説明

個別の軟磁性シートを含む合板積層物,電磁作動装置,それらの製造方法,及び軟磁性合板積層物の使用方法

【課題】電磁コイルシステムに適した磁気特性を有する個別軟磁性シートを含む合板積層物、及び電磁噴射弁における電磁作動装置と、これらを製造する簡便な方法を提供する。
【解決手段】合板積層物は、略U字形の複数の軟磁性の個別シート18により形成される。個別シート18は,合板積層物において伸開線状に湾曲しており、それぞれが積層され、外区画部14及び内区画部15を形成した後に、合板積層物内に、その脚部としてU字型の領域を有する。それぞれの個別シート18の、非曲線状態にあるときの前記U字型の領域に対応する矩形の凹部は、個別シート18の側面から等距離にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,個別の軟磁性シートを含む合板積層物,例えば内燃機関に供給される大量の燃料を制御するための電磁作動装置,及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁作動装置は,弁体取付具を有する弁座を含み,弁体に取り付けられた接極子の磁場作用によって弁体を動かすことが可能である。このような構成において,コイルに電流を流すことによって磁場が発生する。磁束は,時間差で,接極子を流れる。
【0003】
一般的に,40μsから100μs以下の短い時間で,弁を切り換えることが好ましい。特に,電磁作動装置は,噴射弁として利用することが好ましい。このような短い時間での弁の切り替えを達成するためには,電流がコイルを流れてから,接極子に磁場が発生するまでの時間差をできるだけ短くすることが必要である。時間遅延範囲の最短を決定する重要な要素となるのは,磁場の時間変化によって接極子の電気誘導体に誘導された渦電流の発生である。
【0004】
連接するコイル間の極体において生成された渦電流がコイルを交互に流れる電流によって相殺される噴射弁は,DE100 05 182 Alにおいて知られている。このような構成の欠点は,渦電流の相殺が局所的に達成され,また,磁束も相殺されてしまうことである。渦電流による損失は依然として残り,切り換え時間の高速化をはかることができない。さらに,渦電流の相殺を最も効果的に達成するためのコイルと極体の幾何学的な配置の規制は,噴射弁の設計を厳しく制限する。
【0005】
渦電流を減少させるための他の手段は,DE103 19 285 B3に開示されている。ここでは,接極子とコアの両方において放射状に形成されスリット有する噴射弁が開示されている。コアにより積層を形成することが可能であり,スリット状の鉄シート又はその代わりの鉄リングが,同心円状の内側に,又はトロイダルコアの方法において積層される。
【0006】
しかし,このような噴射弁には,いくつかの欠点がある。スリット型の空隙を通過する磁束がほとんど生じないため,磁束が通過する導体表面は失われており,弁はわずかな開閉力にしか耐えることができない。そのうえ,このような構成では,同心円状のリングに関連して,通常及び放射状のシートに平行に流入するために磁束が求められ,システム全体として,好ましくない低い透過率の値を示す。これは,コイル電流を大幅に増加させることで補うことが可能であるが,同時に,シートレベルにおける渦電流の発生を促進する。
【0007】
また,渦電流を減少させるために螺旋状又は複雑に積層された合板積層物は,既に,JP 2002 343626 AA及びDE 103 94 029 T5において公知となっている。
【0008】
また,軟磁性磁石くびき構成を有する内燃機関エンジンにおける燃料噴射システムのための燃料噴射弁は,DE 10 2004 032 299 B3に開示されている。この構成は,螺旋状に巻回された第1のくびきシート及び第2のくびきシートを有する。
【0009】
DE 35 00 530 A1によれば,機械カム制御システムに代わり,内燃機関エンジンの持ち上げ弁を制御する電磁駆動制御システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】DE100 05 182 Al
【特許文献2】DE103 19 285 B3
【特許文献3】JP 2002 343626 AA
【特許文献4】DE 103 94 029 T5
【特許文献5】DE 10 2004 032 299 B3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は,特に電磁コイルシステムに適した磁気特性を有する個別軟磁性シートを含む合板積層物,及び電磁噴射弁における電磁作動装置を提供することを目的とする。また,本発明は,これらを製造するための簡便な方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は,独立項に係る発明によって達成される。また,他の有利な効果は,従属項において発揮される。
【0013】
本発明によれば,個別軟磁性シートを含む合板積層物が提供される。個別シートは,合板積層物において,伸開線状(インボリュートト曲線状)に湾曲している。それぞれの個別シートは,第1の長側面,第1の長側面に対向する第2の長側面,第1の短側面,及び第1の短側面に対向する第2の短側面を含む。第1の長側面は,凹部を含み,凹部は矩形であり,個別シートが非曲線状態にある場合において,第1の短側面,第2の短側面,及び第2の長側面からの距離が等しい。
【0014】
伸開線(インボリュート曲線),特に,円形伸開線は,円の縮開線の接線の巻き戻しであると定義される。個別縮開シートの曲線が非常に小さく,磁束が本質的にシート面に沿って流れるため,磁束線がシート面上において交差しない。
【0015】
長方形の凹部の特定の幾何学的な配置及び個別シートの特別な寸法によって,本発明に係る合板積層物のそれぞれは,特に好適な磁気特性を有する。
【0016】
非曲線状である好ましい態様において,それぞれの個別シートは,本質的に,U字型となっている。そして,第1の脚部は幅eを有し,第2の脚部は幅gを有し,基底部は厚みdを有する。ここで,e=g=dである。
【0017】
さらなる態様において,合板積層物は,内区画部及び基底部を有する。内区画部は内径Dを有し,内区画部の上面は面積Aを有し,基底部は厚みdを有する。ここで,これらの関係は,以下の式で表される。
【0018】
【数1】

【0019】
さらなる態様において,合板積層物は,内区画部と基底部を有する。内区画部は内径Dと厚みaを有し,基底部は厚みdを有する。ここで,これらの関係は,以下の式で表される。
【0020】
【数2】

【0021】
さらなる態様において,合板積層物は,内区画部,外区画部,及び基底部を有する。内区画部は内径Dを有し,外区画部は外径D及び厚みcを有し,基底部は厚みdを有する。ここで,これらの関係は,以下の式で表される。
【0022】
【数3】

【0023】
ある態様において,合板積層物は,回転対称である。そして,合板積層物は,同一の厚さtの個別シートからなる。このような合板積層物を製造することは,比較的簡単である。さらなる態様において,個別シートは,異なる厚さを有する。それぞれの個別シートの厚さは,一定である。
【0024】
伸開線は,パラメータtの以下の方程式によって,デカルト座標x及びyで,パラメトリックに説明される。ここで,rは,合板積層物の内径である。
【0025】
【数4】

【0026】
理想的な,限界積層密度(積層要素=1)は,以下の式により表される。ここで,tは個別シートの厚みであり,nは個別シートの数である。
【0027】
【数5】

【0028】
このタイプの積層における好ましいシートの厚みは,0.35mm程度の範囲である。また,1mmであってもよい。コアの内径rは,数ミリメートルから10mmであることが好ましい。
【0029】
以下の方程式(1)によれば,外径Rを求めることができる。
【0030】
【数6】

