説明

位置情報通知システム及び位置情報通知方法、並びに、情報センタ装置及び車載装置

【課題】 歩行者が車両に乗車中であるか歩行中であるかを高精度に判定し、歩行者が歩道に存在していないにもかかわらず誤報知してしまうという問題を確実に回避することができる位置情報通知システムを提供する。
【解決手段】 位置情報通知システムにおいて、情報センタ装置10は、処理部14の制御に従って、各携帯端末20から異なる時刻で受信した位置情報から、当該携帯端末20の移動速度が所定値以下か否か、車両の所定の範囲に存在しているか否かを判定することによって携帯端末20が車両に存在するかを判定し、車両に存在しているものと判定された携帯端末20である旨を示す情報を、通信部11を介して車載装置30に送信する。車載装置30は、処理部35の制御に従って、存在判定情報に基づいて、車両に存在しているものと判定された携帯端末20を保有する歩行者の位置情報に関する情報提供を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の歩行者がそれぞれ保有する携帯端末から受信した歩行者の位置情報を、情報センタ装置を介して、複数の車両にそれぞれ搭載されて歩行者の位置情報を乗員に対して情報提供する車載装置へと通知する位置情報通知システム及び位置情報通知方法、並びに、これら位置情報通知方法システム及び位置情報通知方法に用いられる情報センタ装置及び車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、歩道上に人が存在していることを示す情報を車両の運転者に通知するシステムが知られており、携帯端末の移動速度に基づいて、当該携帯端末保持者が車両に乗車中であるか否かを判定し、乗車中であった場合には携帯端末保持者の位置の報知を規制している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−009933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、携帯端末から送信される位置情報を基に算出した移動速度から、携帯端末保持者が車両に乗車中であるか否かを判定しているので、携帯端末保持者が車両に乗車し、当該車両の走行速度が渋滞等によって低下している場合は、携帯端末保持者が車両に乗車中であるか否かを判定することができず、例えば、携帯端末保持者が歩道に存在していないにもかかわらず、車両にて携帯端末保持者の位置が誤報知されてしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、携帯端末保持者が乗車した車両の速度が低下しているときでも、携帯端末保持者が車両中に存在しているか道路上に存在するかを判定し、誤報知を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の携帯端末が所定範囲内に存在し、且つ、携帯端末の移動速度が所定速度以下のときに、携帯端末保持者が車両内に存在すると判定し、判定に応じて携帯端末保持者の位置情報に関する情報提供を行う。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、携帯端末保持者が、例えば歩道などに存在していないにもかかわらず、車両側で携帯端末保持者が存在する旨を誤報知することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態として示す位置情報通知システムの構成について示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態として示す位置情報通知システムにおいて、歩行者が車両に乗車しているか否かを判定する際の一連の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態として示す位置情報通知システムにおいて、同一車両設定処理を実行する際の一連の手順を示すフローチャートである。
【図4】(a)は、情報センタ装置が各携帯端末から受信する位置情報が時間的にずれている様子を示す図であり、(b)は、情報センタ装置が各携帯端末から異なる時刻で受信した位置情報を車両毎に集約し、時刻を同期させた様子を示す図である。
【図5】情報センタ装置によって受信タイミングが異なる位置情報を推定する様子を示す図である。
【図6】情報センタ装置によって同一車両に乗車している携帯端末であるか否かを判定する手法について説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態として示す位置情報通知システムにおいて、同一車両追加処理を実行する際の一連の手順を示すフローチャートである。
【図8】情報センタ装置によって同一車両に乗車している携帯端末として追加する手法について説明するための図である。
【図9】本発明の実施形態として示す位置情報通知システムにおいて、同一車両解除処理を実行する際の一連の手順を示すフローチャートである。
【図10】情報センタ装置によって同一車両から離脱した携帯端末として解除する手法について説明するための図である。
【図11】本発明の実施形態として示す位置情報通知システムにおいて、渋滞車両設定処理を実行する際の一連の手順を示すフローチャートである。
【図12】情報センタ装置によって車両が渋滞に入っているか否かを判定する手法について説明するための図である。
【図13】本発明の実施形態として示す位置情報通知システムにおいて、渋滞車両解除処理を実行する際の一連の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施形態としての位置情報通知システムについて具体的に説明する。
【0010】
[位置情報通知システムの構成]
本発明の実施形態として示す位置情報通知システムは、図1に示すように、当該位置情報通知システムを統括的に管理する情報センタ装置10と、複数の歩行者がそれぞれ保有する携帯端末20と、複数の車両にそれぞれ搭載された端末装置である車載装置30とを備えている。位置情報通知システムは、主に、携帯端末20と車載装置30との間で通信を行うことが可能とされ、携帯端末20によって取得された歩行者の現在位置情報を車載装置30へと通知することができる。なお、携帯端末20と車載装置30との間で行われる通信は、広域通信網を介した無線通信であってもよく、また、直接通信であってもよいが、以下では、携帯端末20によって取得された歩行者の現在位置情報を、広域通信網を介した無線通信により、情報センタ装置10を経由して車載装置30へと通知するものとする。
【0011】
情報センタ装置10は、当該位置情報通知システムを運営する運営者によって管理される情報提供サーバ等から構成される。具体的には、情報センタ装置10は、携帯端末20及び車載装置30との間でそれぞれ無線通信を行う通信部11と、各種情報を記憶する情報記憶部12と、携帯端末20の分布状況を管理する端末分布管理部13と、当該情報センタ装置10を統括的に制御する処理部14とを備える。
【0012】
通信部11は、広域通信網を介した無線通信により、携帯端末20から送信された歩行者の現在位置情報を含むメッセージを受信し、処理部14に供給する。また、通信部11は、広域通信網を介した無線通信により、歩行者の現在位置情報を車載装置30に対して送信する。さらに、通信部11は、広域通信網を介した無線通信により、車載装置30から送信された車両の現在位置情報を含むメッセージを受信し、処理部14に供給する。
【0013】
情報記憶部12は、当該情報センタ装置10で実行される各種アプリケーションソフトウェアや処理部14による各種処理において必要となるデータを記憶する。この情報記憶部12に記憶された情報は、処理部14によって読み出される。
【0014】
端末分布管理部13は、処理部14の制御に従って、通信部11を介して歩行者が保有する携帯端末20から受信したメッセージに基づいて、携帯端末20の分布状況を取得して管理する。この端末分布管理部13によって管理される携帯端末20の分布状況を示す情報は、処理部14によって読み出される。
【0015】
