説明

位置検出装置と画像形成装置

【課題】温度変化が生じても、マークの位置を正確に検出することができる位置検出装置を提供する。
【解決手段】回転移動方向に所定間隔で検出用マークを有した無端回転体のマーク形成領域に対向配置されるべき位置検出装置であって、移動する上記マークを所定の検出位置で検出する複数の検出手段と、当該複数の検出手段を収容固定する収容保持部材と、上記複数の検出手段の夫々の検出部位の間の回転移動方向間隔を検知する検知手段とを備えるよう、構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体上に形成されたマークの位置を検出する位置検出装置、および当該位置検出装置を搭載した画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多色画像形成装置、特にタンデムカラー機では、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色ごとの画像を形成する夫々の作像ユニットが並んで配設され、それら各色ごとの画像を中間転写ベルト上で重ね合わせてフルカラー画像を形成する構成であるため、色ずれが発生することがあり、画質の低下を招いていた。
【0003】
このため、中間転写ベルト上にあるマークを読み取り、中間転写ベルトの速度を検出する技術が考案されている。例えば、2つのセンサによって転写ベルト上に形成された基準たるマーキングを読み取る際に、駆動ロール数回転分の時間におけるベルトの平均速度を取得することによって、設定された基準がもともと持っている誤差を相殺して正確な速度検知を実現しようとしている(特許文献1参照)。
【0004】
また、2つのセンサによってマークを検出する構成で、マーク間隔の誤差の変動分に着目し、2つのセンサからの信号の位相差変動からマークピッチ変化を演算して速度計算に反映させることによって、ベルト上のマークピッチに誤差が生じてもベルトの表面線速を正確に検出し、フィードバック制御することにより高精度なベルト移送装置を提供する技術が開示されている(特許文献2参照)。このような技術においては、センサ(検出部)の保持部材への固定位置を含むベルトの搬送方向に対する垂線上にセンサの検出位置が位置するように、センサを保持部材に固定することが一般的となっている。
【0005】
画像形成装置は、定着動作などの際に必然的に温度上昇を伴う。特許文献1に開示の技術では、中間転写ベルトの速度を検出することはできるが、定着動作に伴う温度変化によって中間転写ベルトが伸縮するため、温度変化に伴う印刷のずれが生じていた。すなわち、特許文献1開示技術では、センサを2つ用いて基準マークを読み取っているが、センサによるマークの検出位置が保持部材の固定位置を含むベルトの搬送方向に対する垂線上にあるので、温度が変化(上昇)すると、センサを固定保持する保持部材が膨張し、2つのセンサの間隔自体が変化する。その結果、センサによる検出位置も変化するため、中間転写ベルト上のマークの正確な検出ができず、正確な速度検知ができなかった。
【0006】
また、特許文献2に開示の技術でも、温度が変化すると、センサを固定している部品の膨張などでセンサ間隔は変化してしまい、マークの正確な検出ができず、制御の誤差となるという問題があった。そこで温度変化が生じても、マークの位置を正確に検出することができる位置検出装置が特許文献3において提案された。図12は、特許文献3に開示された位置検出装置の構造を説明する図である。図13は、その位置検出装置の上面図である。
【0007】
位置検出装置1000は、回路基板1005と、マーク検出部1001と、マーク検出部1002とを備える。マーク検出部1001は、ケース1011と、このケース1011に収容されている光ピックアップ6aとを有する。マーク検出部1002は、ケース1012と、このケース1012に収容されている光ピックアップ6bとを有する。光ピックアップ6aおよび6bは、図12における矢印方向に搬送される転写ベルト10上に所定間隔で形成されているマーク5のマーク形成領域に対向して設けられ、画像形成の際に移動する転写ベルト10上のマーク5を所定の検出位置で検出する。転写ベルト10とは、後述する画像形成装置における転写ベルトである。マークの位置を検出するセンサとしては、光センサである光ピックアップに限定されず、例えば磁気センサなど、マークの位置を検出できるセンサであれば、いずれのセンサでもよいとされている。
【0008】
位置検出装置1000における回路基板1005は、光ピックアップ6a,6bを収容するケース1011,1012を所定の固定位置に固定保持する保持部材としての機能を果たしている。図13に示すように、回路基板1005には、マーク検出センサ間距離検知センサ2000、マーク検出部1001、マーク検出部1002、およびコネクタ1051を主として備えている。そして、図12および図13に示すように、回路基板1005の側縁部近傍には、固定位置1021,1022に略円形状の穴部が設けられている。この固定位置1021,1022は、光ピックアップ6a,6bを収容したケース1011、1012を固定保持する固定位置となっている。つまり、図12に示すように、ケース1011,1012は、側縁部近傍に夫々略円柱状の突起部を有しており、これら突起部が回路基板1005の側縁部近傍に設けられた固定位置1021,1022に夫々嵌入されることで、回路基板1005にケース1011,1012が固定保持されることになる。ここで、ケース1011の突起部は、ケース1012に対向する側縁部とは反対側の側縁部に設けられている。また、ケース1012の突起部は、ケース1011に対向する側縁部とは反対側の側縁部に設けられている。
