説明

位置情報提供システム及び路面材

【課題】 比較的簡易な構成で、ユーザの位置する現在地点の周辺の情報を効果的に提供することができる位置情報提供システムを提供する。
【解決手段】 商店街の歩道の要所に、二次元コードQを表示した路面材3を設ける。二次元コードQには、地点情報、地名情報、接続情報が記録され、その上方向が北向きに一致するように設けられる。商店街全体の地図データや、店舗情報などの地点関連情報、二次元コードQの地点情報が記憶されたデータベースを有する情報提供サーバ2を設ける。商店街の中にいるユーザが、近くの路面材3の二次元コードQを、携帯電話機1のカメラにより撮影する。携帯電話機1は、二次元コードQをデコードし、接続情報のデータに基づいて情報提供サーバ2に自動でアクセスし、地点情報及び読取方向情報を送信する。情報提供サーバ2は、データベースからユーザの現在位置周辺の地図情報を検索・選択して、携帯電話機1に対して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに位置情報を提供する位置情報提供システムに係り、特に、例えば商店街や地下街、大型ショッピングセンタ、大型駐車場、テーマパーク等のアミューズメント施設、博覧会等のイベント会場など比較的小規模な限られたエリア内での使用に適した位置情報提供システム、及びそのシステムにおいて用いるに好適な路面材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば個人(歩行者)が携帯して、現在位置や周辺の地図データを得ることのできる装置として、GPSを利用したナビゲーション機能を有するPDA(携帯型ナビゲーション装置)が供されてきている。また、携帯電話機においても、インターネット等を介した通信により現在位置周辺の地図データを取得して表示画面に表示するサービスが提供されてきている。
【0003】
しかしながら、これらのものでは、位置検出の精度がさほど高いものではないため、例えば近接した2地点の区別ができない、高さ方向に関する位置を検出できない、提供される地図情報が施設や建物の所在までは示すがその内部に更にどのような施設がどのように配置されているかといった詳細な情報までは得られない、等の事情があった。また、GPSを利用するシステムは、地下街や建物の内部では利用できない。このため、例えば、商店街や地下街、大型ショッピングセンタ、大型駐車場、テーマパーク等のアミューズメント施設、博覧会等のイベント会場など比較的狭いエリア内で使用するケースにおいては、必ずしも使用者にとって好適に使用できるものであるとは言えなかった。
【0004】
ところで、近年では、各種の情報処理の分野で、情報の入力に、バーコードや二次元コード等の情報コードを用いることが行われてきている。例えば、車両用のナビゲーションシステムの分野においては、位置情報を記録したバーコードを道路上の要所に設け、自動車の車体の下部に取付けたCCDカメラによりそのバーコードを読取り、解読することにより、GPS情報に基づいて検出された自車位置を、その位置情報を用いて補正する技術が考えられている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、歩行者が携帯する携帯型情報端末装置を用いたシステムとして、例えば商店街の要所に設けられた位置標識に、識別名及び位置情報を記録した二次元コードを表示し、使用者が携帯型情報端末装置により、例えば駅から目的地へ向かうにあたって、道筋にある位置標識の二次元コードを順に撮影し、その位置情報を記憶していき、駅に戻る際に、記憶された位置情報を逆の順に表示することにより帰路を案内するようにしたシステムが考えられている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−195233号公報
【特許文献2】特開2003−28661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した特許文献1に記載された位置検出のシステムは、GPS受信機や、液晶パネルからなる表示装置、地図データを記憶したCD−ROM、制御部などを備えた自動車用のナビゲーションシステムの一部として組込まれるものであり、装置が大掛かりなものとなって、歩行者が携帯して簡易に利用できるシステムとは主眼となる点が全く異なっていた。尚、自動車下部に取付けたカメラによって、走行中に自動で道路上のバーコードを読取ることは、泥水によるバーコードの汚れやカメラの汚れ付着を考えると、かなりの困難性を伴うものと考えられ、実現性に乏しいものと推察される。
【0007】
