説明

光導波路素子

【課題】
光導波路素子の多機能化や高機能化を実現でき、しかも製品の生産性を改善し、さらには光導波路素子の動作特性の劣化を抑制することが可能な光導波路素子を提供すること。
【解決手段】
厚みが20μm以下の薄板1と、該薄板に少なくとも一つの光導波路2が形成された光導波路素子において、該薄板が支持基板5に接着剤4を介して接着固定されており、該薄板の該支持基板に接着固定された面上に、該薄板及び該接着剤より屈折率の高い膜が、該光導波路の少なくとも一部に接して又は近接して装荷されていることを特徴とする。
好ましくは、該薄板が、非線形光学効果又は電気光学効果を有する材料で形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導波路素子に関し、特に、厚みが20μm以下の薄板を使用し、該薄板に少なくとも一つの光導波路が形成された光導波路素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光通信分野や光測定分野において、電気光学効果などを有する基板上に光導波路や変調電極を形成した光導波路素子が多用されている。
特に、マルチメディアの発展に伴い情報伝達量も増加傾向にあり、光変調周波数の広帯域化が求められている。これを実現する手段として、LN変調器等による外部変調方式が提供されている。しかし、LN変調器の広帯域の実現には、変調信号であるマイクロ波と光波との速度整合、及び駆動電圧の低減を図る必要がある。
【0003】
前記課題の解決手段として、従来より基板の厚みを薄くすることにより、マイクロ波と光波の速度との速度整合条件を満足させ、且つ駆動電圧の低減を同時に図ることが知られている。
以下の特許文献1又は2においては、30μm以下の厚みを有する薄い基板(以下、「第1基板」という。)に、光導波路並びに変調電極を組み込み、第1基板より誘電率の低い他の基板(以下、「第2基板」という。)を接合し、マイクロ波に対する実効屈折率を下げ、マイクロ波と光波との速度整合を図り且つ基板の機械的強度を維持することが行われている。
【特許文献1】特開昭64−18121号公報
【特許文献2】特開2003−215519号公報
【0004】
特許文献1又は2では、主に、第1基板にはLiNbO(以下、「LN」という。)が利用され、第2基板には、石英、ガラス、アルミナなどLNより低誘電率の材料が使用されている。これらの材料の組合せでは、線膨張係数の違いにより、温度変化に伴う温度ドリフトやDCドリフトが発生することとなる。特許文献2においては、このような不具合を除去するため、第1基板と第2基板との接合を、第1基板に近い線膨張係数を有する接着剤を利用して行うことも開示されている。
【0005】
他方、光導波路素子には、上述した光変調器として利用するものに限らず、回折格子や可変波長フィルタとして利用するなど多機能化が求められており、更には、複数の光導波路素子を組合わせた光集積回路や、光導波路素子の光制御状態をモニタするなど高機能化も求められている。
例えば、可変波長フィルタなどにおいては、光導波路素子に光導波路や電極を配置するだけで無く、特許文献3又は4に示すように、光導波路に沿って周期的に変化する屈折率分布を形成するため、酸化チタン膜や凹凸を光導波路上に形成する必要がある。
【特許文献3】特開平5−88123号公報
【特許文献4】特開平5−264809号公報
【0006】
また、光集積回路では、基板の端部付近で光導波路を折り返す必要があり、このため基板端面にグリーンレンズなどの反射手段を配置したり、また、光導波路素子の内部を伝搬する光波をモニタするために、モニタ用の光導波路や方向性結合器などを組み込む必要がある。
このように、光導波路素子の多機能化や高機能化を実現するためには、光導波路素子に組み込まれる光導波路や電極、さらには多様な膜体や凹凸形状などが増加し、光導波路素子自体が複雑化する。しかも、仮に上述したような薄板にこれらを形成することとなると、薄板とこれらの各部材との熱膨張係数などの違いや、薄板自体の複雑な形状による機械的あるいは熱的な応力歪みにより、薄板が容易に破損し、製品の歩留まりが低下したり、薄板に不必要な応力が印加され光導波路素子の動作特性が劣化するなどの不具合を生じることとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、上述した問題を解決し、光導波路素子の多機能化や高機能化を実現でき、しかも製品の生産性を改善し、さらには光導波路素子の動作特性の劣化を抑制することが可能な光導波路素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明では、厚みが20μm以下の薄板と、該薄板に少なくとも一つの光導波路が形成された光導波路素子において、該薄板が支持基板に接着剤を介して接着固定されており、該薄板の該支持基板に接着固定された面上に、該薄板及び該接着剤より屈折率の高い膜が、該光導波路の少なくとも一部に接して又は近接して装荷されていることを特徴とする。
