説明

作業車両

【課題】配線や配管の保護構造を設けるにあたり、配線や配管を行うための作業やメンテナンス作業が楽で、その構造も簡素化なものであり、かつ、配線や配管長さもあまり余分に構成する必要がない作業車両を提供する。
【解決手段】機体フレーム1上で互いに離れた位置に配置された資源供給対象装置60、5M,5Sと資源供給源装置16,65,69との間を資源流通用線状体15で接続し、資源供給対象装置60、5M,5Sと資源供給源装置16,65,69との間における資源供給用経路に相当する箇所の機体フレーム構成材に、資源流通用線状体15が上方から入り込み可能で、かつ、その機体フレーム構成材上に作用する上方からの重量が前記線状体15に作用することを抑止する溝状部14を形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行装置を備えた走行機体での離れた箇所に、資源供給対象装置と資源供給源装置とを振り分け配置されていて、それらの資源供給対象装置と資源供給源装置との間を資源流通用線状体で接続してある作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した作業車両においては、従来より下記[1]に示す構造を備えたものが知られている。
[1] 機体フレーム上で、脱穀部と穀粒タンクとの間に、電源ハーネスや油圧ホース、あるいは燃料ホースなどの、配線または配管を通すことのできるカバー体を付設したコンバイン(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−313665号公報(段落〔0015〕、〔0020〕、図1、図2、図4、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されるように、機体フレーム上に配線または配管を通すことのできるカバー体を付設した構造のものでは、機体フレームの下側に配線や配管を通す構造に比べて、配線、配管を行う作業が容易であるとともに、メンテナンスも便利に行える利点がある。しかも配線や配管はカバー体で覆われているので、メンテナンス時に作業者が配線や配管を引っ掛けるなどして痛める可能性も少ない点で有利である。
しかしながら、前記特許文献1に記載された構造のものでは、専用のカバー体を用いる必要があることに加えて、そのカバー体を少数のもので、かつコンパクトに構成しようとすれば、カバー体の付設位置まであらゆる配線や配管を導く必要がある。このため、僅かとは云え配線や配管の長さをそれだけ余分に構成する必要があり、この点で改善の余地がある。
【0005】
本発明の目的は、配線や配管の保護構造を設けるにあたり、配線や配管を行うための作業やメンテナンス作業が楽で、その構造も簡素化なものであり、かつ、配線や配管長さもあまり余分に構成する必要がない作業車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔解決手段1〕
上記課題を解決するために講じた本発明の作業車両における技術手段は、請求項1に記載のように、自走機体の機体フレーム上における離れた位置に資源供給対象装置と資源供給源装置とを振り分け配置し、前記資源供給対象装置と資源供給源装置との間を資源流通用線状体で接続し、前記資源供給対象装置と資源供給源装置との間における資源供給用経路に相当する箇所の機体フレーム構成材に、前記資源流通用線状体が上方から入り込み可能で、かつ、その機体フレーム構成材上に作用する上方からの重量が前記線状体に作用することを抑止する溝状部を形成したことである。
【0007】
〔作用及び効果〕
上記のように、解決手段1にかかる本発明の作業車両では、資源流通用線状体である配線や配管を、カバー体で覆うことによって保護するのではなく、資源供給対象装置と資源供給源装置との間における資源供給用経路に相当する箇所の機体フレーム構成材に溝状部を形成することによって保護している。
つまり、資源流通用線状体が機体フレーム構成材に形成されている溝状部に入り込む状態とすることによって、機体フレーム構成材上に作用するところの、上方からの重量が前記線状体に直接的に作用したり、メンテナンス時に作業者や機器類との接触で引っ掛かることを避けられるので、配線や配管が押し潰されたり、引っ掛けられたりして損傷することを抑止し得る利点がある。
また、機体フレーム構成材によって構成される溝状部は、別途カバー体を付設する必要がないので、部品点数の削減に有効である。しかも、機体フレーム構成材上の適所に存在する溝状部を利用して各種の資源流通用線状体を配置することができるので、各種の資源流通用線状体をカバー体が存在する一カ所に集める場合のような、カバー体から離れた位置の資源流通用線状体が大きく屈曲されるために、その所要長さがかなり余分に要るというものではなく、資源流通用線状体が接続される資源供給対象装置と資源供給源装置とに最も近い位置の溝状部を利用して、資源流通用線状体を比較的短い長さのもので構成することも可能である。
【0008】
〔解決手段2〕
本発明の作業車両における第2の解決手段は、請求項2の記載のように、自走機体の機体フレーム上で互いに離れた位置にエンジンと燃料タンクとを振り分け配置し、前記エンジンと燃料タンクとの間に燃料供給ホースを配備した作業車両であって、前記エンジンと燃料タンクとの間におけるホース配設経路に相当する箇所の機体フレーム構成材に、燃料供給ホースが上方から入り込み可能で、かつ、その機体フレーム構成材上に作用する上方からの重量が前記燃料供給ホースに作用することを抑止する溝状部を形成してあることを特徴とする。
【0009】
〔作用及び効果〕
上記のように、解決手段2にかかる本発明の作業車両では、資源流通用線状体である燃料供給ホースを、カバー体で覆うことによって保護するのではなく、エンジンと燃料タンクとの間におけるホース配設経路に相当する箇所の機体フレーム構成材に溝状部を形成することによって保護している。
つまり、燃料供給ホースが機体フレーム構成材に形成されている溝状部に入り込む状態とすることによって、機体フレーム構成材上に作用するところの、上方からの重量が前記燃料供給ホースに直接的に作用したり、メンテナンス時に作業者や機器類との接触で引っ掛かることを避けられるので、燃料供給ホースが押し潰されたり、引っ掛けられたりして損傷することを抑止し得る利点がある。
また、機体フレーム構成材によって構成される溝状部は、別途カバー体を付設する必要がないので、部品点数の削減に有効である。しかも、機体フレーム構成材上の適所に存在する溝状部を利用して燃料供給ホースを配置することができるので、各種の資源流通用線状体をカバー体が存在する一カ所に集める場合のような、カバー体から離れた位置の燃料供給ホースが大きく屈曲されて、その所要長さがかなり余分に要るという事態を招くものではなく、燃料供給ホースが接続されるエンジンと燃料タンクとに最も近い位置の溝状部を利用して、燃料供給ホースを比較的短い長さのもので構成することも可能である。
【0010】
〔解決手段3〕
本発明の作業車両における第3の解決手段は、請求項3の記載のように、自走機体の機体フレーム上で互いに離れた位置に油圧アクチュエータと油圧ポンプとを振り分け配置し、前記油圧アクチュエータと油圧ポンプとの間に作動油給排用ホースを配備した作業車両であって、前記油圧アクチュエータと油圧ポンプとの間におけるホース配設経路に相当する箇所の機体フレーム構成材に、作動油給排用ホースが上方から入り込み可能で、かつ、その機体フレーム構成材上に作用する上方からの重量が前記作動油給排用ホースに作用することを抑止する溝状部を形成してあることを特徴とする。
