説明

二層発泡成形方法および装置並びに二層発泡成形品

【課題】主に、第一層部分の共用型当接部と共用型との間の隙間部に第二層部分を廻り込ませ得るようにする。
【解決手段】共用型24と一層目成形用型25とを用いて第一層部分22の成形を行う第一層成形工程と、成形された第一層部分22を残したままの共用型24と二層目成形用型26とを用いて発泡性の第二層部分23の成形を行う第二層成形工程とにより、第一層部分22と発泡性の第二層部分23とが一体化された二層発泡成形品31の成形を行う二層発泡成形方法であって、第一層成形工程で成形された第一層部分22の共用型当接部と共用型24との間に、隙間部61を形成した状態で第二層成形工程を行うことにより、第一層部分22の縁部から隙間部61へ第二層部分23を廻り込ませて、第一層部分22の共用型当接部の縁部に第二層部分23と一体の廻込部60を形成するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、二層発泡成形方法および装置並びに二層発泡成形品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両には、各種の樹脂成形品が用いられている。
【0003】
このような樹脂成形品1には、例えば、図7に示すようなインストルメントパネル2や、エアバッグリッドなどのリッド部材や、その他の成形部品などが存在している。ここで、インストルメントパネル2は、車室内の前部に設けられる車室前部内装パネルである。
【0004】
このインストルメントパネル2には、裏面側から順に、芯材3と、発泡層4と、表皮層5とを有する三層構造のものが存在している。
【0005】
この三層構造のインストルメントパネル2は、通常、以下のようにして製造されている。
【0006】
即ち、先ず、射出成形装置などの芯材成形装置6を用いて芯材3を射出成形する(芯材成形工程7)。そして、これとは別に、パウダースラッシュ成形装置または真空成形装置などの表皮層成形装置8を用いて表皮層5をパウダースラッシュ成形または真空成形する(表皮層成形工程9)。
【0007】
次に、得られた芯材3と表皮層5とに対し、シールテープ処理やプライマー処理などの発泡前処理を行う(発泡前処理工程11)。この発泡前処理は、主に、後述する発泡剤(薬液)の漏れなどを防止するために行われる。こうして準備が整ったら、芯材3と表皮層5とを発泡成形装置(発泡層成形装置12)にセットして、芯材3と表皮層5との間に発泡剤を注入し、発泡剤を発泡させる(インストルメントパネル成形工程13)。これにより、芯材3と表皮層5との間に発泡層4が形成(発泡成形)されて、芯材3と発泡層4と表皮層5とが一体化された三層構造のインストルメントパネル2が成形される。
【0008】
最後に、得られたインストルメントパネル2に対し、発泡後処理として、製品端末部や開口部などの余分な部分をトリミングする(発泡後処理工程14)。以上により、インストルメントパネル2が完成する。
【0009】
このように、芯材3と、表皮層5とを別々に成形してから発泡層4を成形するようにした場合、複数の異なる成形装置(芯材成形装置6、表皮層成形装置8、発泡層成形装置12)がそれぞれ必要となって設備コストや生産コストや生産時間などがかかるという問題がある。また、発泡前処理や発泡後処理に手間がかかるなどの問題がある。
【0010】
そのため、近年、二色成形の技術と、射出発泡成形の技術とを組合せることにより、一台の射出成形装置で、硬質の芯材と、発泡性を有する軟質の表皮層とを成形するようにした、いわゆる二層発泡成形の研究などが進められている(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
ここで、射出発泡成形とは、発泡用ガスを混入した樹脂原料を金型内へ射出して、金型内で発泡させるようにするものである。そして、射出発泡成形では、上記した発泡用ガスを混入した樹脂原料の射出後、樹脂原料が硬化するまでの間に、金型をコアバックさせる(若干の型開きを行わせる)ことにより、金型内が減圧されて樹脂内の発泡用ガスが膨張するため、樹脂原料を目標板厚となるように膨らませることが可能である。なお、樹脂原料には、汎用樹脂や熱可塑性エラストマーなどが用いられる。発泡用ガスには、重曹などの化学発泡剤(化学的なもの)や、N2やCO2などのガス(物理的なもの)が用いられる。発泡用ガスは、例えば、樹脂原料の可塑化時に混入される。
【0012】
そして、上記した二層発泡成形は、より具体的には、以下のようなものである。
【0013】
図8A〜図8Dに示すように、先ず、二層発泡成形装置21として、第一層部分22(芯材、図8A参照)の成形と第二層部分23(表皮層、図8C参照)の成形とに共用可能な共用型24と、第一層部分22の成形に使用可能な一層目成形用型25と、第二層部分23の成形に使用可能な二層目成形用型26とを用意する。この二層目成形用型26は、一層目成形用型25に対し、内部(成形空間)が一回り大きくなるように構成されている。
【0014】
この場合、共用型24は、可動型で且つ凸形状の成形面27を有するコア型とされている。一層目成形用型25と二層目成形用型26とは、固定型で且つ凹形状の成形面28,29をそれぞれ有するキャビティ型とされている。
【0015】
また、一層目成形用型25と二層目成形用型26とは、(この場合には、左右に)隣接配置されている。共用型24は、一層目成形用型25と二層目成形用型26とに対して、(この場合には左右方向の)スライドによる型替え、および、(この場合には、水平方向(前後方向)の)近接離反動による型締めおよび型開きを行い得るように構成されている。
【0016】
なお、上記した図8の二層発泡成形装置21では、金型の構成は、1個のコア型と2個のキャビティ型とを備えた、いわゆる1コア2キャビティタイプのものとなっている。
【0017】
しかし、二層発泡成形装置21の金型構成は、これに限るものではない。例えば、2個のコア型と2個のキャビティ型とを備えた、いわゆる2コア2キャビティタイプのものとしても良い。また、1個のコア型と1個のキャビティ型とを備えた、いわゆる1コア1キャビティタイプのものとしても良い。
【0018】
また、図8に示すように、共用型24には、成形された二層発泡成形品31(例えば、インストルメントパネルなどの樹脂成形品、図9参照)を脱型可能なエジェクタピン33が、製品突出装置として設けられている。この場合、エジェクタピン33の突出方向(製品突出方向、脱型方向)は、型開閉方向34と同じに設定されている。
【0019】
そして、一層目成形用型25には、PPなどの汎用樹脂を射出、注入可能な第一層用射出機35が取付けられている。また、二層目成形用型26には、熱可塑性エラストマーなどに発泡用ガスを混入して射出、注入可能な第二層用射出機36が取付けられている。
【0020】
なお、二層目成形用型26に対して共用型24をコアバックさせる際に、第二層成形用樹脂原料である熱可塑性エラストマーの漏れを防止し得るようにするために、少なくとも二層目成形用型26には、共用型24の外周部分に対して型開閉方向34へ摺接状態で外嵌可能な外嵌部37(シール構造部)が設けられている。
【0021】
そして、二層発泡成形品31の成形を行う場合、図8Aに示すように、第一層成形工程で、共用型24と一層目成形用型25とを用いて硬質の第一層部分22の成形を行う。