【0009】
図12および図13に示すように、ケース1011,1012は、側縁部に設けられた突起部が回路基板1005の固定位置1021,1022に嵌入されることによって固定され、同時に、固定位置1021,1022に嵌入された突起部から、突起部が設けられた側縁部とは反対側の側縁部までの間は固定されていないため、伸縮可能なフリーの状態となっている。したがって、位置検出装置1000の温度変化によるケース1011,1012の伸縮によって、ケース1011,1012に収容された光ピックアップ6a,6bが夫々回路基板1005に対して固定位置1021,1022を基準として相対的に変位するため、光ピックアップ6a,6bの検出位置1031,1032の間の距離が変化することになる。
【0010】
一般に、画像形成装置、特にタンデムカラー機では、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色ごとの画像を形成する夫々の作像ユニットが並んで配設され、それら各色ごとの画像を中間転写ベルト上で重ね合わせてフルカラー画像を形成するため、色ずれが発生する場合があり、画質の低下を招いていた。そこで、これまでの画像形成装置では、中間転写ベルト上のマークの位置を検出することで検出速度を求めて、中間転写ベルトの速度制御を行っていた。しかし、中間転写ベルトの伸縮を測定する位置検出装置1000自体が温度変化による変形を受けていると、マークの検出位置がずれてしまい、正確なマークの位置が検出できなかった。この変形に関して、特許文献3では、複数の検出部を夫々収容する複数の収容部と、当該複数の収容部を、所定の固定位置に固定して保持する保持部材とを備え、上記固定位置を含む面であって、上記物体の移動方向に垂直な面である固定位置面から、上記検出位置を含む面であって、上記物体の移動方向に垂直な面である検出位置面までの、上記複数の収容部における部位の温度変化による上記物体の移動方向に平行な方向の膨張量の合計である総膨張量と、上記保持部材における複数の上記固定位置の間の部位の温度変化による膨張量とが、略同一であるようにすることで、位置検出装置自体の変形による位置検出誤差を縮小させる方法をとっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、この方法でも、あらゆる温度変化に対し、2つの膨張量を略同一とさせることは困難であり、膨張による速度検出誤差を少なくできても、0に近づけることは困難であった。温湿度変化に対しての膨張量は必ずしも線形ではなく、部材によって温度、湿度により膨張する量も複雑なプロファイルを描く。これをあらゆる温度、湿度変化に対しても略同一な材質の組み合わせを選ぶことは事実上困難であった。本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、その課題は、温度変化が生じても、マークの位置を正確に検出することができる位置検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題は、回転移動方向に所定間隔で検出用マークを有した無端回転体のマーク形成領域に対向配置されるべき位置検出装置であって、移動する上記マークを所定の検出位置で検出する複数の検出手段と、当該複数の検出手段を収容固定する収容保持部材と、上記複数の検出手段の夫々の検出部位の間の回転移動方向間隔を検知する検知手段とを備えるよう、構成することによって、達成される。上記検出手段と上記検知手段が光学センサであることが想定される。また、このような構成の位置検出装置を備え、さらに上記検知手段の検知情報に基づいて上記無端回転体の回転速度を制御する制御機構を備える画像形成装置も想定される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、回転移動方向に所定間隔で検出用マークを有した無端回転体のマーク形成領域に対向配置されるべき位置検出装置であって、移動する上記マークを所定の検出位置で検出する複数の検出手段と、当該複数の検出手段を収容固定する収容保持部材と、上記複数の検出手段の夫々の検出部位の間の回転移動方向間隔を検知する検知手段とを備えるので、複数の検出手段の各検出部位の間の回転移動方向間隔変動を検出でき、温湿度による無端回転体の膨張・収縮に起因する検出ずれを防ぐことができ、マーク位置を正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る位置検出装置の構造を説明する図である。
【図2】図1の位置検出装置の上面、側面図である。
【図3】位置検出装置および無端ベルト駆動制御装置を備える画像形成装置を説明する模式図である。
【図4】位置検出装置を備える無端ベルト駆動制御装置の機能的ブロック図である。
【図5】無端ベルト駆動制御装置による転写ベルトの駆動制御を説明する図である。
【図6】中間転写ベルト上に形成されたマークと光ピックアップ6a,6bの配置関係を説明する図である。
【図7】中間転写ベルトの外周面に設けた多数のマーク5からなるスケール250と光ピックアップ6の一例を説明する図である。
【図8】2個の光ピックアップ6a,6bの出力信号を整形した波形とその位相差との関係を示すタイミングチャートである。
