるとき、前記基準電流を前記不揮発性メモリビットセルによって生成されるドレイン電流と比較する工程と、
前記遷移ゲート電圧および前記基準電流を前記不揮発性メモリビットセルに対する電流−電圧特性情報として格納する工程と、を備える方法。
【請求項2】
複数の基準電流値と、対応する複数のデジタルレジスタ設定とを含むテストフラッシュメモリから校正テーブルを取得する工程をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記校正テーブルを取得する工程は、
デジタルトリム可能な基準電流回路のデジタルレジスタ設定を第1の値に設定する工程と、
前記デジタルトリム可能な基準電流回路によって生成された基準電流を測定する工程と、
測定された基準電流と第1の値とを前記校正テーブルに値の対として保存する工程と、を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記選択された基準電流を生成する工程は、前記選択されたデジタルレジスタ設定をデジタルトリム可能な基準電流回路に適用して基準電流を生成する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基準電流を前記不揮発性メモリビットセルのドレイン電流と比較する工程は、前記基準電流および前記不揮発性メモリビットセルのドレイン電流をセンスアンプ回路に印加する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記選択される基準電流を前記不揮発性メモリビットセルのドレイン電流と比較する工程は、前記不揮発性メモリビットセルの1つのアドレスの読出を複数のゲート電圧にて実行する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記不揮発性メモリビットセルによって生成されるドレイン電流が前記基準電流より大きくなり、ビットセルのセンスアンプ出力が論理値0から1に変化するまで、前記ゲート電圧をローからハイに上昇させることによって、前記掃引ゲート電圧が前記不揮発性メモリビットセルに印加される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記不揮発性メモリビットセルによって生成されるドレイン電流が前記基準電流より小さくなり、ビットセルのセンスアンプ出力が論理値1から0に変化するまで、前記ゲート電圧をハイからローに低下させることによって、前記掃引ゲート電圧が前記不揮発性メモリビットセルに印加される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
別のデジタルレジスタ設定に対応する第2の基準電流を生成する工程と、
第2の遷移ゲート電圧が識別されるまで不揮発性メモリビットセルに掃引ゲート電圧が印加されるとき、第2の基準電流を同不揮発性メモリビットセルによって生成されるドレイン電流と比較する工程と、
前記第2の遷移ゲート電圧および第2の基準電流を前記不揮発性メモリビットセルに対する電流−電圧特性情報として格納し、それによって、前記不揮発性メモリビットセルに対する複数の電流−電圧曲線点を規定する工程と、をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記遷移ゲート電圧および前記基準電流を格納する工程は、前記遷移ゲート電圧および前記基準電流を前記不揮発性メモリビットセルに対する電流−電圧曲線上の点として格納する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
メモリデバイスであって、
行および列からなるアレイに配列される複数の不揮発性メモリビットセルと、
複数の基準電流値に対応する複数のデジタルレジスタ設定を格納する校正テーブルメモリと、
前記校正テーブルメモリの選択されるデジタルレジスタ設定に対応する選択される基準電流を生成するための基準電流生成回路と、
複数の掃引ゲート電圧を生成するためのゲート電圧生成回路と、
前記複数の掃引ゲート電圧を選択される不揮発性メモリビットセルに印加するための行デコーダと、
遷移ゲート電圧が識別されるまで不揮発性メモリビットセルに前記複数の掃引ゲート電圧が印加されるとき、前記基準電流を前記不揮発性メモリビットセルによって生成されるドレイン電流と比較するためのセンスアンプ回路と、を備えるメモリデバイス。
【請求項12】
第1の選択される基準電流値と、対応する第1の遷移ゲート電圧とを含む複数の電流−電圧値の対を格納するためのメモリをさらに備える、請求項11に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