【0022】
即ち、共用型24と一層目成形用型25とを型締めし、金型内(共用型24と一層目成形用型25との間の成形空間)に、第一層用射出機35から第一層成形用樹脂原料(芯材成形用樹脂原料)として、PPなどの汎用樹脂を注入することにより第一層部分22を成形する。
【0023】
その後、図8Bに示すように、二層発泡成形装置21を一度型開きし、一層目成形用型25を、第二層部分23の成形に使用可能な二層目成形用型26と交換する(型交換工程。この場合には、共用型24を二層目成形用型26の側(左側)へスライドさせる)。
【0024】
次に、図8Cに示すように、第二層成形工程で、成形された第一層部分22を残したままの共用型24と二層目成形用型26とを用いて発泡性の(軟質の)第二層部分23の成形を行う。
【0025】
即ち、共用型24と二層目成形用型26とを型締めし、金型内(共用型24(第一層部分22を含む)と二層目成形用型26との間の成形空間)に、第二層用射出機36から第二層成形用樹脂原料(表皮層成形用樹脂原料)として、発泡用ガスを混入した熱可塑性エラストマーなどを注入することにより、第二層部分23を成形する。
【0026】
この際、特に図示していないが、第二層成形用樹脂原料は、二層目成形用型26と接している部分が、未発泡のまま先に硬化することにより、比較的密度の高い表層部分38が形成されて行く。それ以外の未硬化の第二層成形用樹脂原料は、発泡しながら硬化して行く。
【0027】
そして、図8Dに示すように、未硬化の第二層成形用樹脂原料が発泡と硬化とを行っている途中で、二層目成形用型26に対し、共用型24をコアバックさせる(若干の型開きを行わせる)ようにする(コアバック工程)。
【0028】
すると、金型内が減圧されて熱可塑性エラストマー内の発泡用ガスが膨張するため、成形空間のコアバックによって拡張された空間の部分を埋めるように第二層成形用樹脂原料の未硬化の部分が一気に膨らむ。
【0029】
これにより、図9に示すように、第一層部分22と発泡性の第二層部分23とが一体化された二層発泡成形品31(例えば、インストルメントパネル)の成形を行うことができる。
【0030】
この際、硬化後の第二層部分23には、上記したように、少なくとも、比較的密度の高い表層部分38と、比較的密度の低い中間層部分39とが形成される(即ち、内部が実質的に多層状態となる)。但し、表層部分38と中間層部分39との間には、明確な境界線は生じない(なお、図面では、表現上の都合により、境界線を記載している場合がある)。ここで、表層部分38と中間層部分39との厚さの割合や発泡率などは、コアバックの量やタイミングなどによってある程度、設定したり調整したりすることができる。
【0031】
そして、図8では特に図示していないが、脱型工程で、エジェクタピン33などの製品突出装置を用いて脱型を行うことにより、上記した三層構造のインストルメントパネル2とほぼ同等の構成を有するインストルメントパネルなどの二層発泡成形品31を得ることができる。
【0032】
そして、より具体的に、例えば、図10に示すような第一層部分22(芯材)を有する二層発泡成形品31(図11D参照)を成形する場合、図11(〜図13)に示すような二層発泡成形装置21を用いることになる。
【0033】
ここで、図10の第一層部分22について説明すると、この第一層部分22は、主に、フラットな面部41を有するものとされている。また、フラットな面部41の内側には、開口部42,43が形成されている。この場合、面部41は矩形状のものとされ、開口部42,43は、2個形成されると共に、それぞれ、矩形状および円形状のものとされている。そして、フラットな面部41の外周縁部には、フランジ部44が形成されている。
【0034】
一方、矩形状の開口部42の開口縁部は、フラットな面部41に対して面外張出部分のないフラット縁部45とされている。また、円形状の開口部43の開口縁部には、フランジ部46が形成されている。そして、フラットな面部41の外周縁部のフランジ部44は、フラットな面部41に対してほぼ面直な面直フランジ部47と、フラットな面部41に対して傾斜した傾斜フランジ部48とで構成されている。また、開口部43の開口縁部のフランジ部46は、面直フランジ部47とされている。
【0035】
これに対し、図11(〜図13)に示すような二層発泡成形装置21には、共用型24の成形面27に、図12に示すように、フランジ面成形部51と、フランジ端面成形部55とが設けられている。そのうち、フランジ面成形部51は、第一層部分22のフランジ部44(面直フランジ部47、傾斜フランジ部48(図11A参照))のフランジ面44aに対応するものである。フランジ面成形部51には、面直フランジ面成形部52や、傾斜フランジ面成形部53(図11A参照)などがある。また、フランジ端面成形部55は、第一層部分22のフランジ部44の端面44bと第二層部分23のフランジ包囲部54の端面54a(図12(b)参照)とに対応するものである。
【0036】
なお、第二層部分23のフランジ包囲部54は、第一層部分22のフランジ部44(の側面部分)を覆うものである。また、第一層部分22のフランジ部44の端面44bと、第二層部分23のフランジ包囲部54の端面54aとは、面一に形成されている。
【0037】
また、共用型24の成形面27には、図13に示すように、フラット面成形部57が設けられている。このフラット面成形部57は、第一層部分22のフラット縁部45の縁部裏面45aと、第二層部分23の端面包囲部56の端面部分56aとに対応するものである。なお、第二層部分23の端面包囲部56は、第一層部分22のフラット縁部45の端面を覆うものである。また、第一層部分22のフラット縁部45の縁部裏面45aと、第二層部分23の端面包囲部56の端面部分56aとは、面一に形成されている。
【0038】
そして、第一層部分22の裏面は、共用型24の成形面27と当接する共用型当接部とされている。更に、上記したフランジ部44のフランジ面44aと端面44b、および、フラット縁部45の縁部裏面45aは、第一層部分22の共用型当接部の縁部となっている。
【0039】
ここで、図11Aは第一層成形工程、図11Bは第二層成形工程、図11Cはコアバック工程、図11Dは脱型工程である。また、図12(a)、図13(a)は第一層成形工程、図12(b)、図13(b)は第二層成形工程である。なお、型交換工程については、図示を省略している。
【0040】
一方、この二層発泡成形装置21とは別に、上記した三層構造のインストルメントパネル2の製造における、上記した発泡前処理を簡略化し得るようにしたものとして、金型の内部に、金型とは別に形成されたゴム製の柔軟なシール部材を取付け、このシール部材によって発泡剤の漏れなどを防止し得るようにしたものなども知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第3118125号
【特許文献2】特開2006−68914号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0041】
しかしながら、上記した二層発泡成形には、以下のような問題があった。
【0042】
