説明

光電変換装置

【課題】 多数個の結晶シリコン粒子を導電性基板上に変換効率が高く高性能で高信頼性の光電変換装置を提供すること。
【解決手段】 光電変換装置は、導電性基板107の一主面に多数個の結晶シリコン粒子101が接合され、結晶シリコン粒子101の隣接するもの同士の間に絶縁体109を介在させるとともに結晶シリコン粒子101の上部を絶縁体109から露出させて配置し、これら結晶シリコン粒子101に透光性導体層111が設けられた光電変換装置であって、結晶シリコン粒子101は、表面が研磨加工によって滑らかな面とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電等に使用される光電変換装置に関し、特に結晶シリコン粒子等の結晶半導体粒子を用いた光電変換装置、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池等の光電変換装置は、光電変換効率(以下、変換効率ともいう)等の性能面での効率の良さ、資源の有限性への配慮、及び製造コストの低さ等といった市場ニーズを捉えて開発が進められている。太陽電池の材料としては、シリコンの単結晶または多結晶の大きなバルクを切断して結晶シリコン基板を作製して用いている。しかしながら、この方法では切断ロスが多いため、省資源の点で問題がある。このことから、省資源の点で今後の市場において有望な光電変換装置の一つとして、結晶シリコン粒子を用いた光電変換装置がある。
【0003】
結晶シリコン粒子を作製するための原料としては、例えば単結晶シリコンを粉砕した結果として発生するシリコンの微小粒子や、流動床法で気相合成された高純度シリコン等が用いられている。これらの原料から結晶シリコン粒子を作製するには、それらの原料をサイズあるいは重量によって分別した後に、赤外線や高周波を用いて容器内で溶融し、その後に自由落下させる方法(例えば特許文献1,2参照)や、同じく高周波プラズマを用いる方法(例えば特許文献3参照)によって球状化する。
【特許文献1】国際公開第99/22048号パンフレット
【特許文献2】米国特許第4188177号明細書
【特許文献3】特開平5−78115号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、結晶シリコン粒子を用いた光電変換装置の光電変換特性は、結晶シリコン基板を用いた光電変換装置の光電変換特性より低いものしか得られていない。従って、単位出力当たりの材料コストや製造コストの総コスト(円/W)についてみると、結晶シリコン粒子を用いた光電変換装置は、結晶シリコン基板を用いた光電変換装置と比較して、必ずしも有効なものであるとはいえない状況にある。
【0005】
また、結晶シリコン粒子を製造する方法として、シリコン原料を容器内で溶融し、容器のノズル部から自由落下させて液滴状に固化させる方法、いわゆるジェット法(溶融落下法)があるが、この方法で粒状の結晶シリコン粒子を製造すると、以下のような問題が生じる。
【0006】
即ち、溶融した液滴状のシリコン粒子は表面から内部に向かって冷却され固化するが、表面が固化し内部が溶融状態である状態では内部が体積膨張するため、その一部が表面から突出し、結晶シリコン粒子の表面に突起部が形成されることが多い。また、その突起部は、シリコン粒子の内部が固化する最終段階で形成され易いため、突起部に不純物が偏析し易くなる。
【0007】
また、ジェット法で製造した結晶シリコン粒子は、そのままでは完全な単結晶となっていないことが多いため、結晶シリコン粒子のほとんどを単結晶化して結晶品質を向上させるために、再溶融(リメルト)工程を実施することがある。このリメルト工程は、ジェット法で製造した多数の結晶シリコン粒子を、炉内の石英製等の台板上に載置し、結晶シリコン粒子が溶融する温度域(1415〜1450℃程度)まで昇温し、台板側(結晶シリコン粒子の下端側)から上方に向かって結晶シリコン粒子を固化させる工程である。この場合、結晶シリコン粒子の下端側から固化するため、上端に向かって不純物が偏析していき、最終的には上記した内部の体積膨張によって、結晶シリコン粒子の上端部に不純物が偏析した突起部が形成されることが多い。
【0008】
このように表面に突起部が形成された多数の結晶シリコン粒子を導電性基板上に配列して接合して光電変換装置を製造しようとすると、多数の結晶シリコン粒子の規則正しい配列がきわめて困難であり、また、例え治具等を用いて配列できたとしても多数の結晶シリコン粒子の高さが不揃いとなり、さらには、多数の結晶シリコン粒子の導電性基板に対する接合力や接合深さが不均一となるという問題があった。また、突起部が形成された多数の結晶シリコン粒子を用いて光電変換装置を製造できたとしても、突起部には高濃度の不純物が含まれること、及び多数の結晶シリコン粒子の導電性基板に対する接合力や接合深さが不均一であることから、変換効率が低下してしまうという問題があった。