【図9】2個の光ピックアップ6a,6bのマーク検出領域SAと、検出されるマーク5との位置関係を説明する図である。
【図10】マークカウント値Nに対する累積移動距離Lrealの値を示すグラフである。
【図11】マークカウント値Nに対する位相差を示すグラフである。
【図12】従来の位置検出装置の構造を説明する図である。
【図13】従来の位置検出装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る置検出装置、無端ベルト駆動制御装置、および画像形成装置の最良な実施の形態を、詳細に説明する。位置検出装置は、画像形成装置に適用されるものとして説明するが、この適用例は、あくまで一例であって、この例に限定されるものではない。
【0016】
図1は、本発明に係る位置検出装置の構造の第一の例を説明する図である。図1に示すように、位置検出装置1800では、特許文献3の提案に係る図12に示す構成に加えて、光ピックアップ6a,6b間の距離を測定する距離測定センサ2000が配置されている。説明の簡略化のために、図12に示す構成については、従来技術の項での説明に譲る。なお距離測定センサとしては、図1では反射式レーザセンサを採用しているが、接触式センサ、光電センサなどでももちろん可能である。
【0017】
距離測定センサの配置を図2に示す。図2aは位置検出装置の平面図、図2bは拡大図、図2cは側面図である。光ピックアップ6aの検出位置を6a-1、この光ピックアップの無端回転体移動方向の略同一位置より位置検出用に突出させた壁部分を6a-2とする。また光ピックアップ6bの検出位置を6b-1、この光ピックアップの無端回転体移動方向の略同一位置より位置検出用に突出させた壁部分を6b-2とする。
【0018】
反射式レーザセンサ2000により、位置6a-2から位置6b-2までの距離を検出する。位置6a-2から位置6b-2までの距離(無端回転体移動方向のセンサ検出距離)は、マーク検出部(センサ部材)1001,1002の温湿度変化、回路基板1005の温湿度変化により変動する。これを読み取って、センサ間隔L1とする。
【0019】
〔位置検出装置を、無端ベルト駆動制御装置および画像形成装置へ適用する例〕
ここで、第一の例に係る位置検出装置を、無端ベルト駆動制御装置に適用した例、および位置検出装置と無端ベルト駆動制御装置を画像形成装置に適用した例を説明する。
図3は、位置検出装置と無端ベルト駆動制御装置を備える画像形成装置を説明する模式図である。図3を参照しながら、まず画像形成装置を説明する。
【0020】
この画像形成装置は、4つの作像ユニットを備えるタンデム型カラー画像形成装置である。画像形成装置は、給紙テーブル2上に装置本体1を載置している。その装置本体1の上にはスキャナ3を取り付けると共に、さらにその上に自動原稿給送装置(ADF)4を取り付けている。装置本体1内には、その略中央にベルト状の無端回転体である中間転写ベルト10を有する転写装置20が設けられており、中間転写ベルト10は駆動ローラ9と2つの従動ローラ15,16の間に張架されて図3中、時計回り方向に回動するようになっている。また、この中間転写ベルト10は、従動ローラ15の左方に設けられたクリーニング装置17により、画像転写後にベルト表面に残留する残留トナーが除去されるようになっている。中間転写ベルト10の駆動ローラ9と従動ローラ15の間に架け渡された直線部分の上方には、その中間転写ベルト10の移動方向に沿って、イエロー(Y),シアン(C),マゼンタ(M),ブラック(K)の4つのドラム状感光体40Y,40C,40M,40K(以下、特定しない場合には単に感光体40と称する)が所定間隔を置いて配設されている。そして、中間転写ベルト10の内側に各感光体40に対向し中間転写ベルト10を挟むように、4個の1次転写ローラ62が設けられている。
【0021】
4個の感光体40は、夫々図3で反時計回り方向に回転可能であり、各感光体40の回りには、夫々帯電装置60、現像装置61、上述した1次転写ローラ62、感光体クリーニング装置63、除電装置64を付設しており、夫々作像ユニット18を構成している。そして、その4個の作像ユニット18の上方に、共用の露光装置21を設けている。そして、各感光体上に形成された各画像(トナー画像)が、中間転写ベルト10上に直接重ね合わせて順次転写されていくようになっている。
【0022】
一方、中間転写ベルト10の下側には、その中間転写ベルト10上の画像を記録紙であるシートSに転写する2次転写装置22が設けられている。2次転写装置22は、2つのローラ23,23間に無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡したものであり、2次転写ベルト24が中間転写ベルト10を介して従動ローラ16に押し当たるようになっている。この2次転写装置22は、2次転写ベルト24と中間転写ベルト10との間に送り込まれるシートSに、中間転写ベルト10上のトナー画像を一括転写する。そして、2次転写装置22のシート搬送方向下流側には、シートS上のトナー画像を定着する定着装置25があり、そこでは無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27が押し当てられている。
【0023】
なお、2次転写装置22は、画像転写後のシートを定着装置25へ搬送する機能も果たす。また、2次転写装置22は、転写ローラや非接触のチャージャを使用した転写装置であってもよい。その2次転写装置22の下側には、シートの両面に画像を形成する際にシートを反転させるシート反転装置28が設けられている。
