説明

位置検出装置、入力機能付き表示システムおよび位置検出方法

【課題】検出光が対象物体以外の物体で反射して受光部に入射することに起因する検出誤差の発生を防止することのできる位置検出装置、該位置検出装置を備えた入力機能付き表示システム、および位置検出方法を提供すること。
【解決手段】位置検出装置10において、位置検出の際、受光部13は、対象物体Obで反射した検出光L2を受光するとともに、検出光L2が対象物体以外の物体Sbで反射した検出光(迷光L5)も受光する。ここで、迷光L5の強度は、検出光L2の強度に比例する。そこで、検出対象空間10Rを介さずに受光部13に入射する補償光L4を出射する補償用光源部14を設け、検出光L2の強度を増大させたときには、補償光L4の強度を低減し、検出光L2の強度を低減させたときには、補償光L4の強度を増大させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する位置検出装置、該位置検出装置を備えた入力機能付き表示システム、および位置検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する位置検出装置としては、例えば、複数の点光源を互いに離間した位置に設け、複数の点光源の各々から透光部材を介して対象物体に向けて検出光を出射した際に、対象物体で反射した検出光が透光部材を透過して受光部で検出されるものが提案されている(特許文献1参照)。また、複数の点光源の各々から出射された検出光を、導光板を介して出射し、対象物体で反射した検出光を受光部で検出する方式の位置検出装置も提案されている(特許文献2、3参照)。
【0003】
かかる位置検出装置では、複数の点光源のうちの一部の点光源が点灯した際の受光部での受光強度と、他の一部の点光源が点灯した際の受光部での受光強度との比較結果に基づいて対象物体の位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−534554号公報
【特許文献2】特開2010−127671号公報
【特許文献3】特開2009−295318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1〜3に記載の位置検出装置において、複数の点光源のうち、第1期間において一部の点光源が点灯した際の受光部での受光強度と、第2期間において他の一部の点光源が点灯した際の受光部での受光強度とが等しくなるように、一部の点光源に供給する第1駆動電流値と、他の一部の点光源に供給する第2駆動電流値とを調整し、調整した後の第1駆動電流値と第2駆動電流値との比較結果に基づいて対象物体の位置を検出すれば、外光等の影響を排除することができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1〜3に記載の構成では、点光源から出射された検出光が、周辺に置かれた備品等の対象物体以外の物体で反射して受光部に入射するような場合、検出誤差が大きいという問題点がある。
【0007】
かかる問題点を、図16を参照して説明する。まず、図16に示す期間T11において、対象物体が検出対象空間に存在しない状態で、第1期間に供給する第1駆動電流値と、第2期間に供給する第2駆動電流値とを等しくして一部の点光源と他の一部の点光源と第1期間と第2期間で順次点灯させると、対象物体で反射した検出光(反射光)の強度はゼロであるが、備品等の対象物体以外の物体で反射した検出光が迷光として受光部に入射する。次に、期間T12において対象物体が検出対象空間に出現すると、受光部は、対象物体で反射した反射光と迷光とを受光する。ここで、受光部での受光強度が第1期間と第2期間とで等しい場合、対象物体が中心位置にあるとわかる。これに対して、期間T13のように、受光部での受光強度が第1期間と第2期間とで異なる場合、期間T14のように、受光部での受光強度が第1期間と第2期間とで等しくなるように、第1期間に供給する第1駆動電流値および第2期間に供給する第2駆動電流値を調整する。そして、受光部での受光強度が第1期間と第2期間とで等しくなったとき、第1駆動電流値に対する調整量ΔI11と第2駆動電流値に対する調整量ΔI12との差や比等を用いれば、対象物体の位置を検出できるはずである。
【0008】
しかしながら、受光部は、対象物体で反射した検出光を受光するとともに、検出光が対象物体以外の物体で反射した迷光も受光する。ここで、迷光の強度は、検出光の出射強度に比例するため、第1駆動電流値および第2駆動電流値を調整すると、迷光の強度も変動してしまう。その結果、期間T14に示すように、実際には第1期間と第2期間とにおいて対象物体で反射した検出光に対する受光強度が相違しているにもかかわらず、第1期間と第2期間とにおいて受光部での受光強度が等しくなってしまい、検出誤差が発生する。
【0009】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、検出光が対象物体以外の物体で反射して受光部に入射することに起因する検出誤差の発生を防止することのできる位置検出装置、該位置検出装置を備えた入力機能付き表示システム、および位置検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する位置検出装置であって、第1光強度分布を形成する第1検出光、および前記第1光強度分布と異なる第2光強度分布を形成する第2検出光を出射する検出用光源部と、前記第1光強度分布および前記第2光強度分布が形成された空間に位置する前記対象物体により反射してきた前記第1検出光および第2検出光の反射光を受光する受光部と、前記第1光強度分布および前記第2光強度分布が形成された空間を介さずに前記受光部に入射する補償光を出射する補償用光源部と、前記第1検出光および前記補償光を出射する第1期間において前記検出用光源部に供給する第1駆動電流値、前記第2検出光および前記補償光を出射する第2期間において前記検出用光源部に供給する第2駆動電流値、および前記補償用光源部に供給する第3駆動電流値の増減を行う光源駆動部と、前記第1期間における前記受光部の受光強度と前記第2期間における前記受光部での受光強度とが等しくなったときの前記第1駆動電流値および前記第2駆動電流値に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有し、前記光源駆動部は、前記第1駆動電流値を増大させるときには前記第3駆動電流値を低減し、前記第1駆動電流値を低減させるときには前記第3駆動電流値を増大させ、前記第2駆動電流値を増大させるときには前記第3駆動電流値を低減し、前記第2駆動電流値を低減させるときには前記第3駆動電流値を増大させることを特徴とする。
【0011】
本発明では、第1期間において、検出用光源部を第1駆動電流値で駆動して第1光強度分布を形成した第1期間における受光部の受光強度と、検出用光源部を第2駆動電流値で駆動して第2光強度分布を形成した第2期間における受光部の受光強度とが等しくなった時点での第1駆動電流値および第2駆動電流値に基づいて対象物体の位置を検出する。かかる位置検出の際、受光部は、対象物体で反射した検出光を受光するとともに、検出光が備品等で反射した検出光(迷光)も受光する。ここで、迷光の強度は、光源からの出射強度に比例するため、第1駆動電流値および第2駆動電流値を調整すると、迷光の強度も変動してしまうが、本発明では、第1光強度分布および第2光強度分布が形成された空間を介さずに受光部に入射する補償光を出射する補償用光源部を設け、第1駆動電流値を増大させるときには、補償用光源部に供給する第3駆動電流値を低減し、第1駆動電流値を低減させるときには第3駆動電流値を増大させる。また、第2駆動電流値を増大させるときには第3駆動電流値を低減し、第2駆動電流値を低減させるときには第3駆動電流値を増大させる。従って、第1駆動電流値および第2駆動電流値を調整した際の迷光の受光強度の強度変化を補償光の受光強度の強度変化で補正することができる。従って、検出光が対象物体以外の物体で反射して受光部に入射することに起因する検出誤差の発生を防止することができる。
【0012】
本発明において、前記光源駆動部は、前記第1駆動電流値と前記第2駆動電流値とを初期電流値に設定して前記第1検出光および前記第2検出光を出射させた後、前記受光部での受光結果に基づいて前記第1駆動電流値および前記第2駆動電流値の増減を行い、前記位置検出部は、前記第1期間における前記受光部の受光強度と前記第2期間における前記受光部での受光強度とが等しくなったときの前記第1駆動電流値と前記初期電流値との差、および前記第2駆動電流値と前記初期電流値との差に基づいて前記対象物体の位置を検出する構成を採用することができる。かかる構成によれば、外光等の環境光の影響を防止することができる。
【0013】
本発明において、前記検出用光源部は、前記第1検出光を出射する第1検出用光源と、前記第2検出光を出射する第2検出用光源と、を備えていることが好ましい。
【0014】
この場合、前記光源駆動部は、前記第1検出用光源および前記第2検出用光源を電圧振幅変調により駆動し、前記第1期間において、定電圧と前記第1検出用光源に供給される駆動電圧との差に相当する電圧が前記補償用光源部に印加され、前記第2期間において、定電圧と前記第2検出用光源に供給される駆動電圧との差に相当する電圧が前記補償用光源部に印加される構成を採用することができる。
【0015】
また、本発明においては、前記光源駆動部は、前記第1検出用光源および前記第2検出用光源をパルス幅変調により駆動し、前記第1期間には前記第1検出用光源に供給する駆動パルスに対して相補関係にある駆動パルスを前記補償用光源部に供給し、前記第2期間には前記第2検出用光源に供給する駆動パルスに対して相補関係にある駆動パルスを前記補償用光源部に供給する構成を採用してもよい。
【0016】
本発明において、前記第1光強度分布および前記第2光強度分布が形成された空間に前記対象物体が存在しない状態において、前記第1駆動電流値を初期電流値に設定して前記検出用光源部を駆動した際の前記受光部での受光強度と、前記第1駆動電流値を当該初期電流値から増減させて前記検出用光源部を駆動した際の前記受光部での受光強度と、が等しく、前記第2駆動電流値を初期電流値に設定して前記検出用光源部を駆動した際の前記受光部での受光強度と、前記第2駆動電流値を当該初期電流値から増減させて前記検出用光源部を駆動した際の前記受光部での受光強度と、が等しいことが好ましい。
【0017】