即ち、図12(a)、図13(a)に示すように、第一層成形工程で成形した第一層部分22を残した状態で、図12(b)、図13(b)に示すように、第二層成形工程で第二層部分23の成形を行うようにしているため、第二層部分23の成形の際に、第一層部分22(の内側面部分など)が、そのまま共用型24の成形面として使われることになる。そのため、第一層部分22の共用型当接部(裏面)の縁部(フランジ面44aや、端面44bや、縁部裏面45aなど)と共用型24との間に、第二層成形用樹脂原料(発泡用ガスを混入された熱可塑性エラストマー)を廻り込ませるようにすることなどが困難であった。
【0043】
よって、得られる二層発泡成形品31(例えば、インストルメントパネル)は、第一層部分22の共用型当接部の縁部などがむき出しになってしまい、外観品質が低下したり、周辺部品との間で組合せ上の不具合が生じたりするおそれがある。また、これに伴い、第一層部分22の共用型当接部の縁部と周辺部品との間で、当りや擦れ合いによる低級音が発生するおそれなども生じる。
【0044】
なお、上記した以外にも、本発明に至る過程で新たな問題やその他の問題などが発生することも考えられる。このような新たな問題やその他の問題などについては、この欄で記載する代りに本発明の実施例の中で説明するものとする。但し、この欄に記載する必要が生じた場合には、実施例中の当該記載をこの欄にも加えることができるものとする。また、その場合には、この欄の記載に適した表現に修正することができるものとする。
【課題を解決するための手段】
【0045】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、共用型と一層目成形用型とを用いて第一層部分の成形を行う第一層成形工程と、成形された第一層部分を残したままの共用型と二層目成形用型とを用いて発泡性の第二層部分の成形を行う第二層成形工程とにより、第一層部分と第二層部分とが一体化された二層発泡成形品の成形を行う二層発泡成形方法において、第一層成形工程で成形された第一層部分の共用型当接部と共用型との間に、隙間部を形成した状態で第二層成形工程を行うことにより、第一層部分の縁部から隙間部へ第二層部分を廻り込ませて、第一層部分の共用型当接部の縁部に第二層部分と一体の廻込部を形成することを特徴としている。
【0046】
請求項2に記載された発明は、上記において、第一層成形工程で成形された第一層部分の共用型当接部と共用型との間の隙間部を、途中で堰止められるようにした状態で第二層成形工程を行うことにより、隙間部へ廻り込んだ第二層部分の隙間部内での拡がり過ぎを防止し得るようにすることを特徴としている。
【0047】
請求項3に記載された発明は、第一層部分の成形と発泡性の第二層部分の成形とに共用可能な共用型と、第一層部分の成形に使用可能な一層目成形用型と、第二層部分の成形に使用可能な二層目成形用型とを備えて、第一層部分と第二層部分とが一体化された二層発泡成形品を成形可能に構成した二層発泡成形装置において、成形された第一層部分の共用型当接部と共用型との間に隙間部を形成することにより、第一層部分の縁部から隙間部へ第二層部分を廻り込ませて、第一層部分の共用型当接部の縁部に第二層部分と一体の廻込部を形成可能な隙間部形成機構を共用型に設けたことを特徴としている。
【0048】
請求項4に記載された発明は、上記において、成形された第一層部分の共用型当接部と共用型との間の隙間部に、隙間部へ廻り込んだ第二層部分を途中で堰止めて、隙間部内での第二層部分の拡がり過ぎを防止可能な堰止部を設けたことを特徴としている。
【0049】
請求項5に記載された発明は、上記において、前記隙間部形成機構が、二層発泡成形品を脱型可能なエジェクタピンと、該エジェクタピンの突出長を制御することにより隙間部の大きさを自在に設定、調整可能なエジェクタピン制御機構とを備えたことを特徴としている。
【0050】
請求項6に記載された発明は、上記において、前記エジェクタピンは、その先端部に変形防止形状部を備え、該変形防止形状部は、隙間部を形成することに伴って第一層部分が変形するのを抑制、防止可能なことを特徴としている。
【0051】
請求項7に記載された発明は、上記において、前記エジェクタピンは、第一層部分浮上防止機構部を備え、該第一層部分浮上防止機構部は、隙間部へ廻り込んだ第二層部分によって、第二層部分の成形中に第一層部分が浮上がるのを防止可能なことを特徴としている。
【0052】
請求項8に記載された発明は、上記において、前記堰止部が、共用型に形成された堰止部成形用凹部によって、第一層部分に一体成形された突形状部であり、該突形状部が、第一層部分から隙間部形成方向へ突出すると共に、隙間部よりも突出量が大きくなるように構成されたことを特徴としている。
【0053】
請求項9に記載された発明は、上記において、前記堰止部成形用凹部と前記突形状部とが、外側面部分に隙間部形成方向とほぼ面直となるシール面を有すると共に、内側面部分に先細りとなる食付防止用テーパ面を有することを特徴としている。
【0054】
請求項10に記載された発明は、第一層部分と発泡性の第二層部分とが一体化された二層発泡成形品において、前記第二層部分が、第一層部分の共用型当接部の縁部に廻り込んでなる廻込部を一体に有することを特徴としている。
【0055】
なお、上記は、それぞれ、所要の作用効果を発揮するための必要最小限の構成であり、上記構成の詳細や、上記されていない構成については、それぞれ自由度を有しているのは勿論である。そして、上記構成の記載から読取ることが可能な事項については、特に具体的に記載されていない場合であっても、その範囲内に含まれるのは勿論である。また、上記以外の構成を追加した場合には、追加した構成による作用効果が加わることになるのは勿論である。
【発明の効果】
【0056】
請求項1の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、共用型と一層目成形用型とを用いて第一層部分の成形を行う第一層成形工程と、成形された第一層部分を残したままの共用型と二層目成形用型とを用いて発泡性の第二層部分の成形を行う第二層成形工程とを順に行うことにより、第一層部分と第二層部分とが一体化された二層発泡成形品の成形を行うようにする。そして、共用型に設けた隙間部形成機構によって、第一層成形工程で成形された第一層部分と共用型との間に隙間部を形成して、第二層成形工程を行うことにより、第一層部分の縁部から隙間部へ第二層部分を廻り込ませて、第一層部分の共用型当接部の縁部に第二層部分と一体の廻込部を形成することができる。この廻込部によって、二層発泡成形品の第一層部分の共用型当接部の縁部などがむき出しになることが防止できる。以て、第一層部分の共用型当接部の縁部などがむき出しになることによる外観品質の低下を防止することができる。また、柔軟な廻込部が介在されることで、第一層部分の共用型当接部の縁部と周辺部品との間の組合せ上の不具合などを防止することができると共に、第一層部分の共用型当接部の縁部と周辺部品との当りや擦れ合いによる低級音の発生を防止することが可能となる。
【0057】
請求項2の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、第一層成形工程で成形された第一層部分の共用型当接部と共用型との間の隙間部へ廻り込んだ第二層部分を途中で堰止めることにより、隙間部内での第二層部分の拡がり過ぎを防止することができる。これにより、堰止部で第二層部分の拡がりを規制して、第二層部分を隙間部の必要部分のみに意図的に拡がらせるようにコントロールすることができる。