処理部14は、通信部11を介して歩行者が保有する携帯端末20及び車載装置30から受信したメッセージに基づいて各種処理を行う。例えば、処理部14は、携帯端末20との無線通信によって取得した歩行者の現在位置情報を車載装置30に対して無線通信によって通知した際に発生する、実際の携帯端末20の現在位置との誤差を予測し、予測した誤差を用いて携帯端末20から取得した歩行者の現在位置情報を補正する、等の処理を行う。同様に、処理部14は、実際の車載装置30の現在位置との誤差を予測し、予測した誤差を用いて車載装置30から取得した車両の現在位置情報を補正する、等の処理を行う。また、処理部14は、端末分布管理部13によって管理されている携帯端末20の分布状況に基づいて、同一車両に乗車中の者の存在を判定する。
【0016】
携帯端末20は、歩行者によって保有される例えば通話機能を備えた携帯電話装置やPDA(Personal Data Assistance)等から構成される。具体的には、携帯端末20は、情報センタ装置10との間で無線通信を行う通信部21と、当該携帯端末20の現在位置を特定する位置特定部22と、各種情報を記憶する情報記憶部23と、当該携帯端末20を統括的に制御する処理部24とを備える。
【0017】
通信部21は、広域通信網を介した無線通信により、歩行者の現在位置情報を含むメッセージを情報センタ装置10に対して送信する。
【0018】
位置特定部22は、いわゆるGPS(Global Positioning System)受信機から構成される。位置特定部22は、処理部24の制御に従って、GPS衛星から送信される信号をGPSアンテナを介して受信することにより、GPS航法による位置計測を行い、当該携帯端末20の絶対位置(緯度、経度)情報を歩行者の現在位置情報として取得する。位置特定部22は、取得した歩行者の現在位置情報を処理部24に供給する。
【0019】
情報記憶部23は、当該携帯端末20で実行される各種アプリケーションソフトウェアや処理部24による各種処理において必要となるデータを記憶する。この情報記憶部23に記憶された情報は、処理部24によって読み出される。
【0020】
処理部24は、位置特定部22によって現在位置情報が取得されたのに応じて、少なくとも当該携帯端末20を一意に特定する識別情報と、現在位置情報と、この現在位置情報を取得した時刻とを添付したメッセージを生成し、通信部21を介して情報センタ装置10に対して送信させる。また、処理部24は、位置特定部22によって現在位置情報が取得されたのに応じて、歩行者が静止しているか否かを判定する。処理部24によって歩行者が静止しているものと判定した場合には、通信部21を介したメッセージの送信を停止するように、又は、歩行者が静止していることが明らかとなるようなメッセージを通信によって情報センタ装置10に送信する。
【0021】
車載装置30は、車両に搭載され、例えば、当該車両の現在位置を検出し、地図データに基づいて描画された車両の現在位置に対応する地図をユーザである運転者に提示しながら、所望の目的までの経路案内を行うナビゲーション装置等から構成される。具体的には、車載装置30は、情報センタ装置10との間で無線通信を行う通信部31と、車両の現在位置を特定する位置特定部32と、各種情報を記憶する情報記憶部33と、車両の運動状態を認識する車両運動状態認識部34と、当該車載装置30を統括的に制御する処理部35と、各種情報をユーザに提供する情報提供部36とを備える。
【0022】
通信部31は、広域通信網を介した無線通信により、情報センタ装置10から送信された歩行者の現在位置情報を受信し、処理部35に供給する。また、通信部31は、広域通信網を介した無線通信により、車両の現在位置情報を含むメッセージを情報センタ装置10に対して送信する。
【0023】
位置特定部32は、いわゆるGPS受信機から構成される。位置特定部32は、処理部35の制御に従って、GPS衛星から送信される信号をGPSアンテナを介して受信することにより、GPS航法による位置計測を行い、当該車載装置30が搭載された移動体である車両の絶対位置(緯度、経度)情報を算出する。また、位置特定部32は、図示しない距離センサによって検出された走行距離情報や図示しない方位センサによって検出された進行方位情報に基づいて、自律航法による車両の相対位置を算出する。そして、位置特定部32は、上述した絶対位置(緯度、経度)情報と、相対位置情報とに基づいて、当該車載装置30が搭載された車両の地図上における位置を算出する。位置特定部32は、算出した車両の現在位置情報を処理部35に供給する。
【0024】
情報記憶部33は、ナビゲーション装置としての当該車載装置30で実行される各種アプリケーションソフトウェア、情報提供部36に表示させる地図の地図データ、マップマッチングやルートガイダンス等に用いる道路データ等、車両のナビゲーションや処理部35による各種処理に必要となる各種データを記憶する。この情報記憶部33に記憶された情報は、処理部35によって読み出される。
【0025】
車両運動状態認識部34は、車速や舵角、動作しているウィンカー等、車両運動状態に関する情報を取得して認識する。車両運動状態認識部34は、認識した車両運動状態情報を処理部35に供給する。
【0026】
処理部35は、位置特定部32によって算出された現在位置情報に基づいて、対応する地図データや道路データ等、車両のナビゲーションに必要となる各種情報を、情報記憶部33から読み出したり、通信部31を介して情報センタ装置10から無線通信によって取得したりする。また、処理部35は、図示しない操作手段を介してユーザによって入力される目的地及び現在位置情報とを用いて、現在位置から目的地までの最適な走行経路を情報提供部36によって提示させ、目的地の近傍領域までの経路案内(ナビゲーション)を行うルートガイダンスを行う。このとき、処理部35は、情報提供部36を制御して、音声によるナビゲーションを実行することもできる。
【0027】
さらに、処理部35は、情報提供部36に表示させる表示画像を生成する。例えば、処理部35は、表示画像としてナビゲーション用の地図を生成し、情報提供部36に表示させる。さらにまた、処理部35は、携帯端末20から情報センタ装置10を介して無線通信によって取得した歩行者の現在位置情報に基づく情報をユーザに提示するか否かを判定し、提示するものと判定した場合には、歩行者の現在位置情報を付加した表示画像を生成し、情報提供部36に表示させる。
【0028】
情報提供部36は、処理部35によって生成された表示画像を表示する表示手段である。情報提供部36は、液晶ディスプレイ等から構成され、例えば車両に搭載されている場合には、主に運転者に視認しやすい位置等、ユーザから視認しやすい位置に設置される。また、情報提供部36の表示パネルは、ユーザが操作可能なタッチパネルとして構成されていてもよい。さらに、情報提供部36は、スピーカ等の音声出力手段としても構成される。かかる音声出力手段としての情報提供部36は、例えば車両に搭載されている場合には、主に運転者の左右両側位置等、ユーザから聴取しやすい位置に設置される。
【0029】
なお、本発明の実施形態として示す位置情報通知システムにおいては、上述したように、携帯端末20の分布状況に基づいて、車両に乗車中の者の存在を判定するものであるが、歩行者が乗車する車両には、車載装置30が搭載されていることはいうまでもない。
【0030】
[位置情報通知システムの動作]
このような位置情報通知システムにおいて、情報センタ装置10は、図2に示すような一連の手順にしたがって、処理部14の制御に従って、歩行者が車両に乗車しているか否かを判定する。なお、この処理は、例えば数百ミリ秒程度の短い周期で定期的に実行されるものである。
【0031】
まず、情報センタ装置10は、図2に示すように、ステップS1において、端末分布管理部13及び処理部14の制御に従って、同一車両設定処理を実行し、同一車両に乗車している者が保有する携帯端末20が存在するか否かの判定を行う。この処理対象は、各携帯端末20及び各車載装置30である。具体的には、情報センタ装置10は、図3に示すような一連の手順にしたがって、同一車両設定処理を実行する。
【0032】