【0011】
〔作用及び効果〕
上記のように、解決手段3にかかる本発明の作業車両では、資源流通用線状体である作動油給排用ホースを、カバー体で覆うことによって保護するのではなく、油圧アクチュエータと油圧ポンプとの間におけるホース配設経路に相当する箇所の機体フレーム構成材に溝状部を形成することによって保護している。
つまり、作動油給排用ホースが機体フレーム構成材に形成されている溝状部に入り込む状態とすることによって、機体フレーム構成材上に作用するところの、上方からの重量が前記作動油給排用ホースに直接的に作用したり、メンテナンス時に作業者や機器類との接触で引っ掛かることを避けられるので、作動油給排用ホースが押し潰されたり、引っ掛けられたりして損傷することを抑止し得る利点がある。
また、機体フレーム構成材によって構成される溝状部は、別途カバー体を付設する必要がないので、部品点数の削減に有効である。しかも、機体フレーム構成材上の適所に存在する溝状部を利用して作動油給排用ホースを配置することができるので、各種の資源流通用線状体をカバー体が存在する一カ所に集める場合のような、カバー体から離れた位置の作動油給排用ホースが大きく屈曲されて、その所要長さがかなり余分に要るという事態を招くものではなく、作動油給排用ホースが接続される油圧アクチュエータと油圧ポンプとに最も近い位置の溝状部を利用して、作動油給排用ホースを比較的短い長さのもので構成することも可能である。
【0012】
〔解決手段4〕
本発明の作業車両における第4の解決手段は、請求項4の記載のように、自走機体の機体フレーム上で互いに離れた位置に電動アクチュエータと電源供給部とを振り分け配置し、前記電動アクチュエータと電源供給部との間に配線用ハーネスを配備した作業車両であって、前記動アクチュエータと電源供給部との間における配線用ハーネスの配設経路に相当する箇所の機体フレーム構成材に、配線用ハーネスが上方から入り込み可能で、かつ、その機体フレーム構成材上に作用する上方からの重量が前記配線用ハーネスに作用することを抑止する溝状部を形成してある点に特徴がある。
【0013】
〔作用及び効果〕
上記のように、解決手段4にかかる本発明の作業車両では、資源流通用線状体であるる配線用ハーネスを、カバー体で覆うことによって保護するのではなく、電動アクチュエータと電源供給部との間におけるる配線用ハーネス配設経路に相当する箇所の機体フレーム構成材に溝状部を形成することによって保護している。
つまり、配線用ハーネスが機体フレーム構成材に形成されている溝状部に入り込む状態とすることによって、機体フレーム構成材上に作用するところの、上方からの重量が前記配線用ハーネスに直接的に作用したり、メンテナンス時に作業者や機器類との接触で引っ掛かることを避けられるので、配線用ハーネスが押し潰されたり、引っ掛けられたりして損傷することを抑止し得る利点がある。
また、機体フレーム構成材によって構成される溝状部は、別途カバー体を付設する必要がないので、部品点数の削減に有効である。しかも、機体フレーム構成材上の適所に存在する溝状部を利用してる配線用ハーネスを配置することができるので、各種の資源流通用線状体をカバー体が存在する一カ所に集める場合のような、カバー体から離れた位置のる配線用ハーネスが大きく屈曲されて、その所要長さがかなり余分に要るという事態を招くものではなく、配線用ハーネスが接続される電動アクチュエータと電源供給部とに最も近い位置の溝状部を利用して、配線用ハーネスを比較的短い長さのもので構成することも可能である。
【0014】
〔解決手段5〕
本発明のコンバインにおける第5の解決手段では、請求項5の記載のように、溝状部を、機体後部側の左右に振り分け配置された脱穀装置と穀粒貯留装置との間に位置する機体フレーム構成材に形成してあることを特徴とする。
【0015】
〔作用及び効果〕
上記のように構成された解決手段5にかかる本発明のコンバインでは、前記解決手段1〜4にかかる発明と同等な作用効果の他に、次の作用効果をも奏する。
すなわち、コンバインにおいて各種作業装置の伝動系や資源流通用線状体が集中的に配備される傾向にある脱穀装置と穀粒貯留装置との間で、その箇所の機体フレーム構成材に溝状部を形成することにより、溝状部に対する各種資源流通用線状体の入れ込み状態を、線状体の大きな屈曲のない状態で、線状体の配設長さを短かくした状態で配置し易いという利点がある。
また、この部位では、穀粒貯留タンクを開放姿勢にして各種伝動系のメンテナンスなどを行い易くしているが、その際、機体に搭乗した作業者が機体フレーム上を歩き回っても、溝状部に入り込んでいる各種線状体は、強く踏まれたり、足に引っ掛けられるようなことなく位置させておくことができ、損傷する虞が少ない利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
〔コンバインの全体構成〕
まず、本発明を適用した作業車両の一例であるコンバイン全体の構造について説明する。
図1には自脱形コンバインの全体側面が、図2にはその全体平面が示されている。このコンバインは、角パイプ材などによって枠状に形成した機体フレーム1を備え、機体フレーム1の下部に左右一対のクローラ式走行装置2を装備している。機体フレーム1の前方及び左前部には昇降揺動可能に連結した刈取搬送装置3が設けられ、機体フレーム1の左後部に脱穀装置4を搭載し、機体フレーム1の右後部に穀粒貯留装置5を搭載し、さらに、機体フレーム1の右前部に設けた原動部6、原動部6の上方側に形成した搭乗運転部20などを備えている。
【0017】
〔機体フレームの構成〕
機体フレーム1は、、図3乃至図5に示すように、前後方向に長い角パイプ状の左右一対のメインフレーム10,10と、そのメインフレーム10,10に対して左右方向に横切る方向で交差する状態で搭載設置された多数の横向きフレーム11と、横向きフレーム11の機体外側端側に搭載設置される前後向きの側部フレーム12とを備えて格子枠状に形成されているとともに、前記メインフレーム10,10の右側方で側部フレーム12との間に位置する機枠プレート13を備えている。これらのメインフレーム10,10、横向きフレーム11、側部フレーム12、及び機枠プレート13が一体化されて、本発明でいう機体フレーム構成材を構成している。
【0018】
前記機枠プレート13は、図3及び図4に示すように、断面形状がほぼ山形で連続した三角波形状の金属製板材で構成され、複数の横向きフレーム11上において、右横端部が側部フレーム12に接続され、機体前方側のエンジン搭載箇所近くから、後方側の穀粒排出用オーガ52の取付箇所近くにわたって延設されている。
この三角波形状の機枠プレート13の上面側に形成される三角波形状の谷部分が本発明の溝状部14を構成しており、その溝状部14は、溝内部に、資源流通用線状体15としての燃料供給ホース15aや、作動油給排用ホース15b、あるいは配線用ハーネス15cを落とし込み可能な深さを有したものである。
したがって、この溝状部14に、前記燃料供給用ホース15aや、作動油給排用ホース15b、あるいは、配線用ハーネス15cを落とし込み状態で配設しておくと、この機枠プレート13上に重量物が乗せられたり、メンテナンス作業のために人が歩いたりしても、その重量が前記資源流通用線状体15としての燃料供給用ホース15aや、作動油給排用ホース15b、あるいは配線用ハーネス15cに直接的に作用することを避けられ、ホースや配線の圧潰を免れ易い。
【0019】
機体フレーム1上には、図5に示すように、左右のメインフレーム10,10の両側に振り分けた状態で、左後部に前記脱穀装置4が、右後部に前記穀粒貯留装置5が搭載されており、右前部には原動部6が設けられている。