一方、特許文献2に記載された技術は、歩行者が携帯して簡易に利用できるシステムであり、簡単な構成で、鉄道の駅や施設の出口等への帰路を案内するには有効である。しかし、この帰路案内装置では、ユーザが、自分がエリア内のどこにいるのか、周辺にどのような施設(店舗)があるのか、帰路でない目的地へ向かうにはどのように進めば良いか、といったことを知ることはできず、ユーザの位置する現在地点の周辺の情報を知りたいといった要望に応えることはできないものとなっていた。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、比較的簡易な構成で、ユーザの位置する現在地点の周辺の情報を効果的に提供することができる位置情報提供システムを提供するにある。また、その位置情報提供システムにおいて用いるに好適な路面材を提供することをも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の位置情報提供システムにおいては、道路や通路の要所に位置して、その地点を識別するための地点情報及び情報提供サーバに関する接続先情報を含んだ二次元コードを路面上に表示するように設け、情報センタの情報提供サーバに、提供する地点関連情報を記憶する情報記憶手段と、この情報記憶手段から提供すべき地点関連情報を検索する検索手段と、ユーザが携帯する携帯端末機との間で無線通信網を介して通信を行う通信手段とを設け、前記携帯端末機に、前記路面上に表示された二次元コードを読取る読取手段と、前記情報提供サーバとの間で無線通信網を介して通信を行う通信手段と、地点関連情報を表示する表示手段とを設け、携帯端末機は、路面上に表示された二次元コードを読取ると、前記接続先情報に基づいてその地点情報又は撮影画像情報を情報提供サーバに送信し、情報提供サーバは、送信された地点情報に応じた地点関連情報を検索・選択して、送信元である携帯端末機に対して送信し、携帯端末機は、受信した地点関連情報を表示手段に表示するように構成している。
【0010】
これによれば、ユーザが、携帯端末機の読取手段によって路面上に表示された二次元コードを読取り、読取った二次元コードに含まれる地点情報又は撮影画像データを、通信手段によって情報提供サーバに送信すると、情報提供サーバ側では、送信した地点情報に応じ、検索手段によって、情報記憶手段から提供すべき地点関連情報が検索し・選択され、その地点関連情報が送信元の携帯端末機に返信されるようになる。そして、携帯端末機においては、受信した地点関連情報を表示手段に表示することができる。従って、ユーザは、道路や通路の要所に設けられた二次元コードを読取ってその情報を送信するだけで、ユーザの位置する現在地点の周辺の情報を情報センタから得ることができる。この場合、路面上に二次元コードを設けると共に情報提供サーバを設置することにより、システムを構築することができ、GPS等を利用することもないので、簡易な構成で済ませることができる。
【0011】
尚、このとき、上記した地点関連情報としては、該当する二次元コードの表示地点を現在位置とした周辺の地図情報とすることができる。これによれば、ユーザの位置する現在地点の周辺の情報を判りやすい形で提供することができ、ユーザは、自分がエリア内のどこにいるのか、周辺にどのような施設(店舗)があるのか、目的地へ向かうにはどのように進めば良いか、といったことを容易に知ることができる。
【0012】
また、近年の携帯電話機の普及は著しいものがあり、しかもその大部分がカメラ付き携帯電話機となってきている。この場合、カメラ付き携帯電話機は、カメラを用いて二次元コードの読取り(撮像)を行うことが可能となり、また、元々、通信機能や表示装置を備えている。従って、本発明における携帯端末機を、カメラ付き携帯電話機から構成することができる。これにより、カメラ付き携帯電話機を持っているユーザは、本発明のシステムをそのまますぐ利用することが可能となり、専用の携帯端末機として構成する場合に比べて、合理的、経済的となる。
【0013】
ここで、二次元コードの代表的なものとしては、「QRコード」、「データマトリクス」、「PDF417」等がある。これら二次元コードは、いずれも矩形状(正方形または長方形)をなし、データ配列方向を示す特定パターンを含んでいる、つまり、上下左右の区別(方向性)を有するものとなっている。従って、路面上に表示された二次元コードを撮影する場合に、ユーザがどの方向を向いて(どの方向から)撮影したかによって、画面内における二次元コードの向きが異なるものとなる。
【0014】
本発明においては、携帯端末機は、二次元コードの撮影画像から該二次元コードをユーザがどの方向を向いて読取っているかを表す読取方向情報を生成し、地点情報と共に情報提供サーバに送信するように構成されていると共に、情報提供サーバは、その読取方向情報を加味して提供すべき地点関連情報を検索・選択するように構成されている(請求項1の発明)。あるいは、携帯端末機は、二次元コードの撮影画像データを、情報提供サーバに送信するように構成され、情報提供サーバは、その撮影画像データから該二次元コードをユーザがどの方向から読取っているかを表す読取方向情報を生成し、その読取方向情報を加味して提供すべき地点関連情報を検索・選択するように構成されている(請求項2の発明)。
【0015】
これらによれば、ユーザがどの方向を向いて撮影したかによって、画面内における二次元コードの向きが異なってくることを利用して、読取方向情報を生成することが可能となる。そして、提供すべき地点関連情報を検索・選択するにあたり、その読取方向情報が加味されることによって、ユーザが現在どの方向を向いているかを知らせたり、ユーザの進行方向に適合した情報をより多く検索したりすることもできるようになり、より有効な情報を提供することができるようになる。
【0016】