すなわち、情報センタ装置10は、図3に示すように、ステップS11において、処理部14の制御に従って、以前の計算周期において同一車両フラグがオン状態となっているか否かを判定する。ここで、情報センタ装置10は、同一車両フラグがオン状態となっている場合には、ステップS19へと処理を移行する一方で、同一車両フラグがオフ状態となっている場合には、ステップS12に処理を移行する。
【0033】
ステップS12において、情報センタ装置10は、端末分布管理部13及び処理部14の制御に従って、携帯端末20及び車載装置30が移動している際の平均速度を算出する。具体的には、情報センタ装置10は、通信部11を介して、携帯端末20における位置特定部22によって特定された歩行者の位置情報を受信する。そして情報センタ装置10は、端末分布管理部13及び処理部14の制御に従って、受信した位置情報の履歴に基づいて、携帯端末20が移動している際の平均速度を算出する。また、情報センタ装置10は、通信部11を介して、車載装置30における位置特定部32によって特定された車両の位置情報や車両運動状態認識部34によって認識された車速等の車両運動状態情報を受信する。そして情報センタ装置10は、これら位置情報や車両運動状態情報を端末分布管理部13に格納し、その履歴に基づいて、処理部14の制御に従って、車載装置30が移動している際の平均速度を算出する。なお、この場合、情報センタ装置10は、処理部14の制御に従って、受信した車両運動状態情報に含まれる車速情報そのものを利用して、車載装置30が移動している際の平均速度を算出するようにしてもよい。
【0034】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS13において、処理部14の制御に従って、ステップS12にて算出された携帯端末20及び車載装置30の平均速度が予め設定した閾値速度Xよりも大きいか否かを判定する。なお、この閾値速度Xは、通常の車両の走行速度程度に設定される。これにより、情報センタ装置10は、携帯端末20から異なる時刻に受信した位置情報から各携帯端末20の移動速度が所定値以下か否かを判断し、移動速度が所定値以下ではないと判断された場合に、携帯端末20が同一の車両に存在していると判定するための以降の処理を行う。
【0035】
ここで、情報センタ装置10は、平均速度が閾値速度X未満であった場合には、そのまま一連の同一車両設定処理を終了する。一方、平均速度が閾値速度X以上であった場合には、車両に乗車している可能性が高いため、ステップS14へと処理を移行する。
【0036】
情報センタ装置10は、ステップS14に処理を移行すると、処理部14の制御に従って、平均速度が予め設定した閾値速度X以上である携帯端末20及び車載装置30の識別情報に対して車両候補フラグを立てる。
【0037】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS15において、処理部14の制御に従って、各携帯端末20及び各車載装置30から異なる時刻で受信した位置情報を集約し、時刻を同期させ、その時刻における位置を推定し、位置情報を補完する。
【0038】
すなわち、各携帯端末20及び各車載装置30は、その位置情報を送信する周期が同じであっても送信タイミングが異なる。したがって、例えば図4(a)に示すように、複数の者が同一車両に乗車している場合であっても、情報センタ装置10が受信する位置情報は、時間的にずれたものとなり、他車両に乗車している歩行者との区別をつけることができない。具体的には、図4(a)に示す例では、同一車両に、ID=001の携帯端末20(A)を保有する者と、ID=002の携帯端末20(B)を保有する者と、ID=003の携帯端末20(C)を保有する者と、ID=004の携帯端末20(D)を保有する者とが乗車している。そして、情報センタ装置10には、時間軸上において携帯端末20のうちのA〜Dからの位置情報がランダムに受信されてしまう。
【0039】
そこで、情報センタ装置10は、各携帯端末20及び各車載装置30から異なる時刻で受信した位置情報を車両毎に集約し、時刻を同期させる。図4(b)に示すように、所定の時間帯内で受信した携帯端末20の位置情報は、所定のタイミングにて受信されたものとみなし、位置情報を車両毎に集約する。
【0040】
そして、情報センタ装置10は、図5に示すように、受信タイミングが異なる位置情報を推定する。具体的には、情報センタ装置10は、各携帯端末20及び各車載装置30の現在位置情報と1周期前の位置情報とに基づいて、平均車速及び移動方向を算出する。そして、算出した平均車速及び移動方向と、現在時刻と現在位置情報を取得した時刻との差分とに基づいて、現在時刻における位置を算出する。これにより情報センタ装置10は、受信タイミングが異なっていても、各携帯端末20の位置情報を推定する。
【0041】
続いて、情報センタ装置10は、図3中ステップS16において、処理部14の制御に従って、ステップS15にて推定した各携帯端末20及び各車載装置30の位置関係に基づいて、各携帯端末20が車両内の所定範囲に存在し、同一車両に乗車している者が保有する携帯端末20であるか否かを判定する。ここで、各携帯端末20が同一車両に存在していることを判定できる車両内の所定範囲とは、座席位置に基づく範囲に相当する。通常、車の座席は四角形状に配置され、またその位置関係も固定されている。ここで、例えば、4人の携帯端末20の保持者が、2人2列で歩行している場合、他の歩行者や自転車などの影響によって、その位置関係は容易に崩れる。これに対し、乗車している携帯端末20の保持者の位置関係は、ある範囲内で一定間隔を保ち続けることになる。例えば、走行中に座席位置を入れ替わることは無く、また着座位置も固定されているために乗員間隔もほぼ一定のままとなる。このような車両に乗車していない歩行者と、車両に乗車している携帯端末20の保持者との位置変化の特徴に着目して、携帯端末20の保持者が歩行中か乗車中かを判定することができる。
【0042】
具体的には、情報センタ装置10は、例えば図6に示すように、各携帯端末20(A)〜(D)を中心とした半径数メートル程度の円状のエリア100A〜100D又はこれに類似した形状のエリアを各携帯端末20(A)〜(D)毎に形成する。そして、情報センタ装置10は、形成した全てのエリア100A〜100Dの重複部分(斜線部分)に属する携帯端末20が2つ以上あった場合には、これら携帯端末20を同一車両に乗車している携帯端末20であるものと判定し、当該携帯端末20の識別情報(ID)を情報記憶部12に記憶する。これにより、情報センタ装置10は、携帯端末20から異なる時刻に受信した位置情報から、当該携帯端末20が車両内の所定の範囲に存在するか否かを推定する。
【0043】
なお、情報センタ装置10は、同一車両かの判定精度を向上させるために、1度だけの判定結果によって直ちに同一車両に乗車している携帯端末であるものと判定せずに、次の演算周期以降も継続して同じ判定結果が得られた場合に、同一車両に乗車している携帯端末20同士であるものと判定するのが望ましい。
【0044】
情報センタ装置10は、ステップS17において、同一車両に乗車している携帯端末20でないものと判定した場合には、そのまま一連の同一車両設定処理を終了する。一方、同一車両に乗車している携帯端末20であるものと判定した場合には、ステップS18へと処理を移行する。
【0045】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS18において、処理部14の制御に従って、同一車両に乗車している携帯端末20についての同一車両フラグを立てる(オン)。また、情報センタ装置10は、端末分布管理部13により、携帯端末20を持った者が複数人乗車している車両の車両番号と、当該車両に存在する全ての携帯端末20の識別情報とを情報記憶部12に保持する。なお、車載装置30については、同一車両判定によって他の携帯端末20を保有する歩行者が乗車していなくても同一車両フラグを立てる。
【0046】
そして、情報センタ装置10は、ステップS19において、処理部14の制御に従って、各携帯端末20の識別情報に対して乗車している車両の車両番号を付与することによって、車両フラグを立てる(オンする)。この車両フラグは、ある携帯端末20を保有する者が車両に乗っている時にオン状態とされる。
【0047】