【0024】
このような間接転写方式の画像形成装置によってカラーコピーをとるときは、自動原稿給送装置4の原稿台30上に原稿をセットする。また、手動で原稿をセットする場合には、自動原稿給送装置4を開いてスキャナ3のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、自動原稿給送装置4を閉じてそれを押さえる。そして、不図示のスタートキーを押下すると、自動原稿給送装置4に原稿をセットしたときは、その原稿がコンタクトガラス32上に給送され、また手動で原稿をコンタクトガラス32上にセットしたときは、直ちにスキャナ3が駆動し、第1走行体33および第2走行体34が走行を開始する。そして、第1走行体33の光源から光が原稿に向けて照射され、その原稿面からの反射光が第2走行体34に向かうと共に、その光が第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入射して、原稿の内容が読み取られる。
【0025】
また、上述したスタートキーの押下により、中間転写ベルト10が回動を開始する。さらに、それと同時に各感光体40Y,40C,40M,40Kが回転を開始して、それら各感光体上にイエロー(Y),シアン(C),マゼンタ(M),ブラック(K)の各単色トナー画像を形成する動作を開始する。そして、各感光体上に形成された各色のトナー画像は、図3で時計回り方向に回動する中間転写ベルト10上に重ね合わせて順次転写されていき、ベルト上にフルカラーの合成カラー画像が形成される。
【0026】
一方、上述したスタートキーの押下により、給紙テーブル2内の選択された給紙段の給紙ローラ42が回転し、ペーパーバンク43の中の選択された1つの給紙カセット44からシートSが繰り出され、分離ローラ45により1枚ずつに分離されて給紙路46に搬送される。そのシートSは、搬送ローラ47により装置本体1内の給紙路48に搬送され、レジストローラ49に突き当たって一旦停止する。手差し給紙の場合には、手差しトレイ51上にセットされたシートSが給紙ローラ50の回転により繰り出され、分離ローラ52により1枚ずつに分離されて手差し給紙路53に搬送され、レジストローラ49に突き当たって一旦停止状態になる。レジストローラ49は、中間転写ベルト10上の合成カラー画像に合わせた正確なタイミングで回転を開始し、一旦停止状態にあったシートSを中間転写ベルト10と2次転写装置22との間に送り込む。そして、そのシートS上に2次転写装置22でカラー画像が転写される。
【0027】
カラー画像が転写されたシートSは、搬送装置としての機能も有する2次転写装置22により定着装置25へ搬送され、そこで熱と加圧力が加えられることにより転写カラー画像が定着される。その後、シートSは、切換爪55により排出側に案内され、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出されて、スタックされる。両面コピーモードが選択されているときには、片面に画像を形成したシートSを切換爪55によりシート反転装置28側に搬送し、そこで反転させて再び転写位置へ導き、今度は裏面に画像を形成した後に、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出する。
【0028】
図4は、位置検出装置を備える無端ベルト駆動制御装置の機能的ブロック図である。この無端ベルト駆動制御装置は装置本体のCPUに含まれている。図5は、無端ベルト駆動制御装置による転写ベルトの駆動制御を説明する図である。図4および図5を参照しながら、次に画像形成装置における無端ベルト駆動制御装置100の動作を説明する。
【0029】
無端ベルト駆動制御装置100は、既述の位置検出装置1800を備える。図4に示すように、無端ベルト駆動制御装置100は、転写ベルト10のマークを読み取る光ピックアップ6aおよび6bからの信号を受信して、モータ駆動回路81を制御する駆動制御部71、および転写ベルト10を駆動する駆動部80を備える。
【0030】
光ピックアップ6aから光ピックアップ6bまでのセンサ距離L1を位置検出装置1800の距離測定センサ2000により読み取り、その結果を制御部に入力する。これにより従来の構成よりも高精度でベルト速度の検出を行うことができる。
【0031】
無端回転体である中間転写ベルト10は、駆動ローラ9と従動ローラ15との間に張架され、従動ローラ16によってテンションを与えられている。そして、モータ7によって減速器8を介して駆動ローラ9が回転されることによって、図中、矢示F方向に回動する。この中間転写ベルト10は、例えば弗素系樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリイミド樹脂などで形成されたベルトであり、ベルトの全層やその一部を弾性部材で形成した弾性ベルトが使用されることが多い。
【0032】
この中間転写ベルト10は、その外周面の一方の側縁部に沿って、移動方向にわたり所定間隔(ピッチ)で連続するように複数のマーク5(図5)を設けている。この例では、多数のマーク5を、極めて小さいピッチ(等間隔)でスケール250を形成するように、中間転写ベルト10の全周に亘って設けている。図5中、マーク5を黒い目盛状に示しているが、実際には中間転写ベルト10の表面より反射率の高いインキなどによって印刷されているか、ベルト地の反射率と異なる反射率を有したマーク5を印刷したテープが中間転写ベルト10の全周に亘って貼り着けられている。そして、この中間転写ベルト10のマーク5を設けている側縁部の上方には、僅かな間隔を置いて、その移動方向にて互いに異なる位置に、複数(この例では2個)の光ピックアップ6a,6bを配設している。光ピックアップ6a,6bは同じものなので、以下では「6」とのみ称する場合もある。