【0031】
連動ダイスを用いることは,特に,このタイプの合板積層物の合理的な製造工程を達成するのに有利である。これは,あるシートを他のシート上に積層可能であることを意味する。t≧πにおいては,もはや,ある個別シートを他のシート上に位置させることができない。湾曲が原因となり,これらをある側から互いに押し込まなければならないからである。従って,t<πであることが好ましい。
【0032】
合板積層物を容易に積層することができる条件であるt<πであれば,一般的な内径r=3mmにおいて最大外径Rが9.9mmなり,または,一般的な外径R=12mmにおいて最小内径r=3.64mmとなる。
【0033】
好ましい態様において,合板積層物は,本質的に円筒形状であり,少なくとも1つ環状の凹部を含む。環状の凹部は,合板積層物において同心円上に位置し,本質的には,個別シートの凹部によって形成される。
【0034】
ある態様の個別シートは,本質的に,
12.0重量パーセント≦Co≦22.0重量パーセントと,
1.5重量パーセント≦Cr≦4.0重量パーセントと,
0.4重量パーセント≦Mo≦1.2重量パーセントと,
0.1重量パーセント≦V≦0.4重量パーセントと,
0.05重量パーセント≦Si≦0.15重量パーセントと,
残りがFeからなる。
【0035】
特に,個別シートは,本質的に,17.0重量パーセントのCoと,2.2重量パーセントのCrと,0.8重量パーセントのMoと,0.2重量パーセントのVと,0.09重量パーセントのSiと,残りがFeからなることとしてもよい。
【0036】
さらなる態様において,個別シートは,本質的に,
12.0重量パーセント≦Co≦22.0重量パーセントと,
1.5重量パーセント≦Cr≦4.0重量パーセントと,
1.0重量パーセント≦Mn≦1.8重量パーセントと,
0.4重量パーセント≦Si≦1.2重量パーセントと,
0.1重量パーセント≦Al≦0.4重量パーセントと,
残りがFeからなる。
【0037】
特に,個別シートは,本質的に,18.0重量パーセントのCoと,2.6重量パーセントのCrと,1.4重量パーセントのMnと,0.8重量パーセントのSiと,0.2重量パーセントのAlと,残りがFeからなることとしてもよい。
【0038】
さらなる態様において,個別シートは,本質的に,
12.0重量パーセント≦Co≦22.0重量パーセントと,
1.0重量パーセント≦Cr≦2.0重量パーセントと,
0.5重量パーセント≦Mn≦1.5重量パーセントと,
0.6重量パーセント≦Si≦1.8重量パーセントと,
0.1重量パーセント≦V≦0.2重量パーセントと,
残りがFeからなる。
【0039】
特に,個別シートは,本質的に,17.0重量パーセントのCoと,1.4重量パーセントのCrと,1.0重量パーセントのMnと,1.2重量パーセントのSiと,0.13重量パーセントのと,残りがFeからなることとしてもよい。
【0040】
さらなる態様において,個別シートは,本質的に,
15重量パーセント≦Co≦18.0重量パーセントと,
0重量パーセント≦Mn≦3.5重量パーセントと,
0重量パーセント≦Si≦1.8重量パーセントと,
残りがFeからなる。
【0041】
特に,個別シートは,本質的に,15重量パーセント≦Co≦18.0重量パーセントと,残りがFeからなることとしてもよい。また,個別シートは,本質的に,15重量パーセント以上のCoと,1重量パーセントのSiと,残りがFeからなることとしてもよい。また,個別シートは,本質的に,15重量パーセント以上のCoと,2.7重量パーセントのMnと,残りがFeからなることとしてもよい。
【0042】
さらなる態様において,個別シートは,本質的に,
0重量パーセント<Ni<5.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Co<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<C<0.03重量パーセントと,
0重量パーセント<Si<0.5重量パーセントと,
0重量パーセント<S<0.03重量パーセントと,
0重量パーセント<Al<0.08重量パーセントと,
0重量パーセント<Ti<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<V<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<P<0.015重量パーセントと,
0.03重量パーセント<Mn<0.2重量パーセントと,
残りがFeからなる。
【0043】
さらなる態様において,個別シートは,本質的に,
0重量パーセント<Ni<5.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Co<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<C<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<Si<4.5重量パーセントと,
0重量パーセント<S<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Al<2.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mo<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mn<1.0重量パーセントと,
残りがFeからなる。
【0044】
さらなる態様において,個別シートは,本質的に,
5重量パーセント<Cr<23.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Ni<8.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Co<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<C<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<Si<4.0重量パーセントと,
0重量パーセント<S<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Al<2.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mo<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mn<1.0重量パーセントと,
残りがFeからなる。
【0045】
さらなる態様において,個別シートは,本質的に,
20重量パーセント<Ni<85.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Co<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<C<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<Si<4.0重量パーセントと,
0重量パーセント<S<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<Al<2.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mo<5.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mn<4.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Cu<5.0重量パーセントと,
残りがFeからなる。
【0046】
さらなる態様において,軟磁性個別シートのアロイは,重量パーセントにおける以下の組成を有する。
FeremCoCrMoSiAlMnNiCuであって,0%≦a≦50%,0%≦b20%,0%≦c≦0.5%,0%≦d≦3%,0%≦e≦3.5%,0%≦f≦4.5%,0%≦g≦4.5%,0%≦h≦6%,0%≦i≦4.5%,0%≦j≦5%,0%≦k≦0.05%,0%≦l≦1%,0%≦m≦0.1%,0%≦n≦0.5%,0%≦o≦0.05%,0%≦p≦0.01%であり,ここで,Mは,少なくとも,Sn,Zu,W,Ta,Nb,Zr,及びTiのうちの一つの原子を含む。
【0047】
さらなる態様において,軟磁性個別シートは,本質的に,重量パーセントにおいて,3≦a≦25であって,FeremCo17Cr又はFeremCoの組成を有する。さらなる態様において,個別軟磁性シートは,純鉄又はクロム鋼(特に,高レベルの抗腐食挙動が要求されるもの)からなり,または,シリカで被膜された電気メッキとして提供される。
【0048】
さらに,渦電流を減少させるために,好ましい実施態様においては,合板積層物から形成された個別軟磁性シートは,少なくとも片面に,電気絶縁皮膜を有する。また,要件及び用いられる皮膜技術に応じて,両側に絶縁体が皮膜されていてもよい。
【0049】
さらなる好ましい態様においては,酸化マグネシウム(MgO)が,電気絶縁皮膜として用いられる。また,代替的な態様として,酸化ジコルニウム(ZrO)が用いられてもよい。付加的又は代替的に,磁鉄鉱(マグネタイト:Fe),ヘマタイト(Fe)又は自己酸化層が,電気絶縁皮膜として用いられてもよい。
【0050】
さらなる態様において,合板積層物は,コイルの電線が進退するための貫通孔が形成された開口部を少なくとも一つ有する。
【0051】
また,本発明は,上記いずれかの態様に対応する,少なくとも一つの合板積層物を含む軟磁性コアを有する電磁作動装置に関する。
【0052】
ある態様において,電磁差動装置は,入口弁/出口弁として形成される。
【0053】
さらなる態様において,電磁差動装置は,内燃機関エンジンへ供給される燃料を制御するための噴射弁として形成される。
【0054】
噴射弁は,電磁コイルシステムにより弁座に向かって可動し,電磁コイルシステムの軟磁性接極子に接続した弁体を有することとしてもよい。なお,電磁コイルシステムは,軟磁性コアを有するコイルを,少なくとも一つ有する。