【0009】
従って、本発明は上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、多数個の結晶シリコン粒子を導電性基板上に効率的に配置して均一の接合力や接合深さで接合することができ、また高濃度の不純物を含む突起部のない、変換効率が高く、高性能で、高信頼性の光電変換装置、及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の光電変換装置は、導電性基板の一主面に多数個の結晶シリコン粒子が接合され、前記結晶シリコン粒子の隣接するもの同士の間に絶縁体を介在させるとともに前記結晶シリコン粒子の上部を前記絶縁体から露出させて配置し、これら結晶シリコン粒子に透光性導体層が設けられた光電変換装置であって、前記結晶シリコン粒子は、表面が滑らかな研磨面とされていることを特徴とする。
【0011】
本発明の光電変換装置の製造方法は、坩堝のノズル部からシリコン融液を粒状に排出して落下させるとともに、この粒状のシリコン融液を落下中に冷却して凝固させることによって、不純物が偏析した突起部を表面に有する結晶シリコン粒子を製造し、次に前記結晶シリコン粒子の表面から前記突起部を研磨加工によって選択的に除去し、次に導電性基板の一主面に多数個の前記結晶シリコン粒子を接合して前記結晶シリコン粒子の隣接するもの同士の間に絶縁体を介在させるとともに前記結晶シリコン粒子の上部を前記絶縁体から露出させて配置し、次にこれら結晶シリコン粒子に透光性導体層を設けることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の光電変換装置の製造方法は、坩堝のノズル部からシリコン融液を粒状に排出して落下させるとともに、この粒状のシリコン融液を落下中に冷却して凝固させることによって結晶シリコン粒子を製造し、次に上面に前記結晶シリコン粒子を載置した台板を加熱炉内に導入し、前記結晶シリコン粒子を加熱して溶融させた後に降温して、溶融した前記結晶シリコン粒子を前記台板側から上方に向けて固化させて結晶化させることによって、前記結晶シリコン粒子の表面の上端部に不純物が偏析した突起部を形成し、次に前記結晶シリコン粒子の表面から前記突起部を研磨加工によって選択的に除去し、次に導電性基板の一主面に多数個の前記結晶シリコン粒子を接合して前記結晶シリコン粒子の隣接するもの同士の間に絶縁体を介在させるとともに前記結晶シリコン粒子の上部を前記絶縁体から露出させて配置し、次にこれら結晶シリコン粒子に透光性導体層を設けることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の光電変換装置の製造方法において好ましくは、前記結晶シリコン粒子の表面から前記突起部を研磨加工によって選択的に除去する際に、前記結晶シリコン粒子を下側基板の上面に載置するとともに前記結晶シリコン粒子の上端に下面が接するように上側基板を前記下側基板に対向配置し、前記下側基板を主面の面内で回転させるとともに前記下側基板に対して前記上側基板を逆回転方向に回転させることによって、前記結晶シリコン粒子の表面から前記突起部を選択的に除去することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の光電変換装置の製造方法において好ましくは、前記下側基板を主面の面内で回転させるとともに前記下側基板に対して前記上側基板を逆回転方向に回転させながら、前記上側基板を前記下側基板に対して横方向に揺動させることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の光電変換装置の製造方法において好ましくは、前記上側基板は、下面に前記結晶シリコン粒子に接して弾性変形する研磨布が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光電変換装置は、導電性基板の一主面に多数個の結晶シリコン粒子が接合され、結晶シリコン粒子の隣接するもの同士の間に絶縁体を介在させるとともに結晶シリコン粒子の上部を絶縁体から露出させて配置し、これら結晶シリコン粒子に透光性導体層が設けられた光電変換装置であって、結晶シリコン粒子は、表面が研磨加工によって滑らかな面とされていることにより、高濃度の不純物を含む突起部が表面にない結晶シリコン粒子となることから、多数個の結晶シリコン粒子を導電性基板上に効率的に配置して均一の接合力や接合深さで接合することができ、また製造工程において突起部に起因する結晶シリコン粒子の割れや欠けを無くすことができ、さらにリーク特性を抑え、高い変換効率を得ることができる。
【0017】
また、結晶シリコン粒子は、例えば、表面に形成された不純物が偏析した突起部を研磨加工によって選択的に除去されて、表面が滑らかな研磨面とされていることにより、突起部に偏析された不純物によるpn接合の劣化を防ぎ、その結果、高い変換効率を得ることができる。