かかる構成は、前記第1光強度分布および前記第2光強度分布が形成された空間に前記対象物体が存在しない状態において、前記受光部での前記第1検出光の受光強度と前記受光部での前記補償光の受光強度との和は、前記受光部での前記第2検出光の受光強度と前記受光部での前記補償光の受光強度との和に等しい構成を採用することにより実現することができる。
【0018】
本発明に係る位置検出装置は、入力機能付き表示システム等、各種のシステムに利用することができる。例えば、本発明を適用した位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムとしては、画像が表示される表示面を備えた表示装置を備え、前記位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記表示装置において前記表示面に表示される画像が切り換えられる入力機能付き表示システムを例示することができる。また、本発明を適用した位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムとしては、画像を投射する画像投射装置を備え、前記位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像投射装置から投射される画像が切り換えられる入力機能付き表示システムを例示することができる。
【0019】
また、本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する位置検出方法であって、第1期間に検出用光源部から第1検出光を出射させて第1光強度分布を形成するとともに補償用光源部から前記第1光強度分布が形成された空間を介さずに受光部に入射する補償光を出射する第1光出射工程と、第2期間に前記検出用光源部から第2検出光を出射させて第2光強度分布を形成するとともに前記補償用光源部から前記補償光を出射する第2光出射工程と、前記第1期間に前記検出用光源部に供給する第1駆動電流値、前記第2期間に前記検出用光源部に供給する第2駆動電流値、および前記補償用光源部に供給する第3駆動電流値の増減を行う電流増減工程と、前記第1期間における前記受光部の受光強度と前記第2期間における前記受光部での受光強度とが等しくなったときの前記第1駆動電流値および前記第2駆動電流値に基づいて前記第1光強度分布および前記第2光強度分布が形成された空間に位置する前記対象物体の位置を検出する位置検出工程と、を有し、前記電流増減工程では、前記第1駆動電流値を増大させるときには前記第3駆動電流値を低減し、前記第1駆動電流値を低減させるときには前記第3駆動電流値を増大させ、前記第2駆動電流値を増大させるときには前記第3駆動電流値を低減し、前記第2駆動電流値を低減させるときには前記第3駆動電流値を増大させることを特徴とする。
【0020】
本発明では、第1期間において、検出用光源部を第1駆動電流値で駆動して第1光強度分布を形成した第1期間における受光部の受光強度と、検出用光源部を第2駆動電流値で駆動して第2光強度分布を形成した第2期間における受光部の受光強度とが等しくなった時点での第1駆動電流値および第2駆動電流値に基づいて対象物体の位置を検出する。かかる位置検出の際、受光部は、対象物体で反射した検出光を受光するとともに、検出光が備品等で反射した検出光(迷光)も受光する。ここで、迷光の強度は、光源からの出射強度に比例するため、第1駆動電流値および第2駆動電流値を調整すると、迷光の強度も変動してしまうが、本発明では、第1光強度分布および第2光強度分布が形成された空間を介さずに受光部に入射する補償光を出射する補償用光源部を設け、第1駆動電流値を増大させるときには、補償用光源部に供給する第3駆動電流値を低減し、第1駆動電流値を低減させるときには第3駆動電流値を増大させる。また、第2駆動電流値を増大させるときには第3駆動電流値を低減し、第2駆動電流値を低減させるときには第3駆動電流値を増大させる。従って、第1駆動電流値および第2駆動電流値を調整した際の迷光の受光強度の強度変化を補償光の受光強度の強度変化で補正することができる。従って、検出光が対象物体以外の物体で反射して受光部に入射することに起因する検出誤差の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図3】図2に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。
【図4】図3に示す受発光ユニットに構成した光源部の構成を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置の電気的構成等を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置における位置検出原理を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置において対象物体のXY座標データを取得する原理を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置の光源駆動部に設けた光源回路の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置における迷光補償の原理を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る位置検出装置の光源駆動部に設けた光源回路の説明図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図12】図11に示す受発光ユニットにおける光源部の説明図である。
【図13】本発明の実施の形態3に係る位置検出装置の電気的構成等を示す説明図である。
【図14】本発明を適用した位置検出システムの具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。
【図15】本発明を適用した位置検出システムの具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。
【図16】従来の位置検出装置の問題を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、互いに交差する方向をX軸方向およびY軸方向とし、X軸方向およびY軸方向に交差する方向をZ軸方向とする。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側とし、Z軸方向の一方側をZ1側とし、他方側をZ2側として表してある。
【0023】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図であり、図1(a)、(b)は、位置検出装置を検出光出射空間側の斜め方向からみたときの説明図、および位置検出装置を正面からみたときの説明図である。
【0024】
図1において、本形態の位置検出システム1は、対象物体Obの位置を検出する位置検出装置10を有しており、かかる位置検出装置10は、X軸方向およびY軸方向により規定される仮想のXY平面(仮想面)に沿うように放射状に出射した検出光L2を利用して、対象物体Obの位置を検出する。本形態において、位置検出システム1は、XY平面に沿って広がる視認面41をZ軸方向の一方側Z1に備えた視認面構成部材40を有しており、位置検出装置10は、視認面41に沿って検出光L2を出射し、視認面構成部材40に対して視認面41側(Z軸方向の一方側Z1)に位置する対象物体Obの位置を検出する。従って、位置検出システム1の検出対象空間10Rは、位置検出装置10において検出光L2が出射される検出光出射空間であり、検出対象空間10Rには、後述する検出光L2の光強度分布が形成される。かかる位置検出システム1は、位置検出装置10によって、後述する電子黒板等の入力機能付き表示システムや入力機能付き投射型表示システム等として用いることができる。
【0025】
本形態の位置検出システム1において、位置検出装置10は、視認面41(XY平面)に沿って検出光L2を放射状に出射する検出用光源部12(線状光源部)と、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する受光部13とを備えている。
【0026】
本形態においては、検出用光源部12として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く2つの検出用光源部12(第1検出用光源部12Aおよび第2検出用光源部12B)が用いられており、第1検出用光源部12Aと第2検出用光源部12Bとは、X軸方向で離間し、Y軸方向では同一の位置にある。また、本形態においては、受光部13として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く第1受光部13Aおよび第2受光部13Bが用いられており、第1受光部13Aと第2受光部13Bとは、X軸方向で離間し、Y軸方向では同一の位置にある。
【0027】
ここで、第1受光部13Aは、第1検出用光源部12Aから放射状に出射される検出光L2(検出光L2a)の放射中心位置に配置されており、第1受光部13Aと第1検出用光源部12Aとは第1受発光ユニット15Aとして一体化されている。また、第2受光部13Bは、第2検出用光源部12Bから放射状に出射される検出光L2(検出光L2b)の放射中心位置に配置されており、第2受光部13Bと第2検出用光源部12Bとは第2受発光ユニット15Bとして一体化されている。
【0028】
後述するように、2つの検出用光源部12(第1検出用光源部12Aおよび第2検出用光源部12B)は各々、LED(発光ダイオード)等の発光素子からなる検出用光源(点光源)を備えており、かかる検出用光源は、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外光からなる検出光L2(検出光L2a、L2b)を発散光として出射する。受光部13(第1受光部13Aおよび第2受光部13B)は各々、フォトダイオードやフォトトランジスター等の受光素子130を備えており、本形態において、受光素子130は赤外域に感度ピークを備えたフォトダイオードである。
【0029】
