説明

傾斜可能なアクチュエータを備えた航空機用の電気機械式ブレーキ

【課題】少なくとも一つの電気機械式アクチュエータ(8)を担持しているサポート(7)を備えた航空機用の電気機械式ブレーキに関する。
【解決手段】前記アクチュエータ(8)が、摩擦要素(11)に対して選択的にブレーキ力を作用するために前記摩擦要素(11)に向かって軸方向に移動するプッシャ(13)を備えている電気機械式ブレーキであって、前記アクチュエータは角度を付けて傾むくために、少なくとも前記アクチュエータの一部分が前記プッシャを担持することを可能にする継手部材(20;30)を介して前記サポートに取り付けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気機械式ブレーキ、特に航空機用のものであって、角度を付けて傾斜可能なアクチュエータを備えている。
【背景技術】
【0002】
“リング”と呼ばれているサポートを備えた航空機用の電気機械式ブレーキは公知なものであって、そのサポートは電気機械式アクチュエータを担持していて、そのアクチュエータ各々は積層ディスクへ向って軸方向に移動することのできるプッシャを備えており、ディスクにブレーキ力を選択的に作用するようになっている。
【0003】
一般に、アクチュエータはサポートに直接螺合されていて、サポートとアクチュエータとの間の継手が固定されるようになっている。
【0004】
残念なことに、サポートはブレーキ力の作用で変形し、アクチュエータも変形してしまう。プッシャはディスクに対して直交していない方向にディスクを押し付けるので、プッシャは横向きの力を受けることになる。アクチュエータは横方向の力を吸収することのできないボールねじ又はローラねじで取り付けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ブレーキ中にプッシャに横向きの力が作用するリスクの少ないブレーキを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本目的を達成するために、本発明は少なくとも一つの電気機械式アクチュエータを担持しているサポートを備えた航空機用の電気機械式ブレーキを提供していて、前記アクチュエータが、摩擦要素に対して選択的にブレーキ力を作用するために前記摩擦要素に向かって軸方向に移動するプッシャを備えている電気機械式ブレーキにおいて;
前記アクチュエータは角度を付けて傾むくために、少なくとも前記アクチュエータの一部分が前記プッシャを担持することを可能にする継手部材を介して前記サポートに取り付けられていることを特徴としている。
【0007】
従って、プッシャがディスクと接触する場合、プッシャは、角度の付いた傾斜に対して自由度のあるアクチュエータを利用することにより、ブレーキ力の作用を受けてディスクに対して直交するように自動的に位置決めされるようになっている。さらに、ブレーキの強さ及び変形量に関係なくサポートは、プッシャがディスクを直交的に押し続けることに耐えるようになっている。
【0008】
この角度の付いた傾斜に対する自由度がプッシャに作用される横向きの力のリスクを低減するようになっている。
【0009】
本発明は、添付図を用いた以下の説明により詳細に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、従来型の電気機械式ブレーキの断面図である。
【図2】図2は、図1の詳細図であって、ブレーキ力が作用される場合の変形を誇張してある。
【図3】図3は、本発明の第一実施形態における電気機械式ブレーキの部分断面図である。
【図4】図4は、図3の詳細図であってブレーキ力が作用している場合のものである。
【図5】図5は、本発明の第二実施形態における電気機械式ブレーキの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1において、航空機用ブレーキが、軸6において回転するべく取り付けられたホィールリム5を備えたホィールに結合されている。ブレーキは軸に取り付けられたリング7を有していて、手段(図示せず)により回転を防止するようになっている。リング7は、各々がハウジングを有している電気機械式アクチュエータ8を担持していて、プッシャ13が軸方向Xにスライドするべく、かつ選択的に積層ディスク11にブレーキ力を作用するべくハウジングに取り付けられており、その積層ディスク11は、ディスクと交互に配列されたホィールと共に回転するディスクを備えていて、そのディスクはリング7に取り付けられたトージョンチューブ(torsion tube)9により回転することを阻止されるようになっている。
【0012】
公知なように、プッシャ13が関連するアクチュエータの電動モータにより駆動されていて、モータはねじ−ナット装置(例えばボールタイプ又はローラタイプの装置)の一つを回転するべく配置されており、プッシャは装置の他の部材に取り付けられている。回転防止部材がプッシャの回転を防止している。
【0013】
ブレーキ力を作用すると、ディスク11がお互いにこすり合い、航空機の運動エネルギの一部が熱として放散される。
【0014】