【0018】
本発明の光電変換装置の製造方法は、坩堝のノズル部からシリコン融液を粒状に排出して落下させるとともに、この粒状のシリコン融液を落下中に冷却して凝固させることによって、不純物が偏析した突起部を表面に有する結晶シリコン粒子を製造し、次に結晶シリコン粒子の表面から突起部を研磨加工によって選択的に除去し、次に導電性基板の一主面に多数個の結晶シリコン粒子を接合して結晶シリコン粒子の隣接するもの同士の間に絶縁体を介在させるとともに結晶シリコン粒子の上部を絶縁体から露出させて配置し、次にこれら結晶シリコン粒子に透光性導体層を設けることにより、結晶シリコン粒子の表面に形成されるpn接合部が、異常に偏析された不純物を含む突起部を除去した後に形成されるので、結晶シリコン粒子が割れや欠け等の機械的な損壊を受けず、また高い変換効率を得ることができる。
【0019】
本発明の光電変換装置の製造方法は、坩堝のノズル部からシリコン融液を粒状に排出して落下させるとともに、この粒状のシリコン融液を落下中に冷却して凝固させることによって結晶シリコン粒子を製造し、次に上面に結晶シリコン粒子を載置した台板を加熱炉内に導入し、結晶シリコン粒子を加熱して溶融させた後に降温して、溶融した結晶シリコン粒子を台板側から上方に向けて固化させて結晶化させることによって、結晶シリコン粒子の表面の上端部に不純物が偏析した突起部を形成し、次に結晶シリコン粒子の表面から突起部を研磨加工によって選択的に除去し、次に導電性基板の一主面に多数個の結晶シリコン粒子を接合して結晶シリコン粒子の隣接するもの同士の間に絶縁体を介在させるとともに結晶シリコン粒子の上部を絶縁体から露出させて配置し、次にこれら結晶シリコン粒子に透光性導体層を設けることにより、結晶シリコン粒子の再溶融(リメルト)によって結晶品質が高い結晶シリコン粒子が得られるとともに、再溶融により結晶シリコン粒子が一方向に固化するので不純物濃度が高い突起部が形成され、この不純物濃度が高い突起部を除去することにより、pn接合部でのリークを大幅に抑制して、より高い変換効率を得ることができる。
【0020】
本発明の光電変換装置の製造方法は好ましくは、結晶シリコン粒子の表面から突起部を研磨加工によって選択的に除去する際に、結晶シリコン粒子を下側基板の上面に載置するとともに結晶シリコン粒子の上端に下面が接するように上側基板を下側基板に対向配置し、下側基板を主面の面内で回転させるとともに下側基板に対して上側基板を逆回転方向に回転させることによって、結晶シリコン粒子の表面から突起部を選択的に除去することにより、結晶シリコン粒子の表面から突起部のみを選択的かつ効率的に除去することができる。
【0021】
本発明の光電変換装置の製造方法は好ましくは、下側基板を主面の面内で回転させるとともに下側基板に対して上側基板を逆回転方向に回転させながら、上側基板を下側基板に対して横方向に揺動させることから、結晶シリコン粒子を楕円体球にせずにきれいな真球となるように研磨することができる。その結果、光電変換装置を製造する際に、多数個の結晶シリコン粒子を導電性基板上に効率的に配置して均一の高さ、接合力、接合深さで接合することができ、高い信頼性及び高変換効率を有する光電変換装置を製造することができる。
【0022】
本発明の光電変換装置の製造方法において好ましくは、上側基板は、下面に結晶シリコン粒子に接して弾性変形する研磨布が設けられていることにより、突起部が下側基板上で滑らず、有効に研磨されるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の光電変換装置の実施の形態について図を参照にしつつ以下に詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の光電変換装置の実施の形態の一例を示す断面図である。図2は、光電変換装置の実施の形態の他例を示す断面図である。
【0025】
本発明の光電変換装置は、導電性基板107の一主面に多数個の結晶シリコン粒子101が接合され、結晶シリコン粒子101の隣接するもの同士の間に絶縁体109を介在させるとともに結晶シリコン粒子101の上部を絶縁体109から露出させて配置し、これら結晶シリコン粒子101に透光性導体層111が設けられた光電変換装置であって、結晶シリコン粒子101は、表面が滑らかな研磨面とされている構成である。また、第1導電型(例えばp型)の結晶シリコン粒子101は、表面に第2導電型(例えばn型)の半導体部(半導体層)110が熱拡散法等により形成されており、この結晶シリコン粒子101上に透光性導体層111が設けられている。
【0026】
なお、結晶シリコン粒子101の表面が滑らかな研磨面とされていることは、JIS B 0621(幾何偏差の定義及び表示)やJIS B 1501(真球度;鋼球の表面に接する最小球面と鋼球表面の各点との半径方向の最大の値)に従って特定することができる。球から突出した個所があればその長さが真球度の数字となり、例えば突起の研磨の基準として球径の10%以下とすることができる。
