説明

中間転写体及び画像形成装置

【課題】スプリングの加圧力を高くする必要がなく、公差も小さく、ベルトテンションの固体差や左右偏差を低減させることができる中間転写体及び画像形成装置を提供すること。また、ベルトの巻き癖の低減やベルト寿命の延命効果もある中間転写体及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】ローラ軸57が導電性であり、前記ローラ軸57の周りに磁極が反対同士に向き合う磁性体51の対を設置し、前記ローラ軸57に電流を流すことで前記ローラ軸57に発生する力をベルトテンションに用いることを特徴とする中間転写体11及び画像形成装置200を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、FAXなどの画像形成装置の中間転写体に関するものであり、さらに中間転写を用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
中間転写体を有する画像形成装置において、中間転写ベルトのベルトテンションを高くすると、転写プロセスにおける色ずれを小さくできることが確認されている。これはベルトテンションの上昇に伴って、駆動ローラとベルトとの摩擦力が上昇することが理由として考えられる。そこで、従来技術では、両端にスプリングが付随するテンションローラをベルトに押し当てることによってベルトテンションの確保を行ってきた。
しかしながら、この方法では、ベルトの端部亀裂やカール癖の制約からベルトテンションを高くすることができないという問題点があった。また、スプリングがもつ公差によってベルトテンションの固体差や左右偏差が生じるという問題点もあった。
例えば、テンションローラ両端に公差上限のスプリングが付随した中間転写体と前記ローラ両端に公差下限のスプリングが付随した中間転写体ではベルトテンションに固体差があるといえる。また前記ローラ両端に公差上下限のスプリングが一つずつ付随していれば、ベルトテンションの左右偏差が生じることになる。通常のスプリングは、加圧力が大きいほど公差も大きく設けるため、例えばベルトの圧脱法などから、ベルトの端部亀裂やベルトの巻き癖の制約から逃れて高いベルトテンションを確保できたとしても、スプリング加圧によるベルトテンションである以上、大きな固体差や左右偏差が生じる可能性がある。ベルトテンションの固体差は色ずれのロバスト性低下に繋がり、テンション左右偏差はベルトの寄りを引き起こす問題点があった。
【0003】
特許文献1には、テンションローラと駆動ローラが、中間転写ベルトの回転駆動時に、第1ギア列、揺動ギア、第2ギア列、およびテンション調整カムを介して連結され、中間転写ベルトの駆動力がテンション調整カムを介してテンションローラを加圧し、中間転写ベルトにテンションを与え、中間転写ベルトの非駆動時には、揺動ギアが自重により第2ギア列から離脱し、テンションローラが引っ張りバネの力によりベルトテンションが解除される方向に移動することが、開示されている。これにより、画像形成装置が画像形成動作を行っていない状態において、中間転写ベルトはテンションが加わったまま停止状態におかれることを防止でき、中間転写ベルトの永久変形を防ぐことで、中間転写ベルトの長寿命化を達成し、長期にわたって安定した画像を得ることができる。
しかしながら、この方法は、中間転写ベルトの非駆動時のベルトテンション解除には、効果があるものの、公差も小さく、ベルトテンションの固体差や左右偏差を低減させるという問題点の解決にはなっていなかった。
【0004】
また、特許文献2には、それぞれ抵抗値の異なる繊維形状の導電剤及び繊維形状の無機系充填剤を、結着樹脂中に分散してなる材料を含む層を有することを特徴とする半導電性ベルトが、開示されている。これにより、電気抵抗の均一性を改善し、環境による電気抵抗の変化が少なく、ベルトテンションの変化による色ずれ等の画質欠陥を発生することがなく、高画質を安定して供給することができる半導電性ベルト(特に中間転写体及び転写搬送ベルト)を提供することができる。
しかしながら、この方法では環境による電気抵抗の変化に対しては効果があるものの、公差も小さく、ベルトテンションの固体差や左右偏差を低減させるという問題点の解決にはなっていなかった。
【0005】
さらに、特許文献3には、内周面側にベルト寄りを規制するガイド部材を少なくとも1つ備えたベルト部材と、該ガイド部材をガイドするガイド部を備えた複数のローラと、該複数のローラのうち少なくとも1本を駆動する駆動手段とを有し、該ベルト部材を該複数のローラで張架し回動移動するベルト駆動装置において、上記複数のローラのうちの1本は軸方向の移動が規制され、その他のローラは軸方向の移動が自由に構成されていることを特徴とするベルト駆動装置が、開示されている。これにより、ベルト部材のガイド部材がローラのガイド部を乗り上げることなく、ベルト部材が安定して回動移動することのできる低コストなベルト駆動装置、ベルト駆動方法及び画像形成装置を提供することができる。