第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、視認面構成部材40よりZ軸方向の一方側Z1に突出した位置にある。また、第1受発光ユニット15Aと第2受発光ユニット15Bとは異なる期間において動作する。従って、第1受発光ユニット15Aにおいて、第1検出用光源部12Aから検出光L2aが出射された際、第1受光部13Aは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2a(反射光L3)を受光する。かかる動作とは異なる期間において、第2受発光ユニット15Bにおいて、第2検出用光源部12Bから検出光L2bが出射された際、第2受光部13Bは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2b(反射光L3)を受光する。
【0030】
本形態の位置検出装置10において、検出用光源部12(第1検出用光源部12Aおよび第2検出用光源部12B)から検出光L2が出射された際、備品等の対象物体以外の物体Sbで反射した検出光が迷光L5として受光部13(第1受光部13Aおよび第2受光部13B)に入射する。そこで、詳しくは後述するように、第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bには、補償用光源部14(第1補償用光源部14Aおよび第2補償用光源部14B)が設けられている。
【0031】
(検出用光源部12の具体的構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。図3は、図2に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。図4は、図3に示す受発光ユニットに構成した検出用光源部12の構成を模式的に示す説明図であり、第1期間の第1点灯動作時に検出光L2(第1検出光L2s)が出射される様子を示す説明図、および第2期間の第2点灯動作時に検出光L2(第2検出光L2t)が出射される様子を示す説明図である。
【0032】
図2に示すように、本形態の位置検出装置10において、第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは同一の構成を有しており、それ故、第1検出用光源部12Aおよび第2検出用光源部12Bも同一の構成を有している。より具体的には、第1受発光ユニット15Aは、Z軸方向からみたときに扇形形状あるいは半円形状を有する光源支持部材150を有している。かかる光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151および第2光源支持部材152は各々、扇形形状あるいは半円形状の鍔部156a、156bを備えている。鍔部156a、156bにより挟まれた部分は、第1検出用光源部12Aから検出光L2が出射される出射部になっており、鍔部156a、156bは、Z軸方向における検出光L2の出射範囲を制限している。
【0033】
第1受発光ユニット15Aにおいて、第1検出用光源部12Aは、検出光L2の出射部として、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている。第1検出用光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部128になっており、かかる導光部128の奥に第1受光部13Aの受光素子130が配置されている。第2受発光ユニット15Bも、第1受発光ユニット15Aと同様な構成を有しているため、説明を省略する。
【0034】
図3に示すように、第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光ダイオード等の発光素子からなる検出用光源120、および円弧状のライトガイドLGを備えている。第2受発光ユニット15Bにおいても、第1受発光ユニット15Aと同様、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光ダイオード等の発光素子からなる検出用光源120、および円弧状のライトガイドLGを備えている。
【0035】
図4に示すように、第1光源モジュール126は、検出用光源120として、赤外光を出射する発光ダイオード等の発光素子からなる第1検出用光源121を備えているとともに、円弧状のライトガイドLGを備えており、第1検出用光源121は、ライトガイドLGの一方の端部LG1に配置されている。また、第1光源モジュール126は、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、検出用光源120として、赤外光を出射する発光ダイオード等の発光素子からなる第2検出用光源122を備えているとともに、円弧状のライトガイドLGを備えており、第2検出用光源122は、ライトガイドLGの他方の端部LG2に配置されている。また、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。なお、ライトガイドLGの外周面LG3および内周面LG4のうちの少なくとも一方には、ライトガイドLGからの検出光L2の出射効率を調整するための加工が施されており、かかる加工手法としては、例えば反射ドットを印刷する方式や、スタンパーやインジェクションにより凹凸を付す成型方式や、溝加工方式を採用することができる。第2受発光ユニット15Bも、第1受発光ユニット15Aと同様な構成を有しているため、説明を省略する。
【0036】
(補償用光源部14の構成)
このように構成した位置検出装置10において、第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは各々、補償用光源部14として、第1補償用光源部14Aおよび第2補償用光源部14Bを備えている。補償用光源部14は、例えば、受光部13に対してY軸方向の他方側Y2で一方側Y1に出射光軸を向けた発光ダイオード等の点光源からなり、補償用光源部14から出射された補償光L4は、検出対象空間10Rを介さずに、受光部13に入射する。
【0037】
(位置検出部等の構成)
図5は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置10の電気的構成等を示す説明図であり、図5(a)、(b)は、制御用ICの構成を示す説明図、および光源に供給される駆動信号の説明図である。
【0038】
本形態の位置検出システム1に用いた位置検出装置10において、図1〜図4等を参照して説明した第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、図5(a)に示す制御用IC70に電気的に接続されている。ここで、制御用IC70は、第1受発光ユニット15Aに電気的に接続された第1制御用IC70Aと、第2受発光ユニット15Bに電気的に接続された第2制御用IC70Bとからなり、第1受発光ユニット15Aの第1検出用光源部12Aおよび第1受光部13Aは、第1制御用IC70Aに電気的に接続されている。また、第2受発光ユニット15Bの第2検出用光源部12Bおよび第2受光部13Bは、第2制御用IC70Bに電気的に接続されている。
【0039】
第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70Bは、同一構成を有しており、いずれも共通の制御装置60に電気的に接続されている。まず、第1制御用IC70Aは、基準クロック、A相基準パルス、B相基準パルス、タイミング制御パルス、同期クロック等を生成する複数の回路(図示せず)を有している。また、第1制御用IC70Aは、A相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75aと、B相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75bと、パルス発生器75aおよびパルス発生器75bが生成した駆動パルスを第1検出用光源部12Aの第1検出用光源121および第2検出用光源122の何れに印加するかを制御するスイッチ部76とを有している。かかるパルス発生器75a、75b、およびスイッチ部76は、図8を参照して後述する光源回路780とともに光源駆動部51を構成しており、第1制御用IC70Aは、光源回路780を介して、検出用光源部12(第1検出用光源部12A)の第1検出用光源121および第2検出用光源122に駆動電流を供給するとともに、補償用光源部14(第1補償用光源部14A)にも駆動電流を供給する。
【0040】
また、第1制御用IC70Aは、第1受光部13Aでの検出結果を増幅する増幅部等を備えた受光量測定部73と、受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して第1検出用光源部12Aの検出用光源120(第1検出用光源121および第2検出用光源122)に供給する駆動パルスの駆動電流値(第1駆動電流値)を調整する調整量算出部74とを備えている。かかる受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。なお、調整量算出部74は、パルス発生器75a、75bに対する制御信号を出力するアナログ−デジタル変換部等を備えている。
【0041】
第2制御用IC70Bも、第1制御用IC70Aと同様、光源回路780とともに光源駆動部51を構成するパルス発生器75a、75b、およびスイッチ部76を有している。また、第2制御用IC70Bは、第1制御用IC70Aと同様、第2受光部13Bでの検出結果を増幅する増幅部等を備えた受光量測定部73や、受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して第2検出用光源部12Bの検出用光源120(第1検出用光源121および第2検出用光源122)に供給する第2駆動電流値を調整する調整量算出部74等を備えている。かかる受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。
【0042】
第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70Bは、パーソナルコンピューター等の上位の制御装置60の制御部61によって制御されており、かかる制御装置60は、受光量測定部73および調整量算出部74とともに位置検出部50を構成する座標データ取得部55を有している。従って、本形態において、位置検出部50は、制御用IC70(第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70B)の受光量測定部73および調整量算出部74と、上位の制御装置60(パーソナルコンピューター)の座標データ取得部55とによって構成されている。