【0027】
本発明の結晶シリコン粒子101は、シリコン原料全体を石英製坩堝内で溶融させ、シリコン融液の液面をアルゴンガスなどで加圧して、坩堝の下端部に形成されたノズル部のノズル孔から押し出すことにより、多数のシリコン融液の液滴を噴出させ自由落下中に凝固させて、単結晶または多結晶の結晶シリコン粒子となって容器に収容されたもの、いわゆるジェット法によって製造されたものを用いている。このとき、結晶シリコン粒子は過冷却状態から急速に凝固する際に、液滴の表面から凝固が始まり、内部のシリコン融液が固化するときにシリコンが体積膨張するため、結晶シリコン粒子の表面の固体部分の殻を破り、突起部(以下、突起部jともいう)が形成される。この突起部jは、長さが数十μmから数百μmのものまである。この突起部jは、結晶シリコン粒子において最後に固化するため、偏析効果により金属などの不純物の濃度が高くなり、突起部jの結晶品質はよくない。なお、突起部jに含まれる不純物の濃度は、その断面をDashエッチング液(HF:HNO:CHCOOH=1:1:10(容積比))によりエッチングして表面のエッチピットを観察することにより、確認することができる。
【0028】
次に、結晶シリコン粒子の結晶品質を向上させるために、即ち結晶シリコン粒子をほとんど単結晶化するために、再溶融工程を実施することができる。この場合、突起部jは研磨加工によって除去することがよい。再溶融工程は、結晶シリコン粒子を石英製等の台板上に載置して、溶融炉を通すことによって単結晶化させる工程であり、このとき溶融した結晶シリコン粒子が凝固する際に台板側(結晶シリコン粒子の下端側)から上方向に向かってゆっくりと凝固するため、最後に固まる上端部に小さな突起部(以下、突起部rともいう)が形成される。ジェット法による製造時の凝固による不純物ゲッタリングにもかかわらず、再溶融工程において形成される突起部rは、未だ高濃度の不純物が残存していることが多い。なお、突起部rに含まれる高濃度の不純物は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy)分析によって確認することができる。
【0029】
従来の結晶シリコン粒子を用いた光電変換装置は、突起部jや突起部rが残存したままの結晶シリコン粒子を用いているため、多結晶バルクから切り出したウエハを用いたシリコン基板型(バルク型)の光電変換装置に比べて、リーク電流(pn接合の欠陥による光電変換装置の並列抵抗を流れるために漏洩する電流)が大きく、バルク型の光電変換装置に匹敵する変換効率を得ることはできなかった。結晶シリコン粒子のpn接合部に悪影響を及ぼすリーク個所を特定していくと、突起部jや突起部rが破損することにより、pn接合部が崩れていたり、突起部jや突起部rが破損していなくても突起部jや突起部rに偏析した不純物によりpn接合部内部にリークが発生していることがわかった。
【0030】
これを回避するためには、結晶シリコン粒子の表面の全面を研磨するような研磨加工を実施すればよいが、その場合、時間的及び経費的に大きなロスが発生し、効率的及び低コストに突起部jや突起部rを除去することは困難であった。
【0031】
また、結晶シリコン粒子101の平均粒径は、太陽電池等を構成するために使用されるため、1mm以上の大きさでは、例えば200μm厚みのバルク型の太陽電池と比較して、シリコン原料の大幅な節約とはならない。即ち、100mm角の200μm厚みの多結晶シリコン基板におけるシリコンの重量は4.66gであるのに対して、直径1mmの結晶シリコン粒子を100mm角のアルミニウム基板上に最密構造で配設した場合のシリコンの重量は5.23gとなり、200μm厚みの多結晶シリコン基板よりもシリコンの量が多くなってしまう。また、多結晶シリコン基板の場合、シリコンの塊(インゴット)からウエハ状に切断するための切断ロスがあるので、必要なシリコン原料は4.66gの約1.5倍の約7gが必要であるが、結晶シリコン粒子の平均粒径が1mm以上では、結晶シリコン粒子を用いることによるシリコン量の大幅な節約とはならない。よって、結晶シリコン粒子の平均粒径は500μm以下が好ましい。
【0032】
従って、結晶シリコン粒子の粒径が小さいため、大量の結晶シリコン粒子を精度よく簡便に研磨して突起部jや突起部rを除去する技術が必要となり、本発明は、結晶シリコン粒子の表面の全面を研磨せずとも突起部jや突起部rを重点的に研磨し除去することができるものである。
【0033】
即ち、本発明の第1の発明による光電変換装置の製造方法は、坩堝のノズル部からシリコン融液を粒状に排出して落下させるとともに、この粒状のシリコン融液を落下中に冷却して凝固させることによって、不純物が偏析した突起部jを表面に有する結晶シリコン粒子を製造し、次に結晶シリコン粒子の表面から突起部jを研磨加工によって選択的に除去し、次に導電性基板107の一主面に多数個の結晶シリコン粒子101を接合して結晶シリコン粒子101の隣接するもの同士の間に絶縁体109を介在させるとともに結晶シリコン粒子101の上部を絶縁体109から露出させて配置し、次にこれら結晶シリコン粒子101に透光性導体層111を設ける構成である。