図2に図示するように、ブレーキ中にプッシャ13により作用される力は、反作用としてリング7を曲げにより外向きに変形させるようになっていて、従って軸Xを初期位置から傾斜位置に向けて移動するようになっており、傾斜位置において、軸Xはもはやディスクに対して直交していないので、プッシャ13は、アクチュエータのボルト−ナット装置に対して有害な横向きの力を受けるようになる。
【0015】
図3に図示する本発明の第一実施形態において、ボールジョイント20がリング7とアクチュエータ8との間に挟さまれていて、ジョイントは、球状コアー22と共にリング7における適切なハウジングに受容されているケージ21を備えており、球状コアー22はアクチュエータ8のハウジング12を囲んで取り付けられている。回転防止装置(図示せず)は、アクチュエータ8が軸X周囲で回転することを防止している。
【0016】
従って、作用するブレーキ力の増大に伴なってリング7が変形するので、アクチュエータは、ボールジョイントによる回転に対して自由であるために、次第に傾斜してゆき、ディスク11をディスクに直交している方向に対して押し続けるようになっている(図4参照)。これが、アクチュエータのねじ−ナット装置に発生される有害な横向きの力を防止している。
【0017】
図5に図示する第二実施形態において、ボールジョイントはコンポジットベアリング(composite bearing)30に代えられていて、そのベアリングが第一ブッシュ31と第二ブッシュ32とを備えており、第一ブッシュ31は金属製であって、アクチュエータ8のハウジング12を囲んで延在していて、第二ブッシュ32はエラストマー製であって第一ブッシュに接着されリング7における適切なハウジングに受容されている。
【0018】
第二ブッシュ32に使用されているエラストマーは異方性エラストマーであって、第二ブッシュ32が軸方向Xに沿ってほとんど変形せずに、そして半径方向に変形するように配置されており、アクチュエータ8が、アクチュエータのわずかな半径方向の変化を伴なって角度をつけて傾斜できるようになっている。
【0019】
従って、(ほぼ軸方向の)ブレーキ力をリング7に伝達することを確実にするために、第二ブッシュ32は、プッシャがディスクに対してほぼ直交することを可能にするようにアクチュエータ8をリングに対して移動するようになっている。
【0020】
好ましくは、使用されているエラストマーはディスクのお互い同士がこすれることにより発生される振動に一致する振動数範囲において大きな減衰を提供するものであって、従ってアクチュエータ8及びリング7は前記振動すべてを受けることはない。
【0021】
本発明は前述の説明に限定されるものではなく、請求項に規定される範囲に係わるいずれの変更をも含むものである。
【0022】
特に、角運動の自由度はアクチュエータサポートに対してアクチュエータ全体に与えられるように説明されているけれども、自由度はアクチュエータのプッシャ担持している部分とサポートとの間に与えられるようになっていることで十分である。そして、アクチュエータの前記部分とアクチュエータの残りの部分との間の継手がそのような自由度に対応するのに適切なものであるならば十分である。
【符号の説明】
【0023】
7 サポート
8 アクチュエータ
11 ディスク
13 プッシャ
20 継手部材
30 継手部材軸受
32 ブッシュ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ透明な基板の一方の面に透明な導電膜を付着した一対のパネルを導電膜側が対向するように電気絶縁性のスペーサを介して配置して成るタッチパネルにおいて、
一対のパネルが周辺部を両面テープを介して接合されており、入力圧力が付与される可動側パネルの導電膜が両面テープの縁で損傷されることを防止する弾力性材料から成る導電膜損傷防止部材が可動側基板または両面テープに取り付けられていることを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
可動側パネルに対向配置される固定側パネルと両面テープの間に両面テープの縁よりも内側まで延伸する絶縁層が配置されていて、
導電膜損傷防止部材が絶縁層の縁よりも内側まで延伸されていることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
弾力性材料がゴム系の樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−230169(P2010−230169A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115748(P2010−115748)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【分割の表示】特願2006−315974(P2006−315974)の分割
【原出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(591131361)メシエ−ブガッティ (64)
【氏名又は名称原語表記】MESSIER BUGATTI
【Fターム(参考)】