説明

光学検査プローブ

検査される対象の対象物の画像を得て、これを提供するための光学検査プローブを提供する。光学検査プローブは、対象物の画像を撮るための画像化組立体と、対象物の方に向けられる光ビームを生成するための照明組立体とを備える。光学検査プローブは、光ビームが、第1の焦点面で焦点に収束するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学検査プローブおよびその使用方法に関する。詳細には、本発明は、内部の狭小孔を画像化するための視覚検査プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車または航空産業で使用するためのものなどの部品を製造する際、これらの部品が所望の公差内になるように製造されたと決定することがしばしば望ましい。
【0003】
従来、部品のフィーチャの寸法は、その部品を座標測定機に装着し、座標測定機に装着されたタッチプローブを対象のフィーチャに接触させることによって決定される。座標は、フィーチャ周りのさまざまな地点で取られ、それによってその寸法、形状、および配向を決定することができる。
【0004】
タッチプローブの使用にはいくつか欠点がある。接触プローブによる測定は、時間がかかる場合があり(たとえばタービンブリスク(blisk)を調べるのに15時間要する場合がある)、また、(たとえば非常に狭小または小さい孔内への)アクセスが制限される場合がある。
【0005】
時に、部品が繊細な表面コーティングまたは表面仕上げを有する場合、または部品が、接触プローブの力の下で可撓性になり、著しく移動する場合、部品との物理的接触を回避することが望ましい。この場合、光学プローブなどの非接触プローブを使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
周知の光学プローブは、平行のまたは発散する光ビームを使用して対象の表面を照らす。既存の光学プローブは、低い正確度、限定された視野、検鏡の反射によって引き起こされるアーチファクト(artefacts)、および重量または大きいサイズからの制限などに悩まされる恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、対象物の画像を撮るための画像化組立体と、対象物の方に向けられ、第1の焦点面で焦点に収束する光ビームを生成するための照明組立体とを備える光学検査プローブを提供する。
【0008】
収束ビームを提供することで、対象物の検査を助けることができることが判明している。これは、対象物内の開口部などの制限されたアクセスを有するフィーチャの場合に特に当てはまる。たとえば、本発明は、孔を検査する際に特に有用になり得るが、その理由は、穴の内面または底部の画像を得ようとするとき、孔がその中に作製された表面を照らすことを回避することができるためである。
【0009】
照明システムは、光ビームを生成するための光源を備えることができる。
【0010】
画像化組立体は、対物面からまたは対物面の近傍から光学検査プローブに向けて画像光軸に沿って反射された光を検出するように配置され得る。画像化組立体は、センサと、少なくとも1つの画像レンズを備える画像レンズ組立体とを備えることができる。光は、センサに到達する前に画像レンズ組立体を通り抜けることができる。
【0011】
光ビームは、画像化組立体の対物面の方に向けられ得る。この場合、光ビームは、対物面との交差部でまたはその前で、その焦点に収束することができる。
【0012】
光ビームの焦点は、光学検査プローブの画像光軸とほぼ一致し得る。
【0013】
光ビームは、光学検査プローブから第1の焦点面まで、照明光軸に沿って向けられ得る。照明光軸は、光学検査プローブの画像光軸とほぼ一致し得る。
【0014】
遠近歪みは、通常、光学検査プローブの画像光軸に沿って最小となり、したがって、光学検査プローブの画像光軸に沿って検出された画像から得られた測定データはどのようなものでも、光学検査プローブの画像光軸から外れて検出された画像から得られたデータよりも正確になり得る。したがって、最も正確な測定データを提供する領域を明確に画像化することができるように、光学検査プローブの画像光軸に沿って照らすことが有利になり得る。
【0015】
たとえば第1のレンズを含む少なくとも1つの光学要素が、前記光ビームを第1の焦点面でその焦点に向けるために光ビームの経路内に配置され得る。
【0016】
光ビームを第1の焦点面でその焦点に向けるための少なくとも1つの光学要素は、画像レンズ組立体内に備えられてよい。すなわち、画像レンズ組立体もまた、光ビームをその焦点に向けるように構成することができる。この場合、照明組立体および画像化組立体は、少なくとも1つの共通の光学要素を有することができる。
【0017】
本発明は、特に、検査される対象物の画像を得て、第3者システム(画像処理装置および/またはエンドユーザなど)に供給することができ、それにより、フィーチャ認識技術を画像処理中に使用して対象物に関する計測学データを得ることができるようになる光学検査プローブのタイプに関する。そのような光学検査プローブは、通常、ビデオ検査プローブまたはカメラ検査プローブと称され、本明細書では集約的に、視覚検査プローブと称される。これは、(線などの)構造化光ビームを対象物上に投影し、構造化された光の、対象物による変形を分析して測定情報を得る、知られている非接触検査プローブとは大いに異なる。
【0018】
光学検査プローブは、窓を有する筺体をさらに備えることができる。この場合、第1のレンズなどの少なくとも1つの光学要素は、光ビームを、窓を通して第1の焦点面に向けるように配置可能である。第1の焦点面は、好ましくは筺体の外側にある。前記筺体は、周辺光が画像化組立体のセンサに到達し、検出された画像を不明瞭にすることを防止することができる。
【0019】
光源は、たとえば発光ダイオード(LED)またはレーザでよい。他の知られている光源が使用されてよい。
【0020】
画像レンズ組立体は、他のレンズ組立体と取り換え可能になり得る。たとえば、異なるサイズの少なくとも2つのレンズを設けることができ、その少なくとも2つのレンズは取り換え可能である。
【0021】
たとえば、画像化される対象の部品が複数の表面を有し、その表面が、異なる画像サイズ/分解能を必要とし、および/またはプローブによるアクセスが制限されている場合、レンズを変更できることが有用になり得る。したがって、光学検査プローブは、さまざまな視野/分解能および作動距離で部品を検査することができることが有利になり得る。これは、さまざまな光学特性を備えたさまざまなレンズ組立体を使用して行うことができる。
【0022】
好ましくは、センサは、たとえば電荷結合素子(CCD)配列または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)配列などの二次元配列の画素を備える。他の知られている画像化センサが使用されてよい。
【0023】
センサは、たとえば、正方形、六角形、八角形または三角形の画素を備えることができる。センサの画素形状は、検査される対象のフィーチャの形状に応じて選択することができる。たとえば、三角形画素を備えるセンサは、四角形画素を備えるセンサによって提供された円形孔の画像より良好な分解能を有する同じ孔の画像を提供することができる。したがって、円形孔の画像を提供するために、三角形画素を有するセンサが選択され得る。