なお、本発明において「面上」とは、薄板自体の表面を意味するだけ無く、薄板上にSiO膜などのバッファ層を形成した後の表面も含むものである。
また、本発明において「接して」とは、直接的に接触している状態を意味するだけでなく、バッファ層などを介在させて間接的に接触している状態も含むものである。
【0009】
請求項2に係る発明では、請求項1に記載の光導波路素子において、該薄板が、非線形光学効果又は電気光学効果を有する材料で形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、請求項1又は2に記載の光導波路素子において、該薄板の支持基板に接着固定されていない面上に、該光導波路を伝搬する光の強度、波面、又は位相を制御するための電極又はヒーターを形成することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明では、請求項1乃至3のいずれかに記載の光導波路素子において、該屈折率の高い膜が、該光導波路の導波方向に対して周期的に離間して形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明では、請求項3に記載の光導波路素子において、該屈折率の高い膜が形成された該光導波路からの散乱光、又は該屈折率の高い膜により該光導波路を伝搬する光の一部を導出した導出光のいずれかを検出する光検出手段と、該光検出手段により検出された光量に基づいて、該電極に印加する電圧又は電流を制御する制御手段とを有し、該光導波路を伝搬する光の強度、波面、又は位相を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明では、請求項1乃至3のいずれかに記載の光導波路素子において、該屈折率の高い膜が、ストリップライン状に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明により、厚みが20μm以下の薄板と、該薄板に少なくとも一つの光導波路が形成された光導波路素子において、該薄板が支持基板に接着剤を介して接着固定されており、該薄板の該支持基板に接着固定された面上に、該薄板及び該接着剤より屈折率の高い膜(以下、「高屈折率膜」という。)が、該光導波路の少なくとも一部に接して又は近接して装荷されているため、該高屈折率膜を利用して光導波路や回折格子など多様な部材を構成することが可能となると共に、薄板の両面に各種部材を分散配することも可能となるため、光導波路素子の多機能化や高機能化が容易に実現できる。しかも、薄板に対し、機械的又は熱的な応力が局所的に集中するのも抑制できるため、薄板の破損や光導波路素子の動作特性の変化を防止でき、生産性に優れ、動作特性の安定した光導波路素子を提供することが可能となる。
【0015】
請求項2に係る発明により、薄板が、非線形光学効果又は電気光学効果を有する材料で形成されているため、光高調波発生器、光変調器、可変波長フィルタ、または光スイッチなど多様な光導波路素子を提供することが可能となる。
【0016】
請求項3に係る発明により、薄板の支持基板に接着固定されていない面上に、光導波路を伝搬する光の強度、波面、又は位相を制御するための電極又はヒーターを形成するため、光高調波発生器、光変調器、可変波長フィルタ、または光スイッチなど多様な光導波路素子を提供することが可能となる。
【0017】
請求項4に係る発明により、屈折率の高い膜が、光導波路の導波方向に対して周期的に離間して形成されているため、高屈折率膜が回折格子として機能することが可能となり、波長フィルタなどの光導波路素子を得ることが可能となる。
【0018】
請求項5に係る発明により、屈折率の高い膜が形成された光導波路からの散乱光、又は該屈折率の高い膜により該光導波路を伝搬する光の一部を導出した導出光のいずれかを検出する光検出手段と、該光検出手段により検出された光量に基づいて、該電極に印加する電圧又は電流を制御する制御手段とを有し、該光導波路を伝搬する光の強度、波面、又は位相を制御するため、光導波路素子の内部を伝搬する光波をモニタし、光導波路素子の駆動状態を制御することができる、高機能な光導波路素子を提供することが可能となる。