【0055】
特に,シート型構造からなる軟磁性コアの組成は,渦電流を減少させることに適している。しかし,このようなシート型構造の利点を得るためには,磁束が,噴射弁が稼働した際に,個別シートに沿って走るものであり,できるだけ個別シートと交差しないものでなければならない。このことは,多くの損失をもたらす結果となる。特に,一定の厚みを有する個別シートを製造することが好ましい。
【0056】
合板積層物を形成するための伸開線状の構成であるため,実質的にシート面に平行に走る磁束において,放射状に対称のコアを構築するのに用いることができる。従って,損失が最小限となる。また,合板積層物の形状により,コアは,特に低い渦電流の損失を有する。
【0057】
噴射弁のさらなる利点は,焼結及び圧縮に適しておらず,従来は,圧縮又は焼結されたコアの製造において考慮されていなかったが,例えば,高飽和分極のような良好な磁気特性を有する素材を合板積層物に用いることが可能である点である。高飽和分極を有するアロイは,一般的に,低い電気比抵抗を有し,渦電流の発生を促すという欠点を同時に有する。飽和分極が,主としてコアのアロイ組成によって影響を受けている間,電気抵抗もまたその形状(主に,合板積層物としてのコアの形状)によって影響を受ける。
【0058】
従って,飽和分極と電気抵抗変数を切り離すことができるので,これらの両方において高い値を有するコアを得ることができる。このような種類のコアでは,一方では,噴射弁の短い切り換え時間を達成し,他方では,低い磁化の切り換え損失と高い保持力を達成することができる。従って,このような噴射弁は,特に,高い燃料圧力のために高い保持力が要求され,経済的な動作のために短い切り替え時間が要求される自動車の直接噴射に適している。
【0059】
軟磁性コア及び/又は軟磁性接極子は,噴射弁を中心軸として同心円上に配置されることが好ましい。接極子に接続した弁体は,噴射弁の開状態又は閉状態の位置おいて,バネ部材によって予め圧力がかけられ,電気コイルシステムを介して電流を流すことによって,開状態又は閉状態に可動する。
【0060】
好ましい態様においては,軟磁性コアは,本質的に,円筒形状であり,少なくとも1つのコイルを受けるための円形の凹部を有する。円形の凹部は,軟磁性コアの同心円上に配置され,本質的には,個別シートにおける凹部によって形成される。
【0061】
合板積層物の製造方法であって,本発明は,以下のステップを含む。まず,個別軟磁性シートが製造され,形成される。それぞれの個別シートは,第1の長側面と,第1の長側面に対向する第2の長側面と,第1の短側面と,第1の短側面に対向する第2の短側面を有する。第1の長側面は,個別シートが非曲線状態にあるときに,凹部を含み,その凹部は矩形であり,第1の短側面,第2の短側面,第2の長側面から等間隔である。その後の工程において,個別シートは,まず,伸開線を形成するために湾曲され,その後,合板積層物を形成するために積層される。
【0062】
上記工程において,個別シートは,特に,同じ厚みに製造され形成される。また,個別シートは,それぞれが一定の厚みで,異なる厚みを有するように製造されることとしてもよい。
【0063】
個別シートは,例えば,打ち抜き加工(スタンピング),ワイヤ侵食又は切断によって形成される。
【0064】
好ましい態様において,個別シートは,合板積層物を形成するための積層の前工程又は後工程において,電気絶縁塗料のコーティングがなされる。このコーティングは,例えば,スプレー,又は浸し塗り(ディッピング法)及び/又は空気又は蒸気による酸化の方式により行うこととしてもよい。
【0065】
ある態様において,個別シートは,本質的に,
12.0重量パーセント≦Co≦22.0重量パーセントと,
1.5重量パーセント≦Cr≦4.0重量パーセントと,
0.4重量パーセント≦Mo≦1.2重量パーセントと,
0.1重量パーセント≦V≦0.4重量パーセントと,
0.05重量パーセント≦Si≦0.15重量パーセントと,
残りがFeからなる。
【0066】
特に,個別シートは,本質的に,17.0重量パーセントのCoと,2.2重量パーセントのCrと,0.8重量パーセントのMoと,0.2重量パーセントのVと,0.09重量パーセントのSiと,残りがFeからなることとしてもよい。
【0067】
さらなる態様において,個別シートは,本質的に,
12.0重量パーセント≦Co≦22.0重量パーセントと,
1.5重量パーセント≦Cr≦4.0重量パーセントと,
1.0重量パーセント≦Mn≦1.8重量パーセントと,
0.4重量パーセント≦Si≦1.2重量パーセントと,
0.1重量パーセント≦Al≦0.4重量パーセントと,
残りがFeからなる。
【0068】
特に,個別シートは,本質的に,18.0重量パーセントのCoと,2.6重量パーセントのCrと,1.4重量パーセントのMnと,0.8重量パーセントのSiと,0.2重量パーセントのAlと,残りがFeからなることとしてもよい。
【0069】
さらなる態様において,個別シートは,本質的に,
12.0重量パーセント≦Co≦22.0重量パーセントと,
1.0重量パーセント≦Cr≦2.0重量パーセントと,
0.5重量パーセント≦Mn≦1.5重量パーセントと,
0.6重量パーセント≦Si≦1.8重量パーセントと,
0.1重量パーセント≦V≦0.2重量パーセントと,
残りがFeからなる。
【0070】
特に,個別シートは,本質的に,17.0重量パーセントのCoと,1.4重量パーセントのCrと,1.0重量パーセントのMnと,1.2重量パーセントのSiと,0.13重量パーセントのと,残りがFeからなることとしてもよい。
【0071】
さらなる態様において,個別シートは,本質的に,
15重量パーセント≦Co≦18.0重量パーセントと,
0重量パーセント≦Mn≦3.5重量パーセントと,
0重量パーセント≦Si≦1.8重量パーセントと,
残りがFeからなる。
【0072】
特に,個別シートは,本質的に,15重量パーセント≦Co≦18.0重量パーセントと,残りがFeからなることとしてもよい。また,個別シートは,本質的に,15重量パーセント以上のCoと,1重量パーセントのSiと,残りがFeからなることとしてもよい。また,個別シートは,本質的に,15重量パーセント以上のCoと,2.7重量パーセントのMnと,残りがFeからなることとしてもよい。
【0073】
さらなる態様において,個別シートは,本質的に,
0重量パーセント<Ni<5.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Co<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<C<0.03重量パーセントと,
0重量パーセント<Si<0.5重量パーセントと,
0重量パーセント<S<0.03重量パーセントと,
0重量パーセント<Al<0.08重量パーセントと,
0重量パーセント<Ti<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<V<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<P<0.015重量パーセントと,
0.03重量パーセント<Mn<0.2重量パーセントと,
残りがFeからなる。
【0074】
さらなる態様において,個別シートは,本質的に,
0重量パーセント<Ni<5.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Co<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<C<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<Si<4.5重量パーセントと,
0重量パーセント<S<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Al<2.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mo<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mn<1.0重量パーセントと,
残りがFeからなる。
【0075】
さらなる態様において,個別シートは,本質的に,
5重量パーセント<Cr<23.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Ni<8.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Co<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<C<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<Si<4.0重量パーセントと,
0重量パーセント<S<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Al<2.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mo<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mn<1.0重量パーセントと,
残りがFeからなる。
【0076】
さらなる態様において,個別シートは,本質的に,
20重量パーセント<Ni<85.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Co<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<C<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<Si<4.0重量パーセントと,