【0033】
そして、モータ駆動回路81によってモータ7を駆動し、そのモータ7が減速器8を介して駆動ローラ9を回転させることによって、中間転写ベルト10を矢示F方向に回動させる。中間転写ベルト10の移動によって、2個の光ピックアップ6a,6bが夫々スケール250のマーク5を検出する信号および距離測定センサ2000により読み取った光ピックアップ6a〜6b間の距離L1に関する信号を駆動制御部71に入力させ、駆動制御部71がそれら入力信号の位相差に基づいてモータ駆動回路81をフィードバック制御して、中間転写ベルト10の移動速度を高精度に制御する。この駆動制御部71の詳細については後述する。
【0034】
図6は中間転写ベルト外周面上に形成された多数のマーク5からなるスケール250と光ピックアップ6a,6bの配置関係を説明する図であり、図7は多数のマーク5、スケール250、光ピックアップ6の一例を説明する図である。図7aはスケール250の一部を上方から見た平面図、図7bは光ピックアップ6の光学系の構成と光路を示す側方透視図で、図示の都合上下を反転して示している。図7cは光ピックアップ6の検出面の平面図である。
【0035】
スケール250は、反射型スケールであり、中間転写ベルト10の外周面(内周面でもよい)に、その回動方向に沿ってマーク(反射部)5と遮光部58とを交互に形成したものである。光ピックアップ6は、LEDなどの発光素子111、コリメートレンズ112、図7cに明示されるようなスリットマスク113とガラスまたは透明樹脂フィルムなどの透明カバーを設けた受光窓114、およびフォトトランジスタなどの受光素子115などを、筐体110に固定して設けている。
【0036】
この光ピックアップ6において、光源である発光素子111で発光した光がコリメートレンズ112を通過して平行光束になり、スケール250と平行に配置される複数のスリット113aを形成したスリットマスク113を通って複数の光ビームLBに分割され、中間転写ベルト上のスケール250に照射される。そして、その一部がマーク5によって反射されて、その反射光が受光窓114を通して受光素子115によって受光され、受光素子115がその反射光の明暗の変化を電気信号に変換する。よって、光ピックアップ6の筐体110の受光素子115は、スケール250のマーク5を反射光の受光によって検出して、中間転写ベルト10の回動による反射の有無により連続的に変調されたアナログ交番信号を出力する。
【0037】
図8は、2個の光ピックアップ6a,6bの出力信号を整形した波形とその位相差との関係を示すタイミングチャートである。図8では、受光素子115が出力するアナログ交番信号を波形整形したパルス信号を示す。図8に示すように波形整形したものは、矩形波のパルス信号となる。
【0038】
この図において、信号801は光ピックアップ6aによる検出信号の波形を示し、Ca(1),Ca(2),Ca(n)はその各周期であり、信号802は光ピックアップ6bによる検出信号の波形を示し、Cb(1),Cb(2),Cb(n)はその各周期を示している。信号803は光ピックアップ6a,6bによる検出信号の位相差の波形を示しており、Cab(1),Cab(2),Cab(n)はその位相差である。
【0039】
図9は、2個の光ピックアップ6a,6bのマーク検出領域SAと、検出されるマーク5との位置関係を説明する図である。図7cに示す光ピックアップ6の検出面おけるスリットマスク113と受光窓114からなる領域をマーク検出領域SAとする。
【0040】
2個の光ピックアップ6a,6bのマーク検出領域SAと、それによって検出されるマーク5との位置関係について、説明する。図6に示すように、マーク5のピッチP0が設計値(初期値)のままで、2個の光ピックアップ6a,6bの間隔D(センサ間隔L1、正確にはセンサの検出部位間の間隔である)が正確にN・P0になっていれば、図9の右側に示す光ピックアップ6aのマーク検出領域SAの中心線CLaが検出中のマーク5の幅の中心と一致するとき、左側に示す光ピックアップ6bのマーク検出領域SAに対応するマーク5も破線で示す位置にあり、その幅の中心がマーク検出領域SAの中心線CLbと一致する。したがって、光ピックアップ6a,6bの出力信号を整形した波形の立ち上がりと立ち下りのタイミングがいずれも一致し、その位相差Cab=0になる。
【0041】
しかし、実際には機内の温湿度や中間転写ベルト10にかかるテンションなどによって中間転写ベルト10が伸縮し、それによってスケール250のマーク5の位置もずれる。そのため、図9の右側に示す光ピックアップ6aのマーク検出領域SAの中心線CLaが検出中のマーク5の幅の中心と一致するとき、左側に示す光ピックアップ6bのマーク検出領域SAに対応するマーク5の位置が実線で示すようにずれ、その幅の中心がマーク検出領域SAの中心線CLbからずれる(マーク5のピッチが伸びると、矢示Fで示す中間転写ベルト10の移動方向に対して遅れた位置になる)。それによって、図8に示すように光ピックアップ6a,6bの出力信号を整形した波形の立ち上がりと立ち下りのタイミングが夫々ずれて、図8に示す位相差Cabが生じる。