【0043】
本形態では、検出用光源部12として、互いに離間した位置に配置された第1検出用光源部12Aと第2検出用光源部12Bとを有している。従って、座標データ取得部55は、第1検出用光源部12Aに対する駆動結果に基づいて、第1検出用光源部12Aの放射中心に対する対象物体Obの角度位置を検出する第1角度位置検出部551と、第2検出用光源部12Bに対する駆動結果に基づいて、第2検出用光源部12Bの放射中心に対する対象物体Obの角度位置を検出する第2角度位置検出部552とを有している。また、座標データ取得部55は、第1角度位置検出部551で得られた対象物体Obの角度位置と、第2角度位置検出部552で得られた対象物体Obの角度位置とに基づいて対象物体ObのXY座標データを確定する座標データ確定部553を備えている。
【0044】
なお、本形態では、第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bに対して1対1の関係をもって2つの制御用IC70(第1制御用IC70A、第2制御用IC70B)を用いたが、制御用IC70を多チャンネル化し、1つの制御用IC70によって第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bを駆動してもよい。
【0045】
このように構成した位置検出装置10において、第1検出用光源部12Aに対して設けた光源駆動部51は、図5(b)に示すように、第1期間(第1点灯動作時)では、第1検出用光源部12Aの第1検出用光源121に駆動パルスを印加し、第2期間(第2点灯動作時)では、第1検出用光源部12Aの第2検出用光源122に第1検出用光源121に印加する駆動パルスと逆相の駆動パルスを印加する。その間、第1受光部13Aは、対象物体Obで反射してきた検出光L2a等を受光する。その後、第2検出用光源部12Bに対して設けた光源駆動部51は、第1期間(第1点灯動作時)では、第2検出用光源部12Bの第1検出用光源121に駆動パルスを印加するとともに、第2期間(第2点灯動作時)では、第2検出用光源部12Bの第2検出用光源122に第1検出用光源121に印加する駆動パルスと逆相の駆動パルスを印加する。その間、第2受光部13Bは、対象物体Obで反射してきた検出光L2b等を受光する。
【0046】
本形態の位置検出装置10において、検出用光源部12に対する駆動電流値を制御するにあたっては電圧振幅変調が行われる。なお、実施の形態2で説明するように、検出用光源部12に対する駆動電流値を制御するにあたってはパルス幅変調が行われることもある。
【0047】
(座標検出原理)
図4に示すように、本形態の位置検出装置10において、図5(a)を参照して説明した光源駆動部51は、検出用光源部12(第1検出用光源部12Aおよび第2検出用光源部12B)のいずれにおいても、検出光L2の出射強度が検出光L2の放射角度範囲の一方側から他方側に向かって減少する第1点灯動作(第1期間)と、検出光L2の出射強度が検出光L2の放射角度範囲の他方側から一方側に向かって減少する第2点灯動作(第2期間)とを行わせる。
【0048】
より具体的には、光源駆動部51は、第1検出用光源部12Aに対して、第1点灯動作時(第1期間)には、第1光源モジュール126の第1検出用光源121を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2(検出光L2a/第1検出光L2s)を出射させる。その際、第2検出用光源122は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第1光強度分布LID1が形成される。かかる第1光強度分布LID1は、図4(a)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0049】
また、光源駆動部51は、第1検出用光源部12Aに対して、第2点灯動作時(第2期間)には、第2光源モジュール127の第2検出用光源122を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2(検出光L2a/第2検出光L2t)を出射させる。その際、第1検出用光源121は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第2光強度分布LID2が形成される。かかる第2光強度分布LID2は、図4(b)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0050】
なお、第2検出用光源部12Bにおいて、第1光源モジュール126の第1検出用光源121が点灯した第1点灯動作時、および第2光源モジュール127の第2検出用光源122が点灯した第2点灯動作時にも、第1検出用光源部12Aと同様、検出光L2(検出光L2b/第1検出光L2s、第2検出光L2t)が出射され、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2が形成される。従って、後述するように、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を利用すれば、第1検出用光源部12Aおよび第2検出用光源部12Bの中心PEの距離DS(図7参照)が固定であるので、対象物体Obの位置を検出することができる。
【0051】
(対象物体Obの角度位置の検出)
図6は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置10における位置検出原理を示す説明図であり、図6(a)、(b)は光強度分布の説明図、および対象物体が存在する位置情報(方位情報)を取得する方法の説明図である。図7は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置10において対象物体ObのXY座標データを取得する原理を示す説明図である。
【0052】
まず、第1検出用光源部12Aの第1光源モジュール126において、第1検出光L2sによって第1光強度分布LID1を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図6(a)に線E1で示す直線関係にある。また、第1検出用光源部12Aの第2光源モジュール127において、第2検出光L2tによって第2光強度分布LID2を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図6(a)に線E2で示す直線関係にある。ここで、図6(b)および図7に示すように、第1検出用光源部12Aの中心PE(第1光源モジュール126の中心/検出光L2の放射中心位置)からみて角度θの方向に対象物体Obが存在するとする。この場合、第1光強度分布LID1を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2(第1検出光L2s)の強度はINTsとなる。これに対して、第2光強度分布LID2を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2(第2検出光L2t)の強度はINTtとなる。従って、第1光強度分布LID1を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度と、第2光強度分布LID2を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度とを比較して、強度INTs、INTtの関係を求めれば、図6(b)および図7に示すように、第1検出用光源部12Aの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1/角度位置)を求めることができる。
【0053】
かかる原理を利用して、対象物体Obの角度位置(角度θ1)を検出するにあたって、本形態では、第1検出用光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126によって第1光強度分布LID1を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度と、第2光源モジュール127によって第2光強度分布LID2を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度とが等しくなるように、第1検出用光源121に対する第1駆動電流値、および第2検出用光源122に対する第2駆動電流値を調整する。ここで、第1検出用光源部12Aからの検出光L2の出射強度は、第1検出用光源121に対する第1駆動電流値、および第2検出用光源122に対する第2駆動電流値に比例する。従って、第1検出用光源121に対する第1駆動電流値、および第2検出用光源122に対する第2駆動電流値を調整した後の第1駆動電流値と第2検出用光源122との比や差、あるいは駆動電流値を調整した際の調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求めることができる。
【0054】
より具体的には、まず、図5に示す第1制御用IC70Aの光源駆動部51は、第1点灯動作として第1検出用光源121を点灯させて第1光強度分布LID1を形成した後、第2点灯動作として第2検出用光源122を点灯させて第2光強度分布LID2を形成する。この際、第1光強度分布LID1と第2光強度分布LID2とは強度変化の向きは逆向きであるが、強度レベルは同一である。そして、図5に示す位置検出部50の調整量算出部74は、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTsと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTtとを比較する。その結果、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTsと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTtとが等しければ、対象物体Obの角度位置は0°である。
【0055】