第1の選択される基準電流値と、対応する第1の遷移ゲート電圧とを含む複数の電流−電圧値の対を出力するための1つ以上のデータ出力ポートをさらに備える、請求項11に記載のメモリデバイス。
【請求項14】
前記複数の不揮発性メモリビットセルは、行および列に配列される複数の不揮発性半導体メモリトランジスタを備え、各メモリトランジスタは、ソース、ドレイン、およびゲートを備え、前記ゲートは電子を注入可能な浮遊ゲートであって放電可能であり、半導体メモリトランジスタの各行におけるすべてのトランジスタのゲートは対応するワード線に接続されており、各列におけるすべてのトランジスタのドレインは対応するビット線に接続されており、各行におけるすべてのトランジスタのソースは対応するソース制御線に接続されている、請求項11に記載のメモリデバイス。
【請求項15】
校正テーブルメモリは不揮発性テストフラッシュメモリを含む、請求項11に記載のメモリデバイス。
【請求項16】
基準電流生成回路はデジタル的に調整可能な基準電流回路を含む、請求項11に記載のメモリデバイス。
【請求項17】
前記センスアンプ回路は、前記選択される不揮発性メモリビットセルによって生成されるドレイン電流が前記選択される基準電流未満であるとき、第1の論理状態を出力し、前記選択される不揮発性メモリビットセルによって生成されるドレイン電流が前記基準電流より大きいとき、第2の論理状態を出力する、請求項11に記載のメモリデバイス。
【請求項18】
1つ以上の不揮発性メモリビットセルに対する電流−電圧曲線データ点を取得するための方法において、
所定の基準電流を生成する工程と、
選択される不揮発性メモリビットセルに所定のソースおよびドレイン電圧を印加する工程と、
前記選択される不揮発性メモリビットセルに掃引ゲート電圧を印加する工程と、
遷移ゲート電圧が識別されるまで前記不揮発性メモリビットセルに掃引ゲート電圧が印加されるとき、前記所定の基準電流を前記不揮発性メモリビットセルによって生成されるドレイン電流と比較する工程と、
前記所定の基準電流に対応する第1の値と前記遷移ゲート電圧に対応する第2の値とを含む電流−電圧曲線データ点を出力する工程と、を備える方法。
【請求項19】
所定の基準電流を生成する工程は、
複数の所定の基準電流値と、対応する複数のデジタル値とを含む校正テーブルを取得する工程と、
前記校正テーブルから第1のデジタル値を選択する工程と、
前記第1のデジタル値に対応する所定の基準電流を生成する工程と、を含む請求項18記載の方法。
【請求項20】
選択される第2のデジタル値に対応する第2の所定の基準電流を生成する工程と、
選択される不揮発性メモリビットセルに所定のソースおよびドレイン電圧を印加する工程と、
前記選択される不揮発性メモリビットセルに掃引ゲート電圧を印加する工程と、
第2の遷移ゲート電圧が識別されるまで前記不揮発性メモリビットセルに掃引ゲート電圧が印加されるとき、前記第2の所定の基準電流を前記不揮発性メモリビットセルによって生成されるドレイン電流と比較する工程と、
前記第2の遷移ゲート電圧および第2の所定の基準電流を前記選択される不揮発性メモリビットセルに対する電流−電圧特性情報として格納し、それによって、前記選択される不揮発性メモリビットセルに対する複数の電流−電圧曲線点を規定する工程と、をさらに備える請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記選択される不揮発性メモリビットセルに対する複数の電流−電圧曲線点を時間を通じて処理し、前記選択される不揮発性メモリビットセルが不良な相互コンダクタンスまたは損なわれた相互コンダクタンスを有するか、さもなければ欠陥を有すると見なされるか否かを判定する工程をさらに備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
デジタルトリム可能な基準電流回路のデジタルレジスタ設定を第1のデジタル値に設定する工程と、
前記デジタルトリム可能な基準電流回路によって生成される基準電流を測定する工程と、
測定された基準電流と第1のデジタル値とを校正テーブルに値の対として保存する工程と、
によって校正テーブルを生成する工程を含む、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−169032(P2012−169032A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−27042(P2012−27042)
【出願日】平成24年2月10日(2012.2.10)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】