0重量パーセント<S<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<Al<2.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mo<5.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mn<4.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Cu<50重量パーセントと,
残りがFeからなる。
【0077】
さらなる態様において,軟磁性個別シートのアロイは,重量パーセントにおける以下の組成を有する。
FeremCoCrMoSiAlMnNiCuであって,0%≦a≦50%,0%≦b20%,0%≦c≦0.5%,0%≦d≦3%,0%≦e≦3.5%,0%≦f≦4.5%,0%≦g≦4.5%,0%≦h≦6%,0%≦i≦4.5%,0%≦j≦5%,0%≦k≦0.05%,0%≦l≦1%,0%≦m≦0.1%,0%≦n≦0.5%,0%≦o≦0.05%,0%≦p≦0.01%であり,ここで,Mは,少なくとも,Sn,Zu,W,Ta,Nb,Zr,及びTiのうちの一つの原子を含む。
【0078】
さらなる態様において,軟磁性個別シートは,本質的に,重量パーセントにおいて,3≦a≦25であって,FeremCo17Cr又はFeremCoの組成を有する。さらなる態様において,個別軟磁性シートは,純鉄又はクロム鋼(特に,高レベルの抗腐食挙動が要求されるもの)からなり,または,シリカで被膜された電気メッキとして提供される。
【0079】
さらなる態様において,合板積層物は,コイルの電線が進退するための貫通孔が形成された開口部を少なくとも一つ有する。
【0080】
本発明の開示として,電磁作動装置の製造方法は,以下のステップを含む。まず,合板積層物は,上述したいずれかの態様における合板積層物の製造方法によって製造される。さらに,軟磁性コアは,電磁作動装置のため,この合板積層物から形成される。
【0081】
本発明は,内燃機関へ供給される燃料量を制御するための噴射弁の製造方法に関する。この製造方法は,以下のステップを含む。まず,合板積層物が,前述した態様のいずれかの方法によって製造される。次に,軟磁性コアが,噴射弁の電磁コイルシステムための合板積層物から形成される。
【0082】
さらに,本発明は,前述したいずれかの態様において積層された,電磁作動装置における,伸開線状の軟磁性個別シートである軟磁性合板積層物の使用方法に関する。
【0083】
さらに,本発明は,前述したいずれかの態様において積層された,内燃機関へ供給される燃料の量を制御するための噴射弁における,伸開線状の軟磁性個別シートである軟磁性合板積層物の使用方法に関する。
【0084】
本明細書中で言及されたすべての態様において,「個別シートが,本質的に,からなる」という表現は,個別シートがそれぞれの態様において言及された濃度の原子,及び計2重量パーセント以下の不純物を含むことを意味する。不純物には,Ni,Cr,Mn,Si,Cu,Mo,Co,Al,C,S,V,Nb,Ti,Zr,Ta,O,N,及びPのいずれか一つが含まれるものであってもよい。前記原子の濃度は,すでにそれぞれの態様において存在している場合を除き,その前記原子が存在する場合の限界は,以下のとおりである。
Ni<1.0重量パーセント
Cr<1.0重量パーセント
Mn<1.0重量パーセント
Si<0.3重量パーセント
Cu<0.4重量パーセント
Mo<0.5重量パーセント
Co<1.0重量パーセント
Al<0.1重量パーセント
C<0.1重量パーセント
S<1.0重量パーセント
V<0.1重量パーセント
Nb<0.1重量パーセント
Ti<0.1重量パーセント
Zr<0.1重量パーセント
Ta<0.2重量パーセント
O<0.1重量パーセント
N<0.1重量パーセント
P<0.1重量パーセント
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は,本発明のある実施形態に係る噴射弁の例の概要示す概略図である。
【図2】図2Aは,本発明に係るコアの概要を示す平面図である。図2Bは,本発明のさらなる実施形態に係るコアの概要を示す底面図である。
【図3】図3は,固形物で形成された回転対称のコアの中心軸の概要を示す断面図である。
【図4】図4は,本発明に係る伸開線状の合板積層物における,回転対称のコアの中心軸の概要を示す断面図である。
【図5】図5は,個別シートが非曲線状態にあるときの,回転対称のコアの中心軸の概要を示す断面図である。
【図6】図6は,本発明に係るコアの内部における個別伸開線シートの概要を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0086】
以下,本発明の実施の形態について,図面を用いて説明する。本図面において,同一の要素には,同一の符号がふされている。
【0087】
図1は,噴射弁1の断面を示している。噴射弁1は,弁座4に対して進退する弁体3のハウジング2を有している。本実施の形態において,弁体3は,噴射弁1の閉鎖位置において,バネ部材12により,予め圧力が加えられている。このような構成においては,バネ部材12は,弁体3を押圧し,弁体3を弁座4に当接させている。
【0088】
燃料は,燃料入口6を介して弁内部5に達し,噴射弁1が開いているときに,燃料出口19を介して燃料室に達する。また,例えば,噴射弁1の上部領域に燃料入口6を設け,上方から,燃料が弁内部5に流入することとしてもよい。
【0089】
電磁石コイルシステム9は,噴射弁1を作動させる。電磁コイルシステム9は,弁体3に設けられた接極子8を含み,少なくとも1つのコイル10には,電源(図示しない)及びコア11によって電流が流れる。本実施形態において,コア11は,壺形であり,コイル10が挿入されている。
【0090】
コイル10に電流を流すことによりコア11に磁場が発生し,コア11は接極子8を引きつける。接極子8は上昇し,弁体3の先端7は弁座4から開放される。従って,燃料出口19が開く。弁体3は,上昇することによりバネ部材12を圧縮し,上昇ストッパ13に当接する。一旦,励起電流がオフになると,弁体3はバネ部材12によって押し返される。従って,再び,弁が閉じる。
【0091】
図2は,本発明に係るコア11の概要を示す平面図である。本実施態様においては,コア11は,壷型(ポット型)であり,内区画部15及び外区各部14を有し,それらの間に,コイルが嵌着する凹部17が設けられている。凹部17の底部は,基底部20によって閉じられている。コア11の中央には,円筒形の中心孔16が形成され,中心孔16には,弁の組み立て時に,弁体が挿入される。中心孔16は,本質的にコア11の対称軸を形成する縦軸を有する。
【0092】
外区画部14,内区画部15,及び基底部20は,図2に示されるように,複数の個別シート18からなる合板積層物によって形成される。この実施形態において,それぞれの個別シート18は略U字形であり,かつ,それぞれが積層され,外区画部14及び内区画部15を形成した後に,合板積層物内に,その脚部としてU字型の領域を有する。このため,それぞれの個別シート18は,それぞれの個別シート18の第1の長側面上に,長方形の凹部を有する。個別シート18が非曲線状態にあるとき,凹部25は,その個別シートの第1の短側面,第1の短側面に対面する第2の短側面,及び第1の長側面に対面する第2の長側面から,等距離にある。これにより,以下図面を参照して詳述するように,合板積層物にとって特に効果的な磁気特性を発揮する。すべての個別シート18は,同じ厚さtを有するものであり,伸開線状に隣接して積層される。
【0093】
図2Bは,本発明のさらなる実施形態に係るコア11´の概要を示す底面図である。この実施の形態においても,コア11´は,壷型であり,コイルにおける凹部を挟み,17内区画部15及び外区画部14を有する。凹部17は,底面図においては図示されない部分であるので,図2Bにおいては,破線で示している。基底部20は,コア11´の底部を閉鎖している。コア11´の中央部には,弁が組み立てられる際に弁体が挿通され,本質的にコア11´の対称軸となる縦軸を有する円筒形状の中心孔16が形成されている。
【0094】
外区画部14,内区画部15,及び基底部20は,図2Bに示すように,複数の個別シート18からなる合板積層物によって形成される。すべての個別シート18は,同じ厚さtを有し,伸開線状に隣接して積層される。
【0095】
さらに,コア11´の基底部は,例えば,2つの穴形状の開口部28を有する。この実施形態おいて,開口部28は,コイルの電線が進退するための挿通孔を形成する。図示された実施形態においては,2つの開口部28のそれぞれは,例えば,1mmから3mmの直径を有する。さらに,この2つの開口部28は,特に,コア11´が回転対称であるので,回転対称の位置に配置されている。
【0096】
さらなる実施の形態において,コアは,例えば,3mmから6mmの開口部を1つだけ有する。この開口部は,両方の電線が進退するための挿通孔を形成する。さらなる形態において,2以上の開口部が設けられることとしてもよい。
【0097】
比較の対象として,図3には,固形物で形成された回転対称のコアの中心軸の概要が示されている。このコアは,例えば,回転加工,フライス加工及び/又は切削によって固形物から製造された壷型磁石として形成されている。コア11は,コイルのための凹部17を挟む内区画部15及び外区画部14を有する。コア11´の中央部には,弁が組み立てられる際に弁体が挿通され,本質的にコア11´の対称軸となる縦軸を有する円筒形状の中心孔16が形成されている。
【0098】
以下,固形物から製造された壷型磁石の磁束の進路について説明する。例えば,相対浸透率がμ>1000である高透過素材を満たす磁束の損失を無視して,壷型磁石における磁束が一定であると仮定した場合,磁束密度は,狭いポイントにおいて等しくなる。従って,面Ac´(リングの外側の形状において外区画部14の正面),Aa´(リングの内側の形状において内区画部15の正面),及びAa´(高さd´を有するリングの内側の形状において内区画部15の正面)の3つの重要な面は,同じ面積を有する。
【0099】
【数7】