前記機枠プレート13は、平面視で前記穀粒貯留装置5の下方側に部分的に重なる状態で設けられているが、この重なり部分では、前記穀粒貯留装置5の底面が、横幅方向中央部箇所のスクリューコンベヤ55側ほど低くなる斜面で形成されている。このため、実際には前記穀粒貯留装置5の底面側と機枠プレート13の溝状部14との間には上下方向の間隔があって、溝状部14は上方開放の状態である。そして、穀粒貯留装置5が縦軸心y回りで外側に揺動開放されると、前記機枠プレート13の上面側は、作業者がメンテナンス作業等のために搭乗することも可能な状態に開放される。
【0020】
前記機枠プレート13よりも後方側の機体フレーム1の右後端部には、前記穀粒貯留装置5の穀粒排出用オーガ52が配設されており、機体フレーム1の左後端部には、燃料タンク16が配設されている。
前記機枠プレート13よりも前方側の機体フレーム1上には、その右側方にエンジン60、油圧ポンプ65、及びラジエータ61を搭載した原動部6が設けてあり、さらにその原動部6の前方側に延長されている機体フレーム1上に電源供給装置としてのバッテリ69が搭載してある。
また、機体フレーム1のうちのメインフレーム10,10の間には、左右のクローラ式走行装置2に対して駆動力を伝達するための駆動車軸(図外)を備えたミッションケース26を装備してあり、そのミッションケース26は、ミッションケース26内のギヤ類の潤滑及び冷却のための潤滑油を貯留するためのタンクを兼用している。
さらに、前記ミッションケース26よりも機体左側方寄りの機体フレーム1上に、各種油圧装置に対する作動油を供給するための作動油タンク27を搭載してある。
【0021】
前記メインフレーム10,10の右横側部の位置で、脱穀装置4が存在する箇所よりも右側の位置の機体フレーム1上には、各種作業クラッチを共通の電動モータ70の動力を用いて入り切り制御するためのクラッチ操作装置Aが配備されており、このクラッチ操作装置Aの存在箇所は、前記穀粒貯留装置5を後部側の縦軸心y周りで揺動させて開放姿勢としたとき、機体の右横側方から覗き込んで作業することが可能である位置に配備されている。
【0022】
〔原動部の構成〕
原動部6では、図5乃至図8に示すように、機体フレーム1に搭載したエンジン60と、エンジン60の横側部に取り付けられた油圧ポンプ65と、エンジン冷却用のラジエータ61と、オイルクーラー66と、前記ラジエータ61に対する送風方向を正逆に切り換えて送風可能な送風ファン62とを備えるとともに、図1に示すように、前記送風ファン62に対向する箇所の機体右外側部には、外部からの塵埃の吸入を抑制するための防塵網付きの外気導入用の開口部63が設けられている。
前記送風ファン62は、詳細は図示しないが、前記右側のエンジン出力軸60a上でスライド操作自在な操作体64を備え、その操作体64のスライド操作で送風ファン62の羽根の角度を変更して送風方向を正方向と逆方向とに切換操作自在に構成されている周知のものである。
【0023】
上記原動部6では、エンジンマフラー67から機体後部へ導く排気管68を図6(a),(b)に示すように構成している。
つまり、前記排気管68は、エンジンマフラー67の排気吐出管67aに接続される第1排気管68aと、その第1排気管68aに接続される第2排気管68bと、さらに後続の第3排気管68cとで構成されている。これらは、前後の管との接続箇所で次のように構成されている。
すなわち、図6(b)に示すように、エンジンマフラー67の排気吐出管67aと、これに接続される第1排気管68aとは、後続の第1排気管68aがエンジンマフラー67の排気吐出管67aよりも径の大きな管で構成されているのであるが、両者は同心状の接続ではなく、一方の管に対して他方の管が偏心する状態で嵌入され、長さ方向で部分的に重複する状態で接続されている。
上記のように後続の第1排気管68aがエンジンマフラー67の排気吐出管67aよりも径の大きな管で構成されているのは、外部の気体を吸い込んで排気温度を低下させるためであるが、このように偏心した接続構造となっているのは、その接続箇所における開口部分の形状を周方向で不均衡にして、吸い込んだ低温の気体が乱流と成りやすくすることにより、その低温の吸入外気を高温の排気と混ざりやすくするためである。
前記第1排気管68aと第2排気管68bとの接続箇所においても同様の構造が採用され、接続箇所の上方側の開口面積が下方側の開口面積よりも広くなる状態で接続されている。
第2排気管68bと最終の第3排気管68cとの接続箇所においては、上記のように偏心した接続構造ではなく、ほぼ同心状の接続構造となっている。これは、この接続箇所における管径がかなり大きくなっていて偏心させると上方側での配置スペースが大きくなることを避けるためである。
【0024】
図7に示されているように、前記エンジンマフラー67が存在する原動部空間の上部付近から、原動部6の横側部に位置するミッションケース26やバルブユニット28の上部を越えて、前記原動部6側とは反対の機体他側に向けて、原動部6側から離れるほど低くなるように傾斜した遮蔽板29を設けてあり、この遮蔽板29によって、原動部6側の廃熱がその上方位置の搭乗運転部20に流れ込み難いように工夫されている。
【0025】
図8a〜図8cは、エンジン冷却用のラジエータ61と、オイルクーラー66とを示し、クランク軸(図外)を機体左右方向に向けた横向きのエンジン60に近い箇所の、機体中央側寄り箇所にラジエータ61が配置され、それよりも機体横外側方箇所にオイルクーラー66が設置されている。
前記オイルクーラー66は、作動油タンク27から供給される作動油を冷却するための作動油オイルクーラー66Aと、ミッションケース26内の潤滑油を冷却するトランスミッション用オイルクーラー66Bとの組み合わせで構成されている。
図8a〜図8cに示すように、作動油オイルクーラー66Aは、ラジエータ61の冷却風の通気路内において、多数の直管状冷却パイプ66aを上下で給排管に連結してあり、冷却された作動油を油圧ポンプ65に導くように構成してある。そして、前記トランスミッション用オイルクーラー66Bは、ラジエータ61の冷却風の通気方向で前記作動油オイルクーラー66Aの直管状冷却パイプ66a群と重ならないように、直管状冷却パイプ66a群の外周側を囲繞するようにループ状に形成され、かつ、そのループの大きさは、ラジエータ61の冷却風の通気路内に収まる程度の大きさに形成されている。
【0026】
〔燃料タンクの構成〕
前記燃料タンク16は次のように構成されている。
図9a〜図9cに示すように、燃料タンク16は、ブロー成型によって形成した合成樹脂製のものであり、平面視で機体フレーム1の左後端部に設置されている。
この燃料タンク16は、機体外方側の端部から平面視で機体フレーム1の外方側へ突出するように筒状の給油口17を備えているとともに、その筒状の給油口17部分を含めて、タンク上面材18とタンク下面材19とに上下二分割されているタンク構成材を組み合わせて構成してあり、前記分割面が前記給油口17の筒状部分を筒軸心方向に沿って形成されている。
【0027】
前記燃料タンク16は、機体内方側の端部近くにおけるタンク上面に、フューエルセンサ取付部16aやフューエルチューブ取付部16bを備えている。このフューエルセンサ取付部16aやフューエルチューブ取付部16bを設ける端部箇所のタンク上面は、機体内方側端部寄り箇所ほど低くなる傾斜面18Aに形成されていて、取り付けられたフューエルセンサ取付部16aやフューエルチューブ取付部16bがあまり上方側へ大きく突出しないように構成されている。