【0024】
好ましくは、画像化組立体は、データを画像の形態で処理装置に送る。
【0025】
光学検査プローブは、光ビームの経路内に配置されたビームスプリッタを備えることができる。
【0026】
ビームスプリッタは、非偏光ビームスプリッタになり得る。好ましくは、ビームスプリッタは、偏光ビームスプリッタである。ビームスプリッタが偏光ビームスプリッタである場合、偏光フィルタが、光源と前記偏光式ビームスプリッタの間に位置することができる。これは、偏光ビームスプリッタの表面からセンサ上への光ビームの誤った反射を低減することができる。あるいは、偏光式レーザなどの偏光式光源を偏光ビームスプリッタと組み合わせて使用することができる。
【0027】
光学検査プローブ内のビームスプリッタおよび/または他の光学素子の表面上に、非反射コーティングを使用することができる。これは、前記表面/光学素子からセンサ上への光ビームの誤った反射を低減することができる。
【0028】
あるいは、ビームスプリッタおよび/または他の光学構成要素の平面は、それらの法線が、前記光学構成要素の表面が光ビームをセンサ上に反射するような形で位置合わせされないように配置可能である。
【0029】
使用時、第1の焦点面は、対物面の上方にあってよい。この場合、光学検査プローブは、検査される対象の表面を見下ろしている。あるいは、光学検査プローブは、たとえばプローブに隣接する垂直表面を検査するなどの、任意の他の配向で使用されてよい。
【0030】
光学検査プローブが1つの孔を検査するために使用される場合、第1の焦点面と対物面の間の最小距離は、好ましくは、測定される対象の孔の深さの半分である。この距離がこれよりも小さい場合、光ビームの周辺光線が、孔がその中に形成された表面と交差することがある。光学検査プローブが複数の孔を検査するために使用されるとき、第1の焦点面と対物面の間の最小距離は、好ましくは、測定される対象の最深の孔の深さの半分である。
【0031】
光ビームの焦点の場所は、光学検査プローブに対して調整可能になり得る。光学検査プローブは、光ビームの焦点の場所が、対物面に対して調整可能であるように構成され得る。特に、光ビームの焦点の場所は、照明光軸に沿って調整可能になり得る。
【0032】
光ビームの焦点の場所の調整は、たとえば光源の明らかなまたは実際の光位置を調整することによって達成され得る。照明組立体は、光ビームの焦点の場所が、光学検査プローブに対して調整可能であるように可動式の光源を備えることができる。
【0033】
光源の明白な光学位置は、たとえば光学要素を使用することによって変更され得る。レンズなどの少なくとも1つの光学要素が、光ビームの経路内に設けられてよく、前記少なくとも1つの光学要素は、光ビームの焦点の場所が、光学検査プローブに対して調整可能であるように光ビームの経路に沿って移動可能である。
【0034】
光学検査プローブは、光ビームの経路内に位置決めされた適応光学要素を備えることができ、適応光学要素の光学特性は、光ビームの焦点の場所を光学検査プローブに対して変更するように変更可能である。そのような適応光学要素は、たとえば液晶レンズ、静水圧(hydrostatic)レンズ、または可変鏡でよい。適応光学要素の場所は、固定されてよい。あるいは適応光学要素は、移動可能になり得る。
【0035】
照明システムの焦点は、その調整された位置では、光学検査プローブの画像光軸とほぼ一致した状態に留めることができる。
【0036】
焦点に収束した後の光ビームは、対物面に向けて発散し、したがって光ビームは、対物面においてある領域を照らす。照らされる領域は、検査される対象の表面上の対象の領域になり得る。照らされる領域のサイズは、調整可能になり得る。これは、ビームの発散度を調整することによって達成され得る。さらにまたはあるいは、照らされる領域の位置は、調整可能になり得る。照明軸の角度は、選択的に調整可能になり得る。このようにして、照らされる領域の位置は、選択的に調整可能になり得る。
【0037】
照明組立体には、ビームのサイズを制御するための少なくとも1つの光学要素を設けることができる。光学検査プローブの光源は、それ自体、少なくとも1つの光学要素を備えることができる。あるいは少なくとも1つの光学要素は、光源の外側にあってよい。好ましくは、そのような外側の光学要素は、光源とビームスプリッタの間に位置することができる。あるいは、少なくとも1つの光学要素は、レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置することができる。光学の少なくとも1つの要素は、ビームスプリッタと画像レンズ組立体の間に位置することができる。あるいは、少なくとも1つの光学要素は、画像レンズ内に位置することができる。
【0038】
好ましくは、少なくとも1つの光学要素はアパーチャである。アパーチャは、固定サイズの単一のアパーチャでよい。前記アパーチャのサイズは、対物面における光ビームの幅を、検査される対象の孔に適合するよう限定するように選択され得る。検査される対象の孔が複数ある場合、前記アパーチャのサイズが、対物面における光ビームの幅を、検査される対象の最も狭小の孔に適合するよう限定するように選択され得ることは有利であり得る。アパーチャは、光ビームの直径を、孔の幅にまたは孔の幅よりわずかに大きくなるよう限定するように選択され得る。
【0039】
少なくとも1つの光学要素は、多様なビームサイズを提供することができる。この場合、少なくとも1つの光学要素は、可変サイズの光学要素でよい。少なくとも1つの光学要素は、可変形状の光学要素でよい。
【0040】
光学要素がアパーチャである場合、光学検査プローブには、多様なアパーチャサイズを設けることができる。アパーチャは、たとえば調整型絞りのアパーチャなどの可変サイズのアパーチャでよい。絞りアパーチャは、いくらかの離散的なアパーチャサイズで固定可能にすることができ、または連続的に調整可能になり得る。アパーチャは、光弁アパーチャなどの可変のサイズおよび形状のものでよい。したがって、好ましくは、光学検査プローブは、有効なアパーチャサイズが効果的に可変になるように構成される。
【0041】
少なくとも2つの取り換え可能な光学要素が、設けられ得る。たとえば、少なくとも2つのアパーチャが、カルーセル上に設けられ得る。
【0042】
少なくとも1つの光学要素が、固定され得る。たとえば、少なくとも1つの光学要素は、光ビームの経路に沿った固定場所に設けられ得る。
【0043】
たとえば光学要素がアパーチャであるとき、かつ、アパーチャが、光ビームの経路に沿った固定場所に設けられるとき、アパーチャのサイズを変更することにより、光ビームによって照らされる対物面の領域を変更することができる。
【0044】
少なくとも1つの光学要素は、移動可能になり得る。少なくとも1つの光学要素は、光ビームの長さに沿って移動可能になり得る。たとえば、少なくとも1つの光学要素は、光ビームの長さに沿って移動可能になり得る。この移動は、対物面における照明領域のサイズを変更することを容易にすることができる。
【0045】