【0100】
磁束は,外側のリングの表面A´に入り込む。表面A´は,以下の式で表される。
【0101】
【数8】

【0102】
上記の式において,Dは,壷型磁石の外径であり,C´は,外区画部14の厚みである。磁束は,壷型磁石の正面A´で途絶える。A´は,以下の式により決定される。
【0103】
【数9】

【0104】
上記の式において,Dは,壷型磁石の内径であり,a´は,内区画部15の厚みである。磁束が,A´からA´を通過するためには,エンベロープ表面A´を通過しなければならない。A´は,以下の式で表される。
【0105】
【数10】

【0106】
固形の壷型磁石の寸法を決定するときには,上記方程式(1)から(4)が考慮される。
【0107】
図4は,個別シート18を含む伸開線状の合板積層物における,回転対称のコアの中心軸の概要を示す断面図である。コアは,壷型に形成され,コイルのための凹部17を挟む内区画部15及び外区画部17を有する。コア11の中央には,円筒形の中心孔16が形成され,中心孔16には,弁の組み立て時に,弁体が挿入される。中心孔16は,本質的にコア11の対称軸を形成する縦軸を有する。
【0108】
以下,伸開線状の個別シートによって形成された壷型磁石における磁束のコースについて説明する。およそ100%の合板積層物の要素が想定される。
【0109】
図3における固形素材のコアのように,以下の状態は,伸開線状の壷型磁石によって達成される。
【0110】
【数11】

【0111】
上記の式において,Aは,リングの外側の形状における外区画部14の正面であり,Aは,リングの内側の形状における内区画部15の正面であり,Ad,fは,図5に示すように,平行な曲面の個別シートの横断面であり,複数の個別シートによって積層される。
【0112】
同じ表面の状態は,例えば,以下のような固形の壷型磁石として形成された伸開線状の個別シートの壷型磁石の正面に適用される。
【0113】
【数12】

【0114】
これらの表面の法線は,2つの壷型磁石の変形例において磁束と平行である。従って,この正面の寸法は,同一である。
【0115】
【数13】

【0116】
ただし表面A及びA´のベクトルの関係は同一ではない。以下,図6を参照して詳細に説明する。
【0117】
図5は,個別シートが非曲線状態にあるときの,回転対称のコアの中心軸の概要を示す断面図である
【0118】
個別シート18は,個別シート18の第1の長側面21に,長方形の凹部25を有する。また,個別シート18は,第1の長側面の対向する第2の長側面,第1の短側面23,及び第1の短側面23に対向する第2の短側面を含む。
【0119】
合板積層物を形成する100%の要素である厚みtを有する個別シートの数nは,Dに示されるように,個別シートは内面において垂直に形成されため,以下の式により表される。
【0120】
【数14】

【0121】
平坦な個別シートによると,正面Aは以下の式により求められ,壷型磁石の寸法を使うだけではなく,個別シート18の寸法も用いる。
【0122】
【数15】

【0123】
ここで,gは,凹部25から第1の短側面23までの距離である。同じことが,Aにおいても適用される。
【0124】
【数16】

【0125】
ここで,eは,凹部25から第2の短側面24までの距離である。2つの壷型磁石の主要な相違点は,エンベロープ表面AとA´である。再び,図5に示される個別シートをみると,伸開線状の個別シートで形成された壷型磁石の式は,以下のものである。
【0126】
【数17】

【0127】
ここで,dは,凹部25から長側面22までの距離である。すなわち,以下の通りである。
【0128】
【数18】

【0129】
例えば,伸開線状の個別シートから形成される壷型磁石のエンベロープ表面の外側は,常に,固形の壷型のエンベロープ表面より大きく,dはそれに応じて増加する。方程式(5),(10),(11),及び(12)によると,伸開線状の個別シートからなる壷型磁石の状態は,以下の通りある。
【0130】
【数19】

【0131】
従って,このような状態は,個別シート18が非曲線状態にあるとき,個別シート18の第1の長側面の凹部が,個別シートの18の第1の短側面,第1の短側面の反対側に位置する個別シート18の第2の短側面,及び第1の長側面の反対側に位置する個別シート18の第2の長側面から等距離であることを意味する。これにより,特に良好なコアの磁気特性が達成される。
【0132】
さらなる状態は,図6に示されている。図6は,壺型磁石の実施形態において,コアの内部における個別伸開線シートの概要を示す平面図である。
【0133】
固形のコアにおいて,磁束が壷型磁石の基底部を通って放射状に流れることが基本である。磁束は,放射状に表面A´を通過し,それぞれ,直角にA´にぶつかる。
【0134】
伸開線状の個別シートからなる壷型磁石において,磁束は,個別シートの形状に沿って,伸開線状に流れる。ここで,磁束は,表面Aを通って放射状に流れることはなく,それぞれが直角にAにぶつかることもない。図6に示す角度αは,エンベロープ表面Aの外側の個別シート18の交点における,個別シートへの接線と,内区画部15のエンベロープ表面Aへの表面の法線に囲まれた角度である。言い換えると,角度αは,個別シート18と(Di+2a)を直径とする円の交点における個別シート18への接線26と,この交点を通過する直線27と,同心円又は同心円の中心に囲まれた角度である。この角度αは,常に90度以下である。この角度αは,磁束の半径方向成分と磁束密度を低減するため,寸法を決定する際に,考慮されるべきである。
【0135】
αは,以下の式により,パラメータDから関係付けられる。
【0136】
【数20】

【0137】
磁束密度と表面を計算するためには,ベクトルの関係が考慮される。以下の関係は,垂直にぶつかる磁束の動径成分に適用される。
【0138】
【数21】

【0139】
これは,方程式(1)及び(5)によると,表面において磁束密度を一定に維持するために必要な以下の式を与える。
【0140】
【数22】

【0141】
ここで,Aは,高さdを有する右内側内の形状における内区画部15のエンベロープ表面である。方程式(15)によると,これは以下のようになる。
【0142】
【数23】