【0058】
請求項3の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、共用型と一層目成形用型とを用いて第一層部分の成形を行い、成形された第一層部分を残したままの共用型と二層目成形用型とを用いて発泡性の第二層部分の成形を行うことにより、第一層部分と第二層部分とが一体化された二層発泡成形品を製造する。そして、共用型に設けた隙間部形成機構によって、成形された第一層部分の共用型当接部と共用型との間に隙間部を形成することにより、第二層部分の形成を行う際に、第一層部分の縁部から隙間部へ第二層部分を廻り込ませて、第一層部分の共用型当接部の縁部に第二層部分と一体の廻込部を形成することができる。これによって、第一層部分の共用型当接部の縁部などがむき出しになることが防止できる。以て、第一層部分の共用型当接部の縁部などがむき出しになることによる外観品質の低下を防止することができる。また、柔軟な廻込部が介在されることで、第一層部分と周辺部品との間の組合せ上の不具合などを防止することができると共に、第一層部分の共用型当接部の縁部と周辺部品との当りや擦れ合いによる低級音の発生を防止することが可能となる。
【0059】
請求項4の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、成形された第一層部分の共用型当接部と共用型との間の隙間部に設けた堰止部によって、隙間部へ廻り込んだ第二層部分を途中で堰止めて、隙間部内での第二層部分の拡がり過ぎを防止することができる。これにより、堰止部で第二層部分の拡がりを規制して、第二層部分を隙間部の必要部分のみに意図的に拡がらせるようにコントロールすることができる。
【0060】
請求項5の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、エジェクタピン制御機構を用いて、エジェクタピンの突出長を制御することによって、隙間部を形成すると共に、隙間部の大きさを自在に設定、調整することができる。これにより、既存のエジェクタピンを隙間部形成機構として、隙間部の形成に対しても有効活用することが可能となり、特別の隙間部形成機構を設ける必要をなくすことができる。
【0061】
請求項6の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、エジェクタピンの先端部に設けられた変形防止形状部によって、隙間部を形成することに伴って、エジェクタピンの先端部によって第一層部分が変形するのを抑制、防止することができる。これにより、第一層部分の変形による製品不具合の発生を防止することができる。
【0062】
請求項7の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、エジェクタピンに設けられた第一層部分浮上防止機構部によって、第二層部分の成形中に、隙間部へ廻り込んだ第二層部分によって第一層部分が浮上がるのを防止することができる。これにより、第一層部分の浮上がりによる製品不具合の発生を防止することができる。
【0063】
請求項8の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、堰止部成形用凹部が形成された共用型を用いて第一層部分を成形することにより、堰止部成形用凹部の部分に、堰止部として第一層部分と一体の突形状部を得ることができる。そして、堰止部が第一層部分と一体に設けられた突形状部であることにより、堰止部を別に用意したり取付けたりするコストや手間を削減することができる。また、堰止部を、第一層部分から隙間部形成方向へ隙間部よりも突出量が大きくなるようにすることにより、堰止部が堰止部成形用凹部から完全に外れて機能しなくなることを防止することができる。即ち、隙間部を形成するために、堰止部成形用凹部から堰止部を引出す際に、堰止部が確実に機能されるようにすることができる。
【0064】
請求項9の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、堰止部成形用凹部と突形状部との外側面部分に設けた隙間部形成方向とほぼ面直となるシール面により、隙間部を形成する際の堰止部と堰止部成形用凹部との間のシール性を確保することができる。また、堰止部成形用凹部と突形状部との内側面部分に設けた先細りとなる食付防止用テーパ面により、隙間部を形成する際の堰止部と堰止部成形用凹部との間の食付きを防止することができる。これにより、有効に機能する堰止部を得ることができる。
【0065】
請求項10の発明によれば、上記構成によって、請求項1または請求項3と同様の作用効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
本発明は、主に、第一層部分の共用型当接部と共用型との間の隙間部に第二層部分を廻り込ませ得るようにすることを目的としている。
【0067】
以下、本発明を具体化した実施例について、図示例と共に説明する。
【0068】
なお、以下の実施例は、上記した背景技術や発明が解決しようとする課題などと密接な関係があるので、必要が生じた場合には、互いに、記載を流用したり、必要な修正を伴って流用したりすることができるものとする。
【実施例】
【0069】
図1〜図6は、この発明の実施例およびその変形例を示すものである。
【0070】
なお、上記した図8〜図13、および、これらの図面に対する記載などについては、この実施例においても基本的にほぼ同様なので、明細書の冗長化を防止するために、記載を省略している。よって、省略した部分については、必要に応じて、上記した図面および記載を参照する。但し、この実施例と構成の異なる部分については、参照しない。即ち、図1〜図6およびこれに対する記載を優先する。また、必要が生じた場合には、省略している部分の記載をこの欄に追加できるものとする。そのために、図8〜図13と、同一ないし均等な部分については、同一の符号を付すことにより、これらとの対応関係を明確にし、疑義が生じないようにしている。
【0071】
<構成>まず、構成について説明する。
【0072】
共用型24と一層目成形用型25とを用いて第一層部分22の成形を行う第一層成形工程(図1A参照)と、第一層成形工程で成形された第一層部分22を残したままの共用型24と、(一層目成形用型25と交換された)二層目成形用型26とを用いて発泡性の第二層部分23の成形を行う第二層成形工程(図1C参照)とにより、第一層部分22と発泡性の第二層部分23とが一体化された二層発泡成形品31の成形を行い得るようにする(図1D参照)。このような、二層発泡成形方法において、以下のような構成を備えるようにする。
【0073】
(1)図1Aの第一層成形工程で成形された第一層部分22の共用型当接部(共用型24との当接面)と共用型24との間に、図1Bに示すように、隙間部61を形成した状態で、図1Cの第二層成形工程を行うことにより、第一層部分22の縁部(外周縁部や開口縁部)から隙間部61へ第二層部分23を廻り込ませて、第一層部分22の共用型当接部(裏面)の縁部(外周縁部の裏面や開口縁部の裏面など)に第二層部分23と一体の廻込部60を形成するようにする。