しかしながら、この方法では、ベルト部材が安定して回動移動することができる機能は有しているものの、公差も小さく、ベルトテンションの固体差や左右偏差を低減させるという問題点の解決にはなっていなかった。
【0006】
【特許文献1】特開2001−22188号公報
【特許文献2】特開2002−182488号公報
【特許文献3】特開2002−14570号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、スプリングの加圧力を高くする必要がなく、公差も小さく、ベルトテンションの固体差や左右偏差を低減させることができる中間転写体及び画像形成装置を提供することである。また、ベルトの巻き癖の低減やベルト寿命の延命効果もある中間転写体及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明は、無端状ベルトを有し、スプリングが付随しているローラをベルトに押し付けることによってベルトにテンションをかけている中間転写体において、前記ローラ軸が導電性であり、前記ローラ軸の周りに磁極が反対同士に向き合う磁性体の対を設置し、前記ローラ軸に電流を流すことで前記ローラ軸に発生する力をベルトテンションに用いることを特徴とする中間転写体である。
本発明は、電流が前記中間転写体上の色ずれ検知の結果を基に制御可能であることを特徴とする。
また、本発明は、電流が画像形成装置の作像時にのみローラ軸に流れることを特徴とする。
さらに、本発明は、非作像時におけるスプリングの加圧力が、輸送時や着脱時の振動によってベルトにたるみが生じる最低限の力以上であることを特徴とする。
また、本発明は、スプリングが付随したローラが、前記ローラの振動を減衰させるダンパーを有することを特徴とする。
【0009】
本発明は、前記対を成す磁性体が、前記ローラ軸の両端軸受部にのみ設置されていることを特徴とする中間転写体である。
また、本発明は、前記対を成す磁性体が、ローラ軸方向に、ローラ軸両端まで連続に設置されることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記磁性体の対が、前記ローラ内部に設置されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記記載の中間転写体を有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記解決するための手段によって、スプリングの加圧力を高くする必要がなく、公差も小さく、ベルトテンションの固体差や左右偏差を低減させることができる中間転写体及び画像形成装置を提供することが可能となった。また、ベルトの巻き癖の低減やベルト寿命の延命効果もある中間転写体及び画像形成装置を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0012】
本発明は、テンションローラに電流を流すことで発生する力をベルトテンションに用い、中間転写体上の色ずれを検知するセンサが読み取った結果を基に上記電流を制御してベルトテンションを調節する方法である。この方法では、ベルトテンションを調節するためにスプリングは必要となるが、前記スプリングの加圧力を高くする必要はなく、逆に小さくしておけば公差も小さくなるので、ベルトテンションの固体差や左右偏差を低減させることができ、また非作像時には上記電流を流さずにしておくことでベルトの巻き癖の低減やベルト寿命の延命にも繋がる。
【0013】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示すもので、タンデム型中間転写方式の画像形成装置200である。画像形成装置200本体には、中央に、無端ベルト状の中間転写体11を設ける。中間転写体11は、多層構造となっており、ベース層を例えば伸びの少ないフッ素樹脂やPVDシート、ポリイミド系樹脂でつくり、表面をフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被ってある。そして、図1に示すとおり、図示例では支持ローラ10、12、34、35に掛け回して図中反時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、支持ローラ10の左に、画像転写後に中間転写体11上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置25を設ける。
また、支持ローラ12と支持ローラ35間に張り渡した中間転写体11上には、その搬送方向に沿って、イエロー・シアン・マゼンタ・ブラックの4つの画像形成手段を横に並べて配置して、タンデム画像形成装置を構成する。そのタンデム画像形成装置の下には、図1に示すように、さらに露光装置4を設ける。
一方、中間転写体11の支持ローラ35の対向側には、二次転写装置を備える。二次転写装置は、図示例では、2つのローラ111、112間に、無端ベルトである二次転写ベルト100を掛け渡して構成し、中間転写体11を介して支持ローラ35に押し当てて配置し、中間転写体11上の画像をシートに転写する。前記二次転写装置として、二次転写ローラを用いるものもある。二次転写装置の上には、シート上の転写画像を定着する定着装置30を設ける。定着装置30は、定着ローラに加圧ローラを押し当てて構成する。