【0143】
伸開線状のシートからなるコア(例えば壷型磁石)における基底部の厚みdは,それぞれ1/COS α 及び,(2・α+D)/Dの要素による固形の壷型磁石の厚みd´より大きい。
【0144】
方程式(1),(4),(7),及び(8)によると,方程式(17)は,以下の関係を提供する。
【0145】
【数24】

【0146】
また,方程式(15)及び(7)によると,方程式(17)は,以下の関係を提供する。
【0147】
【数25】

【0148】
そして,方程式(3)及び(8)を考慮に入れると,方程式(17)は,以下の式を提供する。
【0149】
【数26】

【0150】
また,A=A´=A=A´であるので,方程式(21)は,方程式(2)を用いることによって,以下のように示される。
【0151】
【数27】

【0152】
この実施形態において,合板積層物又はコアは,電線が進退する挿通孔としての開口部を有し,これは,磁束に影響を及ぼす可能性がある。これは,方程式(14),及び方程式(17)から方程式(22)にも影響を与える可能性がある。
【符号の説明】
【0153】
1 噴射弁
2 ハウジング
3 弁体
4 弁座
5 弁内部
6 燃料入口
7 先端
8 接極子
9 電磁コイルシステム
10 コイル
11 コア
11 コア
12 バネ部材
13 ストッパ
14 外区画部
15 内区画部
16 中心孔
17 凹部
18 個別シート
19 燃料出口
20 基底部
21 長側面
22 長側面
23 短側面
23 短側面
24 接線
25 直線
28 開口部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟磁性の個別シート(18)を複数含み,
前記個別シート(18)は,合板積層物において,伸開線状に湾曲しており,
それぞれの個別シート(18)は,第1の長側面(21),前記第1の長側面(21)に対向する第2の長側面(22),第1の短側面(23),及び前記第1の短側面(23)に対向する第2の短側面(24)を含み,
前記第1の長側面(21)は,凹部(25)を含み,
前記凹部(25)は,矩形であり,
前記個別シート(18)が非曲線状態にある場合において,前記第1の短側面(23),前記第2の短側面(24),及び前記第2の長側面(22)からの距離が等しい
合板積層物。

【請求項2】
それぞれの前記個別シート(18)は,非曲線状態にある場合において,U字型となっており,
第1の脚部は幅eを有し,第2の脚部は幅gを有し,基底部は厚みdを有し,
ここで,e=g=dであることを特徴とする
請求項1に記載の合板積層物。

【請求項3】
内区画部(15)及び基底部(20)を有し,
前記内区画部(15)は内径Dを有し,
前記内区画部(15)の上面は面積Aを有し,
基底部は厚みdを有し,
ここで,これらの関係は,以下の式で表されることを特徴とする
請求項1又は請求項2に記載の合板積層物。

【請求項4】
内区画部(15)及び基底部(20)を有し,
前記内区画部(15)は内径D及び厚みaを有し,
前記基底部(20)は厚みdを有し,
ここで,これらの関係は,以下の式で表されることを特徴とする
請求項1又は請求項2に記載の合板積層物。

【請求項5】
内区画部(15),外区画部(14),及び基底部(20)を有し,
前記内区画部(15)は,内径Dを有し,
前記外区画部(14)は外径D及び厚みcを有し,
前記基底部(20)は厚みdを有し,
ここで,これらの関係は,以下の式で表される
請求項1又は請求項2に記載の合板積層物。

【請求項6】
前記個別シート(18)は,同一の厚さであることを特徴とする
請求項1から請求項5のいずれかに記載の合板積層物

【請求項7】
前記個別シート(18)は,異なった厚みを有し,
それぞれの個別シート(18)は,一定の厚みである。
請求項1から請求項6のいずれかに記載の合板積層物。

【請求項8】
前記第1の長側面(21)及び前記第2の長側面(22)は,デカルト座標x及びyで表現したときに,パラメータtにより,以下の方程式で表される曲線を有することを特徴とし,
ここで,rは,合板積層物の内径である
請求項1から請求項7に記載の合板積層物。

【請求項9】
前記パラメータtには,t<πの関係が適用される
請求項8に記載の合板積層物。

【請求項10】
円筒形状であり,
少なくとも1つ環状の凹部(17)を含み,
前記環状の凹部(17)は,合板積層物において同心円上に位置し,前記個別シート(18)における凹部(25)によって形成されることを特徴とする
請求項1から請求項9のいずれかに記載の合板積層物。

【請求項11】
前記個別シート(18)は,
12.0重量パーセント≦Co≦22.0重量パーセントと,
1.5重量パーセント≦Cr≦4.0重量パーセントと,
0.4重量パーセント≦Mo≦1.2重量パーセントと,
0.1重量パーセント≦V≦0.4重量パーセントと,
0.05重量パーセント≦Si≦0.15重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項1から請求項10のいずれかに記載の合板積層物。

【請求項12】
前記個別シート(18)は,
17.0重量パーセントのCoと,
2.2重量パーセントのCrと,
0.8重量パーセントのMoと,
0.2重量パーセントのVと,
0.09重量パーセントのSiと,
残りがFeからなることとを特徴とする
請求項11に記載の合板積層物。

【請求項13】
前記個別シート(18)は,
12.0重量パーセント≦Co≦22.0重量パーセントと,
1.5重量パーセント≦Cr≦4.0重量パーセントと,
1.0重量パーセント≦Mn≦1.8重量パーセントと,
0.4重量パーセント≦Si≦1.2重量パーセントと,
0.1重量パーセント≦Al≦0.4重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項1から請求項10のいずれかの記載の合板積層物。

【請求項14】
前記個別シート(18)は,
18.0重量パーセントのCoと,
2.6重量パーセントのCrと,
1.4重量パーセントのMnと,
0.8重量パーセントのSiと,
0.2重量パーセントのAlと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項13に記載の合板積層物。

【請求項15】
前記個別シート(18)は,
12.0重量パーセント≦Co≦22.0重量パーセントと,
1.0重量パーセント≦Cr≦2.0重量パーセントと,
0.5重量パーセント≦Mn≦1.5重量パーセントと,
0.6重量パーセント≦Si≦1.8重量パーセントと,
0.1重量パーセント≦V≦0.2重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項1から請求項10に記載の合板積層物。

【請求項16】
前記個別シートは(18)は,
17.0重量パーセントのCoと,
1.4重量パーセントのCrと,
1.0重量パーセントのMnと,
1.2重量パーセントのSiと,
0.13重量パーセントのと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項15に記載の合板積層物。

【請求項17】
前記個別シート(18)は,
15重量パーセント≦Co≦18.0重量パーセントと,
0重量パーセント≦Mn≦3.5重量パーセントと,
0重量パーセント≦Si≦1.8重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項17に記載の合板積層物。

【請求項18】
前記個別シート(18)は,
15重量パーセント≦Co≦18.0重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項17に記載の合板積層物。

【請求項19】
前記個別シート(18)は,
15重量パーセント以上のCoと,
1重量パーセントのSiと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項17に記載の合板積層物。

【請求項20】
前記個別シート(18)は,
15重量パーセント以上のCoと,
2.7重量パーセントのMnと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項17に記載の合板積層物。

【請求項21】
前記個別シート(18)は,
0重量パーセント<Ni<5.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Co<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<C<0.03重量パーセントと,
0重量パーセント<Si<0.5重量パーセントと,
0重量パーセント<S<0.03重量パーセントと,
0重量パーセント<Al<0.08重量パーセントと,
0重量パーセント<Ti<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<V<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<P<0.015重量パーセントと,
0.03重量パーセント<Mn<0.2重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項1から請求項10のいずれかに記載の合板積層物。