【0034】
この製造方法は、ジェット法によって製造された結晶シリコン粒子の結晶品質がそのままで良好な場合等に適用するものであり、例えば粒状のシリコン融液の落下中に一旦凝固して形成されたシリコン粒子を、落下経路において再溶融等して結晶品質を向上させた場合等に適用できる。落下経路において再溶融するには、シリコン粒子を磁場や気流によって浮遊させた状態で行うことができる。
【0035】
また、本発明の第2の発明による光電変換装置の製造方法は、坩堝のノズル部からシリコン融液を粒状に排出して落下させるとともに、この粒状のシリコン融液を落下中に冷却して凝固させることによって結晶シリコン粒子を製造し、次に上面に結晶シリコン粒子を載置した台板を加熱炉内に導入し、結晶シリコン粒子を加熱して溶融させた後に降温して、溶融した結晶シリコン粒子を台板側から上方に向けて固化させて結晶化させることによって、結晶シリコン粒子の表面の上端部に不純物が偏析した突起部rを形成し、次に結晶シリコン粒子の表面から突起部rを研磨加工によって選択的に除去し、次に導電性基板107の一主面に多数個の結晶シリコン粒子101を接合して結晶シリコン粒子101の隣接するもの同士の間に絶縁体109を介在させるとともに結晶シリコン粒子101の上部を絶縁体109から露出させて配置し、次にこれら結晶シリコン粒子101に透光性導体層111を設ける構成である。
【0036】
この製造方法は、ジェット法によって製造された結晶シリコン粒子の結晶品質がそのままでは良好とはいえない場合等に適用するものであり、別途結晶シリコン粒子の再溶融工程を実施するものである。この場合、ジェット法によって製造された結晶シリコン粒子に形成された突起部jは、本発明の研磨加工によって予め除去しておくことが好ましい。
【0037】
本発明の光電変換装置の製造方法における好ましい研磨加工は、結晶シリコン粒子の表面から突起部を研磨加工によって選択的に除去する際に、結晶シリコン粒子を下側基板の上面に載置するとともに結晶シリコン粒子の上端に下面が接するように上側基板を下側基板に対向配置し、下側基板を主面の面内で回転させるとともに下側基板に対して上側基板を逆回転方向に回転させるものである。また、より好ましくは、下側基板を主面の面内で回転させるとともに下側基板に対して上側基板を逆回転方向に回転させながら、上側基板を下側基板に対して横方向に揺動させるものである。さらに好ましくは、上側基板は、下面に結晶シリコン粒子に接して弾性変形する研磨布が設けられているものである。
【0038】
本発明の研磨加工方法の構成の概略を図1に示す。この研磨加工方法は、研磨砥石からなる下側基板102と研磨砥石からなる上側基板103がお互い逆回転方向に回転し、両基板間に配置された結晶シリコン粒子101が両基板間で回転しながら研磨される。結晶シリコン粒子101に対する荷重を大きくして長時間研磨しなくとも、突起部105を荷重を軽くして短時間で除去することができる。
【0039】
この場合、例えば、下側基板102の回転速度を10〜20rpm.とし、上側基板103の回転速度を3〜10rpm.とすることがよい。これらの基板の研磨の相対的な回転速度が上記範囲よりも小さいと、結晶シリコン粒子101に回転しないものがでてくることとなり、上記範囲よりも大きいと、結晶シリコン粒子101を研磨布でしっかりと保持できないためすべりが発生する。
【0040】
結晶シリコン粒子101に対する荷重は、研磨布の厚みや硬さに依存するが、0.1N/cm程度がよく、それよりも小さすぎると突起部が研磨除去されず、大きすぎると結晶シリコン粒子101が俵状に研磨されることとなる。
【0041】
また、研磨加工にかかる時間は10分程度の時間である。
【0042】
また、下側基板102を主面の面内で回転させるとともに下側基板102に対して上側基板103を逆回転方向に回転させながら、上側基板103を下側基板102に対して横方向に揺動させる場合には、真球度が高まり、楕円体球に研磨されることを防ぐことができる。この場合、上側基板103の横方向の揺動(往復運動)は、その主面の面内で主面に平行な一方向において行うが、揺動の振幅は5cm程度、揺動の振動数は4Hz程度がよい。
【0043】
また、上側基板103は、下面に結晶シリコン粒子101に接して弾性変形する研磨布が設けられている場合には、結晶シリコン粒子101の一部を研磨布によって包み込みつつ回転させることにより、結晶シリコン粒子101を滑りを防止して回転させることができ、その結果、結晶シリコン粒子101から速やかに突起部105のみを除去できる。
【0044】