ステップS20において、情報センタ装置10は、各同一車両に乗車している携帯端末20のうち任意の1台を代表端末装置として設定し、一連の同一車両設定処理を終了する。なお、代表端末装置の設定方法としては、同一車両に乗車しているものと判定された端末装置に車載装置30が含まれる場合には、当該車載装置30を代表端末装置とし、車載装置30が含まれない場合には、ステップS16にて形成したエリア100A〜100Dの重複部分の中心に最も近い位置にある端末装置を代表端末装置とする。また、情報センタ装置10は、ランダムに代表端末装置を設定してもよい。
【0048】
情報センタ装置10は、このような同一車両設定処理を実行することにより、同一車両に乗車しているものと判定された携帯端末20については、その車両がその後に渋滞に入ってしまった場合であっても歩行者として認識しないようにし、乗員に対して、渋滞車両内の携帯端末20の情報提供を行わないように、車載装置30に指令を出すことになる。
【0049】
情報センタ装置10は、このようにして同一車両設定処理を終了した後、新たに同一車両に乗車した携帯端末20を追加するために、図2中ステップS2において、処理部14の制御に従って、同一車両追加処理を実行する。この同一車両追加処理は、以前の計算周期の同一車両設定処理にて設定された同一車両に対して、その車両に乗り込んだ他の携帯端末20を追加する。この処理対象は、各携帯端末20及び各車載装置30である。この同一車両追加処理によって対応可能なシーンとしては、上述した同一車両設定処理によって既に車両と認識された車両に新たな携帯端末20が乗り込んで、以後の動きを当該車両と同じくする場合である。具体的には、情報センタ装置10は、図7に示すような一連の手順にしたがって、同一車両追加処理を実行する。
【0050】
まず、情報センタ装置10は、図7に示すように、ステップS21において、処理部14の制御に従って、処理対象の各携帯端末20が代表端末装置であるか否かを判定する。ここで、情報センタ装置10は、携帯端末20が代表端末装置である場合には、ステップS23へと処理を移行する。一方、処理対象の携帯端末20が代表端末装置でない場合には、ステップS22において、各携帯端末20の車両フラグがオン状態になっているか否かを判定する。そして、情報センタ装置10は、車両フラグがオン状態となっている場合には、既に携帯端末20が車両内に存在するのでそのまま一連の同一車両追加処理を終了する。一方で、車両フラグがオフ状態となっている場合には、車両に乗り込んでいる可能性があるので、ステップS23へと処理を移行する。
【0051】
情報センタ装置10は、ステップS23において、処理部14の制御に従って、図3中ステップS12と同様の処理を行うことにより、各携帯端末20の位置情報の履歴に基づいて、携帯端末20及び車載装置30が移動している際の平均速度を算出する。
【0052】
そして、情報センタ装置10は、ステップS24において、処理部14の制御に従って、ステップS23にて算出された携帯端末20及び車載装置30の平均速度が予め設定した閾値速度Xよりも大きいか否かを判定する。ここで、情報センタ装置10は、平均速度が閾値速度X未満であった場合には、そのまま一連の同一車両追加処理を終了する。一方、平均速度が閾値速度X以上であった場合には、当該携帯端末20を保有した者が車両に乗車している可能性が高いため、ステップS25へと処理を移行する。
【0053】
情報センタ装置10は、ステップS25に処理を移行すると、処理部14の制御に従って、平均速度が予め設定した閾値速度X以上である携帯端末20及び車載装置30の識別情報に対して同一車両追加候補フラグを立てる。このとき、情報センタ装置10は、車両内である可能性が高い携帯端末20の識別情報に対し、ある車両に追加する可能性がある場合に、同一車両追加候補フラグをオン状態とする。
【0054】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS26において、処理部14の制御に従って、図3中ステップS15と同様の処理を行うことにより、代表端末装置、各携帯端末20及び各車載装置30から異なる時刻で受信した位置情報を集約し、時刻を同期させ、その時刻の位置を推定する。
【0055】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS27において、処理部14の制御に従って、ステップS26にて推定した各携帯端末20及び各車載装置30の位置関係に基づいて、各携帯端末20が車両内の所定範囲に存在し、同一車両に乗車している携帯端末20であるか否かを判定する。具体的には、情報センタ装置10は、例えば図8に示すように、代表端末装置(A)を中心とした半径数メートル程度の円又はこれに類似した形状のエリア100Aを形成する。そして、情報センタ装置10は、形成したエリア100Aに属する新規の携帯端末20(E)を当該代表端末装置(A)が形成する同一車両に乗車している携帯端末20として追加し、その識別情報を情報記憶部12に記憶する。これにより、情報センタ装置10は、各携帯端末20が同一車両に存在していることを判定できる車両内の所定範囲に存在する新規の携帯端末20を追加できる。
【0056】
なお、情報センタ装置10は、判定精度を向上させるために、1度だけの判定結果によって直ちに同一車両に乗車している端末装置として追加せずに、次の周期以降も継続している場合に、同一車両に乗車している端末装置として追加するのが望ましい。
【0057】
情報センタ装置10は、ステップS28において、同一車両に乗車している携帯端末20として追加しないものと判定した場合には、そのまま一連の同一車両追加処理を終了する。一方、情報センタ装置10は、同一車両に乗車している携帯端末20として追加するものと判定した場合には、ステップS29へと処理を移行する。
【0058】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS29において、処理部14の制御に従って、同一車両に乗車している携帯端末20として追加された当該携帯端末20の識別番号にオン状態の同一車両フラグを立てる。また、情報センタ装置10は、端末分布管理部13により、オン状態の同一車両フラグの付与後に、同一車両番号と、それを構成する全ての携帯端末20の識別情報とを情報記憶部12に保持して更新する。
【0059】
そして、情報センタ装置10は、ステップS30において、処理部14の制御に従って、ステップS28にて同一車両に乗車している携帯端末20として追加された携帯端末20の識別情報に対して、オン状態の車両フラグを対応付けて記憶し、一連の同一車両追加処理を終了する。なお、代表端末装置については、以前と同様の端末装置を維持する。
【0060】
情報センタ装置10は、このような同一車両追加処理を実行することにより、同一車両に乗車しているものと判定された端末装置については、その車両がその後渋滞に入ってしまった場合であっても歩行者として認識しないようにし、乗員に対して、渋滞車両内の携帯端末20の情報提供を行わないように、車載装置30に指令を出すことになる。
【0061】
情報センタ装置10は、このようにして同一車両追加処理を終了した後、代表端末装置が乗車している車両から離脱した携帯端末20が同一車両内であることを解除するために図2中ステップS3の処理を行う。この処理は、処理部14の制御に従って、同一車両解除処理を実行し、以後の周期又は前のステップまでで同一車両に乗車しているものと判定された携帯端末20のうち当該車両から離脱した携帯端末20を判定する。この処理対象は、各携帯端末20及び各車載装置30である。この同一車両解除処理によって対応可能なシーンとしては、同一車両に乗車していたが、車両が停止して携帯端末20の保有者が当該車両から降車した場合である。具体的には、情報センタ装置10は、図9に示すような一連の手順にしたがって、同一車両解除処理を実行する。
【0062】
まず、情報センタ装置10は、図9に示すように、ステップS31において、処理部14の制御に従って、各携帯端末20の車両フラグがオン状態になっているか否かを判定する。そして、情報センタ装置10は、車両フラグがオン状態となっている場合には、そのまま一連の同一車両解除処理を終了する一方で、車両フラグがオフ状態となっている場合には、ステップS32へと処理を移行する。