具体的には、データ配列方向を示す特定パターンを含んでいる二次元コードの場合、読取方向情報を、特定パターンに対して所定の関係にある基準方向が、画像中のどの方向を向いているかを示す情報とすることができる(請求項3の発明)。これによれば、仮に、基準方向が例えば北向きとなるように二次元コードが設けられている場合に、画像中の基準方向が例えば上向きであれば、ユーザが北を向いて撮影したと判断でき、画像中の基準方向が例えば右向きであれば、ユーザが西を向いて撮影したと判断できるといったように、ユーザがどの方向を向いて撮影したかを十分な確かさで判断できるようになる。
【0017】
このとき、情報提供サーバに、路面上に表示された各二次元コードの基準方向が、絶対的にどの方角を向いているかの情報を予め記憶させておくようにすることもでき(請求項4の発明)、これにより、各二次元コードを、絶対的な方角に対し基準方向をまちまちとして表示した場合でも、読取方向情報を確実に生成することができ、二次元コードの表示の向きに関しての自由度を高めることができる。
【0018】
また、路面上に二次元コードの近傍に位置して所定方向を示す図形パターンを表示し、読取方向情報を、その図形パターンが画像中のどの方向を向いているかを示す情報とすることもできる(請求項5の発明)。これによっても、撮影された図形パターンの画像から、ユーザがどの方向を向いて撮影したかを十分な確かさで判断できるようになり、しかも、ユーザに見える図形パターンが表示されることにより、ユーザ自身が方角を知ることも可能となる。
【0019】
上記した基準方向又は所定方向が、特定の絶対的な方角を示すように構成するともでき(請求項6の発明)、これにより、ユーザがどの方向を向いて撮影したかの判断(読取方向情報の生成)の処理を簡単に行うことが可能となる。
【0020】
そして、情報提供サーバが読取方向情報に加味して地点関連情報を提供する場合、読取方向前方に関する情報量を、後方に関する情報量よりも多くするように構成することができる(請求項7の発明)。これにより、ユーザは進行方向前方の情報をより多く知ることができ、より効果的となる。
【0021】
さらに、本発明においては、二次元コードにその地点の地名情報を含ませることにより、携帯端末機が読取った二次元コードの地名情報を、そのまま表示手段に単独で表示できるように構成することができる(請求項8の発明)。これによれば、ユーザは、情報提供サーバとの通信によって地点関連情報を取得せずとも、少なくとも現在位置の地名情報を知ることができるので、ユーザはより詳細な情報が欲しい場合にのみ情報提供サーバと通信すれば良くなり、ユーザにとっての利便性を高めることができる。
【0022】
本発明の第1の路面材は、上記した位置情報提供システムに用いられ、道路や通路の路面に敷かれるものであって、板状の主材の表面に、設置される地点を識別するための地点情報を含んだ二次元コードを構成する明暗パターンの全部又は一部が表示されているところに特徴を有する(請求項9の発明)。これによれば、予め二次元コードの明暗パターンが表示された路面材を、道路や通路の所定位置に設置すれば良いので、位置情報提供システムに用いる二次元コードを容易に設けることができ、位置情報提供システムの構築を簡易に行うことができる。
【0023】
このとき、路面材の主材をセラミックス製のタイルから構成し、二次元コードを構成する明暗パターンを、その表面に印刷・焼付して設けることができる(請求項10の発明)。または、路面材の主材をプラスチック製のタイルから構成し、二色成形によって二次元コードの明及び暗パターンを形成するように構成することもできる(請求項11の発明)。いずれも、二次元コードを比較的簡単に設けることができ、しかも、容易に消えたりすることのない耐久性に優れたものとすることができる。
【0024】
本発明の第2の路面材は、上記した位置情報提供システムに用いられ、道路や通路の路面に敷かれるものであって、表面の色の異なる複数枚の小片状のタイルをモザイク状に敷き詰めることにより、設置される地点を識別するための地点情報を含んだ二次元コードを表現するようにした構成に特徴を有する(請求項12の発明)。これによれば、表面の色の異なる複数枚の小片状のタイルから、二次元コードを表現するので、多数枚のタイルを用意しておくだけで、現場において、所望の二次元コードを表現することが可能となり、タイルの汎用性に優れるものとなる。
【0025】
またこのとき、二次元コードが、データ配列方向を示す特定パターンとデータセル領域とを含んで構成される場合には、特定パターンが表示されたタイルを所定位置に配置すると共に、表面の色の異なる複数枚の小片状のタイルをモザイク状に敷き詰めてデータセル領域を構成することにより、二次元コードを表現することもできる(請求項13の発明)。これによれば、やはり、現場において、所望の二次元コードを容易に表現することが可能となり、タイルの汎用性に優れるものとなる。
【0026】
上記した各路面材において、二次元コードに、その地点の地名情報を記録しておくことができる(請求項14の発明)。これにより、ユーザの所持する携帯端末機が読取った二次元コードの地名情報を、そのまま表示手段に単独で表示させることができ、ユーザにとっての利便性を高めることができる。二次元コードの近傍に位置して所定方向を示す図形パターンを表示するようにしても良い(請求項15の発明)。これにより、撮影された図形パターンの画像から、ユーザがどの方向を向いて撮影したかを十分な確かさで判断できるようになり、しかも、ユーザに見える図形パターンが表示されることにより、ユーザ自身が方角を知ることも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