【0019】
請求項6に係る発明により、屈折率の高い膜が、ストリップライン状に形成されているため、高屈折率膜を光導波路として利用することが可能となり、光集積回路の折り返し導波路などとして利用することにより、高機能な光導波路素子を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明について好適例を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の光導波路素子に係る実施例を示す。図1は、光変調素子の断面図であり、電気光学効果又は非線形光学効果を有する材料で形成された厚さ20μm以下の薄板1と、該薄板の表面に形成された光導波路2と、該薄板の表面に形成され、該光導波路内を通過する光を制御するための制御電極3とを含む光変調素子である。なお、光導波路2は、薄板1の裏面に形成しても良いし、光導波路素子の種類によっては、該制御電極3の代わりにヒーターを用いることも可能である。
薄板1には、支持基板5が接着剤4を介して接合されている。
【0021】
光導波路2の形成方法としては、Tiなどを熱拡散法やプロトン交換法などで基板表面に拡散させることにより形成することができる。また、特許文献5のように薄板1の表面に光導波路の形状に合わせてリッジを形成し、光導波路を構成することも可能である。
信号電極や接地電極、あるいはDC電極などの制御電極3は、Ti・Auの電極パターンの形成及び金メッキ方法などにより形成することが可能である。さらに、必要に応じて光導波路形成後の基板表面に誘電体SiO等のバッファ層(不図示)を設け、バッファ層の上に制御電極を形成することも可能である。
【特許文献5】特開平6−289341号公報
【0022】
電気光学効果を有する材料としては、例えば、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、PLZT(ジルコン酸チタン酸鉛ランタン)、及び石英系の材料及びこれらの組み合わせが利用可能である。特に、電気光学効果の高いニオブ酸リチウム(LN)結晶が好適に利用される。
また、非線形光学効果を有する材料としては、例えば、ADP(燐酸ニ水素アンモニウム)、BaNaNb15(ニオブ酸バリウム・ナトリウム)、CdSe(セレンカドミウム)、KDP(燐酸二水素カリウム)、LiNbO(ニオブ酸リチウム)、Se(セレン)、Te(テルル)などがある。
【0023】
光変調素子を含む薄板1の製造方法は、数百μmの厚さを有する基板に上述した光導波路を形成し、基板の裏面を研磨して、20μm以下の厚みを有する薄板を作成する。その後薄板の表面に変調電極を作り込む。また、光導波路や変調電極などの作り込みを行った後に、基板の裏面を研磨することも可能である。なお、光導波路形成時の熱的衝撃や各種処理時の薄膜の取り扱いによる機械的衝撃などが加わると、薄板が破損する危険性もあるため、これらの熱的又は機械的衝撃が加わり易い工程は、基板を研磨して薄板化する前に行うことが好ましい。
【0024】
支持基板5に使用される材料としては、種々のものが利用可能であり、例えば、薄板と同様の材料を使用する他に、石英、ガラス、アルミナなどのように薄板より低誘電率の材料を使用したり、上記特許文献4のように薄板と異なる結晶方位を有する材料を使用することも可能である。ただし、線膨張係数が薄板と同等である材料を選定することが、温度変化に対する光変調素子の変調特性を安定させる上で好ましい。仮に、同等の材料の選定が困難である場合には、特許文献2のように薄板と支持基板とを接合する接着剤に、薄板と同等な線膨張係数を有する材料を選定する。
【0025】
薄板1と支持基板5との接合には、接着層4として、エポキシ系接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化性接着剤、半田ガラス、熱硬化性、光硬化性あるいは光増粘性の樹脂接着剤シートなど、種々の接着材料を使用することが可能である。接着層4の屈折率は、薄板1の屈折率、特に光導波路2の屈折率より低くすることが、光導波路2の伝搬損失を抑制する上では好ましい。
【0026】
本発明に係る光導波路素子の特徴は、図1に示すように、薄板1の支持基板5に接着固定された面上(図1の薄板1の下側の面)に、該薄板及び該接着剤より屈折率の高い膜(高屈折率膜)6が、該光導波路2の少なくとも一部に接して又は近接して装荷されていることである。
【0027】
高屈折率膜の形状や材料には、光導波路素子の機能・特性に応じて、種々のものを用いることが可能であり、以下では、高屈折率膜を用いた実施例について説明する。