【請求項22】
前記個別シート(18)は,
0重量パーセント<Ni<5.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Co<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<C<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<Si<4.5重量パーセントと,
0重量パーセント<S<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Al<2.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mo<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mn<1.0重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項1から請求項10のいずれかに記載の合板積層物。

【請求項23】
前記個別シート(18)は,
5重量パーセント<Cr<23.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Ni<8.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Co<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<C<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<Si<4.0重量パーセントと,
0重量パーセント<S<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Al<2.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mo<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mn<1.0重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項1から請求項10のいずれかに記載の合板積層物。

【請求項24】
前記個別シート(18)は,
20重量パーセント<Ni<85.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Co<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<C<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<Si<4.0重量パーセントと,
0重量パーセント<S<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<Al<2.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mo<5.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mn<4.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Cu<5.0重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項1から請求項10のいずれかに記載の合板積層物。

【請求項25】
前記個別シート(18)は,
FeremCoCrMoSiAlMnNiCuであって,
0%≦a≦50%,0%≦b20%,0%≦c≦0.5%,0%≦d≦3%,0%≦e≦3.5%,0%≦f≦4.5%,0%≦g≦4.5%,0%≦h≦6%,0%≦i≦4.5%,0%≦j≦5%,0%≦k≦0.05%,0%≦l≦1%,0%≦m≦0.1%,0%≦n≦0.5%,0%≦o≦0.05%,0%≦p≦0.01%の重量パーセントにおける組成を有し,
ここで,Mは,少なくとも,Sn,Zu,W,Ta,Nb,Zr,及びTiのうちの一つの原子を含むことを特徴とする
請求項1から請求項10のいずれかに記載の合板積層物。

【請求項26】
前記個別シート(18)は,
重量パーセントおける,FeremCoの組成を有することを特徴とする
請求項25に記載の合板積層物。

【請求項27】
前記個別シート(18)は,
FeremCo17Crであって,
3≦a≦25の重量パーセントにおける組成を有することを特徴とする
請求項25に記載合板積層物。

【請求項28】
前記個別シート(18)は,
シリカで被膜された電気メッキとして形成されることを特徴とする
請求項1から請求項10のいずれかに記載の合板積層物。

【請求項29】
前記個別シート(18)は,
純鉄からなることを特徴とする
請求項1から請求項10のいずれかに記載の合板積層物。

【請求項30】
前記個別シート(18)は,
クロム鋼からなることを特徴とする
請求項1から請求項10のいずれかに記載の合板積層物。

【請求項31】
前記個別シート(18)は,
少なくとも片面に,電気絶縁皮膜を有することを特徴とする
請求項1から請求項30のいずれかに記載の合板積層物。

【請求項32】
前記電気絶縁皮膜として,酸化マグネシウムが用いられることを特徴とする
請求項31に記載の合板積層物。

【請求項33】
前記電気絶縁皮膜として,酸化ジコルニウムが用いられることを特徴とする
請求項31に記載の合板積層物。

【請求項34】
前記電気絶縁皮膜として,磁鉄鉱が用いられることを特徴とする
請求項31から請求項33のいずれかに記載の合板積層物。

【請求項35】
前記電気絶縁皮膜として,ヘマタイトが用いられることを特徴とする
請求項31から請求項33のいずれかに記載の合板積層物。

【請求項36】
前記電気絶縁皮膜として,自己酸化層が用いられることを特徴とする
請求項31から請求項33のいずれかに記載の合板積層物。

【請求項37】
貫通孔が形成された開口部を少なくとも一つ含むことを特徴とする
請求項1から請求項36のいずれかに記載の合板積層物。

【請求項38】
請求項1から請求項37のいずれかに記載の合板積層物を含む軟磁性コアを有する
電磁作動装置。

【請求項39】
入口出口弁として形成されることを特徴とする
請求項38に記載の電磁作動装置。

【請求項40】
内燃機関エンジンへ供給される燃料を制御するための噴射弁(1)として形成されることを特徴とする
請求項38に記載の電磁作動装置。

【請求項41】
前記噴射弁(1)は,電磁コイルシステム(9)により,弁座(4)に向かって可動し,電磁コイルシステム(9)の軟磁性接極子(8)に連結した弁体(3)を有し,
さらに,前記軟磁性コア(11)を有するコイル(10)を,少なくとも一つ有することを特徴とする。
請求項40に記載の電磁作動装置。

【請求項42】
前記軟磁性コア(11)又は前記軟磁性接極子(8)は,前記噴射弁(1)を中心軸とした同心円上に配置されることを特徴とする
請求項41に記載の電磁作動装置。

【請求項43】
前記軟磁性コア(11)及び前記軟磁性接極子(8)は,前記噴射弁(1)を中心軸とした同心円上に配置されることを特徴とする
請求項41に記載の電磁作動装置。

【請求項44】
前記接極子(8)に連結した前記弁体(3)は,前記噴射弁(1)の開状態又は閉状態の位置おいて,バネ部材(12)によって予め圧力がかけられ,前記電気コイルシステム(9)を介して電流を流すことによって,開状態又は閉状態に可動することを特徴とする
請求項40から請求項43のいずれかに記載の電磁作動装置。

【請求項45】
前記軟磁性コア(11)は,円筒形状であり,前記コイル(17)を受けるための円形の凹部(17)を少なくとも一つ有し,
前記円形の凹部(17)は,前記軟磁性コア(11)の同心円上に配置され,前記個別シート(18)における前記凹部(25)によって形成されることを特徴とする
請求項40から請求項44のいずれかに記載の電磁作動装置。

【請求項46】
合板積層物の製造方法であって,
複数の軟磁性個別シート(18)を製造し形成する工程と,
ここで,それぞれの前記個別シート(18)は,第1の長側面(21)と,前記第1の長側面(21)に対向する第2の長側面(22)と,第1の短側面(23)と,前記第1の短側面(23)に対向する第2の短側面(23)を含み,
前記第1の長側面(21)は,凹部(25)を含み,
前記凹部(25)は,前記個別シートが非曲線状態にあるときに,矩形であり,前記第1の短側面,前記第2の短側面,前記第2の長側面から等間隔であり,
前記個別シート(18)を伸開線状に湾曲させる工程と,
合板積層物を形成するために前記個別シート(18)積層する工程を含む
製造方法。

【請求項47】
前記個別シート(18)を,同じ厚みで製造し形成することを特徴とする
請求項46に記載の製造方法。

【請求項48】
前記個別シート(18)を,それぞれ一定の厚みで,異なる厚みを有するように製造し形成することを特徴とする
請求項46に記載の製造方法。

【請求項49】
前記個別シート(18)は,前記合板積層物を形成するために前記個別シートを積層する前又は後の工程おいて,電気絶縁塗料のコーティングがなされることを特徴とする
請求項46から請求項48のいずかに記載の製造方法