【0042】
この時のマーク5のピッチの伸び量ΔLは、それによる遅れ時間をδt、中間転写ベルト10の線速をVとすると、δt=ΔL/Vであり、光ピックアップ6a,6bによる検出信号の周期をCa=Cb=Tとすると、位相差Cabは次式によって算出される。
Cab=δt/T=ΔL/V・T (式1)
したがって、位相差Cabはピッチの伸び量(変化量)ΔLに比例して変化する。
【0043】
伸びの変化率Rは、光ピックアップ6a,6bの間隔をLとして、次式で求められる。
R=ΔL/L=δt・V/L (式2)
マーク5のピッチ(スケールピッチ)Pを使って、P/Tで求められる実際のベルト線速Vrealは、スケールの伸びを考慮すると、次式で計算される。
Vreal=P(1+R)/T (式3)
【0044】
累積移動距離Lrealは、光ピックアップ6aまたは6bによる検出信号のカウント値「N」にスケールピッチ「P」を乗じて算出するので、
Lreal=N・P+Σ[ΔL(k)]=N・P+Σ[P・R(k)]
=N・P{1+Σ(P(k)] (式4)
となり、伸び量の積分値を足した分が実際の累積移動距離として計算できる。
【0045】
スケールピッチ誤差を考えない制御では、1個の光ピックアップ6の検出信号のパルス間隔Ca(n)またはCb(n)と標準パルス間隔C0との差をフィードバック制御している。フィードバックされる目標速度Vrefと実速度Vrealの差ΔVは次式で算出される。
ΔV=Vref‐Vreal=fc・P0/C0−fc・Pa(n)/Ca(n) (式5)
fc:カウンタクロック、
P0:標準スケールピッチ、
C0:光ピックアップの検出信号の一周期の標準クロックカウント数、
Pa(n):誤差を加えたスケールピッチ、
Ca(n):光ピックアップの検出信号の一周期の実クロックカウント数。
【0046】
次に、上述した説明を基礎にして、無端ベルト駆動制御装置の制御動作を説明する。再び、転写ベルト駆動制御装置の機能的ブロック図である図4を参照する。図4において、これまでに説明してきた図5などと対応する部分には同一の符号を付してあり、それらの説明は省略する。
【0047】
この図4において、位相カウンタ11A,11B、マークカウンタ12、位相差算出部13、プロファイル作成部14、補正データ記憶部37、および制御部(制御回路)70によって、図5に示す駆動制御部71を構成している。また、モータ7とモータ駆動回路81とによって、無端回転体である中間転写ベルト10を回動させるための駆動部80を構成している。中間転写ベルト10の外周面には、図5および図6に示すように矢示Fで示す移動方向に亘り、所定の初期ピッチP0で連続するように多数のマーク5が設けられてスケール250を形成している。
【0048】
そして、モータ7によって駆動ローラ9が回転されて、中間転写ベルト10が矢示Fで示す方向に回動すると、2個の光ピックアップ6a,6bがスケール250のマーク5の検出によって、図8の信号801,802に示す各検出信号をSa,Sbとして出力して、検出信号Saを位相カウンタ11Aのゲート入力とし、検出信号Sbを位相カウンタ11Bのゲート入力とするとともに、マークカウンタ12にカウントパルスとして入力させる。なお、マークカウンタ12には、検出信号Saをカウントパルスとして入力してもよい。
【0049】
2個の位相カウンタ11A,11Bのソース入力として、この駆動制御部71の全体を統括制御する不図示のマイクロコンピュータの動作の基準となるクロックパルスCK(極めて短い一定の周期で発生する)を入力する。
【0050】
そして、位相カウンタ11Aは、検出信号Saの立ち上りエッジでカウント値をリセットして0に戻し、再びクロックパルスCKのカウントを開始して、そのカウント値を位相差算出部13に出力する。位相カウンタ11Bも、検出信号Sbの立ち上りエッジでカウント値をリセットして0に戻し、再びクロックパルスCKのカウントを開始して、そのカウント値を位相差算出部13に出力する。
【0051】
位相差算出部13は、位相カウンタ11A,11Bのうち早くリセットされた方の位相差カウンタのカウント値をウオッチングして、その後他方の位相カウンタがリセットされた時のカウント値を記憶する。そのカウント値が前述の式1における遅れ時間δtに相当する。
【0052】
その後、早くリセットされた方の位相カウンタのカウント値が再びリセットされた時の直前のカウント値を記憶する。この時のカウント値が検出信号SaまたはSbの周期Tに相当する。したがって、図8によって説明された位相差Cabを、式1によって、Cab=δt/Tの演算によって簡単に検出信号SaとSbの位相差を算出することができる。この位相差Cabを光ピックアップ6bの検出信号Sbに対する光ピックアップ6aの検出信号Saの進み/遅れとして算出する場合には、マーク5のピッチが伸びた場合には、位相差カウンタ11Aの方が早くリセットされて進み位相差となり、マーク5のピッチが縮んだ場合には、位相カウンタ11Bの方が早くリセットされて遅れ位相差になる。
【0053】
実際に画像形成を行う前の所定のタイミング(工場出荷時、据え付け時、電源投入直後や画像形成動作の準備動作時など)で、中間転写ベルト10を回動させて、光ピックアップ6a,6bがマーク5を検出する毎に、位相差算出部13によってこの位相差Cabを算出し、その進み/遅れを判別したときには、その情報をプロファイル作成部14へ送る。
【0054】