そして、前記筒状の給油口17部分の上面側には、図9aに示すように、タンク上面と直線的につながる架設部分17aを有しており、この架設部分17aを含む仮想分割線c−cでの断面が、図9cに示すように、給油口17の筒状部分の上面側で断面山形に形成されている。したがって、この断面山形の架設部分17aは、筒状の給油口17の補強部材として機能するとともに、架設部分17aの内部は給油口17の端部開口に近い位置にまで達するエアー抜きとしても機能する。
【0028】
図9a及び図9bに示すように、前記燃料タンク16を搭載した箇所近くの機体フレーム1部分には分草杆9を配設してある。この分草杆9は、機体フレーム1の前後方向に沿って配設されたガイド杆90と、そのガイド杆90を機体フレーム1に対する遠近方向で移動可能に支持する支え杆91とを備えて、機体フレーム1に対して左横外方へ大きく突出した刈取作業姿勢位置S1と、その刈取作業姿勢位置S1よりも機体フレーム1側寄りに位置する格納姿勢位置S2とに位置変更自在に構成してある。
そして、前記分草杆9の格納姿勢位置S2は、図9bに示すように、平面視でガイド杆90が燃料タンク16の筒状の給油口17の機体横外方への突出端と同程度の位置、もしくは少し機体外方寄りに位置している。機体後方からみると、前記分草杆9の格納姿勢位置S2は、図9aに示すように、燃料タンク16の筒状の給油口17よりも低い位置で、機体フレーム1に対して横外側方へ延長されている。
また、前記分草杆9の刈取作業姿勢位置S1は、図9bに示すように、格納姿勢位置S2よりも大きく横外側方へ突出した位置であり、対地高さは図9aに示すように、前記格納姿勢位置S2と同程度である。
上記のように分草杆9と燃料タンク16との位置関係が定められていると、燃料タンク16への燃料補給時に、格納姿勢位置S2にある分草杆9を、補給作業時おける補給タンク(図示せず)の支えや一時置きとして利用でき、補給作業を楽に行い易い点で有利である。
【0029】
〔穀粒排出用オーガの構成〕
図1,2,5に示すように、前記機枠プレート13よりも後方側の機体フレーム1の右後端部に設けられる穀粒排出用オーガ52は、機体フレーム1側に固定されている電動アクチュエータの一例である駆動モータ5Mを備え、この駆動モータ5Mによって縦筒部分52Aが、前記穀粒貯留装置5の揺動中心である縦軸心y回りで旋回自在に、かつ、その穀粒貯留装置5のグレンタンク51に対しては相対回動自在に構成されている。
また、前記縦筒部分52Aの上端側に接続される横筒部分52Bは、横軸心x回りで起伏揺動自在に構成してあり、その起伏動作は、前記縦筒部分52Aと横筒部分52Bとの間にわたって設けた油圧アクチュエータとしての油圧駆動式の伸縮シリンダ5Sによって行われる。
【0030】
〔資源流通用線状体の配置〕
前記三角波形の断面形状を有した機枠プレート13に形成される溝状部14には、次のように資源流通用線状体15が配置されている。
すなわち、図3乃至図5に示すように、溝状部14の機体前部側には、資源供給対象装置としてのエンジン60が配置され、機体後部側に資源供給源装置としての燃料タンク16が配置されており、その燃料タンク16からエンジン60へ燃料を供給するための資源流通用線状体15としての燃料供給用ホース15aが、機体前後方向に沿って前記溝状部14内に配設されている。
【0031】
また、溝状部14の機体後部側には、資源供給対象装置としての油圧アクチュエータの一例である伸縮シリンダ5Sが穀粒排出用オーガ52の縦筒部分52Aと横筒部分52Bとの間にわたって設けてあり、機体前部側に資源供給源装置としての油圧ポンプ65が配置されており、その油圧ポンプ65から伸縮シリンダ5Sへ作動油を供給するための資源流通用線状体15としての作動油給排用ホース15bが、機体前後方向に沿って前記溝状部14内に配設されている。
【0032】
さらに、溝状部14の機体後部側には、資源供給対象装置としての電動アクチュエータの一例である前記駆動モータ5Mが穀粒排出用オーガ52の縦筒部分52Aに設けてあり、機体前部側に資源供給源装置としてのバッテリ69が配置されており、そのバッテリ69から駆動モータ5Mへ電力を供給するための資源流通用線状体15としての配線用ハーネス15cが、機体前後方向に沿って前記溝状部14内に配設されている。
【0033】
〔搭乗運転部の構成〕
図2に示すように、前記搭乗運転部20では、機体の前後進変速操作を行う変速レバー21、ならびに機体の操向操作を行う操向操作レバー22を備えるとともに、各種作業装置の駆動の入り切りや作動順を指令するための操作盤23を備えている。
この操作盤23には、枕扱き脱穀開始ボタンB1、刈取脱穀開始ボタンB2、高速刈取脱穀開始ボタンB3、穀粒排出ボタンB4、作業終了ボタンB5がそれぞれ装備されている。これらの各ボタンB1,B2,B3,B4,B5は、後述するクラッチ操作装置Aの作動を制御して、各種作業装置の駆動の有無ならびに駆動開始順を制御する。
【0034】
すなわち、前記枕扱き脱穀開始ボタンB1を操作すると、脱穀装置4と、フィードチェーン42とが駆動され、他の作業装置は停止状態であって、機体を停止させた状態での手扱き脱穀作業が可能な状態となる。そして、前記刈取脱穀開始ボタンB2が操作されると、上記の脱穀装置4及びフィードチェーン42の他に、刈取搬送装置3が駆動される状態となる。
また、高速刈取脱穀開始ボタンB3を操作すると、刈取変速機構36が高速側に切り換えられて、上記の刈取脱穀作業を高速で行うことができる。
さらに、穀粒排出ボタンB4を操作すると、上記の刈取脱穀作業関連機器の全ての作動を停止させて穀粒貯留装置5のみが駆動され、穀粒を排出する作業状態となる。
作業終了ボタンB5を押すと、駆動されていた全ての作業装置の駆動を停止して作業状態が終了する。
【0035】
〔伝動系の構成〕
図5に示すように、エンジン60は、その出力軸60aの軸心方向が左右向きになる姿勢で機体フレーム1に搭載されている。そのエンジン60から左右の各クローラ式走行装置2への伝動は、図10に示すように、機体の左右中央部に向けて突出するエンジン60の出力軸60aの左端部から、左右の各クローラ式走行装置2の駆動輪2Aにわたる走行用の伝動系を介して行われる。走行用の伝動系は、ベルト式の伝動装置24、主変速装置として備えた静油圧式無段変速装置25、及び、ミッションケース26に副変速装置として内装したギヤ式変速装置(図示せず)、などによって構成されている。
【0036】
左右の各クローラ式走行装置2は、搭乗運転部20に装備した変速レバー21を前後方向に揺動操作することで、静油圧式無段変速装置25による無段階の変速操作と前後進の切り換え操作とを行うことができ、又、搭乗運転部20に装備した操向操作レバー22を左右方向に揺動操作することで、ミッションケース26内のギヤ式変速装置による直進状態、左右の緩旋回状態、及び左右の急旋回状態の切り換えを行えるように構成されている。
【0037】
刈取搬送装置3は、静油圧式無段変速装置25による変速後の動力がワンウェイクラッチ25aやベルトテンション式の刈取クラッチ30などを介して伝達されることで、複数の引起装置31、バリカン形の刈取装置32、及び穀稈搬送装置33などが駆動され、機体の走行に伴って、その前端に装備された複数の分草具34が倒伏した植立穀稈を分草し、各引起装置31が分草後の植立穀稈を引き起こし、刈取装置32が引き起こされた植立穀稈の株元側を切断し、穀稈搬送装置33が刈取穀稈を起立姿勢から横倒し姿勢に切り換えながら後方の脱穀装置4に向けて搬送するように構成され、又、操向操作レバー22を前後方向に揺動操作することで、リフトシリンダ35の作動により刈取搬送装置3の昇降操作を行えるようになっている。