少なくとも1つの光学要素は、ビーム内で移動可能になり得る。そのような移動は、急速移動になり得る。この場合、対物面における照明領域は、対物面にわたって移動させられ得る。対物面における照明領域の位置は、アパーチャなどの少なくとも1つの光学要素を、ビーム内で、対物面における表面を走査することができるように移動させることによって調整可能である。焦点面もまたこのように調整することができる。焦点は移動してもしなくてもよい。好ましくは、焦点は、光学検査プローブの画像光軸とほぼ一致した状態に留まり、一方で照明領域は対物面にわたって移動する。
【0046】
少なくとも1つの光学要素は、対物面における照明領域が、対物面にわたって移動させられるように、ビーム内で変形可能になり得る。あるいは、少なくとも1つの光学要素は、たとえば傾くまたは並進するレンズまたは鏡でよい。これらのいずれの場合も、アパーチャを追加的に設けることができる。
【0047】
画像化組立体は、対物レンズおよび対物面を備えることができる。好ましくは、画像化組立体は、対物レンズと対物面の間の距離のせいぜい100分の1の被写界深度を有する。好ましくは、画像化組立体は、対物レンズと対物面の間の距離の1000分の1以上の被写界深度を有する。
【0048】
好ましくは、画像化組立体は、せいぜい5mm、特に好ましくはせいぜい3mmの被写界深度を有する。好ましくは、画像化組立体は、20μm以上、より好ましくは40μm以上、たとえば50μm以上の被写界深度を有する。被写界深度は、画像化組立体の対物面の両側にほぼ均等に割り振ることができる。たとえば、3mmの被写界深度の場合、被写界深度は、対物面の両側で1.5mmになり得る。
【0049】
本発明の第2の態様は、光学検査機器を備える座標測定機器を提供する。
【0050】
本発明の第3の態様は、対象物のフィーチャを検査する方法であって、検査される対象のフィーチャの画像を撮るための画像化組立体と、フィーチャの方に向けられ、第1の焦点面で焦点に収束する光ビームを生成するための照明組立体とを備える光学検査プローブを利用するステップと、ビームの焦点を、光ビームが、フィーチャ上に落ちる前にその焦点に収束するように配置するステップと、対象物のフィーチャの少なくとも1つの画像を得るステップとを含む方法を提供する。
【0051】
フィーチャは、たとえば穴または孔などの対象物内の開口部になり得る。方法は、ビームの焦点を開口部のほぼ口部にまたはその前に配置するステップを含むことができる。
【0052】
本発明の第4の態様は、対象物の画像を撮るための画像化組立体と、対象物の方に向けられ、第1の焦点面で焦点に収束する光ビームを生成するための照明組立体とを備える光学検査プローブを使用して、工作物のフィーチャを検査する方法であって、方法が、(a)光学検査機器を工作物に対して位置決めするステップと、(b)フィーチャを照らし、フィーチャの画像を検出するステップとを含む方法を提供する。
【0053】
方法は、画像に対する座標データを決定する追加のステップを含むことができる。方法はまた、画像に対して画像処理を実施してフィーチャを描写する情報を取り出すステップを含むこともできる。
【0054】
光学検査機器は、視覚プローブでよい。
【0055】
好ましくは、フィーチャを描写する情報は、寸法情報を含む。
【0056】
本発明は、窓を有する筺体と、光ビームを生成するための光源と、光ビームの経路内に配置されたビームスプリッタと、ビームスプリッタによって反射された光を窓を通して筺体の外側の焦点面に向けるように配置されたレンズ組立体であって、有利には、他のレンズ組立体と取り換え可能になり得るレンズ組立体と、窓に入り、レンズおよびビームスプリッタを通り抜ける光を検出するように配置された検出器とを備える光学検査プローブをさらに提供する。
【0057】
さらに、本発明は、少なくとも1つの線形自由度および1つの角度自由度で工作物に対して位置決めすることができる光学検査プローブを用いて、工作物のフィーチャを検査する方法であって、方法は、(a)光学検査プローブを、工作物に対して複数の場所および/または配向で位置決めし、それによってフィーチャの複数の画像を撮影するステップと、(b)複数の画像に対する座標データを決定し、画像を組み合わせて合成画像を生み出すステップと、(c)合成画像上で画像処理を実施してフィーチャを描写する情報を取り出すステップとを含む方法を提供する。
【0058】
光学検査プローブは、カメラプローブでよい。
【0059】
好ましくは、ステップ(a)は、ある光の領域をフィーチャの表面上に投影するステップと、前記投影された光の領域の画像を検出するステップとを含む。
【0060】
好ましくは、フィーチャの複数の画像は重複している。
【0061】
検査装置は、複数の配向および位置で位置決めされ得る。
【0062】
複数の画像に対する座標データは、二次元または三次元で決定され得る。
【0063】
画像処理は、フィルタリングまたは類似のアルゴリズムを用いることによって良好に焦点が合わせられた画像の選択の領域を決定するステップと、カメラの歪み補正を画像に施すステップと、良好に焦点が合わせられた画像の選択のうちこれらの領域のみを備える複合画像を2Dまたは3Dで準備するステップとを含むことができる。たとえば、合成画像の明暗度値と閾値を比較し、それによって境界を決定する、知られている画像処理技術が、対象のフィーチャに関する点を検出するために使用可能である。
【0064】
好ましい実施形態では、光学検査プローブは、縁がシルエットになるように、光ビームをフィーチャの縁上に投影するように位置決めされる。
【0065】
本発明は、工作物のフィーチャの断面の複数の画像から表面情報を取り出す方法であって、画像が複数の知られている配向で撮影され、方法は、(a)基準座標系内で画像内の各画素の座標位置を決定するステップと、(b)任意選択で、鋭く焦点を合わせた画像の領域を決定するステップと、(c)基準座標系内で画像を組み合わせて、合成画像を生み出すステップと、(d)合成画像を画像処理してフィーチャの情報を取り出すステップとを含む方法をさらに提供する。
【0066】
好ましくは、フィーチャの情報は、寸法情報を含む。
【0067】
本発明は、少なくとも1つの線形自由度および1つの角度自由度で工作物に対して位置決めすることができる光学検査プローブを用いて、工作物のフィーチャを検査するための機器であって、機器が、次のステップ:(a)光学検査装置を、工作物に対して複数の場所および/または配向で位置決めし、それによってフィーチャの複数の画像を撮影するステップと、(b)複数の画像に対する座標データを決定し、画像を組み合わせて合成画像を生み出すステップと、(c)合成画像上で画像処理を実施してフィーチャを描写する情報を取り出すステップとを実施するための制御器を備える機器をさらに提供する。
【0068】
本発明は、工作物のフィーチャの断面の複数の画像から表面情報を取り出すための機器であって、画像が、複数の知られている配向で撮影され、機器は、以下のステップ:(a)基準座標系内で画像内の各画素の座標位置を決定するステップと、(b)任意選択で、鋭く焦点を合わせた画像の領域を決定するステップと、(c)基準座標系内で画像を組み合わせて合成画像を生み出すステップと、(d)合成画像を画像処理してフィーチャの情報を取り出すステップとを実施するための制御器を備える機器をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
次に、添付の図を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