<1>第1の実施例
以下、本発明を具体化した第1の実施例について、図1ないし図5を参照しながら説明する。尚、本実施例では、比較的小規模な限られたエリア内、例えば鉄道の駅Sの周辺に展開されている商店街において使用される位置情報提供システムを具体例としており、また、ユーザが携帯する携帯端末機として、カメラ付携帯電話機1を採用するようにしている。
【0028】
図1は、本実施例に係る位置情報提供システムの要部構成を概略的に示している。この位置情報提供システムは、不特定多数のユーザが携帯所持する携帯端末機たるカメラ付の携帯電話機1、情報センタ(図示せず)に設けられた情報提供サーバ2、商店街の道路(歩道)の要所(図2参照)に設けられた二次元コードQを表示した路面材3などから構成される。
【0029】
そのうち、携帯電話機1は、図4にも示すように、二つ折状の携帯可能な本体に、表示手段たる液晶表示器4や、キー操作部5、通信用アンテナ6、図示しないマイクやスピーカ等を備えている。前記液晶表示部4の画面は、やや縦長の矩形状に構成されている。前記キー操作部5には、ダイヤルキーや、終了/電源キー、開始(着信)キー、各種の機能キー、カメラ用のシャッタキー等が設けられている。そして、図示はしないが、本体の背面側には、例えばCCDカメラ等のカメラが設けられており、人物の顔や風景等のスナップ写真を撮影するディジタルカメラとしての機能を実現するようになっている。尚、このカメラによる撮影の際には、前記液晶表示器4がファインダとして機能するようになっている。
【0030】
また、これも図示はしないが、携帯電話機1の本体内には、マイコン(CPU)を主体として構成され全体の制御を行う制御回路、各種制御プログラムや各種データなどを記憶する記憶部、画像メモリ、通信手段としての通信回路、電源となる二次電池などが設けられている。これにて、携帯電話機1は、通話機能やメールの送受信機能等の通常の機能を実現すると共に、インターネットアクセス(ブラウザ)機能を実現するようになっている。このとき、図1に示したように、携帯電話機1は、電話通信網7及びインターネット8を介して前記情報提供サーバ2に接続することが可能とされている。また、前記カメラが、二次元コードQを読取るための読取手段(撮影手段)としても機能するようになっており、さらに、携帯電話機1はこのカメラにより撮影した二次元コードQのデコードの機能も有している。
【0031】
前記情報提供サーバ2は、商店街の組合などが運営、管理するものであり、ホームページを有し、商店街における各種情報を提供するウェブサーバとしての機能を有するようになっている。このとき、情報提供サーバ2には情報記憶手段としてのデータベースが設けられている。このデータベースには、商店街の全体の地図データや、それに付随する店舗(飲食店や衣料品店等)、金融機関、公共施設、駐車場などの情報、イベント情報などの地点関連情報が記憶されていると共に、二次元コードQを表示した路面材3を設置した地点の情報などが記憶されている。
【0032】
詳しくは後述するように、この情報提供サーバ2は、前記携帯電話機1からのアクセスにより地点情報が送信されると、その地点情報に応じた(送信すべき)地点関連情報(例えば周辺の地図情報)を検索・選択して、送信元の携帯電話機1に対して送信するようになっている。従って、この情報提供サーバ2には、検索手段及び通信手段の機能が設けられている。
【0033】
図2は、本実施例において具体例とされる商店街の概略的な地図を示している。この商店側は、例えば南北に延びる鉄道の駅Sの主として東側に展開されている。この商店街の歩道には、例えばセラミックス製のタイルからなる路面材が敷き詰められているのであるが、図2に黒丸で示す要所(交差点など)に位置して、比較的狭い間隔(長くても数十m程度)で、二次元コードQを表示した路面材3が敷設されている。
【0034】
この路面材3は、図1に示すように、セラミックス製のタイルから矩形(正方形)の薄板状に構成された主材の表面(上面)に、例えば「QRコード」からなる二次元コードQを黒色のインク(顔料)で印刷し彩釉した後、焼付けて構成されている。この場合、二次元コードQは、1枚の路面材3に全体が収まるように、路面材3(主材)よりもやや小さい大きさで印刷されている。
【0035】
周知のように、この二次元コード(「QRコード」)Qは、全体として矩形をなし、右下部を除く3つの角部にデータ配列方向を示す特定パターン(切出しシンボル)を有すると共に、残りの部分が白黒のデータセルを縦横に配列したデータ領域とされている。このデータ領域には、図3に示すように、その路面材3が設置される地点の地点情報としての管理番号、地名情報としての住所及び名称、前記情報提供サーバ2に対する接続情報(URL)のデータが記録されている。そして、この路面材3は、二次元コードQの上方向が、絶対的な方角としての北向きに一致するように路面上に設置されるようになっている。本実施例では、二次元コードQの上方向(図1の矢印A方向)を、基準方向とするようになっている。
【0036】