これに対して、受光強度INTs、INTtが相違している場合、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTsと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTtとが等しくなるように、第1検出用光源121に対する第1駆動電流値、および第2検出用光源122に対する第2駆動電流値を調整する。そして、再度、第1点灯動作と第2点灯動作とを行った際に、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTsと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTtとが等しければ、図5に示す第1角度位置検出部551は、かかる調整を行った後の第1検出用光源121に対する第1駆動電流値、および第2検出用光源122に対する第2駆動電流値の比や差、あるいは第1駆動電流値および第2検出用光源122に対する調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求めることができる。本形態では、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTsと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTtとが等しくなるように、第1検出用光源121に対する第1駆動電流値、および第2検出用光源122に対する第2駆動電流値を調整した際の調整量の差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求める。
【0056】
かかる検出動作を第2検出用光源部12Bにおいても行えば、図5に示す第2角度位置検出部552は、第2検出用光源部12Bの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ2/角度位置)を求めることができる。従って、図5に示す座標データ確定部553は、第1角度位置検出部551で検出した角度位置(角度θ1の方向)と、第2角度位置検出部552で検出した角度位置(角度θ2の方向)の交点に相当する位置を対象物体Obが位置するXY座標データとして取得する。
【0057】
(迷光補償用の光源回路780の構成)
図8は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置10の光源駆動部51に設けた光源回路780の説明図であり、図8(a)、(b)は、光源回路780の回路図、および検出用光源部12に印加されるアノード電圧と補償用光源部14に印加されるアノード電圧との関係を示す説明図である。
【0058】
本形態の位置検出装置10において、図5(a)に示す光源駆動部51は、検出用光源部12に対する駆動電流値を制御するにあたっては電圧振幅変調を行い、検出用光源部12の第1検出用光源121に供給する第1駆動電流値、検出用光源部12の第2検出用光源122に供給する第2駆動電流値の増減を行う。また、光源駆動部51は、第1期間において第1検出用光源121に駆動電流を供給する際、補償用光源部14にも駆動電流を供給し、第2期間において第2検出用光源122に駆動電流を供給する際、補償用光源部14にも駆動電流を供給する。
【0059】
また、光源駆動部51は光源回路780を有しており、補償用光源部14に供給する第3駆動電流値の増減も行う。ここで、光源回路780は、第1検出用光源121に供給する第1駆動電流値を増大させるときには、補償用光源部14に供給する第3駆動電流値を低減し、第1駆動電流値を低減させるときには第3駆動電流値を増大させる。また、光源回路780は、第2検出用光源122に供給する第2駆動電流値を増大させるときには、補償用光源部14に供給する第3駆動電流値を低減し、第2駆動電流値を低減させるときには第3駆動電流値を増大させる。
【0060】
より具体的には、図8(a)に示すように、光源回路780では、制御用IC70において駆動電流を出力する端子701、702は各々、第1検出用光源121のアノード端子、および第2検出用光源122のアノード端子に接続されている。また、補償用光源部14のアノード端子は、駆動電圧VCCを供給する定電位線781に接続されている一方、カソード端子は、スイッチング回路782に接続されている。スイッチング回路782は、制御用IC70の端子703から出力された信号に基づいて、第1期間においては補償用光源部14のカソード端子と第1検出用光源121のアノード端子とを導通させ、第2期間においては補償用光源部14のカソード端子と第2検出用光源122のアノード端子とを導通させる。なお、補償用光源部14のアノード端子と定電位線781との間には、補償用光源部14に供給される第3駆動電流値のレベルを調整する抵抗783が挿入されている。
【0061】
かかる光源回路780によれば、光源駆動部51が第1期間において第1検出用光源121に駆動電流を供給した際、補償用光源部14にも駆動電流が供給される。また、図8(b)に示すように、光源駆動部51が第1検出用光源121への印加電圧を上昇させて第1駆動電流値を増大させた際、補償用光源部14への印加電圧が低下し、第3駆動電流値が低減する。また、光源駆動部51が第1検出用光源121への印加電圧を低下させて第1駆動電流値を低減させた際、補償用光源部14への印加電圧が上昇し、第3駆動電流値が増大する。
【0062】
同様に、光源駆動部51が第2期間において第2検出用光源122に駆動電流を供給した際、補償用光源部14にも駆動電流が供給される。また、図8(b)に示すように、光源駆動部51が第2検出用光源122への印加電圧を上昇させて第2駆動電流値を増大させた際、補償用光源部14への印加電圧が低下し、第3駆動電流値が低減する。また、光源駆動部51が第2検出用光源122への印加電圧を低下させて第1駆動電流値を低減させた際、補償用光源部14への印加電圧が上昇し、第3駆動電流値が増大する。
【0063】
ここで、補償用光源部14に供給される第3駆動電流値のレベルは、補償用光源部14のアノード端子と定電位線781との間に挿入された抵抗783によって設定されている。従って、第1駆動電流値と第3駆動電流値は逆比例あるいは略逆比例の関係にあり、第2駆動電流値と第3駆動電流値は逆比例あるいは略逆比例の関係にある。
【0064】
(迷光に対する補償原理)
図9は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置10における迷光補償の原理を示す説明図であり、上段から下段に向けて、第1検出用光源121への第1駆動電流値、第2検出用光源122への第1駆動電流値、補償用光源部14への第3駆動電流値(右下がりの斜線を付した領域)、迷光L5の強度(右上がりの斜線を付した領域)、受光部13での受光強度を示してある。ここで、第1期間に第1検出用光源121から出射される第1検出光L2sの強度は第1検出用光源121への第1駆動電流値に比例し、第2期間に第2検出用光源122から出射される第2検出光L2tの強度は第2検出用光源122への第2駆動電流値に比例し、補償用光源部14から出射される補償光L4の強度は第3駆動電流値に比例する。なお、迷光L5は、検出光L2のうち、対象物体以外の物体Sbで反射した光であるため、第1検出光L2sの強度(第1駆動電流値)、および第2検出光L2tの強度(第2駆動電流値)に比例することになる。
【0065】
本形態では、図4、図6および図7等を参照して説明した原理によって対象物体Obの位置を検出するにあたって、光源駆動部51には、図8を参照して説明した光源回路780が構成されているため、図9を参照して以下に説明するように、検出光L2(第1検出光L2s、第2検出光L2t)が対象物体Ob以外の物体Sbで反射した迷光L5が受光部13に入射することに起因する検出誤差の発生を防止する。かかる迷光の補償は、第1検出用光源部12Aおよび第2検出用光源部12Bのいずれかを動作した場合でも同様である。
【0066】
まず、図9に示す期間T1において、対象物体Obが検出対象空間10Rに存在しないデフォルト状態で、第1駆動電流値および第3駆動電流値を各々、初期設定値にして第1検出用光源121および補償用光源部14を第1期間で同時点灯させる(第1光出射工程)。次に、対象物体Obが検出対象空間10Rに存在しないデフォルト状態で、第2駆動電流値および第3駆動電流値を各々、初期設定値にして第2検出用光源122および補償用光源14を第2期間で同時点灯させる(第2光出射工程)。その結果、対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)の強度はゼロであるが、備品等の対象物体以外の物体Sbで反射した検出光L2が迷光L5として受光部13に入射する。また、補償用光源部14からは補償光L4が出射される。従って、デフォルト状態での受光部13での受光強度は、迷光L5の受光強度と補償光L4の受光強度との和である。
【0067】
次に、期間T2において対象物体Obが検出対象空間10Rに出現すると、受光部13は、対象物体Obで反射した反射光L3、迷光L5および補償光L4を受光する。ここで、受光部13での受光強度が第1期間と第2期間とで等しい場合、対象物体Obが中心位置にあるとわかる。
【0068】
これに対して、期間T3のように、受光部13の受光強度が第1期間と第2期間とで異なる場合、期間T4のように、受光部13での受光強度が第1期間と第2期間とで等しくなるように、第1期間に供給する第1駆動電流値および第2期間に供給する第2駆動電流値を調整する(電流増減工程)。そして、受光部13での受光強度が第1期間と第2期間とで等しくなったとき、第1駆動電流値に対する調整量ΔI1と第2駆動電流値に対する調整量ΔI2との差を用いれば、対象物体Obの位置を検出できる。図9には、期間T4では、期間T3に比して、第1駆動電流値を増大させ、第2駆動電流値を減少させた場合を例示してある。
【0069】
かかる電流増減工程の際、第1期間および第2期間における迷光L5の強度は、第1駆動電流値および第2駆動電流値に比例する。このため、本形態では、期間T4では、期間T3に比して、第1期間における迷光L5の強度が増大し、第2期間における迷光L5の強度が低下している。一方、駆動電流値の調整を行った際、第1期間および第2期間における補償光L4の強度は、図8を参照して説明した光源回路780によって、第1駆動電流値および第2駆動電流値とは逆方向に増減する。例えば、第1駆動電流値が10%増大したときには、第3駆動電流値が10%低減し、補償光L4の強度は10%低減する。また、第2駆動電流値が10%低減したときには、第3駆動電流値が10%増大し、補償光L4の強度は10%増大する。このため、本形態では、期間T4では、期間T3に比して、第1期間における補償光L4の強度が低下し、第2期間における補償光L4の強度が増大している。