【図1】連接型プローブヘッドおよびその上に装着されたカメラプローブを備えた座標測定機を示す図である。
【図2】図1に示すカメラプローブの第1の光学配置を示す図である。
【図3】図1に示すカメラプローブの第2の光学配置を示す図である。
【図4a】照明システムの焦点を変更することを可能にする、図1に示すカメラプローブの光学配置を示す図である。
【図4b】照明システムの焦点を変更することを可能にする、図1に示すカメラプローブの光学配置を示す図である。
【図4c】照明システムの焦点を変更することを可能にする、図1に示すカメラプローブの光学配置を示す図である。
【図5】異なるアパーチャサイズを組み込んだ図1のカメラプローブの光学配置を示す図である。
【図6a】同心円状の輪を有する光弁を示す図である。
【図6b】画素行列を有する光弁を示す図である。
【図7】図1に示す、光路の長さに沿って移動可能なアパーチャを有するカメラプローブの光学配置を示す図である。
【図8】図1に示す、光路の幅にわたって移動可能なアパーチャを有するカメラプローブの光学配置を示す図である。
【図9a】図1に示す、カメラプローブの別の代替的な光学配置を示す図である。
【図9b】図1に示す、カメラプローブの別の代替的な光学配置を示す図である。
【図10】カメラプローブから投影された光ビームを示す、孔を含むタービン翼の一部分を貫通する断面図である。
【図11】カメラプローブが代替的な位置にある、図10の配置を示す図である。
【図12】カメラプローブが図11の位置B’に位置決めされたときの、カメラプローブの検出器上の画像を示す図である。
【図13】カメラプローブが図11の位置Bに位置決めされたときの、カメラプローブの検出器上の画像を示す図である。
【図14】投影された光点の複数の位置を示す、図10のタービン翼の部分の上面図である。
【図15A】狭小孔を測定する際のCMMおよび連接型プローブヘッドの経路を示す図である。
【図15B】狭小孔を測定する際のCMMおよび連接型プローブヘッドの経路を示す図である。
【図16】基準座標システム内に配置された複数の画像からのデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1は、部品16をその上に装着することができるテーブル12と、テーブル12に対して、X、YおよびZに移動可能であるクイル14とを備える座標測定機(CMM)10を示している。連接型プローブヘッド18は、クイル16上に装着され、少なくとも2本の軸A1、A2の周りを回転する。カメラプローブ20は、連接型プローブヘッド18上に装着される。したがって、カメラプローブ20は、CMM10によってX、YおよびZに移動させることができ、連接型プローブヘッド18によって軸AlおよびA2の周りを回転させることができる。追加の動作が、CMMまたは連接型プローブヘッドによって提供されてよく、たとえば、連接型プローブヘッドは、カメラプローブA3の長手方向軸の周りを回転することができる。
【0071】
カメラプローブ20を所望の位置/配向まで駆動するために、CMM10および連接型プローブヘッド18内にモータ(図示せず)が設けられ、これらは、駆動信号をCMM10および連接型プローブヘッド18に送る制御器/コンピュータ22/23によって制御される。CMM10および連接型プローブヘッド18の位置は、変換器(図示せず)によって決定され、その位置は、制御器/コンピュータ22/23にフィードバックされる。
【0072】
カメラプローブ20の構造が、図2により詳細に示される。
【0073】
図2は、カメラプローブ20の内部のレイアウトを示す簡略図である。たとえば発光ダイオード(LED)などの光源24は、光ビーム29を生成し、これを第1のレンズ25、アパーチャ27に向けて、かつビームスプリッタ26上へと向ける。ビームスプリッタ26は、ビームをカメラレンズ28に向けて反射させ、カメラレンズ28は、その光を第1の焦点面33に収束させる。光は、次に、引き続きカメラプローブの対物面30に発散する。対物面30の表面から反射して戻った光は、カメラレンズ28およびビームスプリッタ26を通り抜け、通常は電荷結合素子(CCD)である検出器32によって検出される。
【0074】
このレイアウトは、「レンズを通した照明」(TTLI)と称される。検出器の対物面に関連した照明組立体の焦点面のこの配置は、穴が中に形成された部分の表面を照らすことなく、光を下方の狭小孔に向けることができるという利点を有する。これは、浅い被写界深度および深い被写界深度の両方を備えたプローブに関する利点を有する。
【0075】
この配置は、プローブが、浅い被写界深度を有し、孔がその中に形成された部分の表面が、被写界深度の外側にあり、したがって焦点から外れている場合に特に有利である。これは、被写界深度が孔の深さ未満またはこれとほぼ同じである場合になり得る。この場合、光ビーム29は、その孔が中に形成された表面上に落ちた場合、孔の側壁によってよりも前記表面によってさらにより効果的に反射されるはずである。この反射された光は、センサ上に明るい、焦点が外れた領域として現れ、対物面30における対象のフィーチャ、すなわち孔の側壁によってカメラプローブ20に戻された光を圧倒する。
【0076】
プローブが深い被写界深度を有する場合、孔がその中に形成された表面および孔の側壁/底部の両方は、焦点が合った状態になり得る。このような場合になると、表面の画像は、孔の画像よりもさらに明るくなり、したがって検出器のダイナミックレンジのより大きい比率を占有する傾向がある。このため、孔の画像品質が低下し、その結果、孔の内側の画像の部分を区別することが困難になり得る。また、対象物の前面の画像がさらに一層明るくなるため、孔の画像が、ブルーミングなどのセンサのアーチファクトによって不明瞭になるというリスクも存在する。
【0077】
図2に示す実施形態では、アパーチャ27は、固定サイズのものである。アパーチャのサイズは、対物面30におけるビーム照明領域の幅を、測定される対象の最も狭小の孔の直径に限定するように選択可能である。このようにして、孔がその中に作製された表面からの光反射は、最も狭小の孔を検査するときであっても回避することができる。
【0078】
図2に示すレイアウトの欠点は、光源24からの光の一部が、ビームスプリッタ26の正面34および側面35によって検出器32上に反射され、それによって検出器上に誤った輝点を生じさせ、それ故に対物面30における表面からの画像を不明瞭にすることである。
【0079】
図3は、検出器上に誤った輝点を生じさせるという問題を克服するカメラプローブ20の改良されたレイアウトを示している。図3に示す配置では、偏光ビームスプリッタ26aが使用され、偏光フィルタ36が、偏光した光ビームを生成するために光源24の正面に設けられる。偏光した光は、偏光ビームスプリッタ26aによってカメラレンズ28に向けて選択的に反射される。偏光ビームスプリッタ26aを通り抜けてカメラレンズ28に向かう光はいずれも、偏光ビームスプリッタ26aの前面34により、検出器32に向けて反射されて戻ることはない。どのような光であっても、偏光ビームスプリッタ26aを通り抜けて側面35に至ることもなく、そのため、反射はこの面からも発生しない。したがって、図2に示す機器に比べ、カメラ上の輝点は、低減される、または完全に除去される。図3の配置はまたは、表面によって散乱した、したがって無作為に偏光された照明だけが、カメラに戻され、その結果、測定の異常を引き起こす恐れがある検鏡の反射が取り除かれるという利点も有する。