さて、本実施例では、商店街の中にいるユーザが、自分の現在位置やその周辺の情報(周辺の地図情報)を得るサービスを受けたい場合、近くの路面材3(二次元コードQ)を探し、自らの所持する携帯電話機1のカメラ機能をオンにして二次元コードQを繰り返し撮像して携帯電話機1の液晶表示器4に表示させ、携帯電話機1の撮影ボタンを押すことにより、その二次元コードQを撮影し、カメラ機能をオフさせる。すると、携帯電話機1は、読取った二次元コードQをデコード(解読)し、地点情報を携帯電話機1の液晶表示器4に表示させつつ、読取った接続情報(情報提供サーバ2のアドレス)のデータに基づいて前記情報提供サーバ2に自動でアクセスし、地点情報(管理番号データ)を送信するようになっている。
【0037】
このとき、本実施例では、携帯電話機1は、読取った二次元コードQの画像データを処理する際に、ユーザがどの方向から二次元コードQを読取ったかを表す読取方向情報を生成し、前記地点情報と共に送信するようになっている。具体的には、図4に示すように、この読取方向情報は、画像データ中の二次元コードQの3個の特定パターンの位置から、撮影した画像中の二次元コードQの基準方向(矢印A方向)が、画面における上向きから例えば反時計回り方向にどれだけの角度傾いているか(ずれ角度)を算出することにより、角度θとして求められる。この角度θは、地図表示を、北向きに対してどれだけ回転させるかを示すものとなる。
【0038】
そして、前記情報提供サーバ2は、携帯電話機1から送信された地点情報及び読取方向情報に基づき、データベースから地点関連情報(ユーザの現在位置周辺の地図情報)を検索・選択して、該携帯電話機1に対して送信する。本実施例では、その地図情報は、図4等に示すように、読取方向情報に応じてユーザの向いている方向(進行方向)を上向きとして表示するものとなっており、且つ、ユーザの現在位置Pから進行方向前方の情報量(表示する地図の広さ)を後方に関する情報量よりも多く表示するものとなっている。尚、図1、図4、図5に示すように、この地図情報は、地点情報の示す位置(該当する二次元コードQが表示された位置)をユーザの現在位置Pとして表示すると共に、詳しく図示はしていないがその周辺の道路、店舗、駅など情報を含むものである。
【0039】
携帯電話機1は、情報提供サーバ2からその地図情報を受信すると、液晶表示器4にその地図情報を表示させるようになっている。また、携帯電話機1は、読取った二次元コードQに含まれていた地名情報(住所、名称)を、単独で(情報提供サーバ2との通信によらずとも)、液晶表示器4に表示できるようになっている。
【0040】
次に、上記構成の作用について述べる。今、商店街の中(例えば図2に示す位置Pの近傍)にいるユーザが、例えば自分の現在位置や、今から行きたい店舗、帰る際の駅や駐車場等の位置(道順)を知りたい場合、近く(位置P)の路面材3に表示された二次元コードQを携帯電話機1のカメラにより撮影する。すると、上述のように、情報提供サーバ2に自動的にアクセスされて自分の携帯電話機1に地図情報が送信され、液晶表示器4に表示されるようになる。ユーザは、その液晶表示器4の画面を見て、自分が商店街の中のどこにいるのか、周辺のどのような店舗があるのか、目的地に向かうにはどのように進めば良いか、といったことを容易に知ることができる。
【0041】
ここで、ユーザが、例えば図5に矢印Bで示すように位置Pまで北向き(図で右向き)に歩いてきて、そのまま北を向いた状態で、位置Pにある二次元コードQを撮影したとする。すると、撮影画像中の二次元コードQの基準方向(北向き)と、画面の上向きとが一致するので、図1にも示すように、液晶表示器4には、北を上とし、ユーザの現在位置Pから進行方向前方(北方向)の領域をより多く表示した、図5に破線で示すエリアが切取られた形態の地図表示がなされるようになる。
【0042】
これに対し、図4に示すように、ユーザが、二次元コードQをやや斜め方向から(北に対しやや右向きに)撮影したとする。すると、携帯電話機1において、二次元コードQの基準方向(矢印A方向)が、画面における上向きから角度θだけ傾いている旨の読取方向情報が送信されるので、送られてくる(液晶表示器4に表示される)地図情報は、北向きに対して反時計回り方向に角度θだけ回転されたものとなる。つまり、この場合も、液晶表示器4には、ユーザが二次元コードQを読取った向きを上向きとするような地図情報が表示されるようになるのである。これにより、ユーザが方角(東西南北)を認識していなくても、どのように進めば良いかを容易に理解することができるのである。
【0043】
このように本実施例の位置情報提供システムによれば、ユーザは、商店街の歩道の要所に設けられた路面材3に表示された二次元コードQを携帯電話機1により読取ってその情報を送信するだけで、ユーザの位置する現在地点Pの周辺の情報を情報提供サーバ2から得ることができる。この場合、路面上に二次元コードQを設けると共に情報提供サーバ2を設置することにより、システムを構築することができ、GPS等を利用することもないので、簡易な構成で済ませることができ、また、GPSのデータを利用できない地下街や建物内においても、わかり易い地図情報が得られる。
【0044】