同時に、マークカウンタ12が光ピックアップ6bからの検出信号Sbの立ち上りエッジをカウントし、そのカウント値をプロファイル作成部14へ送る。このマークカウンタ12は、光ピックアップ6bがスケール250の後述する継ぎ目を検知したとき、あるいは不図示のホームポジションセンサによって、中間転写ベルト10上に設けられたホームポジションマークを検知したときに、その信号によってリセットされ、その後、中間転写ベルト10の一周分のマーク5のカウント値Nを、検出信号Sbの立ち上りエッジで順次カウントアップして出力する。
【0055】
位相カウンタ11A,11Bは光ピックアップ6a,6bによる検出信号Sa,Sbの立ち下りエッジでリセットされるようにして、位相差算出部13によって検出信号Sa,Sbの立ち下りエッジ間の位相差を算出するようにしてもよい。位相カウンタ11A,11Bは位相差算出部13に含めてもよい。また、位相比較器を用いて、検出信号Sa,Sbの位相差を直接算出(検出)するようにしてもよい。
【0056】
プロファイル作成部14は、このように予め無端回転体である中間転写ベルト10を一周回動させたときに、位相差算出部13によって順次算出される位相差によって、中間転写ベルト10一周分のマーク5のピッチ誤差のプロファイルを作成する。これが、この時点におけるこの中間転写ベルト10の一周分のスケールのマークピッチ誤差の固有特性を示すデータとなる。
【0057】
例えば、中間転写ベルト10の回動によるホームポジションからの累積移動距離Lrealは、前述したように光ピックアップ6aまたは6bによる検出信号SaまたはSbのカウント値N(マーク5のカウント値)にスケールピッチ(マーク5の間隔)Pを乗じて算出するが、実際にはスケールピッチPが変化するため、その伸び量(変化量)をΔLとすると、前述した式4によって求められ、Lreal=N・P+Σ[ΔL(k)]となる。すなわち、N・PにスケールピッチPの変化量ΔLの積分値を足した値が実際の累積移動距離として計算できる。そのスケールピッチの変化量ΔLを、前述したように位相差Cabに比例する。
【0058】
図10は、マークカウント値Nに対する累積移動距離Lrealの値を示すグラフである。スケールピッチPが一定で変化量ΔL=0の理想的な場合のカウント値Nに対する累積移動距離Lrealは、図10に直線aで示すようにマークカウンタ12(図4)のカウント値Nに比例して増加して中間転写ベルト10一周分の距離に達すると、カウント値Nがリセットされる。しかし、実際にはスケールピッチPに多少のバラツキがあるため、その変化量ΔLは0ではなく、位相差算出部13によって算出された位相差Cabに比例した値となる。それを順次積分してN・Pの値に加算していくと、カウント値Nに対する実際の累積移動距離Lrealは、図10に曲線bで示すように、直線aに対して位相差Cabとその進み/遅れに応じて増減する特性になる。
【0059】
図4に示されたプロファイル作成部14は、このようにマークカウンタ12のカウント値Nに対する実際の累積移動距離Lrealを前述の式によって算出して、図10に曲線bで示す特性をマーク5のピッチ誤差のプロファイルとしてメモリ(図示せず)に一時的に記憶する。このピッチ誤差は、スケールを印刷する際にマーク5の間隔が徐々にずれることによる場合が多いので、図10の曲線bで示すように連続的に僅かずつ変化する場合が多く、カウント値Nのインクリメントによって累積移動距離が急激に変化するようなことはない。
【0060】
図11は、マークカウント値Nに対する位相差を示すグラフである。プロファイル作成部14が、位相差算出部13によって順次算出される位相差Cabをそのままカウント値Nに対応させて、図11に曲線で示すように中間転写ベルト10の一周分順メモリ(図示せず)に一時的に記憶させて、マーク5のピッチ誤差のプロファイルとすることもできる。図11における一点鎖線で示す一定の位相差は、光ピックアップ6a,6bの間隔分の位相差を示しているが、これは記憶せず、マーク5のピッチ誤差のみをプロファイルとして記憶してもよい。
【0061】
そして、補正データ記憶部37は、プロファイル作成部14によって作成されたマーク5のピッチ誤差のプロファイルから、カウント値Nに応じた中間転写ベルト10の一周分のマークピッチ補正データを作成してメモリに記憶する。これは、実際に算出される位相差、あるいはそれに比例する累積移動距離の変動から、予め作成されたプロファイルによるピッチ誤差分を差し引くように補正するデータである。
【0062】
その後の通常の画像形成動作時に、中間転写ベルト10が回動したとき、位相差算出部13によって上述したように順次位相差Cabが算出されると、制御部70がそれを入力するとともに、補正データ記憶部37からマークカウンタ12のカウント値に応じて順次読み出されるマークピッチ補正データを入力して、それらによって目標位置データを補正しながらモータ駆動回路81に制御信号(例えばトルク指令)を出力し、駆動部80による中間転写ベルト10の移動速度をフィードバック制御する。
【0063】
ここで、位相差算出部13によって新たに算出される位相差Cabには、マーク5のピッチ誤差分に加えて、環境の温湿度変化や中間転写ベルト10に係るテンションの変化などによる伸縮分や、中間転写ベルト10の移動速度変化による変動分などが含まれており、その算出された位相差から予め記憶したこの中間転写ベルト10のスケールに固有のマークピッチの誤差分を差し引いて補正することになる。
【0064】