【0080】
検出器32は、二次元の画素化検出器である。たとえば相補型金属酸化膜半導体(CMOS)配列などのCCD以外の検出器が使用可能である。検出器の中心などの基準点に対する各画素のXおよびYの位置は、較正から知られ、したがって検出された画像の、基準位置に対する位置を決定することができる。
【0081】
カメラレンズ28は、カメラプローブ20に浅い被写界深度、たとえば±20μmを与えるように選択される。表面が焦点を合わせて検出される場合、検出器からのその距離は、被写界深度に対応する範囲内まで知られる。したがって浅い被写界深度は、焦点を合わせた表面の位置を小範囲内まで決定できることを意味する。したがって表面の位置は、使用される被写界深度が浅いほど、より正確に決定することができる。
【0082】
本発明のカメラプローブ20は、従来の手段では測定できない狭小の孔を測定するのに特に適している。1つのそのような用途は、空気膜冷却のためのタービン翼に設けられた狭小の孔である。これらの孔は、通常、300μmから2mmの直径を有し、従来の手段ではアクセスすることができない。
【0083】
図4a、b、およびcは、照明システムの焦点を変更することを可能にする、図1に示すカメラプローブの光学配置を示している。照明システムの焦点を変更することにより、照明システムによって対物面における照らされる領域を変更することができる。
【0084】
図4aは、移動可能な光源を有する光学配置を示している。光源24は、第1の位置24aと第2の位置24bの間で、光ビーム29の経路に沿って移動可能である。
【0085】
第1の位置24aでは、光29aの第1のビームが、カメラレンズ28によって第1の焦点300aに収束される。第1の焦点300aは、カメラ対物面30の上方の第1の焦点面33a上にある。第1の光ビーム29aは、第1の焦点300aからカメラ対物面30に向けて発散する。第1の光ビーム29aは、カメラ対物面30に到達したとき、直径aの第1の領域を照らす。
【0086】
第2の位置24bでは、光29bの第2のビームが、カメラレンズ28によって第2の焦点300bに収束される。第2の焦点300bは、カメラ対物面30の上方の、第2の焦点面33b上にある。第2の光ビーム29bは、第2の焦点300bからカメラ対物面30に向けて発散する。第2の光ビーム29bは、カメラ対物面30に到達したとき、直径bの第2の領域を照らす。
【0087】
焦点300a、bの場所は、カメラレンズ28の特性および光源24a、bとカメラレンズ28の間の距離によって決定される。照明領域の直径a、bは、光ビーム29aの発散度および焦点300a、bとカメラ対物面30の間の距離によって決定される。
【0088】
光源24とカメラレンズ28の間の距離を変更することにより、照明領域の直径a、bは、したがって、異なる直径の内部の孔を照らすのに適するように調整可能である。この実施形態では、光源24がカメラレンズ28により近づくと、照明領域の直径はより小さくなる。
【0089】
図4bは、光源24とカメラレンズ28の間に補助レンズ25を有する光学配置を示している。この補助レンズ25は、光ビーム29の経路に沿って、第1の位置25cと第2の位置25dの間を移動することができる。
【0090】
図4aのときのように、カメラレンズ28は、光ビーム29c、dをカメラ対物面30の上方の焦点300c、dに収束させ、その後光ビーム29c、dは、カメラ対物面30に向けて発散する。光ビーム29c、dは、カメラ対物面30に到達したとき、直径c、dの領域を照らす。
【0091】
補助レンズ25の位置の変化により、光ビーム29の発散が変化し、故に光源24の明らかな光学位置24c、dが変化する。これらの要因の両方が、照明領域c、dの直径に影響を及ぼす。したがって、照明領域のサイズは、レンズ25を光ビームの経路に沿って移動させることによって調整することができる。それ故に、機器は、さまざまな直径の孔との使用に適合させることができる。
【0092】
図4cは、光ビーム29の経路内に位置決めされた適応光学要素250を有する光学配置を示している。適応光学要素は、たとえば液体レンズ、液晶レンズ、静水圧レンズまたは可変鏡でよい。
【0093】
制御信号251が、適応光学要素250の光学特性を変更するために使用される。これは、カメラレンズ28の前の光ビーム29e、fの発散を調整することによって、光源24の明らかな光学位置24e、fを変更する。レンズの場所ではなく適応光学素子250の光学特性を変更することにより、(システムが最初に良好に位置合わせされている条件で)光ビーム29がシステムの光軸から外れて移動するというリスクが少なくなる。
【0094】
図5は、異なるアパーチャサイズを組み込んだ図1のカメラプローブの光学配置を示している。図2に示すアパーチャ27は、対物面にある光ビームを、検査される対象の最も狭小の孔に適したサイズに合わせて狭くするように選択された固定サイズを有する。その結果、それより大きい直径の孔は、単一の画像では測定することができない。その代わり、それより大きい孔を測定するには、カメラシステムは、孔周りの光ビーム29を走査するように移動して、孔の複数の画像を撮影しなければならない。次いで、これらの複数の画像は、組み合わせられて孔の複合画像を形成する。
【0095】
この問題を克服するために、絞りアパーチャ270などの複数のアパーチャ直径が、対物面30の照明領域をさまざまな孔サイズに適合させるように調整できるように機器内に設けられ得る。
【0096】
図5は、詳細には、光ビーム29の経路内に装着された機械的に可変のリーフ絞りアパーチャ270を詳細に示している。絞りアパーチャ270は、光ビーム29の直径の直径を、最少直径と最大直径の間で可変にすることを可能にする。アパーチャ270がその最少の直径に設定されたとき、第1の光ビーム29mは、アパーチャ270を通り抜けることができ、対物面30において直径mの領域を照らす。アパーチャ270がその最大直径aに設定されるとき、第2の光ビーム29nは、アパーチャ270を通り抜けることができ、対物面30において直径nの領域を照らす。したがって、絞りアパーチャ270の直径を調整することによって、対物面における照明領域の直径を調整することができる。この配置は、検査される対象の孔の直径の種類が多い場合に有用である。
【0097】
図5の光学配置では、光ビーム29の焦点300は、画像化システムの対物面30の上方の固定距離Xのところにある。対物面30の上方の光ビームの焦点面33の距離Xは、カメラプローブによって測定される対象の最深の孔の深さの少なくとも半分である。距離Xがこれよりも小さい場合、光ビーム29の周辺光線が、検査下の孔がその中に形成された部分の表面と交差することがある。これは、前に論じたように、画像の感知に関する問題を引き起こす恐れがある。
【0098】
検査する孔直径が限定数だけであることが知られている場合、対物面30における光ビーム29の照明領域は、いくらかの離散的な直径を有するだけでよい。これは、機器に、カルーセルまたはディスク(図示せず)などの移動式組立体上に装着された複数のアパーチャを設けることによって達成可能である。このとき、カメラプローブによって検査される対象の孔ごとに、適切に寸法設定されたアパーチャを選択することができる。