【0063】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS32において、処理部14の制御に従って、図3中ステップS12と同様の処理を行うことにより、代表端末装置の位置情報の履歴に基づいて、当該代表端末装置が移動している際の平均速度を算出する。
【0064】
そして、情報センタ装置10は、ステップS33において、処理部14の制御に従って、ステップS32にて算出された代表端末装置の平均速度が予め設定した閾値速度Xよりも大きいか否かを判定する。ここで、情報センタ装置10は、平均速度が閾値速度X以上であった場合には、車両に乗車しているので、そのまま一連の同一車両解除処理を終了する。一方で、平均速度が閾値速度X未満であった場合には、車両に乗車していない可能性が高いため、ステップS34へと処理を移行する。
【0065】
情報センタ装置10は、ステップS34に処理を移行すると、処理部14の制御に従って、平均速度が予め設定した閾値速度X未満である代表端末装置とその車両に乗車している者の携帯端末20との識別情報に対して同一車両解除候補フラグを立てる。
【0066】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS35において、処理部14の制御に従って、図3中ステップS15と同様の処理を行うことにより、ステップS34にて同一車両解除候補フラグを付与した代表端末装置及び各携帯端末20を対象として、異なる時刻で受信した位置情報を集約し、時刻を同期させ、その時刻の位置を推定する。これにより、情報センタ装置10は、代表端末装置の位置情報の受信周期に処理周期を変更することができ、処理負荷を分散させることができ、車両の走行状態が変化した場合であってもリアルタイムに処理を行うことができる。
【0067】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS36において、処理部14の制御に従って、ステップS35にて推定した各携帯端末20の位置関係に基づいて、同一車両から降車した携帯端末20であるか否かを判定する。具体的には、情報センタ装置10は、例えば図10に示すように、代表端末装置(A)を中心とした半径数メートル程度の円又はこれに類似した形状のエリアを形成する。なお、位置測定の誤差を考慮して、エリアの面積は大きい方が望ましい。また、代表端末装置を中心としたエリアについてのみ処理対象とするのは、情報センタ装置10の処理負荷を軽減するためである。
【0068】
そして、情報センタ装置10は、各携帯端末20が車両内の所定範囲に存在しないために、形成したエリアから外れた携帯端末20(D)を当該代表端末装置が形成する同一車両から離脱した携帯端末20として解除する。このとき、情報センタ装置10は、同一車両に乗車している携帯端末20が代表端末装置を含めて2つ以上ある場合には、同一車両を継続し、代表端末装置のみとなった場合には、全ての携帯端末20について同一車両を解除する。これにより、情報センタ装置10は、各携帯端末20が同一車両に存在していることを判定できる車両内の所定範囲から離脱した携帯端末20を認識できる。
【0069】
なお、情報センタ装置10は、判定精度を向上させるために、1度だけの判定結果によって直ちに同一車両から離脱した携帯端末20として解除せずに、次の周期以降も継続している場合に、同一車両から離脱した携帯端末20として解除するのが望ましい。
【0070】
情報センタ装置10は、ステップS37において、同一車両から離脱した携帯端末20として解除しないものと判定した場合には、そのまま一連の同一車両解除処理を終了する。一方、同一車両から離脱した携帯端末20として解除するものと判定した場合には、ステップS38へと処理を移行する。
【0071】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS38において、処理部14の制御に従って、同一車両から離脱した携帯端末20として解除されたものに付与されている同一車両フラグを消去する。また、情報センタ装置10は、端末分布管理部13により、同一車両フラグの消去後に、同一車両番号と、それを構成する全ての携帯端末20の識別情報とを情報記憶部12から消去(オフ)して更新する。
【0072】
そして、情報センタ装置10は、ステップS39において、処理部14の制御に従って、ステップS37にて同一車両から離脱した携帯端末20として解除された携帯端末20の識別情報に対して車両フラグを消去(オフ)し、一連の同一車両解除処理を終了する。なお、車載装置30については、同一車両解除によって他の携帯端末20が全て解除された場合であっても、車両フラグが付与(オン)されたままとする。
【0073】
情報センタ装置10は、このような同一車両解除処理を終了した後、歩行者の移動速度が低い場合であっても、その理由が、乗車している車両が渋滞に入ったためである場合があるため、図2中ステップS4において、端末分布管理部13及び処理部14の制御に従って、渋滞車両設定処理を実行する。この処理により、渋滞中の車両に乗車している者の携帯端末20を判定する。この処理対象は、各携帯端末20である。ステップS1乃至ステップS3の処理では、渋滞に入る前に走行している車両に乗車している携帯端末20を判定したが、この渋滞車両設定処理は、ステップS1乃至ステップS3において車両であるものと判別することができない車載装置30が非搭載の車両に携帯端末20を保有する者が1人のみ乗車しているシーンで、車両に乗車しているか否かを判定する処理である。ここでは、渋滞前に車両に乗車しているか否かを判定することが困難であるため、渋滞に入った後に車両に乗車しているか否かを判定する。具体的には、情報センタ装置10は、図11に示すような一連の手順にしたがって、渋滞車両設定処理を実行する。
【0074】
まず、情報センタ装置10は、図11に示すように、ステップS41において、処理部14の制御に従って、以前の計算周期において各携帯端末20の車両フラグがオン状態になっているか否かを判定する。そして、情報センタ装置10は、車両フラグがオン状態となっている場合には、そのまま一連の渋滞車両設定処理を終了する一方で、車両フラグがオフ状態となっている場合には、ステップS42へと処理を移行する。
【0075】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS42において、処理部14の制御に従って、図3中ステップS12と同様の処理を行うことにより、各携帯端末20の位置情報の履歴に基づいて、当該携帯端末20が移動している際の平均速度を算出する。
【0076】
そして、情報センタ装置10は、ステップS43において、処理部14の制御に従って、ステップS42にて算出された携帯端末20の平均速度が予め設定した閾値速度Xよりも大きいか否かを判定する。ここで、情報センタ装置10は、平均速度が閾値速度X以上であった場合には、そのまま一連の渋滞車両設定処理を終了する一方で、平均速度が閾値速度X未満であった場合には、車両が渋滞に入った可能性が高いため、ステップS44へと処理を移行する。
【0077】
情報センタ装置10は、ステップS44に処理を移行すると、処理部14の制御に従って、図3中ステップS14にて付与された車両候補フラグの履歴情報に基づいて、予め設定された退去一定時間内に車両候補フラグが付与されたか否かを、各携帯端末20毎に判定する。ここで、情報センタ装置10は、退去一定時間内に車両候補フラグが付与されていない場合には、そのまま一連の渋滞車両設定処理を終了する一方で、退去一定時間内に車両候補フラグが付与された場合には、ステップS45へと処理を移行する。
【0078】
情報センタ装置10は、ステップS45に処理を移行すると、処理部14の制御に従って、退去一定時間内に車両候補フラグが付与された各携帯端末20に対して、車両候補フラグが付与された後、一定時間車両候補フラグが消去された状態が継続していたか否かを判定する。ここで、情報センタ装置10は、一定時間内に車両候補フラグが消去された状態が継続していない場合には、そのまま一連の渋滞車両設定処理を終了する一方で、一定時間内に車両候補フラグが消去された状態が継続していた場合には、ステップS46へと処理を移行する。