【0074】
ここで、上記したように、第一層部分22の共用型当接部の縁部は、より具体的には、フランジ部44のフランジ面44aと端面44b、および、フラット縁部45の縁部裏面45aなどである。隙間部61は、共用型24に対して、第一層部分22を全体的に浮かせることによって形成する。隙間部61は、第二層部分23が廻り込み得る程度の大きさのものであれば良い。具体的には、隙間部61は、1mm〜2mm程度のほぼ全体に均一なものとする。廻込部60は、隙間部61へ入り込んだ第二層部分23として図示されたものである。
【0075】
(2)上記において、第一層成形工程で成形された第一層部分22の共用型当接部と共用型24との間の隙間部61を、途中で堰止められるようにした状態で、図1Cの第二層成形工程を行うことにより、隙間部61へ廻り込んだ第二層部分23の隙間部61内での拡がり過ぎを防止し得るようにする。
【0076】
即ち、第二層部分23は、意図的に隙間部61内の必要部分にのみ拡がらせ得るようにする。なお、廻り込んだ第二層部分23の拡がり過ぎを防止する手段(堰止部63など)については後述する。
【0077】
そして、上記方法を実施するための装置構成として、第一層部分22の成形と発泡性の第二層部分23の成形とに共用可能な共用型24と、第一層部分22の成形に使用可能な一層目成形用型25と(主に図1A参照)、第二層部分23の成形に使用可能な二層目成形用型26と(主に図1C参照)を備えて、第一層部分22と発泡性の第二層部分23とが一体化された二層発泡成形品31(主に図1D参照)を成形可能に構成した二層発泡成形装置21を用いるようにする。このような二層発泡成形装置21において、以下のような構成を備えるようにする。
【0078】
(3)図1Bに示すように、成形された第一層部分22の共用型当接部と共用型24との間に隙間部61を形成することにより、第一層部分22の縁部から隙間部61へ第二層部分23を廻り込ませて、第一層部分22の共用型当接部の縁部に第二層部分23と一体の廻込部60を形成可能な隙間部形成機構62(図2参照)を共用型24に設けるようにする。
【0079】
(4)上記において、図4に示すように、成形された第一層部分22の共用型当接部と共用型24との間の隙間部61に、隙間部61へ廻り込んだ第二層部分23を途中で堰止めて、隙間部61内での第二層部分23の拡がり過ぎを防止可能な堰止部63を設けるようにする。
【0080】
即ち、堰止部63によって、隙間部61での第二層部分23の拡がりを規制し得るようにする。このような堰止部63により、上記した廻込部60は、隙間部61の、堰止部63で堰止められるまでの部分に対して形成されることとなる。堰止部63は、好ましくは、第二層部分23の拡がりを、第一層部分22の共用型当接部の縁部に規制し得るものとする。そのため、堰止部63は、第一層部分22の縁部(外周縁部および開口縁部など)からほぼ一定の距離の位置に設けるようにするのが好ましい。
【0081】
(5)上記において、図2または図3に示すように、隙間部形成機構62が、二層発泡成形品31を脱型可能なエジェクタピン33と、エジェクタピン33の突出長を制御することにより隙間部61の大きさを自在に設定、調整可能なエジェクタピン制御機構64とを備えるようにする。
【0082】
即ち、エジェクタピン制御機構64を利用して、エジェクタピン33を僅かな量だけ突出させることによって、第一層部分22を僅かに持上げ得るように構成する。
【0083】
ここで、第一層部分22に対し、エジェクタピン33は、堰止部63よりも内側の部分(第一層部分22の縁部から離れた部分)に設けられている。エジェクタピン制御機構64は、エジェクタピン33を駆動する駆動装置65などに対して設けることができる。エジェクタピン制御機構64は、機械的なものであっても電気的なものであっても良い。
【0084】
(6)上記において、図5に示すように、エジェクタピン33は、その先端部に変形防止形状部66を備えることができる。この変形防止形状部66は、隙間部61を形成することに伴って第一層部分22が変形するのを抑制、防止可能なものとして構成される。
【0085】
ここで、変形防止形状部66は、例えば、エジェクタピン33の先端部に設けた、ブロック状の接触面積拡大部等とすることができる。これに対応させて、共用型24に設けられるエジェクタピン33のピン孔67も、成形面27側の開口部分に変形防止形状部66を収容可能な形状および大きさの拡大形状部68を備えるようにする。
【0086】
なお、変形防止形状部66(接触面積拡大部等)は、第一層部分22と接する面を、第一層部分22をエジェクタピン33で持上げる際に第一層部分22の変形や損傷を抑制、防止できる大さにすると共に、第二層部分23の注入圧や発泡圧による第一層部分22の変形や損傷を抑制、防止できる大さにする。
【0087】
(7)上記において、図5に示すように、エジェクタピン33は、第一層部分浮上防止機構部71を備えることができる。この第一層部分浮上防止機構部71は、隙間部61へ廻り込んだ第二層部分23によって、第二層部分23の成形中に第一層部分22が浮上がるのを防止可能なものとして構成される。
【0088】
ここで、第一層部分浮上防止機構部71は、エジェクタピン33の先端部に設けられる。そして、第一層部分浮上防止機構部71は、第一層部分22に係止しすることにより、第一層部分22の浮上がりを防止し得るようなものとする。
【0089】
例えば、第一層部分浮上防止機構部71は、例えば、エジェクタピン33の先端部をほぼZ形状に切り欠いてなるZ形状部72を有する、いわゆるZ型エジェクタピン73などとすることができる。このZ型エジェクタピン73は、ピン孔67に対してZ形状部72を僅かに引込めた状態で第一層部分22を成形することにより、ピン孔67内に第一層部分22と一体の突起部分74を形成させ、このピン孔67と同じ大きさ(径寸法)の突起部分74を、先端部のZ形状部72にて係止保持させ得るようにすることにより、第一層部分22の浮上がりを防止し得るようにしたものである。また、エジェクタピン33の先端部に、断面を拡大せずにZ形状部72を設けることにより、Z形状部72と突起部分74とを無理抜きによって係止解除し脱型し得るようにしたものである。即ち、無理抜きできる程度の力で係合させることにより、第一層部分22の浮上がりを防止し得るようにしたものである。
【0090】
また、第一層部分浮上防止機構部71は、例えば、エジェクタピン33の先端部に横方向へ張出す係止部75を有すると共に、エジェクタピン33が全体として型開閉方向34に対して傾斜された、いわゆる傾斜ピン76などとすることができる。この傾斜ピン76は、第一層部分22を成形することにより、ピン孔67の成形面27側の開口部分に設けられた被係止部成形用空間部77に第一層部分22と一体に形成された側面視ほぼL字状の被係止部78を、先端部の係止部75にて係止保持させ得るようにすることにより、第一層部分22の浮上がりを防止し得るようにしたものである。また、エジェクタピン33およびピン孔67を傾斜配置とすることによって、エジェクタピン33を突出すことにより、被係止部78に対し係止部75が横方向へずれて行くと共に、エジェクタピン33を完全に突出した時に、被係止部78と係止部75との係合状態が解除されることで脱型し得るようにしたものである。即ち、被係止部78と係止部75とを比較的強固に係合させることにより、第一層部分22の浮上がりを防止し得るようにすると共に、脱型時には、自動的に係合解除し得るようにしたものである。なお、被係止部78を形成するために、被係止部成形用空間部77は、係止部75よりも一回り大きく形成されている。また、傾斜ピン76は、その基端部(この場合には下端部)を、回動可能に軸支されている。