【0099】
カルーセル上の固定されたアパーチャのいずれにも合致しない孔を測定しなければならない場合には、大きすぎない、最も近い適合のアパーチャが選択される。次いで、カメラは、図2に示す固定されたアパーチャ配置と同じ方法で光ビームを走査するように移動する必要がある。
【0100】
さまざまな寸法設定されたアパーチャを提供するための別の方法は、透過型液晶配列および反射型液晶配列、シリコン上液晶配列、マイクロ電気機械配列(MEM)または他の光弁技術などの光弁を用いるものである。光弁では、TTLIビームの直径は、電子的に可変になり得る。光弁は、本明細書で説明した他の可変のアパーチャ配置のように光源とカメラレンズの間に置かれ得る。制御信号が、光弁、故に光ビームの特性を改変するために使用される。
【0101】
図6aは、複数の同心円状の輪602、604を有する光弁600を示している。制御信号は、一部の輪を不透明602にするために使用される。不透明な輪602の数により、光弁600を通り抜けることができる光ビームの直径が制御される。
【0102】
図6bは、画素612、614の行列を有する代替的な光弁610を示している。ここでは、制御信号は、一部の画素を不透明612にするために使用される。不透明な画素612の数および位置により、光弁を通り抜けることができる光ビームの直径および形状が制御される。アパーチャの形状およびアパーチャのサイズが変更可能であるため、一部の非円形の孔を、孔にわたって光ビームを走査する必要無く、測定することができるようになる。
【0103】
図6bの光弁610に示す画素は、正方形の画素である。円形またはほぼ円形の孔の場合、たとえば六角形または三角形の画素の配列を使用することが利点になり得る。
【0104】
図7は、光路29に沿って移動可能なアパーチャ271を有する、図1に示したカメラプローブの光学配置を示している。固定直径のアパーチャ271が、発散しているまたは収束している光ビーム29の領域内に置かれる。アパーチャ271を第1のアパーチャ位置271gから第2のアパーチャ位置271hまで、光ビーム29の長さに沿って移動させることにより、光ビーム29がカメラレンズ28を通り抜けるときの光ビーム29の発散が、(第1の光ビーム29gから第2の光ビーム29hに)制限される。さらに、これは、カメラ対物面30における光ビームの照明領域の直径を制御して、照明される領域を第1の直径gから第2の直径hまで制限する。したがって、対物面の光ビーム29の照明領域の直径を(最大と最小の間で)可変にすることを達成することが可能になる。
【0105】
図8は、光ビーム29の経路内にアパーチャ272などの光学要素を有する、図1に示すカメラプローブの光学配置を示している。アパーチャ272は、光ビーム29をすばやく通り抜けるように移動され(傾けられまたは並進され)、光ビーム29は、アパーチャ272で反射する、またはアパーチャ272を通り抜ける。光ビームがアパーチャ272を通り抜ける場合、これは、光路に沿ってビームスプリッタ26まで続き、カメラレンズ28を通って対物面30に向かうようにビームスプリッタ26によって反射される。
【0106】
第1のアパーチャ位置272jでは、光ビーム29jは、アパーチャ272を通り抜け、対物面で領域jを照らす。アパーチャは、第2のアパーチャ位置272kにすばやく移動され、ここでは、光ビーム272kは、アパーチャ272を通り抜け、対物面において領域kを照らす。アパーチャ272が光ビームをすばやく通り抜けるように移動されるとき、対物面の照明の領域は、カメラプローブの積分時間中、孔全体が何らかの照明を受けるように、対物面30にわたって移動または走査する。
【0107】
走査動作は、孔の予想された形状をたどることができる。あるいは、ラスター走査を固定経路に沿って実施することができ、そのような経路は、たとえば矩形またはらせん状の運動曲線(sweep)でよい。ラスター走査の場合、光源は、ビームが孔の側壁を照らすための所定の位置(または孔の側壁が照らされやすいところ)にあるときにだけ電源を入れることができる。
【0108】
走査要素および光ビーム29内の他の光学素子の設計は、光ビーム29g、hの焦点300g、hが、ビームが移動するときに移動しないようなものである。その結果、ビーム29g、hは、焦点300g、hの周りを枢動するようになり、したがって孔がその中に作製された表面を不注意に照らす可能性を最小限に抑える。
【0109】
あるいは、焦点300g、hが、走査プロセス中に移動してよいことが理解されよう。
【0110】
図9aおよびbは、さらに、図1に示すカメラプローブの代替的な光学配置を示している。カメラのレンズ組立体、したがってカメラプローブは、複数のレンズを備えることができることが理解されよう。さらに、カメラレンズは、他の光学要素を備えることができる。また、光源がある領域を照らすこと、およびその領域の画像を得ることを可能にするために、カメラおよびカメラプローブ内に光学要素を配置するための多くの方法が存在することも理解されよう。本出願で説明した実施形態は、そのような配置の例として与えられる。
【0111】
図9aの配置では、照明組立体240は、その光学要素(図示せず)と共に、カメラレンズ組立体280の正面に設けられる。カメラレンズ組立体280は、2つのレンズ、すなわち第1のレンズ280aおよび第2のレンズ280bを備える。カメラプローブは、対物面30においてまたはカメラプローブの視野内で表面の画像を撮ることができるように配置される。
【0112】
照明組立体240は、光ビーム290を生成する光源(図示せず)を備え、照明組立体内の光学要素(図示せず)は、光ビーム290を第1の焦点面330で焦点300Xに収束させる。光は、次に、引き続きカメラプローブの対物面30に向けて発散する。対物面30の表面から反射されて戻った光は、第1のレンズ280aおよび第2のレンズ280bを通り抜け、検出器センサ32によって検出される。
【0113】
図9aの実施形態では、カメラレンズ組立体に対する照明組立体のこの配置は、表面から反射された一部の光が検出器センサ32に到達できないという結果をもたらし得るが、これは、得られた画像の品質を必ずしも損なうものではない。この特定の配置は、照明組立体の幅、したがって光ビームが照明組立体を出るときのその直径に制限を設ける。照明組立体の幅が広いほど、検出器センサ32によって感知された画像の不明瞭度が大きくなる。
【0114】
図9bは、カメラプローブの別の可能な光学配置を示している。ここでは、光源24は、カメラプローブの画像化経路から外れて設けられる。ビームスプリッタ26が、光ビーム290を光源から対物面30に向けるためにレンズ組立体内に設けられる。慎重に配置した状態では、ビームスプリッタが、カメラプローブの画像化経路を不明瞭にしなくなることが可能である。たとえば回転鏡を、ビームスプリッタの代わりに使用できることが理解されよう。
【0115】
狭小孔を測定する1つの適切な方法を、図10〜15を参照して説明する。
【0116】
第1のステップでは、カメラプローブは、光点が対象のフィーチャの表面上に入射するように、CMMもしくは連接型プローブヘッド、またはその2つの組合せによって位置決めされる。図10は、狭小孔40を含むタービン翼38の一部分の断面を示している。狭小孔40は、上部42および底部44の表面にその最大直径が存在し、その直径が中央の喉部、または最小直径の計測部46に向けて減寸する状態で描かれている。