前記二次転写装置には、画像転写後のシートをこの定着装置30へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。また、二次転写装置として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
【0014】
不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ10、34、35の1つが回転駆動して他の4つの支持ローラを従動回転させ、中間転写体11が回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段でその感光体1を回転して各感光体1上にそれぞれ、イエロー・シアン・マゼンタ・ブラックの単色画像を形成する。そして、中間転写体11の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体11上に合成カラー画像を形成する。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブルの給紙ローラ27の1つを選択回転し、ペーパーバンクに多段に備える給紙カセット26の1つからシートを繰り出し、分離ローラで1枚ずつ分離して給紙路29に入れ、搬送ローラで搬送して画像形成装置本体内の給紙路29に導き、レジストローラ28に突き当てて止める。そして、中間転写体11上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ28を回転し、中間転写体11と2次転写装置との間にシートを送り込み、二次転写装置で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、二次転写装置で搬送して定着装置30へと送り込み、定着装置30で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、排出ローラ32で排出し、排紙トレイ40上にスタックする。一方、画像転写後の中間転写体11は、中間転写体クリーニング装置25で、画像転写後に中間転写体11上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置による再度の画像形成に備える。
【0015】
図2は、中間転写部の概略構成図である。無端ベルト状の中間転写ベルト11が支持ローラ10、12、34、35に掛け回して図中反時計回りに回転搬送可能とする。支持ローラのうち、ローラ34は駆動ローラで、36に示す二次転写対向ローラも兼ねている。支持ローラ10はクリーニング対向ローラで、左に画像二次転写後に中間転写体11上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置25を設ける。支持ローラ12、35は従動ローラで、一次転写ニップを安定化する機能がある。クリーニング対向ローラ10は本構成ではテンションローラも兼ねており、中間転写ベルト11に一定の張力を付与する働きをしている。ローラ20は一次転写ローラでイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像形成手段に対応して4本設置されている。クリーニング装置25の構成としては、クリーニングブレード22をクリーニング対向ローラ10の位置でベルトに当接させることによって残留トナーの除去を行う。
【0016】
図3は、テンションローラ10による従来のベルトテンション確保を示した概略図である。テンションローラ10の両端にテンション用の圧縮スプリング50を設けており、前記圧縮スプリングの加圧力でテンションローラをベルトに押し当てることによってベルトテンションを確保している。ベルトテンションを高くすると色ずれが小さくなることが知られている。
【0017】
図4はベルトテンションと色ずれ量の関係を表したグラフである。前記グラフの考察としては、ベルトテンションの上昇に伴って駆動ローラとベルトとの摩擦力が増加し、ベルト走行性が安定することによって色ずれが小さくなる。しかしながらベルトテンションを高くするとベルトの端部亀裂やベルトの巻き癖が発生しやすくなるため、これらのトレードオフの関係からベルトの膜厚やベルトテンションを決定することになる。また、現在では、ベルトの巻き癖の回避策としてテンションダウンを行う画像形成装置も存在する。
しかしこのような方法においても、ベルトテンションをスプリング加圧によって確保している以上は、スプリングの持つ加圧力の交差によって以下に挙げられる2点が品質の影響を与える。
まず一つはベルトテンションの固体差である。上記スプリング加圧力の公差上限同士のスプリングがテンションローラ両端に設置された中間転写体と公差下限同士のスプリングが設置された中間転写体では、ベルトテンションが異なり、色ずれ量もそれに応じて中間転写体によってばらつき、ロバスト性低下を招くことになる。しかもスプリング加圧力が大きいと通常その公差も大きく設定されるため、高いベルトテンションを与えると色ずれ量のバラツキも大きくなる。