尚、この刈取搬送装置3における刈取速度を、前記静油圧式無段変速装置25による無段階での変速のみならず、圃場の条件や茎稈の倒伏状況などに応じて大きく変化させたい場合には、ミッションケース26内に装備させた専用のギヤ変速機構で構成された刈取変速機構36による高低2段の変速操作で行えるように構成してある。
【0038】
脱穀装置4は、ベルトテンション式の脱穀クラッチ40を介して伝達されるエンジン60からの動力で、扱胴41などが駆動され、後述のフィードチェーン47で株元側を挟持搬送される穀稈の穂先側を扱き処理し、かつ選別処理して得られた穀粒を、一番回収スクリュー(図外)などを介して穀粒貯留装置5のグレンタンク51に供給搬送する周知の構造によって構成されている。
前記ベルトテンション式の脱穀クラッチ40は、エンジン側の出力プーリ60bと脱穀装置4の入力プーリ42との間に掛張された伝動ベルト43と、テンションプーリ44とで構成されている。
そして、前記テンションプーリ44を引き操作してクラッチ入り状態に切換え操作するための操作ワイヤ−40aを後述するクラッチ操作装置Aに連係させているものであるが、図11に示すように、前記操作ワイヤー40aのアウターワイヤ部分を支持するための支持アーム45が脱穀装置4の入力プーリ42のボス部に固定されている。その支持アーム45の長さ方向の途中位置には、前記伝動ベルト43の外周側でベルトの外れ止めを行うための棒状のベルト押さえ46が取り付けられている。
【0039】
フィードチェーン47は、前記脱穀装置4への伝動系から伝動ベルト48で分岐された伝動系によって、かつテンションクラッチ式のフィードチェーンクラッチ49を介してエンジン60からの動力が伝達されるように構成してある。そして、前記フィードチェ−ンクラッチ49を任意に操作することにより、脱穀装置4の駆動開始あるいは終了時点とタイミングをずらして駆動できるように構成されている。
【0040】
穀粒貯留装置5は、グレンタンク51と穀粒排出用オーガ52とを備え、この穀粒排出用オーガ52に対してエンジン60の動力が伝達されるように構成してある。つまり、前記エンジン60の出力軸60aのうち、右側横側方から機体外側に向けて突出させた部分から穀粒貯留装置5の入力部53にわたって伝動ベルト54を掛張し、その伝動ベルト54による動力伝達を入り切り操作するベルトテンション式の穀粒排出用クラッチ50を備えたものである。
【0041】
前記グレンタンク51は、その後部に備えた縦軸心y周りに、その全体がエンジン60の後方に位置する作業位置と、その前部側が機体フレーム1の右外方に張り出してエンジン60の後方を開放するメンテナンス位置とにわたって揺動変位可能に、かつ、図外のロック機構によって作業位置及びメンテナンス位置での位置保持が可能となるように構成されている。
このように揺動変位するグレンタンク51の底部に備えられたスクリューコンベヤ55や前記穀粒排出用オーガ52に対する入力部53は、グレンタンク51の前記縦軸心y周りでの揺動を許容するための係脱構造を備えている。
【0042】
すなわち、図10に示すように、伝動ベルト54が掛張される入力プーリ56、及びその入力プーリ56に対して一体回転可能に、かつ相対摺動可能にスプライン嵌合される伝動軸57は機体フレーム1側に設けた軸受けブラケット10bに支持されている。
前記伝動軸57に伝えられた動力は、その伝動軸57に対して軸端側を係脱される入力伝動軸58に伝えられ、かつ、その入力伝動軸58のベベルギヤ58aと前記スクリューコンベヤ55の軸端側に設けられたベベルギヤ55aを介して前記スクリューコンベヤ55や前記穀粒排出用オーガ52伝達されるように構成されている。
前記入力伝動軸58は、グレンタンク51側に支持されていて、前記伝動軸57に対して抜き差し可能な凹入係合部58bを備えていて、伝動軸57からの回転動力は伝達されながら、軸線方向での抜き差しは可能に構成されているので、前記縦軸心y周りでのグレンタンク51の揺動に伴なう係脱を許容することができる。
図中の符号59は、伝動軸57を入力伝動軸58側へ押しつけ付勢するための押圧用スプリングである。
【0043】
〔クラッチ操作装置の構成〕
図12乃至図17に示すように、本発明では、上記の各種作業装置が備えるクラッチを入り切り操作するためのコンバインのクラッチ操作装置としてカム駆動式のクラッチ操作装置Aを採用している。このクラッチ操作装置Aは、駆動力を発生する駆動装置7と、その駆動装置7によって駆動されるカム機構8とによって構成されている。
【0044】
駆動装置7は、動力源としての電動モータ70と、その電動モータ70の動力をカム機構8に伝えるギヤ機構72と、電動モータ70で駆動されたカム機構8の作動状態を検出する検出機構としてのポテンショメータ73とを備えるとともに、電動モータ70の作動を制御する手段として、後述するマイクロコンピュータからなる制御装置100に制御プログラムとして備えられたモータ制御回路とで構成されている。
前記電動モータ70は、前記操縦盤20Cに備えられた各種操作ボタンB1〜B5の操作信号が制御装置100に入力されると、その操作信号に基づく制御指令が制御装置100から出力され、電動モータ70が正転方向、もしくは逆転方向に駆動操作される。電動モータ70の駆動力は、モータ出力軸71に装着された出力ギヤ74の回転動力として出力される。この出力ギヤ74と、後述するカム機構8のカム板の外周の一部に形成されたギヤ部75とで前記ギヤ機構72が構成されている。
出力ギヤ74によるカム機構8の駆動状態は、カム軸80の軸端に装備されたポテンショメータ73で検出され、その検出結果に基づくフィードバック信号が前記制御装置100に伝達される。
【0045】
前記カム機構8は、共通のカム軸80に対して一体回動するように装着された第1カム板81、第2カム板82、及び第3カム板83の組み合わせで構成されるカム板群と、それらの各カム板81,82,83のそれぞれに対して接触するカムフォロワ群との組み合わせで構成されている。
カムフォロワ群のうち、第1カム板81に対しては、カム軸80よりも機体前方側で接触して案内される穀粒排出用クラッチ50を操作するグレンタンク系カムフォロワ84と、カム軸80よりも機体後方側で接触して案内される脱穀クラッチ40を操作する脱穀系カムフォロワ85とが備えられている。
第2カム板82に対しては、カム軸80よりも機体前方側で接触して案内されるフィードチェ−ンクラッチ49を操作するフィード系カムフォロワ86と、カム軸80よりも機体後方側で接触して案内される刈取クラッチ30を操作する刈取系カムフォロワ87とが備えられている。
第3カム板83に対しては、カム軸80よりも機体前方側にはカムフォロワはなく、カム軸80よりも機体後方側で接触して案内される刈取変速機構36のシフト操作手段を操作する刈取変速系カムフォロワ88が備えられている。また、前記電動モータ70の出力ギヤ74と共にギヤ機構72を構成するギヤ部75は、この第3カム板83の外周縁の一部に形成されている。
【0046】
前記カム軸80よりも機体前方側に存在するカムフォロワ84,86は、それぞれ断面U字状に折り曲げ形成された揺動片84a,86aの長手方向の中間部を、クラッチケース76に対して機体の右横外方側から挿抜可能に装着された枢支軸77によって、その枢支軸77周りで揺動自在に取り付けられている。また、各揺動片84a,86aの長手方向での上端側には、折り曲げられたU字状部分に入り込んだ状態で、前記カム板81,82の外周縁側に接触するローラ84b,86bが設けてあり、、各揺動片84a,86aの長手方向での下端側には、それぞれ、穀粒排出用クラッチ50、及びフィードチェ−ンクラッチ49を入り切り操作するための操作ワイヤー50a,44aを連結してある。