このとき、該当する二次元コードQの表示地点を現在位置Pとした周辺の地図情報が送信されるので、ユーザの位置する現在地点Pの周辺の情報を判りやすい形で提供することができ、ユーザは、自分がエリア内のどこにいるのか、周辺にどのような施設(店舗)があるのか、目的地へ向かうにはどのように進めば良いか、といったことを容易に知ることができる。また、カメラ付き携帯電話機1を持っているユーザは、位置情報提供システムをそのまますぐ利用することが可能となるので、専用の携帯端末機を用いてシステムを構成する場合に比べて、合理的、経済的となる。
【0045】
特に本実施例では、二次元コードQが上下左右の区別(方向性)を有することに基づき、二次元コードQの撮影画像から該二次元コードQをユーザがどの方向を向いて読取っているかを表す読取方向情報を生成し、その読取方向情報を加味することによって、ユーザの向いている方向(進行方向)を上向きとし、且つ、進行方向前方(北方向)の領域をより多く表示した地図情報が提供されるので、より有効な情報を提供することができるものである。この場合、路面材3を二次元コードQの基準方向が全て北を向くように設置するようにしたので、ユーザがどの方向を向いて撮影したかの判断の処理を簡単且つ確実に行うことができる。
【0046】
さらに、本実施例においては、二次元コードQにその地点の地名情報を含ませるようにしたので、携帯電話機1が読取った二次元コードQの地名情報を、そのまま液晶表示器4に単独で表示させることができ、ユーザは、情報提供サーバ2との通信によらずとも、少なくとも現在位置の地名情報を知ることができるようになり、ユーザにとっての利便性を高めることができる。
【0047】
そして、本実施例の路面材3は、セラミックス製のタイルから構成された主材の表面に、明及び暗パターンからなる二次元コードQを印刷・焼付して設けられているので、予め二次元コードQが表示された路面材3を、道路や通路の所定位置に設置することにより、二次元コードQを容易に設けることができ、位置情報提供システムの構築を簡易に行うことができる。しかも、表示された二次元コードQを、容易に消えたりすることのない耐久性に優れたものとすることができる。
【0048】
<2>その他の実施例
図6は、本発明の第2の実施例を示している。この実施例が上記第1の実施例と異なる点は、道路あるいは通路の路面上に二次元コードQ(「QRコード」)を表示する際の手法にある。即ち、上記第1の実施例では、1枚の路面材3(タイル)に、二次元コードQ全体を表示(印刷)するようにしたが、この第2の実施例においては、多数枚の路面材11,12,13を、路面にモザイク状に敷き詰めることにより、二次元コードQを表現するようにしている。尚、図6では、二次元コードQの左上部分の一部を示している。
【0049】
具体的には、路面材11は、比較的大きな正方形の板状をなすセラミックス製のタイルからなり、その表面に、特定パターン(切出しシンボル)が印刷されている。この路面材11は、3個が夫々二次元コードQの右上、左上、左下の角部に配置される。そして、路面材12及び13は、夫々表面が白色及び黒色とされた小形の正方形(小片状)のセラミックス製のタイルからなり、1個の路面材12、13が1つのセルを構成するように組合せられて二次元コードQのデータ領域が構成される。
【0050】
これによれば、表面の色の異なる複数枚の小片状の路面材11,12,13(タイル)から、二次元コードQを表現するので、多数枚の路面材11,12,13を用意しておくだけで、現場において、所望の二次元コードQを表現することが可能となり、汎用性に優れるものとなる。尚、図6では、並べられた路面材11,12,13同士間に、目地部を設けるようにしているが、路面材11,12,13を設置するにあたり、接着剤等を用いることによって目地部(タイル間の隙間)を設けないようにすれば、読取性のより良い二次元コードQとすることができる。
【0051】
図7は、本発明の第3の実施例に係る路面材21を示している。この路面材21は、矩形板状のプラスチック製のタイルから構成されており、例えば白色と黒色との二色成形によって二次元コードQのパターンが形成されるようになっている。この場合、黒色の樹脂材料にて予め黒部分21aを薄肉片状に成形しておき、これをパターン通りに並べて配置した状態で、白色の樹脂材料にて白部分21bを成形することにより、路面材21を製造することができる。この路面材21によっても、上記第1の実施例の路面材3と同様に、二次元コードQを比較的簡単に設けることができ、しかも、容易に消えたりすることのない耐久性に優れたものとすることができる。
【0052】
図8及び図9は、夫々本発明の第4及び第5の実施例を示すものであり、夫々、路面材31及び32における二次元コードQの表示方法が上記第1の実施例と異なっている。即ち、図8に示す第4の実施例に係る路面材31は、その表面に円形のパターンが描かれ、その内部に二次元コードQが印刷(表示)されている。
【0053】
また、図9に示す第5の実施例に係る路面材32は、その表面に円形のパターンが描かれ、その内部に、二次元コードQと、その近傍に位置して所定方向、この場合絶対的な方角である北方向を指し示す矢印状の図形パターンPとが印刷(表示)されている。これによれば、撮影された図形パターンPの画像から、ユーザがどの方向を向いて撮影したかを十分な確かさで判断できるようになり、しかも、ユーザに見える図形パターンPが表示されることにより、ユーザ自身が方角を知ることも可能となる。図形パターンPの指示する所定方向としても、北向きに限らず、例えばエリア内の特定の施設(出入口や駅等)を指し示すものなどであっても良い。