したがって、スケールのマークピッチに誤差があっても、中間転写ベルト10の伸縮や移動速度の変動を正確に補償するように、駆動部80に対して中間転写ベルト10の速度のフィードバック制御を実現することができる。また、センサ間距離(センサ間隔)L1を距離測定センサ2000により正確に測定し、これを制御部にフィードバックすることにより、温湿度でのL1のずれを補正することができる。
【0065】
この無端ベルト駆動制御装置における位相差算出部13、プロファイル作成部14、補正データ記憶部37、および制御部70の各機能は、不図示のマイクロコンピュータによるソフト処理でも実現することができる。
【0066】
なお、光ピックアップを3個以上設け、マーク5の不良や継ぎ目が2個の光ピックアップの間の位置になっても、他の光ピックアップとの間の位置にはならないようにすることができ、それによって、マーク不連続部分では、使用する光ピックアップを切り換えて、正確な位相差を検出し続けて、中間転写ベルト10の移動速度のフィードバック制御を停止しないで済むようにすることもできる。
【0067】
以上、本発明を図3に示すタンデム型のカラー画像形成装置の中間転写ベルト10の速度制御に適用した例について説明したが、2次転写ベルト24や、感光体40Y,40C,40M,40Kなどの、他のベルト状またはドラム状の無端回転体の速度制御にも同様に適用できる。また、他の電子写真方式のカラーあるいはモノクロの画像形成装置における転写ベルト、中間転写ベルト、感光体ベルト、用紙搬送ベルト、中間転写ドラム、感光体ドラムなど、画像形成に係わるベルト状またはドラム状の無端回転体の速度制御にも同様に適用できる。さらに、インクジェット方式のカラープリンタや、その他各種の機器における高精度な速度制御が必要なベルト状またはドラム状の無端回転体の速度制御にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明にかかる位置検出装置、および画像形成装置は、各種の機器における高精度な速度制御が必要なベルト状またはドラム状の無端回転体の位置検出、速度制御、および画像形成技術に利用できる。特に、各種の画像形成装置の画像形成にかかるベルト状またはドラム状の転写ベルトや感光体などの無端回転体を高精度に速度または位置制御するのに適している。
【符号の説明】
【0069】
1 装置本体
2 給紙テーブル
3 スキャナ
4 自動原稿給送装置、
5 マーク、
6a,6b 光ピックアップ
7 モータ
8 減速器
9 駆動ローラ
10 中間転写ベルト(転写ベルト)
13 位相差算出部
14 プロファイル作成部
15,16 従動ローラ
17 クリーニング装置
18 作像ユニット
20 転写装置
21 露光装置
22 2次転写装置
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33,34 走行体
35 結像レンズ
36 センサ
37 補正データ記憶部
40Y,40C,40M,40K 感光体
42,50 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45,52 分離ローラ
46,48,53 給紙路
47 搬送ローラ
49 レジストローラ
51 トレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
58 遮光部
60 帯電装置
61 現像装置
62 1次転写ローラ
63 感光体クリーニング装置
64 除電装置
70 制御部
71 駆動制御部
80 駆動部
81 モータ駆動回路
100 無端ベルト駆動制御装置
110 筐体
111 発光素子
112 コリメートレンズ
113 スリットマスク
114 受光窓
115 受光素子
250 スケール
1000 位置検出装置
1001,1002 マーク検出部
1005 回路基板
1011,1012 ケース
1021,1022 固定位置
1031,1032 検出位置
1800 位置検出装置
2000 距離測定センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】
【特許文献1】特許第3344614号公報
【特許文献2】特開2006‐160512号公報
【特許文献3】特開2008‐51801号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転移動方向に所定間隔で検出用マークを有した無端回転体のマーク形成領域に対向配置されるべき位置検出装置であって、移動する上記マークを所定の検出位置で検出する複数の検出手段と、当該複数の検出手段を収容固定する収容保持部材と、上記複数の検出手段の夫々の検出部位の間の回転移動方向間隔を検知する検知手段とを備えることを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
上記検出手段と上記検知手段が光学センサであることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の位置検出装置と、上記検知手段の検知情報に基づいて上記無端回転体の回転速度を制御する制御機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−191349(P2010−191349A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37758(P2009−37758)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】