【0070】
従って、補償光L4の強度は、迷光L5の変化量と同量あるいは略同量変化する。また、第3駆動電流値の初期設定値は、対象物体Obが検出対象空間10Rに存在しないデフォルト状態での検出結果に基づいて、抵抗783の抵抗値を最適化する等の方法で最適な値に設定されている。それ故、いずれの期間においても、下式
補償光L4の受光強度+迷光L5の受光強度=一定あるいは略一定
に示すように、受光部13における補償光L4の受光強度と迷光L5の受光強度との和は一定あるいは略一定である。
【0071】
従って、対象物体Obが検出対象空間10Rに存在しない状態では、第1駆動電流値を増減させた前後において受光部13での受光強度は一定あるいは略一定であり、対象物体Obが検出対象空間10Rに存在しない状態では、第2駆動電流値を増減させた前後において受光部13での受光強度は一定あるいは略一定である。換言すれば、対象物体Obが検出対象空間10Rに存在しない状態では、第1駆動電流値を増減させた前後において受光部13での第1検出光L2sの受光強度と補償光L4の受光強度との和は一定あるいは略一定であり、対象物体Obが検出対象空間10Rに存在しない状態では、第2駆動電流値を増減させた前後において受光部13での第2検出光L2tの受光強度と補償光L4の受光強度との和は一定あるいは略一定である。
【0072】
このため、期間T4のように、受光部13での受光強度が第1期間と第2期間とで等しくなるように、第1期間に供給する第1駆動電流値および第2期間に供給する第2駆動電流値を調整した際、第1期間において対象物体Obで反射して受光部13に入射した第1検出光L2sの強度と、第2期間において対象物体Obで反射して受光部13に入射した第2検出光L2tの強度とが一定である。それ故、たとえ第1駆動電流値および第2駆動電流値の増減に伴って迷光L5の強度が変動する場合でも、かかる迷光L5の強度変化は補償光L4の増減によって吸収できる。よって、第1駆動電流値に対する調整量ΔI1と第2駆動電流値に対する調整量ΔI2との差を用いれば、対象物体Obの位置を正確に検出することできる(位置検出工程)。
【0073】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の位置検出装置10において、検出用光源部12は、検出光L2を放射状に出射するとともに、検出光L2の放射角度範囲において一方側から他方側に向かって強度が変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を形成し、受光部13は、光強度分布が形成された検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2を受光する。ここで、対象物体Obで反射した検出光L2の強度は、光強度分布において対象物体Obが位置する箇所での強度に比例するので、受光部13での受光強度は、対象物体Obの位置に対応する。従って、位置検出部50は、受光部13での受光強度に基づいて対象物体Obの位置を検出することができる。かかる方式によれば、検出用光源部12から放射状に出射された検出光L2の光強度分布を利用するので、広い空間にわたって光強度分布を形成することができ、検出対象空間10Rが広い。
【0074】
また、位置検出部50は、検出用光源部12での第1点灯動作時(第1期間)および第2点灯動作時(第2期間)における受光部13での受光強度が等しくなるように第1点灯動作時に検出用光源部12に供給する第1駆動電流値と、第2点灯動作時に検出用光源部12に供給する第2駆動電流値との比較結果に基づいて角度位置を検出する。従って、外光等の環境光の影響を吸収することができる。
【0075】
かかる位置検出の際、受光部13は、対象物体Obで反射した検出光L2を受光するとともに、検出光L2が対象物体以外の物体Sbで反射した検出光(迷光L5)も受光する。ここで、迷光L5の強度は、検出光L2の強度に比例するため、第1駆動電流値および第2駆動電流値を調整すると、迷光L5の強度も変動してしまうが、本形態では、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2が形成される検出対象空間10Rを介さずに受光部13に入射する補償光L4を出射する補償用光源部14を有している。また、光源駆動部51は、第1期間において第1検出用光源121に駆動電流を供給する際、補償用光源部14にも駆動電流を供給し、第2期間において第2検出用光源122に駆動電流を供給する際、補償用光源部14にも駆動電流を供給する。また、光源駆動部51は光源回路780を有しており、第1検出用光源121および第2検出用光源122に供給する第1駆動電流値および第2駆動電流値を増大させるときには、補償用光源部14に供給する第3駆動電流値を低減し、第1駆動電流値および第2駆動電流値を低減させるときには、補償用光源部14に供給する第3駆動電流値を増大させる。従って、第1駆動電流値および第2駆動電流値を調整した際の迷光L5の受光強度の強度変化を補償光L4の受光強度の強度変化で補正することができる。従って、検出光L2が対象物体以外の物体Sbで反射して受光部13に入射することに起因する検出誤差の発生を防止することができる。
【0076】
また、光源駆動部51は光源回路780を有しており、かかる光源回路780は、第1検出用光源121および第2検出用光源122を電圧振幅変調により駆動する際、第1期間において、定電圧と第1検出用光源121に供給される駆動電圧との差に相当する電圧を補償用光源部14に印加し、第2期間においては、定電圧と第2検出用光源122に供給される駆動電圧との差に相当する電圧を補償用光源部14に印加する。かかる構成によれば、比較的簡素な回路構成により、第1駆動電流値および第2駆動電流値の増減に対して第3駆動電流値を逆比例させることができる。
【0077】
また、検出光L2は赤外光であるため、視認されない。従って、視認面41に情報が表示されている場合でも、検出光L2が情報の視認を妨げないという利点がある。
【0078】
[実施の形態2]
図10は、本発明の実施の形態2に係る位置検出装置10の光源駆動部51に設けた光源回路780の説明図であり、図10(a)、(b)は、光源回路780の回路図、および検出用光源部12に印加されるアノード電圧と補償用光源部14に印加されるアノード電圧との関係を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して説明する。
【0079】
実施の形態1では、検出用光源部12に対する駆動電流値を制御するにあたっては電圧振幅変調方式を採用したが、本形態のように、パルス幅変調方式により検出用光源部12に対する駆動電流値を制御する場合に本発明を適用してもよい。
【0080】
この場合、図5(a)に示す光源駆動部51は、図10(a)に示す光源回路780を有しており、かかる光源回路780は、第1期間には第1検出用光源121に供給する駆動パルスに対して相補関係にある駆動パルスを補償用光源部14に供給し、第2期間には第2検出用光源122に供給する駆動パルスに対して相補関係にある駆動パルスを補償用光源部14に供給する。より具体的には、光源回路780では、制御用IC70において駆動電流を出力する端子701、702は各々、第1検出用光源121のアノード端子、および第2検出用光源122のアノード端子に接続されている。また、制御用IC70の端子701は、インバーター786およびスイッチング回路782を介して補償用光源部14のアノード端子に電気的に接続し、制御用IC70の端子702は、インバーター787およびスイッチング回路782を介して補償用光源部14のアノード端子に電気的に接続している。スイッチング回路782は、制御用IC70の端子703から出力された信号に基づいて、第1期間においては、第1検出用光源121に供給する駆動パルスをインバーター786で反転させて補償用光源部14に供給し、第2期間においては、第2検出用光源122に供給する駆動パルスをインバーター787を介して補償用光源部14に供給する。なお、補償用光源部14のカソード端子とグランド電位との間には、補償用光源部14に供給される第3駆動電流値のレベルを調整する抵抗783が挿入されている。
【0081】
かかる光源回路780によれば、図10(b)に示すように光源駆動部51が第1期間において第1検出用光源121に駆動電流を供給した際、補償用光源部14にも駆動電流が供給される。また、光源駆動部51が第1検出用光源121に供給される駆動パルスのデューティ比を高めて第1駆動電流値を増大させた際、補償用光源部14に供給される駆動パルスのデューティ比を低下させて第3駆動電流値を低減させる。また、第1検出用光源121に供給される駆動パルスのデューティ比を低下させて第1駆動電流値を低減させた際、補償用光源部14に供給される駆動パルスのデューティ比を高めて第3駆動電流値を増大させる。なお、光源駆動部51が第2検出用光源122を駆動する際も同様である。ここで、補償用光源部14に供給される第3駆動電流値のレベルは、補償用光源部14のアノード端子と定電位線781との間に挿入された抵抗783によって設定されている。従って、第1駆動電流値と第3駆動電流値は逆比例あるいは略逆比例の関係にあり、第2駆動電流値と第3駆動電流値は逆比例あるいは略逆比例の関係にある。
【0082】
従って、本形態でも、実施の形態1と同様、いずれの期間においても、下式
補償光L4の受光強度+迷光L5の受光強度=一定あるいは略一定
に示すように、受光部13における補償光L4の受光強度と迷光L5の受光強度との和は一定あるいは略一定である。それ故、第1駆動電流値および第2駆動電流値を調整した際の迷光L5の受光強度の強度変化を補償光L4の受光強度の強度変化で補正することができる。従って、検出光L2が対象物体以外の物体Sbで反射して受光部13に入射することに起因する検出誤差の発生を防止することができる等、実施の形態1と略同様な効果を奏する。
【0083】
[実施の形態3]
図11は、本発明の実施の形態3に係る位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。図12は、図11に示す受発光ユニットにおける光源部の説明図であり、図12(a)、(b)は、第1期間の第1点灯動作時に第1検出光L2sが出射される様子を示す説明図、および第2期間の第2点灯動作時に第2検出光L2tが出射される様子を示す説明図である。図13は、本発明の実施の形態3に係る位置検出装置10の電気的構成等を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0084】