【0117】
計測部46を測定するために、カメラプローブは、光点を計測部の表面上に投影するように位置決めされる。カメラプローブの位置および配向を選択する上でいくつかの考慮事項が存在する。光点の投影および画像の検出を可能にするために、照準線が維持されなければならない。光路は、好ましくは、できるだけ対象の平面に垂直になるように位置決めされるが、その理由は、これにより、表面のより広い領域が焦点を合わせた状態に保たれ、最大レベルの照明がカメラに戻されることが実現されるためである。これは、浅い被写界深度に起因する重要な考慮事項である。
【0118】
カメラプローブの位置および配向はまた、その光点を対象のフィーチャの縁にシルエットになるように位置決めするように選択される。これを行うことにより、縁(明)と穴(暗)の間に明確な線が生み出され、それによって画像処理が簡略化される。しかし、縁をシルエットにする経路を選択することにより、光路を対象の平面に対して垂直に保つことができなくなる可能性がある。プローブの位置および配向に関する別の重要な考慮事項は、TTLIが、孔がその中に形成された表面を抜き出さないことを確実にすることである。TTLIをカメラの焦点面の上方に焦点合わせすることにより、TTLIの直径が、孔が表面を突き破るところで最少になることが実現される。TTLI焦点面とカメラ焦点面の間の最適な距離は、検査される対象の孔の最小の孔サイズおよび最大長さと直径の比から決定することができる。
【0119】
図10の配置では、照準線、および計測部の縁をシルエットにすることを必要とすることにより、光路が、その最適位置から表面法線に沿って離れるように位置するようになる。
【0120】
図10は、位置Aに位置決めされたカメラプローブを示している。この位置では、照準線が存在し、計測部の縁はシルエットにされる。しかし、光路は、表面法線に対してほとんど垂直であるので、戻される照明が非常に少なくなり、焦点面内の表面領域が非常に小さくなる。
【0121】
図11は、位置Bに位置決めされたカメラプローブを示している。この位置では、照準線が存在し、光路は、表面法線により近くなる。しかし、計測部の縁は、シルエットでなく、これは、画像処理を難しくする。位置B’では、カメラプローブは、計測部の底縁を測定するために下方に移動されている。照準線が存在するこのとき、縁はシルエットになり、光路は、表面法線により近くなる。
【0122】
図12は、カメラプローブが位置B’にあるときに検出器上で受け取られた画像48を示している。画像は、計測部表面から反射された光に対応する三日月形形状の明るい領域50、および光が穴を通り抜けたところの暗いセグメント52を示している。光と暗の間に、縁に対応する明確な境界53を見ることができる。
【0123】
図13は、カメラプローブが位置Bにあったときに検出器上で受け取られた画像54を示している。縁は、シルエットにされなかったので、異なる表面に対応する画像56、58の部分は明確に区別されず、これらの間の境界60は、それほど良好に画定されていない。
【0124】
カメラプローブは、フィーチャの範囲を網羅する一連の画像を撮影するように移動される。
【0125】
図14は、図10に示すタービン翼38の上面を示し、狭小孔40のネック部42および計測部46を示している。計測部の拡大された領域50は、計測部の縁上に入射する一連の光点48を示している。各光点は、縁をシルエットにする。
【0126】
カメラプローブは、CMM、連接型プローブヘッドまたはその両方を移動させることによって各々の新しい位置に移動させることができる。
【0127】
CMMの動作とプローブヘッドの動作を組み合わせると、シルエットを生み出すのに必要とされるカメラプローブの角度に対してさらなる制御を生み出すという利点が得られる。通常、カメラプローブは、CMMを移動させて対象の縁をシルエットにし、次いで連接型プローブヘッドを回転させて光点を孔55の中央線から径方向に位置決めすることによって各画像を撮影するように位置決めされ得る。たとえば、CMMは、円形経路で移動することができ、一方で連接型プローブヘッドは、そのA1軸周りで回転する。
【0128】
CMM/連接型プローブヘッドがたどる経路は、CADモデルから得られる、知られている経路でよい。
【0129】
図15Aおよび15Bは、孔の中央線59の周りの円形経路56内で移動するCMMクイル14、およびA1軸の周りで回転してカメラプローブ20から発する光ビーム58を所望の方向に位置決めする連接型プローブヘッド18を示している。
【0130】
理想的には、画像は、検出された光点の間の重複が存在するように撮影され、これは画像処理をより容易にする。
【0131】
カメラプローブがこの方法の間中回転するとき、孔などのフィーチャ周りで画像が撮影され、画像は、XY平面内のさまざまな角度で存在している。これは、連接型プローブヘッドの動作によるものである。
【0132】
前に述べたように、画素のXY位置は、カメラプローブの較正によって知られる。反射点は、名目上プローブの光軸に沿ったものであることが知られている。カメラプローブの位置は、CMMおよび連接型プローブヘッドの座標によって空間的に知られる。したがって、各画素のCMM基準座標系内でX、Y、Z位置を決定することができる。それ故に、画像ごとに各画素の座標を決定することによって、各画像を一緒に繋ぎ合わせることができる。
【0133】
合成画像を生み出すために、未処理の画像を一緒に繋ぎ合わせることができる。点が重複するところでは、連続的に繋ぎ合わせられた画像を生み出すことができ、アルゴリズムを利用して対象の全体領域を繋ぎ合わせることができる。光点が重複していないところでは、画像は、点照明が存在したところしか生み出すことができず、したがって、不完全な絵が生み出される。
【0134】
図16は、基準座標システム内に配置されたXY平面内で撮影された画像60〜64の組を示している。画像は重複しており、互いに対して角度付けられている。
【0135】
カメラプローブまたはフィーチャは、画像がXY平面内に存在しないように互いに対して角度付けされてよい。この場合、ボクセル(vocsel)(3D画素)のマップを生み出すことによって、同じ技術を使用することができる。各ボクセルは、知られている画素位置から得られたX、Y座標と、プローブヘッドに対する焦点面の位置および配向から知られるZ座標を有する。Z座標内の誤差範囲は、X、Y座標内の誤差範囲より大きくなり、それによってボクセルが矩形にされる。
【0136】
個々の画像が一緒に繋ぎ合わされて合成画像が形成される。画像間に重複が存在する場合、明暗度を(たとえば明暗度に対して数値をまず割り当てることによって)合計することができる。これにより、明るい領域がより明るくなり、暗い領域はより暗くなり、したがってコントラストが改善される。
【0137】
画像が一緒に繋ぎ合わされて合成画像が生み出された時点で、知られている画像処理技術が、対象のフィーチャ上の点を検出するために使用される(たとえば、画像分析技術が、明領域と暗領域の間の境界を決定するために使用される)。たとえば「正方形を合わせる」アルゴリズムを用いることによって。明暗度の閾値が、境界を決定するために使用され得る。境界が決定された時点で、フィーチャのパラメータは、境界を3D空間内のデータ点として扱うことによって決定され得る。図16では、高い明暗度と低い明暗度の領域の間の境界68が示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の画像を撮るための画像化組立体と、