【0054】
尚、上記した各実施例では、路面材として、セラミックス製あるいはプラスチック製のタイルを採用するようにしたが、タイル以外でも、レンガや例えばコンクリート製のブロックやパネルなどを用いるようにしても良い。また、表示する二次元コードQとして「QRコード」を採用したが、他にも、例えば「データマトリクス」や「PDF417」等の様々な種類の二次元コードを採用することができる。この場合、二次元コードとしては、矩形状(正方形)をなし、データ配列方向を示す特定パターンを含んでいる、つまり、上下左右の区別(方向性)を有するものであることが好ましい。
【0055】
そして、上記第1の実施例では、携帯電話機1(携帯端末機)において二次元コードQをデコードしてそのデータを情報提供サーバ2に送信する構成としたが、二次元コードQの撮影画像データを、携帯端末機から情報提供サーバ2に送信するように構成し、情報提供サーバ2側で、地点情報を解読すると共に読取方向情報を生成するように構成しても良い。但し、この際には、情報提供サーバ2に送信された二次元コードQの撮影画像が欠けていたり不鮮明であったりしてデコードできない場合には、情報提供サーバ2から携帯電話機1に対して画像の再送要求を行うようにする。さらに、上記第1の実施例では、二次元コードQ(路面材3)を全て北向きに設置するように構成したが、各二次元コードQを路面上に任意の向きで配置し、情報提供サーバ2側において、各二次元コードQがどの向きに設置されているかの情報を予め記憶させておくようにしても良い。
【0056】
携帯端末機としても、携帯電話機1に限らず、ユーザが携帯して使用でき、読取手段、通信手段、表示手段を有するものであれば、PDA等のモバイル機器を採用したり、専用の携帯端末機を用いたりするように構成しても良い。また、本発明の位置情報提供システムにおいては、電話通信網やインターネットを利用せずに、無線RANなどで携帯端末機と情報提供サーバとが接続される構成としても良い。
【0057】
さらに、本発明の位置情報提供システムは、商店街に限らず、地下街、大型ショッピングセンタ、大型駐車場、テーマパーク等のアミューズメント施設、博覧会等のイベント会場、広い敷地をもつ事業所などにも適用することができる。この場合、大型ショッピングセンタや大型駐車場などの多階層となったところに適用する場合、地点情報や地点関連情報に高さの情報を付加することができる。その他、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、位置情報提供システムの全体構成を概略的に示す図
【図2】位置情報提供システムが使用されるエリアを示す図
【図3】二次元コードに含まれる情報の内容を示す図
【図4】二次元コードの読取方向と表示される地図情報との関係を説明するための図(その1)
【図5】二次元コードの読取方向と表示される地図情報との関係を説明するための図(その2)
【図6】本発明の第2の実施例を示すもので、二次元コードの表示手法を示す図
【図7】本発明の第3の実施例を示すもので、路面材の縦断側面図
【図8】本発明の第4の実施例を示すもので、路面材の平面図
【図9】本発明の第5の実施例を示すもので、路面材の平面図
【符号の説明】
【0059】
図面中、1はカメラ付き携帯電話機(携帯端末機)、2は情報提供サーバ、3,11,12,13,21,31,32は路面材、4は液晶表示器(表示手段)、Qは二次元コード、Pは図形パターンを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが携帯する携帯端末機に、情報センタの情報提供サーバから、該ユーザの位置する地点に関する情報を送信し、表示させるための位置情報提供システムであって、
道路や通路の要所に位置して、その地点を識別するための地点情報及び前記情報提供サーバに関する接続先情報を含んだ二次元コードを路面上に表示するように設け、
前記情報提供サーバは、提供する地点関連情報を記憶する情報記憶手段と、この情報記憶手段から提供すべき地点関連情報を検索する検索手段と、前記携帯端末機との間で無線通信網を介して通信を行う通信手段とを備えて構成されると共に、
前記携帯端末機は、前記路面上に表示された二次元コードを読取る読取手段と、前記情報提供サーバとの間で無線通信網を介して通信を行う通信手段と、地点関連情報を表示する表示手段とを備えて構成され、
前記携帯端末機は、前記路面上に表示された二次元コードを読取ると、その二次元コードの撮影画像から該二次元コードをユーザがどの方向を向いて読取っているかを表す読取方向情報を生成し、前記接続先情報に基づいて前記地点情報と共に前記情報提供サーバに送信し、
前記情報提供サーバは、送信された地点情報及び読取方向情報に応じた地点関連情報を検索・選択して、送信元である携帯端末機に対して送信し、
前記携帯端末機は、受信した地点関連情報を前記表示手段に表示することを特徴とする位置情報提供システム。
【請求項2】
ユーザが携帯する携帯端末機に、情報センタの情報提供サーバから、該ユーザの位置する地点に関する情報を送信し、表示させるための位置情報提供システムであって、