【請求項50】
前記コーティングは,スプレー塗りにより行われることを特徴とする
請求項49に記載の製造方法。

【請求項51】
前記コーティングは,浸し塗りにより行われることを特徴とする
請求項49に記載の製造方法。

【請求項52】
前記コーティングは,空気中における酸化により行われる
請求項49から請求項51のいずれかに記載の製造方法。

【請求項53】
前記コーティングは,蒸気による酸化によって行われる
請求項49から請求項51のいずれかに記載の製造方法。

【請求項54】
前記個別シート(18)は,打ち抜き加工により形成される
請求項46から請求項53のいずれかに記載の製造方法。

【請求項55】
前記個別シート(18)は,ワイヤ侵食により形成される
請求項46から請求項53のいずれかに記載の製造方法。

【請求項56】
前記個別シート(18)は,切断により形成される
請求項46から請求項53のいずれかに記載の製造方法。

【請求項57】
前記個別シート(18)は,
12.0重量パーセント≦Co≦22.0重量パーセントと,
1.5重量パーセント≦Cr≦4.0重量パーセントと,
0.4重量パーセント≦Mo≦1.2重量パーセントと,
0.1重量パーセント≦V≦0.4重量パーセントと,
0.05重量パーセント≦Si≦0.15重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項46から請求項56のいずれかに記載の製造方法。

【請求項58】
前記個別シート(18)は,
17.0重量パーセントのCoと,
2.2重量パーセントのCrと,
0.8重量パーセントのMoと,
0.2重量パーセントのVと,
0.09重量パーセントのSiと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項57に記載の製造方法。

【請求項59】
前記個別シート(18)は,
12.0重量パーセント≦Co≦22.0重量パーセントと,
1.5重量パーセント≦Cr≦4.0重量パーセントと,
1.0重量パーセント≦Mn≦1.8重量パーセントと,
0.4重量パーセント≦Si≦1.2重量パーセントと,
0.1重量パーセント≦Al≦0.4重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項46から請求項56のいずれかに記載の製造方法。

【請求項60】
前記個別シート(18)は,
18.0重量パーセントのCoと,
2.6重量パーセントのCrと,
1.4重量パーセントのMnと,
0.8重量パーセントのSiと,
0.2重量パーセントのAlと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項59に記載の製造方法。

【請求項61】
前記個別シート(18)は,
12.0重量パーセント≦Co≦22.0重量パーセントと,
1.0重量パーセント≦Cr≦2.0重量パーセントと,
0.5重量パーセント≦Mn≦1.5重量パーセントと,
0.6重量パーセント≦Si≦1.8重量パーセントと,
0.1重量パーセント≦V≦0.2重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項46から請求項56のいずれかに記載の製造方法。

【請求項62】
前記個別シート(18)は,
17.0重量パーセントのCoと,
1.4重量パーセントのCrと,
1.0重量パーセントのMnと,
1.2重量パーセントのSiと,
0.13重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項61に記載の製造方法。

【請求項63】
前記個別シート(18)は,
15重量パーセント≦Co≦18.0重量パーセントと,
0重量パーセント≦Mn≦3.5重量パーセントと,
0重量パーセント≦Si≦1.8重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項46から請求項56のいずれかに記載の製造方法。

【請求項64】
前記個別シート(18)は,
15重量パーセント≦Co≦18.0重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項63に記載の製造方法。

【請求項65】
前記個別シート(18)は,
15重量パーセント以上のCoと,
1重量パーセントのSiと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項63に記載の製造方法。

【請求項66】
前記個別シート(18)は,
15重量パーセント以上のCoと,
2.7重量パーセントのMnと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項63に記載の製造方法。

【請求項67】
前記個別シート(18)は,
0重量パーセント<Ni<5.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Co<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<C<0.03重量パーセントと,
0重量パーセント<Si<0.5重量パーセントと,
0重量パーセント<S<0.03重量パーセントと,
0重量パーセント<Al<0.08重量パーセントと,
0重量パーセント<Ti<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<V<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<P<0.015重量パーセントと,
0.03重量パーセント<Mn<0.2重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項46から請求項56のいずれかに記載の製造方法。

【請求項68】
前記個別シート(18)は,
0重量パーセント<Ni<5.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Co<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<C<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<Si<4.5重量パーセントと,
0重量パーセント<S<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Al<2.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mo<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mn<1.0重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項46から請求項56のいずれかに記載の製造方法。

【請求項69】
前記個別シート(18)は,
5重量パーセント<Cr<23.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Ni<8.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Co<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<C<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<Si<4.0重量パーセントと,
0重量パーセント<S<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Al<2.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mo<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mn<1.0重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項46から請求項56のいずれかに記載の製造方法。

【請求項70】
前記個別シート(18)は,
20重量パーセント<Ni<85.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Co<1.0重量パーセントと,
0重量パーセント<C<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<Si<4.0重量パーセントと,
0重量パーセント<S<0.1重量パーセントと,
0重量パーセント<Al<2.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mo<5.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Mn<4.0重量パーセントと,
0重量パーセント<Cu<50重量パーセントと,
残りがFeからなることを特徴とする
請求項46から請求項56のいずかに記載の製造方法。

【請求項71】
前記個別シート(18)は,
FeremCoCrMoSiAlMnNiCuであって,
0%≦a≦50%,0%≦b20%,0%≦c≦0.5%,0%≦d≦3%,0%≦e≦3.5%,0%≦f≦4.5%,0%≦g≦4.5%,0%≦h≦6%,0%≦i≦4.5%,0%≦j≦5%,0%≦k≦0.05%,0%≦l≦1%,0%≦m≦0.1%,0%≦n≦0.5%,0%≦o≦0.05%,0%≦p≦0.01%の重量パーセントにおける組成を有し,
ここで,Mは,少なくとも,Sn,Zu,W,Ta,Nb,Zr,及びTiのうちの一つの原子を含むことを特徴とする
請求項46から請求項56のいずれかに記載の製造方法。

【請求項72】
前記個別シート(18)は,
重量パーセントおける,FeremCoの組成を有することを特徴とする
請求項71に記載の製造方法。

【請求項73】
前記個別シート(18)は,
FeremCo17Crであって,
3≦a≦25の重量パーセントにおける組成を有することを特徴とする
請求項71に記載の製造方法。

【請求項74】
前記個別シート(18)は,
シリカで被膜された電気メッキとして形成されることを特徴とする
請求項46から請求項56のいずれかに記載の製造方法。

【請求項75】
前記個別シート(18)は,
純鉄からなることを特徴とする
請求項46から請求項56のいずれかに記載の製造方法。

【請求項76】
前記個別シート(18)は,
クロム鋼からなることを特徴とする
請求項46から請求項56のいずれかに記載の製造方法。

【請求項77】
貫通孔が形成された開口部が少なくとも一つ合板積層物に形成されることを特徴とする
請求項46から請求項76のいずれかに記載の製造方法。

【請求項78】
電磁作動装置の製造方法であって,
請求項46から請求項77のいずれかに記載の製造方法により,合板積層物を製造する工程と,
前記合板積層物から前記電磁作動装置のための軟磁性コアを形成する工程を含む
電磁作動装置の製造方法。

【請求項79】
内燃機関へ供給される燃料量を制御するための噴射弁(1)の製造方法であって,
請求項46から請求項77のいずれかに記載の製造方法により,合板積層物を製造する工程と,
前記合板積層物から前記噴射弁(1)の電磁コイルシステムのための軟磁性コアを形成する工程を含む
噴射弁の製造方法。

【請求項80】
電磁作動装置における,積層された伸開線状の軟磁性個別シート(18)を含む
請求項1から請求項37のいずれかに記載の軟磁性合板積層物の使用方法。

【請求項81】
内燃機関へ供給される燃料量を制御するための噴射弁(1)における,積層された伸開線状の軟磁性個別シート(18)を含む
請求項1から請求項37のいずれかに記載の軟磁性合板積層物の使用方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−43969(P2012−43969A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−183662(P2010−183662)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(504227958)ヴァキュームシュメルツェ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー (16)
【Fターム(参考)】