そして二つ目には、ベルトテンションの左右偏差である。これもスプリング公差による影響であるが、公差上下限のスプリングがそれぞれテンションローラの片方ずつに設置されている場合、ベルトテンションの左右偏差が生じ、ベルトの寄りが生じる可能性がある。
【0018】
本発明では、図5に示すようにテンションローラ軸の周りに磁極が反対同士に向き合う磁性体の対を設置し、前記ローラ軸の然るべき方向に電流を流し、フレミングの左手の法則によって発生する力をベルトテンションに用いる構成にする。これによって、高いベルトテンションを確保する場合でもスプリング加圧力を高く設定する必要がなくなり、従来の技術よりもスプリング公差が小さくなり、前記公差によるベルトテンションの固体差や左右偏差を低減することができる。
フレミングの左手の法則については簡略図を図6に示す。またこの構成においては、ベルトテンションを上記電流の値で可変にすることができるので、色ずれの固体バラツキを更に小さくする目的で、作像中の中間転写体上の色ずれ検知の結果を基に電流値を制御できるようにする。これにより、本発明の効果で挙げたベルトテンションの固体差をより小さくすることができる。
そしてベルトの端部亀裂やベルトの巻き癖を防止する目的で、上記電流を作像時のみローラ軸に流すことで、非稼動時におけるテンションダウンを図っている。これにより、非作像時にベルト圧脱を行うため、ベルトのカール癖の低減やベルト寿命の延命の効果がある。
【0019】
また、テンションローラに付随するスプリングは従来技術よりも小さい加圧力で設置されている場合には、前記記載から非稼動時におけるテンションダウンにより、ベルトをテンションローラが離間してしまうと、次の作像時におけるテンションアップの際に、前記テンションローラがベルト両端の寄り止め防止部材に乗り上げてしまうおそれがある。これによって走行中のベルトの振動が大きくなって色ずれが大きくなったり、ベルトを傷めてしまう可能性があるので、テンションローラをベルトに保持させるためのスプリングが必要となる。
そこで前記スプリングの加圧力については、小さいほどベルトの端部亀裂やベルトの巻き癖の危険性を回避することができるが、画像形成装置および中間転写体の輸送時や中間転写体の着脱時に発生し得る振動に対して、少なくともベルトにたわみが生じない力でベルトを加圧する。前記のようなベルトの寄り止め防止部材への乗り上げを防止するためである。その加圧力の下限は、輸送時や着脱時に発生すると考えられる強度の振動によってベルトにたるみが生じる最低限の力とすることにより、振動発生時でも中間転写体のローラがベルト両端に設けてある寄り止め防止部材に乗り上げることがなくなる。
【0020】
また、前記スプリングに振動を減衰させるダンパーを追加させることで、作像中のテンションアップの状態から急にテンションダウンに移行した際でも、テンションローラの振動を小さく抑えることができ、前記したようなベルトの寄り止め防止部材への乗り上げを防止することができる。ダンパー部材について安価なものを例に挙げるとゴム部品が代表的である。ゴムはもともと粘弾性体であるため実際には図7に示すような形で使用すればよい。これにより、作像時に急に電源OFF状態になった場合でもテンションローラの振動を抑制させることができ、その時に発生する振動によって中間転写体のローラがベルト両端の寄り止め防止部材に乗り上げることがなくなる。
【0021】
また、ベルトテンションの増加に伴ってテンションローラの中央部にたわみが生じる場合がある。そこでテンションローラの中央部にたわみが生じないベルトテンションの場合においては、磁性体51の対はローラ軸の径方向に磁極が反対向きに設置されていれば電流による力は発生するので、前記ローラの両端軸受部にのみ前記磁性体51の対を設置すれば磁性体に大きなスペースを奪われることがなくなる。
【0022】
またテンションローラの中央部にたわみが生じてしまうベルトテンションの場合においては、前記たわみを低減させるためにローラ軸方向において連続となる磁性体51を設置すれば、テンションローラは電流によって等分布荷重を発生させることができる。つまり、本発明に記載の磁性体がローラ軸方向においてローラ軸両端まで連続に設置されることによって、ローレンツ力が等分布力としてローラ軸に作用するため、本発明の効果で挙げたベルトテンションの左右偏差をより小さくすることができ、また高いベルトテンションの時でもテンションローラ中央部に発生するたわみを低減させることができる。
また、この場合、軸方向に連続した磁性体を設置するためのスペースが必要となるので、図8に示すように軸方向に連続した磁性体をテンションローラ内に設置すれば、省スペース化を図ることができる。テンションローラは中空であり、その中に中空の筒を入れ、更にその筒の中にローラ軸(導電性)を通して、中の筒とローラ外壁はローラ両端にて軸受で保持させ、ローラ外壁はベルトと連れ回り可能で、中の筒を固定にしておく。
【0023】