前記対象物の方に向けられ、第1の焦点面で焦点に収束する光ビームを生成するための照明組立体と
を備えることを特徴とする光学検査プローブ。
【請求項2】
前記光ビームは、前記画像化組立体の対物面の方に向けられ、前記光ビームは、前記対物面との交差部におけるまたは前記対物面との交差部の前の前記光ビームの焦点に収束することを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の光学検査プローブ。
【請求項3】
前記光ビームの前記焦点は、前記光学検査プローブの画像光軸とほぼ一致することを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の光学検査プローブ。
【請求項4】
前記光ビームは、前記光学検査プローブから前記第1の焦点面まで、照明光軸に沿って向けられ、前記照明光軸は、前記光学検査プローブの画像光軸とほぼ一致していることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の光学検査プローブ。
【請求項5】
前記光ビームの前記焦点の場所は、前記光学検査プローブに対して調整可能であることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の光学検査プローブ。
【請求項6】
前記照明組立体は、移動可能な光源を備え、それにより、前記光ビームの前記焦点の前記場所が、前記光学検査プローブに対して調整可能であることを特徴とする請求項5に記載の光学検査プローブ。
【請求項7】
前記光ビームの前記経路内に少なくとも1つのレンズをさらに備え、前記少なくとも1つのレンズは、前記光ビームの前記経路に沿って移動可能であり、それにより、前記光ビームの前記焦点の前記場所が、前記光学検査プローブに対して調整可能であることを特徴とする請求項5または6に記載の光学検査プローブ。
【請求項8】
前記光ビームの前記経路内に位置決めされた適応光学要素をさらに備え、前記適応光学要素の光学特性は、変更可能であり、その結果、前記光ビームの前記焦点の前記場所を前記光学検査プローブに対して変更することを特徴とする請求項5から9のいずれかに記載の光学検査プローブ。
【請求項9】
前記焦点は、その調整された位置で、前記光学検査プローブの画像光軸とほぼ一致した状態に留まることを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の光学検査プローブ。
【請求項10】
前記光ビームは、前記光ビームの焦点から発散し、前記光ビームの前記発散は、選択的に調整可能であるように構成されることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の光学検査プローブ。
【請求項11】
前記光ビームは、前記光ビームの焦点から発散して前記画像化組立体の対物面の照明領域を照らし、前記照らされた領域の前記位置は、選択的に調整可能であるように構成されることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の光学検査プローブ。
【請求項12】
前記照明組立体には、前記ビームのサイズを制御するための少なくとも1つの光学要素が設けられることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の光学検査プローブ。
【請求項13】
前記機器には、多様なビームサイズを提供するための少なくとも1つの光学要素が設けられることを特徴とする請求項12に記載の光学検査プローブ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの光学要素は、可変サイズの光学要素であることを特徴とする請求項13に記載の光学検査プローブ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの光学要素は、可変形状の光学要素であることを特徴とする請求項13から14のいずれかに記載の光学検査プローブ。
【請求項16】
少なくとも2つの取り換え可能な光学要素が設けられることを特徴とする請求項13から15のいずれかに記載の光学検査プローブ。
【請求項17】
前記少なくとも1つの光学要素は、移動可能であることを特徴とする請求項12から16のいずれかに記載の光学検査プローブ。
【請求項18】
前記少なくとも1つの光学要素は、前記光ビームの長さに沿って移動可能であることを特徴とする請求項17に記載の光学検査プローブ。
【請求項19】
前記少なくとも1つの光学要素は、前記ビーム内で移動可能であることを特徴とする請求項17に記載の光学検査プローブ。
【請求項20】
前記少なくとも1つの光学要素は、アパーチャであることを特徴とする請求項12から19のいずれかに記載の光学検査プローブ。
【請求項21】
前記光学検査プローブは、視覚プローブであることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の光学検査プローブ。
【請求項22】
前記画像化組立体は、対物レンズおよび対物面を備え、前記画像化組立体は、前記対物レンズと対物面の間の距離のせいぜい100分の1の被写界深度を有することを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の光学検査プローブ。
【請求項23】
前記画像化組立体は、せいぜい3mmの被写界深度を有することを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の光学検査プローブ。
【請求項24】
対象物のフィーチャを検査する方法であって、
検査される対象の前記フィーチャの画像を撮るための画像化組立体と、前記フィーチャの方に向けられ、第1の焦点面で焦点に収束する光ビームを生成するための照明組立体とを備える光学検査プローブを利用するステップと、
前記ビームの前記焦点を、前記光ビームが、前記フィーチャ上に落ちる前に前記光ビームの焦点に収束するように配置するステップと、
前記対象物の前記フィーチャの少なくとも1つの画像を得るステップと
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【公表番号】特表2011−526375(P2011−526375A)
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510042(P2011−510042)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【国際出願番号】PCT/GB2009/001260
【国際公開番号】WO2009/141606
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(391002306)レニショウ パブリック リミテッド カンパニー (166)
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】