実施の形態1等では、検出用光源部12にライトガイドLGを用いたが、本形態では、ライトガイドを用いずに、実施の形態1と同様な原理で対象物体ObのXY座標を検出する。より具体的には、図11に示すように、本形態の位置検出装置10の検出用光源部12(第1検出用光源部12Aおよび第2検出用光源部12B)はいずれも、複数の検出用光源120(第1検出用光源121および第2検出用光源122)と、複数の検出用光源120が実装された帯状のフレキシブル基板180と、長さ方向(円周方向)で湾曲した形状をもって延在する凸曲面155を備えた扇形形状あるいは半円形状の光源支持部材150とを備えている。本形態において、凸曲面155は、その長さ方向(円周方向)で円弧形状に湾曲した形状を有している。
【0085】
本形態においては、フレキシブル基板180として、帯状の第1フレキシブル基板181(第1光源モジュール)と、第1フレキシブル基板181に対して幅方向(Z軸方向)で並列する帯状の第2フレキシブル基板182(第2光源モジュール)とが用いられている。第1フレキシブル基板181には、その長さ方向に、複数の検出用光源120として、複数の第1検出用光源121が実装されており、第2フレキシブル基板182には、その長さ方向に、複数の検出用光源120として、複数の第2検出用光源122が実装されている。検出用光源120にはいずれも、LEDが用いられている。
【0086】
また、2つの検出用光源部12(第1検出用光源部12Aおよび第2検出用光源部12B)のいずれにおいても、光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とはZ軸方向で互いに対称な構成を有している。第1光源支持部材151は、凸曲面155の下半部を構成する円弧状の凸曲面155aと、凸曲面155aにおいて第2光源支持部材152が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155aから突出する扇形形状あるいは半円形状の鍔部156aとを備えており、凸曲面155aに第1フレキシブル基板181が重ねて配置されている。第2光源支持部材152は、凸曲面155の上半部を構成する円弧状の凸曲面155bと、凸曲面155bにおいて第1光源支持部材151が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155bから突出する扇形形状あるいは半円形状の鍔部156bとを備えており、凸曲面155bに第2フレキシブル基板182が重ねて配置されている。ここで、第1フレキシブル基板181と第2フレキシブル基板182とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部128になっており、かかる導光部128の奥に受光部13の受光素子130が配置されている。
【0087】
このように構成した位置検出装置10において、検出対象空間10Rにおける対象物体Obの位置を検出するには、第1フレキシブル基板181に実装されている複数の第1検出用光源121と、第2フレキシブル基板182に実装されている複数の第2検出用光源122とを異なる期間において点灯させる。その際、複数の第1検出用光源121を全て点灯させ、複数の第2検出用光源122を全て消灯させる第1点灯動作(第1期間)では、図12(a)に出射強度の高低を矢印Paで示すように、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する側から他方側の端部181eが位置する側に向かって第1検出用光源121の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第1光強度分布LID1では、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、他方側の端部181eが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0088】
これに対して、複数の第2検出用光源122を全て点灯させ、複数の第1検出用光源121を全て消灯させる第2点灯動作(第2期間)では、図12(b)に出射強度の高低を矢印Pbで示すように、第2フレキシブル基板182の長さ方向の一方側の端部182fが位置する側から他方側の端部182eが位置する側に向かって第2検出用光源122の出射強度を増大させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第2光強度分布LID2では、第2フレキシブル基板182の長さ方向の他方側の端部182eが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、一方側の端部182fが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0089】
それ故、第1点灯動作および第2点灯動作を第1検出用光源部12Aおよび第2検出用光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。その際、複数の第1検出用光源121に供給する駆動電流の和(第1駆動電流値)、および複数の第2検出用光源122に供給する駆動電流の和(第2駆動電流値)に基づいて対象物体Obの角度位置を検出すればよい。
【0090】
また、複数の検出用光源120毎の出射強度を変えるにあたっては、抵抗素子等により、駆動電流を検出用光源120毎に変えればよい。より具体的には、図13に示すように、光源駆動部51は、第1駆動電流バランス調整回路791、および第2駆動電流バランス調整回路792を備えており、第1駆動電流バランス調整回路791および第2駆動電流バランス調整回路792は、例えば、複数の検出用光源120の各々に1対1で対応する抵抗を備えた抵抗回路からなる。第1駆動電流バランス調整回路791は、第1期間において、図12(a)を参照して説明した第1点灯動作を行うための回路であり、検出用光源120に対する駆動電流を一方側の端部181fの側から他方側の端部181eに向かって減少させる。第2駆動電流バランス調整回路792は、第2期間において、図12(b)を参照して説明した第2点灯動作を行うための回路であり、検出用光源120に対する駆動電流を他方側の端部181eの側から一方側の端部181fに向かって減少させる。
【0091】
かかる構成の位置検出装置10においても、光源駆動部51に図8あるいは図10を参照して説明した光源回路780を設ければ、検出光L2が対象物体以外の物体Sbで反射して受光部13に入射することに起因する検出誤差の発生を防止することができる等、実施の形態1、2と略同様な効果を奏する。
【0092】
[他の実施の形態の形態]
上記実施の形態1では、2つのライドガイドLGの各々に検出用光源120を設けたが、1つのライドガイドLGの両端に検出用光源120を設け、検出用光源120を交互に点灯させて、第1期間と第2期間とにおいて互いに逆向きの光強度分布を形成してもよい。また、上記実施の形態3では、2系統の検出用光源120を設けたが、1系統の検出用光源120を設け、第1期間と第2期間とにおいて、複数の検出用光源120に供給する駆動電流の大小関係を反転させて第1期間と第2期間とにおいて互いに逆向きの光強度分布を形成してもよい。このような構成の位置検出装置10においても、検出対象空間10Rを介さずに受光部13に入射する補償光L4を出射する補償用光源部14を設け、検出光L2の強度を増大させたときには、補償光L4の強度を低減し、検出光L2の強度を低減させたときには、補償光L4の強度を増大させれば、検出光L2が対象物体以外の物体Sbで反射して受光部13に入射することに起因する検出誤差の発生を防止することができる。
【0093】
上記実施の形態では、2つの検出用光源部12を用いたが、1つの検出用光源部12を用いて対象物体Obの位置を検出してもよい。
【0094】
また、本発明は、上記実施の形態に記載された方式の位置検出装置に限らず、特表2003−534554号公報、特開2010−127671号公報、特開2009−295318号公報等に記載の方式を採用した位置検出装置に適用してもよい。
【0095】
[位置検出システムの構成例]
(位置検出システム1の具体例1)
図14は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。なお、本形態の入力機能付き表示システムにおいて、位置検出システム1および位置検出装置10の構成は、図1〜図13を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0096】
上記実施の形態に係る位置検出システム1においては、図14に示すように、視認面構成部材40として表示装置110を用い、かかる表示装置110に、図1〜図13を参照して説明した位置検出装置10を設ければ、電子黒板やデジタルサイネージ等といった入力機能付き表示システム100として用いることができる。ここで、表示装置110は、直視型表示装置や、視認面構成部材40をスクリーンとする背面型投射型表示装置である。
【0097】
かかる入力機能付き表示システム100において、位置検出装置10は、表示面110a(視認面41)に沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を検出する。このため、表示装置110で表示された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0098】
(位置検出システム1の具体例2)
図15を参照して、視認面構成部材40としてスクリーンを用い、位置機能付き投射型表示システムを構成した例を説明する。図15は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。なお、本形態の位置機能付き投射型表示システムにおいて、位置検出システム1および位置検出装置10の構成は、図1〜図13を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0099】