図9は、ローラ内部に磁性体を設置する方法を示した図である。中間筒58は、テンションローラに固定されている。磁性体51は、中間筒58内壁に接着している。テンションローラ外壁60は、ベルトに連れ周り可能である。導電性軸59は、固定されている。また、中間筒58と導電性軸59は、軸受で保持され、軸は力が発生する方向に移動可能である(A部)。さらに、テンションローラ外壁60と中間筒58は、軸受で保持されている(B部)。図9に示すように中の筒の内壁に連続した磁性体51の対を貼り付けておけば、軸に電流が流れたときに力が発生する。
【0024】
また、前記の中間転写体を有する画像形成装置は、色ずれのロバスト性が高く、ベルト寄り、巻き癖およびベルト端部亀裂の生じにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】タンデム型中間転写方式の画像形成装置を示す図である。
【図2】中間転写部の概略構成図である。
【図3】従来のベルト加張方法を示した概略図である。
【図4】ベルトテンションと色ずれ量の関係を表したグラフである。
【図5】電流制御によるベルトテンションを示した図である。
【図6】フレミングの左手の法則についての簡略図を示した図である。
【図7】テンションローラの振動抑制機構を示した図である。
【図8】連続の磁性体設置による方法を示した図である。
【図9】ローラ内部に磁性体を設置する方法を示した図である。
【符号の説明】
【0026】
1 感光体
4 露光装置
10 テンションローラ(支持ローラ)
11 中間転写体
12 支持ローラ
20 一次転写ローラ
22 クリーニングブレード
25 中間転写体クリーニング装置
26 給紙カセット
27 給紙ローラ
28 レジストローラ
29 給紙路
30 定着装置
32 排出ローラ
34 支持ローラ
35 支持ローラ
36 二次転写ローラ
40 排紙トレイ
50 圧縮スプリング
51 磁性体
52 ダンパー部材
53 導電性軸(ローラ側)
54 ゴム部材
55 スプリング軸(導電性)
56 板金(ゴム部材を包囲)
57 導電性軸
58 中間筒
59 導電性軸
60 テンションローラ外壁
100 二次転写ベルト
111 ローラ
112 ローラ
200 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状ベルトを有し、スプリングが付随しているローラをベルトに押し付けることによってベルトにテンションをかけている中間転写体において、
前記中間転写体は、前記ローラ軸が導電性であり、
前記ローラ軸の周りに磁極が反対同士に向き合う磁性体の対を設置し、
前記ローラ軸に電流を流すことで前記ローラ軸に発生する力をベルトテンションに用いる
ことを特徴とする中間転写体。
【請求項2】
請求項1に記載の中間転写体において、
前記中間転写体は、電流が前記中間転写体上の色ずれ検知の結果を基に制御可能である
ことを特徴とする中間転写体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の中間転写体において、
前記中間転写体は、電流が画像形成装置の作像時にのみローラ軸に流れる
ことを特徴とする中間転写体。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の中間転写体において、
前記中間転写体は、非作像時におけるスプリングの加圧力が、輸送時や着脱時の振動によってベルトにたるみが生じる最低限の力以上である
ことを特徴とする中間転写体。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つに記載の中間転写体において、
前記中間転写体は、スプリングが付随したローラが、前記ローラの振動を減衰させるダンパーを有する
ことを特徴とする中間転写体。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つに記載の中間転写体において、
前記中間転写体は、前記対を成す磁性体が、前記ローラ軸の両端軸受部にのみ設置されている
ことを特徴とする中間転写体。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか一つに記載の中間転写体において、
前記中間転写体は、前記対を成す磁性体が、ローラ軸方向に、ローラ軸両端まで連続に設置される
ことを特徴とする中間転写体。
【請求項8】
請求項7に記載の中間転写体において、
前記中間転写体は、前記磁性体の対が、前記ローラ内部に設置されている
ことを特徴とする中間転写体。
【請求項9】
画像形成装置は、請求項1乃至8のいずれか一つに記載の中間転写体を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−171282(P2007−171282A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−365077(P2005−365077)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】