【0047】
前記カム軸80よりも機体後方側に存在するカムフォロワ85,87,88は、それぞれ断面U字状に折り曲げ形成された揺動片85a,87a,88aの長手方向での下端部を、外装ボックス76に対して機体の右横外方側から挿抜可能に装着された枢支軸78によって、その枢支軸78周りで揺動自在に取り付けられている。また、各揺動片85a,87a,88aの長手方向での中間部には、折り曲げられたU字状部分に入り込んだ状態で、前記カム板81,82、83の外周縁側に接触するローラ85b,87b,88bが設けてあり、各揺動片85a,87a,88aの長手方向での上端側には、それぞれ、脱穀クラッチ40、及び刈取クラッチ30を入り切り操作し、刈取変速機構36の変速操作手段を操作するための操作ワイヤー40a,30a,20aを連結してある。
【0048】
前記第1カム板81には、その外周縁に、グレンタンク系カムフォロワ84を操作するためのグレンタンク系カム面81aと、脱穀系カムフォロワ85を操作するための脱穀系カム面81bとが、カム軸80を挟んでほぼ対向する箇所に形成してある。
前記第2カム板82には、その外周縁に、フィード系カムフォロワ86を操作するためのフィード系カム面82aと、刈取系カムフォロワ87を操作するための刈取系カム面82bとが、カム軸80を挟んでほぼ対向する箇所に形成してある。
前記第3カム板83には、その外周縁に、刈取変速系カムフォロワ88を操作するための刈取変速系カム面83aが設けてあるとともに、この第3カム板83、及び前記第1カム板81、第2カム板82に駆動力を伝達するためのギヤ部75を形成してある。
【0049】
〔クラッチ操作装置による動作〕
次に、上記クラッチ操作装置Aによる作動形態を図15乃至図17に基づいて説明する。
図15は、前記第3カム板83に形成されたギヤ部75の付設範囲によって設定されるカム軸80の回転角度範囲内における各カム板81,82,83の各カム面81a,81b,82a,82b,83aと、各カムフォロワ84,85,86,87,88とで現出される機能が発揮される範囲を、前記回転角度範囲内での角度分布図で表したものである。
図16は、作業装置の種別を縦軸に、操作タイミングを横軸にとったタイムチャートである。また、図17は、各カム板とカムフォロワとの関連動作状態を、横軸に作業装置の種類を、縦軸に時間軸をとって図示したグラフである。
【0050】
図15に示す符号Nの位置は、このクラッチ操作装置Aによって操作される全てのクラッチ等が作動側には操作されていず、何れの作業装置も駆動されていない状態である中立位置を示している。同様の中立位置Nは、図18、及び図19にも同じ符号Nで示している。
【0051】
図15における符号aは、第1カム板81を、前記中立位置Nから反時計回りに回動させて、グレンタンク系カム面81aがグレンタンク系カムフォロワ84を操作して穀粒排出用クラッチ50が入りとなった位置を示すものであり、図16においても同じ符号aで示す位置に相当する。また、図17においては、最上位に図示されている符号aの段における第1カム板81とグレンタンク系カムフォロワ84との接触状態で示されている。
このとき、第2カム板82や第3カム板83の位置に関しては、図15では直接的には示されていないが、図16では、脱穀クラッチ40と穀粒排出用クラッチ50の動作を示す線が第1カム板81に関係したものであり、刈取変速機構36の動作を示す線が第3カム板83に関係したものであることが分かる。
したがって、この図16をみても、前記aの位置では、穀粒排出用クラッチ50のみが「入」で、他の全てのクラッチは「切」となっており、刈取変速機構36は低速状態である。
図17では、符号aの段において、第2カムフォロワ86が第2カム板82のフィード系カム面82aに接した状態であるが、フィードチェ−ンクラッチ49は、もともと入り側に付勢されているので、前記フィード系カム面82aが第2カムフォロワ86を切り側へ操作して、フィードチェ−ンクラッチ49を切り状態に保っている。
【0052】
図15における符号bは、第1カム板81を、前記中立位置Nから時計回りに回動させて、グレンタンク系カム面81aがグレンタンク系カムフォロワ84から外れた位置に移行して穀粒排出用クラッチ50が切りとなった位置にあり、脱穀系カム面81bが脱穀系カムフォロワ85を操作して脱穀クラッチ40が入りとなった位置である。
図16においても同じ符号bで示す位置が同じ状態に相当する。また、図17においては、上から3段目に図示されている符号bの段における第1カム板81と脱穀系カムフォロワ85との接触状態で示されている。
このとき、第2カム板82は、図16及び図17に示すように、フィードチェ−ンクラッチ49も刈取クラッチ30もクラッチ切りの状態に維持している。
また、第3カム板83は、図16及び図17に示すように、刈取変速機構36の低速状態を維持したままである。
【0053】
図15における符号cの位置では、第1カム板81を、前記中立位置Nから時計回りに回動させて、脱穀系カム面81bが脱穀系カムフォロワ85を操作して、脱穀クラッチ40の入り状態を引き続いて維持している。
そして、このとき、時計回りに回動する第2カム板82では、フィード系カム面82aがフィード系カムフォロワ86の切り操作状態を解除し、フィードチェ−ンクラッチ49をクラッチ入りの状態に切換操作する。
このとき、第2カム板82の刈取系カム面82bは、刈取系カムフォロワ87を作用する状態には至っておらず、刈取系カムフォロワ87は刈取クラッチ30の切り状態を維持している。
図16においても同じ符号cで示す位置が同じ状態に、つまり、脱穀クラッチ40とフィードチェ−ンクラッチ49がクラッチ入りの状態で、かつ刈取クラッチ30が切りの状態を示している。
図17においては、符号cの段における第1カム板81と脱穀系カムフォロワ85との接触状態で脱穀クラッチ40の入りが維持されている状態が示されている。これとともに第2カム板82のフィード系カム面82aがフィード系カムフォロワ86の切り操作を解除し、フィードチェ−ンクラッチ49をクラッチ入りの状態に切換操作している状態が示されている。そして、第2カム板82の刈取系カム面82bは、刈取系カムフォロワ87を作用する状態には至っておらず、刈取系カムフォロワ87は刈取クラッチ30の切り状態を維持している。
また、第3カム板83は、図16及び図17に示すように、刈取変速機構36の低速状態を維持したままである。
【0054】
図15における符号dの位置では、第1カム板81を、前記中立位置Nから時計回りに回動させて、脱穀系カム面81bが脱穀系カムフォロワ85を操作して、脱穀クラッチ40の入り状態を引き続いて維持している。
時計回りに回動する第2カム板82のフィード系カム面82aはフィード系カムフォロワ86の切り操作を解除した状態であり、フィードチェ−ンクラッチ49をクラッチ入りに切換操作した状態を維持している。
そして、このとき、第2カム板82の刈取系カム面82bが、刈取系カムフォロワ87を操作し、刈取クラッチ30を、クラッチ入りの状態に切換操作する。
図16においても同じ符号dで示す位置が同じ状態に、つまり、脱穀クラッチ40に加えて、フィードチェ−ンクラッチ49と刈取クラッチ30とが、共にクラッチ入りの状態に切換操作された状態を示している。