図15に示す入力機能付き投射型表示システム200(入力機能付き表示システム)では、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)からスクリーン80(視認面構成部材40)に画像が投射される。かかる入力機能付き投射型表示システム200において、画像投射装置250は、筐体240に設けられた投射レンズ系210からスクリーン80に向けて画像表示光Piを拡大投射する。ここで、画像投射装置250は、Y軸方向に対してわずかに傾いた方向から画像表示光Piをスクリーン80に向けて投射する。従って、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面80aによって、情報が視認される視認面41が構成されている。
【0100】
かかる入力機能付き投射型表示システム200において、位置検出装置10は、画像投射装置250に付加されて一体に構成されている。このため、位置検出装置10は、投射レンズ系210とは異なる箇所から、スクリーン面80aに沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した反射光L3を検出する。このため、スクリーン80に投射された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0101】
なお、位置検出装置10とスクリーン80とを一体化させれば、入力機能付きスクリーン装置を構成することができる。
【0102】
(位置検出システム1の他の具体例)
本発明において、視認面構成部材40は、展示品を覆う透光部材である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、透光部材において展示品が配置される側とは反対側で展示品が視認される面である。かかる構成によれば、入力機能付きウインドウシステム等として構成することができる。
【0103】
また、視認面構成部材40は、移動する遊技用媒体を支持する基盤である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、基盤において基盤と遊技用媒体との相対位置が視認される側の面である。かかる構成によれば、パチンコ台やコインゲーム等のアミューズメント機器を入力機能付きアミューズメントシステム等として構成することができる。
【符号の説明】
【0104】
1・・位置検出システム、10・・位置検出装置、10R・・検出対象空間、12・・検出用光源部、12A・・第1検出用光源部、12B・・・第2検出用光源部、13・・受光部、13A・・第1受光部、13B・・第2受光部、14・・補償用光源部、14A・・第1補償用光源部、14B・・第2補償用光源部、40・・視認面構成部材、41・・視認面、50・・位置検出部、100・・入力機能付き表示システム、120・・検出用光源、121・・第1検出用光源、122・・第2検出用光源、130・・受光素子、200・・・・入力機能付き投射型表示システム、250・・画像投射装置、Ob・・対象物体、Sb・・対象物体以外の物体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物体の位置を光学的に検出する位置検出装置であって、
第1光強度分布を形成する第1検出光、および前記第1光強度分布と異なる第2光強度分布を形成する第2検出光を出射する検出用光源部と、
前記第1光強度分布および前記第2光強度分布が形成された空間に位置する前記対象物体により反射してきた前記第1検出光および第2検出光の反射光を受光する受光部と、
前記第1光強度分布および前記第2光強度分布が形成された空間を介さずに前記受光部に入射する補償光を出射する補償用光源部と、
前記第1検出光および前記補償光を出射する第1期間において前記検出用光源部に供給する第1駆動電流値、前記第2検出光および前記補償光を出射する第2期間において前記検出用光源部に供給する第2駆動電流値、および前記補償用光源部に供給する第3駆動電流値の増減を行う光源駆動部と、
前記第1期間における前記受光部の受光強度と前記第2期間における前記受光部での受光強度とが等しくなったときの前記第1駆動電流値および前記第2駆動電流値に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記光源駆動部は、前記第1駆動電流値を増大させるときには前記第3駆動電流値を低減し、前記第1駆動電流値を低減させるときには前記第3駆動電流値を増大させ、前記第2駆動電流値を増大させるときには前記第3駆動電流値を低減し、前記第2駆動電流値を低減させるときには前記第3駆動電流値を増大させることを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
前記光源駆動部は、前記第1駆動電流値と前記第2駆動電流値とを初期電流値に設定して前記第1検出光および前記第2検出光を出射させた後、前記受光部での受光結果に基づいて前記第1駆動電流値および前記第2駆動電流値の増減を行い、
前記位置検出部は、前記第1期間における前記受光部の受光強度と前記第2期間における前記受光部での受光強度とが等しくなったときの前記第1駆動電流値と前記初期電流値との差、および前記第2駆動電流値と前記初期電流値との差に基づいて前記対象物体の位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記検出用光源部は、前記第1検出光を出射する第1検出用光源と、前記第2検出光を出射する第2検出用光源と、を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記光源駆動部は、前記第1検出用光源および前記第2検出用光源を電圧振幅変調により駆動し、前記第1期間において、定電圧と前記第1検出用光源に供給される駆動電圧との差に相当する電圧が前記補償用光源部に印加され、前記第2期間において、定電圧と前記第2検出用光源に供給される駆動電圧との差に相当する電圧が前記補償用光源部に印加されることを特徴とする請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記光源駆動部は、前記第1検出用光源および前記第2検出用光源をパルス幅変調により駆動し、前記第1期間には前記第1検出用光源に供給する駆動パルスに対して相補関係にある駆動パルスを前記補償用光源部に供給し、前記第2期間には前記第2検出用光源に供給する駆動パルスに対して相補関係にある駆動パルスを前記補償用光源部に供給することを特徴とする請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記第1光強度分布および前記第2光強度分布が形成された空間に前記対象物体が存在しない状態において、
前記第1駆動電流値を初期電流値に設定して前記検出用光源部を駆動した際の前記受光部での受光強度と、前記第1駆動電流値を当該初期電流値から増減させて前記検出用光源部を駆動した際の前記受光部での受光強度と、が等しく、
前記第2駆動電流値を初期電流値に設定して前記検出用光源部を駆動した際の前記受光部での受光強度と、前記第2駆動電流値を当該初期電流値から増減させて前記検出用光源部を駆動した際の前記受光部での受光強度と、が等しいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記第1光強度分布および前記第2光強度分布が形成された空間に前記対象物体が存在しない状態において、
前記受光部での前記第1検出光の受光強度と前記受光部での前記補償光の受光強度との和は、前記受光部での前記第2検出光の受光強度と前記受光部での前記補償光の受光強度との和に等しいことを特徴とする請求項6に記載の位置検出装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に規定する位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムであって、
画像が表示される表示面を備えた表示装置を備え、
前記位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記表示装置において前記表示面に表示される画像が切り換えられることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項9】
請求項1乃至7の何れか一項に規定する位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムであって、
画像を投射する画像投射装置を備え、
前記位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像投射装置から投射される画像が切り換えられることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項10】
対象物体の位置を光学的に検出する位置検出方法であって、
第1期間に検出用光源部から第1検出光を出射させて第1光強度分布を形成するとともに補償用光源部から前記第1光強度分布が形成された空間を介さずに受光部に入射する補償光を出射する第1光出射工程と、
第2期間に前記検出用光源部から第2検出光を出射させて第2光強度分布を形成するとともに前記補償用光源部から前記補償光を出射する第2光出射工程と、
前記第1期間に前記検出用光源部に供給する第1駆動電流値、前記第2期間に前記検出用光源部に供給する第2駆動電流値、および前記補償用光源部に供給する第3駆動電流値の増減を行う電流増減工程と、
前記第1期間における前記受光部の受光強度と前記第2期間における前記受光部での受光強度とが等しくなったときの前記第1駆動電流値および前記第2駆動電流値に基づいて前記第1光強度分布および前記第2光強度分布が形成された空間に位置する前記対象物体の位置を検出する位置検出工程と、
を有し、
前記電流増減工程では、前記第1駆動電流値を増大させるときには前記第3駆動電流値を低減し、前記第1駆動電流値を低減させるときには前記第3駆動電流値を増大させ、前記第2駆動電流値を増大させるときには前記第3駆動電流値を低減し、前記第2駆動電流値を低減させるときには前記第3駆動電流値を増大させることを特徴とする位置検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−194914(P2012−194914A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59800(P2011−59800)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】