【0091】
そして、上記したZ型エジェクタピン73および傾斜ピン76は、突起部分74および被係止部78を介して第一層部分22を図中下側から支持することによって、変形防止形状部66としての機能を(多少なりとも)有することができる。特に、傾斜ピン76の場合には、先端部の係止部75が接触面積拡大部等としても機能し得るので、変形防止形状部66も兼ねている。
【0092】
(8)上記において、図4に示すように、堰止部63を、共用型24に形成された堰止部成形用凹部81によって、第一層部分22に一体成形された突形状部82とする。この突形状部82は、第一層部分22から隙間部形成方向へ突出すると共に、隙間部61よりも突出量が大きくなるように構成される。
【0093】
この場合、隙間部形成方向は、型開閉方向34と同じ方向となるように設定されている。
【0094】
(9)上記において、堰止部成形用凹部81と突形状部82とが、外側面部分に隙間部形成方向とほぼ面直となるシール面83,84を有すると共に、内側面部分に先細りとなる食付防止用テーパ面85,86を有するものとする。
【0095】
なお、外側面部分とは、第二層部分23が廻り込んで来る側のことを言う。
【0096】
また、上記した堰止部63(設定堰止部)は、特別に設定されるものである。これに対し、上記したフランジ部46が面直フランジ部47である場合には、フランジ面44aと、フランジ面成形部51とがシール面としての機能を有するで、型構造上設けられる堰止部63(非設定堰止部)ということができる。この場合には、上記した特別な堰止部63は、設けなくても良い(堰止部63を設けても良いことは勿論である)。
【0097】
更に、上記したフランジ部46が傾斜フランジ部48であっても、傾斜フランジ部48の傾斜量が無視できる程度に極く僅かなものである場合には、堰止部63(シール面)としての機能を有することができるので、上記と同様に堰止部63(非設定堰止部)ということができる。
【0098】
そして、例えば、図10の第一層部分22(芯材)の場合、図6に示すように、堰止部63(の突形状部82)は、主に、第一層部分22のフラットな面部41の成形面27側(共用型当接部側)における、開口部42,43の周囲に、開口縁部から僅かに離した状態で、全周を取り囲むように設けられている。
【0099】
また、図6には特に示していないが、堰止部63(の突形状部82)は、第一層部分22のフラットな面部41の成形面27側(共用型当接部側)における、フランジ部44の周囲に、フランジ部44から僅かに内側に離した状態で、全周を取り囲むように設けるようにしても良い。
【0100】
(10)第一層部分22と発泡性の第二層部分23とが一体化された二層発泡成形品31において、上記した方法および装置を用いて、第二層部分23が、第一層部分22の共用型当接部の縁部に廻り込んでなる廻込部60を一体に有する二層発泡成形品31を成形する。
【0101】
<作用>次に、この実施例の作用について説明する。
【0102】
先ず、図1Aで第一層成形工程を行う。次に、型交換工程を行う。そして、図1Cで第二層成形工程を行う、次に、図1Dでコアバック工程を行う。最後に、図1Eで脱型工程を行う。これによって、第一層部分22と発泡性の第二層部分23とが一体化された二層発泡成形品31(例えば、インストルメントパネル)を得るようにする。なお、これらについては、これ以上の説明は省略する。
【0103】
そして、この実施例では、図1Aの第一層成形工程と、図1Cの第二層成形工程との間に、図1Bの芯材(僅少)突出工程を行うようにする。この場合には、第一層成形工程の型開き後で、型交換の前に芯材突出工程を行うようにしている。そして、これによって、第二層部分23が、第一層部分22の共用型当接部の縁部に廻り込んだ二層発泡成形品31を得るようにする。
【0104】
この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
【0105】
(1)共用型24と一層目成形用型25とを用いて第一層部分22の成形を行う第一層成形工程と、(第一層成形工程で)成形された第一層部分22を残したままの共用型24と二層目成形用型26とを用いて発泡性の第二層部分23の成形を行う第二層成形工程とにより、第一層部分22と発泡性の第二層部分23とが一体化された二層発泡成形品31の成形を行う二層発泡成形方法において、第一層成形工程で成形された第一層部分22の共用型当接部と共用型24との間に、(所要の、または、僅少な)隙間部61を形成した状態で第二層成形工程を行うことにより、第一層部分22の縁部(外周縁部や開口縁部)から隙間部61へ第二層部分23を廻り込ませて、第一層部分22の共用型当接部の縁部(外周縁部の裏面や開口縁部の裏面など)に第二層部分23と一体の廻込部60を形成することによって、以下のような作用効果を得ることができる。
【0106】
即ち、共用型24と一層目成形用型25とを用いて第一層部分22の成形を行う第一層成形工程と、成形された第一層部分22を残したままの共用型24と二層目成形用型26とを用いて発泡性の第二層部分23の成形を行う第二層成形工程とを順に行うことにより、第一層部分22と発泡性の第二層部分23とが一体化された二層発泡成形品31の成形を行うようにする。
【0107】
そして、共用型24に設けた隙間部形成機構62によって、第一層成形工程で成形された第一層部分22と共用型24との間に隙間部61を形成して、第二層成形工程を行うことにより、第一層部分22の縁部(外周縁部や開口縁部)から隙間部61へ第二層部分23を廻り込ませて、第一層部分22の共用型当接部の縁部(外周縁部の裏面や開口縁部の裏面など)に第二層部分23と一体の廻込部60を形成することができる。この廻込部60によって、二層発泡成形品31の第一層部分22の共用型当接部の縁部(外周縁部の裏面や開口縁部の裏面)などがむき出しになることが防止できる。以て、第一層部分22の共用型当接部の縁部などがむき出しになることによる外観品質の低下を防止することができる。また、柔軟な廻込部60が介在されることで、第一層部分22の共用型当接部の縁部と周辺部品との間の組合せ上の不具合などを防止することができると共に、第一層部分22の共用型当接部の縁部と周辺部品との当りや擦れ合いによる低級音の発生を防止することが可能となる。
【0108】
(2)上記において、第一層成形工程で成形された第一層部分22の共用型当接部と共用型24との間の隙間部61を、途中で堰止められるようにした状態で第二層成形工程を行うことにより、隙間部61へ廻り込んだ第二層部分23の隙間部61内での拡がり過ぎを防止し得るようにすることによって、以下のような作用効果を得ることができる。
【0109】