【0079】
情報センタ装置10は、ステップS46に処理を移行すると、処理部14の制御に従って、携帯端末20の識別情報に対して渋滞車両候補フラグを立てる。
【0080】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS47において、処理部14の制御に従って、図3中ステップS15と同様の処理を行うことにより、ステップS46にて渋滞車両候補フラグを立てた各携帯端末20を対象として、異なる時刻で受信した位置情報を集約し、時刻を同期させ、その時刻の位置を推定する。
【0081】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS48において、処理部14の制御に従って、ステップS47にて推定した各携帯端末20の位置関係に基づいて、携帯端末20が乗車している車両が渋滞中であるか否かを判定する。
【0082】
具体的には、情報センタ装置10は、例えば図12に示すように、各携帯端末20を中心として、車両方向を長手方向とする数十メートル乃至百メートル程度の矩形又はこれに類似した形状のエリア101を形成する。なお、図12は、車両Aの周囲にエリア101を形成した場合の様子について示している。このエリア101は、車載装置30の情報記憶部33に記憶されている道路情報に応じて幅や長さや形状を変化させることが可能である。例えば、片側2車線以上の道路の場合には、車線数に沿った幅を設定してもよい。また、カーブした車線の場合には、道路リンク形状に合致した形状のエリアを設定してもよい。そして、情報センタ装置10は、形成したエリア内に他の携帯端末20が属するものがあれば、自車両が渋滞に入っているものと判定する。図12を例とすると、車両Aの周囲の矩形状エリア101内に車両B,C,D,Eの4台が含まれている。このうち、車両C及び車両Eは、既に図2中ステップS1乃至ステップS3において、車両であるものと判定されており、車両B及び車両Dについては、これら車両に携帯端末20が1台しか乗車していないので、車両であるものと判定されていない状態である。このように、車両Aのエリア内に車両B及び車両Dのような車両であるものと認識されていない携帯端末20が含まれる場合には、情報センタ装置10は、車両Aを渋滞中であるものと判定する。なお、情報センタ装置10は、判定精度を向上させるために、1度だけの判定結果によって直ちに渋滞中の車両に乗車している携帯端末20として判定せずに、次の周期以降も継続している場合に、渋滞中の車両に乗車している携帯端末20として判定するのが望ましい。
【0083】
情報センタ装置10は、ステップS49において、渋滞中の車両に乗車している携帯端末20でないものと判定した場合には、そのまま一連の渋滞車両設定処理を終了する一方で、渋滞中の車両に乗車している携帯端末20であるものと判定した場合には、ステップS50へと処理を移行する。
【0084】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS50において、処理部14の制御に従って、渋滞中の車両に乗車している携帯端末20として判定されたものに渋滞車両フラグを立てる。また、情報センタ装置10は、端末分布管理部13により、渋滞車両フラグを立てた後に、同一車両番号と、それを構成する全ての携帯端末20の識別情報とを情報記憶部12に保持する。
【0085】
そして、情報センタ装置10は、ステップS51において、処理部14の制御に従って、ステップS49にて渋滞中の車両に乗車しているものとして判定された携帯端末20の識別情報に対して車両フラグを立て、一連の渋滞車両設定処理を終了する。
【0086】
情報センタ装置10は、このような渋滞車両設定処理を実行することにより、車両に乗車しているものと判定された携帯端末20については、その車両が渋滞中である場合であっても歩行者として認識しないようにし、乗員に対して、渋滞車両内の携帯端末20の情報提供を行わないように、車載装置30に指令を出すことになる。
【0087】
情報センタ装置10は、このようにして渋滞車両設定処理を終了した後、渋滞が解消した車両を解除するために、図2中ステップS5において、処理部14の制御に従って、渋滞車両解除処理を実行する。この処理は、ステップS4にて渋滞中の車両に乗車しているものと判定された携帯端末20について渋滞が解消したか否かを判定する。この処理対象は、各携帯端末20である。この渋滞車両解除処理によって対応可能なシーンとしては、渋滞中の車両に乗車していたが、車両が停止して歩行者が当該車両から降車した場合である。具体的には、情報センタ装置10は、図13に示すような一連の手順にしたがって、渋滞車両解除処理を実行する。
【0088】
まず、情報センタ装置10は、図13に示すように、ステップS61において、処理部14の制御に従って、以前の計算周期及びステップS4にて各携帯端末20の渋滞車両フラグがオン状態になっているか否かを判定する。そして、情報センタ装置10は、渋滞車両フラグがオフ状態となっている場合には、そのまま一連の渋滞車両解除処理を終了する一方で、車両フラグがオン状態となっている場合には、ステップS62へと処理を移行する。
【0089】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS62において、処理部14の制御に従って、図3中ステップS15と同様の処理を行うことにより、渋滞車両解除フラグが付与されている各携帯端末20を対象として、異なる時刻で受信した位置情報を集約し、時刻を同期させ、その時刻の位置を推定する。
【0090】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS63において、処理部14の制御に従って、ステップS62にて推定した各携帯端末20の位置関係に基づいて、当該携帯端末20が乗車している車両が渋滞に継続して入っているか否かを判定する。具体的には、情報センタ装置10は、先に図12に示したような矩形又はこれに類似した形状のエリア101を各携帯端末20毎に形成し、形成したエリア101内に他の携帯端末20が1台以上属していれば、渋滞が継続しているものと判定する。なお、情報センタ装置10は、判定精度を向上させるために、1度だけの判定結果によって直ちに渋滞が継続しているものと判定せずに、次の周期以降も継続している場合に、渋滞が継続しているものと判定するのが望ましい。
【0091】
情報センタ装置10は、ステップS64において、渋滞が継続しているものと判定した場合には、そのまま一連の渋滞車両解除処理を終了する一方で、渋滞が解消しているものと判定した場合には、ステップS65へと処理を移行する。
【0092】
続いて、情報センタ装置10は、ステップS65において、処理部14の制御に従って、渋滞が解消した車両に乗車している携帯端末20に付与されている渋滞車両フラグを消去(オフ)する。また、情報センタ装置10は、端末分布管理部13により、渋滞車両フラグの消去後に、同一車両番号と、それを構成する全ての携帯端末20の識別情報とを情報記憶部12から消去して更新する。
【0093】
そして、情報センタ装置10は、ステップS66において、処理部14の制御に従って、ステップS64にて渋滞が解消した車両に乗車している携帯端末20として解除された携帯端末20の識別情報に対して車両フラグを消去(オフ)し、一連の渋滞車両解除処理を終了する。
【0094】
情報センタ装置10は、このような渋滞車両解除処理を終了すると、図2中ステップS6において、ステップS1乃至ステップS5にて車両に乗車しているものと判定された携帯端末20について歩行者として認識しないようにし、車両に乗車している携帯端末20である旨を示す存在判定情報を、車載装置30に対して送信し、一連の処理を終了する。これに応じて、車載装置30は、存在判定情報に基づいて、当該携帯端末20を保有する歩行者の位置情報に関する情報提供部36を介した情報提供を禁止する。
【0095】
位置情報通知システムにおいては、情報センタ装置10によってこのような一連の手順にしたがった処理を行うことにより、歩行者が車両に乗車しているか否かを判定することができる。
【0096】