結晶シリコン粒子101に接して弾性変形する研磨布は、硬質スポンジ等の材料からなり、その厚みは1〜2mm程度である。
【0045】
なお、粒径が600μm程度と大きい結晶シリコン粒子101の場合、そのほぼ全面が研磨加工されるが、突起部105を選択的かつ効率的に研磨除去できることに変わりはない。
【0046】
結晶シリコン粒子101から突起部105を除去した後に、結晶シリコン粒子101の表面に形成された微小なクラックを除去するために、結晶シリコン粒子101の表面をフッ硝酸によりエッチングする。その後、結晶シリコン粒子101の表面に第2導電型(n型)の半導体層110を形成するには、結晶シリコン粒子101の導電性基板107への接合に先立って、熱拡散法により形成する。n型のドーパントとしては、V族のP,As,Sb、III族のB,Al,Ga等を用い、石英からなる拡散炉にドーパントを導入しながら結晶シリコン粒子101の表面に第2導電型の半導体層110を形成する。本発明においては、拡散されてn型となるV族のPを加熱した石英管に導入する熱拡散法が好適であるが、結晶シリコン粒子101をアルミニウムを含む導電性基板107上に接合した後に、結晶シリコン粒子101上に、半導体層110としてn型の非晶質シリコン層を積層してもよい。
【0047】
導電性基板107としては、アルミニウム等からなる金属基板、またはガラス,セラミック等からなる絶縁性基板等の基板の少なくとも表面に導電層(金属層)を形成したものが良い。基板表面に導電層を形成する場合にその導電層としては、好ましくは、銀,アルミニウム,銅,錫等の金属からなるものがよい。より好ましくは、少なくとも表面がアルミニウム層となっている基板がよい。
【0048】
なお、以下、導電性基板107がアルミニウム基板である場合について説明する。
【0049】
そして、導電性基板107の一主面に結晶シリコン粒子101を接合するに際して、接合部においてアルミニウムとシリコンの共晶の形成を促進させるように、結晶シリコン粒子101の上に荷重をかけて導電性基板107に押し付けながら、Al−Siの共晶温度577℃以上の温度で、窒素あるいは窒素水素の還元雰囲気の接合加熱炉内を通過させることで接合する。このとき、アルミニウム基板と結晶シリコン粒子101との界面には、Al−Si共晶の接合層108が形成される。この接合層108が形成されることにより、結晶シリコン粒子101とアルミニウム基板との接合強度を強いものとすることができる。
【0050】
このとき、導電性基板107の一主面への結晶シリコン粒子101の接合に先立ち、板状の治具の主面に結晶シリコン粒子101の接合位置に対応する多数の凸部を形成しておき、それらの凸部にアルミニウム−シリコン共晶粉を含むペーストを塗布し、導電性基板107の一主面の結晶シリコン粒子101の位置する箇所に、上記凸部のペーストを塗布印刷しておいてもよい。そして、結晶シリコン粒子101をアルミニウム−シリコン共晶粉のペーストに押し付けることにより、結晶シリコン粒子101の下部のみが共晶点近くで先に溶融し、アルミニウム−シリコン共晶化が開始され、アルミニウム−シリコン共晶からなる接合層108の形成領域が結晶シリコン粒子101の直下及びその近傍周囲に限定されることとなる。
【0051】
次に、結晶シリコン粒子101の隣接するもの同士の間に介在するように、導電性基板107上に透光性を有する絶縁体109を、結晶シリコン粒子101間にムラ無くコーティングする。絶縁体109は、正極と負極の分離を行うための絶縁材料からなり、例えばポリイミドを主成分とする。この絶縁材料としては他に、酸化珪素(SiO),酸化アルミニウム(Al),酸化鉛(PbO),酸化硼素(B),酸化亜鉛(ZnO)等を任意成分として含むガラスも選択可能であるが、ポリイミドは、処理温度を低く抑えることができ、弾性係数も小さく、導電性基板107と絶縁体109との熱膨張差を吸収するので、好ましい。
【0052】
また、絶縁体109は、少なくとも結晶シリコン粒子101の上部を露出させるように形成されることにより、結晶シリコン粒子101上部に形成される透光性導体層111と結晶シリコン粒子101との有効な電気的接触を可能とする。
【0053】
さらに、結晶シリコン粒子101及び絶縁体109の上に透光性導体層111を形成し、それぞれの結晶シリコン粒子101で発生した光電流を、透光性導体層111で集電できるようにする。この透光性導体層111は、錫ドープ酸化インジウム層、酸化スズ層、酸化亜鉛層等からなり、厚みを850Å程度に制御することで反射防止効果を有するようにできる。
【0054】
透光性導体層111は、量産に適した信頼性の高い膜質を得るには、スパッタリング法で形成するのが通常であるが、CVD法、ディップ法、電析法等により形成することでもできる。透光性導体層111は、第2導電型の半導体層110上に上部電極として形成されるとともに絶縁体109上にも形成され、個々の結晶シリコン粒子101から構成される光電変換素子を並列に接続することができる。