即ち、第一層成形工程で成形された第一層部分22の共用型当接部と共用型24との間の隙間部61へ廻り込んだ第二層部分23を途中で堰止めることにより、隙間部61内での第二層部分23の拡がり過ぎを防止することができる。これにより、堰止部63で第二層部分23の拡がりを規制して、第二層部分23を隙間部61の必要部分のみに意図的に拡がらせる(第二層部分23の隙間部61全体への拡がりや不必要部分への拡がりなどを防止する)ようにコントロールすることができる。
【0110】
(3)第一層部分22の成形と発泡性の第二層部分23の成形とに共用可能な共用型24と、第一層部分22の成形に使用可能な一層目成形用型25と、第二層部分23の成形に使用可能な二層目成形用型26とを備えて、第一層部分22と発泡性の第二層部分23とが一体化された二層発泡成形品31を成形可能に構成した二層発泡成形装置21において、成形された第一層部分22の共用型当接部と共用型24との間に隙間部61を形成することにより、第一層部分22の縁部から隙間部61へ第二層部分23を廻り込ませて、第一層部分22の共用型当接部の縁部に第二層部分23と一体の廻込部60を形成可能な隙間部形成機構62(図2参照)を共用型24に設けたことによって、以下のような作用効果を得ることができる。
【0111】
即ち、共用型24と一層目成形用型25とを用いて第一層部分22の成形を行い、成形された第一層部分22を残したままの共用型24と二層目成形用型26とを用いて発泡性の第二層部分23の成形を行う(順に行う)ことにより、第一層部分22と発泡性の第二層部分23とが一体化された二層発泡成形品31を製造(成形)するようにする。
【0112】
そして、共用型24に設けた隙間部形成機構62によって、成形された第一層部分22と共用型24との間に隙間部61を形成することにより、第二層部分23の形成を行う際に、第一層部分22の縁部から隙間部61へ第二層部分23を廻り込ませて、第一層部分22の共用型当接部の縁部に第二層部分23と一体の廻込部60を形成することができる。これによって、第一層部分22の共用型当接部の縁部などがむき出しになることが防止できる。以て、第一層部分22の共用型当接部の縁部などがむき出しになることによる外観品質の低下を防止することができる。また、柔軟な廻込部60が介在されることで、第一層部分22と周辺部品との間の組合せ上の不具合などを防止することができると共に、第一層部分22の共用型当接部の縁部と周辺部品との当りや擦れ合いによる低級音の発生を防止することが可能となる。
【0113】
(4)上記において、成形された第一層部分22の共用型当接部と共用型24との間の隙間部61に、隙間部61へ廻り込んだ第二層部分23を途中で堰止めて、隙間部61内での第二層部分23の拡がり過ぎを防止可能な堰止部63を設けたことによって、以下のような作用効果を得ることができる。
【0114】
即ち、成形された第一層部分22の共用型当接部と共用型24との間の隙間部61に設けた堰止部63によって、隙間部61へ廻り込んだ第二層部分23を途中で堰止めて、隙間部61内での第二層部分23の拡がり過ぎを防止することができる。これにより、堰止部63で第二層部分23の拡がりを規制して、第二層部分23を隙間部61の必要部分のみに意図的に拡がらせる(第二層部分23の隙間部61全体への拡がりや不必要部分への拡がりを防止する)ようにコントロールすることができる。
【0115】
(5)上記において、隙間部形成機構62が、二層発泡成形品31を脱型可能なエジェクタピン33と、エジェクタピン33の突出長を制御することにより隙間部61の大きさを自在に設定、調整可能なエジェクタピン制御機構64とを備えたことによって、以下のような作用効果を得ることができる。
【0116】
即ち、エジェクタピン制御機構64を用いて、エジェクタピン33の突出長を制御することによって、隙間部61を形成すると共に、隙間部61の大きさを自在に設定、調整することができる。これにより、既存のエジェクタピン33を隙間部形成機構62として、隙間部61の形成に対しても有効活用することが可能となり、特別の隙間部形成機構62を設ける必要をなくすことができる。
【0117】
(6)上記において、エジェクタピン33が、隙間部61を形成することに伴って第一層部分22が変形するのを抑制、防止可能な変形防止形状部66(接触面性拡大形状部、または、ブロック部)を、その先端部に備えたことによって、以下のような作用効果を得ることができる。
【0118】
即ち、エジェクタピン33の先端部に設けられた変形防止形状部66(接触面性拡大形状部、または、ブロック部)によって、隙間部61を形成することに伴って、エジェクタピン33の先端部によって第一層部分22が変形するのを抑制、防止することができる。これにより、第一層部分22の変形による製品不具合の発生を防止することができる。
【0119】
(7)上記において、エジェクタピン33が、隙間部61へ廻り込んだ第二層部分23によって、第二層部分23の成形中に第一層部分22が浮上がるのを防止可能な第一層部分浮上防止機構部71を備えたことによって、以下のような作用効果を得ることができる。
【0120】
即ち、エジェクタピン33に設けられた第一層部分浮上防止機構部71によって、第二層部分23の成形中に、隙間部61へ廻り込んだ第二層部分23によって第一層部分22が浮上がるのを防止することができる。これにより、第一層部分22の浮上がりによる製品不具合の発生を防止することができる。
【0121】
(8)上記において、堰止部63が、共用型24に形成された堰止部成形用凹部81によって、第一層部分22に一体成形された突形状部82であり、この突形状部82が、第一層部分22から隙間部形成方向へ突出すると共に、隙間部61よりも突出量が大きくなるように構成されたことによって、以下のような作用効果を得ることができる。
【0122】
即ち、堰止部成形用凹部81が形成された共用型24を用いて第一層部分22を成形することにより、堰止部成形用凹部81の部分に、堰止部63として第一層部分22と一体の突形状部82を得ることができる。そして、堰止部63が第一層部分22と一体に設けられた突形状部82であることにより、堰止部63を別に用意したり取付けたりするコストや手間を削減することができる。また、堰止部63を、第一層部分22から隙間部形成方向へ隙間部61よりも突出量が大きくなるようにすることにより、堰止部63が堰止部成形用凹部81から完全に外れて機能しなくなることを防止することができる。即ち、隙間部61を形成するために、堰止部成形用凹部81から堰止部63を引出す際に、堰止部63が確実に機能されるようにすることができる。
【0123】
(9)上記において、堰止部成形用凹部81と突形状部82とが、外側面部分に隙間部形成方向とほぼ面直となるシール面83,84を有すると共に、内側面部分に先細りとなる食付防止用テーパ面85,86を有することによって、以下のような作用効果を得ることができる。
【0124】
即ち、堰止部成形用凹部81と突形状部82との外側面部分に設けた隙間部形成方向とほぼ面直となるシール面83,84により、隙間部61を形成する際(堰止部成形用凹部81から堰止部63を一部引出した際)の堰止部63と堰止部成形用凹部81との間のシール性を確保することができる。また、堰止部成形用凹部81と突形状部82との内側面部分に設けた先細りとなる食付防止用テーパ面85,86により、隙間部61を形成する際(堰止部成形用凹部81から堰止部63を一部引出した際)の堰止部63と堰止部成形用凹部81との間の食付きを防止することができる。これにより、有効に機能する堰止部63を得ることができる。