図17においては、符号dの段における第1カム板81と脱穀系カムフォロワ85との接触状態で脱穀クラッチ40の入りが維持されている状態が示されている。これとともに第2カム板82の刈取系カム面82bが、刈取系カムフォロワ87を操作し、同時にフィード系カム面82aがフィード系カムフォロワ86の切り操作を解除し、フィードチェ−ンクラッチ49と刈取クラッチ30とを、共にクラッチ入りの状態に切換操作している状態が示されている。
また、第3カム板83は、図16及び図17に示すように、刈取変速機構36の低速状態を維持したままである。
【0055】
図15における符号eの位置では、第1カム板81を、前記中立位置Nから時計回りに回動させて、脱穀系カム面81bが脱穀系カムフォロワ85を操作して、脱穀クラッチ40の入り状態を引き続いて維持している。
引き続き時計回りに回動する第2カム板82の刈取系カム面82bが、刈取系カムフォロワ87を操作し、同時にフィード系カム面82aがフィード系カムフォロワ86の切り操作を解除していて、フィードチェ−ンクラッチ49と刈取クラッチ30とが、共にクラッチ入りの状態に切換られた状態を維持している。
そして、このとき第3カム板83の刈取変速系カム面83aが、刈取変速系カムフォロワ88を操作して、刈取変速機構36の操作用シフタを高速側に操作する。
図16においても同じ符号eで示す位置が同じ状態に、つまり、フィードチェ−ンクラッチ49と刈取クラッチ30とが、共にクラッチ入りの状態であり、刈取変速機構36が高速側に操作されている状態を示している。
図17においては、符号eの段における第1カム板81と脱穀系カムフォロワ85との接触状態で脱穀クラッチ40の入りが維持されている状態が示されている。これとともに第2カム板82の刈取系カム面82bが、刈取系カムフォロワ87を操作し、同時にフィード系カム面82aがフィード系カムフォロワ86の切り操作を解除し、フィードチェ−ンクラッチ49と刈取クラッチ30とを、共にクラッチ入りの状態に切換操作している状態が示されており、第3カム板83の刈取高速系カム面(図外)が、刈取変速系カムフォロワ(図外)を操作して、刈取変速機構36の操作用シフタを高速側に操作している。
【0056】
〔制御系の構成〕
図18に示すように、刈取クラッチ30、脱穀クラッチ40、フィードチェ−ンクラッチ49、穀粒排出用クラッチ50、及び刈取変速機構36を操作するカム機構8の動力源である電動モータ70の作動を制御する制御回路を備えた制御装置100は次のように構成されている
【0057】
搭乗運転部20の操作盤23に備えられる枕扱き脱穀開始ボタンB1、刈取脱穀開始ボタンB2、高速刈取脱穀ボタンB3、穀粒排出ボタンB4、及び作業終了ボタンB5のそれぞれは操作スイッチによって構成されており、その操作信号が制御装置100に入力されるように構成されている。
制御装置100では、前記各ボタンB1,B2,B3,B4,B5の何れが操作されたかの判断に基づいて、また、ポテンショメータ73での検出結果に基づいて、前記制御回路がクラッチ操作装置Aの電動モータ70に対して次のように制御指令を出力する。
【0058】
枕扱き脱穀開始ボタンB1が操作されたことを検出した場合には、ポテンショメータ73で検出されるカム軸80の検出位置が、図15における符号cの位置(便宜上、枕扱き脱穀開始位置cという)よりも時計回りで中立位置から離れている位置でない場合には、電動モータ70がギヤ機構72を駆動し、カム機構8のカム軸80を時計回りに回転させる。そして、枕扱き脱穀開始位置cに達したことがポテンショメータ73で検出されると電動モータ70に停止指令を出力する。
前記ポテンショメータ73で検出されるカム軸80の検出位置が、枕扱き脱穀開始位置cよりも時計回りで中立位置から離れている位置である場合には、電動モータ70が逆回転でギヤ機構72を駆動し、カム機構8のカム軸80を反時計回りに回転させる。そして、枕扱き脱穀開始位置cに達したことがポテンショメータ73で検出されると電動モータ70に停止指令を出力する。また、前記ポテンショメータ73で検出されるカム軸80の検出位置が、枕扱き脱穀開始位置cである場合には、電動モータ70に対する駆動指令は出力されない。
この状態では、第1カム板81の脱穀系カム面81bが脱穀系カムフォロワ85を操作して、脱穀クラッチ40が入り操作されている。その後、作業終了ボタンB5が操作されたことを検出すると、電動モータ70を駆動してカム軸80を反時計回りに回転させ、中立位置Nに達したことが検出されると、その位置で停止するように指令する。
【0059】
刈取脱穀開始ボタンB2が操作されたことを検出した場合には、ポテンショメータ73で検出されるカム軸80の検出位置が、図15における符号dの位置(便宜上、刈取脱穀開始位置dという)よりも時計回りで中立位置から離れている位置でない場合には、電動モータ70がギヤ機構72を駆動し、カム機構8のカム軸80を時計回りに回転させる。そして、刈取脱穀開始位置dに達したことがポテンショメータ73で検出されると電動モータ70に停止指令を出力する。
前記ポテンショメータ73で検出されるカム軸80の検出位置が、刈取脱穀開始位置d、もしくは刈取脱穀開始位置dよりも時計回りで中立位置から離れている位置である場合には、電動モータ70に対する駆動指令は出力されない。
この状態では、第1カム板81の脱穀系カム面81bが脱穀系カムフォロワ85を操作して、脱穀クラッチ40が入り操作された状態を維持しているとともに、第2カム板82の刈取系カム面82bが、刈取系カムフォロワ87を操作し、同時にフィード系カム面82aがフィード系カムフォロワ86の切り操作を解除し、フィードチェ−ンクラッチ49と刈取クラッチ30とを、共にクラッチ入りの状態に切換操作している。
その後、作業終了ボタンB5が操作されたことを検出すると、電動モータ70を駆動してカム軸80を反時計回りに回転させ、中立位置Nに達したことが検出されると、その位置で停止するように指令する。
【0060】
高速刈取脱穀排出開始ボタンB3が操作されたことを検出した場合には、ポテンショメータ73で検出されるカム軸80の検出位置が、図15における符号eの位置(便宜上、高速刈取脱穀位置eという)よりも時計回りで中立位置から離れている位置でない場合には、電動モータ70がギヤ機構72を駆動し、カム機構8のカム軸80を時計回りに回転させる。そして、高速刈取脱穀位置eに達したことがポテンショメータ73で検出されると電動モータ70に停止指令を出力する。
この状態では、第1カム板81の脱穀系カム面81bが脱穀系カムフォロワ85を操作して、脱穀クラッチ40が入り操作された状態を維持しているとともに、第2カム板82の刈取系カム面82bが、刈取系カムフォロワ87を操作し、同時にフィード系カム面82aがフィード系カムフォロワ86の切り操作を解除し、フィードチェ−ンクラッチ49と刈取クラッチ30とを、共にクラッチ入りの状態に切換操作している。
また、この高速刈取脱穀位置eへの操作に伴って第3カム板83の刈取高速系カム面83aが、刈取変速系カムフォロワ88を操作して、刈取変速機構36の操作用シフタを高速側に操作している。
その後、作業終了ボタンB5が操作されたことを検出すると、電動モータ70を駆動してカム軸80を反時計回りに回転させ、中立位置Nに達したことが検出されると、その位置で停止するように指令する。
【0061】
穀粒排出開始ボタンB4が操作されたことを検出した場合には、ポテンショメータ73で検出されるカム軸80の検出位置が、図15における符号aの位置(便宜上、穀粒排出位置aという)よりも反時計回りで中立位置から離れている位置でない場合には、電動モータ70がギヤ機構72を駆動し、カム機構8のカム軸80を反時計回りに回転させる。そして、穀粒排出位置aに達したことがポテンショメータ73で検出されると電動モータ70に停止指令を出力する。