【0055】
その後、透光性導体層111とグリット電極(集電極)112との間の直列抵抗値を低くするために、透光性導体層111上に銀ペースト等をくし状に塗布してグリット電極(集電極)とすることにより、光電変換素子が得られる。このようにして、導電性基板107を一方の電極にし、透光性導体層111をもう一方の電極とすることにより、多数の結晶シリコン粒子101(多数の光電変換素子)から構成される太陽電池等としての光電変換装置が得られる。
【0056】
以上より、上記の本発明の光電変換装置は、光電変換特性を低下せしめていた結晶シリコン粒子表面の突起部を選択的に低コストで研磨除去することにより、高い変換効率を得ることができる。
【実施例】
【0057】
本発明の光電変換装置の実施例を以下に説明する。
【0058】
ArガスまたはHeガスの不活性雰囲気中で、坩堝にシリコン原料を充填して昇温し溶解したシリコンの融液を、坩堝の下端部に形成されたノズル部のノズル孔より噴出させて固化させる方法、いわゆるジェット法(溶融落下法)により、球状のp型の結晶シリコン粒子を作製した。なお、p型のドーパントとして、結晶シリコン粒子にホウ素を含有させた。なお、球径は300μmのものを用いた。
【0059】
次に、結晶シリコン粒子を単結晶化させるために、再溶融工程(リメルト工程)を実施した。即ち、石英製の台板上に結晶シリコン粒子を載置し、結晶シリコン粒子が溶融する溶融温度程度(1415℃)まで昇温し、台板側からゆっくりと結晶シリコン粒子の上方に向かって降温することで結晶性を高めた。このリメルト工程において、溶融された結晶シリコン粒子が固化するときに、一部の結晶シリコン粒子においてその表面が先行して固まり、溶融していた内部が固化するときに体積膨張するために、長さ70μm程度の突起部が形成された。
【0060】
次に、表面に突起部が形成された結晶シリコン粒子を、#600の研磨砥石からなる下側基板と、硬質スポンジからなる厚み1.1mm、#6000の研磨布を下面に装着した上側基板との間に挟みこみ、研磨材は供給せず、0.05N/cmの加圧だけで回転及び横方向の揺動で研磨することにより、殆ど突起部のみを研磨除去し、結晶シリコン粒子の表面が大きく研磨されないようにした。結晶シリコン粒子の表面が研磨面となっていることは、JIS B 0621に従って測定したところ、表面の算術平均粗さRaが10μm以下となっていたことから、判別できた。また、JIS B 1501に従って測定したところ、真球度は30μm以下となっていることを確認した。
【0061】
この後、フッ硝酸を用いて、結晶シリコン粒子の表面から20μmの深さの部分をエッチングして、若干の研磨キズを除いた。
【0062】
このとき、下側基板の回転速度を15rpm.、上側基板の回転速度(下側基板に対して逆回転方向)を5rpm.、上側基板の横方向の揺動の振幅を5cm、振動数を4Hz、研磨時間を約10分とした。また、硬質スポンジからなる研磨布は、その材質からして結晶シリコン粒子に接して弾性変形するものであった。
【0063】
次に、この結晶シリコン粒子を石英ボートに載せて加熱することにより、結晶シリコン粒子の表層にリン不純物を熱拡散させ、結晶シリコン粒子の表層に約1μmの厚さのn型の半導体層(n型の半導体部)を形成した。
【0064】
次に、導電性基板として、厚み300μmの高純度(純度99.9重量%)のアルミニウム基板を用い、その一主面上に上記結晶シリコン粒子を多数載置した。
【0065】
次に、多数の結晶シリコン粒子を載置したアルミニウム基板を、窒素ガス及び水素ガスからなる還元雰囲気を用いた加圧型の接合加熱炉中に設置し、アルミニウム基板上の結晶シリコン粒子上に載置した加圧ブロックを、アルミニウム−シリコンの共晶温度以上の600℃に加熱しつつ加圧した。このとき、アルミニウム基板の一主面の結晶シリコン粒子が載置される個所に予め塗布しておいたアルミニウム−シリコン共晶粉末が溶融し、アルミニウム基板と結晶シリコン粒子との間に共晶部(接合部)が形成され、結晶シリコン粒子をアルミニウム基板上に強固に接合した。これにより、結晶シリコン粒子はアルミニウム基板に、充分な接着強度を有する電気的にオーミックな接合部によって接合された。
【0066】
次に、結晶シリコン粒子が配設された導電性基板上に、結晶シリコン粒子の間にポリイミド樹脂からなる絶縁体を約100μmの厚みになるように塗布し、窒素雰囲気中200℃で30分乾燥させた後、350℃で1時間焼成し、絶縁体の層を形成した。
【0067】
これらの結晶シリコン粒子上の全面に、透光性導体層としてのITO膜を、スパッタリング法により、アルミニウム基板の温度を190℃として、85nmの厚みで形成した。
【0068】
最後に、透光性導電層上に、銀ペーストをディスペンサーでグリッド状にパターン形成して、大気中250℃で焼成することにより、上部電極としてのフィンガー電極及びバスバー電極を形成し、光電変換装置を作製した。