道路や通路の要所に位置して、その地点を識別するための地点情報及び前記情報提供サーバに関する接続先情報を含んだ二次元コードを路面上に表示するように設け、
前記情報提供サーバは、提供する地点関連情報を記憶する情報記憶手段と、この情報記憶手段から提供すべき地点関連情報を検索する検索手段と、前記携帯端末機との間で無線通信網を介して通信を行う通信手段とを備えて構成されると共に、
前記携帯端末機は、前記路面上に表示された二次元コードを読取る読取手段と、前記情報提供サーバとの間で無線通信網を介して通信を行う通信手段と、地点関連情報を表示する表示手段とを備えて構成され、
前記携帯端末機は、前記路面上に表示された二次元コードを読取ると、前記接続先情報に基づいてその撮影画像データを前記情報提供サーバに送信し、
前記情報提供サーバは、送信された撮影画像データから前記二次元コードをユーザがどの方向から読取っているかを表す読取方向情報を生成し、該二次元コードに含まれている地点情報及びその読取方向情報に応じた地点関連情報を検索・選択して、送信元である携帯端末機に対して送信し、
前記携帯端末機は、受信した地点関連情報を前記表示手段に表示することを特徴とする位置情報提供システム。
【請求項3】
前記二次元コードは、データ配列方向を示す特定パターンを含んでおり、
前記読取方向情報は、前記特定パターンに対して所定の関係にある基準方向が、画像中のどの方向を向いているかを示す情報であることを特徴とする請求項1又は2記載の位置情報提供システム。
【請求項4】
前記情報提供サーバには、路面上に表示された各二次元コードの基準方向が、絶対的にどの方角を向いているかの情報が予め記憶されていることを特徴とする請求項3記載の位置情報提供システム。
【請求項5】
前記路面上に二次元コードの近傍に位置して所定方向を示す図形パターンが表示されており、
前記読取方向情報は、その図形パターンが画像中のどの方向を向いているかを示す情報であることを特徴とする請求項1又は2記載の位置情報提供システム。
【請求項6】
前記基準方向又は所定方向が、特定の絶対的な方角を示すように前記二次元コードが配置されていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の位置情報提供システム。
【請求項7】
前記情報提供サーバは、前記読取方向情報に基づいて、読取方向前方に関する情報量が、後方に関する情報量よりも多くなるように地点関連情報を提供することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の位置情報提供システム。
【請求項8】
前記二次元コードは、その地点の地名情報を含んでおり、
前記携帯端末機は、読取った二次元コードの地名情報を、単独で表示手段に表示することが可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の位置情報提供システム。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の位置情報提供システムに用いられ、道路や通路の路面に敷かれる路面材であって、
板状の主材の表面に、設置される地点を識別するための地点情報を含んだ二次元コードを構成する明暗パターンの全部又は一部が表示されていることを特徴とする路面材。
【請求項10】
前記主材はセラミックス製のタイルからなり、前記二次元コードを構成する明暗パターンの全部又は一部は、その表面に印刷・焼付されていることを特徴とする請求項9記載の路面材。
【請求項11】
前記主材はプラスチック製のタイルからなり、二色成形によって前記二次元コードの明及び暗パターンが形成されることを特徴とする請求項9記載の路面材。
【請求項12】
請求項1ないし8のいずれかに記載の位置情報提供システムに用いられ、道路や通路の路面に敷かれる路面材であって、
表面の色の異なる複数枚の小片状のタイルをモザイク状に敷き詰めることにより、設置される地点を識別するための地点情報を含んだ二次元コードが表現されることを特徴とする路面材。
【請求項13】
請求項1ないし8のいずれかに記載の位置情報提供システムに用いられ、道路や通路の路面に敷かれる路面材であって、
前記二次元コードは、データ配列方向を示す特定パターンとデータセル領域とを含んでおり、
前記特定パターンが表示されたタイルを所定位置に配置すると共に、表面の色の異なる複数枚の小片状のタイルをモザイク状に敷き詰めて前記データセル領域を構成することにより、前記二次元コードが表現されることを特徴とする路面材。
【請求項14】
前記二次元コードには、その地点の地名情報が記録されていることを特徴とする請求項9ないし13のいずれかに記載の路面材。
【請求項15】
前記二次元コードの近傍に位置して所定方向を示す図形パターンが表示されていることを特徴とする請求項9ないし14のいずれかに記載の路面材。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−195913(P2006−195913A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−9419(P2005−9419)
【出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】