【0125】
(10)第一層部分22と発泡性の第二層部分23とが一体化された二層発泡成形品31において、上記した方法および装置を用いて、第二層部分23が、第一層部分22の共用型当接部の縁部に廻り込んでなる廻込部60を一体に有する二層発泡成形品31を成形することにより、上記した(1)または(3)などと同様の作用効果を得ることができる。
【0126】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1A】本発明の実施例の二層発泡成形装置にかかる第一層成形工程を示す側方断面図である。
【図1B】芯材突出工程を示す側方断面図である。
【図1C】第二層成形工程を示す側方断面図である。
【図1D】コアバック工程を示す側方断面図である。
【図1E】脱型工程を示す側方断面図である。
【図2】(a)は第一層成形工程のフランジ部の拡大図、(b)は第二層成形工程のフランジ部の拡大図である。
【図3】(a)は第一層成形工程のフラット縁部の拡大図、(b)は第二層成形工程のフラット縁部の拡大図である。
【図4】堰止部の拡大図である。
【図5】第一層部分浮上防止機構部を示す側方断面図である。
【図6】(a)は第一層部分を背面側から見た斜視図、(b)は第一層部分の背面図である。
【図7】従来例にかかる樹脂成形品の製造工程図である。
【図8A】従来の二層発泡成形装置にかかる第一層成形工程を示す成形装置上方から見た断面図である。
【図8B】型交換工程を示す成形装置上方から見た断面図である。
【図8C】第二層成形工程を示す成形装置上方から見た断面図である。
【図8D】コアバック工程を示す成形装置上方から見た断面図である。
【図9】二層発泡成形装置で成形された二層発泡成形品の断面図である。
【図10】第一層部分を正面側から見た斜視図である。
【図11A】図10の第一層部分を用いた二層発泡成形装置にかかる第一層成形工程を示す側方断面図である。
【図11B】第二層成形工程を示す側方断面図である。
【図11C】コアバック工程を示す側方断面図である。
【図11D】脱型工程を示す側方断面図である。
【図12】(a)は第一層成形工程のフランジ部の拡大図、(b)は第二層成形工程のフランジ部の拡大図である。
【図13】(a)は第一層成形工程のフラット縁部の拡大図、(b)は第二層成形工程のフラット縁部の拡大図である。
【符号の説明】
【0128】
21 二層発泡成形装置
22 第一層部分
23 第二層部分
24 共用型
25 一層目成形用型
26 二層目成形用型
31 二層発泡成形品
33 エジェクタピン
44a フランジ面(共用型当接部)
44b 端面(共用型当接部)
45a 縁部裏面(共用型当接部)
60 廻込部
61 隙間部
62 隙間部形成機構
63 堰止部
64 エジェクタピン制御機構
66 変形防止形状部
71 第一層部分浮上防止機構部
81 堰止部成形用凹部
82 突形状部
83 シール面
84 シール面
85 食付防止用テーパ面
86 食付防止用テーパ面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
共用型と一層目成形用型とを用いて第一層部分の成形を行う第一層成形工程と、
成形された第一層部分を残したままの共用型と二層目成形用型とを用いて発泡性の第二層部分の成形を行う第二層成形工程とにより、
第一層部分と第二層部分とが一体化された二層発泡成形品の成形を行う二層発泡成形方法において、
第一層成形工程で成形された第一層部分の共用型当接部と共用型との間に、隙間部を形成した状態で第二層成形工程を行うことにより、
第一層部分の縁部から隙間部へ第二層部分を廻り込ませて、第一層部分の共用型当接部の縁部に第二層部分と一体の廻込部を形成することを特徴とする二層発泡成形方法。
【請求項2】
第一層成形工程で成形された第一層部分の共用型当接部と共用型との間の隙間部を、途中で堰止められるようにした状態で第二層成形工程を行うことにより、隙間部へ廻り込んだ第二層部分の隙間部内での拡がり過ぎを防止し得るようにすることを特徴とする請求項1記載の二層発泡成形方法。
【請求項3】
第一層部分の成形と発泡性の第二層部分の成形とに共用可能な共用型と、
第一層部分の成形に使用可能な一層目成形用型と、
第二層部分の成形に使用可能な二層目成形用型とを備えて、
第一層部分と第二層部分とが一体化された二層発泡成形品を成形可能に構成した二層発泡成形装置において、
成形された第一層部分の共用型当接部と共用型との間に隙間部を形成することにより、第一層部分の縁部から隙間部へ第二層部分を廻り込ませて、第一層部分の共用型当接部の縁部に第二層部分と一体の廻込部を形成可能な隙間部形成機構を共用型に設けたことを特徴とする二層発泡成形装置。
【請求項4】
成形された第一層部分の共用型当接部と共用型との間の隙間部に、隙間部へ廻り込んだ第二層部分を途中で堰止めて、隙間部内での第二層部分の拡がり過ぎを防止可能な堰止部を設けたことを特徴とする請求項3記載の二層発泡成形装置。
【請求項5】
前記隙間部形成機構が、二層発泡成形品を脱型可能なエジェクタピンと、
該エジェクタピンの突出長を制御することにより隙間部の大きさを自在に設定、調整可能なエジェクタピン制御機構とを備えたことを特徴とする請求項3または請求項4記載の二層発泡成形装置。
【請求項6】
前記エジェクタピンは、その先端部に変形防止形状部を備え、該変形防止形状部は、隙間部を形成することに伴って第一層部分が変形するのを抑制、防止可能なことを特徴とする請求項5記載の二層発泡成形装置。
【請求項7】
前記エジェクタピンは、第一層部分浮上防止機構部を備え、該第一層部分浮上防止機構部は、隙間部へ廻り込んだ第二層部分によって、第二層部分の成形中に第一層部分が浮上がるのを防止可能なことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の二層発泡成形装置。
【請求項8】
前記堰止部が、共用型に形成された堰止部成形用凹部によって、第一層部分に一体成形された突形状部であり、該突形状部が、第一層部分から隙間部形成方向へ突出すると共に、隙間部よりも突出量が大きくなるように構成されたことを特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載の二層発泡成形装置。
【請求項9】
前記堰止部成形用凹部と前記突形状部とが、外側面部分に隙間部形成方向とほぼ面直となるシール面を有すると共に、内側面部分に先細りとなる食付防止用テーパ面を有することを特徴とする請求項8記載の二層発泡成形装置。
【請求項10】
第一層部分と発泡性の第二層部分とが一体化された二層発泡成形品において、
前記第二層部分が、第一層部分の共用型当接部の縁部に廻り込んでなる廻込部を一体に有することを特徴とする二層発泡成形品。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−131828(P2010−131828A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309006(P2008−309006)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】