図2は、本発明の光導波路素子に係る実施例1を示す断面図であり、図1の一点鎖線Aにおける光導波路素子の断面形状の一例を示すものである。
薄板1の下面には、高屈折率膜6を所定の周期(距離s)で離間して形成したものである。このような高屈折率膜の形態により、高屈折率膜は、光導導波路2に対して回折格子として機能し、当該光導波路素子は波長フィルタとして動作することが可能となる。
【0028】
選択する波長λは、λ=2ns/m(nは光波の実効屈折率,sは高屈折率膜の配列周期、mは自然数である。)の関係で決定される。また、電極3が印加する電界の強さを変化させることにより、選択される波長を変化させることが可能であり、この場合には、光導波路素子は可変波長フィルタとして機能する。
また、光導波路2は、薄板1の裏面に形成し、高屈折率膜と直接接触するように構成することで、光導波路2と高屈折率膜6との相互作用を強化することが可能となる。また、必要に応じ、薄板1の裏面に形成した光導波路2と高屈折率膜6との間に薄いバッファ層を形成することも可能である。
【0029】
なお、薄板1の厚みを20μm以下、特に10μm以下に設定した場合には、光導波路2を伝搬する光波のモード径は、ほぼ薄板1の厚みと等しくなっている。このため、薄板1の表面又は裏面のいずれに光導波路を形成しても、制御電極3や高屈折率膜6の光導波路内を伝搬する光波に与える影響は、同程度のものとなる。
【0030】
図3は、本発明の光導波路素子に係る実施例2を示す断面図であり、図1の一点鎖線Aにおける光導波路素子の断面形状の一例を示すものである。
高屈折率膜6を光導波路2の一部に接して又は近接して配置し、光導波路2を伝搬する光波10の一部を、点線12で示したように光導波路素子の外部に導出する。光波の一部は外部に導出されるが、残りの光波11は引き続き光導波路を伝搬するため、該導出光12を光検出器13で検出することにより、光導波路素子内を伝搬している光波の状態が容易にモニタ・判別できる。
【0031】
図3における高屈折率膜6の形状としては、単に直方体のもの限定されず、例えば、不規則・不定形なものであっても、光導波路2の近傍に高屈折率膜が存在するため、伝搬する光波が乱れ、光波の一部が散乱光として放出されることとなる。
【0032】
光検出器13で検出した結果に応じて、制御電極3に印加する電圧や電流が制御回路により制御され、結果として、光導波路素子内を伝搬する光の強度、波面又は位相が所定の状態に維持されることとなる。
【0033】
図4は、本発明の光導波路素子に係る実施例3を示す。
図4では、薄板1の面上に形成された高屈折率膜の様子を明確に示すため、光導波路素子を構成する支持基板5及び接着層4は省略して示されている。なお、接着層及び支持基板は、図4で示した薄板1の上側に配置されることとなる。
薄板1の一方の面には光導波路2が形成され、他方の面には制御電極3が形成されている。光導波路2に接触してストリップライン状の高屈折率膜6が、図4のような形状で形成されている。高屈折率膜6は、光導波路2に沿ってテーパー上に厚くなり、途中から光導波路2から離れるように曲げられている。
【0034】
このような高屈折率膜6を設けることにより、光導波路2に入射する光波20の一部は、光導波路2から高屈折率膜6へと移動し、高屈折率膜6の他端より導出光22として光導波路素子の外部に放出されることとなる。高屈折率膜6の周囲には接着層である低屈折率材料が充填されているため、高屈折率膜6をコアとする光導波路が形成されることとなる。
該導出光22は、上述したように光検出器13により検出され、光導波路素子の状態をモニタすることなどに利用される。高屈折率膜に導出されなかった残りの光波は、引き続き光導波路2を伝搬し、光導波路素子に出力光21として出力される。
【0035】
図5は、本発明の光導波路素子に係る実施例4を示す。
図5では、薄板1の面上に形成された高屈折率膜の様子を明確に示すため、光導波路素子を構成する電極3、支持基板5及び接着層4は省略して示されている。なお、接着層及び支持基板は、図4で示した薄板1の上側に配置され、電極は薄板1の下側に配置されることとなる。
【0036】
薄板1には、2つのマッハツェンダー型光導波路2−1,2−2が形成されている。ただし、光導波路2−1と光導波路2−2とは連続して接続されていない。
薄板1の面上には、光導波路2−1及び2−2に接触してストリップライン状の高屈折率膜6が、図5のような形状で形成されている。高屈折率膜6は、光導波路2−1及び2−2に沿ってテーパー上に厚くなり、光導波路2−1と2−2とを接続するように曲げられている。
【0037】