【0069】
この光電変換装置について、電気特性をAM1.5のソーラーシミュレーターで評価した結果、15.1%の変換効率を得ることができた。
【0070】
[比較例]
結晶シリコン粒子に研磨を施すことなく、その他の工程は上記実施例1と同様の方法で製造した光電変換装置について、電気特性をAM1.5のソーラーシミュレーターで評価した結果、13.1%の変換効率しか得られなかった。結晶シリコン粒子に形成された不純物が偏析した突起部に起因するリークが原因と考えられる曲線因子の低下が、その主な理由であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の光電変換装置の製造方法について実施の形態の一例を示し、研磨工程に用いる研磨装置の模式的な断面図である。
【図2】本発明の光電変換装置について実施の形態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0072】
101:結晶シリコン粒子
102:下側基板
103:上側基板
104:研磨布
105:突起部
107:導電性基板
108:接合層
109:絶縁体
110:第2導電型の半導体層
111:透光性導体層
112:上部電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性基板の一主面に多数個の結晶シリコン粒子が接合され、前記結晶シリコン粒子の隣接するもの同士の間に絶縁体を介在させるとともに前記結晶シリコン粒子の上部を前記絶縁体から露出させて配置し、これら結晶シリコン粒子に透光性導体層が設けられた光電変換装置であって、前記結晶シリコン粒子は、表面が滑らかな研磨面とされていることを特徴とする光電変換装置。
【請求項2】
坩堝のノズル部からシリコン融液を粒状に排出して落下させるとともに、この粒状のシリコン融液を落下中に冷却して凝固させることによって、不純物が偏析した突起部を表面に有する結晶シリコン粒子を製造し、次に前記結晶シリコン粒子の表面から前記突起部を研磨加工によって選択的に除去し、次に導電性基板の一主面に多数個の前記結晶シリコン粒子を接合して前記結晶シリコン粒子の隣接するもの同士の間に絶縁体を介在させるとともに前記結晶シリコン粒子の上部を前記絶縁体から露出させて配置し、次にこれら結晶シリコン粒子に透光性導体層を設けることを特徴とする光電変換装置の製造方法。
【請求項3】
坩堝のノズル部からシリコン融液を粒状に排出して落下させるとともに、この粒状のシリコン融液を落下中に冷却して凝固させることによって結晶シリコン粒子を製造し、次に上面に前記結晶シリコン粒子を載置した台板を加熱炉内に導入し、前記結晶シリコン粒子を加熱して溶融させた後に降温して、溶融した前記結晶シリコン粒子を前記台板側から上方に向けて固化させて結晶化させることによって、前記結晶シリコン粒子の表面の上端部に不純物が偏析した突起部を形成し、次に前記結晶シリコン粒子の表面から前記突起部を研磨加工によって選択的に除去し、次に導電性基板の一主面に多数個の前記結晶シリコン粒子を接合して前記結晶シリコン粒子の隣接するもの同士の間に絶縁体を介在させるとともに前記結晶シリコン粒子の上部を前記絶縁体から露出させて配置し、次にこれら結晶シリコン粒子に透光性導体層を設けることを特徴とする光電変換装置の製造方法。
【請求項4】
前記結晶シリコン粒子の表面から前記突起部を研磨加工によって選択的に除去する際に、前記結晶シリコン粒子を下側基板の上面に載置するとともに前記結晶シリコン粒子の上端に下面が接するように上側基板を前記下側基板に対向配置し、前記下側基板を主面の面内で回転させるとともに前記下側基板に対して前記上側基板を逆回転方向に回転させることによって、前記結晶シリコン粒子の表面から前記突起部を選択的に除去することを特徴とする請求項2または3記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項5】
前記下側基板を主面の面内で回転させるとともに前記下側基板に対して前記上側基板を逆回転方向に回転させながら、前記上側基板を前記下側基板に対して横方向に揺動させることを特徴とする請求項4記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項6】
前記上側基板は、下面に前記結晶シリコン粒子に接して弾性変形する研磨布が設けられていることを特徴とする請求項4または5記載の光電変換装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−281328(P2007−281328A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108382(P2006−108382)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】