前記ポテンショメータ73で検出されるカム軸80の検出位置が、穀粒排出位置aである場合には、電動モータ70に対する駆動指令は出力されない。この状態では、第1カム板81のグレンタンク系カム面81aがグレンタンク系カムフォロワ84を操作して穀粒排出用クラッチ50が入りとなっている。
その後、作業終了ボタンB5が操作されたことを検出すると、電動モータ70を駆動してカム軸80を時計回りに回転させ、中立位置Nに達したことが検出されると、その位置で停止するように指令する。
【0062】
前記搭乗運転部20には、図示しないが送風ファン62の操作体64に対する逆流用操作具(図外)も備えてあり、その逆流用操作具が操作されている間だけ、操作体64を操作して、送風方向を逆転させることができるように構成されている。
【0063】
〔別実施形態の1〕
機枠プレート13における溝状部14の形状としては、最良の実施形態で説明したような三角波形状のものに限らず、例えば図19(a),(b),(c)に示すように形成してもよい。
つまり、図19(a)に示すように、チャンネル状の凹溝が所定間隔置きに形成される角波形状で形成する、または、図19(b)に示すように、円弧状の凹部と凸部とが交互に繰り返す丸波状に形成する、あるいは、図19(c)に示すように、多数の柱状突起13aを立設して、その柱状突起13a同士の間を溝状部14として利用するなど、任意の形状を採用することができる。
【0064】
〔別実施形態の2〕
本発明でいう「資源供給対象装置」としては、最良の実施形態で説明したエンジン60や伸縮シリンダ5S、あるいは電動式の駆動モータ5Mに限らず、例えば、油圧モータや空気圧装置、あるいは電磁加熱装置など、各種のものを採用可能である。
「資源供給源装置」としては、最良の実施形態で説明した燃料タンク16や油圧ポンプ65、あるいはバッテリ69に限らず、例えば、作動油タンクや空気圧コンプレッサー、あるいは発電機など、各種のものが採用可能である。
「資源流通用線状体15」としては、最良の実施形態で説明した燃料供給用ホース15aや作動油給排ホース15b、あるいは配線用ハーネス15cに限らず、例えば空気圧ホースなども採用可能である。
【0065】
〔別実施形態の3〕
本発明を適用する作業車両としては、最良の実施形態で示したようなコンバインに限らず、例えば、田植機やトラクタ、あるいはクレーン車など、各種の作業装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】自脱形コンバインの全体側面図
【図2】自脱形コンバインの全体平面図
【図3】機体フレーム部分を示す平面図
【図4】機体フレーム部分を示す背面図
【図5】機体フレーム上の配置関係を示す平面図
【図6】マフラーの排気管部分を示し、(a)は側面図、(b)は断面図
【図7】原動部の遮蔽板部分を示す正面図
【図8a】原動部の冷却構造部分を示す側面図
【図8b】原動部の冷却構造部分を示す平面図
【図8c】原動部の冷却構造部分を示す正面図
【図9a】燃料タンク部分を示す背面図
【図9b】燃料タンク部分を示す平面図
【図9c】燃料タンク部分を示す断面図
【図10】伝動系を示す概略図
【図11】脱穀クラッチ部分を示す側面図
【図12】クラッチ操作装置を示す平面図
【図13】クラッチ操作装置を示す側面図
【図14】クラッチ操作装置を示す展開図
【図15】クラッチ操作装置の作動形態を示す線図
【図16】クラッチ操作装置の作動形態を示すタイムチャート
【図17】クラッチ操作装置の作動形態を示す説明図
【図18】制御構成を示すブロック図
【図19】溝状部の他の実施形態を示す説明図
【符号の説明】
【0067】
1 機体フレーム
2 クローラ式走行装置
3 刈取搬送装置
4 脱穀装置
5 穀粒貯留装置
5M 駆動モータ
5S 伸縮シリンダ
6 原動部
10 メインフレーム
13 機枠プレート
14 溝状部
15 資源流通用線状体
15a 燃料供給ホース
15b 作動油給排用ホース
15c 配線用ハーネス
16 燃料タンク
20 搭乗運転部
51 グレンタンク
52 穀粒排出用オーガ
60 エンジン
65 油圧ポンプ
69 バッテリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走機体の機体フレーム上で互いに離れた位置に資源供給対象装置と資源供給源装置とを振り分け配置し、前記資源供給対象装置と資源供給源装置との間を資源流通用線状体で接続し、前記資源供給対象装置と資源供給源装置との間における資源供給用経路に相当する箇所の機体フレーム構成材に、前記資源流通用線状体が上方から入り込み可能で、かつ、その機体フレーム構成材上に作用する上方からの重量が前記線状体に作用することを抑止する溝状部を形成してある作業車両。
【請求項2】
自走機体の機体フレーム上で互いに離れた位置にエンジンと燃料タンクとを振り分け配置し、前記エンジンと燃料タンクとの間に燃料供給ホースを配備した作業車両であって、前記エンジンと燃料タンクとの間におけるホース配設経路に相当する箇所の機体フレーム構成材に、燃料供給ホースが上方から入り込み可能で、かつ、その機体フレーム構成材上に作用する上方からの重量が前記燃料供給ホースに作用することを抑止する溝状部を形成してあることを特徴とする作業車両。
【請求項3】
自走機体の機体フレーム上で互いに離れた位置に油圧アクチュエータと油圧ポンプとを振り分け配置し、前記油圧アクチュエータと油圧ポンプとの間に作動油給排用ホースを配備した作業車両であって、前記油圧アクチュエータと油圧ポンプとの間におけるホース配設経路に相当する箇所の機体フレーム構成材に、作動油給排用ホースが上方から入り込み可能で、かつ、その機体フレーム構成材上に作用する上方からの重量が前記作動油給排用ホースに作用することを抑止する溝状部を形成してあることを特徴とする作業車両。
【請求項4】
自走機体の機体フレーム上で互いに離れた位置に電動アクチュエータと電源供給部とを振り分け配置し、前記電動アクチュエータと電源供給部との間に配線用ハーネスを配備した作業車両であって、前記動アクチュエータと電源供給部との間における配線用ハーネスの配設経路に相当する箇所の機体フレーム構成材に、配線用ハーネスが上方から入り込み可能で、かつ、その機体フレーム構成材上に作用する上方からの重量が前記配線用ハーネスに作用することを抑止する溝状部を形成してあることを特徴とする作業車両。
【請求項5】
溝状部を、機体後部側の左右に振り分け配置された脱穀装置と穀粒貯留装置との間に位置する機体フレーム構成材に形成してあることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載の作業車両。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8a】
image rotate

【図8b】
image rotate

【図8c】
image rotate

【図9a】
image rotate

【図9b】
image rotate

【図9c】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2009−268367(P2009−268367A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−119160(P2008−119160)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】