このような高屈折率膜6を設けることにより、光導波路2−1に入射する光波30は、光導波路2−1の終端部で、光導波路2−1から高屈折率膜6へと移動し、高屈折率膜6の他端より光導波路2−2に導入されることとなる。光導波路2−2に導入された光波は、当該光導波路素子の出力光31として光導波路素子の外部に出力されることとなる。
【0038】
光導波路2−1(又は2−2)より、高屈折率膜6の屈折率は高く、しかも、光導波路2−1を取り囲む薄板1の屈折率より、高屈折率膜6を取り囲む接着層の屈折率の方が低いため、光導波路2−1の終端部を曲げて光導波路2−2に接続するよりも、高屈折率膜6で接続する方が、より小さな曲率で両者を接続することが可能となる。図5に示すような構成により、光変調器などを集積化した光集積回路を、よりコンパクト化することが可能となる。
【0039】
上述したような高屈折率膜6としては、Nb,TiO,Ta,As,Siなどの半導体などが好適に利用でき、高屈折率膜6の形成に際しては、反応性RFスパッタリング法が利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上説明したように、本発明によれば、光導波路素子の多機能化や高機能化を実現でき、しかも製品の生産性を改善し、さらには光導波路素子の動作特性の劣化を抑制することが可能な光導波路素子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の光導波路素子の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の光導波路素子に係る実施例1を示す断面図である。
【図3】本発明の光導波路素子に係る実施例2を示す断面図である。
【図4】本発明の光導波路素子に係る実施例3を示す斜視図である。
【図5】本発明の光導波路素子に係る実施例4を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1 薄板
2 光導波路
3 変調電極
4 接着層
5 支持基板
6 高屈折率膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚みが20μm以下の薄板と、該薄板に少なくとも一つの光導波路が形成された光導波路素子において、
該薄板が支持基板に接着剤を介して接着固定されており、
該薄板の該支持基板に接着固定された面上に、該薄板及び該接着剤より屈折率の高い膜が、該光導波路の少なくとも一部に接して又は近接して装荷されていることを特徴とする光導波路素子。
【請求項2】
請求項1に記載の光導波路素子において、該薄板が、非線形光学効果又は電気光学効果を有する材料で形成されていることを特徴とする光導波路素子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光導波路素子において、該薄板の支持基板に接着固定されていない面上に、該光導波路を伝搬する光の強度、波面、又は位相を制御するための電極又はヒーターを形成することを特徴とする光導波路素子。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の光導波路素子において、該屈折率の高い膜が、該光導波路の導波方向に対して周期的に離間して形成されていることを特徴とする光導波路素子。
【請求項5】
請求項3に記載の光導波路素子において、
該屈折率の高い膜が形成された該光導波路からの散乱光、又は該屈折率の高い膜により該光導波路を伝搬する光の一部を導出した導出光のいずれかを検出する光検出手段と、
該光検出手段により検出された光量に基づいて、該電極に印加する電圧又は電流を制御する制御手段とを有し、
該光導波路を伝搬する光の強度、波面、又は位相を制御することを特徴とする光導波路素子。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれかに記載の光導波路素子において、該屈折率の高い膜が、ストリップライン状に形成されていることを特徴とする光導波路素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−264488(P2007−264488A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−92293(P2006−92293)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000183266)住友大阪セメント株式会社 (1,342)
【Fターム(参考)】