なお、一旦車両に乗車した後は、その状態がしばらく継続することが多い。そのため、車両フラグが付与された携帯端末20については、情報センタ装置10処理負荷を軽減するために、通信周期を延長してもよい。この場合、情報センタ装置10は、車両フラグを消去するのにともない、その携帯端末20との通信周期を元の周期に戻すように指令を出すことになる。また、同一車両に乗車しているものと判定された各携帯端末20に対して情報センタ装置10から指令を出し、同一車両に乗車している状態が継続している間は、その車両に乗車している携帯端末20の通信周期自体を同期させてもよい。
【0097】
[実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明の実施形態として示した位置情報通知システムにおいて、各携帯端末20から異なる時刻で受信した位置情報から、携帯端末20が車両に存在しているか否かを判定し、車両に存在しているものと判定された携帯端末20である旨を示す存在判定情報を、車載装置30に対して送信する。そして、車載装置30は、存在判定情報に基づいて、車両に存在しているものと判定された携帯端末20を保有する歩行者の位置情報に関する情報提供を禁止する。
【0098】
これにより、位置情報通知システムによれば、情報センタ装置10は、携帯端末20の保持者が所定範囲内に存在し、且つ、移動速度が所定以下であったときに、携帯端末20の保持者が車両内に存在すると判定するので、携帯端末20の保持者が存在していないにもかかわらず、車両側で携帯端末20の保持者が存在する旨を誤報知することを抑制することができる。具体的には、この位置情報通知システムによれば、車両の乗員に対して携帯端末20を保有する歩行者の存在を報知して運転への注意を促す情報提供を確実に行いつつ、歩行者が車両に乗車中であるか歩行中であるかを高精度に判定し、車両に乗車している歩行者の位置情報に関する情報提供を行わないので、歩行者が歩道に存在していないにもかかわらず、車両側で歩行者が存在する旨を誤報知してしまうのを確実に回避することができ、システムの信頼性を向上させることができる。
【0099】
また、この位置情報通知システムにおいて、情報センタ装置10は、車両が渋滞に入る前に、携帯端末20が当該車両に存在しているか否かを判定する。これにより、この位置情報通知システムによれば、車両が渋滞に入った直後から渋滞中の車両に乗車している携帯端末20を判定することができるため、システムの信頼性を向上させることができる。
【0100】
さらに、この位置情報通知システムにおいて、情報センタ装置10は、車両が渋滞中であるときに、携帯端末20が当該車両に存在しているか否かを判定する。これにより、この位置情報通知システムによれば、渋滞中の車両に乗車している携帯端末20を高精度に判定することができるため、システムの信頼性を向上させることができる。
【0101】
また、この位置情報通知システムにおいて、情報センタ装置10は、1台の携帯端末20に関する情報に基づいて、当該携帯端末20が車両の所定の範囲に存在しているか否かを判定する。このように、この位置情報通知システムによれば、1台の携帯端末20に関する情報のみで当該携帯端末20が車両の所定の範囲に存在しているか否かを判定することができるため、システムの信頼性を向上させることができる。
【0102】
さらに、この位置情報通知システムにおいて、情報センタ装置10は、1台の携帯端末20に関する情報と、その周囲に存在する他の携帯端末20に関する情報とに基づいて、当該携帯端末20が車両の所定の範囲に存在しているか否かを判定する。このように、この位置情報通知システムによれば、複数の携帯端末20に関する情報を利用して当該携帯端末20が車両の所定の範囲に存在しているか否かを判定することができるため、システムの信頼性を向上させることができる。
【0103】
さらにまた、この位置情報通知システムにおいて、情報センタ装置10は、携帯端末20を保有する歩行者が乗車する車両に搭載された車載装置30に関する情報に基づいて、当該携帯端末20が当該車両の所定の範囲に存在しているか否かを判定する。このように、この位置情報通知システムによれば、車載装置30に関する情報を利用して携帯端末20が車両の所定の範囲に存在しているか否かを判定することができるため、システムの信頼性を向上させることができる。
【0104】
また、この位置情報通知システムにおいて、情報センタ装置10は、携帯端末20を保有する歩行者が乗車する車両に搭載された車載装置30に関する情報を用いずに、当該携帯端末20が当該車両の所定の範囲に存在しているか否かを判定することもできる。このように、この位置情報通知システムによれば、車載装置30に関する情報を利用せずとも携帯端末20が車両の所定の範囲に存在しているか否かを判定することができるため、システムの信頼性を向上させることができる。
【0105】
さらに、この位置情報通知システムにおいて、情報センタ装置10は、各携帯端末20から異なる時刻で受信した位置情報を集約し、時刻を同期させてその時刻の位置を推定し、推定した各携帯端末20の位置関係に基づいて、当該携帯端末20が車両の所定の範囲に存在しているか否かを判定する。これにより、この位置情報通知システムによれば、各携帯端末20の通信周期がバラバラであったとしても、同じ時刻における携帯端末20の位置を確実に把握することができるため、車両に乗車している携帯端末20を極めて高精度に判定することができる。
【0106】
さらにまた、この位置情報通知システムにおいて、情報センタ装置10は、各携帯端末20から異なる時刻で受信した位置情報の履歴に基づいて、時刻を同期させてその時刻の位置を推定する。これにより、この位置情報通知システムによれば、各携帯端末20の通信周期がバラバラであったとしても、各携帯端末20の移動履歴に基づいて位置を推定することができるため、車両に乗車している携帯端末20を極めて高精度に判定することができる。
【0107】
また、この位置情報通知システムにおいて、情報センタ装置10は、推定した各携帯端末20の位置関係に基づいて、各携帯端末20を中心として各携帯端末20毎に形成した全てのエリアの重複部分に属する携帯端末20を、当該車両の所定の範囲に存在しているものと判定する。これにより、この位置情報通知システムによれば、車両に乗車している携帯端末20を極めて高精度に判定することができる。
【0108】
特に、この位置情報通知システムにおいて、情報センタ装置10は、エリアを各携帯端末20毎に任意に変化させて形成する。これにより、この位置情報通知システムによれば、車両の走行状態や位置測定の精度等の条件が異なる場合であっても、条件に応じたエリアを形成することができるため、車両の所定の範囲に乗車している携帯端末20を極めて高精度に判定することができる。
【0109】
また、この位置情報通知システムにおいて、情報センタ装置10は、各携帯端末20が存在する道路の形状に基づいて、エリアを変化させる。これにより、この位置情報通知システムによれば、通路の形状が異なる場合であっても、その形状に応じてエリアを変化させることができるため、車両の所定の範囲に乗車している携帯端末20を極めて高精度に判定することができる。
【0110】
さらに、この位置情報通知システムにおいて、情報センタ装置10は、各携帯端末20が存在する道路の車線数に基づいて、エリアを変化させる。これにより、この位置情報通知システムによれば、通路の車線数が異なる場合であっても、その車線数に応じてエリアを変化させることができるため、車両の所定の範囲に乗車している携帯端末20を極めて高精度に判定することができる。
【0111】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施の形態に限定されることはなく、この実施の形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0112】
すなわち、上述した実施の形態においては、携帯端末20の保持者が車両内にいると判定された場合、その位置情報の報知を禁止しているが、これに限らず、例えば位置情報に車を表すマークなどを重畳させて表示するなど、乗員の位置情報の色や形状を変えるなどの手法によって、携帯端末20の保持者が乗車中なのか歩行中なのかを通知して、乗員に判断させることもできる。
【符号の説明】
【0113】
10 情報センタ装置
11,21,31 通信部
12,23,33 情報記憶部
13 端末分布管理部
14,24,35 処理部
20 携帯端末
22,32 位置特定部
30 車載装置
34 車両運動状態認識部
36 情報提供部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の歩行者がそれぞれ保有する携帯端末と、
複数の車両に搭載され、歩行者の位置情報を乗員に対して情報提供する車載装置と、
前記携帯端末から受信した歩行者の位置情報を前記車載装置へと通知する情報センタ装置とを備え、
前記情報センタ装置は、
前記携帯端末から位置情報を受信する受信手段と、
前記携帯端末から異なる時刻に受信した位置情報から、当該携帯端末が所定の範囲に存在するか否かを推定する推定手段と、
前記携帯端末から異なる時刻に受信した位置情報から、各携帯端末の移動速度が所定値以下か否かを判断する判断手段と、
前記携帯端末のうち、前記推定手段によって所定の範囲に存在することが推定され、かつ、前記判断手段によって移動速度が所定値以下ではないと判断された前記携帯端末が、同一の車両に存在していると判定する判定手段と、
前記判定手段によって同一の車両に存在すると判定された携帯端末に関する情報を前記車載装置へ送信する送信手段とを備え、
前記車載装置は、受信した前記同一の車両に存在すると判定された携帯端末に関する情報に基づいて、当該携帯端末の位置情報の通知を制御することを特徴とする位置情報通知システム。
【請求項2】
前記判定手段は、車両が渋滞に入る前に、前記携帯端末が当該車両に存在しているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の位置情報通知システム。
【請求項3】
前記判定手段は、車両が渋滞中であるときに、前記携帯端末が当該車両に存在しているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の位置情報通知システム。
【請求項4】
前記推定手段は、1台の携帯端末に関する情報に基づいて、当該携帯端末が車両の所定の範囲に存在しているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の位置情報通知システム。
【請求項5】
前記推定手段は、1台の携帯端末に関する情報と、その周囲に存在する他の携帯端末に関する情報とに基づいて、当該携帯端末が車両の所定の範囲に存在しているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の位置情報通知システム。
【請求項6】
前記推定手段は、携帯端末を保有する歩行者が乗車する車両に搭載された車載装置に関する情報に基づいて、当該携帯端末が当該車両の所定の範囲に存在しているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の位置情報通知システム。
【請求項7】
前記推定手段は、携帯端末を保有する歩行者が乗車する車両に搭載された車載装置に関する情報を用いずに、当該携帯端末が当該車両の所定の範囲に存在しているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の位置情報通知システム。
【請求項8】
前記推定手段は、各携帯端末から異なる時刻で受信した位置情報を集約し、時刻を同期させてその時刻の位置を推定し、推定した各携帯端末の位置関係に基づいて、当該携帯端末が車両の所定の範囲に存在しているか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちいずれか1項に記載の位置情報通知システム。
【請求項9】
前記推定手段は、各携帯端末から異なる時刻で受信した位置情報の履歴に基づいて、時刻を同期させてその時刻の位置を推定することを特徴とする請求項8に記載の位置情報通知システム。
【請求項10】
前記推定手段は、推定した各携帯端末の位置関係に基づいて、各携帯端末を中心として各携帯端末毎に形成した全てのエリアの重複部分に属する携帯端末を、当該車両の所定の範囲に存在しているものと判定することを特徴とする請求項9に記載の位置情報通知システム。
【請求項11】
前記推定手段は、前記エリアを各携帯端末毎に任意に変化させて形成することを特徴とする請求項10に記載の位置情報通知システム。
【請求項12】
前記推定手段は、各携帯端末が存在する道路の形状に基づいて、前記エリアを変化させることを特徴とする請求項11に記載の位置情報通知システム。
【請求項13】
前記推定手段は、各携帯端末が存在する道路の車線数に基づいて、前記エリアを変化させることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の位置情報通知システム。
【請求項14】
複数の歩行者がそれぞれ保有する携帯端末から受信した歩行者の位置情報を、複数の車両にそれぞれ搭載されて歩行者の位置情報を乗員に対して情報提供する車載装置へと通知する情報センタ装置において、
前記携帯端末から位置情報を受信する受信手段と、
前記携帯端末から異なる時刻に受信した位置情報から、当該携帯端末が所定の範囲に存在するか否かを推定する推定手段と、
前記携帯端末から異なる時刻に受信した位置情報から、各携帯端末の移動速度が所定値以下か否かを判断する判断手段と、
前記携帯端末のうち、前記推定手段によって所定の範囲に存在することが推定され、かつ、前記判断手段によって移動速度が所定値以下ではないと判断された前記携帯端末が、同一の車両に存在していると判定する判定手段と、
前記判定手段によって同一の車両に存在すると判定された携帯端末に関する情報を前記車載装置へ送信する送信手段とを備えることを特徴とする情報センタ装置。
【請求項15】
複数の歩行者がそれぞれ保有する携帯端末から送信された情報に基づいて情報センタ装置によって通知された歩行者の位置情報を乗員に対して情報提供する車載装置において、
前記情報センタ装置は、前記携帯端末から異なる時刻に受信した位置情報から、当該携帯端末が所定の範囲に存在するか否かを推定すると共に各携帯端末の移動速度が所定値以下か否かを判断して、前記携帯端末のうち、所定の範囲に存在することが推定され、かつ、移動速度が所定値以下ではないと判断された前記携帯端末が同一の車両に存在していると判定して、当該携帯端末に関する情報を前記車載装置へ送信するものであり、
当該車載装置は、
歩行者の位置情報を乗員に対して情報提供する情報提供手段と、
前記情報センタ装置から送信された同一の車両に存在していると判定された携帯端末に関する情報を受信する受信手段と、
受信した前記同一の車両に存在すると判定された携帯端末に関する情報に基づいて、当該携帯端末の位置情報の通知を制御する制御手段とを備えること
を特徴とする車載装置。
【請求項16】
複数の歩行者がそれぞれ保有する携帯端末から受信した歩行者の位置情報を、情報センタ装置を介して、複数の車両にそれぞれ搭載されて歩行者の位置情報を乗員に対して情報提供する車載装置へと通知する位置情報通知方法において、
前記情報センタ装置が、前記携帯端末から異なる時刻に受信した位置情報から、当該携帯端末が所定の範囲に存在するか否かを推定すると共に各携帯端末の移動速度が所定値以下か否かを判断して、前記携帯端末のうち、所定の範囲に存在することが推定され、かつ、移動速度が所定値以下ではないと判断された前記携帯端末が同一の車両に存在していると判定して、当該携帯端末に関する情報を前記車載装置へ送信し、
当該車載装置が、前記情報センタ装置から受信した前記同一の車両に存在すると判定された携帯端末に関する情報に基づいて、当該携帯端末の位置情報の通知を制御すること
を特徴とする位置情報通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−169570(P2010−169570A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13083(P2009−13083)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】